JP2004063677A - 噴流半田付け装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品の小型化に対しても熱効率良く半田付けが行え、局所的に半田付けが行える構成とする。
【解決手段】半田3を吐出する吐出口5aが形成された噴流ノズル5を有し、半田槽2の内部を溶融した半田3が循環して、噴流ノズル5上に配置される回路基板20に対し、半田3が吐出口5aより吐出して半田付けを行う噴流半田付け装置1において、吐出口5aには切欠き5bが形成されて、切欠き5bに半田3を斜め下方へと導くフード5cを設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】半田3を吐出する吐出口5aが形成された噴流ノズル5を有し、半田槽2の内部を溶融した半田3が循環して、噴流ノズル5上に配置される回路基板20に対し、半田3が吐出口5aより吐出して半田付けを行う噴流半田付け装置1において、吐出口5aには切欠き5bが形成されて、切欠き5bに半田3を斜め下方へと導くフード5cを設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板に対して半田付けを行う噴流半田付け装置に関するものであり、特に、噴流半田付け装置の半田を吐出する噴流ノズルの吐出口の構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、抵抗、トランジスタ、コンデンサ等に代表される電子部品は、回路基板上との接合において、半田付けが成されるが、この半田付けは、生産性向上の面から自動化され、半田付け装置により成される。
【0003】
この半田付け装置は、内部に溶融した半田を溜めておく半田槽を備え、半田槽の内部を溶融した半田を循環させ、半田槽内部を循環した半田が、吐出口の上部に配置される回路基板に対し、噴流ノズルの吐出口より吐出させ、これによって、回路基板の局所的な半田付け部に半田付けを行うものである。通常、この様な半田付け装置では、モータによって、半田槽内部で溶解させた半田を循環させて、噴流ノズルへと導き、吐出口より半田を噴き出す構成となっている。
【0004】
効率良く吐出口より半田を噴き出すことを目的として、図7に示す如く、吐出口に工夫が施されている。つまり、図7の(a)では、回路基板が配置される噴流ノズルの吐出口の一部には、半田を、再度、溶解半田槽に循環させる切欠きが形成されたり、(b)では、送給筒ノズルの途中に逃がし孔が設けられる。また、(c)では、噴流ノズル内で上方へと噴き上げられた半田が、下方へと向かうガイドが噴流ノズルの中に一体で形成される3つの構造がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した3つの構造の中で、(a)に示す構造では、噴流ノズルの上部に切欠きが形成され、噴流ノズル内の上昇した半田の一部を、切欠きを通して半田槽に戻す構成として、吐出口上に配置された回路基板に半田付けを行うことができる。この構成では、回路基板に対して熱効率良く半田付けを行うことができる。しかし、この構成では単に切欠きが吐出口に形成されていることにより、吐出口から噴き出した半田が、局所半田付けを行う以外の部位(例えば、半田付けが必要ない電子部品等)に付着して、品質に影響を与える。また、切欠きから下方に流れ出る半田は、大気(空気)と触れて、溶解半田槽に戻る過程において酸化する。よって、溶解された半田の中には酸化物が多く発生する。これは、酸化物を含む半田が、再度、半田槽内部で循環されて半田付けが行われることから、半田付けの品質の低下を招いてしまう。
【0006】
また、(b)に示す構造では、送給筒ノズルの上部よりも下方に半田を再度循環させる循環用の逃がし孔が形成される。噴流ノズルに上昇した溶融した半田を逃がし孔を介して逃がし、回路基板の半田付けを行うことができるが、この構成では、回路基板に与える熱効率が(a)に比べて若干低下する。また、(a)に比べて、半田が流れ出る位置が低くなるため、半田付けを必要とする局所以外に半田が付着する可能性は低くなる。しかし、吐出口より下方に半田が大気と触れる逃がし孔が形成されるので、両者の温度差が発生し得ることから、半田付け熱量が不足し、その結果、半田付けの品質に影響を与えるものとなる。
