JP3915273B2 - 光応答性ジカルボン酸モノマー、その製造方法、光応答性ポリエステル、及びこれらを用いた光記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な光応答性化合物、ならびにその製造方法、及びそれを用いた大量のデータ情報を記録する光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
相変化型や光磁気型等の書換え可能な光ディスク記録装置はすでに広く普及している。これらの光ディスク装置は、一般の磁気ディスク装置に比較して記録密度を一桁以上上げることにより大容量記録を実現しているが、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションソフトの高機能化に伴う容量の増大や各種ドキュメント、プレゼンテーション用データのマルティメディア化による容量の巨大化、高精細、高密度、長時間の動画ビデオ信号のデジタル記録等将来の大容量記録の要求に対して充分な性能があるとは言えない。このような高密度、大容量の光ディスク記録装置においては、記録密度を高めるために、ビームスポット径を小さくして隣接トラックあるいは隣接ビットとの距離を短くするなどの工夫を用いている。このような技術の開発によって既に実用化しているものに、DVD−ROMがある。DVD−ROMは12cmのディスクに片面で4.7GByteのデータを収容する。書き込み、消去が可能なDVD−RAMは、相変化方式により直径12cmのディスクに両面で5.2GByteの高密度記録が可能である。これは、読み出し専用であるCD−ROMで4倍以上、フロッピーディスクなら1900枚以上に相当する容量の情報の書き込みと読み出しができる。このように光ディスクの高密度化は年々進んでいる。しかしながらその一方で、上述の光ディスクは面内にデータを記録するため、光の回折限界に制限され高密度記録の物理的限界(5Gbit/in2 )が近づいている。更なる大容量化のためには奥行き方向も含めた3次元(体積型)記録が必要となる。
【0003】
上述したような体積型光記録媒体としては、複数の波長に独立に感応する積層体を用いた波長多重記録媒体やホログラム格子の体積記録が可能な光屈折率変化材料媒体(フォトリフラクティブ材料媒体)などが有望視されている。フォトリフラクティブ材料の中には、感度が高く固体レーザーレベルの比較的弱い光を吸収して屈折率変化が生じるものが知られており、超高密度、超大容量化が可能な体積多重ホログラム記録に用いることが期待されている。
【0004】
このフォトリフラクティブ材料としては、従来、チタン酸バリウム、ニオブ酸リチウム、BSOなどの無機強誘電体結晶が多く用いられてきた。これらの材料は高感度、高効率の光誘起屈折率変化効果(フォトリフラクティブ効果)を示すものの、結晶育成が困難なものが多い、硬くもろい材料が多いため任意の形状に加工することができない、感応波長の調節が困難であるなどの欠点が有った。
【0005】
近年、これらの欠点を克服するものとして有機物よりなるフォトリフラクティブ材料(以下、PR材料ということがある。)が提案されている。下記化合物A〜Dは、代表的な有機フォトリフラクティブ材料である。一般に有機フォトリフラクティブ材料は、i)光を受容して電荷を発生する電荷発生材料、ii)発生した電荷の媒体内での移動を促す電荷移動材料、iii)電荷移動により誘起された電場に感応する二色性有機色素、iv)これらの材料を坦持する高分子基材(バインダー)、およびv)基材の物性を変化させる添加剤(可塑剤、相容化剤など)よりなる。このうちの1成分が電荷移動材料兼高分子基材、電荷移動材料兼可塑剤など複数の役割を担うものもある。ここでは、化合物A(2,4,7−トリニトリロフルオレノン(TNF))が電荷発生材料、化合物B(ポリ(ビニルカルバゾール)(PVK))が電荷移動材料兼高分子基材(バインダー)、化合物C(N−エチルカルバゾール(ECZ))が電荷移動材料兼可塑剤、化合物D(2,5−ジメチル−4−(4’−ニトロフェニル)アゾアニール(DMNPAA))が二色性有機色素として機能する。
【0006】
【化6】
【0007】
図1に光照射により誘起される屈折率変化のメカニズムを示す。フォトリフラクティブ効果の原理はPR材料にコヒーレントな2光波を照射し干渉縞I(x)を形成する。光強度の強い場所ではドナー準位の電子が伝導帯へ励起され、拡散あるいはドリフトにより移動し光強度の弱い場所に捕獲される。光強度の強い場所ではプラス電荷が残り、弱い場所ではマイナス電荷が溜まる。これにより電荷分布ρ(x)が形成され、静電場E(x)を生じる。この静電場による電気光学効果の結果として屈折率変化Δn(x)が生じる。この屈折率変化の周期は干渉縞の周期と同じであり、この屈折率格子はホログラム回折格子として作用する。この様な作用により、光を吸収した電荷発生材より正負の電荷が発生し、これが存在する外場の作用によって電荷移動剤により正負に分離して内部電場が生成する。この内部電場により二色性色素の配向変化がおこり基材中の屈折率の分布に変化が生じる。
【0008】
すでにこの方法を用いることにより、アリゾナ州立大のMeerholzらは、回折効率を示す材料の開発に成功している[Nature,371,497(1994)]。このような材料を応用することにより、原理的には高い記録密度の体積ホログラム記録が可能であると考えられた。
【0009】
一方、この材料においては本質的に外部電場による色素の配向をおよび光照射によるその変化を記録のメカニズムとして使用しているために、使用時に外部電場の印可が不可欠であるという問題がある。この電場は先のMeerholzらの研究では数百V・mm-1と極めて大きなものであり、実際にこの系を記録装置として利用する際の大きな装置的制約となる。さらに、この材料系においては電荷発生材、電荷移動剤、高分子基質等異なる数種の材料が混合して用いられており、記録時または保管時の相分離による安定性の低下が大きな問題となる。
【0010】
上述の問題点を回避するために、例えばS.Hvilstedらは、液晶形成性を有する下記化合物Eで示される高分子化合物を用いて、ここに屈折率格子を書き込むことによりホログラム記録を達成することを提案している[Opt.Lett.,17[17],12(1992)]。この材料においては例えば1mmの間に330本の屈折率の高低の格子が書き込めることが明らかにされており、高い記録密度が達成されると期待される。
【0011】
【化7】
【0012】
