JP2007053158A - リフロー半田付け装置及びフラックス除去装置 - Google Patents

リフロー半田付け装置及びフラックス除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 加熱室内に気化して充満したフラックス成分を効率良く除去することができるフラックス除去装置を備えたリフロー半田付け装置を提供する。
【解決手段】 本発明の実施形態に係るリフロー半田付け装置は、リフロー室内の気化したフラックス成分を除去するためのフラックス除去装置70を有する。フラックス除去装置70は、円形管83等からなる洗浄液散布部(液体接触式フラックス除去手段)と、フラックスを回収・除去するための洗浄液を洗浄液散布部に循環させる洗浄液循環システムとを有している。洗浄液散布部は、円形管83の内側に噴霧ノズル84を備えると共に、噴霧ノズル84へと洗浄液を供給して噴霧させるために、循環ポンプ78、洗浄液導入管75、及び円形管接続部85を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電子部品を搭載した回路基板を半田付けするためのリフロー半田付け装置に関し、特に、炉内の不活性ガス中に混在するフラックス成分を除去するための装置を備えたリフロー半田付け装置に関する。
従来から、種々の電子部品を搭載した回路基板を半田付けするためのリフロー半田付け装置が提供されている。従来のリフロー半田付け装置は、予備加熱室、本加熱室(加熱ゾーン)及び冷却室(冷却ゾーン)等の複数の部屋に分離された炉と、半田付けする回路基板を炉内の各室内に搬送するための搬送手段とを備えている。
このような構成において、プリントされた回路基板上に電子部品を搭載し、半田付けする箇所にペースト状のクリーム半田を塗ったものを、搬送手段により炉内を搬送して加熱溶融させることにより、回路基板と電子部品とが半田付けされる。
ところで、クリーム半田は、クリーム状のフラックスと粉末半田をペースト状にしたものである。このフラックスは、半田付けされる金属表面の酸化膜を除去し、半田付け中に加熱で再酸化するのを防止し、半田の表面張力を小さくして濡れを良くする塗布剤の働きをし、松脂、チキソ剤、活性剤等の固形成分を溶剤で溶解させたものである。
よって、従来のリフロー半田付け装置では、加熱室内で加熱されたフラックス成分が気化され、炉内に充満していた。この気化したフラックス成分は、冷却されると液化又は結晶化する性質があり、炉内が気化したフラックス成分で充満してしまうと、基板にフラックス成分が付着した状態で半田付けされてしまうという問題がある。
また、気化したフラックス成分は、装置内の温度の低いところに接触して液化・結晶化したり、装置使用後に炉内が冷えると、炉内に残留していたフラックス成分が液化・結晶化したりして、炉内の壁面に付着してしまうといった問題がある。
このような問題を解決するために、加熱室内で気化したフラックス成分を除去するためのフラックス除去装置を備えたリフロー半田付け装置が提供されている。フラックス除去装置を備えたリフロー半田付け装置は、例えば、下記特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許第3250079号公報 特開2003−332726号公報
上記特許文献1には、リフロー半田付け装置の加熱室内に設置された、気化したフラックス成分を含む不活性ガスを冷やしてフラックス成分を液化させるためのラジエータを備えたフラックス除去装置が開示されている。また、上記特許文献2には、リフロー炉とは別体に設置された、気化したフラックス成分を含む不活性ガスを冷やしてフラックス成分を液化させ、液化されたフラックス成分を、他の粒子の大きなフラックス成分とともにフィルターで濾し取るフラックス除去装置が開示されている。
しかし、近年、環境への配慮からクリーム半田に鉛を使用しないようになってきており、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、スズ(Sn)からなる合金を用いた鉛フリーのクリーム半田が多く使用されている。鉛フリー半田の溶解温度(210〜230℃程度)は、従来の鉛半田の溶解温度(183℃)よりも高いため、加熱室内の温度も高く、フラックス成分が気化し易い。また、鉛フリーのクリーム半田に含まれるアルコール成分がさほど多くないため、アルコール成分が気化すると、回収されるフラックス成分はラジエータやフィルター等に結晶化して付着することが多く、回収が困難となってしまう。
結晶化したフラックス成分がラジエータやフィルター等のフラックス除去装置に付着したままだと、フラックス成分の回収性能が低下し、せっかくフラックス除去装置を設置したのに加熱室内にフラックス成分が充満することになってしまう。また、ラジエータやフィルター等に付着したフラックス成分を除去するにしても、装置を分解してから、ラジエータやフィルターを洗浄する必要があり、手間がかかる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、鉛フリーのクリーム半田を用いる場合であっても、加熱室内に気化して充満したフラックス成分の回収を効率良く容易に行うことができるフラックス除去装置を備えたリフロー半田付け装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るリフロー半田付け装置は、加熱ゾーンを含む炉と搬送手段とを有し、電子部品を搭載した基板を前記搬送手段により搬送しながら前記炉内で加熱して半田付けするリフロー半田付け装置において、前記炉内の雰囲気ガスを炉外に取り出すための管路と、前記管路を介して取り出された雰囲気ガス内に含まれるフラックス成分を除去するフラックス除去手段であって、雰囲気ガスを直接洗浄液に接触させてフラックス成分を除去する液体接触式フラックス除去手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るリフロー半田付け装置は、加熱ゾーンを含む炉と搬送手段とを有し、電子部品を搭載した基板を前記搬送手段により搬送しながら前記炉内で加熱して半田付けするリフロー半田付け装置において、前記炉内の雰囲気ガス内に含まれるフラックス成分を除去するフラックス除去手段であって、雰囲気ガスを直接洗浄液に接触させてフラックス成分を除去する液体接触式フラックス除去手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るフラックス除去装置は、電子部品を搭載した基板を搬送手段により搬送しながら炉内で加熱して半田付けするリフロー半田付け装置に対して、前記炉内で気化したフラックス成分を除去するためのフラックス除去装置において、雰囲気ガスを直接洗浄液に接触させてフラックス成分を除去する液体接触式フラックス除去手段を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るフラックス成分除去方法は、電子部品を搭載した基板を搬送手段により搬送しながら炉内で加熱して半田付けするリフロー半田付け装置において、前記炉内で気化したフラックス成分を、フラックス除去手段を用いて除去するフラックス成分除去方法であって、前記炉内の雰囲気ガスを炉外へ取り出す工程と、前記炉外に取り出された雰囲気ガスを洗浄液に直接接触させることで、雰囲気ガス内のフラックス成分を除去する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係るリフロー半田付け装置によれば、リフロー半田付け装置の炉内から取り出した不活性ガス中に含まれるフラックス成分を効率良く除去することが可能であり、また、炉内に気化したフラックス成分が充満することを防止できる。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るリフロー半田付け装置1本体の構成を示す概略正面側断面図である。図2は、第1の実施の形態に係るリフロー半田付け装置1の構成を示す概略側面側断面図である。図3は、第1の実施の形態に係るフラックス除去装置70の構成を示す概略断面図である。本実施の形態に係るリフロー半田付け装置は、不活性ガスを直接洗浄液に接触させることで不活性ガス内に含まれるフラックス成分を除去するフラックス除去装置を備えたことを特徴とする。
図1に示すように、リフロー半田付け装置1は、装置本体の外枠を形成する金属製の外枠体2、炉3、回路基板を炉3内に搬送する搬送手段としてのチェーンコンベア6を有している。チェーンコンベア6は、図中反時計回りに回転するよう構成されており(矢印X)、したがって、炉3は、図中右側が上流、左側が下流となっている。
炉3は、炉内の各部屋を仕切るための隔壁4を有しており、この隔壁4によって、炉3は、上流側から、バッファゾーンA20−1、予備加熱室A30−1、予備加熱室B30−2、予備加熱室C30−3、予備加熱室D30−4、本加熱室A40−1、本加熱室B40−2、冷却室50、バッファゾーンB20−2に仕切られている。予備加熱室30及び本加熱室40は、加熱ゾーンを構成し、冷却室50は、冷却ゾーンを構成する。
