JP7324657B2 - 内燃機関制御方法及び内燃機関制御装置 - Google Patents

内燃機関制御方法及び内燃機関制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7324657B2
JP7324657B2 JP2019156046A JP2019156046A JP7324657B2 JP 7324657 B2 JP7324657 B2 JP 7324657B2 JP 2019156046 A JP2019156046 A JP 2019156046A JP 2019156046 A JP2019156046 A JP 2019156046A JP 7324657 B2 JP7324657 B2 JP 7324657B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compression ratio
internal combustion
combustion engine
engine torque
limit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019156046A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021032203A (ja
Inventor
三泰 赤木
隆之 黒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renault SAS
Original Assignee
Renault SAS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renault SAS filed Critical Renault SAS
Priority to JP2019156046A priority Critical patent/JP7324657B2/ja
Publication of JP2021032203A publication Critical patent/JP2021032203A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7324657B2 publication Critical patent/JP7324657B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、内燃機関を制御する制御方法及び制御装置に関する。
可変圧縮比機構を備える内燃機関の制御として、特許文献1には、内燃機関の要求出力が増大した場合に、圧縮比を予め設定した圧縮比以下に低下させてから、エンジントルクを増大させる制御が開示されている。この制御によれば、エンジントルクを増大させる際に、ノッキングの発生を抑制することができる。
WO2010/113332A1
しかしながら、上記文献の制御では、圧縮比が予め設定した圧縮比以下になるのに要する時間の分、内燃機関の出力が要求出力になるまでに必要な時間が長くなる。すなわち、上記文献の制御には、動力性能の観点から改善の余地がある。
そこで本発明は、圧縮比変更を伴う出力増大を行なう際に、内燃機関の出力を速やかに増大させる制御を提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、アクチュエータにより作動する複リンク式ピストンクランクシャフト機構を利用して圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、排気の一部を吸気通路に還流させる排気還流装置と、を備える内燃機関を制御する内燃機関制御方法が提供される。この内燃機関制御方法では、要求出力の増大に応じて圧縮比の変更を伴う出力増大を行なう場合に、変更途中における圧縮比毎に定まる筒内圧力であり、かつ複リンク式ピストンクランクシャフト機構を介してアクチュエータへ伝達される筒内圧力である逆入力が圧縮比のずれを生じさせない入力である許容入力の上限値となる場合の筒内圧力である筒内圧限界を設定し、筒内圧限界を超えないようにエンジントルク限界を設定し、エンジントルク限界を実現する制限吸入空気量を、変更途中における圧縮比及び排気還流率に基づいて算出する。そして、エンジントルクを制限吸入空気量に基づいて制限しつつ変化させ、かつエンジン回転速度を変化させながら、排気還流率及び圧縮比を変化させる。
上記態様によれば、圧縮比変更を伴う出力増大を行なう際に、内燃機関の出力を速やかに増大させることができる。
