JP2004156464A - 内燃機関の圧縮比制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関は、複リンク式ピストン−クランク機構を利用した圧縮比可変機構を備え、ターボ過給機とインタークーラとを備える。インタークーラの出口に、吸気温度センサを設け、インタークーラ出口温度ICTempを検出する。アクセルペダル開度APOが急増する加速を検出したら、インタークーラ出口温度ICTempと定常時の吸気温度との差に基づいて、圧縮比補正量を求め、目標圧縮比を補正する。インタークーラの熱容量によって、吸気温度の変化が時定数を有するので、加速初期には、吸気温度が定常時よりも低く、ノッキングが生じにくいため、圧縮比εを高めることが可能である。本発明では、破線のように補正することで、加速応答性と燃費とが向上する。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧縮比可変手段を備えた内燃機関の圧縮比制御装置、特に過給機とインタークーラとを備えた内燃機関の圧縮比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば特公平7−3201号公報には、可変圧縮比装置を備えた過給内燃機関が開示されている。これは、機械式過給機を使用したものであって、高負荷時には、過給機を作動させることにより出力を向上させるとともに圧縮比を低圧縮比にしてノッキングの発生を防止し、また、過給を必要としない中低負荷時には、過給機をオフとして無過給とするとともに圧縮比を高くし、燃費を向上させるようにしている。
【0003】
また、上記従来例では、過給機のオフからオンへの切換の際に、まず負荷を判定し、高負荷の場合は、さらに吸気温等により、ノッキングが生じやすい雰囲気かを判断するようにしており、吸気温度が高い場合には、先に圧縮比を低下させ、その後、所定の時間後に過給機をオンとすることにより、過渡時のノッキング防止を図っている。一方、吸気温度が低い場合には、先に過給機をオンにし、その後圧縮比を低下させることにより、加速応答性の悪化を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、加速要求からは、過給圧をなるべく早く上昇させたほうが良いし、燃費要求の点では、高い圧縮比をなるべく長時間保持し続けるほうが得策である。従って、上記従来例では、結果的にどちらかを犠牲にしていることとなる。
【0005】
たとえば、過給機のオフからオンへの切換では、吸気温度が低い場合には、過給圧上昇度合いに応じて最適に圧縮比を設定できれば、加速要求と燃費要求の両者を満足できることになる。
【0006】
一方、過給機付内燃機関では、吸気温度を低下させるためにインタークーラを設けることがよくあるが、インタークーラを具備した構成では、シリンダに流入する吸気の温度は、必ずその温度上昇に遅れ(時定数)を有するものとなる。このため、ノッキングの生じ易さが大きく影響を受けるが、上記の従来例には、このようなインタークーラによる吸気温度変化の遅れに関する記載はなく、良好な加速応答性と燃費の両立を図ることは難しい。
【0007】
本発明の目的は、加速時の要求圧縮比に応じて適切に圧縮比を時系列に設定し、加速時の出力向上と過渡時の燃費向上の両立を図ることにある。特にインタークーラを備えた内燃機関での吸気温度上昇の遅れを有効に活用し、加速要求と燃費要求の両立を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、内燃機関の圧縮比(公称圧縮比ε)を変化させることが可能な圧縮比可変手段と、吸入空気を過給する過給手段と、この過給手段により加圧された吸入空気を冷却するインタークーラと、内燃機関の加速を検出する加速判定手段と、上記インタークーラを通過した吸入空気の温度を測定もしくは推定するインタークーラ部吸気温度検出手段と、を備えた内燃機関の圧縮比制御装置を前提としており、少なくとも機関回転数と負荷とに応じて上記圧縮比可変手段の圧縮比制御値、例えばアクチュエータの動作量が設定される。なお、上記負荷は、例えば、スロットル弁開度、アクセルペダル開度、シリンダ内の空気量(重量もしくは体積)、などによって示される。
【0009】
そして、本発明では、上記加速判定手段による加速判定結果と上記インタークーラ部吸気温度検出手段の検出温度とに応じて上記圧縮比制御値を変更するようになっており、例えば急加速時には、インタークーラを通過した吸入空気の温度に相当する上記インタークーラ部吸気温度の変化に対応して、圧縮比が逐次設定される。
