JP2007046028A5 - - Google Patents

Download PDF

Info

Publication number
JP2007046028A5
JP2007046028A5 JP2005261294A JP2005261294A JP2007046028A5 JP 2007046028 A5 JP2007046028 A5 JP 2007046028A5 JP 2005261294 A JP2005261294 A JP 2005261294A JP 2005261294 A JP2005261294 A JP 2005261294A JP 2007046028 A5 JP2007046028 A5 JP 2007046028A5
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
release paper
pressure
resin film
sensitive adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005261294A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007046028A (ja
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP2005261294A priority Critical patent/JP2007046028A/ja
Priority claimed from JP2005261294A external-priority patent/JP2007046028A/ja
Publication of JP2007046028A publication Critical patent/JP2007046028A/ja
Publication of JP2007046028A5 publication Critical patent/JP2007046028A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Description

粘着シートと両面テープ及び離型紙
本発明は粘着加工品で、しかも貼り直しができ、空気が入らずきれいに貼着が可能で、長期間経過後も簡単にカスを残さず剥すことのできる、粘着シートと両面テープ、及び、その離型紙に関する。
従来の粘着シート、又は、両面テープ(粘着シート、又は、両面テープを総称して本発明では粘着加工品と呼ぶことがある)は、基材に粘着剤を平坦に塗布して形成され、その平坦な粘着層に貼設された剥離紙(説明を明瞭にするため本発明についての剥離紙を離型紙と呼ぶことで他の発明と区別する)とから構成されていた。この構造の粘着加工品を貼る場合一旦貼ると強固な粘着力を有するため剥がれなくなり、貼り直しが難しく、更に面積の大きい粘着加工品の場合は空気が入り膨れ(所謂空気膨れ)、又、シワが入りきれいに貼れないという欠点があった。
こうした問題に対応するため弱粘着剤や再剥離タイプの粘着剤を用いる方法があるが、粘着加工品や被着体の伸縮や自重により接着力不足により剥がれる等根本的な問題解決に至っていない。
そこで1.[特許文献1]特許番号第3660740号[特許文献2]特開平7−310057号公報[特許文献3]特開平10−219204号公報[特許文献4]特開平11−29749号公報[特許文献5]特開平11−29750号公報[特許文献6]特開2000−303030号公報[実用新案文献1]公開実用新案平3−50040号公報などがあるが、いずれも粘着層を非粘着、又は、微粘着のマスキング部材やネットで積層、又は、埋め込むなどの方法で非粘着部分を形成することで解決しようとしている。
又、2.[特許文献7]特許番号第2980423号は基材の発泡体表面をセル構造にして粘着層に凸凹を設け初期の接着面積を小さくしている。3.[特許文献8]特開平9−31421号公報[特許文献9]特開平9−263735号公報[特許文献10]国際公開第96/41604号等ではマスキング部材やネットによる被覆の他、粘着剤を塗布しない非粘着部分を設けるとしているが、その具体的な方法や非粘着部分の形状及び範囲等が明確にされていない。