炉3の入口と出口には、炉3内の不活性ガス(窒素ガス)が外部へ漏れるのを防ぐために、ポリイミドフィルム製のラビエンスA10−1,B10−2が設けられている。予備加熱室30、本加熱室40、冷却室50には、各室内の不活性ガス(気化したフラックス成分を含む)を対流させるために、ファン8が炉3内に設けられている。また、各ファン8を回転させるための動力源としてのモータ9が同じく炉3内に設けられている。また、予備加熱室30及び本加熱室40の各室内には、各室内の不活性ガス(雰囲気ガス)を加熱するためのヒータ7がそれぞれ設置されている。
ヒータ7は、部屋毎にそれぞれ独立して温度調整が可能に構成されており、装置稼働時に、予備加熱室30の室温を150〜200℃、本加熱室の室温を220〜260℃に保つように制御される。なお、冷却室50は、加熱された回路基板の温度を下げるために設けられており、加熱装置は設けられておらず、冷却装置としてのファン8が設置されているだけである。また、炉3の室内と室外の緩衝地帯として働く緩衝室としてのバッファゾーン20内には、ヒータやファンは設置されていない。
本実施の形態では、図1に示すように、フラックス除去装置70は、予備加熱室D30−4から循環往路(管路)60を介して炉内の雰囲気ガスを取り込み、冷却室50に循環復路(管路)61を介して雰囲気ガスを送り込むように構成されている。これは、室内温度の高い加熱室から雰囲気ガスを取り出すことにより、フラックス成分を多く含んだ雰囲気ガスを効率的に回収するためである。本実施の形態において、循環往路60及び循環復路61は、耐熱性を有する金属製の管又は樹脂製の管が使用される。
図1及び図2に示すように、循環往路60と循環復路61は、炉3の入口と出口に設けられたラビエンスA10−1,B10−2から、チェーンコンベア6の脇に沿って炉3内に延伸配置される。また、循環往路60の先端口は、予備加熱室D30−4内に、循環復路61の先端口は、冷却室50内に位置するように配置されている。これにより、炉3内を移動するチェーンコンベア6の邪魔にならないように配置することができる。
なお、本実施の形態においては、循環往路60の先端口を予備加熱室D30−4内に設置し、予備加熱室D30−4内の雰囲気ガスをフラックス除去装置70へ取り出すように構成しているが、循環往路60の先端口の設置位置は適宜変更可能である。また、循環復路61の先端口の設置位置も適宜変更可能であり、循環往路60の先端口と同じ室内に設置するように構成しても良い。すなわち、炉3内の雰囲気ガスを取り出す部屋、及びフラックス成分が除去されたガスを戻す部屋は、適宜変更可能である。
次に、図3に基づいて、本実施の形態に係るフラックス除去装置70の構成について説明する。同図に示すように、フラックス除去装置70は、ラジエータ72等からなるラジエータ部(冷却式フラックス除去手段)と、円形管83等からなる洗浄液散布部(液体接触式フラックス除去手段)と、複数のガス管90等からなる低温乾燥部(低温乾燥式フラックス除去手段)と、フラックスを回収・除去するための洗浄液をラジエータ部と洗浄液散布部に循環させる洗浄液循環システムとから構成される。本実施形態に係るフラックス除去装置70は、この液体接触式フラックス除去手段としての洗浄液散布部を備えていることを特徴としている。
また、炉3とフラックス除去装置70の間で不活性ガスを循環させるため、低温乾燥部に設けられた接続管81の下流側に、モータ97を動力源とするファン96が設けられている。このファン96の回転によって、低温乾燥部、接続管81から循環復路61へと不活性ガスを吸引することにより、不活性ガスを炉3から循環往路60を介してフラックス除去装置70へと取り込み、循環復路61を介して不活性ガスを炉3に送り込むことができる(図中、循環経路内の矢印参照)。
ラジエータ部は、金属製の筐体71内に、空冷式のラジエータ72が格納されている。筐体71の上面には、予備加熱室D30−4から不活性ガスを取り込む循環往路60に接続するための接続管81が設けられている。筐体71の下部には、洗浄システムの一部として洗浄液を貯蔵するための貯蔵タンク79が形成され、貯蔵タンク79の底部には、洗浄液の交換時等に洗浄液を排出するためのドレン排出プラグ80が設けられている。また、筐体71の下部右側(図中)には、炉3から取り込んだ不活性ガスを洗浄液散布部へと案内するための接続管81が取り付けられている。
洗浄液散布部は、金属製の筐体82内に、中空パイプを環状に形成した円形管83が格納されている。円形管83の外側には、後述する円形管接続部85が接続される導入管部83aが設けられている。本実施の形態において、円形管83は、筐体82内の上下方向に三段に3つ設けられている。接続管81から筐体82内に取り込まれた不活性ガスは、この三段の円形管83で囲まれた空間を通過するように構成されている。
また、円形管83の内側には、等間隔に複数の噴霧ノズル84が取り付けられている。本実施の形態において、噴霧ノズル84は、円形管83の内側に6箇所、それぞれ60度間隔で設けられ、円形管83の中心部に向け霧状の洗浄液を噴霧することができる。また、筐体82に縦方向に三段設けられた円形管83の噴霧ノズル84は、垂直方向において、全て同じ位置に整列するように設置されている。なお、円形管83には、噴霧ノズル84に替え、洗浄液をシャワー状に噴射する噴射ノズルに変更することができ、洗浄液散布部の使用状態に応じて洗浄液の散布状態を適宜変更することができる。
また、洗浄液散布部は、噴霧ノズル84へと洗浄液を供給して噴霧させるために、循環ポンプ78、洗浄液導入管75、及び円形管接続部85を備えている。循環ポンプ78は、洗浄液を循環させる動力源であり、図中上方の洗浄液導入管75に向けて洗浄液を送り出す機能を有する。
筐体82の内部、特に、三段の円形管83に囲まれた空間は、噴霧ノズル84から噴霧により、洗浄液が霧状に充満した状態となる。これにより、不活性ガス中に含まれる液化したフラックス成分は、霧状の洗浄液中に混ざり、また、結晶化したフラックス成分は洗浄液中に溶解されて、不活性ガスから回収・除去される。また、筐体82内を通過する不活性ガスは洗浄液によって冷却されるため、不活性ガス中に含まれる気化したフラックス成分を液化又は結晶化させることもでき、これら新たに液化・結晶化したフラックス成分も、同様に洗浄液によって回収・除去される。
また、筐体82の上部左側(図中)には、接続管81が接続されており、ラジエータ部から送られてくる炉3からの不活性ガスが筐体82内に送り込まれる。筐体82内に取り込まれた不活性ガスは、前述したファン96の吸引により筐体82内を下方に向かいながら円形管83の内側を通過するように構成されている。
筐体82の下部には、洗浄液循環システムの一部として洗浄液を貯蔵するための貯蔵タンク86が形成され、貯蔵タンク86の底部には、ドレン排出プラグ87が設置されている。また、筐体82の下部右側(図中)には、ラジエータ部から取り込んだ不活性ガスを低温乾燥部へと案内するための接続管81が取り付けられている。
続いて、低温乾燥部は、筐体89と、洗浄液散布部から接続管81を通って送られてくる不活性ガスが通るためのガス管90と、ガス管90を冷却して管内を通る不活性ガスを冷却・乾燥させるための冷却ユニット92とから構成される。本実施形態では、冷却ユニット92として空冷式又は水冷式のチラーユニットが使用される。
筐体89は金属材料で成形され、冷却ユニット92は、ガス管90を冷却するための螺旋状の冷却管91を有している。この冷却管91に取り囲まれた空間に、多数のガス管90が上下方向に延伸して所定の間隔で配列されている。これにより、ガス管90内を流れる不活性ガスが冷却され、不活性ガス中に含まれる気化したフラックス成分が液化・結晶化される。このとき、液化したフラックス成分は、ガス管90内壁面を伝わって落下する。また、結晶化したフラックス成分は、液化したフラックス成分に溶解したり、液化したフラックス成分と共に落下したりする。また、ガス管90内を流れる不活性ガスは、フラックス成分が除去され、不活性ガス中に含まれる水分量等が減少して乾燥される。本実施の形態では、不活性ガスに直接洗浄液を接触させる液性接触式フラックス除去手段を通過した不活性ガス中には、水分、ハロゲンや硫酸等の残留フラックス成分が多く含まれる場合があるが、低温乾燥部によりこれらを除去して不活性ガスを乾燥させることが可能である。
筐体89の上部左側(図中)には、接続管81が接続されており、洗浄液散布部から送られてくる不活性ガスが、前述したファン96の吸引により筐体89のガス管90内を下方に向かいながら通過するように構成されている。
筐体89の下部には、洗浄液を貯蔵するための貯蔵タンク93が形成され、貯蔵タンク93の底部には、ドレン排出プラグ94が設置されている。貯蔵タンク93は、低温乾燥部のガス管90内を通る不活性ガスを冷却・乾燥させることにより垂れてくる洗浄液を貯蔵するためのタンクであり、貯蔵タンク93に貯まった洗浄液は、洗浄液導入管75を介して貯蔵タンク86へと循環する。
また、筐体89の下部右側(図中)には、噴射シャワー部から取り込んだ不活性ガスをファン96へと案内するための接続管81が取り付けられている。接続管81からファン96へと送られた不活性ガスは、循環復路61を介してリフロー半田付け装置1の冷却部50へと戻される。
