JP4516813B2 - ホログラム記録材料及びホログラム記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能なホログラム記録材料及びホログラム記録方法に関するものである。
ホログラム作製に関する一般的原理は、いくつかの文献や専門書、たとえば[非特許文献1]の2章に記載されている。これらによれば、2光束のコヒーレントなレーザー光の一方を記録対象物に照射し、それからの全反射光を受け取れる位置に感光性のホログラム記録材料が置かれる。ホログラム記録材料には、対象物からの反射光の他に、もう一方のコヒーレントな光が、対象物に当たらずに直接照射される。対象物からの反射光を物体光、また直接記録材料に照射される光を参照光といい、参照光と物体光との干渉縞が画像情報として記録される。次に、処理された記録材料に参照光と同じ光(再生照明光)を照射すると、記録の際に対象物から記録材料に最初に到達した反射光の波面を再現するようにホログラムによって回折され、その結果、対象物の実像とほぼ同じ物体像を3次元的に観測することができる。
参照光と物体光を同じ方向からホログラム記録材料に入射させて形成されるホログラムを透過型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に垂直または垂直に近い形で1mmに1000〜3000本程度の間隔で形成される。
一方、互いにホログラム記録材料の反対側から入射させて形成したホログラムを、一般に反射型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に平行または平行に近い形で1mmに3000〜7000本程度の間隔で形成される。
透過型ホログラムは、例えば、[特許文献1]などで開示されているような公知の方法によって作成できる。また、反射型ホログラムは、例えば、[特許文献2]、[特許文献3]などに開示された公知の方法によって作成できる。
一方、干渉縞間隔に対して膜厚が十分に厚い(通常は干渉縞間隔の5倍以上程度、または1μm以上程度の膜厚を言う)ホログラムを体積型ホログラムという。
それに対し膜厚が干渉縞間隔の5倍以下程度または1μm以下程度のホログラムを平面型または表面型という。
さらに、色素や銀などの吸収により干渉縞を記録するホログラムを振幅型ホログラムと呼び、表面レリーフまたは屈折率変調により記録するホログラムを位相型ホログラムと呼ぶ。振幅型ホログラムは光の吸収により、光の回折効率または反射効率が著しく低下するため光の利用効率の点で好ましくなく、通常は位相型ホログラムが好ましく用いられる。
従来、ホログラムは3次元立体像の再生が可能であることから、その優れた意匠性、装飾効果から書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレイ、ギフトなどに利用されている。また特に、偽造防止用のセキュリティ目的としてクレジットカード、紙幣、包装などにも用いられ、現在大きな市場を形成している。
これらのホログラムは平面型の表面レリーフ位相型ホログラムである。通常はフォトレジストにより作成したマスターによりエンボスを作成して大量複製するため、エンボス型ホログラムとも呼ばれる。
しかしながら、表面レリーフ位相型ホログラムでは、フルカラー化、白色再生、高解像化、高回折効率化が困難であり、最近では、それらが可能となる体積位相型ホログラムが注目されてきている。
体積位相型ホログラムでは、ホログラム記録材料中に光学的吸収ではなく屈折率の異なる干渉縞を多数形成することによって、光を吸収することなく光の位相を変調することができる。
特に反射型の体積位相型ホログラムはリップマン型ホログラムとも呼ばれ、ブラック回折による波長選択的反射により、高回折効率にてフルカラー化、白色再生、高解像度化が可能となり、高解像フルカラー3次元ディスプレイの提供が可能となる。
また最近ではその波長選択的反射を生かして、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板等に代表されるホログラム光学素子(HOE)に広く実用化されてきている。
他にも例えば、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス等に実用または応用が検討されている。
ここで、公知の体積位相型ホログラム記録材料には、ライトワンス方式として重クロム酸ゼラチン方式、漂白ハロゲン化銀塩方式及びフォトポリマー方式などが知られ、リライタブル方式として、フォトリフラクティブ方式及びフォトクロミック高分子方式などが知られる。
しかしこれらの公知の体積位相型ホログラム記録材料において、特に高感度高解像フルカラー3次元ディスプレイ用途においては、求められる要件をすべて満たす材料は未だなく改良が望まれている。
具体的には例えば、重クロム酸ゼラチン方式は高い回折効率と低ノイズ特性という長所を有するが、保存性が極めて悪く、湿式処理が必要で低感度という問題を有する。
漂白ハロゲン化銀方式は高感度という長所を有するが、湿式処理が必要でかつ漂白処理が煩雑であり、耐光性に劣るという問題点を有する。
フォトリフラクティブ材料は書き換え可能という長所を有するが、記録時に高電場印加が必要、記録保存性が悪いという問題点を有する。
アゾベンゼン高分子材料等に代表されるフォトクロミック高分子方式も書き換え可能という長所を有するが、感度が極めて低く記録保存性も悪いという問題点を有する。
そのような中、前述の特許文献1〜3に開示された乾式処理フォトポリマー方式は、バインダー、ラジカル重合可能なモノマーおよび光重合開始剤を基本組成とし、屈折率変調を向上させるためにバインダーまたはラジカル重合可能なモノマーのどちらか一方に芳香環または塩素、臭素を有する化合物を用いて屈折率差を持たせる工夫をしており、その結果、ホログラム露光の際形成される干渉縞の明部にモノマーが、暗部にバインダーが集まりつつ重合が進行することにより屈折率差を形成することができる。したがって、高回折効率と乾式処理を両立できうる比較的実用的な方式といえる。
しかしながら、漂白ハロゲン化銀方式に比べると感度が1000分の1程度であること、回折効率を高めるためには2時間近い加熱定着処理を必要とすること、ラジカル重合であるため、酸素による重合阻害の影響を受け、また露光、定着後記録材料の収縮を伴い、再生時の回折波長及び角度が変化してしまう問題点があり、さらなる改良が望まれている。
ところで、最近の高度情報化社会の流れの中で、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、民生用途においても100GB以上の画像情報を安価簡便に記録するための高密度記録媒体の要求が高まっている。
さらにコンピューター高容量化等の流れの中で、コンピューターバックアップ用途や放送バックアップ用途等の業務用途においても、1TB程度あるいはそれ以上の大容量の情報を高速かつ安価に記録できる超高密度記録媒体が求められている。
そのような中、ランダムアクセスが不可能な磁気テープ媒体や可換不可能で故障しやすいハードディスクに対し、可換かつランダムアクセス可能で小型、安価な光記録媒体がより注目されてきている。しかしながら、DVD−Rのような既存の2次元光記録媒体は物理原理上、たとえ記録再生波長を短波長化したとしてもせいぜい25GB程度で、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量が期待できるとは言えない状況である。
そこで、究極の超高密度記録媒体として、膜厚方向に記録を行う3次元光記録媒体が注目されてきている。その有力な方法として2光子吸収材料を用いる方法とホログラフィー(干渉)を用いる方法とがあり、そのため体積位相型ホログラム記録材料は、3次元光記録媒体として、最近俄然注目を集めるようになった。
体積位相型ホログラム記録材料を用いた光記録媒体では、3次元物体から反射する物体光の代わりに、DMDやLCDといった空間光変調素子(SLM)を用いた2次元デジタル情報(信号光と呼ぶ)を数多く記録していく。記録の際、角度多重、位相多重、波長多重、シフト多重などの多重記録を行うため1TBにも達する高容量化が可能となる。また、読み出しには通常CCDやCMOS等を用い、それらの並列書き込み、読み出しにより、1Gbpsにも達する高転送速度化も可能となる。
ところが、ホログラフィックメモリに用いるホログラム記録材料に求められる要件は、下記の如く3次元ディスプレイやHOE用途よりもさらに厳しいものである。
(1)高感度であること
(2)高解像力を有すること
(3)ホログラムの回折効率が高いこと
(4)記録時の処理が乾式であり迅速であること
(5)多重記録が可能であること(ダイナミックレンジが広いこと)
(6)記録後の収縮率が小さいこと
(7)ホログラムの保存性が良いこと
特に、(1)高感度であることに対し、(3)回折効率が高いこと、(4)乾式処理であること、(6)記録後の収縮率が低いこと、(7)保存性が良いこと、は化学的に考えて相反する物性であり、その両立は極めて困難である。
例えば、漂白ハロゲン化銀方式は高感度であるが、湿式処理が必要であるため、高密度記録材料用途には一般的に適さない。
また前述した特許文献1〜3記載のラジカル重合を用いる乾式フォトポリマー方式は、フォトポリマー方式の中では比較的感度が高いものの、収縮率が極めて大きくホログラフィックメモリ用途としては到底使用に耐えるものではない。さらに、膜が柔らかいため保存性の点でも不足している。
ここで一般に、ラジカル重合に対しカチオン重合、特にエポキシ化合物等の開環を伴うカチオン重合は、重合後の収縮が少なく、また酸素による重合阻害も受けず、剛性のある膜を与える。したがって、ホログラフィックメモリ用途としてはカチオン重合の方が適しているという指摘もある。
例えば、[特許文献4]、[特許文献5]等に、カチオン重合性化合物(モノマーまたはオリゴマー)をバインダーの代わりに用い、さらに増感色素、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合性化合物を組み合わせたホログラム記録材料が開示されている。
また、[特許文献6]、[特許文献7]等に、ラジカル重合を用いずに、増感色素、カチオン重合開始剤、カチオン重合性化合物及びバインダーのみを用いたホログラム記録材料が開示されている。
しかしこれらのカチオン重合方式はラジカル重合方式に比べて、収縮率の改善が見られるものの、その相反として、感度が低下しており、実用の際には転送速度の点で大きな問題となると考えられる。また回折効率も低下しており、S/N比や多重記録の点で問題となると考えられる。
前述したように、フォトポリマー方式は物質移動を伴う方式であるため、ホログラフィックメモリへの応用を検討する際、保存性を良く、収縮性を小さくしようとすれば感度が低下し(カチオン重合方式)、逆に感度を向上させようとすれば、保存性、収縮性が悪化する(ラジカル重合方式)というジレンマに陥る。また、ホログラフィックメモリの記録密度を向上させるためには、50回を超えて好ましくは100回以上にも及ぶ多重記録が必須であるが、フォトポリマー方式では記録に物質移動を伴う重合を用いるため、多重記録初期の記録速度に対して、多くの化合物の重合が進んだ後の多重記録後期の記録速度が低下してしまい、それを制御して露光量を調節すること、広いダイナミックレンジをとることが実用上大きな問題となっている。
一方で、[特許文献8]には、アゾベンゼン高分子(フォトクロミック高分子)の屈折率異方性と配向制御を用いた書き換え可能なホログラム記録材料が提示されているが、アゾベンゼン異性化の量子収率が低い上に配向変化を伴う方式であるがために感度が極めて低く、また書き換え可能であることとの相反で記録保存性も悪いという問題点を有し、実用には程遠い。また、書き換え可能であることも、記録が間違って消えてしまうという点で好ましくない用途の場合も多い。また、[特許文献9]では透明導電性膜間にバインダーポリマー、屈折率異方性を有し重合性を有する液晶モノマー、光重合開始剤から成る成分をはさんで一部硬化させた材料に、電気を印加して反射の有無を可逆制御する方法について開示されているが、この方式も電場の印加が必要、記録保存性が悪いという欠点がある上、任意の場所に任意の情報を記録する必要がある光記録媒体、ディスプレイホログラム(3Dイメージング)用途には原理上適用は困難である。
以上のような高感度と良保存性、低収縮率のジレンマ、多重記録特性の問題点は、物質移動を伴うフォトポリマー方式を用いている限りは物理法則上避けがたい。また液晶性化合物の配向制御を用いた既存方式も感度、保存性の点で光記録媒体に求められる要件を全く満たせていない。
そこで、ホログラム記録材料をホログラフィックメモリへ応用するためには、そのような課題を抜本的に解決した、とりわけ高感度と低収縮性、良保存性、乾式処理、多重記録特性を両立できる全く新しい記録方式の開発が強く望まれていた。
「ホログラフィックディスプレイ」,辻内順平編,産業図書 特開平6−43634号公報 特開平2−3082号公報 特開平3−50588号公報 特開平5−107999号公報 特開平8−16078号公報 特表2001―523842号公報 特表11−512847号明細書 国際公開第9744365A1号パンフレット 特開平5−80309号公報
そこで本発明の目的は、高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能な高感度かつ高回折効率、良保存性、乾式処理を両立することができるホログラム記録材料及びホログラム記録方法を提供することである。
発明者らの鋭意検討の結果、本発明の目的は、下記の手段により達成された。
(1) ホログラム露光により固有複屈折率を有する化合物の配向変化を起こし、そのまま化学反応により固定化することにより、書き換えできない方式にて屈折率変調として記録することを特徴とするホログラム記録方法。
(2) 固有複屈折率を有する化合物が重合性基を有し、重合により固定化することを特徴とする上記(1)記載のホログラム記録方法。
(3) 固有複屈折率を有する化合物が液晶性化合物であることを特徴とする上記(1)または上記(2)記載のホログラム記録方法。
(4) 少なくとも、重合性基を有する低分子液晶性化合物、光反応性化合物、重合開始剤を有し、書き換えできない方式であることを特徴とするホログラム記録材料。
(5) さらに増感色素を有することを特徴とする上記(4)に記載のホログラム記録材料。
(6) 前記増感色素がホログラム露光時の光を吸収して生成した励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、光反応性化合物を反応させることを特徴とする上記(5)に記載のホログラム記録材料。
