JP2004329544A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
ゴルフクラブヘッド Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004329544A JP2004329544A JP2003129043A JP2003129043A JP2004329544A JP 2004329544 A JP2004329544 A JP 2004329544A JP 2003129043 A JP2003129043 A JP 2003129043A JP 2003129043 A JP2003129043 A JP 2003129043A JP 2004329544 A JP2004329544 A JP 2004329544A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- golf club
- club head
- face
- head
- face member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 230000005484 gravity Effects 0.000 claims abstract description 18
- 229920000049 Carbon (fiber) Polymers 0.000 claims abstract description 13
- 239000004917 carbon fiber Substances 0.000 claims abstract description 13
- 239000007769 metal material Substances 0.000 claims abstract description 12
- 229920002430 Fibre-reinforced plastic Polymers 0.000 claims description 21
- 239000011151 fibre-reinforced plastic Substances 0.000 claims description 21
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 claims description 11
- 239000000835 fiber Substances 0.000 claims description 2
- 239000004918 carbon fiber reinforced polymer Substances 0.000 abstract description 46
- VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N methane Chemical compound C VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N 0.000 abstract description 7
- 229910001240 Maraging steel Inorganic materials 0.000 abstract description 3
- 230000002708 enhancing effect Effects 0.000 abstract 1
- 239000004033 plastic Substances 0.000 abstract 1
- 229910000851 Alloy steel Inorganic materials 0.000 description 7
- 235000009508 confectionery Nutrition 0.000 description 7
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical compound [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 6
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 4
- 238000005266 casting Methods 0.000 description 4
- 239000000463 material Substances 0.000 description 4
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 4
- 238000003466 welding Methods 0.000 description 4
- 239000002023 wood Substances 0.000 description 4
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 3
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 3
- 239000010935 stainless steel Substances 0.000 description 3
- 229910001220 stainless steel Inorganic materials 0.000 description 3
- 229920003002 synthetic resin Polymers 0.000 description 3
- 239000000057 synthetic resin Substances 0.000 description 3
- 229910001069 Ti alloy Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000005219 brazing Methods 0.000 description 2
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 2
- 239000003822 epoxy resin Substances 0.000 description 2
- 238000005242 forging Methods 0.000 description 2
- 239000012535 impurity Substances 0.000 description 2
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000005304 joining Methods 0.000 description 2
- 229910052748 manganese Inorganic materials 0.000 description 2
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 2
- 238000000034 method Methods 0.000 description 2
- 229910052750 molybdenum Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 2
- 229910052759 nickel Inorganic materials 0.000 description 2
- 229920000647 polyepoxide Polymers 0.000 description 2
- 239000004593 Epoxy Substances 0.000 description 1
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910052804 chromium Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 239000004744 fabric Substances 0.000 description 1
- 238000010030 laminating Methods 0.000 description 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
- 229910000734 martensite Inorganic materials 0.000 description 1
- 150000002739 metals Chemical class 0.000 description 1
- 229920005594 polymer fiber Polymers 0.000 description 1
- 238000005488 sandblasting Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Golf Clubs (AREA)
Abstract
【課題】フェース部の肉厚が小さいながらも充分な耐衝撃強度を有し、このために重量を大きくすることなく体積を大きくすることが可能であり、しかも、FRPが脱落する懸念もないゴルフクラブヘッドを提供する。
【解決手段】ゴルフクラブヘッド10は、ヘッド本体12と、フェース部材14とを有する。このうち、フェース部材14は、SUS630や18Niマルエージング鋼等、比重が7以上である金属材からなり、かつその周縁部に突出壁部28を有する。そして、該フェース部材14には、ヘッド本体12の内壁面を臨む内面に、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)30が接着されている。なお、フェース部材14は、突出壁部28を介してヘッド本体12に接合されている。
【選択図】図2
【解決手段】ゴルフクラブヘッド10は、ヘッド本体12と、フェース部材14とを有する。このうち、フェース部材14は、SUS630や18Niマルエージング鋼等、比重が7以上である金属材からなり、かつその周縁部に突出壁部28を有する。そして、該フェース部材14には、ヘッド本体12の内壁面を臨む内面に、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)30が接着されている。なお、フェース部材14は、突出壁部28を介してヘッド本体12に接合されている。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフクラブヘッドに関し、一層詳細には、フェース部が軽量かつ耐衝撃強度に優れるゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
