JP2005095246A - ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ - Google Patents

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Abstract

【課題】飛距離等の打撃性能および強度等を維持しつつ、フェース部の質量を軽量化し、更に打撃時における主に打撃音による打感も優れたゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブを提供する。
【解決手段】本発明のゴルフクラブヘッドは、ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部を有するものである。このゴルフクラブヘッドは、フェース部のうち、少なくともゴルフボールを打撃する前記フェース面の打撃部は、金属層と繊維強化プラスチック層とが積層された積層構造を有する積層構造体で構成され、フェース面の打撃部の前記ゴルフボールと直接接触する表面部は、金属層により構成されている。この繊維強化プラスチック層および金属層の少なくとも一方は、複数層設けられ、各金属層または繊維強化プラスチック層は、それぞれ引張強度が異なり、前記金属層が複数層設けられる場合、前記金属層のうち、引張強度が最も高いものが前記表面部に配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、飛距離等の打撃性能および強度等を維持しつつ、フェース部の質量を軽量化し、更に打撃時における主に打撃音による打感も改善したゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブに関するものである。
近年、ゴルフクラブヘッドにおいては、金属層と、繊維強化プラスチック(以下、FRPという)層とが積層された積層板またはFRP板をフェース部に用いたものが種々提案されている(特許文献1および特許文献2等参照)。
特許文献1のゴルフクラブヘッドは、フェースの少なくとも一部または全部に、金属箔層が積層された1層または複数層の複合層からなるフェース成形物が一体に設けられているものである。
このフェース成形物は、金属箔層の少なくとも一側に、樹脂フィルムを介して、樹脂板または繊維強化複合材料からなる樹脂層が一体に接合された複合層を1層または複数層、積層して構成されるものである。また、特許文献1のゴルフクラブヘッドにおいては、金属箔層として、厚さが5〜50μmの種々の金属製箔が使用される。
特許文献1のゴルフクラブヘッドは、このフェース成形物を設けることにより、耐摩耗性に優れ、衝撃強度等の機械的強度も優れており、更には、使用時の感触および美観的にも優れたゴルフクラブを得ることができる。
また、特許文献2には、フェース部に、金属薄板と高弾性ファイバとが積層された複合材料を用いた中空のゴルフクラブヘッドが開示されている。
このゴルフクラブヘッドによれば、金属薄板の板厚を薄くしても、金属薄板が高弾性ファイバにより補強されているので、塑性変形することがない。このため、ヘッドスピードが速いゴルファでも十分使用することができる。さらに、フェース部を構成する複合材料の金属薄板をかなり薄くして撓み易くした場合には、ヘッドスピードが遅いゴルファでも、打撃したゴルフボールの初速が速くなるとともに、パックスピン量が多くなり、また打出し角度も大きくなる。これにより、飛距離が増す。
この特許文献2に開示されたゴルフクラブヘッドにおいては、金属薄板として、厚さが0.1〜1.0mmのチタン合金板が用いられる。
特開平6−165842号公報 特開2003−102878号公報
しかしながら、上述の特許文献1および特許文献2に開示されたゴルフクラブヘッドは、いずれも飛距離および耐久性等の打撃性能ならびに打撃時に手に伝わる感触を改善するものであり、飛距離等の打撃性能を維持し、フェース部の質量を軽量化し、更にゴルフクラブヘッドの打撃時の打撃音を改善するものではない。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、飛距離等の打撃性能および強度等を維持しつつ、フェース部の質量を軽量化し、更に打撃時における主に打撃音による打感も優れたゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部を有するゴルフクラブヘッドであって、前記フェース部のうち、少なくとも前記ゴルフボールを打撃する前記フェース面の打撃部は、金属層と繊維強化プラスチック層とが積層された積層構造を有する積層構造体で構成され、前記フェース面の打撃部の前記ゴルフボールと直接接触する表面部は、金属層により構成されており、前記繊維強化プラスチック層および前記金属層の少なくとも一方は、複数層設けられ、各金属層または繊維強化プラスチック層は、それぞれ引張強度が異なり、前記金属層が複数層設けられる場合、前記金属層のうち、引張強度が最も高いものが前記表面部に配置されていることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供するものである。
本発明において、前記フェース部は、前記フェース面の厚さ方向における中心軸から打撃部に向かう第1の方向および前記中心軸から裏面に向かう第2の方向の少なくとも一方の方向に向かうに伴い段階的に引張強度が高い前記金属層および前記繊維強化プラスチック層の少なくとも一方が配置されていることが好ましい。
また、本発明において、前記表面部を構成する金属層は、その厚さが金属層の中で最も厚いことが好ましい。
さらに、本発明において、前記積層構造体における繊維強化プラスチック層は、前記表面部から裏面に向かうに伴い段階的に厚さが増加していることが好ましい。
また、さらに、本発明において、前記フェース部の裏面は、繊維強化プラスチック層により構成されていることが好ましい。