(7) 前記光反応性化合物が光異性化化合物であることを特徴とする上記(4)〜上記(6)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(8) 光反応性化合物がアゾベンゼン系化合物、スチルベン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、ジアリールエテン系化合物、フルギド系化合物、フルギミド系化合物、桂皮酸系化合物、クマリン系化合物、カルコン系化合物のいずれかであることを特徴とする上記(4)〜上記(7)記載のホログラム記録材料。
(9) 光反応性化合物がアゾベンゼン系化合物であることを特徴とする上記(8)記載のホログラム記録材料。
(10) 少なくとも、重合性基を有する低分子液晶性化合物、光反応性化合物、重合開始剤、バインダーを有し、書き換えできない方式であることを特徴とする上記(4)〜上記(9)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(11) 少なくとも、重合性基を有する低分子液晶性化合物、光反応性化合物、重合開始剤、増感色素、バインダーを有し、書き換えできない方式であることを特徴とする上記(5)、上記(6)または上記(10)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(12) 光反応性化合物が低分子化合物であることを特徴とする上記(4)〜上記(11)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(13) 光反応性化合物が高分子化合物であることを特徴とする上記(4)〜上記(11)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(14) 光反応性化合物が、光反応性部位をペンダントした高分子化合物であることを特徴とする上記(13)記載のホログラム記録材料。
(15) バインダーが光反応性化合物をペンダントした高分子化合物であることを特徴とする上記(10)または上記(11)記載のホログラム記録材料。
(16) 重合性基を有する低分子液晶性化合物がネマチック液晶性化合物、スメクチック液晶性化合物、ディスコティックネマチック液晶性化合物、ディスコティック液晶性化合物、コレステリック液晶性化合物のいずれかであることを特徴とする上記(4)〜上記(15)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(17) 重合性基を有する低分子液晶性化合物がネマチック液晶性化合物、ディスコティックネマチック液晶性化合物、コレステリック液晶性化合物のいずれかであることを特徴とする上記(16)記載のホログラム記録材料。
(18) 重合性基を有する低分子液晶性化合物がネマチック液晶性化合物であることを特徴とする上記(17)記載のホログラム記録材料。
(19) 上記(4)における重合性基がアクリル基、メタクリル基、スチリル基、ビニル基、オキシラン基、オキソラン基、ビニルエーテル基であることを特徴とする上記(4)〜上記(18)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(20) 上記(4)の重合開始剤がラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤のいずれかであることを特徴とする上記(4)〜上記(19)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
(21) 重合開始剤がケトン、有機過酸化物、ビスイミダゾール、トリハロメチル置換トリアジン、ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、有機ホウ酸塩、ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体、スルホニウム有機ホウ素錯体、金属アレーン錯体のいずれかのラジカル重合開始剤であることを特徴とする上記(20)記載のホログラム記録材料。
(22) 重合開始剤が、トリハロメチル置換トリアジン、ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、金属アレーン錯体、スルホン酸エステルのいずれかのカチオン重合開始剤(酸発生剤)であることを特徴とする上記(21)記載のホログラム記録材料。
(23) 重合開始剤が、一般式(1−1)〜(1−4)の少なくとも一種にて表されるアニオン重合開始剤(塩基発生剤)であることを特徴とする上記(20)記載のホログラム記録材料。
Figure 0004516813
一般式(1−1)〜(1−4)中、R1、R2、R13、R14、R15はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R1、R2は互いに連結して環を形成しても良く、R13、R14、R15は互いに連結して環を形成しても良い。R3、R6、R7、R9はそれぞれ独立に置換基を表し、R4、R5、R8、R10、R11はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R10、R11は互いに連結して環を形成しても良い。R16、R17、R18、R19はそれぞれ独立にアルキル基またはアリール基を表し、R12はアリール基またはヘテロ環基を表す。N1は0または1の整数を表し、N2〜N4はそれぞれ独立に0〜5の整数を表す。
(24) 一般式(1−1)、(1−2)にて、N1が1であることを特徴とする上記(23)記載のホログラム記録材料。
(25) 一般式(1−1)にて、R3が2位または2、6位に置換したニトロ基、あるいは3、5位に置換したアルコキシ基のいずれかであることを特徴とする上記(23)または上記(24)記載のホログラム記録材料。
(26) 一般式(1−2)にて、R6が3、5位に置換したアルコキシ基であることを特徴とする上記(23)または上記(24)記載のホログラム記録材料。
(27) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載の液晶性化合物を有するホログラム記録材料にホログラム記録を行う際、液晶性化合物が液晶状態を取る温度にてホログラム記録を行うことを特徴とする上記(1)〜上記(3)のいずれか一項に記載のホログラム記録方法。
(28) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を加熱しながらホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(29) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を用いてホログラム記録を行う際、ホログラム露光した後、全面露光、加熱処理またはその両方を行うことを特徴とする上記(1)〜(3)〜上記(27)〜(28)のいずれか一項に記載のホログラム記録方法。
(30) 上記(1)〜(3)、上記(27)〜(28)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を用いて体積型ホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(31) 前記ホログラム記録方法において、10回以上の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(32) 前記ホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(33) 上記(29)にて、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることを特徴とする上記(29)〜上記(32)のいずれか一項に記載のホログラム記録方法。
(34) 上記(1)〜(3)、上記(27)〜(33)のいずれか一項に記載のホログラム記録方法を用いる光記録方法。
(35) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を用いる光記録媒体。
(36) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
(37) 上記(1)〜(3)、上記(27)〜(33)のいずれか一項に記載のホログラム記録方法を用いる3次元ディスプレイホログラム記録方法。
(38) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を用いる3次元ディスプレイホログラム。
(39) 上記(1)〜(3)、上記(27)〜(33)のいずれか一項に記載のホログラム記録方法を用いるホログラフィック光学素子製造方法。
(40) 上記(4)〜上記(26)のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を用いるホログラフィック光学素子。
本発明のホログラム記録材料を用いることで、書き換えできない方式にて配向変化に基くホログラム記録を行うことができており、保存性が良好なホログラフィックメモリ等への応用が期待される。
以下に本発明のホログラム記録方法及びホログラム記録材料を実施するための最良の形態について図面も参照して詳細に説明する。
本発明のホログラム記録方法は、ホログラム露光により固有複屈折率を有する化合物の配向変化を起こし、そのまま化学反応により固定化することにより、書き換えできない方式にて屈折率変調による干渉縞記録することを特徴とするホログラム記録方法である。
なおここで、書き換えできない方式とは、不可逆反応により記録される方式であり、一度記録されたデータは、さらに上書き記録して書き換えしようとしても書き換えされることなく保存できる方式を示す。したがって重要でかつ長期保存が必要なデータの保存に適する。ただし無論、まだ記録されていない領域に新たに追記して記録していくことは可能である。そのような意味で、一般には「追記型」または「ライトワンス型」と呼ばれる。
ここで、固有複屈折率を有する化合物とは、好ましくは、分子固有の長軸方向の屈折率(Ne)と短軸方向の屈折率(No)の異なる化合物を表す。ここで、固有複屈折率とは分子固有の複屈折率を表し、固体、液晶状態等のバルクの複屈折率から求めることもできるが、分子軌道計算により求めることもできる値である。本発明のホログラム記録方法は、固有複屈折率を有する化合物の配向制御をホログラム露光により行うことにより屈折率変調による記録を行う方法であるため、固有複屈折率を有する化合物の屈折率異方性ΔN=|Ne―No|は大きい程好ましく、好ましくは0.01以上であり、さらに好ましくは0.05以上であり、最も好ましくは0.1以上である。
したがって、本発明の固有複屈折率を有する化合物は、好ましくは棒状で分子の長軸方向に共役が長くつながった化合物を表す。
本発明の固有複屈折率を有する化合物としてはいわゆる2色性化合物(色素)や液晶性化合物が好ましいが、より好ましくは液晶性化合物であり、さらに好ましくは低分子液晶性化合物であり、最も好ましくは少なくとも2環以上の環をコア部に有する低分子液晶性化合物である。
本発明の固有複屈折率を有する化合物、好ましくは液晶性化合物は、ホログラム露光による配向変化後、配向がそのまま固定化されることが好ましい。したがって、本発明の固有複屈折率を有する化合物、好ましくは液晶性化合物は反応性基を有していてホログラム露光時、あるいはその後の処理にて反応してその配向を固定化できることが好ましい。化学反応としては、不可逆的反応が好ましく、付加反応、開環付加反応、縮合反応、開環縮合反応、環化反応、求核反応、求電子反応、ラジカル反応、錯体化反応等が好ましい。
なお本発明において、化学反応は重合反応であることがより好ましい。重合反応としては、付加重合反応、開環付加重合反応、縮重合反応、開環縮重合反応、錯体化反応等が挙げられ、より好ましくは付加重合反応または開環付加重合反応が挙げられる。またその際、ラジカル重合反応、カチオン重合反応、アニオン重合反応のいずれかが起こることが好ましい。
したがって、本発明の固有複屈折率を有する化合物、好ましくは液晶性化合物、より好ましくは低分子液晶性化合物は重合性基を有することがより好ましく、重合反応により固定化されることがより好ましい。その際の重合性基として好ましくは、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、ビニル基、オキシラン基、オキソラン基、ビニルエーテル基である。
なお、本発明の液晶性化合物は、ネマチック液晶性化合物、スメクチック液晶性化合物、ディスコティックネマチック液晶性化合物、ディスコティック液晶性化合物、コレステリック液晶性化合物のいずれかであることが好ましく、ネマチック液晶性化合物、ディスコティックネマチック液晶性化合物、コレステリック液晶性化合物のいずれかであることがより好ましく、ネマチック液晶性化合物であることがさらに好ましい。
したがって本発明の液晶性化合物としては、上記のような相をとる、重合性基を有する低分子液晶性化合物であることがより好ましい。
本発明の液晶性化合物を有するホログラム記録材料にホログラム記録を行う際は、液晶性化合物が液晶状態を取る温度にてホログラム記録を行うことが好ましく、それが室温より高い温度の際はホログラム記録材料を加熱しながらホログラム記録を行うことも好ましい。
本発明のホログラム記録材料は、少なくとも、重合性基を有する低分子液晶性化合物、光反応性化合物、重合開始剤を有することが好ましい。
ここで、本発明の光反応性化合物は光を吸収し励起状態を経由することにより反応して構造を変化でき、その結果液晶性化合物、好ましくは重合性基を有する低分子液晶性化合物の配向状態を変化させて屈折率を変調させることができる化合物を表す。光反応性化合物が起こす光反応として好ましくは、異性化反応、2分子環化反応、閉環反応、開環反応、付加反応、脱離反応、縮合反応、加溶媒反応、求核反応、求電子反応、ラジカル反応、錯体化反応等が挙げられ、好ましくは異性化反応、2分子環化反応、閉環反応、開環反応が挙げられる。
異性化反応する光反応性化合物としては好ましくはアゾベンゼン系化合物、スチルベン系化合物が挙げられ、2分子環化反応する化合物としては好ましくは桂皮酸系化合物、クマリン系化合物、カルコン系化合物が挙げられ、開環反応する化合物として好ましくは、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物が挙げられ、閉環反応する化合物として好ましくはジアリールエテン系化合物、フルギド系化合物、フルギミド系化合物が挙げられる。
