JP4516813B2 - ホログラム記録材料及びホログラム記録方法 - Google Patents
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Description
一方、互いにホログラム記録材料の反対側から入射させて形成したホログラムを、一般に反射型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に平行または平行に近い形で1mmに3000〜7000本程度の間隔で形成される。
透過型ホログラムは、例えば、[特許文献1]などで開示されているような公知の方法によって作成できる。また、反射型ホログラムは、例えば、[特許文献2]、[特許文献3]などに開示された公知の方法によって作成できる。
それに対し膜厚が干渉縞間隔の5倍以下程度または1μm以下程度のホログラムを平面型または表面型という。
これらのホログラムは平面型の表面レリーフ位相型ホログラムである。通常はフォトレジストにより作成したマスターによりエンボスを作成して大量複製するため、エンボス型ホログラムとも呼ばれる。
しかしながら、表面レリーフ位相型ホログラムでは、フルカラー化、白色再生、高解像化、高回折効率化が困難であり、最近では、それらが可能となる体積位相型ホログラムが注目されてきている。
特に反射型の体積位相型ホログラムはリップマン型ホログラムとも呼ばれ、ブラック回折による波長選択的反射により、高回折効率にてフルカラー化、白色再生、高解像度化が可能となり、高解像フルカラー3次元ディスプレイの提供が可能となる。
また最近ではその波長選択的反射を生かして、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板等に代表されるホログラム光学素子(HOE)に広く実用化されてきている。
他にも例えば、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス等に実用または応用が検討されている。
具体的には例えば、重クロム酸ゼラチン方式は高い回折効率と低ノイズ特性という長所を有するが、保存性が極めて悪く、湿式処理が必要で低感度という問題を有する。
漂白ハロゲン化銀方式は高感度という長所を有するが、湿式処理が必要でかつ漂白処理が煩雑であり、耐光性に劣るという問題点を有する。
フォトリフラクティブ材料は書き換え可能という長所を有するが、記録時に高電場印加が必要、記録保存性が悪いという問題点を有する。
アゾベンゼン高分子材料等に代表されるフォトクロミック高分子方式も書き換え可能という長所を有するが、感度が極めて低く記録保存性も悪いという問題点を有する。
しかしながら、漂白ハロゲン化銀方式に比べると感度が1000分の1程度であること、回折効率を高めるためには2時間近い加熱定着処理を必要とすること、ラジカル重合であるため、酸素による重合阻害の影響を受け、また露光、定着後記録材料の収縮を伴い、再生時の回折波長及び角度が変化してしまう問題点があり、さらなる改良が望まれている。
さらにコンピューター高容量化等の流れの中で、コンピューターバックアップ用途や放送バックアップ用途等の業務用途においても、1TB程度あるいはそれ以上の大容量の情報を高速かつ安価に記録できる超高密度記録媒体が求められている。
そのような中、ランダムアクセスが不可能な磁気テープ媒体や可換不可能で故障しやすいハードディスクに対し、可換かつランダムアクセス可能で小型、安価な光記録媒体がより注目されてきている。しかしながら、DVD−Rのような既存の2次元光記録媒体は物理原理上、たとえ記録再生波長を短波長化したとしてもせいぜい25GB程度で、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量が期待できるとは言えない状況である。
(1)高感度であること
(2)高解像力を有すること
(3)ホログラムの回折効率が高いこと
(4)記録時の処理が乾式であり迅速であること
(5)多重記録が可能であること(ダイナミックレンジが広いこと)
(6)記録後の収縮率が小さいこと
(7)ホログラムの保存性が良いこと
例えば、漂白ハロゲン化銀方式は高感度であるが、湿式処理が必要であるため、高密度記録材料用途には一般的に適さない。
また前述した特許文献1〜3記載のラジカル重合を用いる乾式フォトポリマー方式は、フォトポリマー方式の中では比較的感度が高いものの、収縮率が極めて大きくホログラフィックメモリ用途としては到底使用に耐えるものではない。さらに、膜が柔らかいため保存性の点でも不足している。
例えば、[特許文献4]、[特許文献5]等に、カチオン重合性化合物(モノマーまたはオリゴマー)をバインダーの代わりに用い、さらに増感色素、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合性化合物を組み合わせたホログラム記録材料が開示されている。
また、[特許文献6]、[特許文献7]等に、ラジカル重合を用いずに、増感色素、カチオン重合開始剤、カチオン重合性化合物及びバインダーのみを用いたホログラム記録材料が開示されている。
しかしこれらのカチオン重合方式はラジカル重合方式に比べて、収縮率の改善が見られるものの、その相反として、感度が低下しており、実用の際には転送速度の点で大きな問題となると考えられる。また回折効率も低下しており、S/N比や多重記録の点で問題となると考えられる。
「ホログラフィックディスプレイ」,辻内順平編,産業図書