【0010】
また第2の発明では、少なくとも機関回転数と負荷とに応じて上記圧縮比可変手段の目標圧縮比を設定するものであり、上記加速判定手段による加速判定結果と上記インタークーラ部吸気温度検出手段の検出温度とに応じて上記目標圧縮比を変更するようになっている。
【0011】
また、上記加速判定手段による加速判定結果と上記インタークーラ部吸気温度検出手段の検出温度とに応じて圧縮比補正量を算出するとともに、この圧縮比補正量を上記目標圧縮比に加えるようにしてもよい。
【0012】
また第3の発明では、少なくとも機関回転数と負荷とに応じて上記圧縮比可変手段の目標圧縮比を設定するものであり、上記加速判定手段による加速判定結果と上記インタークーラ部吸気温度検出手段の検出温度とに応じて、上記目標圧縮比の設定に遅延時間を与えるようになっている。
【0013】
【発明の効果】
この発明によれば、加速等の過渡時にインタークーラを通過した吸入空気の温度の経時的な変化に対応して、内燃機関の圧縮比を逐次最適な値に制御することができ、ノッキングを抑制しつつ加速応答性と燃費向上とを両立させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1は、圧縮比可変手段として複リンク式ピストン−クランク機構を利用した圧縮比可変機構を備えた内燃機関1の実施例を示している。
【0016】
クランクシャフト101は、複数のジャーナル部102とクランクピン部103とを備えており、シリンダブロック100の主軸受に、ジャーナル部102が回転自在に支持されている。上記クランクピン部103は、ジャーナル部102から所定量偏心しており、ここに第2リンクとなるロアリンク104が回転自在に連結されている。
【0017】
上記ロアリンク104は、左右の2部材に分割可能に構成されているとともに、略中央の連結孔に上記クランクピン部103が嵌合している。
【0018】
第1リンクとなるアッパリンク105は、下端側が連結ピン106によりロアリンク104の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン107によりピストン108に回動可能に連結されている。上記ピストン108は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック100のシリンダ109内を往復動する。なお、上記シリンダ109の上部に、図示せぬ吸気弁および排気弁が配置されている。
【0019】
第3リンクとなるコントロールリンク110は、上端側が連結ピン111によりロアリンク104の他端に回動可能に連結され、下端側が制御軸112を介して機関本体の一部となるシリンダブロック100の下部に回動可能に連結されている。詳しくは、制御軸112は、回転可能に機関本体に支持されているとともに、その回転中心から偏心している偏心カム部112aを有し、この偏心カム部112aに上記コントロールリンク110下端部が回転可能に嵌合している。
【0020】
上記制御軸112は、後述するエンジンコントロールモジュール(図3参照)からの制御信号に基づき、電動モータを用いた圧縮比制御アクチュエータ113によって回動位置が制御される。
【0021】
上記のような複リンク式ピストン−クランク機構を用いた圧縮比可変機構においては、上記制御軸112が圧縮比制御アクチュエータ113によって回動されると、偏心カム部112aの中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。これにより、コントロールリンク110の下端の揺動支持位置が変化する。そして、上記コントロールリンク110の揺動支持位置が変化すると、ピストン108の行程が変化し、図2のように、ピストン上死点(TDC)におけるピストン108の位置が高くなったり低くなったりする。これにより、機関圧縮比(公称圧縮比ε)を変えることが可能となる。図2は、高圧縮比状態と低圧縮比状態とを代表的に示しているが、これらの間で圧縮比を連続的に変化させることができる。なお、上記シリンダブロック100の適宜位置には、ノッキングを検出するノッキングセンサ8が取り付けられており、このノッキング検出に基づいて、点火時期の遅角制御が行われるようになっている。
【0022】
上記のようにピストン108の上死点位置を変化させて圧縮比を変える構成では、副室やサブピストンを用いる構成に比べて、圧縮比変化に拘わらず燃焼室形状が略一定であり、圧縮比に対する耐ノック性の特性が比較的リニアとなる利点がある。