また、屈折率二色性を誘起してホログラム記録を行うことができる材料として下記一般式(α)で示される高分子化合物([M.Sato,M.Hayakawa,K.Nakagawa,K.Mukaida,H.Fujiwara,Macromol.Rapid Commun.,15,21(1994)])が知られている。
【0013】
【化8】
【0014】
この高分子化合物においては、液晶−非液晶の相転移現象を極めて狭い領域に限定して起こすことが知られている。例えば、可干渉な2つのレーザー光をこの高分子化合物からなる材料に照射して材料中に干渉パターンを形成させた場合には、2つのレーザー光が互いに強め合う領域のみで上記液晶−非液晶転移にともなう屈折率変調構造が形成される。この変調構造は、2つの極大部分との距離、即ち、変調構造の周期は、照射レーザー光の波長領域に比すべきものであり、この変調構造が極めて微細なものであることがわかる。さらに、この変調構造は、レーザー光照射を停止した後も維持される。これは、このようにして形成した液晶構造及び非液晶構造間の変化速度が室温では十分に遅く、新たに全体的に、ないしは熱モードによるレーザー光照射により局所的に加熱しない限り、この変調構造は消失しないためである。即ち、この高分子化合物は、光メモリー材料媒体として極めて有望である。また、本発明者らも、媒体としてこの化合物からなる材料を用いることにより極めて高密度なホログラム記録が可能であることを確認している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようなホログラム記録が可能となる材料を与える分子構造上の必要かつ十分な条件について、現在までにすべてが明らかになっているわけではないが、少なくとも以下のような要件を満たすことが要求されている。すなわち、材料中に光異性化する原子団を有すること。またこの原子団が大きな光二色性比を有すること。用いている材料が全体として、適当な温度範囲で液晶性を有すること。主鎖の方向に芳香族性の原子団が一軸的に配列した分子構造を有し、その配向変化により大きな屈折率二色性が誘起されること。主鎖が柔軟な分子鎖を含み、光異性化する原子団の分子構造の変化により主鎖分子の配列が変化を起こすことである。現在まで知られている材料としては、光感応性の原子団としてアゾベンゼン構造を有し、さらにこの直線性の良いアゾベンゼン骨格にシアノ基を含む原子団が液晶形成の際にメソゲンとして機能する芳香族−脂肪族ポリエステル等がある。
【0016】
これらの高分子化合物の構造においてはアゾベンゼンの4位にシアノ基がある。多くの低分子液晶では剛直な直線構造の部分すなわちコアに結合したシアノ基は、立体的あるいは電子的に液晶構造の安定化に重要な寄与を持っていると考えられていて、これを利用した高分子記録媒体の報告もある[Meng,J.Polym.Sci.,B,Polym.Phys.Ed.,34,1461(1996),J.V.Crivello,Liq.Cryst.,3[2],235(1988)等]。
【0017】
他方、色素化学の観点から見ると、アゾ結合は色素分子において強い光吸収を誘起する発色団、シアノ基はそれ自体は必ずしも光吸収を誘起するものではないが、発色団とともに分子中に導入されることにより光吸収が派生する助色団に分類される。したがって、この両者をπ電子共役可能なp−フェニレン結合で結んだ構造を有する高分子化合物は、強い光吸収を有すると予想される。実際にこの高分子化合物は吸収極大波長λmaxが、365nmであり、高分子化合物の繰り返し単位を基準としたときの吸光係数εが、数十万であり可視光域に強い光吸収を有する。このことは、この材料をホログラム記録などの体積記録媒体として用いる場合の大きな短所となる。すなわち、入射した光が表面近傍の分子により吸収されてしまって中まで到達できず、結果として記録が形成されないということが起こる。また、光を吸収することにより熱を発生し、この熱により記録の消去若しくは光記録媒体の白化、脱色、黒く酸化する等の損傷が起こる。
【0018】
このため、実際に光記録媒体として用いる際には、この光吸収のかからない波長で用いる必要があり、実際のメモリーシステムとして用いる際の制約になっていた。そこで光記録媒体としてよりすぐれたものを得るためには、光記録性を損なうこと無く、光吸収の少ない材料を開発する必要がある。
【0019】
本発明は、上記事実を考慮してなされたものであり、本発明の第1の目的は、光記録材料として有用な新規化合物とその製造方法を提供することにある。本発明の第2の目的は、光記録性を損なうこと無く、且つ、利用可能波長領域が広く、光吸収に起因する損失が少ない、メモリー性、変調度、多重度、記録保持性に優れた光記録媒体を提供することにある。本発明の第3の目的は、ホログラム記録、特に偏光ホログラム記録に適した光記録媒体を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シアノアゾベンゼン誘導体を側鎖に含むポリエステル系液晶高分子を種々検討する中で、前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマー及び前記一般式(4)で示される光応答性ポリエステルは、既存の液晶高分子と同等の光メモリー性を有すること、並びに吸収極大がシアノアゾベンゼン系のものと比較して20nm短く、可視光の吸収がより小さいことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0021】
即ち、本発明は、 <1>下記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマー。
【0022】
【化9】
【0023】
一般式(1)中、Xは、低級アルキルオキシ基、置換若しくは無置換のベンジルオキシ基、置換若しくは無置換のフェニルオキシ基、低級脂肪酸の酸残基、置換および無置換の安息香酸の酸残基、又はハロゲン原子を示す。Yは、水素原子又は低級アルキル基を示す。mは1から3の整数を示す。nは2から18の整数を表す。
【0024】
<2>下記一般式(2)で示されるジカルボン酸誘導体と、下記一般式(3)で示されるアゾベンゼン誘導体と、を縮合剤の存在下で反応させて前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーを生成させる光応答性ジカルボン酸モノマーの製造方法。
【0025】
【化10】
【0026】
