JP2007055563A - 補強部材取外方法、補強部材製造方法及び空気のう製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 成型ドラムと補強部材とを接触させることなく成型ドラムから補強部材を取り外すことができる補強部材取外方法、補強部材製造方法及び空気のう製造方法を提供する。
【解決手段】 予め求められたスカート部15が補強部材9の径方向内側に垂れ下がる垂れ量(c)に応じて、成型ドラム25が縮小した際にスカート部15が補強部材9の径方向内側に垂れ下がったときのスカート部15の内径よりも、成型ドラム25のクラウン部31の外径を縮小させることにより、成型ドラム25から補強部材を取り外すことを要旨とする。
【選択図】 図10
【解決手段】 予め求められたスカート部15が補強部材9の径方向内側に垂れ下がる垂れ量(c)に応じて、成型ドラム25が縮小した際にスカート部15が補強部材9の径方向内側に垂れ下がったときのスカート部15の内径よりも、成型ドラム25のクラウン部31の外径を縮小させることにより、成型ドラム25から補強部材を取り外すことを要旨とする。
【選択図】 図10
Description
本発明は、トップ部と、当該トップ部の両側に連続して形成された一対のサイド部と、一方のサイド部の一側及び他方のサイド部の他側に形成された一対のスカート部とを備える補強部材を、当該補強部材を成型する成型ドラムから取り外す補強部材取外方法、補強部材製造方法及び空気のう製造方法に関する。
従来、パンク等が生じた場合でも一定の距離を走行可能な安全タイヤについて、様々な提案がなされている。例えば、安全タイヤの一種として、空気入りタイヤ(以下、タイヤ)と、当該タイヤに収容された中空円環状の空気のうとを備えたものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
この空気のうは、作動気体を充填可能な中空円状のチューブと、当該チューブと一体に接合される補強部材とを備えている。この補強部材は、トップ部と、当該トップ部の両側に連続して形成された一対のサイド部と、一方のサイド部の一側及び他方のサイド部の他側に形成された一対のスカート部とを備えている。
ここで、空気のうの構成要素の1つである補強部材を製造する際、当該補強部材を成型する成型ドラムが用いられる。成型ドラムは、空気のうの外周面に近似した外周面を有するクラウン部と、当該クラウン部の両側にそれぞれ連続して形成されかつクラウン部から遠ざかるにつれて細くなる一対のスロープ部と、一方のスロープ部の一側及び他方のスロープ部の他側に形成されかつクラウン部の外径よりも小さい外径を有する一対のボトム部とを備えている。
この成型ドラムを用いて補強部材を成型するときは、まず、成型ドラムのクラウン部、スロープ部及びボトム部に、不織布とゴムとからなる補強層をドラムの周方向(以下、ドラム周方向)に沿って貼り付けることにより、補強部材におけるトップ部とサイド部とスカート部とを成型する。なお、補強層は、タイヤの内圧が急激に低下した場合に車両の荷重を支持することを考慮して、トップ部、サイド部及びスカート部の順に枚数が少なくなっている。
次に、成型ドラムから上述した補強部材を取り外す。なお、成型ドラムは、当該成型ドラムから補強部材が取り外されるため、例えば8つの分割ドラムにセグメント化されている。この8つの分割ドラムは、適宜の手段によりドラム径方向へそれぞれ縮小可能な構成となっている。
そして、成型ドラムから取り外した補強部材の内側に、予め加硫処理又は半加硫処理が施されたチューブを挿入して、補強部材とチューブとを組み付ける。この組み付けられた補強部材とチューブとに加硫処理が施されることにより、補強部材とチューブとによって構成される空気のうを製造する。
特開2004−90808号公報
特開2005−53383号公報
しかしながら、上述した空気のうにおいては、スカート部に位置する補強層の枚数が少ない(スカート部の剛性がトップ部に比べて低い)とともに、補強部材の幅方向断面におけるスカート部の幅が所定の幅を有している(スカート部がドラム幅方向に突出している)ことにより、成型ドラムが縮小した際に、当該スカート部が補強部材の径方向内側に垂れ下がってしまう。そのため、垂れ下がったスカート部が成型ドラムのクラウン部と接触してしまうと、補強部材の製造不良(例えば、スカート部の損傷)が発生してしまうことがあった。
