JP2008203500A - ホログラム記録材料、ホログラム記録媒体、および、ホログラム記録方法 - Google Patents

ホログラム記録材料、ホログラム記録媒体、および、ホログラム記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】記録層の膜厚を厚くしても情報の記録等に利用される光の吸収が抑制でき、且つ、感度の高い記録が可能なホログラム記録材料の提供。
【解決手段】下式光応答性高分子と固有複屈折を有する分子を含むホログラム記録材料。
Figure 2008203500

【選択図】なし

Description

本発明は、光の照射による情報の記録や再生に利用されるホログラム記録材料、これを用いたホログラム記録媒体、および、該ホログラム記録媒体を用いたホログラム記録方法に関するものである。
ホログラフィックデータストレージにおいては、ホログラムの記録に用いる材料として、分子中に光の照射によりトランス−シスに配向が変化するアゾベンゼン骨格を有する高分子材料(以下、「アゾポリマー」と称す場合がある)などのフォトクロミック材料を選択することにより、偏光を記録することができる。
また、アゾポリマーの他に液晶物質も用いた光記録媒体などが挙げられる(特許文献1等参照)。この媒体では、紫外線露光等によるアゾポリマーや液晶物質の移動を利用して薄膜パターンを形成することにより記録を行うものであり、飛躍的に高い感度が実現できる。しかし、アゾポリマーは、その光異性化反応が可逆的であるために、偏光記録を永久的には保持できない。
これに対して、重合性基を有する低分子液晶性化合物と、アゾベンゼン系化合物等の光反応性化合物と、重合開始剤とを含むホログラム記録材料を用いて、液晶性化合物の配向を化学反応により固定化することにより、一旦記録された情報を定着させる記録方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、ホログラフィックデータストレージにおいては、高感度化や、記録の定着性を確保などの他に、記録密度の向上も重要である。記録密度を向上させる方法としては種々検討されているが、一般的な方法としては、記録媒体の記録層の膜厚を厚くする方法が知られている。
特許第3451319号公報 特開2005−115361号公報
本発明は、記録層の膜厚を厚くしても情報の記録等に利用される光の吸収が抑制でき、且つ、感度の高い記録が可能なホログラム記録材料、これを用いたホログラム記録媒体、および、該ホログラム記録媒体を用いたホログラム記録方法を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、
請求項1に係わる発明は、
下記一般式(1)で示される光応答性高分子と、固有複屈折を有する分子と、を含むことを特徴とするホログラム記録材料である。
Figure 2008203500
〔一般式(1)中、Lは2価の連結基、Xは、ハメット則に基づく置換基定数σが0を超える値を有する基で、Xと結合するアゾベンゼン基の最大吸収波長が360nm以下であり、Aは、高分子主鎖を構成する炭素数2以上の繰り返し単位を構成する基、nxは1又は2の整数、nは1以上の整数を表す。〕
請求項2に係わる発明は、
前記一般式(1)中のXが、−CF、−F、−Cl、−Br、−I、−OCF、−SCFからなる群より選択される基であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録材料である。
請求項3に係わる発明は、
前記一般式(1)中のXが、Xと結合するベンゼン環のパラ位に結合していることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録材料である。
請求項4に係わる発明は、
前記固有複屈折を有する分子が、固有複屈折を有する反応性分子であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録材料である。
請求項5に係わる発明は、
前記固有複屈折を有する反応性分子の重合及び/又は架橋を促進する光重合開始剤を含み、前記光重合開始剤の含有量が0.1重量%以下の範囲内であり、且つ、前記固有複屈折を有する反応性分子の含有量が30重量%以上80重量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載のホログラム記録材料である。
請求項6に係わる発明は、
前記光重合開始剤の吸収波長が、情報の記録に利用される光の波長域にあることを特徴とする請求項5に記載のホログラム記録材料である。
請求項7に係わる発明は、
下記一般式(1)で示される光応答性高分子と、固有複屈折を有する分子と、を含むことを特徴とするホログラム記録材料からなる記録層を有することを特徴とするホログラム記録媒体である。
Figure 2008203500
〔一般式(1)中、Lは2価の連結基、Xは、ハメット則に基づく置換基定数σが0を超える値を有する基で、Xと結合するアゾベンゼン基の最大吸収波長が360nm以下であり、Aは、高分子主鎖を構成する炭素数2以上の繰り返し単位を構成する基、nxは1又は2の整数、nは1以上の整数を表す。〕
請求項8に係わる発明は、
前記記録層の厚みが10μm以上である体積ホログラムであることを特徴とする請求項7に記載のホログラム記録媒体である。
請求項9に係わる発明は、
下記一般式(1)で示される光応答性高分子と、固有複屈折を有する分子と、を含むことを特徴とするホログラム記録材料からなる記録層を有することを特徴とするホログラム記録媒体に、信号光と参照光とを同時に照射することにより情報を記録する際に、
光の振幅、位相、および、偏光方向から選択される少なくともいずれかの特性の変調を利用して前記情報を記録することを特徴とするホログラム記録方法である。
Figure 2008203500
〔一般式(1)中、Lは2価の連結基、Xは、ハメット則に基づく置換基定数σが0を超える値を有する基で、Xと結合するアゾベンゼン基の最大吸収波長が360nm以下であり、Aは、高分子主鎖を構成する炭素数2以上の繰り返し単位を構成する基、nxは1又は2の整数、nは1以上の整数を表す。〕
請求項10に係わる発明は、
前記固有複屈折を有する分子が、固有複屈折を有する反応性分子であり、前記固有複屈折を有する反応性分子の重合及び/又は架橋を促進する光重合開始剤を含み、
前記光重合開始剤の含有量が0.1重量%以下の範囲内であり、且つ、前記固有複屈折を有する反応性分子の含有量が30重量%以上80重量%以下の範囲内であり、
前記情報の記録が、光の偏光方向の変調を利用して行われることを特徴とする請求項9に記載のホログラム記録方法である。
以上に説明したように請求項1に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録層の膜厚を厚くしても情報の記録等に利用される光の吸収が抑制でき、且つ、感度の高い記録が可能なホログラム記録材料を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録層の膜厚を厚くしても情報の記録等に利用される光の吸収がより抑制でき、且つ、より感度の高い記録が可能なホログラム記録材料を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、より感度の高い記録が可能なホログラム記録材料を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、一旦記録された情報を定着することができるホログラム記録材料を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、偏光を利用した感度の高い多重記録が可能であると共に、一旦記録された情報を定着することができるホログラム記録材料を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、情報の記録と定着とを略同時に行うことができると共に、このホログラム記録媒体を用いて情報の記録再生を行うホログラム記録装置の構成を簡素化できるホログラム記録材料を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録層の膜厚を厚くしても情報の記録等に利用される光の吸収がより抑制でき、且つ、より感度の高い記録が可能なホログラム記録媒体を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、より記録密度の高いホログラム記録媒体を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録層の膜厚を厚くしても情報の記録等に利用される光の吸収がより抑制でき、且つ、より感度の高い記録が可能なホログラム記録方法を提供することができる。
請求項10に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、偏光を利用した感度の高い多重記録が可能であると共に、一旦記録された情報を定着することができるホログラム記録方法を提供することができる。