(1) ホログラム露光により固有複屈折率を有する化合物の配向変化を起こし、そのまま化学反応により固定化することにより、書き換えできない方式にて屈折率変調として記録することを特徴とするホログラム記録方法。
(2) 固有複屈折率を有する化合物が重合性基を有し、重合により固定化することを特徴とする上記(1)記載のホログラム記録方法。
(3) 固有複屈折率を有する化合物が液晶性化合物であることを特徴とする上記(1)または上記(2)記載のホログラム記録方法。
(4) 少なくとも、重合性基を有する低分子液晶性化合物、光反応性化合物、重合開始剤を有し、書き換えできない方式であることを特徴とするホログラム記録材料。
(5) さらに増感色素を有することを特徴とする上記(4)に記載のホログラム記録材料。
(6) 前記増感色素がホログラム露光時の光を吸収して生成した励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、光反応性化合物を反応させることを特徴とする上記(5)に記載のホログラム記録材料。
(7) 前記光反応性化合物が光異性化化合物であることを特徴とする上記(4)〜上記(6)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(8) 光反応性化合物がアゾベンゼン系化合物、スチルベン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、ジアリールエテン系化合物、フルギド系化合物、フルギミド系化合物、桂皮酸系化合物、クマリン系化合物、カルコン系化合物のいずれかであることを特徴とする上記(4)〜上記(7)記載のホログラム記録材料。
(9) 光反応性化合物がアゾベンゼン系化合物であることを特徴とする上記(8)記載のホログラム記録材料。
(10) 少なくとも、重合性基を有する低分子液晶性化合物、光反応性化合物、重合開始剤、バインダーを有し、書き換えできない方式であることを特徴とする上記(4)〜上記(9)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(11) 少なくとも、重合性基を有する低分子液晶性化合物、光反応性化合物、重合開始剤、増感色素、バインダーを有し、書き換えできない方式であることを特徴とする上記(5)、上記(6)または上記(10)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(12) 光反応性化合物が低分子化合物であることを特徴とする上記(4)〜上記(11)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(13) 光反応性化合物が高分子化合物であることを特徴とする上記(4)〜上記(11)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(14) 光反応性化合物が、光反応性部位をペンダントした高分子化合物であることを特徴とする上記(13)記載のホログラム記録材料。
(15) バインダーが光反応性化合物をペンダントした高分子化合物であることを特徴とする上記(10)または上記(11)記載のホログラム記録材料。
(16) 重合性基を有する低分子液晶性化合物がネマチック液晶性化合物、スメクチック液晶性化合物、ディスコティックネマチック液晶性化合物、ディスコティック液晶性化合物、コレステリック液晶性化合物のいずれかであることを特徴とする上記(4)〜上記(15)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(17) 重合性基を有する低分子液晶性化合物がネマチック液晶性化合物、ディスコティックネマチック液晶性化合物、コレステリック液晶性化合物のいずれかであることを特徴とする上記(16)記載のホログラム記録材料。
(18) 重合性基を有する低分子液晶性化合物がネマチック液晶性化合物であることを特徴とする上記(17)記載のホログラム記録材料。
(19) 上記(4)における重合性基がアクリル基、メタクリル基、スチリル基、ビニル基、オキシラン基、オキソラン基、ビニルエーテル基であることを特徴とする上記(4)〜上記(18)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(20) 上記(4)の重合開始剤がラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤のいずれかであることを特徴とする上記(4)〜上記(19)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(21) 重合開始剤がケトン、有機過酸化物、ビスイミダゾール、トリハロメチル置換トリアジン、ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、有機ホウ酸塩、ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体、スルホニウム有機ホウ素錯体、金属アレーン錯体のいずれかのラジカル重合開始剤であることを特徴とする上記(20)記載のホログラム記録材料。
(22) 重合開始剤が、トリハロメチル置換トリアジン、ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、金属アレーン錯体、スルホン酸エステルのいずれかのカチオン重合開始剤(酸発生剤)であることを特徴とする上記(21)記載のホログラム記録材料。