そこで、本発明は、上述の問題を鑑みてなされたものであり、成型ドラムと補強部材とを接触させることなく成型ドラムから補強部材を取り外すことができる補強部材取外方法、補強部材製造方法及び空気のう製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴は、環状の補強部材を、当該補強部材を成型する成型装置を構成する成型ドラムから取り外す補強部材取外方法に用いられ、補強部材が、トップ部と、トップ部の両側に連続して形成された一対のサイド部と、一方のサイド部の一側及び他方のサイド部の他側に形成された一対のスカート部とを備え、成型ドラムが、トップ部の外周面に近似した外周面を有するクラウン部と、クラウン部の両側にそれぞれ連続して形成されかつクラウン部から遠ざかるにつれて細くなる一対のスロープ部と、一方の前記スロープ部の一側及び他方の前記スロープ部の他側に形成されかつクラウン部の外径よりも小さい外径を有する一対のボトム部とを備えており、補強部材を成型ドラムで成型した後に、成型ドラムから補強部材を取り外す補強部材取外方法であって、予め求められた前記スカート部が補強部材の径方向内側に垂れ下がる垂れ量に応じて、成型ドラムが縮小した際にスカート部が補強部材の径方向内側に垂れ下がったときのスカート部の内径よりも、成型ドラムのクラウン部の外径を縮小させることにより、成型ドラムから補強部材を取り外すことを要旨とする。
かかる特徴によれば、予め求められた垂れ量に応じて、成型ドラムが縮小した際にスカート部が補強部材の径方向内側に垂れ下がったときのスカート部の内径よりも、成型ドラムのクラウン部の外径を縮小させることによって、成型ドラムから補強部材を取り外すため、スカート部が補強部材の径方向内側に垂れ下がっても、成型ドラムのクラウン部と垂れ下がったスカート部とが接触することをなくすことができる。そのため、補強部材の製造不良(例えば、スカート部の損傷)の発生を防止することができる。
本発明の第2の特徴は、成型装置が、成型ドラムを制御する制御部と、予め求められた垂れ量を記憶する記憶部とをさらに有し、制御部が、記憶部に記憶された垂れ量に応じて、補強部材のスカート部の内径よりも成型ドラムのクラウン部の外径を縮小させることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、補強部材が、不織布とゴムとからなる補強層と、ゴムからなり、前記補強層を覆う外皮層とによって構成されており、垂れ量が、成型ドラムの幅方向断面におけるボトム部からクラウン部までの高さ、又は、スカート部に位置する補強層の枚数に基づいて求められていることを要旨とする。
ここで、補強層とは、幅狭の補強層(例えば、補強テープ)の他に、幅広の補強層(例えば、補強シート)も含むものとする。
かかる特徴によれば、垂れ量が、成型ドラムの幅方向断面におけるボトム部からクラウン部までの高さ(すなわち、補強部材の幅方向断面におけるスカート部の幅)、又は、スカート部に位置する補強層の枚数に基づいて求められていることによって、成型ドラムは、大きさや剛性の異なる補強部材の垂れ量に合わせて、成型ドラムの外径を縮小させることができる。そのため、成型ドラムが縮小した際に、スカート部が補強部材の径方向内側に垂れ下がっても、成型ドラムのクラウン部と垂れ下がったスカート部とが接触することをなくすことができる。
本発明の第4の特徴は、制御部が、成型ドラムが縮小した際にスカート部が補強部材の径方向内側に垂れ下がったときのスカート部の内径よりも、成型ドラムのクラウン部の外径を20mm以上縮小させることを要旨とする。
なお、制御部がスカート部の内径よりもクラウン部の外径を縮小させた際に20mm未満であると、予め求められた垂れ量よりもスカート部が大幅に垂れ下がってしまったときに、成型ドラムのクラウン部と垂れ下がったスカート部とが接触してしまうことがある。
