JP2007061945A - ワーク位置決め支持装置及びワーク位置決め支持方法 - Google Patents

ワーク位置決め支持装置及びワーク位置決め支持方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 多車種のワークを1種類のワーク位置決め手段で位置決め支持して搬送することができ、しかも組立ライン上の各工程に配置された治具などと干渉しないようにする。
【解決手段】 エンジンコンプリート4(ワーク)を位置決めして支持するロケートピン11と、このロケートピン11を先端部に取り付けたアーム8、8と、このアーム8、8の基端部を中心として該アーム8、8を閉じた状態と開いた状態に開閉自在とし、該アーム8、8の先端に取り付けたロケートピン11を係合位置と非係合位置にそれぞれ配置させるアーム開閉手段と、これらロケートピン11、アーム8、8及びアーム開閉手段とからなるワーク位置決め機構部9全体を、エンジンコンプリート4に対して接近離反させる昇降手段と、ワーク位置決め機構部9及び前記昇降手段を載せたテーブル10を、前記エンジンコンプリート4を位置決め支持する位置へと移動させる移動手段とを備える。
【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば自動車の組立ラインの各加工工程にワークを搬送して該ワークを所定の位置に位置決め支持するワーク位置決め支持装置及びワーク位置決め支持方法に関する。
例えば、自動車の組立ラインには車種毎に大きさや形状の異なった複数種類のワークが供給されることから、その複数種類のワークを位置決め支持して前記組立ライン上の組立工程や溶接工程などへ順次搬送させるワーク位置決め支持装置が使用されている。
かかるワーク位置決め支持装置には、例えば、車種毎で大きさや形状の異なるワークを位置決めしなければならないことから、多車種対応型のワーク位置決め支持装置が求められる(例えば、特許文献1、2など参照)。
特許文献1、2に記載のワーク位置決め支持装置は、各車種毎に応じた専用のワーク受け部を用意し、そのワーク受け部を専用のシリンダで出没動作させることで、各車種毎に応じたワークを位置決め支持するようにしている。
特許第2534379号公報(第2頁及び第3頁、第1図から第4図参照) 実公平7−27270号公報(第2頁、第1図から第4図参照)
しかし、特許文献1及び2に記載のワーク位置決め支持装置では、何れも新しい車種が追加された場合には、その車種専用のワーク受け部とシリンダが必要になる。また、多数の受け部及びシリンダを他の受け部及びシリンダと互いに干渉しないように配置する必要があるため、全ての車種に応じた適正な位置決め位置に、これらワーク受け部とシリンダを配置することは困難であり、また、その成立性の検証が必要になってくる。
さらに、複数のワーク受け部が密集して配置されることから、そのワーク受け部の近傍を溶接する場合、溶接ガンがワーク受け部やシリンダロッドなどと干渉し易い。この干渉を避けるようにしてワーク受け部やシリンダを配置する必要があるため、場合によっては、従来車種用のワーク受け部及びシリンダの配置位置を別の位置に変更する等の面倒な作業が必要になる。
そこで、本発明は、車種毎に大きさや形状の異なるワークに対応したそれぞれのワーク受け部やシリンダを用意することなく多車種のワークを1種類のワーク位置決め手段で位置決め支持して搬送することができ、しかも組立ライン上の各工程に配置された治具などと干渉しないワーク位置決め支持装置を提供することを目的とする。
本発明のワーク位置決め支持装置は、ワークを位置決めして支持するワーク位置決め手段と、このワーク位置決め手段を先端部に取り付けたアームと、このアームの基端部を中心として該アームを閉じた状態と開いた状態に開閉自在とし、該アームの先端部に取り付けた前記ワーク位置決め手段を係合位置と非係合位置にそれぞれ配置させるアーム開閉手段と、これらワーク位置決め手段、アーム及びアーム開閉手段とからなるワーク位置決め機構部全体を、前記ワークに対して接近離反させる昇降手段と、ワーク位置決め機構部及び前記昇降手段を載せたテーブルを、前記ワークを位置決め支持する位置へと移動させる移動手段とを備える。
