JP2007045949A - アゾベンゼンモノマー、その重合体及びこれを用いたホログラム光記録媒体 - Google Patents

アゾベンゼンモノマー、その重合体及びこれを用いたホログラム光記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶を用いることなしに優れた屈折率変調特性を示す重合体及びこれを得るためのモノマーを提供する。
【解決手段】式(2)の構造単位のモノマーおよび単独重合体及び(2)と(3)の共重合体並びに該重合体を用いたホログラム光記録媒体。(Rは直鎖または分岐アルキル基)
Figure 2007045949

Figure 2007045949

【選択図】なし

Description

本発明は光照射により構造異性化を生じ重合性を有するアゾベンゼン化合物及びこれから得られる重合体に関する。本発明の化合物は非晶性の重合体を与えるモノマーであり、容易に重合して透明度の高い重合体が得られる。この重合体は成形が容易でホログラム光記録媒体などの屈折率変調材料として用い得る。
屈折率変調材料としては、古くから銀塩感光体や重クロム酸ゼラチンなどが知られており、実際にホログラム記録材料として用いられている。しかしながら、これら材料は極薄膜でしか使用できず、露光後の湿式現像が必要であるなど取り扱いは容易でない。
また、厚膜成形加工性を備えた有機の屈折率変調材料として、光重合開始剤とこれにより重合する反応性化合物からなるものが知られている。このような材料は、光反応により開始剤が消費され一旦ホログラム記録を行なうと再度の記録は行なえず、光スイッチのような記録の消去・再生の繰り返しが必要な分野には用いることができない。
このような問題を解決するため、アゾ化合物と液晶とを用いた屈折率変調材料が種々検討されている(非特許文献1)。しかしながら、これまで提案されている材料は、液晶による光散乱があり厚膜で利用するには光散乱の防止が必要であった。
H. Ringsdorf and H-W.Schmidt, Makromol. Chem, 1327-1334 (1984))
本発明者らの研究によれば、アゾ色素と液晶性化合物との混合物を用いると、偏光により配向したアゾ色素をきっかけとして液晶性分子が配向して非常に大きな複屈折が生じ、屈折率変調度の増強効果があることがわかった。しかしながら、液晶を用いると光散乱が発生し、透明性の必要な用途には適しない。液晶を均一に配向させ材料を透明にすることも可能であるが、一般に材料厚み数μm程度までしか均一配向は困難であり、厚膜を均一に配向することはできない。
本発明者らはさらに研究を行った結果、液晶を用いずに優れた屈折率変調を示す高分子材料を見出した。すなわち、非晶性重合体を与えるアゾベンゼン骨格含有メタクリル酸エステルと、同じく非晶性重合体を与えるシアノビフェニル骨格含有メタクリル酸エステルとから得られる共重合体が所望の特性を示すとの知見を得て本発明を完成するに至った。
本発明は下式(1):
Figure 2007045949
(式中、Rは直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基を表す。)
で表されるアゾベンゼンモノマーを提供するものである。
前記アゾベンゼン化合物は、Rが炭素数1〜5のアルキル基であるのが好ましく、特にRがメチル基又はイソプロピル基であるアゾベンゼン化合物が好ましい。
また、本願第2の発明は下式(2)で表される繰り返し単位を有する屈折率変調特性を備えた重合体を提供するものである。
Figure 2007045949
(式中、Rは直鎖又は分岐鎖を有する炭素数1〜5のアルキル基を表し、mは5〜50,000の整数を表す。)
さらに、本願の第3の発明は下式(2)で表される繰り返し単位と下式(3)で表される繰り返し単位とを有することを特徴とする屈折率変調特性を備えた重合体を提供する。
Figure 2007045949
Figure 2007045949
(式中、Rは直鎖又は分岐鎖を有する炭素数1〜5のアルキル基を表し、m及びnは3〜50,000の整数、m+nは5〜50,000の整数を意味し、m/(m+n)は0.5以下の正数である。)
また、本願は前記の重合体を用いたホログラム光記録媒体を提供するものである。
式1の化合物はアゾベンゼン骨格を有し、これにアルキル鎖を介して重合性のメタクリル基が結合する。この化合物はアゾベンゼンの剛直骨格に続いてメチレン鎖の柔軟骨格を有しており液晶性を有し照射により屈折率変調を発現するものと思われる。