本発明の光反応性化合物としては、光異性化化合物がより好ましく、アゾベンゼン系化合物であることがさらに好ましい。
なお、光異性化化合物は低分子化合物であっても高分子化合物であっても良いが、高分子化合物の際は光反応性部位をペンダントした高分子化合物であることがより好ましい。
なお、本発明のホログラム記録材料は光反応性化合物とは別にさらに増感色素を含むことも好ましい。その際、ホログラム露光時の光を増感色素が吸収して生成した励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、光反応性化合物を反応させることが好ましい。本発明のホログラム記録材料が増感色素を含むとき、増感色素のラジカルカチオンを還元できる電子供与性化合物または増感色素のラジカルアニオンを酸化できる電子受容性化合物を含むことも好ましい。
本発明のホログラム記録材料は好ましくは重合開始剤を含む。重合開始剤は好ましくはラジカルを発生するラジカル重合開始剤、酸を発生するカチオン重合開始剤、塩基を発生するアニオン重合開始剤のいずれかである。
本発明の重合開始剤は、増感色素または光反応化合物励起状態からエネルギー移動または電子移動により、あるいは直接励起によりラジカル、酸または塩基を発生することが好ましい。
本発明のホログラム記録材料は低分子液晶性化合物、光反応性化合物、重合開始剤、増感色素の他にバインダー(高分子マトリックス化合物)を用いることも好ましい。バインダーは膜強度を増す、製膜性向上等の目的で用いられる。なお、光反応性化合物が高分子化合物であるとき、特に光反応性部位をペンダントした高分子化合物であるときは光反応性化合物がバインダーを兼ねても好ましい。
さらに本発明のホログラム記録材料においては、必要に応じて重合性モノマー、重合性オリゴマー、架橋剤、熱安定剤、可塑剤、溶媒等の添加物を用いる。
ただし、本発明のホログラム記録材料での干渉縞記録(屈折率変調)自体においては、バインダー、重合性モノマー、重合性オリゴマー等は必ずしも必要なく、これらが用いられる時は、膜硬化、製膜性向上、保存性向上、収縮率低下等の目的によるためである。
なお、本発明のホログラム記録材料は、ホログラム露光後湿式処理を行わないことが好ましい。
本発明のホログラム記録材料は好ましくは体積位相型のホログラム記録を行うための記録材料である。体積位相型のホログラム記録とは、先述したように、記録材料の膜面と平行もしくは平行に近い形(反射型)または垂直もしくは垂直に近い形(透過型)で、膜厚方向に1mmに1000〜7000本の多数の干渉縞を屈折率変調として記録するものである。
本発明のホログラム記録材料においては、ホログラム露光の後に、光または熱、あるいはその両方により定着工程を行っても良い。
光定着の場合は、ホログラム記録材料全域に紫外光または可視光を全面照射(非干渉露光)する。用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、紫外光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、LED、有機ELなどが挙げられる。
熱定着の場合は、好ましくは40℃〜160℃、より好ましくは60℃〜130℃にて定着工程を行うことが好ましい。
光定着と熱定着を両方行う際は、光と熱を同時に加えても、光と熱を別々に加えてもよい。
なお、干渉縞記録の際の屈折率変調は0.00001〜0.5であることが好ましく、0.0001〜0.3であることがより好ましい。
ホログラム記録材料の回折効率ηは以下の式で与えられる。
η=Idiff/Io (式1)
ここでIoは入射光強度であり、Idiffは回折(透過型)または反射(反射型)された光強度である。回折効率は0〜100%のいずれかの値を取るが、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
本発明に用いる光は好ましくは波長200〜2000Nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかであり、より好ましくは波長300〜700Nmの紫外光または可視光であり、さらに好ましくは400〜700Nmの可視光である。
さらに、本発明に用いる光としては、コヒーレントな(位相及び波長のそろった)レーザー光が好ましい。用いられるレーザーとしては、固体レーザー、半導体レーザー、気体レーザー、液体レーザーのいずれでも良いが、好ましいレーザー光としては例えば、532NmのYAGレーザー2倍波、355NmのYAGレーザー3倍波、405〜415Nm付近のGaNレーザー、488または515NmのArイオンレーザー、632Nmまたは633NmのHe−Neレーザー、647NmのKrイオンレーザー、694Nmのルビーレーザーや636、634、538、534、442NmのHe−Cdレーザーなどが挙げられる。
また、ナノ秒やピコ秒オーダーのパルスレーザーを用いることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に使用する場合は、532NmのYAGレーザー2倍波または405〜415Nm付近のGaNレーザーを用いることが好ましい。
ホログラム露光(記録)に用いる光の波長に対し、ホログラム再生に用いる光の波長は同じであるか、長波長であることが好ましく、同じであることがより好ましい。
ホログラム記録材料の感度は、一般に単位面積当たりの露光量(mJ/cm2)で表され、この値が小さい程感度が高いと言える。しかし、どの時点の露光量をもって感度とするかは、文献、特許によってまちまちであり、記録(屈折率変調)のはじまる露光量とする場合、最大回折効率(最大屈折率変調)を与える露光量とする場合、最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量とする場合、露光量Eに対し、回折効率の傾きが最大となる露光量とする場合などある。
また、クーゲルニックの理論式より、ある回折効率を与えるための屈折率変調量ΔNは膜厚dに反比例する。つまり、ある回折効率を与えるための感度は膜厚によっても異なり、膜厚dが厚くなる程少ない屈折率変調量ΔNで済む。したがって、膜厚等の条件を揃えない限り、感度は一概には比較することはできない。
本発明においては、感度は「最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量(mJ/cm2)」と定義する。本発明のホログラム記録材料の感度は、例えば膜厚が10〜200μm程度の場合、2J/cm2以下であることが好ましく、1 J/cm2以下であることがより好ましく、500mJ/cm2以下であることがさらに好ましく、200mJ/cm2以下であることが最も好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体としてホログラフィックメモリに用いる際は、DMDやLCDといった空間光変調素子(SLM)を用いて2次元デジタル情報(信号光と呼ぶ)を数多く記録していくことが好ましい。記録には記録密度を上げるために多重記録を用いることが好ましく、多重記録の方法には、角度多重、位相多重、波長多重、シフト多重などの多重記録を行う方法があるが、角度多重記録またはシフト多重記録を用いることが好ましい。また、再生される2次元データの読み出しにはCCDやCMOSが好ましく用いられる。
本発明のホログラム記録材料は、光記録媒体に用いる際、容量(記録密度)を向上させるために多重記録を行うことが必須である。その際、10回以上の多重記録を行うことが好ましく、50回以上の多重記録を行うことがより好ましく、100回以上の多重記録を行うことがさらに好ましい。さらに、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることが記録システム簡略化、S/N比向上等の点でより好ましい。
以下に本発明のホログラム記録材料の各成分について詳しく説明する。
なお、本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、特に断りの無い限りは、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても、置換されていなくても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。また、本発明における化合物に使用できる置換基は、どのような置換基でも良い。
また、本発明において、特定の部分を「環」と称した場合、あるいは「基」に「環」が含まれる場合は、特に断りの無い限りは単環でも縮環でも良く、置換されていても置換されていなくても良い。
例えば、「アリール基」はフェニル基でもナフチル基でも良く、置換フェニル基でも良い。
まず本発明の液晶性化合物について説明する。
先述したように、本発明の液晶性化合物は好ましくは低分子液晶性化合物であり、さらに好ましくは少なくとも2環以上の環をコア部に有する低分子液晶性化合物である。
さらに本発明の液晶性化合物は反応性基を有することが好ましく、重合性基を有することがより好ましい。したがって本発明の液晶性化合物としては、重合性基を有する低分子液晶性化合物であることがより好ましい。
本発明の重合性基を有する低分子液晶性化合物として好ましくは、下記一般式(2)にて表される。
Figure 0004516813
一般式(2)中、L101は液晶性コア部を表し、液晶性コア部の例としては、岡野光治,小林駿介共著,「液晶基礎編」,培風館,1985年、「化学総説No.22,液晶の化学」,1994年等に記載されているが、本発明において好ましくは、以下のいずれかにて表される。図中液晶性コア部から伸びた線は置換位置を表す。ただし線が記載されている以外の個所に置換基が置換しても良い。
Figure 0004516813
Figure 0004516813
また、液晶性コア部には液晶性の出現を助長するアルキル基(好ましくは炭素原子数(以下C数という)1〜20、例えば、メチル、エチル、N−プロピル、N−ブチル、N−ペンチル、N−ヘキシル、ベンジル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えばエチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばメトキシ、エトキシ)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、アミノ基(好ましくはC数1〜20、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ)等が1個または複数個置換しても良い。
なお、本発明の液晶性コア部は、ネマチック液晶性、スメクチック液晶性、ディスコティックネマチック液晶性、ディスコティック液晶性、コレステリック液晶性のいずれかであることが好ましく、ネマチック液晶性、ディスコティックネマチック液晶性、コレステリック液晶性のいずれかであることがより好ましく、ネマチック液晶性であることがさらに好ましい。
一般式(2)中、R101は重合性基または水素原子を表し、好ましくはアクリル基、メタクリル基、スチリル基、ビニル基、オキシラン基、オキソラン基、ビニルエーテル基、水素原子を表し、より好ましくはアクリル基、メタクリル基、オキシラン基、オキソラン基を表す。
一般式(2)中、L102は連結基を表し、好ましくはL102はアルキレン基(好ましくはC数1〜20、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン)、アルケニレン基(好ましくはC数2〜20、例えばエテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ブタジエニレン)、アルキニレン基(好ましくはC数2〜20、例えばエチニレン、ブタジイニレン)、アリーレン基(好ましくはC数6〜26、例えば1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン、2,6−ナフチレン)、ヘテリレン基(好ましくはC数1〜20、例えば、2,5−チエニレン、2,5−ピロリレン、2,5−ピリジニレン、2,5−ピリミジニレン)、−O−、−S−、−NR102−、−COO−、−CONR103−が単独あるいは複数個連結して成る連結基である。なお、R102、R103はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えばメチル、エチル、ベンジル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えばビニル、アリル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロヘキシル、シクロペンチル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、たとえばフェニル、2−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば2−チエニル、2−ピリジニル、2−ピリミジニル)が挙げられる。
一般式(2)中、N101は1〜8の整数を表し、L101がネマチック液晶性コア部、スメクチック液晶性コア部、コレステリック液晶性コア部の時はN101は1または2が好ましく、L101がディスコティックネマチック液晶性コア部、ディスコティック液晶性コア部のときはN101は3〜8の整数であることが好ましい。
N102は0または1を表す。
なお、一般式(2)で表される化合物は少なくとも1個の重合性基を有する。
以下に一般式(2)で表される、本発明の重合性基を有する液晶性化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるわけではない。
Figure 0004516813
Figure 0004516813
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なお、本発明の液晶性化合物は、岡野光治,小林駿介共著,「液晶基礎編」,培風館,1985年、「化学総説No.22,液晶の化学」,1994年等に記載の方法等を参考にして合成することができる。
次に、本発明の光反応性化合物について詳しく説明する。