本発明において、前記金属層は、その厚さが0.05〜2.0mmであることが好ましい。
本発明において、前記フェース部を構成する積層構造体は、前記金属層および前記繊維強化プラスチック層が合計で少なくとも3層積層されていることが好ましい。
本発明において、前記フェース部の積層構造体は、前記フェース面の中心位置から半径15mmの領域に設けられており、その比重が1.8〜8.5であることが好ましい。
本発明において、前記フェース部の積層構造体は、前記フェース面の中心位置から半径15mmの領域に設けられており、その厚さが2.0〜5.0mmであることが好ましい。
本発明において、前記フェース部の積層構造体は、前記フェース面の中心位置から半径15mmの領域に設けられており、そのヤング率が40〜210GPaであることが好ましい。
また、本発明の第2の態様は、上記本発明のゴルフクラブヘッドを有することを特徴とするゴルフクラブを提供するものである。
本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブは、少なくともゴルフボールを打撃するフェース部のフェース面の打撃部を、金属層と繊維強化プラスチック層とが積層された積層構造を有する積層構造体で構成し、このフェース部のゴルフボールと直接接触する表面部を金属層とし、さらに、この表面部を引張強度が最も高いものとすることにより、飛距離等の打撃性能および耐久性等の強度を維持しつつ、フェース部の質量を軽量化することができる。さらに、本発明においては、フェース部を金属層と繊維強化プラスチック層とを積層した積層構造体とすることにより、主に打撃音による打感を改善することもできる。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブを詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブを示す分解斜視図である。図2は、図1に示すゴルフクラブヘッドの正面図である。
図1に示すように、ゴルフクラブ10は、ゴルフクラブヘッド20と、ゴルフクラブシャフト40とを有する。
ゴルフクラブヘッド20は、フェース部22、ソール部24、クラウン部26、側壁部28およびホーゼル部30を有する。本実施形態のゴルフクラブヘッド20では、フェース部22、ソール部24、クラウン部26および側壁部28は、それぞれ板状に成形されており、これらの部材が相互に接合されて外殻構造を構成している。
フェース部22は、その表面がゴルフボールを打撃するフェース面23となるものであり、このフェース面23のうち、少なくともゴルフボールと直接接触する打撃部の表面部には、金属層とFRP層との積層構造体が配置されている。この積層構造体は、金属層とFRP層とが、合計で少なくとも3層積層された積層構造を有するものである。本発明において、金属層およびFRP層の少なくとも一方が複数層設けられていればよい。
このフェース面23の打撃部の表面部は、後述するように、ゴルフボールと直接接触し、金属層により構成されている。また、この表面部の金属層には、ヒールからトウに向かう方向に伸びたスコアラインLが、例えば3本平行に形成されている。
この積層構造体については、以下に詳細に説明する。
図3は、図1のA−A線による断面図であり、図4は、図3に示すフェース部の部分拡大図である。なお、図3に示す符号52は、金属層とFRP層とが積層されたものをまとめて示す複合構造体であり、その表面に金属層50が形成されてフェース部20が構成されている。
更に詳細に説明すると、図4に示すように、フェース部22は、金属層50、62a、62bと、FRP層60a〜60cとの積層構造体からなる。本実施形態においては、金属層50、62a、62bが3層、FRP層60a〜60cが3層の合計6層である。ゴルフボールが打撃されるフェース面23(表面部)は、金属層50により構成されている。また、裏面25は、FRP層60cにより構成されている。
なお、図4に、符号Cで示す線は、フェース部22の厚さT方向における中立軸(中心軸)を示すものであり、フェース面23にゴルフボールが衝突してフェース部22が変形した場合にも、応力が0であるところである。すなわち、中立軸Cとは、フェース部22に曲げ応力が発生した場合にも、圧縮応力および引張応力が発生しない軸のことである。
また、中立軸Cからフェース面23に向かう方向を第1の方向Fとし、中立軸Cから裏面25に向かう方向を第2の方向Rとする。また、本発明においては、金属層とFRP層との積層数は、コストおよび製造工程の煩雑さの程度から14層をその上限とする。
図4に示すフェース部22において、各金属層50、62a、62bは、いずれも引張強度が異なるものである。本実施形態において、金属層50が最も引張強度が高く、次に引張強度が高いものは金属層62bであり、最も引張強度が低いものは金属層62aである。
また、各FRP層60a〜60cも、いずれも引張強度が異なるものである。本実施形態において、FRP層60cが最も引張強度が高く、次に引張強度が高いものはFRP層60bであり、引張強度が最も低いものはFRP層60cである。
本実施形態においては、引張強度が最大の金属層50がフェース面23に配置されている。さらに、中立軸Cから第1の方向Fおよび第2の方向Rに向かうに伴い、金属層62a、62bおよびFRP層60a、60b、60cともに引張強度が高いものが配置されている。
ここで、フェース部22にゴルフボールが衝突した際には、フェース面23に圧縮応力が生じ、その反対側の裏面25には引張応力が生じる。このため本実施形態のフェース部22の構成によれば、フェース面23に最も引張強度が高い金属層50を用い、裏面25に最も引張強度が高いFRP層60cを設けることにより、応力を受けない中立軸Cの近傍に設けられる層について、その強度を小さくできるので、フェース面23および裏面25のいずれの変形に対しても十分な強度を確保することができる。特に、FRP層は、引張応力が高いので、裏面に配置することは、特に好ましい。
