JP3609568B2 - 自動二輪車用の空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗心地を損なうことなく操縦安定性を向上でき、しかもタイヤユニフォミティに優れる自動二輪車用の空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤが一定の荷重を支えてたわむ際には、接地付近のサイドウォール部は、主としてタイヤ周方向に引張歪を受ける。ラジアルタイヤの場合、この引張歪は、ラジアル方向にのびるカーカスコードの間隔を押し広げる形で作用する。このようなタイヤ周方向の引張歪を低減するためには、サイドウォール部においてタイヤ周方向の剛性を高め、引張力に抵抗することが望ましいものである。
【0003】
従来、このような引張歪を抑制する方法として、ビード部に配されたビードエーペックスゴムを大型化することや、サイドウォール部にタイヤ半径方向線に対して斜めに傾斜するコードを配列したコードフィラーなどを設ける方法が提案されている。ところが、これらの方法では、タイヤ周方向の剛性は高めうるものの、同時にタイヤの縦剛性をも高める結果、乗心地を大巾に損なうという問題がある。
【0004】
そこで、特開平5−246210号公報、特開平4−278810号公報などは、タイヤの縦剛性を高めることなくタイヤ周方向の剛性を高める方法として、タイヤのサイドウォール部に、タイヤ周方向に対して0〜10°の小角度で平行に引き揃えた有機繊維コードからなる補強プライを設けることを提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平5−246210号公報、特開平4−278810号公報では、タイヤのサイドウォール部に配された前記補強プライは、コードを平行に引き揃えたすだれ織布にゴムをトッピングしたシート体をつなぎ合わせて環状に形成されるものであるため、サイドウォール部には、該シート体のつなぎ目が残り、タイヤユニフォミティを劣化させるという問題がある。
【0006】
特に、自動二輪車用タイヤにおいては、タイヤユニフォミティが悪化すると、振動が車体ないしドライバーに直接伝わるため、著しく走行安定性を損なうとともに、このようなプライのつなぎ目には、走行中の歪みが集中しやすく、耐久性を低下させる原因にもなる。
【0007】
また、特開平4−278810号公報では、前記補強プライは、タイヤ製造過程における成形工程でカーカスプライの外側に貼りつけされた後に、成型用ブラダーにより空気充填されトロイダル状に膨張変形するものである。
【0008】
ところが、前記補強プライのコードは実質的にタイヤ周方向に沿うものであるため、このような補強プライを配した後に円滑にトロイダル状に膨張変形させるのは困難であり、良品のタイヤをうることは容易ではない。
【0009】
なお、特開平4−278810号公報では、生タイヤがトロイダル状へ変形しやすいように、前記補強プライのつなぎ目にズレを見込んだ重ね代を設けることも提案してはいるが、タイヤ成形中にこのようなズレが生じることにより、さらにタイヤユニフォミティが悪化するという問題がある。
【0010】
本発明は、かかる問題点に鑑み案出されたもので、自動二輪車用の空気入りタイヤの乗り心地を損なうことなくタイヤ周方向の剛性を高めることによって操縦安定性を向上しかつタイヤユニフォミティをも高めうる空気入りタイヤの提供を目的としており、また、本発明は成形を容易としうる自動二輪車用の空気入りタイヤの提供も目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち、請求項1記載の発明は、
トレッド巾TWがタイヤ最大巾をなすとともに、トレッド端eがタイヤ断面高さの略半分高さに位置するとともに、
トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至る本体部にビードコアの回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返して係止された折返し部を一体に設けた折返しプライを含むカーカスと、前記カーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内方に、補強コードを配列した環状のトレッド補強層とを具えた自動二輪車用の空気入りタイヤであって、
前記トレッド補強層7は、1乃至少数本の前記補強コードをトッピングゴムに埋設した小巾のストリップをタイヤ周方向に対して実質的に0°の角度で螺旋巻きすることにより形成した継ぎ目のないジョイントレス構造としている。
