JP2007051106A - 睫用化粧料 - Google Patents

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恵寛 成瀬
Takashi Ochi
隆志 越智
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Abstract

【課題】睫を長く太く見せる効果に優れ、使用感、化粧持続性も良好な睫用化粧料に関する。
【解決手段】ナノファイバーを必須成分として含有されていることを特徴とする睫用化粧料を提供するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、化粧品分野において有用な、ナノファイバーとその他の繊維とを配合した睫用化粧料であり、特に睫を長く見せるロングラッシュ効果があり、睫をより太くはっきり見せるボリューム効果に優れ、仕上がりの良好な睫用化粧料に関する。
化粧品は、最近多様な機能が提案されるようになっている。それに伴い、メイクアップの傾向も変化してきている。特に近年は、目周りのメイクアップに関心が強く、マスカラにおいては、落ちにくいという根本的な要望とともに、まつげの長さが出る、ボリュームがでるという点においても欲求を満たすようなものが望まれる傾向にある。これに答えるべく、睫をより長くみせるために、マスカラ等の睫用化粧料にナイロン等の繊維を配合することが知られている。さらに睫を長くきれいにみせるために、繊維材質の工夫や繊維の付着性を高める工夫がなされている。(例えば特許文献1 、特許文献2 )
特開平9−263518号公報 特開2004−83577号公報
しかし、特に日本人を初めとする東洋人は欧米人に比べ睫が短いことから、睫をさらに長く見せたいという欲求が強く、現状の睫用化粧料がその要望を満たしているとは言い難い。また睫用化粧料の塗布後の仕上がりにおいて、繊維だけが遊離したり、繊維が凝集して絡み合い、繊維が一本一本まつ毛に沿って付着せず、繊維がまつ毛を横断するように付着したりするために、仕上がりが汚くなりやすいという問題がある。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意努力し、種々検討した結果、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、(A)数平均直径が1〜500nmであり、ポリアミドからなるナノファイバーおよび(B)数平均直径が1〜100μmの繊維を含有することを特徴とする睫用化粧料である。
本発明の睫用化粧料は従来のものより睫をより長く見せる効果が優れているとともに、睫を太く見せる効果、睫をカールさせる効果など化粧仕上がりが非常に良好であり、なおかつ従来の技術と比べて化粧のし易さが格段に良くなり、優れた化粧持ちを有する。
本発明の睫用化粧料に含まれる成分などにつき以下に詳述する。
本発明に用いられる、(A)成分のナノファイバーは本発明においては、数平均直径が1〜500nmで、ポリアミドからなることが重要であり、これにより組成物中でだまになりにくく、まつげの長さやボリュームを出す効果が高くなり、より自然な仕上がりになるので好ましい。ナノファイバーの数平均直径としては、好ましくは1〜200nm、より好ましくは30〜100nmである。
本発明のナノファイバーを構成するポリマーはポリアミドである。ポリアミドの中でも熱可塑性ポリマーであるものが溶融紡糸により生産性良く得られるため好ましい。ポリアミドとしてはナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン11(N11)などが挙げられるが、特にN6やN66などは吸水性や保水性に優れるため、これらの特性を生かして、本発明の睫用化粧料に好適に用いることができる。
本発明において、ナノファイバーの数平均直径は以下のようにして求めることができる。すなわち、ナノファイバーをサンプリングし、サンプリングしたナノファイバーを透過型電子顕微鏡(TEM)あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、同一画面(もしくは写真)内で無作為抽出した30本の単繊維直径を測定する。サンプリングを合計10回行い、合計300本の単繊維直径のデータからその単純平均値を求め、これを本発明ではナノファイバーの数平均直径とする。
本発明では、(A)成分のナノファイバーは凝集することなくその性能を十分に発揮できるように予め分散してから配合するのが好ましい。分散方法としては、ナノファイバーに水等の溶媒を加え、攪拌機で混合する方法が挙げられるが、叩解機により、叩解することが、より好ましい。
次に、本発明の睫用化粧料に用いるナノファイバーの製造方法は特に限定されるものではないが、例えば特開平2004−162244号公報に記載されている以下のような方法を採用することができる。
