JP2005301202A - ホログラム記録媒体およびこれを用いたホログラム記録方法 - Google Patents

ホログラム記録媒体およびこれを用いたホログラム記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005301202A
JP2005301202A JP2004234760A JP2004234760A JP2005301202A JP 2005301202 A JP2005301202 A JP 2005301202A JP 2004234760 A JP2004234760 A JP 2004234760A JP 2004234760 A JP2004234760 A JP 2004234760A JP 2005301202 A JP2005301202 A JP 2005301202A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
recording layer
hologram recording
recording medium
hologram
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004234760A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsunori Kono
克典 河野
Makoto Furuki
真 古木
Jiro Mitsunabe
治郎 三鍋
Susumu Yasuda
晋 安田
Hiroo Takizawa
裕雄 滝沢
Kazuhiro Hayashi
和廣 林
Yasuhiro Ogasawara
康裕 小笠原
Hisae Yoshizawa
久江 吉沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2004234760A priority Critical patent/JP2005301202A/ja
Priority to US10/984,759 priority patent/US7236277B2/en
Publication of JP2005301202A publication Critical patent/JP2005301202A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/02Details of features involved during the holographic process; Replication of holograms without interference recording
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/004Recording, reproducing or erasing methods; Read, write or erase circuits therefor
    • G11B7/0065Recording, reproducing or erasing by using optical interference patterns, e.g. holograms
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/02Details of features involved during the holographic process; Replication of holograms without interference recording
    • G03H1/024Hologram nature or properties
    • G03H1/0248Volume holograms
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/02Details of features involved during the holographic process; Replication of holograms without interference recording
    • G03H2001/026Recording materials or recording processes
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/02Details of features involved during the holographic process; Replication of holograms without interference recording
    • G03H2001/026Recording materials or recording processes
    • G03H2001/0264Organic recording material
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H2240/00Hologram nature or properties
    • G03H2240/50Parameters or numerical values associated with holography, e.g. peel strength
    • G03H2240/55Thickness
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H2260/00Recording materials or recording processes
    • G03H2260/50Reactivity or recording processes
    • G03H2260/54Photorefractive reactivity wherein light induces photo-generation, redistribution and trapping of charges then a modification of refractive index, e.g. photorefractive polymer

Abstract

【課題】光屈折率変化材料の光学的な特性に依存することなく、高い回折効率で記録/再生が可能なホログラム記録媒体を提供すること。
【解決手段】膜厚Lの記録層を少なくとも有し、前記記録層が、これを構成する記録層材料として光屈折率変化材料を含み、前記記録層材料の吸収係数がαであるホログラム記録媒体において、前記吸収係数αと前記膜厚Lとの積で表される光学濃度αLが、0.3〜2.0の範囲内であることを特徴とするホログラム記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ホログラム記録媒体およびこれを用いたホログラム記録方法に関するものである。
近年、高密度記録や多重記録等が可能であることなどから、ホログラム記録が活発に検討されている。このようなホログラム記録には、記録材料の透過率変化を利用した振幅ホログラムを利用したものや、記録材料の屈折率変化や、凹凸変化を利用した位相ホログラムを利用したものが知られている。
このようなホログラム記録に用いられる記録材料の中でも、光を照射することにより屈折率が変化する光屈折率変化材料(以下、「フォトリフラクティブ材料」と略す場合がある)について多くの検討が成されてきており、任意の形状に加工することが容易であることや、感応波長の調節が容易であることなどから、有機系のフォトリフラクティブ材料が活発に検討されている。
フォトリフラクティブ材料では、光照射により電荷が発生し、これらが移動してトラップされ、結果として内部電場発生し、この内部電場によりポッケルス効果発現して、屈折率変化が生じる。この屈折率変化によってホログラムが形成される。しかしながら、有機フォトリフラクティブ材料では、ポッケルス効果を有効に発現させるために、分子を配向させる必要があり、外部電場を必要とする。外部電場の必要性は、応用上の重要な課題となる。
一方、外部電場を必要としないホログラム材料としては、代表的には光異性化基としてアゾベンゼン骨格を有するような有機系の光異性化材料、特に高分子材料が知られている(例えば、特許文献1〜6等参照)。ホログラム記録には、アゾベンゼンの光異性化反応が重要な役割を果たす。アゾポリマーに直線偏光を照射すると、トランス−シス−トランスの異性化サイクルを通してアゾベンゼンの再配向が生じる。この再配向によって、光学異方性、すなわち、2色性および複屈折が誘起され、ホログラム記録が可能となる。
ホログラム記録に際しては、利便性等の点から、何らかの基体や基板上にホログラム記録材料を含む記録層を設けたような構成を有するホログラム記録媒体が用いられる。また、光異性化材料を利用したホログラム記録では、記録情報に対応した光を記録層に照射し、この記録層に含まれる光異性化材料が光を吸収し、その屈折率を変化させることにより行われる。
このホログラム記録を行う際の、光異性化材料による光吸収はホログラム回折効率の損失となり、最終的に再生出力の低下等を招く。この回折効率の損失を少なくするためには、例えば、光異性化材料が、アゾベンゼンを有するものである場合には、アゾベンゼンを少なくすることで対応することができる。しかし、光異性化材料に含まれるアゾベンゼンが少なくなると、ホログラム記録材料の光感応性が低下し、ホログラム記録自体が行えなくなるという問題が生じる場合があった。
特許第2834470号公報 特開2001−201634号公報 特開2000−105529号公報 特開2000−109719号公報 特開2000−264962号公報 特開2001−294652号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、光屈折率変化材料の光学的な特性に依存することなく、高い回折効率で記録/再生が可能なホログラム記録媒体、および、これを用いたホログラム記録方法を提供することを課題とする。
さらに本発明では、高SNR(低いエラーレート)で情報を高密度に多重記録するホログラム記録方法を提供することも課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1>
膜厚Lの記録層を少なくとも有し、前記記録層が、これを構成する記録層材料として光屈折率変化材料を含み、前記記録層材料の吸収係数がαであるホログラム記録媒体において、
前記吸収係数αと前記膜厚Lとの積で表される光学濃度αLが、0.3〜2.0の範囲内であることを特徴とするホログラム記録媒体である。
<2>
前記光学濃度αLが、1.5以下であることを特徴とする<1>に記載のホログラム記録媒体である。
<3>
前記光屈折率変化材料の吸収係数α’が、1.5〜6800cm-1の範囲内であることを特徴とする<1>に記載のホログラム記録媒体である。
<4>
前記光屈折率変化材料が、光異性化基を有する光屈折率変化材料であることを特徴とする<1>に記載のホログラム記録媒体である。
<5>
前記光異性化基が、アゾベンゼン骨格を有する基であることを特徴とする<4>に記載のホログラム記録媒体である。
<6>
前記光屈折率変化材料が、アゾベンゼン骨格を有することを特徴とする<1>に記載のホログラム記録媒体である。
<7>
前記膜厚Lが、3μm〜2mmの範囲内であることを特徴とする<1>に記載のホログラム記録媒体である。
<8>
基板と、該基板上に設けられた前記記録層と、を少なくとも含むことを特徴とする<1>に記載のホログラム記録媒体である。
<9>
前記基板と、前記記録層との間に、反射層を設けたことを特徴とする<8>に記載のホログラム記録媒体である。
<10>
膜厚Lの記録層を少なくとも有し、前記記録層が、これを構成する記録層材料として光屈折率変化材料を含み、前記記録層材料の吸収係数がαであるホログラム記録媒体に、光を照射することにより記録または再生を行うホログラム記録方法において、
前記吸収係数αと前記膜厚Lとの積で表される光学濃度αLが、0.3〜2.0の範囲内であることを特徴とするホログラム記録方法である。
<11>