本発明の第5の特徴は、空気のうの構成要素の1つであり、トップ部と、トップ部の両側に連続して形成された一対のサイド部と、一方のサイド部の一側及び他方のサイド部の他側に形成された一対のスカート部とを備える環状の補強部材を製造する補強部材製造方法であって、空気のうの外周面に近似した外周面を有するクラウン部と、クラウン部の両側にそれぞれ連続して形成されかつクラウン部から遠ざかるにつれて細くなる一対のスロープ部と、一方のスロープ部の一側及び他方のスロープ部の他側に形成されかつクラウン部の外径よりも小さい外径を有する一対のボトム部とを備える成型ドラムを用いて、クラウン部、スロープ部及びボトム部に不織布とゴムとからなる補強層をドラム周方向に沿って貼り付けることにより、補強部材におけるトップ部とサイド部とスカート部とを成型する補強部材成型工程と、補強部材成型工程が終了した後に、請求項1に記載の補強部材取外方法を用いて、補強部材を成型ドラムから取り外す補強部材取外工程とを含むことを要旨とする。
ここで、貼り付けるとは、補強層を重ねた状態で貼り付けることも含むものとする。
本発明の第6の特徴は、作動気体を充填可能な中空円状のチューブ、及び、トップ部と、トップ部の両側に連続して形成された一対のサイド部と、一方のサイド部の一側及び他方のサイド部の他側に形成された一対のスカート部とを有する補強部材を備える空気のうを製造する空気のう製造方法であって、ゴム材料によってチューブを成型し、チューブに加硫処理又は半加硫処理を施すチューブ成型工程と、空気のうの外周面に近似した外周面を有するクラウン部と、クラウン部の両側にそれぞれ連続して形成されかつクラウン部から遠ざかるにつれて細くなる一対のスロープ部と、一方のスロープ部の一側及び他方のスロープ部の他側に形成されかつクラウン部の外径よりも小さい外径を有する一対のボトム部とを備える成型ドラムを用いて、クラウン部、スロープ部及びボトム部に不織布とゴムとからなる補強層をドラム周方向に沿って貼り付けることにより、補強部材におけるトップ部とサイド部とスカート部とを成型する補強部材成型工程と、補強部材成型工程が終了した後に、請求項1に記載の補強部材取外方法を用いて、補強部材を成型ドラムから取り外す補強部材取外工程と、補強部材取外工程が終了した後に、チューブを補強部材の内側に挿入して、チューブと補強部材とを組み付ける組付工程とを含むことを要旨とする。
ここで、作動気体とは、主に空気を示すが、これに限定されるものではなく、窒素ガス等の空気以外の気体であってもよい。
本発明によれば、成型ドラムと補強部材とを接触させることなく成型ドラムから補強部材を取り外すことができる補強部材取外方法、補強部材製造方法及び空気のう製造方法を提供することができる。
以下において、本発明に係る実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
まず、本実施形態に係る空気のう製造方法により製造される空気のう1について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る空気のう1を示す斜視図であり、図2は、本実施形態に係る空気のう1(タイヤ3に収容された空気のう1)の幅方向断面図であり、図3は、本実施形態に係る補強部材9(チューブ7と一体になる前の補強部材9)の幅方向断面図である。
図1及び図2に示すように、空気のう1は、タイヤ3内に収容された状態でリム5に組み付けられるものである。また、空気のう1は、パンク等によってタイヤ3の内圧が急激に低下した際にタイヤ3に代わって車両の荷重を支持するものである。
空気のう1は、作動気体としての空気を充填可能な中空円環状のチューブ7を具備している。このチューブ7は、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴムによって形成されている。また、チューブ7に充填された空気の圧力は、タイヤ3の内部に充填された空気の圧力よりも高くなっている。なお、空気のう1に充填される作動気体には、窒素ガス等の空気以外の気体も含まれる。