すなわち、溶剤に対する溶解性の異なる2種類以上のポリマーをポリマーアロイ溶融体となし、これを紡糸した後、冷却固化して繊維化する。そして必要に応じて延伸・熱処理を施しポリマーアロイ繊維を得る。そして、易溶解性ポリマーを溶剤で除去することにより本発明で使用するナノファイバーを得ることができる。
ここで、ナノファイバーの前駆体であるポリマーアロイ繊維中で易溶解性ポリマーのことを海(マトリックス)と呼び、難溶解性ポリマーのことを島(ドメイン)と呼ぶ。このポリマーアロイ繊維の海の部分を除去し、残った島の部分が後にナノファイバーとなる部分である。
ここで、「ポリマーアロイ繊維」からナノファイバーを作製する方法について以下に詳しく説明する。
本発明に用いるナノファイバーは、ナノファイバーの均一分散性や長期保存安定性を向上させるために短繊維であることが好ましく、「ポリマーアロイ繊維」の海成分を除去し、短繊維にカットすることが好ましい。更に、そのカットされた繊維を叩解することが好ましい。
ナノファイバー短繊維は、「ポリマーアロイ繊維」の集束糸の状態で脱海してナノファイバー束を得て、その後カットするか(先脱海法)、「ポリマーアロイ繊維」の集束糸をカットしてから脱海するか(後脱海法)、どちらかの方法で得ることができる。さらに、得られた短繊維を叩解機によって、ナノファイバーをバラバラになるまで叩解することが好ましい。
先脱海法の場合、初めに通常「ポリマーアロイ繊維」集束糸(5000dtex以下)のカセの状態や更に集束したトウ(5000を超えて〜数百万dtex)の状態で、海成分を溶解可能な溶剤や薬液で除去し、水洗、乾燥した後、ギロチンカッターやスライスマシンで適切な繊維長にカットする。後脱海法の場合、初めに「ポリマーアロイ繊維」集束糸のカセの状態や更に集束したトウの状態でギロチンカッターやスライスマシンで適切な繊維長にカットした後、海成分を溶解可能な溶剤や薬液で除去し、水洗、乾燥した後に得られる。
「ポリマーアロイ繊維」から海成分を除去する際に用いる溶剤や薬液としては、海成分の高分子の特性に応じて、苛性ソーダや苛性カリなどのアルカリやギ酸などの酸、またトリクレン、リモネン、キシレンなどの有機溶剤などが挙げられる。「ポリマーアロイ繊維」の集束糸やトウを脱海する場合、これらをカセの状態やカセ枠に巻いた状態で脱海することができる。
また、脱海にはアルカリなどの薬液によって海成分の高分子を分解することによっても除去できる。この場合には、カセの状態でも比較的容易に海成分を除去できる。これは、海成分の高分子が加水分解などによって、低分子量体あるいはモノマーになることによって、容易に溶解除去できるためである。また、分解によって海成分が除去されると繊維間に間隙ができ、更にアルカリなどの薬液がナノファイバーの前駆体である「ポリマーアロイ繊維」の内部まで浸透するため、脱海が進むに従って、脱海速度は加速し、有機溶剤などによる海成分の溶解除去とは異なり、カセの状態でも十分脱海が可能になる。
次に、後脱海法について、その具体的な方法について説明する。
「ポリマーアロイ繊維」をカットして得られた短繊維の脱海は、短繊維を有機溶剤もしくはアルカリや酸などの薬液中に入れ、攪拌機で攪拌しながら海成分を溶解または分解して除去する。このような脱海は通常バッチ処理で行ない、処理工程を数段階に分けて行なうことが好ましい。「ポリマーアロイ繊維」をカットして得られた短繊維は、上述のように各溶剤や薬液で処理された後に、適切なステンレス金網フィルターなどで濾過してナノファイバーを回収した後、ナノファイバーに付着した溶剤や薬液を良く洗浄除去した後乾燥する。
次に、得られた脱海後のナノファイバー短繊維を叩解機によって叩解する。叩解することによって、ナノファイバー短繊維をナノファイバー1本1本にバラバラにすることができる。
叩解機としては、生産レベルではナイアガラビータ、リファイナー、ミルなどが挙げられ、実験的には、家庭用ミキサーやカッター、ラボ用粉砕器、バイオミキサー、ロールミル、乳鉢、PFI叩解機などが挙げられる。
(A)成分のナノファイバーの長さは好ましくは0.1〜5mmであり、さらに好ましくは1〜3mmである。0.1mmより短いと睫を長く見せる効果が低く、5mmより長いと繊維同士の絡み合いが生じ好ましくない。
(A)成分のナノファイバーの配合量は、睫用化粧料全体に対して0.01〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3重量%である。0.01重量%より少ないと良好な仕上がりを得る効果が十分ではなく、5重量%を越えると繊維同士の絡み合いが生じ好ましくない。