(23) 重合開始剤が、一般式(1−1)〜(1−4)の少なくとも一種にて表されるアニオン重合開始剤(塩基発生剤)であることを特徴とする上記(20)記載のホログラム記録材料。
(24) 一般式(1−1)、(1−2)にて、N1が1であることを特徴とする上記(23)記載のホログラム記録材料。
(25) 一般式(1−1)にて、R3が2位または2、6位に置換したニトロ基、あるいは3、5位に置換したアルコキシ基のいずれかであることを特徴とする上記(23)または上記(24)記載のホログラム記録材料。
(26) 一般式(1−2)にて、R6が3、5位に置換したアルコキシ基であることを特徴とする上記(23)または上記(24)記載のホログラム記録材料。
(27) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載の液晶性化合物を有するホログラム記録材料にホログラム記録を行う際、液晶性化合物が液晶状態を取る温度にてホログラム記録を行うことを特徴とする上記(1)〜上記(3)のいずれか一項に記載のホログラム記録方法。
(28) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を加熱しながらホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(29) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を用いてホログラム記録を行う際、ホログラム露光した後、全面露光、加熱処理またはその両方を行うことを特徴とする上記(1)〜(3)〜上記(27)〜(28)のいずれか一項に記載のホログラム記録方法。
(30) 上記(1)〜(3)、上記(27)〜(28)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を用いて体積型ホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(31) 前記ホログラム記録方法において、10回以上の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(32) 前記ホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(33) 上記(29)にて、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることを特徴とする上記(29)〜上記(32)のいずれか一項に記載のホログラム記録方法。
(34) 上記(1)〜(3)、上記(27)〜(33)のいずれか一項に記載のホログラム記録方法を用いる光記録方法。
(35) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を用いる光記録媒体。
(36) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
(37) 上記(1)〜(3)、上記(27)〜(33)のいずれか一項に記載のホログラム記録方法を用いる3次元ディスプレイホログラム記録方法。
(38) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を用いる3次元ディスプレイホログラム。
(39) 上記(1)〜(3)、上記(27)〜(33)のいずれか一項に記載のホログラム記録方法を用いるホログラフィック光学素子製造方法。
(40) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を用いるホログラフィック光学素子。
本発明のホログラム記録方法は、ホログラム露光により固有複屈折率を有する化合物の配向変化を起こし、そのまま化学反応により固定化することにより、書き換えできない方式にて屈折率変調による干渉縞記録することを特徴とするホログラム記録方法である。
したがって、本発明の固有複屈折率を有する化合物は、好ましくは棒状で分子の長軸方向に共役が長くつながった化合物を表す。
なお本発明において、化学反応は重合反応であることがより好ましい。重合反応としては、付加重合反応、開環付加重合反応、縮重合反応、開環縮重合反応、錯体化反応等が挙げられ、より好ましくは付加重合反応または開環付加重合反応が挙げられる。またその際、ラジカル重合反応、カチオン重合反応、アニオン重合反応のいずれかが起こることが好ましい。
したがって、本発明の固有複屈折率を有する化合物、好ましくは液晶性化合物、より好ましくは低分子液晶性化合物は重合性基を有することがより好ましく、重合反応により固定化されることがより好ましい。その際の重合性基として好ましくは、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、ビニル基、オキシラン基、オキソラン基、ビニルエーテル基である。
したがって本発明の液晶性化合物としては、上記のような相をとる、重合性基を有する低分子液晶性化合物であることがより好ましい。
ここで、本発明の光反応性化合物は光を吸収し励起状態を経由することにより反応して構造を変化でき、その結果液晶性化合物、好ましくは重合性基を有する低分子液晶性化合物の配向状態を変化させて屈折率を変調させることができる化合物を表す。光反応性化合物が起こす光反応として好ましくは、異性化反応、2分子環化反応、閉環反応、開環反応、付加反応、脱離反応、縮合反応、加溶媒反応、求核反応、求電子反応、ラジカル反応、錯体化反応等が挙げられ、好ましくは異性化反応、2分子環化反応、閉環反応、開環反応が挙げられる。