本発明の異性化反応する光反応性化合物としては好ましくはアゾベンゼン系(アゾベンゼン誘導体)化合物、スチルベン系化合物が挙げられ、2分子環化反応する化合物としては好ましくは桂皮酸系化合物、クマリン系化合物、カルコン系化合物が挙げられ、開環反応する化合物として好ましくは、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物が挙げられ、閉環反応する化合物として好ましくはジアリールエテン系化合物、フルギド系化合物、フルギミド系化合物が挙げられる。
本発明の光反応性化合物としては、光異性化化合物がより好ましく、アゾベンゼン系化合物であることがさらに好ましい。
なお、光異性化化合物は低分子化合物であっても高分子化合物であっても良いが、高分子化合物の際は光反応性部位をペンダントした高分子化合物であることがより好ましい。
以下に本発明の光反応性化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるわけではない。
Figure 0004516813
Figure 0004516813
Figure 0004516813
Figure 0004516813
本発明の光反応性化合物はいずれも市販品であるか、公知の方法により合成することができる。
次に本発明の増感色素について詳しく説明する。
本発明にて光反応性化合物とは別に増感色素を用いる際は、ホログラム露光時の光を増感色素が吸収して生成した励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、光反応性化合物を反応させることが好ましい。
増感色素励起状態からのエネルギー移動機構による場合は、増感色素の1重項励起状態からエネルギー移動が起こるフェルスター型機構でも、3重項励起状態からエネルギー移動が起こるデクスター型機構でもどちらでも良い。
その際、エネルギー移動が効率良く起こるためには、増感色素の励起エネルギーが、光反応性化合物の励起エネルギーよりも大きいことが好ましい。
一方、増感色素励起状態からの電子移動機構の場合は、増感色素の1重項励起状態から電子移動が起こる機構でも、3重項励起状態から電子移動が起こる機構でもどちらでも良い。
また、増感色素励起状態が光反応性化合物に電子を与えても、電子を受け取っても良い。増感色素励起状態から電子を与える場合、電子移動が効率良く起こるためには、増感色素の励起状態における励起電子の存在する軌道(LUMO)エネルギーが、光反応性化合物のLUMO軌道のエネルギーよりも高いことが好ましい。
増感色素励起状態が電子を受け取る場合、電子移動が効率良く起こるためには、増感色素の励起状態におけるホールの存在する軌道(HOMO)エネルギーが、光反応性化合物のHOMO軌道のエネルギーよりも低いことが好ましい。
本発明の増感色素としては好ましくは、波長200〜2000Nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかを吸収して励起状態を生成するものであり、より好ましくは波長300〜700Nmの紫外光または可視光を吸収して励起状態を生成するものであり、さらに好ましくは400〜700Nmの可視光を吸収して励起状態を生成するものである。
本発明の増感色素として好ましくはシアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、スチリル色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、オキソノール色素、アズレニウム色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、フェノチアジン色素、フェノキサジン色素、フェナジン色素、フタロシアニン色素、アザポルフィリン色素、ポルフィリン色素、縮環芳香族系色素、ペリレン色素、アゾメチン色素、アントラキノン色素、金属錯体色素、メタロセン色素等が挙げられ、より好ましくは、シアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、縮環芳香族系色素、金属錯体色素、メタロセン色素等が挙げられ、さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、金属錯体色素、メタロセン色素が挙げられる。なお、金属錯体色素としては特にRu錯体色素が、メタロセン色素としてはフェロセン類が好ましい。
その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社 1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編 シーエムシー 1981年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシー 1986年)に記載される色素および染料も本発明の増感色素として用いることができる。なお、本発明の増感色素はこれらに限定されるものではなく、可視域の光に対して吸収を示す色素および染料であればどれでも用いることができる。これらの増感色素は、使用目的に応じて光源となるレーザーの波長に合うように選択することができ、用途によっては2種類以上の増感色素を組み合わせて使用しても構わない。
以下に本発明の増感色素の具体的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるわけではない。
Figure 0004516813
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Figure 0004516813
Figure 0004516813
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本発明の増感色素は市販品であるか、あるいは公知の方法により合成することができる。
ここで、本発明のホログラム記録方法においては、増感色素を用いない場合は光反応性化合物が、増感色素を用いる場合は増感色素または、増感色素及び光反応性化合物がホログラム記録波長光を吸収することによりホログラム記録を行う。
その際、ホログラム記録材料は厚膜で使用しかつ記録光の多くが膜を透過する必要があるため、ホログラム露光波長における増感色素及び光反応性化合物のモル吸光係数を小さくすることにより、増感色素及び光反応性化合物の添加量を極力多くすることが高感度化のために好ましい。
ホログラム露光波長における増感色素のモル吸光係数は1以上10000以下であることが好ましく、1以上5000以下であることがより好ましく、5以上2500以下であることがさらに好ましく、10以上1000以下であることが最も好ましい。
同様にホログラム露光波長における光反応性化合物のモル吸光係数は0以上10000以下であることが好ましく、0以上5000以下であることがより好ましく、0以上2500以下であることがさらに好ましく、0以上1000以下であることが最も好ましい。
また、ホログラム記録材料の記録波長光の透過率は10〜99%であることが好ましく、20〜95%であることがより好ましく、30〜90%であることがさらに好ましく、40〜85%であることが、回折効率、感度、記録密度(多重度)の点で最も好ましい。したがって、そのようになるようにホログラム記録材料の膜厚に合わせて増感色素及び光反応性化合物の記録波長におけるモル吸光係数と添加モル濃度を調整することが好ましい。
また、増感色素のλmaxはホログラム記録波長よりも短波長であることがより好ましく、ホログラム記録波長と同じから100Nm短波長な範囲の間であることがさらに好ましい。
光反応性化合物のλmaxもホログラム記録波長よりも短波長であることがより好ましく、ホログラム記録波長と同じから200Nm短波長な範囲の間であることがさらに好ましい。
さらに、増感色素の記録波長におけるモル吸光係数はλmaxのモル吸光係数の5分の1以下であることが好ましく、10分の1以下であることがより好ましい。
特に増感色素がシアニン色素やメロシアニン色素のような有機色素の時は20分の1以下であることがより好ましく、50分の1以下であることがさらに好ましく、100分の1以下であることが最も好ましい。
なお、ホログラム記録波長が532NmのYAGレーザー2倍波の場合、増感色素としてはベンゾオキサゾール環を有するトリメチンシアニン色素、Ru錯体色素、フェロセン類が特に好ましく、405〜415NmのGaNレーザーの場合、ベンゾオキサゾール環を有するモノメチンシアニン色素、Ru錯体色素、フェロセン類が特に好ましい。
次に本発明のホログラム記録材料における重合開始剤について詳しく説明する。
本発明の重合開始剤とは、増感色素または光反応性化合物の励起状態からエネルギー移動または電子移動(電子を与えるまたは電子を受ける)を行うことにより、または直接励起されることによりラジカルまたは酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)、塩基(ブレンステッド塩基またはルイス塩基)を発生し、重合性化合物の重合を開始することができる化合物のことである。
本発明の重合開始剤は好ましくは、ラジカルを発生して重合性化合物のラジカル重合を開始することができるラジカル重合開始剤と、ラジカルを発生することなく酸のみ発生して重合性化合物のカチオン重合のみを開始することができるカチオン重合開始剤と、ラジカル及び酸を両方発生して、ラジカル及びカチオン重合両方を開始することができる重合開始剤、塩基を発生してアニオン重合を開始できるアニオン重合開始剤のいずれかである。
まず、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤及びその両方を開始することができる開始剤について説明する。
本発明の重合開始剤としては好ましくは、以下の12個の系が挙げられる。なお、これらの重合開始剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
1)ケトン系重合開始剤
2)有機過酸化物系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
8)ホウ酸塩系重合開始剤
9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
11)金属アレーン錯体系重合開始剤
12)スルホン酸エステル系重合開始剤
1)ケトン系重合開始剤
ケトン系重合開始剤としては、好ましくは芳香族ケトン、芳香族ジケトン等が挙げられる。
好ましい例としては例えば、ベンゾフェノン誘導体(例えばベンゾフェノン、ミヒラーズケトン)、ベンゾイン誘導体(例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−アリルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン)、アセトイン誘導体(アセトイン、ピバロイン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、アシロインエーテル誘導体(例えばジエトキシアセトフェノン)、α−ジケトン誘導体(ジアセチル、ベンジル、4,4´−ジメトキシベンジル、ベンジルジメチルケタール、2,3−ボルナンジオン(カンファーキノン)、2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロ−3,4−フラン酸(イミダゾールトリオン))、キサトン誘導体(例えばキサントン)、チオキサントン誘導体(例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン)、ケトクマリン誘導体等が挙げられる。
市販品としては例えば、チバガイギー社より上市されている下記式で表されるイルガキュアー184、651、907等が挙げられる。
Figure 0004516813
また、好ましい例としてキノン系重合開始剤(例えば、9,10−アンスラキノン、1−クロロアンスラキノン、2−クロロアンスラキノン、2−メチルアンスラキノン、2−エチルアンスラキノン、2−t−ブチルアンスラキノン、オクタメチルアンスラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンスレンキノン、1,2−ベンズアンスラキノン、2,3−ベンズアンスラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、1,4−ジメチルアンスラキノン、2,3−ジメチルアンスラキノン、2−フェニルアンスラキノン、2,3−ジメチルアンスラキノン、アンスラキノンアルファ−スルホン酸のナトリウム塩、3−クロロ−2−メチルアンスラキノン、レテネキノン、7,8,9,10−テトラヒドロナフタセンキノン、並びに1,2,3,4−テトラヒドロベンズ(a)アンスラセン−7,12−ジオン)も挙げられる。
2)有機過酸化物系重合開始剤
好ましい例としては、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、特開昭59−189340号公報および特開昭60−76503号公報記載の3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが挙げられる。
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
ビスイミダゾール系重合開始剤にて好ましいのは、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール誘導体であり、例えばビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(m−メトキシフェニル)−イミダゾールダイマー(CDM−HABI)、1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル(o−Cl−HABI)、1H−イミダゾール、2,5−ビス(o−クロロフェニル)−4−〔3,4−ジメトキシフェニル〕−ダイマー(TCTM−HABI)などが挙げられる。
ビスイミダゾール系重合開始剤は水素供与体と共に用いられることが好ましい。水素供与体として好ましくは、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、などが挙げられる。
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(11)にて表される。
Figure 0004516813