本発明の化合物に光照射を行なうとアゾベンゼンの光異性化により屈折率変調が生じ、光未照射部との間に屈折率の差を生じる。このため光導波路などへの使用が可能である。また、干渉光を照射した場合には、干渉光の明暗に応じた屈折率変調パターン、すなわち回折格子が生じホログラム記録を行うことができる。この光異性化は可逆反応であり、光照射部分の加熱などによりもとの状態に戻すことができる。このため、光スイッチなどの動的な光機能材料にも用いることができる。
発明の詳細な記述
つぎに本発明を詳細に説明する。まず、本発明の新規モノマーは下式(1)で表される。
Figure 2007045949
(式中、Rは直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基を表す。)
式(1)中、Rは炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基などが好ましく、特にメチル基、i-プロピル基が好ましい。上記のアルキル基により分子パッキングが阻害され分子間力の低下などを生じ液晶性の発現が妨げられると推測される。
式中、メチレン鎖がこれより長いと液晶性発現の恐れがある。また、メチレン鎖が長いと重合物のガラス転移温度が低下する恐れがあり、雰囲気温度によって生じる自発的なアゾベンゼン骨格の熱運動によって複屈折が消失しやすく記録保持が困難となる。
本発明の化合物はメタクリル酸エステルを形成し、容易に重合体を形成して厚膜成形加工することができる。特に下記の具体的な化合物は製造時の操作が簡便で収率、原料コストなどの点から好ましい。
Figure 2007045949
Figure 2007045949
(単独重合体)
前記アゾベンゼン骨格含有メタクリル酸エステル(式(1))は、公知のメタクリル酸エステルと同様の方法にて容易に重合し下記の重合体を得ることができる。この重合体はホログラム記録が可能である。
Figure 2007045949
(式中、Rは直鎖又は分岐鎖を有する炭素数1〜5のアルキル基を表し、mは5〜50,000の整数を表す。)
重合体は成膜性を有すことが必要であり数平均分子量は約1,000〜100,000が好ましい。本発明の重合体において、式中、mは5〜50,000であるのが好ましい。
(共重合体)
本発明のモノマーは、他のアクリル酸エステルとの共重合により一層優れた特性が得られる。例えば、メタクリル酸エステルとの共重合により透明性が良好で光吸収が小さくなり、厚膜にした場合に強度の小さな光源でも透過光強度の低下が少ない。また成型加工性に優れた重合体を得ることができ、種々の用途で優れた特性を示す。また、モノマー(式1)の重合性が向上し、温和な条件でも充分に重合が進行する。
このようなコモノマーとして、特に下式3aのモノマーを用いて共重合すると、光吸収が小さく透明性が高いだけでなく、アゾベンゼン骨格含有メタクリル酸エステル部位の濃度の相対的低下により光吸収量が減少して大きな複屈折が得られる。
Figure 2007045949
式3aの化合物の単独重合体はガラス転移温度が高く、これをコモノマーとする共重合体はガラス転移温度が高く記録保持特性の低下を防ぐことができる。本発明のモノマーと式3aの化合物は基本骨格が近似し相溶性が良好であり、所望の割合で混合し透明な共重合体が得られる。
共重合体は成膜性を有する必要があり数平均分子量は約1,000〜100,000が好ましい。また、モノマー比は特に限定されないが、全モノマー中、本発明のモノマーの割合が0.1〜50モル%であるのが好ましく、1〜30モル%であるのが特に好ましい。このような範囲であると得られた共重合体は比較的光吸収量が少ないにも関わらず良好な特性を示す。
したがって、本発明の共重合体において、式中、m+nは5〜50,000であるのが好ましく、m/(m+n)は0.001〜0.5であるのが好ましい。
本発明の重合体は透明な膜状成形物とするのが好ましい。成形方法に特に限定はなく従来公知の成形法がいずれも用いられてよい。すなわち、適宜の良溶媒に溶解してスピンコート塗布してもよく、固体の重合体をそのまま熱溶融して圧縮成形してもよい。
得られた重合体は青色〜緑色領域の光に対して強い吸収を有するので、このような波長の光源を使用するのが好ましい。例えば、532nmレーザー光源を干渉露光することにより分子配向が変化し、光強度に応じた複屈折性が生じる。このために干渉光の光強度に応じた屈折率変調が生じるため回折格子が得られ、ホログラム記録材料として用いることができる。