本発明のワーク位置決め支持装置によれば、ワークを位置決めして支持するワーク位置決め手段をアームの先端部に取り付け、そのアームを閉じた状態と開いた状態に開閉自在として該ワーク位置決め手段を係合位置と非係合位置にそれぞれ配置させ、また、ワーク位置決め手段をワークに対して接近離反させるようにしたので、車種毎に大きさや形状の異なるワークに対して前記アームの開き度合いとワーク位置決め手段の昇降位置とを適宜調整することにより、多車種に応じた複数種類のワークを、専用のワーク受け部やシリンダを使用することなく位置決め支持することができる。
また、本発明のワーク位置決め支持装置によれば、ワーク搬送終了後に非係合位置でアームを閉じた状態とし、そのアームの先端部に取り付けたワーク位置決め手段をワークより離反させた位置まで下降させて待機しておけば、ワーク受取位置へ回送する際に組立ライン上の各工程に配置された治具などと干渉するのを防止できる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態のワーク位置決め支持装置1は、図1及び図2に示すように、自動車組立ライン上に平行に配置(敷設)された一対の搬送用レール2、2に沿ってスライド自在とされるベースプレート3上に配置される。図2では、搬送用レール2、2は図示を省略してある。
本実施の形態では、4台のワーク位置決め支持装置1を各ベースプレート3上に配置させ、それらワーク位置決め支持装置1のそれぞれを、自動車一台分となるエンジンコンプリート4とリアメンバー5(ワーク)を位置決め支持することのできる適正な位置となるように搬送用レール2、2に沿って移動させ、当該ワーク位置決め支持装置1でこれらエンジンコンプリート4とリアメンバー5とを位置決め支持させる。そして、これらワーク位置決め支持装置1を、前記組立ラインに設けられた組立工程や溶接工程などの各工程へと順次搬送させるようにする。具体的には、隣接する工程間で前工程から後工程へワークを支持して搬送させる。
前記ワーク位置決め支持装置1を載せた4台のベースプレート3は、前記一対の搬送用レール2、2間に配置(敷設)された連結棒6で連結されて一つの装置ユニットを構成し、図示を省略する駆動制御部で駆動制御されることにより、それらが一体となって搬送用レール2、2に沿って、ワークに対して各種加工を行う各ワーク加工工程間を往復動自在とされる。連結棒6は、例えば断面略矩形状の中空パイプとされ、ボルト・ナットなどの締結手段で各ベースプレート3の下面に固定される。
なお、前記搬送用レール2、2の下には、この搬送用レール2、2を支えるためのレール受け台7、7がフロア上に固定されている。
ワーク位置決め支持装置1は、図3から図5に示すように、エンジンコンプリート4またはリアメンバー5を位置決めして支持するワーク位置決め手段と、このワーク位置決め手段を先端部に取り付けた2組のアーム8、8と、このアーム8、8の基端部8aを中心として該アーム8、8を閉じた状態と開いた状態に開閉自在とし、該アーム8、8の先端部に取り付けた前記ワーク位置決め手段をエンジンコンプリート4及びリアメンバー5の被係合部と係合可能な位置までアーム8、8を外側に開いた係合位置と該係合位置からアーム8、8を内側に閉じた非係合位置にそれぞれ配置させるアーム開閉手段と、前記ワーク位置決め手段、アーム8、8及びアーム開閉手段とからなるワーク位置決め機構部9全体を、前記エンジンコンプリート4またはリアメンバー5に対して接近離反させる昇降手段と、前記ワーク位置決め機構部9及び前記昇降手段を載せたテーブル10を、前記エンジンコンプリート4またはリアメンバー5を位置決め支持する位置へと移動させる移動手段とを備えている。
ワーク位置決め手段は、エンジンコンプリート4やリアメンバー5に形成されたロケート孔や位置決め部に係合して位置決め支持するロケートピン11と、このロケートピン11を固定し、前記アーム8、8の先端部8bに固定されるロケートピン支持部材12とからなる。
アーム8、8は、図6に示すように、平面視くの字形状とされた2組のアーム8、8からなる。各組のアーム8、8は、それぞれ第1アーム8A及び第2アーム8Bの2本で構成されている。第1アーム8A及び第2アーム8Bは、後述するワーク位置決め機構部9を構成する部品の一つであるアーム取付プレート13(図7を参照)に対して可動自在に取り付けられている。
すなわち、第1アーム8Aは、アーム取付プレート13に固定された支持軸14にその基端部8aを回転自在に取り付けることにより、該支持軸14を中心として可動自在とされる。第2アーム8Bは、前記アーム取付プレート13と連結されるアーム支持プレート15との間に固定されたシャフト16にその基端部8aを回転自在に取り付けることにより、該シャフト16を中心として可動自在とされる。
