JP2007045076A - 成型ドラム及び補強層の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】補強層9の製造工程数の増加及び空気のう1の重量増大を抑えつつ、幅狭の帯状補強部材13を成型ドラム37におけるスロープ部41,43及びボトム部45,47に貼付ける作業が簡単になって、補強層9の製造時間の短縮化を図ること。
【解決手段】空気のう1の外周面に近似したクラウン部39と、クラウン部39の両側にそれぞれ連続して形成されかつクラウン部39から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成された一対のスロープ部41,43と、を具備してあって、一対のスロープ部41,43の外周面に帯状補強部材13を保持するような表面処理をそれぞれ施したこと。
【選択図】 図1
【解決手段】空気のう1の外周面に近似したクラウン部39と、クラウン部39の両側にそれぞれ連続して形成されかつクラウン部39から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成された一対のスロープ部41,43と、を具備してあって、一対のスロープ部41,43の外周面に帯状補強部材13を保持するような表面処理をそれぞれ施したこと。
【選択図】 図1
Description
本発明は、空気のうの構成要素の1つである補強層の製造する際に用いられる成型ドラム、及び補強層を製造するための補強層の製造方法に関する。
近年、タイヤ業界においては、タイヤの内圧が急激に低下した際に前記タイヤに代わって車両荷重を支持する空気のうについて、種々の開発が行われている。また、前記空気のうは、作動気体としての空気を充填可能な中空円環状のチューブと、このチューブに設けられかつ加硫処理を施した補強層とを具備しており、前記空気のうの性能に大きく影響を与える前記補強層の成型については、特に開発が進んでおり、先行技術として特許文献1に示すものがある。ここで、前記補強層は、トップ部と、このトップ部の両側に連続して形成された一対のスカート部とを備えている。
そして、特許文献1に示す先行技術は、不織布とゴムの複合材料からなる帯状補強部材によって前記補強層を製造(成型)する方法(補強層の製造方法)に関するものであって、次のような構成の成型ドラムを用いる。
即ち、前記成型ドラムは、クラウン部を備えており、このクラウン部は、前記空気のうの外周面に近似しかつ前記帯状補強部材を貼付け可能な外周面を有している。また、前記クラウン部の両側には、スロープ部がそれぞれ連続して形成されており、一対の前記スロープ部は、前記クラウン部から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成されてあって、前記帯状補強部材を貼付け可能な外周面をそれぞれ有している。更に、一方の前記スロープ部の一側及び他方の前記スロープ部の他側には、ボトム部がそれぞれ連続して形成されており、一対の前記ボトム部は、前記空気のうの外径よりも小径になるようにそれぞれ構成されてあって、前記帯状補強部材を貼付け可能な外周面をそれぞれ有している。
従って、前記補強層を製造する場合には、まず、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける前記クラウン部の外周面に周方向へ沿って貼付けることにより、前記補強層における前記トップ部を成型する。また、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける一方の前記スロープ部の外周面から一方の前記ボトム部の外周面に亘って周方向へ沿って貼付けると共に、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける他方の前記スロープ部の外周面から他方の前記ボトム部の外周面に亘って周方向へ沿って貼付けることにより、前記補強層における一対の前記スカート部を成型する。そして、前記補強層を前記成型ドラムから取外すことにより、前記補強層の製造が終了する。
WO2002/096678号公報
ところで、前記成型ドラムにおける前記スロープ部は、前記クラウン部から遠ざかるにつれて細くなるように構成されているため、換言すれば、前記成型ドラムにおける前記スロープ部の外周面は、前記成型ドラムのドラム軸心に対して傾斜しているため、前記成型ドラムにおける前記スロープ部に前記帯状補強部材を貼付ける際に、前記成型ドラムにおける前記スロープ部に対して前記帯状補強部材が滑り易くなる。そのため、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける前記スロープ部に貼付ける作業が厄介になって、前記補強層の製造時間が長くなるという問題がある。