【0007】
更に、(c)に示す構造では、送給筒ノズルの上部に、半田が下方に向かうガイド筒を付けて、噴流ノズルより上昇した溶融はんだをガイド筒により下方の半田溶融層へと導き、熱効率良く、しかも、半田を吐出口より吐出時に噴流の飛び散りによる影響を回避しながら半田付けを行うものであるが、電子部品が小型化になると、それに伴いガイド筒付きのノズルが小さくなるので、ガイド筒の内部に半田を半田溶融層へと導くために十分な径(例えば、2mm以上)を確保する必要があり、噴流ノズルの小型化が難しい。
【0008】
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、熱効率良く半田付けが行え、局所的に半田付けが行える構成とすることを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、半田を吐出する吐出口が形成された噴流ノズルを有し、半田槽の内部を溶融した半田が循環して、前記噴流ノズル上に配置される回路基板に対し、半田が前記吐出口より吐出して半田付けを行う噴流半田付け装置において、前記吐出口には切欠きが形成され、該切欠きに半田を斜め下方へと導くフードを設けたことである。
【0010】
上記した手段によれば、吐出口に切欠きを形成し、切欠きに半田を斜め下方へと導くフードを設けたことにより、図7の(a)に示す切欠きノズルの構成と同等の熱効率が得られる。また、噴流ノズルの小型化を熱効率良く行え、フードにより、切欠きより流れ出る半田は単に切欠きを設けた場合に比べて大気とは触れにくくなるので、酸化物の発生が抑えられる。更に、斜め下方へと半田を導くフードにより吐出口より噴流した半田が半田付けが必要な局所以外の場所に付着することが防止されるので、半田付け不良が防止され、信頼性が向上する。更にその上、簡単且つ安価な構造となる。
【0011】
この場合、切欠きは噴流ノズルに対で形成され、対の切欠きにフードを設ければ、熱容量が大きい電子部品に対しても、半田付けが行われる半田面では半田が均一な溶解温度で吐出口から噴き出る。この為、信頼性良く半田付けを行うことが可能である。これは、大きな形状の電子部品に対して有効である。
【0012】
また、フードが筒状であれば、筒状のフード内を溶融した半田が大気に触れずに流れるので、酸化物を生成することが抑えられる。この場合、フード内では、半田の中に存在するフラックスや不純物の停滞が低減される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、噴流半田付け装置(単に、本装置と称す)1の全体の構成図である。本装置1は、有底箱状の半田槽2の内部に満たされた溶融半田(単に、半田と称す)3を、ポンプモータ(単に、モータと称す)6の回転によりインペラ8を回転させ、溶融半田槽10の半田3を噴流ノズル5から吐出させる。これによって、噴流ノズル上に配置される回路基板20の裏面の所定の半田付け部20bに半田付けを行う装置である。
【0014】
本装置1は溶融した半田を溜めることができる半田槽2を備え、半田槽2の下部には半田を溶解させるヒーターを備えている。また、本装置1は、半田3を攪拌させるためのインペラ8を回転させるモータ6を備えている。半田槽2はインペラ8が配設される位置にて、区画壁11により上下に区画されている。この区画壁11には、有底筒状の支持プレート4が逆向きになった状態で立設しており、この支持プレートの上端部4aに中空円筒状の噴流ノズルが固定されている。
【0015】
この様な構成によって、モータ6を駆動すると、モータ6のシャフト7が回転し、シャフト7に固定されたインペラ8が回転する。インペラ8が回転すると、区画壁11の上部にまで溜まった半田3がインペラ8の回転によって、インペラ8の下方へと導かれる。下方に導かれた半田3は、区画壁11により容積が区画されているので、区画へ機11の下側では体積膨張する為に、下方から上方へ半田3が噴出し、その半田3が噴流ノズル5へと導かれる。噴流ノズル5へと導かれた半田3は、噴流ノズルの上部の吐出口5aから噴出する。
