JP6727022B2 - 機能材含有再生セルロース繊維、その製造方法及びそれを含む繊維構造物 - Google Patents

機能材含有再生セルロース繊維、その製造方法及びそれを含む繊維構造物 Download PDF

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Description

本発明は、特定の基材中に機能剤を包含した機能材を練り込んだ機能材含有再生セルロース繊維、その製造方法及びそれを含む繊維構造物に関する。
再生セルロースを用いた再生セルロース繊維は、ビスコース法、銅アンモニア法、溶剤紡糸法等様々な方法で製造されることが知られている。再生セルロース繊維は基質がセルロースであるため、それ自体肌に優しい性質を有する。最近、再生セルロース繊維に様々な機能剤を練り込んで様々な性能を付与することが提案されている。
例えば、特許文献1には、セルロース系繊維に、融点が100℃未満の炭化水素、オイル、脂肪酸、脂肪酸エステル、蜜蝋等の非極性有機化合物で忌避剤等の活性成分を包含した非極性有機化合物の包含物を含ませることが提案されている。また、特許文献2には、レーヨン繊維に脂肪酸及び/又はその塩と水溶性抗酸化剤や揮発性の芳香剤等の機能剤を含ませることが提案されている。また、特許文献3には、レーヨン繊維に20℃で固体であるシアバター等の油脂を含ませることが提案されている。また、特許文献4には、パラフィン系炭化水素、脂肪族アルコール等の非水溶性溶剤と水不溶性香料を混合した混合物を練り込んだビスコースレーヨン繊維が提案されている。
特表2011−503382号公報 特開2010−116656号公報 特開2012−97399号公報 特表2010−532433号公報
特許文献1では、非極性有機化合物の包含物を繊維中に練り込むためにナノスケールヒューム等の粘度増加剤を用いており、工程中に異常が発生するおそれや、生産コストが上昇する問題と、非極性有機化合物及び所望により活性成分は、曲がりくねった経路を経由してのみ、セルロースマトリックスの中に入ることができるため、繊維断面から包含物や非極性有機化合物が流出し易いという問題がある。また、特許文献2では、脂肪酸を用いるため、ビスコース法によるレーヨン繊維化後の工程において強いアルカリ系の薬剤を使用すると、レーヨン繊維中の脂肪酸とアルカリ系の薬剤が反応し、中和し石鹸化してしまう問題がある。また、特許文献3では、油脂を用いるため、ビスコース法によるレーヨン繊維化後の工程において強いアルカリ系の薬剤を使用すると、レーヨン繊維中の油脂の脂肪酸成分とアルカリ系の薬剤が反応し、鹸化してしまう問題がある。また、特許文献4では、パラフィン系炭化水素、脂肪族アルコール等の非水溶性溶剤を用いているが、水不溶性香料が揮発性物質である場合、芳香成分の徐放性をさらに改善することが求められている。
本発明は、上記従来の問題を解決するため、特定の基材中に機能剤を包含した機能材を再生セルロース繊維中に練り込むことで、機能剤による効果を発揮することができる機能材含有再生セルロース繊維、その製造方法及びそれを含む繊維構造物を提供する。
本発明は、再生セルロース繊維内に機能材が含有された機能材含有再生セルロース繊維であり、上記再生セルロース繊維内のセルロースと上記機能材は非相溶であり、上記機能材は、基材と、上記基材に混合されている機能剤を含み、上記基材は、基材の全体質量に対して脂肪酸エステルを25質量%以上含むことを特徴とする機能材含有再生セルロース繊維に関する。
上記基材は、動物蝋及び植物蝋からなる群から選ばれる一種以上であることが好ましい。
上記脂肪酸エステルは、脂肪酸と1価アルコールのエステル、及び脂肪酸と2価アルコールのエステルからなる群から選ばれる一種以上であることが好ましい。
上記基材は、融点が40℃以上であることが好ましい。また、上記基材は、疎水性であることが好ましい。また、上記基材は、さらに脂肪酸及び炭化水素を含むことが好ましく、蜜蝋、カルナバ蝋及び木蝋からなる群から選ばれる一種以上であることがより好ましい。
上記機能材含有再生セルロース繊維において、上記機能材は、セルロース100質量部に対して0.5〜20質量部の範囲で含まれていることが好ましい。上記機能材において、上記機能剤は、上記基材100質量部に対して3〜30質量部の範囲で含まれていることが好ましい。
本発明は、また、再生セルロース繊維内に機能材が含有された機能材含有再生セルロース繊維の製造方法であって、基材に機能剤を混合した混合物である機能材を乳化分散して得られた機能材の分散液を、セルロースを含むビスコースに混合して紡糸用ビスコースを調製し、上記紡糸用ビスコースをノズルより押し出して紡糸し、凝固再生することで、機能材含有再生セルロース繊維を得ており、上記機能材含有再生セルロース繊維において、上記機能材とセルロースは非相溶であり、上記基材は、基材の全体質量に対して脂肪酸エステルを25質量%以上含むことを特徴とする機能材含有再生セルロース繊維の製造方法に関する。
上記機能材の分散液において、上記機能材の平均粒子径は0.10〜0.90μmであることが好ましい。
本発明は、また、上記の機能材含有再生セルロース繊維を含むことを特徴とする繊維構造物に関する。
上記繊維構造物は、上記機能材含有再生セルロース繊維を10〜90質量%含み、他の繊維として、機能材含有再生セルロース繊維以外の再生セルロース繊維、コットン、麻、ウール、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維及びポリウレタン繊維からなる群から選ばれる少なくとも一つの繊維を10〜90質量%含むことが好ましい。
本発明は、特定の基材中に機能剤を包含した機能材を再生セルロース繊維中に練り込むことで、機能剤による効果を発揮することができる機能材含有再生セルロース繊維及びそれを含む繊維構造物を提供する。
本発明の製造方法によると、特定の基材に機能剤を混合した混合物である機能材を乳化分散して得られた機能材の分散液を、セルロースを含むビスコースに混合して調製した紡糸用ビスコースを用いることにより、特定の基材中に機能剤を包含した機能材を再生セルロース繊維中に練り込んだ機能材含有再生セルロース繊維を製造することができる。
図1は本発明の一実施例の機能材含有レーヨン繊維の断面を示すデジタルマイクロスコープ写真(倍率:1000倍)である。 図2は本発明の一実施例の機能材含有レーヨン繊維の側面を示す光学顕微鏡写真(倍率:320倍)である。 図3は各種基材を用いた場合のホワイトフローラル系香料の保持率の経時変化を示すグラフである。 図4は各種基材を用いた場合のリモネンの保持率の経時変化の経時変化を示すグラフである。 図5は蜜蝋を用いた場合のホワイトフローラル系香料の保持率の経時変化を示すグラフである。
本発明の発明者は機能剤を再生セルロース繊維に練り込むことについて鋭意検討した結果、脂肪酸エステルを25質量%以上含む基材を用い、機能剤を上記基材に混合した混合物である機能材を乳化分散して得られた機能材の分散液、好ましくは機能材の平均粒子径が0.10〜0.90μmの機能材の分散液をセルロースを含む紡糸液に添加し、該紡糸液を紡糸することで、機能剤を包含する機能材を再生セルロース繊維中に容易に練り込むことができ、機能剤による効果を持続的に発揮することができることを見出し、本発明に至った。上記機能材含有再生セルロース繊維において、上記機能材とセルロースは非相溶である。また、上記機能材含有再生セルロース繊維において、上記機能材はセルロース中に分散されていることが好ましい。繊維中の機能材粒子は、分散液に分散された粒子径のままか、それに近い粒子径で繊維内に存在することが予想される。そのため、分散液における機能材の平均粒子径と、上記機能材含有再生セルロース繊維における機能材の平均粒子径はほぼ同等であると考えられる。本発明において、分散液における機能材の平均粒子径は、レーザー回折光散乱法によって測定したメジアン径(D50)をいう。上記機能材含有再生セルロース繊維における機能材の存在は、例えば、繊維断面又は繊維側面を光学顕微鏡やデジタルマイクロスコープで観察することで確認することができる。
上記基材は、基材の全体質量に対して脂肪酸エステルを25質量%以上含み、より好ましくは28質量%以上含み、さらに好ましくは30質量%以上含み、さらにより好ましくは35質量%以上含む。このような基材に機能剤を混合して基材中に機能剤を包含した機能材にすることで、該機能材を再生セルロース繊維中に練り込みやすく、機能剤による効果を持続的に発揮することができる機能材含有再生セルロース繊維が得られる。また、上記基材に機能剤を混合して得られた基材中に機能剤を包含した機能材を再生セルロース繊維中に練り込むことで、繊維の白度を従来の脂肪酸や油脂を含有させた繊維よりも高くすることができる。脂肪酸エステルは、例えば、脂肪酸トリグリセリドであってもよく、脂肪酸アルコールエステルであってもよい。