内部が中空状であるゴルフクラブヘッドの一例として、ウッド型ゴルフクラブヘッドが挙げられる。このようなウッド型ゴルフクラブヘッドは、例えば、SUS630(ステンレス鋼のJIS規格)や高抗張力鋼等、高強度を示し、かつ比重が7以上の金属材から形成されている。この場合、比重が7未満の金属材、例えば、チタン合金からなり、体積および肉厚が同一であるウッド型ゴルフクラブヘッドに比して、慣性モーメントを大きくすることができるという利点がある。
【0003】
しかしながら、比重が7以上である金属材を使用すると、肉厚が大きい場合、ウッド型ゴルフクラブヘッドの重量も大きくなってしまう。このため、スイートエリアを大きくするべくウッド型ゴルフクラブヘッドを大型化する際には、肉厚を小さくしなければ軽量化を図ることができなくなる。
【0004】
ところが、肉厚を過度に小さくすると、ゴルフボールを打球した際の耐衝撃強度が小さくなってしまう。このため、ゴルフクラブヘッドに破損が生じることが懸念される。
【0005】
このような事態が生じることを回避するために、比重が7以上である金属材を使用してゴルフクラブヘッドを形成する場合、その肉厚は、重量が過度に大きくならず、かつ耐衝撃強度が過度に小さくなることのない寸法に設定される。
【0006】
しかしながら、この場合、チタン合金からなるゴルフクラブヘッドに比して体積が小さなゴルフクラブヘッドしか得られない。このようなゴルフクラブヘッドを使用するプレイヤーは、該ゴルフクラブヘッドの体積が小さいために理想的な打球ができないことを懸念する傾向にあるので、正確にスイングすることが困難となる。
【0007】
また、ゴルフボールを打球するフェース部の耐衝撃強度を向上させるべく該フェース部の肉厚を大きくすると、ゴルフクラブヘッドとしては、打球する側の重量が大きくなる。換言すれば、重心がフェース部に近接するゴルフクラブヘッドとなる。この場合、いわゆる重心深度が小さくなった状態となるので、スイートエリアが小さくなるという不具合を招く。
【0008】
そして、この場合、スイートエリアを大きくするべくゴルフクラブヘッドの後方に重錘を設置すると、ゴルフクラブヘッドの重量が大きくなってしまう。
【0009】
このように、比重が7以上である金属材でゴルフクラブヘッドを形成した場合、該ゴルフクラブヘッドのスイートエリアを大きくすることが困難であるという不具合がある。
【0010】
ところで、特許文献1には、金属材からなるアイアンヘッドの裏面に平坦部を有する凹部を設け、前記平坦部に厚さ1.0〜5.0mmの硬化済繊維強化プラスチック(FRP)を添設することが提案されている。
【0011】
【特許文献1】
特公平4−65708号公報(第4欄第4行〜第15行)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1においては、前記凹部に嵌合されたリング状の固定部材によって硬化済FRPをアイアンクラブヘッドに固定するようにしているため、ゴルフボールの打球を繰り返すと、その衝撃によって固定部材および硬化済FRPが凹部から脱落してしまうことが懸念される。
【0013】
本発明は上記した技術に関連してなされたもので、フェース部の肉厚が小さいながらも充分な耐衝撃強度を有し、このために重量を大きくすることなく体積を大きくすることが可能であり、しかも、FRPが脱落する懸念もないゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、中空状のヘッド本体にゴルフボールを打球するためのフェース部が設けられたゴルフクラブヘッドにおいて、
前記フェース部は比重が7以上の金属材からなり、前記フェース部の前記ヘッド本体側の内面には、繊維強化プラスチックが接着により接合されていることを特徴とする。
【0015】
このような金属材を使用した場合、フェース部の肉厚を小さくすることができる。さらに、高強度および高弾性率を示す繊維強化プラスチック(FRP)によってフェース部が強靱に支持されるので、フェース部の肉厚が小さい場合であっても、打球時にフェース部が損傷することを回避することができる。
【0016】
しかも、フェース部の肉厚を小さくすることができるので、該フェース部、ひいてはゴルフクラブヘッドの重量を小さくすることができる。または、フェース部が軽量化された分、例えば、ヘッド本体のソール部の重量を大きくして重心を低い位置とすることができ、この場合、打球時にゴルフボールの打ち出しが高くなるので、大きな飛距離が得られる。
【0017】
さらに、フェース部の面積を大きくすることに伴ってゴルフクラブヘッドの体積を大きくすることによっても、スイートエリアを大きくすることができる。
【0018】
なお、FRPを構成する繊維の好適な例としては、炭素繊維を挙げることができる。すなわち、FRPとしては、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が好ましい。CFRPは、フェース部を支持する機能に特に優れるからである。
【0019】
なお、本発明においては、フェース部とヘッド本体とを別部材とすることもできる。
【0020】
この場合、フェース部の周縁部に、ヘッド本体側に突出する突出壁部を設けることが好ましい。この突出壁部をヘッド本体に接合するようにすれば、例えば、溶接により接合を行う場合であっても、フェース部に接着されたFRPが熱の影響を受けることを回避することができる。
【0021】
または、FRPをフェース部の周縁部を除く部位に接着により接合するようにしてもよい。すなわち、ヘッド本体に対するフェース部の溶接箇所を避けてFRPを接着することにより、ヘッド本体とフェース部とを溶接する際に該FRPが熱の影響を受けることを回避することができる。
【0022】
あるいは、フェース部とヘッド本体とを一体的に形成するようにしてもよい。この場合、ヘッド本体を、フェース部以外の部位で分割形成し、その分割部分からフェース部にFRPを接着すればよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るゴルフクラブヘッドにつき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
本発明の第1実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略分解斜視図を図1に示すとともに、その縦断面図を図2に示す。このゴルフクラブヘッド10は、中空状のヘッド本体12と、断面略コ字形状のフェース部材14とが互いに接合されてなる。
【0025】
ヘッド本体12は、ソール部16と、該ソール部16から延在して湾曲した側周部18と、天井部であるクラウン部20と、図示しないシャフトが嵌合されるホーゼル部22とが一体的に形成された部材である。なお、図1中の参照符号24、26は、それぞれ、トゥー部、ヒール部を示す。
【0026】
ヘッド本体12の形成材料の好適な例としては、SUS630や、18Niマルエージング鋼、高抗張力鋼が挙げられる。なお、高抗張力鋼としては、特開平7−136300号公報に開示された合金鋼、すなわち、0.02〜0.2重量%のC、0.05〜1.0重量%のSi、0.05〜1.0重量%のMn、3.0〜8.0重量%のNi、10.0〜25.0重量%のCr、3.0〜8.0重量%のMo、10.0〜20.0重量%のCoを含み、残部がFeおよび不可避的に混入する不純物であり、かつその金属組織の主体がマルテンサイトである合金鋼が例示される。
【0027】
この合金鋼は、一般的なステンレス鋼に比して抗張力が著しく大きい。このため、必要な強度を維持しながらヘッド本体12を薄肉化することができる。換言すれば、肉厚が小さいながらも破損が生じ難いヘッド本体12を構成することができる。
【0028】
肉厚が小さいヘッド本体12は、必然的に重量も小さい。このため、ヘッド本体12、ひいてはゴルフクラブヘッド10の重量を小さくすることもできる。
【0029】
または、側周部18やクラウン部20を軽量化した分、例えば、ソール部16の重量を大きくすることにより、ゴルフクラブヘッド10の重心の位置を低くするための重量配分を行うようにしてもよい。勿論、ヘッド本体12の形成材料に比してさらに高比重の重錘(図示せず)を側周部18やソール部16に設置して重量配分を行うようにしてもよい。
【0030】
ヘッド本体12は、例えば、鋳造加工によって作製することができる。
【0031】
フェース部材14は、その周縁部に形成された突出壁部28を有し、したがって、その断面は、上記したように略コ字形状である。
【0032】
このフェース部材14は、比重が7以上である金属材からなる。そして、該フェース部材14におけるヘッド本体12の内周壁に臨む面(内面)には、図3に示すように、突出壁部28を除いて、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)30が接着されている。
【0033】
フェース部材14の形成材料である金属材の好適な例としては、SUS630、18Niマルエージング鋼、前記合金鋼(高抗張力鋼)が挙げられる。このうち、合金鋼を使用した場合、フェース部材14の肉厚を1.0〜2.5mm程度と、一般的なフェース部材に比して小さく設定することができる。すなわち、ゴルフクラブヘッド10を一層軽量なものとすることができるので好適である。
【0034】
なお、フェース部材14は、肉厚が一定であるものに特に限定されることはなく、中央部が厚く周縁部が薄いものであってもよいし、中央部が薄く周縁部が厚いものであってもよい。
【0035】
フェース部材14は、鋳造加工、鍛造加工、プレス成形加工等の公知の成形法によって作製することができる。
【0036】
一方、CFRP30は、高強度および高弾性率を示す。このため、フェース部材14に接着されたCFRP30は、ゴルフボールを打球した際にフェース部材14とともに容易に変形し、かつ変形したフェース部材14を強靱に支持する。すなわち、フェース部材14にCFRP30を接着することにより、フェース部材14の肉厚が小さい場合であっても、打球時に該フェース部材14が損傷することを回避することができる。
【0037】
CFRP30中の炭素繊維は、引張強度が高いものであることが好ましい。この場合、炭素繊維が少量であってもフェース部材14が強靱に支持される。したがって、フェース部材14にCFRP30を接着することに伴ってゴルフクラブヘッド10の重量が大きくなることを確実に回避することができる。
【0038】