また、干渉光でなく単一の光で露光しても屈折率変調が生じるので導波路材料などへの応用も可能となる。さらに、生じた分子配向はフィルム表面状態の物性(表面張力、静電引力等)にも反映される。従って、液晶を塗布した場合、露光部分と未露光部分では分子配向が異なり、この性質を利用して液晶配向膜を得ることもできる。
つぎに本発明を実施例により更に詳細に説明する。
なお、実施例にて用いた原料はすべて和光純薬工業(株)より入手した。
核磁気共鳴(NMR)分光測定は日本電子(株)のLambda 400を用いた。
熱分析測定はセイコーインスツルメンツ(株)DSC6200を用い窒素気流下にて行なった。
(モノマーの製造)
[実施例I−1] モノマー:下式(1a)の製造
Figure 2007045949
4−アミノベンゾニトリル10.13g(85.74mmol)に濃塩酸77mlと水170mlを加え、0℃に冷却しながら亜硝酸ナトリウム6.51g(94.34mmol)と水35mlの混合溶液を1時間かけて加えた。反応溶液が透明になったことを確認した後、2−メトキシフェノール10.69g(86.13mmol)、濃塩酸13mlと水220ml混合溶液を3時間かけて加えた。反応溶液を室温に戻した後そのまま20時間攪拌した。反応溶液中の沈殿物をろ別して水で十分に洗浄し乾燥した後、酢酸エチルから再結晶して4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニルアゾ)ベンゾニトリル(中間体A)を収量16.67g(収率76.8%)で得た。
(中間体A)10.02g(39.561mmol)に炭酸カリウム16.65g(120.4mmol)、2-クロロエタノール6.40g(79.49mmol)、ヨウ化カリウム0.48g及びDMF50mlを加えて90℃で72時間攪拌した。反応溶液に水250mlを加え、さらに酢酸エチル500mlを加えて有機層を回収した。有機層を水、食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(充填剤シリカゲル、展開溶媒ノルマルヘキサン-酢酸エチル混合溶媒)で精製して4-(4-(2-ヒドロキシエチル)オキシ-3-メトキシフェニルアゾ)ベンゾニトリル(中間体B)を収量8.01g(収率68.0%)で得た。
(中間体B)4.14g(13.92mmol)にトリエチルアミン2.50g(25.71mmol)とTHF50ml加えて0℃に冷却し、メタクリル酸クロリド1.69g(16.15mmol)のTHF溶液(10ml)を10分かけて加えた。室温20時間攪拌後、溶媒を留去して得られる反応混合物に酢酸エチル100mlを加えて、水、飽和食塩水の順で洗浄した。溶媒を留去して得られる粗生成物をカラムクロマトグラフィー(充填剤シリカゲル、展開溶媒ノルマルヘキサン-酢酸エチル混合溶媒)で精製し、2-[4-(4-シアノフェニルアゾ)-2-(メトキシ)フェノキシ]エチルメタクリル酸(式(1a))を収量3.03g(収率59.6%)で得た。
1H-NMR(400MHz,δ in ppm,MSO-d6) δ: 1.90(s,3H,=C-CH3),4.03(s,3H,-OCH3),4.41(t,2H,-CO2-CH2-CH2-O-),4.49(t,2H,-CO2-CH2-CH2-O-),5.66(s,1H,CH2=C),6.03 (s,1H,CH2=C),7.25-8.01(m,7H-CH3,aromatic ring)
13C-NMR(100MHz,δ in ppm,DMSO-d6) δ: 17.9,55.6,62.9,66.8,102.5,112.5,112.9,118.4,121.5,122.8,126.0,133.7,135.6,146.3,149.7,152.0,154.1,166.4
[実施例I−2] モノマー:下式(1b)の製造
Figure 2007045949
4−アミノベンゾニトリル7.77g(65.7mmol)に濃硫酸18mlと水18mlを加え、0℃に冷却しながら亜硝酸ナトリウム4.53g(131.4mmol)と水30mlの混合溶液を1時間かけて加えた。反応溶液が透明になったことを確認した後、2−イソプロポキシフェノール10g(65.7mmol)、水酸化ナトリウム5.25g(131.2mmol)及び水65.7ml混合溶液を1時間40分かけて加えた。反応溶液を室温に戻した後そのまま18時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチル300mlを加え有機層を回収した。有機層を水、食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(充填剤シリカゲル、展開溶媒ノルマルヘキサン−酢酸エチル混合溶媒)で精製して4−(4−ヒドロキシ−3−イソプロポキシフェニルアゾ)ベンゾニトリル(中間体A)を収量2.60g(収率14.1%)で得た。