上記基材は、水に不溶性の機能剤を保持する母体としての機能を発揮しやすい観点から、脂肪酸と1価アルコールのエステル、及び脂肪酸と2価アルコールのエステルからなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸エステルを25質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは28質量%以上含み、さらに好ましくは30質量%以上含み、さらにより好ましくは35質量%以上含む。また、上記基材は、機能剤を基材に混ぜ合わせやすくするという観点から、脂肪酸と1価アルコールのエステル、及び脂肪酸と2価アルコールのエステルからなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸エステルを85質量%以下含むことが好ましく、より好ましくは80質量%以下含む。また、高融点及び乳化性の観点から、上記基材において、上記脂肪酸エステルは、炭素数が20以上の高級アルコールと、炭素数が10以上の高級脂肪酸からなる炭素数が30以上の脂肪酸エステルであることが好ましい。炭素数が10以上の高級脂肪酸としては、例えば、セロチン酸、パルミチン酸、エイコセン酸、ドコセン酸、オレイン酸等が挙げられる。炭素数が20以上の高級アルコールとしては、例えば、ミリシルアルコール、セリルアルコール、エイコセノール、ドコセノール等が挙げられる。上記基材は、機能剤を基材に混ぜ合わせやすくするという観点から、さらに脂肪酸と炭化水素を含むことが好ましい。上記基材は、機能材を再生セルロース繊維内のセルロース中に分散させやすい観点から、疎水性であることが好ましい。
上記基材は、融点が40℃以上であることが好ましく、より好ましくは45℃以上であり、さらに好ましくは50℃以上であり、さらに好ましくは60℃以上である。基材の融点が高いと、常温では固体で存在するため、基材中の機能剤が流出しにくく、また、機能剤が周囲環境の影響により変異しにくく、機能剤による効果が発揮されやすい。また、基材は、基材に機能剤を混合して得られた基材中に機能剤を包含した機能材を乳化分散して機能材の平均粒子径が0.10〜0.90μm程度の分散液を調整しやすい観点から、融点が100℃以下であることが好ましい。
上記基材は、動物蝋及び植物蝋からなる群から選ばれる一種以上であることが好ましい。植物蝋としては、例えば、カルナバ蝋、木蝋、サトウキビ蝋、パーム蝋、カンデリラ蝋、オーリクリ蝋、大豆蝋、米ぬか蝋、ホホバオイル等が挙げられる。動物系の蝋としては、例えば、蜜蝋(ビーズワックス)、支那蝋(昆虫蝋)、クジラ蝋、セラック蝋、イボタ蝋、羊毛蝋(ラノリン)等が挙げられる。上記基材として、脂肪酸エステルを25質量%以上含む鉱物蝋を用いてもよい。脂肪酸エステルを25質量%以上含む鉱物蝋としては、モンタン蝋等が挙げられる。
上記基材は、脂肪酸と1価アルコールのエステル、及び脂肪酸と2価アルコールのエステルからなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸エステルを25質量%以上含むことが好ましい。このような基材としては、例えば、蜜蝋(ビーズワックス)、支那蝋(昆虫蝋)、クジラ蝋、セラック蝋、イボタ蝋、羊毛蝋(ラノリン)等の動物蝋、カルナバ蝋、サトウキビ蝋、パーム蝋、カンデリラ蝋、オーリクリ蝋、大豆蝋、米ぬか蝋、ホホバオイル等の植物蝋、モンタン蝋等の鉱物系蝋等が挙げられる。上記基材は、脂肪酸と1価アルコールのエステル、及び脂肪酸と2価アルコールのエステルからなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸エステルを30質量%以上含むことがより好ましい。このような基材としては、蜜蝋(ビーズワックス)、支那蝋(昆虫蝋)、クジラ蝋、セラック蝋、イボタ蝋、羊毛蝋(ラノリン)等の動物蝋、カルナバ蝋、サトウキビ蝋、パーム蝋、カンデリラ蝋、オーリクリ蝋、大豆蝋、米ぬか蝋、ホホバオイル等の植物蝋、モンタン蝋等の鉱物系蝋等が挙げられる。上記基材は、脂肪酸エステルに加えて、脂肪酸と炭化水素を含むことがより好ましい。中でも、高融点、保湿性及び分散性の観点から、蜜蝋及び/又はカルナバ蝋が好ましく、保湿性及び分散性の観点から、木蝋が好ましい。また、蜜蝋は、セイヨウミツバチ由来の高酸価の蜜蝋であることが好ましい。
上述した基材は、一種で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。基材が保湿性に優れ、且つ基材に機能剤を混合して得られた基材中に機能剤を包含した機能材を乳化分散して機能材の平均粒子径が0.10〜0.90μm程度の分散液を調整しやすい観点から、上記基材は、蜜蝋、カルナバ蝋及び木蝋からなる群から選ばれる一種以上であることが好ましい。
蜜蝋は、通常、下記表1に示すような組成を有する(佐々木正己、「養蜂の科学」、第1版、2003年4月22日、株式会社サイエンスハウス発行、122〜124頁を参照)。また、蜜蝋は、通常、62〜67℃の融点を有する。
カルナバ蝋は、例えば、下記表2に示すような組成を有する(Totten, George E.; Westbrook, Steven R.; Shah, Rajesh J., "Fuels and Lubricants Handbook", 2003年, ASTM International発行, 526頁を参照)。また、カルナバ蝋は、通常、80〜86℃の融点を有する。
木蝋は、通常、下記表3に示すような組成を有する(Totten, George E.; Westbrook, Steven R.; Shah, Rajesh J., "Fuels and Lubricants Handbook", 2003年, ASTM International発行, 624頁を参照)。また、木蝋は、通常、45〜53℃の融点を有する。
上記機能剤としては、再生セルロース繊維に所定の性能、例えば、芳香性、保湿性、保温性、発熱性、消臭性、防虫性、抗菌性、防カビ性、防汚性、難燃性、温度調節性、導電性、制電性、帯電性、撥水性、親水性、光遮蔽性、熱遮蔽性、抗酸化性等の様々な性能を付与することができるものであればよく、特に限定されない。機能剤を基材と混合して機能剤を基材中に含有させた状態で再生セルロース繊維に練り込みやすい観点から、上記機能剤は、上記基材と相溶性を有することが好ましい。例えば、芳香剤、抗酸化剤、顔料、保湿剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、消臭剤、可塑剤、忌避剤、防蚊剤等の防虫剤、紫外線、可視光線及び赤外線から群から選ばれる一種以上の光線を吸収及び/又は反射する光遮蔽剤、紫外線、可視光線及び赤外線から群から選ばれる一種以上の熱線を吸収及び/又は反射する熱遮蔽剤等が挙げられる。芳香剤は、精油や樹脂等の天然香料、合成香料、調合香料等を含む。上記機能剤は、揮発性物質であってもよい。揮発性物質としては、揮発性の香料や忌避剤等が挙げられる。
芳香剤としては、特に限定されないが、例えば、ローズ、ジャスミン、キンモクセイ、ライラック、カシス、ペパーミント、スペアミント、シソ、ローズマリー、ローズヒップ、カモミール、ミント、レモングラス、ラベンダー、ベルガモット、セージ、ローレル、ウインターグリーン、ユーカリ、シナモン、キハダ、ハッカ、ジンジャー、ターメリック、オレンジ、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ、マンダリン、レモン、ライム、柚子、温州みかん、伊予柑、夏ミカン、文旦、グレープフルーツ、シトラス、バニラ、ナツメグ、ビターアーモンド、マスタード、アップル、グレープ、ピーチ、ストロベリー、メロン、バナナ、パイナップル、マンゴー、アセロラ、ラズベリー、ブルーベリー、ミルク、キャラメル、チョコレート、桜、リモネン系、フローラルブーケ系、ホワイトフローラル系、ウッディ系、ムスク、アンバーグリス、シベット、カストリウム、スギ、ヒノキ等の樹木抽出物が挙げられる。
抗酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、トコフェロール(α型、β型、γ型、δ型);アスコルビン酸;イソアスコルビン酸;ユビキノール(コエンザイムQ10);リコピン;カテキン;アントシアニン;タンニン;クエルセチン;ミリシトリン;ミリセチン;グルタチオン;リポ酸;BHA(ブチルヒドロキシアニソール);BHT(ジブチルヒドロキシルトルエン);β−カロチン;イソフラボン等のフラボノイド;クロロゲン酸、エラグ酸、クルクミン等のフェノール酸;リンゴポリフェノール、カカオマスポリフェノール等のポリフェノール;アスタキサンチン、ルテイン等のカルテノイド、没食子酸誘導体;レスベラトロール等が挙げられる。