前記記録が、前記記録層に入射する信号光と、該信号光と異なる角度で前記記録層に入射する参照光とを前記記録層に同時に照射することにより行われ、前記参照光が2以上の異なる角度で前記記録層に照射される角度多重記録であり、且つ、前記記録層に入射する一の参照光と、該一の参照光と異なる角度で前記記録層に入射する他の参照光との成す角度(多重する角度間隔)Δθが下式(1)で表されることを特徴とする<10>に記載のホログラム記録方法である。
・式(1) Δθ≧n・λ/(L・sinθ)
〔式(1)中、Δθは多重する角度間隔(deg)を表し、nは2以上の整数を表し、λは記録時に照射される前記信号光および前記参照光の波長(μm)を表し、Lは前記記録層の膜厚(μm)を表し、θは情報記録時に前記記録層に照射される前記信号光と、前記一の参照光との成す角度(deg)を表す。〕
<12>
前記光学濃度αLが、0.3以上1.1以下の範囲内である場合において、前記式(1)に示す値nが2であることを特徴とする<11>に記載のホログラム記録方法である。
<13>
前記光学濃度αLが、1.1を超え2.0以下の範囲内である場合において、前記式(1)に示す値nが3であることを特徴とする<11>に記載のホログラム記録方法である。
<14>
前記記録が、前記記録層に入射する信号光と、該信号光と異なる角度で前記記録層に入射する参照光とを前記記録層に同時に照射する多重記録であり、
該多重記録が、前記信号光と前記参照光との成す角度を一定にし、前記信号光及び前記参照光とホログラム記録媒体との少なくとも一方を相対移動させることにより行われ、
前記光学濃度αLが、0.3以上1.1以下の範囲内である<10>に記載のホログラム記録方法であって、
前記記録層中に記録された一の情報の記録位置と、前記一の情報と異なる位置に記録された他の情報の記録位置との相対距離が、前記一の情報が記録された記録位置と前記一の情報からの回折光強度がFirst Nullを示す位置との距離(基準変化量)の2倍であることを特徴とするホログラム記録方法である。
<15>
前記記録が、前記記録層に入射する信号光と、該信号光と異なる角度で前記記録層に入射する参照光とを前記記録層に同時に照射する多重記録であり、
該多重記録が、前記信号光と前記参照光との成す角度を一定にし、前記信号光及び前記参照光とホログラム記録媒体との少なくとも一方を相対移動させることにより行われ、
前記光学濃度αLが、1.1を超え2.0以下の範囲内である<10>に記載のホログラム記録方法であって、
前記記録層中に記録された一の情報の記録位置と、前記一の情報と異なる位置に記録された他の情報の記録位置との相対距離が、前記一の情報が記録された記録位置と前記一の情報からの回折光強度がFirst Nullを示す位置との距離(基準変化量)の3倍であることを特徴とするホログラム記録方法である。
<16>
前記記録が、前記記録層に入射する信号光と、該信号光と異なる角度で前記記録層に球面波を生成するレンズを通過した参照光(球面参照波)とを前記記録層に同時に照射することにより行われ、前記球面参照波を、前記ホログラム記録媒体をその平面方向に一定間隔移動する毎に照射するシフト多重記録であり、且つ、
前記ホログラム記録媒体の一定間隔移動する距離(シフト間隔)δが下式(2)で表されることを特徴とする<10>に記載のホログラム記録方法である。
・式(2) δ≧n・λz0/(L・sinθ)
〔式(2)中、δはシフト間隔(μm)を表し、nは2以上の整数を表し、λは記録時に照射される前記信号光および前記球面参照波の波長(μm)を表し、θは前記信号光と前記球面参照波の中心光軸との成す角度(deg)を表し、z0は前記球面波を生成するレンズと前記記録層との距離(μm)を表す。〕
<17>
前記光学濃度αLが、0.3以上1.1以下の範囲内である場合において、前記式(2)に示す値nが2であることを特徴とする<16>に記載のホログラム記録方法である。
<18>
前記光学濃度αLが、1.1を超え2.0以下の範囲内である場合において、前記式(2)に示す値nが3であることを特徴とする<16>に記載のホログラム記録方法である。
以上に説明したように本発明によれば、光屈折率変化材料の光学的な特性に依存することなく、高い回折効率で記録/再生が可能なホログラム記録媒体、および、これを用いたホログラム記録方法を提供することができる。
<ホログラム記録媒体>
本発明のホログラム記録媒体は、膜厚Lの記録層を少なくとも有し、前記記録層が、これを構成する記録層材料として光屈折率変化材料を含み、前記記録層材料の吸収係数がαであるホログラム記録媒体において、前記吸収係数αと前記膜厚Lとの積で表される光学濃度αLが、0.3〜2.0の範囲内であることを特徴とする。
なお、ホログラム記録媒体に対して高密度の多重記録を実現するためには、0.1以上の回折効率が必要である。情報を多重記録する場合、回折効率は多重度Nの2乗に反比例する。最大回折効率が0.1であるホログラム記録媒体に、100多重した場合の記録された各情報の回折光は10-5となる。一方、再生時に検出可能な光強度を得るには、一般的に10-5以上の回折効率が必要である。したがって、高密度の記録に適した100以上の多重度を得るためには、回折効率は最低0.1以上必要であり、基本的には回折効率は高ければ高いほど好ましいことが知られている(例えば、H. J. Coufal, D. Psaltis, G. T. Sincerbox eds.: Holographic Data Storage, Springer (2000)参照)。
一方、上述した本発明のホログラム記録媒体においては、光学濃度αLが0.3〜2.0の範囲内であるために、0.1以上の回折効率を得ることができる。なお、より高い回折効率を得るためには、光学濃度αLは0.5〜1.5の範囲内であることが好ましい。
また、本発明のホログラム記録媒体は、記録層を構成する記録層材料の吸収係数以外に、記録層の膜厚を調整することによってもより高い回折効率を得ることができる。すなわち、記録層材料の吸収係数のみによって、ホログラム記録媒体の回折効率が左右されることはないため、ホログラム記録媒体を作製する上での設計自由度が極めて高い。よって、記録層材料に含まれる光屈折率変化材料についても、その選択の幅を大幅に広げることができる。
なお、本発明において、光学濃度αLは、下式(3)を変形することにより導かれる値である。
・式(3) i=i0-αL
但し、式(3)において、i0は入射光(記録層に対して垂直に入射する光)の強度を表し、iは透過光(記録層に対して垂直に入射し、記録層を通過した後の光)の強度を表し、αは記録層材料の吸収係数(cm-1)を表し、Lは記録層の膜厚(cm)を表す。
従って、式(3)を利用して光学濃度αLを求めることができ、また、膜厚Lが既知であれば、吸収係数αを求めることができる。式(3)を利用した光学濃度αLの測定は、具体的には以下のようにして行うことができる。
まず、光源から直接照射される光(測定対象となるホログラム記録媒体に入射する前)プローブ光の強度P0を光パワーメーターによって測定する。なお、測定に用いるプローブ光の光源としては、情報の記録・再生に用いるのと同じ波長の光(通常はレーザー光を用いる)を使用する。また、プローブ光の強度P0は、ホログラム記録媒体の記録層の屈折率を変化させない程度の弱い光(レーザー光の場合は光源の出力が数μW以下程度)となるように調整する。
次に、ホログラム記録媒体をプローブ光の光路に設置し、その透過光の強度Pを測定する。ここで強度Pの透過光と強度P0の入射光は同じビーム断面積を持つので、式(1)のiに強度Pの値を、i0に強度P0の値を代入することでαLを求めることができる。
なお、記録層材料が、1種類の光屈折率変化材料からなる場合には、吸収係数αは、光屈折率変化材料の吸収係数α’と置き換えることができる。
また、記録層材料が、2種類以上の光屈折率変化材料を用いる場合や、光屈折率変化材料にバインダー樹脂等の他の光屈折率変化材料以外の材料を混合して用いるような場合には、これら材料を混合した状態で、記録層材料の吸収係数αを求めることができる。このような記録層材料の詳細については後述する。
一方、ホログラム記録媒体に多重記録を行う場合には、データ劣化(ビットエラー増加)の原因である多重記録された一の情報と他の情報との間のクロストークが最小となるように、第1の信号光に対応する第1の情報と、第2、第3、第4……の信号光に対応する各々の情報とを一定の間隔を設けて記録層に多重記録する。ここで、一定の間隔とは、それぞれの信号光に対応して記録層に記録された情報の記録位置がブラッグ条件を外す値のことを意味する。
しかしながら、本発明者らが鋭意検討したところ、上述のようにクロストークが最小となるように記録間隔を最適化した上で多重記録を実施しても、記録層の光学濃度αLが高すぎると、クロストークが増加するという問題があることがわかった。
従って、多重記録を行う場合には、光学濃度αLは、1.5以下であることが好ましく、1.2以下であることが好ましい。光学濃度αLが1.5を超える場合には、多重記録を行う場合にクロストークが増加し、記録した情報が、正確に再生できなくなる場合がある。
但し、多重記録においても光学濃度αLが低すぎる場合には、回折効率が低下し記録再生自体が困難になってくるため、光学濃度αLは0.3以上であることが必要であり、0.5以上であることが好ましい。
−光屈折率変化材料−
次に、本発明のホログラム記録媒体に用いられる光屈折率変化材料について詳細に説明する。本発明のホログラム記録媒体に用いられる光屈折率変化材料は、光を照射することにより屈折率が変化する材料であれば特に限定されず、公知の材料を利用することができる。
例えば、無機材料では、チタン酸バリウムやニオブ酸リチウム、ケイ酸ビスマスなどの無機強誘電体結晶などを挙げることができる。しかしながら、本発明においては、形状加工の容易さや感応波長の調整が容易などの点から、有機材料系の光屈折率変化材料を用いることがより好ましい。さらに、本発明においては、屈折率を変化させる場合に外部電場が不要である光異性化基を含む高分子材料や低分子材料を用いることが好適である。
また、本発明に用いられる光屈折率変化材料の吸収係数α’は、1.5〜6800cm-1の範囲内であることが好ましく、10〜500cm-1の範囲内であることが好ましい。吸収係数α’が6800cm-1を超える場合には、光屈折率変化材料として光異性化基を含む高分子材料を用いた際に、光異性化基の濃度が高くなり、会合体を形成するために光応答性が劣化する場合がある。一方、吸収係数α’が1.5cm-1未満の場合には、光屈折率変化材料として光異性化基を含む高分子材料を用いた際に、光異性化基の濃度が薄すぎて、記録特性が劣化してしまう場合があるためである。
なお、光源として比較的安価な半導体レーザが利用でき、他の光学素子等とも組み合わせて利用できることから、情報の記録/再生に用いる光としては、その波長が350から800nmの範囲内、より望ましくは、400から650nmの範囲内であることが望ましい。このため、本発明に用いられる光屈折率変化材料は、この波長域に応答して屈折率が変化する材料であることが好適である。
次に、本発明において用いることができる有機材料系の光屈折率変化材料についてより詳細に説明する。
有機材料系の光屈折率変化材料としては、光を照射することにより、異性化反応を示す部分構造(例えば、シス−トランス異性や、シン−アンチ異性等)を含み、この部分構造の異性化により屈折率変化を引き起こす有機材料を用いることができる。
本発明においては、光屈折率変化材料が、光照射によりシス−トランス異性化が起こるアゾベンゼン骨格(アゾ基の両端にベンゼン環を設けた構造)を含むことが好ましい。このようなアゾベンゼン骨格のシス−トランス異性化反応を以下の異性化反応例1に示す。
また、光屈折率変化材料が高分子材料である場合には、アゾベンゼン骨格等を含む光異性化基(当該光異性化基とは、光を照射することにより、異性化反応を示す基を意味する)が側鎖部分に含まれていることが好ましい。このような高分子材料は、主鎖の構造と側鎖の構造とに分けて、多様な分子設計が可能であるため、吸収係数のみならず、感応波長域や、応答速度、記録保持性等のホログラム記録に必要な種々の物性を高いレベルで所望の値に調整することが容易であるというメリットがある。例えば、側鎖に、光異性化基に加えて、ビフェニル誘導体等の液晶性の線状メソゲン基を導入した場合には、光異性化基の光照射による配向変化を増強・固定化することができるため、吸収ロスを抑制することができる。