また、この第1アーム8A及び第2アーム8Bの先端部8bは、何れもロケートピン支持部材12に所定間隔を置いて取り付けられた支持軸17に対して回動自在とされている。したがって、この2本の第1アーム8Aと第2アーム8Bからなるアーム8は、いわゆる平行リンク機構とされ、その先端部8bに取り付けたロケートピン支持部材12を常に水平状態を保った状態に支持すると共に、そのロケートピン支持部材12に固定されたロケートピン11の先端を常に上方に向けた状態を保つ。
アーム開閉手段は、図6及び図7に示すように、第1アーム8Aの先端部8bと基端部8aの中途位置に一端18aを連結させたリンク部材18と、このリンク部材18の他端18bを連結させた昇降部材19と、該昇降部材19を上下動させてこの昇降部材19に連結させたリンク部材18を回動させることにより、該リンク部材18に連結された前記第1アーム8Aを開閉自在とする昇降部材駆動機構部とからなる。
リンク部材18は、第1アーム8Aの基端部8a寄りの位置に固定された支持軸20にその一端18aを回動自在に取り付けることにより、該支持軸20を中心として可動自在とされる。また、このリンク部材18は、昇降部材19に固定された支持軸21の先端にその他端18bを回動自在に取り付けることにより、該支持軸21を中心として可動自在とされる。
昇降部材駆動機構部は、昇降部材19を上下動させるための第1の昇降駆動用モータ22と、この第1の昇降駆動用モータ22の動力を伝達する一対の第1のプーリー23、23と、これら第1のプーリー23、23間に掛けられた第1の駆動ベルト24と、一方の第1のプーリー23に基端部を固定させて回転する第1のボールねじ25と、昇降部材19を一面に固定し、該第1のボールねじ25に沿って上下動する第1のナット部材26とから構成される。
第1の昇降駆動用モータ22は、昇降テーブル27に固定され、一対の第1のプーリー23、23間に掛けられた第1の駆動ベルト24を介して回転力を伝達し、その一方の第1のプーリー23に固定された第1のボールねじ25を正逆方向に回転させることにより、この第1のボールねじ25に螺合する第1のナット部材26を上下動させて、該第1のナット部材26に固定した昇降部材19を昇降動させる。かかる第1の昇降駆動用モータ22は、例えばステッピングモータなどから構成され、駆動制御部に指示されることによって前記昇降部材19を所望の位置に高精度に昇降動可能とする。
第1のプーリー23、23及び第1の駆動ベルト24は、昇降テーブル27の内部に回転自在に配置されている。第1のボールねじ25及び第1のナット部材26は、昇降テーブル27に垂直に固定された四角柱形状をなす第1のガイド支柱28の中に設けられている。第1のナット部材26は、その殆どの部位がこの第1のガイド支柱28で覆われるが、昇降部材19を取り付ける側の一面は外側へ突出している。この第1のナット部材26には、第1のボールねじ25と螺合するねじ部(図示は省略する)が形成されており、該第1のボールねじ25が回転することで、第1のナット部材26がこの第1のボールねじ25に送られて下端位置から上端位置の間を昇降動するようになっている。
このように構成されたアーム開閉手段では、エンジンコンプリート4及びリアメンバー5を位置決め支持する前の待機状態(図4及び図8に示す状態)では、2組のアームが交差して各アーム8、8の先端部に取り付けたロケートピン11を該アーム8、8の内側の位置に配置させた状態とされる。つまり、ロケートピン11は、外側に配置された第2アーム8Bの先端部8bの内側に位置し、ワーク位置決め支持装置1の両側に配置された各工程で使用される治具29、30などと接触しないように待避した位置に設けられる。
この待機状態から駆動制御部より指令を受けて第1の昇降駆動用モータ22が駆動し、第1のプーリー23、23及び第1の駆動ベルト24を介して第1のボールねじ25が回転させられると、この第1のボールねじ25に螺合する第1のナット部材26が上方位置へと送られる(上昇させられる)。このとき、第1のナット部材26に固定された昇降部材19も一緒に上昇するが、その昇降部材19の上昇に伴って、この昇降部材19に固定された支持軸21に回動自在に取り付けられるリンク部材18が、該支持軸21に取り付けられた他端18bを中心として図8中矢印Aで示す方向へ回動して行き、その一端18aに連結した第1アーム8Aを外側へ開くように回動させて行く。かかる第1アーム8Aが外側へ開くように回動すると、この第1アーム8Aの先端部8bに固定されたロケートピン支持部材12に連結される第2アーム8Bもこれに連動して外側へ一緒に回動する。
