JP2007054608A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】飛距離等の打撃性能を維持しつつ、耐久性を向上させたゴルフクラブヘッドを提供する。
【解決手段】金属層と繊維強化プラスチック層とがそれぞれ1層ずつ積層された2層積層構造のフェース部において、繊維強化プラスチック層に、フェース部の打撃部に対応する領域の外側領域に延在する延在部分設け、この延在部分を、フェース部支持体に接合する。また、フェース面の周辺部分のフェース面に垂直な方向の厚みを、フェース面の中央部に比べてより厚くする。
【選択図】図3

Description

本発明は、飛距離等の打撃性能を維持しつつ、耐久性を向上させたゴルフクラブヘッドに関するものである。
近年、ゴルフクラブヘッドにおいては、金属層と、繊維強化プラスチック(以下、FRPという)層とが積層された積層板またはFRP板をフェース部に用いたものが種々提案されている。このようなゴルフクラブヘッドによれば、金属薄板の板厚を薄くしても、金属薄板が高弾性ファイバにより補強されているので、塑性変形することがない。このため、ヘッドスピードが速いゴルファでも十分使用することができる。さらに、フェース部を構成する複合材料の金属薄板をかなり薄くして撓み易くした場合には、ヘッドスピードが遅いゴルファでも、打撃したゴルフボールの初速が速くなるとともに、パックスピン量が多くなり、また打出し角度も大きくなる。これにより、飛距離が増すといった効果がある。
このような金属層とFRP層とが積層されたフェース部をもつゴルフクラブヘッドが、例えば、下記特許文献1に記載されている。図12に、特許文献1記載のゴルフクラブヘッドの一例であるゴルフクラブヘッド100の概略断面図を示す。ゴルフクラブヘッド100は、金属層150とFRP層160とが積層された板状のフェース部120が、クラウン部126、ソール部124およびサイド部(図示しない)とを有するフェース部支持体130に接合されている。フェース部支持体130は、ゴルフボールを打撃する側の端縁部132に、階段状の断面をもつ当接部134を有している。フェース部120の周縁部がこの当接部134に接合されることで、フェース部120はフェース部支持体130と一体化している。
このようなゴルフクラブヘッド100では、フェース部支持体130の端縁部132は、充分な大きさ(フェース部120が接合されて保持できる充分な大きさ)の当接部134が設けられる程度の、比較的大きな厚みを有する必要がある。フェース部支持体130は、ゴルフボールを打撃した際に変形するが、この変形は打ち出したゴルフボールの飛距離や、ゴルフを打撃した際にゴルファが感じる打感などに影響する。そして、ゴルフボールを打撃した際の変形は、フェース部支持体130の厚みに多大に影響される。比較的大きな厚みの端縁部132を有するフェース部支持体130を備えて構成されるゴルフクラブヘッドでは、上記飛距離や打感などに関する必要な特性を得るために、端縁部132の厚みに併せて、フェース部支持体130全体の厚みを比較的大きくしたり、フェース部支持体130の材質を変更する必要があった。このように、フェース部支持体130に、フェース部120と接合される当接部134を設けた特許文献1記載のゴルフクラブヘッドでは、フェース部120の接着シロとして当接部134の面積を充分に広くしておく必要もあり、端縁部132全体の厚みを比較的大きくする必要があった。このため、ゴルフクラブヘッドの質量が大きく、設計の自由度も小さいといった問題があった。
このような問題点を解決する、低質量で、設計の自由度も大きいゴルフクラブヘッドの構造が下記特許文献2に開示されている。図13に、特許文献2記載のゴルフクラブヘッドの一例であるゴルフクラブヘッド200の概略断面図を示す。特許文献2記載のゴルフクラブヘッド200は、板状のフェース部220と、この板状のフェース部220と接合された、クラウン部226、ソール部224、およびサイド部(図示しない)を有するフェース部支持体230からなる。フェース部220は、金属層250とFRP層260とが積層されて構成されている。下記特許文献2記載のゴルフクラブヘッド200では、開口部202が形成された外殻構造を成すフェース部支持体230の、この開口部202に金属層250が配置されている。金属層250は、フェース部支持体230の開口部202の開口端面に直接接合されている。そして、FRP層260が、外殻構造を成すフェース部支持体230の内側から、金属層250およびフェース部支持体230のフェース面に対応する領域に貼り付けられている。FRP層260の周囲を囲む端面全体は、フェース部支持体230の内側表面と接合されている。すなわち、図13に示すように、FRP層260のクラウン部226の側の端面236は、クラウン部226の内壁面と接合されている。また、FRP層260のソール部224の側の端面234は、ソール部224の内壁面と接合されている。このように、特許文献2記載のゴルフクラブヘッド200では、フェース部支持体230の開口部202の開口端面に金属層250を直接接合している。そして、接合した金属層250にFRP層260を張り付けている。このため、フェース部支持体230に、上記特許文献1記載のゴルフクラブヘッドのように、当接部134を形成する必要がない。
このような特許文献2に開示されたゴルフクラブヘッドは、特許文献1に開示されたゴルフクラブヘッドに比べて低質量であり、設計の自由度も大きいため、特許文献1に開示されたゴルフクラブヘッドに比べてより高い飛距離や、より好ましい打感など、優れた打撃性能を実現可能としている。
特開平6−23071号公報 特開2003−330459号公報
しかし、特許文献2に開示されたゴルフクラブヘッド200を用いて、ゴルフボールを繰り返し打撃した場合、FRP層260の一部がフェース部支持体230から剥離して、ゴルフクラブヘッド200が壊れてしまう(ゴルフクラブヘッドの打撃性能が低下してしまう)ことがあった。図14(a)〜(c)は、このようなFRP層260の剥離の原因について説明する図であり、図13にAで示す範囲を拡大して示す図である。図14(a)は、通常状態(フェース部220の金属層250に何も衝突しておらず、金属層250が何ら変形していない状態)にあるゴルフクラブヘッド200を示す。この状態で、ヘッド部220の金属層250に、ゴルフボールが衝突すると、図14(b)に示すように金属層250は変形する。
上述したように、クラウン部226の内壁面と接合されているのは、FRP層260のクラウン部226の側の端面236である。FRP層260のこのような端面に、図14(b)に矢印で示すような引張応力が発生しても、FRP層260は、金属層250の変形に追従して充分に曲がることができない。このため、ゴルフクラブヘッド200によってゴルフボールを打撃する度に発生するこの引張応力によって、図14(c)に示すように、FRP層260の接合面236や接合面234が剥離してしまう。このように、特許文献2に開示されたゴルフクラブを用いてゴルフボールを繰り返し打撃した場合、FRP層260の一部が、フェース部支持体230から剥離することがあった。このように、FRP層260の端部が一旦剥離すると、比較的早いペースで、剥離部分から更なる剥離が進行して、ゴルフクラブヘッド200が壊れてしまっていた。このため、飛距離等の打撃性能を維持しつつ、より耐久性を向上させたゴルフクラブヘッドが望まれていた。
本発明の目的は、飛距離等の打撃性能を維持しつつ、より耐久性を向上させたゴルフクラブヘッドを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、クラウン部、ソール部、およびサイド部とを有する外殻構造のゴルフクラブヘッドであって、前記フェース部の前記フェース面は、前記外殻構造の一部をなす金属層の表面からなり、前記金属層の外殻構造内側表面の、少なくとも前記フェース部に対応する領域に貼り付けられた繊維強化プラスチック層を有し、前記繊維強化プラスチック層は、前記フェース部に対応する領域から、前記フェース部に対応する領域の外側領域に向けて延在した延在部分を備え、前記延在部分は、前記フェース部の周縁部分から前記ゴルフクラブヘッドの後方に向けて屈曲して、前記クラウン部、前記ソール部および前記サイド部の少なくともいすれか1つに対応する領域に接合されていることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。なお、本明細書では、ゴルフクラブの前方とは、ゴルフクラブにおけるゴルフボールの打撃方向のことをいい、ゴルフクラブの後方は、ゴルフクラブの前方と反対方向のことをいう。
なお、前記延在部分の前記フェース面と略垂直方向の長さTは、5.0mm以上であることが好ましい。また、前記Tは、5.0mm≦T≦20.0mmを満たすことがさらに好ましい。また、前記延在部分の、前記フェース面に略平行で、前記外殻構造のゴルフクラブヘッドの内壁面に沿った方向の長さWは、30.0mm以上であることが好ましい。
また、前記延在部分の前記フェース面に平行な方向の厚みは、前記ゴルフクラブヘッドの前方側から後方側に近づくに従って、徐々に小さくなっていることが好ましい。また、前記繊維強化プラスチック層は、複数の強化繊維が積層されて構成されており、前記延在部では、複数の強化繊維層のうち、前記ゴルフクラブヘッドの内面と当接する最内面層が、最も後方側まで延在していることが好ましい。