一方、前記成型ドラムにおける前記スロープ部に対して前記帯状補強部材が滑らないように、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける前記スロープ部に貼付ける前に、予めゴムシートを前記成型ドラムにおける前記スロープ部に配置しておくことも考えられるが、前記補強層の製造工程数が増加すると共に、前記空気のうの性能に直接関係ない前記ゴムシートが前記補強層に含まれることになって、前記空気のうの重量増大を招くことになる。
そこで、本発明は、前述の問題を解決するため、予め前記ゴムシートを前記成型ドラムにおける前記スロープ部に配置しなくても、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける前記スロープ部に貼付ける際に、前記スロープ部に対して前記帯状補強部材が滑り難くなるようにした、新規な構成の成型ドラムを提供することを第1の目的とし、更に、新規な成型ドラムを用いて環状の補強層を製造するための新規な補強層の製造方法を提供することを第2の目的とする。
本発明の第1の特徴は、不織布とゴムの複合材料からなる帯状補強部材によって、空気のうの構成要素の1つである補強層を製造する際に用いられる成型ドラムにおいて、前記空気のうの外周面に近似しかつ前記帯状補強部材を貼付け可能な外周面を有したクラウン部と、前記クラウン部の両側にそれぞれ連続して形成され、前記クラウン部から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成され、前記帯状補強部材を貼付け可能な外周面をそれぞれ有した一対のスロープ部と、を具備してあって、一対の前記スロープ部の外周面に、前記帯状補強部材を保持するような表面処理(換言すれば、前記帯状補強部材が引っ掛かるような表面処理)がそれぞれ施されたことである。
なお、前記帯状補強部材とは、幅狭の帯状補強部材の他に、幅広の帯状補強部材も含む意であって、貼付け可能とは、重ねた状態で貼付け可能なことも含む意である。
第1を特徴によると、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける前記クラウン部の外周面に周方向へ沿って貼付けることにより、前記補強層におけるトップ部を成型する。また、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける一対の前記スロープ部の外周面に周方向へ沿って貼付けることにより、前記補強層における一対のスカート部を成型する。そして、前記補強層を前記成型ドラムから取外すことにより、前記補強層の製造が終了する。
ここで、一対の前記スロープ部の外周面に、前記帯状補強部材を保持するような表面処理がそれぞれ施されているため、予めゴムシートを前記成型ドラムにおける前記スロープ部に配置しなくても、前記成型ドラムにおける前記スロープ部に前記帯状補強部材を貼付ける際に、前記成型ドラムにおける前記スロープ部に対して前記帯状補強部材が滑り難くなる。
本発明の第2の特徴は、第1の特徴に加えて、一方の前記スロープ部の一側及び他方の前記スロープ部の他側にそれぞれ連続して形成され、前記空気のうの外径よりも小径になるようにそれぞれ構成され、前記帯状補強部材を貼付け可能な外周面をそれぞれ有した一対のボトム部と、を具備してあって、一対の前記スロープ部の外周面の他に、一対の前記ボトム部の外周面に、前記帯状補強部材を保持するように表面処理がそれぞれ施されたことである。
第2の特徴によると、一対の前記ボトム部の外周面に、前記帯状補強部材を保持するように表面処理がそれぞれ施されているため、前記成型ドラムにおける前記ボトム部に前記帯状補強部材を貼付ける際に、前記成型ドラムにおける前記ボトム部に対して前記帯状補強部材が滑り難くなる。
本発明の第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴に加えて、前記表面処理を施すために、粘着性のある樹脂からなる複数の保持部材が埋設されたことである。
本発明の第4の特徴は、第3の特徴に加えて、前記粘着性のある樹脂(粘着樹脂)のタッキネスは、50kgf/cm2以上でかつ300kgf/cm2以下であることである。