一般式(2)中、Xは、低級アルキルオキシ基、置換若しくは無置換のベンジルオキシ基、置換若しくは無置換のフェニルオキシ基、低級脂肪酸の酸残基、置換若しくは無置換の安息香酸の酸残基、又はハロゲン原子を示す。Yは、水素原子又は低級アルキル基を示す。mは1から3の整数を示す。
【0027】
【化11】
【0028】
一般式(3)中、Zは、ウイリアムソンのエーテル合成反応条件において求核置換反応を受けて容易に脱離可能な原子団を示す。nは2から18の整数を示す。
【0029】
<3>下記一般式(4)で示される光応答性ポリエステル。
【0030】
【化12】
【0031】
一般式(4)中、Yは、水素原子又は低級アルキル基を示す。Rは置換若しくは無置換の芳香族、脂肪族、又は両者を混合した炭化水素鎖を示す。mは1から3の整数を示す。nは2から18の整数を示す。pは5から2000の整数を示す。
【0032】
<4>前記一般式(4)中のRが、下記一般式(5)で示される官能基である請求項3に記載の光応答性ポリエステル。
【0033】
【化13】
【0034】
一般式(5)中、Uは、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の低級アルキル基、置換若しくは無置換の低級アルケニル基、又は置換若しくは無置換の低級アルキニル基を示す。Wは、エーテル結合、チオエーテル結合、置換イミノ結合、ケトン結合、スルホン結合、又はスルホキシド結合を示す。nは1から4の整数を示す。lは2から18の整数を示す。
【0035】
<5>光記録材料の光照射若しくは熱印加に伴う吸収変化若しくは屈折率変化を利用した光記録可能な光記録媒体であって、該光記録材料が、前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーを構造単位として少なくとも1つ含有する高分子化合物を含む光記録媒体。
【0036】
<6>前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーを構造単位として少なくとも1つ含有する高分子化合物が、前記一般式(4)で示される光応答性ポリエステルである前記<5>に記載の光記録媒体。
【0037】
<7>光記録が、ホログラム記録である前記<5>又は<6>に記載の光記録媒体。
【0038】
<8>ホログラム記録が、入射物体光及び参照光の偏光方向が水平偏光の場合と垂直偏光の場合とで独立に記録可能なホログラム記録である前記<7>に記載の光記録媒体。
【0039】
<9>2次元的形状もしくは3次元的形状に成形された前記<5>〜<8>のいずれかに記載の光記録媒体。
【0040】
本発明の新規化合物である前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマー及び前記一般式(4)で示される光応答性ポリエステルは、吸収極大がシアノアゾベンゼン系のものと比較して20nm短く、可視光の吸収がより小さい。これは、アルキル基は光吸収の源起源となるベンゼン環のπ電子との相互作用がシアノ基と比して飛躍的に小さいためであると推測される。
【0041】
また、前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマー及び前記一般式(4)で示される光応答性ポリエステル中に含まれるシアノベンゼン構造は、液晶形成におけるメソゲンとして、またこれにつながるオキシヘサメチレン構造はテール(尾)としてそれぞれ機能する。一方、この高分子の主鎖構造は柔軟なヘキサメチレン鎖を含むため側鎖の会合による液晶形成を妨げず、この高分子全体で液晶性を示すようになる。さらにこの側鎖の液晶形成に伴い主鎖自身の部分的な配向変化が誘起されることならびに、主鎖に屈折率を高めるp−フェニレン構造が多く含有されているため、液晶の配向方向とそれに垂直な方向について大きな屈折率二色性が誘起される。
【0042】
一方、アゾ基は、光吸収によりシス−トランス光異性化を起こす。シス化したアゾベンゼンは屈曲した構造を有するためもはやメソゲンとして機能しない。このため、この高分子は、光照射により液晶性が失われる光感応性高分子として機能する。この際、液晶性に起因していた諸性質、例えば液晶の主軸方向とこれに垂直な方向の屈折率の二色性も消失する。このような性質は、置換アゾベンゼン構造をメチレン鎖の主鎖に連結した構造の高分子化合物にも共通に見られる可能性がある。その理由は定かではないが、シアノ基がこの高分子化合物の液晶形成に重要ではあるが必ずしも必須であるとは言えないことが推測される。即ち、立体的な大きさがシアノ基と類似しており、分子間の相互作用がシアノ置換体と同程度であるメチル基の場合でも同様の性質は発現すると推測される。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の下記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーついて説明する。(以下、化学式中の「Et」はエチル基を示し、「Pr」はプロピル基を示す。)
【0044】
【化14】
【0045】
一般式(1)中、Xは、低級アルキルオキシ基、置換若しくは無置換のベンジルオキシ基、置換若しくは無置換のフェニルオキシ基、低級脂肪酸の酸残基、置換若しくは無置換の安息香酸の酸残基、又はハロゲン原子を示す。これらの中でも、低級アルキルオキシ基、置換若しくは無置換のフェニルオキシ基、低級脂肪酸の酸残基、ハロゲン原子が好ましい。該置換基としては、メチル基、エチル基、ハロゲン原子、シアノ基、等が挙げられる。
【0046】
前記低級アルキルオキシ基としては、ヒドロキシ基、メチルオキシ基、エチルオキシ基、等が挙げられる。前記ベンジルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、メチルベンジルオキシ基、エチルベンジルオキシ基、クロロベンジルオキシ基、等が挙げられる。前記フェニルオキシ基としては、フェニルオキシ基、メチルフェニルオキシ基、エチルフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、等が挙げられる。前記低級脂肪酸の酸残基としては、アセチルオキシ基、クロロアセチルオキシ基、ジクロロアセチルオキシ基、フルオロアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、シアノアセチルオキシ基、等が挙げられる。前記安息香酸の酸残基としては、ベンゾイルオキシ基、クロロベンゾイルオキシ基、フルオロベンゾイルオキシ基、シアノベンゾイルオキシ基、等が挙げられる。前記、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0047】