異性化反応する光反応性化合物としては好ましくはアゾベンゼン系化合物、スチルベン系化合物が挙げられ、2分子環化反応する化合物としては好ましくは桂皮酸系化合物、クマリン系化合物、カルコン系化合物が挙げられ、開環反応する化合物として好ましくは、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物が挙げられ、閉環反応する化合物として好ましくはジアリールエテン系化合物、フルギド系化合物、フルギミド系化合物が挙げられる。
本発明の光反応性化合物としては、光異性化化合物がより好ましく、アゾベンゼン系化合物であることがさらに好ましい。
なお、光異性化化合物は低分子化合物であっても高分子化合物であっても良いが、高分子化合物の際は光反応性部位をペンダントした高分子化合物であることがより好ましい。
本発明のホログラム記録材料は好ましくは重合開始剤を含む。重合開始剤は好ましくはラジカルを発生するラジカル重合開始剤、酸を発生するカチオン重合開始剤、塩基を発生するアニオン重合開始剤のいずれかである。
本発明の重合開始剤は、増感色素または光反応化合物励起状態からエネルギー移動または電子移動により、あるいは直接励起によりラジカル、酸または塩基を発生することが好ましい。
さらに本発明のホログラム記録材料においては、必要に応じて重合性モノマー、重合性オリゴマー、架橋剤、熱安定剤、可塑剤、溶媒等の添加物を用いる。
ただし、本発明のホログラム記録材料での干渉縞記録(屈折率変調)自体においては、バインダー、重合性モノマー、重合性オリゴマー等は必ずしも必要なく、これらが用いられる時は、膜硬化、製膜性向上、保存性向上、収縮率低下等の目的によるためである。
光定着の場合は、ホログラム記録材料全域に紫外光または可視光を全面照射(非干渉露光)する。用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、紫外光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、LED、有機ELなどが挙げられる。
熱定着の場合は、好ましくは40℃〜160℃、より好ましくは60℃〜130℃にて定着工程を行うことが好ましい。
光定着と熱定着を両方行う際は、光と熱を同時に加えても、光と熱を別々に加えてもよい。
η=Idiff/Io (式1)
ここでIoは入射光強度であり、Idiffは回折(透過型)または反射(反射型)された光強度である。回折効率は0〜100%のいずれかの値を取るが、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
さらに、本発明に用いる光としては、コヒーレントな(位相及び波長のそろった)レーザー光が好ましい。用いられるレーザーとしては、固体レーザー、半導体レーザー、気体レーザー、液体レーザーのいずれでも良いが、好ましいレーザー光としては例えば、532NmのYAGレーザー2倍波、355NmのYAGレーザー3倍波、405〜415Nm付近のGaNレーザー、488または515NmのArイオンレーザー、632Nmまたは633NmのHe−Neレーザー、647NmのKrイオンレーザー、694Nmのルビーレーザーや636、634、538、534、442NmのHe−Cdレーザーなどが挙げられる。
また、ナノ秒やピコ秒オーダーのパルスレーザーを用いることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に使用する場合は、532NmのYAGレーザー2倍波または405〜415Nm付近のGaNレーザーを用いることが好ましい。
ホログラム露光(記録)に用いる光の波長に対し、ホログラム再生に用いる光の波長は同じであるか、長波長であることが好ましく、同じであることがより好ましい。
また、クーゲルニックの理論式より、ある回折効率を与えるための屈折率変調量ΔNは膜厚dに反比例する。つまり、ある回折効率を与えるための感度は膜厚によっても異なり、膜厚dが厚くなる程少ない屈折率変調量ΔNで済む。したがって、膜厚等の条件を揃えない限り、感度は一概には比較することはできない。
本発明においては、感度は「最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量(mJ/cm2)」と定義する。本発明のホログラム記録材料の感度は、例えば膜厚が10〜200μm程度の場合、2J/cm2以下であることが好ましく、1 J/cm2以下であることがより好ましく、500mJ/cm2以下であることがさらに好ましく、200mJ/cm2以下であることが最も好ましい。
なお、本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、特に断りの無い限りは、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても、置換されていなくても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。また、本発明における化合物に使用できる置換基は、どのような置換基でも良い。
また、本発明において、特定の部分を「環」と称した場合、あるいは「基」に「環」が含まれる場合は、特に断りの無い限りは単環でも縮環でも良く、置換されていても置換されていなくても良い。