図1は、内燃機関システムの回略構成図である。 図2は、可変圧縮比機構を説明するための図である。 図3は、内燃機関の出力を増大させる方法の第1の例を示すタイムチャートである。 図4は、内燃機関の出力を増大させる方法の第2の例を示すタイムチャートである。 図5は、内燃機関の出力を増大させる方法の第3の例を示すタイムチャートである。 図6は、内燃機関の出力を増大させる方法の第4の例を示すタイムチャートである。 図7は、本発明の実施形態に係る制御ルーチンを示すフローチャートである。 図8は、図7の制御ルーチンを実行した場合のタイムチャートである。 図9は、本発明の実施形態の変形例を説明するためのタイムチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態を適用する内燃機関システム(以下、単に「システム」ともいう)100の概略構成図である。システム100は、内燃機関1と、吸気系10と、排気系20と、過給機30と、排気還流装置(以下、EGR装置ともいう)40と、第1の供給通路50と、第2の供給通路60と、排気バイパス通路70及びウェイストゲートバルブ71と、制御部としてのコントローラ80と、を備える。
吸気系10は、吸気通路11と、エアフロメータ12と、スロットルバルブ13と、コレクタ14と、コンプレッサ31と、を備える。吸気通路11は、内燃機関1に導入する吸気を流通させる。吸気通路11には、エアフロメータ12、コンプレッサ31、スロットルバルブ13及びコレクタ14が上流側からこの順に設けられる。エアフロメータ12は、吸気の流量を計測する。スロットルバルブ13は、内燃機関1に導入する吸気の量を調節する。コレクタ14は、容積室である。コンプレッサ31は、過給機30のコンプレッサであり、吸気を圧縮する。
吸気系10には、さらに圧力センサ17が設けられる。圧力センサ17は、吸気通路11のうちスロットルバルブ13よりも下流の部分、具体的にはコレクタ14に設けられる。
排気系20は、排気通路21と、上流触媒22と、下流触媒23と、消音器24と、タービン32と、を備える。排気通路21は、内燃機関1から排出される排気を流通させる。排気通路21には、タービン32、上流触媒22、下流触媒23及び消音器24が上流側からこの順に設けられる。上流触媒22及び下流触媒23は、排気を浄化する。消音器24は、排気音を低減する。タービン32は、過給機30のタービンであり、排気からエネルギを回収する。
過給機30はターボチャージャであり、コンプレッサ31と、タービン32と、シャフト33と、を備える。コンプレッサ31は吸気通路11に、タービン32は排気通路21にそれぞれ設けられる。過給機30では、タービン32が排気のエネルギによって回転することで、シャフト33を介してコンプレッサ31が回転し、吸気を圧縮する。過給機30は、このようにして吸気を圧縮し内燃機関1に供給する。
EGR装置40は、EGR通路41と、EGRクーラ42と、EGRバルブ43と、を備える。EGR装置40は、排気通路21のうち過給機30よりも下流の部分から吸気通路11のうち過給機30よりも上流の部分に排気を還流する。
EGR通路41は、排気通路21と吸気通路11とを接続する。EGR通路41は、排気通路21を流通する排気の一部をEGRガスとして吸気通路11に還流する。EGRクーラ42は、EGR通路41を流通するEGRガスを冷却する。EGRバルブ43は、EGR通路41を流通するEGRガスの流量を調節する。
EGR装置40、具体的にはEGR通路41は、排気通路21のうちタービン32よりも下流の部分と、吸気通路11のうちコンプレッサ31よりも上流の部分とを接続する。このように吸気通路11と排気通路21とを接続するEGR通路41は、いわゆるロープレッシャーループのEGR経路を形成する。
EGR通路41はさらに具体的には、排気通路21のうち上流触媒22及び下流触媒23間の部分と、吸気通路11のうちエアフロメータ12及びコンプレッサ31間の部分とを接続する。
排気バイパス通路70は、排気通路21に設けられる。排気バイパス通路70は、排気通路21のうちタービン32よりも上流及び下流の部分を接続する。排気バイパス通路70は、タービン32を迂回するように排気を流通させる。
ウェイストゲートバルブ71は、排気バイパス通路70に設けられる。ウェイストゲートバルブ71は、排気バイパス通路70を流通する排気の流量を調節する。ウェイストゲートバルブ71は排気の流量を調節することで、タービン32及びコンプレッサ31の回転速度、すなわち過給機30の回転速度を調整する。
コントローラ80は、電子制御装置であり、コントローラ80には、各種センサ・スイッチ類として、エアフロメータ12及び圧力センサ17のほか、クランク角センサ91やアクセルペダルセンサ92からの信号が入力される。
クランク角センサ91は、所定クランク角ごとにクランク角信号を生成する。クランク角信号は、内燃機関1の回転速度を代表する信号として用いられる。アクセルペダルセンサ92は、システム100を備える車両のアクセルペダルの踏込量を検出する。アクセルペダルの踏込量は、内燃機関1の負荷を代表する信号として用いられる。