本発明は、また、ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、クラウン部、ソール部、およびサイド部とを有する外殻構造のゴルフクラブヘッドであって、前記フェース部の前記フェース面は、前記外殻構造の一部をなす金属層の表面からなり、前記金属層の前記外殻構造の内側表面の、少なくとも前記フェース部に対応する領域に貼り付けられた繊維強化プラスチック層を有し、前記フェース部の、前記フェース面と垂直方向の厚みは、前記フェース面の中央部に比べて、前記フェース面の周辺部分が厚くなっていることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
この際、前記フェース部における前記金属層の前記厚みは、前記フェース面全体で略同一であり、前記フェース部における前記繊維強化プラスチック層の前記厚みは、前記フェース面の前記中央部に比べて、前記周辺部分がより厚くなっていればよい。また、前記フェース部における前記繊維強化プラスチック層の前記厚みは、前記フェース面全体で略同一であり、前記フェース部における前記金属層の前記厚みは、前記フェース面の前記中央部に比べて、前記周辺部分がより厚くなっていてもよい。
本発明は、また、ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、ブレード部、ソール部、サイド部とで構成されたアイアンゴルフクラブヘッドであって、前記フェース部は、金属層と繊維強化プラスチック層からなる2層構造であって、前記金属層は、一方の表面が前記フェース面を成し、周縁部分が、前記ブレード部、前記ソール部、および前記サイド部によって支持されており、前記繊維強化プラスチック層は、前記金属層の前記フェース面と反対の側の表面に貼り付けられており、前記金属層を前記周縁部分で支持する前記ブレード部、前記ソール部、および前記サイド部の、少なくともいすれか1つに対応する領域まで延在した延在部分を備えることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
なお、前記ブレード部、ソール部、およびサイド部のうち少なくともいずれか1つは、前記ゴルフクラブヘッドの後方端から前記フェース部に至る斜面に、前記フェース面と略平行な段差面を有し、前記繊維強化プラスチック層の前記延在部分は、前記斜面のうち前記段差面よりも前記フェース面側の斜面部分全体を被覆して前記段差面まで延在して、この段差面と接合されていることが好ましい。
なお、前記ブレード部、ソール部、およびサイド部のうち少なくともいずれか1つは、前記ゴルフクラブヘッドの後方端から前記フェース部に至る斜面に、前記フェース面と略平行な段差面を有し、前記繊維強化プラスチック層の前記延在部分は、前記斜面のうち前記フェース面側の斜面部分および前記段差面全体を被覆して、前記ゴルフクラブヘッドの後方端側の斜面部分まで延在して、この後方端側の斜面部分と接合されていることが好ましい。
また、前記ゴルフクラブヘッドの後方端側の斜面部分において、前記延在部分の前記斜面と垂直な方向の厚みは、前記ゴルフクラブヘッドの前方側から後方側に近づくに従って、徐々に小さくなっていることが好ましい。
また、前記繊維強化プラスチック層は、複数の強化繊維が積層されて構成されており、前記延在部分は、複数の強化繊維層のうち、前記後方端側の斜面部分と当接する最内面層が、最も後方側まで延在していることが好ましい。
また、前記延在部分は、前記延在部分が被覆する前記段差面のエッジと略垂直な方向の長さT’が、3.0mm以上であることが好ましい。また、前記T’は、3.0mm≦T’≦15.0mmを満たすことが、さらに好ましい。また、前記延在部分は、前記段差面の前記エッジに略平行な方向の幅W’が20.0mm以上であることが好ましい。
本発明は、また、ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、ブレード部、ソール部、サイド部とで構成されたアイアンゴルフクラブヘッドであって、前記フェース部は、金属層と繊維強化プラスチック層からなる2層構造であって、前記金属層は、一方の表面が前記フェース面を成し、周縁部分が、前記ブレード部、前記ソール部、および前記サイド部によって支持されており、前記繊維強化プラスチック層は、前記金属層の前記フェース面と反対の側の表面に貼り付けられており、前記フェース部の、前記フェース面と垂直方向の厚みは、前記フェース面の中央部に比べて、前記フェース面の周辺部分が厚くなっていることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
なお、前記前記フェース部における前記金属層の前記厚みは、前記フェース面全体で略同一であり、前記フェース部における前記繊維強化プラスチック層の前記厚みは、前記フェース面の前記中央部に比べて、前記周辺部分がより厚くなっていればよい。また、前記フェース部における前記繊維強化プラスチック層の前記厚みは、前記フェース面全体で略同一であり、前記金属層の前記厚みは、前記フェース面の前記中央部に比べて、前記周辺部分がより厚くなっていてもよい。
本発明のゴルフクラブヘッドでは、飛距離等の打撃性能を維持しつつ、より耐久性を向上させることができる。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドを詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブヘッド20を備えて構成される、ゴルフクラブ10を示す分解斜視図である。図2は、図1に示すゴルフクラブヘッドの正面図である。また、図3は、図1のA−A線による断面図である。また、図4は、FRP層60の形状について説明する、ゴルフクラブヘッド20の概略斜視図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブヘッド20は、いわゆる中空ゴルフクラブヘッドであり、ゴルフクラブシャフト40と接合されてゴルフクラブ10を構成している。ゴルフクラブヘッド20は、フェース部22、ソール部24、クラウン部26、サイド部28およびホーゼル部30を有する。本実施形態のゴルフクラブヘッド20では、フェース部22、ソール部24、クラウン部26およびサイド部28は、それぞれ板状に成形されており、これらの部材が相互に接合されて外殻構造を構成している。
また、図1に示すように、ホーゼル部30は、ゴルフクラブシャフト40をゴルフクラブヘッド20に固定するものであり、クラウン部26に設けられている。このホーゼル部30には、ゴルフクラブシャフト40が挿入される開口部32が設けられている。ゴルフクラブシャフト40は、ゴルフクラブヘッド20にソケット42を介して固定される。このソケット42には、ゴルフクラブシャフト40を挿通可能な開口部44が設けられている。
フェース部22は、金属層50とFRP層60とからなる2層構造となっている。フェース部22は、ゴルフボールを打撃する側の表面が金属層50の表面となっており、ゴルフボールを打撃するフェース面23は、この金属層50の表面となっている。また、この金属層50には、ヒールからトウに向かう方向に伸びたスコアラインLが、例えば3本平行に形成されている。
金属層50は板状の部材であって、その周端面52全体が、ソール部24、クラウン部26、およびサイド部28と接合されている。すなわち、金属層50は、ソール部24、クラウン部26、およびサイド部28とで構成された支持体に、接合されている。この場合、フェース部の周縁部とは、ソール部24、クラウン部26、およびサイド部28と接合された周端面52の近傍のことをいう。
なお、図1に示す例では、金属層50の形状はフェース部と略一致しているが、本発明においては金属層の形状は、フェース部からクラウン部まで広がっていてもよいし、またフェース部からソール部まで拡がっていてもよい。すなわち、金属層の周端面が、クラウン部に対応する領域に位置していてもよいし、ソール部またはサイド部に対応する領域に位置していてもよい。本発明では、フェース部のフェース面が、中空ゴルフクラブヘッドの外殻構造の一部をなす金属層の表面からなっていればよく、金属層の形状や、金属層の周端面のゴルフクラブにおける位置については、特に限定されない。
金属層23の、フェース面23の反対の側の表面である裏面29全体には、FRP層60が、例えば接着剤(接着剤については後述する)によって貼り付けられている。FRP層60は、金属層50の裏面29全体と略同一形状のフェース積層部分62と、このフェース積層部分62から突出した略矩形形状の延在部64とを有している。なお、本発明においてFRP層は、強化繊維によりマトリクス樹脂を強化されたものである。また、強化繊維の配向については、特に限定されるものではく、一方向に整列して配置するか、またはクロス(織布)の状態で使用してもよい。更に、これらの強化繊維またはクロスが1または複数(層)重ねて設けられたものであっても、本発明においては、1層のFRP層とする。
ゴルフクラブヘッド20におけるゴルフボールの打撃方向(図3中の左側)を前方、ゴルフクラブヘッド20におけるゴルフボールの打撃方向と反対の方向(図3中の右側)を後方とすると、延在部64は、フェース部22の周縁部からゴルフクラブヘッド20の後方部に向かう方向に屈曲している。FRP層60の延在部64は、このように屈曲して、支持体であるクラウン部26、サイド部28、ソール部24それぞれの内壁面に接着されている。