CFRP30は、例えば、炭素繊維の一方向性プリプレグまたは織物プリプレグを複数層に積層した後、硬化されてなる。このように予め作製されたCFRP30をフェース部材14に接着する場合、フェース部材14の内面またはCFRP30の接合面の少なくともいずれか一方を粗面加工することが好ましい。これにより、例えば、フェース部材14とCFRP30とを接着剤で接合する場合、接着強度を大きくすることができる。なお、粗面加工は、サンドブラストを使用する等、公知の手法によって遂行すればよい。
【0039】
炭素繊維の一方向性プリプレグを使用する場合、炭素繊維の長手方向が、ソール部16からクラウン部20に沿う方向(図1における矢印A方向)と、トゥー部24からヒール部26に沿う方向(図1における矢印B方向)との2方向となるようにしてもよい。さらに、矢印Aおよび矢印Bに対して45°、135°の角度で交差する矢印C方向および矢印D方向にも長手方向が延在するように炭素繊維を配置してもよい。延在方向を増加させるほどCFRP30の異方性を低下させることができるが、ゴルフクラブヘッド10の重量増加を回避するため、延在方向は最大でも8方向とすることが好ましい。
【0040】
または、CFRP30をフェース部材14の内面上で作製するようにしてもよい。すなわち、炭素繊維にエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸させ、次に、この炭素繊維をフェース部材14の内面上で積層する。その後、合成樹脂を硬化させれば、該合成樹脂を介してフェース部材14の内面に接着されたCFRP30が得られるに至る。換言すれば、この場合、CFRP30の作製と、該CFRP30のフェース部材14への接着とを同時に遂行することができる。
【0041】
ゴルフクラブヘッド10は、このようなCFRP30が接着されたフェース部材14とヘッド本体12とが互いに接合されてなる。具体的には、フェース部材14の突出壁部28と、ヘッド本体12の前端開口部32とが、溶接、ロウ付けまたは接着等によって接合される。この際、フェース部材14は、CFRP30が接合された面がヘッド本体12の内壁面に臨むように接合される。
【0042】
この場合、フェース部材14の突出壁部28、すなわち、フェース部材14におけるヘッド本体12との接合部には、CFRP30が接合されていない。このため、フェース部材14とヘッド本体12とを、例えば、溶接によって接合する際においても、CFRP30が溶接時の熱による影響を受けることがない。
【0043】
なお、フェース部材14とヘッド本体12とが互いに異種の金属から形成されているために溶接が困難である場合、ロウ付けを採用することにより、両部材12、14の接合が容易となる。
【0044】
このように構成されたゴルフクラブヘッド10では、上記したように、フェース部材14の内面にCFRP30が接着されている。このため、フェース部材14の耐衝撃強度を確保しながら肉厚を小さくして面積を大きくすることができるので、ゴルフクラブヘッド10の体積を大きくしてスイートエリアを大きくすることができる。
【0045】
または、フェース部材14の重量を小さくした分、ゴルフクラブヘッド10のソール部16の重量を大きくして重心の位置を低くすることもできる。
【0046】
いずれの場合においても、CFRP30がフェース部材14に接着されているため、CFRP30がフェース部材14から脱落する懸念がない。
【0047】
次に、本発明の第2実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略分解斜視図を図4に示すとともに、その縦断面図を図5に示す。なお、図1〜図3に示される構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0048】
このゴルフクラブヘッド40は、前端部にフェース部材42を収容可能な程度の前端開口部44が設けられた中空状のヘッド本体46と、前記前端開口部44を閉塞するフェース部材42とが互いに接合されてなる。すなわち、第2実施形態においては、フェース部材42には突出壁部28が設けられていない。
【0049】
この場合、図6に示すように、フェース部材42における打球領域である中央部にのみCFRP30を接着することが好ましい。これにより、フェース部材42とヘッド本体46とを溶接する場合であっても、CFRP30が熱による影響を受けることを回避することができる。
【0050】
フェース部材42とCFRP30との接着、およびヘッド本体46とフェース部材42との接着は、それぞれ、第1実施形態と同様にして行うようにすればよい。
【0051】
なお、第2実施形態においては、フェース部材42の内面全体にCFRP30を接着するようにしてもよい。この場合、フェース部材42とヘッド本体46との接合を接着やかしめ止めとすれば、CFRP30が熱による影響を受けることを回避することができる。
【0052】
次に、本発明の第3実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略分解斜視図を図7に示すとともに、その縦断面図を図8に示す。なお、図1〜図3に示される部位については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0053】
このゴルフクラブヘッド50は、ソール部16が開口した中空状のヘッド本体52と、該底面開口部54を閉塞するソール部材56とが互いに接合されてなり、ヘッド本体52にフェース部58が設けられている。すなわち、第3実施形態においては、ヘッド本体52とフェース部58とが一体に形成されている。
【0054】
この場合、まずヘッド本体52の底面開口部54を介してCFRP30をヘッド本体52内に挿入し、次にフェース部58の内面にCFRP30を接着した後、ソール部材56をヘッド本体52の底面開口部54に接合すればよい。フェース部58とCFRP30とは、第1実施形態におけるフェース部材14とCFRP30との接着に準拠して接合することができ、また、ヘッド本体52とソール部材56との接合は、第1実施形態におけるヘッド本体12とフェース部材14との接合に準拠して接合することができる。
【0055】
なお、第1実施形態および第3実施形態において、フェース部材14またはフェース部58の内面の全域にCFRP30を接着する必要は特になく、ゴルフボールを打球して変形が大きくなる中央部にのみCFRP30を接着するようにしてもよい。
【0056】
また、第3実施形態においては、クラウン部20に開口部を設け、該開口部をクラウン部材で閉塞するようにしてもよい。
【0057】
勿論、第2実施形態および第3実施形態に係る各ゴルフクラブヘッド40、50においても、第1実施形態に係るゴルフクラブヘッド10と同様の利点が得られる。
【0058】
なお、いずれの実施形態においても、CFRPに代替して、各種の高分子繊維を形成材料とするFRPを使用してもよい。
【0059】
【実施例】
[実施例1]
0.02〜0.2重量%のC、0.05〜1.0重量%のSi、0.05〜1.0重量%のMn、4.0重量%のNi、15.0重量%のCr、4.0重量%のMo、15.0重量%のCoを含み、残部がFeおよび不可避的に混入する不純物である合金鋼を鍛造加工して、打球部の肉厚が1.8mmであり、かつ突出壁部28を有するフェース部材14を作製した。
【0060】
その一方で、炭素繊維の織物プリプレグ(東レ社製のF6343B−05K)を半径30mmの円形状に切断したものを2層に積層した後、金型内において、加圧状態下、80℃で1時間、さらに130℃で2時間保持することによってCFRP30を作製した。このCFRP30の一端面を、サンドブラストを使用して粗面加工を施した。
【0061】
次に、粗面加工されたCFRP30を、接着剤としてケミットエポキシTE2202(東レファインケミカル社製の商品名)を介して、フェース部材14の一端面の中心部に接合した。
【0062】
このようにしてCFRP30が接着されたフェース部材14を、前記合金鋼を鋳造加工することによって作製されたヘッド本体12の前端開口部32に溶接した後に研磨・塗装して、ゴルフクラブヘッド10を得た。このゴルフクラブヘッド10の体積、重量、重心高さおよび重心深度は、それぞれ、390ml、195g、25mm、35mmであった。
【0063】
このゴルフクラブヘッド10のホーゼル部22にシャフトを連結してゴルフクラブとし、プロゴルファがゴルフボールを打球したところ、一般的なゴルフクラブに比して打球が容易であり、かつゴルフボールの飛距離も大きく、しかも、打撃音が柔らかいという結果が得られた。
【0064】
[実施例2]
フェース部58の肉厚が2.5mmであり、かつソール部16が開口したヘッド本体52と、ソール部材56とを、SUS630から鋳造加工によってそれぞれ作製した。このうち、ヘッド本体52におけるフェース部58の内面に、エポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維の一方向プリプレグ(東レ社のP2053−20)を、ソール部16−クラウン部20に沿う方向およびトゥー部24−ヒール部26に沿う方向にそれぞれ2層積層した。その後、この積層体をステンレス鋼板にて加圧した状態で、80℃で1時間、さらに130℃で2時間保持することによってCFRP30を作製するとともに、フェース部58に接合した。
【0065】
次に、ヘッド本体52の底面開口部54にソール部材56を溶接した後に研磨・塗装して、ゴルフクラブヘッド50を得た。このゴルフクラブヘッド50の体積および重量は、それぞれ、390ml、195gであった。
【0066】
このゴルフクラブヘッド50のホーゼル部22にシャフトを連結してゴルフクラブとし、スイングロボット装置にセットして、ヘッドスピード50m/秒でゴルフボールを500回打球させた。その結果、フェース部58に凹みや損傷は認められなかった。
【0067】
比較のため、CFRP30をフェース部に接合しなかったことを除いては上記と同一構造のゴルフクラブを作製して、ヘッドスピード50m/秒でゴルフボールを打球させた。この場合、比較的早い段階でフェース部に凹みが生じた。
【0068】
このことから、CFRP30をフェース部に接着することによって、フェース部が強靱となることが明らかである。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るゴルフクラブヘッドによれば、フェース部に繊維強化プラスチックを接着するようにしている。この繊維強化プラスチックによってフェース部が強靱に支持されるため、該フェース部の肉厚を小さくして軽量化を図ることができる。このようにフェース部を軽量化した分、ソール部の重量を大きくすることによって、ゴルフクラブヘッドの重心を容易に低い位置とすることができる。
【0070】