このように、本実施形態においては、フェース部22の中立軸C近傍に配置される金属層またはFRP層よりも第1の方向Fおよび第2の方向Rに向かうに伴い、その引張強度を高い金属層またはFRP層を配置して、フェース部22において、中立軸Cを境界にして配置される金属層またはFRP層の引張強度を段階的に増加させることにより、強度が要求される部位に対して必要な強度が得られるため、フェース部22に要求される強度を維持しつつ、フェース部22の質量を軽量化することができる。
また、本実施形態においては、フェース面23を構成する金属層50の厚さTsが他の金属層62a、62bの厚さTmを含めて最も厚いことが好ましい。これにより、圧縮応力を受けるフェース面23の強度を更に高くすることができる。
また、フェース部22において、FRP層60a〜60cの厚さは、特に限定されるものではない。例えば、第1の方向Fおよび第2の方向Rの少なくとも一方の方向に段階的に厚さが増加していることが好ましい。特に、FRP層60a〜60cの厚さは、第2の方向R側に向かうに伴い増加していることが好ましい。これにより、中立軸Cを境界にして引張応力をうける裏面25側に十分な強度を確保することができる。
なお、本発明においては、各金属層50、62a、62bについて、それぞれ引張強度が異なるものとしたが、本発明は、これに限定されるものではなく、フェース面を構成する金属層が最大引張強度であれば、他の金属層については、配置される位置によらず、引張強度が同じであってもよい。
さらに、本発明においては、各FRP層60a、60b、60cについても、それぞれ引張強度が異なるものとしたが、本発明は、これに限定されるものではなく、各FRP層60a、60b、60cは、引張強度が同じであってもよい。
また、本発明においては、フェース部22の金属層50の厚さTsおよび金属層62a、62bの厚さTmは、飛距離などの打撃性能および強度などを十分に維持するためには、0.05〜2.0mmであることが好ましい。
また、本実施形態のフェース部22を構成する積層構造体の金属層およびFRP層の材質は、特に限定されるものではない。
金属層としては、例えば、ステンレス鋼、マルエージ鋼、鉄、アルミニウム、チタン、チタン合金、銅、黄銅、ニッケル、ニクロム、錫、鉛、マグネシウム、金、銀、白金、およびその他種々の金属及び合金などにより構成されるものが例示される。
上述のステンレス鋼としては、例えば、日新製鋼社製、NSSHT1770(商品名(組成:Fe−0.04C−1.5Si−0.3Mn−0.03P−0.004S−7.2Ni−14.7Cr−0.7Cu−0,4Ti−0.009N))が例示される。
また、上述のマルエージ鋼としては、例えば、日立金属社製、YAG250(商品名(組成:Fe−18Ni−8Co−5Mo−0.4Ti−0.1Al))、YAG300(商品名(組成:Fe−18Ni−9Co−5Mo−0.9Ti−0.1Al))、およびYAG350(商品名(組成:Fe−18Ni−12Co−4Mo−1.7Ti−0.1Al))が例示される。
さらに、上述のチタン合金としては、神戸製鋼所社製、TVC(商品名(組成:Ti−13V−11Cr−3Al))、およびJFEホールディング社製(旧 日本鋼管社製)、SP700(商品名(組成:Ti−4.5Al−3V−2Mo−2Fe))が例示される。
本実施形態の金属層は、引張強度が300MPa以上、かつ比重が1.8以上であることが好ましい。
また、本実施形態のFRP層は、強化繊維によりマトリクス樹脂を強化されたものである。この強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ボロン繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、および窒化珪素繊維などの無機繊維、アラミド繊維、ポリアリレ−ト繊維、ポリエチレン繊維、およびポリエステル繊維などの有機繊維、またはチタン繊維、アモルファス繊維、およびステンレス鋼繊維などの金属繊維が例示される。また、強化繊維としては、先の例示したものの中から、複数種を選択し、それを強化繊維として用いてもよい。また、強化繊維の配向については、特に限定されるものではく、一方向に整列して配置するか、またはクロス(織布)の状態で使用してもよい。更に、これらの強化繊維またはクロスが1または複数(層)重ねて設けられたものであっても、本発明においては、1層のFRP層とする。
また、FRP層の強化繊維としては、例えば、繊維単体の0度方向の引張強度が2500MPa以上、かつ比重が2.6以下であることが好ましい。
また、マトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、およびフェノール樹脂などの熱硬化性マトリクス樹脂が例示される。
なお、マトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂が好ましい。このマトリクス樹脂としては、例えば、グリシジルエーテル系エポキシ樹脂(ビスフェノールA、F、S系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂)、環式脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンまたはトリグリシジル−p−アミノフェノールなどのグリシジルアミン系エポキシ樹脂、および複素環式エポキシ樹脂が例示される。さらに、マトリクス樹脂としては、これらの他種々のエポキシ樹脂から選択される1種又は複数種を使用することもできる。本実施形態におけるマトリクス樹脂としては、特に、ビスフェノールA、F、Sグリシジルアミン系エポキシ樹脂が好適である。