次に、洗浄液循環システムの構成について説明する。本実施の形態において、洗浄液循環システムは、ラジエータ部に洗浄液を供給するための第1の循環システムと、洗浄液散布部に洗浄液を供給するための第2の循環システムとを備えている。
第1の循環システムは、循環ポンプ77、フィルター76、ラジエータシャワーパイプ74、貯蔵タンク79及びこれらの部材を接続して洗浄液を循環させるための洗浄液導入管75を備えている。循環ポンプ77は、洗浄液を循環させる動力源であり、図中上方の洗浄液導入管75に向けて洗浄液を送り出す機能を有する。循環ポンプ77の下方に配置されたフィルター76は、洗浄液中に含まれる回収されたフラックス成分の結晶等のゴミを回収する機能を有しており、定期的にフィルターを交換可能に構成されている。
噴射部材としてのラジエータシャワーパイプ74は、筐体71内においてラジエータ72の上方に設置されており、その下面には、循環ポンプ77により送られてきた洗浄液をラジエータ72に噴射するための孔(図示せず)が開けられている。貯蔵タンク79は、ラジエータシャワーパイプ74からラジエータ72にかけられて垂れてくる洗浄液を貯蔵するためのタンクであり、貯蔵タンク79に貯まっている洗浄液は、洗浄液導入管75を介して、フィルター76、循環ポンプ77へと循環する。貯蔵タンク79の底面に設けられたドレン排出プラグ80は、開放することで、貯蔵タンク79内の洗浄液を排出できるように構成されており、洗浄液を交換する際等に用いられる。
第2の循環システムは、その一部を上述した第1の循環システムや洗浄液散布部と共有し、循環ポンプ78、フィルター76、円形管接続部85、貯蔵タンク79,86,93及びこれらの部材を接続して洗浄液を循環させるための洗浄液導入管75を備えている。循環ポンプ78は、洗浄液を循環させる動力源であり、図中上方の洗浄液導入管75に向けて洗浄液を送り出す機能を有する。循環ポンプ78の下方に配置されたフィルター76は、洗浄液中に含まれる回収されたフラックス成分の結晶等のゴミを回収する機能を有しており、定期的にフィルターを交換可能に構成されている。本実施の形態において、循環ポンプ78は、洗浄液散布部の円形管83に洗浄液を供給できるように構成されている。
円形管接続部85は、洗浄液導入管75の先端部に設けられ、円形管83を接続することができる。これにより、循環ポンプ78から圧送されてくる洗浄液を円形管83に供給することができる。
貯蔵タンク86は、円形管83の噴霧ノズル84から噴霧され、不活性ガスに含まれるフラックス成分と共に垂れてくる洗浄液を貯蔵するためのタンクであり、貯蔵タンク86に貯まっている洗浄液は、洗浄液導入管75を介して貯蔵タンク79へと循環する。そして、貯蔵タンク79から、フィルター76、循環ポンプ78へと循環する。貯蔵タンク86の底面に設けられたドレン排出プラグ87は、開放することで、貯蔵タンク内の洗浄液を排出できるように構成されており、洗浄液を交換する際等に用いられる。
本実施形態に係るフラックス除去装置70においては、洗浄液として、グリコール系、炭素系、水素水溶性、またはアルカリ系の溶剤が用いられるが、もちろん、これらに限定されるものではなく、フラックス除去手段に付着したフラックス成分を除去することができ、また、雰囲気ガス中に含まれるフラックス成分を直接除去するのに適当な液体であれば他の液体を用いることができる。フラックス成分に対して高い溶解度を持つ液体であればより好ましい。
以上、本実施形態に係るフラックス除去装置70を備えたリフロー半田付け装置1の構成について説明したが、続いて、フラックス除去装置70の作用を、図1乃至図3を参照しながら説明する。まず、不活性ガス(雰囲気ガス)の流れについて説明する。上述したように、予備加熱室D30−4内では、ファン8の回転により、室内で不活性ガスが循環している。この循環している不活性ガスを、ファン96の吸引により循環往路60を介してフラックス除去装置70へと取り込む。フラックス除去装置70の接続管81からラジエータ部の筐体71へ取り込まれた不活性ガスは、ラジエータ72を通過することで冷却される。このとき、不活性ガス中に含まれる気化したフラックス成分は、冷却されることにより、液化・結晶化される。液化したフラックス成分は、ラジエータ72表面を伝わって貯蔵タンク79へと落下し、結晶化したフラックス成分は、ラジエータ72表面に付着したり、洗浄液や液化したフラックス成分と共に落下したりする。
ラジエータ72を通過した不活性ガスは、接続管81を通って洗浄液散布部の筐体82へと送られる。筐体82内に送り込まれた不活性ガスは、図中下方へ進み、円形管83の内側を通過する。このとき、不活性ガスは、噴霧ノズル84から噴霧される洗浄液に直接接触し、不活性ガス中に含まれる液化・結晶化しているフラックス成分が噴霧状の洗浄液によって回収・除去され、また、不活性ガスが冷却される。
筐体82中を下方へ進んだ不活性ガスは、接続管81を介して低温乾燥部の筐体89へと送られる。筐体89内に送り込まれた不活性ガスは、図中下方へ進み、冷却ユニット92によって冷却されたガス管90内を通過する。このとき、不活性ガス中に含まれる気化したフラックス成分が冷却されることにより、液化・結晶化される。また、不活性ガスは、冷却されることにより乾燥される。
ガス管90内に送り込まれた不活性ガスは、図中下方へ進み、ファン96によって循環復路61へ送られ、フラックス成分の回収された不活性ガスが、リフロー半田付け装置本体の冷却室50へと戻される。これにより、炉内の気化したフラックス成分を回収して低減することができ、リフロー半田付け装置の性能低下を防止することができる。
次に、フラックス除去装置70における洗浄液循環システムの作用について説明する。第1の循環システムは、循環ポンプ77の作動により、洗浄液は洗浄液導入管75を通ってラジエータ部へと圧送される。ラジエータ部に送られた洗浄液は、ラジエータシャワーパイプ78の孔からラジエータ72へと噴射される。この噴射により、ラジエータ72表面に固着している液化・結晶化したフラックス成分を洗い流すことができる。結晶化したフラックス成分が溶解しやすい洗浄液を使用すれば、より効率的にフラックス成分の回収を行うことができる。
溶解したフラックス成分を含む洗浄液は、ラジエータ72から垂れて貯蔵タンク79内に貯蔵される。貯蔵タンク79内の洗浄液は、循環ポンプ77の圧力により、図3に示す洗浄液導入管75から循環ポンプ77へと循環させられる。循環ポンプ77の手前には、フィルター76が設置されており、洗浄液中に含まれるフラックス成分の結晶が濾されて回収される。
また、第2の循環システムは、循環ポンプ78の作動により、洗浄液は洗浄液導入管75から円形管接続部85を通って洗浄液散布部へと圧送される。洗浄液散布部に圧送された洗浄液は、円形管83の噴霧ノズル84から円形管83に囲まれた空間に向け噴霧される。この噴霧により、当該空間内には、霧状の洗浄液が充満され、当該空間を通過する不活性ガス中に含まれるフラックスの結晶成分、液化成分が霧状の洗浄液に接触して落下する等して回収される。また、不活性ガスは霧状の洗浄液によって冷却されるため、不活性ガスに含まれるフラックスの気化成分が液化・結晶化されて、同じく洗浄液によって回収される。洗浄液に回収されたフラックス成分は、洗浄液に溶解して、また、洗浄液と共に貯蔵タンク86に向け落下して回収される。
貯蔵タンク79と貯蔵タンク86は、図2に示すように、洗浄液導入管75によって連通されている。これにより、貯蔵タンク86内に貯蔵された洗浄液は、洗浄液導入管75を通って貯蔵タンク79を介して、循環ポンプ78へと循環される。
このように、本実施の形態に係る第1の循環システムによれば、結晶化してラジエータ72に付着したフラックス成分は、一部が溶解され、洗浄液中に溶けたり、噴射により剥がされたりして、回収されることになり、ラジエータ72の回収性能の劣化を防ぐことができる。
また、第2の循環システムによれば、不活性ガス中に含まれる気化したフラックス成分は、洗浄液の噴霧により冷却され、液化・結晶化され、元々不活性ガス中に含まれる液化又は結晶化したフラックス成分と共に回収されることになり、フラックス除去装置70による効率的な不活性ガス中のフラックス成分の除去が可能になる。
また、第2の循環システムによれば、不活性ガスを冷却しながらフラックス成分の除去を行うことができるので、ラジエータ部のように不活性ガス冷却手段と洗浄システムとを合わせて備える必要がないので、装置を簡素化でき経済的である。
なお、洗浄液循環システムで使用される洗浄液は、ドレン排出プラグ80,87を開放して洗浄液を排出させて交換可能であり、洗浄液の性能を保つために定期的に交換することが望ましい。
以上、詳細に説明したように、本実施の形態に係るフラックス除去装置70は、不活性ガスに含まれる気化したフラックス成分を液化・結晶化し、不活性ガスに含まれる液化・結晶化したフラックス成分と共に除去することができるので、炉内に含まれる気化したフラックス成分を効率良く回収することが可能であり、また、炉内に気化したフラックス成分が充満することを防止できる。なお、本明細書において、炉内で気化したフラックス成分には、フラックス成分が加熱分解されることにより変化した他の物質も含まれる。例えば、フラックスに含まれるロジンは、加熱分解されるとロジンオイルと炭酸ガスの2つに分解されるが、本明細書では、これらの成分もフラックス成分に含む。