または、フェース部の肉厚を小さくして面積を大きくすることによって、スイートエリアが大きいゴルフクラブヘッドとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略分解斜視図である。
【図2】図1のゴルフクラブヘッドの縦断面図である。
【図3】図1のゴルフクラブヘッドを構成するフェース部材の概略背面図である。
【図4】第2実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略分解斜視図である。
【図5】図4のゴルフクラブヘッドの縦断面図である。
【図6】図3のゴルフクラブヘッドを構成するフェース部材の概略背面図である。
【図7】第3実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略分解斜視図である。
【図8】図7のゴルフクラブヘッドの縦断面図である。
【符号の説明】
10、40、50…ゴルフクラブヘッド
12、46、52…ヘッド本体 14、42…フェース部材
16…ソール部 28…突出壁部
30…炭素繊維強化プラスチック(CFRP)
56…ソール部材 58…フェース部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフクラブヘッドに関し、一層詳細には、フェース部が軽量かつ耐衝撃強度に優れるゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
内部が中空状であるゴルフクラブヘッドの一例として、ウッド型ゴルフクラブヘッドが挙げられる。このようなウッド型ゴルフクラブヘッドは、例えば、SUS630(ステンレス鋼のJIS規格)や高抗張力鋼等、高強度を示し、かつ比重が7以上の金属材から形成されている。この場合、比重が7未満の金属材、例えば、チタン合金からなり、体積および肉厚が同一であるウッド型ゴルフクラブヘッドに比して、慣性モーメントを大きくすることができるという利点がある。
【0003】
しかしながら、比重が7以上である金属材を使用すると、肉厚が大きい場合、ウッド型ゴルフクラブヘッドの重量も大きくなってしまう。このため、スイートエリアを大きくするべくウッド型ゴルフクラブヘッドを大型化する際には、肉厚を小さくしなければ軽量化を図ることができなくなる。
【0004】
ところが、肉厚を過度に小さくすると、ゴルフボールを打球した際の耐衝撃強度が小さくなってしまう。このため、ゴルフクラブヘッドに破損が生じることが懸念される。
【0005】
このような事態が生じることを回避するために、比重が7以上である金属材を使用してゴルフクラブヘッドを形成する場合、その肉厚は、重量が過度に大きくならず、かつ耐衝撃強度が過度に小さくなることのない寸法に設定される。
【0006】
しかしながら、この場合、チタン合金からなるゴルフクラブヘッドに比して体積が小さなゴルフクラブヘッドしか得られない。このようなゴルフクラブヘッドを使用するプレイヤーは、該ゴルフクラブヘッドの体積が小さいために理想的な打球ができないことを懸念する傾向にあるので、正確にスイングすることが困難となる。
【0007】
また、ゴルフボールを打球するフェース部の耐衝撃強度を向上させるべく該フェース部の肉厚を大きくすると、ゴルフクラブヘッドとしては、打球する側の重量が大きくなる。換言すれば、重心がフェース部に近接するゴルフクラブヘッドとなる。この場合、いわゆる重心深度が小さくなった状態となるので、スイートエリアが小さくなるという不具合を招く。
【0008】
そして、この場合、スイートエリアを大きくするべくゴルフクラブヘッドの後方に重錘を設置すると、ゴルフクラブヘッドの重量が大きくなってしまう。
【0009】
このように、比重が7以上である金属材でゴルフクラブヘッドを形成した場合、該ゴルフクラブヘッドのスイートエリアを大きくすることが困難であるという不具合がある。
【0010】
ところで、特許文献1には、金属材からなるアイアンヘッドの裏面に平坦部を有する凹部を設け、前記平坦部に厚さ1.0〜5.0mmの硬化済繊維強化プラスチック(FRP)を添設することが提案されている。
【0011】
【特許文献1】
特公平4−65708号公報(第4欄第4行〜第15行)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1においては、前記凹部に嵌合されたリング状の固定部材によって硬化済FRPをアイアンクラブヘッドに固定するようにしているため、ゴルフボールの打球を繰り返すと、その衝撃によって固定部材および硬化済FRPが凹部から脱落してしまうことが懸念される。
【0013】
本発明は上記した技術に関連してなされたもので、フェース部の肉厚が小さいながらも充分な耐衝撃強度を有し、このために重量を大きくすることなく体積を大きくすることが可能であり、しかも、FRPが脱落する懸念もないゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、中空状のヘッド本体にゴルフボールを打球するためのフェース部が設けられたゴルフクラブヘッドにおいて、
前記フェース部は比重が7以上の金属材からなり、前記フェース部の前記ヘッド本体側の内面には、繊維強化プラスチックが接着により接合されていることを特徴とする。
【0015】
このような金属材を使用した場合、フェース部の肉厚を小さくすることができる。さらに、高強度および高弾性率を示す繊維強化プラスチック(FRP)によってフェース部が強靱に支持されるので、フェース部の肉厚が小さい場合であっても、打球時にフェース部が損傷することを回避することができる。
【0016】
しかも、フェース部の肉厚を小さくすることができるので、該フェース部、ひいてはゴルフクラブヘッドの重量を小さくすることができる。または、フェース部が軽量化された分、例えば、ヘッド本体のソール部の重量を大きくして重心を低い位置とすることができ、この場合、打球時にゴルフボールの打ち出しが高くなるので、大きな飛距離が得られる。
【0017】
さらに、フェース部の面積を大きくすることに伴ってゴルフクラブヘッドの体積を大きくすることによっても、スイートエリアを大きくすることができる。
【0018】
なお、FRPを構成する繊維の好適な例としては、炭素繊維を挙げることができる。すなわち、FRPとしては、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が好ましい。CFRPは、フェース部を支持する機能に特に優れるからである。
【0019】
なお、本発明においては、フェース部とヘッド本体とを別部材とすることもできる。
【0020】
この場合、フェース部の周縁部に、ヘッド本体側に突出する突出壁部を設けることが好ましい。この突出壁部をヘッド本体に接合するようにすれば、例えば、溶接により接合を行う場合であっても、フェース部に接着されたFRPが熱の影響を受けることを回避することができる。
【0021】
または、FRPをフェース部の周縁部を除く部位に接着により接合するようにしてもよい。すなわち、ヘッド本体に対するフェース部の溶接箇所を避けてFRPを接着することにより、ヘッド本体とフェース部とを溶接する際に該FRPが熱の影響を受けることを回避することができる。
【0022】
あるいは、フェース部とヘッド本体とを一体的に形成するようにしてもよい。この場合、ヘッド本体を、フェース部以外の部位で分割形成し、その分割部分からフェース部にFRPを接着すればよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るゴルフクラブヘッドにつき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
本発明の第1実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略分解斜視図を図1に示すとともに、その縦断面図を図2に示す。このゴルフクラブヘッド10は、中空状のヘッド本体12と、断面略コ字形状のフェース部材14とが互いに接合されてなる。
【0025】
ヘッド本体12は、ソール部16と、該ソール部16から延在して湾曲した側周部18と、天井部であるクラウン部20と、図示しないシャフトが嵌合されるホーゼル部22とが一体的に形成された部材である。なお、図1中の参照符号24、26は、それぞれ、トゥー部、ヒール部を示す。
【0026】
ヘッド本体12の形成材料の好適な例としては、SUS630や、18Niマルエージング鋼、高抗張力鋼が挙げられる。なお、高抗張力鋼としては、特開平7−136300号公報に開示された合金鋼、すなわち、0.02〜0.2重量%のC、0.05〜1.0重量%のSi、0.05〜1.0重量%のMn、3.0〜8.0重量%のNi、10.0〜25.0重量%のCr、3.0〜8.0重量%のMo、10.0〜20.0重量%のCoを含み、残部がFeおよび不可避的に混入する不純物であり、かつその金属組織の主体がマルテンサイトである合金鋼が例示される。
【0027】
この合金鋼は、一般的なステンレス鋼に比して抗張力が著しく大きい。このため、必要な強度を維持しながらヘッド本体12を薄肉化することができる。換言すれば、肉厚が小さいながらも破損が生じ難いヘッド本体12を構成することができる。
【0028】
肉厚が小さいヘッド本体12は、必然的に重量も小さい。このため、ヘッド本体12、ひいてはゴルフクラブヘッド10の重量を小さくすることもできる。
【0029】
または、側周部18やクラウン部20を軽量化した分、例えば、ソール部16の重量を大きくすることにより、ゴルフクラブヘッド10の重心の位置を低くするための重量配分を行うようにしてもよい。勿論、ヘッド本体12の形成材料に比してさらに高比重の重錘(図示せず)を側周部18やソール部16に設置して重量配分を行うようにしてもよい。
【0030】
ヘッド本体12は、例えば、鋳造加工によって作製することができる。
【0031】
フェース部材14は、その周縁部に形成された突出壁部28を有し、したがって、その断面は、上記したように略コ字形状である。
【0032】
このフェース部材14は、比重が7以上である金属材からなる。そして、該フェース部材14におけるヘッド本体12の内周壁に臨む面(内面)には、図3に示すように、突出壁部28を除いて、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)30が接着されている。
【0033】
フェース部材14の形成材料である金属材の好適な例としては、SUS630、18Niマルエージング鋼、前記合金鋼(高抗張力鋼)が挙げられる。このうち、合金鋼を使用した場合、フェース部材14の肉厚を1.0〜2.5mm程度と、一般的なフェース部材に比して小さく設定することができる。すなわち、ゴルフクラブヘッド10を一層軽量なものとすることができるので好適である。
