以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第一の実施の形態)
図1は、本実施形態のインターネットファクシミリ装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。インターネットファクシミリ装置100は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などからなる制御部10と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)14と、画像メモリ16と、スキャナ17と、プリンタ18と、ネットワークインタフェース(図中、「ネットワークI/F」と示す)20と、NCU(Network Control Unit)22と、モデム24と、CODEC(Coder and Decoder:符号化復号器)26と、操作部28と、表示部30と、これらを接続するバス32と、を含む。
制御部10は、当該インターネットファクシミリ装置100の各要素にバス32を介して接続され、各要素とともに、装置全体を制御する。NCU22は、公衆電話交換回線網(図中、「PSTN(Public Switched Telephone Networks)」と示す)3に接続される電話回線と当該インターネットファクシミリ装置100との接続を制御するととともに、通信相手の電話番号のダイヤル信号を送出するとともに、着信を検出する。モデム24は、NCU22を介して電話回線を通じて通信相手と送受信する音声信号とデジタルデータとの間の変復調を行う。
スキャナ17は、たとえば、CCDイメージセンサなどを含み、原稿の画像を読み取り、画像メモリ16に記憶する。CODEC26は、画像メモリ16に記憶された画像データを符号化したり、電話回線を通じて受信した画像データを復号して画像メモリ16に記憶する。プリンタ18は、受信した画像データを用紙に印字出力する。
操作部28は、たとえば、キーボード、シートキー、ボタン、スイッチ、タッチパネル、マウスなどを含み、インターネットファクシミリ装置100の操作指示や入力を行う。たとえば、ファックスやコピーの開始などを指示するスタートキー、電話番号やファクシミリ番号などを入力するためのテンキーなどを含む。表示部30は、たとえば、操作部28の操作により入力され受け付けた電話番号やファクシミリ番号、プリンタ18のトナー残量などの各種情報、アドレス帳、操作指示画面などを表示する。なお、表示部30は、たとえば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)表示器などが用いられる。
ROM12は、このインターネットファクシミリ装置100の全体の動作を制御するためのプログラムなどが記録される。RAM14は、制御部10による制御に必要なデータおよび制御動作時に一時記憶が必要なデータなどを記憶する。なお、本実施形態において、インターネットファクシミリ装置100の起動時には、ROM12に記憶されているプログラムは、一旦、RAM14にロードされてから、RAM14上で制御部10により実行される。画像メモリ16は、スキャナ17が読み取った画像データを記憶したり、外部の電話回線からモデム24を介して受信した画像データを記憶する。
本発明のインターネットファクシミリ装置100は、たとえば、インターネットやLANなどのネットワーク1に接続されたインターネットファクシミリ装置やMFP(Multi Functional Peripheral)などである。なお、以下に示す各図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してある。
図2は、本発明の実施の形態に係るインターネットファクシミリ装置100を示す機能ブロック図である。
本実施形態のインターネットファクシミリ装置100は、指定された宛先にファクシミリデータを複数の経路で送信可能なネットワークファクシミリ装置であって、ファクシミリデータを複数の経路の中から指定された第1経路(ネットワーク1)で宛先に送信する第1送信部(SMTP送信部102またはIP−FAX送信部104)と、第1送信部において、送信に失敗した場合、その失敗の原因に応じて、複数の経路の中から第1経路とは異なる第2経路(PSTN3)での送信が可能かを判断する判断部(エラー検出部130および経路選択部114)と、判断部で送信可能と判断された第2経路で宛先にファクシミリデータを送信する第2送信部(G3FAX送信部106)と、を備える。