コントローラ80は、上述した各種センサ・スイッチ類からの入力信号に基づいて、スロットルバルブ13や、EGRバルブ43や、ウェイストゲートバルブ71を制御する。
なお、コントローラ80は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ80を複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
内燃機関1は、運転状態(例えば要求負荷及びエンジン回転速度)に応じて圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構2を備える。ここでいう圧縮比とは、ピストンの行程容積と燃焼室容積から定まる、いわゆる機械圧縮比である。以下の説明において、特にことわりがない場合には、圧縮比といえば機械圧縮比のことを指す。
次に、図2を参照して内燃機関1について説明する。図2に示す通り、可変圧縮比機構2は、公知の複リンク式ピストンクランク機構を利用するものである。可変圧縮比機構2は、クランクシャフト104のクランクピン104aに回転自在に支持されるロアリンク106と、ロアリンク106の一端部に設けられたアッパピン108とピストン110のピストンピン10aとを連結するアッパリンク112と、を備える。さらに、可変圧縮比機構2はロアリンク106の他端部に設けられたコントロールピン140に一端部が連結されたコントロールリンク116と、コントロールリンク116の他端部を揺動可能に支持するコントロールシャフト118と、を備える。クランクシャフト104及びコントロールシャフト118は、シリンダブロック120内に軸受構造(図示せず)を介して回転自在に支持される。
コントロールシャフト118は、コントロールシャフト118の回動に伴って位置が変化する偏心軸部118aを有する。コントロールリンク116の端部は、偏心軸部118aに回転可能に嵌合している。
可変圧縮比機構2においては、コントロールシャフト118の回動に伴ってピストン110の上死点位置がシリンダ軸方向に沿って変化して、機械圧縮比が変化する。
可変圧縮比機構2は、コントロールシャフト118を回動させる機構として、クランクシャフト104と平行に配置される駆動軸122を有するアクチュエータ124を備える。アクチュエータ124は、シリンダブロック120に配置される。アクチュエータ124は、電動モータ(図示せず)と、電動モータの出力回転を減速して駆動軸122から出力する減速機(図示せず)とから構成される。
駆動軸122は、低圧縮比に対応する角度位置から高圧縮比に対応する角度位置までの角度範囲内を回動する。駆動軸122とコントロールシャフト118は互いに平行に配置されており、両者が連動して回動するように、駆動軸122に設けられた第1アーム130とコントロールシャフト118に固定された第2アーム132とが中間リンク134によって連結される。
アクチュエータ124の駆動軸122が回動すると、この回動が第1アーム130から中間リンク134を介して第2アーム132へ伝達され、コントロールシャフト118が回動する。これにより、内燃機関1の機械圧縮比が変化する。可変圧縮比機構2の目標圧縮比は、コントローラ80において運転状態に基づいて設定される。具体的には、運転状態毎の目標圧縮比を設定したマップを予めコントローラ80に記憶させておき、アクセルペダルセンサ92及びクランク角センサ91の検出値を用いてマップ検索することにより設定する。基本的には、低負荷側では熱効率を優先して相対的に高い目標圧縮比が設定され、高負荷側ではノッキング回避のために相対的に低い目標圧縮比が設定される。
可変圧縮比機構2により可変制御される機械圧縮比の実際の値(以下、実圧縮比ともいう)は、センサにより検出可能である。このセンサとしては、例えば、コントロールシャフト118の回動角または駆動軸122の回動角を検出するロータリエンコーダまたはロータリ型ポテンショメータを用いることができる。また、駆動軸122を駆動する電動モータへの指令信号から電動モータの回転量を求め、この回転量からコントロールシャフト118の回動角を求めることによっても、実圧縮比を検出することができる。
なお、内燃機関1は、可変圧縮比機構2の圧縮比変化範囲を機械的に制限するための、低圧縮比側ストッパ150と高圧縮比側ストッパ160とを有する。低圧縮比側ストッパ150は、下限圧縮比に対応する位置において第1アーム130が当接するようにアクチュエータ124のハウジング内に設けられている。高圧縮比側ストッパ160は、上限圧縮比に対応する位置において、コントロールシャフト118に設けた凸部162が当接するように、コントロールシャフト118の軸受部材に設けられている。なお、上記の低圧縮比側ストッパ150及び高圧縮比側ストッパ160はあくまでも一例であり、他の構成であっても構わない。