【0034】
なお、フェース部材14は、肉厚が一定であるものに特に限定されることはなく、中央部が厚く周縁部が薄いものであってもよいし、中央部が薄く周縁部が厚いものであってもよい。
【0035】
フェース部材14は、鋳造加工、鍛造加工、プレス成形加工等の公知の成形法によって作製することができる。
【0036】
一方、CFRP30は、高強度および高弾性率を示す。このため、フェース部材14に接着されたCFRP30は、ゴルフボールを打球した際にフェース部材14とともに容易に変形し、かつ変形したフェース部材14を強靱に支持する。すなわち、フェース部材14にCFRP30を接着することにより、フェース部材14の肉厚が小さい場合であっても、打球時に該フェース部材14が損傷することを回避することができる。
【0037】
CFRP30中の炭素繊維は、引張強度が高いものであることが好ましい。この場合、炭素繊維が少量であってもフェース部材14が強靱に支持される。したがって、フェース部材14にCFRP30を接着することに伴ってゴルフクラブヘッド10の重量が大きくなることを確実に回避することができる。
【0038】
CFRP30は、例えば、炭素繊維の一方向性プリプレグまたは織物プリプレグを複数層に積層した後、硬化されてなる。このように予め作製されたCFRP30をフェース部材14に接着する場合、フェース部材14の内面またはCFRP30の接合面の少なくともいずれか一方を粗面加工することが好ましい。これにより、例えば、フェース部材14とCFRP30とを接着剤で接合する場合、接着強度を大きくすることができる。なお、粗面加工は、サンドブラストを使用する等、公知の手法によって遂行すればよい。
【0039】
炭素繊維の一方向性プリプレグを使用する場合、炭素繊維の長手方向が、ソール部16からクラウン部20に沿う方向(図1における矢印A方向)と、トゥー部24からヒール部26に沿う方向(図1における矢印B方向)との2方向となるようにしてもよい。さらに、矢印Aおよび矢印Bに対して45°、135°の角度で交差する矢印C方向および矢印D方向にも長手方向が延在するように炭素繊維を配置してもよい。延在方向を増加させるほどCFRP30の異方性を低下させることができるが、ゴルフクラブヘッド10の重量増加を回避するため、延在方向は最大でも8方向とすることが好ましい。
【0040】
または、CFRP30をフェース部材14の内面上で作製するようにしてもよい。すなわち、炭素繊維にエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸させ、次に、この炭素繊維をフェース部材14の内面上で積層する。その後、合成樹脂を硬化させれば、該合成樹脂を介してフェース部材14の内面に接着されたCFRP30が得られるに至る。換言すれば、この場合、CFRP30の作製と、該CFRP30のフェース部材14への接着とを同時に遂行することができる。
【0041】
ゴルフクラブヘッド10は、このようなCFRP30が接着されたフェース部材14とヘッド本体12とが互いに接合されてなる。具体的には、フェース部材14の突出壁部28と、ヘッド本体12の前端開口部32とが、溶接、ロウ付けまたは接着等によって接合される。この際、フェース部材14は、CFRP30が接合された面がヘッド本体12の内壁面に臨むように接合される。
【0042】
この場合、フェース部材14の突出壁部28、すなわち、フェース部材14におけるヘッド本体12との接合部には、CFRP30が接合されていない。このため、フェース部材14とヘッド本体12とを、例えば、溶接によって接合する際においても、CFRP30が溶接時の熱による影響を受けることがない。
【0043】
なお、フェース部材14とヘッド本体12とが互いに異種の金属から形成されているために溶接が困難である場合、ロウ付けを採用することにより、両部材12、14の接合が容易となる。
【0044】
このように構成されたゴルフクラブヘッド10では、上記したように、フェース部材14の内面にCFRP30が接着されている。このため、フェース部材14の耐衝撃強度を確保しながら肉厚を小さくして面積を大きくすることができるので、ゴルフクラブヘッド10の体積を大きくしてスイートエリアを大きくすることができる。
【0045】
または、フェース部材14の重量を小さくした分、ゴルフクラブヘッド10のソール部16の重量を大きくして重心の位置を低くすることもできる。
【0046】
いずれの場合においても、CFRP30がフェース部材14に接着されているため、CFRP30がフェース部材14から脱落する懸念がない。
【0047】
次に、本発明の第2実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略分解斜視図を図4に示すとともに、その縦断面図を図5に示す。なお、図1〜図3に示される構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0048】
このゴルフクラブヘッド40は、前端部にフェース部材42を収容可能な程度の前端開口部44が設けられた中空状のヘッド本体46と、前記前端開口部44を閉塞するフェース部材42とが互いに接合されてなる。すなわち、第2実施形態においては、フェース部材42には突出壁部28が設けられていない。
【0049】
この場合、図6に示すように、フェース部材42における打球領域である中央部にのみCFRP30を接着することが好ましい。これにより、フェース部材42とヘッド本体46とを溶接する場合であっても、CFRP30が熱による影響を受けることを回避することができる。
【0050】
フェース部材42とCFRP30との接着、およびヘッド本体46とフェース部材42との接着は、それぞれ、第1実施形態と同様にして行うようにすればよい。
【0051】
なお、第2実施形態においては、フェース部材42の内面全体にCFRP30を接着するようにしてもよい。この場合、フェース部材42とヘッド本体46との接合を接着やかしめ止めとすれば、CFRP30が熱による影響を受けることを回避することができる。
【0052】
次に、本発明の第3実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略分解斜視図を図7に示すとともに、その縦断面図を図8に示す。なお、図1〜図3に示される部位については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0053】
このゴルフクラブヘッド50は、ソール部16が開口した中空状のヘッド本体52と、該底面開口部54を閉塞するソール部材56とが互いに接合されてなり、ヘッド本体52にフェース部58が設けられている。すなわち、第3実施形態においては、ヘッド本体52とフェース部58とが一体に形成されている。
【0054】
この場合、まずヘッド本体52の底面開口部54を介してCFRP30をヘッド本体52内に挿入し、次にフェース部58の内面にCFRP30を接着した後、ソール部材56をヘッド本体52の底面開口部54に接合すればよい。フェース部58とCFRP30とは、第1実施形態におけるフェース部材14とCFRP30との接着に準拠して接合することができ、また、ヘッド本体52とソール部材56との接合は、第1実施形態におけるヘッド本体12とフェース部材14との接合に準拠して接合することができる。
【0055】
なお、第1実施形態および第3実施形態において、フェース部材14またはフェース部58の内面の全域にCFRP30を接着する必要は特になく、ゴルフボールを打球して変形が大きくなる中央部にのみCFRP30を接着するようにしてもよい。
【0056】
また、第3実施形態においては、クラウン部20に開口部を設け、該開口部をクラウン部材で閉塞するようにしてもよい。
【0057】
勿論、第2実施形態および第3実施形態に係る各ゴルフクラブヘッド40、50においても、第1実施形態に係るゴルフクラブヘッド10と同様の利点が得られる。
【0058】
なお、いずれの実施形態においても、CFRPに代替して、各種の高分子繊維を形成材料とするFRPを使用してもよい。
【0059】
【実施例】
[実施例1]
0.02〜0.2重量%のC、0.05〜1.0重量%のSi、0.05〜1.0重量%のMn、4.0重量%のNi、15.0重量%のCr、4.0重量%のMo、15.0重量%のCoを含み、残部がFeおよび不可避的に混入する不純物である合金鋼を鍛造加工して、打球部の肉厚が1.8mmであり、かつ突出壁部28を有するフェース部材14を作製した。
【0060】
その一方で、炭素繊維の織物プリプレグ(東レ社製のF6343B−05K)を半径30mmの円形状に切断したものを2層に積層した後、金型内において、加圧状態下、80℃で1時間、さらに130℃で2時間保持することによってCFRP30を作製した。このCFRP30の一端面を、サンドブラストを使用して粗面加工を施した。
【0061】
次に、粗面加工されたCFRP30を、接着剤としてケミットエポキシTE2202(東レファインケミカル社製の商品名)を介して、フェース部材14の一端面の中心部に接合した。
【0062】
このようにしてCFRP30が接着されたフェース部材14を、前記合金鋼を鋳造加工することによって作製されたヘッド本体12の前端開口部32に溶接した後に研磨・塗装して、ゴルフクラブヘッド10を得た。このゴルフクラブヘッド10の体積、重量、重心高さおよび重心深度は、それぞれ、390ml、195g、25mm、35mmであった。
【0063】
このゴルフクラブヘッド10のホーゼル部22にシャフトを連結してゴルフクラブとし、プロゴルファがゴルフボールを打球したところ、一般的なゴルフクラブに比して打球が容易であり、かつゴルフボールの飛距離も大きく、しかも、打撃音が柔らかいという結果が得られた。
【0064】
[実施例2]
フェース部58の肉厚が2.5mmであり、かつソール部16が開口したヘッド本体52と、ソール部材56とを、SUS630から鋳造加工によってそれぞれ作製した。このうち、ヘッド本体52におけるフェース部58の内面に、エポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維の一方向プリプレグ(東レ社のP2053−20)を、ソール部16−クラウン部20に沿う方向およびトゥー部24−ヒール部26に沿う方向にそれぞれ2層積層した。その後、この積層体をステンレス鋼板にて加圧した状態で、80℃で1時間、さらに130℃で2時間保持することによってCFRP30を作製するとともに、フェース部58に接合した。
【0065】
