JP2007057804A - 静電潜像担持体、並びに画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

静電潜像担持体、並びに画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP2007057804A
JP2007057804A JP2005242855A JP2005242855A JP2007057804A JP 2007057804 A JP2007057804 A JP 2007057804A JP 2005242855 A JP2005242855 A JP 2005242855A JP 2005242855 A JP2005242855 A JP 2005242855A JP 2007057804 A JP2007057804 A JP 2007057804A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
electrostatic latent
latent image
image carrier
charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005242855A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4485433B2 (ja
Inventor
Hiroshi Ikuno
弘 生野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2005242855A priority Critical patent/JP4485433B2/ja
Publication of JP2007057804A publication Critical patent/JP2007057804A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4485433B2 publication Critical patent/JP4485433B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 画像特性に優れ、帯電時におけるオゾン、窒素酸化物などの発生を抑えることができる静電潜像担持体、並びに該静電潜像担持体を用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法の提供。
【解決手段】 光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段を使用した画像形成に用いられ、
支持体と、該支持体上に、露光により静電潜像形成の電荷を発生する第1電荷発生層、少なくとも正孔輸送物質を含有する第1電荷輸送層、露光により帯電電荷を発生する第2電荷発生層、及び少なくとも電子輸送物質を含有する第2電荷輸送層をこの順に有する静電潜像担持体である。該第2電荷輸送層が正孔輸送物質、及びフィラーを含有する態様が好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、静電潜像担持体(以下、「感光体」、「電子写真感光体」と称することがある)、並びに画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
一般に、電子写真方法とは、まず、光導電性の感光体を、暗所で、例えば、コロナ放電によって帯電させる。次いで、像露光し、露光部のみの電荷を選択的に散逸させて静電潜像を得る。この潜像部を染料、顔料等の着色剤と、高分子物質等の結合剤とから構成される検電微粒子(トナー)で現像し、可視化して、画像を形成する画像形成法の一つである。
このような電子写真方法において、感光体に要求される基本的な特性としては、以下のことが挙げられる。
(1)暗所で適当な電位に帯電できること
(2)暗所において電荷の散逸が少ないこと
(3)光照射によって速やかに電荷を散逸できること
従来より、電子写真方法に使用される感光体としては、一般に、支持体上にセレン又はセレン合金を主体とする感光層を設けたもの、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機系光導電材料をバインダー中に分散させたもの、ポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノン、アゾ顔料等などの有機光導電材料とを用いたもの、非晶質シリコン系材料を用いたもの、などが知られている。近年では、コストの低さ、感光体設計の自由度の高さ、低公害性等から有機系感光体が広く利用されるようになってきている。
このような有機系感光体としては、例えば、(1)ポリビニルカルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂型の感光体、(2)PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型の感光体、(3)フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型の感光体、(4)電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが挙げられる。これらの中でも、機能分離型の感光体が特に注目されている。
このような機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後、光照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電によって生じている電界にしたがって電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体においては、主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主に可視部に吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いることが知られており、上記基本特性を充分に満たすものが得られている。
近年、電子写真プロセスの高速化、小型化が進むなか、感光体に対して上記特性以外にも、長期間繰返して使用しても、高画質を保つことのできる信頼性及び高耐久性が強く要求されるようになってきている。
また、感光体は、電子写真プロセスにおいて、様々な機械的負荷、及び化学的負荷を受けている。これらの中でも、化学的負荷は、電子写真プロセスにおける帯電部から発生するオゾンや窒素酸化物等による影響が大きい。これらのオゾンや窒素酸化物等が帯電部で発生し、感光体表面へ吸着及び化学変化を引き起こす。帯電工程で発生したオゾンは、感光体を形成する結着樹脂や電荷輸送物質を酸化する。そして、結着樹脂の分子鎖が切断され、カルボン酸等の有機酸が生成される。また同様に発生した窒素酸化物等の放電生成物は、空気中の水(水分子)と結合あるいは反応することにより電気導電性を有する物質となる。このような電気導電性を有する物質及び前記有機酸が感光体上に吸着した場合、感光体の表面近傍が低抵抗化し、感光体上に形成された静電潜像が破壊されてしまう結果、現像工程の施された感光体上には、いわゆる画像流れ状態のトナー像が形成される。
また、感光体上に吸着した放電生成物により感光体表面の摩擦係数の増加が一般に生じる。このため、例えば、感光体へのクリーニングブレード当接部位における力学的な負荷が増加する。更に、前記感光体を形成する結着樹脂の分子鎖切断により、感光体の摩耗が促進されてしまう。また、これらのオゾンや窒素酸化物などの発生は、環境側面からも問題となる。
また、電子写真における帯電方法としては、一般に、コロナ帯電方法や接触帯電方法が使用されている。
前記コロナ帯電方法は、コロトロン方式とグリッドを有するスコロトロン方式とがあり、金属板で遮蔽されたハウジングの中央に張架されたタングステンやニッケルのチャージワイヤーに、直流もしくは交流を重畳した直流電圧を印加することによりコロナ放電を起こし、感光体を帯電する方法である。しかし、この方法では、チャージワイヤーに高電圧を印加するため、オゾンや窒素酸化物などが発生して、環境的側面ばかりでなく、感光体に対しても、耐久性や画像特性に悪影響を及ぼすことが知られている。
近年、前記コロナ帯電方法に代わって、低オゾン、低電力を目的とした、接触帯電方法が、実用化されてきている。前記接触帯電方法は、感光体に対し10〜1010Ω・cm程度の抵抗を持つ帯電部材に、直流もしくは交流を重畳した直流電圧を印加し、感光体に加圧当接させ、電荷を付与する方法である。この帯電方法は、パッシェンの法則に従い、帯電部材から被帯電体への放電によって行われるため、あるしきい値電圧以上の電圧を印加することによって帯電が開始される。この接触帯電方法は、前記コロナ帯電方法と比較すると、帯電部材への印加電圧は低くなるが、放電を伴うため、少量のオゾン及び窒素酸化物が発生するという課題がある。
前記課題を解決するため、新たなる帯電方式として、感光体への電荷の直接注入による帯電方式が提案されている(特許文献1参照)。この帯電方式は、低抵抗な電荷注入層を感光体表面に設け、帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電磁気ブラシ等の接触導電部材に電圧を印加し、接触させることにより、注入帯電を行う方法である。この帯電方式は、放電現象を用いないため、帯電に必要とされる電圧は所望の感光体表面電位分のみであるので、従来の接触帯電方式に比べて、オゾンや窒素酸化物の発生量が非常に少ない、低電力の帯電方式である。この電荷注入帯電を行うために感光体に設けられる電荷注入層は、樹脂中に、酸化すず等の金属酸化物を分散させ、感光体の表面抵抗を下げている。
しかし、このような感光体の表面抵抗は、使用される環境(温度、湿度)によって、大きく変化し、安定した帯電が行えなくなる。そのため、機内環境を制御する方法として、機内でのヒーター等の設置が考えられる。しかし、このようにヒーターを設置すると、機械全体としての消費電力が大きくなってしまうという課題がある。
また、感光体に光照射し、生成された電荷を外部電界により、感光体表面に移動させて、帯電させる帯電方式が提案されている(特許文献2及び特許文献3参照)。この提案の帯電方式では、電荷注入帯電方式に比べて、オゾンや窒素酸化物等の発生はなく、かつ低電力であり、更には使用環境(温度、湿度)による、特性の変化が少なくなる。
また、特許文献4及び特許文献5に示される帯電方式では、感光体として、支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した構成の積層型電子写真感光体、及び支持体上に単一の感光層を設けた単層型電子写真感光体に使用されている。これらの感光体では、帯電時に電荷が発生する層と潜像形成時に電荷を発生する層が同じであるため、帯電時の電荷発生から、潜像形成時の電荷発生までの時間が限定され、小径化、高速化対応が不可能となる。
また、特許文献6に示される電子写真感光体は、支持体上に、帯電時に電荷発生する層、電荷輸送層、潜像形成時に電荷を発生する層、表面端部に電極を有する構成である。この構成の感光体を帯電させるときには、表面端部電極に電圧を印可し電界を形成して、電荷を移動させる。この方法では、帯電を均一に行うためには、最表層を低抵抗化させる必要がある。しかし、この提案のように低抵抗な最表層を設けると、感光体表面に形成した潜像が拡がって、細線再現性や微細ドット再現性が低下するという不具合がある。
このような不具合を解消するため、例えば、特許文献7で示される電子写真感光体では、支持体上に潜像形成時に電荷発生する層、電荷輸送層、帯電時に電荷発生する層を設け、更にそれぞれの電荷発生層の電荷発生材料を限定している。この提案によれば、画像劣化しにくく、かつ効率的な帯電性を達成できる。しかし、この提案においても、長期的に使用した場合、徐々に帯電ムラなどの不具合が発生するという課題があり、更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
特開平6−003921号公報 特開平8−76559号公報 特開平9−26681号公報 特開平8−76559号公報 特開平9−26681号公報 特開2001−183853号公報 特許第3566275号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、帯電時におけるオゾンや窒素酸化物などの発生を抑えることができ、高画質画像を安定に出力可能な静電潜像担持体、並びに該静電潜像担持体を用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段を使用した画像形成に用いられ、
支持体と、該支持体上に、露光により静電潜像形成の電荷を発生する第1電荷発生層、少なくとも正孔輸送物質を含有する第1電荷輸送層、露光により帯電電荷を発生する第2電荷発生層、及び少なくとも電子輸送物質を含有する第2電荷輸送層をこの順に有することを特徴とする静電潜像担持体である。
<2> 第2電荷輸送層が、正孔輸送物質を含有する前記<1>に記載の静電潜像担持体である。
<3> 正孔輸送物質が、高分子正孔輸送物質である前記<2>に記載の静電潜像担持体である。
<4> 第2電荷輸送層が、更にフィラーを含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<5> フィラーが、無機フィラー及び炭素含有フィラーのいずれかである前記<4>に記載の静電潜像担持体である。
<6> 無機フィラーが、金属酸化物フィラーである前記<5>に記載の静電潜像担持体である。
<7> 金属酸化物フィラーが、酸化チタン、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である前記<6>に記載の静電潜像担持体である。
<8> 炭素含有フィラーが、ダイヤモンドフィラーである前記<5>に記載の静電潜像担持体である。
<9> 第1電荷発生層及び第2電荷発生層が、互いに異なる2種以上の電荷発生物質を含有し、かつ該電荷発生物質の最大光吸収波長がそれぞれ異なる前記<1>から<8>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<10> 第1電荷発生層における電荷発生物質がチタニルフタロシアニン顔料であり、かつ第2電荷発生層における電荷発生物質がアゾ顔料である前記<9>に記載の静電潜像担持体である。
<11> 第1電荷輸送層の厚みが、10〜50μmである前記<1>から<10>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<12> 第2電荷輸送層の厚みが、0.5〜10μmである前記<1>から<11>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<13> 第2電荷輸送層上に、表面保護層を有する前記<1>から<12>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<14> 表面保護層が、少なくともバインダー樹脂及びフィラーを含有する前記<13>に記載の静電潜像担持体である。
<15> フィラーが、無機フィラー及び炭素含有フィラーのいずれかである前記<14>に記載の静電潜像担持体である。
<16> 無機フィラーが、金属酸化物フィラーである前記<15>に記載の静電潜像担持体である。
<17> 金属酸化物フィラーが、酸化チタン、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である前記<16>に記載の静電潜像担持体である。
<18> 炭素含有フィラーが、ダイヤモンドフィラーである前記<15>に記載の静電潜像担持体である。
<19> 表面保護層が、水素含有ダイヤモンド状カーボン及び非晶質カーボンのいずれかを含有する前記<13>に記載の静電潜像担持体である。