一般式(1)中、Yは、水素原子、又は低級アルキル基を示す。該低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、等が挙げられる。
【0048】
一般式(1)中、mは1から3、好ましくは、1である。nは2から18の整数、好ましくは4から12の整数を示す。
【0049】
前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーは、下記一般式(2)で示されるジカルボン酸誘導体と下記一般式(3)で示されるアゾベンゼン誘導体とを縮合剤の存在下で反応させて製造される。
【0050】
【化15】
【0051】
一般式(2)中、X、Y、及びmは、前記一般式(1)中のX、Y、及びmと同様である。
【0052】
【化16】
【0053】
一般式(3)中、Zは、エーテル合成反応条件において求核置換反応を受けて容易に脱離可能な可能な原子団を示す。
【0054】
前記エーテル合成反応条件において求核置換反応を受けて容易に脱離可能な可能な原子団としては、ハロゲン原子、トシル基、トリフルオロアセチルオキシ基等が挙げれる。これらの中でも、臭素原子、トシル基が好ましい。
【0055】
一般式(3)中、nは、2から18、好ましくは4から12の整数を示す。
【0056】
前記縮合剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザ[5,40]ビシクロ−ウンデセン−7、等が挙げられる。これらの中でも、炭酸カリウム、トリエチルアミン、1,8−ジアザ[5,40]ビシクロ−ウンデセン−7が好ましい。
【0057】
本発明の光記録媒体の光記録材料として使用できる新規化合物である、下記一般式(4)で示される光応答性ポリエステルについて説明する。
【0058】
【化17】
【0059】
一般式(4)中、Y、m、及びnは、前記一般式(1)中のY、m、及びnと同様である。pは5から2000、好ましくは5から500、よりに好ましくは10から100の整数を示す。
【0060】
一般式(4)中、Rは、置換若しくは無置換の芳香族、脂肪族、又は両者を混合した炭化水素鎖を示す。該置換基としては、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子、等が挙げられる。
【0061】
前記置換若しくは無置換の芳香族、脂肪族、又は両者を混合した炭化水素鎖としては、下記構造式が挙げられる。
【0062】
【化18】
【0063】
前記置換若しくは無置換の芳香族、脂肪族、又は両者を混合した炭化水素鎖は、エーテル結合、チオエーテル結合、置換イミノ結合、ケトン結合、スルホン結合、スルホキシド結合等ヘテロ原子を含む2官能性の原子団(以下、ヘテロ原子を含む2官能性の原子団という。)を含有していてもよい。
【0064】
前記ヘテロ原子を含む2官能性の原子団を含有する置換若しくは無置換の芳香族、脂肪族、又は両者の混合した炭化水素鎖としては、下記一般式(5)及び(5−a)〜(5−c)で示される官能基が挙げられる。これらの中でも、下記一般式(5)で示される官能基が好ましい。下記一般式(5)で示される官能基としては、下記一般式(5−d)で示される官能基が好ましい。
【0065】
【化19】
【0066】
【化20】
【0067】
一般式(5)中、Uは、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の低級アルキル基、置換若しくは無置換の低級アルケニル基、又は置換若しくは、無置換の低級アルキニル基を示す。これらの中でも、水素原子、低級アルキル基が好ましい。該置換基としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、アルキル基、等が挙げられる。
【0068】
前記ハロゲン原子、低級アルキル基としては、前記挙げられたものと同様である。
【0069】
前記低級アルケニル基としては、ビニル基、等が挙げられる。前記低級アルキニル基としては、プロパギル基、等が挙げられる。
【0070】
一般式(5)中、Wは、エーテル結合、チオエーテル結合、置換イミノ結合、ケトン結合、スルホン結合、又はスルホキシド結合を示す。これらの中でも、エーテル結合、ケトン結合が好ましい。
【0071】
一般式(5)中、nは1から4、好ましくは、1〜2の整数を示す。lは2から18、好ましくは4から10の整数を示す。また、一般式(5−b)〜(5−d)中のlは、一般式(5)中のlと同様である。
【0072】
本発明の光記録媒体の光記録材料として使用できる新規化合物である、前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマー、及び前記一般式(4)で示される光応答性ポリエステルの製造方法を具体的に説明する。
【0073】
前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーは、下記スキーム1に示すようにして合成することができる。
【0074】
【化21】
【0075】
まず、化合物(1)で示されるp−トルイジン(p−メチルアニリン)を亜硝酸塩および酸の作用によりジアゾ化しこれを化合物(2)で示されるフェノールとカップリングさせて化合物(3)で示される4−ヒドロキシ−4−メチルアゾベンゼンを合成する。これと化合物(4)で示される1,6−ジブロモヘキサンとをウイリアムソンのエーテル合成反応条件で反応させて、化合物(5)で示される4−(6−ブロモへキシル)オキシ−4−メチルアゾベンゼンを合成する。これと化合物(6)で示される3−ヒドロキシイソフタル酸のジエチルエステルをやはりウイリアムソンのエーテル合成反応条件で反応させて、前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーの1種である化合物(7)で示されるアゾベンゼンの結合したイソフタル酸の誘導体を合成することができる。ここでウイリアムソンのエーテル合成反応条件としては、プロトン性の極性溶媒(メタノール、エタノールなど)中の反応条件、非プロトン性の極性溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど)中の反応条件、相間移動反応を用いた反応条件などを選択することができる。