チューブ7には、加硫処理が施された補強部材9が設けられている。補強部材9は、チューブ7全体を覆うように構成されている。この補強部材9は、ポリアミド不織布、ポリエステル不織布、PET(ポリエチレンテレフタレート)不織布、カーボン不織布、レーヨン不織布、ガラス不織布等の不織布と、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴムとからなる補強層(幅広の補強層37及び幅狭の補強層39,41(図9参照))、及び、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴムからなり、当該補強層を覆う外皮層(幅広の外皮層47及び幅狭の外皮層43,45(図9参照))によって構成されている。
なお、補強部材9は、図3に示すように、チューブ7と一体になる前に、トップ部11と、トップ部11の両側に連続して形成された一対のサイド部13と、一方のサイド部13の一側及び他方のサイド部13の他側に形成された一対のスカート部15とを有している。
補強部材9の内周面には、リム5の外周面に接触可能な複数の第1リッジ17が形成されている。また、補強部材9の内寄りの肩面には、タイヤ3におけるビード部19に接触可能な複数の第2リッジ21が形成されている。
従って、パンク等によってタイヤ3の内圧が急激に低下すると、空気のう1が拡張変形して、タイヤ3の内周面に密着する。これにより、タイヤ3に代わって、空気のう1が車両の荷重を支持することができる。
一方、通常の走行中においては、補強部材9によりチューブ7の剛性(すなわち、空気のう1の剛性)を高めつつ、遠心力による空気のう1の拡張を抑える。これにより、空気のう1及びタイヤ3の擦り合いによる空気のう1及びタイヤ3の損傷を抑制することができる。
また、複数の第1リッジ17によって空気のう1の内周面とリム5の外周面との間、複数の第2リッジ21によって空気のう1の内寄りの肩面とビード部19との間に空気が通過可能な隙間(通路)を形成することができるため、タイヤ3内における空気の循環を高めることができる。これにより、リム5による放熱作用を十分発揮させ、タイヤ3内における空気の温度上昇又は温度のバラツキを抑制することができる。
次に、本実施形態に係る空気のう製造方法で用いられる成型装置23について、図面を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係る成型装置23を示すブロック図であり、図5及び図6は、本実施形態に係る成型ドラム25を示す斜視図である。
図4に示すように、成型装置23は、成型ドラム25と、アクチュエータ27と、処理部29とを備えている。この成型ドラム25は、図5及び図6に示すように、空気のう1(補強部材9のトップ部11(図3参照))の外周面に近似した外周面を有するクラウン部31を備えている。また、クラウン部31の両側には、スロープ部33がそれぞれ連続して形成されている。このスロープ部33は、クラウン部31から遠ざかるにつれて細くなっている。さらに、一方のスロープ部33の一側及び他方のスロープ部33の他側には、ボトム部35がそれぞれ連続して形成されている。このボトム部35は、クラウン部31の外径(すなわち、空気のう1の外径)よりも小さい外径を有している。
成型ドラム25は、8つの分割ドラム25sにセグメント化されている。この8つの分割ドラム25sは、適宜の手段(後述するアクチュエータ27)により成型ドラム25の径方向(以下、ドラム径方向)へそれぞれ縮小可能(移動可能)な構成となっている。なお、8つの分割ドラム25sをドラム径方向内側へ縮小させる場合、まず、4つの分割ドラム25s(1つ間隔置きの分割ドラム)をドラム径方向内側へ縮小させ、次に、残りの4つの分割ドラム25sをドラム径方向内側へ縮小させる。
アクチュエータ27(例えば、複数の油圧シリンダー)は、上述した8つの分割ドラム25sをドラム径方向へそれぞれ縮小(移動)させる。
処理部29は、予め求められた垂れ量を記憶する記憶部29aと、アクチュエータ27を介して成型ドラム25を制御する制御部29bを備えている。ここで、垂れ量とは、成型ドラム25が縮小した際に補強部材9のスカート部15が補強部材9の径方向内側へ垂れ下がる量である。
記憶部29aは、図7に示すように、成型ドラム25の幅方向断面におけるボトム部35からクラウン部31までの高さ(H(図3参照))と、その高さ(H)に対応した垂れ量(c(図3参照))とが対応付けられたテーブルを記憶する。