本願発明の第1の実施形態は、FRP層60が延在部64を有しており、この延在部64が、フェース部22からゴルフクラブヘッド20の後方部に向かう方向に屈曲して、中空ゴルフクラブヘッドの内壁面と接合している。ここで、延在部64が屈曲して内壁面と接合しているとは、延在部64がゴルフクラブヘッドの内壁面に沿って貼り付けられていることをいう。より詳しくは、例えば、フェース積層部分62の一層に着目すると、FRP層60における強化繊維の配向方向が、フェース部22のフェース面23と平行であり、かつ、延在部64において、FRP層60における強化繊維の配向方向が、支持体であるクラウン部26、サイド部28、ソール部24それぞれの内壁面とも略平行となっていることという。特に、延在部64において、FRP層60における強化繊維の配向方向が、支持体であるクラウン部26、サイド部28、ソール部24それぞれの内壁面とも略平行となっていることで、ヘッド部20の金属層50に、ゴルフボールが衝突して金属層50が変形した場合(図14参照)において、FRP層60は、金属層50の変形に追従して充分に曲がることができる。このため、FRP層60と支持体との接合面に、極端に大きな引張応力が発生することがない。また、このような延在部64を設けることで、FRP層60と支持体との接合面積を大きくすることができる。本願発明の第1の実施形態では、これにより、金属層とFRP層の2層積層構造のフェース部を有するゴルフクラブヘッドにおけるFRP層の接合強度を向上させて、ゴルフクラブヘッドの高い耐久性を実現している。
第1の実施形態において、延在部64は、外殻構造を成した支持体の内壁面全体のうち、ソール部24、クラウン部26、サイド部28のうちいずれか1つの内壁と接着されていればよい。ゴルフクラブによってゴルフボールを打撃した際、最も変形しやすいのはクラウン部であるので、延在部64は、少なくともクラウン部26の内壁面と接着されていることが好ましい。
なお、充分なゴルフクラブヘッドの耐久性を得るためには、この延在部64の幅Wは30.0mm以上であることが好ましく、延在部64の長さTは、5.0mm以上であることが好ましい。ここで、延在部64の幅Wとは、延在部64をフェース面23に略平行な平面で切断した切断面の、ゴルフクラブ20の内壁面に沿った長さのことをいう。そして、延在部64の長さTとは、延在部64の突出方向、すなわち、ゴルフクラブヘッド20の前方から後方に向かう方向に沿った長さのことをいう。なお、第1の実施形態において、充分なゴルフクラブヘッドの耐久性を得るとともに、ゴルフクラブヘッドをなるべく低質量とするには、延在部64の長さTは、5.0≦T≦20.0mm、さらに好ましくは、10.0mm≦T≦15mmを満たすことが好ましい。なお、20.0mm≦Tを満たすゴルフクラブヘッドは、5.0≦T≦20.0mmを満たすゴルフクラブヘッドに比べて、質量が若干大きくなるのみであり、耐久性が劣ることはない。
なお、第1の実施形態においては、金属層50およびFRP層60のフェース積層部分62の厚み(フェース面23の法線方向の厚み)は、それぞれ、フェース面23全体に渡ってほぼ同一となっている。第1の実施形態において、ゴルフクラブヘッドの耐久性を充分なものとし、かつ、飛距離等の打撃性能を充分なものとするには、フェース部22の、フェース面23の法線方向の厚みは、3.0〜5.0mmであることが好ましい。この際、金属層50の厚みは、0.5〜1.2mmであることが好ましい。
図5(a)および(b)は、第1の実施形態のゴルフクラブヘッドであって、延在部64の断面形状が図3に示す例と異なる場合の例について説明する図である。図5(a)は、第1の実施形態の他の例のゴルフクラブヘッドについて、図1に示すA−A’線に対応する線で切断した際の断面図を示している。図5(b)は、図5(a)の矢印Xで示す付近の拡大図である。図5に示すように、第1の実施形態においては、延在部64のフェース面23に平行な方向の厚みは、ゴルフクラブヘッド20の前方側から後方側に近づくに従って、徐々に小さくなっていることが好ましい。また、FRP層60は、複数の強化繊維が積層されて構成されていることが好ましく、延在部64では、ゴルフクラブヘッド20の内面と当接する最内面層61(図5(b)参照)が、最も後方側まで延在していることが好ましい。
この例では、図5(b)に示すように、FRP層60は、複数の強化繊維層が積層されて構成されている。そして、FRP層60を構成する複数の強化繊維層のうち、ゴルフクラブヘッド62の内壁面に直接貼り付けられている最内面層61の面積が最も大きく、延在部64では、この最内面層61(図5(b)参照)が最も後方側まで延在している。この最内面層61から上層(すなわち、ゴルフクラブヘッドのより内側の層)になるにつれて、強化繊維層の面積は徐々に小さくなっている。すなわち、延在部64では、最内面層61から上層になるにつれて、強化繊維層の端部がより前方側に位置するようになっており、延在部64のフェース面23に平行な方向の厚みは、ゴルフクラブヘッド20の前方側から後方側に近づくに従って、徐々に小さくなっている。このように、延在部64のフェース面23に平行な方向の厚みが、ゴルフクラブヘッド20の前方側から後方側に近づくに従って、徐々に小さくなっていることで、ヘッド部20の金属層50にゴルフボールが衝突して金属層50が変形した際、延在部60の端部近辺で余分な応力が発生することを防止して、FRP層60が金属層50の変形に追従して、より容易に変形することを可能としている。
なお、本発明では、最内面層61から上層(すなわち、ゴルフクラブヘッドのより内側の層)になるにつれて、強化繊維層の面積は徐々に小さくなっていることに限定されない。例えば、強化繊維の面積が、最内面層61から上層になるにつれて徐々に小さくなった後、さらに上層になるにつれて徐々に大きくなっていってもよい。この場合、ゴルフクラブヘッド62の内壁面に直接貼り付けられている最内面層61の面積が最も大きく、延在部64では、この最内面層61(図5(b)参照)が最も後方側まで延在していればよい。延在部64において、最内面層61が最も後方側まで延在して、この最内面層61がゴルフクラブヘッド20の内壁面と接着されていることで、金属層50とFRP層60との接着強度を充分に強くしている。本発明におけるFRP層(繊維強化プラスチック層)の構成については、後に詳述する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブヘッドについて説明する概略断面図である。図6(a)および(b)に示すゴルフクラブヘッドは、図1〜図4に示すゴルフクラブヘッド20と同様、フェース部が金属層とFRP層の2層構造である中空ゴルフクラブヘッドである。以下、ゴルフクラブヘッド20と同様の構成については、上記ゴルフクラブヘッド20と同じ番号を用いて示し、詳細な説明については省略する。
第2の実施形態は、フェース部22の厚み(フェース面23の法線方向の厚み)が、フェース面の中央部近辺とフェース端部近辺とで異なり、フェース面の中央部近辺に比べて、フェース端部近辺の厚みが大きいことを特徴とする。
ここで、フェース面の中央部近辺の厚みとは、フェース部22のフェース面23上の重心位置の厚みを指す。フェース部22のフェース面23上の重心位置とは、特開2003−246023号公報に開示された方法により測定されたものである。
以下、フェース部22のフェース面23上の重心位置の測定方法について、簡略に述べる。フェース部22のフェース面23上における重心位置の測定方法は、上部に中心測定対象物(ゴルフクラブヘッド)を支持する支持部を備えた中心測定器によって求められる。中心測定器は、この支持部が測定対象物を平衡に支持する測定対象物の位置を知ることができるものである。すなわち、中心の測定方法は、ゴルフクラブヘッドを、支持部に載せ、手を離しても落ちない平衡な位置を探しだすものである。なお、支持部は平面または3点以上で支持する形態であることが好ましい。また、支持部の面積は、15mm以下であることが好ましい。また、支持部の面積の下限はゴルフクラブヘッドが支えられる限り特に限定されるものではない。支持部の面積は、平面であれば平面部分の面積、3点以上で支持する形態であれば各点を結んだ図形の面積によって示される。このように、支持部の面積を上記範囲に設定することによって、より正確に中心を求めることができる。本発明においては、このようにして測定して特定された位置をゴルフクラブヘッドの重心位置という。
また、フェース端部近辺の厚みとは、フェース部22の周端面52近辺(図6(a)(b)Eで示す部分)の厚みのことである。また、フェース端部近辺の厚みは、例えば、フェース部23の重心位置から、フェース部23と平行に所定距離(例えば、10mm)以上離れた任意の位置における、フェース部22の厚みであってもよい。上記従来技術との比較において説明したように、ゴルフクラブヘッド20によってゴルフボールを打撃することで、フェース部22の周端面52近辺は変形する。フェース部22のFRP層60の剥離は、この変形に伴って生じる。本実施形態では、フェース部22において、フェース面の中央部近辺に比べて、フェース端部近辺の厚みを大きくすることで、周端面52近辺の変形量を抑えて、FRP層60の剥離を抑止している。この際、図6(a)に示すように、金属層50について、フェース面の中央部近辺に比べて、フェース端部近辺の厚みを大きくしてもよい。また、図6(b)に示すように、FRP層60について、フェース面の中央部近辺に比べて、フェース端部近辺の厚みを大きくしてもよい。また、金属層50およびFRP層60の双方とも、フェース面の中央部近辺に比べて、フェース端部近辺の厚みを大きくしてもよい。