なお、インターネットファクシミリ装置100の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各図は、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
図2に示すように、インターネットファクシミリ装置100は、SMTP送信部102と、IP−FAX送信部104と、G3FAX送信部106と、送信指示受付部108と、読取部110と、画像データ記憶部(図中、「画像データ」と示す)112と、経路選択部114と、選択条件記憶部(図中、「選択条件」と示す)116と、宛先受付部118と、アドレス帳記憶部(図中、「アドレス帳」と示す)120と、アドレス取得部122と、変換部124と、送信データ記憶部(図中、「送信データ」と示す)126と、送信制御部128と、エラー検出部130と、を備えている。
SMTP送信部102は、メールアドレス指定された宛先に対応するIPアドレスをアドレス取得部122がDNS(Domain Name System)にて取得し、ファクシミリデータをインターネットなどのネットワーク1経由でSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)などのプロトコルを使用して送信する。ここで、ファクシミリデータとは、スキャナなどで読み取られ送信用の画像データに変換されたものや、記憶装置に記憶されている画像データであり、画像データは電子メールに添付されたり、符号化圧縮変換されたりした後、送信される。SMTP送信部102は、図1の制御部10およびネットワークインタフェース20に対応する。
IP−FAX送信部104は、IP電話番号指定された宛先にSIP(Session Initiation Protocol)などの所定のプロトコルを使用してファクシミリデータをネットワーク1経由で送信する。IP−FAX送信部104は、図1の制御部10およびネットワークインタフェース20に対応する。G3FAX送信部106は、G3ファクシミリ番号指定された宛先にファクシミリデータをPSTN3経由でG3ファクシミリ送信する、G3FAX送信部106は、図1の制御部10、NCU22およびモデム24に対応する。
送信指示受付部108は、インターネットファクシミリ装置100の操作パネル上に設けられたファクシミリ送信スタートボタンなどの押下によるスタート指示を操作部28から受け付ける。読取部110は、送信指示受付部108がスタート指示を受け付けたとき、図1のスキャナ17により原稿を読み取り画像データを生成し、画像データ記憶部112に記憶する。画像データ記憶部112は、図1の画像メモリ16に相当する。
経路選択部114は、複数の経路の中から何れの経路でファクシミリデータを送信するかを選択する。経路選択部114は、選択条件記憶部116にアクセスし、選択条件に従って送信する経路の選択を行うことができる。複数の経路とは、たとえば、メールアドレス指定された宛先に対応するIPアドレスをDNSにて取得し、ファクシミリデータをインターネットなどのネットワーク経由でSMTP送信する経路や、IP電話番号指定された宛先にSIP(Session Initiation Protocol)などの所定のプロトコルを使用してファクシミリデータをネットワーク経由でIP−FAX送信する経路や、ファクシミリ番号指定された宛先にファクシミリデータを公衆回線網経由でG3FAX送信する経路などが含まれる。
宛先受付部118は、ファクシミリデータを送信する宛先の選択を受け付ける。ユーザは、たとえば、操作パネルの液晶表示器上に表示されたアドレス帳の中から宛先を選択することができる。
アドレス帳記憶部120は、図3に示すように、宛名140毎に、メールアドレス(図中、「I−FAX」と示す)142と、IP−FAX番号(図中、「IP−FAX」と示す)144と、G3FAX番号(図中、「G3FAX」と示す)146と、を記憶する。