本発明に用いられる、(B)成分、すなわち数平均直径が1〜100μmの繊維は通常化粧料等に用いられる繊維なら本質的にはいずれでもよく、その種類が限定されるものではないが、例えば綿、絹糸、羊毛などの天然繊維や、レーヨン、ポリノジック、キュプラなどの天然の木材などに含まれるセルロースを利用した再生繊維、天然のセルロースや動物性たんぱく質などと酢酸などの化学品を合成させたアセテート、トリアセテート、プロミックスなどの半合成繊維、石油などを原料としたポリエステル、アクリル、ナイロン、アラミド、ビニロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ビニリデン、ポリクラールなどの合成繊維、金属、ガラスなどの無機物から作られたガラス繊維、金属繊維、炭素繊維などの無機繊維などの化学繊維を上げることができ中でもレーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンが好ましい。また本発明の睫用化粧料における繊維の材質は、一種で用いても、二種以上を用いても良い。
(B)成分の繊維は数平均直径が1〜100μmであり、好ましくは30〜80μmである。1μmより細いと(A)成分の繊維同士の絡み合いを防ぐことができず、睫にきれいに付着させることができない。100μmを越えると睫への付着性が低くなり睫を長くすることができない。
一方、(B)成分の繊維の長さは、好ましくは0.5〜8mmであり、さらに好ましくは1〜3mmである。0.5mmより短いと睫を長く見せる効果が低く、8mmより長いと繊維同士の絡み合いが生じ好ましくない。
本発明の(B)成分の繊維は、繊維の形状は特に限定するものではないが、その断面形状は円形、楕円形や、三角、四角、八角形などの多角形や、団子4連状、扁平状、L字型など異形断面のものを用いても良い。また繊維の構造も限定されるものではなく中空状、層状、多孔状や側面に溝があるもの、極細の繊維を集合させたものでも良い。
本発明の(B)成分の繊維は改質されているものを用いても良い。例をあげると酸化チタンやセラミック等の無機物質を添加したものや種々の機能性を有する有機性物質を添加したもの、シリコーン処理、フッ素処理、油脂処理、シリカ処理等の表面処理を施したものを用いても良い。また本発明で用いられる繊維のうち特に化学繊維においては紡糸する際に二種以上の原料高分子を同時に紡糸してできた繊維を用いても良い。
(B)成分の繊維の配合量は睫用化粧料全体に対して0.1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜3重量%である。0.1重量%より少ないとボリュームアップ効果およびロングラッシュ効果が十分ではなく、10重量%を越えると繊維同士の絡み合いが生じ好ましくない。
本発明の睫用化粧料は常法にしたがって、液状、ゲル状、ペースト状、クリーム状、固体状などの剤型にすることが可能である。本発明を応用した製品をあげると、睫用化粧料以外にもアイブロウ、アイカラー、アイライナーなどのアイメイク化粧料や、ヘアマニキュア、ヘアカラー、増毛スプレーなどのヘア化粧料などがありこれらに限定されるものではないが、特にマスカラなどの睫用化粧料が好ましい。
なお、本発明の睫用化粧料は必須成分に加えて、更に本発明の効果を阻害しない範囲において通常化粧料等に一般に使用される分散剤、皮膜形成剤、色材、ワックス、油分成分、樹脂、高分子、保湿剤、増粘剤、金属封鎖剤、薬剤、香料、酸化防止剤、美容剤、清涼剤、抗炎症剤、制汗剤、皮膚賦活剤、血行促進剤、防腐剤、殺菌剤、紫外線吸収剤、乳化剤などを適宜配合することができる。
分散剤の配合は本発明の(A)成分であるナノファイバーを凝集することなく分散させ、睫のボリュームアップ、ロングラッシュ効果を高める点から好ましい。分散剤の例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリリン酸塩、ポリアクリル酸塩等が挙げられる。具体的にはアニオン性界面活性剤としては、脂肪酸セッケン、エーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。ポリリン酸塩としては、ヘキサメタリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ等が挙げられる。ポリアクリル酸塩としては、ポリアクリル酸ソーダ等が挙げられる。中でもポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩が、ナノファイバーの分散に優れ、好ましい。分散剤は、ナノファイバーを予め分散させる際に添加することが、ナノファイバーの均一分散の点から好ましい。
皮膜形成剤の例としてはポリマーエマルジョン樹脂が挙げられる。このポリマーエマルジョン樹脂として、例えばアクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸、塩化ビニリデン等のモノマーと塩酸ビニルとの共重合エマルジョン等が挙げられる。
色材の例としては、例えばカーボンブラック、カーミン、タルク、また赤色201号などの有機顔料等の色材、さらにナイロン、ポリエチレン等の樹脂粉末ならびにそれらを着色したもの、カオリン、炭酸カルシウム、亜鉛華、二酸化チタン、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、低次酸チタン、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、オキシ塩化ビスマス、チタン−マイカ系パール顔料等の無機顔料等が挙げられる。なおこれら色材は、疎水化表面処理を施したものを用いてもよい。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
