JP2000017003A - 光重合性組成物、該組成物を使用した光機能性膜作製法および光機能性膜 - Google Patents

光重合性組成物、該組成物を使用した光機能性膜作製法および光機能性膜

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JP2000017003A JP10183000A JP18300098A JP2000017003A JP 2000017003 A JP2000017003 A JP 2000017003A JP 10183000 A JP10183000 A JP 10183000A JP 18300098 A JP18300098 A JP 18300098A JP 2000017003 A JP2000017003 A JP 2000017003A
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Tomoaki Kuratachi
知明 倉立
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスク露光法、干渉露光法等の光強度を空間
的に変調する手法により高分子の密度、屈折率、凹凸形
状、配向状態の中のいずれか1つ以上の物理量の空間分
布において100μm以下のパターン、特に最小の解像度
として10μm以下のパターンを形成することが可能であ
る光重合性組成物を提供すること。 【解決手段】 組成物の構成成分として、重合開始剤、
少なくとも1種類の重合性化合物、重合性化合物の総量
に対し1重量%以上50重量%以下、好ましくは5重量
%以上30重量%以下の1種類以上の重合遅延剤を含む
ことを特徴とする光重合性組成物、この組成物を使用し
た光機能性膜作製法、並びに光機能性膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子の密度、屈
折率、凹凸形状、配向状態のいずれか1つ以上の物理量
の空間分布において100μm以下、特に10μm以下のパ
ターンを形成することが可能である光重合性組成物に関
する。具体的には、本発明は上記パターン形成を可能と
する有効量の重合遅延剤を含有する上記光重合性組成物
に関する。この組成物から得られる高分子膜は高解像度
で高効率の光機能性を実現する光機能性膜として有用で
ある。本発明はまた、上記光重合性組成物を用いる光機
能性膜の作製法、およびその方法によって得られる光機
能性膜に関する。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】光重合
性材料は、単なる光硬化型の接着剤として利用されると
共に、多くが印刷業界等で印刷の原版作製用の材料とし
て使われ、レーザービーム直描やマスク露光法等の方法
でパターン化し光重合性材料を反応させ、高分子化され
ている。この用途においては、光重合性材料に、短時間
の光照射(少ない光照射エネルギー)で反応する事と共
に、印刷物での原版として、用途によっては高い解像度
も求められている。しかし、この様な解像度の求められ
る用途に於いては、プロセスとしてパターン書込み作業
後、未反応の光重合性材料や重合度の低い高分子材料と
いった解像度低下につながる物質を洗浄処理で取り除く
ため、光重合性材料側に、特別な工夫をしなくとも実用
に足りうる解像度のパターンが容易に形成できる。
【0003】他方で、液晶と高分子材料を組合せた機能
性デバイスが近年多数提案されている。このような用途
では、高分子材料部分を従来のフォト工程により予め形
成したり、高分子分散型液晶の形成のように光重合反応
により液晶と高分子を相分離する手法で形成されてい
る。ところが、この様な作製方法では、いずれも、重合
により形成される高分子をある特定の屈折率を持った媒
体として、電界で屈折率が変調可能な材料である液晶を
小さな液滴あるいは、ある大きさをもった塊として扱い
[特公平7−62742号公報(発明者ファーガソン)/SI
D'95 Digest,579(1995)(大日本インキ)]、液晶を
1つの塊として区切るために高分子材料が用いられてい
る。いずれの用途においても、高分子自体には新たな機
能を付与するような使われ方はされていない。
【0004】また、従来の技術には、いくつかの問題も