図2に戻り、アドレス取得部122は、宛先受付部118が受け付けた宛先毎に、選択された経路に対応するアドレスを取得する。たとえば、SMTP送信経路が選択されている場合、アドレス取得部122は、アドレス帳記憶部120にアクセスし、宛先のメールアドレス142を取得し、さらに、図1のネットワークインタフェース20を介してネットワーク1経由でDNSサーバやDDNSサーバに対応するIPアドレスを問合せ、取得する。また、IP−FAX送信経路が選択されている場合、アドレス取得部122は、アドレス帳記憶部120にアクセスし、宛先のIP−FAX番号144を取得する。G3FAX送信経路が選択されている場合、アドレス取得部122は、アドレス帳記憶部120にアクセスし、宛先のG3FAX番号146を取得する。
変換部124は、画像データ記憶部112に記憶された画像データを、選択された経路に適した送信データに変換する。たとえば、SMTP送信経路が選択された場合は、画像データ記憶部112に記憶された画像データを、たとえば、図1のCODEC26により符号化し、添付したメールを作成し、送信データ記憶部126に格納する。
送信制御部128は、経路選択部114が選択した経路で送信データ記憶部126に記憶された送信データを対応するSMTP送信部102、IP−FAX送信部104、G3FAX送信部106の何れかに送信させる。
エラー検出部130は、SMTP送信部102、IP−FAX送信部104およびG3FAX送信部106における送信が正常に終了したか否か、また、エラー原因などを検出する。送信の失敗の原因とは、たとえば、ネットワーク1への接続ができなかった場合や、DNSサーバやDDNSサーバから応答がなかった場合、DNSサーバやDDNSサーバから応答されたIPアドレスで送信したとき、宛先がなかったなどで送信エラーとなった場合などが含まれる。たとえば、ネットワーク1への接続ができないことが原因の場合、経路選択部114は、PSTN3経由でのG3ファクシミリ送信する経路を選択するが、DNSサーバから応答されたIPアドレスでの送信エラーなどが原因の場合、経路選択部114はネットワーク1経由でのSIPなどの他の通信プロトコルによる送信経路を選択する。
図4は、本実施形態の選択条件記憶部116の構造の一例を示す図である。選択条件記憶部116は、複数の経路152の優先順位150を記憶している。図2の経路選択部114は、選択条件記憶部116にアクセスし、順位150に従って経路152を選択することができる。他の実施形態において、この選択条件は、宛先毎に設定することもできる。この構成によれば、宛先毎に何を優先して順位を設定することができるので、設定の自由度が増し、利便性が向上する。
このように構成された本実施形態のインターネットファクシミリ装置100の動作について、以下に説明する。図5乃至図7は、本実施形態のインターネットファクシミリ装置100の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図1乃至図7を用いて説明する。
ここでは、ユーザが操作パネル上でインターネットファクシミリ送信(以下、「SMTP送信」と呼ぶ)のスタートボタンを押下し、送信指示受付部108がスタート指示を受け付け、読取部110により原稿が読み取られ、画像データ記憶部112に画像データが格納された後の動作について、説明する。送信指示受付部108が受け付けた指示に従い、経路選択部114は、SMTP送信経路をはじめに選択し、アドレス取得部122、送信制御部128および変換部124に通知する。変換部124は、指示されたSMTP送信経路用に、送信メールを作成し、送信データ記憶部126に格納する。なお、原稿の読み取りおよび画像データの作成は、ファクシミリデータを送信する前までに行えばいつでもよい。