同じように、4.粘着シートの初期粘着力を小さくして、且つ、貼着時の空気を抜く方法として[実用新案文献2]実用新案登録第250317号公報[特許文献11]特許番号第3377439号は剥離紙にエンボス加工を施し該剥離紙に粘着剤を充填(塗布)して多数の微小凸部を有し連通する隙間を設けた粘着層(通称マトリックス)を形成した粘着シートがある。又、[特許文献12]特開2001−262089はこのマトリックスに粘着性を有する弾性微小球が埋没し実質的に単層状に配列される粘着性物品がある。
しかしながら、上述のようなマスキング部材の積層やネットを埋め込む方法は基材が厚みのある発泡体のようなものであれば初期の軽い圧着では貼り直しができ、更に強い圧着でマスキング部材が発泡体に埋没して接着面積が大きくなり強固な接着が可能であるが、一般的な基材は薄い(15μ〜100μ程度)プラスチックフィルムや紙、不織布でしかも粘着剤の厚さは通常10μ〜50μ程度であり、埋没が不可能で、又、積層した場合はマスキング部材やネットの厚みで圧着しても粘着層が被着体に充分届かず接着不良となる。尚、こうした条件を克服するためには相当薄いマスキング部材やネットが必要であり、こうした薄い部材を帯状(巻取り)の粘着層へ積層、或いは、埋め込むという加工は非常に難くコストを要する。
又、粘着剤を限定範囲に塗布して粘着部と非粘着部を形成した粘着層を設けることは帯状の場合、塗工機の走行方向に平行に複数の実線で塗布する所謂スジ塗工以外は、特別な粘着剤を使い特別な塗工方法でしかできない。しかし、正確な塗布が難しく小さな柄(形)の場合は特に不正確が顕著で何れもコストが非常に高いという問題がある。
上述のマスキング部材の積層や限定範囲に塗布する方法で作られた粘着層の厚みは同一でない。即ち粘着層にマスキング部材やネットが被覆され厚くなる部分と被覆しない薄い部分ができる。又、前記のマトリックスも同様である。そのため薄いフィルムや紙を基材とした粘着シートでは、基材表面に凸凹が現れ貼着すると目立ち印刷適性も悪いという難点がある。
上述の発泡体基材にマスキング部材を被覆したもの、及び、発泡体表面をセル状にしたものは、初期の軽い圧着で貼ったときは貼り直しができるが強く圧着してしまうと接着面積が広がり貼り直しが困難になる。更に、長期間経過した場合は経日変化により粘着力が昂進して強固になり剥がれずカスを残し跡が汚れる。
課題を解決する手段
本発明は上記課題を達成するためになされたものであり、請求項1、及び、請求項2、の粘着シート、及び、両面テープは、いずれも剥離処理面の全面に連続した多数の開口部を有する樹脂層を印刷により被膜形成(以下本発明では印刷樹脂被膜と呼ぶ)した離型紙と貼設、一体となり構成する。印刷樹脂被膜の柄、配置、により粘着加工品の貼り直し、及び、空気抜きの効果は大きく変わる。請求項3、は離型紙の長手方向に傾斜角度を設けた格子柄の樹脂層により大きな効果と経済的な離型紙を実現する。
即ち、連続した多数の開口部を有する樹脂層により、開口部を形成する樹脂被膜が粘着層の粘着機能を抑止した非粘着部を作り、この非粘着部が連続して全面に配置されることでスムースな貼り直しと空気抜きが可能となる。
粘着剤には複数の化学溶剤が含まれ、又、基材、被着材も多くの化学物質より作られる。印刷樹脂被膜がこれらの化学物質と適合しないと、印刷樹脂被膜が溶解や劣化して長期間接着を維持できない。請求項5はこうした問題解決のため印刷樹脂被膜をウレタン樹脂にすることで対応する。
粘着加工品は貼着時に粘着力が抑制されていれば、ラクに貼れることは前述のとおりであるが、本発明においても印刷樹脂被膜が接着面積を抑え接着力を制限することになる。しかし、用途、目的により初期は接着力を抑え貼着した後は非抑制の接着力という相違する機能を求めるものがある。請求項6は印刷樹脂被膜の樹脂層を移行接着硬化樹脂にして接着面積を広げ接着力の上昇を図る。
発明の効果