また、硬化剤としては、アミン系硬化剤、例えば、ジシアンジアミド(DICY)、ジアミノジフェニルスルフォン(DDS)、ジアミノジフェニルメタン(DDM);酸無水物系、例えばヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(MHHPA)などが例示される。硬化剤としては、特に、アミン系硬化剤を好適に使用することができる。
なお、FRP層には、プリプレグを用いることもできる。このプリプレグとしては、例えば、東レ社製のP3251S−15(商品名) UDプリプレグ、または東レ社製のF6343B−05P(商品名) クロスプリプレグが例示される。
さらに、本実施形態のゴルフクラブヘッド10におけるフェース部22を構成する積層構造体は、金属層とFRP層との境界に樹脂フィルムを設けるか、または接着剤を塗布してもよい。この場合、接着剤の接着層の厚さは、0.02〜0.2mmとすることが好ましい。
また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、変性ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチルセルロース樹脂、および酢酸セルロース樹脂などの熱可塑性樹脂フィルムが例示される。
なお、この樹脂フィルムは、プリプレグのマトリクス樹脂との相溶性の高いものを使用することが好ましい。例えば、マトリクス樹脂にエポキシ系樹脂などを使用した場合には、樹脂フィルムとしては、ポリウレタン樹脂、変性ナイロン樹脂フィルムなどが好適である。この樹脂フィルムの厚さは、0.02〜0.2mmとすることが好ましい。
また、本発明のゴルフクラブヘッドにおいては、フェース部22のフェース面23の中心位置から半径15mmの領域に積層構造体が設けられている。この積層構造体の比重は、飛距離などの打撃性能および強度などを十分に維持するためには、1.8〜8.5であることが好ましい。更に好ましくは、この積層構造体の比重は、1.8〜5.0である。
さらに、本発明のゴルフクラブヘッドにおいては、フェース部22のフェース面23の中心位置から半径15mmの領域に積層構造体が設けられている。このフェース部22(積層構造体)の厚さT(図4参照)は飛距離などの打撃性能および強度などを十分に維持するためには、2.0〜5.0mmであることが好ましい。
さらに、本発明のゴルフクラブヘッドにおいては、フェース部22のフェース面23の中心位置から半径15mmの領域に積層構造体が設けられている。この積層構造体のヤング率は、飛距離などの打撃性能および強度などを十分に維持するためには、40〜210GPaであることが好ましい。
ここで、本実施形態において、フェース部22のフェース面23の中心とは、特開2001−246023号公報に開示された方法により測定されたものである。以下、フェース部22のフェース面23の中心を測定する方法について説明する。
このフェース部22のフェース面23の中心の測定方法は、上部に中心測定対象物(ゴルフクラブヘッド)を支持する支持部を備えた中心測定器によって求められる。中心測定器は、この支持部が測定対象物を平衡に支持する測定対象物の位置を知ることができるものである。すなわち、中心の測定方法は、ゴルフクラブヘッドを、支持部に載せ、手を放しても落ちない平衡な位置を探しだすものである。
なお、支持部は平面または3点以上で支持する形態であることが好ましい。また、支持部の面積は、15mm2以下であることが好ましい。また、支持部の面積の下限はゴルフクラブヘッドが支えられる限り特に限定されるものではない。支持部の面積は、平面であれば平面部分の面積、3点以上で支持する形態であれば各点を結んだ図形の面積によって示される。このように、支持部の面積を上記の範囲に設定することによって、より正確に中心を求めることができる。
本実施形態においては、このようにして測定して特定された中心の位置をゴルフクラブヘッドの中心位置という。
また、図1に示すように、ホーゼル部30は、ゴルフクラブシャフト40をゴルフクラブヘッド20に固定するものであり、クラウン部26に設けられる。このホーゼル部30には、ゴルフクラブシャフト40が挿入される開口部32が設けられている。ゴルフクラブシャフト40は、ゴルフクラブヘッド20にソケット42を介して固定される。このソケット42には、ゴルフクラブシャフト40を挿通可能な開口部44が設けられている。
本実施形態においては、上述の如く、フェース部22について、ゴルフボールを打撃する際の衝撃に対して十分な強度を得ることができるとともに、フェース部22の質量も軽量化することができる。このため、ゴルフクラブヘッドの設計自由度が増し、さらにバランスが優れたものを作製することができるので、飛距離を向上させることができる。加えて、フェース部22を金属層とFRP層との積層構造としているので、打撃音によりゴルファが感じる打感も改善することができる。このように、本実施形態のゴルフクラブヘッドは、打撃性能および強度等を維持しつつ、打撃時における打撃音による打感が優れたものを得ることができる。
また、本実施形態において、引張強度が異なるとは、金属層およびFRP層共に、引張強度を比較した場合、引張強度が高いものの値が、引張強度が小さいものの値よりも3%以上高いことをいう。
例えば、材料A(引張強度=900MPa)と材料B(引張強度=930MPa)とを比較した場合、材料Aの引張強度の3%は、900×0.03=27MPaである。材料Aの引張強度を3%増加させると、900+27=927MPaとなる。よって、材料B(引張強度=930MPa)が材料A(引張強度=900MPa)よりも引張強度が3%以上高いので、材料Aと材料Bとは引張強度が異なるものという。
また、本発明における引張強度とは、最大引張強度のことであり、サンプル数nが3〜10の平均値として与えられるものである。
さらに、本実施形態において、ヤング率が異なるとは、金属層およびFRP層共に、ヤング率を比較した場合、ヤング率が高いものの値が、ヤング率が小さいものの値よりも3%以上高いことをいう。