【0023】
図3は、上記内燃機関1の制御システムを示す構成説明図であって、この内燃機関1は、過給手段としてターボ過給機51を備えている。このターボ過給機51は、排気通路54に位置するタービン52と吸気通路55に位置するコンプレッサ53とを同軸状に配置した構成であり、運転条件に応じて過給圧を制御するために、タービン52の上流側から排気の一部をバイパスさせる排気バイパス弁56を備えている。吸気通路55のコンプレッサ53上流には、吸入空気量を検出するエアフロメータ2が配置されており、コンプレッサ53の下流、特にインタクーラ3の下流側には、過給圧を検出する吸気圧センサ4が配置されている。さらに、インタークーラ3の出口部に、このインタークーラ3を通過した直後の温度を測定する吸気温度センサ60が配置されている。また、機関のクランク角を検出するクランク角センサ5と、排気組成に応答する酸素センサ6と、冷却水温を検出する水温センサ7と、ノッキングを検出する上述のノッキングセンサ8と、スロットル弁9の開度を検出するスロットル開度センサ10と、を備えており、これらのセンサ類の検出信号は、エンジンコントロールモジュール(ECM)11に入力されている。なお、16は燃料噴射弁、17は点火プラグを示す。
【0024】
次に、作用について説明する。
【0025】
図4は、上記圧縮比可変機構による圧縮比の制御特性を示す特性図である。図示するように、基本的に、回転数と負荷(例えばスロットル弁開度TVO、アクセルペダル開度、シリンダ内の空気量(重量もしくは体積)、燃料噴射量など)によって基本的な目標圧縮比が決定されるようになっており、高負荷側で圧縮比が低くなる。つまり、低負荷時には、圧縮比を高く設定して、燃費向上を図り、高負荷時には、圧縮比を低く設定して、ノッキングを回避する。図示例では、高回転化するほど、同一負荷であっても目標圧縮比が高くなっているが、高回転化に伴う慣性力増大等の理由から、高回転時に、圧縮比設定を固定としても良い。このような設定により、高負荷時のノッキング回避と低負荷時の燃費向上とが達成できる。
【0026】
次に過渡時の燃費と加速応答性について説明する。
【0027】
図5は、比較的低速度の定速走行状態から加速をした場合の、設定圧縮比εおよびインタークーラ出口温度ICTemp(吸気温度センサ60の検出温度)の変化を示した図である。なお、APOは、アクセルペダル開度である。図4では、負荷として説明したが、この例では、負荷としてアクセルペダル開度APOに基づいて目標圧縮比εが設定される。ここで、吸気系にインタークーラ3を具備した構成では、インタークーラ3の熱容量により、吸気の温度上昇には遅れが生じる。周知のように、過給圧一定時には、その遅れは一時応答遅れで表すことができる。この遅れにより、加速初期には、吸気温度が低下していることになるため、この吸気温度が低い分だけ、ノッキング回避が可能であり、従って、加速初期に、破線で示すように、圧縮比εを図4のマップから定まる目標圧縮比(実線)よりも上昇させることができる。
【0028】
なお、図6は、減速走行状態から加速をした場合の例を示しているが、この例では、それ以前に高負荷運転であったことから、加速開始時のインタークーラ出口温度ICTempが高くなっており、従って、加速初期から圧縮比εを直ちに低下させることが望ましい。
【0029】
図7に本実施形態の圧縮比補正制御のフローチャートを示す。以下、このフローチャートに従って説明する。
【0030】
まずステップ101で、スロットル弁開度の変化速度あるいはアクセルべダル開度の変化速度から、加速判定を行う。加速状態と判別された場合には、ステップ102に進み、インタークーラ出口温度ICTempを読み込む。
【0031】
続くステップ103で、機関回転数およびスロットル弁開度より算出されている目標圧縮比に、インタークーラ出口温度ICTempに応じた圧縮比補正を加える。このインタークーラ出口温度に対する圧縮比補正の算出は、図8のフローチャートに示すように処理される。まず、ステップ112では、図示せぬ外気温センサなどから吸気入口温度T1を読み込み、続くステップ113にて、そのときのインタークーラ出口温度Tiを読込む。
【0032】