【0076】
前記一般式(4)で示される光応答性ポリエステルは、以下のようにして合成することができる。
前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーの1種である前記化合物(7)で示されるアゾベンゼンの結合したイソフタル酸の誘導体は、通常の芳香族ジカルボン酸のジエステルと同様、適当な条件で種々の脂肪族ジオール、芳香環を含むジオール、並びにビスフェノールと縮合することにより、アゾベンゼンの結合したポリエステルに導くことができる。例えば、下記一般式(6)で示されるビスフェノール化合物より誘導されるジオール類と、エステル交換による高温重縮合法により反応させて、前記一般式(4)で示される光応答性ポリエステルの1種である下記一般式(7)で示されるポリエステル化合物を合成することができる。ここで反応条件としては文献に記載の標準的な反応条件を選択することができる[日本化学会編「高分子合成」(実験化学講座28,丸善(1992))p220、大津、木下「高分子合成の実験法」(化学同人(1972))p320]。この際反応触媒として酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酸化アンチモンなどエステル交換による高温重縮合法において有効とされる既知の反応触媒を用いると、より良好な結果が得られる。
【0077】
【化22】
【0078】
一般式(6)中、U、W、n、及びlは、前記一般式(5)中のU、W、n、及びlと同様である。
【0079】
【化23】
【0080】
一般式(7)中、Rは、前記一般式(5)で示される官能基である。
【0081】
以下に、前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマー、及び一般式(4)で示される光応答性ポリエステルの具体例((1−1)〜(1−13)及び(4−1)〜(4−20))を挙げるが、本発明は、これら具体例に何ら限定されない
【0082】
【化24】
【0083】
【化25】
【0084】
【化26】
【0085】
【化27】
【0086】
【化28】
【0087】
【化29】
【0088】
【化30】
【0089】
【化31】
【0090】
本発明の光記録媒体を説明する。
本発明の光記録媒体は、光記録材料の光照射若しくは熱印加に伴う吸収変化若しくは屈折率変化を利用した光記録可能な光記録媒体であって、該光記録材料が、前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーを構造単位として少なくとも1つ含有した高分子化合物を含むものである。
【0091】
本発明の光記録媒体は、基板と前記光記録材料からなる感光層とから構成されてもよく、光記録媒体全体を感光層として、前記光記録材料で形成されてもよい。
【0092】
前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーを構造単位として少なくとも1つ含有した高分子化合物としては、前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーと、前記一般式(5)で示される官能基とを縮合させた前記一般式(4)で示される光応答性ポリエステルであることが好適であるが、前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーと、他のジオール成分とを縮合させたものでよい。該他のジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、等の低級ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、等の高分子ジオール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールP、等の芳香族ジオール、等が挙げられる。
【0093】
前記基板としては、使用波長領域で、透明且つ堅牢で、通常の温度、湿度域で著しい変質、寸法変化がないものであれば特に制限はないが、例えば、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、カリガラス、アクリル板、ポリエステル(PET)シート、等が挙げられる。
【0094】
前記光記録材料は、成膜性、対基板への接着性の向上の目的で、フタル酸エステル類、等の添加剤を添加することができる
【0095】
本発明の光記録媒体は、光記録を実現するため、前記感光層の厚みを、10μm〜5000μm程度、好ましくは、50〜300μmにすることが好適であり、その他、光記録を実現するため、前記光記録材料を、光透過性、平面性、屈折率、等の光物性値、及び強度、寸法安定性等の材料物性値にすることが好適である。
【0096】
本発明の光記録媒体は、光記録材料の光照射若しくは熱印加に伴う吸収変化若しくは屈折率変化を利用した光記録に使用される。
【0097】
前記光記録としては、ホログラム記録、光吸収率変調記録、光反射率変調記録、等が挙げられる。これらの中でも、本発明の光記録媒体に好適な光記録は、ホログラム記録である。
【0098】
前記ホログラム記録としては、記録面に対する法線と入射物体光とのなす角度を変えることにより単一の場所に複数のホログラムを記録可能なホログラム記録、及び記録面に対する入射光の位置を変えることにより重なった領域に複数のホログラムを記録可能なホログラム記録が挙げられるが、本発明の光記録媒体に好適なホログラム記録は、記録面に対する入射光の位置を変えることにより重なった領域に複数のホログラムを記録可能なホログラム記録である。さらに本発明の光記録媒体は、入射物体光及び参照光の偏光方向が水平偏光の場合と垂直偏光の場合とで独立にホログラムを記録することが可能である。
【0099】
以下に、ホログラム記録の原理を、これに使用する装置と共に簡単に説明する。