一般式(11)中、R21、R22、R23はそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、好ましくは塩素原子を表す。R24、R25はそれぞれ独立に水素原子、−CR212223、置換基を表す。
置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、N−プロピル、イソプロピル、N−ブチル、N−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、カルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基である。
24は好ましくは−CR212223を、より好ましくは−OCl3基を表し、R25は好ましくは, −CR212223、アルキル基、アルケニル基、アリール基である。
トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤の具体例としては、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4’−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4’−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4’−メトキシ−1’−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが例示される。好ましい例として、英国特許1388492号および特開昭53−133428号公報記載の化合物も挙げられる。
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
ジアゾニウム塩系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(12)にて表される。
Figure 0004516813
26はアリール基またはヘテロ環基を表し、好ましくはアリール基であり、より好ましくはフェニル基である。
27は置換基を表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、a21は0〜5の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。a21が2以上の時、複数のR27は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
21 -は、HX21がpKa4以下(水中、25℃)、好ましくは3以下、より好ましくは2以下の酸となる陰イオンで、好ましくは例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどである。
ジアゾニウム系重合開始剤の具体例としては例えば、ベンゼンジアゾニウム、4−メトキシジアゾニウム、4−メチルジアゾニウムの上記X21 -塩などが挙げられる。
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(13)にて表される。
Figure 0004516813
一般式(13)中、X21 -は一般式(12)と同義である。R28、R29はそれぞれ独立に置換基を表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基を表す。
a22、a23はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0〜1の整数を表す。a21が2以上の時、複数のR28、R29は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
ジアリールヨードニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4,4'−ジクロロジフェニルヨードニウム、4,4'−ジメトキシジフェニルヨードニウム、4,4'−ジメチルジフェニルヨードニウム、4,4'−ジ−t−ブチルジフェニルヨードニウム、4,4'−ジ−t−アミルジフェニルヨードニウム、3,3'−ジニトロジフェニルヨードニウム、フェニル(p−メトキシフェニル)ヨードニウム、フェニル(p−オクチルオキシフェニル)ヨードニウム、ビス(p−シアノフェニル)ヨードニウムなどのクロリド、ブロミド、ヨージド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、パーフルオロブタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネートなどが挙げられる。
また、「マクロモレキュールス(Macromolecules)」,第10巻,p1307(1977年)に記載の化合物、特開昭58−29803号公報、特開平1−287105号公報、特願平3−5569号に記載されているようなジアリールヨードニウム塩類も挙げられる。
7)スルホニウム塩系重合開始剤
スルホニウム塩系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(14)にて表される。
Figure 0004516813
一般式(14)中、X21 -は一般式(12)と同義である。R30、R31、R32はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、ヘテロ環基(以上好ましい例はR24に同じ)を表し、好ましくは、アルキル基、フェナシル基、アリール基を表す。
スルホニウム塩系重合開始剤の具体例としては、トリフェニルスルホニウム、ジフェニルフェナシルスルホニウム、ジメチルフェナシルスルホニウム、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、4−ターシャリーブチルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム、4−フェニルチオトリフェニルスルホニウム、ビス−1−(4−(ジフェニルスルホニウム)フェニル)スルフィドなどのスルホニウム塩のクロリド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、パーフルオロブタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネートなどが例示される。
8)ホウ酸塩系重合開始剤
ホウ酸塩系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(15)にて表される。
Figure 0004516813
一般式(15)中、R33、R34、R35、R36はそれぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基を表し(以上好ましい例はR24に同じ)、好ましくはアルキル基またはアリール基である。ただし、R33、R34、R35、R36の全てが同時にアリール基となることはない。X22 +は陽イオンを表す。
より好ましくはR33、R34、R35はアリール基であり、R36がアルキル基であり、最も好ましくはR33、R34、R35はフェニル基であり、R36はN−ブチル基である。
ホウ酸塩系重合開始剤の具体例としては、テトラブチルアンモニウムN−ブチルトリフェニルボレート、テトラメチルアンモニウムsec−ブチルトリフェニルボレートなどが挙げられる。
9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(16)にて表される。
Figure 0004516813
一般式(16)中、R28、R29、a22、a23は一般式(13)と同義であり、R33、R34、R35、R36は一般式(15)と同義である。
ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤の具体例としては以下に示すI−1〜I−3が挙げられる。
Figure 0004516813
さらに、特開平3−704号公報記載のジフェニルヨードニウム(N−ブチル)トリフェニルボレートなどのヨードニウム有機ホウ素錯体も好ましい例として挙げられる。
10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(17)にて表される。
Figure 0004516813
一般式(17)中、R33、R34、R35、R36は一般式(15)と同義である。R37、R38、R39はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基であり(以上好ましい例はR24に同じ)、より好ましくはアルキル基、フェナシル基、アリール基、アルケニル基である。R37、R38、R39は互いに連結して環を形成しても良い。R40は酸素原子もしくは孤立電子対を表す。
スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤の具体例としては以下に示すI−4〜I−10が挙げられる。
Figure 0004516813
さらに、特開平5−255347号、特開平5−213861号記載のスルホニウム有機ホウ素錯体も好ましい例として挙げられる。
11)金属アレーン錯体系重合開始剤
金属アレーン錯体系重合開始剤としては、金属は鉄またはチタンが好ましい。
具体的には、特開平1−54440号、ヨーロッパ特許第109851号、ヨーロッパ特許第126712号および「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」,第30巻,第174頁(1986年)記載の鉄アレーン錯体、「オルガノメタリックス(Organometallics)」,第8巻,第2737頁(1989年)記載の鉄アレーン有機ホウ素錯体、「Prog.Polym.Sci,第21巻,7〜8頁(1996年)記載の鉄アレーン錯体塩、特開昭61−151197号公報に記載されるチタセノン類、などが好ましい例として挙げられる。
12)スルホン酸エステル系重合開始剤
スルホン酸エステル系重合開始剤としては、好ましくはスルホン酸エステル類、スルホン酸ニトロベンジルエステル類、イミドスルホネート類、等を挙げることができる。
スルホン酸エステル類の具体例としては好ましくは、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリメシレート、スルホン酸ニトロベンジルエステル類の具体例としては好ましくは、o−ニトロベンジルトシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、2',6'−ジニトロベンジル−4−ニトロベンゼンスルホネート、p−ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、2−ニトロベンジルトリフルオロメチルスルホネート、イミドスルホネート類の具体例として好ましくはN−トシルフタル酸イミド、9−フルオレニリデンアミノトシレート、α−シアノベンジリデントシルアミン、等が挙げられる。
13)その他の重合開始剤
前記1)〜14)以外の重合開始剤としては、4,4’−ジアジドカルコンのような有機アジド化合物、N−フェニルグリシンなどの芳香族カルボン酸、ポリハロゲン化合物(CI4、CHI3、CBrCI3)、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム塩ヘキサフルオロアンチモネートのようなピリジニウム塩、フェニルイソオキサゾロン、シラノールアルミニウム錯体、特開平3−209477号公報に記載されるアルミナート錯体などが挙げられる。
ここで、本発明のラジカルまたはカチオン重合開始剤は、
a)ラジカル重合を活性化できる重合開始剤
b)カチオン重合のみ活性化できる重合開始剤
c)ラジカル重合とカチオン重合を同時に活性化できる重合開始剤
分類することができる。
a)ラジカル重合を活性化できる重合開始剤とは、増感色素または光反応性化合物の励起状態からエネルギー移動または電子移動(増感色素に電子を与えるまたは増感色素から電子を受ける)を行うか、あるいは直接励起によりラジカルを発生し、重合性化合物のラジカル重合を開始することができる重合開始剤のことである。
前記の中では、以下の系がラジカル重合を活性化することができる重合開始剤系である。
1)ケトン系重合開始剤
2)有機過酸化物系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
8)ホウ酸塩系重合開始剤
9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
11)金属アレーン錯体系重合開始剤
ラジカル重合を活性化できる重合開始剤としてより好ましくは、
1)ケトン系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
が挙げられ、さらに好ましくは、
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
が挙げられる。
カチオン重合のみ活性化できる重合開始剤とは、増感色素または光反応性化合物の励起状態からエネルギー移動または電子移動を行うか、あるいは直接励起によりラジカルを発生することなく酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)を発生し、酸により重合性化合物のカチオン重合を開始することができる重合開始剤のことである。
前記の系の中では、以下の系がカチオン重合のみを活性化することができる重合開始剤系である。
12)スルホン酸エステル系重合開始剤
なお、カチオン重合開始剤としては、例えば「UV硬化;科学と技術(UV CURING;SCIENCE AND TECHNOLOGY)」[p.23〜76、S.ピーター・パーパス(S.PETER PAPPAS)編集、ア・テクノロジー・マーケッティング・パブリケーション(A TECHNOLOGY MARKETING PUBLICATION)]及び「コメンツ・インオーグ.ケム.(CommeNts INorg.Chem.)」[B.クリンゲルト、M.リーディーカー及びA.ロロフ(B.KLINGERT、M.RIEDIKER aNd A.ROLOFF)、第7巻、No.3、p109−138(1988)]などに記載されているものを用いることもできる。