そして、2組のアーム8、8は、図6及び図10に示すように、右側と左側にそれぞれ外側へ大きく羽ばたくようにして開き、各アーム8、8の先端部8bに取り付けたロケートピン11を、該アーム8、8の先端部8bからさらに外側に配置させるようになる。これらアーム8、8が回動する一連の状態では、平行リンク機構を構成する第1アーム8Aと第2アーム8Bにより、ロケートピン支持部材12は、常にロケートピン11を真上に保持した水平状態を保ちながら移動する。そのため、このアーム8、8の開き角度に拘わらず、どの状態でもエンジンコンプリート4及びリアメンバー5を位置決め支持することのできる状態とされ、大きさや形状の異なるワークに対してもこの1本のロケートピン11だけで位置決め支持することができる。
昇降手段は、図3及び図5に示すように、前記したワーク位置決め手段、アーム8、8及びアーム開閉手段とからなるワーク位置決め機構部9全体を、前記エンジンコンプリート4またはリアメンバー5に対して接近離反させるためのものであり、前記ワーク位置決め機構部9を上下動させるための第2の昇降駆動用モータ31と、この第2の昇降駆動用モータ31の動力を伝達する一対の第2のプーリー33、33と、これら第2のプーリー33、33間に掛けられた第2の駆動ベルト34と、一方の第2のプーリー33に基端部を固定させて回転する第2のボールねじ35と、前記したアーム取付プレート13を一面に固定し、該第2のボールねじ35に沿って上下動する第2のナット部材36とから構成される。
第2の昇降駆動用モータ31は、前記したテーブル10上に固定されている。この第2の昇降駆動用モータ31は、一対の第2のプーリー33、33間に掛けられた第2の駆動ベルト34を介して回転力を伝達し、その一方の第2のプーリー33に固定された第2のボールねじ35を正逆方向に回転させることにより、この第2のボールねじ35に螺合する第2のナット部材36を上下動させて、該第2のナット部材36に固定したワーク位置決め機構部9全体を昇降動させる。この第2の昇降駆動用モータ31は、第1の昇降駆動用モータ22と同様、ステッピングモータからなり、駆動制御部に指示されることによって前記ワーク位置決め機構部9を所望の位置に高精度に昇降動可能とする。
第2のプーリー33、33及び第2の駆動ベルト34は、テーブル10に垂直に固定された四角柱形状をなす第2のガイド支柱38の下端に設けられたケース39内に配置されている。この第2のガイド支柱38の中には、前記第2のボールねじ35と前記第2のナット部材36とが配置されている。第2のナット部材36には、第2のボールねじ35と螺合するねじ部(図示は省略する)が形成されており、該第2のボールねじ35が回転することで、第2のナット部材36がこの第2のボールねじ35に送られて下端位置から上端位置の間を昇降動するようになっている。
このように構成された昇降手段では、第2の昇降駆動用モータ31が駆動し、第2のプーリー33、33及び第2の駆動ベルト34を介して第2のボールねじ35が回転させられると、この第2のボールねじ35に螺合する第2のナット部材36が上下方向に送られる(昇降動させられる)。したがって、この第2のナット部材36に前記アーム取付プレート13を固定させたワーク位置決め機構部9は、図8に示す下端まで下降させた待機位置と図9に示す所定位置まで上昇させた係合位置との間を昇降動することになる。
移動手段は、前記ワーク位置決め機構部9及び前記昇降手段を載せたテーブル10を、前記エンジンコンプリート4またはリアメンバー5を位置決め支持するワーク支持位置へと移動させるためのもので、テーブル10をスライド自在とする一対の移動用レール37、37と、ラックギア40が形成されたラックレール41と、テーブル10に固定されたテーブル移動用モータ42と、このテーブル移動用モータ42に取り付けられ、ラックギア40と歯合して前記テーブル10を移動させるピニオンギア43とからなる。