例えば、「アリール基」はフェニル基でもナフチル基でも良く、置換フェニル基でも良い。
さらに本発明の液晶性化合物は反応性基を有することが好ましく、重合性基を有することがより好ましい。したがって本発明の液晶性化合物としては、重合性基を有する低分子液晶性化合物であることがより好ましい。
N102は0または1を表す。
本発明の光反応性化合物としては、光異性化化合物がより好ましく、アゾベンゼン系化合物であることがさらに好ましい。
なお、光異性化化合物は低分子化合物であっても高分子化合物であっても良いが、高分子化合物の際は光反応性部位をペンダントした高分子化合物であることがより好ましい。
その際、エネルギー移動が効率良く起こるためには、増感色素の励起エネルギーが、光反応性化合物の励起エネルギーよりも大きいことが好ましい。
また、増感色素励起状態が光反応性化合物に電子を与えても、電子を受け取っても良い。増感色素励起状態から電子を与える場合、電子移動が効率良く起こるためには、増感色素の励起状態における励起電子の存在する軌道(LUMO)エネルギーが、光反応性化合物のLUMO軌道のエネルギーよりも高いことが好ましい。
増感色素励起状態が電子を受け取る場合、電子移動が効率良く起こるためには、増感色素の励起状態におけるホールの存在する軌道(HOMO)エネルギーが、光反応性化合物のHOMO軌道のエネルギーよりも低いことが好ましい。
ホログラム露光波長における増感色素のモル吸光係数は1以上10000以下であることが好ましく、1以上5000以下であることがより好ましく、5以上2500以下であることがさらに好ましく、10以上1000以下であることが最も好ましい。
同様にホログラム露光波長における光反応性化合物のモル吸光係数は0以上10000以下であることが好ましく、0以上5000以下であることがより好ましく、0以上2500以下であることがさらに好ましく、0以上1000以下であることが最も好ましい。
光反応性化合物のλmaxもホログラム記録波長よりも短波長であることがより好ましく、ホログラム記録波長と同じから200Nm短波長な範囲の間であることがさらに好ましい。
特に増感色素がシアニン色素やメロシアニン色素のような有機色素の時は20分の1以下であることがより好ましく、50分の1以下であることがさらに好ましく、100分の1以下であることが最も好ましい。
本発明の重合開始剤とは、増感色素または光反応性化合物の励起状態からエネルギー移動または電子移動(電子を与えるまたは電子を受ける)を行うことにより、または直接励起されることによりラジカルまたは酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)、塩基(ブレンステッド塩基またはルイス塩基)を発生し、重合性化合物の重合を開始することができる化合物のことである。
本発明の重合開始剤は好ましくは、ラジカルを発生して重合性化合物のラジカル重合を開始することができるラジカル重合開始剤と、ラジカルを発生することなく酸のみ発生して重合性化合物のカチオン重合のみを開始することができるカチオン重合開始剤と、ラジカル及び酸を両方発生して、ラジカル及びカチオン重合両方を開始することができる重合開始剤、塩基を発生してアニオン重合を開始できるアニオン重合開始剤のいずれかである。
本発明の重合開始剤としては好ましくは、以下の12個の系が挙げられる。なお、これらの重合開始剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
2)有機過酸化物系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
8)ホウ酸塩系重合開始剤
9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
11)金属アレーン錯体系重合開始剤
12)スルホン酸エステル系重合開始剤
好ましい例としては例えば、ベンゾフェノン誘導体(例えばベンゾフェノン、ミヒラーズケトン)、ベンゾイン誘導体(例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−アリルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン)、アセトイン誘導体(アセトイン、ピバロイン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、アシロインエーテル誘導体(例えばジエトキシアセトフェノン)、α−ジケトン誘導体(ジアセチル、ベンジル、4,4´−ジメトキシベンジル、ベンジルジメチルケタール、2,3−ボルナンジオン(カンファーキノン)、2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロ−3,4−フラン酸(イミダゾールトリオン))、キサトン誘導体(例えばキサントン)、チオキサントン誘導体(例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン)、ケトクマリン誘導体等が挙げられる。
置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、N−プロピル、イソプロピル、N−ブチル、N−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、カルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基である。