ここで、前記粘着樹脂のタッキネスを50kgf/cm2以上としたのは、前記粘着樹脂のタッキネスを50kgf/cm2未満であると、前記補強層を成型する際に、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける前記スロープ部(前記スロープ部及び前記ボトム部)に前記帯状補強部材を十分に保持させる(引っ掛ける)ことができないからである。また、前記粘着樹脂のタッキネスを300kgf/cm2以下としたのは、前記粘着樹脂のタッキネスが300kgf/cm2越えると、前記補強層の成型の後に、前記補強層を前記成型ドラムから取外し難くなるからである。
第4の特徴によると、前記粘着樹脂のタッキネスが50kgf/cm2以上でかつ300kgf/cm2以下であるため、前記補強層の成型の際に、前記スロープ部に前記帯状補強部材を十分に保持させることができると共に、前記補強層の成型の後に、前記補強層を前記成型ドラムから容易に取外すことができる。
本発明の第5の特徴は、空気のうの構成要素の1つであって、トップ部と、このトップ部の両側に連続して形成された一対のスカート部とを備えた環状の補強層を、請求項1又は請求項2に記載の成型ドラムを用いて成型するための補強層の製造方法において、不織布とゴムの複合材料からなる帯状補強部材を前記成型ドラムにおける前記クラウン部の外周面に周方向へ沿って貼付けることにより、前記補強層における前記トップ部を成型するトップ部成型工程と、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける一対の前記スロープ部の外周面に周方向へ沿って貼付けることにより、前記補強層における一対の前記スカート部を成型するスカート部成型工程と、前記トップ部成型工程と前記スカート部成型工程が終了した後に、前記補強層を前記成型ドラムから取外す補強層取外し工程と、を具備したことである。
ここで、前記トップ部成型工程と前記スカート部成型工程については、工程順の前後を問わず、同時に行われるようにしても差し支えない。なお、貼付けるとは、重ねた状態で貼付けることも含む意である。
本発明の第6の特徴は、第5の特徴に加えて、前記スカート部成型工程中に、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける一方の前記スロープ部の外周面から一方の前記ボトム部の外周面に亘って周方向へ沿って貼付けると共に、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける他方の前記スロープ部の外周面から他方の前記ボトム部の外周面に亘って周方向へ沿って貼付けることにより、前記補強層における一対の前記スカート部を成型することである。
請求項1から請求項6のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、予め前記ゴムシートを前記帯状補強部材における前記成型ドラムにおける前記スロープ部に配置しなくても、前記成型ドラムにおける前記スロープ部に前記帯状補強部材を貼付ける際に、前記成型ドラムにおける前記スロープ部に対して前記帯状補強部材が滑り難くなるため、前記補強層の製造工程数の増加及び前記空気のうの重量増大を抑えつつ、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける前記スロープ部に貼付ける作業が簡単になって、前記補強層の製造時間の短縮化を図ることができる。
本発明の実施形態について図1から図7を参照して説明する。
ここで、図1は、本発明の実施形態に係わる補強層成型装置の模式的な斜視図であって、通常状態の成型ドラムを示しており、図2は、本発明の実施形態に係わる補強層成型装置の模式的な図であって、分割成型ドラムがドラム径方向へ移動する状態を示しており、図3は、本発明の実施形態に係わる補強層成型装置の模式的な図であって、補強層を成型した状態を示しており、図4は、複数の保持部材の配置パターンを示す図であって、図5は、補強層を成型ドラムから取外した状態を示す模式的な図であって、図5は、本発明の実施形態に係わるタイヤに収容された状態の空気のうの部分断面図であって、図6は、本発明の実施形態に係わる空気のうの斜視図である。
図6及び図7に示すように、本発明の実施形態に係わる空気のう1は、タイヤ3内に収容された状態でリム5に組付けられるものであって、パンク等によってタイヤ3の内圧が急激に低下した際にタイヤ3に代わって車両荷重を支持するものである。