ところで、上記のような可変圧縮比機構2を軽量かつコンパクトな構造とするためには、中間リンク134と第1アーム130と第2アーム132とを含むリンク構造による減速比が、中間圧縮比姿勢において高圧縮比姿勢及び低圧縮比姿勢よりも小さくなるように設計する必要がある。しかし、中間圧縮比領域において減速比が相対的に小さくなる構造では、中間圧縮比領域においてアクチュエータ124への逆入力が相対的に大きくなる。ここでいう逆入力とは、複リンク機構102を介して伝達される筒内圧力である。
逆入力がアクチュエータ124の許容入力範囲を超えて大きくなると、圧縮比が所望の値からずれるおそれがある。そこで、内燃機関1の出力を増大させる場合に中間圧縮比領域を通過するような圧縮比変更を行なうときには、中間圧縮比領域においてアクチュエータ124へ入力される最大筒内圧力Pmaxを許容入力範囲内に収める必要がある。なお、ここでいう内燃機関1の出力とは、エンジントルクとエンジン回転速度との積で定まる内燃機関1の仕事率である。
最大筒内圧力Pmaxは、式(1)で表される。
Pmax=f(PIVC,TIVC,CR,Mb50,EGR) ・・・(1)
式(1)において、PIVCは吸気弁閉時期における筒内圧、TIVCは吸気弁閉時期における筒内温度、CRは圧縮比、Mb50は燃焼重心位置相当値、EGRはEGR率である。
IVCはセンサにより検出してもよいし、吸入空気量等から推定してもよい。TIVCはセンサにより検出してもよいし、吸入空気量、燃料噴射量等から推定してもよい。CRは上述した方法により検出することができる。Mb50は一燃焼サイクル中に噴射された燃料の50%が燃焼した時点でのクランク角度である。
上記の最大筒内圧力Pmaxと、リンク構造による減速比とから、アクチュエータ124への逆入力を算出することができる。一方、アクチュエータ124の許容入力の上限値は、アクチュエータ124の仕様に応じて定まる。すなわち、アクチュエータ124の許容入力の上限値とリンク構造による減速比とを用いて、アクチュエータ124への逆入力が許容入力の上限値となる場合の筒内圧力である最大筒内圧力限界値Pmaxlimitを算出することができる。リンク構造による減速比は圧縮比に応じて定まるので、圧縮比毎の最大筒内圧限界値Pmaxlimitが算出されることとなる。
アクチュエータ124へ入力される最大筒内圧力Pmaxを許容入力範囲内に収める方法として、例えば、図3のタイムチャートに示すように、圧縮比を予め設定した所定圧縮比以下に低下させてから、内燃機関1の出力を増大させることが考えられる。なお、図3ではタイミングt1において要求出力の増大があったものとする。しかし、この方法では、圧縮比が低下するまでの時間(タイミングt1~t2)が経過してから出力増大を開始するので、要求出直が増大してから出力増大が完了するまでに要する時間、つまりタイミングt1からタイミングt3までが長くなり、動力性能が悪化してしまう。
EGR制御を実行している場合には、図4~図6に示す3つの方法をとり得る。
図4は、筒内実EGR率を出力増大後の要求出力に応じたEGR率まで低下させ(タイミングt1~t2)、その後に圧縮比を低下させ(タイミングt2~t3)、圧縮比が所定圧縮比に低下してから内燃機関1の出力を増大させる方法である。この方法では、図3の方法に加えて、筒内実EGR率が低下するまでの時間を要することとなるので、図3の場合に比べてさらに動力性能が悪化してしまう。
図5は、筒内実EGR率を低下させつつ圧縮比を低下させ(タイミングt1~t3)、筒内実EGR率が出力増大後の要求出力に応じたEGR率まで低下し、かつ圧縮比が所定圧縮比に低下してから内燃機関1の出力を増大させる方法である。なお、目標EGR率が変化してから筒内実EGR率が変化し始めるまでには遅れ時間がある。そこで図5では、タイミングt1において要求出力が増大し、これに応じて目標EGR率を低下させた後、筒内実EGR率が低下し始めるタイミング(タイミングt2)で圧縮比の低下を開始している。この方法では、図4の方法に比べれば出力増大が完了するまでに要する時間を短縮できる。しかし、ロープレッシャーループEGRのレスポンスを考慮すると、出力増大が完了するまでに要する時間は図3と同等またはそれ以上になる。
図6は、筒内実EGR率及び圧縮比を低下させつつ、エンジン回転速度及びエンジントルクを増大させる方法である。すなわち、筒内実EGR率が低下し始めるタイミングt2で、圧縮比の低下と、エンジン回転速度及びエンジントルクの増大と、を開始する。図6の最大筒内圧力Pmaxのチャートにおける破線は、上述した許容入力範囲の上限値を示している。上述した通り、圧縮比の変化途中における中間圧縮比領域では、リンク構造の減速比が小さくなることに起因して許容入力範囲の上限値が小さくなっている。
