JP2005266609A - 光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】保護層等の光透過性を有する部材(光透過層)を介して記録層に光を照射することにより記録/再生を行う場合に、光透過層を設けない場合と同等あるいはそれ以上の感度を得ることができる光記録媒体を提供すること。
【解決手段】 光照射による屈折率変化を利用して情報を記録する記録層と、該記録層の少なくとも片面に接して設けられた光透過層とを含み、前記光透過層を介して前記記録層に光を照射することにより、情報の記録を少なくとも行う光記録媒体において、前記光透過層の屈折率が、前記記録層の最大屈折率と同等あるいはそれ以下であることを特徴とする光記録媒体。
【選択図】 なし
【解決手段】 光照射による屈折率変化を利用して情報を記録する記録層と、該記録層の少なくとも片面に接して設けられた光透過層とを含み、前記光透過層を介して前記記録層に光を照射することにより、情報の記録を少なくとも行う光記録媒体において、前記光透過層の屈折率が、前記記録層の最大屈折率と同等あるいはそれ以下であることを特徴とする光記録媒体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ホログラム記録を利用した光記録媒体に関するものである。
近年、高密度記録や多重記録等が可能であることなどから、ホログラム記録が活発に検討されている。このようなホログラム記録には、記録材料の透過率変化を利用した振幅ホログラムを利用したものや、記録材料の屈折率変化や、凹凸変化を利用した位相ホログラムを利用したものが知られている。
このようなホログラム記録に用いられる記録材料の中でも、光を照射することにより屈折率が変化する光屈折率変化材料(以下、「フォトリフラクティブ材料」と略す場合がある)について多くの検討が成されてきており、任意の形状に加工することが容易であることや、感応波長の調節が容易であることなどから、有機系のフォトリフラクティブ材料が活発に検討されている。フォトリフラクティブ材料では、光照射により電荷が発生し、これらが移動してトラップされ、結果として内部電場発生し、この内部電場によりポッケルス効果発現して、屈折率変化が生じる。この屈折率変化によってホログラムが形成される。
しかしながら、有機フォトリフラクティブ材料では、ポッケルス効果を有効に発現させるために、分子を配向させる必要があり、外部電場を必要とする。外部電場の必要性は、応用上の重要な課題となる。
しかしながら、有機フォトリフラクティブ材料では、ポッケルス効果を有効に発現させるために、分子を配向させる必要があり、外部電場を必要とする。外部電場の必要性は、応用上の重要な課題となる。
一方、外部電場を必要としないホログラム材料としては、代表的には光異性化基としてアゾベンゼン骨格を有するような有機材料、特にポリマー材料などが知られている(例えば、特許文献1〜6等参照)。ホログラム記録には、アゾベンゼンの光異性化反応が重要な役割を果たす。アゾポリマーに直線偏光を照射すると、トランス−シス−トランスの異性化サイクルを通してアゾベンゼンの再配向が生じる。この再配向によって、光学異方性、すなわち、2色性および複屈折が誘起され、ホログラム記録ができる。
ホログラム記録に際しては、利便性等の点から、何らかの基体や基板上にホログラム記録材料を含む記録層を設けたような構成を有する光記録媒体が用いられる。また、光異性化材料を利用したホログラム記録では、記録情報に対応した光を記録層に照射し、この記録層に含まれる光異性化材料が光を吸収し、その屈折率を変化させることにより行われる。
また、光異性化材料の屈折率変化を利用した光記録媒体の実用化を考慮した場合、記録層を保護するために、その表面には保護層を設けたり、剛性を確保するために、基板上に記録層を設けたりする場合がある。このような構成からなる光記録媒体で、記録/再生を行う場合には、記録層の少なくとも片面側に設けられた光透過性を有する保護層や基板等の部材を介して光を照射する必要がある。
しかし、従来の光記録媒体に関する検討は、記録層を構成する光異性化材料にのみ着目したものが殆どであり、光記録媒体を構成する記録層以外の部材〜すなわち保護層や基板のような光透過性の部材が、記録/再生時の特性にどのような影響を及ぼすのかについては現時点では殆ど検討されていない。
特許第2834470号公報
特開2001−201634号公報
特開2000−105529号公報
特開2000−109719号公報
特開2000−264962号公報
特開2001−294652号公報
しかし、従来の光記録媒体に関する検討は、記録層を構成する光異性化材料にのみ着目したものが殆どであり、光記録媒体を構成する記録層以外の部材〜すなわち保護層や基板のような光透過性の部材が、記録/再生時の特性にどのような影響を及ぼすのかについては現時点では殆ど検討されていない。
一方、本発明者らは、基板上に、光異性化材料を含む記録層、保護層をこの順番に設けた光記録媒体において、保護層のみについてその構成・種類を種々変えた光記録媒体を作製し、保護層を介して光を照射することにより記録/再生を行った場合に感度が異なる場合があることを確認した。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、保護層等の光透過性を有する部材(光透過層)を介して記録層に光を照射することにより記録/再生を行う場合に、光透過層を設けない場合と同等あるいはそれ以上の感度を得ることができる光記録媒体を提供することを課題とする。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、保護層等の光透過性を有する部材(光透過層)を介して記録層に光を照射することにより記録/再生を行う場合に、光透過層を設けない場合と同等あるいはそれ以上の感度を得ることができる光記録媒体を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1>
光照射による屈折率変化を利用して情報を記録する記録層と、該記録層の少なくとも片面に接して設けられた光透過層とを含み、
前記光透過層を介して前記記録層に光を照射することにより、情報の記録および再生を行う光記録媒体において、
前記光透過層の屈折率が、前記記録層の最大屈折率と同等あるいはそれ以下であることを特徴とする光記録媒体である。
<1>
光照射による屈折率変化を利用して情報を記録する記録層と、該記録層の少なくとも片面に接して設けられた光透過層とを含み、
前記光透過層を介して前記記録層に光を照射することにより、情報の記録および再生を行う光記録媒体において、
前記光透過層の屈折率が、前記記録層の最大屈折率と同等あるいはそれ以下であることを特徴とする光記録媒体である。
<2>
前記光透過層が2以上の層から構成され、その等価屈折率が前記記録層の最大屈折率と同等あるいはそれ以下であることを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
前記光透過層が2以上の層から構成され、その等価屈折率が前記記録層の最大屈折率と同等あるいはそれ以下であることを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
<3>
前記光透過層が、前記記録層の片面に、中間層および保護層の順で積層された2つの層から構成されることを特徴とする<2>に記載の光記録媒体である。
前記光透過層が、前記記録層の片面に、中間層および保護層の順で積層された2つの層から構成されることを特徴とする<2>に記載の光記録媒体である。
<4>
前記光透過層の消衰係数が0.5以下であることを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
前記光透過層の消衰係数が0.5以下であることを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
<5>
前記光透過層の厚みが、0.1〜100μmの範囲内であることを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
前記光透過層の厚みが、0.1〜100μmの範囲内であることを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
<6>
前記記録層と、該記録層の両面に設けられた第1の保護層および第2の保護層とを含み、