<20> 光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、露光手段とを用い該静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、該トナー像を記録媒体に転写する転写工程とを少なくとも含む画像形成方法において、
前記静電潜像担持体が、前記<1>から<19>のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成方法である。
<21> 静電潜像担持体と、光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、露光手段とを有し該静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを少なくとも有する画像形成装置において、
前記静電潜像担持体が、前記<1>から<19>のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成装置である。
<22> 前記<1>から<19>のいずれかに記載の静電潜像担持体と、光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段とを有し、更に、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段から選択される少なくとも一つの手段を有してなり、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明の静電潜像担持体は、光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段を使用した画像形成に用いられ、
支持体と、該支持体上に、露光により静電潜像形成の電荷を発生する第1電荷発生層、少なくとも正孔輸送物質を含有する第1電荷輸送層、露光により帯電電荷を発生する第2電荷発生層、及び少なくとも電子輸送物質を含有する第2電荷輸送層をこの順に有する。
本発明の静電潜像担持体は、帯電時におけるオゾン、窒素酸化物などの発生を抑えることができ、画像特性に優れた画像形成に用いられる。
本発明の画像形成方法は、光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、露光手段とを用い該静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、該トナー像を記録媒体に転写する転写工程とを少なくとも含んでなり、前記静電潜像担持体が、前記静電潜像担持体が、前記本発明の静電潜像担持体である。該本発明の画像形成方法においては、前記静電潜像担持体として、本発明の前記静電潜像担持体を用いているので、長期的使用における画像安定性に優れ、長期間にわたり高画質な画像を形成できる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、露光手段とを有し該静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを少なくとも有してなり、前記静電潜像担持体が、本発明の前記静電潜像担持体である。該本発明の画像形成装置においては、前記静電潜像担持体として、本発明の前記静電潜像担持体を用いているので、画像安定性に優れ、長期間にわたり高画質な画像を形成できる。
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の前記静電潜像担持体と、光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段とを有し、更に、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段から選択される少なくとも一つの手段を有してなり、画像形成装置本体に着脱可能である。本発明のプロセスカートリッジにおいては、画質安定性に優れ、高画質画像を長期に渡って安定に得られ、ブレードクリーニング等を行っても静電潜像担持体の摩耗が極めて僅かに抑制され、クリーニング性も良好である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、帯電時におけるオゾンや窒素酸化物などの発生を抑えることができ、高画質画像を安定に出力可能な静電潜像担持体、並びに画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することができる。
(静電潜像担持体)
本発明の静電潜像担持体は、光照射による露光と、バイアス印加による帯電により静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程を少なくとも含む画像形成に用いられ、
支持体と、該支持体上に、露光により静電潜像形成の電荷を発生する第1電荷発生層、少なくとも正孔輸送物質を含有する第1電荷輸送層、露光により帯電電荷を発生する第2電荷発生層、及び少なくとも電子輸送物質を含有する第2電荷輸送層をこの順に有してなり、下引き層、表面保護層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
本発明の静電潜像担持体は、上述したように、支持体上に少なくとも第1電荷発生層、第1電荷輸送層、第2電荷発生層、及び第2電荷輸送層を有する構成であればよく、その他の層等を任意に組み合わせても構わない。
ここで、図1は、本発明の静電潜像担持体を示す基本的な層構成例である。この例では、支持体11と、支持体上に少なくとも第1電荷発生層13、第1電荷輸送層14、第2電荷発生層15、及び第2電荷輸送層16をこの順に積層した構造を有する。
前記第1電荷発生層は、露光により静電潜像を形成するための電荷を発生する層である。
前記第2電荷発生層は、露光により帯電を行うための電荷を発生する層である。
前記第1電荷輸送層は、少なくとも正孔輸送物質を含有し、帯電時に第2電荷発生層で発生した正孔を導電性基体側に輸送し、静電潜像形成時に第1電荷発生層で発生した正孔を感光体表面側に輸送するために設けられた層である。
前記第2電荷輸送層は、少なくとも電子輸送物質を含有し、帯電時に第2電荷発生層で発生した電子を表面側に輸送するための層である。
なお、前記第2電荷輸送層は、静電潜像形成時にも第1電荷発生層で発生した正孔を表面側に輸送する必要がある。そのため、第2電荷輸送層は電子輸送物質と正孔輸送材料を含有していることが好ましい。
図2は、本発明の静電潜像担持体の別の構成例を示す断面図であり、支持体11と、該支持体上に、下引き層12、第1電荷発生層13、第1電荷輸送層14、第2電荷発生層15、及び第2電荷輸送層16を順次積層した構造を有する。
図3は、本発明の静電潜像担持体の別の構成例を示す断面図であり、支持体11と、該支持体上に、第1電荷発生層13、第1電荷輸送層14、第2電荷発生層15、第2電荷輸送層16、及び表面保護層17を順次積層した構造を有する。
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものが好適である。
前記支持体としては、材料、形状、大きさとしては、特に制約はなく、板状、ドラム状あるいはベルト状のいずれのものも使用できるが、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
上記以外にも、前記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工し、導電性層を形成したものも用いることができる。
前記導電性粉体の材料としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体などが挙げられる。前記結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
前記導電性層は、前記導電性粉体と結着樹脂とを溶剤に溶解乃至分散させた塗布液を支持体上に塗布することにより形成することができる。前記溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどが挙げられる。
なお、前記円筒基体上に、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂等に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けたものも好適である。
<第1電荷発生層>
前記第1電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含有してなり、結着樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−電荷発生物質−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が特に好ましい。
前記フタロシアニン顔料としては、チタニルフタロシアニン(特にCuKαの特性X線(波長1.514Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン)が特に好適である。
前記アゾ顔料としては、下記構造式(1)で表されるものが特に好適である。
ただし、前記構造式(1)中、R21及びR22は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、及びシアノ基のいずれかを表す。同一でも異なっていてもよい。Cp及びCpは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、下記構造式(2)で表されるカプラー残基を表す。
前記構造式(2)において、R23は、水素原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基を表す。
前記構造式(2)において、R24、R25、R26、R27、及びR28は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、及び水酸基のいずれかを表す。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。前記アルキル基としては、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
前記構造式(2)において、Zは、置換もしくは無置換の芳香族炭素環、又は置換もしくは無置換の芳香族複素環を表す。
前記第1電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルベンザール樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂の含有量は、前記電荷発生物質100質量部に対し0〜500質量部が好ましく、10〜300質量部がより好ましい。
前記第1電荷発生層は、前記電荷発生物質を前記結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散した第1電荷発生層塗布液を前記支持体上に塗布し、乾燥させて形成することができる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロインなどが挙げられる。これらの中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒などが好適である。
前記第1電荷発生層塗布液の塗工法としては、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
前記第1電荷発生層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.01〜5μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。
<第1電荷輸送層>
前記第1電荷輸送層は、少なくとも正孔輸送物質を含有してなり、結着樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記正孔輸送物質としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート又はその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物又はその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記第1電荷輸送層には、正孔輸送物質の機能とバインダー樹脂の機能とを持った高分子正孔輸送物質も好適に使用される。
前記高分子正孔輸送物質としては、下記構造式(I)〜(X)で表される高分子正孔輸送物質が好適に用いられる。
ただし、前記構造式(I)中、R、R及びRは、それぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表す。Rは、水素原子、又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R及びRは、置換もしくは無置換のアリール基を表す。o、p、及びqは、それぞれ独立して0〜4の整数を表す。k及びjは組成比を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9である。nは繰り返し単位数を表し、5〜5,000の整数である。Xは、脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、下記構造式(Ia)で表される2価基、又は下記構造式(Ib)で表される2価基を表す。なお、前記構造式(I)は、2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体であっても構わない。
ただし、前記構造式(Ia)中、R101及びR102は、各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、又はハロゲン原子を表す。l及びmは0〜4の整数を表す。Yは、単結合、炭素数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(ただし、式中Zは脂肪族の2価基を表す)、又は下記構造式(Ib)で表される基を表す。
ただし、前記構造式(Ib)中、aは1〜20の整数を表す。bは1〜2000の整数を表す。R103及びR104は、置換もしくは無置換のアルキル基又はアリール基を表す。なお、R101とR102、R103とR104は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記構造式(I)で表される化合物の具体例としては、R、R、及びRはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表すが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
前記アルキル基としては、炭素数1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が特に好ましい。これらのアルキル基は、更にフッ素原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ブチル基、i-ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基、などが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
は、水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。前記アルキル基としては上記R1、、及びRと同様のものが挙げられる。