この高さ(H)は、10mm以上であることが好ましい。高さ(H)が10mmよりも小さいと、空気のう1の大きさを十分に確保することができず、当該空気のう1が車両の荷重を支持することができないことがあるからである。また、高さ(H)は、補強部材9の幅方向断面におけるスカート部15の幅(W(図3参照))に対応しているものである。すなわち、高さ(H)が高くなるにつれ、スカート部15の幅(W)も広くなる。
なお、垂れ量(c)は、図8に示すように、5分後からは一定の量(すなわち、最も垂れ下がる量)となる。そのため、上述したテーブルには、高さ(H)と、その高さ(H)に対応した5分後の垂れ量(c)とが対応付けられている。また、垂れ量(c)は、補強層(幅広の補強層37及び幅狭の補強層39,41(図9参照))として、PET不織布が用いられたものであり、2/5×高さ(H)にて求められたものである。
制御部29bは、記憶部29aに記憶された垂れ量(c)に応じて、補強部材9のスカート部15の内径よりも成型ドラム25のクラウン部31の外径をアクチュエータ27を介して縮小させる。この際、制御部29bは、成型ドラム25が縮小した際にスカート部15が補強部材9の径方向内側に垂れ下がったときのスカート部15の内径よりも、成型ドラム25のクラウン部31の外径をアクチュエータ27を介して20mm以上縮小させることが好ましい。制御部29bがスカート部15の内径よりもクラウン部31の外径を縮小させた際に20mm未満であると、予め求められた垂れ量よりもスカート部15が大幅に垂れ下がってしまったときに、成型ドラム25のクラウン部31と垂れ下がったスカート部15とが接触してしまうことがあるからである。
ここで、本実施形態において、垂れ量(c)は、成型ドラム25の幅方向断面におけるボトム部35からクラウン部31までの高さ(H)に基づいて求められたものとして説明したが、これに限定されるものではなく、スカート部15に位置する補強層(幅狭の補強層39,41(図9参照))の枚数に基づいて求められもよい。
次に、本実施形態に係る空気のう製造方法について、図面を参照しながら説明する。図9〜図11は、本実施形態に係る空気のう製造方法を示す図である。この空気のう製造方法は、(I)チューブ成型工程、(II)補強部材成型工程、(III)補強部材取外工程、(IV)組付工程、(V)加硫工程を含む。
(I)チューブ成型工程
押出成型機(不図示)により中空棒状の半チューブを成型し、当該半チューブの一端部と他端部とを接合することにより空空円環状のチューブ7を形成する。このチューブ7に加硫処理又は半加硫処理を施す。
押出成型機(不図示)により中空棒状の半チューブを成型し、当該半チューブの一端部と他端部とを接合することにより空空円環状のチューブ7を形成する。このチューブ7に加硫処理又は半加硫処理を施す。
(II)補強部材成型工程
成型ドラム25のクラウン部31、スロープ部33及びボトム部35に、少なくとも幅広の補強層37と幅狭の補強層39,41とを成型ドラム25の周方向(以下、ドラム周方向)に沿って貼り付けることにより、補強部材9におけるトップ部11とサイド部13とスカート部15とを成型する。
成型ドラム25のクラウン部31、スロープ部33及びボトム部35に、少なくとも幅広の補強層37と幅狭の補強層39,41とを成型ドラム25の周方向(以下、ドラム周方向)に沿って貼り付けることにより、補強部材9におけるトップ部11とサイド部13とスカート部15とを成型する。
具体的には、まず、図9(a)に示すように、成型ドラム25のクラウン部31に幅広の補強層37をドラム周方向に沿って貼り付ける。次に、図9(b)に示すように、成型ドラム25のスロープ部33に幅狭の補強層39をドラム周方向に沿って貼り付け、成型ドラム25のボトム部35に幅狭の補強層41をドラム周方向に沿って貼り付ける。なお、スロープ部33に幅狭の補強層39を貼り付け、その後に、ボトム部35に幅狭の補強層41を貼り付けるものに限らず、ボトム部35に幅狭の補強層41を貼り付け、その後に、スロープ部33に幅狭の補強層39を貼り付けてもよい。