(中間体A)2.59g(9.206mmol)に炭酸カリウム3.82g(27.62mmol)、2-クロロエタノール0.815g(10.13mmol)、ヨウ化カリウム0.3g及びDMF20.8mlを加えて90℃で72時間攪拌した。反応溶液に水40mlを加え、さらに酢酸エチル20mlを加えて有機層を回収した。有機層を水、食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(充填剤シリカゲル、展開溶媒ノルマルヘキサン-酢酸エチル混合溶媒)で精製して4-(4-(2-ヒドロキシエチル)オキシ-3-イソプロポキシフェニルアゾ)ベンゾニトリル(中間体B)を収量1.32g(収率44.1%)で得た。
(中間体B)1.32g(4.057mmol)を反応容器に入れ脱水テトラヒドロフラン200mlとトリエチルアミン0.452g(4.463mmol)を加え、0℃に冷却した。メタクリル酸クロリド0.445g(4.260mmol)と脱水テトラヒドロフラン25mlの混合溶液を1時間かけて加えた後、室温に戻し、20時間攪拌した。なお、ここまでの操作はすべて窒素気流下で行った。反応溶液中の沈殿物をろ別し、ろ液から溶媒を留去した後、酢酸エチルを加えた。有機層を水、食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(充填剤シリカゲル、展開溶媒ノルマルヘキサン-酢酸エチル混合溶媒)で精製し、2-[4-(4-シアノ-2-イソプロポキシフェニルアゾ)フェノキシ]エチルメタクリル酸(式(1b))を収量1.05g(収率65.9%)で得た。
1H-NMR(400MHz, δin ppm, DMSO-d6) δ: 1.26(d,6H,CH-(CH3)2),1.88(s,3H,CH2=C-CH3),4.39(t,2H,OCO-CH2-CH2-O),4.48(t,2H,OCO-CH2-CH2-O),4.59(m,1H,CH-(CH3)2),5.69 (s,1H,HCH=C-CH3),6.03(s,1H,HCH=C-CH3),7.26-8.04(m,7H,
aromatic ring)
13C-NMR(100MHz,δ in ppm,DMSO-d6) δ: 17.8,21.7,62.7,66.8,71.5,108.2,112.5,113.7,118.4,121.1,122.9,125.9,133.6,135.6,146.4,147.7,153.4,154.0,166.3
[製造例1]
2-(4-(4-シアノフェニル)フェノキシ)エチルメタクリル酸エステル:下式(3a)の製造
Figure 2007045949
4-(4-ヒドロキシフェニル)ベンゾニトリル25.27g(129.4mmol)、炭酸カリウム33.52g(242.5mmol)、ヨウ化カリウム0.26g、2-クロロエタノール10.53g(130.8mmol)をDMF150mlに加え、90℃で72時間攪拌した。反応溶液に水750ml、酢酸エチル500mlを加え有機層を回収した。有機層を水、食塩水の順番で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られる粗生成物を酢酸エチルで再結晶して4-(4-(2-ヒドロキシエチル)フェノキシ)ベンゾニトリル(中間体C)
14.45g(収率46.7%)を回収した。
(中間体C)7.51g(31.37mmol)にトリエチルアミン3.70g(36.51 mmol)とTHFを加え、0℃で冷却しながら、メタクリル酸クロリド3.43g(32.82 mmol)のTHF溶液40mlを30分かけて加えた。反応溶液を室温にした後20時間攪拌した。反応溶液を水、食塩水の順で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(充填剤シリカゲル、展開溶媒ノルマルヘキサン-酢酸エチル混合溶媒)で精製して2-(4-(4-シアノフェニル)フェノキシ)エチルメタクリル酸(式(3a))を収量5.90gで得た(収率61.2%)m.p.: 87-90(decomp.)