本発明は上述の構成により次のような著大な効果を奏する。剥離処理された表面に多数の開口部を有する印刷樹脂被膜5を形成した離型紙6aと貼設一体になった請求項1、の粘着シート、又は、離型紙6bと貼り合せ一体となった請求項2の、両面テープにおいて離型紙6a、又は、6bを剥離除去した場合、印刷樹脂被膜5が粘着層7に同一高さの非粘着部分を作り(図5参照)、又は、粘着層7に積層する形で非粘着部分を形成する(図6参照)。印刷樹脂被膜5は印刷により極めて薄く(5μ〜30μくらい)被膜形成ができる。又、開口部の大きさや形状は制約が少なく離型紙表面に被膜定着することができる。
又、粘着品の粘着剤塗布方法は、一般的には剥離紙に粘着剤を塗布して熱風乾燥により固形化して基材に転写する反転塗工方法、或いは、基材に粘着剤を塗布し固形化して剥離紙と貼り合わす直接塗工方法により加工するが、本発明の印刷樹脂被膜を形成した離型紙があれば、マスキング部材やネットを積層、或いは、埋め込むという特別な工程を必要とせず、又、特別な粘着剤や特別な塗工方法を用いなくても、通常の塗布工程で正確で均一な精度の高い非粘着部分を有した粘着加工品をローコストで作ることができる。
又、印刷樹脂被膜5は図5で示す通り粘着層7と同一高さで形成されるため薄いプラスチックや紙を基材とした粘着シート表面であっても凸凹が現れず、きれいに印刷ができる。又、図6の場合、印刷樹脂被膜が粘着層に積層し凸部となり、これに対応した溝10(凹部)が形成される。
エンボスを施した剥離紙(マトリックスの場合)は剥離紙自体が凸凹状に変形する。この凸凹に変形した剥離紙は粘着剤塗布工程でシワの発生の大きな原因となり、防止のため速度を落とす必要がある。又、基材と剥離紙との貼り合せにおいて密着性を保つためプレスローラーに通すが、このとき巻き擦れによるシワや歪みが起き加工に重大な支障が生じることがある。したがってロス率が高く、又、通常より多い粘着剤が必要でコストがかかる。しかし本発明の印刷樹脂被覆を形成した離型紙は変形しないのでそうした問題がなく経済的である。
粘着加工品は前述の方法で粘着剤が塗布されて作られるが、固形前の粘着剤はトルエン、キシレン等の化学溶剤が約半分含まれ、固形後も僅かに残留溶剤として粘着層に長期間含有する。又、100℃〜120℃で1〜2分間の乾燥により固形化する。したがって、印刷樹脂被膜は耐溶剤性、耐熱性、耐水性、耐候性、等に優れた樹脂であることが重要であり、請求項5は印刷樹脂被膜を対粘着剤に優れたウレタン樹脂を使い長期の保管と安定した接着状態の保持を実現した。
初期粘着力を抑制するための印刷樹脂被膜による非粘着部を有する粘着層は前述のように貼着時において貼り直しが可能で空気が入らず作業性に優れるが、接着面積が抑えられ接着力が制限される。そこで、印刷樹脂被膜を移行接着硬化樹脂にして経日とともに印刷樹脂被膜が被着材に移行接着硬化して接着面積を広げ接着力を高める。この場合、印刷樹脂被膜は貼着時の状態、即ち粘着層と同じ高さで、或いは、粘着層に積層する状態を保ちながら移行接着硬化をする。したがって、粘着層に埋没、又は、積層する非粘着部分が接着部分に変化して接着力を高める効果がある。
移行接着硬化樹脂は粘着剤に含まれる化学溶剤や被着面の状態、(例えば、ガラス、ステンレス、プラスチック、のように接着性の良い平滑面)や接着後の温度、湿度、加圧、等の条件や被着材の下地処理剤(シーラーやプライマー)等に敏感に反応して移行接着現象を起こし硬化する。請求項6は印刷樹脂被膜を移行接着硬化樹脂として接着力の上昇を実現した。請求項5でいうウレタン樹脂が移行接着硬化樹脂あることを否定しない。
以上のことから本発明が他発明と明らかに違う技術により、非粘着部の仕組や構造、材質、機能、等と併せ経済的にも優れた効果があることが証明される。
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。図1に、剥離紙(紙)4aの構造を拡大して示し、この剥離紙4aは、(長尺の)帯状であって、一般的にロール巻きである。そして図1に示すように素材紙1と、樹脂層2と、シリコーン3と、から成る。尚、この剥離紙用の素材紙1は、材質を紙、又はプラスチックフィルム等としたものである。(本発明に於いて、素材紙の材質がプラスチックの場合も「剥離紙」と呼ぶ。但し材質がプラスチックの場合は素材紙1が、樹脂層2を、図2のごとく兼ねることになる)図3は、本発明の実施の形態を示し、剥離紙4aの、表面上に印刷樹脂被膜5が形成された離型紙6aである。