次に、図9(c)に示すように、幅狭の補強層41の上に幅狭の外皮層43をドラム周方向に沿って貼り付け、幅狭の補強層39の上に幅狭の外皮層45をドラム周方向に沿って貼り付け、幅広の補強層37の上に幅広の外皮層47をドラム周方向に沿って貼り付ける。なお、補強層41の上に幅狭の外皮層43を貼り付け、その後に、幅狭の補強層39の上に幅狭の外皮層45を貼り付け、さらにその後に、幅広の補強層37の上に幅広の外皮層47を貼り付けるものに限らず、例えば、幅狭の補強層39の上に幅狭の外皮層45を貼り付け、その後に、補強層41の上に幅狭の外皮層43を貼り付け、さらにその後に、幅広の補強層37の上に幅広の外皮層47を貼り付けてもよい。
このように、成型ドラム25のクラウン部31、スロープ部33及びボトム部35に、幅広の補強層37、幅狭の補強層39,41、幅狭の外皮層43,45及び幅広の外皮層47をドラム周方向に沿って貼り付けることにより、補強部材9におけるトップ部11とサイド部13とスカート部15とを成型する。
(III)補強部材取外工程
(II)補強部材成型工程が終了した後に、8つの分割ドラム25sをドラム径方向内側へ縮小させることにより、成型ドラム25から補強部材9を取り外す。具体的には、図10に示すように、予め求められた垂れ量(c)に応じて、成型ドラム25が縮小した際にスカート部15が補強部材の径方向内側に垂れ下がったときのスカート部の内径よりも、成型ドラム25のクラウン部31の外径を縮小させることにより、成型ドラム25から補強部材9を取り外す。
(II)補強部材成型工程が終了した後に、8つの分割ドラム25sをドラム径方向内側へ縮小させることにより、成型ドラム25から補強部材9を取り外す。具体的には、図10に示すように、予め求められた垂れ量(c)に応じて、成型ドラム25が縮小した際にスカート部15が補強部材の径方向内側に垂れ下がったときのスカート部の内径よりも、成型ドラム25のクラウン部31の外径を縮小させることにより、成型ドラム25から補強部材9を取り外す。
この際、成型ドラム25(制御部29b)は、当該成型ドラム25が縮小した際にスカート部15が補強部材9の径方向内側に垂れ下がったときのスカート部15の内径よりも、成型ドラム25のクラウン部31の外径を20mm以上縮小させることが好ましい。
(IV)組付工程
(III)補強部材取外工程が終了した後に、図11(a)及び図11(b)に示すように、チューブ7を補強部材9の内側に挿入して、チューブ7の内周面側で補強部材9の一縁部と他縁部とをオーバーラップさせて、チューブ7と補強部材9とを組み付ける。
(III)補強部材取外工程が終了した後に、図11(a)及び図11(b)に示すように、チューブ7を補強部材9の内側に挿入して、チューブ7の内周面側で補強部材9の一縁部と他縁部とをオーバーラップさせて、チューブ7と補強部材9とを組み付ける。
(V)加硫工程
(IV)組付工程が終了した後に、組み付けられたチューブ7と補強部材9とを加硫金型装置(不図示)で加硫処理が施されることにより、複数の第1リッジ17と複数の第2リッジ21とを備えた空気のう1(図1参照)を製造する。
(IV)組付工程が終了した後に、組み付けられたチューブ7と補強部材9とを加硫金型装置(不図示)で加硫処理が施されることにより、複数の第1リッジ17と複数の第2リッジ21とを備えた空気のう1(図1参照)を製造する。
ここで、空気のう製造方法は、少なくとも(I)チューブ成型工程、(II)補強部材成型工程、(III)補強部材取外工程、(IV)組付工程を含むものであればよい。
また、(I)チューブ成型工程は、(IV)組付工程の前に終了していればよく、必ずしも(II)補強部材成型工程及び(III)補強部材取外工程の前に行わなくてもよい。
また、本実施形態に係る空気のう製造方法に用いられる(II)補強部材成型工程と(III)補強部材取外工程とを補強部材製造方法として捉えることができる。さらに、本実施形態に係る空気のう製造方法に用いられる(III)補強部材取外工程を補強部材取外方法として捉えることができる。
以上のように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
(作用・効果)