例えば、図6(a)に示す例では、FRP層60の厚みは、フェース部22全体に渡って略同一(例えば3.2mm)とし、金属層50の厚みを、フェース面23の中央部近辺では例えば0.8mmとし、フェース端部近辺では、例えば1.0mmとすればよい。また、図6(b)に示す例では、金属層50の厚みは、フェース部22全体に渡って略同一(例えば0.8mm)とし、FRP層60の厚みを、フェース面23の中央部近辺では例えば3.2mmとし、フェース端部近辺では、例えば3.6mmとすればよい。なお、後述するように、FRP層60は、複数の強化繊維またはクロスが積層されて構成されている。FRP層60の厚さの調節は、FRP層60を構成する各層の積層数を部分的に変更することで実施することができる。
第2の実施形態では、中空ゴルフクラブヘッドの耐久性を充分なものとし、かつ、飛距離等の打撃性能を充分なものとするには、フェース部22の、フェース面23の中央部近辺の法線方向の厚みは、3.0〜5.0mmであることが好ましい。この際、金属層50の厚みは、0.5〜1.2mmであることが好ましい。
次に、第3の実施形態について説明する。図7は、本発明の第3の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの正面図である。また、図8は、図7のB−B線による断面図である。
図7および図8に示すように、本発明の第3の実施形態に係るゴルフクラブヘッド80は、いわゆるアイアンゴルフクラブヘッドであり、ゴルフクラブシャフト90と接合されてゴルフクラブ70を構成している。ゴルフクラブヘッド80は、上記第1の実施形態と同様に、金属層50とFRP層60とが積層された2層積層構造の、板状のフェース部22を有する。板状のフェース部22についての詳細な説明は省略する。ゴルフクラブヘッド80は、ソール部84、本体ブレード部86および本体サイド部88を有する枠体構造のゴルフクラブヘッド本体81に、板状のフェース部22が接合されて構成されている。
ゴルフクラブヘッド本体81は、ソール部84、本体ブレード部86および本体サイド部88を有し、これらソール部84、本体ブレード部86および本体サイド部88とで囲まれた開口部85を備える枠体構造である。ソール部84、本体ブレード部86および本体サイド部88それぞれの、開口部85の外周に対応する部分には、フェース部20の金属層50と当接する当接部89が設けられている。金属層50は、周端面52と、裏面29の周縁部分がこの当接部89と当接・接合されて、開口部85に配置されている。このように、金属層50は、ソール部84、本体ブレード部86、および本体サイド部28とで構成された支持体に接合されている。金属層23の、フェース面23の反対の側の表面である裏面29には、FRP層60が、例えば接着剤によって貼り付けられている。
なお、図8に示す例では、金属層50は、周端面52と、裏面29の周縁部分が、ゴルフクラブヘッド本体81と当接・接合されている。本発明のゴルフクラブヘッドでは、金属層の面積(フェース面、裏面に対応する面の面積)を充分に大きくし、金属層の裏面の周縁部分のみに、ブレード部、ソール部、およびサイド部を接合する構造としてもよい。本発明のゴルフクラブヘッドにおいて、金属層は、一方の表面がフェース面を成し、周縁部分が、ブレード部、ソール部、およびサイド部によって支持されていればよく、ゴルフクラブヘッドの構造は特に限定されない。
ここで、第1の実施形態の場合と同様、ゴルフクラブヘッド80におけるゴルフボールの打撃方向を前方(図8中の左側)、この打撃方向と反対の側を後方とすると、ゴルフクラブヘッド本体81の後方端部から金属層50に至る斜面92(ソール部84、本体ブレード部86、および本体サイド部88に対応する領域)には、段差面94がそれぞれ設けられている。FRP層60は、金属層50の裏面29の開口部85に対応する領域全体と接着され、さらに、斜面29のうちフェース面23側の斜面部分29a全体を被覆して段差面94にまで拡がった延在部97を有し、この延在部97が段差面94と接着されている。段差面94は、ゴルフクラブヘッド本体81の後方端部から金属層50に至る斜面92に設けられた、フェース面23と略平行な面である。この場合、フェース面23と略平行な面とは、フェース面23に対する角度が、例えば、±20°以内の面のことをいう。また、ゴルフクラブヘッド本体81において、段差面94は、金属層50が接合された際の金属層50の裏面29から、フェース面23の法線方向に、3.0〜10.0mm以内の領域に設けられている。
なお、ゴルフクラブヘッド80において、金属層の裏面29から、FRP層60の後方側の面までの距離は、図8に示すように、段差面94に対応する領域か否かに関わらず、略同一(例えば3.2mm)となっている。図9は、図8に示すゴルフクラブヘッド30の一部を拡大して示す概略図である。FRP層60は、複数の強化繊維が積層されて構成されている。FRP層60では、金属層50の裏面29から段差面94に至るまでの積層部分60aでは、各強化繊維層の形状は開口部85に応じた形状となっている。すなわち、FRP層60の後方側の面が、段差面94と面一になるまでは、各強化繊維層の形状は開口部85に応じた形状となっている。そして、FRP層60の後方側の面が、段差面94と面一になって以降は、FRP層60の各強化繊維層(段差面接合部分69b)は、段差面94全体にまで広がった形状となり、段差面94上にも積層されていく。このように、FRP層60の厚さは、FRP層60を構成する各強化繊維層の形状を変更して、部分的に積層数を変更することで調整されている。なお、図9に示す例では、FRP層60を、積層部分60aにおいて4層、段差面接合部分60bで2層、の計6層で示している。本発明のゴルフクラブヘッドでは、積層部分60aおよび段差面接合部分60bのいずれとも、FRP層の積層数は限定されない。
本願発明の第3の実施形態は、このように、ゴルフクラブヘッドヘッド本体81に段差面94が設けられており、かつ、FRP層60に、ゴルフクラブヘッド本体81の段差面94にまで延在した延在部97を設け、この延在部97が段差面94と接着されていることを特徴とする。このように、FRP層60に延在部97を設け、延在部97と段差面94とを接合することで、FRP層60とゴルフクラブヘッド本体81との接合面積を大きくすることができる。第3の実施形態では、これにより、金属層とFRP層の2層積層構造のフェース部を有するアイアンゴルフクラブヘッドにおける、FRP層の接合強度を向上させて、ゴルフクラブヘッドの耐久性を向上させている。
第3の実施形態において、充分なゴルフクラブヘッドの耐久性を得るためには、段差面94と接合されるFRP層60の幅W’は20mm以上であることが好ましく、段差面94と接合されるFRP層60の長さT’は、3mm以上であることが好ましい。ここで、FRP層64の幅W’とは、段差面94表面にまで広がったFRP層60を、段差面94のエッジ部分95(図9参照)を通りフェース面23に垂直な平面で切断した切断面の、エッジ部分95に沿った長さのことをいう(図7参照)。そして、FRP層60の長さT’とは、段差面94表面にまで広がったFRP層60の、エッジ部分95の法線方向に沿った長さのことをいう(図9参照)。なお、第3の実施形態において、充分なゴルフクラブヘッドの耐久性を得るとともに、ゴルフクラブヘッドをなるべく低質量とするには、FRP層60の長さT’は、3.0≦T’≦15.0mmを満たすことが好ましく、さらに好ましくは、5.0mm≦T’≦10.0mmを満たすことが好ましい。なお、15.0mm≦T’を満たすゴルフクラブヘッドは、5.0≦T’≦20.0mmを満たすゴルフクラブヘッドに比べて、質量が若干大きくなるのみであり、耐久性が劣ることはない。
図10は、本発明の第3の実施形態のゴルフクラブヘッドであって、図8および図9に示す例とは異なる例のゴルフクラブヘッドを示している。図10は、図9に対応する断面図である。図10に示すように、本発明のゴルフクラブヘッドでは、FRP層60の延在部97が、斜面92のうちのフェース面側の斜面部分92aおよび段差面94全体を被覆して、ゴルフクラブヘッドの後方端側の斜面部分92bまで延在して、この後方端側の斜面部分92bと接合されていてもよい。この場合、ゴルフクラブヘッドの後方端側の斜面部分92bにおいて、延在部97の斜面部分92bと垂直な方向の厚みは、ゴルフクラブヘッドの前方側から後方側に近づくに従って、徐々に小さくなっていることが好ましい。FRP層60が、複数の強化繊維層が積層されて構成されている場合、延在部分97は、ゴルフクラブヘッドの後方端側の斜面部分と当接する最内面層61が、最も後方側まで延在していることが好ましい。なお、最内面層61は、図10に示すように、フェース部の内面からフェース面側の斜面部分92aおよび段差面94全体、および斜面部分92bまでを被覆する一枚の強化繊維層であることが好ましい。このような構成とすることで、耐久性をより向上させることができる。
次に、第4の実施形態について説明する。図11(a)および(b)は、本発明の第3の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの一例についてそれぞれ説明する概略断面図である。図11(a)および(b)に示すゴルフクラブヘッドは、図7〜図10に示す第3の実施形態のゴルフクラブヘッド80と同様、フェース部が金属層とFRP層の2層構造の、アイアンゴルフクラブヘッドである。第4の実施形態では、第3の実施形態と同様、フェース部22の厚み(フェース面23の法線方向の厚み)が、フェース面の中央部近辺とフェース端部近辺とで異なり、フェース面の中央部近辺に比べて、フェース端部近辺の厚みが大きいことを特徴とする。
