JP2007022045A - タイヤ製造用シェーピングブラダー及びタイヤ製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 螺旋巻きされた補強コード5が埋設されたシェーピングブラダー1の膨張により、その外周側に配置した生タイヤ基体10をトロイダル状に変形させた後、シェーピングブラダー1をタイヤプロファイルに必要な形状に規制保持したままで、生タイヤ基体10外周面への補強コード13の巻き付け、その後、巻き付け補強コード13の外周面上にトレッド構成部材14を貼り付ける。
【選択図】 図6
Description
また、図8(B)に示すように、トレッド構成部材55のエッジ部55eが生タイヤ基体51の外周面に接触して所定のドッキングが行えなくなったり、あるいは、無理やりドッキングさせることによって、前記エッジ部55eが咬み込まれて生タイヤ基体51の外周面にベア(凹状の傷)を生じるなど、製品タイヤのユニフォミティや外観品質の低下を招きやすいという問題がある。
ゴムシートの内部に周方向に略平行に螺旋巻きされた補強コードが埋設され、流体圧の充填により径外方へ膨張させたとき、所定のタイヤプロファイルに必要な形状を規制保持可能としていることを特徴とするタイヤ製造用シェーピングブラダーを提供している。
前記構成とすると、生タイヤ基体を所定のプロファイルに必要な形状に変形させるように膨張・収縮させる時の柔軟性を確保しつつ、膨張状態では外部から作用する力に抗して所定のプロファイルに必要な形状を規制保持するに十分な剛性を、より発揮させることができる。これによって、タイヤ製造用シェーピングブラダー自体を、トレッドゴムを含むトレッド構成部材を貼り付け用のプロファイルデッキに共用することが可能となり、タイヤ成形設備の簡素化、設備コストの削減化に寄与することができる。
その後、前記シェーピングブラダーの内部に流体圧を充填して前記生タイヤ基体の両ビード部を軸方向に接近移動させながら、シェーピングブラダーを径外方へ膨張させることにより、前記生タイヤ基体をトロイダル状に変形させ、
しかる後、前記シェーピングブラダーを径外方への膨張により所定のタイヤプロファイルに必要な形状に規制保持したままで、トロイダル状に変形した生タイヤ基体の外周面に補強コードを巻き付け、
最後に、前記巻き付け補強コードの外周面上にトレッド構成部材を貼り付けることを特徴とするタイヤ製造方法を提供している。
特に、プロファイルデッキを用いる方法では、補強コードとしてジョイントレスのものを使用しなければならないといったように、使用する補強コードの形態に制約がある。その理由は、ジョイントのある補強コードを使用すると、プロファイルデッキ自体が剛体であるために、ジョイント部分の重なりを吸収することができず、その結果、製品タイヤの径方向外側に凸が残存し、それがユニフォミティの悪化原因になるからである。
これに対し、第2の発明の場合は、ジョイント部分の重なりを膨張したシェーピングブラダー自体の変形により吸収することが可能であるから、補強コードとしてジョイントのあるものを使用したとしても、製品タイヤの径方向外側に凸が残存することがなく、加硫後の製品タイヤのユニフォミティ及び外観品質を向上することができる。
しかも、タイヤの補強コードとして、ジョイントレスのものに限らず、ジョイントのあるものを使用しても製品タイヤの径方向外側に凸が残存することを防ぐことができて、カーカスのような部材がジョイントを持つタイヤの成形(製造)にも有効に適用できる。加えて、トレッド構成部材を貼り付けるので、従来の製造方法では避けることができなかったエアー溜まりの発生やトレッド構成部材のエッジ部が生タイヤ基体の外周面に咬み込まれることに起因するベア(凹状の傷)の発生なども無くすることができ、製品タイヤのユニフォミティ及び外観品質の著しい向上を達成することができる。
第1の発明に係るタイヤ製造用シェーピングブラダー1は、図1に示すように、無負荷の自然状態で円筒状をなすブラダー胴部2の軸方向の両端に、該両端から径方向内方へ向けて小さい長さで折れ曲がるブラダー側部3,3を介して開口部4,4が形成されている。
具体的には、前記補強コード5が、1mm程度の直径で且つ5〜10mm程度の幅の5〜10本のテープを周方向に3°以下、好ましくは、1°以下の角度に傾斜させて巻き付けられている。シェービングブラダー1は、前記補強コード5の上下にゴムシート1a,1aを被覆コーティングすることにより作製されている。
まず、シェーピングブラダー1のブラダー側部3,3を、図3で示したとおり、前記シェーピングフォーマー6におけるクランプ9のインナクランプ9Aとアウタクランプ9B間に気密状態に固定保持するとともに、このシェーピングブラダー1の外周側において生タイヤ基体10のビード部11,11をシェーピングフォーマー6におけるビード保持部12,12に固定保持させるようにセットする。このとき、シェーピングブラダー1の内部から流体圧を抜いて収縮させることにより、このシェーピングブラダー1の径を生タイヤ基体10の径よりも小さくしている。