及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基を表す。前記アリール基としては芳香族炭化水素基、縮合多環基、非縮合多環基、複素環基などが挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。前記縮合多環基としては、例えば、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基などが挙げられる。前記非縮合多環基としては、例えば、ビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。前記複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、などが挙げられる。
前記アリール基は、以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基である。
(2)アルキル基としては、上記のR、R及びRと同様のものが挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR105)として、R105は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p-メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル-N−プロピルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは、下記構造式(a)で表されるトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用いて重合するとき、下記構造式(b)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記構造式(a)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と、下記構造式(b)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
ただし、前記構造式(a)中、R、R、R、R、R、R、o、p、及びqは、上記構造式(I)と同じ意味を表す。
H−X−OH ・・・構造式(b)
前記構造式(b)で表されるジオール化合物としては、例えば、脂肪族ジオール化合物、環状脂肪族ジオール化合物、芳香族環を有するジオール化合物が挙げられる。
前記脂肪族ジオール化合物としては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、などが挙げられる。
前記環状脂肪族ジオール化合物としては、例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、などが挙げられる。
前記芳香族環を有するジオール化合物としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジッフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテン、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコール-ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)-テトラメチルジシロキサン、フェノール変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
ただし、構造式(II)中、R及びRは置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X、k、j及びnは、上記構造式(I)と同じ意味を表す。なお、構造式(II)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体であっても構わない。
前記構造式(II)で表される化合物の具体例としては、R及びRは、置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、これらは同一であっても異なってもよい。
前記アリール基としては、例えば、芳香族炭化水素基、縮合多環基、非縮合多環基、複素環基などが挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。前記縮合多環基としては、例えば、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基などが挙げられる。前記非縮合多環基としては、例えば、ビフェニリル基、ターフェニリル基、下記構造式で表される基が挙げられる。
ここで、式中、Wは、−O−,−S−,−SO−,−SO−,−CO−、及び以下の2価基のいずれかを表す。
ただし、式中、cは1〜12の整数、dは1〜3の整数、eは1〜3の整数、fは1〜3の整数をそれぞれ表す。
前記複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar,Ar及びArで示されるアリーレン基としては、上記R及びRで示したアリール基の2価基が挙げられ、これらは同一であっても異なってもよい。
前記アリール基及びアリーレン基は、以下に示す基を置換基として有していてもよい。また、これら置換基は上記構造式中のR106、R107、及びR108の具体例として表される。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基である。
(2)アルキル基としては、炭素数1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が特に好ましい。これらのアルキル基は更にフッ素原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、炭素数位1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基、などが挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR109)として、R109は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p-メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)下記構造式で表される置換基である。
ただし、式中、R110及びR111は、各々独立に上記(2)で定義したアルキル基又はアリール基を表し、アリール基としては例えばフェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基が挙げられ、これらは炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。また、アリール基上の炭素原子と共同で環を形成してもよい。具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル-N−フェニルアミノ基、N,N-ジフェニルアミノ基、N,N-ジ(p-トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基、等が挙げられる。
Xは、下記構造式(c)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記構造式(b)のジオール化合物を併用ることにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは、下記構造式(c)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記構造式(b)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
ただし、前記構造式(c)中、Ar、Ar、Ar、R及びRは、上記構造式(II)と同じ意味を表す。
H−X−OH ・・・構造式(b)
前記構造式(b)のジオール化合物としては、前記構造式(I)と同じものが挙げられる。
ただし、構造式(III)中、R及びR10は、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar、Ar、及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X、k、j及びnは、上記構造式(I)と同じ意味を表す。なお、前記構造式(III)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体であっても構わない。
前記構造式(III)で表される化合物の具体例としては、R及びR10は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、これらは同一であっても異なってもよい。前記アリール基としては芳香族炭化水素基、縮合多環基、非縮合多環基、複素環基などが挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。前記縮合多環基としては、例えば、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基などが挙げられる。前記非縮合多環基としては、例えば、ビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。前記複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、などが挙げられる。
また、Ar、Ar、及びArで示されるアリーレン基としてはR及びR10で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基である。
(2)アルキル基としては、上記のR、R、及びRと同様のものが挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR105)として、R105は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p-メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基として、アルキル基は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル-N−プロピルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは、下記構造式(d)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記構造式(b)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記構造式(d)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記構造式(b)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
ただし、前記構造式(d)中、Ar、Ar、Ar、R、及びR10は、上記構造式(III)と同じ意味を表す。
H−X−OH ・・・構造式(b)
前記構造式(b)のジオール化合物としては、前記構造式(I)と同じものが挙げられる。
ただし、前記構造式(IV)中、R11及びR12は、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar、Ar8、及びAr9は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。pは1〜5の整数を表す。X、k、j、及びnは、上記構造式(I)と同じ意味を表す。なお、構造式(IV)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体であっても構わない。
前記構造式(IV)で表される化合物の具体例としては、R11及びR12は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、これらは同一であっても異なってもよい。前記アリール基としては芳香族炭化水素基、縮合多環基、非縮合多環基、複素環基などが挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。前記縮合多環基としては、例えば、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基などが挙げられる。前記非縮合多環基としては、例えば、ビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。前記複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、などが挙げられる。
また、Ar、Ar、及びArで示されるアリーレン基としてはR11及びR12で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基である。
(2)アルキル基としては、上記のR、R、及びRと同様のものが挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR105)として、R105は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p-メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基として、アルキル基は、上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル-N−プロピルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは、下記構造式(e)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記構造式(b)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記構造式(e)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記構造式(b)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
ただし、前記構造式(e)中、Ar、Ar、Ar、R11、及びR12は、上記構造式(IV)と同じ意味を表す。
H−X−OH ・・・構造式(b)
前記構造式(b)のジオール化合物としては、前記構造式(I)と同じものが挙げられる。
ただし、構造式(V)中、R13及びR14は、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar10、Ar11、及びAr12は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X、及びXは、置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、k、j及びnは、上記構造式(I)と同じ意味を表す。なお、前記構造式(V)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体であっても構わない。
前記構造式(V)で表される化合物の具体例としては、R13及びR14は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、これらは同一であっても異なってもよい。前記アリール基としては芳香族炭化水素基、縮合多環基、非縮合多環基、複素環基などが挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。前記縮合多環基としては、例えば、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基などが挙げられる。前記非縮合多環基としては、例えば、ビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。前記複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、などが挙げられる。