特に、本実施の形態は、フラックス除去手段として、液体接触式フラックス除去手段(洗浄液散布部)を備えており、この液体接触式フラックス除去手段によれば、簡易な構成で雰囲気ガス中に含まれるフラックス成分を回収・除去することが可能である。例えば、本実施の形態に示すラジエータ部であれば、ラジエータ72によって雰囲気ガスを冷却して、気化したフラックス成分を液化・結晶化しているが、この液化・結晶化してラジエータ72に付着したフラックス成分を洗い流して回収するためにラジエータシャワーパイプ74等の洗浄システムが必要になる。これに対して、液体接触式フラックス除去手段であれば、これだけで、雰囲気ガスの冷却とフラックス成分の回収の双方の処理を行うことが可能である。
以上、本実施形態に基づいて、本発明について詳細に説明したが、本発明の実施形態は、これらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、図4は、液体接触式フラックス除去手段(洗浄液散布部)の変形例を示す図である。上記実施形態では、液体接触式フラックス除去手段(洗浄液散布部)として、洗浄液を噴霧(散布)する噴霧ノズル84を用いたが、本変形例では、洗浄液をシャワー状に噴射(散布)する噴射シャワーパイプ99を用いている。
本変形例において、洗浄液導入管75から筐体98内の上下方向に二段に2つ設けられた噴射シャワーパイプ99へと送られてきた洗浄液は、噴射シャワーパイプ99に設けられた噴射孔99aからシャワー状に噴射される。筐体98の左側(図中)に接続された接続管81から筐体98内に送られた不活性ガスは、筐体98の下方から筐体98の上部に接続された接続管81へと向かいながら上方に進み、洗浄液のシャワーの中を通過する。
このように、噴射シャワーパイプ99を用いた変形例によれば、円形管83を用いた液体接触式フラックス除去手段(洗浄液散布部)と同様に、不活性ガス中に含まれる気化したフラックス成分は、洗浄液のシャワーにより冷却され、液化・結晶化され、元々不活性ガス中に含まれる液化又は結晶化したフラックス成分と共に回収することができる。
また、図5は、液体接触式フラックス除去手段(洗浄液散布部)の他の変形例を示す図である。上記実施形態では、液体接触式フラックス除去手段(洗浄液散布部)として、洗浄液を噴霧(散布)する噴霧ノズル84を用いたが、本変形例では、洗浄液を噴射(散布)する噴射シャワーパイプ104に加えて洗浄液をさらに飛散させる手段としての飛散用障害棒106を用いている。
本変形例において、洗浄液導入管75から噴射シャワーパイプ104へと送られてきた洗浄液は、噴射シャワーパイプ104に設けられた噴射孔104aからシャワー状に噴射される。また、筐体102内には、複数の飛散用障害棒106が設けられている。噴射シャワーパイプ104から噴射された洗浄液は、飛散用障害棒106にぶつかることにより、さらに筐体102内に飛散する。筐体102の左側(図中)に接続された接続管81から筐体102内に送られた不活性ガスは、筐体102の下方から筐体102の上部に接続された接続管81へと向かいながら上方に進み、筐体102内に飛散した洗浄液を通過する。
このように、噴射シャワーパイプ104と洗浄液飛散手段としての飛散用障害棒106を用いた変形例によれば、円形管83を用いた液体接触式フラックス除去手段(洗浄液散布部)と同様に、不活性ガス中に含まれる気化したフラックス成分は、洗浄液のシャワーにより冷却され、液化・結晶化され、元々不活性ガス中に含まれる液化又は結晶化したフラックス成分と共に回収することができる。特に、洗浄液をさらに飛散させるための飛散用障害棒106を備えているため、筐体102内で洗浄液をより均一に分散させることができ、確実にフラックス成分の除去を実現できる。
また、本実施の形態において、フラックス除去装置は、リフロー半田付け装置本体と別体に設けているが、リフロー半田付け装置本体内に一体に設けるように構成しても良い。本体内に一体に設ける場合には、結晶化してラジエータに付着したフラックス成分の清掃やフィルターの交換が容易に行えるような構造にするのが好ましい。
また、本実施の形態においては、炉内を不活性ガスで充満した構成としているが、そのまま空気(大気)を用いても良い。本明細書で雰囲気ガスというときは、不活性ガス及び空気の双方を含む概念である。
また、本実施の形態においては、洗浄液散布部の円形管を、筐体の上部から下部に向って縦方向に3段設ける構成としたが、これより多くても少なくても良い。この場合には、不活性ガスが確実に洗浄液の霧の中を通過できる構造にするのが好ましい。
また、本実施の形態においては、上部から下部に向って縦方向に3段設けられた円形管の噴霧ノズルは、垂直方向に全て同じ位置に整列する構成としたが、円形管の噴霧ノズルの位置をそれぞれ15°又は30°ずつ周方向にずらして取り付けても良い。これにより、円形管の内側に、隙間なく洗浄液を噴霧でき、確実に不活性ガスに接触させることができる。
また、本実施の形態においては、洗浄液散布部の円形管に、噴射ノズルを60°間隔で6個設ける構成としたが、これより多くても少なくても良い。この場合には、不活性ガス中に含まれるフラックス成分を除去するだけの洗浄液を噴霧することができる数の噴霧ノズルを備える構造にするのが好ましい。
また、本実施の形態においては、洗浄液散布部の円形管の内部に設けた噴射ノズルにより洗浄液を噴霧したが、他の方法により噴霧しても良い。例えば、洗浄液を貯蔵した貯蔵タンクに超音波発信機を設置し、超音波発信機の作動により洗浄液の霧を発生させ、筐体内に充満させるように構成しても良い。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は、第2の実施の形態に係るフィルター式洗浄液接触部200の概略断面図である。第1の実施の形態では、不活性ガスを直接洗浄液に接触させてフラックス成分を除去する液体接触式フラックス除去手段として、洗浄液散布部を使用したのに対し、第2の実施の形態では、液体接触式フラックス除去手段として、フィルター式洗浄液接触部200を使用する点が異なる。よって、第1の実施形態と同一の構成については、同じ符号を付して説明は省略し、異なる構成について詳しく説明する。
図6に示すように、本実施の形態に係るフィルター式洗浄液接触部200は、金属製の筐体202内に、方形状のフィルター204が格納されている。筐体202の上部には、洗浄液導入管75の先端部75aが固定して取り付けられる。また、洗浄液導入管75の先端部75aは、フィルター204の上面全体に接続されている。フィルター204は、プラスチック製で、1〜2mmの編み目が形成されている。したがって、洗浄液導入管75からフィルター204の上部にかけられる洗浄液は、フィルター204の編み目を伝わって、筐体202の下部に形成されている貯蔵タンク86へと落下する。
筐体202の図中左側面には、接続管81が接続されており、この接続管81を介して、ラジエータ部からの不活性ガスがフィルター部へと送り込まれる。フィルター204の四辺は、すべて筐体202の内壁面に接触して配置されている。すなわち、接続管81から送り込まれた不活性ガスが、フィルター204を必ず通過するようになっている。
貯蔵タンク86の下面には、ドレン排出プラグ87が設けられており、上述したラジエータ部と同様に、洗浄液の交換のために、洗浄液を排出可能に構成されている。また、図6に示すように、筐体202の下方右側面には、接続管81が接続されており、この接続管81から、フィルター式洗浄液接触部200を通過した雰囲気ガスが下流へ送り出される。
次に、フラックス除去装置における洗浄システムの作用について説明する。循環ポンプ78の作動により、洗浄液は洗浄液導入管75を通ってフィルター式洗浄液接触部へと圧送される。フィルター部に圧送された洗浄液は、先端部75aからフィルター204の編み目の表面を伝わりながら下方に向かっていき、貯蔵タンク86へと落下する。このとき、フィルター204を伝わる洗浄液によって、編み目が塞がれるように十分な量の洗浄液が供給されるように構成されている。
炉3から取り込んだ不活性ガスは、ラジエータ部から接続管81を通って筐体202内に取り込まれる。このとき、フラックス成分を含んだ不活性ガスは、フィルター204上を伝わる洗浄液に直接接触し、洗浄液を押し退けながら編み目を通過する。このとき、不活性ガス中に含まれるフラックスの結晶化成分及び液化成分が、洗浄液と混ざったり、溶解したりして回収される。また、洗浄液と接触することにより、不活性ガスが冷却されるため、さらにフラックスの気化成分が、液化・結晶化され、同様に洗浄液によって回収される。フィルター204を通過した不活性ガスは、図中矢印で示すように、筐体102内を下方に進み、筐体202の下方右側面に接続された接続管81から低温乾燥部へと送られる。