まず、ユーザが操作部28を用いて指定した宛先を宛先受付部118が受け付ける(S11)。経路選択部114からSMTP送信経路の選択が通知されているので、アドレス取得部122はアドレス帳記憶部120にアクセスし、ステップS11で受け付けた宛先に対応するメールアドレスがあるか否かを調べ(S13)、メールアドレスがあった場合(S13のYES)、対応するメールアドレスを取得し(S15)、送信制御部128に送信指示を行う。送信制御部128は、SMTP送信部102にファクシミリデータの送信指示を行い、SMTP送信部102は、まず、ネットワーク1に接続を試みる(S17)。ネットワーク1への接続が確立されている場合(S17のYES)、アドレス取得部122は、図1のネットワークインタフェース20を介してネットワーク1上のDNSサーバに対してIPアドレスを問い合わせる(S19)。IPアドレスが取得できた場合(S19のYES)、送信制御部128は、SMTP送信部102に送信データ記憶部126に格納された送信データをネットワーク1を介して宛先に送信させる(S21)。エラー検出部130は、ステップS21における送信が正常に終了したか否かを検出する(S23)。正常に終了した場合(S23のYES)、本処理を終了する。
ステップS13で、SMTP送信用のメールアドレスがなかった場合(S13のNO)、またはステップS19でDNSサーバからIPアドレスの取得ができなかった場合(S19のNO)、またはステップS23の判定でファクシミリ送信データの送信が正常に終了しなかったと判定された場合(S23のNO)、図6のステップS31に進む。
ステップS31では、アドレス取得部122がアドレス帳記憶部120にアクセスし、図5のステップS11で受け付けた宛先に対応するIP−FAX番号があるか否かを判定する(S31)。なお、本実施形態において、図4に示す選択条件記憶部116により、経路の優先順位が指定されているので、上述のSMTP送信経路の次に、IP−FAX送信が選択される。図6に戻り、IP−FAX番号があった場合(S31のYES)、対応するIP−FAX番号を取得し(S33)、送信制御部128に送信指示を行う。送信制御部128は、IP−FAX送信部104にファクシミリデータの送信指示を行い、IP−FAX送信部104は、まず、ネットワーク1に接続を試みる(S35)。ネットワーク1への接続が確立されている場合(S35のYES)、IP−FAX送信部104は送信データ記憶部126に格納された送信データをネットワーク1を介してステップS33で取得したIP−FAX番号に送信する(S37)。
エラー検出部130は、ステップS37における送信が正常に終了したか否かを検出する(S39)。正常に終了した場合(S39のYES)、本処理を終了する。
図5のステップS17で、ネットワーク1への接続が確立できなかった場合(S17のNO)、または図6のステップS31で、宛先に対応するIP−FAX番号がなかった場合(S31のNO)、またはステップS35で、ネットワーク1への接続が確立できなかった場合(S35のNO)、またはステップS39の判定でファクシミリ送信データの送信が正常に終了しなかったと判定された場合(S39のNO)、図7のステップS41に進む。
ステップS41では、アドレス取得部122がアドレス帳記憶部120にアクセスし、図5のステップS11で受け付けた宛先に対応するG3FAX番号があるか否かを判定する(S41)。ここでも、図4に示す選択条件記憶部116により、経路の優先順位が指定されているので、上述のIP−FAX送信経路の次に、G3FAX送信が選択される。G3FAX番号があった場合(S41のYES)、対応するG3FAX番号を取得し(S43)、送信制御部128に送信指示を行う。送信制御部128は、G3FAX送信部106にファクシミリデータの送信指示を行い、G3FAX送信部106は、送信データ記憶部126に格納された送信データをPSTN3を介してステップS43で取得したG3FAX番号に送信する(S45)。
エラー検出部130は、ステップS45における送信が正常に終了したか否かを検出する(S47)。正常に終了した場合(S47のYES)、本処理を終了する。
ステップS41で、宛先に対応するG3FAX番号がなかった場合(S41のNO)、表示部30に原稿の送信ができなかったことを通知するメッセージなどを表示し(S51)、本処理を終了する。また、ステップS47でG3FAX送信が正常に終了しなかったと判定された場合(S47のNO)、表示部30にG3FAX送信エラーを通知するメッセージなどを表示し(S49)、本処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のインターネットファクシミリ装置100によれば、ある経路で送信に失敗したとき、その原因に応じて原稿を再送する経路を選択することができるので、適切な再送経路の選択が可能となり、通信効率が向上する。また、予め決められた優先順位に従って、送信可能な経路を選択することができる。たとえば、通信コストや通信効率などに応じて優先順位を指定することができる。