続くステップ114にて、回転数−負荷に対して、一定の吸気状態で計測された吸気温度を割り付けた吸気温マップ(図17)を参照し、現時点の回転数−負荷の条件下での定常の吸気温度Tmapを求める。この定常吸気温度Tmapは、その回転数−負荷で収束していく吸気温度を意味する。なお、図17のTeは負荷、Neは回転数である。次にステップ115で、インタークーラ3の熱容量分に相当する温度ΔTを算出する。算出方法は、定常吸気温度Tmapから、環境変化分である吸気入口温度T1と現時点でのインタークーラ出口温度Tiを引いた値となる。この温度ΔTが、定常状態に対し、現時点で温度低下している温度となる。
【0033】
次に、ステップ116にて、ΔTに応じた圧縮比補正量(補正ε)を、図16に示すような所定のテーブルを参照することによって決定する。なお、ΔTに対する理想的な圧縮比補正量は、機関回転数によっても多少変化するので、機関回転数とΔTとをパラメータとするマップを用いて圧縮比補正量を求めるようにしても良い。
【0034】
以上のような本発明の制御によれば、特に急加速時に生じるインタークーラ3での吸気温度変化に対応した圧縮比設定が可能となる。その結果、良好な加速応答性と過渡燃費の両立が図れることとなる。
【0035】
ここで、特に本実施形態では、制御される圧縮比の目標値自体は、回転数と負荷に基づいて決定され、これとは別に、過渡時の温度変化に対する補正項を補正量として有している。従って、圧縮比可変機構のアクチュエータ113の制御を、PI制御などでクローズドループ制御する場合、その偏差を算出する対象として上記の目標値を用いることで、この過渡時の吸気温度補正が終了した際に、それまで蓄積した偏差等により、急激な圧縮比変化が可能となる。
【0036】
次に第2の実施形態について説明する。
【0037】
前述の実施形態では、インタークーラ出口温度を吸気温度センサ60によって逐次測定し、圧縮比を時系列で変化させることとした。しかしながら、温度の計測は、センサ自体に応答遅れがあるのが常である。また、熱電対方式等の温度センサは、微弱な電位差を計測するものであり、特に過渡的な温度計測を精度よく行うためには、ノイズ対策が必要となる。そこで、逐次温度を計測するよりは、状態の変化から、続く時系列の温度変化を予測するほうが、圧縮比制御には好ましい。第2の実施形態は、インタークーラ出口温度を逐次測定するのではなく、加速判定時の吸気温度等から、その後の温度履歴を予想し、これに対応して圧縮比を設定しようとするものである。
【0038】
センサ等のシステム構成は、前述した第1の実施形態と同様である。
【0039】
図9は、この第2の実施形態のフローチャートであり、以下、このフローチャートに従って、その作用を説明する。
【0040】
ステップ121からステップ125までは、図8のフローチャートのステップ111〜115と同様であるため、説明は省略する。但し、これらのインタークーラ出口温度Tiの読み込み等は、初回のみ行われる。ステップ126では、算出されたΔTから初回の圧縮比補正量を決定するとともに、ΔTと機関の運転条件を示す回転数や負荷等から、この圧縮比補正量を時系列で変化させる時定数を決定する。例えば、図18は、機関回転数NeとΔTとに対する時定数の特性を示している。
【0041】
このように制御することで、吸気温度計測あるいはインタークーラコア温度計測の時定数を補正せずに済み、また、特別なノイズ対策を施さずに過渡時の吸気温度変化に対応した圧縮比を設定できる。
【0042】
次に、第3の実施形態について説明する。
【0043】
センサ等のシステム構成は、前述した第1の実施形態と同様である。
【0044】
この実施形態は、インタークーラの熱容量等に起因する吸気温度の過渡的変化に対し、設定圧縮比の値を補正するではなく、図10に示すように、圧縮比の設定に遅延時間(ディレイ)を与えることで対応するものである。なお、機械的に作動する前述の圧縮比可変機構では、実際の圧縮比εの変更に、制御上の遅れや機構上の遅れが伴うが、目標圧縮比の設定の遅延時間を適切に設定することにより、この圧縮比可変機構の遅れを相殺することができる。
【0045】
図11は、この実施形態のフローチャートを示しており、ステップ131からステップ135までは図8のフローチャートのステップ111〜115と同様であるため、説明は省略する。ステップ136にて、ΔTに応じたディレイ時間を、図19に示したような所定のテーブルを参照して決定する。このΔTに対する理想的なディレイ時間は、機関回転数によっても多少変化するので、図20に示したような機関回転数NeとΔTとをパラメータとしたマップを参照してディレイ時間を決定するようにしても良い。
【0046】
このような制御によれば、圧縮比可変機構の制御部に応答遅れが存在しても、運転状態に応じた適切な圧縮比設定が可能となる.