ここで剥離紙について詳しく説明をすると、素材紙1は、ラミネートにより樹脂層2が、積層され更にその表面上にシリコーン3が、塗布されている。樹脂層2は、シリコーンの塗布加工においてシリコーン溶液が素材紙1に、浸透するのを防止すると共に滑性を促し剥離効果をより高めるためのものである。樹脂層2の材質は一般的にはポリエチレンが広く使われるが、ポリプロピレンやポリエステル等でも同じである。したがって素材紙1がプラスチックの場合は樹脂層2をラミネートする必要がない(図2参照)。尚、素材紙が紙であっても樹脂層を積層せずに素材紙に直接シリコーンを塗布する方法もある。又、剥離用シリコーンは、粘着加工品に塗布された粘着剤を保管時において、剥離紙が保護しており剥離除去して使用する。この場合粘着剤が剥離紙に残らないようにするためのものである。したがって一般的には剥離剤としてシリコーンが広く用いられるが充分な剥離効果があれば他の剥離剤でもよい。
素材紙1の、材質が紙の場合、種々のものが使用可能であり、例えば坪量30g/m〜150g/m程度の上質紙を使用するのも好ましい。又、プラスチックフィルムの種類としては例えば、ポリエステルやポリプロピレンが好ましく、その他のプラスチックフィルムも使用可能である。そして厚さは自由で好ましくは15μ〜150μ程度とする。又、ラミネートによる樹脂層2はポリエチレンが広く使われ厚さは5μ〜50μ程度とし、好ましくは10μ〜30μ程度とする。シリコーン塗布量は粘着剤の種類及び基材により異なるが0.3g/m〜1.5g/m(固形分)程度が好ましい。
次に図2は、剥離紙(プラスチック)4bの構造図である。材質がプラスチックのため、素材紙1の上面にシリコーンが塗布できるので、図1で示す樹脂層2を必要としない。図3は本発明の粘着シートの離型紙6aの構造図である。図4は本発明の両面テープの離型紙6bの構造図である。離型紙6a及び6bは剥離紙のシリコーン3に印刷樹脂被膜5を形成したことを特徴とする。
図5は、本発明の離型紙に粘着剤を直接塗布(反転塗工方法)して得られた請求項1の粘着シート11aの構造図である。離型紙6aに、粘着層7と基材8(シート本体)が貼設一体となり構成する。基材には種々のものが使用でき、主として紙、又は、プラスチックが多い。紙の厚さは坪量50g/m〜250g/m程度の上質紙が好ましい。又、プラスチックの種類としては、例えばポリエステルや塩化ビニルが使用でき、更にその他のプラスチックも使用可能である。そして、その厚さは自由で20μ〜300μ程度が好ましい。
次に本発明の離型紙6aと、一体に構成された請求項1の、粘着シート11a、の具体的使用例である。先ず粘着シート11a、の離型紙6aを剥離除去すると印刷樹脂被膜5は粘着層7に埋没して非粘着部分を形成した粘着層として現れる。この粘着シートを被着体(例えばガラスとか壁面)に軽く圧着すると、全面接着と違い貼り直しが可能で、ラクにきれいに貼ることができる。又、空気が入らないので基材8にシワや歪みが生じることもない。粘着シートは表面に印刷されることが多いが、粘着層7の厚さが同一のため凸凹が基材表面に現れることもなく様々な場所に貼着使用することができる。又、長期間経過後剥がすときもカンタンに粘着剤が残らずきれいに剥すことができる。
次に図6は、基材に塗布された粘着層に本発明の離型紙を貼り合せて(直接塗工方法)得られた請求項1の粘着シート11bの構造図である。構造的には前記11aと略同じであるが、粘着シート11bは粘着層7に印刷樹脂被膜5が積層して一体となる。したがって、粘着層上に印刷樹脂被膜の凸部(被覆されている部分)と溝10(凹部、被膜がない部分)が形成される。粘着シート11bの粘着層は高さが同一でないので薄い基材の場合は表面に凸凹が現れる。
次に図7は本発明の離型紙6bと一体に構成された請求項2、の両面テープの斜視図である。両面テープは基材8を芯材として両面に粘着層7a(テープの1面側、即ち繰り出すと最初に現れる面)と粘着層7b(テープの2面側、即ち物体に貼り離型紙を剥離除去すると現れる面)をもち、この粘着層を保護するため離型紙6bと一体で構成されている。先ず両面テープを巻きから繰り出すと両面テープの1面側に粘着層7aが現れる。これを必要長さで切り物体に貼り付ける。そして離型紙6bを剥離除去すると離型紙6bの印刷樹脂被膜5は粘着層7bに埋没して非粘着部分を両面テープの2面側に形成して現れる。この状態で被着体に貼り付け使用する。貼り直しや空気が入らない等の効果については前述の粘着シート11a及び11bと同じである。