その後、前記シェーピングブラダー1の内部に、例えば100kPa以下、好ましくは、40〜80kPaの低流体圧を充填してシェーピングフォーマー6における可動ホイール8,8の軸方向への相対近接移動に伴い前記生タイヤ基体10のビード部11,11を軸方向に接近移動させながら、シェーピングブラダー1のブラダー胴部2を径外方へ膨張させる。これにより、図4に示すように、前記生タイヤ基体10をトロイダル状に変形させる。
その後、シェーピングブラダー1を径外方への膨張により所定のタイヤプロファイルに必要な形状に規制保持したままで、図5に示すように、トロイダル状に変形された生タイヤ基体10の外周面にタイヤ用の補強コード13を巻き付ける。このとき、トロイダル状に変形された生タイヤ基体10の外周面への巻き付けであるので、タイヤプロファイルがきつい(曲率半径が非常に小さい)場合でも、補強コード13及び生タイヤ基体10のゴム同士の粘着性によって容易かつ自由に巻き付けることが可能である。かつ、タイヤ形状やサイズに関係なく、タイヤプロファイルの設計自由度を広げることができる。
また、補強コード13として、ジョイントのある補強コードを使用する場合であってもそのジョイント部分の重なりをシェーピングブラダー1自体の変形により吸収することができる。よって、補強コードとしてジョイントのあるものを使用したとしても、製品タイヤの径方向外側に凸が残存することがなく、製品タイヤのユニフォミティ及び外観品質の低下を無くすることができる。
最後に、前記巻き付け補強コード13の外周面上に、図6に示すように、トレッドゴムを含むトレッド構成部材14を、ステッチャー15を用いて貼り付ける。
このようにトレッド構成部材14をステッチダウンして貼り付けるので、従来の製造方法では避けることができないトレッド構成部材のエッジ部が生タイヤ基体10の外周面に咬み込まれることに起因するベア(凹状の傷)の発生や、エアー溜まりの発生なども無くすることができ、製品タイヤのユニフォミティ及び外観品質の著しい向上を達成することができる。
1a ゴムシート
5 螺旋巻き補強コード
6 シェーピングフォーマー
9 クランプ
10 生タイヤ基体
11 ビード部
13 タイヤ補強コード
14 トレッド構成部材
T 製品タイヤ
Claims (5)
- カーカスプライ、ビード、インナーライナ、サイドウォールを含めて予め円筒状に成型された生タイヤ基体の内周側に配置され、内部への流体圧の充填に伴いシェーピングフォーマーのクランプに保持された生タイヤ基体の両ビード部を軸方向に接近移動させながら、径外方へ膨張させることにより、前記生タイヤ基体をトロイダル状に変形させるタイヤ製造用シェーピングブラダーであって、
ゴムシートの内部に周方向に略平行に螺旋巻きされた補強コードが埋設され、流体圧の充填により径外方へ膨張させたとき、所定のタイヤプロファイルに必要な形状を規制保持可能としていることを特徴とするタイヤ製造用シェーピングブラダー。 - 前記補強コードは、少なくとも製品タイヤのトレッド部における補強コードの幅以上の範囲に亘って埋設されている請求項1に記載のタイヤ製造用シェーピングブラダー。
- 前記補強コードが、有機繊維もしくは金属またはそれらの複合材料から構成されている請求項1または請求項2に記載のタイヤ製造用シェーピングブラダー。
- ゴムシートの内部に周方向に略平行に螺旋巻きされた補強コードが少なくとも製品タイヤのトレッド部における補強コードの幅以上の範囲に亘って埋設されているシェーピングブラダーを、シェーピングフォーマーのクランプに取り付けるとともに、該シェーピングブラダーの外周側に、カーカスプライ、ビード、インナーライナ、サイドウォールを含めて予め円筒状に成型された生タイヤ基体を、そのビード部が前記シェーピングフォーマーのクランプに固定される状態にセットし、
その後、前記シェーピングブラダーの内部に流体圧を充填して前記生タイヤ基体の両ビード部を軸方向に接近移動させながら、シェーピングブラダーを径外方へ膨張させることにより、前記生タイヤ基体をトロイダル状に変形させ、
その後、前記シェーピングブラダーを径外方への膨張により所定のタイヤプロファイルに必要な形状に規制保持したままで、トロイダル状に変形した生タイヤ基体の外周面に補強コードを巻き付け、
最後に、前記巻き付け補強コードの外周面上にトレッド構成部材を貼り付けることを特徴とするタイヤ製造方法。 - 前記タイヤは、自動二輪車用タイヤである請求項4に記載のタイヤ製造方法。
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