(第二の実施の形態)
図8は、本発明の実施の形態に係るネットワークファクシミリ装置の構成を示す機能ブロック図である。図8に示すネットワークファクシミリ装置は、上記実施形態のネットワークファクシミリ装置とは、ファクシミリデータの送信経路の切り替え時にユーザに問い合わせを行う点で相違している。
本実施形態のネットワークファクシミリ装置は、指定された宛先にファクシミリデータを複数の経路で送信可能なネットワークファクシミリ装置(インターネットファクシミリ装置200)であって、ファクシミリデータを複数の経路の中から指定された第1経路で宛先に送信する第1送信部(SMTP送信部102およびIP−FAX送信部104)と、第1送信部において、送信に失敗した場合、所定の問い合わせ条件に従って、第1経路より通信料金単価が高い第2経路で送信を行うか否かを判断して、ユーザに問い合わせる問合せ部(判定部204および問合せ部206)と、ユーザからの第2経路での送信指示を受け付けたとき、ファクシミリデータを第2経路で送信する第2送信部(G3FAX送信部106)と、を備える。
具体的には、インターネットファクシミリ装置200は、図2のインターネットファクシミリ装置100と同様の構成に加え、問合せ条件記憶部(図中、「問合せ条件」と示す)202と、判定部204と、問合せ部206と、G3FAX指示受付部208と、をさらに備えている。
問合せ条件記憶部202は、エラー検出部130が、ある経路での送信エラーを検出した場合、他の経路での送信が可能か否かを判断するための所定の条件を記憶する。所定の条件とは、たとえば、通信料金が所定金額以上の場合に問い合わせを行い、所定金額未満の場合は問い合わせを行わないといった通信料金に応じた設定、あるいは、問い合わせは常に不要あるいは必要であるかなどの設定などが宛先毎に設定される。本実施形態では、どの宛先も必ず経路変更前に問い合わせを行う設定となっているものとする。
判定部204は、問合せ条件記憶部202に記憶された所定の条件に従って、エラー検出部130がある経路での送信エラーを検出した場合、他の経路での送信が可能か否かを判断する。問合せ部206は、判定部204での判断に従って、問い合わせが必要な場合はユーザに問い合わせを行うメッセージなどの表示を表示部30に行う。また、図示されないスピーカなどから音声または警告音などを出力することもできる。
図9に本実施形態における問合せ画面300の一例を示す。問合せ画面300は、通信料金表示部302と、OKボタン304と、キャンセルボタン306と、を含む。通信料金表示部302は、たとえば、宛先のファクシミリ番号およびファクシミリデータのデータ量、たとえば、送信原稿枚数、原稿サイズ、精細モードなどの指定に基づいて、算出された通信料金が表示される。OKボタン304をユーザが選択すると、G3FAX指示受付部208がG3FAX送信指示として受け付ける。キャンセルボタン306をユーザが選択すると、送信を中止する。
G3FAX指示受付部208は、ユーザからのG3FAX送信指示を受け付け、経路選択部114に通知する。
このように構成された本実施形態のインターネットファクシミリ装置200の動作について、以下に説明する。図10は、本実施形態のインターネットファクシミリ装置200のG3FAX送信時の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図5乃至図10を用いて説明する。
SMTP送信およびIP−FAX送信時の動作は、上記実施形態のインターネットファクシミリ装置100と同様の動作を行うものとし、図5乃至図7のフローチャートに従って同様に動作するものとする。本実施形態では、図7のステップS45の処理が、図10の処理となり、上記実施形態とは、G3FAX送信時にユーザに問い合わせを行う点で相違している。
SMTP送信またはIP−FAX送信での送信に失敗した場合、図7のフローチャートに従った処理が実施され、ステップS45でG3FAX送信処理が開始すると、図10のフローチャートに従った処理が開始する。