保湿剤としては、特に限定されないが、例えば、ATP(アデノシン三リン酸、トリリン酸アデノシン)、コラーゲン、アミノ酸、γ−アミノ酪酸(ピぺリジン酸)、アルファヒドロキシ酸(AHA)、アルブミン、1、3−プチレングリコール(1、3BG)、HSオイル(HSリピッド)、NMF(白然保湿因子)、エラスチン、アスパラギン酸、アスパラキン酸ナトリウム、アルギニン、イソロイシン、グルタミン、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、スレオニン、チロシン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン塩酸塩、ヒドロキシプロリン、プロリン、ロイシン、メチオニン、塩化マグネシウム、塩酸リジン、核酸、加水分解エラスチン、加水分解ケラチン、加水分解コンキオリン液、加水分解シルク、ゼラチン、カゼイン、酵母、マリンクレイ、キシリトール、キチン、キトサン、ムチン、グアノシン、グアニン、グリコール酸、グリシン、グリセリン、グルクロン酸、グルコサミン、ケラチン、酵素、コンドロイチン、シスチン、システイン、ジプロピレングリコール(DPG)、リパーゼ、シルク抽出液、エラスチン、セラミド、セリシン、セリン、ソルビトール、大豆タンパク質、大豆リン脂質、脱脂粉乳、タンパク質分解酵素、アラニン、ビロリドンカルポン酸、デオキシリポ核酸、動物胎盤エキス、トサカ抽出液、トレハロース、納豆エキス、ニガリパウダー、乳酸、乳酸菌培養液、ラクトース、尿酸、尿素、ハチミツ、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ビプィズス菌エキス、フェニルアラニン、グルコース、プラセンターエキス、プルラン、プロデュウ、プロピレングリコール、ホエ一(乳清、乳酸菌発酵液)、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、マリンコラーゲン、ラクトフェリン、卵黄レシチン、リポ核酸、リンゴ酸、リン酸、リン酸リボフラビンナトリウム、リン脂質、レシチン、ローヤルゼリー等が挙げられる。
抗菌剤としては、特に限定されないが、例えば、アミノグリコシド系抗生物質、カルバペネム系抗生物質、セフェム系抗生物質、ペニシリン系抗生物質、ペネム系抗生物質、モノバクタム系抗生物質、ホスホマイシン系抗生物質、ケトライド系抗生物質、クロラムフェニコール系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質、マクロライド系抗生物質、塩酸バンコマイシン、キヌプリチン・ダルホプリスチン、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム、テイコプラニン、硫酸ポリミキシンB、リモネン、銀及びその化合物、亜鉛及びその化合物、アルミニウム及びその化合物等が挙げられる。
防カビ剤としては、特に限定されないが、例えば、イマザリル、ジフェニル、チアベンダゾール、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、フルジオキソニル、アゾキシストロビン、ピリメタニル等が挙げられる。
難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、無機系難燃剤、有機系難燃剤、シリコン系難燃剤等が挙げられる。無機系難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和金属系;赤リン、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等のリン系・窒素系;ホウ酸亜鉛;錫酸亜鉛;モリブテン化合物等が挙げられる。有機系難燃剤としては、反応型や添加型等が挙げられる。反応型有機系難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、臭素化モノマー、臭素化エポキシ等のハロゲン系難燃剤、リン酸エステル等のリン系難燃剤等が挙げられる。添加型有機系難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、臭素系エーテル、臭素系オリゴマー/ポリマー、臭素化ポリスチレン、塩素系等のハロゲン系難燃剤;ハロゲン-リン系難燃剤;リン酸エステル、含リンポリオール、含リンアミン等のリン系難燃剤;メラミンシアヌレート、トリアジン化合物、グアニジン化合物等の窒素系難燃剤等が挙げられる。シリコン系難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコンポリマー、ケイ酸、ケイ酸塩等が挙げられる。
消臭剤としては、特に限定されないが、例えば、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化銅、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、シリカゲル、シリカゾル、ゼオライト、モンモリロナイト、アロフェン、セピオライト等の無機系消臭剤;カルボキシル基、スルホン基、アミノ基等の官能基を有する吸着剤、カルボキシル基、スルホン基、アミノ基等の官能基を有するポリマー等の有機系消臭剤が挙げられる。
忌避剤としては、特に限定されないが、例えば、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、シンナミルアセテート、ケイ皮酸誘導体、除虫菊、パラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟脳、ピレスロイド、ワサビ、唐辛子、シソ、茶エキス、ハッカ油、スギ、ヒノキ等の樹木からの抽出物等が挙げられる。
光遮蔽剤としては、特に限定されないが、例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
熱遮蔽剤としては、特に限定されないが、例えば、フタロシアニン類、ナフタロシアニン類、アントラキノン類、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、金、銀、銅等の金属微粒子等が挙げられる。
上記機能剤は、水不溶性であることが好ましい。上記機能剤が基材中に包含されていることにより、機能剤による性能付与が向上するとともに、耐久性が向上する。特に、機能剤が揮発性物質である場合、繊維の製造工程中の機能剤の喪失を防ぎ、機能剤による性能付与が容易になるとともに、耐久性が向上し、芳香性等の性能を長く維持でき、機能剤を長期間持続的に放出する(徐放性)ことが可能となる。上記機能剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記機能材含有再生セルロース繊維において、上記機能剤を基材中に包含している機能材は、セルロース100質量部に対して0.5〜20質量部の範囲で存在しているのが好ましく、より好ましくは0.7〜15質量部の範囲であり、さらに好ましくは1.0〜10質量部の範囲であり、さらにより好ましくは1.5〜6質量部の範囲である。この範囲であると、機能剤による性能付与と繊維強度の両立が可能となる。
上記機能材において、上記機能剤は、基材100質量部に対して3〜30質量部の範囲で含まれていることが好ましく、より好ましくは4〜30質量部の範囲で含まれており、さらに好ましくは5〜28質量部含まれている。この範囲であると、機能剤を基材中に包含されることが容易であるとともに、機能剤による性能を発揮しやすい。
繊維中に均一に微分散されることで機能材の特性が発揮できるという観点から、上記機能材含有再生セルロース繊維において、上記機能材の平均粒子径は、0.05〜1.00μmであることが好ましく、より好ましくは0.07〜0.95μmであり、さらに好ましくは0.10〜0.90μmであり、さらにより好ましくは0.15〜0.80μmである。
上記機能材含有再生セルロース繊維において、機能材の平均粒子径は、脱油処理後の上記機能材含有再生セルロース繊維を用いて測定することができる。具体的には、脱油処理後の上記機能材含有再生セルロース繊維における空隙部の平均孔径を測定することで、上記機能材含有再生セルロース繊維内の機能材の平均粒子径を確認することができる。脱油処理後の上記機能材含有再生セルロース繊維における空隙部は、脱油処理により微分散していた機能材が抜けることにより形成されるものであるため、脱油処理後の上記機能材含有再生セルロース繊維における空隙部の平均孔径を測定することで、上記機能材含有再生セルロース繊維内の機能材の平均粒子径を確認することができる。上記機能材含有再生セルロース繊維の脱油処理後の空隙部の平均孔径は、脱油処理後の繊維の断面写真(走査型電子顕微鏡写真、倍率3000倍)を用いて測定する。具体的には、脱油処理後の繊維の断面写真(走査型電子顕微鏡写真、倍率3000倍)を画像処理により倍率9010倍に拡大し、印刷した紙面上から任意の繊維の断面をサンプリングし、その繊維断面における繊維の外周から3μm内部までの間に存在する空隙部の直径を計測し、計測した100個の空隙部の直径を平均して空隙部の平均孔径とする。なお、楕円状の空隙部は長径及び短径を計測して算出した面積から真円直径に換算し、空隙部の直径とする。上記において、脱油処理は、下記のように行う。
(I)試料約2.3gを精秤し、底部に小さい穴の空いた試料管に詰める。
(II)底部の穴を塞ぎ、抽出溶媒としてメタノール10mlを試料管に注加し、一定時間静置し浸透させてからプレス装置によりメタノール処理液を抽出する。
(III)同じ試料を使用して上記の操作(II)による抽出を20回繰り返した後、試料管から取り出した試料を水洗し、105℃、2時間で乾燥して脱油処理後の繊維を得る。