エンジントルクの増大に伴い最大筒内圧Pmaxも増大するが、図6に示すように、中間圧縮比領域を通過する途中で最大筒内圧Pmaxが許容入力範囲を超えるおそれがある。この場合、点火時期を遅角することで最大筒内圧を低下させることができる。しかし、点火時期を遅角すると燃焼安定性は低下する傾向があり、EGR制御が行われている場合には失火に至るおそれがある。
そこで本実施形態では、動力性能の悪化や燃焼の不安定化を招くことなく、圧縮比変更を伴う出力増大を行なうために、以下に説明する制御を実行する。
図7は、コントローラ80が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。以下、ステップにしたがって説明する。
ステップS100で、コントローラ80はアクセルペダル開度や現在のエンジン回転速度に基づいて目標出力を演算する。
ステップS101で、コントローラ80は目標出力まで出力増大させる際の、1タイムステップ経過後の目標出力(タイムステップ目標出力)を演算する。
ステップS102で、コントローラ80はタイムステップ目標出力に基づいて、基本目標エンジントルク及び目標エンジン回転速度を演算する。
ステップS103で、コントローラ80はステップS102で演算した基本目標エンジントルク及び目標エンジン回転速度に対応する圧縮比における最大筒内圧力限界値Pmaxlimitをエンジントルクに換算することにより、エンジントルクの上限値(以下、エンジントルク限界ともいう)を設定する。
ステップS104で、コントローラ80はタイムステップ目標出力に対応する目標エンジントルクを設定する。具体的には、ステップS102で算出した基本目標エンジントルクがエンジントルク限界以下の場合は基本目標エンジントルクを目標エンジントルクとし、基本目標エンジントルクがエンジントルク限界より大きい場合はエンジントルク限界を目標エンジントルクとする。
ステップS105で、コントローラ80は基本目標エンジントルク及び目標エンジン回転速度に基づいて目標圧縮比を演算する。具体的には、エンジントルクとエンジン回転速度とをパラメータとする目標圧縮比マップを検索する。
ステップS106で、コントローラ80は基本目標エンジントルク及び目標エンジン回転速度に基づいて目標EGR率を演算する。具体的には、エンジントルクとエンジン回転速度とをパラメータとする目標EGR率マップを検索する。
ステップS107で、コントローラ80は、ステップS104で設定した目標エンジントルクに基づいて目標吸入空気量を演算する。すなわち、エンジントルク限界を超えないための吸入空気量を演算する。具体的には、公知の吸入空気量とエンジントルクとの関係に基づいて演算する。
ステップS108で、コントローラ80は、エンジントルク、圧縮比、筒内実EGR率、及び最大筒内圧力が同じタイミングで変化し始めるように、各デバイスの無駄時間補正を行なう。各デバイスには、可変圧縮比機構2及びEGR装置40の他に、過給圧を制御するウェイストゲートバルブ71、図示しない発電機を含む。また、可変動弁機構を備える場合には可変動弁機構も含む。
ステップS109で、コントローラ80は上記各デバイスの制御を開始する。
ステップS110で、コントローラ80は内燃機関1の出力がステップS100で設定した目標出力に到達したか否かを判定し、到達してした場合には本制御ルーチンを終了し、到達していない場合はステップS101の処理に戻る。
図8は、上記の制御ルーチンを実行した場合のタイムチャートである。図中の目標値は、出力増大が完了した状態における値である。
タイミングt1で要求出力が増大し、目標EGR率の低下が開始される。そして、筒内実EGR率の低下が開始するのと同時に、エンジン回転速度及びエンジントルクの増大と圧縮比の低下が開始される。
その後、エンジン回転速度及び圧縮比はタイムステップ毎に目標値に向けて変化を続ける。このようにエンジン回転速度を上昇させておくことで、吸入空気の流量が増大するので、エンジントルクの制限が解除された後の過給機30の応答性が向上する。
これに対し、エンジントルクは、最大筒内圧力Pmaxが最大筒内圧力限界値Pmaxlimitを超えないように制限されつつ、目標値に向けて変化する。
タイミングt3で圧縮比及び筒内実EGR率が目標値に到達した後は、実質的にはエンジントルクの制限がなくなり、タイミングt4でエンジントルクも目標値に到達する。
以上の通り、本実施形態では、筒内EGR率及び圧縮比を変化させながら、エンジントルク及びエンジン回転速度も変化させるので、目標出力に到達するまでの時間を短縮することが可能となり、動力性能の向上を図ることができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。なお、いずれの変形例も本発明の範囲に属する。