前記第1の保護層および前記第2の保護層から選択される少なくとも一方の保護層が、前記光透過層であり、
前記記録層の厚みが少なくとも100μm以上であることを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
前記記録層と、該記録層の両面に設けられた第1の保護層および第2の保護層とを含み、
前記第1の保護層および前記第2の保護層から選択される少なくとも一方の保護層が、前記光透過層であり、
前記記録層の厚みが少なくとも100μm以上であることを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
<7>
基板と、該基板の片面側に、前記記録層および前記光透過層をこの順に少なくとも設けたことを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
基板と、該基板の片面側に、前記記録層および前記光透過層をこの順に少なくとも設けたことを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
<8>
基板と、該基板の片面側に、反射層、前記記録層および前記光透過層をこの順に少なくとも設けたことを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
基板と、該基板の片面側に、反射層、前記記録層および前記光透過層をこの順に少なくとも設けたことを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
<9>
前記記録層が、アゾ系ポリマーを含むことを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
前記記録層が、アゾ系ポリマーを含むことを特徴とする<1>に記載の光記録媒体である。
以上に説明したように本発明によれば、、保護層等の光透過性を有する部材(光透過層)を介して記録層に光を照射することにより記録/再生を行う場合に、光透過層を設けない場合と同等あるいはそれ以上の感度を得ることができる光記録媒体を提供することができる。
本発明の光記録媒体は、光照射による屈折率変化を利用して情報を記録する記録層と、該記録層の少なくとも片面に接して設けられた光透過層とを含み、前記光透過層を介して前記記録層に光を照射することにより、情報の記録および再生を行う光記録媒体において、前記光透過層の屈折率が、前記記録層の最大屈折率と同等あるいはそれ以下であることを特徴とする。
従って、本発明の光記録媒体は、光透過層を介して記録層に光を照射することにより記録/再生を行うため、光透過層を設けない光記録媒体と同等あるいはそれ以上の感度を得ることができる。
このような効果についてより具体的に説明する。本発明の光記録媒体における情報の記録は、記録層に対して光(以下、「信号光」と称す場合がある)を照射し、光が照射された部分の屈折率変化を利用して行われ、この際、情報は記録層に屈折率の分布(干渉縞)として記録される。また、一旦記録層に記録された情報の再生は、干渉縞が形成された記録層に対して光(以下、「参照光」と称す場合がある)を照射した際に発生する再生光(回折光)をそのまま利用したり、CCD等により電気的信号に変換する等により行われる。
このような効果についてより具体的に説明する。本発明の光記録媒体における情報の記録は、記録層に対して光(以下、「信号光」と称す場合がある)を照射し、光が照射された部分の屈折率変化を利用して行われ、この際、情報は記録層に屈折率の分布(干渉縞)として記録される。また、一旦記録層に記録された情報の再生は、干渉縞が形成された記録層に対して光(以下、「参照光」と称す場合がある)を照射した際に発生する再生光(回折光)をそのまま利用したり、CCD等により電気的信号に変換する等により行われる。
ここで、情報の記録に際しては、光透過層の屈折率が記録層の最大屈折率よりも小さい場合には、光透過層を設けない場合と比較してフーリエ変換された信号光の光記録媒体表面での反射が減少し、記録層への入射光量が増加することで、干渉縞形成効果が大きくなる傾向にあるため、干渉縞の屈折率の最も高い部分と最も低い部分との屈折率差が、同程度あるいはそれ以上を得ることができる。このため、再生時には光透過層を設けない場合と比較して、同程度またはより高い感度を得ることができる。さらに、参照光の光記録媒体表面での反射を少なくする効果もあり、参照光位置の角度依存性を小さくすることから装置設計上、有利である。特に光源に球面参照波を使った場合や角度多重ホログラム法には有効である。
一方、光透過層の屈折率が記録層の最大屈折率よりも大きい場合には、光透過層を設けない場合と比較してフーリエ変換された信号光の光記録媒体表面で反射しやすくなり、記録層への入射光量が減少して干渉縞形成効果が小さくなる傾向にあるため、感度が、同程度あるいはそれ以下となる。このため、再生時には光透過層を設けない場合と比較して、同程度またはより低い感度しか得ることができない。
一方、光透過層の屈折率が記録層の最大屈折率よりも大きい場合には、光透過層を設けない場合と比較してフーリエ変換された信号光の光記録媒体表面で反射しやすくなり、記録層への入射光量が減少して干渉縞形成効果が小さくなる傾向にあるため、感度が、同程度あるいはそれ以下となる。このため、再生時には光透過層を設けない場合と比較して、同程度またはより低い感度しか得ることができない。
なお、「記録層の最大屈折率」とは、記録層を構成する材料に情報の記録に利用する波長域の光を光透過層を介さずに照射した際に、この材料の屈折率変化により得られる最大の屈折率を意味する。
また、上述したように光透過層の屈折率(以下、「Nt」と称す場合がある)は、記録層の最大屈折率(以下、「Nmax」と称す場合がある)と同等あるいはそれ以下であればよい。
また、上述したように光透過層の屈折率(以下、「Nt」と称す場合がある)は、記録層の最大屈折率(以下、「Nmax」と称す場合がある)と同等あるいはそれ以下であればよい。
なお、光透過層が1層のみからなる場合には、単純にこの層の屈折率を、光透過層の屈折率Ntとして扱うことができるが、光透過層が相互に異なる屈折率からなる2つ以上の層から構成される場合には、各々の層の屈折率を用いて求めた等価屈折率を、光透過層の屈折率Ntとして代用することができる。
例えば、光透過層が、入射光側から第1の層とこの第1層と記録層に接して設けられる第2の層とから構成される場合には、下式(2)で表される等価屈折率を光透過層の屈折率Ntとして代用することができる。
例えば、光透過層が、入射光側から第1の層とこの第1層と記録層に接して設けられる第2の層とから構成される場合には、下式(2)で表される等価屈折率を光透過層の屈折率Ntとして代用することができる。
ここで、式(1)中、Nt’は等価屈折率、npは第1の層の屈折率、dpは第1の層の膜厚、nqは第2の層の屈折率、dqは第2の層の膜厚を表し、gp、gqはそれぞれ下式(2)、下式(3)で表されるパラメーターを意味する。
但し、式(2)および(3)中、λは、情報の記録に際して、光透過層を介して記録層に照射される光の波長を表し、その他のパラメーターは、式(1)中に示したものと同じである。
なお、光透過層が2つ以上の層から構成される具体例としては、情報の記録に際して記録層の光が入射する側の面に、屈折率の異なる保護層を2つ以上積層した構成や、記録層側から中間層と保護膜(あるいは基板)とをこの順に積層した場合等が挙げられる。
なお、光透過層が2つ以上の層から構成される具体例としては、情報の記録に際して記録層の光が入射する側の面に、屈折率の異なる保護層を2つ以上積層した構成や、記録層側から中間層と保護膜(あるいは基板)とをこの順に積層した場合等が挙げられる。
但し、光透過層と記録層との屈折率の比較において、光透過層が2つ以上の層から構成される場合であっても、いずれか1層が、他の層に対して極めて薄く、屈折率の点で実質的に無視できる厚みである場合には、この層の屈折率は考慮しなくてもよい。例えば、記録層側から、光透過層として中間層と基板とを積層した場合において、中間層が、基板と記録層との接着性を確保するために基板に対して相対的に極めて薄い層である場合には、中間層の屈折率は無視してもよい。
次に、光透過層の屈折率以外の光学的機能について説明する。光透過層は、少なくとも信号光を十分に透過する必要がある。