<ホログラム記録材料およびホログラム記録媒体>
本発明のホログラム記録材料(以下、「記録材料」と称す場合がある)は、下記一般式(1)で示される光応答性高分子と、固有複屈折を有する分子と、を含むことを特徴とする。また、本発明のホログラム記録媒体(以下、「記録媒体」と称す場合がある)は、本発明のホログラム記録材料からなる記録層を有することを特徴とする。
Figure 2008203500
一般式(1)中、Lは2価の連結基、Xは、ハメット則に基づく置換基定数σが0を超える値を有する基で、Xと結合するアゾベンゼン基の最大吸収波長が360nm以下であり、Aは、高分子主鎖を構成する炭素数2以上の繰り返し単位を構成する基、nxは1又は2の整数、nは1以上の整数を表す。
なお、本発明の記録材料を用いた情報の記録は、信号光と参照光とを同時に照射することにより行うことができる。この場合、光の振幅、位相、および、偏光方向から選択される少なくともいずれかの特性の変調を利用して情報を記録することができる。
なお、情報の記録に際しては多重記録に対しても対応が可能であることから、光の偏光方向の変調を利用して情報の記録を行うことが特に好適である(但し、この場合は、記録材料として後述する第3の実施態様の記録材料を用いる必要がある)。
さらに、偏光方向の変調を利用して情報を記録する場合、信号光の偏光方向と参照光の偏光方向とが互いに平行となるように実施される方式(強度変調ホログラム)、および、信号光の偏光方向と参照光の偏光方向とが互いに直交するように実施される方式(偏光変調ホログラム)の少なくともいずれかの方式を選択することができる。
ここで、情報の記録を行う場合、上述したホログラム記録材料からなる記録層に対して、情報を記録するための光(例えば波長500nm以上550nm以下の緑色の波長域の光)、例えば波長515nmのArレーザー光や、波長532nmのYAGレーザー光などの照射を実施する。
この光照射の実施により、ホログラム記録材料中では、少なくとも以下の2つのプロセスが起こる。
(1)光応答性高分子の配向(より具体的にはアゾベンゼン骨格を有する側鎖の配向)が起こる(以下、「プロセス(1)」と称す場合がある)
(2)プロセス(1)における側鎖の配向に倣って固有複屈折を有する分子が配向する(以下、「プロセス(2)」と称す場合がある)
従って、感度の高い記録を実現するためには、光応答性高分子の側鎖を構成し、光を照射することにより異性化反応を示す光異性化基(Aで示される光応答性高分子の主鎖部分に結合しており、Aと直接結合する2価の連結基Lと、連結基LのAが結合した側と反対側に結合するアゾベンゼン基と、アゾベンゼン基を構成するベンゼン環(連結基Lと結合していない側のベンゼン環)と結合するXとから構成される部分)が配向した際に、この配向に出来るだけ速やかに応答して固有複屈折を有する分子も配向できることが重要である。
本発明者らは、この点について鋭意検討した結果、光異性化基を構成するアゾベンゼン基(を構成する2つのベンゼン環のうち、アゾベンゼン基を構成するアゾ基の主鎖側と反対側に位置するベンゼン環)と結合するXが、ハメット則に基づく置換基定数σが0を超える値を有する基であることが必要であることを見出した。
この理由の詳細は不明であるが、Xが、ハメット則に基づく置換基定数σが0を超える値を有する基である場合、光異性化基と固有複屈折を有する分子との相互作用が向上するために、光異性化基が配向した場合に、この配向に速やかに応答して固有複屈折を有する分子も配向できるためであると推定される。
また、光異性化基はアゾベンゼン骨格を有するため、通常、上述した緑色の波長域よりも短波長側の波長域に吸収強度が極大となる光吸収ピークを有している。このため、光異性化基に起因する光吸収ピークがより短波長側に位置する程、記録密度の向上のために記録層の膜厚を厚くしても、光吸収ピークの長波長側の裾野部分に相当する緑色の波長域の光の吸収が抑制され、情報の記録等に利用する光の利用効率を高めることができる。
このような観点からは、最大吸収波長が360nmを超えると、500nm以上での吸光度が高めにキープされるために情報の記録等に利用する光の利用効率が低下してしまう。それゆえ、Lに結合するXを含むアゾベンゼン基の最大吸収波長が360nm以下であることが必要である。
このように、記録層の膜厚を厚くしても情報の記録等に利用される光の吸収が抑制でき、且つ、感度の高い記録を可能とするためには、光応答性高分子の光異性化基を構成するXが、ハメット則に基づく置換基定数σが0を超える値を有する基で、Xと結合するアゾベンゼン基の最大吸収波長が360nm以下であることが必要である。
なお、アゾベンゼン基の最大吸収波長は、これに結合するXを選択することにより360nm以下に制御できる。
上記条件を満たすXとしては、例えば、−CF、−F、−Cl、−Br、−I、−OCF、−SCF等が挙げられ、光吸収をより抑制すると共に更に高感度化が図れる観点からは−CFが好ましい。
なお、参考までに、主要な置換基のハメット則に基づく置換基定数σ(化学便覧 基礎編 第5改訂版 表12.10 σ )と、Xとして上記置換基が結合したアゾベンゼン基の最大吸収波長を表1に示す。
Figure 2008203500
なお、Xは、Xと結合するベンゼン環のパラ位やオルト位に結合することができるが、特にパラ位に結合することが好ましい。Xがベンゼン環のパラ位に結合することにより、光異性化基とこの近隣に位置する固有複屈折を有する分子とが相互作用する場合に、立体障害が少なくなるため、両者の相互作用をより向上させることができる。この場合、より高感度な情報の記録を行うことができる。
また、ベンゼン環に結合するXの数nxは、1又は2であればよいが、立体障害がより少なく出来るという観点からは、1であることが特に好ましい。
以上に一般式(1)で示される光応答性高分子のXについて主に説明したが、光応答性高分子のその他の部分(A、L)の詳細については後述する。
以上に説明したホログラム記録材料を用いれば、記録層の膜厚を厚くしても情報の記録等に利用される光の吸収が抑制でき、且つ、感度の高い記録が可能である。なお、プロセス(1)(2)を経た後の状態では、外部から新たにエネルギーを付与すると、一旦、所定の方向に配向した固有複屈折を有する分子の配向状態を、別の配向状態に変化させることができる。このため、情報の記録に際して、プロセス(1)およびプロセス(2)のみを実施する場合、情報の書き換えが可能なリライタブルタイプのホログラム記録媒体として利用することができる。
しかし、プロセス(1)(2)を経た後の状態で、長期間放置した場合、一旦、所定の方向に配向した固有複屈折を有する分子の配向状態が、時間の経過と共に緩和するため、情報を長期に渡って保持することは困難である。このため、一旦記録した情報が半永久的に保持されるライトワンスタイプのホログラム記録媒体を実現する上では、プロセス(2)が完了(又はある程度進行)した時点で、所定の方向に配向した固有複屈折を有する分子の配向状態を固定する必要がある。このためには、固有複屈折を有する分子として、固有複屈折を有する反応性分子を用いることが特に好ましい。なお、「固有複屈折を有する反応性分子」とは、光の照射や熱の付与などの外部刺激の付与によってこの反応性分子同士が、重合及び/又は架橋する分子を意味する。また、「固有複屈折を有する分子」とは、光の照射や熱の付与などの外部刺激を付与しても重合や架橋しない「固有複屈折を有する非反応性分子」および「固有複屈折を有する反応性分子」の双方又はいずれかを意味する。
この場合、情報を記録するための光を照射した際に、既述したようにプロセス(1)およびプロセス(2)が起こる。そして、(3)プロセス(2)が完了(又はある程度進行)した時点で、固有複屈折を有する反応性分子を互いに重合及び/又は架橋させる(以下、プロセス(3)と称す場合がある)ことにより、所定の方向に配向した固有複屈折を有する反応性分子の配向状態が固定される。このため、プロセス(1)(2)を経て一旦記録された情報を半永久的に保持(定着)することができる。さらに、1回の光照射によって、光が照射された領域のホログラム記録材料中の固有複屈折を有する反応性分子の全てではなく、一部のみが配向しその配向状態が固定できるように、光照射の強度や時間、固有複屈折を有する反応性分子の反応性を選択することにより、多重記録を行うこともできる。
プロセス(3)の実施に際しては、固有複屈折を有する反応性分子の重合及び/又は架橋反応を促進するために必要な外部刺激を付与する必要があるが、この外部刺激としては、ホログラム記録材料を構成する材料やその組み合わせに応じて、光の照射や熱の付与などの物理的、化学的又は機械的な外部刺激を選択できる。
ここで、固有複屈折を有する反応性分子が、記録層に情報を記録する際に照射される光によって重合又は架橋するものであることが好ましい。この場合、情報の記録と定着とを略同時に行うことができる(本願では、定着のための後処理が必要ない場合を「情報の記録と定着を略同時に行う」と表現する)と共に、このホログラム記録媒体を用いて情報の記録再生を行うホログラム記録装置の構成を簡素化できる。