図2に、SCIENCE・VOL.265・p749・(1994)に記載されているデジタルホログラムメモリの光学系を示す。この例では、記録媒体にLiNbO3 15を用いている。光源6から出た光はビームスプリッタ12によって二つの光波に分けられる。ビームスプリッタ12を透過した光はレンズ10によって口径の広い平行光となり空間光変調器4に入射する。空間光変調器4はコンピュータ11によって制御され、二次元強度分布を持つ信号光1を生成する。この信号光1はレンズ7によってフーリエ変換されて、LiNbO3 15に集光される。一方、ビームスプリッタ12によって反射された光は、ミラー13および14によって反射され、LiNbO3 15に入射する。これが参照光2となる。このように、信号光1と参照光2とを同時にLiNbO3 15に入射させることによって、ホログラム記録を行う。ホログラムの読み出しには、参照光2のみをLiNbO3 15に入射させると、参照光2は、あたかも信号光1がLiNbO3 15を通過したかのように信号光1の光路上に回折され、これをレンズ8でカメラ9上に結像させる。
【0100】
上述のようなホログラム記録、及びデジタルホログラム記録装置では、データ入力に空間光変調器を用い、ビットデータの表示には微分コード法を用いている。図3に示すような微分コード法によるデータの表記では、2画素をペアとして使用し、例えば0を暗明で、1を明暗で表す。このような微分コード法を用いれば、明暗の数は常に同じなので空間光変調器を通過する物体光の光量も一定となる。このため、各ページ毎に参照光の強度を調整する必要が無い。また、ホログラムの再生では光量むらが発生しやすく、白黒レベルの区切りを一様につけるのは難しいが、微分コード法ならエッジを読むだけでよくノイズにも強い。
【0101】
また、微分コード法においては、最低2画素を用いて1ビットのデータを表示するため、画素の利用効率が0.5と低い。このため、1ページに記録できるデータ密度が低下するという問題がある。さらに、微分コード法を用いる場合、ホログラム再生像をCCDなどの二次元受光素子で取り込み、シリアルな電気信号に変換した後、電気的にエッジを読み取ってビットデータに変換するため、処理に時間がかかり転送速度が低下するという問題もある。つまり、ホログラムから並列に複数のビット情報を読み取れても、電気的なデータ処理をシリアルに行うことにより、結果的に速い転送速度が達成できない。
【0102】
そこで、発明者らはS、P偏光で独立に記録を行ないうる材料を利用することにより、材料に照射する信号光の偏光方向を制御して一枚の光記記録媒体にのように記録を行なうことを提案し、偏光ホログラム記録法と名づけた。この方法によれば、前述した微分コード法を用いること無く高いS/N比でデジタルホログラム記録が可能であり、実質的な記録密度を従来の方法に比べて2倍に向上することができる。
【0103】
本発明の光記録媒体は、シート状、テープ状、フィルム状、ディスク状等の2次元的形状もしくは3次元的形状に成形されていることが好適である。具体的な方法としては、光記録材料を、クロロホルム、塩化メチレン、o−ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、アニソール、アセトフェノンなどの脂肪族または芳香族のハロゲン系溶剤、エーテル系溶剤などに溶解し、この溶液からガラス等の基板上に透明かつ強靭なフィルム状の形状に成形する。また、光記録材料の粉末、ペレットもしくはフレーク状の固体をホットプレス法により加熱圧縮することにより、やはりガラス等の基板上に透明かつ強靭なフィルム状の形状に成形することができる。これらのフィルムはそのままの状態、あるいは基板から剥がしたFree−Standingの状態で用いることができる。
【0104】
本発明の光記録媒体の好適な形態としては、下記(1)〜(5)の光記録媒体が挙げられる。
【0105】
(1)ディスク状の形状を有するものであって、これを回転させて書き込み読み取りヘッドを動径上に走査して記録再生を行うことが可能な光記録媒体。
(2)シート状の形状を有するものであって、この上に読み取り書き込みヘッドを2次元方向に走査して記録再生を行うことが可能な光記録媒体。
(3)テープ状の形状を有するものであって、これを巻き取りながらその一定部位を読み取り書き込みヘッドで走査して記録再生を行うことが可能な光記録媒体。
(4)3次元のバルク状の形状を有するものであって、これを固定若しくは移動可能な架台(ステージ)上に固定し、その表面若しくは内部を、可動若しくは固定された読み取り書き込みヘッドで走査して記録再生を行うことが可能な光記録媒体。
(5)フィルム状のものを適当に積層してディスク状、シート状、カード状等の2次元的形状、ドラム状、或いはその他の3次元的形状を有するものであって、これに前記(1)〜(4)に記載の方法で、若しくはこれらを組み合わせた方法でにより、読み取り書き込みヘッドで走査して記録再生を行うことが可能な光記録媒体。
【0106】
本発明の光記録媒体を用いた光記録装置としては、公知のものを用いることができ、例えば図2に示す光学系が挙げられる。図2に示す光学系の中のLiNbO3 15の代わりに適当に成形された本発明の光記録媒体を配し、ホログラムの記録再生を行なわせることができる。
【0107】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが。本発明の趣旨を超えない限り本実施例に限定されるものではない。
【0108】
(5−ヒドロキシイソフタル酸ジエチルの合成)
2リットルの三つ口フラスコに5−ヒドロキシイソフタル酸182g(1mol)、エタノール1500ml、濃硫酸10mlを取り、24時間加熱還流して反応させる。反応終了後、系をロータリーエバポレーターで約1/2になるまで濃縮する。得られた無色の粘稠な溶液を約20%の冷炭酸水素ナトリウム溶液に投入すると、最初液滴が溶液中に浮遊するようになるがすぐにこれが固化して白色塊状の粗製目的物が得られるのでこれをろ別して減圧乾燥する(収量229g(96%))。これをエタノールより再結晶して5−ヒドロキシイソフタル酸ジエチル190gを得る(収率80%)。得られた化合物について、赤外吸収スペクトル(IR)、核磁気共鳴(NMR)、及び融点の測定を行った。以下に測定結果を示す。
【0109】
【0110】
(4’−ヒドロキシ−4’’−メチル−アゾベンゼンの合成)
3リットルのビーカーに6規定塩酸750mlを入れ、ここに細かく砕いたp−アニシジン(4−メチルアニリン)107g(1mol)を入れ、攪拌して十分懸濁させておきここに氷約300gを加えて系を冷却する。一方、亜硝酸ナトリウム80g(1.16mol)を水500mlに溶解させておく。懸濁液中に亜硝酸ナトリウム溶液400mlを20分程度かけて投入し、滴下終了後この溶液を5℃前後で1時間攪拌する。この溶液にフェノール94g(1mol)を2規定水酸化カリウム溶液1リットルに溶解させておいたものを徐々に加え、混合後1晩反応させる。反応終了後生成した沈殿をろ別し、減圧下で乾燥させて粗製の4’−ヒドロキシ−4’’−メチル−アゾベンゼン210g(ほぼ定量的)を得る。このものは特に精製すること無く次の反応に使用した。なお、この化合物の最大吸収波長(λmax)は、345nmであった。