なお、アゾベンゼン骨格等を含む高分子材料として好適な例としては、特願2004−150801号公報、特願2004−113463号公報、特願2004−163889号公報、特願2004−83716号公報、特願2004−81670号公報、特願2004−135949号公報、特願2004−135950号公報、特願2004−81610号公報に記載の高分子材料が挙げられる。
また、アゾベンゼン骨格を含むもの以外にも光屈折率変化材料としては、ジアリールエテン類を含む材料が利用できる。ジアリールエテン類はフォトクロミズムを示す。これはフルギドなどと同じく変換が光のみで起こる6π電子環状反応である。ジアリールエテン類はスチルベン類の一種であると言える。ジアリールエテン類のフォトクロミズムはトランス−シス異性化であり、その特徴は熱安定性および繰返し耐久性が高いことである。以下に代表的なジアリールエテン類の化学構造式の一例とその異性化反応例(異性化反応例2)とを示す。
例えば、ポリビニルアルコール(PVA)やポリメチルメタクリレート(PMMA)などにジアリールエテンを分散させた材料を記録層として形成したホログラム記録媒体では、波長が500nm付近の光を照射すると無色になり、波長が360nm付近の光を照射すると発色する。この吸収の変化を利用してホログラム記録を行うことができる。
また、スピロピランを含む材料も光屈折率変化材料として利用できる。研究報告が最も多いフォトクロミック化合物はスピロピラン類である。スピロピラン類は一部実用化されているものもあり、最も期待されている化合物の一つである。以下に代表的なスピロピラン類の化学構造式の一例とその異性化反応例(異性化反応例3)とを示す。
スピロピラン類は、光により青色を呈しコントラストが良好である。スピロピラン類を含む高分子材料は、一般に、紫外光で無色から先ねな発色をする、発色速度が速い、暗所に放置した時の消色は遅いといった特徴があり、このような特徴を有するスピロピラン類は本発明のホログラム記録媒体に用いる光屈折率変化材料として利用することができる。
また、その他にもウラニン、エリトロシンB、エオシンYなどに代表されるキサンテン系色素を挙げることができる。以下に代表的なキサテン系色素の一例であるウラニンの化学構造式とその異性化反応例(異性化反応例4)とを示す。キサテン系色素を用いた場合には比較的強度の弱い光を用いてもホログラム記録媒体に対して情報を記録することができる。また、キサンテン系色素を用いてホログラム記録媒体を作製する場合には、例えば、PVAやPMMAなどにキサンテン系色素を分散させた材料を利用することができる。
さらに、フルギドを含む材料も光屈折率変化材料として利用できる。以下に代表的なキフルキドの化学構造式の一例とその異性化反応例(異性化反応例5)とを示す。なお、フルキドは波長365nmの紫外線により発色し、波長515nmや532nmなどのグリーンの光により異性化するため、この特性を利用してホログラム記録媒体に適用することができる。
なお、本発明に用いられる光屈折率変化材料が、アゾベンゼン骨格を有する材料以外のフォトクロミック化合物を含む高分子材料である場合、好適な例としては、特願2004−81666号公報に記載の材料が上げられる。さらに、他の光屈折率変化材料としては、特願2003−298936号公報、特願2003−300059号公報、特願2003−300057号公報、特願2004−88790号公報、特願2004−91983号公報に記載の材料を好ましく挙げることができる。
−ホログラム記録媒体の構成および製造方法−
次に、本発明のホログラム記録媒体の構成について詳細に説明する。本発明のホログラム記録媒体は、上述したような光屈折率変化材料を含む記録層を少なくとも有するものであるが、この記録層は、基板(あるいは基体)上に設けられていることが好ましい。また、記録層と基板との間に反射層を設けることもできる。また、記録層を保護する保護層を、記録層の基板が設けられた側の面と反対側の面上に設けることができる。なお、保護層が、基板であってもよい(すなわち、1対の基板間に記録層が挟持された構成)。加えて、基板と、反射層や記録層、あるいは、反射層、記録層、保護層の各々の層の間の接着性等を確保する等の目的で必要に応じて中間層を設けることもできる。
ホログラム記録媒体の形状としては特に限定されず、記録層が一定の厚みで2次元的に形成されているものであればディスク状、シート状、テープ状、ドラム状等、任意の形態を選択することができる。
しかしながら、既存の光記録媒体の製造技術や、記録再生システムを容易に利用できる点から、従来の光記録媒体に利用されているようなセンター部に穴を設けた円盤状であることが好ましい。
(基板/基体)
基板や基体としては、表面が平滑なものであれば各種の材料を任意に選択して使用することができる。例えば、金属、セラミックス、樹脂、紙等を用いることができる。また、その形状も特に限定されない。なお、既存の光記録媒体の製造技術や、記録再生システムを容易に利用できる点から、従来の光記録媒体に利用されているようなセンター部に穴を設けた円盤状の平坦な基板を用いることが好ましい。
このような基板材料としては、具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
また、基板表面には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸(プリグルーブ)が形成されていてもよい。
また、記録や再生に際し、基板を介して記録層に光を照射する場合には、使用する光(記録光および再生光)の波長域を透過する材料を用いる。この場合、使用する光の波長域(レーザー光の場合は、強度が極大となる波長域近傍)の透過率が90%以上であることが好ましい。
なお、基板表面に反射層を設ける場合には、基板表面には平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、0.01μm〜10μmの範囲内であることがより好ましい。
(反射層)
反射層としては、レーザー光の反射率が70%以上である光反射性物質から構成されていることが好ましく、このような光反射性物質としては、例えば、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。
これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的には10nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、50nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。
(保護層)
保護層としては、記録層を通常の使用環境下において、機械的、物理的、化学的に保護できる材料および厚みからなるものであれば、公知の材料を用いることができる。例えば、一般的には、透明な樹脂や、SiO2等の透明な無機材料を挙げることができる。
なお、記録や再生に際し、保護層を介して記録層に光を照射する場合には、使用する光の波長域を透過する材料を用いる。この場合、使用する光の波長域(レーザー光の場合は、強度が極大となる波長域近傍)の透過率が90%以上であることが好ましい。なお、これは、接着性向上等の目的で、記録層の光が入射する側の面に設けられる中間層についても同様である。
保護層は、樹脂からなる場合には、予めシート状に形成されたポリカーボネートや三酢酸セルロース等からなる樹脂フィルムを用いることができ、この樹脂フィルムを記録層上に貼り合わせることにより保護層を形成する。貼り合わせに際しては、接着強度を確保するために熱硬化型やUV硬化型の接着剤を介して貼り合わせ、熱処理やUV照射により接着剤を硬化させることが好ましい。なお、保護層として用いられる樹脂フィルムの厚みは、記録層を保護できるのであれば特に限定されないが、実用上は30μm〜200μmの範囲が好ましく、50μm〜150μmの範囲がより好ましい。
あるいは、このような樹脂フィルムの代わりに、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を塗布形成することにより保護層を形成することもできる。
また、保護層が、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の透明なセラミックスやガラス材料からなる場合には、スパッタリング法やゾルゲル法等を利用して保護層を形成することができる。なお、保護層として形成される透明無機材料の厚みは記録層を保護できるのであれば特に限定されないが、実用上は0.1μm〜100μmの範囲が好ましく、1μm〜20μmの範囲がより好ましい。
(記録層)
記録層材料の吸収係数αおよび記録層の膜厚Lは、光学濃度αLが0.3〜2.0の範囲内(多重記録を実施する場合は、0.5〜1.5の範囲内が好ましい)となるように設定できる。
しかし、吸収係数αは1.5cm-1〜6800cm-1の範囲内であることが好ましい。なお、記録層材料が光屈折率変化材料のみからなる場合は、吸収係数αは、光屈折率変化材料の吸収係数α’を意味する。
また、記録層の膜厚Lは、実用上は3μm〜2mmの範囲内であることが好ましく、記録層に記録される干渉縞の間隔と、記録層の膜厚Lとの関係により決定されるホログラム記録媒体のタイプにより、更に以下のような範囲内であることがより好ましい。
すなわち、本発明のホログラム記録媒体が平面ホログラム(記録層に記録される干渉縞の間隔に比べて、記録層の膜厚Lが薄いか同程度の場合)の場合には、膜厚Lは3μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜20μmの範囲内であることがより好ましい。
一方、本発明のホログラム記録媒体が、体積ホログラム(記録層に記録される干渉縞の間隔に比べて、記録層の膜厚Lが同程度から数倍以上の場合)の場合には、膜厚Lは100μm〜2mmの範囲内であることが好ましく、250μm〜1mmの範囲内であることがより好ましい。
また、記録層には、既述したような光屈折率変化材料が少なくとも含まれ、記録層材料全てが、光屈折率変化材料からのみなるものであってもよいが、必要に応じて種々の材料と混合して利用することができる。例えば、光屈折率変化材料が低分子有機材料であるような場合には、バインダー樹脂を併用することが好ましい。
このようなバインダー樹脂としては、例えば、光学特性に優れたポリメタクリレート(PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)などが利用可能である。また、下記の構造式(1)に示すような側鎖にシアノビフェニルを持つポリエステル材料もバインダー樹脂として好適である。
なお、構造式(1)中、nは整数を表す。このポリエステル材料は、ホログラム記録媒体に情報を記録/再生する際に利用する一般的な光の波長域において透過性を有する。また、光異性化基を有する光屈折率変化材料と併用する場合には、光異性化基の異性化に追随して複屈折が誘起できるため、光屈折率変化材料の高感度化に有効である。なお、当該併用とは、光異性化基を有する光屈折率変化材料と、構造式(1)で示されるポリエステルの物理的な混合のみならず、化学的な混合、すなわち、構造式(1)で示される繰り返し単位が、光異性化基を有する(高分子系の)光屈折率変化材料に含まれる(共重合体を形成している)場合も含まれる。
記録層の形成は、記録層材料として用いられる材料に応じて適宜公知の方法を利用できる。
例えば、既述したような無機材料系の光屈折率変化材料からなる記録層を形成するような場合には、スパッタリング法や、CVD(Chemical Vapor Deposition)法やゾルゲル法等を利用することができる。また、高分子および/または低分子からなる有機材料系の光屈折率変化材料を含む記録層を形成するような場合には、これらの材料を溶解させた塗布液を用いるスプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等の液相成膜や、蒸着法等を利用することができる。
しかしながら、これらの方法で形成される記録層の厚みは、体積ホログラム型のホログラム記録媒体を作製する上では、十分ではない。このような場合には、高分子材料からなる光屈折率変化材料を用いて、射出成形やホットプレスを利用して板状の記録層を形成することが好ましい。これらの方法を利用した場合には、体積ホログラム型のホログラム記録媒体に必要な膜厚が0.1mm以上の記録層を容易に形成することができる。