また、Ar10、Ar11、及びAr12で示されるアリーレン基としては上記R13及びR14で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基である。
(2)アルキル基としては、上記のR、R、及びRと同様のものが挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR105)として、R105は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p-メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基として、アルキル基は、上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル-N−プロピルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
及びXは、置換もしくは無置換のエチレン基、置換もしくは無置換のビニレン基を表し、この置換基としては、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、上記R13及びR14のアリール基、上記(2)のアルキル基が挙げられる。
Xは、下記構造式(f)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記構造式(b)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記構造式(f)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記構造式(b)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
ただし、前記構造式(f)中、Ar10、Ar11、Ar12、R13、R14、X、及びXは、上記構造式(V)と同じ意味を表す。
H−X−OH ・・・構造式(b)
前記構造式(b)のジオール化合物としては、前記構造式(I)と同じものが挙げられる。
ただし、構造式(VI)中、R15、R16、R17、及びR18は、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar13、Ar14、Ar15、及びAr16は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。Y、Y、及びYは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、又はビニレン基を表す。X、k、j及びnは、上記構造式(I)と同じ意味を表す。なお、構造式(VI)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体であっても構わない。
前記構造式(VI)で表される化合物の具体例としては、R15、R16、R17、及びR18は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、これらは同一であっても異なってもよい。前記アリール基としては芳香族炭化水素基、縮合多環基、非縮合多環基、複素環基などが挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。前記縮合多環基としては、例えば、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基などが挙げられる。前記非縮合多環基としては、例えば、ビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。前記複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、などが挙げられる。
また、Ar13、Ar14、Ar15、及びAr16で示されるアリーレン基としては、R15,R16,R17及びR18で示したアリール基の2価基が挙げられ、これらは同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基である。
(2)アルキル基としては、上記のR、R、及びRと同様のものが挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR105)として、R105は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
、Y、及びYは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、又はビニレン基を表す。
前記アルキレン基としては、上記(2)で示したアルキル基より誘導される2価基を表す。具体的には、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、ジフルオロメチレン基、ヒドロキシエチレン基、シアノエチレン基、メトキシエチレン基、フェニルメチレン基、4−メチルフェニルメチレン基、2,2−プロピレン基、2,2−ブチレン基、ジフェニルメチレン基、などが挙げられる。
前記シクロアルキレン基としては、例えば、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロへキシレン基、1,1−シクロオクチレン基、などが挙げられる。
前記アルキレンエーテル基としては、例えば、ジメチレンエーテル基、ジエチレンエーテル基、エチレンメチレンエーテル基、ビス(トリエチレン)エーテル基、ポリテトラメチレンエーテル基、等が挙げられる。
Xは、下記構造式(g)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記構造式(b)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記構造式(g)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記構造式(b)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
ただし、前記構造式(g)中、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16、R15、R16,R17,R18、Y、Y、及びYは、上記構造式(VI)と同じ意味を表す。
H−X−OH ・・・構造式(b)
前記構造式(b)のジオール化合物としては、前記構造式(I)と同じものが挙げられる。
ただし、構造式(VII)中、R19、及びR20は、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、及びAr19は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X、k、j及びnは、上記構造式(I)と同じ意味を表す。なお、構造式(VII)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体であっても構わない。
前記構造式(VII)で表される化合物の具体例としては、R19、及びR20は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、これらは同一であっても異なってもよい。前記アリール基としては芳香族炭化水素基、縮合多環基、非縮合多環基、複素環基などが挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。前記縮合多環基としては、例えば、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基などが挙げられる。前記非縮合多環基としては、例えば、ビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。前記複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、などが挙げられる。
また、R19及びR20は環を形成する場合、9−フルオリニリデン、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘブテニリデンなどが挙げられる。
また、Ar17,Ar18及びAr19で示されるアリーレン基としてはR19及びR20で示したアリール基の2価基が挙げられ、これらは同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基である。
(2)アルキル基としては、上記のR、R、及びRと同様のものが挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR105)として、R105は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p-メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル-N−プロピルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは、下記構造式(h)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記構造式(b)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記構造式(h)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記構造式(b)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
ただし、前記構造式(h)中、Ar17、Ar18、Ar19、R19、及びR20は、上記構造式(VII)と同じ意味を表す。
H−X−OH ・・・構造式(b)
前記構造式(b)のジオール化合物としては、前記構造式(I)と同じものが挙げられる。
ただし、構造式(VIII)中、R21は、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar20、Ar21、Ar22、及びAr23は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X、k、j及びnは、上記構造式(I)と同じ意味を表す。なお、構造式(VIII)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体であっても構わない。
前記構造式(VIII)で表される化合物の具体例としては、R21は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、これらは同一であっても異なってもよい。前記アリール基としては芳香族炭化水素基、縮合多環基、非縮合多環基、複素環基などが挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。前記縮合多環基としては、例えば、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基などが挙げられる。前記非縮合多環基としては、例えば、ビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。前記複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、などが挙げられる。
また、Ar20、Ar21、Ar22及びAr23で示されるアリーレン基としてはR21で示したアリール基の2価基が挙げられ、これらは同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基である。
(2)アルキル基としては、上記のR,R,Rと同様のものが挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR105)として、R105は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p-メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル-N−プロピルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは、下記構造式(j)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記構造式(b)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記構造式(j)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記構造式(b)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
ただし、前記構造式(j)中、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23、及びR21は、上記構造式(VIII)と同じ意味を表す。
H−X−OH ・・・構造式(b)
前記構造式(b)のジオール化合物としては、前記構造式(I)と同じものが挙げられる。
ただし、構造式(IX)中、R22、R23、R24、及びR25は、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、及びAr28は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X、k、j及びnは、上記構造式(I)と同じ意味を表す。なお、構造式(IX)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体であっても構わない。
前記構造式(IX)で表される化合物の具体例としては、R22、R23、R24、及びR25は、置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、これらは同一であっても異なってもよい。前記アリール基としては芳香族炭化水素基、縮合多環基、非縮合多環基、複素環基などが挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。前記縮合多環基としては、例えば、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基などが挙げられる。前記非縮合多環基としては、例えば、ビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。前記複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、などが挙げられる。
また、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27及びAr28で示されるアリーレン基としては、R22、R23、R24及びR25で示した上記のアリール基の2価基が挙げられ、これらは同一であっても異なってもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基である。