移動用レール37、37は、4個のベースプレート3を橋渡しするように連続して設けられ、該ベースプレート3上に固定されたレール基盤44の上に固定されている。ラックレール41は、一方の移動用レール37に近接して設けられ、前記レール基盤3上に固定されている。このラックレール41には、その長手方向に沿ってラックギア40が形成されている。テーブル移動用モータ42は、前記テーブル10に固定され、そのテーブル10の下面に突き出たピニオンギア43を前記ラックギア40に歯合させて回転させることで、前記テーブル10を移動用レール37、37に沿って往復動自在とする。なお、テーブル移動用モータ42は、制御部で制御可能なステッピングモータからなる。
本実施の形態では、テーブル移動用モータ42を駆動してワーク位置決め機構部9及び昇降手段を載せた各テーブル10を、少なくともそれぞれのワーク支持位置まで移動できれば良いが、必要に応じてこれら各テーブル10を一個所の位置に集合させて移動させることもできる。
次に、上述のように構成されたワーク位置決め支持装置1でワーク(エンジンコンプリート4及びリアメンバー5)を位置決め支持し、そのワークを搬送する動作について説明する。
先ず、テーブル移動用モータ42を駆動し、ラックギア40と歯合するピニオンギア43を回転させることにより、前記テーブル10を前記移動用レール37、37に沿って移動させる。かかるテーブル10は、その上に設けたワーク位置決め機構部9が、図1及び図2に示す位置にセットされたエンジンコンプリート4及びリアメンバー5の下方位置と対応するワーク支持位置と対応する位置まで移動される。
次に、第2の昇降駆動用モータ31を駆動し、図4のアーム8、8が閉じた待機状態から該アーム8、8が閉じた状態を保持したままの状態で、第2のナット36を上昇させることにより、前記ワーク位置決め機構部9を周囲の治具29、30などと干渉しない位置まで上昇させる。
次いで、第1の昇降駆動用モータ22を駆動し、第1のナット部材26を上昇させることにより前記したリンク部材18を回動させ、閉じた状態にある2組のアーム8、8をそれぞれ図4中二点鎖線で示すように外側へ開かせる。
そして、各アーム8、8のロケートピン11がエンジンコンプリート4及びリアメンバー5の被係合部と係合可能位置となったところで、再び第2の昇降駆動用モータ31を駆動してワーク位置決め機構部9を上昇させ、前記ロケートピン11でエンジンコンプリート4及びリアメンバー5を位置決め支持させる。
エンジンコンプリート4及びリアメンバー5をワーク位置決め機構部9で位置決め支持したら、図示しない駆動源を駆動して連結棒6で連結した4台のベースプレート3を前記搬送用レール2、2に沿って移動させ、エンジンコンプリート4及びリアメンバー5を、隣接する次の工程(後工程)へと搬送させる。ワーク搬送後の回送は、前記した動作の逆の動作を行い、アーム8、8を閉じた状態に戻すと共にワーク位置決め機構部9を待機位置として隣接する前の工程(前工程)へと回送させる。
本実施の形態のワーク位置決め支持装置1によれば、エンジンコンプリート4やリアメンバー5などのワークを位置決めして支持するワーク位置決め手段(ロケートピン11及びロケートピン支持部材12)をアーム8、8の先端部に取り付け、そのアーム8、8を閉じた状態と開いた状態に開閉自在として該ワーク位置決め手段を係合位置と非係合位置にそれぞれ配置させ、また、ワーク位置決め手段をワークに対して接近離反させるようにしたので、車種毎に大きさや形状の異なるワークに対して前記アーム8、8の開き度合いとワーク位置決め手段の昇降位置とを適宜調整することにより、多車種に応じた複数種類のワークを、専用のワーク受け部やシリンダを使用することなく位置決め支持することができる。
また、本実施の形態のワーク位置決め支持装置1によれば、ワーク搬送終了後に非係合位置でアーム8、8を閉じた状態とし、そのアーム8、8の先端部に取り付けたワーク位置決め手段をワークより離反させた位置まで下降させて待機しておけば、ワーク受取位置(前工程)まで回送する際に組立ライン上の各工程に配置された治具29、30などと干渉するのを防止できる。
また、本実施の形態のワーク位置決め支持装置1によれば、昇降部材19の上下動に連動させてリンク部材18を回動させることによりアーム8、8を開閉自在とするリンク機構でアーム開閉手段を構成したので、異なる大きさや形状の複数種類のワークに対しても、そのアーム8、8の開き角度を適宜調整することで、簡単にワークを位置決め支持することができる。
また、本実施の形態のワーク位置決め支持装置1によれば、アーム8、8を閉じたときにそれら2組のアーム8、8が交差して各アーム8、8の先端部に取り付けたワーク位置決め手段をアーム8、8の先端部の内側の位置に配置させたことから、前工程へと回送させる際に、その周囲に配置させた治具29、30などにアーム8、8が接触するのを防止できる。