以上、詳細に説明したように、本実施の形態に係るフィルター式洗浄液接触部200は、第1の実施の形態と同様に、不活性ガスに含まれるフラックス成分を洗浄液で回収して除去することができるの、炉内に含まれる気化したフラックス成分を効率良く回収することが可能であり、また、炉内に気化したフラックス成分が充満することを防止できる。
なお、本実施形態に係るフィルター式洗浄液接触部は、上記構成に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。図7は、第2の実施の形態の変形例を示す図である。図7(a)は、変形例に係るフィルター式液体接触部の断面図、図7(b)は、斜視図を示している。上記第2の実施形態では、プラスチック製のフィルターを用いたが、本変形例では、麻製のフィルター204を用いている。また、本変形例では、フィルター204を所定の間隔で3枚並べて配置している。したがって、洗浄液導入管75の先端も3つに分岐されており、3つのフィルター204にそれぞれ洗浄液を供給するように構成されている。
本変形例は、麻製のフィルター204を採用しているため、フィルター204に供給された洗浄液は、フィルター204内に染み込んで下方向かう。不活性ガスは、洗浄液が染み込んだ麻製フィルター204を通過することで、フラックス成分が回収されることになる。
このように、麻製のフィルターを用いれば、プラスチック製のフィルターよりもきめ細かな編み目が形成されることになり、より多くのフラックス成分を回収することが可能である。また、3つのフィルターを設けることで、より確実にフラックス成分を回収することができる。
もちろん、本変形例以外にも、フィルター式洗浄液接触部のフィルター204として、種々の構成を採用することが可能である。例えば、フィルター式洗浄液接触部のフィルター204としては、図8(a)に示すように、縦型のスリット204aを等間隔に複数箇所設けたもの、また、図8(b)に示すように、横型のスリット204aを等間隔で複数箇所設けたもの、を使用しても良い。
また、図9(a)に示すように、丸型や角型等のパイプ204aを若干の隙間を開けて縦方向に配置したもの、また、図9(b)に示すように、丸型や角型等のパイプ204aを若干の隙間を開けて横方向に配置したものをフィルター204として使用しても良い。
また、図10に示すように、フィルター204の表面に複数の孔204aを設けたものをフィルター204として使用しても良い。
また、フィルター204として、金属等を格子状に組んだフィルター、麻以外の布製のフィルター、耐水性のあるペーパーフィルター等を使用しても良い。また、不活性ガスを通過させるための編み目の大きさも適宜変更であるが、フラックス成分の除去効率を考慮すれば、数mm等、なるべく小さいほうが好ましい。また、設置するフィルターの数も、装置の設置環境に合わせて、適宜変更可能である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図11は、第3の実施の形態に係る洗浄液浴槽部300の概略断面図である。第1の実施の形態では、不活性ガスを直接洗浄液に接触させてフラックス成分を除去する液体接触式フラックス除去手段として、洗浄液散布部を使用したのに対し、第3の実施の形態では、液体接触式フラックス除去手段として、洗浄液浴槽部300を使用する点が異なる。よって、第1の実施形態と同一の構成については、同じ符号を付して説明は省略し、異なる構成について詳しく説明する。
図11に示すように、本実施の形態に係る洗浄液浴槽部300は、金属製の筐体302を有し、筐体302の下部は、洗浄液が収容される貯蔵タンク86を構成している。また、洗浄液浴槽部300は、接続管81に接続され、貯蔵タンク86の洗浄液中に不活性ガスを放出するための吐出管88を備えている。接続管81は、筐体202の上面から洗浄液内部まで伸び、その先端開口部88aは、洗浄液中に配置される。また、本実施の形態においては、吐出管88から不活性ガスを洗浄液中に放出するための動力源として、ラジエータ部と筐体302とを接続する接続管81に、図示しないファンが設置されている。
次に、フラックス除去装置の作用について説明する。炉3からラジエータ部を介して送り込まれた不活性ガスは、ラジエータ部から接続管81を通って、吐出管88の先端から貯蔵タンク86の洗浄液内部に放出される。このとき、不活性ガス中に含まれるフラックス成分の液化・結晶化成分は、洗浄液中に溶解・混合する等して除去される。また、不活性ガスが洗浄液によって冷却されるため、不活性ガス中に含まれる気化したフラックス成分が液化・結晶化し、同じく洗浄液によって回収される。このようにして、不活性ガス中に含まれるフラックス成分を除去することができる。
以上、詳細に説明したように、本実施の形態に係るフラックス除去装置の洗浄液浴槽部200は、第1の実施の形態と同様に、炉内の不活性ガスに含まれる気化したフラックス成分を効率良く回収することが可能であり、また、フラックス成分を回収した不活性ガスを炉内へと循環させて、炉内に気化したフラックス成分が充満することを防止できる。
なお、本実施形態に係る洗浄液浴槽部300は、上記構成に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。図12は、第3の実施の形態の変形例を示す図である。上記第3の実施形態では、先端開口部88aを備えた吐出管88を用いたが、本変形例では、先端部に多孔吐出部88bを備えた吐出管88を用いている。
本変形例は、多孔吐出部88bを備えた吐出管88を採用しているため、炉3からラジエータ部を介して送り込まれた不活性ガスは、接続管81から吐出管88を通って多孔吐出部88b内に送り出され、多孔吐出部88bに設けられた複数の吐出孔から貯蔵タンク86の洗浄液内部に放出されることで、フラックス成分が回収されることになる。
このように、多孔吐出部88bを備えた吐出管88を用いた変形例によれば、第3の実施の形態と同様に、炉内の不活性ガスに含まれる気化したフラックス成分を効率良く回収することが可能であり、また、フラックス成分を回収した不活性ガスを炉内へと循環させて、炉内に気化したフラックス成分が充満することを防止できる。また、不活性ガスを多孔吐出部88bに設けられた複数の吐出孔から貯蔵タンク86の洗浄液内部に放出するので、第3の実施の形態に比べ、不活性ガスと洗浄液との接触面積を大きくすることができ、より多くのフラックス成分を回収することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図13は、第4の実施の形態に係る流下式洗浄液接触部400の概略断面図である。第1の実施の形態では、不活性ガスを直接洗浄液に接触させてフラックス成分を除去する液体接触式フラックス除去手段として、洗浄液散布部を使用したのに対し、第4の実施の形態では、液体接触式フラックス除去手段として、流下式洗浄液接触部400を使用する点が異なる。よって、第1の実施形態と同一の構成については、同じ符号を付して説明は省略し、異なる構成について詳しく説明する。
図13に示すように、本実施の形態に係る流下式洗浄液接触部400は、金属製の筐体402内に、洗浄液を流下させる手段としての複数の流下板406が設けられている。また、筐体402の側面上部には、洗浄液導入管75が接続される導入管接続部402aが設けられている。
流下板406は、筐体402左右の内壁面上下方向(図中)にそれぞれ6個設けられている。また、流下板406は、それぞれ筐体402の内壁面から筐体中央部に向けて下方に傾斜するように設けられ、左右の流下板406同士がぶつからないように、左右で半ピッチずれるように配置されている。また、一方側の流下板406を流れてきた洗浄液が、他方側の流下板406上に落ちるように、左右の流下板406は、その先端部が筐体中央付近で重なる程度の長さを有している。したがって、洗浄液導入管75から導入管接続部402aを介して筐体402内へと送られてきた洗浄液は、最上部の流下板406上を流れ(図中の矢印(一点鎖線で図示)参照)、順次下方側に配置された流下板406上に落下しながら流れていく。よって、流下する洗浄液は、隣接する上下の流下板406間では、滝のような洗浄液の壁を作ると共に、落下によって洗浄液を飛散させながら、最終的に筐体402の下部に形成されている貯蔵タンク86へと落下する。
筐体402の図中左側面には、接続管81が接続される不活性ガス導入管404が設けられ、この接続管81から不活性ガス導入404を介して、ラジエータ部からの不活性ガスが筐体402内へと送り込まれる。そして、筐体402内に送り込まれた不活性ガスは、筐体402の下方から左右で半ピッチずれて重なり合うように配置されている流下板406の隙間を通り、洗浄液の壁を突き破りながら上昇し、筐体402の上部に接続された接続管81を介して排出される。すなわち、接続管81から送り込まれた不活性ガスは、流下板406上を流下しながら飛散している洗浄液の中、及び洗浄液の壁を何度も通過するようになっている。