但し、必要に応じて固有複屈折を有する反応性分子は記録層に情報を記録する際に照射される光以外の外部刺激によって重合及び/又は架橋するものを用いることも勿論可能である。この場合は、記録した情報の重要性等に応じて一旦記録した情報を定着するか否かを自由に選択できるため、本発明の記録媒体をリライタブル用の記録媒体として利用することも可能となり、リライタブル用およびライトワンス用の双方のニーズに応えることができる。
また、固有複屈折を有する反応性分子が、光の照射により重合及び/又は架橋するものである場合、重合及び/又は架橋を促進するために、ホログラム記録材料中には光重合開始剤が含まれていてもよい。この場合、光重合開始剤の吸収波長域に、情報の記録に利用される光の波長が含まれていれば、情報の記録と定着とを略同時に行うことができるため、ホログラム記録装置の構成を簡素化できる。
なお、以下の説明において、光応答性高分子と固有複屈折を有する非反応性分子(反応性を有さない分子)とを少なくとも含むホログラム記録材料及びこれを用いたホログラム記録媒体を指す場合には「第1の実施態様」と称し、光応答性高分子と固有複屈折を有する反応性分子とを少なくとも含むホログラム記録材料及びこれを用いたホログラム記録媒体を「第2の実施態様」と称する場合がある。
第2の実施態様において、記録層中(すなわち記録材料中)に含まれる光重合開始剤の含有量は特に限定されるものではないが、記録層が、記録層に情報を記録する際に照射される光によって固有複屈折を有する反応性分子の重合及び/又は架橋を促進する光重合開始剤を含む場合には、ホログラム記録媒体中における光重合開始剤の含有量が0.1重量%未満の範囲内であり、且つ、固有複屈折を有する反応性分子の含有量が30重量%以上80重量%以下の範囲内であることが特に好ましい(以下、上述した光重合開始剤の感応波長、光重合開始剤および固有複屈折を有する反応性分子の含有量を特定したホログラム記録材料及びこれを用いたホログラム記録媒体を「第3の実施態様」と称す場合がある)。
この場合、第3の実施態様の記録材料/記録媒体は、偏光を利用した正確で感度の高い多重記録が可能であると共に、一旦記録された情報の定着性にも優れるライトワンスタイプの記録材料/記録媒体として利用することができる。
光応答性高分子と、固有複屈折を有する反応性分子と、吸収波長が情報の記録に利用される光の波長域と同じである光重合開始剤とを含むホログラム記録材料を用いて多重記録を行う場合には、新たな情報を記録する毎に別の偏光が照射され、情報が定着されることになるため、記録層中に含まれる未重合状態の固有複屈折を有する反応性分子の量は、記録毎に減少することになる。このため、情報の記録を繰り返す度に、光応答性高分子の配向に倣って配向できる未反応の固有複屈折を有する反応性分子が減少しため、特許文献1に示した記録媒体のように、液晶分子により感度を増幅する機能は低下してしまう。
しかしながら、第3の実施態様の記録媒体は、記録層中に含まれる次の記録に寄与できる光応答性高分子の量は、情報を多重記録しても常に一定に保たれるため、記録層中に存在する光応答性高分子の量に対応した一定レベル以上の感度が常に維持できる。
このため、第3の実施態様の記録媒体は情報の定着が可能である上に、従来のフォトポリマーを用いた記録媒体と比べると、情報を多重記録する場合でも高い感度を維持することが容易である。
以上に説明したように、第3の実施態様では、多重記録時に、固有複屈折を有する反応性分子が、主に一旦記録された情報を定着する機能を担うと共に、光応答性高分子が、固有複屈折を有する反応性分子の配向を誘起する機能に加えて感度を確保する機能をも担う。このため、偏光を利用した感度の高い多重記録が可能であると共に、一旦記録された情報を定着することも可能である。
なお、第3の実施態様においては、上述したように固有複屈折を有する反応性分子が、記録層に情報を記録する際に照射される光によって重合又は架橋するものであるため、情報の記録と定着とを略同時に行うことができると共に、このホログラム記録媒体を用いて情報の記録再生を行うホログラム記録装置の構成を簡素化できる。
また、第3の実施態様においては、記録層に用いられる固有複屈折を有する反応性分子が、光の照射により重合及び/又は架橋するのを促進するために、記録層中に光重合開始剤が含まれる。
記録層中(すなわち記録材料中)に含まれる光重合開始剤の含有量は、0.1重量%未満であることが好ましく、0.08重量%以下であることがより好ましい。光重合開始剤の含有量が0.1重量%以上では、後述するように固有複屈折を有する反応性分子が光応答性高分子が十分に配向し終える前に重合及び/又は架橋が起こるため正確な記録ができなくなる場合がある。また、光重合開始剤の含有量が少ない場合には、情報の定着性が不十分である場合があるため、光重合開始剤の含有量は反応性分子の0.001重量%以上であることが好ましい。
なお、通常、情報を速やかに記録して定着するためには、光重合開始剤の量は多ければ多い方が好ましい。この観点では、数重量%の光重合開始剤が含まれていることが好ましいと考えられる。
しかしながら、第3の実施態様における情報の記録・定着は、光の照射によって、プロセス(1)が起こり、続いて、プロセス(2)が起こり、最後にプロセス(3)が起こることによってなされるものである。但し、この3段階の反応は、実際には、上記のプロセス(1)からプロセス(2)、プロセス(2)からプロセス(3)へと順次区切りよく起こるものではなく、プロセス(1)や(2)が起こっている段階でプロセス(3)もある程度競合して起こっているものと考えられる。従って、プロセス(1)および(2)とプロセス(3)との競合が著しくなる;すなわちプロセス(1)および(2)の反応速度に対して、プロセス(3)の反応速度が相対的に大きいと、固有複屈折を有する反応性分子が十分に配向し終える前(情報の記録が完了する前)に、固有複屈折を有する反応性分子の重合及び/又は架橋(情報の定着)が起こってしまうことになる。
特に、光応答性高分子が、分子サイズが大きく分子の運動性により劣るため、プロセス(1)の反応速度が相対的により小さくなる上に、これに伴いプロセス(2)の反応速度も相対的により小さくなるため、上述した問題がより顕著になると考えられる。
本発明者らはこの点に着目し、プロセス(1)および(2)とプロセス(3)との競合を弱めてやる;すなわち、プロセス(1)および(2)の反応速度に対して、プロセス(3)の反応速度を相対的により小さく制御してやれば、固有複屈折を有する反応性分子が十分に配向し終えた状態で、固有複屈折を有する反応性分子の重合及び/又は架橋を実施できるため、感度の高い記録が実現できるものと考えた。ここで、プロセス(3)の反応速度を支配する重要な要因は、光重合開始剤の含有量であると考えられる。本発明者らは、以上に説明した知見に基づいて、上述したように光重合開始剤の含有量を0.1重量%未満にすれば、より感度の高い記録が実現できることを見出した。
また、記録層中(すなわち記録材料中)に含まれる固有複屈折を有する反応性分子の含有量は、30重量%以上80重量%以下の範囲内であることが好ましく、35重量%以上65重量%以下の範囲内であることがより好ましい。
固有複屈折を有する反応性分子の含有量が30重量%未満では、記録密度が低下したり、多重記録に際して高い感度を得ることができなくなる場合がある。また、80重量%を超ると、光応答性高分子の含有量が不十分となるために感度が低下してしまう場合がある。
−ホログラム記録媒体の構成−
次に、本発明の記録媒体の構成や、用いる材料についてより詳細に説明する。
本発明の記録媒体は、上述した光応答性高分子と固有複屈折を有する分子とを少なくとも含む記録材料からなる記録層を少なくとも有するものであるが、この記録層は、基板(あるいは基体)上に設けられていることが好ましい。また、記録層と基板との間に反射層を設けることもできる。また、記録層を保護する保護層を、記録層の基板が設けられた側の面と反対側の面上に設けることができる。なお、保護層が、基板であってもよい(すなわち、1対の基板間に記録層が挟持された構成)。加えて、基板と、反射層や記録層、あるいは、反射層、記録層、保護層の各々の層の間の接着性等を確保する等の目的で必要に応じて中間層を設けることもできる。更に保護層の表面など必要なところに反射防止コートをすることもできる。
ホログラム記録媒体の形状としては特に限定されず、記録層が一定の厚みで2次元的に形成されているものであればディスク状、シート状、テープ状、ドラム状等、任意の形態を選択することができる。
しかしながら、既存の光記録媒体の製造技術や、記録再生システムを容易に利用できる点から、従来の光記録媒体に利用されているセンター部に穴を設けた円盤状であることが好ましい。
(記録層)
記録層は、光応答性高分子と固有複屈折を有する分子とを必ず含み、必要に応じてその他の成分が含まれるホログラム記録材料からなる。なお、その他の成分としては、バインダー等、情報の記録/再生に直接関係のない材料が用いられてもよい。