なお、信号光の光源としては、光源として比較的安価な半導体レーザが利用でき、その波長が350から800nmの範囲内であることが好ましく、400から650nmの範囲内であることがより好ましい。従って、このような波長を有する信号光を透過するものであることが好ましく、その透過率は具体的には70%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましい。
なお、信号光の光源としては、光源として比較的安価な半導体レーザが利用でき、その波長が350から800nmの範囲内であることが好ましく、400から650nmの範囲内であることがより好ましい。従って、このような波長を有する信号光を透過するものであることが好ましく、その透過率は具体的には70%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましい。
なお、参照光が、情報の再生に際して光透過層を介して記録層に照射される場合にも、信号光と同様にその透過率は具体的には70%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましい。
また、光透過層の消衰係数は0.5以下であることが好ましく、0.2以下であることが好ましい。
光透過層の厚みは、光透過層が、剛性を確保するために必然的に肉厚である基板の機能を兼ねていない場合(例えば、保護膜や、保護膜と中間膜とからなる場合等)には0.1〜100μmの範囲内であることが好ましく、1〜40μmの範囲内であることが好ましい。
光透過層の厚みが0.1μm未満である場合には、光学的には有利ではあるが、引っかきや衝撃などの力学要因により機械的損傷しやすい場合がある。
光透過層の厚みが40μmを超える場合には、耐機械的損傷には有利ではあるが、記録層への入射光の光学品質低下を招き易い場合がある。
光透過層の厚みが0.1μm未満である場合には、光学的には有利ではあるが、引っかきや衝撃などの力学要因により機械的損傷しやすい場合がある。
光透過層の厚みが40μmを超える場合には、耐機械的損傷には有利ではあるが、記録層への入射光の光学品質低下を招き易い場合がある。
また、光透過層を構成する材料は、光学的機能の他に、光透過層に求められるその他の機能(例えば、基板の機能を兼ねる場合には剛性等、保護膜の機能を兼ねる場合には、磨耗やスクラッチ等に対する機械的耐久性等)も考慮して適宜選定されるが、情報の記録に用いる光に対する透過性や、特に屈折率等の光学的機能の点からは、屈折率が1.0〜1.9の範囲内の光透過性の材料を用いることが好ましい。
このような光透過性の材料としては、例えば紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、エポキシ樹脂、シリケート樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性樹脂などを挙げることができる。なお、光学的機能以外の点も考慮した場合〜保護層の機能や基板の機能を兼ねる場合の詳細については後述する。
また、記録層を構成する材料としては、高い感度が得られたり、高密度記録に適している等の観点から、光照射によりシス−トランス異性化が起こるアゾベンゼン骨格(アゾ基の両端にベンゼン環を設けた構造)を含む高分子系の光屈折率変化材料(以下、「アゾ系ポリマー」と称す場合がある)を用いることが好ましい。このようアゾ系ポリマーを記録層を構成する材料として用いる場合には、光透過層を構成する材料としては、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトン等を用いることが好ましい。
また、記録層を構成する材料としては、高い感度が得られたり、高密度記録に適している等の観点から、光照射によりシス−トランス異性化が起こるアゾベンゼン骨格(アゾ基の両端にベンゼン環を設けた構造)を含む高分子系の光屈折率変化材料(以下、「アゾ系ポリマー」と称す場合がある)を用いることが好ましい。このようアゾ系ポリマーを記録層を構成する材料として用いる場合には、光透過層を構成する材料としては、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトン等を用いることが好ましい。
−光屈折率変化材料−
本発明の光記録媒体の記録層には、上述したアゾ系ポリマーのような光を照射した際に屈折率が変化する光屈折率変化材料が少なくとも用いられる。この光屈折率変化材料としては、公知の光屈折率変化材料を用いることが可能である。
例えば、無機材料では、チタン酸バリウムやニオブ酸リチウム、ケイ酸ビスマスなどの無機強誘電体結晶などを挙げることができる。しかしながら、本発明においては、形状加工の容易さや感応波長の調整が容易などの点から、有機材料系の光屈折率変化材料を用いることがより好ましい。さらに、本発明においては、屈折率を変化させる場合に外部電場が不要である光異性化基を含む高分子材料や低分子材料を用いることが好適である。
本発明の光記録媒体の記録層には、上述したアゾ系ポリマーのような光を照射した際に屈折率が変化する光屈折率変化材料が少なくとも用いられる。この光屈折率変化材料としては、公知の光屈折率変化材料を用いることが可能である。
例えば、無機材料では、チタン酸バリウムやニオブ酸リチウム、ケイ酸ビスマスなどの無機強誘電体結晶などを挙げることができる。しかしながら、本発明においては、形状加工の容易さや感応波長の調整が容易などの点から、有機材料系の光屈折率変化材料を用いることがより好ましい。さらに、本発明においては、屈折率を変化させる場合に外部電場が不要である光異性化基を含む高分子材料や低分子材料を用いることが好適である。
次に、本発明において用いることができる有機材料系の光屈折率変化材料についてより詳細に説明する。
有機材料系の光屈折率変化材料としては、光を照射することにより、異性化反応を示す部分構造(例えば、シス−トランス異性や、シン−アンチ異性等)を含み、この部分構造の異性化により屈折率変化を引き起こす有機材料を用いることができる。
有機材料系の光屈折率変化材料としては、光を照射することにより、異性化反応を示す部分構造(例えば、シス−トランス異性や、シン−アンチ異性等)を含み、この部分構造の異性化により屈折率変化を引き起こす有機材料を用いることができる。
本発明においては、光屈折率変化材料が、光照射によりシス−トランス異性化が起こるアゾベンゼン骨格を含むことが好ましい。このようなアゾベンゼン骨格のシス−トランス異性化反応を以下の異性化反応例1に示す。
また、光屈折率変化材料が高分子材料である場合には、アゾベンゼン骨格等を含む光異性化基(当該光異性化基とは、光を照射することにより、異性化反応を示す基を意味する)が側鎖部分に含まれていることが好ましい。このような高分子材料は、主鎖の構造と側鎖の構造とに分けて、多様な分子設計が可能であるため、吸収係数のみならず、感応波長域や、応答速度、記録保持性等のホログラム記録に必要な種々の物性を高いレベルで所望の値に調整することが容易であるというメリットがある。例えば、側鎖に、光異性化基に加えて、ビフェニル誘導体等の液晶性の線状メソゲン基を導入した場合には、光異性化基の光照射による配向変化を増強・固定化することができるため、吸収ロスを抑制することができる。
また、アゾベンゼン骨格を含むもの以外にも光屈折率変化材料としては、ジアリールエテン類を含む材料が利用できる。ジアリールエテン類はフォトクロミズムを示す。これはフルギドなどと同じく変換が光のみで起こる6π電子環状反応である。ジアリールエテン類はスチルベン類の一種であると言える。ジアリールエテン類のフォトクロミズムはトランス−シス異性化であり、その特徴は熱安定性および繰返し耐久性が高いことである。以下に代表的なジアリールエテン類の化学構造式の一例とその異性化反応例(異性化反応例2)とを示す。
例えば、ポリビニルアルコール(PVA)やポリメチルメタクリレート(PMMA)などにジアリールエテンを分散させた材料を記録層として形成した光記録媒体では、波長が500nm付近の光を照射すると無色になり、波長が360nm付近の光を照射すると発色する。この吸収の変化を利用してホログラム記録を行うことができる。
また、スピロピランを含む材料も光屈折率変化材料として利用できる。研究報告が最も多いフォトクロミック化合物はスピロピラン類である。スピロピラン類は一部実用化されているものもあり、最も期待されている化合物の一つである。以下に代表的なスピロピラン類の化学構造式の一例とその異性化反応例(異性化反応例3)とを示す。