【0016】
この場合、吐出口5aの上部には、図3に示す様に、抵抗22、コンデンサ24、トランジスタ23のチップ部品22や、コネクタ21と言った電子部品25が回路基板20の所定位置にて、リード25が回路基板20に形成された取付孔20aにそれぞれ挿入され、回路基板上に組み付けられた状態で配置されると、吐出口5aから噴出した半田3により、回路基板20の裏面の半田付け面20bに対して、半田付けがなされる。吐出口5aから噴出した半田3の一部は半田付け面に溶融した状態で付着するが、付着されない残りの半田3は噴流ノズル5の筒状となった外壁を伝って、支持プレート4の外側へと流れてゆき、再度、区画壁11の上方へと溜められる。そして、区画壁11の上方へと溜まった半田3はインペラ8の回転により上記した動作を何度も繰り返し、半田槽2の内部で循環するものとなる。
【0017】
本実施形態では、上記した構成において噴流ノズル5の構造に対して、図2に示す如く、改良を加えている。つまり、本実施形態では、回路基板20において半田付けを局所的に行う噴流ノズル5の上部の吐出口5aに対して、噴流ノズル5の上端に切欠き5bを形成し、切欠き5bの外側において上方よりも下方が広がり、半田3を斜め下方に導くフード5aを噴流ノズル5に対して溶接等により取り付けている。このフード5aは、吐出口5aに噴き上がってきた半田3の残りを、再度、溶融半田槽10に効率よく戻す機能を有する。この場合、図2に示す様に、噴流ノズル5の形状が柱状であれば、切欠き5bの半田を下方へと逃がす幅は、例えば、少なくとも4mm以上あると良い。また、フード5aの鉛直方向に対する角度は15度程度であれば、吐出口5aから回路基板20に対して噴き出される半田3は、一部が半田付け面に付着するが、その残りの半田3はフード5cを介して斜め下方へと導かれ、自重によって溶解半田槽10へと流れる。この際、噴流ノズル5に単に形成された切欠きと比べて、図2に示す構成を取れば切欠きから流れ出す半田3は大気に触れにくくなるので、酸化物が生成されにくくなり、酸化物が多く含まれない半田3によって半田付けが可能となる。
【0018】
尚、上記した噴流ノズル5は回路基板上において、局所的に半田付けを行う部位が何箇所か存在する場合には、複数設けることも可能である。この噴流ノズル5に取り付けられるフード5cは、半田3が吐出口5aから噴出した場合に、半田付けが必要ない回路基板上の部位に半田3が付着することも防止することができる。
【0019】
また、この噴流ノズル5は、図5に示す第2実施形態の如く、吐出口5aに対して、対(例えば、向かい合った面の両側)に切欠き5bを形成し、切欠き5bを覆うように吐出口5aから噴出した半田3を両側の斜め下方へと導くフード5cをそれぞれ噴流ノズル5に取り付けても良い。この様に、1つの噴流ノズル5に対して両側に複数のフード5cを取り付ければ、上記した効果に加え、次に示す効果も奏することができる。つまり、回路基板20の熱容量がチップ状の部品22に比べて遥かに大きい電子部品に対しては、切欠き5bの大きさを増大させて半田3を溶解させる熱量を上げて半田付けを行うことができる。この構成を取れば、コネクタ等の熱容量が大きな電子部品でも半田付け面の半田温度の均一化を図って、半田付け後、半田の肉厚が所々で変化する半田むらを防止することができる。
【0020】
また、噴流ノズル5は、図6に示す第3実施形態の如く、フード5cに代わり中空円筒状のパイプ部材5dを用いても良い。この様に、パイプ部材5dを用いれば、切欠き5bから半田3をパイプ部材5dの内部を流して効率良く下方へと排出することができる。この場合、半田3はパイプ部材5dの内部を流れるので、大気に触れることが少なくなるので、酸化物が生成されにくい。よって、半田付けの信頼性が向上する。
【0021】