【0111】
(4’−(6−ブロモヘキシル)オキシ−4’’−メチル−アゾベンゼンの合成)
メカニカルスターラーを備えた2リットルの三つ口フラスコに、実施例のように合成した4’−ヒドロキシ−4’’−メチル−アゾベンゼン42.4g(0.2mol)、1,6−ジブロモヘキサン448g(2mol)、無水炭酸カリウム212g(1.5mol)を取り、アセトン800mlを加えて攪拌して懸濁させる。この反応系をアセトンが還流するまで加熱して、ヒドロキシアゾベンゼンとブロモアルカンを反応させる。20時間反応させた後、不溶の塩類をろ別して取り除き、系をロータリーエバポレーターで約1/3になるまで濃縮する。この系を冷蔵庫で冷却すると生成した4’−(6−ブロモヘキシル)オキシ−4’’−メチル−アゾベンゼンが晶出する。生成物をろ過した後、少量の冷アセトン、冷エーテル、n−ヘキサンで順次洗浄した後減圧乾燥して粗製の4’−(6−ブロモヘキシル)オキシ−4’’−メチル−アゾベンゼン38.1gを得る。収量38g(収率50.8%)。これをエタノールから再結晶して4’−(6−ブロモヘキシル)オキシ−4’’−メチル−アゾベンゼン32g(収率42%)を得た。高速液体クロマトグラフィーによる分析から、このものの純度は98.6%以上であった。得られた化合物について、赤外吸収スペクトル(IR)、及び核磁気共鳴(NMR)の測定を行った。以下に測定結果を示す。
【0112】
【0113】
(4,4’− ビス−[6−クロロヘキシルオキシ]−ジフェニルエーテルの合成)
300mlのナスフラスコに4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル20.2g(0.1mol)、6−クロロ−1−ヘキサノール21.2g(0.22mol)、炭酸カリウム41.4g(0.3mol)を取り、N,N−ジメチルホルムアミド100mlを加えて攪拌して懸濁させる。系をオイルバスにて150℃に加熱し、24時間反応させる。反応終了後、系を少量の塩酸を含む水1lに投入し、生成した白色粉状物質をろ別、乾燥して粗製の4,4’−ビス−[6−クロロヘキシルオキシ]−ジフェニルエーテル31gを得る(収率71%)。これを水−N,N−ジメチルホルムアミド系より再結晶して精製した4,4’−ビス−[6−クロロヘキシルオキシ]−ジフェニルエーテル26gを得る。得られた化合物について、赤外吸収スペクトル(IR)の測定を行った。以下に測定結果を示す。
【0114】
【0115】
(4,4’− ビス−[6−クロロヘキシルオキシ]−ジフェニルケトンの合成)
300mlのナスフラスコに4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル21.4g(0.1mol)、6−クロロ−1−ヘキサノール21.2g(0.22mol)、炭酸カリウム41.4g(0.3mol)を取り、N,N−ジメチルホルムアミド100mlを加えて攪拌して懸濁させる。系をオイルバスにて150℃に加熱し、24時間反応させる。反応終了後、系を少量の塩酸を含む水1lに投入し、生成した白色粉状物質をろ別、乾燥して粗製の4,4’−ビス−[6−クロロヘキシルオキシ]−ジフェニルエーテル33gを得る(収率73.2%)。これを水−N,N−ジメチルホルムアミド系より再結晶して精製した4,4’− ビス−[6−クロロヘキシルオキシ]−ジフェニルエーテル27gを得る。得られた化合物について、赤外吸収スペクトル(IR)の測定を行った。以下に測定結果を示す。
【0116】
【0117】
[実施例1]
(5−[6−{4’−(4’’−メチル−フェニルアゾ)フェノキシ}ヘキシルオキシ]−イソフタル酸ジエチルの合成)
1リットルの三つ口フラスコに、5−ヒドロキシイソフタル酸ジエチル16.6g(0.07mol)、4’−(6−ブロモヘキシル)オキシ−4’’−メチル−アゾベンゼン26.1g(0.07mol)、無水炭酸カリウム15.1g(0.11mol)を取り、ここにアセトン300mlを加える。この系を24時間加熱還流して両者を反応させる。反応終了後系を冷水1500mlに投入し、生成した5−[6−{4’−(4’’−メチル−フェニルアゾ)フェノキシ}ヘキシルオキシ]−イソフタル酸ジエチルをろ別、減圧乾燥する。収量35.1g(83 %)。これをアセトンから2回再結晶して目的物である5−[6−{4’−(4’’−メチル−フェニルアゾ)フェノキシ}ヘキシルオキシ]−イソフタル酸ジエチル30.1g(80.1%)を得る。高速液体クロマトグラフィーによる分析から、このものの純度は98.5%以上であった。得られた化合物について、赤外吸収スペクトル(IR)、及び核磁気共鳴(NMR)の測定を行った。以下に測定結果を示す。
【0118】
【0119】
[実施例2]
(5−[6−{4’−(4’’−メチル−フェニルアゾ)フェノキシ}ヘキシルオキシ]−イソフタル酸ジエチルと4,4’−ビス−[6−クロロヘキシルオキシ]−ジフェニルエーテルからのポリエステルの合成)
5−[6−{4’−(4’’−メチル−フェニルアゾ)フェノキシ}ヘキシルオキシ]−イソフタル酸ジエチル5.43g(0.1mol)、4,4’−ビス−[6−クロロヘキシルオキシ]−ジフェニルエーテル4.39g(0.1mol)、無水酢酸亜鉛0.1gを真空減圧装置および攪拌装置を備えた100mlの三つ口フラスコに取り、窒素雰囲気下で攪拌、加熱しつつ、160℃で2時間、約10Torrの減圧下で20分反応させる。次いで30分かけて系を徐々に2Torrまで減圧させつつ180℃まで昇温する。反応終了後系をクロロホルムに溶解し、メタノールに投入して粗製のポリマーを取り出す。これをもう一度再沈殿した後、熱メタノール、熱水で煮沸洗浄した後ろ別、減圧乾燥して目的のポリエステルを取り出す。収量9.01g(収率94%)。得られたポリエステルの固有粘度(ηsp/c)、元素分析、吸収極大波長(λmax )、吸収端(λcut−off)の測定を行った。以下に測定結果を示す。
【0120】
【0121】
[実施例3]
(5−[6−{4’−(4’’−メチル−フェニルアゾ)フェノキシ}ヘキシルオキシ]−イソフタル酸ジエチルと4,4’−ビス−[6−クロロヘキシルオキシ]−ジフェニルケトンからのポリエステルの合成)