空気のう1は、作動気体としての空気を充填可能な中空円環状の空気のチューブ7を具備しており、このチューブ7は、天然ゴム,プチルゴム等のゴムからなるものである。また、チューブ7に充填された空気の圧力は、タイヤ3の内部に充填された空気の圧力以上になっている。なお、空気のう1に充填される作動気体には、窒素ガス等の空気以外の作動気体も含まれる。
チューブ7には、加硫処理を施した補強層9が設けられており、この補強層9は、チューブ7全体を覆うように構成されてあって、例えばポリアミド不織布,ポリエステル不織布,カーボン不織布,レーヨン不織布,ガラス不織布等の不織布と例えば天然ゴム,プチルゴム等のゴムの複合材料からなる帯状補強部材(幅広の帯状補強部材11と幅狭の帯状補強部材13(図3参照))によって成型されるものである。なお、補強層9は、外側に、例えば天然ゴム,プチルゴム等のゴムからなる帯状外皮部材(図示省略)によって成型される外皮層(図示省略)を備えるようにしても差し支えない。また、補強層9の内周面には、リム5の外周面に接触可能な複数の第1リッジ15が形成されており、補強層9の内寄りの肩面には、タイヤ3におけるビードフィラ17に接触可能な複数の第2リッジ19が形成されている。ここで、図3及び図4に示すように、チューブ7に一体に接合する前において(換言すれば、単独の状態において)、補強層9は、環状を呈しており、トップ部21と、このトップ部21の両側に連続して形成された一対のスカート部23,25とを備えている。
従って、パンク等によってタイヤ3の内圧が急激に低下すると、空気のう1が拡張変形して、タイヤ3の内周面に密着する。これによって、タイヤ3に代わって、空気のう1により車両荷重を支持することができる。
一方、通常の走行中においては、補強層9によってチューブ7の剛性(換言すれば、空気のう1の剛性)を高めつつ、遠心力による空気のう1の拡張を抑えることができる。これによって、空気のう1とタイヤ3との擦り合いによる空気のう1及びタイヤ3の損傷をなくすことができる。
また、複数の第1リッジ15によって空気のう1の内周面とリム5の外周面との間、複数の第2リッジ19によって空気のう1の内寄りの肩面とビードフィラ17との間に、空気が通過可能な間隙(通路)を形成することができ、タイヤ3内における空気の循環を高めることができる。これによって、リム5による放熱作用を十分に発揮させて、タイヤ3内における空気の温度上昇又は温度のばらつきを抑えることができる。
図1から図3に示すように、本発明の実施形態に係わる補強層成型装置27は、帯状補強部材11,13によって環状の補強層9を製造する際に用いられる装置であって、成型装置本体29を具備している。また、成型装置本体29には、軸受部材31が設けられており、この軸受部材31には、ドラム回転軸33が回転可能に設けられている。更に、成型装置本体29における軸受部材31の近傍には、ドラム回転軸33を回転させる回転モータ35が設けられており、この回転モータ35の出力軸35aは、ドラム回転軸33に連動連結してある。
ドラム回転軸33には、成型ドラム37が設けられており、この成型ドラム37は、ドラム軸心(ドラム回転軸33の軸心)Cを中心としてドラム回転軸33と一体的に回転可能であって、成型ドラム37の構成の詳細は、次のようになる。
即ち、成型ドラム37は、クラウン部39を備えており、このクラウン部39は、空気のう1の外周面に近似したかつ幅広の帯状補強部材11を貼付け可能な外周面を有している。また、クラウン部39の両側には、スロープ部41,43がそれぞれ連続して形成されており、一対のスロープ部41,43は、クラウン部39から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成されてあって、幅狭の帯状補強部材13を貼付け可能な外周面をそれぞれ有している。更に、一方のスロープ部41の一側及び他方のスロープ部43の他側には、ボトム部45,47がそれぞれ連続して形成されており、一対のボトム部45,47は、空気のう1の外径よりも小径になるようにそれぞれ構成されてあって、幅狭の帯状補強部材13を貼付け可能な外周面をそれぞれ有している。
また、成型ドラム37は、8つの分割成型ドラム37sにセグメント化されており、8つの分割成型ドラム37sは、適宜の手段によって成型ドラム37のドラム径方向へ拡縮移動(拡張移動・収縮移動)できるようにそれぞれ構成されている。なお、8つの分割成型ドラム37sをドラム径方向へ収縮移動させる場合には、まず、4つの分割成型ドラム(1つ間隔置きの分割成型ドラム)37sをドラム径方向へ収縮移動させて、次に、残りの4つの分割成型ドラム37sをドラム径方向へ収縮移動させるようになっている。