両面テープの基材には種々のものが使用できるが、一般的には不織布、紙、ポリエステルフィルムやその他のプラスチックフィルムが用途により選択して使われる。厚さは15μ〜150μが好ましい。本説明では両面テープの2面側に非粘着部分が形成された粘着層7bが形成されることで説明したが、粘着剤の塗布工程において巻取りを反転すれば、反対面(1面側)にすることができる。又、塗布工程において第一、第二、工程共、印刷樹脂被膜を形成した離型紙を使うことにより両面を非粘着部分を有する粘着層にするも可能である。
請求項1の、粘着シート及び請求項2の、両面テープに使う粘着剤は主に強粘着剤であり、800gf/20mm以下の中粘着剤或いは弱粘着剤や800gf/20mm以上の強粘着再剥離タイプの粘着剤は前述の理由で使う必要性が少ない。本発明は強粘着剤であっても貼り直しができて空気が入らず、長期間経過後もきれいにカスを残すことなく剥すことができることを目的に作られた大きな特徴を有する。
次に請求項3の、離型紙について具体的な説明をする。剥離処理面への印刷は通常ではシリコーンにより接着性が阻害されインキが弾けて小さな玉粒状に収縮され剥離紙に定着が難しくカンタンに剥がれ剥離紙には印刷ができないという見方が常識的である。したがって、他発明が一般印刷インキやニス等をグラビアやオフセット印刷で剥離紙に印刷する旨があるが現実的ではない。本発明は樹脂による印刷樹脂被膜の形成であることを特定する。
しかも離型紙は帯状で高速印刷され印刷面が巻回の相手面と強い圧力で接触状態を継続する。又、粘着加工等の二次工程への運搬、輸送において強い衝撃を直接受け、印刷樹脂被膜が剥離欠落する危険が充分あり、僅かな剥離欠落があっても塗工機の装置に支障をきたし塗工が不可能になる。しかも、極めて薄く正確な柄の印刷樹脂被膜を激しい力の加わる粘着剤塗布工程に耐える強固に定着した離型紙でなければ、請求項1、及び請求項2、の粘着シート、及び、両面テープは実現しない。本発明が印刷被膜を樹脂に特定する重要な根拠は離型紙に対し強固な定着と薄くても正確な形成が可能な機能を有するからである。本発明は樹脂の粘度を高めスクリーン印刷により実現したが、必ずしもスクリーン印刷に限定するものではない。
印刷樹脂被膜は開口部の大きさ樹脂被膜の幅、及び、柄において殆ど自在にできるが、その形成条件により粘着力及び剥離のバランス及び、空気の抜け具合等に大きな違いがでる。
本発明の請求項3の離型紙は図8で示すように、長手方向に対し45°の傾斜角度で連続的な格子柄を全面に配置して各格子を囲む印刷樹脂被膜(印刷樹脂層)を形成することで、貼り直しが容易で空気が入らずラクに貼着でき、長期間経過後もきれいにカスを残さず剥すことができる特性を有した最良の粘着加工品を実現した。請求項3の離型紙は連続的に全面に配置した四角形が次の1〜3の条件であることが重要である。1.長手方向に対し30°>60°の傾斜角度で配置する。2.四角形は連続する格子状であること。3.全面に配置した構造であること。
この1〜3の条件を満たすことにより、四方の全方向へ連続した直線の非粘着部を作り、四方のどの位置からでもラクに貼り直しができて、中央から四方に向って放射線状に空気を押し出す(抜く)ことができる。又、印刷、及び、粘着剤塗布工程において機械の走行方向に合わせ印刷樹脂被膜の柄を送ることができ、印刷樹脂被膜の柄が薄く小さくても剥離欠落の危険性が少なくロスを最低減に抑えることができる。又、粘着シートをどの位置で切断しても必ず粘着部が切断面に均等に確保され粘着材の端まで安定した接着を保つことができる。
ここでは四角形の大きさは一辺の幅2mm、四角形を囲む印刷樹脂被膜の幅0.4mm、印刷樹脂被膜の厚さ10μ、であり、配置された各四角形、及び、四角形を囲む印刷樹脂の幅、及び、厚さは全て同一である。しかし、使用目的により、配置の傾斜角度が30°>60°の範囲内であれば、四角形の大きさ、印刷樹脂被膜の幅、及び、厚さが必ずしもこの条件と違うことを制限するものではない。但し、四角形の大きさは一辺の長さ2〜30mm、四角形を囲む印刷樹脂被膜の幅0.4mm〜15mm、印刷樹脂被膜の厚さ5μ〜50μ、をメドに制約されると考えられる。なぜならばこれよりも四角形が小さく四角形を囲む印刷樹脂被膜の幅が狭いと貼り直し、及び空気抜けが難しく、大きいと接着力が著しく低下する。又、樹脂被膜がこれより薄いと印刷による被膜形成が難しく厚いと塗工ができない。
請求項3は上述の条件であるが請求項1及び請求項2における印刷樹脂被膜の開口部は必ずしも四角形に限定するものではない。その目的に応じて長方形、菱形、六角形、等も考えられるが、本発明の目的からして請求項3の条件にできるだけ近いものが良いと考えられる。但し、離型紙の全面に連続した多数の開口部を有する印刷樹脂被膜を形成することが前提である。それは、前述した他発明の多くは使用目的がラベルや配送伝票等であり、非粘着部が必ずしも連続しないもので、本発明の目的と構造において明らかに大きな相違がある。
請求項5は樹脂被膜がウレタン樹脂であることを特徴としている。ウレタン樹脂を特定した根拠については前述の通りでありここでの説明は省略する。
請求項6は印刷樹脂被膜が移行接着硬化樹脂であり、その目的、移行のプロセス、仕組については前述したが、具体的な樹脂としては例えば、酢酸ビニル、アクリル、合成ゴム、シリコーン、請求項5でいうウレタン、等であるが、ウレタン樹脂について説明すると、被着材により異なるが湿度、温度、下地剤(シーラーやプライマー)、被着材面の状態、に対する反応が敏感で早ければ一日、長くても一週間程度の経日で移行し接着硬化する。こうした印刷樹脂被膜の移行接着硬化により抑制された部分接着層は全面接着層に変化して接着力が高まり安定的な接着を長期間維持することが可能となる。請求項6が印刷樹脂被膜を移行接着硬化樹脂に特定する重要な根拠である。又、これは前述の他発明が永久部分粘着状態であるのと根本的に異なる。
本発明の粘着シート、或いは両面テープの製造方法には二通りの方法があることは前述した。ここでは本発明の離型紙に直接粘着剤を塗布後、基材と貼設一体とする方法で得られた粘着シートについて説明をする。先ず、厚さ96μの片面剥離紙に請求項3の印刷樹脂被膜を形成した離型紙6aに直接粘着剤をm当り90g/wet=(40g/dry)で塗布して100℃で2分乾燥後、基材(塩ビフィルム厚さ160μ)と貼り合せ(反転塗工方法)幅1,200mm、長さ30mで巻取り壁装用粘着シートを作った。これをカラートタンの塗装面に貼着した。位置合せの貼り直しもラクにでき、空気が入らず作業性も良く基材表面に凸凹が現れることもなくきれいに貼着することができた。約1ヶ月後に剥がしたところカスが残らずきれいに、しかも、塗装面を傷つけることなくラクに剥がすことができた。
次に上記(実施例1)と同じ方法で、但し、請求項3、の印刷樹脂被膜をウレタン樹脂で形成した離型紙を使用して同じ壁装用粘着シートを作り、シーラーとプライマーで下地処理した石膏板(通称プラスターボード)に重ね突き付け貼り方法で施工した。施工時の貼り直し、空気抜けは(実施例1)と同じ効果であった。ウレタンの印刷樹脂被膜が被着材の下地処理剤のプライマーと敏感に反応して短期間に移行接着硬化現象が起き、抑制接着層は全面接着層に変化して接着力が上昇して突き付け部の隔間が広がることなく安定した接着状態を維持した。(実施例1)、及び、(実施例2)において確認すべき重要な事項は、1.印刷により樹脂被膜が剥離処理面に強固に定着できていたかどうか。2.粘着剤塗布工程で印刷樹脂被膜がスキージー等により剥離欠落することがなかったかどうか。の2点であったが印刷樹脂被膜はこれを見事に克服して問題なく壁装用粘着シートができた。
次に請求項6の移行接着硬化樹脂の反応、及び、効果確認の実施試験を行った。先ず、ウレタン樹脂により成る請求項3の離型紙と、表面をプラマーで下地処理したアルミ板を用意して、離型紙の印刷樹脂被膜面とアルミ板表面が接するように重ね合せ(粘着剤が付いていないので貼着ができない)離型紙とアルミ板の平面接触を固定するため上から厚みのあるカタログを載せ重量(2kg)により加圧接着を継続した。1日経過後約30%を確認、1週間経過後は100%の印刷樹脂被膜が離型紙からアルミ板に移行接着しているのを確認した、更に、この印刷樹脂被膜は完全な硬化状態で接着されており強い接着力を保持していた。この(実施例3)の試験で請求項6、の移行接着硬化樹脂被膜を使った粘着加工品は、貼着初期においては粘着力が抑制された部分接着層であり、経日とともに粘着層抑制の印刷樹脂被膜が被着材に移行接着硬化して全面接着層に変化し接着力を高めることが実証された。このように粘着層に埋没、或いは、積層する印刷樹脂被膜が貼着後移行接着硬化して接着面積を拡大する接着層の構造は他の発明に類のない全く独自の発想に基づく技術である。
本発明は粘着シートと両面テープ及び離型紙に関する。実施例1及び実施例2で壁装用粘着シートについて説明をしたが、それ以外にも床材、天井材、等の大型建装材、又、インクジェット用紙、自動車等の工業用、又、小さいものではラベルやステッカー、又、両面テープの他、片面粘着テープ等に幅広い利用ができる。
素材紙が紙の場合の剥離紙の断面図である。 素材紙がプラスチックの場合の剥離紙の断面図である。 粘着シートの離型紙の構造を示す断面図である。 両面テープの離型紙の構造を示す断面図である。 粘着シート(反転塗工方法で得られた)の構造を示す断面図である。 粘着シート(直接塗工方法で得られた)の構造を示す断面図である。 両面テープの実施の形態を示す斜視図である。 印刷樹脂被膜の図柄、構造を示す平面図である。
符号の説明
1素材紙
2樹脂層
3シリコーン
4a剥離紙
4b剥離紙
5印刷樹脂被膜
6a離型紙
6b離型紙
7粘着層
7a粘着層
7b粘着層
8基材
9非粘着部分(移行接着硬化部分)
10溝(凹部)
11a粘着シート
11b粘着シート
12粘着部分

Claims (6)

  1. 剥離処理面の全面に連続した多数の開口部を有する樹脂層を印刷により被膜形成した離型紙と貼設一体となり構成したことを特徴とする粘着シート。
  2. 上記、請求項1、の粘着シートが両面に粘着層を有する両面テープ。
  3. 帯状の剥離紙の長手方向に対し30°<60°の傾斜角度で剥離処理面の全面に連続的に配置した各四角形を取り囲む多数の四角形の開口部を有する樹脂層を印刷により被膜形成した離型紙。
  4. 上記、請求項3、に記載の離型紙と貼設一体となり構成したことを特徴とする請求項1、及び、請求項2、の粘着シート、及び、両面テープ。
  5. 上記、印刷により被膜形成した樹脂層がウレタン樹脂であることを特徴とした、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、の粘着シートと両面テープ、及び、離型紙。
  6. 上記、印刷による被膜形成した樹脂層が移行接着硬化樹脂であることを特徴とした、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、の粘着シートと両面テープ、及び、離型紙。
JP2005261294A 2005-08-08 2005-08-08 粘着シートと両面テープ及び離型紙 Pending JP2007046028A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005261294A JP2007046028A (ja) 2005-08-08 2005-08-08 粘着シートと両面テープ及び離型紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005261294A JP2007046028A (ja) 2005-08-08 2005-08-08 粘着シートと両面テープ及び離型紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007046028A JP2007046028A (ja) 2007-02-22
JP2007046028A5 true JP2007046028A5 (ja) 2007-10-18

Family

ID=37849122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005261294A Pending JP2007046028A (ja) 2005-08-08 2005-08-08 粘着シートと両面テープ及び離型紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007046028A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6127508B2 (ja) * 2012-12-28 2017-05-17 北川工業株式会社 剥離基材及び積層体
JP2016190885A (ja) * 2015-03-30 2016-11-10 リンテック株式会社 粘着シートおよびその製造方法
JP2022021538A (ja) * 2020-07-22 2022-02-03 ミラクル工業株式会社 粘着シートとその製造法
CN112662326B (zh) * 2020-12-23 2022-12-06 苏州赛伍应用技术股份有限公司 一种用于oled显示器件减震的网格泡棉胶带及其制备方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63196679A (ja) * 1987-02-10 1988-08-15 Nippon Carbide Ind Co Ltd 感圧接着剤層
JP2000044903A (ja) * 1998-08-03 2000-02-15 Toyo Ink Mfg Co Ltd 粘着シート、その製造方法、およびその粘着力の調整方法
JP2005298543A (ja) * 2004-04-06 2005-10-27 Kansai Paint Co Ltd 粘着シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6565697B1 (en) Manufacturing method for a positionable and repositionable pressure sensitive adhesive product and an article formed therefrom
US6660352B2 (en) Adhesive electrostatic sheets
WO1999015600A1 (en) Method for making a pressure activated adhesive surface
WO2008075767A1 (ja) 粘着シート及びその製造方法
JP2007154144A (ja) 粘着加工シート及び粘着剤付剥離紙
JP5112603B2 (ja) 新易貼付性粘着シート及びその製造方法
US20080087370A1 (en) Splicing Tape
US20020090509A1 (en) Electrostatic sheets with adhesive
JP2007046028A5 (ja)
JP2001234130A (ja) 粘着シートおよびその製造方法
JP2002121503A (ja) 床材固定用両面粘着テープ
JPH08337763A (ja) 基材なし粘着剤転写シート及びテープ類
JP2005200499A (ja) 粘着シート及びその製造方法
WO2019082201A2 (en) SELF-ADHESIVE WALLPAPER WITH REDUCED ADHESIVE MATERIAL AND WATER-SOLUBLE FILM
JP2007046028A (ja) 粘着シートと両面テープ及び離型紙
JPH07278508A (ja) 粘着性シート
CN112368350A (zh) 胶粘剂层压件和胶粘剂层压件的制造方法
JP7100541B2 (ja) 積層体の製造方法及び積層体
JP2541890B2 (ja) シ―ト類への非連続粘着層形成方法
JP2001031918A (ja) 粘着シート
JP3343738B1 (ja) 転写シール及びその製造法
JP2010043285A (ja) 粘着シートおよび粘着テープ
JP2003238913A (ja) 粘着ラベル原反及び粘着ラベルの製造方法
JP3059928U (ja) 印刷物裏面加工用二層粘着ラミネ―ト用フィルム
JP4679449B2 (ja) 離型シート