まず、判定部204がエラー検出部130から送信エラー検出の通知を受け付け、問合せ条件記憶部202にアクセスし、問い合わせ条件に従って、問い合わせを行うか否かを判断する。ここでは、必ず問い合わせを行う設定となっているので、問合せ部206は、ユーザに問い合わせを行う。具体的には、表示部30に図9の問合せ画面300を表示する(S71)。そして、ユーザが問合せ画面300上のOKボタン304を押下すると、G3FAX指示受付部208が送信指示を受け付け(S73のYES)、経路選択部114にG3FAX送信指示を通知する。経路選択部114から送信制御部128にG3FAX送信指示を通知し、G3FAX送信部106は、送信データ記憶部126に格納された送信データをPSTN3を介して図7のステップS43で取得したG3FAX番号に送信を開始し(S75)、図7のステップS47に戻る。
一方、ステップS71で表示された問合せ画面300上のキャンセルボタン306をユーザが押下すると、G3FAX指示受付部208が送信中止指示を受け付け(S73のNO)、経路選択部114を介して送信制御部128の送信中止指示を通知する(S77)。ここで、表示部30にユーザに通信が中止されたことを示すメッセージを表示してもよい。ファクシミリの送信が中止され、図7のステップS47に戻る。
以上説明したように、本実施形態のインターネットファクシミリ装置200によれば、インターネットを含むネットワーク1などの第1経路経由での通信に失敗した場合、通信料金単価が高いPSTN3などの第2経路に自動的に切り換えずに、所定の条件に従って、問い合わせてから切り換えるので、通信料金などを加味したユーザの判断により切り換えを行うことができるので利便性がよい。また、条件によっては、問い合わせをせずに自動的に第2経路でファクシミリ送信を行うので、いちいち問合せに答える必要がなくなるので、通信効率や操作性が向上する。
(第三の実施の形態)
図11に本実施形態のインターネットファクシミリ装置200の問合せ条件記憶部202の構造の一例を示す。本実施形態のインターネットファクシミリ装置200は、上記実施形態とは、通信料金に応じて問合せを行う点で相違する。
図11に示すように、問合せ条件記憶部202には、宛先220および制限通信料金(図中、「料金」と示す)222が対応付けて記憶されている。これにより、たとえば、宛先Aは料金によらず常に問い合わせ不要であり、宛先Bは、通信料金が800円以上の場合に問い合わせ、宛先Cは、通信料金が1200円以上の場合に問い合わせ、宛先Dは、通信料金に関わらず必ず問合せることになる。
なお、本実施形態では、通信料金を算出して問い合わせをするか否かを判定する構成としたが、単に、問合せ条件記憶部202は、宛先220毎に、問い合わせの要不要のみの設定を記憶してもよいし、あるいは、たとえば、宛先毎にファクシミリ番号が市内局番以外は問合せを行ったり、国際電話の場合にのみ問合せを行ったり、といった設定を記憶してもよい。あるいは、送信原稿枚数が所定枚数以上か否かなどによる判定であってもよい。これらを組み合わせて問合せ条件とすることもできる。
このように構成された本実施形態のインターネットファクシミリ装置200の動作について、以下に説明する。図12は、本実施形態のインターネットファクシミリ装置200のG3FAX送信時の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図5乃至図8、図11、図12を用いて説明する。
SMTP送信およびIP−FAX送信時の動作は、上記実施形態のインターネットファクシミリ装置100と同様の動作を行うものとし、図5乃至図7のフローチャートに従って同様に動作するものとする。本実施形態では、図7のステップS45の処理が、図12の処理となり、上記実施形態とは、G3FAX送信時に、宛先毎に通信料金に応じて問合せを行う点で相違している。
SMTP送信またはIP−FAX送信での送信に失敗した場合、図7のフローチャートに従った処理が実施され、ステップS45でG3FAX送信処理が開始すると、図12のフローチャートに従った処理が開始する。