ある。例えば、高分子の形状を予め形成する方法では、
未反応成分を取り除く工程が必要な点や、形成される高
分子構造物の形状やパターンのシャープさや形成された
高分子表面での液晶配向制御性に問題がある。
【0005】具体的には、特開昭61-086727号公報、特
開昭61-086728号公報、特開昭61-086731号公報(以上、
キャノン)、特開昭61-151618号公報(NEC)等で提
案される液晶-高分子複合型のバイナリー型の回折格子
を作製する場合、高分子のパターン形状を予め形成し
て、対向基板を貼り合せた後、液晶で間隙部を満たすよ
うな作製方法が取られる。このような手順で作製した場
合、ラビング処理や光配向処理と言った配向処理を高分
子構造体表面に施す事が必要になる。ここで、高分子構
造体表面の液晶に接するすべての面に対し、液晶が均一
な配向を取れるような配向処理を施すことは極めて困難
であるため、液晶の配向は均一にならず、その結果、液
晶領域で取出せる屈折率異方性は、液晶分子本来の屈折
率異方性より小さくなってしまう。
【0006】一方、従来の液晶-高分子からなる相分離
型素子では、材料的な制約や解像度/微少な周期での特
性の差等に制約が存在する。例えば、レーザー色素のよ
うなある特定波長の光に対してのみ励起し、材料組成系
内の特定の化合物の反応のみを開始できる反応系では、
最初に光によって励起された化合物(この例ではレーザ
ー色素)が、重合開始反応に関与できる化合物(重合開
始剤もしくはモノマー)と反応できる事が不可欠であ
る。しかし、実際にレーザー色素により重合開始反応で
きる化合物は、レーザー色素の励起状態でのエネルギー
準位や化合物の還元電位等の条件により著しく制約さ
れ、重合材料組成として使える組合せはわずかである。
その為、パターンを形成する高分子自体に何らかの機能
を持たせる用途にこの様な材料組成を使うのは、使用で
きる重合性化合物の制約が大きく実用的ではない。
【0007】また、干渉光のような連続的に強度変化す
る照射系でパターンを形成する方式では、重合反応が、
光によって引き起こされるだけでなく、反応過程で生じ
る化学種の拡散現象の影響を受け、光の照射強度に対す
る高分子の特性の変化が小さくなり、液晶-高分子複合
デバイスとして十分な効率を引き出すことができなくな
る。これは、重合反応の開始、連鎖、停止するメカニズ
ムそのものが反応系で起こる現象に起因している。重合
反応は、一般に下記の様に表される。
【0008】
【化1】
【0009】パターン露光においても、光重合のメカニ
ズムは、何ら変わらず、光照射部において重合開始剤が
励起され、結合の1つが開裂しラジカル(S・,S'・)に
成る(重合開始反応という)。その後、重合開始剤から
発生したラジカル(S・ または S'・ 上式ではS'・の反応
は省略。反応式上の挙動はS・と同じ)は、重合性材料R
と会合し、反応する事で新たなラジカル(R'・)に変化
する。更に、このラジカルR・は別の重合性材料R'と反
応しR"・を生成する。このように、一度反応系内で発生
したラジカルは、次々と重合性化合物と反応し新たなラ
ジカルへと変化しつづける(重合連鎖反応という)。重
合反応を進めるラジカルは、周囲に存在する化学種のう
ちラジカルと反応するもしくは、反応停止させることが
可能な分子と反応し、重合を停止する(重合停止反応と
いう)。
【0010】このような重合の各反応は、お互いに競争
的な関係にあり、それぞれの化学種の置かれた状態によ
りどの反応が優先的に起きるかが大きく異なってくる。
外部からエネルギーの加えられる部位においては、すべ
ての化学種のエネルギーレベルが定常状態よりも高くな
っているため、各反応段階の活性化エネルギーが相対的
に低くなっている。その為、重合開始反応も起こり、そ
の結果発生したラジカルは、容易に重合連鎖反応を起こ
しうる。反応としては、重合停止反応も起こっているの
だが、重合開始反応や重合連鎖反応段階が盛んに起きる
ため、見かけ上、重合がどんどん進行し、高分子を生じ
る。
【0011】一方、外部からエネルギーの加えられてい
ない部位では、すべての化学種が定常状態にあり、重合
開始反応によるラジカル自体の発生は、ほとんど起こっ
ていない為、微弱な光や熱で重合開始反応が起こったと
しても、重合エネルギー的に励起された状態からより安