次に、図12は、第4の実施形態を示しており、このものでは、前述したようにインタークーラ3出口側で吸気温度を測定する代わりに、インタークーラ3のコアの温度を温度センサ61によって測定するようにしている。
【0047】
このような構成では、インタークーラ3のコアの温度は、吸気温度の測定に比べ、比較的精度よく計測できる。そのため、最終的に設定する圧縮比のばらつきを減少でき、あるいは、温度計測のノイズ除去装置の簡略化が図れる。
【0048】
次に、第5の実施形態について説明する。
【0049】
本実施形態は、過給手段としてターボ過給機51に特有な過給圧上昇の遅れ(時定数)を考慮して、過渡時の吸気温度変化に対する圧縮比補正を行うようにしたものである。なお、センサ等のシステム構成は、前述した第4の実施形態と同様である。
【0050】
図13は、図5と同じく、比較的低速度の定速走行状態から加速をした場合の、設定圧縮比εおよびインタークーラ出口温度ICTempの変化を示し、併せて、ターボ過給機51による過給圧上昇の例を示している。なお、図の上方が正圧である。極低速状態では、ターボ過給機51は低回転で回転しているため、スロットル弁9の急開に対し、スロットル弁上流のほぼ大気圧(図中破線程度)までは即座に上昇するが、その後は、ターボ回転数の上昇時間に伴って、過給圧が徐々に上昇することになる。つまり、いわゆるターボラグが存在する。
【0051】
この過程で、過給圧が上昇するにつれて、単位容積当たりの吸気重量は上昇し、インタークーラ3に流入する空気の有する熱量が増加していく。従って、吸気温度の上昇時定数は、インタークーラ3の熱容量と過給圧上昇の時定数との両者を加味する必要がある。
【0052】
以下、図14のフローチャートに従って説明する。ステップ142では、加速判定時のタービン回転状態を示すパラメータとして、機関回転数、変速機のギア位置、加速判定直前のスロットル開度、をそれぞれ読み込み、これらに基づいて、ステップ143で、過給圧の上昇時定数を算出する。これは例えば図15に示すようなマップを用いて求められる。次にステップ144で、加速判定時のインタークーラコア温度を読み込む。ステップ145で、前述したように、定常状態に対する吸気温度低下分ΔTを求めるとともに、これに対応する圧縮比補正量と、過渡時の吸気温度変化時定数と、を算出する。続くステップ146では、上記の吸気温度変化時定数と過給圧上昇時定数とから、圧縮比設定の時定数を算出する。これにより、加速時の圧縮比εは、図13の破線のように補正される。
【0053】
このように過渡的圧縮比を制御することで、過給圧上昇時定数分とインタークーラ温度時定数分との両方を加味した圧縮比設定とすることができ、運転条件や環境条件に応じ、車両の加速感と燃費の両立が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮比可変機構を備えた内燃機関の断面説明図。
【図2】圧縮比可変機構の動作説明図。
【図3】この発明の一実施例を示すシステム構成図。
【図4】圧縮比制御特性を示す特性図。
【図5】定速走行からの加速の際の圧縮比ε等の変化を示すタイムチャート。
【図6】減速走行からの加速の際の圧縮比ε等の変化を示すタイムチャート。
【図7】加速時の圧縮比制御のメインフローチャート。
【図8】第1の実施形態としての圧縮比補正の詳細を示すフローチャート。
【図9】第2の実施形態としての圧縮比補正の詳細を示すフローチャート。
【図10】加速時に圧縮比設定に遅延時間を与える第3の実施形態のタイムチャート。
【図11】この第3の実施形態の圧縮比補正の詳細を示すフローチャート。
【図12】インタークーラのコア温度を検出する第4の実施形態のシステム構成図。
【図13】ターボ過給機による過給圧変化を併せて示すタイムチャート。
【図14】第5の実施形態の圧縮比補正の詳細を示すフローチャート。
【図15】過給圧上昇時定数のマップの特性を示す特性図。
【図16】ΔTと補正εとの関係を示す特性図。
【図17】運転条件に対応する定常時の吸気温度の特性を示す特性図。
【図18】ΔTと機関回転数とに対する時定数の特性を示す特性図。
【図19】ΔTに対するディレイ量の特性を示す特性図。
【図20】ΔTと機関回転数とに対するディレイ量の特性を示す特性図。
【符号の説明】
1…内燃機関
3…インタークーラ
11…エンジンコントロールモジュール
51…ターボ過給機
113…圧縮比制御アクチュエータ
Claims (9)
- 内燃機関の圧縮比を変化させる圧縮比可変手段と、