第4の実施形態のゴルフクラブヘッドは、図11(a)および(b)に示すように、上記第2の実施形態のゴルフクラブヘッド20の形状と比較して、その形状がアイアンタイプである点が異なり、それ以外の構成は、第2の実施形態のゴルフクラブヘッド20と同様の構成であるので、その詳細は説明する。なお、アイアンゴルフクラブヘッドの場合、中空ゴルフクラブヘッド(いわゆるウッドクラブヘッド)の場合と比べ、フェース面23の面積は小さい。第4の実施形態において、フェース端部近辺の厚みは、例えば、フェース部23の重心位置から、フェース部23と平行に5.0mm以上離れた任意の位置における、フェース部22の厚みで規定することができる。
第4の実施形態では、この中空ゴルフクラブヘッドの耐久性を充分なものとし、かつ、飛距離等の打撃性能を充分なものとするには、フェース部22の、フェース面23の法線方向の厚みは、3.0〜5.0mmであることが好ましい。この際、金属層50の厚みは、0.3〜1.2mmであることが好ましい。
また、上記第1の実施形態に示す中空ゴルフクラブヘッドにおいて、上記第2の実施形態で示したように、フェース部22の厚み(フェース面23の法線方向の厚み)を、フェース面の中央部近辺とフェース端部近辺とで異ならせ、フェース面の中央部近辺に比べて、フェース端部近辺の厚みを大きくしたゴルフクラブヘッドを、本発明の第5の実施形態のゴルフクラブヘッドとする。第5の実施形態に係るゴルフクラブヘッドは、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド、および第2の実施形態のゴルフクラブヘッドのいずれよりも、更に耐久性が高い。
また、上記第3の実施形態に示すアイアンゴルフクラブヘッドにおいて、上記第4の実施形態で示したように、フェース部22の厚み(フェース面23の法線方向の厚み)を、フェース面の中央部近辺とフェース端部近辺とで異ならせ、フェース面の中央部近辺に比べて、フェース端部近辺の厚みを大きくしたゴルフクラブヘッドを、本発明の第6の実施形態のゴルフクラブヘッドとする。第6の実施形態に係るゴルフクラブヘッドは、第3の実施形態のゴルフクラブヘッド、および第4の実施形態のゴルフクラブヘッドのいずれよりも、更に耐久性が高い。
本発明のゴルフクラブヘッドは、各実施形態ともに、フェース部22を構成する金属層50およびFRP層60の材質は、特に限定されるものではない。
金属層としては、例えば、ステンレス鋼、マルエージ鋼、鉄、アルミニウム、チタン、チタン合金、銅、黄銅、ニッケル、ニクロム、錫、鉛、マグネシウム、金、銀、白金、およびその他種々の金属及び合金などにより構成されるものが例示される。
上述のステンレス鋼としては、例えば、日新製鋼社製、NSSHT1770(商品名(組成:Fe−0.04C−1.5Si−0.3Mn−0.03P−0.004S−7.2Ni−14.7Cr−0.7Cu−0,4Ti−0.009N))が例示される。
また、上述のマルエージ鋼としては、例えば、日立金属社製、YAG250(商品名(組成:Fe−18Ni−8Co−5Mo−0.4Ti−0.1Al))、YAG300(商品名(組成:Fe−18Ni−9Co−5Mo−0.9Ti−0.1Al))、およびYAG350(商品名(組成:Fe−18Ni−12Co−4Mo−1.7Ti−0.1Al))が例示される。
さらに、上述のチタン合金としては、神戸製鋼所社製、TVC(商品名(組成:Ti−13V−11Cr−3Al))、およびJFEホールディング社製(旧 日本鋼管社製)、SP700(商品名(組成:Ti−4.5Al−3V−2Mo−2Fe))が例示される。
また、本実施形態のFRP層は、強化繊維によりマトリクス樹脂を強化されたものである。この強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ボロン繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、および窒化珪素繊維などの無機繊維、アラミド繊維、ポリアリレ−ト繊維、ポリエチレン繊維、およびポリエステル繊維などの有機繊維、またはチタン繊維、アモルファス繊維、およびステンレス鋼繊維などの金属繊維が例示される。また、強化繊維としては、先の例示したものの中から、複数種を選択し、それを強化繊維として用いてもよい。また、強化繊維の配向については、特に限定されるものではく、一方向に整列して配置するか、またはクロス(織布)の状態で使用してもよい。更に、これらの強化繊維またはクロスが1または複数(層)重ねて設けられたものであっても、本発明においては、1層のFRP層とする。
また、マトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、およびフェノール樹脂などの熱硬化性マトリクス樹脂が例示される。
なお、マトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂が好ましい。このマトリクス樹脂としては、例えば、グリシジルエーテル系エポキシ樹脂(ビスフェノールA、F、S系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂)、環式脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンまたはトリグリシジル−p−アミノフェノールなどのグリシジルアミン系エポキシ樹脂、および複素環式エポキシ樹脂が例示される。さらに、マトリクス樹脂としては、これらの他種々のエポキシ樹脂から選択される1種又は複数種を使用することもできる。本実施形態におけるマトリクス樹脂としては、特に、ビスフェノールA、F、Sグリシジルアミン系エポキシ樹脂が好適である。
また、硬化剤としては、アミン系硬化剤、例えば、ジシアンジアミド(DICY)、ジアミノジフェニルスルフォン(DDS)、ジアミノジフェニルメタン(DDM);酸無水物系、例えばヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(MHHPA)などが例示される。硬化剤としては、特に、アミン系硬化剤を好適に使用することができる。
なお、FRP層には、プリプレグを用いることもできる。このプリプレグとしては、例えば、東レ社製のP3251S−15(商品名) UDプリプレグ、または東レ社製のF6343B−05P(商品名) クロスプリプレグが例示される。
さらに、本発明のゴルフクラブヘッドにおけるフェース部22は、金属層とFRP層との境界に樹脂フィルムを設けるか、または接着剤を塗布してもよい。この場合、接着剤の接着層の厚さは、0.03〜1.0mmとすることが好ましい。
また、接着に用いる樹脂フィルムとしては、例えば、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、変性ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチルセルロース樹脂、および酢酸セルロース樹脂などの熱可塑性樹脂フィルムが例示される。
なお、この樹脂フィルムは、プリプレグのマトリクス樹脂との相溶性の高いものを使用することが好ましい。例えば、マトリクス樹脂にエポキシ系樹脂などを使用した場合には、樹脂フィルムとしては、ポリウレタン樹脂、変性ナイロン樹脂フィルムなどが好適である。この樹脂フィルムの厚さは、0.03〜1.0mmとすることが好ましい。
本発明のゴルフクラブヘッドにおいては、フェース部22のフェース面23の重心位置における厚みは、3.0〜5.0mmであることが好ましい。
本発明のゴルフクラブヘッドは、2008年に予定されているルール改正に合わせ、フェース面の反発係数を0.77〜0.83の範囲とすることが好ましい。本発明では、中空ゴルフクラブヘッドおよびアイアンゴルフクラブヘッドのいずれの場合においても、フェース部を支持する支持体の構造(形状や厚み)や接合方法などを、従来から大きく変更することなく、ゴルフクラブヘッドの耐久性を向上させている。このため、本発明のゴルフクラブヘッドは設計の自由度が高く、限られた反発係数の条件の下、高い耐久性を実現するとともに、打ち出したゴルフボールのスピン量やゴルフボールの打ち出し角を最適化する種々のゴルフクラブを、幅広く設計することができる。
本発明は、基本的に以上のようなものである。以上、本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明のゴルフクラブの実験例について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。本実験例においては、まず、下記表1に示す複数の中空ゴルフクラブヘッド(実験例1〜実験例12および比較例1、2)について、耐久性および飛距離を評価項目として、評価を行なった。表1には、各項目の評価結果を併せて示している。下記表1に示す耐久性および飛距離については、比較例1を基準(100)として、その相対的な数値で評価した。
実験例1〜実験例12および比較例1、2に示すゴルフクラブヘッドは、いずれも、中空ゴルフクラブヘッドであり、フェース部が金属層とFRP層との2層構造で、金属層50の表面がゴルフボールを打撃するフェース面となっている。実験例1〜実験例8に示すゴルフクラブヘッドは、本発明の第1の実施形態の、図3に示す例に対応している。また、実験例9に示すゴルフクラブヘッドは、本発明の第2の実施形態に対応している。また、実験例10〜実験例12に示すゴルフクラブヘッドは、本発明の第5の実施形態に対応している。