なお、このような板状の記録層を用いてホログラム記録媒体を作製する場合には、記録層を1対の基板に挟持した構成としたり、あるいは、記録層の厚みが厚く、十分な剛性と強度を有するような場合には、記録層そのものをホログラム記録媒体とすることもできる。
次に、上述したような構成を有する本発明のホログラム記録媒体の製造方法について説明する。
本発明のホログラム記録媒体が平面ホログラムである場合には、上述したように各層に用いる材料に応じて基板上に記録層等を順次積層することにより作製することができる。
例えば、基板上に記録層と保護層とを設けた構成からなるホログラム記録媒体の作製過程の主要な流れを例に挙げて簡潔に説明する。まず、ポリカーボネート基板に、高分子材料からなる光屈折率変化材料を溶媒に溶かした塗布溶液を用いてスピンコーティング法により所望の膜厚が得られるように記録層を形成し、十分に乾燥させる。次に、この記録層上にUV硬化型の接着剤をスピンコーティング法により均一に塗布した後、記録層と保護層形成用の三酢酸セルロース樹脂フィルムとを貼り合わせる。その後、UV光を照射して接着剤を固化させることにより、保護層/記録層/基板の構成からなるホログラム記録媒体を得ることができる。
また、本発明のホログラム記録媒体が体積ホログラムである場合には、上述したように記録層を射出成形や、ホットプレスにより形成するために、ホログラム記録媒体は以下のようにして作製することができる。
まず、射出成形を利用する場合には、例えば、以下のようにしてホログラム記録媒体を作製することができる。まず、射出成形により記録層となるディスク状の成形物を作製する。次に、このディスク状の成形物を1対のディスク状の透明基板で挟持してホットプレスにより貼り合わせ、ホットメルト接着する。
なお、射出成形工程では、原料である樹脂(少なくとも高分子材料からなる光屈折率変化材料を含む樹脂)を加熱溶融し、溶融樹脂を成形金型内に射出して、ディスク状に成形する。射出成形機としては、原料の可塑化機能と射出機能とが一体化されたインライン方式の射出成形機、可塑化機能と射出機能を分離させたプリプランジャー方式の射出成形機の何れも用いることができる。射出成形の条件等は、出射圧力1000〜3000kg/cm2、出射速度5〜30mm/secとすることが好ましい。
また、ホットプレス工程では、射出成形工程で得られた厚さ板状の成形物を、1対のディスク状の透明基板で挟持して、真空下でホットプレスする。
このようにして作製されるホログラム記録媒体は、基板上に記録層を成膜するのではなく、射出成形で別個独立に形成するので、記録層の厚膜化が容易で且つ大量生産にも適している。また、ホットプレスにより記録層を透明基板と貼り合わせるので、射出成形による成形物の残留歪みが均一化され、記録層を厚膜化しても、光吸収や散乱の影響で記録特性が損なわれることがない。
一方、ホットプレスを利用する場合には、例えば、以下のようにしてホログラム記録媒体を作製することができる。まず、テフロン(登録商標)シート等の離型性の高い基板(押圧部材)で粉末状の樹脂(少なくとも高分子材料からなる光屈折率変化材料を含む樹脂)を挟み込み、この状態で真空下でホットプレスして、記録層を直接成形する。
なお、ホットプレス工程においては、真空ホットプレスを行うことが好ましい。この場合、1対の押圧部材間に粉末状の樹脂を試料として装填する。次に、気泡の発生を防止するために0.1MPa程度の減圧下とした状態で、所定の温度まで徐々に昇温し、押圧部材を介して試料を加圧する。この際の過熱温度は樹脂材料のガラス転移温度(Tg)以上の温度とし、プレス圧力は0.01〜0.1t/cm2とするのが好ましい。所定時間、熱間加圧を行った後、加熱及び加圧を停止し、試料を室温まで冷却した後に取り出す。
このような、ホットプレスを実施することにより、一対の押圧部材に挟まれた樹脂材料が加熱溶融され、これが冷却されて板状の記録層が得られる。最後に押圧部材を取り除くことで、光記録媒体が得られる。例えば、記録層をアゾポリマーで構成する場合、アゾポリマーはTgが約50℃と低いので、約70℃に加熱してホットプレスを行うことで、容易に記録層を所望の厚さに成形することができる。また、ホットプレスでは残留歪みは発生しない。
なお、必要に応じて、この記録層からなるホログラム記録媒体の耐傷性、耐湿性を高める等の目的で、保護層等を設けてもよい
このようにして作製されるホログラム記録媒体は、基板上に記録層を成膜するのではなく、ホットプレスで別個独立に形成するので、記録層の厚膜化が容易である。また、ホットプレスにより記録層を成形するので、成形物の残留歪み等が発生せず、記録層を厚膜化しても、光吸収や散乱の影響で記録特性が損なわれることがない。
(ホログラム記録方法)
次に、本発明のホログラム記録媒体を用いたホログラム記録方法について説明する。
本発明のホログラム記録方法は、本発明のホログラム記録媒体に光を照射することにより記録または再生を行う(記録時には信号光および参照光を記録層に照射し、再生時には、参照光を照射する)。本発明のホログラム記録方法は、回折効率の高い本発明のホログラム記録媒体を用いて記録再生を行うので、再生時に高い再生出力を得ることができる。
以下に、図面を参照しつつホログラム記録方法の原理ついて説明する。図1は、ホログラム記録媒体を利用した記録再生の原理を説明するための光学系を示す模式図であり、具体的には、ホログラム記録媒体を用いて情報を記録/再生するための基本的な光学系の一例について示したものである。図1中、10はコヒーレント光、11は信号光、12は参照光、13は回折光、20は光源、21はビームスプリッタ、22はミラー、23は回転ステージ、24は検出器(パワーメーター)、25は第1のシャッタ、26は第2のシャッタ、30はホログラム記録媒体を表す。
図1に示す光学系では、例えば、波長532nmのレーザー光を発するような光源20から照射されたコヒーレント光10が、ビームスプリッタ21に入射した際に、そのまま直進する信号光11と、コヒーレント光10に対して略直角な方向に進む参照光12とに分けられる。また、光源20と、ビームスプリッタ21との間には、必要に応じてコヒーレント光10が、ビームスプリッタ21に入射するのを遮断できるように第1のシャッタ25が設けられている。なお、図1では、第1のシャッタは開放状態(コヒーレント光10が、ビームスプリッタ21に入射可能な状態)となるように配置されている。
また、信号光11の光路上には、回転ステージ23上にホログラム記録媒体30が回転可能に設置されており、ホログラム記録媒体30に入射する信号光11や、ミラー22により反射されホログラム記録媒体30に入射する参照光12の入射角を調整することができる。さらに、ビームスプリッタ21とホログラム記録媒体30との間に設けられた第2のシャッタ26により信号光11がホログラム記録媒体30に入射するのを遮断することができる。なお、図1では、第2のシャッタ26は開放状態(信号光11が、ホログラム記録媒体30に入射可能な状態)となるように配置されている。
ここで、情報の記録は、第2のシャッタ26を開放状態として、ホログラム記録媒体30に信号光11と参照光12とを同時に照射することにより行う。一方、情報の再生は、第2のシャッタ26を遮断状態として参照光12のみをホログラム記録媒体30に入射することにより行う。この際、ホログラム記録媒体30に入射された参照光が回折されて、(ホログラム記録媒体30のビームスプリッタ21が設けられた側と反対側の)信号光11の光路上に、1次回折光として回折光13が発生する。回折光13はホログラム記録媒体30のビームスプリッタ21が設けられた側と反対側の信号光11の光路上に設けられたパワーメーター等のような検出器24により、再生信号として検出される。
なお、このような光学系において、ホログラム記録媒体30の回折効率ηは、参照光12の強度P0に対する回折光13の強度Pの比(すなわち、η=P/P0)として表される。また、この際の参照光12や回折光13の強度は、光パワーメーターによって測定することができる。
また、図1に示す光学系を用いてブラッグ条件を求めることもできる。図2は情報を記録させたホログラム記録媒体に参照光を照射しながら、ホログラム記録媒体に対する参照光の入射角度を変えた場合の回折効率の変化の一例を示したグラフであり、横軸が参照光の入射角;Incident angle(deg.)を表しており、具体的には、情報記録時の参照光の入射角度を基準角度(0deg)とし、この基準角度からの相対的なずれを示したものである(なお、図2中の0degは、参照光の記録層に対する入射角度そのものを示すものではなく、一の参照光の入射角度と、これと異なる角度で入射する他の参照光の入射角度との相対的な関係把握を容易とするために、便宜上、0degと表記したものである)。
また、縦軸がIncident angleが0degにおいて、回折効率が1となるように規格化した規格化回折効率(Normalized diffraction efficiency)を表している。
図2からわかるように、情報記録時の参照光の入射角度(図2中の0deg)からずれると共に、回折効率が低下するという角度依存(選択)性があることがわかる。また、ホログラム記録媒体に対して入射した参照光の吸収が無視できる場合には、この角度依存(選択)性はsinc関数に比例する。ここで、回折効率が最初に実質的にゼロになる条件(角度)をFirst nullといい、図2に示す例では±0.5degにFirst nullが存在する。
ここで、First nullが形成される角度、すなわち、情報記録時の参照光の入射角度(図2中の0deg)からのずれ幅Δθ1は、下式(4)により表される。
・式(4) Δθ1=λ/(L・sinθ)
但し、式(4)中、Δθ1はFirst Nullが形成される角度(deg)を表し、λは記録時に照射される信号光および参照光の波長(μm)を表し、Lは記録層の膜厚(μm)を表し、θは情報記録時に記録層に照射される信号光と参照光との成す角度(deg)を表す。
従って、ホログラム記録媒体に、記録層に対する参照光の入射角度を変えながら情報を記録するいわゆる角度多重記録において、基準角度(図2中の0deg)で記録された情報のΔθ1における回折効率がほぼ0であれば、基準角度で記録された一の情報に対して、Δθ1だけ離れた角度で他の情報を記録しても、両者のクロストークを防ぐことができる。しかし、Δθ1における回折効率がほぼ0である場合には、基準角度における最大回折効率自体も低く、0.1未満となり、多重記録そのものが困難となる場合がある。
この場合、Δθ1のn倍以上(nは2以上の整数)の角度間隔Δθで情報を記録することが好ましい。従って、基準角度における最大回折効率が0.1を超えても、基準角度から十分に離れた角度であるためクロストークの発生を抑制することができる。
なお、Δθの値はクロストークの発生を抑制・防止するためには大きい方が好ましく、Δθ1の3倍以上であることがより好ましいが、大きすぎる場合には実効的な多重度が低下し十分な記録密度が得られなくなってしまう場合があるため、Δθ1の5倍以下であることが好ましい。
このクロストークは、定量的にはSN比で評価することができる。SN比が大きいほどビットエラーレート(BER)が小さくなる。従って、ビットエラーレートが小さいほどクロストークの発生が小さいことを意味する。
一方、ホログラム記録媒体に情報を記録する場合には、高い密度で記録できると共に、上述したようにビットエラーレート(クロストーク)が小さいことも重要である。
従って、高記録密度と低ビットエラーレートとを両立させるためには、光学濃度αLが0.3以上1.1以下の範囲内では、角度間隔ΔθはΔθ1の2倍(Second Null)であることが好ましく、光学濃度αLが1.1を超え2.0以下の範囲内では、角度間隔ΔθはΔθ1の3倍(Third Null)であることが好ましい。
上述した条件を外れる場合には、記録密度が低下したり、あるいは、ビットエラーレートが増加したりして高記録密度と低ビットエラーレートとを両立させることができなくなる場合がある。
また、上述した条件に適した膜厚Lとしては、100μm〜2mmの範囲内であることが好ましく、多重度は2以上であれば特に限定されない。