R24は好ましくは−CR21R22R23を、より好ましくは−OCl3基を表し、R25は好ましくは, −CR21R22R23、アルキル基、アルケニル基、アリール基である。
ジアゾニウム塩系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(12)にて表される。
R27は置換基を表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、a21は0〜5の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。a21が2以上の時、複数のR27は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
X21 -は、HX21がpKa4以下(水中、25℃)、好ましくは3以下、より好ましくは2以下の酸となる陰イオンで、好ましくは例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどである。
a22、a23はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0〜1の整数を表す。a21が2以上の時、複数のR28、R29は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
また、「マクロモレキュールス(Macromolecules)」,第10巻,p1307(1977年)に記載の化合物、特開昭58−29803号公報、特開平1−287105号公報、特願平3−5569号に記載されているようなジアリールヨードニウム塩類も挙げられる。
より好ましくはR33、R34、R35はアリール基であり、R36がアルキル基であり、最も好ましくはR33、R34、R35はフェニル基であり、R36はN−ブチル基である。
具体的には、特開平1−54440号、ヨーロッパ特許第109851号、ヨーロッパ特許第126712号および「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」,第30巻,第174頁(1986年)記載の鉄アレーン錯体、「オルガノメタリックス(Organometallics)」,第8巻,第2737頁(1989年)記載の鉄アレーン有機ホウ素錯体、「Prog.Polym.Sci,第21巻,7〜8頁(1996年)記載の鉄アレーン錯体塩、特開昭61−151197号公報に記載されるチタセノン類、などが好ましい例として挙げられる。
a)ラジカル重合を活性化できる重合開始剤
b)カチオン重合のみ活性化できる重合開始剤
c)ラジカル重合とカチオン重合を同時に活性化できる重合開始剤
分類することができる。
前記の中では、以下の系がラジカル重合を活性化することができる重合開始剤系である。
1)ケトン系重合開始剤
2)有機過酸化物系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
8)ホウ酸塩系重合開始剤
9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
11)金属アレーン錯体系重合開始剤
1)ケトン系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
が挙げられ、さらに好ましくは、
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
が挙げられる。
12)スルホン酸エステル系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
13)金属アレーン錯体系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
を挙げることができる。
その際、塩基発生剤とは、増感色素または光反応性化合物励起状態からのエネルギー移動または電子移動か、あるいは直接励起により塩基を発生することができる化合物である。塩基発生剤は暗所では安定であることが好ましい。本発明における塩基発生剤は、増感色素または光反応性化合物励起状態からの電子移動により塩基を発生することができる化合物であることが好ましい。
本発明の塩基発生剤は、光によりブレンステッド塩基を発生することが好ましく、有機塩基を発生することがさらに好ましく、有機塩基としてアミン類を発生することが特に好ましい。
R1、R2は互いに連結して環を形成しても良く、形成するヘテロ環として好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環、モロホリン環、ピリジン環、キノリン環、イミダゾール環であり、より好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、イミダゾール環であり、最も好ましくはピペリジン環である。
R1、R2のより好ましい組み合わせとしては、R1が置換しても良いシクロヘキシル基でR2が水素原子、R1が置換しても良いアルキル基でR2が水素原子、R1、R2が連結してピペリジン環またはイミダゾール環を形成、等が挙げられる。