上記機能材含有再生セルロース繊維は、本発明の目的を阻害しない範囲内において、上記機能材に加えて、他の化合物粒子を含んでもよい。他の化合物粒子としては、有機及び/又は無機の材料が挙げられる。有機の材料としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等の粒子が挙げられる。無機の材料としては、例えば、亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の金属又はその塩;酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム等の金属酸化物;二酸化ケイ素、リン酸系化合物等の非金属化合物等が挙げられる。
上記機能材含有再生セルロース繊維が、ビスコース法によるビスコースレーヨン繊維の場合、他の化合物粒子は、耐酸及び/又は耐アルカリの粒子であることが好ましい。例えば、pH1以下の強酸及び/又はpH13以上の強アルカリ雰囲気に耐性を有する粒子であることが好ましい。或いは、他の化合物粒子は、ビスコースに溶解するか、又はビスコース中で異物形成しない粒子であることが好ましい。具体的には、他の化合物粒子の耐酸性は、10%硫酸水溶液に約1〜3質量%の粒子を添加し、溶液中の粒子の状態を観察することで確認できる。同様に、他の粒子の耐アルカリ性は、6%水酸化ナトリウム溶液に、約1〜3質量%の粒子を添加し、耐酸性と同様にして確認できる。
風合いと繊維強度の両立の観点から、上記機能材含有再生セルロース繊維内における他の化合物粒子の含有量は、セルロース100質量部に対して0.1〜15質量部であることが好ましく、より好ましくは0.15〜10質量部であり、さらに好ましくは0.2〜5質量部である。
上記機能材含有再生セルロース繊維は、ビスコース法により得られるビスコースレーヨン繊維以外にも、銅アンモニアレーヨン(キュプラ)、溶剤紡糸セルロース繊維(リヨセル)、アセテート繊維等が挙げられる。
上記機能材含有再生セルロース繊維は、上記機能材を紡糸液に添加する以外は、公知の再生セルロース繊維の製造方法にて製造することができる。紡糸液としては、ビスコースレーヨン繊維の場合は、セルロースを含むビスコースを用いることができ、銅アンモニアレーヨン(キュプラ)の場合は、セルロースを溶解させた銅アンモニウム溶液を用いることができ、溶剤紡糸セルロース繊維(リヨセル)の場合は、セルロースを溶剤に溶解させた溶液を用いることができ、アセテート繊維の場合は、アセチルセルロースをアセトンに溶解した溶液を用いることができる。これらの紡糸液に機能材の分散液、好ましくは機能材の平均粒子径が0.10〜0.90μmの機能材の分散液を添加し、機能材を添加した紡糸液を一般的な湿式紡糸法で紡糸することで、基材中に機能剤を包含した機能材がセルロース中に存在する機能材含有再生セルロース繊維を得ることができる。
上記機能材の分散液において、乳化分散された機能材の平均粒子径(D50)が0.10〜0.90μmの範囲内であることにより、生産工程が良好になり、繊維の繊度を細くしやすくなる。上記機能材の分散液において、機能材の平均粒子径は、好ましくは0.15〜0.80μmであり、より好ましくは0.20〜0.70μmであり、さらに好ましくは0.30〜0.70μmの範囲内であり、さらにより好ましくは0.40〜0.60μmの範囲内である。
基材中に機能剤を包含しやすい観点から、上記基材を融点以上の温度で溶融した後に溶融状態の基材に機能剤を混合して機能材を調製することが好ましい。次いで、得られた基材と機能剤の混合物である機能材を、乳化分散して機能材の分散液を調製する。乳化分散時に、必要に応じて、界面活性剤、具体的にはアニオン系界面活性剤及び/又はノニオン系界面活性剤を乳化剤として用いることができる。
ビスコースレーヨンの場合、具体的には、上記基材に上記機能剤を混合して得られた機能材を水に乳化分散して機能材の水分散液、好ましくは機能材の平均粒子径が0.10〜0.90μmの機能材の水分散液を調製し、得られた水分散液をセルロースを含むビスコースに混合して紡糸用ビスコースを調製し、得られた紡糸用ビスコースをノズルより押し出して紡糸し、凝固再生することで作製することができる。これにより、基材中に機能剤を包含した機能材を再生セルロース繊維内に存在させることができる。
セルロースを含むビスコースとしては、例えば、セルロースを7〜10質量%、水酸化ナトリウムを5〜8質量%、二硫化炭素を2〜3.5質量%を含むビスコースを用いることができる。また、セルロースを含むビスコースは、必要に応じて、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、二酸化チタン等の添加剤を含んでもよい。上記セルロースを含むビスコースに、上記機能材の水分散液を混合して紡糸用ビスコースを調製する。また、必要に応じて、上述した他の化合物粒子を混合する。紡糸用ビスコースの温度は19〜23℃に保持するのが好ましい。上記紡糸用ビスコースにおいて、上記機能材の添加量はセルロース100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましく、0.7〜15質量部であることがより好ましく、1.0〜10質量部であることがさらに好ましく、1.5〜6質量部であることがさらにより好ましい。
紡糸浴(ミューラー浴)としては、硫酸を95〜130g/リットル、硫酸亜鉛を10〜17g/リットル、硫酸ナトリウムを290〜370g/リットルを含む紡糸浴を用いることが好ましい。より好ましい硫酸濃度は、100〜120g/リットルである。また、紡糸浴は、温度を45〜60℃とすることが好ましい。
紡糸ノズルとしては、特に限定されず、円形ノズルを用いてもよく、異形ノズルを用いてもよい。また、紡糸ノズルの選定は、目的とする生産量にもよるが、直径0.05〜0.12mmのホールを1000〜20000ホール有するものが好ましい。
上記紡糸ノズルを用いて、上記で得られた紡糸用ビスコースを紡糸浴中に押し出して紡糸し、凝固再生させる。紡糸速度は35〜75m/分の範囲が好ましい。また、延伸率は30〜50%が好ましい。本発明において、「延伸率」とは、延伸前の糸条の長さを100%としたとき、延伸後の糸条の長さを何%伸ばすかを示すものである。倍率で示すと、延伸前が1、延伸後は1.30〜1.50倍となる。
上記のようにして得られた再生セルロース繊維糸条を所定の長さにカットし、精練処理を行う。精練処理は、通常の方法で、熱水処理、水硫化処理、漂白、酸洗い、及び油剤付与の順で行うとよい。水硫化処理は、例えば、水硫化ソーダ等で行うことができる。漂白は、例えば、次亜塩素酸ソーダ等で行うことができる。なお、水硫化処理、漂白及び酸洗いは、適宜省いてもよい。
その後、必要に応じて圧縮ローラーや真空吸引等の方法で余分な油剤、水分を繊維から除去した後、乾燥処理を施す。
上記機能材含有再生セルロース繊維は、繊度が0.3〜6.0dtexであることが好ましい。より好ましくは0.6〜4.0dtexであり、さらに好ましくは0.9〜3.3dtexである。繊度が0.3dtex未満であると、延伸時に単繊維切れが発生しやすい傾向にある。繊度が6.0dtexを越えると、衣料用途には向かなくなる恐れがある。しかし、カーペット等のインテリア製品用であれば6.0dtexを越える太繊度の繊維でも使用できる。
上記機能材含有再生セルロース繊維は、通常の再生セルロース繊維とほぼ同等の強度を有する観点から、乾強度は1.5cN/dtex以上であることが好ましく、より好ましくは2.0cN/dtex以上であり、湿強度は0.8cN/dtex以上であることが好ましく、より好ましくは1.0cN/dtex以上である。また、通常の再生セルロース繊維とほぼ同等の伸度を有する観点から、乾伸度は15%以上であることが好ましく、より好ましくは17%以上であり、湿伸度は17%以上であることが好ましく、より好ましくは19%以上である。本発明において、繊度、乾強度、湿強度、乾伸度及び湿伸度は、後述するとおりに測定する。
上記機能材含有再生セルロース繊維は、水硫化処理や漂白処理を行っても変質しにくい基材を使うため、白度が高い繊維を得ることができる。上記機能材含有再生セルロース繊維は、白度が向上する観点から、後述するように測定算出したハンター白色度が80以上であることが好ましく、より好ましくは85以上であり、さらに好ましくは90以上である。
上記機能材含有再生セルロース繊維は、長繊維状及び短繊維状のいずれの形態であってもよい。長繊維状としては、トウ、フィラメント、不織布等が挙げられる。短繊維状としては、湿式抄紙用原綿、エアレイド不織布用原綿、カード用原綿等が挙げられる。