実験例1〜実験例12および比較例1、2に示すゴルフクラブヘッドは、フェース部の金属層がTi合金(JFE製 SP700;Ti−4.5AL−3V−2Fe−2Mo)からなる。また、実験例1〜実験例12および比較例1、2に示すゴルフクラブヘッドの、クラウン部、ソール部、サイド部は、いずれもKS120(商品名)で構成されており、ネック部は純チタンである。また、実験例1〜実験例12および比較例1、2に示すゴルフクラブヘッドのフェース部のFRP層(繊維強化プラスチック層)のうち、厚みが3.2mmのものは、東レ製 P2253F−17が、複数(計20層)積層されて構成されている。FRP層の積層構成は、{45/0/−45/90(60/−60)2}Sとなっている。なお、厚みが3.2mm以外のものは、上記構成を基準にプライ数(積層数)が増減されている。
なお、表1において、フェース中央部近辺の肉厚とは、上述した各ゴルフクラブヘッドのフェース面の重心位置における厚み(フェース面に垂直な方向の厚さ)である。また、フェース端部近辺肉厚とは、上記重心位置からクラウン部に向かって10mm離れた位置での厚みである。なお、実験例6および実験例7に示すゴルフクラブヘッド以外は、フェース中央部近辺の総肉厚(金属層の厚みと、FRP層の厚みの和)は、各ゴルフクラブとも全て等しい(4.0mm)。また、延在部幅Wが『全周』ということは、FRP層の延在部が、クラウン部、ソール部、サイド部全体に連続して拡がっていることをいう。
なお、本実験例においては、横浜ゴム株式会社製 TRX−DUO M40(商品名)用のゴルフクラブシャフトを各ゴルフクラブヘッドに取り付けてゴルフクラブを作製し、以下に示す試験を行った。このゴルフクラブの長さは、45インチである。
また、本実験例の各試験は、特に断りがないかぎり、ゴルフボールには、横浜ゴム社製TRX(商品名)ボールを用いた。
下記表1に示す耐久性は、エアーキャノン試験機を用いて、ゴルフボールを50m/秒の速度で実験例および比較例の各ゴルフクラブヘッドのフェース部の中心部に衝突させて、破壊するまでの打球数を測定した。この場合、比較例1の破壊するまでの打球数を100として、各実験例および各比較例の強度を数値で表した。
下記表1に示す飛距離については、各実験例および比較例のゴルフクラブについて、ヘッドスピードが34m/秒〜50m/秒の範囲のアマチュアゴルファとプロゴルファとの合計100人の各人に各10球ずつ打撃して得られた平均値である。
Figure 2007054608
上記表1に示すように、各実験例のゴルフクラブはいずれも、比較例1および比較例2に示すゴルフクラブよりも、耐久性が高い。
まず、第1の実施形態に対応する、実験例1〜実験例8に対応するゴルフクラブヘッドについての検討結果を詳述する。表1中の実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて、実験例2に示すゴルフクラブヘッドの方が、微小ではあるが耐久性が高くなっている。延在部の長さTが略同一な場合、延在部の幅Wが広い方が耐久性は向上している。
また、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて、実験例5に示すゴルフクラブヘッドの方が耐久性が高くなっている。延在部の幅Wが略同一な場合、延在部の長さTが長い方が耐久性は向上している。さらに、実験例2に示すゴルフクラブヘッドに比べて、実験例3に示すゴルフクラブヘッドの方が耐久性が高くなっている。すなわち、延在部の長さTが3.0mmの場合、延在部の幅Wが『全周』であっても、延在部の長さTが5.0mmで幅Wが20.0mmの場合に比べて耐久性は劣っている。ゴルフクラブヘッドの耐久性を充分高くするには、延在部の幅Tは、5.0mm以上あることが好ましいといえる。
また、実験例5に示すゴルフクラブヘッド、実験例6に示すゴルフクラブヘッド、および実験例7に示すゴルフクラブヘッドは、それぞれ、延在部の長さTが5.0mm、延在部の幅Wが30.0mmである。しかし、実験例5に示すゴルフクラブヘッドに比べて、実験例6に示すゴルフクラブヘッドは、耐久性が低下している。これは、実験例6に示すゴルフクラブヘッドの、フェース部の厚みが比較的薄い(2.6mm)ことに起因している。また、実験例5に示すゴルフクラブヘッドに比べて、実験例7に示すゴルフクラブヘッドは、飛距離が低下している。これは、実験例7に示すゴルフクラブヘッドの、FRP層の厚みが比較的厚い(5.2mm)ことに起因している。本発明のゴルフクラブヘッドでは、飛距離や耐久性などのバランスを良好にするためには、フェース部の厚みは、3.0〜5.0mmの範囲内であることが好ましいといえる。
実験例8に示すゴルフクラブヘッドは、延在部の長さTが10.0mmで幅Wが『全周』となっており、本発明の第1の実施形態に対応した実験例1〜実験例8に示すゴルフクラブヘッドの中で最も耐久性が高い。これは、実験例1〜実験例8に示すゴルフクラブヘッドの中で、延在部の面積が最も大きいためである。ゴルフクラブヘッドの耐久性を高くするには、延在部64の幅Wは、30.0mm≦Wを満たすことが好ましく、延在部が、クラウン部、ソール部、サイド部全体に連続して拡がっていること(すなわち延在部の幅Wが『全周』であること)がより好ましい。なお、ゴルフクラブヘッドのフェース近辺の低質量化や耐久性などのバランスを良好にするためには、延在部64の幅Wが、例えば、30.0≦W≦100.0mmを満たすことが好ましい。
なお、実験例1〜実験例8に示すゴルフクラブヘッドの中で、実験例4に示すゴルフクラブのみ、FRP層の延在部が、クラウン部だけに存在している。この場合も、比較例1に示すゴルフクラブに比べて耐久性は向上している。このように、FRP層の延在部を、クラウン部、ソール部、サイド部のうちいずれか1つ(特にクラウン部)に設けているだけで、比較例1に比べて耐久性は向上している。
次に、本発明の第2の実施形態に対応する、実験例9に示すゴルフクラブヘッドの検討結果について記載する。実験例9に示すゴルフクラブヘッドは、フェース中央部近辺の金属層の厚み(0.8mm)に比べて、フェース端部近辺の金属層の厚み(1.0mm)の方が、厚くなっている。このような実験例9に示すゴルフクラブヘッドは、金属層の厚みが一様(0.8mm)である、例えば比較例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて耐久性が高い。なお、比較例2に示すゴルフクラブヘッドは、フェース中央部近辺の金属層の厚み(0.8mm)に比べて、フェース端部近辺の金属層の厚み(0.6mm)の方が、薄くなっている。このような比較例2に示すゴルフクラブヘッドは、比較例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて耐久性が低くなっている。このように、フェース端部の金属層の厚みは、ゴルフクラブヘッドの耐久性に大きく影響している。フェース中央部近辺の金属層の厚みに比べて、フェース端部近辺の金属層の厚みを厚くすることで、耐久性を向上することができるといえる。
次に、本発明の第5の実施形態に対応する、実験例10〜実験例12に示すゴルフクラブヘッドの検討結果について記載する。実験例10〜実験例12に示すゴルフクラブヘッドは、それぞれ、フェース中央部近辺の金属層の厚み(0.8mm)に比べて、フェース端部近辺の金属層の厚み(1.0mm)の方が、厚くなっている。そして、実験例10に示すゴルフクラブヘッドは、長さTが5.0mm、幅Wが30.0mmであるFRP層の延在部を有している。また、実験例11および実験例12に示すゴルフクラブヘッドは、長さTが10.0mm、幅Wが『全周』であるFRP層の延在部を有している。実験例10に示すゴルフクラブヘッドは、この実験例10と同様の延在部を有し、かつ金属層の厚みが一様である実験例5に示すゴルフクラブヘッドよりも耐久性が高い。また、実験例11に示すゴルフクラブヘッドも、この実験例11と同様の延在部を有し、かつ金属層の厚みが一様である実験例8に示すゴルフクラブヘッドよりも耐久性が高い。このように、フェース部のFRP層に延在部を設けるとともに、フェース端部近辺におけるフェース部の厚みを大きくすることで、ゴルフクラブヘッドの耐久性をより高くすることができるといえる。
実験例11に示すゴルフクラブヘッドは、図3に示すように、延在部分64の、フェース面に平行な方向の厚みが、ゴルフクラブヘッドの前方側から後方側に渡って一様(4.0mm)である。これに対して、実験例12に示すゴルフクラブヘッドは、図5に示すように、延在部分64の、フェース面に平行な方向の厚みが、ゴルフクラブヘッドの前方側から後方側に近づくに従って徐々に小さくなっている。実験例12に示すゴルフクラブヘッドも、実験例11に示すゴルフクラブヘッドと同様に、延在部の長さTが10.0mmとなっているが、延在部分のフェース面に平行な方向の厚みが、ゴルフクラブヘッドの前方側端部では4.0mm、ゴルフクラブヘッド前方側端部からT/2だけ後方側の位置(ゴルフクラブヘッド後方側端部からT/2だけ前方側の位置)では2.0mm、ゴルフクラブヘッドの後方側端部(ゴルフクラブヘッド前方側端部からTだけ後方側の位置)では0mmとなっている。実験例12に示すゴルフクラブヘッドは、実験例11に示すゴルフクラブヘッドに比べて、耐久性が向上している。延在部分のフェース面に平行な方向の厚みを、ゴルフクラブヘッドの前方側から後方側に近づくに従って徐々に小さくすることで、ゴルフクラブヘッドの耐久性は向上する。
本実験例においては、また、下記表2に示す複数のアイアンゴルフクラブヘッド(実験例1〜実験例12、および比較例1、2について、耐久性、飛距離を評価項目として、評価を行なった。表2には、各項目の評価結果を併せて示している。下記表2に示す各評価項目は、上記表1の場合と同様の測定条件によって得られた、上記表1と同様の数値である。