記録層の膜厚は、実用上は3μm以上2mm以下の範囲内であることが好ましい。なお、記録層を構成する記録材料は、一般式(1)で示される光応答性高分子を用いているため、従来の光応答性高分子よりも緑色の波長域の光の吸収が少ない。このため、従来の光応答性高分子を用いた記録媒体と比べて、本発明の記録媒体の方が、より記録層の膜厚をより厚くすることができるため、記録層の膜厚増大による記録密度の更なる向上を図ることが可能である。
この観点から、特に、光源として、実用上最も典型的な波長および強度を有する光源(Arレーザー又はYAGレーザーを用い、ホログラム記録媒体の記録層表面における光の照射強度が0.01W/cm以上2W/cm以下の範囲内)の利用を想定した場合、記録媒体が体積ホログラムの場合には、膜厚は10μm以上2mm以下の範囲内であることが好ましく、200μm以上1.5mm以下の範囲内であることがより好ましい。膜厚が10μm未満の場合には、より高い記録密度が得られなくなる場合があり、2mmを超えると、記録層による光の吸収が著しくなり、光の利用効率が低下してしまう場合がある。
以下、記録層に含まれる各成分についてより詳細に説明する。
−光応答性高分子−
光応答性高分子は、一般式(1)に示すように、光を照射することにより、異性化反応(アゾベンゼン骨格に起因するシス−トランス異性)を示す光異性化基(側鎖)と、Aで示される主鎖とを少なくとも有するものである。
ここで、一般式(1)中、nは1以上の範囲内の整数であるが、4以上1000以下の範囲内が好ましい。また、光応答性高分子の重量平均分子量は特に限定されないが、10000以上1000000以下の範囲内であることが好ましい。
光異性化基を構成する2価の連結基Lは、炭素原子数が0以上100以下の範囲内の基を意味し、炭素原子数は1以上20以下の連結基を範囲内がより好ましい。なお、2価の連結基Lは、炭素原子数が0の場合は単なる結合手を意味し、Aとアゾベンゼン基を構成するベンゼン環とが直接結合することを意味する。
なお、炭素原子数が1以上の連結基Lとしては、例えば、アルキレン基(炭素原子数(以下、「C数」と称す場合がある)が1以上20以下の範囲内が好ましく、例えば、置換しても良いメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、デシレン、ウンデシレン、−CH2PhCH2−(p)等が挙げられる)、アルケニレン基(C数が2以上20以下の範囲内が好ましく、例えば、エテニレン、プロペニレン、ブタジエニレン等が挙げられる)、アルキニレン基(C数が2以上20以下の範囲内が好ましく、例えば、エチニレン、プロピニレン、ブタジイニレン等が挙げられる)、シクロアルキレン基(C数が3以上20以下の範囲内が好ましく、例えば1,3−シクロペンチレン、1,4−シクロヘキシレン等が挙げられる)、アリーレン基(C数が6以上26以下の範囲内が好ましく、例えば置換しても良い1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン、2,6−ナフチレン等が挙げられる)、ヘテリレン基(C数が1以上20以下の範囲内が好ましく、例えば置換しても良いピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、チオフェン、フラン、チアゾール、オキサゾール、チアジアゾール、オキサジアゾールから2個の水素原子を引き抜いて2価の基としたもの等が挙げられる)、アミド基、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、エーテル基、イミノ基、カルボニル基、等が挙げられる。
また、上記に列挙した基を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される基も挙げられる。
一方、一般式(1)中、Aで示される主鎖構造部分の構造は、公知の高分子主鎖構造であれば特に限定されない。例えば重合構造に着目すれば、例えば、1種類のモノマーを用いて重合された重合体であってもよく、2種類以上のモノマーを用いて重合された場合はブロック共重合体、ランダム共重合体等であってもよい。また、主鎖分子構造に着目すれば、例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリウレタン系等などであってもよい。
また、主鎖部分は、基本的には、柔軟性の高い分子構造を有するものであることが好ましく、具体的には、光応答性高分子を示差熱分析した際に融点に起因するピークが観察されないアモルファス状態を示すものであることが好ましい。
なお、主鎖には光異性化基以外の側鎖(光の照射により異性化反応を示さない非光異性化基)が結合していてもよい。ここで、この非光異性化基は、ビフェニル系、ターフェニル系などの公知の低分子の液晶構造を含む基(以下、「液晶構造含有基」と称す場合がある)であってもよい。ここで、液晶構造含有基は、主鎖に直接結合する2価の連結基と、この2価の連結基に結合する液晶構造部とを少なくとも含むものである。
非光異性化基が液晶構造含有基である場合、光異性化基を構成する連結基Lや、液晶構造含有基を構成する連結基の屈曲性や長さを調整したり、主鎖の光異性化基が結合している結合位置と、主鎖の液晶構造含有基が結合している結合位置との主鎖長さを調整するなどにより、非光異性化基と液晶構造含有基とが相互作用できるようにすれば、非光異性化基が配向した場合に、これに連動させて液晶構造含有基も配向させることができる(なお、この主鎖に結合した2種類の側鎖の相互作用による2段階配向の一例としては、例えば、特開2005−274628号公報に記載されている)。
この場合、固有複屈折を有する分子の配向は、固有複屈折を有する分子と光異性化基との直接的な相互作用以外にも、光異性化基との相互作用によって配向した液晶構造含有基と固有複屈折を有する分子との相互作用によっても引き起こすことが可能である。
但し、液晶構造含有基の配向に倣って、固有複屈折を有する分子が配向できるようにするためには、液晶構造含有基と固有複屈折を有する分子との分子構造がある程度類似していることが好ましく、液晶構造含有基と固有複屈折を有する分子との分子構造が類似していることが特に好ましく、両者の分子構造が同一であることが最も好ましい。また、両者の相互作用がより良好となるため、光応答性高分子と、固有複屈折を有する分子との相溶性をより向上させることもできる。
また、以上に説明したことから、上述した液晶構造含有基と固有複屈折を有する分子との相互作用や、光応答性高分子と、固有複屈折を有する分子との相溶性向上といった効果は、光異性化基が一般式(1)中に示される構造とは異なる構造を有していても同様に得られるものと推定される。
ここで、「分子構造が類似」とは、固有複屈折を有する分子が液晶構造を含む場合、固有複屈折を有する分子を構成する液晶構造部分(置換基を除く基本骨格部分を意味し、以下、この段落において同じ。)、液晶構造含有基の液晶構造部分との分子構造が少なくとも同一であることを意味する。また、「分子構造が同一」とは、固有複屈折を有する分子が液晶構造を含む場合、液晶構造部分に結合した置換基(但し、固有複屈折を有する分子が反応性分子である場合における反応性基や、この反応性基と液晶構造部とを結合するために設けられる連結基、および、液晶構造含有基を構成する連結基を除く)の種類や結合位置までもが、固有複屈折を有する分子と液晶構造含有基とで同一であることを意味する。
さらに、「分子構造がある程度類似」とは、固有複屈折を有する分子が液晶構造を含む場合、固有複屈折を有する分子を構成する液晶構造部分(置換基を除く基本骨格部分。以下、この段落において同じ。)、液晶構造含有基の液晶構造部分との分子構造の主要部が少なくとも同一であることを意味する。
以上に説明した観点も考慮すれば、一般式(1)で示される光応答性高分子は、下記一般式(2)で示される構造を有するものであることがより好ましい。
Figure 2008203500
ここで、一般式(2)中、L1、X、n、nxは一般式(1)中に示すものと同様であり、a1、a2、a3、a4は、a1+a2+a3+a4が1である関係を満たすモル比を意味する。なお、a1が0を超え1以下の範囲であり、a2、a3、a4は0以上1未満の範囲である。
また、Lは、一般式(1)に示されるLと同様の2価の連結基を表し、LCは、置換または未置換の一価の液晶構造を有する基を表し、当該液晶構造としては公知の液晶分子の構造が挙げられるが、例えば、下記構造式LC1乃至LC10などが挙げられる。
Figure 2008203500
なお、構造式LC1乃至LC10は、2つの結合手を有する2価の基として示されているが、2つの結合手のうちいずれか一方が連結基Lと結合し、他方が置換基と結合するものである。なお、置換基としては、水素原子、シアノ基、ニトロ基、フッ化炭素基等から選択され、これらの中でもシアノ基が好ましい。
また、A、Aは下記一般式(3)で示される3価の基を表す。
Figure 2008203500
一般式(3)中、「*」で示される結合手は、連結基L、Lと結合する結合手であることを意味し(以下、同様)、n1、n2は0以上2以下の整数を表す。