モノマーとして4,4’−ビス−[6−クロロヘキシルオキシ]−ジフェニルエーテルの代わりに4,4’−ビス−[6−クロロヘキシルオキシ]−ジフェニルケトンを相当量用いる以外には、実施例2と同様にしてして目的のポリエステルを得る(収量8.99g(収率93%))。
得られたポリエステルの固有粘度(ηsp/c)、元素分析、吸収極大波長(λmax )、吸収端(λcut−off)の測定を行った。以下に測定結果を示す。
【0122】
【0123】
[実施例4]
(実施例2で合成したポリエステルを用いたホログラム記録)
図2で示した光学系を用い、実施例2で合成したポリエステルをガラス板上に薄膜状に塗布した試料を用いホログラム記録を行った。即ち、図2中のLiNbO3 15の代わりに前記試料を配置して、ここに信号光1及び参照光2との干渉により生じるホログラムを記録させた。この時の試料面は、信号光1及び参照光2との角度が45度をなすように配置した。
【0124】
その結果、波長532nm、515nmのいずれかの入射光を用いた場合にもホログラムの記録が可能であることがわかった。即ち、空間光変調器4により発生させた任意のパターンの情報をもった信号光1及び参照光2を試料に約0.1秒照射したところ、空間変調器4に示したパターンが再生されることがわかった。さらにこの試料において単一の場所に対して、ホログラムの多重記録が可能であることがわかった。即ち、ここで試料面に対する法線と入射光とのなす角度を変えて複数のホログラムを記録させたところ、この角度が相互に0.1度以上異なる場合に別々のホログラムを記録−再生が可能であることがわかった(角度多重ホログラムの記録−再生)。
【0125】
さらにこのホログラムの入射光の偏光方向の依存性を見るためにビームスプリッター12を偏光ビームスプリッターに代えてs偏光又はp偏光のみを参照光2側に取り出し、この際信号光1方向に取り出される光は参照光2とは逆の偏光特性、即ち、p偏光又はs偏光となっているが、これに対してコリメートレンズ10の前に1/2波長板を配してその偏光方向を90度回転させた。このようにして参照光2及び信号光1が互いにs偏光又はp偏光となるようにしてホログラムを記録させたところ、信号光1若しくは参照光2と試料面とがなす角度が同一の場合でも、各々独立にホログラムの記録−再生が可能であることがわかった(偏光多重ホログラムの記録−再生)。
【0126】
[実施例5]
(実施例3で合成したポリエステルを用いたホログラム記録)
試料として実施例2で合成したポリエステルの代わりに実施例3で合成したポリエステルを用いた以外は、実施例4と同様に角度多重ホログラム、及び偏光多重ホログラムの記録−再生実験を行ったところ、実施例4と同様の結果を得た。
【0127】
[参考例5]
(前記一般式(α)で示されるポリエステル化合物を用いたホログラム記録)
試料として実施例2で合成したポリエステルの代わりに前記一般式(α)で示されるポリエステル化合物を用いた以外は、実施例4と同様に角度多重ホログラムの記録−再生実験を行った。
【0128】
その結果、波長532nmの入射光を用いた場合には、実施例4及び実施例5と同様な多重ホログラムの記録−再生が可能であった。一方、波長515nmの入射光を用いた場合には、ホログラムの記録−再生は可能であるが、再生されたホログラムのS/N比は、実施例4及び実施例5と比較して大きく劣るものであった。これは、前記一般式(α)で示される高分子化合物は、シアノ基を有することにより、実施例2及び実施例3で合成したポリエステルと比較して吸収が長波長に有るため(吸収極大波長λmax =365nm、吸収ピークが全体に10〜20nm長波長側にシフトした上、さらに長波長になだらかに吸収を有する)、試料が光を吸収し、これにより発生した熱により記録が消去されたか若しくは試料が損傷したためと考えられる。実際、実験後の試料において、試料面が白化、脱色したり、逆に黒く酸化するなどの損傷が確認できた。
【0129】
本発明の新規化合物は、光記録性を損なうこと無く、且つ、利用可能波長領域が広く、光吸収に起因する損失が少ない、多重度、記録保持性に優れホログラム記録媒体として好適なものである。
【0130】
【発明の効果】
以上により、本発明は、光記録材料として有用な新規化合物とその製造方法を提供することができる。また、光記録性を損なうこと無く、且つ、利用可能波長領域が広く、光吸収に起因する損失が少ない、メモリー性、変調度、多重度、記録保持性に優れた光記録媒体、さらに、ホログラム記録特に偏光ホログラム記録に適した光記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フォトリフラクティブ効果すなわち光照射により誘起される屈折率変化のメカニズムを示す図である
【図2】デジタルホログラムメモリの光学系を示す図である。
【図3】微分コード法による記録の概念を示す図である。
【符号の説明】
1 信号光
2 参照光
3 回折光
4 空間光変調器
5 光記録媒体
6 光源
7 フーリエ変換レンズ
8 フーリエ変換レンズ
9 二次元受光素子
10 コリメートレンズ
11 コンピュータ
12 ビームスプリッタ
13 ミラー
14 ミラー
15 LiNbO3
Claims (9)
- 下記一般式(2)で示されるジカルボン酸誘導体と、下記一般式(3)で示されるアゾベンゼン誘導体と、を縮合剤の存在下で反応させて前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーを生成させる光応答性ジカルボン酸モノマーの製造方法。
- 光記録材料の光照射若しくは熱印加に伴う吸収変化若しくは屈折率変化を利用した光記録可能な光記録媒体であって、該光記録材料が、前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーを構造単位として少なくとも1つ含有する高分子化合物を含むことを特徴とする光記録媒体。
- 前記一般式(1)で示される光応答性ジカルボン酸モノマーを構造単位として少なくとも1つ含有する高分子化合物が、前記一般式(4)で示される光応答性ポリエステルである請求項5に記載の光記録媒体。
- 光記録が、ホログラム記録である請求項5又は6に記載の光記録媒体。
- ホログラム記録が、入射物体光及び参照光の偏光方向が水平偏光の場合と垂直偏光の場合とで独立に記録可能なホログラム記録である請求項7に記載の光記録媒体。
- 2次元的形状もしくは3次元的形状に成形された請求項5〜8のいずれかに記載の光記録媒体。
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