例えば、材料C(ヤング率=100GPa)と材料D(ヤング率=105GPa)とを比較した場合、材料Cのヤング率の3%は、100×0.03=3GPaである。材料Cのヤング率を3%増加させると、100+3=103GPaとなる。よって、材料D(ヤング率=105GPa)が材料C(ヤング率=100GPa)よりもヤング率が3%以上高いので、材料Cと材料Dとはヤング率が異なるものという。
なお、このヤング率は、サンプル数nが3〜10の平均値として与えられるものである。
さらに、本実施形態においては、フェース部は、積層数が少なくとも3層であり、その上限は14層と少ないので、積層構造体の欠陥を少なくすることができるため、層間剥離強度を向上させることができる。また、ゴルフボールと直接接触する部分は、金属層なので、フェース面の耐摩耗性も高い。このようなことから、本実施形態のゴルフクラブヘッドは、高強度なので耐久性が高く、低弾性なので高反発となり、さらに低比重なので、更に軽量化が可能となる。このため、設計自由度が高くなり、飛距離も向上させることができる。
また、本実施例のゴルフクラブヘッドを用いたゴルフクラブについても同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを示す断面図である。なお、本実施形態においては、図1乃至図4に示す第1の実施形態のゴルフクラブヘッドと同一構成物には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態のゴルフクラブヘッド20aにおいては、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20と比較して、クラウン部26aが、第1の実施形態のフェース部22に用いられている積層構造体で形成されている点が異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20と同様である。このような構成とすることにより、打撃音を調整することができる。さらには、クラウン部26aは、FRPだけで構成することもできる。
また、本実施形態のゴルフクラブヘッド20aにおいては、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20と共通する構成物の数値限定についても同様であるので、その詳細な説明は省略する。
本実施形態においてゴルフクラブヘッド20aは、クラウン部26aを積層構造体で構成したが、本発明は、これに限定されるものではない。クラウン部以外にもソール部または側壁部(サイド部)を積層構造体としてもよい。さらには、クラウン部およびソール部、またはクラウン部、ソール部および側壁部(サイド部)を積層構造体としてもよい。また、クラウン部およびソール部の少なくとも一方を積層構造体としたが、本発明は、これに限定されるものではなく、FRPだけで構成するようにしてもよい。なお、本実施形態の積層構造体は、第1の実施形態の積層構造体を用いることができることはいうまでない。
なお、図6は、本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの変形例を示す断面図である。図6に示すように、ゴルフクラブヘッド20bは、FRP層または、上述に示すようなフェース部を構成するFRP層と金属層との積層構造体とからなる補強部材90、92を設ける構成にしてもよい。補強部材90、92は、クラウン部26aの接合強度を向上させるために用いるものである。この補強部材90、92は、接合強度に応じて、クラウン部26aの内縁部の一部または全部に設けられる。各補強部材90、92は、同じ素材からなるものであってもよいし、別の素材からなるものでもよい。さらには、クラウン部26a、および各補強部材90、92は、FRPだけで構成することもできる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを示す断面図である。なお、本実施形態においては、図1乃至図4に示す第1の実施形態のゴルフクラブヘッドと同一構成物には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態のゴルフクラブヘッド20cは、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20と比較して、フェース部22を構成する積層構造体の裏面25が金属層54で構成されている点が異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態のゴルフクラブヘッドと同様であるので、その詳細な説明は省略する。
上述の如く、フェース部22の裏面25をFRP層で構成することは有効であるが金属層54を配置しても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態のゴルフクラブヘッド20cにおいては、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20と共通する構成物の数値限定についても同様であるので、その詳細な説明は省略する。