本発明の繊維構造物は、上記機能材含有再生セルロース繊維を含む。上記繊維構造物としては、例えば、トウ、フィラメント、紡績糸、中綿(詰め綿)、紙、不織布及び織編物等が好ましい。上記繊維構造物は、機能材含有再生セルロース繊維を含むことにより、機能材に包含されている機能剤による性能を発現することができる。上記繊維構造物は、上記機能材含有再生セルロース繊維単独で構成されていてもよい。他の繊維と併用する場合は、上記機能材含有再生セルロース繊維を繊維構造物全体質量に対して10質量%以上含有させることが好ましく、20質量%以上で含有させることがより好ましく、30質量%以上で含有させることがさらに好ましい。上記繊維構造物における機能材含有再生セルロース繊維の含有量の上限は、特に限定されないが、90質量%以下であってもよく、80質量%以下であってもよく、70質量%以下であってもよい。また、上記繊維構造物は、繊維構造物全体質量に対して他の繊維を10〜90質量%含んでもよい。
上記繊維構造物が紡績糸である場合、上記機能材含有再生セルロース繊維単独で構成してもよく、或いは、上記機能材含有再生セルロース繊維とその他の再生セルロース繊維、コットン、麻、ウール、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維等の他の繊維と混紡してもよい。このような紡績糸は、例えば織物や編物に加工されて衣料等に用いることができる。
上記繊維構造物が不織布である場合、上記機能材含有再生セルロース繊維単独で構成してもよく、或いは、上記機能材含有再生セルロース繊維とその他の再生セルロース繊維、コットン、麻、ウール、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維等の他の繊維と混綿して不織布にしてもよい。不織布の形態としては、例えば、湿式不織布(湿式抄紙)、エアレイド不織布、水流交絡不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられる。このような不織布は、例えば、ウェットティッシュ、対人・対物用ワイパー等のウェットシート、水解シート等に用いることができる。また、化粧パフ、吸収体等の衛生シートに用いることができる。
以下、図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例における機能材含有再生セルロース繊維の断面を示すデジタルマイクロスコープ写真(倍率:1000倍)であり、図2は同機能材含有再生セルロース繊維の側面を示す光学顕微鏡写真(倍率:320倍)である。図1において、繊維断面における島部分は機能剤を基材中に包含した機能材である。図2において、黒い点が機能剤を基材中に包含した機能材である。図1及び図2から、機能材含有再生セルロース繊維において、機能剤を基材中に包含した機能材と、セルロースは非相溶状態であり、機能材がセルロース中に粒子状で微分散されていることがわかる。機能材含有再生セルロース繊維において、上記機能材はセルロース中に微分散していることが好ましい。機能材がセルロース中に微分散することで、機能剤が繊維内でより全体的に存在することができ、機能剤の効果を発揮しやすく、また、良好な繊維強度の繊維を得やすくなる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。なお、下記の実施例で添加量を単に%と表記した場合は、質量%を意味する。
(実施例1)
[紡糸用ビスコースの調製]
下記表4に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋(融点62℃)に木の精油成分からなる香料を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.45μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して機能材が15質量部となるように、原料ビスコースへ添加し、混合機にて攪拌混合を行い、紡糸用ビスコースを調製した。原料ビスコースとしては、セルロース8.5量%、水酸化ナトリウム5.7質量%、二硫化炭素2.8質量%を含むビスコースを用いた。
[紡糸条件]
得られた紡糸用ビスコースを、2浴緊張紡糸法により、紡糸速度50m/分、延伸率50%で紡糸した。第一浴(紡糸浴)は、硫酸115g/L、硫酸亜鉛15g/L、硫酸ナトリウム350g/L含むミューラー浴(50℃)を用いた。また、ビスコースを吐出する紡糸口金には、孔径0.06mmのホールを4000個有する円形ノズルを用いた。紡糸中、単糸切れ等の不都合は生じず、機能材の水分散液を混合した紡糸用ビスコースの紡糸性は良好であった。
[精練条件]
上記で得られたレーヨン繊維を、繊維長38mmにカットし、精練処理を行った。精錬処理は、具体的には、下記のように行った。カットしたレーヨン繊維を熱水処理後に水洗を行い、その後圧縮ローラーで余分な水分を繊維から落とした後、水硫化ソーダにて処理し、水洗後、圧縮ローラーで水分を落とした。次いで、次亜塩素酸ソーダ、硫酸にて処理し、水洗、圧縮ローラーにて水分を落とし、油剤処理後、圧縮ローラーにて水分を落とした。その後、乾燥処理(60℃、7時間)を施して、表4に示す繊度の繊維Aを得た。
(実施例2)
下記表4に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋にジャスミン系香料を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.30μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して機能材が2質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例1と同様にして、表4に示す繊度の繊維Bを得た。
(実施例3)
下記表4に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋にフローラルブーケ系香料を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.49μmになるように調製した水分散液を用いた以外は、実施例2と同様にして、表4に示す繊度の繊維Cを得た。
(実施例4)
下記表4に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋にフローラルブーケ系香料を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.49μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して機能材が4質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例2と同様にして、表4に示す繊度の繊維Dを得た。
(実施例5)
下記表4に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋にホワイトフローラル系香料を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.59μmになるように調製した水分散液を用いた以外は、実施例2と同様にして、表4に示す繊度の繊維Eを得た。
(実施例6)
下記表4に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋にフローラルブーケ系香料を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.48μmになるように調製した水分散液を用いた以外は、実施例2と同様にして、表4に示す繊度の繊維Fを得た。
(実施例7)
下記表4に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋にジャスミン系香料を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.11μmになるように調製した水分散液を用いた以外は、実施例2と同様にして、表4に示す繊度の繊維Gを得た。
(実施例8)
下記表4に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋にジャスミン系香料を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.56μmになるように調製した水分散液を用いた以外は、実施例2と同様にして、表4に示す繊度の繊維Hを得た。
(実施例9)
下記表4に示す配合割合で溶融状態のカルナバ蝋(融点83℃)にフローラルブーケ系香料を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.43μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して機能材が1.2質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例2と同様にして、表4に示す繊度の繊維Xを得た。
(実施例10)
下記表4に示す配合割合で溶融状態の木蝋(融点49℃)にフローラルブーケ系香料を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.19μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して機能材が1.2質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例2と同様にして、表4に示す繊度の繊維Yを得た。