1H-NMR(400MHz,δ in ppm,DMSO-d6)δ:1.90(s,3H,C=C-CH3),4.33(t,2H,-CO2-CH2-CH2-O-),4.47(t,2H,-CO2-CH2-CH2-O-),5.65 (s,1H,CH2=C-),6.03(s,1H,CH2=C-),7.09-7.85(m,8H,aromatic ring)
13C-NMR(100MHz,δ in ppm,DMSO-d6)δ:17.9,62.9,65.9,109.2,115.2,118.9, 126.0,126.8,128.3,130.7,132.7,135.6,144.1,158.9,166.4
(単独重合体の製造)
[実施例 II−1] 重合体の繰り返し単位:下式(2a)
(2-[4-(4-シアノフェニルアゾ)-2-(メトキシ)フェノキシ]エチルメタクリル酸)重合体の製造
Figure 2007045949
2-[4-(4-シアノフェニルアゾ)-2-(メトキシ)フェノキシ]エチルメタクリル酸(式(1a)化合物)0.3347g(0.916mmol)にアゾビスイソブチルニトリル(AIBN)0.0044g(0.027
mmol)とジメチルアセトアミド(DMAc)3 mlに加えて、70℃で24時間攪拌した。
溶媒を留去して得られた反応混合物にTHFを2ml加えて溶解し、メタノール80mlに滴下して再沈殿精製を行った。この操作を繰り返して上記の化合物0.2032g(収率61%)を得た。
1H-NMR(400MHz, δ in ppm, DMSO-d6)δ: 0.85-1.76(br, 5H ,CH2-C-CH3), 3.75(br, 3H,
-OCH3), 4.13(br, 4H, -CO2-CH2-CH2-O-),
6.92-7.80(br, 7H, aromatic ring)
数平均分子量=14000、分子量分布=2.2(GPC, THF as an eluent)
ガラス転移温度:100℃
(共重合体の製造)
[実施例 III−1] 共重合体の繰り返し単位:下式(2a)−式(3)
(2-[4-(4-シアノフェニルアゾ)-2-(メトキシ)フェノキシ]エチルメタクリル酸)−
(2-(4-(4-シアノフェニル)フェノキシ)エチルメタクリル酸)共重合体の製造
Figure 2007045949
Figure 2007045949
2-[4-(4-シアノフェニルアゾ)-2-(メトキシ)フェノキシ]エチルメタクリル酸(式(1a)化合物)0.2160g(0.591mmol)と2-(4-(4-シアノフェニル)フェノキシ)エチルメタクリル酸(式(3a))0.7262g(2.362mmol)にアゾビスイソブチルニトリル(AIBN)0.142g(0.086 mmol)とジメチルアセトアミド(DMAc)6
mlを加えて、70℃で24時間攪拌した。
溶媒を留去して得られた反応混合物にテトラヒドロフラン(THF)を7ml加えて溶解し、メタノール100mlに滴下して再沈殿精製を行った。この操作を繰り返して上記の化合物0.4633g(収率49%)を得た。
1H-NMR(400MHz,δ in ppm,DMSO-d6)δ: 0.85-1.76(br,94H,CH2-C-CH3),3.74-4.11(br,100H,-OCH3,-CO2-CH2-CH2-O-)6.88-7.83(br,172H,aromatic ring)
なお、1H-NMRより2-[4-(4-シアノフェニルアゾ)-2-(メトキシ)フェノキシ]エチルメタクリル酸由来のユニットが19mol%(m/(m+n)=0.19)導入された共重合体であることがわかった。数平均分子量=30200、分子量分布=4.20(GPC, THF as an eluent)
ガラス転移温度:100℃
[実施例III−2] 共重合体の繰り返し単位:式(2b)−式(3)
(2-[4-(4-シアノフェニルアゾ)-2-(イソプロポキシ)フェノキシ]エチルメタクリル酸)−(2-(4-(4-シアノフェニル)フェノキシ)エチルメタクリル酸)共重合体の製造
Figure 2007045949
Figure 2007045949
(2-[4-(4-シアノフェニルアゾ)-2-(イソプロポキシ)フェノキシ]エチルメタクリル酸)0.2000g(0.508mmol)と2-(4-(4-シアノフェニル)フェノキシ)エチルメタクリル酸)0.6250g(2.034mmol)にアゾビスイソブチルニトリル(AIBN)0.125g(0.076
mmol)とジメチルアセトアミド(DMAc)4mlを加えて、70℃で24時間攪拌した。
溶媒を留去して得られた反応混合物にテトラヒドロフラン(THF)を7ml加えて溶解し、メタノール100mlに滴下して再沈殿精製を行った。この操作を繰り返して上記の化合物0.5527g(収率67%)を得た。