また、Cは下記構造式群1から選択される3価の基を表し、C、Cは、下記構造式群2から選択される2価の基を表す。
Figure 2008203500
Figure 2008203500
なお、構造式群2中、置換または未置換のアルキレン基以外の基は、n1、n2が2である時はC、Cを表す基として選択されない。また、構造式群2中、R1は、水素原子、炭素数1以上20以下の範囲内のアルキル基、炭素数1以上20以下の範囲内のアルケニル基、炭素数1以上20以下の範囲内のシクロアルキル基、炭素数1以上20以下の範囲内のアリール基、炭素数2以上20以下の範囲内のヘテロ環基から選択される基を表し、R2、R3は、水素原子、シアノ基、炭素数1以上20以下の範囲内のアルキル基、炭素数1以上20以下の範囲内のアリール基から選択される基を表し、これらの中でも水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
また、A、Aは下記一般式(4)又は一般式(5)から選択される2価の基を表す。
Figure 2008203500
Figure 2008203500
ここで、一般式(4)は、一般式(3)において、「*」で示される結合手に水素原子が結合した構造を有するものであり、C、C、C、n1、n2は、一般式(3)に示すものと同様である。
また、一般式(5)中、n3は0又は1の整数を表し、Cは下記構造式群3から選択される2価の基を表し、Cは下記構造式4で示される2価の基を表し、Cは下記構造式6で示される2価の基を表す。
Figure 2008203500
Figure 2008203500
Figure 2008203500
ここで、構造式群3中、Rはメチル基又はフェニル基を表し、n4は0以上2以下の範囲の整数を表す。また、構造式4中、n5は2以上12以下の範囲の整数を表し、「*B」で示される結合手は、一般式(5)中のベンゼン環と結合する結合手を意味する。さらに、構造式(6)中、Rは、水素原子、炭素数1以上20以下の範囲内のアルキル基、炭素数1以上20以下の範囲内のアルケニル基、炭素数1以上20以下の範囲内のシクロアルキル基、炭素数1以上20以下の範囲内のアリール基、炭素数2以上20以下の範囲のヘテロ環基から選択される基を表す。
以上に一般式(2)で示される光応答性高分子の取り得る分子構造について説明したが、光応答性高分子が、液晶構造含有基を有さない場合には、一般式(2)中のa3およびa4が0である構造を選択できる。この場合、主鎖を構成するA、Aは、柔軟性の高い分子構造を有することが好ましい。柔軟性の高い分子構造を有する主鎖構造の具体例としては、例えば、主鎖を構成するAが一般式(5)に示す構造を有する場合には、Cで示される構造が−S(=O)−などであり、n3は1である。
以下に、光応答性高分子が、液晶構造含有基を有さない場合のより具体的な分子構造の一例を下記構造式7に示す。
Figure 2008203500
ここで、構造式7中、X、n、a1、a2は一般式(1)や一般式(2)中に示したものと同様である。
一方、光応答性高分子が、液晶構造含有基を有する場合には、一般式(2)中のa3およびa4が0を超え1未満の範囲である構造を選択できる。また、a1/(a1+a3)は、0.0001以上0.8以下の範囲が好ましく、0.01以上0.6以下の範囲がより好ましい。
また、主鎖上に互いに隣接して配置した光異性化基と液晶構造含有基との相互作用を向上させるためには、主鎖は剛直性の高い分子構造を有することが好ましく、その一方で、光応答性高分子全体としては、柔軟性を有していることが好ましい。
この観点からは、一般式(2)中、主鎖を構成するA又はAのいずれか一方が柔軟性の高い分子構造を有し、他方が剛直性質の高い構造を有することが好ましい。例えば、主鎖を構成するAやAが一般式(5)に示す構造を有する場合、柔軟性の高い分子構造を有するものとしては上述した例が挙げられる。これに対し、一般式(5)に示す構造において、剛直性の高い分子構造を有するものとしては、Cで示される構造が−O−である。
以下に、光応答性高分子が、液晶構造含有基を有さない場合のより具体的な分子構造の一例を下記構造式8に示す。
Figure 2008203500
ここで、構造式8中、X、n、a1、a2、a3、a4は一般式(1)や一般式(2)中に示したものと同様である。
−固有複屈折を有する分子−
固有複屈折を有する分子としては、固有複屈折を有する公知の物質が利用できるが、分子固有の長軸方向の屈折率(Ne)と短軸方向の屈折率(No)とが異なる分子であることが好ましい。ここで、固有複屈折とは分子固有の複屈折を表し、固体、液晶状態等のバルクの複屈折から求めることもできるが、分子軌道計算により求めることもできる値である。本発明のホログラム記録材料を利用したホログラム記録媒体への情報の記録は屈折率変調を利用するため、固有複屈折を有する反応性分子の屈折率異方性ΔN=|Ne―No|は大きい程好ましく、具体的にはΔNは0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.1以上であることが最も好ましい。なお、ΔNの上限は特に限定されるものではないが、材料の入手容易性などの実用上の観点から、 以下であることが好ましい。
したがって、固有複屈折を有する分子としては、棒状で分子の長軸方向に共役が長くつながった分子(例えば、既述した構造式LC1、LC2等として示される分子構造を含む液晶分子など)であることが好ましい。
固有複屈折を有する分子としては、後述する液晶分子を用いることが好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば、いわゆる2色性化合物(色素)なども利用可能である。以下、液晶分子についてより詳細に説明する。
この液晶分子は、ネマチック性、コレステリック性またはスメクチック性等の液晶配向を示す各種骨格を有し、液晶配向を示すメソゲン基となる環状単位としては、たとえば、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、フェニルシクロヘキサン系、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレン系、ジフェニルベンゾエート系、ビシクロへキサン系、シクロヘキシルベンゼン系、ターフェニル系等があげられる。なお、これら環状単位の末端は、たとえば、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の置換基を有していてもよい。
また、固有複屈折を有する分子が、固有複屈折を有する反応性分子である場合、上述した液晶分子は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合やエポキシ基等の重合及び/又は架橋反応が可能な反応性基を有する反応性液晶分子が好適に用いられる。なお、固有複屈折を有する反応性分子が配向した後の配向状態を更に強固に固定するためには、反応性液晶分子は2つ以上の反応性基を有していることが好ましい。さらに、反応性基は、2価の連結基を介して液晶分子と間接的に結合していてもよい。ここで、2価の連結基としては、例えば、一般式(1)や一般式(2)中に示される2価の連結基L1、L2と同様のものが選択できる。
記録材料に用いられる液晶分子は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、反応性液晶分子は通例、配向処理した後、熱や光等による方式で架橋および/または重合処理されてポリマーとされる。
−光重合開始剤−
第2の実施態様や第3の実施態様においては、記録材料からなる記録層中に含まれる固有複屈折を有する反応性分子の重合及び/又は架橋を促進するために、光重合開始剤が用いられる。
光重合開始剤としては、2、2−ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系、ジアゾニウム系、スルホニウム塩系、ヨードニウム塩系、セレニウム塩系等の通常の光重合開始剤が使用できる。光重合開始剤は、光散乱の影響を抑えるため、固有複屈折を有する反応性分子や光応答性高分子に溶解あるいは相溶するものが好ましい。また透明の光重合開始剤も好ましい。たとえば、チバスペシャルティケミカルズ社製のイルガキュア(Irgacure)784,同184、同651、同369などを例示できる。
なお、記録材料中には、光重合開始剤のほかに増感剤を、本発明の目的が損なわれない範囲で添加することも可能である。この光重合開始の添加量としては、一般的には0.001重量%以上10重量%以下の範囲が好ましく、0.1重量%以上5重量%以下の範囲がより好ましい。
−その他の成分(バインダー等)−
また、記録層を構成する記録材料には、必要に応じて、その他の成分、例えばバインダー樹脂が含まれていてもよい。
このバインダー樹脂としては、例えば、光学特性に優れたポリメタクリレート(PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)などが利用可能である。また、下記の構造式9に示す側鎖にシアノビフェニルなどを持つポリエステル材料もバインダー樹脂として好適である。