ラジカル重合とカチオン重合を同時に活性化できる重合開始剤とは、増感色素または光反応性化合物の励起状態からエネルギー移動または電子移動を行うか、あるいは直接励起によりラジカルまたは酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)を同時発生し、発生するラジカルにより重合性化合物のラジカル重合を、また発生する酸により重合性化合物のカチオン重合を開始することができる重合開始剤のことである。
前記の系の中では、以下の系がラジカル重合とカチオン重合を同時に活性化できる重合開始剤系である。
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
13)金属アレーン錯体系重合開始剤
ラジカル重合とカチオン重合を活性化できる重合開始剤として好ましくは、
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
を挙げることができる。
次に、本発明のアニオン重合開始剤について述べる。本発明のアニオン重合開始剤は、好ましくは塩基(ブレンステッド塩基またはルイス塩基)を発生してアニオン重合を開始できる塩基発生剤のことである。
その際、塩基発生剤とは、増感色素または光反応性化合物励起状態からのエネルギー移動または電子移動か、あるいは直接励起により塩基を発生することができる化合物である。塩基発生剤は暗所では安定であることが好ましい。本発明における塩基発生剤は、増感色素または光反応性化合物励起状態からの電子移動により塩基を発生することができる化合物であることが好ましい。
本発明の塩基発生剤は、光によりブレンステッド塩基を発生することが好ましく、有機塩基を発生することがさらに好ましく、有機塩基としてアミン類を発生することが特に好ましい。
本発明のアニオン重合開始剤、つまり塩基発生剤として好ましくは、一般式(1−1)〜(1−4)で表される。なお、これらの塩基発生剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
一般式(1−1)または(1−2)にて、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素原子数(以下C数という)1〜20、例えば、メチル、エチル、N−プロピル、イソプロピル、N−ブチル、N−ペンチル、N−オクタデシル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)のいずれかを表し、より好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基を表し、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基を表す。
1、R2は互いに連結して環を形成しても良く、形成するヘテロ環として好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環、モロホリン環、ピリジン環、キノリン環、イミダゾール環であり、より好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、イミダゾール環であり、最も好ましくはピペリジン環である。
1、R2のより好ましい組み合わせとしては、R1が置換しても良いシクロヘキシル基でR2が水素原子、R1が置換しても良いアルキル基でR2が水素原子、R1、R2が連結してピペリジン環またはイミダゾール環を形成、等が挙げられる。
一般式(1−1)又は(1−2)にて、N1は0または1であり、好ましくは1である。
一般式(1−1)にて、R3はそれぞれ独立に置換基を表し、置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、N−プロピル、イソプロピル、N−ブチル、N−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、カルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基である。
一般式(1−1)にて、R3はニトロ基またはアルコキシ基であることが好ましく、ニトロ基またはメトキシ基であることがより好ましく、ニトロ基であることが最も好ましい。
一般式(1−1)にて、N2は0〜5の整数であり、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは1または2である。N2が2以上の時、複数のR3は同じでも異なっても良く、連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。
一般式(1−1)にて、R3がニトロ基である時、2位または2,6位に置換することが好ましく、R3がアルコキシ基である時、3、5位に置換することが好ましい。
一般式(1−1)にて、R4、R5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR3にて挙げた置換基の例に同じ)好ましい例はR3に同じ)、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基のいずれかを表し、より好ましくは水素原子、メチル基、2−ニトロフェニル基のいずれかを表す。
4、R5のより好ましい組み合わせとしては、R4、R5共水素原子、R4がメチル基でR5が水素原子、R4、R5共メチル基、R4が2−ニトロフェニル基でR5が水素原子、等が挙げられ、さらに好ましくはR4、R5共水素原子である。
一般式(1−2)にて、R6、R7は置換基を表し(置換基として好ましくはR3にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは、アルコキシ基、アルキルチオ基、ニトロ基、アルキル基を表し、より好ましくはメトキシ基を表す。
一般式(1−2)にて、N3、N4はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。N3、N4が2以上の時、複数のR6、R7は同じでも異なっても良く、連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。
一般式(1−2)にて、R6は3、5位に置換したアルコキシ基であることがより好ましく、3、5位に置換したメトキシ基であることがさらに好ましい。
一般式(1−2)にて、R8は水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR3にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは水素原子またはアリール基であり、より好ましくは水素原子である。
一般式(1−3)にて、R9は置換基を表し(置換基として好ましくはR3にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくはアルキル基、アリール基、ベンジル基、アミノ基であり、より好ましくは置換しても良いアルキル基、t−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、置換しても良いアニリノ基、シクロヘキシルアミノ基を表す。
なお、一般式(1−3)で表される化合物はR9からポリマー鎖に連結した化合物であっても良い。
一般式(1−3)にて、R10、R11はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR3 にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくはアルキル基またはアリール基を表し、より好ましくはメチル基、フェニル基、2−ナフチル基を表す。
10、R11は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては例えばフルオレン環が好ましい。
一般式(1−4)にて、R12はアリール基またはヘテロ環基を表し、より好ましくは下記アリール基またはヘテロ環基である。
Figure 0004516813
一般式(1−4)にて、R13、R14、R15はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基(以上好ましい例はR1、R2に同じ)のいずれかを表し、好ましくはアルキル基を表し、より好ましくはブチル基を表す。なお、R13、R14、R15は互いに連結して環を形成しても良く、形成するヘテロ環として好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環、モロホリン環、ピリジン環、キノリン環、イミダゾール環であり、より好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、イミダゾール環である。
一般式(1−4)にて、R16、R17、R18、R19はそれぞれ独立にアルキル基またはアリール基を表し、R16、R17、R18はフェニル基であり、R19はN−ブチル基またはフェニル基であることがより好ましい。
本発明の塩基発生剤は一般式(1−1)または(1−3)で表されることが好ましく、一般式(1−1)で表されることがより好ましい。
以下に、本発明の塩基発生剤の好ましい具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0004516813
Figure 0004516813
Figure 0004516813
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本発明のホログラム記録材料においては、バインダーが好ましく用いられる。バインダーは組成物の成膜性、膜厚の均一性、保存時安定性を向上させる等の目的で通常使用される。バインダーとしては、液晶性化合物、重合開始剤、光反応性化合物、増感色素等と相溶性の良いものが好ましい。
バインダーとしては、溶媒可溶性の熱可塑性重合体が好ましく、単独又は互いに組合せて使用することができる。
バインダーは反応性部位を有して、架橋剤や重合性モノマーやオリゴマーと反応して架橋、硬膜等されても良い。その際の反応性部位としては、ラジカル反応性部位として、アクリル基、メタクリル基に代表されるエチレン性不飽和基、カチオン反応性部位としてオキシラン化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル基、縮重合反応部位としてカルボン酸、アルコール、アミン等が好ましく挙げられる。
本発明に用いるバインダーとして好ましくは例えば、アクリレート及びアルファ−アルキルアクリレートエステル及び酸性重合体及びインターポリマー(例えばポリメタクリル酸メチル及びポリメタクリル酸エチル,メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体)、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/アクリル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸ビニル及び加水分解型ポリ酢酸ビニル)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジエン及びイソプレン重合体及び共重合体及びほぼ4,000〜1,000,000の重量平均分子量を有するポリグリコールの高分子量ポリ酸化エチレン、エポキシ化物(例えば、アクリレート又はメタクリレート基を有するエポキシ化物)、ポリアミド(例えば、N−メトキシメチルポリヘキサメチレンアジパミド)、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートサクシネート及びセルロースアセテートブチレート)、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルベンジルセルロース)、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール(ポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、適当なバインダーとして機能する酸含有重合体及び共重合体として、米国特許3,458,311中及び米国特許4,273,857中に開示されているものなどが挙げられる。
さらに、ポリスチレン重合体、並びに例えばアクリロニトリル、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステルとの共重合体、塩化ビニリデン共重合体(例えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、ビニリデンクロリド/メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体)、ポリ塩化ビニル及び共重合体(例えば、ポリビニルクロリド/アセテート、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体)、ポリビニルベンザル合成ゴム(例えば、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、2−クロロブタジエン−1,3重合体、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)、コポリエステル(例えば、式HO(CH2)NOH(式中Nは、2〜10の整数である)のポリメチレングリコール、並びに(1)ヘキサヒドロテレフタル酸、セバシン酸及びテレフタル酸、(2)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸、(3)テレフタル酸及びセバシン酸、(4)テレフタル酸及びイソフタル酸の反応生成物から製造されたもの、並びに(5)該グリコール及び(i)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸及び(ii)テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸及びアジピン酸から製造されたコポリエステルの混合物)、ポリN−ビニルカルバゾール及びその共重合体、並びにH.カモガワらにによりJourNal of Polymer ScieNce,Polymer Chemistry EditioN,18巻,9〜18頁(1979)中に開示されているようなカルバゾール含有重合体、ビスフェノールと炭酸エステルからなるポリカーボネートなどが挙げられる。