(実施例11)
下記表4に示す配合割合で溶融状態の密蝋にリモネン(抗菌剤として用いた)を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.32μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して機能材が0.8質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例2と同様にして、表4に示す繊度の繊維Vを得た。
(実施例12)
下記表6に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋に忌避剤(有効成分:ケイ皮酸エチル)を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.39μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して機能材が12.9質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例2と同様にして、表6に示す繊度の繊維Pを得た。
(実施例13)
下記表6に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋に忌避剤(有効成分:ケイ皮酸メチル)を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.45μmになるように調製した水分散液を用いた以外は、実施例12と同様にして、表6に示す繊度の繊維Qを得た。
(実施例14)
下記表6に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋に忌避剤(有効成分:シンナミルアセテート)を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.11μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して機能材が12.5質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例12と同様にして、表6に示す繊度の繊維Rを得た。
(実施例15)
下記表6に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋に忌避剤(有効成分:ケイ皮酸誘導体)を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.84μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して機能材が6.5質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例12と同様にして、表6に示す繊度の繊維Sを得た。
(実施例16)
下記表6に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋に忌避剤(有効成分:ケイ皮酸誘導体)を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.28μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して機能材が6.5質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例12と同様にして、表6に示す繊度の繊維Tを得た。
(実施例17)
下記表6に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋に忌避剤(有効成分:ケイ皮酸誘導体)を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.28μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して機能材が3.5質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例12と同様にして、表6に示す繊度の繊維Uを得た。
(実施例18)
下記表6に示す配合割合で溶融状態の蜜蝋に忌避剤(有効成分:ケイ皮酸誘導体)を混合した混合物(機能材)を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、機能材の平均粒子径が0.28μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して機能材が5.0質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例12と同様にして、表6に示す繊度の繊維Wを得た。
(比較例1)
蜜蝋を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、蜜蝋の平均粒子径が0.40μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して蜜蝋が2質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例2と同様にして、表5に示す繊度の繊維Iを得た。
(比較例2)
下記表5に示す配合割合で溶融状態のオレフィン系炭化水素(融点35℃)にジャスミン系香料を混合した混合物を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、混合物の平均粒子径が0.50μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して混合物が2質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例2と同様にして、表5に示す繊度の繊維Jを得た。
(比較例3)
下記表5に示す配合割合で溶融状態のノルマルパラフィン(融点30℃)にジャスミン系香料を混合した混合物を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、混合物の平均粒子径が0.59μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して混合物が2質量部となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例2と同様にして、表5に示す繊度の繊維Kを得た。
(比較例4)
下記表5に示す配合割合でヒマワリ油と桜系香料を混合し、得られた混合物を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、混合物の平均粒子径が0.35μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して混合物が2質量部となるように、原料ビスコースへ添加し、水流化ソーダによる処理及び次亜塩素酸ソーダによる処理を行わなかった以外は、実施例2と同様にして、表5に示す繊度の繊維Lを得た。
(比較例5)
下記表5に示す配合割合でヒマワリ油と木の精油成分からなる香料を混合し、得られた混合物を乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いて水に乳化分散して、混合物の平均粒子径が0.48μmになるように調製した水分散液を、セルロース100質量部に対して混合物が2質量部となるように、原料ビスコースへ添加し、水流化ソーダによる処理及び次亜塩素酸ソーダによる処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、表5に示す繊度の繊維Mを得た。
(参考例1)
原料ビスコースをそのまま紡糸用ビスコースとして用いた以外は、実施例2と同様にして、表5に示す繊度の繊維Zを得た。
実施例及び比較例において、水分散液における機能剤と基材の混合物の平均粒子径は、下記のように測定した。
<平均粒子径>
島津製作所製「島津ナノ粒子径分布測定装置 SALD−7500nano」を使用し、レーザー回折光散乱法により、50%粒子径(D50)を測定し、平均粒子径とした。
実施例1〜18、比較例1〜5及び参考例1のレーヨン繊維の物性を下記のように測定し、その結果を下記表4〜6に示した。また、実施例1及び比較例5のレーヨン繊維の白度を下記のように測定評価し、その結果を下記表4及び5に示した。表4〜6には、基材と機能剤の混合物の水分散液における基材及び機能剤の含有率、及び基材100質量部に対する機能剤の配合量も示した。また、表4〜6には、紡糸用ビスコース液において、セルロース100質量部に対する機能材及び機能剤の添加量をそれぞれ示した。なお、上記実施例及び比較例で用いた香料及び忌避剤は、全て水不溶性で揮発性物質であった。
<繊維物性>
繊度及び乾湿強伸度の測定はJIS L 1015に準じた試験で行った。