吸入空気を過給する過給手段と、
この過給手段により加圧された吸入空気を冷却するインタークーラと、
内燃機関の加速を検出する加速判定手段と、
上記インタークーラを通過した吸入空気の温度を測定もしくは推定するインタークーラ部吸気温度検出手段と、を備え、
少なくとも機関回転数と負荷とに応じて上記圧縮比可変手段の圧縮比制御値を設定する内燃機関の圧縮比制御装置において、
上記加速判定手段による加速判定結果と上記インタークーラ部吸気温度検出手段の検出温度とに応じて上記圧縮比制御値を変更することを特徴とする内燃機関の圧縮比制御装置。 - 内燃機関の圧縮比を変化させる圧縮比可変手段と、
吸入空気を過給する過給手段と、
この過給手段により加圧された吸入空気を冷却するインタークーラと、
内燃機関の加速を検出する加速判定手段と、
上記インタークーラを通過した吸入空気の温度を測定もしくは推定するインタークーラ部吸気温度検出手段と、を備え、
少なくとも機関回転数と負荷とに応じて上記圧縮比可変手段の目標圧縮比を設定する内燃機関の圧縮比制御装置において、
上記加速判定手段による加速判定結果と上記インタークーラ部吸気温度検出手段の検出温度とに応じて上記目標圧縮比を変更することを特徴とする内燃機関の圧縮比制御装置。 - 内燃機関の圧縮比を変化させる圧縮比可変手段と、
吸入空気を過給する過給手段と、
この過給手段により加圧された吸入空気を冷却するインタークーラと、
内燃機関の加速を検出する加速判定手段と、
上記インタークーラを通過した吸入空気の温度を測定もしくは推定するインタークーラ部吸気温度検出手段と、を備え、
少なくとも機関回転数と負荷とに応じて上記圧縮比可変手段の目標圧縮比を設定する内燃機関の圧縮比制御装置において、
上記加速判定手段による加速判定結果と上記インタークーラ部吸気温度検出手段の検出温度とに応じて、上記目標圧縮比の設定に遅延時間を与えることを特徴とする内燃機関の圧縮比制御装置。 - 内燃機関の圧縮比を変化させる圧縮比可変手段と、
吸入空気を過給する過給手段と、
この過給手段により加圧された吸入空気を冷却するインタークーラと、
内燃機関の加速を検出する加速判定手段と、
上記インタークーラを通過した吸入空気の温度を測定もしくは推定するインタークーラ部吸気温度検出手段と、を備え、
少なくとも機関回転数と負荷とに応じて上記圧縮比可変手段の目標圧縮比を設定する内燃機関の圧縮比制御装置において、
上記加速判定手段による加速判定結果と上記インタークーラ部吸気温度検出手段の検出温度とに応じて圧縮比補正量を算出するとともに、この圧縮比補正量を上記目標圧縮比に加えることを特徴とする内燃機関の圧縮比制御装置。 - 上記検出温度と機関運転条件とに応じて前記圧縮比補正量を減ずる時定数を決定し、この時定数に沿って上記圧縮比補正量を徐々に減少させることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の圧縮比制御装置。
- 加速検出時点の上記検出温度が所定の温度以下の場合には、機関回転数と負荷とから求めた圧縮比よりも高い圧縮比に設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の圧縮比制御装置。
- 加速検出時点の上記検出温度が所定の温度以上の場合には、機関回転数と負荷とから求めた圧縮比よりも低い圧縮比に設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の圧縮比制御装置。
- 上記圧縮比可変手段は、ピストンにピストンピンを介して連結された第1リンクと、この第1リンクに揺動可能に連結されるとともにクランクシャフトのクランクピン部に回転可能に連結された第2リンクと、上記第2リンクに揺動可能に連結されるとともに機関本体に揺動可能に支持された第3リンクと、を含んで構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の圧縮比制御装置。
- 上記過給手段は、ターボ式過給機であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の圧縮比制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002320757A JP4092473B2 (ja) | 2002-11-05 | 2002-11-05 | 内燃機関の圧縮比制御装置 |
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