そして、一対のスロープ部41,43の外周面及び一対のボトム部45,47の外周面には、幅狭の帯状補強部材13を保持するように表面処理(換言すれば、幅狭の帯状補強部材13が引っ掛かるような表面処理)がそれぞれ施されている。
具体的には、一対のスロープ部41,43の外周面及び一対のボトム部45,47の外周面には、粘着性のある樹脂(粘着樹脂)からなる複数の保持部材49がそれぞれ埋設されており、複数の保持部材49の表面は、スロープ部41,43の外周面又はボトム部45,47の外周面に一致するようにそれぞれなっている。また、複数の保持部材49の配置パターンは、図1及び図4(a)に示すように、成型ドラムの周方向(図4においては左右方向)に平行に延びた線状の配置パターンであってもよく、図4(b)(c)に示すように、成型ドラムの周方向に対して傾斜した線状の配置パターンでもよく、図4(d)に示すように、散点状の配置パターンであってもよい。
前記粘着樹脂のタッキネスは、50kgf/cm2以上でかつ300kgf/cm2以下である。ここで、前記粘着樹脂のタッキネスを50kgf/cm2以上としたのは、前記粘着樹脂のタッキネスを50kgf/cm2未満であると、補強層を成型する際に、帯状補強部材13を成型ドラム37におけるスロープ部41,43及びボトム部45,47に帯状補強部材13を十分に保持させる(引っ掛ける)ことができないからである。また、前記粘着樹脂のタッキネスを300kgf/cm2以下としたのは、前記粘着樹脂のタッキネスが300kgf/cm2越えると、補強層9の成型の後に、補強層9を成型ドラム37から取外し難くなるからである。
なお、図1及び図4(a)に示すような配置パターン(複数の保持部材49の配置パターン)の場合に、前記粘着樹脂のタッキネスは100kgf/cm2であって、図4(b)に示すような配置パターンの場合に、前記粘着樹脂のタッキネスは200kgf/cm2であって、図4(c)に示すような配置パターンの場合に、前記粘着樹脂のタッキネスは300kgf/cm2であって、図4(d)に示すような配置パターンの場合に、前記粘着樹脂のタッキネスは150kgf/cm2である。
続いて、本発明の実施形態に係わる補強層の製造方法について説明する。
本発明の実施形態に係わる補強層の製造方法は、環状の補強層9を成型ドラム37を用いて製造するための方法であって、次のように、(i)トップ部成型工程、(ii)スカート部成型工程、(iii)補強層取外し工程を具備している。
(i) トップ部成型工程
回転モータ35の駆動により成型ドラム37をドラム軸心Cを中心として回転させつつ、幅広の帯状補強部材11を成型ドラム37におけるクラウン部39の外周面に周方向へ沿って貼付ける。更に、回転モータ35の駆動により成型ドラム37をドラム軸心Cを中心として回転させつつ、幅広の帯状補強部材11を成型ドラム37におけるクラウン部39の外周面に重ねた状態で貼付ける(所謂重ね貼りをする)。これにより、補強層9におけるトップ部21を成型することができる。
回転モータ35の駆動により成型ドラム37をドラム軸心Cを中心として回転させつつ、幅広の帯状補強部材11を成型ドラム37におけるクラウン部39の外周面に周方向へ沿って貼付ける。更に、回転モータ35の駆動により成型ドラム37をドラム軸心Cを中心として回転させつつ、幅広の帯状補強部材11を成型ドラム37におけるクラウン部39の外周面に重ねた状態で貼付ける(所謂重ね貼りをする)。これにより、補強層9におけるトップ部21を成型することができる。
(ii) スカート部成型工程
回転モータ35の駆動により成型ドラム37をドラム軸心Cを中心として回転させつつ、幅狭の帯状補強部材13を成型ドラム37における一方のスロープ部41の外周面から一方のボトム部45の外周面に亘って周方向へ沿って螺旋状に貼付ける。また、回転モータ35の駆動により成型ドラム37をドラム軸心Cを中心として回転させつつ、幅狭の帯状補強部材13を成型ドラム37における他方のスロープ部43の外周面から他方のボトム部47の外周面に亘って周方向へ沿って螺旋状に貼付ける。これにより、補強層9における一対のスカート部23,25を成型することができる。