貯蔵タンク86の下面には、ドレン排出プラグ87が設けられており、上述したラジエータ部と同様に、洗浄液の交換のために、洗浄液を排出可能に構成されている。また、図15に示すように、筐体102の下方右側面には、接続管81が接続されており、この接続管81から、フィルター式洗浄液接触部100を通過した雰囲気ガスが下流へ送り出される。
次に、フラックス除去装置における洗浄システムの作用について説明する。循環ポンプ78の作動により、洗浄液は洗浄液導入管75を通ってフィルター式洗浄液接触部へと圧送される。フィルター部に圧送された洗浄液は、導入管接続部402aから筐体402内右側(図中)最上部に配置された流下板406上を伝わりながら筐体406中央部側へ向けて流れ(図中の矢印(一点鎖線で図示)参照)、筐体402内左側(図中)最上部に配置された流下板406上に落下する。次いで、洗浄液は、順次下方側に配置された流下板406上に落下しながら流れていき、貯蔵タンク86へと落下する。
炉3から取り込んだ不活性ガスは、ラジエータ部から接続管81を通って筐体402内に取り込まれる。このとき、フラックス成分を含んだ不活性ガスは、流下板406上を流下しながら飛散する洗浄液や洗浄液の滝にぶつかり、洗浄液に直接接触しながら筐体402内を通過する。このとき、不活性ガス中に含まれるフラックスの結晶化成分及び液化成分が、洗浄液と混ざったり、溶解したりして回収される。また、洗浄液と接触することにより、不活性ガスが冷却されるため、さらにフラックスの気化成分が、液化・結晶化され、同様に洗浄液によって回収される。流下板406の空間を通過した不活性ガスは、図中矢印(実線で図示)で示すように、筐体102内を上方に進み、筐体402の上方に接続された接続管81から低温乾燥部へと送られる。
以上、詳細に説明したように、本実施の形態に係る流下式洗浄液接触部400は、第1の実施の形態と同様に、不活性ガスに含まれるフラックス成分を洗浄液で回収して除去することができるの、炉内に含まれる気化したフラックス成分を効率良く回収することが可能であり、また、炉内に気化したフラックス成分が充満することを防止できる。
なお、本実施の形態に係る流下式洗浄液接触部400は、上記構成に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。図15は、第4の実施の形態の変形例を示す図である。上記第4の実施形態では、洗浄液を飛散しながら流下させる手段として、複数の流下板406を用いたが、本変形例では、洗浄液を飛散しながら流下させる手段として階段式流下部506を用いている。
本変形例は、階段式流下部506を採用しているため、洗浄液導入管75から供給される洗浄液は、洗浄液供給口508から階段流下部506へと圧送される。洗浄液供給口508から勢いよく噴出された洗浄液は、階段流下部506上面にぶつかって洗浄液を飛散しながら下方に流れ(図中の矢印(一点鎖線で図示)参照)、筐体502の下部に形成されている貯蔵タンク86へと落下する。
炉3からラジエータ部を介して送り込まれた不活性ガスは、接続管81から不活性ガス導入管504を通って筐体502内に取り込まれ、筐体502の上部に設けられた接続管81へ向けて、階段式流下部506とこれに対向する壁面で囲まれた空間を右斜め上方へと進む。このとき、フラックス成分を含んだ不活性ガスは、前記空間内を飛散しながら流れる洗浄液に直接接触しながら通過することによりフラックス成分が回収されることになる。
このように、階段式流下部506を用いた変形例によれば、第4の実施の形態と同様に、炉内の不活性ガスに含まれる気化したフラックス成分を効率良く回収することが可能であり、また、フラックス成分を回収した不活性ガスを炉内へと循環させて、炉内に気化したフラックス成分が充満することを防止できる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図15は、第5の実施の形態に係るフラックス除去装置600の概略断面図である。第1乃至第4の実施の形態では、不活性ガスを直接洗浄液に接触させてフラックス成分を除去する液体接触式フラックス除去手段を、リフロー半田付け装置本体と別体に設けていたのに対し、第5の実施の形態では、液体接触式フラックス除去手段を、リフロー半田付け装置本体内に設けた点が異なる。また、液体接触式フラックス除去手段としては、第2の実施の形態に係るフィルター式洗浄液接触部と同様の構成を採用している。よって、第1及び第2の実施形態と同一の構成については、説明を省略し、異なる構成について詳しく説明する。
図15に示すように、本実施の形態に係るフラックス除去装置600は、リフロー半田付け装置の炉3内の冷却室50内に設けられる。炉3内の加熱室等で過熱された気化したフラックス成分を含む不活性ガスは、加熱室等から室内温度の低い冷却室50内に多く流れ込むので、冷却室50内にフラックス除去装置を設置すれば、フラックス成分を効率的に回収することができる。
冷却室50には、チェーンコンベア6を中心にして上下(図中)2つの空間が形成されている。本実施の形態では、冷却室50の上下(図中)の空間には、それぞれ、室内の不活性ガス(気化したフラックス成分を含む)を対流させるためのモータ9を動力源とするファン8が設けられており、このファン8の回転を利用して、不活性ガスをフラックス除去装置600へと環流させている。
フラックス除去装置600は、冷却室50の上下それぞれの空間において、ファン8から図中左右方向に吹き出された不活性ガスをチェーンコンベア6近辺に向けて案内する吹き出し流路606a、606bと、チェーンコンベア6近辺から上(下)方のファン8へと不活性ガスを案内する吸い込み流路607a、607bとを備えている。吹き出し流路606a、606bと吸い込み流路607a、607bとの接続部分には、補助フィルター609a、609bが設けられている。
また、フラックス除去装置600は、第1フィルター式洗浄液接触部602と、第2フィルター式洗浄液接触部604と、フラックスを回収・除去するための洗浄液を第1フィルター式洗浄液接触部602と第2フィルター式洗浄液接触部604に循環させる洗浄液循環システムとから構成される液体接触式フラックス除去手段を有している。なお、第1フィルター式洗浄液接触部602と、第2フィルター式洗浄液接触部604とは、炉3の左右(図中)に同じ構成のものが左右対称に設けられているので、ここでは第1フィルター式洗浄液接触部602のみを説明し、第2フィルター式洗浄液接触部604の説明は省略する。
第1フィルター式洗浄液接触部602は、冷却室50内の上下の空間に設けられた吹き出し流路606a、606b中に設置された、方形状の複数のフィルター608a、608bを有している。本実施の形態において、吹き出し流路606aには、3つのフィルター608aが設置され、吹き出し流路606bには、2つフィルター608bが設置されている。フィルター608の構成は、第2の実施の形態と同じである。
第2の実施の形態と同様に、洗浄液導入管610からフィルター608a、608bの上部にかけられた洗浄液は、フィルター608a、608bの編み目(スリット)を伝わって、フィルター608a、608bの下部側に設けられている下部貯蔵部612a、612bに一時的に貯蔵される。そして、下部貯蔵部612a、612bに一時的に貯蔵された洗浄液は、洗浄液導入管610を介して貯蔵タンク614に貯蔵される。
洗浄液循環システムにおいては、循環ポンプ616の作動により、洗浄液が洗浄液導入管610を通ってフィルター608a、608bへと圧送される。フィルター608a、608bに圧送された洗浄液は、フィルター608の下部側に設けられている下部貯蔵部612a、612bに貯蔵され、続いて、下部貯蔵部612から洗浄液導入管610通って貯蔵タンク614へと貯蔵される。このとき、フィルター608a、608bを伝わる洗浄液によって、編み目(スリット)が塞がれるように十分な量の洗浄液が供給されるように構成されている。
このような構成において、冷却室50内の不活性ガスは、吸い込み流路607a、607bを介してファン8に吸引され、吹き出し流路606a、606bへと送り込まれる。このとき、フラックス成分を含んだ不活性ガスは、フィルター608a、608b上を伝わる洗浄液に直接接触し、洗浄液を押し退けながら編み目(スリット)を通過する。このとき、不活性ガス中に含まれるフラックスの結晶化成分及び液化成分が、洗浄液と混ざったり、溶解したりして回収される。また、洗浄液と接触することにより、不活性ガスが冷却されるため、さらにフラックスの気化成分が、液化・結晶化され、同様に洗浄液によって回収される。
フィルター608a、608bを通過した不活性ガスは、図中矢印で示すように、吹き出し流路606a、606b内を下方に進み、網目状の補助フィルター609a、609bを通過する。このとき、フラックス成分を含んだ不活性ガスは、補助フィルター609a、609bによって、液化又は結晶化したフラックス成分が濾し取られる。濾し取られたフラックス成分は、補助フィルター609a、609b上を伝わって下方側に流れ、洗浄液導入管610を通って貯蔵タンク614へ貯蔵される。
以上、詳細に説明したように、本実施の形態に係るフラックス除去装置600は、第1の実施の形態と同様に、不活性ガスに含まれるフラックス成分を洗浄液で回収して除去することができるの、炉内に含まれる気化したフラックス成分を効率良く回収することが可能であり、また、炉内に気化したフラックス成分が充満することを防止できる。