<繊維の色>
繊維の色は、JIS Z 8722にて定義されている拡散照明垂直受光方式に準拠した日本電色製「SPECTROPHOTOMETER NF333」を用いて、JIS Z 8729に規定されている「L***表色系」に従って測定した。また、ハンター白色度は、L*、a*及びb*値に基づいて、下記式を用いて算出した。
ハンター白色度=100−√〔(100−L*)+(a*2+b*2)〕
<繊維中の機能材の平均粒子径>
(1)繊維を下記のように脱油処理した。
(I)試料約2.3gを精秤し、底部に小さい穴の空いた試料管に詰めた。
(II)底部の穴を塞ぎ、抽出溶媒としてメタノール10mlを試料管に注加し、一定時間静置し浸透させてからプレス装置によりメタノール処理液を抽出した。
(III)同じ試料を使用して上記の操作(II)による抽出を20回繰り返した後、試料管から取り出した試料を水洗し、定温乾燥機(アズワン製、型番「DO−450FA」)を用いて105℃、2時間で乾燥して脱油処理後の繊維を得た。
(2)脱油処理後の繊維を用いて機能材の平均粒子径を測定した。
脱油処理後の繊維の断面写真(走査型電子顕微鏡写真、倍率3000倍)を画像処理により倍率9010倍に拡大し、印刷した紙面上から任意の繊維の断面をサンプリングし、その繊維断面における繊維の外周から3μm内部までの間に存在する空隙部の直径を計測し、計測した100個の空隙部の直径を平均して空隙部の平均孔径を算出し、機能材の平均粒子径とした。なお、楕円状の空隙部は長径及び短径を計測して算出した面積から真円直径に換算し、空隙部の直径とした。なお、走査型電子顕微鏡としては、日立製作所製「S−2500N」を用いた。
実施例1〜10及び比較例2〜5のレーヨン繊維の残香性を下記のように評価し、その結果を下記表4及び5に示した。また、実施例1〜6、比較例4及び5のレーヨン繊維を下記のようにアルカリ処理し、アルカリ処理後の残香性を下記のように評価し、その結果を下記表4及び5に示した。また、実施例4のレーヨン繊維を下記のように経時促進処理し、経時促進処理後の残香性を下記のように評価し、その結果を下記表4に示した。なお、下記表4及び5において、「−」は、測定を行っていないことを意味する。
<残香性>
モニター4名にまず対象のレーヨン繊維に使用した機能材の水分散液の香りを嗅いでもらい香料の臭いを確認し、次に参考例1のレーヨン繊維(繊維Z)の香りを嗅いでもらいレーヨン臭を確認させた後、対象のレーヨン繊維にレーヨン臭とは明らかに異なる残香性があれば、その程度を、下記の5段階で評価した。なお、体温と似たような条件での残香性を確認するため、ぬるま湯(36℃)で濡らしたレーヨン繊維を測定サンプルとした。下記表4及び5には、4名のモニターの評価の平均値を示した。
5:明らかに香りがわかる
4:香りがわかる
3:やや香りがする
2:ごくわずかに香りがわかる
1:香りがわからない
<アルカリ処理後の残香性>
レーヨン繊維を炭酸ソーダ3質量%の水浴(60℃)で120分間処理後、pH3〜5の酢酸浴で処理し、その後水洗し、乾燥させた。次いで、アルカリ後の処理後のレーヨン繊維の残香性を上述したとおりに評価した。
<経時促進処理後の残香性>
レーヨン繊維を、定温乾燥機(アズワン製、型番「DO−450FA」)を用いて温度が70℃の環境に20日間放置した。次いで、経時促進処理後のレーヨン繊維の残香性を上述したとおりに評価した。
また、実施例4の繊維Dを用いて下記のように作製した水流交絡不織布の残香性を上記のように測定し、その結果を下記表4に示した。また、実施例4の繊維Dを用いて下記のように作製した水流交絡不織布の残香性を上記のように測定し、その結果を下記表4に示した。
<水流交絡不織布の製造例1>
アクリル繊維(東レ製「シルウォーム」、繊度1.1dtex、繊維長38mm)65質量%と、上記で得られた実施例4(繊維D)を35質量%混綿し、カードウェブを作製した。次に、カードウェブの片面に対して、孔径0.13mmφ、孔ピッチ1mm間隔で配列されたノズルから3MPaの水圧で柱状水流を噴射し、再度同じ面に対して5MPaの水圧で柱状水流を噴射し、裏返して5MPaの水圧で柱状水流を噴射して、目付が130g/m2の水流交絡不織布(レーヨン繊維35質量%の混綿不織布)を作製した。
<水流交絡不織布の製造例2>
実施例4で得られた繊維Dについて、上述したようにアルカリ処理を実施し、得られたアルカリ処理後の繊維D35質量%とアクリル繊維(東レ製「シルウォーム」、繊度1.1dtex、繊維長38mm)65質量%を混綿した以外は、上述した水流交絡不織布の製造例1と同様にして混綿不織布(目付:130g/m2)を作製した。
実施例12〜18のレーヨン繊維を用いて上述した水流交絡不織布の製造例1と同様にしてレーヨン繊維100質量%の水流交絡不織布(目付:45g/m2)を作製し、下記のように蚊に対する防蚊試験で防蚊性能を評価し、その結果を下記表6に示した。また、実施例15〜17のレーヨン繊維を用いて上述した水流交絡不織布の製造例1と同様にして作製したレーヨン繊維100質量%の水流交絡不織布を下記のようにアルカリ処理し、アルカリ処理後の防蚊性能を下記のように評価し、その結果を下記表6に示した。また、実施例18のレーヨン繊維を、上述したとおりに経時促進処理した後、上述した水流交絡不織布の製造例1と同様にして作製したレーヨン繊維100質量%の水流交絡不織布を用い、経時促進処理後の防蚊性能を下記のように評価し、その結果を下記表6に示した。nは2とし、下記表6には平均値を示した。なお、下記表6において、「−」は、測定を行っていないことを意味する。
<防蚊試験>
密閉した空間に成虫した雌蚊(交尾後のもの)を放ち、その空間に、比較対象の試験サンプルの水流交絡不織布を巻いた腕を入れて蚊が何匹止まったか(静止数)を数え、その数をN1とした。また、上記蚊を放った空間に、対象の試験サンプルの水流交絡不織布を巻いた腕を入れて蚊が何匹止まったか(静止数)を数え、その数をN2とし、下記式により忌避率を算出した。比較対象として、参考例1のレーヨン繊維を用いた。
忌避率(%)=(N1−N2)/N1×100
<アルカリ処理>
レーヨン繊維100質量%の水流交絡不織布を炭酸ソーダ3質量%の水浴(60℃)で120分間処理後、pH3〜5の酢酸浴で処理し、その後水洗・乾燥させた。アルカリ後の処理後の水流交絡不織布の防蚊性を上述したとおりに評価した。
(参考例2〜4)
下記表7に示す基材10.0gを瓶に入れ、80℃に設定した定温乾燥機(アズワン社製、型番「DO−450FA」)にて溶融させ、溶融後、すぐさまフローラルブーケ系香料0.10gと混合した後、蓋を閉めて室温(15℃)に静置して固化させた。固化直後の混合物、及び固化した後蓋を解放し20日経過後の混合物の香気強度を下記のように評価した。その結果を下記表7に示した。
<混合物の残香性>
モニター4名に混合物の香りを嗅いでもらい、その強さを5段階で評価した。
5:強く香る
4:やや強く香る
3:香りがわかる
2:わずかに香りがわかる
1:香りがわからない
機能材含有再生セルロース繊維における機能剤の保持率を下記のようなモデル試験で確認した。
実験1:各種基材を用いた場合のフローラル系香料の保持率の経時変化
基材8.0gとホワイトフローラル系香料2gを試料瓶に入れ密栓し、80℃に設定した定温乾燥機(アズワン社製、型番「DO−300FA」)にて溶融(カルナバ蝋のみ90℃で溶融)させ、室温(20℃)に戻した後、開栓状態で40℃下(定温乾燥機アズワン社製、型番「DO−300FA」)に放置し、所定時間経過後ごとの試料瓶の質量を測定して、機能剤(ホワイトフローラル系香料)の質量を算出した。その後、機能剤の初期質量及び所定時間経過後の機能剤の質量に基づいて、下記式によって機能剤の保持率(質量%)を算出した。その結果を下記表8及び図3に示した。
機能剤の保持率(質量%)=(所定時間経過後の機能剤の質量/機能剤の初期質量)×100
実験2:各種基材を用いた場合のリモネンの保持率の経時変化
基材8.0gとリモネン2gを試料瓶に入れ密栓し、80℃に設定した定温乾燥機(アズワン社製、型番「DO−300FA」)にて溶融させ、室温(20℃)に戻した後、開栓状態で40℃下(定温乾燥機アズワン社製、型番「DO−300FA」)に放置し、所定時間経過後ごとの試料瓶の質量を測定して、機能剤(リモネン)の質量を算出した。その後、機能剤の初期質量及び所定時間経過後の機能剤の質量に基づいて、下記式によって機能剤の保持率(質量%)を算出した。その結果を下記表9及び図4に示した。
機能剤の保持率(質量%)=(所定時間経過後の機能剤の質量/機能剤の初期質量)×100
試験3:蜜蝋を用いた場合のホワイトフローラル系香料の保持率の経時変化
下記表10に示す質量の基材とホワイトフローラル系香料を試料瓶に入れ密栓し、80℃に設定した定温乾燥機(アズワン社製、型番「DO−300FA」)にて溶融させ、室温(20℃)に戻した後、開栓状態で40℃下(アズワン社製定温乾燥機、型番「DO−300FA」)に放置し、所定時間経過後ごとの試料瓶の質量を測定して、機能剤(ホワイトフローラル系香料)の質量を算出した。その後、機能剤の初期質量及び所定時間経過後の機能剤の質量に基づいて、下記式によって機能剤の保持率(質量%)を算出した。その結果を下記表10及び図5に示した。