定な状態になる為、連鎖反応よりむしろ重合停止反応の
方が優勢的に起こり、見かけ上、重合反応はほとんど進
行ない。しかし、実際の反応系の中では、上記の重合反
応の開始、連鎖、停止以外に、分子運動により反応する
重合性化合物や重合開始剤、更に反応の過程で発生する
様々なラジカルや重合の結果できた高分子といったすべ
て化学種の拡散現象を伴っている。
【0012】この拡散現象において、生成される高分子
は、重合反応することにより分子量、分子の嵩高さ、他
の分子との相互作用が大きくなり、拡散速度は小さくな
っているため、事実上高分子の拡散は無視することがで
きる。 また、未反応成分の重合性化合物や反応開始剤と
いった化合物の拡散は、重合反応で消費された化合物の
濃度勾配による移動であり、厳密な反応速度を考える上
では重要な現象ではあるが、本出願人の目指す高分子の
材料複合化、パターン化による機能性付与においては、
この現象自体が、大きな問題を生じる事はない。しか
し、反応過程で生成する比較的分子量の低いラジカル
は、未反応の重合性化合物と同様に反応系内で拡散可能
である為、本出願人の目指す高分子の材料複合化とパタ
ーン化による機能性付与の為の光強度によるパターン化
では無視する事ができない現象である。
【0013】それは、重合開始反応があまり起こってい
ない光強度の低い部位や重合開始反応の起こらない光の
照射されていない領域においては、重合開始反応自体
は、照射された光強度に応じて起こり、光強度に対応し
たラジカルの発生があるからである。それと共に、光が
照射されてラジカルが生成する領域から生成したラジカ
ルが拡散されて進入したり、拡散したラジカルが、拡散
した場所において新たに連鎖反応を引き起こしラジカル
を生成する等の機構により、その場所の光照射強度に関
係なく、周囲の反応性に依存した形でのラジカルの発生
がある事である。重合メカニズムにおいてラジカルの量
は、重合反応の連鎖反応を支配する因子である為、結果
的に高分子の生成において、照射光強度に依存せず、隣
接する周辺での反応性に依存する要素の発生につなが
る。このような周囲の影響による反応は、露光するパタ
ーンに依存しない為に、結果的に得られる高分子パター
ンの解像度の低下や最終的に得られる高分子の特性が、
光の照射強度比よりに対応した形で重合した場合の高分
子の特性差よりも小さくなってしまうためである。
【0014】更に、従来の液晶-高分子の相分離型素子
では、液晶と高分子を相分離させるにあたり、高分子分
散型液晶と呼ばれる液晶の液滴を高分子の壁で区切る構
造等が、例えば特開平6-294952号公報(日本電信電話株
式会社)の様に、干渉膜、回折格子のような光機能性素
子を実現する上でも使われてきた。この様な高分子分散
型の構造は、光の利用効率を上げる為には液晶滴の大き
さを小さく、また一方では、駆動電圧や配向状態の焼き
付き防止の観点からは液晶滴の大きさをある程度大きく
する事が求められる。ところがこれらの観点を満たすよ
うな液晶-高分子の相分離状態を得る為には、組成、重
合条件、基板の処理等細かい制御が求められる。しか
も、得られるデバイスの特性は、無電界時の液滴内で
は、液晶分子が壁面に沿ってあるいは、壁面に対して垂
直に並ぶ傾向を持つ為、液晶分子の持つ屈折率異方性を
効率的に取り出すことができない。
【0015】また、高分子材料内で屈折率の周期的な分
布構造を形成できることが、例えば住友化学社製ルミス
ティの技術(特開平01-147405号公報)により公知であ
る。しかし、従来の技術では、重合性組成物内には、連
鎖反応を制御可能な化合物を何ら含んでおらず、反応
は、純粋に反応速度的に制御されるため、単純な粗い周
期的な屈折率分布を作る上では有効ではあるが、薄くか
つ、微細な屈折率分布と大きな屈折率差を有するパター
ンを制御する技術として適用することはできない。
【0016】このような状況の中で、本発明は、光機能
性高分子膜の光重合性材料組成と製膜法を見直すことで
従来技術では実現できなかった高解像度性を実現し、ま
た高分子自体を配向制御できるようにして高分子に機能
性を付与することを可能にする光重合性組成物、その組
成物を用いて光機能性膜を作製する方法、並びにその方
法によって得られる光機能性膜を提供することを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、高分子の密