本実施形態では、噴流ノズル5に切欠き5bを形成し、切欠き5bにフード5cあるいはパイプ部材5dを取り付けて半田付けの信頼性を向上させる構成としたが、この構成において、切欠き5bを深く、フード5cまたはパイプ部材5dの半田3を斜め下方へと導く取付け角度を大きくする事により、半田3の噴流循環量を変化させて、回路基板20に与える熱量を任意に変えることができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、吐出口に切欠きを形成し、切欠きに半田を斜め下方へと導くフードを設けたことにより、半田付け時の熱効率を良くすることができる。また、噴流ノズルの小型化ができ、フードを設けることにより、半田は大気とは触れにくくなり、酸化物の発生を抑えることができる。更に、斜め下方へと半田を導くフードにより、吐出口より噴流した半田が、半田付けが必要な局所以外の場所に付着することを防止できるので、半田付け不良を防止でき、信頼性を向上させることができる。
【0023】
この場合、切欠きは噴流ノズルに対で形成され、対の切欠きにフードを設ければ、熱容量が大きい電子部品に対しても、半田付けが行われる半田面では半田が均一な溶解温度で吐出口から噴き出されるので、信頼性良く半田付けを行うことができる。
【0024】
また、フードが筒状であれば、筒状のフード内を溶融した半田が大気に触れずに流れるので、酸化物の生成を抑え、筒状のフード内では半田の中に存在するフラックスや不純物の停滞を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における噴流半田付け装置の構成図である。
【図2】図1に示す噴流ノズルの構造を示す斜視図である。
【図3】図1に示す噴流半田付け装置により半田付けが行われる電子回路が搭載された回路基板の正面図である。
【図4】図3に示す回路基板の側面図である。
【図5】図1に示す噴流ノズルの第2実施形態における変形例である。
【図6】図1に示す噴流ノズルの第3実施形態における変形例である。
【図7】従来例における噴流半田付け装置の噴流ノズルの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 噴流半田付け装置
2 半田槽
3 溶融半田(半田)
4 支持プレート
5 噴流ノズル
5a 吐出口
5b 切欠き
5c フード
5d 筒状フード
20 回路基板
25 電子部品
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板に対して半田付けを行う噴流半田付け装置に関するものであり、特に、噴流半田付け装置の半田を吐出する噴流ノズルの吐出口の構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、抵抗、トランジスタ、コンデンサ等に代表される電子部品は、回路基板上との接合において、半田付けが成されるが、この半田付けは、生産性向上の面から自動化され、半田付け装置により成される。
【0003】
この半田付け装置は、内部に溶融した半田を溜めておく半田槽を備え、半田槽の内部を溶融した半田を循環させ、半田槽内部を循環した半田が、吐出口の上部に配置される回路基板に対し、噴流ノズルの吐出口より吐出させ、これによって、回路基板の局所的な半田付け部に半田付けを行うものである。通常、この様な半田付け装置では、モータによって、半田槽内部で溶解させた半田を循環させて、噴流ノズルへと導き、吐出口より半田を噴き出す構成となっている。
【0004】
効率良く吐出口より半田を噴き出すことを目的として、図7に示す如く、吐出口に工夫が施されている。つまり、図7の(a)では、回路基板が配置される噴流ノズルの吐出口の一部には、半田を、再度、溶解半田槽に循環させる切欠きが形成されたり、(b)では、送給筒ノズルの途中に逃がし孔が設けられる。また、(c)では、噴流ノズル内で上方へと噴き上げられた半田が、下方へと向かうガイドが噴流ノズルの中に一体で形成される3つの構造がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した3つの構造の中で、(a)に示す構造では、噴流ノズルの上部に切欠きが形成され、噴流ノズル内の上昇した半田の一部を、切欠きを通して半田槽に戻す構成として、吐出口上に配置された回路基板に半田付けを行うことができる。