A.ポリマーの溶融粘度
東洋精機製作所製キャピログラフ1Bによりポリマーの溶融粘度を測定した。なお、サンプル投入から測定開始までのポリマーの貯留時間は10分とした。
B.融点
Perkin Elmaer社製 DSC−7を用いて2nd runでポリマーの融解を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。このときの昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。
C.ポリマーアロイ繊維のウースター斑(U%)
ツェルベガーウスター株式会社製USTER TESTER 4を用いて給糸速度200m/分でノーマルモードで測定を行った。
D.TEMによるナノファイバーの横断面観察
ナノファイバー繊維束を用い、これの横断面方向に超薄切片を切り出してTEMでナノファイバーの横断面を観察した。また、必要に応じ金属染色を施した。
TEM装置:日立製作所(株)製H−7100FA型
E.ナノファイバーのSEM観察
マスカラ用組成物をサンプリングし、フィルムもしくはガラス板上にのせ60℃で乾燥する。乾燥した任意の場所から5mm角のサンプルを採取し、白金を蒸着し、日立製作所製超高分解能電解放射型走査型電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)でサンプル中のナノファイバーを観察する。
F.ナノファイバーの数平均直径
ナノファイバーの数平均直径は以下のようにして求める。すなわち、上記F項で撮影したナノファイバー写真を画像処理ソフト(WINROOF)を用いて5mm角のサンプル内で無作為抽出した30本の単繊維直径を測定し、個々のデータを積算後、全数で除して単純平均値を求めた。サンプリングは合計10回行って各30本の単繊繊維直径のデータを取り、合計300本の単繊維直径のデータから単純平均して求めた。
G.繊維比率
繊維比率は以下のようにして求める。すなわち、上記G項で得られた単繊維直径のデータを用い、ナノファイバーそれぞれの単繊維直径をdiとし、その2乗の総和(d12+d22+・・+dn2)=Σdi2(i=1〜n)を算出する。また、500nmより大きく1μm以下の直径範囲にあるナノファイバーそれぞれの繊維直径をDiとし、その2乗の総和(D12+D22+・・+Dm2)=ΣDi2(i=1〜m)を算出する。Σdi2に対するΣDi2の割合を算出することで、全ナノファイバーに対する粗大なナノファイバー繊維の面積比率(重量比率)、すなわち繊維比率とした。
H.力学特性
室温(25℃)で、初期試料長=200mm、引っ張り速度=200mm/分とし、JIS L1013に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。次に、破断時の荷重値を初期の繊度で割り、それを強度とし、破断時の伸びを初期試料長で割り、伸度として強伸度曲線を求めた。
実施例に用いたナノファイバー分散体の製造を以下の参考例に示した。
参考例1
溶融粘度57Pa・s(240℃、剪断速度2432sec-1)、融点220℃のN6(20重量%)と重量平均分子量12万、溶融粘度30Pa・s(240℃、剪断速度2432sec-1)、融点170℃のポリL乳酸(光学純度99.5%以上)(80重量%)を2軸押出混練機で220℃で溶融混練してポリマーアロイチップを得た。ここで、ポリL乳酸の重量平均分子量は以下のようにして求めた。すなわち、試料のクロロホルム溶液にTHF(テトラヒドロフラン)を混合し、測定溶液とした。これをWaters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)Waters2690を用いて25℃で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。尚、N6の262℃、剪断速度121.6sec-1での溶融粘度は53Pa・sであった。また、このポリL乳酸の215℃、剪断速度1216sec-1での溶融粘度は86Pa・sであった。
このポリマーアロイチップを紡糸温度230℃で紡糸し、さらに予熱温度を90℃、延伸温度を130℃、延伸倍率1.5倍で延伸熱処理した。得られたポリマーアロイ繊維は62dtex、36フィラメント、強度3.4cN/dtex、伸度38%、U%=0.7%の優れた特性を示した。
得られたポリマーアロイ繊維を95℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することでポリマーアロイ繊維中のポリL乳酸成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥し、N6ナノファイバーの繊維束を得た。この繊維束をTEM写真から解析した結果、N6ナノファイバーの数平均直径は60nmと従来にない細さであり、単繊維直径100nmより大きいものの繊維比率は0重量%であった。