一般式(1−1)にて、N2は0〜5の整数であり、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは1または2である。N2が2以上の時、複数のR3は同じでも異なっても良く、連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。
一般式(1−1)にて、R3がニトロ基である時、2位または2,6位に置換することが好ましく、R3がアルコキシ基である時、3、5位に置換することが好ましい。
R4、R5のより好ましい組み合わせとしては、R4、R5共水素原子、R4がメチル基でR5が水素原子、R4、R5共メチル基、R4が2−ニトロフェニル基でR5が水素原子、等が挙げられ、さらに好ましくはR4、R5共水素原子である。
一般式(1−2)にて、N3、N4はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。N3、N4が2以上の時、複数のR6、R7は同じでも異なっても良く、連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。
一般式(1−2)にて、R6は3、5位に置換したアルコキシ基であることがより好ましく、3、5位に置換したメトキシ基であることがさらに好ましい。
なお、一般式(1−3)で表される化合物はR9からポリマー鎖に連結した化合物であっても良い。
R10、R11は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては例えばフルオレン環が好ましい。
バインダーとしては、溶媒可溶性の熱可塑性重合体が好ましく、単独又は互いに組合せて使用することができる。
その場合、バインダーが低分子液晶の配向制御のために用いられることが好ましい。
特に重合開始剤が2,4,5−トリフェニルイミダゾリルダイマーの場合は連鎖移動剤を用いることが好ましい。
連鎖移動剤の使用量は、組成物全体に対して1.0〜30質量%が好ましい。
バインダー:好ましくは0〜95質量%、より好ましくは0〜70質量%、
液晶性化合物:好ましくは10〜99質量%、より好ましくは30〜99質量%、
光反応性化合物:好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは1〜10質量%
重合開始剤:好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%
増感色素:好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%
例えば本発明のホログラム記録材料の製膜方法としては、前記バインダーや各成分を溶媒等に溶かしてスピンコーターまたはバーコーター等を用いて塗布しても良い。
その際、溶媒としては好ましくは例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、メタノール、エタノール、N−プロパノール、2−プロパノール、N−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒などが挙げられる。
ここで、「基板」とは、任意の天然又は合成支持体、好適には柔軟性又は剛性フィルム、シートまたは板の形態で存在することができるものを意味する。
基板として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、樹脂下塗り型ポリエチレンテレフタレート、火炎又は静電気放電処理されたポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ガラス等である。
使用した溶媒は乾燥時に蒸発除去することができる。蒸発除去には加熱や減圧を用いても良い。
また、バインダーを形成するモノマー溶液に各成分を溶解させておいた上でモノマーを熱重合または光重合させてポリマーとし、バインダーとして使用する方法も好ましく使用できる。その際の重合法としても、ラジカル重合反応、カチオン重合反応、縮合重合反応、付加重合反応等が使用できる。
そのため、例えば本発明のホログラム記録材料に特開2000−86914号記載の膨張剤を用いたり、特開2000−250382号、2000−172154、特開平11−344917号記載の耐収縮性のあるバインダーを用いることも好ましい。
また、特開平3−46687号、5−204288号、特表平9−506441号等記載の拡散要素を用いて干渉縞間隔を調節することも好ましい。
また、記録光及び再生光波長以外の紫外光、可視光、赤外光の波長域の一部をカットすることができる遮光フィルターをホログラム記録材料の表面、裏面またはその両面に備え付けていることも好ましい。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるわけではない。
また、試料103、106にて光反応性化合物をR−41、R−49に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料102、104にてラジカル重合性基を有する液晶性化合物をLC−2、LC−4、LC−10、LC−14、LC−25、LC−28、LC−33に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料101、103、105、106にてカチオン重合性基を有する液晶性化合物をLC−3、LC−5、LC−7、LC−11、LC−15、LC−17、LC−20、LC−26、LC−35に変更しても同様な効果が得られた。