機能剤の保持率(質量%)=(所定時間経過後の機能剤の質量/機能剤の初期質量)×100
上記表4〜表6の結果から分かるように、実施例のレーヨン繊維は、強度及び伸度といった繊維物性は通常のレーヨン繊維とほぼ変わらず、機能剤による効果を発現していた。また、実施例1と比較例5の対比から明らかなように、実施例のレーヨン繊維は、水硫化処理や漂白処理を行っても基材が変質しにくく、白度が高かった。また、実施例1〜6のレーヨン繊維は、アルカリ処理前後において、残香性の変化幅が小さく、耐久性に優れていた。また、実施例4のレーヨン繊維は、経時促進処理前後における残香性の変化幅が小さく、機能剤の徐放性に優れていた。また、実施例4のレーヨン繊維をアクリル繊維と混綿して得られた不織布の場合も、アルカリ処理前後及び経時促進処理前後の残香性の変化幅が小さく、耐久性及び徐放性に優れていた。また、実施例4と実施例6とを対比すると、繊維中の香料の量が同じであっても、繊維中の機能材の量が多い実施例4の方が残香性が高かった。これは、繊維中の機能材の量が多い、すなわちセルロース中に含まれている機能材の粒子の数が多いことで、香料が繊維外に出て行きやすくなるためと考えられる。
実施例2、7及び8と、比較例2及び3の対比から、蜜蝋と機能剤を混合して得られた蜜蝋中に機能剤を包含した機能材をレーヨン繊維に練り込んだ方が、炭化水素やパラフィンと機能剤を混合した混合物をレーヨン繊維に練り込んだ場合より、機能剤による性能付与効果が高いことが分かった。
実施例の機能材含有レーヨン繊維において、繊維の断面をデジタルマイクロスコープ(倍率:1000倍、株式会社キーエンス社製、型番「VHX−500F」)で観察したところ、機能剤を基材中に包含する機能材と、セルロースは非相溶状態であり、機能材がセルロース中に分散されていることが確認された。また、実施例の機能材含有レーヨン繊維において、繊維の側面を光学顕微鏡(倍率:320倍、株式会社ニコン社製、型番「ECLIPSE E600」)で観察したところ、機能剤を基材中に包含する機能材と、セルロースは非相溶状態であり、機能材がセルロース中に分散されていることが確認された。機能材の粒子径は一定ではなく分布を持つため、粒子径が小さいものは上述したデジタルマイクロスコープによる観察では確認されなかったが、機能材はセルロース中に微分散されていると予想される。
図1には、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス社製、型番「VHX−500F」)で観察した実施例4のレーヨン繊維の断面の写真(倍率:1000倍)を示した。図2には同機能材含有再生セルロース繊維を光学顕微鏡(株式会社ニコン社製、型番「ECLIPSE E600」)で観察した側面写真(倍率:320倍)を示した。図1において、繊維断面における島部分は機能剤を基材中に包含した機能材である。図2において、黒い点が機能剤を基材中に包含した機能材である。図1及び図2から、機能材含有再生セルロース繊維において、機能剤を基材中に包含した機能材と、セルロースは非相溶状態であり、機能材がセルロース中に粒子状で微分散されていることが確認された。
また、上記表7の結果から分かるように、基材として蜜蝋を用いた場合、基材として1−エイコサノール(直鎖脂肪族アルコール)やオクタコサン(炭化水素)を用いた場合と比較して、固化直後の香気強度は低いが、20日経過後は高くなっていた。これは、蜜蝋は程よく香料を保持し徐々に放出するため香気強度が抑えられていることを示している。強く香るということはそれだけ放出が早く繊維化後の加工後に香気が弱くなることが考えられる。実際に一定期間経過後、1−エイコサノール及びオクタコサンを用いた場合は、香気強度は格段に下がったが、蜜蝋を用いた場合は、香気強度の変化が小さかった。
上記表8及び図3の結果から分かるように、基材として蜜蝋又はカルナバ蝋を用いた場合、基材として1−エイコサノールやオクタコサンを用いた場合と比較して、160時間経過後の機能剤(ホワイトフローラル系香料)の保持率が高かった。これは、基材として蜜蝋又はカルナバ蝋を用いた場合、機能剤の徐放性に優れることを意味する。なお、蜜蝋のみを試料瓶に入れ、40℃以下で静置させ、所定時間ごとの試料瓶(蜜蝋が導入された状態)の質量を測定したところ、160時間経過まで、蜜蝋の質量がほぼ変化しないことが確認された。
また、上記表9及び図4の結果から分かるように、機能剤としてリモネンを使用しても、蜜蝋を用いた方が、1−エイコサノールやオクタコサンを用いた場合と比較して、160時間経過後の機能剤の保持率が高かった。
上記表10及び図5の結果から分かるように、基材が蜜蝋であり、機能剤がホワイトフローラル系香料の場合、時間経過に伴う機能剤保持率の変化幅が小さく、機能剤の徐放性に優れていた。
本発明の機能材含有再生セルロース繊維は、例えば、トウ、フィラメント、紡績糸、中綿(詰め綿)、紙、不織布、織編物等の繊維構造物に用いることができる。また、本発明の繊維構造物は、下着、中着、外着、マフラー、ストール、帽子、耳掛け、手袋等の衣類製品、壁紙、障子紙、カーペット、カーテン等のインテリア製品、毛布、布団カバー、シーツ、枕カバー等の寝具等に有用である。

Claims (11)

  1. ビスコースレーヨン繊維内に機能材が含有された機能材含有ビスコースレーヨン繊維であり、
    前記ビスコースレーヨン繊維内のセルロースと前記機能材とは非相溶であり、
    前記機能材は、基材と、前記基材に混合されている機能剤を含み、
    前記基材は、基材の全体質量に対して脂肪酸エステルを25質量%以上含み、
    前記基材は、動物蝋、植物蝋、並びに脂肪酸エステルとして脂肪酸と1価アルコールのエステル、及び脂肪酸と2価アルコールのエステルからなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸エステルを含む基材からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする機能材含有ビスコースレーヨン繊維。
  2. 前記基材は、融点が40℃以上である請求項1に記載の機能材含有ビスコースレーヨン繊維。
  3. 前記基材は、疎水性である請求項1又は2に記載の機能材含有ビスコースレーヨン繊維。
  4. 前記基材は、蜜蝋、カルナバ蝋及び木蝋からなる群から選ばれる一種以上である請求項1〜のいずれか1項に記載の機能材含有ビスコースレーヨン繊維。
  5. 前記基材は、さらに脂肪酸及び炭化水素を含む請求項1〜のいずれか1項に記載の機能材含有ビスコースレーヨン繊維。
  6. 前記機能材含有ビスコースレーヨン繊維において、前記機能材が、セルロース100質量部に対して0.5〜20質量部の範囲で含まれている請求項1〜のいずれか1項に記載の機能材含有ビスコースレーヨン繊維。
  7. 前記機能材において、前記機能剤が、前記基材100質量部に対して3〜30質量部の範囲で含まれている請求項1〜のいずれか1項に記載の機能材含有ビスコースレーヨン繊維。
  8. 再生セルロース繊維内に機能材が含有された機能材含有再生セルロース繊維の製造方法であって、
    セルロースを含むビスコースに、基材に機能剤を混合した混合物である機能材を乳化分散して得られた機能材の分散液を混合して紡糸用ビスコースを調製し、
    前記紡糸用ビスコースをノズルより押し出して紡糸し、凝固再生することで、機能材含有再生セルロース繊維を得ており、
    前記機能材含有再生セルロース繊維において、前記機能材とセルロースは非相溶であり、
    前記基材は、基材の全体質量に対して脂肪酸エステルを25質量%以上含み、
    前記基材は、動物蝋、植物蝋、並びに脂肪酸エステルとして脂肪酸と1価アルコールのエステル、及び脂肪酸と2価アルコールのエステルからなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸エステルを含む基材からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする機能材含有再生セルロース繊維の製造方法。
  9. 前記機能材の分散液において、前記機能材の平均粒子径は0.10〜0.90μmである請求項に記載の機能材含有再生セルロース繊維の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の機能材含有ビスコースレーヨン繊維を含むことを特徴とする繊維構造物。
  11. 前記機能材含有ビスコースレーヨン繊維を10〜90質量%含み、
    他の繊維として、機能材含有ビスコースレーヨン繊維以外の再生セルロース繊維、コットン、麻、ウール、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維及びポリウレタン繊維からなる群から選ばれる少なくとも一つの繊維を10〜90質量%含む請求項10に記載の繊維構造物。
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