スピロピラン類は、光により青色を呈しコントラストが良好である。スピロピラン類を含む高分子材料は、一般に、紫外光で無色から先ねな発色をする、発色速度が速い、暗所に放置した時の消色は遅いといった特徴があり、このような特徴を有するスピロピラン類は本発明の光記録媒体に用いる光屈折率変化材料として利用することができる。
また、その他にもウラニン、エリトロシンB、エオシンYなどに代表されるキサンテン系色素を挙げることができる。以下に代表的なキサテン系色素の一例であるウラニンの化学構造式とその異性化反応例(異性化反応例4)とを示す。キサテン系色素を用いた場合には比較的強度の弱い光を用いても光記録媒体に対して情報を記録することができる。また、キサンテン系色素を用いて光記録媒体を作製する場合には、例えば、PVAやPMMAなどにキサンテン系色素を分散させた材料を利用することができる。
さらに、フルギドを含む材料も光屈折率変化材料として利用できる。以下に代表的なキフルキドの化学構造式の一例とその異性化反応例(異性化反応例5)とを示す。なお、フルキドは波長365nmの紫外線により発色し、波長515nmや532nmなどのグリーンの光により異性化するため、この特性を利用して光記録媒体に適用することができる。
−光記録媒体の構成および製造方法−
次に、本発明の光記録媒体の構成について詳細に説明する。本発明の光記録媒体は、上述したような光屈折率変化材料を含む記録層を少なくとも有するものであるが、この記録層は、基板(あるいは基体)上に設けられていることが好ましい。また、記録層と基板との間に反射層を設けることもできる。また、記録層を保護する保護層を、記録層の基板が設けられた側の面と反対側の面上に設けることができる。また、1対の基板間に記録層が挟持された構成であってもよい。加えて、基板と、反射層や記録層、あるいは、反射層、記録層、保護層の各々の層の間の接着性等を確保する等の目的で必要に応じて中間層を設けることもできる。
次に、本発明の光記録媒体の構成について詳細に説明する。本発明の光記録媒体は、上述したような光屈折率変化材料を含む記録層を少なくとも有するものであるが、この記録層は、基板(あるいは基体)上に設けられていることが好ましい。また、記録層と基板との間に反射層を設けることもできる。また、記録層を保護する保護層を、記録層の基板が設けられた側の面と反対側の面上に設けることができる。また、1対の基板間に記録層が挟持された構成であってもよい。加えて、基板と、反射層や記録層、あるいは、反射層、記録層、保護層の各々の層の間の接着性等を確保する等の目的で必要に応じて中間層を設けることもできる。
特に、記録層の膜厚が100μm以上である場合(以下、「厚膜媒体」と称す場合がある)には、記録層の両面にそれぞれ保護層(第1の保護層および第2の保護層)を設けた構成であることが好ましい。この場合、第1の保護層または第2の保護層から選択される少なくとも一方が光透過層として機能する。
また、記録層の膜厚が100μm未満の場合(以下、「薄膜媒体」と称す場合がある)には、基板上に、記録層と保護層とをこの順に積層した構成や、基板上に反射層と記録層と保護層とをこの順に積層した構成とすることが好ましい。この場合、保護層が光透過層として機能するが、反射層を設けない場合には、基板が光透過層として機能するものであってもよい。
また、記録層の膜厚が100μm未満の場合(以下、「薄膜媒体」と称す場合がある)には、基板上に、記録層と保護層とをこの順に積層した構成や、基板上に反射層と記録層と保護層とをこの順に積層した構成とすることが好ましい。この場合、保護層が光透過層として機能するが、反射層を設けない場合には、基板が光透過層として機能するものであってもよい。
光記録媒体の形状としては特に限定されず、記録層が一定の厚みで2次元的に形成されているものであればディスク状、シート状、テープ状、ドラム状、カード状、チケット状等、任意の形態を選択することができる。
(基板/基体)
基板や基体としては、表面が平滑なものであれば各種の材料を任意に選択して使用することができる。例えば、金属、セラミックス、樹脂、紙等を用いることができる。また、その形状も特に限定されない。
基板や基体としては、表面が平滑なものであれば各種の材料を任意に選択して使用することができる。例えば、金属、セラミックス、樹脂、紙等を用いることができる。また、その形状も特に限定されない。
このような基板材料としては、具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
また、基板表面には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸(プリグルーブ)が形成されていてもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
また、基板表面には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸(プリグルーブ)が形成されていてもよい。
また、記録や再生に際し、基板を介して記録層に光を照射する場合には、使用する光(記録光および再生光)の波長域を透過する材料を用いる。この場合、使用する光の波長域(レーザー光の場合は、強度が極大となる波長域近傍)の透過率が90%以上であることが好ましい。
更に、基板が光透過層として機能する場合には、記録層を構成する材料の屈折率にもよるものの、上記に列挙した材料の中でも機械強度、耐候性、耐熱性、透湿性、ならびに低価格である点でポリカーボネート樹脂であることが好ましい。
なお、基板表面に反射層を設ける場合には、基板表面には平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、0.01μm〜10μmの範囲内であることがより好ましい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、0.01μm〜10μmの範囲内であることがより好ましい。
(反射層)
反射層としては、レーザー光の反射率が70%以上である光反射性物質から構成されていることが好ましく、このような光反射性物質としては、例えば、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。
これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
反射層としては、レーザー光の反射率が70%以上である光反射性物質から構成されていることが好ましく、このような光反射性物質としては、例えば、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。
これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的には10nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、50nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。
(保護層)
保護層としては、記録層を通常の使用環境下において、機械的、物理的、化学的に保護できる材料および厚みからなるものであれば、公知の材料を用いることができる。例えば、一般的には、透明な樹脂や、SiO2等の透明な無機材料を挙げることができる。
なお、記録や再生に際し、保護層を介して記録層に光を照射する場合には、使用する光の波長域を透過する材料を用いる。この場合、使用する光の波長域(レーザー光の場合は、強度が極大となる波長域近傍)の透過率が90%以上であることが好ましい。なお、これは、接着性向上等の目的で、記録層の光が入射する側の面に設けられる中間層についても同様である。
保護層としては、記録層を通常の使用環境下において、機械的、物理的、化学的に保護できる材料および厚みからなるものであれば、公知の材料を用いることができる。例えば、一般的には、透明な樹脂や、SiO2等の透明な無機材料を挙げることができる。
なお、記録や再生に際し、保護層を介して記録層に光を照射する場合には、使用する光の波長域を透過する材料を用いる。この場合、使用する光の波長域(レーザー光の場合は、強度が極大となる波長域近傍)の透過率が90%以上であることが好ましい。なお、これは、接着性向上等の目的で、記録層の光が入射する側の面に設けられる中間層についても同様である。