次に、ヘッド本体52の底面開口部54にソール部材56を溶接した後に研磨・塗装して、ゴルフクラブヘッド50を得た。このゴルフクラブヘッド50の体積および重量は、それぞれ、390ml、195gであった。
【0066】
このゴルフクラブヘッド50のホーゼル部22にシャフトを連結してゴルフクラブとし、スイングロボット装置にセットして、ヘッドスピード50m/秒でゴルフボールを500回打球させた。その結果、フェース部58に凹みや損傷は認められなかった。
【0067】
比較のため、CFRP30をフェース部に接合しなかったことを除いては上記と同一構造のゴルフクラブを作製して、ヘッドスピード50m/秒でゴルフボールを打球させた。この場合、比較的早い段階でフェース部に凹みが生じた。
【0068】
このことから、CFRP30をフェース部に接着することによって、フェース部が強靱となることが明らかである。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るゴルフクラブヘッドによれば、フェース部に繊維強化プラスチックを接着するようにしている。この繊維強化プラスチックによってフェース部が強靱に支持されるため、該フェース部の肉厚を小さくして軽量化を図ることができる。このようにフェース部を軽量化した分、ソール部の重量を大きくすることによって、ゴルフクラブヘッドの重心を容易に低い位置とすることができる。
【0070】
または、フェース部の肉厚を小さくして面積を大きくすることによって、スイートエリアが大きいゴルフクラブヘッドとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略分解斜視図である。
【図2】図1のゴルフクラブヘッドの縦断面図である。
【図3】図1のゴルフクラブヘッドを構成するフェース部材の概略背面図である。
【図4】第2実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略分解斜視図である。
【図5】図4のゴルフクラブヘッドの縦断面図である。
【図6】図3のゴルフクラブヘッドを構成するフェース部材の概略背面図である。
【図7】第3実施形態に係るゴルフクラブヘッドの概略分解斜視図である。
【図8】図7のゴルフクラブヘッドの縦断面図である。
【符号の説明】
10、40、50…ゴルフクラブヘッド
12、46、52…ヘッド本体 14、42…フェース部材
16…ソール部 28…突出壁部
30…炭素繊維強化プラスチック(CFRP)
56…ソール部材 58…フェース部
Claims (6)
- 中空状のヘッド本体にゴルフボールを打球するためのフェース部が設けられたゴルフクラブヘッドにおいて、
前記フェース部は比重が7以上の金属材からなり、前記フェース部の前記ヘッド本体側の内面には、繊維強化プラスチックが接着により接合されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 請求項1記載のゴルフクラブヘッドにおいて、前記繊維強化プラスチックを構成する繊維は、炭素繊維であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
- 請求項1または2記載のゴルフクラブヘッドにおいて、前記フェース部は前記ヘッド本体と別部材であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
- 請求項3記載のゴルフクラブヘッドにおいて、前記フェース部は、前記ヘッド本体側に突出する突出壁部を周縁部に有することを特徴とするゴルフクラブヘッド。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドにおいて、前記繊維強化プラスチックが前記フェース部の周縁部を除く部位に接着により接合されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
- 請求項1または2記載のゴルフクラブヘッドにおいて、前記フェース部は前記ヘッド本体と一体的に形成され、前記ヘッド本体は、フェース部以外の部位で分割して形成されることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003129043A JP2004329544A (ja) | 2003-05-07 | 2003-05-07 | ゴルフクラブヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003129043A JP2004329544A (ja) | 2003-05-07 | 2003-05-07 | ゴルフクラブヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004329544A true JP2004329544A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33505004
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003129043A Pending JP2004329544A (ja) | 2003-05-07 | 2003-05-07 | ゴルフクラブヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004329544A (ja) |
Cited By (27)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007044253A (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-22 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴルフクラブヘッド |
JP2009525131A (ja) * | 2006-02-01 | 2009-07-09 | ナイキ インコーポレーティッド | 多孔構造金属と他の材料を含むゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド |
US7819757B2 (en) * | 2006-07-21 | 2010-10-26 | Cobra Golf, Inc. | Multi-material golf club head |
US7874937B2 (en) * | 2007-12-19 | 2011-01-25 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Composite articles and methods for making the same |
US7874936B2 (en) * | 2007-12-19 | 2011-01-25 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Composite articles and methods for making the same |
US7874938B2 (en) | 2003-05-21 | 2011-01-25 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Composite articles and methods for making the same |
US8007372B2 (en) * | 2000-04-19 | 2011-08-30 | Cobra Golf, Inc. | Golf club head with localized grooves and reinforcement |
US20120135821A1 (en) * | 2010-11-30 | 2012-05-31 | Nike, Inc. | Golf Club Heads Or Other Ball Striking Devices Having Distributed Impact Response |
US8353787B2 (en) * | 2003-09-15 | 2013-01-15 | Acushnet Company | Golf club head with progressive face stiffness |
US8870682B2 (en) | 2006-07-21 | 2014-10-28 | Cobra Golf Incorporated | Multi-material golf club head |
US9101808B2 (en) | 2011-01-27 | 2015-08-11 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9149693B2 (en) | 2009-01-20 | 2015-10-06 | Nike, Inc. | Golf club and golf club head structures |
US9168435B1 (en) | 2014-06-20 | 2015-10-27 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9186547B2 (en) | 2011-04-28 | 2015-11-17 | Nike, Inc. | Golf clubs and golf club heads |
US9192831B2 (en) | 2009-01-20 | 2015-11-24 | Nike, Inc. | Golf club and golf club head structures |
US9278265B2 (en) | 2009-07-24 | 2016-03-08 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9375624B2 (en) | 2011-04-28 | 2016-06-28 | Nike, Inc. | Golf clubs and golf club heads |
US9409076B2 (en) | 2011-04-28 | 2016-08-09 | Nike, Inc. | Golf clubs and golf club heads |
US9409073B2 (en) | 2011-04-28 | 2016-08-09 | Nike, Inc. | Golf clubs and golf club heads |
US9433845B2 (en) | 2011-04-28 | 2016-09-06 | Nike, Inc. | Golf clubs and golf club heads |