まず、判定部204がエラー検出部130から送信エラー検出の通知を受付、問合せ条件記憶部202にアクセスし、問合せ条件に従って、問い合わせを行うか否かを判断する。ここでは、図11の問合せ条件記憶部202に設定されている条件に従って、図5のステップS11で受け付けた宛先の制限通信料金222を取得する(S101)。たとえば、図11に示す問合せ条件記憶部202によれば、宛先Aの場合は、通信料金の制限がないので(S101のNO)、経路選択部114にG3FAX送信指示を行い、ステップS109に進む。一方、宛先Bの場合は、通信料金は800円に制限されている(S101のYES)。
そして、宛先のファクシミリ番号およびファクシミリデータのデータ量などに基づいて通信料金が算出され、所定の通信料金の制限値800円以下か否かを判定部204が判定する(S103)。算出された通信料金が所定の制限値以下の場合(S103のYES)、経路選択部114にG3FAX送信指示を行い、ステップS109に進む。
一方、算出された通信料金が所定の制限値より大きい場合(S103のNO)、問合せ部206が、ユーザに問い合わせを行う。具体的には、表示部30に図9の問合せ画面300を表示する(S105)。そして、ユーザが問合せ画面300上のOKボタン304を押下すると、G3FAX指示受付部208が送信指示を受け付け(S107のYES)、経路選択部114にG3FAX送信指示を通知し、ステップS109に進む。一方、ユーザが問合せ画面300上のキャンセルボタン306を押下した場合は、G3FAX指示受付部208が送信中止指示を受け付け(S107のNO)、経路選択部114を介して送信制御部128の送信中止指示を通知する(S111)。ここで、表示部30にユーザに通信が中止されたことを示すメッセージを表示してもよい。ファクシミリの送信が中止され、図7のステップS47に戻る。
ステップS109では、経路選択部114から送信制御部128にG3FAX送信指示を通知し、G3FAX送信部106は、送信データ記憶部126に格納された送信データをPSTN3を介して図7のステップS43で取得したG3FAX番号に送信を開始し(S109)、図7のステップS47に戻る。
以上説明したように、本実施形態のインターネットファクシミリ装置200によれば、インターネットを含むネットワーク1などの第1経路経由での通信に失敗した場合、通信料金単価が高いPSTN3などの第2経路に自動的に切り換えずに、所定の条件に従って、問い合わせてから切り換えるので、通信料金などを加味したユーザの判断により切り換えを行うことができるので利便性がよい。また、条件によっては、問い合わせをせずに自動的にPSTN3でファクシミリ送信を行うので、いちいち問合せに答える必要がなくなるので、通信効率や操作性が向上する。
(第四の実施の形態)
本実施形態のネットワークファクシミリ装置は、上記実施の形態とは、ネットワーク経由でのファクシミリ通信時のエラー処理において、所定回数または所定時間までリトライを繰り返してから他の経路への切り替えを行う点で相違する。なお、本実施形態のインターネットファクシミリ装置の構成は、図2または図8に示した上記実施形態のインターネットファクシミリ装置と同様の構成を備えている。
ここで、リトライする所定回数は、所定時間であってもよい。すなわち、たとえば、DDNSにおけるIPアドレスの割付の更新時などに丁度問合せを行うと、エラーが発生する場合があるが、このようなエラーは、時間が経過することにより解消される可能性がある。したがって、エラー解消に要すると考えられる時間にわたってリトライする。
本実施形態のインターネットファクシミリ装置は、送信に失敗したときの原因が、SMTP送信する経路での送信エラーの場合、所定回数まで前記第1送信部(SMTP送信部102またはIP−FAX送信部104)に送信をリトライさせるリトライ部(送信制御部128)をさらに含む。
このように構成された本実施形態のインターネットファクシミリ装置の動作について、以下に説明する。図13は、本発明の実施の形態に係るネットワークファクシミリ装置の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図13において、本発明に直接関わらない処理については、省略してある。
まず、ユーザが操作パネル上でSMTP送信のスタートボタンを押下し、送信指示受付部108がスタート指示を受け付け、読取部110により原稿が読み取られ、画像データ記憶部112に画像データが格納された後の動作について、説明する。送信指示受付部108が受け付けた指示に従い、経路選択部114は、SMTP送信経路をはじめに選択し、アドレス取得部122、送信制御部128および変換部124に通知する。変換部124は、指示されたSMTP送信経路用に、送信メールを作成し、送信データ記憶部126に格納する。なお、原稿の読み取りおよび画像データの作成は、ファクシミリデータを送信する前までに行えばいつでもよい。