度、屈折率、凹凸形状、配向状態の中のいずれか1つ以
上の物理量の空間分布において100μm以下のパター
ン、特に、最小の解像度として10μm以下のパターンを
形成することが可能である光重合性組成物において、組
成物の構成成分として、重合開始剤、少なくとも1種類
の重合性化合物、重合性化合物の総量に対し1重量%以
上50重量%以下、好ましくは5重量%以上30重量%以下
の1種類以上の重合遅延剤を含むことを特徴とする光重
合性組成物を提供する。
【0018】パターンの形成では、物性的に高分子の密
度や屈折率が異なる場合、パターンを書き込んだ領域と
書き込まれていない領域で配向が異なる場合、パターン
を書き込んだ部位に高分子成分が存在し、書き込まれて
いない部位に高分子成分が存在しない形状(その結果、
凹凸構造となる)になる場合、が考えられる。このよう
な高分子の密度、屈折率、凹凸形状、配向状態のいずれ
か1つ以上の物理量の空間分布は、マスク露光法や干渉
露光法などの光強度を空間的に変調する手法により形成
することが可能である。
【0019】重合性化合物の例は、屈折率異方性を有
し、かつ異方性を反映する屈折率差が0.05以上、好まし
くは0.1以上ある化合物である。そのような化合物は、
重合開始する以前の状態、もしくは一部が重合反応を起
こした状態で、外部からの配向規制力にしたがって配向
をする性質をもつのが好ましい。例えば、環式官能基を
含む剛直なコア部と、重合可能な不飽和結合を有する官
能基で置換された鎖状末端部とを含む化合物、液晶材料
類似の骨格を有する化合物などを挙げることができる。
ここで、環式官能基を含む剛直なコア部の例は、フェニ
ル、ジフェニル、トリフェニル、シクロヘキシルフェニ
ル、ナフチル、トラン、アセチルトランであるが、これ
らに限定されない。また、重合可能な不飽和結合をもつ
鎖式末端部の例は、アクリレート、メタクリレート、ビ
ニル基の中の少なくとも1つで置換された炭素数4〜12
のアルキル鎖であるが、これらに限定されない。
【0020】重合性化合物として使用し得る別の例は、
重合反応条件が異なり、かつ単一組成で高分子化した場
合に屈折率差が0.05以上、好ましくは0.1以上ある高分
子を形成する屈折率異方性をもたない2種類以上の重合
性化合物である。その少なくとも1つが、大きな屈折率
を発現し得る官能基を有する化合物とし得る。このよう
な官能基の例は、ビスフェノール、トリフェニル、ジフ
ェニル、硫黄であるが、これらに限定されない。あるい
は、前記重合性化合物の少なくとも1つが、末端部のみ
が重合性の不飽和結合を有する官能基で置換された飽和
結合のアルキル基のみで構成される主鎖もしくは/およ
び側鎖からなる炭化水素化合物であってもよい。
【0021】本発明では、重合性化合物として上記に説
明したものを使用できるが、該重合性化合物は、屈折率
異方性をもつもののみからなってもよいし、屈折率異方
性をもたないもののみからなってもよいし、またはこれ
ら両方を含むものからなってもよい。重合遅延剤の例と
して、その分子構造内に、重合に寄与し得る不飽和結合
と、それに接してπ電子結合で共役した官能基をもち、
その集まりが1つの共役系を形成できるような官能基の
集合した部位を含む化合物を挙げることができる。π電
子結合で共役した官能基は芳香族環であるのが好まし
く、例えばフェニル、ジフェニル、トリフェニル、ナフ
タレンを挙げることができる。重合遅延剤は、その分子
構造内にポリアルキレン鎖(例えば、ポリエチレン鎖)
および/またはポリアルキン鎖(例えば、ポリアセチレ
ン鎖)を含んでもよく、この場合、その分子構造内に芳
香族環とポリアルキレン鎖および/またはポリアルキン
鎖とが交互に結合した構造の官能基を含むことができ
る。
【0022】本発明の実施態様により、本発明は、光強
度を空間的に変調する手法により、高分子の密度、屈折
率、凹凸形状、配向状態の中のいずれか1つ以上の物理
量の空間分布において100μm以下のパターン、特に最
小の解像度として10μm以下のパターンを形成すること
が可能である光重合性組成物において、組成物の構成成
分として、重合開始剤および1種類以上の重合遅延剤
と、異方性をもたない重合性化合物あるいは/および屈
折率異方性を有し、かつ異方性を反映する屈折率差が0.