なお、本実施形態に係るフラックス除去装置600は、上記構成に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、本実施の形態では、フラックス除去装置600を炉3内の冷却室50に設けて不活性ガスに含まれるフラックス成分を洗浄液で回収して除去したが、バッファゾーン20内にフラックス除去装置600を設けても良い。この場合には、バッファゾーン内に、室内で不活性ガスを対流させるためのファン等を設ける必要がある。
また、本実施の形態において、フラックス除去装置600のフィルター608aは、吹き出し流路606aに3つ、また、フィルター608bは吹き出し流路606bに2つ格納する構成としたが、これより多くても少なくても良く、使用状態に応じて適宜変更可能である。
また、本実施の形態おいて、フラックス除去装置600は、第1フィルター式洗浄液接触部602と、第2フィルター式洗浄液接触部604とに、それぞれポンプ616を設置して、別々の洗浄液循環システムとして構成したが、図16に示すように、洗浄液導入管610で、第1フィルター式洗浄液接触部602と、第2フィルター式洗浄液接触部604とを接続し、単一のポンプ616で駆動する洗浄液循環システムとしても良い。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。図17は、第6の実施の形態に係るフラックス除去装置700の概略断面図である。第1乃至第4の実施の形態では、不活性ガスを直接洗浄液に接触させてフラックス成分を除去する液体接触式フラックス除去手段を、リフロー半田付け装置本体と別体に設けていたのに対し、第6の実施の形態では、第5の実施形態と同様に、液体接触式フラックス除去手段を、リフロー半田付け装置本体内に設けた点が異なる。また、液体接触式フラックス除去手段としては、第1の実施の形態に係る液体接触式フラックス除去手段(洗浄液散布部)と同様の構成を有し、詳細には、第1の実施の形態の変形例(図4参照)と同様に、洗浄液をシャワー状に噴射(散布)する噴射シャワーパイプ702を用いている。よって、第1及び第5の実施形態と同一の構成については、説明を省略し、異なる構成について詳しく説明する。
図17に示すように、本実施の形態に係るフラックス除去装置700は、リフロー半田付け装置の炉3内の冷却室50内に設けられる。本実施の形態では、冷却室50の上部(図中)には、室内の不活性ガス(気化したフラックス成分を含む)を対流させるためのモータ9を動力源とするファン8が設けられており、このファン8の回転を利用して、不活性ガスを炉3内で環流(図中矢印参照)させている。
フラックス除去装置700には、冷却室50内に、噴射シャワーパイプ702が設けられている。噴射シャワーパイプ702は、洗浄液をシャワー状に噴射することができる複数の噴射孔702aを有している。
また、フラックス除去装置700は、噴射シャワーパイプ702に洗浄液を供給して噴射孔702aから洗浄液を噴射させるために、循環ポンプ704と、洗浄液導入管706と、洗浄液貯蔵タンク708とから構成される洗浄液循環システムを備えている。
洗浄液循環システムにおいては、循環ポンプ704の作動により、洗浄液が洗浄液導入管706を通って、噴射シャワーパイプ702へと圧送される。噴射シャワーパイプ702に圧送された洗浄液は、噴射孔702aからシャワー状に噴射され、炉3の冷却部50の下部に貯まる。冷却部50の下部に貯まった洗浄液は、洗浄液導入管706通って貯蔵タンク708へと循環される。
このような構成において、冷却室50内を還流(図中矢印参照)する不活性ガスは、噴射シャワーパイプ702の噴射孔702aからシャワー状に噴射される洗浄液に接触することにより、不活性ガス中に含まれるフラックス成分が冷却され、液化・結晶化され、元々不活性ガス中に含まれる液化又は結晶化したフラックス成分と共に回収される。
以上、詳細に説明したように、本実施の形態に係るフラックス除去装置700は、第1の実施の形態と同様に、不活性ガスに含まれるフラックス成分を洗浄液で回収して除去することができるの、炉内に含まれる気化したフラックス成分を効率良く回収することが可能であり、また、炉内に気化したフラックス成分が充満することを防止できる。
なお、本実施形態に係るフラックス除去装置700は、上記構成に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、本実施の形態では、フラックス除去装置700を炉3内の冷却室50に設けて不活性ガスに含まれるフラックス成分を洗浄液で回収して除去したが、バッファゾーン20内にフラックス除去装置700を設けても良い。この場合には、バッファゾーン内に、室内で不活性ガスを対流させるためのファン等を設ける必要がある。
また、本実施の形態においては、冷却室50内に、噴射シャワーパイプ702を設けて、噴射シャワーパイプ702の噴射孔702aから洗浄液をシャワー状に噴射したが、他の方法により噴射されても良い。例えば、第1の実施の形態の変形例(図4参照)と同様に、冷却室50内の上下方向に二段に2つの噴射シャワーパイプを設けて洗浄液を噴射するように構成しても良い。また、第1の実施の形態の変形例(図5参照)と同様に、噴射シャワーパイプ702に加えて洗浄液をさらに飛散させる手段としての飛散用障害棒を用いても良い。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。図18は、第7の実施の形態に係るフラックス除去装置800の概略断面図である。第1乃至第4の実施の形態では、不活性ガスを直接洗浄液に接触させてフラックス成分を除去する液体接触式フラックス除去手段を、リフロー半田付け装置本体と別体に設けていたのに対し、第6の実施の形態では、第5及び第6の実施形態と同様に、液体接触式フラックス除去手段を、リフロー半田付け装置本体内に設けた点が異なる。また、液体接触式フラックス除去手段としては、第3の実施の形態に係る洗浄液浴槽部と同様の構成を有し、詳細には、第3の実施の形態の変形例(図12参照)と同様に、複数の吐出孔を備えた多孔吐出部806を用いている。よって、第3、第5及び第6の実施形態と同一の構成については、説明を省略し、異なる構成について詳しく説明する。
図18に示すように、本実施の形態に係るフラックス除去装置800は、リフロー半田付け装置の炉3内の冷却室50内に設けられる。本実施の形態では、冷却室50の上部(図中)には、室内の不活性ガス(気化したフラックス成分を含む)を対流させるためのモータ9を動力源とするファン8が設けられており、このファン8の回転を利用して、不活性ガスを炉3内で環流(図中矢印参照)させている。
フラックス除去装置800は、冷却室50内に、送風機802と、送風機802から接続管804を介して接続された多孔吐出部806とを備えている。また、フラックス除去装置800は、炉3の冷却室50と洗浄液貯蔵タンク808とが、洗浄液導入管808により接続されており、冷却室50の下部に一定量の洗浄液が供給され貯蔵される。本実施の形態においては、冷却室50内に還流(図中矢印参照)する不活性ガスを、送風機802で吸引しながら、接続管804を介して多孔吐出部806へと送り出し、多孔吐出部806に設けられた複数の吐出孔から、炉3内の冷却室50の下部に収容された洗浄液内部に放出される。
次に、フラックス除去装置の作用について説明する。炉3の冷却室50内から送風機802を介して多孔吐出部806へと送り込まれた不活性ガスは、多孔吐出部806に設けられた複数の吐出孔から洗浄液内部に放出される。このとき、不活性ガス中に含まれるフラックス成分の液化・結晶化成分は、洗浄液中に溶解・混合する等して除去される。また、不活性ガスが洗浄液によって冷却されるため、不活性ガス中に含まれる気化したフラックス成分が液化・結晶化し、同じく洗浄液によって回収される。このようにして、不活性ガス中に含まれるフラックス成分を除去することができる。
以上、詳細に説明したように、本実施の形態に係るフラックス除去装置800は、第1の実施の形態と同様に、不活性ガスに含まれるフラックス成分を洗浄液で回収して除去することができるので、炉内に含まれる気化したフラックス成分を効率良く回収することが可能であり、また、炉内に気化したフラックス成分が充満することを防止できる。また、不活性ガスを多孔吐出部806に設けられた複数の吐出孔から貯蔵タンク86の洗浄液内部に放出するので、不活性ガスと洗浄液との接触面積を大きくすることができ、より多くのフラックス成分を回収することができる。
なお、本実施形態に係るフラックス除去装置800は、上記構成に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、本実施の形態では、フラックス除去装置800を炉3内の冷却室50に設けて不活性ガスに含まれるフラックス成分を洗浄液で回収して除去したが、バッファゾーン20内にフラックス除去装置800を設けても良い。この場合には、バッファゾーン内に、室内で不活性ガスを対流させるためのファン等を設ける必要がある。