なお、多重記録方法には、上記説明した角度多重記録方法以外に、シフト多重記録方法がある。シフト多重記録方法は、信号光と参照光との角度は変えずに、ホログラム記録媒体を相対的に移動することで、記録層のほぼ同じ体積中(領域内)に複数の情報を多重記録する方法である。この方法では、参照光を例えば球面参照波とすると、ホログラム記録媒体のわずかな移動は、参照光の入射角度を変えることに相当する。従って、角度多重記録方法について上記に説明した内容はシフト多重記録にも適用することができる。
図3は、情報を記録させたホログラム記録媒体を、球面波を生成するレンズを通過させた参照光(球面参照波)を照射しながらホログラム記録媒体の平面方向に移動させた場合の回折光強度の変化の一例を示したグラフであり、横軸がホログラム記録媒体の移動距離(シフト量)、縦軸が回折光強度を表している。シフト多重記録においては、図2に示されるような角度選択性と同様に、回折光強度のシフト量に対する選択性がsinc関数になる。また、図3に示す例では、First Nullは、シフト量が±50μmの位置に形成される。ここで、シフト多重記録でのFirst nullは下式(5)で与えられる。
・式(5) δ1=λz0/(L・sinθ)
但し、式(5)中、δ1はFirst Nullが形成されるシフト量(μm)を表し、λは記録時に照射される信号光および球面参照波の波長(μm)を表し、θは信号光と球面参照波の中心光軸との成す角度(deg)を表し、z0は球面波を生成するレンズと記録層との距離(μm)を表す。
この場合も、角度間隔とシフト量という違いはあるものの、上述の角度多重記録における場合と同様に、一の情報と他の情報とを記録する際のシフト間隔δは、First Nullが形成されるシフト量δ1のn倍(nは整数)の値として規定され、この際のnの値は2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、5以下であることが好ましい。
また、角度多重記録とシフト多重記録は、情報を記録する間隔が角度であるかシフト量であるかという違いはあるものの、回折効率が実質的にゼロとなる位置(First Null)の整数倍の位置を利用して多重記録を行うという点で同じである。従って、シフト多重記録において、高記録密度と低ビットエラーレートとを両立させる条件についても、上述した角度多重記録と同様に考えることができる。
すなわち、シフト多重記録において、高記録密度と低ビットエラーレートとを両立させるためには、光学濃度αLが0.3以上1.1以下の範囲内では、シフト間隔δはシフト量δ1の2倍(Second Null)であることが好ましく、光学濃度αLが1.1を超え2.0以下の範囲内では、シフト間隔δはシフト量δ1の3倍(Third Null)であることが好ましい。
上述した条件を外れる場合には、記録密度が低下したり、あるいは、ビットエラーレートが増加したりして高記録密度と低ビットエラーレートとを両立させることができなくなる場合がある。
また、上述した条件に適した膜厚Lとしては、100μm〜2mmの範囲内であることが好ましく、多重度は2以上であれば特に限定されない。
なお、シフト多重記録の詳細は、例えば、G. Barbastathis, M. Levene and D. Psaltis, Appl. Opt. 35,2403 (1996)を参照されたい。
次に、本発明のホログラム記録方法に用いる装置について、具体例をあげて詳細に説明する。
図4は、本発明のホログラム記録方法に用いる装置(デジタルホログラフィックストレージシステム)の一構成例について示した模式図である。図4中、100はデジタルホログラフィックストレージシステム、110はレーザー光、111は信号光、112は参照光、113は再生光(回折光)、120、121、122はミラー、123、124はλ/2位相板、125,126,127、128は直線偏光状態、129はビームスプリッタ、130は空間光変調器(SONY製液晶パネル、画素数1024×768、14mm正方画素)、131は検光子、132、133はレンズ、134はレンズ(焦点距離50mm)、135はレンズ(N.A=50)、136はレンズ(焦点距離50mm)、140はレーザー光源(波長532nm、出力100mW、半導体励起Nd:YVO4レーザー)、141はCCD(Dalsa製、画素数1024×1024、14mm正方画素)150はホログラム記録媒体(2枚のガラス基板の間に、光屈折率変化材料としてアゾ系ポリエステルからなる記録層を設けた透過型のホログラム記録媒体)を表す。
図4に示すデジタルホログラフィックストレージシステム100は、その構成が図1に示す光学系と原理的に同じであり、図1に示す光学系をベースに、光路上に種々のレンズや空間変調器等の光学部材・装置を設けたものである。また、球面参照波や、スペックル参照波を利用してシフト多重記録が可能である。以下にデジタルホログラフィックストレージシステム100の概要を説明する。
まず、レーザー光源140から照射されたレーザー光110は、ミラー120を介してビームスプリッタ129に入射し、信号光111と、参照光112とに分けられる。
信号光111は、ミラー121により反射され、レンズ132を通過することにより一旦拡散光となり、さらにレンズ133を通過することにより平行光に変換された後、空間変調器130を通過することにより変調される。続いて、レンズ134により、不図示のサンプルステージに設置されたホログラム記録媒体150の記録層に焦点が合うように信号光111を収束・照射する。
一方、参照光112は、ミラー122を介して反射された後、レンズ135により拡散光(球面波)としてホログラム記録媒体150の信号光111が照射される側の面に照射される。
このようにホログラム記録媒体150に信号光111および参照光112が入射することにより情報が記録される。また、不図示のサンプルステージに設置されたホログラム記録媒体150は、ホログラム記録媒体150の平面方向に対して移動可能であるため、平面方向の移動量(シフト間隔δ)を上述したような値となるように選択すれば、クロストークを問題の無いレベルに抑制して多重記録することができる。また、再生時にホログラム記録媒体を移動させた場合には、図3に示すような結果が得られる。
なお、参照光112がホログラム記録媒体150に照射された際に、信号光111の光路上に形成され、ホログラム記録媒体150の信号光111が入射する面と反対側の面から照射される再生光113は、拡散光であるため、レンズ136により平行光に変換した後、CCD141により検出される。なお、このCCD141と空間変調器130との個々の画素は互いにマッチングするように、予めレンズ134および136が調整されている。
図5は、図4に示すデジタルホログラフィックストレージシステム100を利用して、ホログラム記録媒体150に記録された情報を再生し、CCD141により検出した際に得られた回折像(再生像)の一例であり、回折像の一部を拡大したものを図4中の右下に示している。なお、この再生像の情報は、データページの一例を空間光変調器130に入力して変調した信号光111と、参照光135とを同時にホログラム記録媒体150に照射することによりホログラム記録を行ったものである。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(評価方法および評価装置)
後述する実施例/比較例において作製したホログラム記録媒体のビットエラーレート、光学濃度、また、ホログラム記録媒体の作製に用いた光屈折率変化材料の吸収係数については、以下に説明する方法により測定・評価した。
−ビットエラーの測定−
また、ホログラム記録媒体に多重記録を行った際のクロストークの発生の有無については、図4に示すデジタルデータストレージシステム100を用いてホログラム記録媒体の光学濃度の変化に対するビットエラーの変化を測定した。
ビットエラーレートの測定には、図6に示す微分コード法による記録方式を利用した。なお、図6に示す微分コード法では、縦2画素×横4画素を1ビットとする。ここで、左側4画素を明、右側4画素を暗とした組み合わせを図6左側に示すように「1」とし、左側4画素を暗、右側4画素を明とした組み合わせを図6右側に示すように「0」とした(なお、詳細は、J. F. Heanue, M. C. Bashaw, and L. Hesselink, Science, 265, 749 (1994)を参照されたし)。
次に、ホログラム記録媒体へ記録する情報として、このような微分コード法を利用した図5に示すようなエンコードされたデジタルデータページを20ページ用意し、これを用いて、図4に示すデジタルデータストレージシステム100により球面参照波を利用したシフト多重記録を行った。記録後、ホログラム記録媒体に参照光(球面参照波)を照射して記録された全てのデジタルデータページを再生した。この際、再生されたデータから「1」と「0」とを読取り、入力データーと比較することによりビットエラーレート(BER)を求めることができ、BERの評価に基づいて多重記録時のクロストークの発生の有無を評価することができる。
−光学濃度/吸収係数の測定−
ホログラム記録媒体の光学濃度や吸収係数、また、記録層に用いられる光屈折率変化材料単体の吸収係数の測定は既述した方法を利用して実施した。
(実施例1/比較例1)
−ホログラム記録媒体の作製−
記録層の膜厚が等しく、吸収係数の異なるホログラム記録媒体を以下に説明するように複数作製した。
まず、光屈折率変化材料として、下記構造式(2)に示す側鎖にアゾベンゼン骨格を有するポリエステル;重量平均分子量Mw=2万(以下、「アゾポリマー(1)」と略す場合がある)を用い、バインダー材料として構造式(1)に示す側鎖にシアノビフェニルを持つポリエステル;重量平均分子量Mw=2万(以下、「バインダー」と略す場合がある)とを準備し、アゾポリマー(1)のみ、あるいは、アゾポリマー(1)とバインダーとを用いてホログラム記録媒体を作製した。
ホログラム記録媒体の作製は、アゾポリマー(1)の重量比を10、30、50、70、100重量%として、上述したホットプレス法により厚み250μmの記録層のみからなるホログラム記録媒体を作製した。
次に、得られたホログラム記録媒体の光学濃度αLを上述の測定方法により測定したところ、アゾポリマーの重量比の増加に従って、0.2、0.6、1.2、1.6、2.2となった。したがって、それぞれの吸収係数は8、24、47、62、89cm-1であった。なお、これらの光学濃度、吸収係数はいずれも波長532nmでの値である。なお、アゾポリマー(1)単体の吸収係数α’はアゾポリマー(1)の重量比が100重量%の場合の記録層の吸収係数であるから、89cm-1である。
−回折効率の測定−
図1に示した光学系を用いて、各々のホログラム記録媒体の回折効率を求めた。なお、光源は、波長532nmのレーザー光源である。まず、信号光と参照光を同時に照射し、その後、参照光のみを照射して回折光の強度を測定した。記録時の露光エネルギーが30J/cm2程度で各記録媒体ともほぼ最大の回折効率を示した。なお、回折効率は既述したように参照光のホログラム記録媒体への入射強度に対する回折光の強度の比である。
各々のホログラム記録媒体の回折効率(最大値)を縦軸とし、光学濃度αLを横軸としてプロットした結果を図7に示す。図7から明らかなように、光学濃度αLが0.3〜2.0の間で回折効率0.1以上が得られている。したがって、この範囲内では100以上の多重記録が可能である。
−ブラッグ条件(シフト選択性)の評価−
次に、各ホログラム記録媒体に記録された情報のブラッグ条件を求めた。ブラッグ条件はホログラム記録媒体に参照光を照射しながら、ホログラム記録媒体をその平面方向に移動(シフト)させた際の回折効率を測定し、図8に示すシフト量に対する回折効率の変化から求めた。なお、図8中、横軸は、情報を記録した際のホログラム記録媒体の位置を基準(0μm)とした場合の、ホログラム記録媒体の相対的な移動量(シフト量)を表し、縦軸は回折効率を表す。また、図8中、「□」、「△」、「○」、「◇」で示されるプロット線は、光学濃度αLが、1.6、1.2、0.6、0.2のホログラム記録媒体を用いて回折効率を測定した結果を示している。
図8から明らかなように、光学濃度αLが0.2と小さいホログラム記録媒体では、移動量50μmで回折効率がほぼゼロまで落ちており、いわゆるFirst nullが存在している。一方、光学濃度が増すと、この移動位置(First null)での回折効率が増加した。これは、光学濃度の高い媒体ほど媒体の奥行き方向に記録光が浸透せず、情報の記録が不十分になることに起因すると考えられる。情報を高密度に多重記録する場合は、このFirst nullに新たな情報を記録する。この場合光学濃度の大きな媒体では多重記録された情報間のクロストークが発生するという問題が生じる。このクロストークは、デジタルデータストレージの場合、ビットエラーを引き起こす。