1H-NMR(400MHz, δ in ppm, DMSO-d6)δ: 0.84-1.74(br,63H,CH2-C-CH3),3.74-4.11
(br,45H,-OCH3,-CO2-CH2-CH2-O-)6.83-7.85(br,100H,aromatic ring)
なお、1H-NMRより2-[4-(4-シアノフェニルアゾ)-2-(イソプロポキシ)フェノキシ]エチルメタクリル酸由来のユニットが19mol%(m/(m+n)=0.19)導入された共重合体であることがわかった。数平均分子量=30200、分子量分布=4.20(GPC, THF as an eluent)
数平均分子量=29500、分子量分布=2.0(GPC, THF as an eluent)
ガラス転移温度:100℃
得られた重合体について、下記のとおり特性評価を行った。
(評価用試料の作成)
実施例II及び実施例IIIにて得られた重合体を熱溶融してガラス板に挟み込み所定の膜厚の試料を作製した(試験例1〜3)。試料の作製にあたっては図1のようにして、膜厚設定のため所定粒径のガラスビーズと共に挟み込んだ。
(ホログラム記録特性)
特性評価に用いた光学系の模式図を図2に示す。書き込み光の光源にはダイオード励起固体レーザーの532nm(s偏光,800mW/cm2)を用いた。この光源から出射されるビームをビームスプリッターで2分割して2光束とし、それぞれのビームを試料表面の法線に対して22.5°(2つのビーム挟み角が45°)となるよう、ミラーで反射して特性評価用試料に照射した。このとき試料背面より試料表面の法線に対して27°傾けたHe-Neレーザー633nm(s偏光290mW/cm2)を照射した。回折格子のHe-Neレーザーの透過光強度と回折光強度から下記の計算式1により回折効率(%)を求めた。
回折効率(%)=回折光強度/(回折光強度+透過光強度)×100 (計算式1)
また、回折効率が最大に達するまでの時間を応答時間とし、これらの値と532nmレーザーの露光強度(0.1W/cm2)とから下記の計算式2により感度(cm/J)を求めた。
感度(cm2/J)=(最大回折効率)1/2/(0.1*応答時間(秒)) (計算式2)
その結果、最大回折効率は10〜90%で応答時間は数十秒〜500秒程度となった。この値から、今回得られた材料の感度は0.01〜0.1cm2/Jであることがわかり、本発明で得られる材料は比較的良好な特性を有することがわかった。
これら評価結果を表1に示す。
Figure 2007045949
[産業上の利用可能性]
本発明の重合体は光照射により屈折率変調を生じ、光照射部と光未照射部との間に屈折率差を生じる。このため、成形加工して光データ記録や、光配向膜、光導波路材料など光学関連素子に用い得る。さらに、干渉光を照射した場合には、干渉光の明暗に応じた屈折率変調パターン(回折格子)が生じホログラム記録を行うことができる。また、この光異性化は可逆反応であり、光照射部分の加熱などによりもとの状態へ戻すことができ光スイッチなどの動的な光機能材料にも用い得る。本発明の化合物はその加工性を生かして種々の分野に用いることができる。
試料の作製に用いる器具を示す説明図である。 ホログラム記録特性の評価に用いる光学実験装置を示す模式図である。

Claims (7)

  1. 下式(1):
    Figure 2007045949
    (式中、Rは直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基を表す。)
    で表されるアゾベンゼンモノマー。
  2. Rが炭素数1〜5のアルキル基である請求項1のモノマー。
  3. Rがメチル基又はイソプロピル基である請求項2のモノマー。
  4. 下式(2)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする屈折率変調特性を備えた重合体。
    Figure 2007045949
    (式中、Rは直鎖又は分岐鎖を有する炭素数1〜5のアルキル基を表し、mは5〜50,000の整数を表す。)
  5. 下式(2)で表される繰り返し単位と下式(3)で表される繰り返し単位とを有することを特徴とする屈折率変調特性を備えた重合体。
    Figure 2007045949
    Figure 2007045949
    (式中、Rは直鎖又は分岐鎖を有する炭素数1〜5のアルキル基を表し、m及びnは3〜50,000の整数、m+nは5〜50,000の整数を意味し、m/(m+n)は0.5以下の正数である。)
  6. Rがメチル基又はイソプロピル基である請求項4又は5の重合体。
  7. 請求項4〜6いずれかの重合体を用いたホログラム光記録媒体。
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