(変形例1)
上記の通り圧縮比が目標値に到達した後は、実質的にはエンジントルクの制限がなくなる。つまり、圧縮比が目標値に到達した後は、図7の制御ルーチンを実行してもエンジントルクは制限されない。そこで、図7の制御ルーチンのステップS109の後に圧縮比が目標値に到達したか否かの判定を追加し、到達した場合には、次回以降の演算においてはステップS103の処理をスキップし、ステップS104ではS102で演算した基本目標エンジントルクをそのまま目標エンジントルクに設定するようにしてもよい。
(変形例2)
要求出力の増大に応じて、EGR率をゼロ%まで低下させる場合がある。そして、EGR率がゼロ%であれば、点火時期を遅角しても内燃機関1が失火に至る可能性は低い。そこで、図9に示すように、筒内実EGR率がゼロ%になった後は、エンジントルクの制限を解除する。そして、エンジントルクの制限を解除したことで最大筒内圧力Pmaxが最大筒内圧力限界値Pmaxlimitを超える場合には、最大筒内圧力Pmaxが最大筒内圧力限界値Pmaxlimitより低くなるように点火時期を遅角する。本変形例によっても、上記実施形態と同様に、動力性能の向上を図ることができる。
以上のように本実施形態の内燃機関制御方法は、可変圧縮比機構2とEGR装置(排気還流装置)40と、を備える内燃機関1を制御する。そして、要求出力の増大に応じて圧縮比の変更を伴う出力増大を行なう場合に、変更途中における圧縮比毎に定まる最大筒内圧力限界値Pmaxlimit(筒内圧限界)を設定し、最大筒内圧力限界値Pmaxlimitを超えないようにエンジントルク限界を設定し、エンジントルク限界を実現する制限吸入空気量を、変更途中における圧縮比及びEGR率(排気還流率)に基づいて算出し、エンジントルクを制限吸入空気量に基づいて制限しつつ変化させ、かつエンジン回転速度を変化させながら、排気還流率及び圧縮比を変化させる。これにより、出力増大が完了するまでに要する時間を短縮して、動力性能の向上を図ることができる。また、最大筒内圧Pmaxは最大筒内圧力限界値Pmaxlimitを超えないようにエンジントルクを制限するので、動力性能の向上を図りつつ、圧縮比が所望の値からずれることを防止できる。さらには、変更途中における圧縮比及びEGR率に基づいてエンジントルクを制限するので、エンジントルクを必要以上に制限することがない。
本実施形態では、圧縮比の変化が終了した後は、エンジントルクの制限を解除して、エンジントルクを要求出力に応じた目標エンジントルクまで増大させる。これにより、エンジントルクが制限される時間が必要以上に長くなることがなくなり、圧縮比のズレの防止と動力性能の向上を両立することができる。
本実施形態では、EGR率をゼロ%まで変化させる場合には、EGR率がゼロ%に到達した後に、エンジントルクの制限を解除してエンジントルクを要求出力に応じた目標エンジントルクまで増大させ、かつ、最大筒内圧力限界値Pmaxlimitを超えないように点火時期の遅角制御を行なう。これにより、エンジントルクが制限される時間が必要以上に長くなることがなくなり、圧縮比のズレの防止と動力性能の向上を両立することができる。
本実施形態では、エンジントルクの制限を実行しているか否かにかかわらず、エンジン回転速度を要求出力に応じた回転速度まで制限を設けることなく上昇させる。これにより、エンジントルクの制限を解除した後の過給機30の応答性を向上させることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
1 内燃機関
30 過給機
40 EGR装置
80 コントローラ
104 クランクシャフト
106 ロアリンク
110 ピストン
112 アッパリンク
116 コントロールリンク
118 コントロールシャフト
124 アクチュエータ
134 中間リンク

Claims (5)

  1. アクチュエータにより作動する複リンク式ピストンクランクシャフト機構を利用して圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、排気の一部を吸気通路に還流させる排気還流装置と、を備える内燃機関を制御する内燃機関制御方法において、
    要求出力の増大に応じて前記圧縮比の変更を伴う出力増大を行なう場合に、
    変更途中における圧縮比毎に定まる筒内圧力であり、かつ前記複リンク式ピストンクランクシャフト機構を介して前記アクチュエータへ伝達される筒内圧力である逆入力が前記圧縮比のずれを生じさせない入力である許容入力の上限値となる場合の筒内圧力である筒内圧限界を設定し、
    前記筒内圧限界を超えないようにエンジントルク限界を設定し、
    前記エンジントルク限界を実現する制限吸入空気量を、変更途中における前記圧縮比及び排気還流率に基づいて算出し、