また、本実施形態においても、第2の実施形態と同様にフェース部22以外にも積層構造体を適用できることは言うまでもない。さらに、その積層構造体の構成についても、第2の実施形態と同様にすることができる。この場合、第2の実施形態のゴルフクラブヘッドと同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを示す断面図である。なお、本実施形態においては、図1乃至図4に示す第1の実施形態のゴルフクラブヘッドと同一構成物には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態のゴルフクラブヘッド21は、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20と比較して、その形状がアイアンタイプである点が異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20と同様の構成であるので、その詳細な説明は省略する。この場合においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態のゴルフクラブヘッド21においては、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20と共通する構成物の数値限定についても同様であるので、その詳細な説明は省略する。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図9は、本発明の第5の実施形態に係るゴルフクラブを示す平面図である。図10は、図9のB−B線による断面図である。なお、本実施形態においては、図1乃至図4に示す第1の実施形態のゴルフクラブヘッドと同一構成物には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施形態のゴルフクラブ12は、第1の実施形態のゴルフクラブ10(図1参照)に比して、ゴルフクラブヘッド21aが、フェース部22、ソール部24a、上部27およびホーゼル部30を有し、一般的にアイアンと呼ばれる種類のヘッドである点が異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態のゴルフクラブ10と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のゴルフクラブヘッド21aにおいても、フェース部22は、金属層とFRP層とが積層されてなる積層構造体を有するものであり、ソール部24および上部27は、金属材料からなるものである。これらのフェース部22、ソール部24および上部27が相互に接合されて非中空構造を構成する。
本実施形態においても、フェース部22のフェース面23には、ヒールからトウ方向に伸びたスコアラインLが、例えば、3本平行に形成されている。このスコアラインLは、金属層50だけに形成されるものである。
また、本実施形態のゴルフクラブヘッド21においては、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20と共通する構成物の数値限定についても同様であるので、その詳細な説明は省略する。本実施形態のゴルフクラブ12も第1の実施形態のゴルフクラブ10と同様の効果を奏する。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図11は、本発明の第6の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを示す断面図である。なお、本実施形態においては、図9および図10に示す第5の実施形態のゴルフクラブヘッドと同一構成物には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図11に示すように、本実施形態のゴルフクラブヘッド21bは、第5の実施形態のゴルフクラブヘッド21aと比較して、フェース部22を構成する積層構造体の裏面25が金属層54で構成されている点が異なり、それ以外の構成は、第5の実施形態のゴルフクラブヘッド21aと同様であるので、その詳細な説明は省略する。
上述の第1の実施形態で説明したように、フェース部22の裏面25をFRP層で構成することは有効である。しかし、金属層54を配置しても第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態のゴルフクラブヘッド21bにおいても、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20と共通する構成物の数値限定についても同様であるので、その詳細な説明は省略する。本実施形態のゴルフクラブヘッド21bも、第1の実施形態のゴルフクラブヘッドと同様の効果を奏することができる。
また、上述の実施形態のゴルフクラブヘッドを用いたゴルフクラブについても、上述のゴルフクラブヘッドの実施形態と同様の効果を得ることができることはいうまでもない。
本発明は、基本的に以上のようなものである。以上、本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明のゴルフクラブヘッドの実施例について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。
本実施例においては、下記表1および表2に示す構成を有する実施例1〜実施例12および比較例1〜比較例4について、フェース面摩耗、打感、強度、反発性、設計自由度および飛距離を評価項目として、評価を行った。各項目の評価結果を下記表3に示す。
また、本実施例においては、図12に示すフェース部22aの構成のものを用いた。図12に示すように、本実施例のゴルフクラブヘッドのフェース部22aは、最表面70、第2表面72、第1表面74、中心部76、第1裏面78、第2裏面80、および最裏面82の最大7層の積層構造を有するものを用いた。なお、符号Cは、中立軸を示すものである。上述の如く、中立軸Cとは、フェース部22に曲げ応力が発生した場合にも、圧縮応力および引張応力が発生しない軸のことである。
また、下記表1に示す「−」は、層を設けていないことを示す。さらに、下記表2に示すフェース厚さは、図13に示す符号tに相当する。
本実施例においては、下記表3に示す各評価項目は、比較例1を基準(100)として、その相対的な数値で評価した。ここで、図13は、比較例1のゴルフクラブヘッドの断面図である。
図13に示すように、比較例1のゴルフクラブヘッド100は、フェース部22、ソール部24、およびクラウン部26が一体的にTi合金により構成されるものであり、フェース部22の厚さtが2.8mmである。