保護層は、樹脂からなる場合には、予めシート状に形成されたポリカーボネートや三酢酸セルロース等からなる樹脂フィルムを用いることができ、この樹脂フィルムを記録層上に貼り合わせることにより保護層を形成する。貼り合わせに際しては、接着強度を確保するために熱硬化型やUV硬化型の接着剤を介して貼り合わせ、熱処理やUV照射により接着剤を硬化させることが好ましい。なお、保護層として用いられる樹脂フィルムの厚みは、記録層を保護できるのであれば特に限定されないが、実用上は30μm〜200μmの範囲が好ましく、50μm〜150μmの範囲がより好ましい。
あるいは、このような樹脂フィルムの代わりに、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を塗布形成することにより保護層を形成することもできる。
あるいは、このような樹脂フィルムの代わりに、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を塗布形成することにより保護層を形成することもできる。
また、保護層が、SiO2、MgF2、SnO2、Si3N4等の透明なセラミックスやガラス材料からなる場合には、スパッタリング法やゾルゲル法等を利用して保護層を形成することができる。なお、保護層として形成される透明無機材料の厚みは記録層を保護できるのであれば特に限定されないが、実用上は0.1μm〜100μmの範囲が好ましく、1μm〜20μmの範囲がより好ましい。
更に、保護層が光透過層として機能する場合には、記録層を構成する材料の屈折率にもよるものの、上記に列挙した公知の硬化性樹脂を用いることができ、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線重合性樹脂等があるが、活性エネルギー線重合性樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としてはメラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等のプレポリマーの架橋反応を利用するものがある。
活性エネルギー線重合性樹脂には、活性エネルギー線による架橋性樹脂の他に、無機あるいは有機微粒子、重合開始剤、その他の添加剤を含有しても良い。活性エネルギー線重合性樹脂は、架橋しているポリマーを含んでも良い。架橋しているポリマーを含む活性エネルギー線重合性樹脂層は、多官能モノマーと重合開始剤を含む塗布液を上記の記録層に塗布し、多官能モノマーを重合させることにより形成できる。
これらのモノマーの重合性官能基としては、エチレン性不飽和二重結合基が好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基であり、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。
活性エネルギー線としては、放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線等が挙げられるが、紫外線が好ましい。
架橋しているポリマーを含む活性エネルギー線硬化層は、多官能モノマーと重合開始剤を含む塗布液を上記の記録層に塗布し、多官能モノマーを重合させることにより形成できる。官能基としては、重合性不飽和二重結合基が好ましい。重合性不飽和二重結合の例としては、アクリレート基、メタクリレート基、ビニル基を挙げることができる。反応性の観点よりアクリレート基であることが好ましい。
熱硬化性樹脂としてはメラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等のプレポリマーの架橋反応を利用するものがある。
活性エネルギー線重合性樹脂には、活性エネルギー線による架橋性樹脂の他に、無機あるいは有機微粒子、重合開始剤、その他の添加剤を含有しても良い。活性エネルギー線重合性樹脂は、架橋しているポリマーを含んでも良い。架橋しているポリマーを含む活性エネルギー線重合性樹脂層は、多官能モノマーと重合開始剤を含む塗布液を上記の記録層に塗布し、多官能モノマーを重合させることにより形成できる。
これらのモノマーの重合性官能基としては、エチレン性不飽和二重結合基が好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基であり、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。
活性エネルギー線としては、放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線等が挙げられるが、紫外線が好ましい。
架橋しているポリマーを含む活性エネルギー線硬化層は、多官能モノマーと重合開始剤を含む塗布液を上記の記録層に塗布し、多官能モノマーを重合させることにより形成できる。官能基としては、重合性不飽和二重結合基が好ましい。重合性不飽和二重結合の例としては、アクリレート基、メタクリレート基、ビニル基を挙げることができる。反応性の観点よりアクリレート基であることが好ましい。
(記録層)
記録層の膜厚Lは、実用上は3μm〜2mmの範囲内であることが好ましく、記録層に記録される干渉縞の間隔と、記録層の膜厚との関係により決定される光記録媒体のタイプにより、更に以下のような範囲内であることがより好ましい。
記録層の膜厚Lは、実用上は3μm〜2mmの範囲内であることが好ましく、記録層に記録される干渉縞の間隔と、記録層の膜厚との関係により決定される光記録媒体のタイプにより、更に以下のような範囲内であることがより好ましい。
すなわち、本発明の光記録媒体が平面ホログラム(記録層に記録される干渉縞の間隔に比べて、記録層の膜厚Lが薄いか同程度の場合)の場合には、膜厚は3μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜20μmの範囲内であることがより好ましい。
一方、本発明の光記録媒体が、体積ホログラム(記録層に記録される干渉縞の間隔に比べて、記録層の膜厚Lが同程度から数倍以上の場合)の場合には、膜厚は100μm〜2mmの範囲内であることが好ましく、250μm〜1mmの範囲内であることがより好ましい。
また、記録層には、既述したような光屈折率変化材料が少なくとも含まれ、記録層材料全てが、光屈折率変化材料からのみなるものであってもよいが、必要に応じて種々の材料と混合して利用することができる。例えば、光屈折率変化材料が低分子有機材料であるような場合には、バインダー樹脂を併用することが好ましい。
このようなバインダー樹脂としては、例えば、光学特性に優れたポリメタクリレート(PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)などが利用可能である。また、下記の構造式(1)に示すような側鎖にシアノビフェニルを持つポリエステル材料もバインダー樹脂として好適である。
このようなバインダー樹脂としては、例えば、光学特性に優れたポリメタクリレート(PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)などが利用可能である。また、下記の構造式(1)に示すような側鎖にシアノビフェニルを持つポリエステル材料もバインダー樹脂として好適である。
なお、構造式(1)中、nは整数を表す。このポリエステル材料は、光記録媒体に情報を記録/再生する際に利用する一般的な光の波長域において透過性を有する。また、光異性化基を有する光屈折率変化材料と併用する場合には、光異性化基の異性化に追随して複屈折が誘起できるため、光屈折率変化材料の高感度化に有効である。なお、当該併用とは、光異性化基を有する光屈折率変化材料と、構造式(1)で示されるポリエステルの物理的な混合のみならず、化学的な混合、すなわち、構造式(1)で示される繰り返し単位が、光異性化基を有する(高分子系の)光屈折率変化材料に含まれる(共重合体を形成している)場合も含まれる。
後者の光屈折率変化材料の具体例としては、例えば、構造式(1)と下記構造式(2)とを含む共重合体等が挙げられる。
後者の光屈折率変化材料の具体例としては、例えば、構造式(1)と下記構造式(2)とを含む共重合体等が挙げられる。
記録層の形成は、記録層材料として用いられる材料に応じて適宜公知の方法を利用できる。
例えば、既述したような無機材料系の光屈折率変化材料からなる記録層を形成するような場合には、スパッタリング法や、CVD(Chemical Vapor Deposition)法やゾルゲル法等を利用することができる。また、高分子および/または低分子からなる有機材料系の光屈折率変化材料を含む記録層を形成するような場合には、これらの材料を溶解させた塗布液を用いるスプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等の液相成膜や、蒸着法等を利用することができる。