05以上、好ましくは 0.1以上ある1種類以上の重合性
化合物とを含み、ここで前記重合遅延剤が、少なくとも
その分子構造内に、重合に寄与し得る不飽和結合と、そ
れに接してπ電子結合で共役した官能基をもち、その集
まりが1つの共役系を形成できるような官能基の集合し
た部位を含む化合物であり、かつ重合遅延剤の総量が重
合性化合物の総量に対し1重量%以上50重量%以下、
好ましくは5重量%以上30重量%以下含み、重合開始
する以前の状態、もしくは一部が重合反応を起こした状
態で、前記重合性化合物が外部からの配向規制力にした
がって配向をすることを特徴とする光重合性組成物を提
供する。
【0023】本発明はさらに、上記に説明した組成物を
用いて、2段階の重合反応工程により目的とする光機能
性膜を作製する方法であって、1段階目の重合反応過程
において、配向制御力をもつ配向場により重合性化合物
が1つの配向状態をとり、この状態で照射強度に空間的
な分布をもつ光により重合反応させ、2段階目の重合反
応過程において、1段階目の重合反応時の重合性化合物
の配向とは異なる配向状態になる配向場のもとで、1段
階目の重合反応過程で未反応であった重合性化合物を重
合反応させることを特徴とする光機能性膜の作製方法を
提供する。
【0024】具体的には、組成物を2枚の基板の間に挟
持するが、この2枚の基板のうち少なくとも一方の基板
が、少なくとも、重合反応を行う強度変調光の波長帯域
と、最終的に形成される光機能性膜に使用される照明光
の波長帯域とで、光透過性を有するものを好ましく用い
ることができる。そして、透過性を有する少なくとも一
方の基板上には、必要に応じて前記配向場を提供する手
段を形成し、その光重合性組成物に接する側の表面には
予め配向処理が施される。重合性化合物を基板に塗布す
ることによっても、光機能性膜を形成することができ
る。その際、重合性化合物を基板に塗布するに先立っ
て、予め基板に配向処理が施されることもある。これら
の重合性化合物の配向制御可能な状態の少なくとも1つ
として液晶相での配向が使われ得る。
【0025】配向場として、(i)重合性組成物に接す
る基板表面に塗布された有機材料[例えば、有機高分子
材料(例えば、ポリイミド系化合物、ナイロン、ポリビ
ニルアルコールなど)、有機シラン系化合物など]にラ
ビング処理により生じる配向規制力を使うこと、(ii)
有機高分子膜に光配向処理を施すことにより生じる配向
規制力を使うこと、あるいは(iii)無機材料(例え
ば、SiO2など)または有機高分子材料を斜方蒸着した膜
の蒸着方位角と蒸着角を制御することにより生じる配向
規制力を使うこと、のいずれか1つを用いることができ
る。特に、有機高分子材料は反応過程で溶け出したり、
配向規制力が変化しないものであればいずれの材料も使
用できる。
【0026】配向場として、基板表面に設けた3次元的
な分布構造をもつ微少な凹凸形状に起因する配向規制力
を使うことも可能であり、この場合、その個々の凹凸形
状の大きさおよび深さは、共に目的とする光機能性膜の
最小配向単位の周期の10分の1以下とし得る。この例
は、基板表面に設けた異方性のある凹凸形状により液晶
を配向させる技術を示しており、具体的には、溝型や異
方性のある三角錐、直方体といった凹凸形状を基板表面
にエンボス法やエッチング法で刻む方法、光干渉で高分
子膜上にグレーティング形成する方法等の技術が使用で
きる。本発明方法で作製される高分子のパターンの形状
はサブミクロンからミクロンオーダーとし得るため、形
成される配向規制するための凹凸は、形成されるパター
ンより小さくなる。
【0027】配向場として、組成物の温度を変化させる
ことで生じる液晶の相変化、または、同一の液晶相内で
の液晶の配向状態の差を用いることも可能である。ここ
で、前記液晶の配向状態の差には、螺旋状態の変化や層
の傾き角の変化が含まれる。配向場としてさらに、重合
性化合物のもつ誘電異方性に起因し、外部から印加され
る電界もしくは磁界の中での重合性化合物の外場に対し
て平行となる安定な配向状態を用いることもできる。
【0028】本発明方法の2段階目の重合反応では、熱