この構成では、回路基板に対して熱効率良く半田付けを行うことができる。しかし、この構成では単に切欠きが吐出口に形成されていることにより、吐出口から噴き出した半田が、局所半田付けを行う以外の部位(例えば、半田付けが必要ない電子部品等)に付着して、品質に影響を与える。また、切欠きから下方に流れ出る半田は、大気(空気)と触れて、溶解半田槽に戻る過程において酸化する。よって、溶解された半田の中には酸化物が多く発生する。これは、酸化物を含む半田が、再度、半田槽内部で循環されて半田付けが行われることから、半田付けの品質の低下を招いてしまう。
【0006】
また、(b)に示す構造では、送給筒ノズルの上部よりも下方に半田を再度循環させる循環用の逃がし孔が形成される。噴流ノズルに上昇した溶融した半田を逃がし孔を介して逃がし、回路基板の半田付けを行うことができるが、この構成では、回路基板に与える熱効率が(a)に比べて若干低下する。また、(a)に比べて、半田が流れ出る位置が低くなるため、半田付けを必要とする局所以外に半田が付着する可能性は低くなる。しかし、吐出口より下方に半田が大気と触れる逃がし孔が形成されるので、両者の温度差が発生し得ることから、半田付け熱量が不足し、その結果、半田付けの品質に影響を与えるものとなる。
【0007】
更に、(c)に示す構造では、送給筒ノズルの上部に、半田が下方に向かうガイド筒を付けて、噴流ノズルより上昇した溶融はんだをガイド筒により下方の半田溶融層へと導き、熱効率良く、しかも、半田を吐出口より吐出時に噴流の飛び散りによる影響を回避しながら半田付けを行うものであるが、電子部品が小型化になると、それに伴いガイド筒付きのノズルが小さくなるので、ガイド筒の内部に半田を半田溶融層へと導くために十分な径(例えば、2mm以上)を確保する必要があり、噴流ノズルの小型化が難しい。
【0008】
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、熱効率良く半田付けが行え、局所的に半田付けが行える構成とすることを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、半田を吐出する吐出口が形成された噴流ノズルを有し、半田槽の内部を溶融した半田が循環して、前記噴流ノズル上に配置される回路基板に対し、半田が前記吐出口より吐出して半田付けを行う噴流半田付け装置において、前記吐出口には切欠きが形成され、該切欠きに半田を斜め下方へと導くフードを設けたことである。
【0010】
上記した手段によれば、吐出口に切欠きを形成し、切欠きに半田を斜め下方へと導くフードを設けたことにより、図7の(a)に示す切欠きノズルの構成と同等の熱効率が得られる。また、噴流ノズルの小型化を熱効率良く行え、フードにより、切欠きより流れ出る半田は単に切欠きを設けた場合に比べて大気とは触れにくくなるので、酸化物の発生が抑えられる。更に、斜め下方へと半田を導くフードにより吐出口より噴流した半田が半田付けが必要な局所以外の場所に付着することが防止されるので、半田付け不良が防止され、信頼性が向上する。更にその上、簡単且つ安価な構造となる。
【0011】
この場合、切欠きは噴流ノズルに対で形成され、対の切欠きにフードを設ければ、熱容量が大きい電子部品に対しても、半田付けが行われる半田面では半田が均一な溶解温度で吐出口から噴き出る。この為、信頼性良く半田付けを行うことが可能である。これは、大きな形状の電子部品に対して有効である。
【0012】
また、フードが筒状であれば、筒状のフード内を溶融した半田が大気に触れずに流れるので、酸化物を生成することが抑えられる。この場合、フード内では、半田の中に存在するフラックスや不純物の停滞が低減される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、噴流半田付け装置(単に、本装置と称す)1の全体の構成図である。本装置1は、有底箱状の半田槽2の内部に満たされた溶融半田(単に、半田と称す)3を、ポンプモータ(単に、モータと称す)6の回転によりインペラ8を回転させ、溶融半田槽10の半田3を噴流ノズル5から吐出させる。これによって、噴流ノズル上に配置される回路基板20の裏面の所定の半田付け部20bに半田付けを行う装置である。