−ビットエラーレート(BER)の測定−
次に、光学濃度の異なるホログラム記録媒体を用いてBERを評価した結果を図9に示す。図9は、光学濃度1.6、1.2および0.6のホログラム記録媒体におけるシフト量に対する相対ビットエラーレートの測定結果について示したものであり、横軸がシフト量、縦軸が相対ビットエラーレートを示す。なお、縦軸はシフト量を250μmとして20多重記録したときのBERを基準値1としている。また、図9中、「□」、「△」、「○」で示されるプロット線は、光学濃度αLが、1.6、1.2、0.6のホログラム記録媒体を用いてBERを測定した結果を示している。
図9からわかるように、シフト量が50μm(すなわち、First Nullを与えるシフト量δ1)では、光学濃度が小さいほどBERが低くなり、光学濃度が0.6のホログラム記録媒体では、BERという点では問題ないレベルである。
ここで、高い回折効率を得ることができる光学濃度αLが1.6や1.2のホログラム記録媒体では、シフト量が50μmではエラーが多いという問題がある。これは、多重記録された情報間のクロストークが原因である。しかし、シフト量が100μm(2×δ1)では、光学濃度が0.6のホログラム記録媒体でシフト量が50μmの場合と概ね遜色の無いレベルまでBERが低くなっており実用上のエラーを引き起こさないと考えられる。さらに、シフト量が150μm(3×δ1)ではよりBERが低くなっていることがわかる。
(実施例2/比較例2)
−ホログラム記録媒体の作製−
記録層材料の吸収係数が同じで、記録層厚さが異なるホログラム記録媒体を以下に説明するように複数作製した。
まず、同円心状のポリカーボネート基板(厚み1.1mm、内径20mm、外形65mm)上に、光屈折率変化材料として、構造式(2)に示す側鎖にアゾベンゼン骨格を有するポリエステル;重量平均分子量Mw=20000(以下、「アゾポリマー(2)」と略す場合がある)をテトラヒドロフランに溶解した塗布液を用いて、スピンコーティング法に塗布し、乾燥させることにより記録層を形成しホログラム記録媒体を作製した。なお、記録層の形成に際しては、膜厚を1μm〜70μmまでの間で変化させることにより、光学濃度αLが0.1〜2.8の範囲内で異なるホログラム記録媒体を複数準備した。
なお、膜厚既知のホログラム記録媒体を用いて、光屈折率変化材料であるアゾポリマー(2)のみからなる記録層の吸収係数を測定したところ400μm-1であった。
−回折効率の測定−
次に、膜厚を1μm〜70μmまでの間で変化させて作製した各々のホログラム記録媒体について、実施例1/比較例1と同様に図1に示す光学系により回折効率を測定した。各々のホログラム記録媒体の回折効率(最大値)を縦軸とし、光学濃度αLを横軸としてプロットした結果を図10に示す。図10から明らかなように、光学濃度αLが0.3〜2.0の間で回折効率0.1以上が得られている。したがって、この範囲内では100以上の多重記録が可能である。また、光学濃度αLが1.0において回折効率は極大値(0.25)を示した。
(実施例3/比較例3)
−ホログラム記録媒体の作製−
記録層の膜厚が同一で、記録層材料の吸収係数が異なる光記録媒体を以下に説明するように複数作製した。
まず、光屈折率変化材料として異性化反応例4に示したキサンテン系色素であるウラニンと、バインダー材料としてポリビニルアルコール(PVA)とを、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶剤に適量溶かした溶液をガラス基板上にキャストし、溶剤を蒸発させることにより厚みが250μmの記録層を形成した。なお、記録層の形成に際してウラニンとPVAとの混合比を変えた溶液を用いることにより、光学濃度αLが0.1〜3.6のホログラム記録媒体を得た。なお、ウラニン単体のモル吸収係数は最大吸収波長493nmで9×103(m2/mol)である。
−各種評価−
次に、実施例/比較例1と同様にして、図1に示す光学系を用いて回折効率を測定した。なお、記録時の露光エネルギーが10J/cm2程度で各記録媒体ともほぼ最大の回折効率を示した。各々のホログラム記録媒体の回折効率(最大値)を縦軸とし、光学濃度αLを横軸としてプロットした結果を図11に示す。図11から明らかなように、光学濃度αLが0.3〜2.0の間で回折効率0.1以上が得られている。したがって、この範囲内では100以上の多重記録が可能である。
また、実施例1/比較例1と同様にしてブラッグ条件を測定しところ、実施例1/比較例1とほぼ同様の結果(図8にほぼ類似する結果)が得られた。さらに、実施例1/比較例1と同様にしてBERを測定しところ、実施例1/比較例1と同じ傾向の結果(図9にほぼ類似する傾向の結果)が得られ、シフト量が2×δ1では、実用上問題の無いレベルまでBERが低くなり、さらに、シフト量が3×δ1ではよりBERが低くなり殆どエラーが発生しないレベルまで小さくなった。
以上に説明した実施例/比較例の結果からわかるように、回折効率は、ホログラム記録媒体の光学濃度αLが、少なくとも0.3〜2.0の範囲にある限りは、記録層に用いた光屈折率変化材料の吸収係数に関係無く実用上十分な再生出力が得られるレベルであることがわかった。また、シフト多重記録を行った際のビットエラーレートは、First Nullを与えるシフト量の2倍以上で多重記録すれば実用上問題ないレベルであることがわかった。
次に、図9に示した実施例1のホログラム記録媒体(光学濃度αL=0.6,1.2、1.6)の相対ビットエラーレートを、光学濃度αLに対して整理した結果を示す。
図12は、実施例1のホログラム記録媒体における光学濃度αLに対する相対ビットエラーレートの変化を示すグラフであり、図中の「○」は、First Nullにおける光学濃度αLに対する相対ビットエラーレートの変化を、「□」は、Second Nullにおける光学濃度αLに対する相対ビットエラーレートの変化を、「△」はThird Nullにおける光学濃度αLに対する相対ビットエラーレートの変化を示している。
図12からわかるように、高密度の多重記録が可能な回折効率0.1以上が確保できる光学濃度αLが0.3〜2.0の範囲内において、First Nullでの記録は相対ビットエラーレートが高い。しかし、光学濃度αLが0.3以上1.1以下の範囲内でのSecond Null(2×δ1)における記録や、光学濃度αLが1.1を超え2.0以下の範囲内でのThird Null(3×δ1)における記録では、相対ビットエラーレートが最も低く抑えることができる。
従って、光学濃度αLが0.3以上1.1以下の範囲内ではSecond Null(2×δ1)で記録することによって、また、光学濃度αLが1.1を超え2.0以下の範囲内ではThird Null(3×δ1)で記録することによって、高密度記録と低ビットエラーレートとを高いレベルで両立させることができることがわかる。
以上の説明では、角度多重記録方法および球面参照波を用いたシフト多重記録方法を例に用いて、ホログラム記録媒体の光学濃度に応じた多重記録方法を説明した。その説明は、これら2種の多重記録方法に限定されるものではなく、ブラッグ条件を利用した多重記録方法であれば、いかなる方法にも適用できる。すなわち、ホログラム記録媒体の光学濃度αLが0.3〜2.0の範囲において、光学濃度αLが0.3以上1.1以下の範囲内ではSecond Null(2×δ1)で記録することによって、また、光学濃度αLが1.1を超え2.0以下の範囲内ではThird Null(3×δ1)で記録することによって、高密度記録と低ビットエラーレートとを高いレベルで両立させることができる。
なお、ブラッグ条件(角度選択性、波長選択性)を利用した多重記録方法とは、例えば次のような方法が挙げられる。すなわち、1)記録層に入射する信号光と、該信号光と異なる角度で記録層に入射する参照光とを記録層に同時に照射するものであり、ここで、多重記録が、ホログラム記録媒体の位置を一定にし、前記信号光と前記参照光とのなす角度を変化させることによりなされる方法(角度多重記録方法)、2)記録層に入射する信号光と、該信号光と異なる角度で記録層に入射する参照光とを記録層に同時に照射するものであり、ここで、多重記録が、前記信号光と前記参照光とのなす角度を一定にし、前記信号光及び前記参照光とホログラム記録媒体との少なくとも一方を相対移動させることによりなされる方法(シフト多重記録方法)、3)記録層に入射する信号光と、該信号光と異なる角度で記録層に入射する参照光とを記録層に同時に照射するものであり、ここで、多重記録が、ホログラム記録媒体の位置を一定にし、前記信号光及び前記参照光の波長を変えることによりなされる方法(波長多重記録方法)が挙げられる。
シフト多重記録方法では、記録層中に記録された一の情報の記録位置と、この一の情報と異なる位置に記録された他の情報の記録位置との相対距離が、一の情報が記録された記録位置と一の情報からの回折光強度がFirst Nullを示す位置との距離(基準変化量)のn倍(但し、nは1以上の整数)となるように保たれる。
波長多重記録方法では、記録層中に記録された一の情報の記録波長と、この一の情報を記録した際の波長と異なる波長で記録層中に記録された他の情報の記録波長との差異(相対波長差)が、一の情報を記録した際の記録波長と、一の情報からの回折光強度がFirst Nullを示す波長との差異(基準変化量)のn倍(ただし、nは1以上の整数)となるように保たれる。
従って、角度多重記録方法および球面参照波を用いたシフト多重記録方法以外の他の多重記録方法においても、高密度記録と低ビットエラーレートとを高いレベルで両立させるためには、光学濃度αLが0.3以上1.1以下の範囲内では、前記の相対距離は、基準変化量の2倍であることが好ましく、光学濃度αLが1.1を超え2.0以下の範囲内では、前記の相対距離は、基準変化量の3倍であることが好ましい。
ホログラム記録媒体を利用した記録再生の原理を説明するための光学系を示す模式図である。 情報を記録させたホログラム記録媒体に参照光を照射しながら、ホログラム記録媒体に対する参照光の入射角度を変えた場合の回折効率の変化の一例を示したグラフである。 情報を記録させたホログラム記録媒体を、球面参照波を照射しながらホログラム記録媒体の平面方向に移動させた場合の回折光強度の変化の一例を示したグラフである。 本発明のホログラム記録方法に用いる装置(デジタルホログラフィックストレージシステム)の一構成例について示した模式図である。 図4に示すデジタルホログラフィックストレージシステム100を利用して、ホログラム記録媒体150に記録された情報を再生し、CCD141により検出した際に得られた回折像(再生像)の一例である。 微分コード法による記録方式を説明する概念図である。 実施例1/比較例1のホログラム記録媒体における光学濃度αLに対する回折効率の変化を示すグラフである。 実施例1/比較例1のホログラム記録媒体におけるシフト量に対する回折効率の変化を示すグラフである。 実施例1/比較例1のホログラム記録媒体におけるシフト量に対する相対ビットエラーレートの変化を示すグラフである。 実施例2/比較例2のホログラム記録媒体における光学濃度αLに対する回折効率の変化を示すグラフである。 実施例3/比較例3のホログラム記録媒体における光学濃度αLに対する回折効率の変化を示すグラフである。 実施例1のホログラム記録媒体における光学濃度αLに対する相対ビットエラーレートの変化を示すグラフである。
符号の説明
10 コヒーレント光
11 信号光
12 参照光
13 回折光
20 光源
21 ビームスプリッタ
22 ミラー
23 回転ステージ
24 検出器(パワーメーター)
25 第1のシャッタ
26 第2のシャッタ
30 ホログラム記録媒体
100 デジタルホログラフィックストレージシステム
110 レーザー光
111 信号光
112 参照光
113 再生光(回折光)
120、121、122 ミラー
123、124 λ/2位相板
125,126,127、128 直線偏光状態
129 ビームスプリッタ、
130 空間光変調器
131 検光子
132、133、134、135、136 レンズ
140 レーザー光源
141 CCD
150 ホログラム記録媒体