また、本実施の形態のワーク位置決め支持装置1によれば、各組のアーム8、8を、それぞれ2本のアームにていわゆる平行リンク機構としたので、ワーク位置決め手段を常に水平に保つことができる。そのため、アーム8、8の開き角度の大小に拘わらずワーク位置決め手段が常に水平であるから、複数種類のワークでも容易に位置決め支持することができる。
また、本実施の形態のワーク位置決め支持装置1によれば、ワーク位置決め手段にはロケートピン11を使用しているので、ワークを把持するクランプ機構のような複雑な構造とすることなく、単純な構造のロケートピン11のみで複数種類のワークを全て位置決め支持することができる。
また、本実施の形態のワーク位置決め支持装置1によれば、ワーク位置決め機構部9及び昇降手段を載せたテーブル10をワーク支持位置へと移動させる移動手段を、テーブル移動用モータに設けたピニオンギア43とラックギア40とを歯合させることにより前記移動用レール37、37に沿って該テーブル10を移動自在とする構成としたので、従来からある移動手段を使用した低コストの装置とすることができる。さらに、移動用レール37、37をレール基盤44と共に4個のベース3を橋渡しするように連続して設けたので、装置ユニット全体の剛性部材として機能させることができ、他の構成部材の板厚低減など軽量化が可能となる。
また、本実施の形態のワーク位置決め支持装置1によれば、テーブル10を含めた装置全体を配置したベースプレート3の複数個を連結手段で連結してなる装置ユニットを、各ワーク加工工程間を往復動させているので、各ベースプレート3毎に移動させる面倒な制御をする必要が無い。
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、上述の実施の形態は、本発明の一例に過ぎないからこれら実施の形態に、本発明が限定されるものではない。
本実施の形態のワーク位置決め支持装置でワークを位置決め支持した状態を示す側面である。 本実施の形態のワーク位置決め支持装置でワークを位置決め支持した状態を示す平面図である。 本実施の形態のワーク位置決め支持装置の側面図である。 本実施の形態のワーク位置決め支持装置の正面図である。 本実施の形態のワーク位置決め支持装置の斜視図である。 本実施の形態のワーク位置決め支持装置におけるワーク位置決め機構部の斜視図である。 本実施の形態のワーク位置決め支持装置におけるアーム開閉手段の一部を取り出して示す斜視図である。 アームが閉じた待機状態におけるワーク位置決め支持装置の正面図である。 アームが開いた係合状態におけるワーク位置決め支持装置の正面図である。 アームが開いた係合状態におけるワーク位置決め支持装置の平面図である。
符号の説明
1…ワーク位置決め支持装置
2…搬送用レール
3…ベースプレート(ベース)
4…エンジンコンプリート(ワーク)
5…リアメンバー(ワーク)
6…連結棒(連結手段)
8…アーム
8A…第1アーム
8B…第2アーム
9…ワーク位置決め機構部
10…テーブル
11…ロケートピン(ワーク位置決め手段)
19…リンク部材(アーム開閉手段)
22…第1の昇降駆動用モータ(アーム開閉手段)
23…第1のプーリー(アーム開閉手段)
24…第1の駆動ベルト(アーム開閉手段)
25…第1のボールねじ(アーム開閉手段)
26…第1のナット部材(アーム開閉手段)
31…第2の昇降駆動用モータ(昇降手段)
32…伝達ベルト(昇降手段)
33…第2のプーリー(昇降手段)
34…第2の駆動ベルト(昇降手段)
35…第2のボールねじ(昇降手段)
36…第2のナット部材(昇降手段)
37…移動用レール(移動手段)
40…ラックギア(移動手段)
41…ラックレール(移動手段)
42…テーブル移動用モータ(移動手段)
43…ピニオンギア(移動手段)
44…レール基盤(移動手段)

Claims (8)

  1. ワークを位置決めして支持するワーク位置決め手段と、
    前記ワーク位置決め手段を先端部に取り付けたアームと、
    前記アームの基端部を中心として該アームを閉じた状態と開いた状態に開閉自在とし、該アームの先端部に取り付けた前記ワーク位置決め手段を係合位置と非係合位置にそれぞれ配置させるアーム開閉手段と、
    前記ワーク位置決め手段、アーム及びアーム開閉手段とからなるワーク位置決め機構部全体を、前記ワークに対して接近離反させる昇降手段と、