【0012】
また、請求項1記載の発明は、前記本体部がタイヤ軸方向最外側に位置する折返しプライの該本体部の軸方向外側かつサイドウォール領域に、
少なくとも1本のコードをトッピングゴム中に埋設したストリップが、前記コードを実質的にタイヤ周方向に沿うよう渦巻き状に巻回されることにより形成したサイド補強層を配している。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、前記サイド補強層は、前記カーカスとビードコアとを含み成形ドラム上で成形組立した円筒成形体が、外形を前記環状のトレッド補強層の内径に合わせてトロイド状に膨張変形させた生タイヤ基体において、前記サイドウォール領域に相当する領域相当部に前記ストリップを渦巻き状に巻回することにより前記サイドウォール領域に配されることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1に示す如く、自動二輪車用の空気入りタイヤ(ときに単に空気入りタイヤという)は、トレッド巾TWがタイヤ最大巾をなすとともに、トレッド端eがタイヤ断面高さの略半分高さに位置し、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4に至る本体部6aにビードコア5の回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返して係止された折返し部6bを一体に設けた2枚の折返しプライ6A、6Bからなるカーカス6を具えている。
【0015】
前記折返しプライ6A、6Bは、ナイロン、レーヨン、芳香族ポリアミドなどの有機繊維からなるカーカスコードをタイヤ赤道Cに対して70〜90°の角度で傾けかつカーカスプライ7、7間で前記カーカスコードが互いに交差する向きに配するものが好ましく、本例ではナイロンコードをタイヤ赤道Cに対して90°の角度で傾けた2プライのラジアル構造をなす。
【0016】
なお、カーカス6は、前記折返しプライの他に、非折返しプライを含ませても良い。また、カーカスはラジアル構造のみならず、バイアス構造など種々の構造を採用しうる。
【0017】
また、前記カーカス6は、本体部6aと折返し部6bとの間に前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側に先細状でのびる硬質ゴムからなるビードエーペックス8が設けられている。
【0018】
また、空気入りタイヤは、前記カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内方に、補強コードを配列した環状のトレッド補強層7を具えたものが例示される。
【0019】
前記トレッド補強層7は、補強コードとして、ナイロン、レーヨン、芳香族ポリアミドなどの有機繊維、又はスチールコードを配列することができ、ラジアルタイヤの場合、前記各コードをタイヤ赤道Cに対して0〜40度の小角度で傾けて配することにより形成されるものが好ましい。
【0020】
前記トレッド補強層7は、コードのすだれ織布をトッピングゴムにより被覆した巾広のシート体をコードが交差する向きに重ね合わせたいわゆる交差ベルトを用いうるが、本発明においては、1乃至少数本のコードをトッピングゴムに埋設した小巾のストリップをタイヤ周方向に対して実質的に0°の角度で螺旋巻きすることにより形成した継ぎ目のないジョイントレス構造としている。
【0021】
そして、前記トレッド補強層7は、ストリップをタイヤ周方向に沿って螺旋巻きした1層かつジョイントレス構造を採用している。また、このトレッド補強層7は、本例の場合、予めトレッド曲面に近似した外面を有する巻付ドラム上に螺旋巻きされることにより、環状に形成されてタイヤ成形に使用される。これについては後述する。
【0022】
そして、本発明では、前記本体部6aがタイヤ軸方向最外側に位置する折返しプライ6Bの、該本体部6aの軸方向外側かつサイドウォール領域に、図3、図2に示すように、少なくとも1本のコード9をトッピングゴム中に埋設したストリップ10が、前記コード9を実質的にタイヤ周方向に沿うよう渦巻き状に巻回されることにより形成したサイド補強層11を配したことを特徴としている。
【0023】
このように本発明では、タイヤのサイドウォール領域に、タイヤ周方向にコードがのびるサイド補強層11を設けることによって、タイヤ縦剛性の増加を抑制しつつタイヤ周方向剛性を高めることができる結果、乗り心地を損なうことなく走行安定性を向上しうる。