以上説明した本実施形態に係る空気のう製造方法によれば、予め求められた垂れ量(c)に応じて、成型ドラムが縮小した際にスカート部15が補強部材9の径方向内側に垂れ下がったときのスカート部15の内径よりも、成型ドラム25のクラウン部31の外径を縮小させることによって、成型ドラム25から補強部材9を取り外すため、スカート部15が補強部材9の径方向内側に垂れ下がっても、成型ドラム25のクラウン部31と垂れ下がったスカート部15とが接触することをなくすことができる。そのため、補強部材9の製造不良(例えば、スカート部15の損傷)の発生を防止することができる。
以上説明した本実施形態に係る空気のう製造方法によれば、予め求められた垂れ量(c)に応じて、成型ドラムが縮小した際にスカート部15が補強部材9の径方向内側に垂れ下がったときのスカート部15の内径よりも、成型ドラム25のクラウン部31の外径を縮小させることによって、成型ドラム25から補強部材9を取り外すため、スカート部15が補強部材9の径方向内側に垂れ下がっても、成型ドラム25のクラウン部31と垂れ下がったスカート部15とが接触することをなくすことができる。そのため、補強部材9の製造不良(例えば、スカート部15の損傷)の発生を防止することができる。
また、この垂れ量(c)に応じて、成型ドラム25のクラウン部31の外径を縮小させることによって、成型ドラム25が縮小しすぎることがないため(成型ドラム25が縮小しすぎると作業時間が掛かってしまうため)、作業能率を飛躍的に向上させることができる。
また、垂れ量(c)が、成型ドラム25の幅方向断面におけるボトム部35からクラウン部31までの高さ(H)、又は、スカート部15に位置する幅狭の補強層41の枚数に基づいて求められていることによって、成型ドラム25は、大きさや剛性の異なる補強部材9の垂れ量(c)に合わせて、成型ドラム25の外径を縮小させることができる。そのため、成型ドラム25が縮小した際に、スカート部15が補強部材9の径方向内側に垂れ下がっても、成型ドラム25のクラウン部31と垂れ下がったスカート部15とが接触することをなくすことができる。
さらに、制御部29bが、成型ドラム25が縮小した際にスカート部15が補強部材9の径方向内側に垂れ下がったときのスカート部15の内径よりも、成型ドラム25のクラウン部31の外径をアクチュエータ27を介して20mm以上縮小させることにより、成型ドラム25のクラウン部31と垂れ下がったスカート部15とが接触することを確実になくすことができる。
このように、本発明の空気のう製造方法は、空気のう1を製造する際に補強部材9の製造不良(例えば、スカート部15の損傷)の発生を防止することができるため、作業能率を飛躍的に向上させることができる。
1…空気のう、3…タイヤ、5…リム、7…チューブ、9…補強部材、11…トップ部、13…サイド部、15…スカート部、17…第1リッジ、19…ビード部、21…第2リッジ、23…成型装置、25…成型ドラム、25s…分割ドラム、27…アクチュエータ、29…処理部、29a…記憶部、29b…制御部、31…クラウン部、33…スロープ部、35…ボトム部、37…幅広の補強層、39,41…幅狭の補強層、43,45…幅狭の外皮層、47…幅広の外皮層
Claims (6)
- 環状の補強部材を、当該補強部材を成型する成型装置を構成する成型ドラムから取り外す補強部材取外方法に用いられ、前記補強部材が、トップ部と、前記トップ部の両側に連続して形成された一対のサイド部と、一方の前記サイド部の一側及び他方の前記サイド部の他側に形成された一対のスカート部とを備え、前記成型ドラムが、前記トップ部の外周面に近似した外周面を有するクラウン部と、前記クラウン部の両側にそれぞれ連続して形成されかつ前記クラウン部から遠ざかるにつれて細くなる一対のスロープ部と、一方の前記スロープ部の一側及び他方の前記スロープ部の他側に形成されかつ前記クラウン部の外径よりも小さい外径を有する一対のボトム部とを備えており、前記補強部材を前記成型ドラムで成型した後に、前記成型ドラムから前記補強部材を取り外す補強部材取外方法であって、
予め求められた前記スカート部が補強部材の径方向内側に垂れ下がる垂れ量に応じて、前記成型ドラムが縮小した際に前記スカート部が補強部材の径方向内側に垂れ下がったときの前記スカート部の内径よりも、前記成型ドラムの前記クラウン部の外径を縮小させることにより、前記成型ドラムから前記補強部材を取り外すことを特徴とする補強部材取外方法。 - 前記成型装置は、