例えば、既述したような無機材料系の光屈折率変化材料からなる記録層を形成するような場合には、スパッタリング法や、CVD(Chemical Vapor Deposition)法やゾルゲル法等を利用することができる。また、高分子および/または低分子からなる有機材料系の光屈折率変化材料を含む記録層を形成するような場合には、これらの材料を溶解させた塗布液を用いるスプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等の液相成膜や、蒸着法等を利用することができる。
しかしながら、これらの方法で形成される記録層の厚みは、体積ホログラム型の光記録媒体を作製する上では、十分ではない。このような場合には、高分子材料からなる光屈折率変化材料を用いて、射出成形やホットプレスを利用して板状の記録層を形成することが好ましい。これらの方法を利用した場合には、体積ホログラム型の光記録媒体に必要な膜厚が0.1mm以上の記録層を容易に形成することができる。
なお、このような板状の記録層を用いて光記録媒体を作製する場合には、記録層を1対の基板に挟持した構成としたり、あるいは、記録層の厚みが厚く、十分な剛性と強度を有するような場合には、記録層そのものを光記録媒体とすることもできる。
なお、このような板状の記録層を用いて光記録媒体を作製する場合には、記録層を1対の基板に挟持した構成としたり、あるいは、記録層の厚みが厚く、十分な剛性と強度を有するような場合には、記録層そのものを光記録媒体とすることもできる。
次に、上述したような構成を有する本発明の光記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の光記録媒体が平面ホログラムである場合には、上述したように各層に用いる材料に応じて基板上に記録層等を順次積層することにより作製することができる。
例えば、基板上に記録層と保護層とを設けた構成からなる光記録媒体の作製過程の主要な流れを例に挙げて簡潔に説明する。まず、ポリカーボネート基板に、高分子材料からなる光屈折率変化材料を溶媒に溶かした塗布溶液を用いてスピンコーティング法により所望の膜厚が得られるように記録層を形成し、十分に乾燥させる。次に、この記録層上にUV硬化型の接着剤をスピンコーティング法により均一に塗布した後、記録層と保護層形成用の三酢酸セルロース樹脂フィルムとを貼り合わせる。その後、UV光を照射して接着剤を固化させることにより、保護層/記録層/基板の構成からなる光記録媒体を得ることができる。
本発明の光記録媒体が平面ホログラムである場合には、上述したように各層に用いる材料に応じて基板上に記録層等を順次積層することにより作製することができる。
例えば、基板上に記録層と保護層とを設けた構成からなる光記録媒体の作製過程の主要な流れを例に挙げて簡潔に説明する。まず、ポリカーボネート基板に、高分子材料からなる光屈折率変化材料を溶媒に溶かした塗布溶液を用いてスピンコーティング法により所望の膜厚が得られるように記録層を形成し、十分に乾燥させる。次に、この記録層上にUV硬化型の接着剤をスピンコーティング法により均一に塗布した後、記録層と保護層形成用の三酢酸セルロース樹脂フィルムとを貼り合わせる。その後、UV光を照射して接着剤を固化させることにより、保護層/記録層/基板の構成からなる光記録媒体を得ることができる。
また、本発明の光記録媒体が体積ホログラムである場合には、上述したように記録層を射出成形や、ホットプレスにより形成するために、光記録媒体は以下のようにして作製することができる。
まず、射出成形を利用する場合には、例えば、以下のようにして光記録媒体を作製することができる。まず、射出成形により記録層となるディスク状の成形物を作製する。次に、このディスク状の成形物を1対のディスク状の透明基板で挟持してホットプレスにより貼り合わせ、ホットメルト接着する。
なお、射出成形工程では、原料である樹脂(少なくとも高分子材料からなる光屈折率変化材料を含む樹脂)を加熱溶融し、溶融樹脂を成形金型内に射出して、ディスク状に成形する。射出成形機としては、原料の可塑化機能と射出機能とが一体化されたインライン方式の射出成形機、可塑化機能と射出機能を分離させたプリプランジャー方式の射出成形機の何れも用いることができる。射出成形の条件等は、出射圧力1000〜3000kg/cm2、出射速度5〜30mm/secとすることが好ましい。
また、ホットプレス工程では、射出成形工程で得られた厚さ板状の成形物を、1対のディスク状の透明基板で挟持して、真空下でホットプレスする。
なお、射出成形工程では、原料である樹脂(少なくとも高分子材料からなる光屈折率変化材料を含む樹脂)を加熱溶融し、溶融樹脂を成形金型内に射出して、ディスク状に成形する。射出成形機としては、原料の可塑化機能と射出機能とが一体化されたインライン方式の射出成形機、可塑化機能と射出機能を分離させたプリプランジャー方式の射出成形機の何れも用いることができる。射出成形の条件等は、出射圧力1000〜3000kg/cm2、出射速度5〜30mm/secとすることが好ましい。
また、ホットプレス工程では、射出成形工程で得られた厚さ板状の成形物を、1対のディスク状の透明基板で挟持して、真空下でホットプレスする。
このようにして作製される光記録媒体は、基板上に記録層を成膜するのではなく、射出成形で別個独立に形成するので、記録層の厚膜化が容易で且つ大量生産にも適している。また、ホットプレスにより記録層を透明基板と貼り合わせるので、射出成形による成形物の残留歪みが均一化され、記録層を厚膜化しても、光吸収や散乱の影響で記録特性が損なわれることがない。
一方、ホットプレスを利用する場合には、例えば、以下のようにして光記録媒体を作製することができる。まず、テフロン(R)シート等の離型性の高い基板(押圧部材)で粉末状の樹脂(少なくとも高分子材料からなる光屈折率変化材料を含む樹脂)を挟み込み、この状態で真空下でホットプレスして、記録層を直接成形する。
なお、ホットプレス工程においては、真空ホットプレスを行うことが好ましい。この場合、1対の押圧部材間に粉末状の樹脂を試料として装填する。次に、気泡の発生を防止するために0.1MPa程度の減圧下とした状態で、所定の温度まで徐々に昇温し、押圧部材を介して試料を加圧する。この際の過熱温度は樹脂材料のガラス転移温度(Tg)以上の温度とし、プレス圧力は0.01〜0.1t/cm2とするのが好ましい。所定時間、熱間加圧を行った後、加熱及び加圧を停止し、試料を室温まで冷却した後に取り出す。
このような、ホットプレスを実施することにより、一対の押圧部材に挟まれた樹脂材料が加熱溶融され、これが冷却されて板状の記録層が得られる。最後に押圧部材を取り除くことで、光記録媒体が得られる。例えば、記録層をアゾポリマーで構成する場合、アゾ系ポリマーはTgが約50℃と低いので、約70℃に加熱してホットプレスを行うことで、容易に記録層を所望の厚さに成形することができる。また、ホットプレスでは残留歪みは発生しない。
なお、必要に応じて、この記録層からなる光記録媒体の耐傷性、耐湿性を高める等の目的で、保護層等を設けてもよい
なお、必要に応じて、この記録層からなる光記録媒体の耐傷性、耐湿性を高める等の目的で、保護層等を設けてもよい
このようにして作製される光記録媒体は、基板上に記録層を成膜するのではなく、ホットプレスで別個独立に形成するので、記録層の厚膜化が容易である。また、ホットプレスにより記録層を成形するので、成形物の残留歪み等が発生せず、記録層を厚膜化しても、光吸収や散乱の影響で記録特性が損なわれることがない。
<光記録再生装置>
次に、上記に説明した本発明の光記録媒体を用いて情報の記録及び/又は再生を行う光記録再生装置について説明する。本発明の光記録再生装置は、記録再生に用いる光記録媒体の仕様に応じて、公知の記録/再生方法、例えばホログラム記録、光吸収率変調記録等を適用した構成とすることができる。これらの中でも、本発明の光記録再生装置は、ホログラム記録を適用した構成とすることが好ましい。
次に、上記に説明した本発明の光記録媒体を用いて情報の記録及び/又は再生を行う光記録再生装置について説明する。本発明の光記録再生装置は、記録再生に用いる光記録媒体の仕様に応じて、公知の記録/再生方法、例えばホログラム記録、光吸収率変調記録等を適用した構成とすることができる。これらの中でも、本発明の光記録再生装置は、ホログラム記録を適用した構成とすることが好ましい。