【0024】
また、本発明のサイド補強層11は、ストリップ10を渦巻き状に巻回することにより形成されるため、プライを用いた従来構造の欠点であったサイド補強層11のつなぎ目がサイドウォール領域に存在せず、タイヤユニフォミティが格段に向上し、特に高速走行時のタイヤの振動などを効果的に抑制してさらに走行安定性を向上することができる。
【0025】
ここで、前記サイドウォール領域は、トレッド部2とビード部4との間の領域であるが、前記サイド補強層11のタイヤ半径方向長さhは、少なくともこのサイドウオール領域内で適宜定めることができ、さらにはこのサイドウォール領域を超えて、例えばトレッド補強層7の内側まで延在させることもでき、この場合にはタイヤ周方向剛性がさらに向上する。
【0026】
本実施形態では、リムベース径を通るタイヤ軸方向線であるビードベースラインBLからトレッド端eまでの半径方向距離であるトレッド端高さをTHとすると、サイド補強層11のタイヤ半径方向長さhは、好ましくは前記トレッド高さTHの0.2倍以上、より好ましくは0.3倍以上とするのが望ましい。これによって、タイヤサイドウォール部の周方向剛性が効果的に高められ、良好な操縦性と走行安定性とが得られる。
【0027】
また、サイド補強層11は、少なくとも折返しプライ7Bの本体部6aのタイヤ軸方向外側に配されるものであるが、本実施形態ではその折返し部6bのタイヤ軸方向外側に配することが望ましい、これによって、該折返し部6bのエッジルースなども防止しうる点で好ましいものとなる。
【0028】
次に、前記ストリップ10に使用するコード9には、ナイロン、ポリエステル、芳香族ポリアミドなどの有機繊維コードが特に好ましく採用でき、本実施形態では高弾性の芳香族ポリアミドコードを採用している。
【0029】
また、本例では、ストリップ10は、図3に示す如く、2本のコード9を平行に配列してトッピングした小巾かつ帯状のものを採用するとともに、タイヤ半径方向に隣り合うストリップ10の側縁が互いに接するように巻回したものを例示している。
【0030】
このように、複数本のコード9、9を長手方向に平行に配列したストリップ10を用いた場合には、その巻回作業を能率良く行える点で好ましい。従って、ストリップ10は、好ましくは2本以上のコード、より好ましくは3本以上のコードを平行に配列してトッピングすることが望ましい。
【0031】
しかしながら、ストリップ10は、サイドウォール領域に渦巻き状に巻回する関係上、あまり巾広になると、巻回作業が困難となり、かつ巻き付け端と巻き終わり端との段差が大きくなるため、好ましくは、前記コードが15本以下、より好ましくは10本以下で平行に配列するのが好ましい。
【0032】
また、前記ストリップ10は、その側縁を互いに接して巻回するものの他、側縁がタイヤ半径方向に重なる重なり部を形成したり、ストリップ10の側縁を離間させるもの、さらには、サイド補強層11が、タイヤ軸方向に2層となるように重ね巻きすることなど種々のものが採用できる。
【0033】
さらに、サイド補強層11は、剛性が特に要求されるビード部4側へと向かうにつれてコード9の配設密度が増すように、ストリップ10の巻回ピッチを徐々に変化させることも好ましく採用しうる。例えば、サイド補強層11のタイヤ半径方向最外側では、コード9の配設密度を25本/5cmとし、半径方向内側に向かうにつれて該密度を徐々に増していき、半径方向最内側ではコード9の配設密度を30本/5cmになるように巻回しうる。このように巻回する場合、ビード部側の周方向剛性をより高めうる結果、ビードエーペックス8を小型化ないし省略することが可能となる点で好ましい。
【0034】
なお、ストリップ10は、サイド補強層11を形成する際には、タイヤ半径方向内側から外側に向けて渦巻き状に巻回する方が成形性が良く作業能率を高めうる点で好ましい。
【0035】
このようなサイド補強層11の配設は、次のようにして行われる。
先ず、図4(A)に示す如く、成形ドラムDの上の折返しプライ6A,6Bに、ビードエーペックス8と一体化されたビードコア5をセットして前記プライを折り返して成形組立した円筒成形体S1とする。
【0036】
次に、図4(B)に示す如く、前記円筒成形体S1を、本例ではトレッドゴムTGと一体化された前記環状のトレッド補強層7の内径に合わせてトロイド状に膨張変形させた生タイヤ基体S2とし、この生タイヤ基体S2の前記サイドウォール領域に相当する領域相当部13に前記ストリップ10をタイヤ軸を中心として渦巻き状に巻回する。