そして、ユーザが操作部28を用いて指定した宛先を宛先受付部118が受け付ける(S121)。つづいて、送信制御部128がSMTP送信部102にファクシミリデータの送信指示を行い、SMTP送信部102は、まず、ネットワーク1に接続を試みる(S123)。ネットワーク1への接続が確立されている場合(S123のYES)、アドレス取得部122はアドレス帳記憶部120にアクセスし、ステップS121で受け付けた宛先に対応するメールアドレスを取得し、ネットワークインタフェース20を介してネットワーク1上のDNSサーバまたはDDNSサーバに対してIPアドレスを問い合わせる(S125)。
IPアドレスが取得できた場合(S127のYES)、送信制御部128は、SMTP送信部102に送信データ記憶部126に格納された送信データをネットワーク1を介して宛先に送信させる(S129)。エラー検出部130は、ステップS129における送信が正常に終了したか否かを検出する(S131)。正常に終了した場合(S131のYES)、本処理を終了する。
ステップS127で、DNSサーバからIPアドレスの取得ができなかった場合(S127のNO)、ステップS125の処理を繰り返し行い、リトライ回数が所定回数以上になるまで繰り返す(S133)。所定回数以上リトライを行った後(S133のYES)、ステップS137に進む。
また、ステップS129で、ファクシミリの送信が正常に終了しなかった場合(S131のNO)、ステップS129の処理を繰り返し行い、リトライ回数が所定回数以上になるまで繰り返す(S135)。所定回数以上リトライを行った後(S135のYES)、ステップS137に進む。
ステップS137では、アドレス取得部122がアドレス帳記憶部120にアクセスし、ステップS121で受け付けた宛先に対応するIP−FAX番号を取得し、送信制御部128がIP−FAX送信部104に指示して、送信データ記憶部126に格納された送信データをネットワーク1を介して取得したIP−FAX番号に送信する(S137)。
また、エラー検出部130は、ステップS137におけるIP−FAX送信が正常に終了した否かを検出し(S139)、正常に終了した場合は本処理を終了する。IP−FAX送信が正常に終了しなかった場合(S139のNO)、ステップS141に進む。
また、ステップS123で、ネットワーク1への接続が確立されなかった場合(S123のNO)、ステップS141に進む。ステップS141では、アドレス取得部122がアドレス帳記憶部120にアクセスし、ステップS121で受け付けた宛先に対応するG3FAX番号を取得する。そして、送信制御部128がG3FAX送信部106にファクシミリ送信指示を行い、G3FAX送信部106は、送信データ記憶部126に格納された送信データをPSTN3を介して取得したG3FAX番号に送信する(S141)。
このように、たとえば、SMTP送信時にネットワーク1への接続か確立できなかった場合は(S123のNO)、直ぐにG3FAX送信(S141)に切り換えて送信を行う。また、DNSサーバへのIPアドレスの取得時にエラーが発生した場合(S127のNO)は、所定回数までリトライを行い(S133)、エラーが回復できたら(S127のYES)SMTP送信を行う(S129)ことができる。また、SMTP送信に失敗した場合など(S131のNOかつS135のYES)、ネットワーク1経由の別の通信プロトコルであるSIPを使用したIP−FAX送信(S137)に切り換えることができる。
以上説明したように、本実施形態のインターネットファクシミリ装置によれば、たとえば、DDNSサーバへのIPアドレスの問い合わせ時の送信エラーなどが原因の場合に、リトライによりエラーが解消される可能性があるので、G3ファクシミリ送信などの通信料金が高額になる可能性のある経路への切り替えをなるべく回避することが可能となる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。