Figure 2008203500
なお、構造式(9)中、nbは1以上の整数を表す。このポリエステル材料は、ホログラム記録媒体に情報を記録/再生する際に利用する一般的な光の波長域において透過性を有する。また、光異性化基を有する光応答性高分子と併用する場合には、光異性化基の異性化に追随して複屈折が誘起できるため、光応答性高分子の高感度化に有効である。なお、当該併用とは、光異性化基を有する光応答性高分子と、構造式9で示されるポリエステルの物理的な混合のみならず、化学的な混合、すなわち、構造式9で示される繰り返し単位が、光異性化基を有する(高分子系の)光応答性高分子に含まれる(共重合体を形成している)場合も含まれる。
−記録層の形成−
記録層の形成は、記録層材料として用いられる本発明の記録材料に応じて公知の方法を利用でき、例えば、本発明の記録材料を溶解させた塗布液を用いるスプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等の液相成膜や、蒸着法等を利用することができる。更に射出成形やホットプレスを利用して板状の記録層(厚膜)を形成させることもできる。
(基板/基体)
基板や基体としては、表面が平滑なものであれば各種の材料を任意に選択して使用することができる。例えば、金属、セラミックス、樹脂、紙等を用いることができる。また、その形状も特に限定されない。なお、既存の光記録媒体の製造技術や、記録再生システムを容易に利用できる点から、従来の光記録媒体に利用されているセンター部に穴を設けた円盤状の平坦な基板を用いることが好ましい。
基板材料としては、具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、必要に応じてこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
また、基板表面には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸(プリグルーブ)が形成されていてもよい。
また、記録や再生に際し、基板を介して記録層に光を照射する場合には、使用する光(記録光および再生光)の波長域を透過する材料を用いる。この場合、使用する光の波長域(レーザ光の場合は、強度が極大となる波長域)の透過率が90%以上であることが好ましい。
なお、基板表面に反射層を設ける場合には、基板表面には平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005μmμm以上20μm以下の範囲内であることが好ましく、0.01μm以上10μm以下の範囲内であることがより好ましい。
(反射層)
反射層としては、レーザ光の反射率が70%以上である光反射性物質から構成されていることが好ましく、この光反射性物質としては、例えば、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。
これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金が好ましく、Au、Agあるいはこれらの合金が更に好ましい。
反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的には10nm以上300nm以下の範囲内であることが好ましく、50nm以上200nm以下の範囲内であることが好ましい。
(保護層)
保護層としては、記録層を通常の使用環境下において、機械的、物理的、化学的に保護できる材料および厚みからなるものであれば、公知の材料を用いることができる。例えば、一般的には、透明な樹脂や、SiO等の透明な無機材料を挙げることができる。
なお、記録や再生に際し、保護層を介して記録層に光を照射する場合には、使用する光の波長域を透過する材料を用いる。この場合、使用する光の波長域(レーザ光の場合は、強度が極大となる波長域)の透過率が90%以上であることが好ましい。なお、これは、接着性向上等の目的で、記録層の光が入射する側の面に設けられる中間層についても同様である。
保護層は、樹脂からなる場合には、予めシート状に形成されたポリカーボネートや三酢酸セルロース等からなる樹脂フィルムを用いることができ、この樹脂フィルムを記録層上に貼り合わせることにより保護層を形成する。貼り合わせに際しては、接着強度を確保するために熱硬化型やUV硬化型の接着剤を介して貼り合わせ、熱処理やUV照射により接着剤を硬化させることが好ましい。なお、保護層として用いられる樹脂フィルムの厚みは、記録層を保護できるのであれば特に限定されないが、実用上は30μm以上200μm以下の範囲が好ましく、50μm以上150μm以下の範囲がより好ましい。
あるいは、この樹脂フィルムの代わりに、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を塗布形成することにより保護層を形成することもできる。また必要に応じて保護層に反射防止コートを施しても良い。
また、保護層が、SiO、MgF、SnO、Si等の透明なセラミックスやガラス材料からなる場合には、スパッタリング法やゾルゲル法等を利用して保護層を形成することができる。なお、保護層として形成される透明無機材料の厚みは記録層を保護できるのであれば特に限定されないが、実用上は0.1μm以上100μm以下の範囲が好ましく、1μm以上20μm以下の範囲がより好ましい。
(記録媒体の製造方法)
次に、上述した構成を有する本発明のホログラム記録媒体の製造方法について説明する。
本発明のホログラム記録媒体が平面ホログラムである場合には、上述したように各層に用いる材料に応じて基板上に記録層等を順次積層することにより作製することができる。 例えば、基板上に記録層と保護層とを設けた構成からなるホログラム記録媒体の作製過程の主要な流れを例に挙げて簡潔に説明する。
まず、ポリカーボネート基板に、光応答性高分子と、固有複屈折を有する分子と、必要に応じて用いられるその他の成分とを溶媒に溶かした塗布溶液を用いてスピンコーティング法により所望の膜厚が得られるように記録層を形成し、乾燥させる。次に、両面接着剤テープで記録層と保護層形成用の三酢酸セルロース樹脂フィルムとを貼り合わせることにより、保護層/記録層/基板の構成からなるホログラム記録媒体を得ることができる。
また、第2の実施態様や第3の実施態様のホログラム記録媒体が体積ホログラムであり且つ固有複屈折を有する反応性分子が熱重合しないものである場合や、第1の実施態様のホログラム記録媒体が体積ホログラムである場合には、記録層を射出成形や、ホットプレスにより形成することができ、具体的には以下のようにして作製することができる。
まず、射出成形を利用する場合には、例えば、以下のようにしてホログラム記録媒体を作製することができる。まず、射出成形により記録層となるディスク状の成形物を作製する。次に、このディスク状の成形物を1対のディスク状の透明基板で挟持してホットプレスにより貼り合わせ、ホットメルト接着する。
なお、射出成形工程では、原料である樹脂(少なくとも光応答性高分子と固有複屈折を有する分子とを含む樹脂)を加熱溶融し、溶融樹脂を成形金型内に射出して、ディスク状に成形する。射出成形機としては、原料の可塑化機能と射出機能とが一体化されたインライン方式の射出成形機、可塑化機能と射出機能を分離させたプリプランジャー方式の射出成形機の何れも用いることができる。射出成形の条件等は、出射圧力1000kg/cm以上3000kg/cm以下の範囲、出射速度5mm/sec以上30mm/sec以下の範囲とすることが好ましい。
また、ホットプレス工程では、射出成形工程で得られた厚さ板状の成形物を、1対のディスク状の透明基板で挟持して、真空下でホットプレスする。
このようにして作製されるホログラム記録媒体は、基板上に記録層を成膜するのではなく、射出成形で別個独立に形成するので、記録層の厚膜化が容易で且つ大量生産にも適している。また、ホットプレスにより記録層を透明基板と貼り合わせるので、射出成形による成形物の残留歪みが均一化され、記録層を厚膜化しても、光吸収や散乱の影響で記録特性が損なわれることがない。
一方、ホットプレスを利用する場合には、例えば、以下のようにしてホログラム記録媒体を作製することができる。まず、テフロン(登録商標)シート等の離型性の高い基板(押圧部材)で粉末状の樹脂(少なくとも光応答性高分子と固有複屈折を有する分子とを含む樹脂)を挟み込み、この状態で真空下でホットプレスして、記録層を直接成形する。
なお、ホットプレス工程においては、真空ホットプレスを行うことが好ましい。この場合、1対の押圧部材間に粉末状の樹脂を試料として装填する。次に、気泡の発生を防止するために0.1MPa程度の減圧下とした状態で、所定の温度まで徐々に昇温し、押圧部材を介して試料を加圧する。この際の過熱温度は樹脂材料のガラス転移温度(Tg)以上の温度とし、プレス圧力は0.01t/cm以上0.1t/cm以下の範囲内とするのが好ましい。所定時間、熱間加圧を行った後、加熱及び加圧を停止し、試料を室温まで冷却した後に取り出す。