また、本実施の形態においては、多孔吐出部806に設けられた複数の吐出孔から洗浄液内部に放出するように構成したが、他の構成を採用しても良い。例えば、第3の実施の形態の変形例(図11参照)と同様に、送風機802に接続された接続管804から直接洗浄液中に不活性ガスを放出しても良い。
図1は、第1の実施の形態に係るリフロー半田付け装置本体の構成を示す概略正面側断面図である。 図2は、第1の実施の形態に係るリフロー半田付け装置の構成を示す概略側面側断面図である。 図3は、第1の実施の形態に係るフラックス除去装置の構成を示す概略断面図である。 図4は、液体接触式フラックス除去手段(洗浄液散布部)の変形例を示す図である。 図5は、液体接触式フラックス除去手段(洗浄液散布部)の他の変形例を示す図である。 図6は、第2の実施の形態に係るフィルター式洗浄液接触部の概略断面図である。 図7は、第2の実施の形態に係る変形例を示す図である。 図8は、第2の実施の形態に係る他の変形例を示す図である。 図9は、第2の実施の形態に係る他の変形例を示す図である。 図10は、第2の実施の形態に係る他の変形例を示す図である。 図11は、第3の実施の形態に係る洗浄液浴槽部の概略断面図である。 図12は、第3の実施の形態に係る変形例を示す図である。 図13は、第4の実施の形態に係る流下式洗浄液接触部の概略断面図である。 図14は、第4の実施の形態に係る他の変形例を示す図である。 図15は、第5の実施の形態に係るフラックス除去装置の構成を示す概略断面図である。 図16は、第5の実施の形態に係るフラックス除去装置の変形例を示す図である。 図17は、第6の実施の形態に係るフラックス除去装置の構成を示す図である。 図18は、第7の実施の形態に係るフラックス除去装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 リフロー半田付け装置
3 炉
6 チェーンコンベア
7 ヒータ
8 ファン
9 モータ
20 バッファゾーン
30 予備加熱室
40 本加熱室
50 冷却室
60 循環往路
61 循環復路
70 フラックス除去装置
72 ラジエータ
74 ラジエータシャワーパイプ
75 洗浄液導入管
76 フィルター
77 循環ポンプ
78 循環ポンプ
79,86,93 貯蔵タンク
80,87,94 ドレン排出プラグ
83 円形管
84 噴霧ノズル
90 ガス管
91 冷却管
92 冷却ユニット
96 ファン
97 モータ
200 フィルター式洗浄液接触部
300 洗浄液浴槽部
400 流下式洗浄液接触部
600 フラックス除去装置
700 フラックス除去装置
800 フラックス除去装置

Claims (16)

  1. 加熱ゾーンを含む炉と搬送手段とを有し、電子部品を搭載した基板を前記搬送手段により搬送しながら前記炉内で加熱して半田付けするリフロー半田付け装置において、
    前記炉内の雰囲気ガスを炉外に取り出すための管路と、
    前記管路を介して取り出された雰囲気ガス内に含まれるフラックス成分を除去するフラックス除去手段であって、雰囲気ガスを直接洗浄液に接触させてフラックス成分を除去する液体接触式フラックス除去手段と、を備えることを特徴とするリフロー半田付け装置。
  2. 前記液体接触式フラックス除去手段は、洗浄液を散布する散布手段を有し、雰囲気ガスを前記散布手段によって散布された洗浄液の中を通過させることでフラックス成分を除去することを特徴とする請求項1記載のリフロー半田付け装置。
  3. 前記散布手段は、前記洗浄液をシャワー状に噴射する噴射手段であることを特徴とする請求項2記載のリフロー半田付け装置。
  4. 前記散布手段は、前記洗浄液を霧状に噴霧する噴霧手段であることを特徴とする請求項2記載のリフロー半田付け装置。
  5. 前記液体接触式フラックス除去手段は、編み目又はスリットが形成されたフィルターと、前記フィルターの編み目又はスリットに洗浄液を伝わらせるために前記フィルターに上方から洗浄液をかける洗浄液供給手段と、を有し、雰囲気ガスに前記フィルターを通過させることでフラックス成分を除去することを特徴とする請求項1記載のリフロー半田付け装置。
  6. 前記液体接触式フラックス除去手段は、洗浄液を溜めておく貯蔵タンクと、雰囲気ガスを前記洗浄液中に放出するための吐出管とを有し、雰囲気ガスに前記洗浄液中を通過させることでフラックス成分を除去することを特徴とする請求項1記載のリフロー半田付け装置。
  7. 前記液体接触式フラックス除去手段を通過した雰囲気ガスを乾燥させるための乾燥手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6記載のリフロー半田付け装置。
  8. 電子部品を搭載した基板を搬送手段により搬送しながら炉内で加熱して半田付けするリフロー半田付け装置に対して、前記炉内で発生したフラックス成分を除去するためのフラックス除去装置において、
    雰囲気ガスを直接洗浄液に接触させてフラックス成分を除去する液体接触式フラックス除去手段を備えることを特徴とするフラックス除去装置。
  9. 電子部品を搭載した基板を搬送手段により搬送しながら炉内で加熱して半田付けするリフロー半田付け装置において、前記炉内で発生したフラックス成分を、フラックス除去手段を用いて除去するフラックス成分除去方法であって、
    前記炉内の雰囲気ガスを炉外へ取り出す工程と、
    前記炉外に取り出された雰囲気ガスを洗浄液に直接接触させることで、雰囲気ガス内のフラックス成分を除去する工程と、を備えたことを特徴とするフラックス成分除去方法。
  10. 加熱ゾーンを含む炉と搬送手段とを有し、電子部品を搭載した基板を前記搬送手段により搬送しながら前記炉内で加熱して半田付けするリフロー半田付け装置において、
    前記炉内の雰囲気ガス内に含まれるフラックス成分を除去するフラックス除去手段であって、雰囲気ガスを直接洗浄液に接触させてフラックス成分を除去する液体接触式フラックス除去手段と、を備えることを特徴とするリフロー半田付け装置。
  11. 前記炉は、冷却ゾーンを備えており、
    前記液体接触式フラックス除去手段は、冷却ゾーン内に設けられていると共に、
    前記液体接触式フラックス除去手段は、編み目又はスリットが形成されたフィルターと、前記フィルターの編み目又はスリットに洗浄液を伝わらせるために前記フィルターに上方から洗浄液をかける洗浄液供給手段と、を有し、雰囲気ガスに前記フィルターを通過させることでフラックス成分を除去することを特徴とする請求項10記載のリフロー半田付け装置。
  12. 前記炉は、入口及び出口に炉内と炉外との緩衝地帯として働くバッファゾーンを備えており、
    前記フラックス除去手段は、前記バッファゾーン内に設けられていると共に、
    前記液体接触式フラックス除去手段は、編み目又はスリットが形成されたフィルターと、前記フィルターの編み目又はスリットに洗浄液を伝わらせるために前記フィルターに上方から洗浄液をかける洗浄液供給手段と、を有し、雰囲気ガスに前記フィルターを通過させることでフラックス成分を除去することを特徴とする請求項10記載のリフロー半田付け装置。
  13. 前記炉は、冷却ゾーンを備えており、
    前記液体接触式フラックス除去手段は、前記冷却ゾーン内に設けられていると共に、
    前記液体接触式フラックス除去手段は、洗浄液を散布する散布手段を有し、雰囲気ガスを前記散布手段によって散布された洗浄液の中を通過させることでフラックス成分を除去することを特徴とする請求項10記載のリフロー半田付け装置。
  14. 前記炉は、入口及び出口に炉内と炉外との緩衝地帯として働くバッファゾーンを備えており、
    前記液体接触式フラックス除去手段は、前記バッファゾーン内に設けられていると共に、
    前記液体接触式フラックス除去手段は、洗浄液を散布する散布手段を有し、雰囲気ガスを前記散布手段によって散布された洗浄液の中を通過させることでフラックス成分を除去することを特徴とする請求項10記載のリフロー半田付け装置。
  15. 前記炉は、冷却ゾーンを備えており、
    前記液体接触式フラックス除去手段は、前記冷却ゾーン内に設けられていると共に、
    前記液体接触式フラックス除去手段は、洗浄液を溜めておく貯蔵タンクと、雰囲気ガスを前記洗浄液中に放出するための吐出管とを有し、雰囲気ガスに前記洗浄液中を通過させることでフラックス成分を除去することを特徴とする請求項10記載のリフロー半田付け装置。
  16. 前記炉は、入口及び出口に炉内と炉外との緩衝地帯として働くバッファゾーンを備えており、
    前記液体接触式フラックス除去手段は、前記バッファゾーン内に設けられていると共に、
    前記液体接触式フラックス除去手段は、洗浄液を溜めておく貯蔵タンクと、雰囲気ガスを前記洗浄液中に放出するための吐出管とを有し、雰囲気ガスに前記洗浄液中を通過させることでフラックス成分を除去することを特徴とする請求項10記載のリフロー半田付け装置。
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