重合反応、光重合反応またはカチオン重合反応のいずれ
かを用いることができる。また、1段階目の重合反応と
2段階目の重合反応とで、異なる複数の重合開始剤を用
いることができる。本発明はさらにまた、上記で説明し
た光機能性膜の作製方法によって得られる光機能性膜を
提供する。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明は、従来の液晶−高分子複
合素子や高分子内部で屈折率分布をもつ材料等を形成す
る上で、光強度を空間的に変調する手法により高分子の
密度、屈折率、凹凸形状、配向状態の中のいずれか1つ
以上の物理量の空間分布において100μm以下のパター
ン、特に最小の解像度として10μm以下のパターンを形
成することが可能である光重合性組成物において、重合
開始剤および重合性化合物に加えて、重合遅延剤を重合
性化合物の総量に対して、安定化剤として添加された従
来の配合量を超える量であって且つ100μm以下のパタ
ーン、特に10μm以下のパターンの形成を可能とする
量、通常1重量%以上50重量%以下、好ましくは5重
量%以上30重量%以下、含むことを特徴としている。
【0030】本発明においては、高分子部分に機能をも
たせるための光の空間的強度変調(例えば実用的な手法
として光マスク露光法や光干渉露光法)によるパターン
化を使い、重合性材料に2次元的または3次元的な光学
的な光学特性をもたらすことができる。ここで、光マス
ク露光法とは、二次元的に露光領域/非露光領域ができ
るように光透過性の平面基板上に光遮光性材料によりパ
ターンが形成された光マスクを使い、露光対象にこの光
マスクを透過した光を照射することにより、二次元的に
パターン化された露光部/非露光部を形成する手法であ
る。また、光干渉露光法とは、2つの光がある空間内で
交差することで、2つの光が干渉し、空間的に光強度分
布ができる現象を使って、厚みのある露光対象に2つの
光が干渉した領域で、空間的に露光させる方法である。
【0031】本発明の重合性組成物において重要な役割
を果たす重合遅延剤は、前述の重合のメカニズムで重合
性の化合物と同様に重合性材料Rとして働き、ラジカル
と会合し反応することで、1電子を受容して R'・とな
る。この反応後のラジカルが電荷の極在化の小さい分子
軌道状態を取りうる為に通常の重合性材料から生じるラ
ジカル R'・に比べより安定なエネルギー状態にあり、
次に他の重合性化合物 Rと反応して新たなラジカル R'
・を形成する反応を起こしにくくする効果がある。この
効果は、光照射や熱が加えられた状態のように外部から
エネルギーが加えられる部位では、各重合性化合物、ラ
ジカルの何れもがエネルギー準位的に高い状態にある
為、容易に重合開始反応、重合連鎖反応の何れの反応も
容易に起こり、重合遅延剤には重合連鎖反応を阻害する
効果はない。しかし、外部からエネルギーが加えられて
いない部位では、遅延剤のもつラジカルの安定化効果に
より遅延剤が反応して生成するラジカル R'・は、さら
に他の重合性化合物 Rと反応して生成するラジカルR"・
を形成する反応が起こりにくくなり、結果的に重合反応
の連鎖部分を抑制することになる。
【0032】重合遅延剤は、従来、重合性材料の安定化
という観点から光重合性材料内に微量添加されてきた
が、本発明のように、重合連鎖反応を制御し、隣接した
部位で生じる反応性の化学種の影響を小さくすること
で、マスク露光法や干渉露光法により高解像度/大きな
光学特性差のある高分子もしくは液晶-高分子複合材料
の作製を可能にすることを目的として使用されたことは
なかった。
【0033】現実的な化合物として重合遅延剤を考える
と、重合性の化合物と重合連鎖反応してラジカルになっ
た状態で先に述べたような反応条件によっては、重合反
応を進行することも、生成したラジカルを安定化するこ
ともできる構造であることが望ましい。この様な機能が
発現できる構造としてスチレンの構造に注目した。スチ
レンの分子構造は、重合性のある末端不飽和結合とそれ
に隣接してフェニル環が存在する構造をもち、この分子
構造によりフェニル環に接する不飽和結合した炭素とフ
ェニル環の炭素とが、相互の炭素π電子結合によって1