(2)アルキル基としては、上記のR、R、及びRと同様のものが挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR105)として、R105は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p-メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル-N−プロピルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは、下記構造式(l)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記構造式(b)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記構造式(l)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記構造式(b)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
ただし、前記構造式(l)中、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28、R22、R23、R24、及びR25は、上記構造式(IX)と同じ意味を表す。
H−X−OH ・・・構造式(b)
前記構造式(b)のジオール化合物としては、前記構造式(I)と同じものが挙げられる。
ただし、構造式(X)中、R26、及びR27は、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar29、Ar30、及びAr31は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アリーレン基を表す。X、k、j及びnは、上記構造式(I)と同じ意味を表す。なお、構造式(X)は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体であっても構わない。
前記構造式(X)で表される化合物の具体例としては、R26、及びR27は置換もしくは無置換のアリール基を表すが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、これらは同一であっても異なってもよい。前記アリール基としては芳香族炭化水素基、縮合多環基、非縮合多環基、複素環基などが挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。前記縮合多環基としては、例えば、ナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基などが挙げられる。前記非縮合多環基としては、例えば、ビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。前記複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、などが挙げられる。
また、Ar29、Ar30及びAr31で示されるアリーレン基としてはR26及びR27で示したアリール基の2価基が挙げられ、これらは同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリーレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基である。
(2)アルキル基としては、上記のR,R,Rと同様のものが挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR105)として、R105は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p-メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル-N−プロピルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
Xは、下記構造式(m)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記構造式(b)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記構造式(m)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記構造式(b)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
ただし、前記構造式(m)中、Ar29、Ar30、Ar31、R26、及びR27は、上記構造式(X)と同じ意味を表す。
H−X−OH ・・・構造式(b)
前記構造式(b)のジオール化合物としては、前記構造式(I)と同じものが挙げられる。
前記第1電荷輸送層における結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対し、20〜300質量部が好ましく、40〜150質量部がより好ましい。
前記第1電荷輸送層の厚みは、帯電性、応答性、画質の点から、10〜50μmが好ましく、15〜35μmがより好ましい。本発明の静電潜像担持体における帯電性は、感光層の静電容量(誘電率及び厚み)が重要となる。通常、感光層厚みが大きくなるほど、感光層の静電容量は小さくなり、パッシェンの法則より、放電開始電圧は大きくなる。本発明においては、帯電時のNOx及びオゾンなどの生成を抑制するために、帯電部材に放電開始電圧以下の電圧を印加する。本システムにおける放電開始電圧とは、放電開始時の感光体表面電位と帯電部材の表面電位差である。そのため感光層厚みが大きくなり、帯電部材に印加できるバイアスと感光体の表面電位は大きくすることが可能となる。前記感光層の静電容量を小さくする手段として、第1電荷輸送層及び第2電荷輸送層の厚みを大きくすることが考えられる。しかし、第2電荷輸送層は、正孔及び電子を両方輸送する必要があるため、現状使用できる材料系では、膜中に電荷トラップが形成されやすいため、第2電荷輸送層の厚みを大きくすると残留電位上昇などの不具合が発生する。そのために感光体の静電容量を小さくする有効な手段としては、第1電荷輸送層の厚みにより、制御することが好ましい。したがって、安定した感光体表面電位を得るためには、少なくとも第1電荷輸送層の厚みは、10μm以上であることが好ましい。一方、第1電荷輸送層の厚みが大きくなるほど、静電潜像形成の電荷が表面側に移動する時に、それぞれの電荷が反発しあい、静電潜像が拡散しやすくなり、画質低下の要因となる。そのため、前記電荷輸送層の厚みは、50μm以下が好ましい。
前記第1電荷輸送層は、結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
前記溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられる。
本発明の静電潜像担持体の場合、その電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。
前記可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30質量%が好ましい。
前記レベリング剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1質量%が好ましい。
<第2電荷発生層>
前記第2電荷発生層は、前記第1電荷発生層に示した材料、製法、塗工方法が用いられる。
前記第2電荷発生層の厚みは、0.01〜5μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。
前記第1電荷発生層及び前記第2電荷発生層とも使用される電荷発生材料は限定されるものではない。しかし、第1電荷発生層及び第2電荷発生剤で使用される電荷発生材料は異なり、最大吸収波長が異なる材料が好ましい。その中でも、780nmの光に対して光吸収率の高いチタニルフタロシアニン系顔料と655nmの光に対して光吸収率が高いアゾ系材料を用いることが好ましい。特に光吸収波長域から、潜像形成の電荷発生は780nmの光を用いて、帯電の電荷発生は655nmの光を用いることが好ましい。この場合、第1電荷発生層にチタニルフタロシアニン顔料を用い、第2電荷発生層にアゾ顔料を用いることが好ましい。
ここで、図4に第1電荷発生層に用いられるチタニルフタロシアニン顔料と第2電荷発生層に用いられる下記構造式で表されるアゾ顔料の分光感度スペクトルを示す。図4の結果から、第1電荷発生層に用いるチタニルフタロシアニン顔料と第2電荷発生層に用いられるアゾ顔料とは最大光吸収波長が異なることが認められる。
<第2電荷輸送層>
前記第2電荷輸送層は、少なくとも電子輸送物質を含有してなり、正孔輸送物質、結着樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−電子輸送物質−
前記電子輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電子輸送物質の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対し、10〜100質量部が好ましく、20〜70質量部がより好ましい。
前記第2電荷輸送層には、正孔輸送物質として前記第1電荷輸送層に示した正孔輸送物質を含有することが好ましい。更に、前記正孔輸送物質が前記第1電荷輸送層に示した高分子正孔輸送物質であることが好ましい。また、更に必要に応じて、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
前記第2電荷輸送層の厚みは、帯電性、及び帯電安定性の点から、0.5〜10μmが好ましく、1.0〜5.0μmがより好ましい。前記第2電荷輸送層の厚みが0.5μm未満であると、長期的使用時における帯電ムラが発生しやすくなることがあり、10μmを超えると、残留電位の上昇などの問題が発生することがある。
前記第2電荷輸送層は、静電潜像担持体の最表層となる場合があるため、耐摩耗性を向上させる目的でフィラーを含有することが好ましい。前記フィラーとしては、有機フィラー及び無機フィラーのいずれかが好ましい。
前記有機フィラーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂フィラー、シリコーン樹脂フィラー、炭素含有フィラー等が挙げられる。
前記無機フィラーとしては、例えば、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化珪素、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどが挙げられる。これらの中でも無機フィラー、炭素含有フィラーを用いることが好ましい。
前記無機フィラーとしては金属酸化物が好適であり、該金属酸価物としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等挙げられる。また、前記炭素含有フィラーとしては、ダイヤモンドフィラーが好適である。
前記フィラーの前記第2電荷輸送層における含有量は、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。その下限値は、通常、5質量%である。フィラーの含有量が多いほど耐摩耗性が高いので良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇、保護層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じる場合がある。
また、これらのフィラーは、少なくとも一種の表面処理剤で表面処理することが、フィラーの分散性の面から好ましい。これは、フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、更には耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。前記表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤を使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。これらフィラー材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、分散液中でのフィラーの平均粒径は、第2電荷輸送層の透過率の点から、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましい。
前記第2電荷輸送層は、少なくとも電子輸送物質を含有してなり、正孔輸送物質、結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、第2電荷輸送層塗布液を調製し、これを第2電荷発生層上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
<表面保護層>
本発明の静電潜像担持体においては、該静電潜像担持体の機械的耐久性を向上させることを目的として、表面保護層を第2電荷輸送層の上に設けることが好ましい。
前記表面保護層としては、(1)ウレタン樹脂、アクリル樹脂などの3次元架橋樹脂を用いた膜、(2)バインダー中にフィラーを分散させた膜、(3)水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造である膜、などが用いられる。
前記表面保護層に使用されるフィラーとしては、第2電荷輸送層で示した材料が用いられる。
前記表面保護層に使用されるバインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する表面保護層は、SP軌道を有するダイヤモンドと類似のC−C結合を有することが好ましい。なお、SP軌道を有するグラファイトと類似の構造を持つ膜でも構わないし、更に非晶質性のものでも構わない。
水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する表面保護層の添加物元素は、窒素、フッ素、硼素、リン、塩素、臭素、沃素が含有されていることが好ましい。
前記水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する表面保護層を作製するときには、炭化水素ガス(メタン、エタン、エチレン、アセチレン等)を主材料として、H、Ar等のキャリアガスを用いる。更に、添加物元素を供給するガスとしては、減圧下で気化できるもの、加熱することにより気化できるものであれば構わない。例えば、窒素を供給するガスとしてNH、N等を用い、フッ素を供給するガスとしてC26、CH3F等を用い、硼素を供給するガスとしてはB26等を用い、リンを供給するガスとしてはPH3等を用い、塩素を供給するガスとしてはCHCl、CHCl、CHCl、CCl等を用い、臭素を供給するガスとしてはCHBr等を用い、沃素を供給するガスとしては、CHI等を用いることができる。また、添加物元素を複数供給するガスとしては、NF、BCl、BBr、BF、PF、PCl等を用いる。上記のようなガスを用い、プラズマCVD法、グロー放電分解法、光CVD法などやグラファイト等をターゲットとしたスパッタリング法等により形成される。特にその成膜法は限定されるものではないが、保護層として良好な特性を有する炭素を主成分とする膜を形成する方法として、プラズマCVD法でありながらスパッタ効果を伴わせつつ成膜させる方法(特開昭58−49609号公報)等が知られている。
プラズマCVD法を利用した炭素を主成分とする保護層の成膜法では、支持体を特に加熱する必要がなく、約150℃以下の低温で被膜を形成できるため、耐熱性の低い有機系感光層上に保護層を形成する際にも、何ら支障がないというメリットがある。
前記表面保護層の体積抵抗は、10〜1012Ω・cmが好ましい。
前記表面保護層の厚みは、1.0〜10.0μmが好ましく、2.0〜6.0μmがより好ましい。