【0014】
本装置1は溶融した半田を溜めることができる半田槽2を備え、半田槽2の下部には半田を溶解させるヒーターを備えている。また、本装置1は、半田3を攪拌させるためのインペラ8を回転させるモータ6を備えている。半田槽2はインペラ8が配設される位置にて、区画壁11により上下に区画されている。この区画壁11には、有底筒状の支持プレート4が逆向きになった状態で立設しており、この支持プレートの上端部4aに中空円筒状の噴流ノズルが固定されている。
【0015】
この様な構成によって、モータ6を駆動すると、モータ6のシャフト7が回転し、シャフト7に固定されたインペラ8が回転する。インペラ8が回転すると、区画壁11の上部にまで溜まった半田3がインペラ8の回転によって、インペラ8の下方へと導かれる。下方に導かれた半田3は、区画壁11により容積が区画されているので、区画へ機11の下側では体積膨張する為に、下方から上方へ半田3が噴出し、その半田3が噴流ノズル5へと導かれる。噴流ノズル5へと導かれた半田3は、噴流ノズルの上部の吐出口5aから噴出する。
【0016】
この場合、吐出口5aの上部には、図3に示す様に、抵抗22、コンデンサ24、トランジスタ23のチップ部品22や、コネクタ21と言った電子部品25が回路基板20の所定位置にて、リード25が回路基板20に形成された取付孔20aにそれぞれ挿入され、回路基板上に組み付けられた状態で配置されると、吐出口5aから噴出した半田3により、回路基板20の裏面の半田付け面20bに対して、半田付けがなされる。吐出口5aから噴出した半田3の一部は半田付け面に溶融した状態で付着するが、付着されない残りの半田3は噴流ノズル5の筒状となった外壁を伝って、支持プレート4の外側へと流れてゆき、再度、区画壁11の上方へと溜められる。そして、区画壁11の上方へと溜まった半田3はインペラ8の回転により上記した動作を何度も繰り返し、半田槽2の内部で循環するものとなる。
【0017】
本実施形態では、上記した構成において噴流ノズル5の構造に対して、図2に示す如く、改良を加えている。つまり、本実施形態では、回路基板20において半田付けを局所的に行う噴流ノズル5の上部の吐出口5aに対して、噴流ノズル5の上端に切欠き5bを形成し、切欠き5bの外側において上方よりも下方が広がり、半田3を斜め下方に導くフード5aを噴流ノズル5に対して溶接等により取り付けている。このフード5aは、吐出口5aに噴き上がってきた半田3の残りを、再度、溶融半田槽10に効率よく戻す機能を有する。この場合、図2に示す様に、噴流ノズル5の形状が柱状であれば、切欠き5bの半田を下方へと逃がす幅は、例えば、少なくとも4mm以上あると良い。また、フード5aの鉛直方向に対する角度は15度程度であれば、吐出口5aから回路基板20に対して噴き出される半田3は、一部が半田付け面に付着するが、その残りの半田3はフード5cを介して斜め下方へと導かれ、自重によって溶解半田槽10へと流れる。この際、噴流ノズル5に単に形成された切欠きと比べて、図2に示す構成を取れば切欠きから流れ出す半田3は大気に触れにくくなるので、酸化物が生成されにくくなり、酸化物が多く含まれない半田3によって半田付けが可能となる。
【0018】
尚、上記した噴流ノズル5は回路基板上において、局所的に半田付けを行う部位が何箇所か存在する場合には、複数設けることも可能である。この噴流ノズル5に取り付けられるフード5cは、半田3が吐出口5aから噴出した場合に、半田付けが必要ない回路基板上の部位に半田3が付着することも防止することができる。
【0019】
また、この噴流ノズル5は、図5に示す第2実施形態の如く、吐出口5aに対して、対(例えば、向かい合った面の両側)に切欠き5bを形成し、切欠き5bを覆うように吐出口5aから噴出した半田3を両側の斜め下方へと導くフード5cをそれぞれ噴流ノズル5に取り付けても良い。この様に、1つの噴流ノズル5に対して両側に複数のフード5cを取り付ければ、上記した効果に加え、次に示す効果も奏することができる。つまり、回路基板20の熱容量がチップ状の部品22に比べて遥かに大きい電子部品に対しては、切欠き5bの大きさを増大させて半田3を溶解させる熱量を上げて半田付けを行うことができる。この構成を取れば、コネクタ等の熱容量が大きな電子部品でも半田付け面の半田温度の均一化を図って、半田付け後、半田の肉厚が所々で変化する半田むらを防止することができる。