US9433844B2 (en) | 2011-04-28 | 2016-09-06 | Nike, Inc. | Golf clubs and golf club heads |
US9433834B2 (en) | 2009-01-20 | 2016-09-06 | Nike, Inc. | Golf club and golf club head structures |
US9586104B2 (en) | 2006-07-21 | 2017-03-07 | Cobra Golf Incorporated | Multi-material golf club head |
US9662551B2 (en) | 2010-11-30 | 2017-05-30 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9770632B2 (en) | 2012-05-31 | 2017-09-26 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9795845B2 (en) | 2009-01-20 | 2017-10-24 | Karsten Manufacturing Corporation | Golf club and golf club head structures |
US9861864B2 (en) | 2013-11-27 | 2018-01-09 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Golf club |
-
2003
- 2003-05-07 JP JP2003129043A patent/JP2004329544A/ja active Pending
Cited By (61)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8007372B2 (en) * | 2000-04-19 | 2011-08-30 | Cobra Golf, Inc. | Golf club head with localized grooves and reinforcement |
US7874938B2 (en) | 2003-05-21 | 2011-01-25 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Composite articles and methods for making the same |
US8163119B2 (en) | 2003-05-21 | 2012-04-24 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Composite articles and methods for making the same |
US8353787B2 (en) * | 2003-09-15 | 2013-01-15 | Acushnet Company | Golf club head with progressive face stiffness |
JP2007044253A (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-22 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴルフクラブヘッド |
JP2009525131A (ja) * | 2006-02-01 | 2009-07-09 | ナイキ インコーポレーティッド | 多孔構造金属と他の材料を含むゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド |
US7819757B2 (en) * | 2006-07-21 | 2010-10-26 | Cobra Golf, Inc. | Multi-material golf club head |
US8870682B2 (en) | 2006-07-21 | 2014-10-28 | Cobra Golf Incorporated | Multi-material golf club head |
US9586104B2 (en) | 2006-07-21 | 2017-03-07 | Cobra Golf Incorporated | Multi-material golf club head |
US8303435B2 (en) | 2007-12-19 | 2012-11-06 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Composite articles and methods for making the same |
US7874936B2 (en) * | 2007-12-19 | 2011-01-25 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Composite articles and methods for making the same |
US7874937B2 (en) * | 2007-12-19 | 2011-01-25 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Composite articles and methods for making the same |
US9446294B2 (en) | 2009-01-20 | 2016-09-20 | Nike, Inc. | Golf club and golf club head structures |
US9433834B2 (en) | 2009-01-20 | 2016-09-06 | Nike, Inc. | Golf club and golf club head structures |
US9795845B2 (en) | 2009-01-20 | 2017-10-24 | Karsten Manufacturing Corporation | Golf club and golf club head structures |
US9149693B2 (en) | 2009-01-20 | 2015-10-06 | Nike, Inc. | Golf club and golf club head structures |
US9155944B2 (en) | 2009-01-20 | 2015-10-13 | Nike, Inc. | Golf club and golf club head structures |
US9950219B2 (en) | 2009-01-20 | 2018-04-24 | Karsten Manufacturing Corporation | Golf club and golf club head structures |
US10130854B2 (en) | 2009-01-20 | 2018-11-20 | Karsten Manufacturing Corporation | Golf club and golf club head structures |
US9289661B2 (en) | 2009-01-20 | 2016-03-22 | Nike, Inc. | Golf club and golf club head structures |
US9192831B2 (en) | 2009-01-20 | 2015-11-24 | Nike, Inc. | Golf club and golf club head structures |
US9278265B2 (en) | 2009-07-24 | 2016-03-08 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US20120135821A1 (en) * | 2010-11-30 | 2012-05-31 | Nike, Inc. | Golf Club Heads Or Other Ball Striking Devices Having Distributed Impact Response |
US10071290B2 (en) | 2010-11-30 | 2018-09-11 | Nike, Inc. | Golf club heads or other ball striking devices having distributed impact response |
US20160151687A1 (en) * | 2010-11-30 | 2016-06-02 | Nike, Inc. | Golf Club Heads or Other Ball Striking Devices Having Distributed Impact Response |
US20160151685A1 (en) * | 2010-11-30 | 2016-06-02 | Nike, Inc. | Golf Club Heads or Other Ball Striking Devices Having Distributed Impact Response |
US20180361209A1 (en) * | 2010-11-30 | 2018-12-20 | Nike, Inc. | Golf club heads or other ball striking devices having distributed impact response |
US9914025B2 (en) | 2010-11-30 | 2018-03-13 | Nike, Inc. | Golf club heads or other ball striking devices having distributed impact response |
US9908011B2 (en) | 2010-11-30 | 2018-03-06 | Nike, Inc. | Golf club heads or other ball striking devices having distributed impact response |
US9908012B2 (en) | 2010-11-30 | 2018-03-06 | Nike, Inc. | Golf club heads or other ball striking devices having distributed impact response |
US10610746B2 (en) * | 2010-11-30 | 2020-04-07 | Nike, Inc. | Golf club heads or other ball striking devices having distributed impact response |