Claims (18)

  1. 膜厚Lの記録層を少なくとも有し、前記記録層が、これを構成する記録層材料として光屈折率変化材料を含み、前記記録層材料の吸収係数がαであるホログラム記録媒体において、
    前記吸収係数αと前記膜厚Lとの積で表される光学濃度αLが、0.3〜2.0の範囲内であることを特徴とするホログラム記録媒体。
  2. 前記光学濃度αLが、1.5以下であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体。
  3. 前記光屈折率変化材料の吸収係数α’が、1.5〜6800cm-1の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体。
  4. 前記光屈折率変化材料が、光異性化基を有する光屈折率変化材料であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体。
  5. 前記光異性化基が、アゾベンゼン骨格を有する基であることを特徴とする請求項4に記載のホログラム記録媒体。
  6. 前記光屈折率変化材料が、アゾベンゼン骨格を有することを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体。
  7. 前記膜厚Lが、3μm〜2mmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体。
  8. 基板と、該基板上に設けられた前記記録層と、を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体。
  9. 前記基板と、前記記録層との間に、反射層を設けたことを特徴とする請求項8に記載のホログラム記録媒体。
  10. 膜厚Lの記録層を少なくとも有し、前記記録層が、これを構成する記録層材料として光屈折率変化材料を含み、前記記録層材料の吸収係数がαであるホログラム記録媒体に、光を照射することにより記録または再生を行うホログラム記録方法において、
    前記吸収係数αと前記膜厚Lとの積で表される光学濃度αLが、0.3〜2.0の範囲内であることを特徴とするホログラム記録方法。
  11. 前記記録が、前記記録層に入射する信号光と、該信号光と異なる角度で前記記録層に入射する参照光とを前記記録層に同時に照射することにより行われ、前記参照光が2以上の異なる角度で前記記録層に照射される角度多重記録であり、且つ、
    前記記録層に入射する一の参照光と、該一の参照光と異なる角度で前記記録層に入射する他の参照光との成す角度(角度間隔)Δθが下式(1)で表されることを特徴とする請求項10に記載のホログラム記録方法。
    ・式(1) Δθ≧n・λ/(L・sinθ)
    〔式(1)中、Δθは角度間隔(deg)を表し、nは2以上の整数を表し、λは記録時に照射される前記信号光および前記参照光の波長(μm)を表し、Lは前記記録層の膜厚(μm)を表し、θは情報記録時に前記記録層に照射される前記信号光と、前記一の参照光との成す角度(deg)を表す。〕
  12. 前記光学濃度αLが、0.3以上1.1以下の範囲内である場合において、前記式(1)に示す値nが2であることを特徴とする請求項11に記載のホログラム記録方法。
  13. 前記光学濃度αLが、1.1を超え2.0以下の範囲内である場合において、前記式(1)に示す値nが3であることを特徴とする請求項11に記載のホログラム記録方法。
  14. 前記記録が、前記記録層に入射する信号光と、該信号光と異なる角度で前記記録層に入射する参照光とを前記記録層に同時に照射する多重記録であり、
    該多重記録が、前記信号光と前記参照光との成す角度を一定にし、前記信号光及び前記参照光とホログラム記録媒体との少なくとも一方を相対移動させることにより行われ、
    前記光学濃度αLが、0.3以上1.1以下の範囲内である請求項10に記載のホログラム記録方法であって、
    前記記録層中に記録された一の情報の記録位置と、前記一の情報と異なる位置に記録された他の情報の記録位置との相対距離が、前記一の情報が記録された記録位置と前記一の情報からの回折光強度がFirst Nullを示す位置との距離(基準変化量)の2倍であることを特徴とするホログラム記録方法。
  15. 前記記録が、前記記録層に入射する信号光と、該信号光と異なる角度で前記記録層に入射する参照光とを前記記録層に同時に照射する多重記録であり、
    該多重記録が、前記信号光と前記参照光との成す角度を一定にし、前記信号光及び前記参照光とホログラム記録媒体との少なくとも一方を相対移動させることにより行われ、
    前記光学濃度αLが、1.1を超え2.0以下の範囲内である請求項10に記載のホログラム記録方法であって、
    前記記録層中に記録された一の情報の記録位置と、前記一の情報と異なる位置に記録された他の情報の記録位置との相対距離が、前記一の情報が記録された記録位置と前記一の情報からの回折光強度がFirst Nullを示す位置との距離(基準変化量)の3倍であることを特徴とするホログラム記録方法。
  16. 前記記録が、前記記録層に入射する信号光と、該信号光と異なる角度で前記記録層に球面波を生成するレンズを通過した参照光(球面参照波)とを前記記録層に同時に照射することにより行われ、前記球面参照波を、前記ホログラム記録媒体をその平面方向に一定間隔移動する毎に照射するシフト多重記録であり、且つ、
    前記ホログラム記録媒体の一定間隔移動する距離(シフト間隔)δが下式(2)で表されることを特徴とする請求項10に記載のホログラム記録方法。
    ・式(2) δ≧n・λz0/(L・sinθ)
    〔式(2)中、δはシフト間隔(μm)を表し、nは2以上の整数を表し、λは記録時に照射される前記信号光および前記球面参照波の波長(μm)を表し、θは前記信号光と前記球面参照波の中心光軸との成す角度(deg)を表し、z0は前記球面波を生成するレンズと前記記録層との距離(μm)を表す。〕
  17. 前記光学濃度αLが、0.3以上1.1以下の範囲内である場合において、前記式(2)に示す値nが2であることを特徴とする請求項16に記載のホログラム記録方法。
  18. 前記光学濃度αLが、1.1を超え2.0以下の範囲内である場合において、前記式(2)に示す値nが3であることを特徴とする請求項16に記載のホログラム記録方法。
JP2004234760A 2004-03-19 2004-08-11 ホログラム記録媒体およびこれを用いたホログラム記録方法 Withdrawn JP2005301202A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004234760A JP2005301202A (ja) 2004-03-19 2004-08-11 ホログラム記録媒体およびこれを用いたホログラム記録方法
US10/984,759 US7236277B2 (en) 2004-03-19 2004-11-10 Holographic recording medium and holographic recording method using the same

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004081669 2004-03-19
JP2004234760A JP2005301202A (ja) 2004-03-19 2004-08-11 ホログラム記録媒体およびこれを用いたホログラム記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005301202A true JP2005301202A (ja) 2005-10-27

Family

ID=34985947

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004234760A Withdrawn JP2005301202A (ja) 2004-03-19 2004-08-11 ホログラム記録媒体およびこれを用いたホログラム記録方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7236277B2 (ja)
JP (1) JP2005301202A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006095705A1 (ja) * 2005-03-09 2006-09-14 National University Corporation Yokohama National University パターン形成方法
JP2010225243A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Toshiba Corp 光情報記録方法および装置
JP2014240861A (ja) * 2013-06-11 2014-12-25 国立大学法人京都工芸繊維大学 ホログラフィック表示デバイス及び3次元ホログラフィック表示装置
KR20150012307A (ko) * 2012-05-30 2015-02-03 엠파이어 테크놀로지 디벨롭먼트 엘엘씨 홀로그래픽 이미징 장치 및 방법

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6611365B2 (en) * 2001-03-20 2003-08-26 Imation Corp. Thermoplastic substrates for holographic data storage media
JP4649821B2 (ja) * 2002-06-07 2011-03-16 富士ゼロックス株式会社 ポリエステル、光記録媒体、及び光記録再生装置
JP2004310999A (ja) * 2003-03-24 2004-11-04 Fuji Xerox Co Ltd 光記録媒体と光記録媒体の製造方法
JP2005274629A (ja) * 2004-03-22 2005-10-06 Fuji Xerox Co Ltd 光記録媒体、並びに、その製造方法およびこれを用いた光記録再生装置。
JP2005345652A (ja) * 2004-06-01 2005-12-15 Fuji Xerox Co Ltd 光記録材料、光記録媒体、及び光記録再生装置
US20060280096A1 (en) * 2005-05-26 2006-12-14 Inphase Technologies, Inc. Erasing holographic media
JP4373383B2 (ja) * 2005-08-24 2009-11-25 富士フイルム株式会社 光記録方法、光記録装置、光記録媒体及び光記録再生方法
US20070146835A1 (en) * 2005-10-27 2007-06-28 General Electric Company Methods for making holographic data storage articles
JP2007171916A (ja) * 2005-11-22 2007-07-05 Fuji Xerox Co Ltd ホログラム記録材料、ホログラム記録媒体、および、ホログラム記録方法
JP2008020538A (ja) * 2006-07-11 2008-01-31 Fuji Xerox Co Ltd ホログラム記録材料、ホログラム記録媒体およびホログラム記録方法
US20080055686A1 (en) * 2006-09-05 2008-03-06 Christoph Georg Erben Holographic data recording method and system
JP2008203500A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Fuji Xerox Co Ltd ホログラム記録材料、ホログラム記録媒体、および、ホログラム記録方法
US8040601B1 (en) * 2007-06-22 2011-10-18 Allview Research Llc Projection screen using a bragg selective holographic element