つの共役した系を形成できる。この共役系内では、ラジ
カル状態での過剰な1電子分の電荷をこの共役系内に分
散することが可能であるため、一般に反応した結果生じ
るラジカルに比べエネルギー的に安定な状態になり、そ
の結果、この安定化された状態にあるラジカルが反応す
るためには、より大きな活性化エネルギーが必要にな
り、このラジカルによる連鎖反応は相対的に起こりにく
くなると考えられる。
【0034】本発明においては、フェニル、ジフェニ
ル、トリフェニル、ナフチル等の芳香族環と、それに連
接した重合に寄与し得る不飽和結合(例えば二重、三重
結合、ビニル基等)とを含む化合物およびその誘導体、
単結合と二重結合が交互に配列した結合鎖の化合物など
の、1つの大きな共役系を形成できる化合物、すなわち
ラジカルになった状態でラジカル状態の電荷を分散でき
る化合物であれば、重合遅延剤として使用することが可
能である。そのような重合遅延剤として、一般に入手可
能な重合遅延剤を表1に示すが、これらに限定されな
い。
【0035】
【表1】
【0036】また、使用し得る別の重合遅延剤として、
その分子構造内に、重合に寄与し得る不飽和結合と、ポ
リエチレン鎖,ポリアセチレン鎖等の直鎖状のポリアル
キンもしくはポリアルキレン、または、フェニル,ジフ
ェニル,トリフェニル,ナフチル等の芳香族環と前記ポ
リアルキンもしくはポリアルキレンとが交互に結合した
構造の官能基とを含み、1つの共役系を形成する部位が
存在するような化合物が挙げられる。
【0037】重合開始剤に関しては、本発明では1段階
目の露光時の反応制御に重合開始反応部分での反応種
(光ラジカル)の発生を制御するのではなく、重合連鎖
反応部分の反応性を重合遅延剤により制御する手法を取
っているため、露光に用いる光源で反応種(ラジカル)
を生成できる重合開始剤であればいかなる種類のものも
広く使用できる。例えば、Irgacure(登録商標)シリー
ズの重合開始剤などを用いることができる。
【0038】また、本発明では、2段階目の露光の役割
は、1段階目の重合条件で重合しない重合性化合物や1
段階目の反応では反応を起こさなかった重合性化合物を
高分子化して重合性化合物の安定化を目的とするため、
反応条件として光、熱等を使用して重合性化合物を重合
反応させ得るもので1段階目の露光の影響を受けないも
のを使うことができる。そのための反応方法として、2
段階目の重合反応に熱重合反応、光重合反応、またはカ
チオン重合反応を用いることができる。2段階目の反応
性を高めるために、例えば、組成系内に重合開始剤の反
応性を高める増感剤と呼ばれる色素化合物を添加しても
よい。なお、重合開始剤自体も、従来の光重合で高解像
度効果を有するレーザー色素や増感用の色素を含む開始
剤を用いれば、より一層の高解像度化が期待できるだろ
う。
【0039】本発明の組成物にはさらに、重合性化合物
が含まれる。重合性化合物として、例えば、ラウリルア
クリレートのように、重合しても等方性の高分子になる
ような従来の重合性化合物に加えて、屈折率異方性を有
し、かつ異方性を反映する屈折率差が0.05以上、好まし
くは 0.1以上ある1種類以上の重合性化合物を含有させ
ることができる。配向制御という観点から、重合反応す
る以前において、液晶のように外場により配向させるこ
とができる分子を含んでいることが望ましく、その点
で、剛直なコア部と末端のアルキル鎖を含む分子、例え
ば液晶分子に類似した骨格をもつ分子が好ましい。その
ような剛直なコア部としては、フェニル、ジフェニル、
トリフェニル、シクロヘキシルフェニル、ナフチル、ト
ラン、アセチルトラン等の多環式官能基を含むものが挙
げられ、末端アルキル鎖としては、末端に重合可能なア
クリレート、メタクリレートまたはビニル基が結合して
もよい炭素数4〜12の直鎖アルキル鎖を含むものが挙
げられる。具体的な重合性化合物の例を表2に示すが、
これに限定されない。
【0040】
【表2】
【0041】液晶分子に類似した骨格の分子は、その分
子単独で、実際に室温以上または室温以下で液晶相を示
す場合もあるが、示さない場合もある。しかし、多くの