上記に例示した条件等でホットプレスを実施することにより、一対の押圧部材に挟まれた樹脂材料が加熱溶融され、これが冷却されて板状の記録層が得られる。最後に押圧部材を取り除くことで、光記録媒体が得られる。なお、記録層を構成する光応答性高分子は通常ガラス転移温度Tgが30℃以上70℃以下の範囲内であるため、ガラス転移温度Tgに対して更に5℃程度高い温度で加熱してホットプレスを行うことで、容易に記録層を所望の厚さに成形することができる。また、ホットプレスでは残留歪みは発生しない。
なお、必要に応じて、この記録層からなるホログラム記録媒体の耐傷性、耐湿性を高める等の目的で、保護層等を設けてもよい
このようにして作製されるホログラム記録媒体は、基板上に記録層を成膜するのではなく、ホットプレスで別個独立に形成するので、記録層の厚膜化が容易である。また、ホットプレスにより記録層を成形するので、成形物の残留歪み等が発生せず、記録層を厚膜化しても、光吸収や散乱の影響で記録特性が損なわれることがない。また、反応性分子が熱によって重合反応を起こす場合には圧力のみで注入したり、成型したりして、媒体を作製する。
<ホログラム記録方法>
次に、本発明のホログラム記録媒体を用いたホログラム記録方法について説明する、本発明のホログラム記録方法は、本発明の記録媒体に光を照射することにより記録媒体の記録層に情報を記録したり、一旦記録した情報を再生したりすることができる。
なお、第3の実施態様のホログラム記録媒体を利用する場合には、特に、情報の記録が偏光を利用した多重記録であることが好ましい。この場合、感度の高い多重記録が可能であると共に、一旦記録された情報の定着も可能である。これに加えて、偏光を利用しているため記録されたデーターにセキュリティ用の鍵をかけたり、演算を行わせたりすることもできる。
次に、上記に説明した本発明のホログラム記録媒体を用いて情報の記録及び/又は再生を行う光記録再生装置について説明する。本発明に用いられる光記録再生装置は、記録再生に用いるホログラム記録媒体の仕様に応じて、公知の記録/再生方法、例えばホログラム記録、光吸収率変調記録等を適用した構成とすることができる。これらの中でも、本発明に用いられる光記録再生装置は、偏光を利用したホログラム記録を適用した構成とすることが好ましい。
この場合、本発明に用いられる光記録再生装置は、ホログラム記録媒体への情報の記録に際して、情報に応じた信号光をホログラム記録媒体に照射する信号光源と、ホログラム記録媒体に記録された情報を再生(読み出し)する際にホログラム記録媒体に参照光を照射する参照光源と、を少なくとも備えたものであることが好ましい。また、ホログラム記録媒体への参照光の照射により再生された情報(再生光又は回折光)を読み取る光電変換素子等を利用した読取センサー(例えば、CCD等)を備えたものであってもよい。
さらに、必要に応じて、信号光源、又は、参照光源および読取センサーを省いて、記録専用、あるいは、再生専用としてもよい。
なお、通常は、ミラーや、ビームスプリッタ、レンズ等を利用して、信号光をホログラム記録媒体に照射する結像光学系等を形成したり、同一の光源から、ビームスプリッタ等を利用して信号光と参照光とを取り出したりするなど、通常の光学的記録再生装置に利用されている様々な光学系を必要に応じて適用することが好ましい。
また、信号光および/または参照光の光源としては、特に限定されないが、通常はHe−NeレーザやArレーザ等の公知のレーザ光源を用いることが好ましい。なお、レーザほど完全な単色光でなくとも、超高圧水銀灯等のスペクトルの半値幅が2nm乃至3nm程度と小さい輝線スペクトルを有する光源も利用でき、また、太陽や電灯などの白色光源を用いてもよい。
さらに、使用するホログラム記録媒体が、市販されているDVDや、CD−ROM等の所謂ディスク状の媒体である場合には、DVDや、CD−ROM等に利用されているディスク媒体に対応した種々の機構;ディスクを保持して回転させるモーター等の機構や、信号光や参照光をディスクの平面方向の所定位置に照射する機構(光源が固定式の場合は、ガルバノミラー等を利用したり、光源をディスクの平面方向に走査可能な所謂ヘッドとする等)等を備えたりしていることが好ましい。
なお、ホログラム記録の方式としては、例えば、記録面に対する法線と入射物体光とのなす角度を変えることにより単一の場所に複数のホログラムを記録可能なホログラム記録、及び記録面に対する入射光の位置を変えることにより重なった領域に複数のホログラムを記録可能なホログラム記録などが挙げられる。
以下に、本発明に用いられる光記録再生装置の一例について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、記録再生には、レーザダイオード励起の固体レーザ20の532nm発振線を用いた。固体レーザから出射された直線偏光は、1/2波長板21によって偏光が回転された後、偏光ビームスプリッタ22によって信号光および参照光の二光波に分けられる。このとき、偏光の回転角を制御することによって、二光波の強度バランスを調整することができる。これら二光波は、記録媒体24中において交差し、二光波の干渉による強度分布、もしくは偏光分布に応じて、記録媒体24中に光学異方性を誘起する構成となっている。信号光光路中の1/2波長板33は、信号光の偏光を制御し、これによって、信号光と参照光との偏光方向が平行な強度変調ホログラム、もしくは両者の偏光方向が垂直な偏光変調ホログラムが記録可能となる。
再生時は、参照光のみを光記録媒体に照射することによって、記録された情報による回折光が得られ、パワーメータ25によってその光出力を測定することができる。そして、参照光の光強度に対する回折光強度の比率を求めることによって、光記録媒体の回折効率を算出することができる。
なお、本発明に用いられる光記録再生装置では、記録媒体24として本発明の記録媒体を配し、情報の記録再生を行なわせることができ、1/2波長板33や偏光ビームスプリッタ22を調整することにより、信号光と参照光の偏光方向が平行な強度分布ホログラムのみならず、その偏光方向が垂直な偏光変調ホログラムが記録できる。
以下、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
<光応答性高分子の合成>
(光応答性高分子A1の合成)
光応答性高分子として、構造式7におけるXが−CF、a1が0.5(モル比)、a2が0.5(モル比)、重量平均分子量が22000である光応答性高分子A1を以下の手順で合成した。
4−ヒドリキシ−4‘トリフルオロメチルアゾベンゼン0.2mol、 1,6−ジブロモヘキサン2mol、無水炭酸カリウム1.45mol、アセトン800mlをメカニカルスターラーを備えた三口フラスコに入れ、ウォーターバスを用いて24時間還流し反応させた。放冷後純水にそそぎ、粗製目的物となる沈殿物をろ過してとりだし減圧乾燥させた。その後アセトンにより再結晶させて精製し、固形分を得た。当該固形分は、光応答性高分子A1の側鎖部分を構成するモノマー(以下、「側鎖モノマー」と称す)に相当する物質である。
4,4‘−スルホニルジフェノール0.3mol、6−クロロ−1−ヘキサノール0.66mol、無水炭酸カリウム0.7molをとり、ジメチルホルムアミド250mlを加えて攪拌させて懸濁させる。これをオイルバスを用いて160℃に加熱し、24時間反応させる。その後、少量の塩酸を含む水に投入し、生成した白色粉状物質をろ別、乾燥して粗製目的物を得る。これを、水−N,N−ジメチルホルムアミド系より再結晶し、精製された固形分(ビス(4−ヒドロキシヘキシロキシフェニル)スルホン)を得た。当該固形分は、光応答性高分子A1の主鎖部分を構成するモノマー(以下、「主鎖モノマー」と称す)に相当する物質である。
上記側鎖モノマーと主鎖モノマーを各0.005mol、酢酸亜鉛0.05gを丸底フラスコに入れ、オイルバス中、150〜155℃、窒素雰囲気下で2時間反応させる。その後10−11Torrに減圧して20分攪拌する。その後30分かけて170〜175℃まで昇温し、同時に2〜3Torrまで減圧する。この状態を2時間維持して反応をすすめる。出来たものをクロロホルムに溶かしてメタノールで抽出する。ろ過後、純水とメタノールで洗浄後乾燥し、光応答性高分子A1を得た。
(光応答性高分子B1の合成)
光応答性高分子として、構造式7におけるXが−CH、a1が0.5(モル比)、a2が0.5(モル比)、重量平均分子量が23000である光応答性高分子B1を以下の手順で合成した。
まず、光応答性高分子A1の合成に用いた側鎖モノマーの合成において、4−ヒドリキシ−4‘トリフルオロメチルアゾベンゼンの替わりに4−ヒドリキシ−4’メチルアゾベンゼンを用いた以外は、光応答性高分子A1の合成に用いた側鎖モノマーの合成と同様にして、光応答性高分子A1の側鎖部分を構成する側鎖モノマーを得た。
そして、この側鎖モノマーを用いた以外は、光応答性高分子A1を合成する場合と同様にして、光応答性高分子B1を合成した。
(光応答性高分子B2の合成)
光応答性高分子として、構造式7におけるXが−CN、a1が0.5(モル比)、a2が0.5(モル比)、重量平均分子量が22000である光応答性高分子B2を以下の手順で合成した。