<下引き層>
本発明の静電潜像担持体では、支持体と第1電荷発生層との間に下引き層を設けることが好ましい。
前記下引き層は、一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが好ましい。
このような樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
また、前記下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料を添加してもよい。
前記下引き層は、前記感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。前記下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。その他、下引き層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。
前記下引き層の厚みは、0〜5μmが好ましい。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、第1電荷発生層、第1電荷輸送層、第2電荷発生層、及び第2電荷輸送層の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤及びレベリング剤を添加することができる。また塗布液中のフィラー分散性向上のために分散安定剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
各層に添加できる酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記のものが挙げられる。
(a)フェノ−ル系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ−ル、n-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロ−ル類などが挙げられる。
(b)パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
(c)ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
(d)有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネ−トなどが挙げられる。
(e)有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
各層に添加できる可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記のものが挙げられる。
(a)リン酸エステル系可塑剤としては、例えば、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなどが挙げられる。
(b)フタル酸エステル系可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなどが挙げられる。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなどが挙げられる。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなどが挙げられる。
(e)脂肪酸エステル誘導体としては、例えば、オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなどが挙げられる。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤としては、例えば、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなどが挙げられる。
(g)エポキシ可塑剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなどが挙げられる。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤としては、例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなどが挙げられる。
(i)含塩素可塑剤としては、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなどが挙げられる。
(j)ポリエステル系可塑剤としては、例えば、ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなどが挙げられる。
(k)スルホン酸誘導体としては、例えば、p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなどが挙げられる。
(l)クエン酸誘導体としては、例えば、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなどが挙げられる。
(m)その他としては、例えば、ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなどが挙げられる。
また、各層に添加することができる滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記のものが挙げられる。
(a)炭化水素系化合物としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなどが挙げられる。
(b)脂肪酸系化合物としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸などが挙げられる。
(c)脂肪酸アミド系化合物としては、例えば、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなどが挙げられる
(d)エステル系化合物としては、例えば、脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなどが挙げられる。
(e)アルコール系化合物としては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなどが挙げられる。
(f)金属石けんとしては、例えば、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
(g)天然ワックスとしては、例えば、カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなどが挙げられる。
(h)その他としては、例えば、シリコーン化合物、フッ素化合物などが挙げられる。
また、各層に添加できる紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記のものが挙げられる。
(a)ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
(b)サルシレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
(c)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ3'−ターシャリブチル5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
(d)シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなどが挙げられる。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)としては、例えば、ニッケル(2,2'チオビス(4−t-オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなどが挙げられる。
(f)HALS(ヒンダードアミン)としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。
本発明の静電潜像担持体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができ、特に、以下に説明する本発明の画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに好適に用いられるものである。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程等を含んでなる。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体としては、本発明の前記静電潜像担持体を用いる。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電するものが用いられる。なお、帯電器の詳細については後述する。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間記録媒体を用い、該中間記録媒体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、可視像を中間記録媒体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間記録媒体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の記録媒体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程及び光により除電を行う工程である。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体の表面電位を一様に下げることができるものであればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
ここで、図5は、図1で示した静電潜像担持体を用いた画像形成メカニズムを示したものである。
まず、露光波長λのLDやLED光を感光体に一様に露光し、第2電荷発生層で、電荷が発生する。そしてこの露光と同時に、接触もしくは近接配置された部材にプラスバイアスを印可する。
このため、感光体には、接触もしくは近接配置された部材21と支持体11との間で、電界22が形成され、その電界によって、正孔25と電子24が分離し、電子24は、感光体表面(第2電荷輸送層)16に、正孔25は支持体11に移動する。そして、感光体表面には、均一なマイナスのチャージシートが形成される。
次に、画像信号に従い、露光器23により露光波長λのLD及びLED光を感光体に露光し、第2電荷発生層15で、書き込み信号に従い電荷が発生する。ここで、発生した電荷は、帯電により形成されている電界に従い、正孔(ホール)25は感光体表面に、電子24は支持体11側に移動する。感光体表面で、正孔と電子が再結合し、静電潜像が形成される。
ここで、露光されるλ1及びλ2は、異なった波長であることが好ましく、またそれに対応して電荷発生としては、それぞれ異なった吸収波長域を有する電荷発生物質を使用することが好ましい。またここで、接触もしくは近接配置された部材に印可されるバイアスは、パッシェンの法則にしたがった放電開始電圧以下のバイアスを印可する。放電開始電圧は、感光層の誘電率及び感光層厚みにより求められる静電容量から決定される。本システムでは、感光体表面電位と接触もしくは近接配置された部材の表面電位差が、放電開始電圧以上になった時に放電する。
次に、図面を用いて本発明の画像形成方法及び画像形成装置について説明する。
図6は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図である。
図6において、静電潜像担持体(電子写真感光体)51は、支持体上に、第1電荷発生層、第1電荷輸送層、第2電荷発生層、及び第2電荷輸送層を順次設けた構造を有する。
帯電部52は、電子写真感光体51と接触及び近接配置される。この帯電部は、バイアスを印可することが可能である部材(バイアス印加部材)及び帯電用の電荷発生を行わせるための露光を行うLDもしくはLED(帯電用露光装置)で構成するのが好ましい。しかしながら、光源をLDやLEDに限定するわけでは無く、蛍光灯やキセノンランプ等の光源を用いても構わない。加えて前記蛍光灯やキセノンランプ等の光源と第1電荷発生層が吸収する波長のフィルターを用いてもよい。ここでバイアス印加部材は、帯電用露光を行う光を透過させる必要があるのと同時に、第2電荷発生層によって生成されたホールが電荷輸送層を移動し終わるまでの時間(トランジットタイム)だけ感光体層中に電場を形成し続けることができなくてはならない。
このような状態を実現できるバイアス印加部材としては、例えば、図7及び図8に示すようなものが挙げられる。
まず、感光体51に対して接触するバイアス印加部材としては、露光波長に対して透過性を有するシリコーンエラストマーやウレタンラバーなどで構成されるローラ42中に導電性を付与するための酸化金属やカーボン等のフィラー41を適量分散させたものが使用できる。例えば、低硬度シリコーンエラストマー中に酸化チタン微粒子をフィラーとして含有したローラ表面を、同じくフィラー等により導電性の付与されたフッ素系樹脂保護膜によって被覆したローラをバイアス印加部材として使用することもできる。このバイアス印加部材としてのローラ(以下、バイアス印加ローラと称することもある)を感光体へ適当な押圧力により当接させることで、バイアス印加ローラを変形させて感光体とのニップを形成する。十分な帯電効果を得るためには、このニップ幅(感光体移動方向でのニップ領域長さ)は、感光体移動速度と上記トランジットタイムとの積から求められる長さ以上であることが好ましい。
また、感光体51に対して非接触のバイアス印加部材としては、ガラス基板44上にITO膜43を形成した部材を利用することができる(以下、バイアス印加プレートと称することもある)。このバイアス印加プレートの形状を感光体曲率とほぼ同じとし、感光体表面から、例えば数百μmのギャップを保持した状態で設置することで実現できる。十分な帯電効果を得るためには、バイアス印加プレートの感光体移動方向における長さは、感光体移動速度と上記トランジットタイムとの積から求められる長さ以上であることが好ましい。
画像信号書き込み(露光)部53は、LDもしくはLED等が用いられる。ここで用いられる光源の露光波長は、前記帯電用露光装置に用いられているものと異なる必要がある。この画像書き込み部で感光体表面に静電潜像を形成する。
感光体表面に静電潜像を形成した後、現像部54で、トナー像を形成する。感光体表面に形成されたトナー像は、転写部55により紙などの記録媒体へ転写される。その後、定着を経てハードコピーとなる。電子写真感光体51上の残留トナーはクリーニング部56により除去され、次の電子写真サイクルに移る。
前記画像形成方法及び感光体を用いる電子写真プロセスは、上記一例に限定されるものではなく、少なくとも、帯電及び露光により、静電潜像を形成するプロセスであれば、どのようなものであっても構わない。
以上に示すような画像形成方法、及び画像形成装置は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、以下に示す本発明のプロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の前記静電潜像担持体と、光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段とを有し、更に、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段から選択される少なくとも一つの手段を有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなり、画像形成装置本体に着脱可能なものである。