    エンジントルクを前記制限吸入空気量に基づいて制限しつつ変化させ、かつエンジン回転速度を変化させながら、前記排気還流率及び前記圧縮比を変化させることを特徴とする、内燃機関制御方法。
  2. 請求項1に記載の内燃機関制御方法において、
    前記圧縮比の変化が終了した後は、前記エンジントルクの制限を解除して、前記エンジントルクを前記要求出力に応じた目標エンジントルクまで増大させる、内燃機関制御方法。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関制御方法において、
    前記排気還流率をゼロ%まで変化させる場合には、
    前記排気還流率がゼロ%に到達した後に、前記エンジントルクの制限を解除して前記エンジントルクを前記要求出力に応じた目標エンジントルクまで増大させ、かつ、前記筒内圧限界を超えないように点火時期の遅角制御を行なう、内燃機関制御方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関制御方法において、
    前記エンジントルクの制限を実行しているか否かにかかわらず、前記エンジン回転速度を前記要求出力に応じた回転速度まで制限を設けることなく上昇させる、内燃機関制御方法。
  5. アクチュエータにより作動する複リンク式ピストンクランクシャフト機構を利用して圧縮比を変更する可変圧縮比機構と、排気の一部を吸気通路に還流させる排気還流装置と、を備える内燃機関を制御する内燃機関制御装置において、
    要求出力の増大に応じて前記圧縮比の変更を伴う出力増大を行なう場合に、
    制御部が、
    変更途中における圧縮比毎に定まる筒内圧力であり、かつ前記複リンク式ピストンクランクシャフト機構を介して前記アクチュエータへ伝達される筒内圧力である逆入力が前記圧縮比のずれを生じさせない入力である許容入力の上限値となる場合の筒内圧力である筒内圧限界を設定し、
    前記筒内圧限界を超えないようにエンジントルク限界を設定し、
    前記エンジントルク限界を実現する制限吸入空気量を、変更途中における前記圧縮比及び排気還流率に基づいて算出し、
    エンジントルクを前記制限吸入空気量に基づいて制限しつつ変化させ、かつエンジン回転速度を変化させながら、前記排気還流率及び前記圧縮比を変化させることを特徴とする、内燃機関制御装置。
JP2019156046A 2019-08-28 2019-08-28 内燃機関制御方法及び内燃機関制御装置 Active JP7324657B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019156046A JP7324657B2 (ja) 2019-08-28 2019-08-28 内燃機関制御方法及び内燃機関制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019156046A JP7324657B2 (ja) 2019-08-28 2019-08-28 内燃機関制御方法及び内燃機関制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021032203A JP2021032203A (ja) 2021-03-01
JP7324657B2 true JP7324657B2 (ja) 2023-08-10

Family

ID=74678013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019156046A Active JP7324657B2 (ja) 2019-08-28 2019-08-28 内燃機関制御方法及び内燃機関制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7324657B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114991972B (zh) * 2022-05-17 2023-04-14 东风汽车集团股份有限公司 一种发动机极限气路扭矩控制方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004197582A (ja) 2002-12-16 2004-07-15 Nissan Motor Co Ltd エンジンの吸気制御装置
JP2005127200A (ja) 2003-10-23 2005-05-19 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP2008223519A (ja) 2007-03-09 2008-09-25 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