    前記ワーク位置決め機構部及び前記昇降手段を載せたテーブルを、前記ワークを位置決め支持する位置へと移動させる移動手段とを備えた
    ことを特徴とするワーク位置決め支持装置。
  2. 請求項1に記載のワーク位置決め支持装置であって、
    前記アーム開閉手段は、前記アームの先端部と基端部の中途位置に一端を連結したリンク部材と、このリンク部材の他端を連結させた昇降部材と、該昇降部材を上下動させてこの昇降部材に連結させた該リンク部材を回動させることにより、該リンク部材に連結された前記アームを開閉自在とする昇降部材駆動機構部とからなる
    ことを特徴とするワーク位置決め支持装置。
  3. 請求項2に記載のワーク位置決め支持装置であって、
    前記アームは、平面視略くの字形状とされた2組のアームからなり、
    前記アームを閉じた状態のときにそれら2組のアームが交差して各アームの先端部に取り付けた前記ワーク位置決め手段を該アームの先端部の内側の位置に配置させ、
    前記アームを開いた状態のときにそれら2組のアームが外側に開いて各アームの先端部に取り付けた前記ワーク位置決め手段を該アームの先端部からさらに外側に配置させる
    ことを特徴とするワーク位置決め支持装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載のワーク位置決め支持装置であって、
    前記各組のアームは、それぞれ2本とされ、前記リンク部材と連結された一方のアームを回動させたときに他方のアームもこれに追従して回動するようにし、前記アームの開閉動作時に、前記ワーク位置決め手段が常に水平状態を保持するように構成した
    ことを特徴とするワーク位置決め支持装置。
  5. 少なくとも請求項1から請求項4の何れか一つに記載のワーク位置決め支持装置であって、
    前記ワーク位置決め手段は、前記ワークに係合して位置決め支持するロケートピンと、このロケートピンを固定し、前記アームの先端部に取り付けられるロケートピン支持部材とからなる
    ことを特徴とするワーク位置決め支持装置。
  6. 少なくとも請求項1から請求項5の何れか一つに記載のワーク位置決め支持装置であって、
    前記移動手段は、前記テーブルをスライド自在とする一対の移動用レールと、ラックギアが形成されたラックレールと、前記テーブルに固定されたテーブル移動用モータと、前記テーブル移動用モータに取り付けられ、前記ラックギアと歯合して前記テーブルを移動させるピニオンギアとからなる
    ことを特徴とするワーク位置決め支持装置。
  7. 少なくとも請求項1から請求項6の何れか一つに記載のワーク位置決め支持装置であって、
    前記テーブルを含めた装置全体を、平行に配置した一対の搬送用レールに沿ってスライド自在とされたベースプレート上に配置し、その装置全体を配置したベースプレートの複数個を所定間隔を置いて連結手段で連結して一つの装置ユニットを構成し、その装置ユニットを、ワークに対して各種加工を行う各ワーク加工工程間を往復動させた
    ことを特徴とするワーク位置決め支持装置。
  8. ワークを位置決めして支持するワーク位置決め手段と、前記ワーク位置決め手段を先端部に取り付けたアームと、前記アームの基端部を中心として該アームを閉じた状態と開いた状態に開閉自在とし、該アームの先端部に取り付けた前記ワーク位置決め手段を係合位置と非係合位置にそれぞれ配置させるアーム開閉手段とからなるワーク位置決め機構部全体を、前記ワークに対して接近離反させる昇降手段と、前記ワーク位置決め機構部及び前記昇降手段を載せたテーブルを、前記ワークを位置決め支持する位置へと移動させる移動手段とを備えてなるワーク位置決め支持装置を用いたワーク位置決め方法であって、
    前記ワークを位置決めするに際しては、前記アームが閉じた状態を保持したまま前記位置決め機構部全体を周囲の治具と干渉しない位置まで前記昇降手段により上昇させた後、前記アーム開閉手段で前記アームを開き、そのアームの先端部に取り付けた前記ワーク位置決め手段が前記ワークを位置決め可能となったところで、再び前記位置決め機構部全体を上昇させて前記ワーク位置決め手段で前記ワークを位置決め支持する
    ことを特徴とするワーク位置決め支持方法。
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