また、フッ素原子含有高分子も低屈折率バインダーとして好ましい。好ましいものとしては、フルオロオレフィンを必須成分とし、アルキルビニルエーテル、アリサイクリックビニルエーテル、ヒドロキシビニルエーテル、オレフィン、ハロオレフィン、不飽和カルボン酸およびそのエステル、およびカルボン酸ビニルエステルから選ばれる1種もしくは2種以上の不飽和単量体を共重合成分とする有機溶媒に可溶性の重合体である。好ましくは、その重量平均分子量が5,000から200,000で、またフッ素原子含有量が5ないし70質量%であることが望ましい。
フッ素原子含有高分子におけるフルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどが使用される。また、他の共重合成分であるアルキルビニルエーテルとしては、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、N−ブチルビニルエーテルなど、アリサイクリックビニルエーテルとしてはシクロヘキシルビニルエーテルおよびその誘導体、ヒドロキシビニルエーテルとしてはヒドロキシブチルビニルエーテルなど、オレフィンおよびハロオレフィンとしてはエチレン、プロピレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど、カルボン酸ビニルエステルとしては酢酸ビニル、N−酪酸ビニルなど、また不飽和カルボン酸およびそのエステルとしては(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸、および(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの(メタ)アクリル酸のC1からC18のアルキルエステル類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のC2からC8のヒドロキシアルキルエステル類、およびN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらラジカル重合性単量体はそれぞれ単独でも、また2種以上組み合わせて使用しても良く、更に必要に応じて該単量体の一部を他のラジカル重合性単量体、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリロニトリルなどのビニル化合物と代替しても良い。また、その他の単量体誘導体として、カルボン酸基含有のフルオロオレフィン、グリシジル基含有ビニルエーテルなども使用可能である。
前記したフッ素原子含有高分子の具体例として、例えば水酸基を有する有機溶媒可溶性の「ルミフロン」シリーズ(例えばルミフロンLF200、重量平均分子量:約50,000、旭硝子社製)が挙げられる。この他にも、ダイキン工業(株)、セントラル硝子(株)、ペンウオルト社などからも有機溶媒可溶性のフッ素原子含有高分子が上市されており、これらも使用することができる。
なお、先述した光反応性化合物が高分子化合物の時はバインダーとしての機能を兼ねることも好ましく、その際は特に光反応性化合物がペンダントされた高分子化合物であることが好ましい。
その場合、バインダーが低分子液晶の配向制御のために用いられることが好ましい。
本発明のホログラム記録材料は、必要により電子供与性化合物、電子受容性化合物、重合性モノマー、重合性オリゴマー、架橋剤、熱安定剤、可塑剤、溶媒等の添加物を適宜用いることができる。
本発明のホログラム記録材料に増感色素を使用する際は、増感色素のラジカルカチオンを還元する能力を有する電子供与性化合物、もしくは増感色素のラジカルアニオンを酸化する能力を有する電子受容性化合物を好ましく用いることができる。
電子供与性化合物として好ましくは例えば、アルキルアミン類(好ましくは例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N、N−ジメチルドデシルアミン、トリエタノールアミン、トリエトキシエチルアミン)、アニリン類(好ましくは例えば、N、N−ジオクチルアニリン、N、N−ジメチルアニリン、4−メトキシ−N、N−ジブチルアニリン、2−メトキシ−N、N −ジブチルアニリン)、フェニレンジアミン類(好ましくは例えば、N、N、N’、N’−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、N、N、N’、N’−テトラメチル−1,2−フェニレンジアミン、N、N、N’、N’―テトラエチル−1,3−フェニレンジアミン、N,N’−ジブチルフェニレンジアミン)、トリフェニルアミン類(好ましくは例えばトリフェニルアミン、トリ(4−メトキシフェニル)アミン、トリ(4−ジメチルアミノフェニル)アミン、TPD)、カルバゾール類(好ましくは例えば、N−ビニルカルバゾール、N−エチルカルバゾール)、フェノチアジン類(好ましくは例えば、N−メチルフェノチアジン、N−フェニルフェノチアジン)、フェノキサジン類(好ましくは例えば、N−メチルフェノキサジン、N−フェニルフェノキサジン)、フェナジン類(好ましくは例えば、N、N’−ジメチルフェナジン、N、N’−ジフェニルフェナジン)、ハイドロキノン類(好ましくは例えば、ハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、2,5−ジクロロハイドロキノン、2,3,4,5−テトラクロロハイドロキノン、2、6−ジクロロ−3、5−ジシアノハイドロキノン、2、3−ジクロロ−5、6−ジシアノハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、9,10−ジヒドロキシアントラセン)、カテコール類(好ましくは例えば、カテコール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン)、アルコキシベンゼン類(好ましくは例えば、1,2−ジメトキシベンゼン、1,2−ジブトキシベンゼン、1,2,4−トリブトキシベンゼン、1,4−ジヘキシルオキシベンゼン)、アミノフェノール類(好ましくは例えば、4−(N、N−ジエチルアミノ)フェノール、N−オクチルアミノフェノール)、イミダゾール類(好ましくは例えば、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−オクチルイミダゾール、N−ブチル−2−メチルイミダゾール)、ピリジン類(好ましくは例えばピリジン、ピコリン、ルチジン、4−t−ブチルピリジン、4−オクチルオキシピリジン、4−(N、N−ジメチルアミノ)ピリジン、4−(N、N−ジブチルアミノ)ピリジン、2−(N−オクチルアミノ)ピリジン)、メタロセン類(好ましくは例えば、フェロセン、チタノセン、ルテノセン)、金属錯体類(好ましくは例えば、Ruビスビピリジン錯体類、Cuフェナントロリン錯体類、Coトリスビピリジン錯体類、FeEDTA錯体類、他にもRu、Fe、Re、Pt、Cu、Co、Ni、Pd、W、Mo、CR、MN、IR、Ag錯体等)、半導体微粒子(好ましくは例えば、Si、CdSe、GaP、PbS、ZNS)等が挙げられる。電子供与性化合物としてはより好ましくはフェノチアジン類が挙げられ、最も好ましくはN−メチルフェノチアジンが挙げられる。
一方、電子受容性化合物として好ましくは例えば、電子求引性基が導入された芳香族化合物(好ましくは例えば、1,4−ジニトロベンゼン、1,4−ジシアノベンゼン、4,5−ジクロロ−1,2−ジシアノベンゼン、4−ニトロ−1,2−ジシアノベンゼン、4−オクタンスルホニル−1,2−ジシアノベンゼン、1,10−ジシアノアントラセン)、ヘテロ環化合物または電子求引性基が導入されたヘテロ環化合物(好ましくは例えば、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ジクロロピラジン、3−シアノピラゾール、4,5−ジシアノ−1−メチル−2−オクタノイルアミノイミダゾール、4,5−ジシアノ−イミダゾール、2,4−ジメチル−1,3,4−チアジアゾール、5−クロロ−3−フェニル−1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、2−クロロベンゾチアゾール、N−ブチル−1,2,4−トリアゾール)、N−アルキルピリジニウム塩類(好ましくは例えば、N−ブチルピリジニウムヨージド、N−ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチル−3−エトキシカルボニル−ピリジニウムブタンスルホネート、N−オクチル−3−カルバモイルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチルビオローゲンジ(ヘキサフルオロホスフェート)、N,N−ジフェニルビオローゲンビス(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド),ベンゾキノン類(好ましくは例えば,ベンゾキノン、2,5−ジメチルベンゾキノン、2,5−ジクロロベンゾキノン、2,3,4,5−テトラクロロベンゾキノン、2,6−ジクロロ−3,5−ジシアノベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン)、イミド類(好ましくは例えば、N,N’−ジオクチルピロメリットイミド、4−ニトロ−N−オクチルフタルイミド)、金属錯体類(好ましくは例えば、Ruトリスビピリジン錯体類、Ruビスビピリジン錯体類、Coトリスビピリジン錯体類、CRトリスビピリジン錯体類、PtCl6錯体類、他にもRu、Fe、Re、Pt、Cu、Co、Ni、Pd、W、Mo、CR、MN、IR、Ag錯体等)、半導体微粒子(好ましくは例えば、TiO2、Nb25、ZNO、SNO2、Fe23、WO3 )等が挙げられる。
電子供与性化合物の酸化電位は増感色素の酸化電位、もしくは増感色素の励起状態の還元電位よりも卑(マイナス側)であることが好ましく、電子受容性化合物の還元電位は増感色素の還元電位、もしくは増感色素の励起状態の酸化電位よりも貴(プラス側)であることが好ましい。
重合性モノマー、重合性オリゴマー、架橋剤を本発明のホログラム記録材料に用いる際の好ましい例としては例えば、特願2003−82732号に記載のものが挙げられる。
本発明のホログラム記録材料は連鎖移動剤を用いる方が好ましい場合がある。好ましい連鎖移動剤としてはチオール類であり、例えば、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、4,4−チオビスベンゼンチオール、p−ブロモベンゼンチオール、チオシアヌル酸、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、p−トルエンチオールなど、また、USP第4414312号や特開昭64−13144号記載のチオール類、特開平2−291561号記載のジスルフィド類、USP第3558322号や特開昭64−17048号記載のチオン類、特開平2−291560号記載のO−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類なども挙げられる。
特に重合開始剤が2,4,5−トリフェニルイミダゾリルダイマーの場合は連鎖移動剤を用いることが好ましい。
連鎖移動剤の使用量は、組成物全体に対して1.0〜30質量%が好ましい。
本発明のホログラム記録材料には、保存時の保存性を向上させるために熱安定剤を添加することができる。
有用な熱安定剤にはハイドロキノン、フェニドン、p−メトキシフェノール、アルキルおよびアリール置換されたハイドロキノンとキノン、カテコール、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、フェノチアジン、およびクロルアニールなどが含まれる。Pazos氏の米国特許第4,168,982号中に述べられた、ジニトロソダイマ類もまた有用である。
可塑剤はホログラム記録材料の接着性、柔軟性、硬さ、およびその他の機械的諸特性を変えるために用いられる。可塑剤としては例えば、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、ジエチルセバケート、ジブチルスベレート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジブチルフタレート、アルコール類、フェノール類等が挙げられる。
本発明のホログラム記録材料及び組成物中の各成分の割合は、一般的に組成物の全質量を基準に以下の%の範囲内であることが好ましい。
バインダー:好ましくは0〜95質量%、より好ましくは0〜70質量%、
液晶性化合物:好ましくは10〜99質量%、より好ましくは30〜99質量%、
光反応性化合物:好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは1〜10質量%
重合開始剤:好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%
増感色素:好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%
本発明のホログラム記録材料は通常の方法で調製されてよい。
例えば本発明のホログラム記録材料の製膜方法としては、前記バインダーや各成分を溶媒等に溶かしてスピンコーターまたはバーコーター等を用いて塗布しても良い。
その際、溶媒としては好ましくは例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、メタノール、エタノール、N−プロパノール、2−プロパノール、N−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒などが挙げられる。
本発明のホログラム記録材料は、スピンコーター、ロールコーターまたはバーコーターなどを用いることによって基板上に直接塗布することも、あるいはフィルムとしてキャストしついで通常の方法により基板にラミネートすることもでき、それらによりホログラム記録材料とすることができる。
ここで、「基板」とは、任意の天然又は合成支持体、好適には柔軟性又は剛性フィルム、シートまたは板の形態で存在することができるものを意味する。
基板として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、樹脂下塗り型ポリエチレンテレフタレート、火炎又は静電気放電処理されたポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ガラス等である。
使用した溶媒は乾燥時に蒸発除去することができる。蒸発除去には加熱や減圧を用いても良い。