DE102007042385A1 (de) * 2007-09-04 2009-03-05 Bundesdruckerei Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur individuellen holografischen Trommelbelichtung
US8049885B1 (en) 2008-05-15 2011-11-01 Ondax, Inc. Method and apparatus for large spectral coverage measurement of volume holographic gratings
US20090325078A1 (en) * 2008-06-30 2009-12-31 General Electric Company Holographic recording medium
US20100010262A1 (en) * 2008-07-09 2010-01-14 General Electric Company Compositions and method for making thereof
US20100009269A1 (en) * 2008-07-09 2010-01-14 General Electric Company Holographic recording media
US7986407B2 (en) 2008-08-04 2011-07-26 Ondax, Inc. Method and apparatus using volume holographic wavelength blockers
US8369017B2 (en) 2008-10-27 2013-02-05 Ondax, Inc. Optical pulse shaping method and apparatus
TWI420519B (zh) * 2010-04-08 2013-12-21 Univ Nat Chiao Tung 同軸全像儲存媒體
CN102214469B (zh) * 2010-04-08 2015-09-02 财团法人交大思源基金会 同轴全息图像储存媒体
US9599565B1 (en) 2013-10-02 2017-03-21 Ondax, Inc. Identification and analysis of materials and molecular structures
US9587983B1 (en) 2015-09-21 2017-03-07 Ondax, Inc. Thermally compensated optical probe
GB201612010D0 (en) * 2016-07-11 2016-08-24 Ge Healthcare A method and a measuring device for measuring the absorbance of a substance in a solution

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3810722A1 (de) 1988-03-30 1989-10-12 Roehm Gmbh Vorrichtung zur reversiblen optischen datenspeicherung
US5064264A (en) * 1990-10-26 1991-11-12 International Business Machines Corporation Photorefractive materials
US5684612A (en) * 1993-06-11 1997-11-04 Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Method and system for maintaining and controlling the signal-to-noise ratio of hologams recorded in ferroelectric photorefractive materials
US6023352A (en) * 1998-08-11 2000-02-08 University Of Massachusetts Methods and systems for thermal fixing and/or erasing of holograms
JP2000105529A (ja) 1998-09-30 2000-04-11 Fuji Xerox Co Ltd 光記録媒体、光記録方法および光記録装置
JP3915273B2 (ja) 1998-10-06 2007-05-16 富士ゼロックス株式会社 光応答性ジカルボン酸モノマー、その製造方法、光応答性ポリエステル、及びこれらを用いた光記録媒体
JP3709732B2 (ja) 1999-03-15 2005-10-26 富士ゼロックス株式会社 光反応性ポリエステル、その製造方法及びそれを用いた光記録媒体
DE19924385A1 (de) * 1999-05-27 2000-12-07 Xetos Ag Informationsträger mit Hologramm
JP4048674B2 (ja) 2000-01-20 2008-02-20 富士ゼロックス株式会社 高分子膜に光学異方性を付与する方法、そのための装置および光学異方性媒体
JP3724325B2 (ja) 2000-04-10 2005-12-07 富士ゼロックス株式会社 光反応性ポリエステル及びその製造方法、光記録組成物、及び光記録媒体
JP3725104B2 (ja) * 2002-08-29 2005-12-07 株式会社東芝 情報記録媒体および情報記録装置
JP4496328B2 (ja) * 2002-09-10 2010-07-07 独立行政法人物質・材料研究機構 ホログラム記録媒体およびホログラム記録再生装置
US7067230B2 (en) * 2003-01-15 2006-06-27 Nitto Denko Corporation Photorefractive composite

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006095705A1 (ja) * 2005-03-09 2006-09-14 National University Corporation Yokohama National University パターン形成方法
JP2010225243A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Toshiba Corp 光情報記録方法および装置
KR20150012307A (ko) * 2012-05-30 2015-02-03 엠파이어 테크놀로지 디벨롭먼트 엘엘씨 홀로그래픽 이미징 장치 및 방법
KR101659360B1 (ko) * 2012-05-30 2016-09-23 엠파이어 테크놀로지 디벨롭먼트 엘엘씨 홀로그래픽 이미징 장치 및 방법
JP2014240861A (ja) * 2013-06-11 2014-12-25 国立大学法人京都工芸繊維大学 ホログラフィック表示デバイス及び3次元ホログラフィック表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
US7236277B2 (en) 2007-06-26
US20050206984A1 (en) 2005-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7236277B2 (en) Holographic recording medium and holographic recording method using the same
JP4686672B2 (ja) ホログラム記録媒体及びその製造方法
US6512606B1 (en) Optical storage media and method for optical data storage via local changes in reflectivity of a format grating
US7816059B2 (en) Hologram recording material, hologram recording medium and hologram recording method
US7582392B2 (en) Hologram-recording material, hologram-recording medium, and hologram-recording method
EP0824230A2 (en) Holographic process and media therefor
US20050174917A1 (en) Hologram type optical recording medium, manufacturing method and reproducing apparatus therefor
US20020041561A1 (en) Recording apparatus for a holographic recording medium
KR100719431B1 (ko) 광학 기록 매체, 및 광학 기록 매체를 이용하는 기록 및/또는 재생 장치
KR101495394B1 (ko) 읽기 전용 홀로그래픽 기록매체의 기록재생방법, 및 읽기 전용 홀로그래픽 기록매체
JP2006301171A (ja) 光記録媒体及びその製造方法、並びに、光記録媒体の記録方法及び光記録媒体の再生方法
JP2007102124A (ja) 光記録媒体用フィルタ及びその製造方法、並びに光記録媒体及びその記録方法及び再生方法
JP2006301127A (ja) 光記録媒体及びその製造方法、並びに、光記録媒体の記録方法及び光記録媒体の再生方法
JP4807049B2 (ja) ホログラム記録媒体およびこれを用いたホログラム記録方法
US20010030934A1 (en) Optical storage media and method for optical data storage via local changes in reflectivity of a format grating
US20070206250A1 (en) Holographic memory medium, recorder for the same, and recording method for the same
US7626910B2 (en) Optical information recording medium for holographic recording and method of holographic recording in optical information recording medium
US20090245052A1 (en) Optical recording method, optical recording apparatus, optical recording medium, and optical recording and reproducing method
JP2005274629A (ja) 光記録媒体、並びに、その製造方法およびこれを用いた光記録再生装置。
JP2007256945A (ja) ホログラフィックメモリ媒体、その記録装置およびその記録方法
JP2007066462A (ja) 光記録再生装置及び光記録媒体の記録再生方法
JP2005266609A (ja) 光記録媒体
JP2005266608A (ja) ホログラム記録材料、ホログラム記録媒体およびホログラム記録方法
JP2007199092A (ja) 光記録媒体
JP2007059010A (ja) 光記録媒体用フィルタ、光記録媒体及びその製造方法、並びに、光記録方法及び光再生方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070717

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070717

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090605