【0020】
また、噴流ノズル5は、図6に示す第3実施形態の如く、フード5cに代わり中空円筒状のパイプ部材5dを用いても良い。この様に、パイプ部材5dを用いれば、切欠き5bから半田3をパイプ部材5dの内部を流して効率良く下方へと排出することができる。この場合、半田3はパイプ部材5dの内部を流れるので、大気に触れることが少なくなるので、酸化物が生成されにくい。よって、半田付けの信頼性が向上する。
【0021】
本実施形態では、噴流ノズル5に切欠き5bを形成し、切欠き5bにフード5cあるいはパイプ部材5dを取り付けて半田付けの信頼性を向上させる構成としたが、この構成において、切欠き5bを深く、フード5cまたはパイプ部材5dの半田3を斜め下方へと導く取付け角度を大きくする事により、半田3の噴流循環量を変化させて、回路基板20に与える熱量を任意に変えることができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、吐出口に切欠きを形成し、切欠きに半田を斜め下方へと導くフードを設けたことにより、半田付け時の熱効率を良くすることができる。また、噴流ノズルの小型化ができ、フードを設けることにより、半田は大気とは触れにくくなり、酸化物の発生を抑えることができる。更に、斜め下方へと半田を導くフードにより、吐出口より噴流した半田が、半田付けが必要な局所以外の場所に付着することを防止できるので、半田付け不良を防止でき、信頼性を向上させることができる。
【0023】
この場合、切欠きは噴流ノズルに対で形成され、対の切欠きにフードを設ければ、熱容量が大きい電子部品に対しても、半田付けが行われる半田面では半田が均一な溶解温度で吐出口から噴き出されるので、信頼性良く半田付けを行うことができる。
【0024】
また、フードが筒状であれば、筒状のフード内を溶融した半田が大気に触れずに流れるので、酸化物の生成を抑え、筒状のフード内では半田の中に存在するフラックスや不純物の停滞を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における噴流半田付け装置の構成図である。
【図2】図1に示す噴流ノズルの構造を示す斜視図である。
【図3】図1に示す噴流半田付け装置により半田付けが行われる電子回路が搭載された回路基板の正面図である。
【図4】図3に示す回路基板の側面図である。
【図5】図1に示す噴流ノズルの第2実施形態における変形例である。
【図6】図1に示す噴流ノズルの第3実施形態における変形例である。
【図7】従来例における噴流半田付け装置の噴流ノズルの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 噴流半田付け装置
2 半田槽
3 溶融半田(半田)
4 支持プレート
5 噴流ノズル
5a 吐出口
5b 切欠き
5c フード
5d 筒状フード
20 回路基板
25 電子部品
Claims (3)
- 半田を吐出する吐出口が形成された噴流ノズルを有し、半田槽の内部を溶融した半田が循環して、前記噴流ノズル上に配置される回路基板に対し、半田が前記吐出口より吐出して半田付けを行う噴流半田付け装置において、
前記吐出口には切欠きが形成され、該切欠きに半田を斜め下方へと導くフードを設けたことを特徴とする噴流半田付け装置。 - 前記切欠きは前記噴流ノズルに対で形成され、対の切欠きに前記フードを設けたことを特徴とする請求項1に記載の噴流半田付け装置。
- 前記フードは筒状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の噴流半田付け装置。
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