ここで、前記プロセスカートリッジとしては、図9に示すように、感光体201を内蔵し、帯電手段202、現像手段204、転写手段206、クリーニング手段207、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。なお、図9中、203は露光手段、205は記録媒体、208は搬送ローラを表す。
図9に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体201は、矢印方向に回転しながら、帯電手段202による帯電、露光手段203による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段204でトナー現像され、該トナー現像は転写手段206により、記録媒体205に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段207によりクリーニングされ、更に除電手段(図示せず)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明の画像形成装置としては、上述の静電潜像担持体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。また、帯電器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
本発明の画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジでは、画像特性に優れ、帯電時におけるオゾン、窒素酸化物などの発生を抑えることができる静電潜像担持体を用いているので、高精細、高画質な画像を形成することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−静電潜像担持体の作製−
<下引き層の形成>
外径100mmのアルミニウム(Al)製支持体に、下記組成の下引き層塗布液を乾燥後の厚みが1.0μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
−下引き層塗布液の組成−
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・3質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・2質量部
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製)・・・20質量部
・メチルエチルケトン・・・100質量部
<第1電荷発生層の形成>
下引き層上に、下記組成の第1電荷発生層塗布液を浸漬塗工して、110℃にて20分間加熱し、乾燥させて、厚み0.3μmの第1電荷発生層を形成した。
−第1電荷発生層の組成−
・オキソチタニウムフタロシアニン顔料・・・5質量部
・ブチラール樹脂(エスレックBMS、積水化学工業株式会社製)・・・2質量部
・テトラヒドロフラン・・・80質量部
<第1電荷輸送層の形成>
第1電荷発生層上に、下記組成の正孔輸送物質を含む第1電荷輸送層塗布液を浸積塗工し、130℃にて20分間加熱し、乾燥させて、厚み20μmの電荷輸送層を形成した。
−第1電荷輸送層塗布液の組成−
・ビスフェーノルZ型ポリカーボネート樹脂(パンライトTS2050、帝人化成株式会社製)・・・1質量部
・下記構造式Aで表される正孔輸送物質・・・1質量部
・テトラヒドロフラン・・・10質量部
<第2電荷発生層の形成>
第1電荷輸送層上に、下記組成のアゾ顔料を含む第2電荷発生層塗布液をスプレー塗工し、140℃にて20分間加熱し、乾燥させて、厚み0.5μmの第2電荷発生層を形成した。
−第2電荷発生層塗布液の組成−
・ブチラール樹脂(エスレックBMS、積水化学工業株式会社製)・・・2質量部
・下記構造式Bで表されるアゾ顔料・・・5質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・シクロヘキサノン・・・160質量部
<第2電荷輸送層の形成>
第2電荷発生層上に、下記組成の第2電荷輸送層塗布液をスプレー塗工し、150℃にて20分間加熱し、乾燥させて、厚み5μmの第2電荷輸送層を形成した。
−第2電荷輸送層塗布液の組成−
・ビスフェーノルZ型ポリカーボネート樹脂(パンライトTS2050、帝人化成株式会社製)・・・10質量部
・下記構造式Cで表される電子輸送物質・・・3質量部
・テトラヒドロフラン・・・320質量部
・シクロヘキサノン・・・80質量部
実施例2)
−静電潜像担持体の作製−
実施例1において、第2電荷輸送層塗布液中のポリカーボネート樹脂を下記構造式Dで表される高分子正孔輸送物質に変えた以外は、実施例1と同様にして、静電潜像担持体を作製した。
前記構造式Dで表される高分子正孔輸送物質のポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量で46,700、重量平均分子量で11,880であった。なお、重合度nは概ね185であった。
(実施例3)
−静電潜像担持体の作製−
実施例2において、第2電荷輸送層塗布液を下記組成に変えた以外は、実施例1と同様にして、静電潜像担持体を作製した。
・実施例2の上記構造式Dで表される高分子正孔輸送物質・・・5質量部
・実施例1の上記構造式Cで表される電子輸送物質・・・2質量部
・シリカフィラー(KMPX100、信越化学工業株式会社製)・・・3質量部
・テトラヒドロフラン・・・250質量部
・シクロヘキサノン・・・70質量部
(実施例4)
−静電潜像担持体の作製−
実施例3において、第2電荷輸送層塗布液中のシリカフィラーを、ダイヤモンドフィラー(ナノダイヤモンド、北京国瑞昇科技有限公司製)に変えた以外は、実施例1と同様にして、静電潜像担持体を作製した。
(実施例5)
−静電潜像担持体の作製−
実施例2において、第2電荷輸送層上に下記組成の表面保護層塗布液を用いて、スプレー塗工し、150℃にて20分間加熱し、乾燥させて、厚み3μmの表面保護層を設けた以外は、実施例1と同様にして、静電潜像担持体を作製した。
−表面保護層塗布液の組成−
・ビスフェーノルA型ポリカーボネート樹脂(パンライトTS2050、帝人化成株式会社製)・・・7質量部
・アルミナフィラー(AA03、住友化学株式会社製)・・・3質量部
・テトラヒドロフラン・・・250質量部
・シクロヘキサノン・・・70質量部
(実施例6)
−静電潜像担持体の作製−
実施例5において、表面保護層塗布液中のアルミナフィラーを、実施例4と同じダイヤモンドフィラー(ナノダイヤモンド、北京国瑞昇科技有限公司製)に変えた以外は、実施例5と同様にして、静電潜像担持体を作製した。
(実施例7)
−静電潜像担持体の作製−
実施例1において、第2電荷輸送層上に以下に説明するプラズマCVD装置を用いて表面保護層を形成した以外は、実施例1と同様にして、静電潜像担持体を作製した。
<表面保護層の形成>
第2電荷発生層までを設けた静電潜像担持体を図10〜図12に示すようなプラズマCVD装置にセットし、表面保護層を形成した。ここで、図10中、107はプラズマCVD装置の真空槽であり、ゲート弁109によりロード/アンロード用予備室117と仕切られている。真空槽107内は排気系120(圧力調整バルブ121、ターボ分子ポンプ122、ロータリーポンプ123よりなる)により真空排気され、また一定圧力に保たれるようになっている。
真空槽107内には反応槽150が設けられている。反応槽は図11及び図12に示すような枠状構造体102(電極側より見て四角又は六角形状を有している)と、この両端の開口部を覆うようにしたフード108、118、更にこのフード108、118に配設された一対の同一形状を有する第一及び第二の電極103、113(アルミニウム等の金属メッシュを用いている)より構成されている。130は反応槽150内へ導入するガスラインを示しており、各種材料ガス容器が接続されており、それぞれ流量計129を経てノズル125より反応槽150の中へ導入される。
枠状構造体102中には、前記感光層を形成した支持体101(101−1、101−2…101−n)が図11及び図12のように配置される。なお、このそれぞれの支持体は、後述するように第三の電極として配置される。電極103、113には、それぞれ第一の交番電圧を印加するための一対の電源115(115−1、115−2)が用意されている。第一の交番電圧の周波数は、1〜100MHzである。これらの電源は、それぞれマッチングトランス116−1、116−2とつながる。このマッチングトランスでの位相は位相調整器126により調整し、互いに180°又は0°ずれて供給できる。即ち、対称型又は同相型の出力を有している。マッチンズトランスの一端104及び他端114は、それぞれ第一及び第二の電極103、113に連結されている。また、トランスの出力側中点105は接地レベルに保持されている。更に、この中点105と第三の電極、即ち支持体101(101−1、101−2…101−n)又はそれらに電気的に連結するホルダ102の間に第二の交番電圧を印加するための電源119が配設されている。この第二の交番電圧の周波数は、1〜500kHzである。この第一及び第二の電極に印加する第一の交番電圧の出力は、13.56MHzの周波数の場合0.1〜1kWであり、第三の電極即ち支持体に印加する第二の交番電圧の出力は、150kHzの周波数の場合約100Wである。
以下の条件により、ダイヤモンド状カーボンからなる表面保護層を成膜した。
流量:90sccm
流量:150sccm
NF流量:45sccm
反応圧力:0.02torr
第一の交番電圧出力:200W、13.56MHz
バイアス電圧(直流分):−100V
厚み:2.0μm
(実施例8)
−静電潜像担持体の作製−
実施例2において、第1電荷発生層塗布液中のオキソチタニウムフタロシアニン顔料をメタルフリーフタロシアニン顔料に変えた以外は、実施例2と同様にして、静電潜像担持体を作製した。
(比較例1)
−静電潜像担持体の作製−
実施例1において、第2電荷輸送層を設けず、以下のようにして第2電荷発生層を形成した以外は、実施例1と同様にして、静電潜像担持体を作製した。
<第2電荷発生層の形成>
第1電荷輸送層上に、下記組成の第2電荷発生層塗布液を用いて、スプレー塗工し、140℃にて20分間加熱し、乾燥させて、厚み5μmの第2電荷発生層を形成した。
−第2電荷発生層塗布液の組成−
・ビスフェーノルZ型ポリカーボネート(パンライトTS2050、帝人化成株式会社製)・・・5質量部
・実施例1の上記構造式Bで表されるアゾ顔料・・・2質量部
・テトラヒドロフラン・・・100質量部
・シクロヘキサノン・・・40質量部
以上のように作製した各静電潜像担持体を、図6で示したバイアス印加部材と655nmのLEDを露光光源とした露光帯電部材を搭載した画像形成装置(株式会社リコー製、イマジオMF7070、画像書き込み露光光源として780nmLD)を用いて、50万枚の通紙試験(A4サイズ)を行った。
次に、以下のようにして、画像評価(ハーフトーン画像、S3チャート)、及び摩耗量評価を行った。結果を表1、表2、及び表3に示す。なお、表1〜表3の結果において、実施例1、実施例2、実施例8、及び比較例1は、各々第2電荷輸送層、及び第2電荷発生層が摩耗により、消失したため、30万枚までで試験を中止した。
<画像ムラ>
各静電潜像担持体について、初期、10万枚後、30万枚後、及び50万枚後の各画像サンプルについて、画像ムラの発生の程度を目視観察して、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○:画像ムラの発生がなく良好である
△:局所的に画像ムラが発生した(実使用可能なレベル)
×:画像領域全体に画像ムラが発生した(実使用不能なレベル)
<画像濃度>
各静電潜像担持体について、初期、10万枚後、30万枚後、及び50万枚後の各画像サンプルについて、画像濃度の低下の程度を目視観察して、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○:画像濃度の低下がなく良好である
△:画像濃度がやや低下した(実使用可能なレベル)
×:画像濃度が低下した(実使用不能なレベル)
<摩耗量の測定>
各静電潜像担持体について、初期に対する10万枚後、30万枚後、及び50万枚後の摩耗量を摩耗量測定器で測定した。
表1〜表3の結果から、実施例1〜8は、帯電手段として図6で示したバイアス印加部材と655nmのLEDを露光光源とした露光帯電部材とを用いているので、帯電時におけるオゾンや窒素酸化物の発生がなく、また、比較例1に比べて、長期使用による摩耗が少なく、画像安定性に優れていることが認められる。
本発明の静電潜像担持体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジは、光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段を使用した画像形成に用いられ、フルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用される。
図1は、本発明の静電潜像担持体の層構成の一例を示す説明断面図である。 図2は、本発明の静電潜像担持体の層構成の他の一例を示す説明断面図である。 図3は、本発明の静電潜像担持体の層構成の別の他の一例を示す説明断面図である。 図4は、本発明の第1電荷発生層及び第2電荷発生層で使用される顔料の分光感度を示す。 図5は、本発明の静電潜像担持体を用いた帯電及び潜像形成メカニズムの説明するための図である。 図6は、本発明の静電潜像担持体用いた画像形成装置の一例を示す説明構成図である 図7は、本発明の帯電部に使用されるバイアス印加部材(バイアス印加ローラ)の一例を示す説明構成図である。 図8は、本発明の帯電部に使用されるバイアス印加部材(バイアス印加プレート)の一例を示す説明構成図である。 図9は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図10は、実施例7において水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造よりなる保護層を形成する際に用いるプラズマCVD装置の説明図である。 図11は、実施例7において表面保護層の形成に用いたプラズマCVD装置の枠状構造体の平面図である。 図12は、実施例7において表面保護層の形成に用いた別のプラズマCVD装置の枠状構造体の平面図である。
符号の説明
11 支持体
12 下引き層
13 第1電荷発生層
14 第1電荷輸送層
15 第2電荷発生層
16 第2電荷輸送層
17 表面保護層
21 帯電用露光装置
22 バイアス印加部材
23 画像信号書き込み(露光)装置
24 −電荷(電子)
25 +電荷(ホール)
41 金属製ローラ真金
42 光透過型導電性弾性部材
43 ITO膜
44 基板
51 静電潜像担持体
52 帯電部
53 画像信号書き込み(露光)部
54 現像部
55 転写部
56 クリーニング部
101−1〜101−n 支持体
102 枠状構造体
103、113 電極
104、114 マッチングトランスの端部
105 トランス出力側中点
107 真空槽
108、118 フード
109 ゲート弁
115 電源
116−1、116−2 マッチングトランス
117 ロード/アンロード用予備室
119 電源
120 排気系統
121 調整バルブ
122 ターボ分子ポンプ
123 ロータリーポンプ
125 ガス導入ノズル
126 位相調整器
129 流量計
130〜134 ガスライン
140 交番電源系
150 反応槽
201 感光体
202 帯電手段
203 露光手段
204 現像手段
205 記録媒体
206 転写手段
207 クリーニング手段
208 搬送ローラ

Claims (22)

  1. 光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段を使用した画像形成に用いられ、