なお、本実施例においては、横浜ゴム株式会社製 TRX−DUO M40(商品名)用のゴルフクラブシャフトを各ゴルフクラブヘッドに取り付けてゴルフクラブを作製し、以下に示す試験を行った。このゴルフクラブの長さは、45インチである。
また、本実施例の各試験は、特に断りがないかぎり、ゴルフボールには、横浜ゴム社製
TRX(商品名)ボールを用いた。
また、下記表1の「フェース部の材質」の「最表面」および「最裏面」の欄に示す「Ti合金」の組成は、Ti−15Mo−5Zr−3Alであり、その最大引張強度は1240MPaである。さらに、それ以外の下記表1に示す「Ti合金」の組成は、Ti−15V−3Cr−3Al−3Snであり、その最大引張強度は980MPaである。
また、下記表1の「フェース部の材質」に示す「マルエージ鋼」は、Niマルエージ鋼(商品名:YAG300)であり、その最大引張強度は2010MPaである。
さらに、下記表1の「フェース部の材質」に示す「Al合金」は、高強度アルミニウム合金(商品名:MESO10)であり、その最大引張強度は750MPaである。
なお、下記表1に示す比較例2における「Ti合金」の組成は、全てTi−15V−3Cr−3Al−3Snであり、その最大引張強度は980MPaである。
また、下記表1に示す「AFRP」は、アラミド繊維を強化繊維とした繊維強化プラスチックである。この「AFRP」は、繊維目付が160g/m2であり、レジンコンテントが38%であり、アラミド繊維の繊維方向(0°)方向における引張強度が1750MPaである。
さらに、下記表1に示す「CFRP」は、繊維のヤング率が24トンタイプで、繊維目付が160g/m2であり、レジンコンテントが38%であり、炭素繊維の繊維方向(0°)方向における引張強度が2550MPaである。
さらに、下記表1に示す「樹脂フィルム」には、ポリウレタン樹脂系の厚さが0.08mmのものを用いた。
下記表2の「クラウン部の材質」に示す「Ti合金」には、組成がTi−15V−3Cr−3Al−3Snであり、その最大引張強度が980MPaであるものを用いた。
また、下記表2の「クラウン部の材質」および「ソール部の材質」に示す「マルエージ鋼」には、Niマルエージ鋼(商品名:YAG300、最大引張強度が2010MPa)を用いた。
また、下記表2の「クラウン部の材質」および「ソール部の材質」に示す「Ti合金+FRP」および「Ti合金+(FRP+金属)」においては、「Ti合金」には、Ti−15Mo−5Zr−3Alの組成のものを用いた。「FRP」には、繊維のヤング率が24トンタイプで、繊維目付が160g/m2であり、レジンコンテントが38%であり、炭素繊維の繊維方向(0°)方向における引張強度が2550MPaであるものを用いた。
「金属」には、Ti−15V−3Cr−3Al−3Snであり、その最大引張強度が980MPaであるものを用いた。この金属の厚さは0.13mmとした。
また、下記表2の「ソール部の材質」に示す「Ti合金」には、KS100(商品名、最大引張強度が760MPa)を用いた。
また、下記表2に示す「フェース部比重」、および「フェース部ヤング率」は、フェース面の中心位置を中心とした半径15mmの領域におけるフェース部の値である。このフェース面の中心位置は、既に説明したように、上部にゴルフクラブヘッドを支持する支持部を備えた中心測定器によって求めた。
また、下記表3に示すフェース面摩耗については、実施例1〜12および比較例1〜4のゴルフクラブをエアーキャノン試験器を用いて評価した。このフェース面摩耗の評価は、予めフェース部のフェース面の粗さを測定しておき、ボールスピードが50m/秒の速度でゴルフボールをフェース部の中心部に10000発衝突させた後、フェース面の粗さを測定した。ゴルフボールの衝突によりフェース面の粗さが変化していないかを調べた。このとき、比較例1の変化を100として実施例1〜12および比較例2〜4までを評価した。
また、下記表3に示す打感については、ヘッドスピードが34m/秒〜50m/秒の範囲のアマチュアゴルファとプロゴルファとの合計100人の各人に試打させて評価した。評価方法としては、各人に、実施例および他の比較例の打感を「金属音しすぎる」(3〜5)、「ちょうど良い」(−2〜2)、および「金属音しなさすぎる」(−3〜−5)で点数を付けてもらい、その平均値を求めて、各実施例および各比較例の打感を−5〜5の数値で評価した。なお、数値としては、−2〜2が打感として良い範囲である。
下記表3に示す強度については、エアーキャノン試験機を用いて、ゴルフボールを50m/秒の速度で実施例および比較例の各ゴルフクラブヘッドのフェース部の中心部に衝突させて、破壊するまでの打球数を測定した。この場合、比較例1の破壊するまでの打球数を100として、各実施例および各比較例の強度を数値で表した。
下記表3に示す反発については、USGA(United States Golf Association:全米ゴルフ協会)で規定されている「Procedure for Measuring the Velocity Ratio of a Club Head for Conformance to Rule 4-1e,Appendix II Revision 2 February 8,1999」に基
づいて測定された実施例および比較例の反発係数を用いて評価した。この場合、比較例1の反発係数を100として、各実施例および各比較例の反発を数値で表した。
下記表3に示す設計自由度については、比較例1のフェース部の比重を100として、各実施例および各比較例のフェース部の比重を換算し、数値で示したものである。
下記表3に示す飛距離については、各実施例および比較例のゴルフクラブについて、ヘッドスピードが34m/秒〜50m/秒の範囲のアマチュアゴルファとプロゴルファとの合計100人の各人に各10球ずつ打撃して得られた平均値である。
Figure 2005095246
Figure 2005095246
Figure 2005095246