Figure 2007054608
表2中の実験例1〜実験例12および比較例1、2に示すゴルフクラブヘッドは、いずれも、アイアンゴルフクラブヘッドであり、フェース部が金属層とFRP層との2層構造で、金属層50の表面がゴルフボールを打撃するフェース面となっている。実験例1〜実験例8に示すゴルフクラブヘッドは、本発明の第3の実施形態の、図8および図9に示す例に対応している。また、実験例9に示すゴルフクラブヘッドは、本発明の第4の実施形態に対応している。また、実験例10〜実験例12に示すゴルフクラブヘッドは、本発明の第6の実施形態に対応している。このうち、実験例12に示すゴルフクラブヘッドは、FRP層の延在部の形状および接合状態が、図10に示す例に対応している。
なお、表2において、フェース中央部近辺の肉厚とは、上述した各ゴルフクラブヘッドのフェース面の重心位置における厚み(フェース面に垂直な方向の厚さ)である。また、フェース端部近辺肉厚とは、上記重心位置から上部ブレード部に向かって5mm離れた位置での厚みである。また、段差面FRP層の幅W’が『全周』とは、アイアンゴルフクラブヘッドの上記段差面に拡がったFRP層が、ソール部、本体ブレード部、本体サイド部に連続していることをいう。
上記表2に示すように、各実験例のゴルフクラブはいずれも、比較例1および比較例2に示すゴルフクラブよりも、耐久性が高い。
まず、本発明の第3の実施形態のゴルフクラブヘッドに対応する、実験例1〜実験例8に示すゴルフクラブヘッドについての検討結果を詳述する。表2中の実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて、実験例2に示すゴルフクラブヘッドの方が、微小ではあるが耐久性が高くなっている。段差面FRP層の長さT’が略同一な場合、段差面FRP層の幅W’が広い方が、耐久性は向上している。
また、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて、実験例5に示すゴルフクラブヘッドの方が耐久性が高くなっている。段差面FRP層の幅W’が略同一な場合、段差面FRP層の長さT’が長い方が耐久性は向上している。
さらに、実験例2に示すゴルフクラブヘッドに比べて、実験例3に示すゴルフクラブヘッドの方が耐久性が高くなっている。すなわち、段差面FRP層の長さT’が2.0mmの場合、段差面FRP層の幅W’が『全周』であっても、段差面FRP層の長さT’が5.0mmで幅W’が10.0mmの場合に比べて耐久性は劣っている。ゴルフクラブヘッドの耐久性を充分高くするには、段差面FRP層の長さT’は3.0mm以上であることが好ましく、5.0mm以上であることがより好ましいといえる。
また、実験例5に示すゴルフクラブヘッド、実験例6に示すゴルフクラブヘッド、および実験例7に示すゴルフクラブヘッドは、それぞれ、段差面FRP層の長さT’が5.0mm、段差面FRP層の幅W’が20.0mmである。しかし、実験例5に示すゴルフクラブヘッドに比べて、実験例6に示すゴルフクラブヘッドは、耐久性が低下している。これは、実験例6に示すゴルフクラブヘッドの、フェース部の総厚が比較的薄い(2.6mm)ことに起因する。また、実験例5に示すゴルフクラブヘッドに比べて、実験例7に示すゴルフクラブヘッドは、飛距離が低下している。これは、実験例7に示すゴルフクラブヘッドの、フェース部の総厚が比較的厚い(5.2mm)ことに起因する。本発明のゴルフクラブヘッドでは、反発性や耐久性などのバランスを良好にするためには、フェース部の厚みは、3.0〜5.0mmであることが好ましい。
実験例8に示すゴルフクラブヘッドは、段差面FRP層の長さT’が10.0mmで幅W’が『全周』となっており、本発明の第4の実施形態に対応する実験例1〜実験例8に示すゴルフクラブヘッドの中で最も耐久性が高い。これは、実験例1〜実験例8に示すゴルフクラブヘッドの中で、段差面に接合するFRP層の面積が最も大きいためである。ゴルフクラブヘッドの耐久性を高くするには、段差面FRP層の幅W’は、20.0mm≦W’を満たすことが好ましく、段差面FRP層が、ソール部、本体ブレード部、本体サイド部に連続していること(すなわち段差面FRP層の幅W’が『全周』であること)がより好ましい。なお、ゴルフクラブヘッドの低質量化や耐久性などのバランスを良好にするためには、段差面FRP層の幅W’が、例えば、20.0mm≦W’≦80.0mmを満たすことが好ましい。
なお、実験例1〜実験例8に示すゴルフクラブヘッドの中で、実験例4に示すゴルフクラブのみ、段差面FRP層が、本体ブレード部だけに存在している。この場合も、比較例1に示すゴルフクラブに比べて耐久性は向上している。このように、段差面FRP層は、本体ブレード部、ソール部、本体サイド部にそれぞれ設けなくてもよく、本体ブレード部、ソール部、サイド部のうちいずれか1つに設けていれば、高い耐久性が得られている。
次に、本発明の第4の実施形態に対応する、実験例9に示すゴルフクラブヘッドの検討結果について記載する。実験例9に示すゴルフクラブヘッドは、フェース中央部近辺の金属層の厚み(0.8mm)に比べて、フェース端部近辺の金属層の厚み(1.0mm)の方が、厚くなっている。このような実験例9に示すゴルフクラブヘッドは、金属層の厚みが一様(0.8mm)である、例えば比較例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて耐久性が高い。なお、比較例2に示すゴルフクラブヘッドは、フェース中央部近辺の金属層の厚み(0.8mm)に比べて、フェース端部近辺の金属層の厚み(0.6mm)の方が、薄くなっている。このような比較例2に示すゴルフクラブヘッドは、比較例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて耐久性が低くなっている。このように、フェース端部の金属層の厚みは、ゴルフクラブヘッドの耐久性に大きく影響している。フェース中央部近辺の金属層の厚みに比べて、フェース端部近辺の金属層の厚みを厚くすることで、耐久性を向上することができるといえる。
次に、本発明の第6の実施形態に対応する、表2中の実験例10〜実験例12に示すゴルフクラブヘッドの検討結果について記載する。実験例10〜実験例12に示すゴルフクラブヘッドは、それぞれ、フェース中央部近辺の金属層の厚み(0.8mm)に比べて、フェース端部近辺の金属層の厚み(1.0mm)の方が、厚くなっている。そして、実験例10に示すゴルフクラブヘッドは、長さT’が5.0mm、幅W’が20.0mmである段差面FRP層を有している。また、実験例11に示すゴルフクラブヘッドは、長さT’が10.0mm、幅W’が『全周』である段差面FRP層を有している。実験例10に示すゴルフクラブヘッドは、この実験例10と同様の段差面FRP層を有し、かつ金属層の厚みが一様である実験例5に示すゴルフクラブヘッドよりも耐久性が高い。また、実験例11に示すゴルフクラブヘッドも、この実験例11と同様の段差面FRP層を有し、かつ金属層の厚みが一様である実験例8に示すゴルフクラブヘッドよりも耐久性が高い。このように、段差面FRP層を設けるとともに、フェース端部近辺におけるフェース部の厚みを大きくすることで、ゴルフクラブヘッドの耐久性をより高くすることができるといえる。
なお、実験例11に示すゴルフクラブヘッドは、図9に示すように、FRP層の延在部分が、フェース面側の斜面部分全体を被覆して段差面まで延在して、この段差面と接合されている。これに対し、実験例12に示すゴルフクラブヘッドでは、図10に示すように、FRP層の延在部分が、フェース面側の斜面部分および段差面全体を被覆して、ゴルフクラブヘッドの後方端側の斜面部分まで延在して、この後方端側の斜面部分と接合されている。そしてゴルフクラブヘッドの後方端側の斜面部分において、延在部分の斜面と垂直な方向の厚みは、ゴルフクラブヘッドの前方側から後方側に近づくに従って、徐々に小さくなっており、また、延在部分は、ゴルフクラブヘッドの内面と当接する最内面層が、最も後方側まで延在している。実験例12に示すゴルフクラブヘッドは、実験例11に示すゴルフクラブヘッドに比べて、耐久性が向上している。FRP層の延在部分が、フェース面側の斜面部分および段差面全体を被覆して、ゴルフクラブヘッドの後方端側の斜面部分まで延在して、この後方端側の斜面部分と接合することで、ゴルフクラブヘッドの耐久性を、より向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを備えて構成される、ゴルフクラブを示す分解斜視図である。 図1に示すゴルフクラブヘッドの正面図である。 図1のA−A線による断面図である。 図1に示すゴルフクラブヘッドの概略斜視図である。 (a)および(b)は、第1の実施形態のゴルフクラブヘッドであって、延在部の断面形状が図3に示す例とは異なる例の概略断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを備えて構成される、ゴルフクラブの正面図である。 図7のB−B線による断面図である。 図8に示すゴルフクラブヘッドの一部を拡大して示す断面図である。 本発明の第3の実施形態のゴルフクラブヘッドであって、断面形状が図8および図9に示す例とは異なる例の概略断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、本発明の第4の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略断面図である。 従来のゴルフクラブヘッドの一例の概略断面図である。 従来のゴルフクラブヘッドの他の例の概略断面図である。 (a)〜(c)は、図13に示すゴルフクラブヘッドにおける、FRP層の剥離の原因について説明する概略断面図である。