また試料102、104にてラジカル重合開始剤をケトン系重合開始剤のイルガキュア907、イルガキュア184、イルガキュア651に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料101、103、105、106にてカチオン重合開始剤(酸発生剤)をトリス(4−メチルフェニル)スルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロペンタノエート、ビス(1−(4−ジフェニルスルホニウム)フェニルスルフィドジトリフラート、ジメチルフェナシルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフラート、4−オクチルオキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートに変更しても同様な効果が得られた。
また試料102、105にて、バインダーをポリメチルメタクリレート(Mw996000、350000)、ポリ(メチルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体(Mw75000)、ポリビニルアセタール(Mw83000)、ポリカーボネート、セルロースアセテートブチレート等に変更しても同様な効果が得られた。
12 レーザービーム
14 鏡
20 ビームスプリッター
22 ビームセグメント
24 鏡
26 空間フィルター
40 ビームエクスパンダー
30 ホログラム記録材料
28 試料
32 He−Neレーザービーム
34 He−Neレーザー
36 検出器
38 回転ステージ
Claims (17)
- ホログラム露光により、固有複屈折率を有する化合物の配向変化を起こし、そのまま化学反応により固定化することにより、書き換えできない方式にて屈折率変調として記録することを特徴とするホログラム記録方法。
- 該固有複屈折率を有する化合物が重合性基を有し、重合により固定化することを特徴とする請求項1の記載のホログラム記録方法。
- 前記固有複屈折率を有する化合物が液晶性化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホログラム記録方法。
- 少なくとも、該重合性基を有する低分子液晶性化合物、光反応性化合物および重合開始剤を有し、書き換えできない方式であることを特徴とするホログラム記録材料。
- さらに増感色素を有することを特徴とする請求項4に記載のホログラム記録材料。
- 前記増感色素がホログラム露光時の光を吸収して生成した励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、光反応性化合物を反応させることを特徴とする請求項5に記載のホログラム記録材料。
- 前記光反応性化合物が光異性化化合物であることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
- 光反応性化合物がアゾベンゼン系化合物、スチルベン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、ジアリールエテン系化合物、フルギド系化合物、フルギミド系化合物、桂皮酸系化合物、クマリン系化合物、カルコン系化合物のいずれかであることを特徴とする請求項4〜請求項7のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
- 前記光反応性化合物が、光反応性部位をペンダントした高分子化合物であることを特徴とする請求項4〜請求項8のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
- 前記重合性基を有する低分子液晶性化合物がネマチック液晶性化合物、スメクチック液晶性化合物、ディスコティックネマチック液晶性化合物、ディスコティック液晶性化合物又はコレステリック液晶性化合物のいずれかであることを特徴とする請求項4〜請求項9のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
- 前記液晶性化合物が液晶状態を取る温度でホログラム記録を行うことを特徴とする請求項3に記載のホログラム記録方法。
- 請求項4〜請求項10のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を用い、該液晶性化合物が液晶状態を取る温度でホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
- 体積型ホログラム記録を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3、請求項11または請求項12のいずれか一項に記載のホログラム記録方法。
- 10回以上の多重記録を行うことを特徴とする請求項13に記載のホログラム記録方法。
- 多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録を行うことを特徴とする請求項14に記載のホログラム記録方法。
- 請求項4〜請求項10に記載のホログラム記録材料を用いることを特徴とする3次元ディスプレイホログラム。
- 請求項4〜請求項10に記載のホログラム記録材料を用いることを特徴とするホログラフィック光学素子。
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