また、本発明のホログラム記録材料は、各成分を含むバインダーをバインダーのガラス転移温度または融点以上の温度にしてメルトさせ溶融押し出しまたは射出成型して製膜しても良い。その際、バインダーとして反応性架橋バインダーを使用し、押し出しまたは成型後に架橋させて膜を硬化させ、膜強度を増しても良い。その場合、架橋反応にはラジカル重合反応、カチオン重合反応、縮合重合反応、付加重合反応等が使用できる。また、特開2000−250382号、特開2000−172154号等記載の方法も好ましく使用することができる。
また、バインダーを形成するモノマー溶液に各成分を溶解させておいた上でモノマーを熱重合または光重合させてポリマーとし、バインダーとして使用する方法も好ましく使用できる。その際の重合法としても、ラジカル重合反応、カチオン重合反応、縮合重合反応、付加重合反応等が使用できる。
本発明において、液晶性化合物を配向させるために基板に配向膜を用いても良い。配向膜はラビング処理されたものでも光配向処理されたものでも良い。ラビングによる配向膜としては例えばポリビニルアルコール、ポリイミドなどが挙げられる。光配向による配向膜としては例えば「液晶」1999年、3巻、3頁に記載のものが挙げられる。また、「応用物理」1993年,62巻,998頁、「高分子加工」2000年,49巻,50頁記載のいわゆる「コマンドサーフェス」を用いることもできる。
さらに、ホログラム記録材料の上に、酸素遮断のための保護層を形成してもよい。保護層は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレートまたはセロファンフィルムなどのプラスチック製のフィルムまたは板を静電的な密着、押し出し機を使った積層等により貼合わせるか、前記ポリマーの溶液を塗布してもよい。また、ガラス板を貼合わせてもよい。また、保護層と感光膜の間および/または、基材と感光膜の間に、気密性を高めるために粘着剤または液状物質を存在させてもよい。
本発明のホログラム記録材料をホログラフィック光メモリ用途に用いる場合、ホログラム記録材料はホログラム記録前後で収縮等が起こらない方が信号再生時のS/N比向上の点でより好ましい。
そのため、例えば本発明のホログラム記録材料に特開2000−86914号記載の膨張剤を用いたり、特開2000−250382号、2000−172154、特開平11−344917号記載の耐収縮性のあるバインダーを用いることも好ましい。
また、特開平3−46687号、5−204288号、特表平9−506441号等記載の拡散要素を用いて干渉縞間隔を調節することも好ましい。
なお、本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に用いる際は、保存時ホログラム記録材料は遮光カートリッジ内に保存されていることが好ましい。
また、記録光及び再生光波長以外の紫外光、可視光、赤外光の波長域の一部をカットすることができる遮光フィルターをホログラム記録材料の表面、裏面またはその両面に備え付けていることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に用いる際は、光記録媒体はディスク状でもカード状でもテープ状であっても良くいかなる形状であっても良い。
さらに、本発明のホログラム記録材料は、光記録媒体の他にも、3次元ディスプレイホログラム、ホログラフィック光学素子(HOE、例えば、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス)、書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレイ、ギフト、偽造防止用のセキュリティ目的としてクレジットカード、紙幣、包装などに好ましく用いることができる。
[実施例]
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるわけではない。
赤色灯下にて、表1に示した増感色素、電子供与性化合物、光反応性化合物、重合開始剤(+連鎖移動剤)、重合性基を有する液晶性化合物、バインダーを2〜4倍重量の塩化メチレンに溶解し(必要によりアセトニトリル、アセトン、メタノールも併用した)、ホログラム記録材料組成物101〜106を調液した。なお表1にて%は質量%を表す。
Figure 0004516813
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このホログラム記録材料用組成物101〜106を厚さが約80μmになるようにブレードを用いてガラス基板に塗布(必要なら重ね塗り)し、感光層を形成した後、40℃で3分間加熱乾燥して溶媒を留去した。さらに感光層上をTAC膜で覆うことにより、ホログラム記録材料101〜106を作製した。
ホログラム記録材料を、図1に示す透過型ホログラム記録用の2光束光学系により、光源としてYAGレーザー2倍波(532Nm、出力2w)を用いて露光し記録した。物体光と参照光のなす角は30度である。ビームは0.6cmの直径と8mw/cm2の強度とを有しており、ホログラフィー露光時間を0.1〜400秒の範囲(照射エネルギーにして0.8〜3200mJ/cm2の範囲)変化させて露光した。ホログラムに露光している間、He−Neレーザー632Nmのビームをブラック角にて露光領域の中心に通し、入射光に対した回折光の比(絶対回折効率)を実時間で測定した。
その結果、本発明のホログラム記録材料試料101〜106いずれにおいてもHe-Neレーザーの回折が高効率で観察され、本方式にて、ホログラム記録できていることを確認することができた。さらに室温にてキセノンランプで可視光〜紫外光を全面照射すると、記録は保存されたまま全面重合により固定化できることも確認した。その後さらに書き換え記録を行おうとしても記録することはできず、また記録したホログラムを加熱したり全面露光したりしても記録が消えないことから、記録が良好に保存できることも確認した。
本発明のホログラム記録材料は現行フォトポリマー方式のように物質移動を伴わずに、液晶性化合物のその場での配向変化による屈折率変調によりホログラム記録を行える方式であること、またその配向変化を重合で固めてしまうことにより定着して書き換え不可とすることができる方式であることから、公知のホログラム記録材料とは全く異なる記録方式であるため、特に追記型のホログラフィックメモリ用途に適している。
さらに、本発明のホログラム記録材料は露光量(mJ/cm2)に応じてほぼリニアーにΔN(干渉縞における屈折率変調量、回折効率と膜厚からクーゲルニックの式に基づいて計算)が上昇し、多重記録の際有利である。
実際に、本発明のホログラム記録材料を用い、前記最大回折効率を与えた露光量の10分の1の光量で、参照光の角度を2度ずつ変えて同じ場所に10回の多重ホログラム記録を行った後、全面露光による定着を行い、その後、再生光の角度を2度ずつ変更して照射することによりそれぞれの物体光を再生することが可能なことを確かめた。つまり、本発明のホログラム記録材料は同じ露光量にて多重記録が可能であり、多重記録適性を有していることがわかる。このように本発明のホログラム記録材料は数多くの多重記録が可能であるため、高密度(容量)記録が可能である。
それに対し、特開平6−43634号を始めとする公知のフォトポリマー方式ホログラム記録材料は、多重記録後期はフォトポリマーの重合が進んで記録に必要なモノマーの移動が遅くなり、同じ記録を行うのに際し初期に比べてより多くの照射光量を必要とすることがわかり、多重度つまり記録密度を向上させるに際し問題であることがわかった。
なお、試料101〜103にて、増感色素をD−1、D−22、D−31、D−49、D−53、D−55、D−74、D−87、D−91、D−97、D−107、D−115、D−116、D−117、D−119等に変更しても同様な効果が得られた。また、試料101、102、104、105にて光反応性化合物をR−1、R−3、R−9、R−10、R−13、R−15、R−18、R−19、R−23、R−24、R−32、R−34、R−35、R−38、R−40に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料103、106にて光反応性化合物をR−41、R−49に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料102、104にてラジカル重合性基を有する液晶性化合物をLC−2、LC−4、LC−10、LC−14、LC−25、LC−28、LC−33に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料101、103、105、106にてカチオン重合性基を有する液晶性化合物をLC−3、LC−5、LC−7、LC−11、LC−15、LC−17、LC−20、LC−26、LC−35に変更しても同様な効果が得られた。
また試料102、104にてラジカル重合開始剤をケトン系重合開始剤のイルガキュア907、イルガキュア184、イルガキュア651に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料101、103、105、106にてカチオン重合開始剤(酸発生剤)をトリス(4−メチルフェニル)スルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロペンタノエート、ビス(1−(4−ジフェニルスルホニウム)フェニルスルフィドジトリフラート、ジメチルフェナシルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフラート、4−オクチルオキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートに変更しても同様な効果が得られた。
また試料102、105にて、バインダーをポリメチルメタクリレート(Mw996000、350000)、ポリ(メチルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体(Mw75000)、ポリビニルアセタール(Mw83000)、ポリカーボネート、セルロースアセテートブチレート等に変更しても同様な効果が得られた。
高度情報化社会において、一歩進んだ3次元光記録媒体としての利用が期待される。
ホログラム露光用の2光束光学系を説明する概略図である。
符号の説明
10 YAGレーザー
12 レーザービーム
14 鏡
20 ビームスプリッター
22 ビームセグメント
24 鏡
26 空間フィルター
40 ビームエクスパンダー
30 ホログラム記録材料
28 試料
32 He−Neレーザービーム
34 He−Neレーザー
36 検出器
38 回転ステージ

Claims (17)

  1. ホログラム露光により、固有複屈折率を有する化合物の配向変化を起こし、そのまま化学反応により固定化することにより、書き換えできない方式にて屈折率変調として記録することを特徴とするホログラム記録方法。
  2. 該固有複屈折率を有する化合物が重合性基を有し、重合により固定化することを特徴とする請求項1の記載のホログラム記録方法。
  3. 前記固有複屈折率を有する化合物が液晶性化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホログラム記録方法。
  4. 少なくとも、該重合性基を有する低分子液晶性化合物、光反応性化合物および重合開始剤を有し、書き換えできない方式であることを特徴とするホログラム記録材料。
  5. さらに増感色素を有することを特徴とする請求項4に記載のホログラム記録材料。
  6. 前記増感色素がホログラム露光時の光を吸収して生成した励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、光反応性化合物を反応させることを特徴とする請求項5に記載のホログラム記録材料。
  7. 前記光反応性化合物が光異性化化合物であることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
  8. 光反応性化合物がアゾベンゼン系化合物、スチルベン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、ジアリールエテン系化合物、フルギド系化合物、フルギミド系化合物、桂皮酸系化合物、クマリン系化合物、カルコン系化合物のいずれかであることを特徴とする請求項4〜請求項7のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
  9. 前記光反応性化合物が、光反応性部位をペンダントした高分子化合物であることを特徴とする請求項4〜請求項8のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
  10. 前記重合性基を有する低分子液晶性化合物がネマチック液晶性化合物、スメクチック液晶性化合物、ディスコティックネマチック液晶性化合物、ディスコティック液晶性化合物又はコレステリック液晶性化合物のいずれかであることを特徴とする請求項4〜請求項9のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
  11. 前記液晶性化合物が液晶状態を取る温度でホログラム記録を行うことを特徴とする請求項3に記載のホログラム記録方法。
  12. 請求項4〜請求項10のいずれか一項に記載のホログラム記録材料を用い、該液晶性化合物が液晶状態を取る温度でホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
  13. 体積型ホログラム記録を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3、請求項11または請求項12のいずれか一項に記載のホログラム記録方法。
  14. 10回以上の多重記録を行うことを特徴とする請求項13に記載のホログラム記録方法。
  15. 多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録を行うことを特徴とする請求項14に記載のホログラム記録方法。
  16. 請求項4〜請求項10に記載のホログラム記録材料を用いることを特徴とする3次元ディスプレイホログラム。
  17. 請求項4〜請求項10に記載のホログラム記録材料を用いることを特徴とするホログラフィック光学素子。
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