WO2010113332A1 (ja) 2009-04-02 2010-10-07 トヨタ自動車株式会社 エンジン制御装置
JP2013189066A (ja) 2012-03-13 2013-09-26 Toyota Motor Corp 車両
JP2018115591A (ja) 2017-01-17 2018-07-26 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2018184837A (ja) 2017-04-24 2018-11-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004197582A (ja) 2002-12-16 2004-07-15 Nissan Motor Co Ltd エンジンの吸気制御装置
JP2005127200A (ja) 2003-10-23 2005-05-19 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP2008223519A (ja) 2007-03-09 2008-09-25 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
WO2010113332A1 (ja) 2009-04-02 2010-10-07 トヨタ自動車株式会社 エンジン制御装置
JP2013189066A (ja) 2012-03-13 2013-09-26 Toyota Motor Corp 車両
JP2018115591A (ja) 2017-01-17 2018-07-26 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2018184837A (ja) 2017-04-24 2018-11-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021032203A (ja) 2021-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8201406B2 (en) Control apparatus for internal combustion engine
JP5708820B2 (ja) 内燃機関の制御装置及び制御方法
JP2009047005A (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
JP5854152B2 (ja) 可変圧縮比機構を備える内燃機関
JP6597699B2 (ja) 内燃機関
JP6378251B2 (ja) 内燃機関の過給システム
WO2014046059A1 (ja) 内燃機関の制御装置及び方法
US10697378B2 (en) Control system of miller cycle engine and method of controlling miller cycle engine
JP4893514B2 (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
JP4438368B2 (ja) 可変圧縮比エンジンの制御装置
JP7324657B2 (ja) 内燃機関制御方法及び内燃機関制御装置
JP5229143B2 (ja) エンジンの制御装置
JP4596726B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5229134B2 (ja) エンジンの制御装置
JP6614221B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6753530B2 (ja) 内燃機関の制御方法および制御装置
JP2004156464A (ja) 内燃機関の圧縮比制御装置
JP5338709B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6439875B2 (ja) エンジンの制御装置及びエンジンの制御方法
JP2009228585A (ja) 電動過給機付き内燃機関の制御装置
JP2021195868A (ja) エンジンの制御方法及び制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230731

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7324657

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150