回転モータ35の駆動により成型ドラム37をドラム軸心Cを中心として回転させつつ、幅狭の帯状補強部材13を成型ドラム37における一方のスロープ部41の外周面から一方のボトム部45の外周面に亘って周方向へ沿って螺旋状に貼付ける。また、回転モータ35の駆動により成型ドラム37をドラム軸心Cを中心として回転させつつ、幅狭の帯状補強部材13を成型ドラム37における他方のスロープ部43の外周面から他方のボトム部47の外周面に亘って周方向へ沿って螺旋状に貼付ける。これにより、補強層9における一対のスカート部23,25を成型することができる。
(iii) 補強層取外し工程
8つの分割成型ドラム37sをドラム径方向へ収縮移動させることにより(図2参照)、図5に示すように、環状の補強層9を成型ドラム37から取外す。これにより、環状の補強層9の製造が終了する。
8つの分割成型ドラム37sをドラム径方向へ収縮移動させることにより(図2参照)、図5に示すように、環状の補強層9を成型ドラム37から取外す。これにより、環状の補強層9の製造が終了する。
ここで、前記(i)トップ部成型工程と前記(ii)スカート部成型工程については、工程順の前後を問わず、同時に行われるようにしても差し支えない。また、本発明の実施形態に係わる補強層の製造方法は、前記(i)トップ部成型工程及び前記(ii)スカート部成型工程が終了した後であって前記(iii)補強層取外し工程を開始する前に、既に貼付けた帯状補強部材11,13に、前記帯状外皮部材を貼付ける外皮層成型工程を具備するようにしても差し支えない。
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
成型ドラム37における一対のスロープ部41,43の外周面及び一対のボトム部45,47の外周面に、幅狭の帯状補強部材13を保持するような表面処理がそれぞれ施されているため、予めゴムシートを成型ドラム37におけるスロープ部41,43に配置しなくても、成型ドラム37におけるスロープ部41,43及びボトム部45,47に帯状補強部材13を貼付ける際に、成型ドラム37におけるスロープ部41,43及びボトム部45,47に対して帯状補強部材13が滑り難くなる。
また、前記粘着樹脂のタッキネスが50kgf/cm2以上でかつ300kgf/cm2以下であるため、補強層9の成型の際に、スロープ部41,43及びボトム部45,47に幅狭の帯状補強部材13を十分に保持させることができ、かつ補強層9の成型の後に、補強層9を成型ドラム37から容易に取外すことができる。
以上の如き、本発明の実施形態によれば、予め前記ゴムシートを成型ドラム37におけるスロープ部41,43に配置しなくても、成型ドラム37におけるスロープ部41,43及びボトム部45,47に幅狭の帯状補強部材13を貼付ける際に、成型ドラム37におけるスロープ部41,43及びボトム部45,47に対して幅狭の帯状補強部材13が滑り難くなるため、補強層9の製造工程数の増加及び空気のう1の重量増大を抑えつつ、幅狭の帯状補強部材13を成型ドラム37におけるスロープ部41,43及びボトム部45,47に貼付ける作業が簡単になって、補強層9の製造時間の短縮化を図ることができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の他に、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
1 空気のう
3 タイヤ
7 チューブ
9 補強層
11 幅広の帯状補強部材
13 幅狭の帯状補強部材
21 トップ部
23,25 スカート部
37 成型ドラム
39 クラウン部
41,43 スロープ部
45,47 ボトム部
49 保持部材
3 タイヤ
7 チューブ
9 補強層
11 幅広の帯状補強部材
13 幅狭の帯状補強部材
21 トップ部
23,25 スカート部
37 成型ドラム
39 クラウン部
41,43 スロープ部
45,47 ボトム部
49 保持部材
Claims (6)
- 不織布とゴムの複合材料からなる帯状補強部材によって、空気のうの構成要素の1つである補強層を製造する際に用いられる成型ドラムにおいて、
前記空気のうの外周面に近似しかつ前記帯状補強部材を貼付け可能な外周面を有したクラウン部と、
前記クラウン部の両側にそれぞれ連続して形成され、前記クラウン部から遠ざかるにつれて細くなるようにそれぞれ構成され、前記帯状補強部材を貼付け可能な外周面をそれぞれ有した一対のスロープ部と、を具備してあって、
一対の前記スロープ部の外周面に、前記帯状補強部材を保持するような表面処理がそれぞれ施されたことを特徴とする成型ドラム。 - 一方の前記スロープ部の一側及び他方の前記スロープ部の他側にそれぞれ連続して形成され、前記空気のうの外径よりも小径になるようにそれぞれ構成され、前記帯状補強部材を貼付け可能な外周面をそれぞれ有した一対のボトム部と、を具備してあって、