この場合、本発明の光記録再生装置は、光記録媒体への情報の記録に際して、情報に応じた信号光を光記録媒体に照射する信号光源と、光記録媒体に記録された情報を再生(読み出し)する際に光記録媒体に参照光を照射する参照光源と、を少なくとも備えたものであることが好ましい。また、光記録媒体への参照光の照射により再生された情報(再生光)を読み取る光電変換素子等を利用した読取センサー(例えば、CCD等)を備えたものであってもよい。
さらに、必要に応じて、信号光源、又は、参照光源および読取センサーを省いて、記録専用、あるいは、再生専用としてもよい。
さらに、必要に応じて、信号光源、又は、参照光源および読取センサーを省いて、記録専用、あるいは、再生専用としてもよい。
なお、通常は、ミラーや、ビームスプリッター、レンズ等を利用して、信号光を光記録媒体に照射する結像光学系等を形成したり、同一の光源から、ビームスプリッター等を利用して信号光と参照光とを取り出したりするなど、通常の光学的記録再生装置に利用されているような様々な光学系を必要に応じて適用することが好ましい。
また、信号光および/または参照光の光源としては、特に限定されないが、通常はHe−NeレーザーやArレーザー等の公知のレーザー光源を用いることが好ましい。なお、レーザーほど完全な単色光でなくとも、超高圧水銀灯のようなスペクトルの半値幅が2〜3nm程度と小さい輝線スペクトルを有する光源も利用でき、また、太陽や電灯などの白色光源を用いてもよい。
さらに、使用する光記録媒体が、市販されているDVDや、CD−ROM等のような所謂ディスク状の媒体である場合には、DVDや、CD−ROM等に利用されているディスク媒体に対応した種々の機構;ディスクを保持して回転させるモーター等の機構や、信号光や参照光をディスクの平面方向の所定位置に照射する機構(光源が固定式の場合は、ガルバノミラー等を利用したり、光源をディスクの平面方向に走査可能な所謂ヘッドとする等)等を備えていることが好ましい。
なお、ホログラム記録の方式としては、例えば、記録面に対する法線と入射物体光とのなす角度を変えることにより単一の場所に複数のホログラムを記録可能なホログラム記録、及び記録面に対する入射光の位置を変えることにより重なった領域に複数のホログラムを記録可能なホログラム記録や、記録面に対する入射光の位置を変えることにより重なった領域に複数のホログラムを記録するホログラム記録などが挙げられる。
以下に、本発明の光記録再生装置の一例について、SCIENCE、VOL.265,p749(1994)に記載されているデジタルホログラムメモリの光学系を例として説明する。
図1は、本発明の光記録再生装置の一例を示す模式図であり、具体的にはSCIENCE、VOL.265・p749・(1994)に記載されているデジタルホログラムメモリの光学系を示したものである。
この例では、光記録媒体15としてLiNbO3を用いている。光源6から出た光はビームスプリッタ12によって二つの光波に分けられる。ビームスプリッタ12を透過した光はレンズ10によって口径の広い平行光となり空間光変調器4に入射する。空間光変調器4はコンピュータ11によって制御され、二次元強度分布を持つ信号光1を生成する。この信号光1はレンズ7によってフーリエ変換されて、LiNbO3に集光される。一方、ビームスプリッタ12によって反射された光は、ミラー13および14によって反射され、LiNbO3に入射する。これが参照光2となる。このように、信号光1と参照光2とを同時にLiNbO3に入射させることによって、ホログラム記録を行う。ホログラムの読み出しには、参照光2のみをLiNbO3に入射させると、参照光2は、あたかも信号光1がLiNbO3を通過したかのように信号光1の光路上に回折され、これをレンズ8でカメラ9上に結像させる。
図1は、本発明の光記録再生装置の一例を示す模式図であり、具体的にはSCIENCE、VOL.265・p749・(1994)に記載されているデジタルホログラムメモリの光学系を示したものである。
この例では、光記録媒体15としてLiNbO3を用いている。光源6から出た光はビームスプリッタ12によって二つの光波に分けられる。ビームスプリッタ12を透過した光はレンズ10によって口径の広い平行光となり空間光変調器4に入射する。空間光変調器4はコンピュータ11によって制御され、二次元強度分布を持つ信号光1を生成する。この信号光1はレンズ7によってフーリエ変換されて、LiNbO3に集光される。一方、ビームスプリッタ12によって反射された光は、ミラー13および14によって反射され、LiNbO3に入射する。これが参照光2となる。このように、信号光1と参照光2とを同時にLiNbO3に入射させることによって、ホログラム記録を行う。ホログラムの読み出しには、参照光2のみをLiNbO3に入射させると、参照光2は、あたかも信号光1がLiNbO3を通過したかのように信号光1の光路上に回折され、これをレンズ8でカメラ9上に結像させる。
図1に示すようなデジタルホログラム記録装置では、データ入力に空間光変調器を用い、ビットデータの表示には、例えば、2画素をペアとして使用し、例えば0を暗明で、1を明暗で表すような微分コード法を用いることができる。
なお、本発明の光記録再生装置では、光記録媒体としてLiNbO3の代わりに本発明の光記録媒体を配し、ホログラムの記録再生を行なわせることができる。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(評価方法および評価装置)
後述する実施例/比較例において作製した光記録媒体の作製に用いた光応答性高分子のTg,Tm,Mw,Mnおよび数分子量分布は、既述した測定方法により評価した。
また、感度については、複屈折の時間変化率として以下に説明する方法により測定・評価した。
(評価方法および評価装置)
後述する実施例/比較例において作製した光記録媒体の作製に用いた光応答性高分子のTg,Tm,Mw,Mnおよび数分子量分布は、既述した測定方法により評価した。
また、感度については、複屈折の時間変化率として以下に説明する方法により測定・評価した。
―偏光照射による光学異方性(複屈折)記録―
実施例で用いた光記録媒体の感度は、図2に示す光学系を利用して、直線偏光照射による複屈折記録を行うことにより評価した。
図2は、光記録媒体の評価に利用した光学系を示す模式図である。図2中、110はアルゴンイオンレーザー(波長515nm)、112は1/2波長板、114はピンホール、116はハーフミラー、118は光記録媒体、120はヘリウム−ネオンレーザー(波長633nm)、122はミラー、124は1/2波長板、126はレンズ、128は干渉レンズ、130は偏向ビームスプリッター、132、134はパワーメーターを表す。
図2に示す光学系を用いた光記録媒体118の測定は以下のように行った。まず、アルゴンイオンレーザ110から、1/2波長板112、ピンホール114、ハーフミラー116を介して、光記録媒体118の記録層を構成する光応答性高分子に感度のある波長515nmの直線偏光(7.9mW)を記録光(信号光)として入射させた。
実施例で用いた光記録媒体の感度は、図2に示す光学系を利用して、直線偏光照射による複屈折記録を行うことにより評価した。
図2は、光記録媒体の評価に利用した光学系を示す模式図である。図2中、110はアルゴンイオンレーザー(波長515nm)、112は1/2波長板、114はピンホール、116はハーフミラー、118は光記録媒体、120はヘリウム−ネオンレーザー(波長633nm)、122はミラー、124は1/2波長板、126はレンズ、128は干渉レンズ、130は偏向ビームスプリッター、132、134はパワーメーターを表す。
図2に示す光学系を用いた光記録媒体118の測定は以下のように行った。まず、アルゴンイオンレーザ110から、1/2波長板112、ピンホール114、ハーフミラー116を介して、光記録媒体118の記録層を構成する光応答性高分子に感度のある波長515nmの直線偏光(7.9mW)を記録光(信号光)として入射させた。
また、ヘリウム−ネオンレーザ120から、ミラー122、1/2波長板124、レンズ126、ハーフミラー116を介して、波長633nmの直線偏光をポンプ光(参照光)として偏光軸に対して45度の角度で入射させた。光記録媒体118を透過したレーザ光は、干渉フィルタ128を通過して、偏光ビームスプリッタ130で偏光方向が互いに直交する偏光成分に分離され、各偏光成分の光出力が2つのパワーメータ132、134で各々測定される。ここで、2つのパワーメータ132、134の測定値を用いて、透過光の偏光状態から複屈折変化を算出した。