【0037】
しかる後、サイドウオールゴムSG、トレツド補強層7、トレッドゴムTGなどをそれぞれ配してタイヤ生カバーとし、これを加硫成形することにより、本発明のサイド補強層11が前記サイドウォール領域に配される。
【0038】
このように、サイド補強層11は、円筒成形体S1に巻回するのではなく、先に円筒成形体S1をトロイダル状に膨張変形させた生タイヤ基体S2の領域相当部13にストリップ10を巻回しているため、従来のように、タイヤの膨張変形を妨げることもなく、きわめて容易かつ精度良くタイヤを成形しうる点で好ましいものとなる。
【0039】
なお、このような生タイヤ基体S2に巻回する場合において、折返しプライ6Bの折返し部6bのタイヤ軸方向内側にサイド補強層7を配するのは、作業性に劣る。したがって、かかる作業性の観点からもサイド補強層11は、前述の如く、カーカスの折返し部6bの軸方向外側に配するのが好ましい。
【0040】
また、本実施形態では、ストリップ10を巻回した後、サイドウォールゴムSGを貼り付けたものを例示したが、ストリップ10のトッピングゴムの量を増すことにより、サイドウォールゴムSGを貼りつける作業を省略することも可能となり、生産性を向上するのにも役立つ。
【0041】
なお、トレッド補強層7は、ストリップ10の巻回に先立ちカーカスに装着しても良い。また、トレッド補強層7にもストリップ10を用いる場合には、サイド補強層11のストリップ11と同時に巻回する事により作業性を向上できる。
【0042】
また、図5に示す如く、サイド補強層11を一方の領域相当部13のタイヤ半径方向内側iから外側に向けて渦巻き状に巻回し、そのまま連続してトレッド部を巻回して他方の領域相当部のタイヤ半径方向内側iまで1本のストリップで連続して巻回することにより、トレッド補強層7を形成することもでき、この場合には、トレッド補強層7、サイド補強層11のいずれにもプライのつなぎ目がなく、特にタイヤユニフォミティに優れた空気入りタイヤを製造することができる。
【0043】
また、前記サイド補強層11は、例えばバイアス構造の空気入りタイヤを成形する場合など前記円筒成形体S1が、外形を加硫金型の内径に合わせてトロイド状に膨張変形させることにより、図6に示す如く生タイヤ基体S2とすることを、単に例示している。この場合にも、生タイヤ基体S2の、前記サイドウォール領域に相当する領域相当部13に前記ストリップ10を渦巻き状に巻回するこができる。
【0044】
因みに、図7に示す如く、円筒成形体S1の状態で、前記領域相当部13にストリップ10を螺旋巻きしてタイヤの成形を試みたが、これをトロイダル状に膨張変形させることが自体が困難となって良品製作は実現しなかった。
【0045】
このように、本発明は自動二輪車用の空気入りタイヤとして、優れた作用効果を発揮できる。
る。
【0046】
【実施例】
・実施例A
タイヤサイズが140/80R17でありかつ図1に示す基本的構成を有する自動二輪車用タイヤについて表1などに示す仕様により試作し(実施例1〜3、比較例1、2)、旋回性能、高速安定性、乗り心地について性能を比較した。
【0047】
なお、実施例1〜3、比較例2は、円筒成形体S1を膨張変形させたタイヤ生基体S2の領域相当部にストリップを巻回(実施例1〜3)/プライを貼りつけ(比較例2)、その後でサイドウォールゴム、トレッド補強層、トレッドゴムを貼り付けて加硫成形した。
タイヤの詳細仕様などを以下に示す。
【0048】
【0049】
・テスト方法
テストタイヤをリム(3.50×17)にリム組みしかつ2.5kgf/cm2 の内圧を充填して750ccの自動二輪車の後輪に装着し、ドライバーによる官能による5点法で評価するとともに、比較例1を3(基準)とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。なお車両の前輪には、サイズ90/90−21(リム1.85×21、カーカス:対タイヤ赤道に対して35°で傾斜するナイロンコードの3プライ、トレッド補強層なし)のタイヤを共通して装着した。
テストの結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
・実施例B
タイヤサイズが120/90−17のバイアス構造をなす自動二輪車用タイヤについて表2などに示す仕様により試作し(実施例4、比較例3)、旋回性能、高速安定性、乗り心地について前記同様に比較した。なお、実施例4、比較例3の製造方法は前記と同じとした。