前記成型ドラムを制御する制御部と、
予め求められた前記垂れ量を記憶する記憶部とをさらに有し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記垂れ量に応じて、前記補強部材の前記スカート部の内径よりも前記成型ドラムの前記クラウン部の外径を縮小させることを特徴とする請求項1に記載の補強部材取外方法。 - 前記補強部材は、
不織布とゴムとからなる補強層と、
ゴムからなり、前記補強層を覆う外皮層とによって構成されており、
前記垂れ量は、前記成型ドラムの幅方向断面における前記ボトム部から前記クラウン部までの高さ、又は、前記スカート部に位置する前記補強層の枚数に基づいて求められていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の補強部材取外方法。 - 前記制御部は、前記成型ドラムが縮小した際に前記スカート部が補強部材の径方向内側に垂れ下がったときの前記スカート部の内径よりも、前記成型ドラムの前記クラウン部の外径を20mm以上縮小させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の補強部材取外方法。
- 空気のうの構成要素の1つであり、トップ部と、前記トップ部の両側に連続して形成された一対のサイド部と、一方の前記サイド部の一側及び他方の前記サイド部の他側に形成された一対のスカート部とを備える環状の補強部材を製造する補強部材製造方法であって、
前記空気のうの外周面に近似した外周面を有するクラウン部と、前記クラウン部の両側にそれぞれ連続して形成されかつ前記クラウン部から遠ざかるにつれて細くなる一対のスロープ部と、一方の前記スロープ部の一側及び他方の前記スロープ部の他側に形成されかつ前記クラウン部の外径よりも小さい外径を有する一対のボトム部とを備える成型ドラムを用いて、前記クラウン部、前記スロープ部及び前記ボトム部に不織布とゴムとからなる補強層をドラム周方向に沿って貼り付けることにより、前記補強部材における前記トップ部と前記サイド部と前記スカート部とを成型する補強部材成型工程と、
前記補強部材成型工程が終了した後に、請求項1に記載の補強部材取外方法を用いて、前記補強部材を前記成型ドラムから取り外す補強部材取外工程と
を含むことを特徴とする補強部材製造方法。 - 作動気体を充填可能な中空円状のチューブ、及び、トップ部と、前記トップ部の両側に連続して形成された一対のサイド部と、一方の前記サイド部の一側及び他方の前記サイド部の他側に形成された一対のスカート部とを有する補強部材を備える空気のうを製造する空気のう製造方法であって、
ゴム材料によって前記チューブを成型し、前記チューブに加硫処理又は半加硫処理を施すチューブ成型工程と、
前記空気のうの外周面に近似した外周面を有するクラウン部と、前記クラウン部の両側にそれぞれ連続して形成されかつ前記クラウン部から遠ざかるにつれて細くなる一対のスロープ部と、一方の前記スロープ部の一側及び他方の前記スロープ部の他側に形成されかつ前記クラウン部の外径よりも小さい外径を有する一対のボトム部とを備える成型ドラムを用いて、前記クラウン部、前記スロープ部及び前記ボトム部に不織布とゴムとからなる補強層をドラム周方向に沿って貼り付けることにより、前記補強部材における前記トップ部と前記サイド部と前記スカート部とを成型する補強部材成型工程と、
前記補強部材成型工程が終了した後に、請求項1に記載の補強部材取外方法を用いて、前記補強部材を前記成型ドラムから取り外す補強部材取外工程と、
前記補強部材取外工程が終了した後に、前記チューブを前記補強部材の内側に挿入して、前記チューブと前記補強部材とを組み付ける組付工程と
を含むことを特徴とする空気のう製造方法。
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JP2005246735A JP2007055563A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 補強部材取外方法、補強部材製造方法及び空気のう製造方法 |
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