複屈折変化Δnの測定に当っては、2W/cm2,900secの条件で露光を行い、複屈折記録を実施し、露光開始後1分間の複屈折の変化量(感度)を求めた。
複屈折変化Δnの測定に当っては、2W/cm2,900secの条件で露光を行い、複屈折記録を実施し、露光開始後1分間の複屈折の変化量(感度)を求めた。
<実施例1>
記録層として、下記構造式(3)で示されるアゾ系ポリマーを加熱溶融し、インライン方式の射出成形機にて溶融ポリマーを成形金型内に射出して、厚み1.1mm、内径20mm、外形65mmの同心円ディスク状に成形する。射出成形の条件等は、出射圧力1500kg/cm2、出射速度10mm/secとした。次に、紫外線硬化樹脂をスピンコート法で塗布して塗膜を形成し、この塗膜にメタルハライドランプで紫外線照射して硬化させて保護層を形成し、光記録媒体(1)を得た。
なお、記録層を構成する構造式(3)に示す光屈折率変化材料に信号光と同じ波長515nmのアルゴンイオンレーザーを照射した場合の最大屈折率と光記録媒体(1)の保護層の屈折率を比較すると、保護層は記録層より小さかった。また、保護層の消衰係数は0.2以下、膜厚は10μmである。
記録層として、下記構造式(3)で示されるアゾ系ポリマーを加熱溶融し、インライン方式の射出成形機にて溶融ポリマーを成形金型内に射出して、厚み1.1mm、内径20mm、外形65mmの同心円ディスク状に成形する。射出成形の条件等は、出射圧力1500kg/cm2、出射速度10mm/secとした。次に、紫外線硬化樹脂をスピンコート法で塗布して塗膜を形成し、この塗膜にメタルハライドランプで紫外線照射して硬化させて保護層を形成し、光記録媒体(1)を得た。
なお、記録層を構成する構造式(3)に示す光屈折率変化材料に信号光と同じ波長515nmのアルゴンイオンレーザーを照射した場合の最大屈折率と光記録媒体(1)の保護層の屈折率を比較すると、保護層は記録層より小さかった。また、保護層の消衰係数は0.2以下、膜厚は10μmである。
但し構造式(3)中、Xはメチル基を表し、Yはエーテル結合による2価の連結基を表す。また、l及びmは6、nは10を表す。
<比較例1>
保護膜として屈折率が記録層より大きい透明誘電体のZnSとSiO2と混合膜をRFスパッタ法により形成した。なお、保護膜以外は、実施例1と同様にして作製し、光記録媒体(2)を得た。
なお、光記録媒体(2)の保護層の屈折率は記録層より大きく、消衰係数は0.5以上、膜厚は0.3μmである。
保護膜として屈折率が記録層より大きい透明誘電体のZnSとSiO2と混合膜をRFスパッタ法により形成した。なお、保護膜以外は、実施例1と同様にして作製し、光記録媒体(2)を得た。
なお、光記録媒体(2)の保護層の屈折率は記録層より大きく、消衰係数は0.5以上、膜厚は0.3μmである。
−評価−
光記録媒体(1)および光記録媒体(2)について、上述した方法により光記録再生特性を測定した。なお、記録光および参照光は、光記録媒体の保護膜側から記録層へと入射させた(保護層が光透過層として機能する)。
この測定から、光記録媒体(1)は光記録媒体(2)に比べて、光記録媒体へ記録するに要する光源の出力は小さく、また、同出力ならば、短時間で記録できた。さらに、光記録媒体への入射光の入射角の許容範囲も広かった。また、再生において、光記録媒体(1)は光記録媒体(2)に比べて、ビットエラーレイトが小さく、かつ再生用参照光の出力は小さくて済、光記録媒体の非破壊読出しにも有利である。
光記録媒体(1)および光記録媒体(2)について、上述した方法により光記録再生特性を測定した。なお、記録光および参照光は、光記録媒体の保護膜側から記録層へと入射させた(保護層が光透過層として機能する)。
この測定から、光記録媒体(1)は光記録媒体(2)に比べて、光記録媒体へ記録するに要する光源の出力は小さく、また、同出力ならば、短時間で記録できた。さらに、光記録媒体への入射光の入射角の許容範囲も広かった。また、再生において、光記録媒体(1)は光記録媒体(2)に比べて、ビットエラーレイトが小さく、かつ再生用参照光の出力は小さくて済、光記録媒体の非破壊読出しにも有利である。
1 信号光
2 参照光
4 空間光変調器
6 光源
7 フーリエ変換レンズ
8 フーリエ変換レンズ
9 二次元受光素子
10 コリメートレンズ
11 コンピュータ
12 ビームスプリッタ
13 ミラー
14 ミラー
15 光記録媒体
110 アルゴンイオンレーザー(波長515nm)
112 1/2波長板
114 ピンホール
116 ハーフミラー
118 光記録媒体
120 ヘリウム−ネオンレーザー(波長633nm)
122 ミラー
124 1/2波長板
126 レンズ
128 干渉レンズ
130 偏向ビームスプリッター
132、134 パワーメーター
2 参照光
4 空間光変調器
6 光源
7 フーリエ変換レンズ
8 フーリエ変換レンズ
9 二次元受光素子
10 コリメートレンズ
11 コンピュータ
12 ビームスプリッタ
13 ミラー
14 ミラー
15 光記録媒体
110 アルゴンイオンレーザー(波長515nm)
112 1/2波長板
114 ピンホール
116 ハーフミラー
118 光記録媒体
120 ヘリウム−ネオンレーザー(波長633nm)
122 ミラー
124 1/2波長板
126 レンズ
128 干渉レンズ
130 偏向ビームスプリッター
132、134 パワーメーター
Claims (9)
- 光照射による屈折率変化を利用して情報を記録する記録層と、該記録層の少なくとも片面に接して設けられた光透過層とを含み、
前記光透過層を介して前記記録層に光を照射することにより、情報の記録および再生を行う光記録媒体において、
前記光透過層の屈折率が、前記記録層の最大屈折率と同等あるいはそれ以下であることを特徴とする光記録媒体。 - 前記光透過層が2以上の層から構成され、その等価屈折率が前記記録層の最大屈折率と同等あるいはそれ以下であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記光透過層が、前記記録層の片面に、中間層および保護層の順で積層された2つの層から構成されることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
- 前記光透過層の消衰係数が0.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記光透過層の厚みが、0.1〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記記録層と、該記録層の両面に設けられた第1の保護層および第2の保護層とを含み、
前記第1の保護層および前記第2の保護層から選択される少なくとも一方の保護層が、前記光透過層であり、
前記記録層の厚みが少なくとも100μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。 - 基板と、該基板の片面側に、前記記録層および前記光透過層をこの順に少なくとも設けたことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 基板と、該基板の片面側に、反射層、前記記録層および前記光透過層をこの順に少なくとも設けたことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記記録層が、アゾ系ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
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WO2010008064A1 (ja) * | 2008-07-18 | 2010-01-21 | 新日鐵化学株式会社 | 読み出し専用ホログラフィック記録媒体の記録再生方法、及び読み出し専用ホログラフィック記録媒体 |
-
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CN102099752A (zh) * | 2008-07-18 | 2011-06-15 | 新日铁化学株式会社 | 只读全息记录介质的记录再生方法、以及只读全息记录介质 |
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