    支持体と、該支持体上に、露光により静電潜像形成の電荷を発生する第1電荷発生層、少なくとも正孔輸送物質を含有する第1電荷輸送層、露光により帯電電荷を発生する第2電荷発生層、及び少なくとも電子輸送物質を含有する第2電荷輸送層をこの順に有することを特徴とする静電潜像担持体。
  2. 第2電荷輸送層が、正孔輸送物質を含有する請求項1に記載の静電潜像担持体。
  3. 正孔輸送物質が、高分子正孔輸送物質である請求項2に記載の静電潜像担持体。
  4. 第2電荷輸送層が、更にフィラーを含有する請求項1から3のいずれかに記載の静電潜像担持体。
  5. フィラーが、無機フィラー及び炭素含有フィラーのいずれかである請求項4に記載の静電潜像担持体。
  6. 無機フィラーが、金属酸化物フィラーである請求項5に記載の静電潜像担持体。
  7. 金属酸化物フィラーが、酸化チタン、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である請求項6に記載の静電潜像担持体。
  8. 炭素含有フィラーが、ダイヤモンドフィラーである請求項5に記載の静電潜像担持体。
  9. 第1電荷発生層及び第2電荷発生層が、互いに異なる2種以上の電荷発生物質を含有し、かつ該電荷発生物質の最大光吸収波長がそれぞれ異なる請求項1から8のいずれかに記載の静電潜像担持体。
  10. 第1電荷発生層における電荷発生物質がチタニルフタロシアニン顔料であり、かつ第2電荷発生層における電荷発生物質がアゾ顔料である請求項9に記載の静電潜像担持体。
  11. 第1電荷輸送層の厚みが、10〜50μmである請求項1から10のいずれかに記載の静電潜像担持体。
  12. 第2電荷輸送層の厚みが、0.5〜10μmである請求項1から11のいずれかに記載の静電潜像担持体。
  13. 第2電荷輸送層上に、表面保護層を有する請求項1から12のいずれかに記載の静電潜像担持体。
  14. 表面保護層が、少なくともバインダー樹脂及びフィラーを含有する請求項13に記載の静電潜像担持体。
  15. フィラーが、無機フィラー及び炭素含有フィラーのいずれかである請求項14に記載の静電潜像担持体。
  16. 無機フィラーが、金属酸化物フィラーである請求項15に記載の静電潜像担持体。
  17. 金属酸化物フィラーが、酸化チタン、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である請求項16に記載の静電潜像担持体。
  18. 炭素含有フィラーが、ダイヤモンドフィラーである請求項15に記載の静電潜像担持体。
  19. 表面保護層が、水素含有ダイヤモンド状カーボン及び非晶質カーボンのいずれかを含有する請求項13に記載の静電潜像担持体。
  20. 光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、露光手段とを用い該静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、該トナー像を記録媒体に転写する転写工程とを少なくとも含む画像形成方法において、
    前記静電潜像担持体が、請求項1から19のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成方法。
  21. 静電潜像担持体と、光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、露光手段とを有し該静電潜像担持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを少なくとも有する画像形成装置において、
    前記静電潜像担持体が、請求項1から19のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成装置。
  22. 請求項1から19のいずれかに記載の静電潜像担持体と、光照射とバイアス印加により静電潜像担持体表面を帯電する帯電手段とを有し、更に、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段から選択される少なくとも一つの手段を有してなり、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
JP2005242855A 2005-08-24 2005-08-24 静電潜像担持体、並びに画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ Expired - Fee Related JP4485433B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005242855A JP4485433B2 (ja) 2005-08-24 2005-08-24 静電潜像担持体、並びに画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005242855A JP4485433B2 (ja) 2005-08-24 2005-08-24 静電潜像担持体、並びに画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007057804A true JP2007057804A (ja) 2007-03-08
JP4485433B2 JP4485433B2 (ja) 2010-06-23

Family

ID=37921374

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005242855A Expired - Fee Related JP4485433B2 (ja) 2005-08-24 2005-08-24 静電潜像担持体、並びに画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4485433B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009151086A (ja) * 2007-12-20 2009-07-09 Canon Inc 電子写真感光体の製造方法
JP2011180560A (ja) * 2010-03-04 2011-09-15 Ricoh Co Ltd 画像形成方法、該方法を実行可能な画像形成装置
CN103852983A (zh) * 2012-11-30 2014-06-11 京瓷办公信息系统株式会社 带正电单层型电子照相感光体以及图像形成装置
CN104076624A (zh) * 2013-03-27 2014-10-01 富士施乐株式会社 电子照相感光体、处理盒和成像装置
JP2017062400A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 富士ゼロックス株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2017062421A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5564244A (en) * 1978-11-07 1980-05-14 Ricoh Co Ltd Laminated type electrophotographic photoreceptor
JPH047566A (ja) * 1990-04-25 1992-01-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電子写真感光体の帯電装置と電子写真感光体
JP2002091022A (ja) * 1999-10-12 2002-03-27 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2003316034A (ja) * 2002-02-21 2003-11-06 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法
JP2004061771A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Ricoh Co Ltd 単層型電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2004226637A (ja) * 2003-01-22 2004-08-12 Kyocera Mita Corp 単層型電子写真感光体およびそれを有する画像形成装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5564244A (en) * 1978-11-07 1980-05-14 Ricoh Co Ltd Laminated type electrophotographic photoreceptor
JPH047566A (ja) * 1990-04-25 1992-01-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電子写真感光体の帯電装置と電子写真感光体
JP2002091022A (ja) * 1999-10-12 2002-03-27 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2003316034A (ja) * 2002-02-21 2003-11-06 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法
JP2004061771A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Ricoh Co Ltd 単層型電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2004226637A (ja) * 2003-01-22 2004-08-12 Kyocera Mita Corp 単層型電子写真感光体およびそれを有する画像形成装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009151086A (ja) * 2007-12-20 2009-07-09 Canon Inc 電子写真感光体の製造方法
JP2011180560A (ja) * 2010-03-04 2011-09-15 Ricoh Co Ltd 画像形成方法、該方法を実行可能な画像形成装置
CN103852983A (zh) * 2012-11-30 2014-06-11 京瓷办公信息系统株式会社 带正电单层型电子照相感光体以及图像形成装置
CN104076624A (zh) * 2013-03-27 2014-10-01 富士施乐株式会社 电子照相感光体、处理盒和成像装置
JP2014191179A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
US9341963B2 (en) 2013-03-27 2016-05-17 Fuji Xerox Co., Ltd. Electrophotographic photoreceptor, process cartridge, and image forming apparatus
CN104076624B (zh) * 2013-03-27 2019-10-11 富士施乐株式会社 电子照相感光体、处理盒和成像装置
JP2017062400A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 富士ゼロックス株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2017062421A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4485433B2 (ja) 2010-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4928230B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP2006276829A (ja) 画像形成装置
JP2007256768A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2007114364A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2002031900A (ja) 電子写真感光体とその製造方法および電子写真方法、電子写真装置ならびに電子写真装置用プロセスカートリッジ
JP4485433B2 (ja) 静電潜像担持体、並びに画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP5077441B2 (ja) 電子写真感光体、その製造方法および電子写真装置
JP2007163523A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP5458848B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5123621B2 (ja) 像担持体、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2007147824A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2003005391A (ja) 単層型電子写真感光体
JP5970869B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP2012137599A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を使用した画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5453802B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP3891491B2 (ja) 電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法
JP3936576B2 (ja) フルカラー画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2007248733A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2007178816A (ja) 像担持体、及びそれを用いた画像形成方法
JP2007072408A (ja) 電子写真感光体、それを用いた画像形成装置及び画像形成方法
JP3566275B2 (ja) 電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法
JP5418954B2 (ja) 像担持体、及びそれを用いた画像形成方法
JP5625602B2 (ja) 電子写真感光体、並びにそれを用いた電子写真形成方法、電子写真形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2004004159A (ja) 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ及びタンデム型中間転写カラー画像形成装置
JP2007187787A (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100323

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees