JP2016190885A - 粘着シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Junichi Otsuki
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Abstract

【課題】粘着シートにおいて、被着体への貼付時のエア抜き性能を確保しつつ、基材シートの表面に凹みが生じにくい手段を提供する。
【解決手段】本発明の粘着シートは、基材シートと、基材シートの一方の面に配置され、粘着剤を含有する粘着剤層とを有する。そして、前記粘着剤層の前記基材シートとは反対側の面に凹条溝が形成されており、この際、当該凹条溝は、
(1)前記基材シートの端縁部に開口するように、かつ、
(2)前記凹条溝が非粘着性材料により充填されるように、
形成されている点に特徴がある。
【選択図】図1

Description

本発明は、粘着シートおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、被着体に貼付する際に空気が抜けやすくて、被着体に貼付しても凹みが発生しないことが求められるマーキングフィルムとして、好適に用いられる粘着シート、および該粘着シートを効率よく製造する方法に関するものである。
従来、粘着シートは、一般に、基材シートと、その表面に形成された粘着剤層と、通常その上に設けられる剥離シートとから構成されている。そして、使用の際は、剥離シートを剥がし、粘着剤層が被着体に接するように貼付することが行われている。
しかしながら、この粘着シートの面積がある程度広い場合、粘着剤層と被着体との間に空気の留まりが残留しやすく、この空気の留まりの部分が、いわゆる「ふくれ」となって、貼付された粘着シートの表面側に膨出物が生じ、粘着シートをきれいに貼付することができにくいという問題があった。
そこで、このような問題を解決するために、例えば、特許文献1には、基材シートの端縁部に開口する複数の凹条溝を格子状または平行に設け、かつそれぞれ対向する凹条溝の間隔を500μmより大きく2mm以下とし、開口幅を10〜200μmとし、深さを粘着剤層の厚さの5〜100%とすること、および、特定の式で定義される基材シートの形状転写係数を5.6以下とすること、が提案されている。
さらに、「微細構造化剥離ライナー」と題する特許文献2には、剥離ライナー(剥離シート)として用いられうる物品として、第1の主面と前記第1の主面とは反対側の第2の主面を有する底基材と、前記底基材の前記第1の主面の一部に接着させた堆積材料を含む構造化表面とを含む物品であって、前記材料が少なくとも3マイクロメートルの第1の主面上の高さを有し、前記構造化表面が前記堆積した材料によって部分的に画定され、前記構造化表面が前記底基材の一端から前記底基材の第2端まで少なくとも1つの連続構造を有する物品が開示されている。そして、底基材の第1の主面上に接着剤層および上方基材をこの順に設けること、上記堆積材料が剥離材料を含むか、または上記堆積材料上にシリコーン等の剥離被膜が設けられることで上記剥離シートが第1の主面に接着した堆積材料も含めて上記接着剤層から剥離可能とすることも開示されている。
このような特許文献に記載の粘着シートや剥離ライナー(剥離シート)を用いた粘着シートは、表面に印刷を施され、バス、鉄道車両、トラックなどの車両広告に使われることがある。例えば、特許文献3には、バスなどの車体に広告媒体を設けた自動車において、広告媒体が、宣伝用の文字又は模様や絵を描いた広告フィルム体の裏面に、格子状部を備えたものである場合、簡単に綺麗に貼ることができると記載されている。
特開2010−180271号公報 特表2008−522879号公報 特開2002−120637号公報
上述したように、特許文献1や特許文献2に開示された技術によれば、被着体への貼付時のエア抜き性能がある程度確保されるが、基材シートの柔軟な場合には、粘着剤層に形成された凹状溝に起因して、基材シートの表面に凹みが発生することがあった。
本発明は、上述した従来技術における現状に鑑みてなされたものであり、粘着シートにおいて、被着体への貼付時のエア抜き性能を確保しつつ、被着体に貼付した場合にも基材シートの凹みが生じにくい手段を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行なった。その結果、粘着剤層の表面に複数の凹条溝を形成するにあたり、当該複数の凹条溝が非粘着性材料で充填されるように形成することで、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の粘着シートは、基材シートと、基材シートの一方の面に配置され、粘着剤を含有する粘着剤層とを有する。そして、粘着剤層の基材シートとは反対側の面に凹条溝が形成されており、この際、当該凹条溝は、
(1)前記基材シートの端縁部に開口するように、かつ、
(2)前記凹条溝が非粘着性材料により充填されるように、
形成されている点に特徴がある。
本発明によれば、被着体への貼付時のエア抜き性能を確保しつつ、被着体に貼付した場合にも基材シートの凹みが生じにくい粘着シートが提供されうる。
本発明の一実施形態の粘着シートの断面図である。 図1に示す粘着シートの粘着剤層の、凹条溝が形成された面(基材シートとは反対側の面)の平面図である。 実施例1において剥離シート上に形成された凸条部を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した写真(倍率20倍)である。 実施例1において剥離シート上に形成された凸条部を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した写真(倍率50倍)である。 実施例1において作製された粘着シートから剥離シートを剥がし、粘着剤層の表面(非粘着性材料である紫外線硬化型インクの硬化物が充填された凹条溝が形成されている)を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した写真(倍率20倍)である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の一実施形態の粘着シートの断面図である。図1に示すように、粘着シート10は、まず、粘着シート本体11を有する。この粘着シート本体11は、基材シート12と粘着剤層13とが積層されてなる。本実施形態の粘着シート10では、粘着シート本体11に、剥離シート14(剥離シート本体14aと剥離処理層14bとからなる)がさらに積層されている。
[基材シート]
図1に示す形態において、基材シート12は、例えばポリ塩化ビニルフィルムからなる。ただし、基材シート12としては特に制限はなく、粘着シートの基材シートとして慣用されているプラスチックシートや合成紙の中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。
プラスチックシートとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂およびこれらの樹脂の混合物または積層物からなるシートが挙げられる。
合成紙としては、例えばポリエステル系合成紙やポリプロピレン系発泡合成紙などが用いられうる。
基材シートの表面には、所望により印刷が施される。印刷の種類は、オンデマンド印刷が可能な、インクジェット、熱転写が好ましい。
基材シート12の厚さは特に制限されず、使用目的や状況に応じて適宜定められる。基材シート12の厚さは、通常10〜300μmの範囲であり、好ましくは50〜150μmの範囲である。
[粘着剤層]
(粘着剤)
粘着剤層13は、粘着剤(図示せず)を含む。当該粘着剤層13の形成に用いられる粘着剤としては特に制限はなく、従来粘着シートの粘着剤層に慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤およびポリエステル系粘着剤などが用いられうる。粘着剤層13の厚さ(後述する凹条溝が形成されていない部位の厚さ)は、通常5〜100μmの範囲であり、好ましくは10〜60μmの範囲である。
(凹条溝)
粘着剤層13においては、基材シート12とは反対側の面(図1に示す粘着剤層13の下面)に、凹条溝(図1では複数の凹条溝)13aが形成されている。本発明の粘着シート10は、この複数の凹条溝13aが非粘着性材料13bにより充填されている形態に特徴がある。
図2は、図1に示す粘着シート10を構成する粘着剤層13の、凹条溝13aが形成された面(基材シート12とは反対側の面)の平面図である。図2に示すように、本実施形態においては、粘着剤層13の表面に、複数の凹条溝13aが形成されている。この凹条溝13aは、基材シート12の端縁部に開口するように形成されている。また、複数の凹条溝13aは、平面視したときに格子状となるように形成されており、それぞれの凹条溝13aは、粘着性を有しない材料(非粘着性材料)13bにより充填されている。本実施形態において、非粘着性材料13bは、紫外線硬化型インクである。
凹条溝13aを充填する非粘着性材料13bの具体的な形態について特に制限はないが、例えば、紫外線硬化型インクが挙げられる。紫外線硬化型インクとは、紫外線の照射を受けることにより硬化するインクであり、主として光重合性モノマー、光重合性オリゴマー、光重合開始剤などから構成され、必要に応じて、光重合開始剤の開始反応を促進させるために増感剤やその他、分散剤、熱安定剤、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、浸透剤等の添加剤が添加されたものである。
光重合性モノマーとしては、例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレートやそれら変性体などの6官能アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどの5官能アクリレート;ペンタジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの4官能アクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレートなどの3官能アクリレート;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレートなどの2官能アクリレート;および、カプロラクトンアクリレート、トリデシルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールジアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ネオペンチルフリコールアクリル酸安息香酸エステル、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、メトキシ−トリエチレングリコールアクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸などの単官能アクリレートが挙げられる。さらにこれらにリンやフッ素の官能基を付与した光重合性モノマーも挙げられる。これらの光重合性モノマーは、単独で、または複合して用いられうる。
光重合性モノマーは、インク中に50〜95重量%含まれることが好ましい。50重量%以上であればインク粘度が高くなりすぎず、吐出不良の発生が防止されうる。また、95重量%以下であれば硬化に必要な他の薬剤も十分に確保され、硬化不良の発生が防止されうる。
光重合性オリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、シリコーンアクリレート、ポリブタジエンアクリレートが挙げられ、単独または複合して使用してもよい。
光重合開始剤としては、ベンゾイン系、チオキサントン系、ベンゾフェノン系、ケタール系、アセトフェノン系が挙げられ、単独または複合して使用してもよい。
なお、非粘着性材料としては、上述した紫外線硬化型インクのほかにも、蒸発型、浸透型、酸化重合型などが用いられうる。
図2に示すように、基材シート12の端縁部に開口するように凹条溝13aが形成され、凹状溝が非粘着性材料により充填されていることにより、粘着シートを被着体に貼付した場合、非粘着性材料に沿って空気が基材シートの端縁部まで排出される。
なお、それぞれの凹条溝13aの形状やサイズ、互いの位置関係については、特に制限はない。一例を挙げると、それぞれの凹条溝13aの形状としては、例えば断面形状がV字型、逆台形型、テーパー状U字型などが挙げられる。また、空気の抜けやすさおよび粘着力のバランスなどの観点から、各凹条溝13aの開口幅は、10〜1000μm、好ましくは300〜900μmであり、さらに好ましくは500〜800μmである。また、各凹条溝13aの深さは、粘着剤層13の厚さの5〜100%であり、10〜80%であることが好ましい。また、複数の凹条溝13aが図2に示すように格子状に形成されていたり、または互いに平行に形成されている場合において、隣接する凹条溝13aどうしの間隔(ピッチ)について特に制限はないが、好ましくは100〜10000μmであり、より好ましくは1000〜5000μmである。さらに、粘着剤層13の表面における凹条溝13aが形成されていない部位(平坦部)の面積の割合は、好ましくは50〜90%であり、より好ましくは70〜90%である。
さらに、本発明によれば、凹条溝13aが非粘着性材料13bにより充填されていることで、基材シートの表面に凹みが発生しないという利点も得られる。なお、粘着剤層の表面に凹条溝を設けることでエア抜き性能を向上させる技術は従来知られていたが、この凹条溝を非粘着性材料等の材料により充填することは行われていなかった。これは、凹状溝が充填されていると、空気が抜けないと思われていたためである。
[剥離シート]
本発明に係る粘着シートは、粘着剤層13の基材シート12とは反対側の面(凹条溝13aが形成された側の面)に配置された剥離シート14を有していてもよい。通常、剥離シート14は、図1に示すように、剥離シート本体14aと剥離処理層14bとから構成される。
剥離シート本体14aとしては、例えば、上質紙、グラシン紙、コート紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルムが挙げられるが、特に制限されず従来公知の知見が適宜参照されうる。剥離シート本体14aの厚さは、通常10〜250μm程度であり、好ましくは20〜200μm程度であり、より好ましくは30〜180μm程度である。
また、剥離処理層14bについても従来公知の知見が適宜参照され、例えば、シリコーンなどの剥離剤を剥離シート本体14aの一方の面に塗布し、乾燥させた層でありうる。剥離処理層14bの厚さについても特に制限はなく、通常は0.05〜5μm程度である。
本発明に係る粘着シートが、粘着剤層13の基材シート12とは反対側の面(凹条溝13aが形成された側の面)に配置された剥離シート14を有する場合、当該剥離シート14は、粘着剤層13の表面に形成された凹条溝13aに埋め込まれるようにして充填されている非粘着性材料13bと剥離可能なように配置されることが必要である。これにより、粘着シートから剥離シート14を剥離したときに、非粘着性材料13bが剥離シート14に追随して凹条溝13aに空隙が生じてしまうことが防止でき、本発明の効果を十分に確保することが可能となる。なお、非粘着性材料13bと剥離可能なように剥離シート14を配置するための具体的な手法について特に制限はない。非粘着性材料13bは粘着性を有しないものであることから、剥離シート本体14aが直接、非粘着性材料13bと接触するように剥離シート14が配置されていても(つまり、剥離処理層14bが存在しなくても)、非粘着性材料13bは剥離シート14から剥離可能であると考えられる。ただし、剥離シート本体14aの表面に剥離処理層14bを設けることで、より確実に非粘着性材料13bが剥離シート14から剥離可能なものとすることが可能である。
[粘着シートの製造方法]
本発明の粘着シート10の製造方法としては、凹条溝13aが上述した構成の規定を満足するように形成された粘着剤層13を基材シート12の表面に配置することができるのであれば、いかなる方法であっても用いられうる。製造方法の一例としては、凹条溝13aを充填する非粘着性材料13bからなる凸条部を有する剥離シート14の表面に粘着剤層13を形成した後、該粘着剤層13に基材シート12を貼り合わせる方法が挙げられる。この際、以下の本発明の製造方法に従えば、効率よく目的の粘着シートを製造することができる。
すなわち、本発明に係る粘着シートの製造方法は、
(a)剥離シート14の一方の面に、非粘着性材料からなる凸条部を所定形状に形成する工程、
(b)剥離シートの凸条部が設けられた側に、粘着剤層を形成する工程、および、
(c)前記(b)工程で形成された粘着剤層を基材シートに積層する工程、
を含むことを特徴とする。
((a)工程)
この(a)工程は、剥離シート14の一方の面に、非粘着性材料からなる凸条部を所定形状に形成する工程である。剥離シート14が、剥離シート本体14aの少なくとも一方の面に剥離処理層14bが形成されてなる構成を有するものである場合、上記凸条部は、上記剥離処理層14bの面上に形成されることが好ましい。凸条部を形成するための具体的な手法について特に制限はないが、例えば、あらかじめ印刷版を作製する必要がないという観点からは、非粘着性材料またはその前駆体をインクジェット印刷により所定形状に塗布するという手法が好ましく採用される。ここで、使用可能なインクジェット方式としては、特に限定されず、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式、インクミスト方式などの連続方式、ピエゾ方式、バブルジェット(登録商標)方式、静電吸引方式などのオン・デマンド方式などが挙げられる。
非粘着性材料が紫外線硬化型インクである場合について、その具体的な形態については上述した通りである。紫外線硬化型インクを非粘着性材料として用いる場合には、通常、上述した成分が配合された(溶媒中に配合されていても、無溶媒系であってもよい)塗布液(「非粘着性材料の前駆体」に相当)を、インクジェット印刷により所定形状に塗布し、紫外線を照射することによって硬化させて、非粘着性材料13bからなる凸条部を剥離シート14の一方の面上に形成することができる。
((b)工程)
この(b)工程は、上述した(a)工程において、非粘着性材料13bからなる凸条部が設けられた剥離シート14上に、粘着剤層13を、従来公知の方法により形成する工程である。このようにして、剥離シート付き粘着剤層が得られる。
((c)工程)
この(c)工程においては、上述した(b)工程で得られた剥離シート付き粘着剤層に基材シート12を貼合することにより、当該粘着剤層13を基材シート12に積層する工程である。このようにして、図1に示すように、基材シート12と、非粘着性材料13bが充填された凹条溝13aが表面に形成された粘着剤層13と、剥離シート14と、を有する本発明の粘着シート10を製造することができる。なお、このようにして製造された粘着シート10を使用する際には、剥離シート14を剥がし、粘着剤層13を被着体に当接し、スキージや指などで圧をかけながら貼ることにより、各非粘着性材料の表面が空気流通経路となって、空気が抜け出し、空気溜まりが発生することがないので、容易に密着性よくきれいに貼付することができる。また、凹状溝13aが非粘着性材料13bにより充填されているので、基材シート12の表面に、凹状溝13aに起因する凹みが発生することがない。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、下記の実施例のみに限定されるべきではない。
[実施例1]
坪量110g/mの上質紙に厚さ30μmのポリエチレンをラミネートし、剥離シート本体を作製した。この剥離シート本体のポリエチレン側に、シリコーンの塗布液(組成:両末端ビニル基ポリジメチルシロキサン97質量部、ポリメチルハイドロジェンシロキサン3質量部、白金触媒1質量ppm)を塗布し、乾燥させて、乾燥膜厚0.1μmの剥離処理層を形成した。
次いで、上記で形成した剥離処理層の表面に、紫外線硬化型インク(組成:ウレタンアクリレート10質量部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート40質量部、ジプロピレングリコールジアクリレート47質量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン3質量部)を、LED UVプリンター(Acuity LED 1600;富士フイルム株式会社製)を用いたインクジェット方式により格子状に印刷して、紫外線硬化型インクの硬化物からなる凸条部を正格子状に形成した。なお、形成された凸条部の幅は700μmであり、高さは22μmであり、互いに平行に形成された隣接する凸条部どうしの間隔(ピッチ)は4mmであった。なお、このようにして剥離シート上に形成された凸条部を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した写真を図3A〜図3Bに示す。なお、図3Aは倍率20倍の観察写真であり、図3Bは倍率50倍の観察写真である。
さらに、上記のようにして凸条部が形成された剥離シートの剥離処理層上に、アクリル系粘着剤[日本合成化学工業社製、「コーポニールN−2147」100質量部、東ソー社製、「コロネートL」1質量部含有]により、厚さ30μmの粘着剤層を形成した。その後、この粘着剤層に基材シートとして厚さ80μmのカレンダー法により製膜した塩化ビニルフィルムを貼合し、図1に示す形態の粘着シートを作製した。なお、作製された粘着シートから剥離シートを剥がし、粘着剤層の表面(非粘着性材料である紫外線硬化型インクの硬化物が充填された凹条溝が形成されている)をSEMを用いて観察した写真(倍率20倍)を図4に示す。
このようにして作製した粘着シートを用いて、以下の手法により、エア抜き性能および基材シートの凹みを評価した。
[比較例1]
剥離シート本体のポリエチレン側に、実施例1で用いた紫外線硬化型インクを印刷して正格子状の凸条部を形成した後、実施例1で用いたシリコーンを、凸条部の表面および剥離シート本体のポリエチレンの表面に塗布したこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
比較例1の粘着シートから剥離シートを剥がすと、粘着剤層の表面には、非粘着性材料である紫外線硬化型インクの硬化物が充填されていない凹状溝が形成された。
表1に示すように、本発明の粘着シートによれば、被着体への貼付時のエア抜き性能を確保しつつ、基材シートの表面に凹みが生じないことがわかる。
10 粘着シート、
11 粘着シート本体、
12 基材シート、
13 粘着剤層、
13a 凹条溝、
13b 非粘着性材料(紫外線硬化型インク)、
14 剥離シート、
14a 剥離シート本体、
14b 剥離処理層。

Claims (5)

  1. 基材シートと、
    前記基材シートの一方の面に配置され、粘着剤を含有する粘着剤層と、
    を有し、
    前記粘着剤層の前記基材シートとは反対側の面に、凹条溝が、
    (1)前記基材シートの端縁部に開口するように、かつ、
    (2)前記凹条溝が非粘着性材料により充填されるように、
    形成されていることを特徴とする、粘着シート。
  2. 複数の前記凹条溝が、格子状に形成されている、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記粘着剤層の前記凹条溝が形成された側の面に、前記非粘着性材料と剥離可能なように配置された剥離シートをさらに有する、請求項1または2に記載の粘着シート。
  4. 前記剥離シートは、前記粘着剤層と向き合う側の面に剥離処理層を有する、請求項3に記載の粘着シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着シートの製造方法であって、
    (a)剥離シートの一方の面に、非粘着性材料からなる凸条部を所定形状に形成する工程、
    (b)剥離シートの凸条部が設けられた側に、粘着剤層を形成する工程、および、
    (c)前記(b)工程で形成された粘着剤層を基材シートに積層する工程、
    を含むことを特徴とする、粘着シートの製造方法。
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