一対の前記スロープ部の外周面の他に、一対の前記ボトム部の外周面に、前記帯状補強部材を保持するように表面処理がそれぞれ施されたことを特徴とする請求項1に記載の成型ドラム。 - 前記表面処理を施すために、粘着性のある樹脂からなる複数の保持部材が埋設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成型ドラム。
- 前記粘着性のある樹脂のタッキネスは、50kgf/cm2以上でかつ300kgf/cm2以下であることを特徴とする請求項3に記載の成型ドラム。
- 空気のうの構成要素の1つであって、トップ部と、このトップ部の両側に連続して形成された一対のスカート部とを備えた環状の補強層を、請求項1又は請求項2に記載の成型ドラムを用いて製造するための補強層の製造方法において、
不織布とゴムの複合材料からなる帯状補強部材を前記成型ドラムにおける前記クラウン部の外周面に周方向へ沿って貼付けることにより、前記補強層における前記トップ部を成型するトップ部成型工程と、
前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける一対の前記スロープ部の外周面に周方向へ沿って貼付けることにより、前記補強層における一対の前記スカート部を成型するスカート部成型工程と、
前記トップ部成型工程と前記スカート部成型工程が終了した後に、前記補強層を前記成型ドラムから取外す補強層取外し工程と、
を具備したことを特徴とする補強層の製造方法。 - 前記スカート部成型工程中に、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける一方の前記スロープ部の外周面から一方の前記ボトム部の外周面に亘って周方向へ沿って貼付けると共に、前記帯状補強部材を前記成型ドラムにおける他方の前記スロープ部の外周面から他方の前記ボトム部の外周面に亘って周方向へ沿って貼付けることにより、前記補強層における一対の前記スカート部を成型することを特徴とする請求項5に記載の補強層の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005233630A JP2007045076A (ja) | 2005-08-11 | 2005-08-11 | 成型ドラム及び補強層の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007045076A true JP2007045076A (ja) | 2007-02-22 |
Family
ID=37848320
Family Applications (1)
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JP2005233630A Pending JP2007045076A (ja) | 2005-08-11 | 2005-08-11 | 成型ドラム及び補強層の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007045076A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1953839A1 (en) | 2007-01-30 | 2008-08-06 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Piezoelectric Element, Ink Jet Head, and Ink Jet Recording Device |
-
2005
- 2005-08-11 JP JP2005233630A patent/JP2007045076A/ja active Pending
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EP1953839A1 (en) | 2007-01-30 | 2008-08-06 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Piezoelectric Element, Ink Jet Head, and Ink Jet Recording Device |
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