上記表3に示すように、実施例1〜実施例12は、いずれもフェース面摩耗、打感、強度、反発性、設計自由度および飛距離について良好な結果を得ることができた。
一方、比較例1は、フェース部がTi合金だけで構成されており、積層構造ではないので、金属音しすぎて打感が劣り、更に強度も劣った。また、比較例1は、積層構造ではないので、フェース部の質量も重く、設計自由度が低くなり、飛距離が劣るものとなった。
また、比較例2は、フェース部の中心部および最表面に引張強度が同じものを配置したため、強度が劣り、更にフェース部を軽量化できず、設計自由度が低くなり、飛距離が劣るものとなった。また、比較例2は、金属音しすぎて打感も劣るものであった。
さらに、比較例3は、フェース部の最表面の引張強度が、中心部のものよりも低いため、フェース部のフェース面摩耗および強度が劣っていた。また、比較例3は、金属音しすぎて打感が劣るものであった。
また、比較例4は、最表面が金属層ではなく、CFRPであるため、フェース部のフェース面摩耗および強度が劣っていた。また、比較例4は、金属音しなさすぎて打感が劣るものであった。
本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブを示す分解斜視図である。 図1に示すゴルフクラブヘッドの正面図である。 図1のA−A線による断面図である。 図3に示すフェース部の部分拡大図である。 本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを示す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係るゴルフクラブを示す平面図である。 図9のB−B線による断面図である。 本発明の第6の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを示す断面図である。 ゴルフクラブヘッドのフェース部の構成を示す断面図である。 比較例1のゴルフクラブヘッドの断面図である。
符号の説明
10、12 ゴルフクラブ
20、20a、20b、20c、21、100 ゴルフクラブヘッド
22 フェース部
23 フェース面
24 ソール部
25 裏面
26、26a クラウン部
27 上部
30 ホーゼル部
40 ゴルフクラブシャフト
42 ソケット
50、62a、62b 金属層
60a、60b、60c FRP層

Claims (11)

  1. ゴルフボールを打撃するフェース面を備えるフェース部を有するゴルフクラブヘッドであって、
    前記フェース部のうち、少なくとも前記ゴルフボールを打撃する前記フェース面の打撃部は、金属層と繊維強化プラスチック層とが積層された積層構造を有する積層構造体で構成され、前記フェース面の打撃部の前記ゴルフボールと直接接触する表面部は、金属層により構成されており、
    前記繊維強化プラスチック層および前記金属層の少なくとも一方は、複数層設けられ、各金属層または繊維強化プラスチック層は、それぞれ引張強度が異なり、
    前記金属層が複数層設けられる場合、前記金属層のうち、引張強度が最も高いものが前記表面部に配置されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記フェース部は、前記フェース面の厚さ方向における中心軸から打撃部に向かう第1の方向および前記中心軸から裏面に向かう第2の方向の少なくとも一方の方向に向かうに伴い段階的に引張強度が高い前記金属層および前記繊維強化プラスチック層の少なくとも一方が配置されている請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記表面部を構成する金属層は、その厚さが金属層の中で最も厚い請求項1または2に記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記積層構造体における繊維強化プラスチック層は、前記表面部から裏面に向かうに伴い段階的に厚さが増加している請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記フェース部の裏面は、繊維強化プラスチック層により構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記金属層は、その厚さが0.05〜2.0mmである請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 前記フェース部を構成する積層構造体は、前記金属層および前記繊維強化プラスチック層が合計で少なくとも3層積層されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  8. 前記フェース部の積層構造体は、前記フェース面の中心位置から半径15mmの領域に設けられており、その比重が1.8〜8.5である請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  9. 前記フェース部の積層構造体は、前記フェース面の中心位置から半径15mmの領域に設けられており、その厚さが2.0〜5.0mmである請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  10. 前記フェース部の積層構造体は、前記フェース面の中心位置から半径15mmの領域に設けられており、そのヤング率が40〜210GPaである請求項1〜9のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  11. 前記請求項1〜10のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドを有することを特徴とするゴルフクラブ。
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