符号の説明
10、70 ゴルフクラブ
20、80、100、200 ゴルフクラブヘッド
22、120、220 フェース部
23 フェース面
26、126、226 クラウン部
24、84、124、224 ソール部
28 サイド部
29 裏面
30 ホーゼル部
32 開口部
40、90 ゴルフクラブシャフト
42 ソケット
44 開口部
62 フェース積層部分
64 延在部
81 ゴルフクラブヘッド本体
85 開口部
86 本体ブレード部
88 本体サイド部
92 斜面
94 段差面
95 エッジ部分
130、230 フェース部支持体
132 端縁部
134 当接部
150、250 金属層
160、260 FRP層
202 開口部
234、236 端面

Claims (21)

  1. ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、クラウン部、ソール部、およびサイド部とを有する外殻構造のゴルフクラブヘッドであって、
    前記フェース部の前記フェース面は、前記外殻構造の一部をなす金属層の表面からなり、
    前記金属層の外殻構造内側表面の、少なくとも前記フェース部に対応する領域に貼り付けられた繊維強化プラスチック層を有し、
    前記繊維強化プラスチック層は、前記フェース部に対応する領域から、前記フェース部に対応する領域の外側領域に向けて延在した延在部分を備え、
    前記延在部分は、前記フェース部の周縁部分から前記ゴルフクラブヘッドの後方に向けて屈曲して、前記クラウン部、前記ソール部および前記サイド部の少なくともいすれか1つに対応する領域に接合されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記延在部分の前記フェース面と略垂直方向の長さTは、5.0mm以上であることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記Tは、5.0mm≦T≦20.0mmを満たすことを特徴とする請求項2記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記延在部分の、前記フェース面に略平行で、前記外殻構造のゴルフクラブヘッドの内壁面に沿った方向の長さWは、30.0mm以上であることを特徴とする請求項2または3記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記延在部分の前記フェース面に平行な方向の厚みは、前記ゴルフクラブヘッドの前方側から後方側に近づくに従って、徐々に小さくなっていることを特徴とする請求項1〜4記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記繊維強化プラスチック層は、複数の強化繊維が積層されて構成されており、
    前記延在部では、複数の強化繊維層のうち、前記ゴルフクラブヘッドの内面と当接する最内面層が、最も後方側まで延在していることを特徴とする請求項5記載のゴルフクラブヘッド。
  7. ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、クラウン部、ソール部、およびサイド部とを有する外殻構造のゴルフクラブヘッドであって、
    前記フェース部の前記フェース面は、前記外殻構造の一部をなす金属層の表面からなり、
    前記金属層の前記外殻構造の内側表面の、少なくとも前記フェース部に対応する領域に貼り付けられた繊維強化プラスチック層を有し、
    前記フェース部の、前記フェース面と垂直方向の厚みは、前記フェース面の中央部に比べて、前記フェース面の周辺部分が厚くなっていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  8. 前記フェース部における前記金属層の前記厚みは、前記フェース面全体で略同一であり、前記フェース部における前記繊維強化プラスチック層の前記厚みは、前記フェース面の前記中央部に比べて、前記周辺部分がより厚くなっていることを特徴とする請求項7記載のゴルフクラブヘッド。
  9. 前記フェース部における前記繊維強化プラスチック層の前記厚みは、前記フェース面全体で略同一であり、前記フェース部における前記金属層の前記厚みは、前記フェース面の前記中央部に比べて、前記周辺部分がより厚くなっていることを特徴とする請求項7記載のゴルフクラブヘッド。
  10. 前記フェース面の前記中央部は、前記フェース面における前記フェース部の重心位置であることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  11. ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、ブレード部、ソール部、サイド部とで構成されたアイアンゴルフクラブヘッドであって、
    前記フェース部は、金属層と繊維強化プラスチック層からなる2層構造であって、
    前記金属層は、一方の表面が前記フェース面を成し、周縁部分が、前記ブレード部、前記ソール部、および前記サイド部によって支持されており、
    前記繊維強化プラスチック層は、前記金属層の前記フェース面と反対の側の表面に貼り付けられており、前記金属層を前記周縁部分で支持する前記ブレード部、前記ソール部、および前記サイド部の、少なくともいずれか1つに対応する領域まで延在した延在部分を備えることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  12. 前記ブレード部、ソール部、およびサイド部のうち少なくともいずれか1つは、前記ゴルフクラブヘッドの後方端から前記フェース部に至る斜面に、前記フェース面と略平行な段差面を有し、
    前記繊維強化プラスチック層の前記延在部分は、前記斜面のうち前記段差面よりも前記フェース面側の斜面部分全体を被覆して前記段差面まで延在して、この段差面と接合されていることを特徴とする請求項11記載のゴルフクラブヘッド。
  13. 前記ブレード部、ソール部、およびサイド部のうち少なくともいずれか1つは、前記ゴルフクラブヘッドの後方端から前記フェース部に至る斜面に、前記フェース面と略平行な段差面を有し、
    前記繊維強化プラスチック層の前記延在部分は、前記斜面のうち前記フェース面側の斜面部分および前記段差面全体を被覆して、前記ゴルフクラブヘッドの後方端側の斜面部分まで延在して、この後方端側の斜面部分と接合されていることを特徴とする請求項11記載のゴルフクラブヘッド。
  14. 前記ゴルフクラブヘッドの後方端側の斜面部分において、前記延在部分の前記斜面と垂直な方向の厚みは、前記ゴルフクラブヘッドの前方側から後方側に近づくに従って、徐々に小さくなっていることを特徴とする請求項13記載のゴルフクラブヘッド。
  15. 前記繊維強化プラスチック層は、複数の強化繊維が積層されて構成されており、
    前記延在部分は、複数の強化繊維層のうち、前記後方端側の斜面部分と当接する最内面層が、最も後方側まで延在していることを特徴とする請求項14記載のゴルフクラブヘッド。
  16. 前記延在部分は、前記延在部分が被覆する前記段差面のエッジと略垂直な方向の長さT’が、3.0mm以上であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  17. 前記T’は、3.0mm≦T’≦15.0mmを満たすことを特徴とする請求項16記載のゴルフクラブヘッド。
  18. 前記延在部分は、前記段差面の前記エッジに略平行な方向の幅W’が20.0mm以上であることを特徴とする請求項16または17記載のゴルフクラブヘッド。
  19. ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部、ブレード部、ソール部、サイド部とで構成されたアイアンゴルフクラブヘッドであって、
    前記フェース部は、金属層と繊維強化プラスチック層からなる2層構造であって、
    前記金属層は、一方の表面が前記フェース面を成し、周縁部分が、前記ブレード部、前記ソール部、および前記サイド部によって支持されており、
    前記繊維強化プラスチック層は、前記金属層の前記フェース面と反対の側の表面に貼り付けられており、
    前記フェース部の、前記フェース面と垂直方向の厚みは、前記フェース面の中央部に比べて、前記フェース面の周辺部分が厚くなっていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  20. 前記フェース部における前記金属層の前記厚みは、前記フェース面全体で略同一であり、前記フェース部における前記繊維強化プラスチック層の前記厚みは、前記フェース面の前記中央部に比べて、前記周辺部分がより厚くなっていることを特徴とする請求項19記載のゴルフクラブヘッド。
  21. 前記フェース部における前記繊維強化プラスチック層の前記厚みは、前記フェース面全体で略同一であり、前記金属層の前記厚みは、前記フェース面の前記中央部に比べて、前記周辺部分がより厚くなっていることを特徴とする請求項19記載のゴルフクラブヘッド。
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