まず、光応答性高分子A1の合成に用いた側鎖モノマーの合成において、4−ヒドリキシ−4‘トリフルオロメチルアゾベンゼンの替わりに4−ヒドリキシ−4’−シアノアゾベンゼンを用いた以外は、光応答性高分子A1の合成に用いた側鎖モノマーの合成と同様にして、光応答性高分子A1の側鎖部分を構成する側鎖モノマーを得た。
そして、この側鎖モノマーを用いた以外は、光応答性高分子A1を合成する場合と同様にして、光応答性高分子B2を合成した。
<記録媒体の作製>
(実施例1)
−記録媒体1の作製−
・光応答性高分子A1:44.95質量部
・反応性液晶モノマー(大日本インキ化学工業社製、UCL008):55質量部
・光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社、IRGACURE 784):0.05質量部
以上の成分を混合しTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させた溶液(固形分濃度10重量%)を、スピンコートにより洗浄済のディスク状のガラス基板(直径50mm、厚み 1mm)の片面に塗布した後、乾燥させて膜厚2μmの記録層を形成し、記録媒体1を得た。
(比較例1)
−記録媒体2の作製−
光応答性高分子A1の代わりに、光応答性高分子B1を用いた以外は実施例1と同様にして記録媒体2を得た。
(比較例2)
−記録媒体3の作製−
光応答性高分子A1の代わりに、光応答性高分子B2を用いた以外は実施例1と同様にして記録媒体3を得た。
<透過率の評価>
透過率は、記録媒体に対してYAGレーザ(波長:532nm、強度0.4W/cm)を、記録媒体の記録層が設けられた側の面に対して垂直な方向から照射し、記録媒体の記録層が設けられていない側に配置したパワーメータにより記録媒体を透過したレーザー光の強度を測定し、ブランクディスク(記録媒体の作製に用いたディスク状のガラス基板)を用いた時の強度を基準(100%)として評価した。結果を表2に示す。
<複屈折の評価>
−評価装置−
記録媒体の感度は、図2に示す光学系を利用して、直線偏光照射による複屈折を測定し、そのエネルギー依存の変化率を感度として求めた。図2は、記録媒体の複屈折評価に利用した光学系を示す模式図である。図2中、110はアルゴンイオンレーザ(波長515nm)、112は1/2波長板、114はピンホール、116はハーフミラー、118は記録媒体、120はヘリウム−ネオンレーザ(波長633nm)、122はミラー、124は1/2波長板、126はレンズ、128は干渉レンズ、130は偏光ビームスプリッタ、132、134はパワーメータを表す。
図2に示す光学系を用いた光記録媒体118の測定は以下のように行った。まず、アルゴンイオンレーザ110から、1/2波長板112、ピンホール114、ハーフミラー116を介して、記録媒体118の記録層に含まれる光応答性高分子、光重合開始剤に感度のある波長515nmの直線偏光を記録光として入射させた。
また、ヘリウム−ネオンレーザ120から、ミラー122、1/2波長板124、レンズ126、ハーフミラー116を介して、波長633nmの直線偏光をプローブ光として偏光軸に対して45度の角度で入射させた。記録媒体118を透過したレーザ光は、干渉フィルタ128を通過して、偏光ビームスプリッタ130で偏光方向が互いに直交する偏光成分に分離され、各偏光成分の光出力が2つのパワーメータ132、134で各々測定される。ここで、2つのパワーメータ132、134の測定値を用いて、透過光の偏光状態から複屈折変化を算出した。
−評価−
記録媒体に、アルゴンレーザー(波長:515nm)の偏光を照射すると同時にアルゴンレーザーの偏光方向と45度の偏光でHe−Neレーザー光(波長:633nm)を、照射した。この際、記録媒体を透過する前後のHe−Neレーザー光の偏光状態の変化をパワーメータの測定値を用いて検出し複屈折変化を算出した。
ここで、アルゴンレーザ光の出力を0.5W/cmとして、同時に照射しているプローブ光である、He−Neレーザ光と45度の偏光で複屈折が飽和するまで光を照射し続け、光の照射時間に対する複屈折の変化を測定し、飽和した時点の複屈折(最大複屈折)と、最大複屈折の1/2の複屈折に達するまでの光照射時間とを求めた。結果を表2に示す。
Figure 2008203500
本発明に用いられる光記録再生装置の一例を示す模式図である。 記録媒体の評価に利用した光学系を示す模式図である。
符号の説明
20 レーザダイオード励起固体レーザ
21 1/2λ板
22 偏光ビームスプリッタ
24 光記録媒体
25 パワーメータ
33 1/2λ板
110 アルゴンイオンレーザ(波長515nm)
112 1/2波長板
114 ピンホール
116 ハーフミラー
118 記録媒体
120 ヘリウム−ネオンレーザ(波長633nm)
122 ミラー
124 1/2波長板
126 レンズ
128 干渉レンズ
130 偏光ビームスプリッタ
132、134 パワーメータ

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で示される光応答性高分子と、固有複屈折を有する分子と、を含むことを特徴とするホログラム記録材料。
    Figure 2008203500
    〔一般式(1)中、Lは2価の連結基、Xは、ハメット則に基づく置換基定数σが0を超える値を有する基で、Xと結合するアゾベンゼン基の最大吸収波長が360nm以下であり、Aは、高分子主鎖を構成する炭素数2以上の繰り返し単位を構成する基、nxは1又は2の整数、nは1以上の整数を表す。〕
  2. 前記一般式(1)中のXが、−CF、−F、−Cl、−Br、−I、−OCF、−SCFからなる群より選択される基であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録材料。
  3. 前記一般式(1)中のXが、Xと結合するベンゼン環のパラ位に結合していることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録材料。
  4. 前記固有複屈折を有する分子が、固有複屈折を有する反応性分子であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録材料。
  5. 前記固有複屈折を有する反応性分子の重合及び/又は架橋を促進する光重合開始剤を含み、前記光重合開始剤の含有量が0.1重量%以下の範囲内であり、且つ、前記固有複屈折を有する反応性分子の含有量が30重量%以上80重量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載のホログラム記録材料
  6. 前記光重合開始剤の吸収波長が、情報の記録に利用される光の波長域にあることを特徴とする請求項5に記載のホログラム記録材料。
  7. 下記一般式(1)で示される光応答性高分子と、固有複屈折を有する分子と、を含むことを特徴とするホログラム記録材料からなる記録層を有することを特徴とするホログラム記録媒体。
    Figure 2008203500
    〔一般式(1)中、Lは2価の連結基、Xは、ハメット則に基づく置換基定数σが0を超える値を有する基で、Xと結合するアゾベンゼン基の最大吸収波長が360nm以下であり、Aは、高分子主鎖を構成する炭素数2以上の繰り返し単位を構成する基、nxは1又は2の整数、nは1以上の整数を表す。〕
  8. 前記記録層の厚みが10μm以上である体積ホログラムであることを特徴とする請求項7に記載のホログラム記録媒体。
  9. 下記一般式(1)で示される光応答性高分子と、固有複屈折を有する分子と、を含むことを特徴とするホログラム記録材料からなる記録層を有することを特徴とするホログラム記録媒体に、信号光と参照光とを同時に照射することにより情報を記録する際に、
    光の振幅、位相、および、偏光方向から選択される少なくともいずれかの特性の変調を利用して前記情報を記録することを特徴とするホログラム記録方法。
    Figure 2008203500
    〔一般式(1)中、Lは2価の連結基、Xは、ハメット則に基づく置換基定数σが0を超える値を有する基で、Xと結合するアゾベンゼン基の最大吸収波長が360nm以下であり、Aは、高分子主鎖を構成する炭素数2以上の繰り返し単位を構成する基、nxは1又は2の整数、nは1以上の整数を表す。〕
  10. 前記固有複屈折を有する分子が、固有複屈折を有する反応性分子であり、前記固有複屈折を有する反応性分子の重合及び/又は架橋を促進する光重合開始剤を含み、
    前記光重合開始剤の含有量が0.1重量%以下の範囲内であり、且つ、前記固有複屈折を有する反応性分子の含有量が30重量%以上80重量%以下の範囲内であり、
    前記情報の記録が、光の偏光方向の変調を利用して行われることを特徴とする請求項9に記載のホログラム記録方法。
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