US9089747B2 (en) * | 2010-11-30 | 2015-07-28 | Nike, Inc. | Golf club heads or other ball striking devices having distributed impact response |
US20120142447A1 (en) * | 2010-11-30 | 2012-06-07 | Nike, Inc. | Golf Club Heads or Other Ball Striking Devices Having Distributed Impact Response |
US9662551B2 (en) | 2010-11-30 | 2017-05-30 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9687705B2 (en) | 2010-11-30 | 2017-06-27 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9101808B2 (en) | 2011-01-27 | 2015-08-11 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US10004953B2 (en) | 2011-01-27 | 2018-06-26 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9108090B2 (en) | 2011-01-27 | 2015-08-18 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9694255B2 (en) | 2011-01-27 | 2017-07-04 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9375624B2 (en) | 2011-04-28 | 2016-06-28 | Nike, Inc. | Golf clubs and golf club heads |
US9186546B2 (en) | 2011-04-28 | 2015-11-17 | Nike, Inc. | Golf clubs and golf club heads |
US9186547B2 (en) | 2011-04-28 | 2015-11-17 | Nike, Inc. | Golf clubs and golf club heads |
US9433844B2 (en) | 2011-04-28 | 2016-09-06 | Nike, Inc. | Golf clubs and golf club heads |
US9409076B2 (en) | 2011-04-28 | 2016-08-09 | Nike, Inc. | Golf clubs and golf club heads |
US9409073B2 (en) | 2011-04-28 | 2016-08-09 | Nike, Inc. | Golf clubs and golf club heads |
US9433845B2 (en) | 2011-04-28 | 2016-09-06 | Nike, Inc. | Golf clubs and golf club heads |
US10150017B2 (en) | 2012-05-31 | 2018-12-11 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9770632B2 (en) | 2012-05-31 | 2017-09-26 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US11083936B2 (en) | 2012-05-31 | 2021-08-10 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US10569145B2 (en) | 2013-11-27 | 2020-02-25 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Golf club |
US11944878B2 (en) | 2013-11-27 | 2024-04-02 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Golf club |
US11369846B2 (en) | 2013-11-27 | 2022-06-28 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Golf club |
US9861864B2 (en) | 2013-11-27 | 2018-01-09 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Golf club |
US10226671B2 (en) | 2013-11-27 | 2019-03-12 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Golf club |
US10828540B2 (en) | 2013-11-27 | 2020-11-10 | Taylor Made Golf Company, Inc. | Golf club |
US9776050B2 (en) | 2014-06-20 | 2017-10-03 | Karsten Manufacturing Corporation | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9616299B2 (en) | 2014-06-20 | 2017-04-11 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9889346B2 (en) | 2014-06-20 | 2018-02-13 | Karsten Manufacturing Corporation | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9789371B2 (en) | 2014-06-20 | 2017-10-17 | Karsten Manufacturing Corporation | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9168435B1 (en) | 2014-06-20 | 2015-10-27 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
US9643064B2 (en) | 2014-06-20 | 2017-05-09 | Nike, Inc. | Golf club head or other ball striking device having impact-influencing body features |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004329544A (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
US7530903B2 (en) | Golf club head | |
US7530901B2 (en) | Golf club head | |
JP4410606B2 (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
US7497788B2 (en) | Golf club head | |
JP4256206B2 (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
US7455600B2 (en) | Golf club head | |
JP4741388B2 (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
US20050233831A1 (en) | Golf club head | |
JP5952655B2 (ja) | ゴルフクラブヘッド及びその製造方法 | |
JP2004236760A (ja) | ゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブ | |
JP2003320060A (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
JP5324992B2 (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
US20080214323A1 (en) | Golf club head | |
JP4528281B2 (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
JP2007044253A (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
JP4256254B2 (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
JP4019676B2 (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
JP2005253606A (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
JP3099604U (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
JP5746867B2 (ja) | ゴルフクラブヘッド |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060502 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080701 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080828 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081007 |