タイヤの詳細仕様などを以下に示す。
【0052】
テストの結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
テストの結果、実施例のタイヤは、いずれも乗り心地を維持しつつ旋回性能、高速安定性を向上していることが確認できた。また、サイド補強層のコード密度をビード部側に向かうにつれて増した実施例2、3においては、ビードエーペックスを小型化しても走行性能が維持可能であることも確認できた。
【0055】
【発明の効果】
叙上の如く請求項1記載の発明では、タイヤのサイドウォール領域に、タイヤ周方向にコードがのびるサイド補強層を設けることによって、タイヤ縦剛性の増加を抑制しつつタイヤ周方向剛性を大巾に高めることができる結果、乗り心地を損なうことなく走行安定性を向上しうる。
【0056】
また、サイド補強層は、ストリップを実質的にタイヤ周方向に沿うように渦巻き状に巻回することにより形成されるため、プライを用いた従来構造の欠点であったサイド補強層のつなぎ目がサイドウォール領域になく、タイヤユニフォミティが格段に向上し、特に高速走行時のタイヤの振動などを効果的に抑制してさらに走行安定性を向上することができる。
【0057】
さらに、請求項2記載の発明によれば、サイド補強層は、円筒成形体に巻回するのではなく、円筒成形体をトロイダル状に膨張変形させた生タイヤ基体のサイドウォール部の領域相当部にストリップを巻回して配する結果、従来のように、サイド補強層がタイヤの膨張変形を妨げることもなく、きわめて容易かつ精度良く空気入りタイヤを成形しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すタイヤ断面図である。
【図2】サイド補強層を説明するためのタイヤ側面概念図である。
【図3】ストリップの巻回を説明する斜視図である。
【図4】(A)、(B)はサイド補強層の成形手順を示す線図である。
【図5】ストリップの他の巻回方法を単に説明する断面図である。
【図6】トレッド補強層を有しない例のストリップの巻回を説明する断面図である。
【図7】円筒成形体にストリップを巻回した状態を示す線図である。
【符号の説明】
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6A、6B 折返しカーカス
6a 本体部
6b 折返し部
7 トレッド補強層
10 ストリップ
11 サイド補強層
13 領域相当部
D 成形ドラム
S1 円筒成形体
S2 生タイヤ基体
Claims (2)
- トレッド巾TWがタイヤ最大巾をなすとともに、トレッド端eがタイヤ断面高さの略半分高さに位置するとともに、
トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至る本体部にビードコアの回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返して係止された折返し部を一体に設けた折返しプライを含むカーカスと、前記カーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内方に、補強コードを配列した環状のトレッド補強層とを具えた自動二輪車用の空気入りタイヤであって、 前記トレッド補強層7は、1乃至少数本の前記補強コードをトッピングゴムに埋設した小巾のストリップをタイヤ周方向に対して実質的に0°の角度で螺旋巻きすることにより形成した継ぎ目のないジョイントレス構造とし、
前記本体部がタイヤ軸方向最外側に位置する折返しプライの該本体部の軸方向外側かつサイドウォール領域に、
少なくとも1本のコードをトッピングゴム中に埋設したストリップが、前記コードを実質的にタイヤ周方向に沿うよう渦巻き状に巻回されることにより形成したサイド補強層を配したことを特徴とする自動二輪車用の空気入りタイヤ。 - 前記サイド補強層は、前記カーカスとビードコアとを含み成形ドラム上で成形組立した円筒成形体が、外形を前記環状のトレッド補強層の内径に合わせてトロイド状に膨張変形させた生タイヤ基体において、前記サイドウォール領域に相当する領域相当部に前記ストリップを渦巻き状に巻回することにより前記サイドウォール領域に配されることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用の空気入りタイヤ。
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