得られたN6ナノファイバーの繊維束を2mm長に切断して、N6ナノファイバーのカット繊維を得た。タッピースタンダードナイヤガラ試験ビータ((株)東洋精機製作所製)に水23Lと先に得られたカット繊維30gを仕込み、5分間予備叩解し、その後余分な水を切って繊維を回収した。この繊維の重量は250gであり、その含水率は90重量%であった。含水状態の繊維250gをそのまま自動式PFIミル(熊谷理機工業(株)製)に仕込み、回転数1500rpm、クリアランス0.2mmで6分間叩解してナノファイバー分散体を得た。得られたナノファイバー分散体の含水率は90重量%であった。
参考例2
参考例1のN6を溶融粘度212Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec-1)、融点220℃のN6(45重量%)とした以外は参考例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。次いで、これを参考例1と同様に溶融紡糸、延伸熱処理しポリマーアロイ繊維を得た。得られたポリマーアロイ繊維は67dtex、36フィラメント、強度3.6cN/dtex、伸度40%、U%=0.7%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、参考例1と同様にポリL乳酸が海、N6が島の海島構造を示し、島N6の数平均による直径は110nmであり、N6が超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
得られたポリマーアロイ繊維を参考例1と同様にしてポリマーアロイ繊維中のポリL乳酸成分の99%以上を加水分解除去、酢酸で中和後、水洗、乾燥し、N6ナノファイバーの繊維束を得た。この繊維束をTEM写真から解析した結果、N6ナノファイバーの数平均直径は120nmと従来にない細さであり、単繊維直径で500nmより大きいものの繊維比率は0重量%、単繊維直径で200nmより大きいものの繊維比率は1重量%であった。
得られたN6ナノファイバーの繊維束を1mm長に切断して、N6ナノファイバーのカット繊維を得た。これを参考例1と同様に予備叩解を施し、含水率88重量%のN6ナノファイバーを得た後、この予備叩解品17部にトリポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸(日光ケミカルズ社製 NIKKOL TLP−4)2部及び精製水71部を加え参考例1と同様に叩解してナノファイバー分散体を得た。
参考例3、4
参考例2において、参考例3では3mm長に、参考例4では5mm長となるように切断して、N6ナノファイバーのカット繊維を得た後、参考例1と同様に叩解してナノファイバー分散体をそれぞれ得た。
本発明における睫用化粧料を以下に実施例及び比較例にて具体的に説明するがこれらによって本発明が限定されるものではない。
実施例1〜6及び比較例1〜3:乳化皮膜型マスカラ
製法
A:表1に示した処方中の成分(1)〜(5)を均一に混合し80℃に加熱する。
B:成分(6)〜(9)を均一に混合し80℃に加熱する。
C:AにBを加え乳化する。
D:Cを冷却し、成分(10)〜(16)を加え均一に混合する。
E:Dを容器に充填する。
Figure 2007051106
評価
上記のようにつくった実施例1〜6及び比較例1〜3につき下記の評価項目(I)〜(IV)により得た結果を表1に示す。各実施例、比較例で作ったものを女性パネル10名により絶対評価で10点満点で評価した。各パネルの平均点から4段階の記号で結果を表1に示した。
評価項目
(I)ロングラッシュ効果…睫が長くなる効果
(II)ボリューム効果…睫が太くなる効果
(III)セパレート効果…睫同士がくっつかず1本1本分かれている効果
(IV)化粧持続効果…汗や皮脂により化粧が落ちない効果
4段階記号
◎:平均点 8〜10点
○:平均点 6〜8点
△:平均点 4〜6点
×:平均点 0〜3点
表1の結果から、本発明の実施例1〜5はいずれもロングラッシュ効果、ボリューム効果、カールアップ効果、セパレート効果、化粧持続効果にはるかに優れた特性を持つことがわかる。一方1μmより太い繊維のみを用いた比較例1〜3は睫に化粧料が均一に付着することが無く睫をより目立たせるロングラッシュ効果、ボリューム効果の劣るものであり、化粧もしづらく、睫も束になりがちであった。

Claims (1)

  1. (A)数平均直径が1〜500nmであり、ポリアミドからなる極細繊維(以下、ナノファイバーという)、および、(B)数平均直径が1〜100μmの繊維を含有することを特徴とする睫用化粧料。
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