場合、液晶骨格類似の重合性化合物同士を、場合により
少量の非重合性の液晶性化合物と混合して、重合反応を
行う作業温度域で液晶性を発現するように材料を混合す
ることが可能である。
【0042】また、重合性化合物としては光機能性を付
与する観点からは、微細な構造単位で高分子の屈折率差
を大きくとることが求められるが、一般に使用される高
分子材料で作り出せる屈折率は1.4から1.6程度の範囲内
であり、混合組成から光機能性を発現させる為に必要な
複数の異なる屈折率の高分子ドメインを作っても作り出
せるドメイン間の屈折率差は、0.2を上回ることがな
い。しかし、分子内に屈折率異方性をもち、配向制御可
能な液晶類似骨格の分子では、分子として屈折率異方性
が0.2以上のものも可能であって、かつ、屈折率異方性
をもつ部位を配向できるため、従来の高分子材料で実現
できなかった高効率の光機能性デバイスを実現できる可
能性がある。
【0043】大きな屈折率異方性を発現できる官能基と
しては、フェニル環、シクロヘキシルフェニル、ジフェ
ニル、トリフェニル、ナフチル、トラン、アセチルトラ
ン等の液晶性を発現させる剛直なコア部と同じ官能基、
高分子として固定化されるので、従来、化合物の安定性
/反応性に問題があるため液晶組成には使われなかった
官能基、などの官能基が挙げられる。さらに、屈折率異
方性を大きくできる前述の骨格のフェニル環の一部をラ
テラル置換した化合物も挙げられる。
【0044】本発明において液晶に類似した骨格の化合
物を使うことで、液晶相状態での配向制御性を生かして
高分子化できるため、“液晶状態での配向を維持しての
高分子化"と“重合性材料や非重合性の低分子液晶材料
の屈折率異方性"によって、重合性化合物が本来もって
いた屈折率異方性を高分子の状態で最大限引き出すこと
ができる。なお、実用的な重合性化合物組成を作る観点
からは、高分子になった状態で重合性材料の液晶類似骨
格部分の配向を維持することも光機能性デバイスとして
の利用上求められる。
【0045】重合性の官能基を1つもつ化合物のみで
は、一般に重合が進み高分子となった状態でもガラス転
移温度 Tgはあまり高くない(100℃以下)。そのため、
デバイスとしての高分子構造の安定性を高める観点か
ら、組成に多官能型重合性化合物を含み、高分子化した
際に、架橋部を形成することが望ましい。
【0046】この多官能型重合性化合物にも、液晶類似
骨格の化合物を使うことでもっとも効果的にデバイスを
作製できるが、高分子構造の安定化という観点からは、
最終的な高分子のTgがデバイスの保管温度以上であれば
支障がないため、実際の重合性組成物において多官能式
化合物の占める割合は、数重量%から30重量%程度が
好ましい。配向性を乱さない範囲であれば、一般の高分
子組成で使われる液晶骨格に類似しない2官能あるいは
3官能の化合物を組合わせた組成物も適用可能である。
【0047】また、屈折率異方性を保持して高分子化す
るという観点からは、高分子主鎖の配向変化が屈折率異
方性を発現する官能基の配向を乱さないことも求められ
る。そのため、屈折率異方性を発現する官能基を側鎖も
しくは分岐鎖に有する炭素同士の間に適切な結合スペー
スを入れることが必要である。適切な結合スペースを入
れる用途には、液晶類似骨格の化合物は嵩張りすぎて適
切でないため、分子量が低く、分子形状として嵩の張ら
ず、液晶の配向を乱し難い構造の重合性化合物を液晶状
態の配向を乱さない範囲で添加することも可能である。
適用可能な化合物としては、重合性の直鎖アルキル、重
合性のフェニル化合物等が挙げられる。
【0048】したがって、本発明で使用可能な別の重合
性化合物は、重合反応条件が異なり、かつ単一組成で高
分子化した場合に屈折率差が0.05以上、好ましくは 0.1
以上あり異方性をもたない2種類以上の化合物である。
例えば、そのような組成には、化合物の1つ以上が、重
合性を有する官能基以外に、ビスフェノール、トリフェ
ニル、ジフェニル、硫黄等の大きな屈折率を発現し得る
官能基を有する化合物であり、あるいは、それ以外にも
1つ以上の化合物が、先述の重合性化合物とは異なる重
合性を有する官能基をもち、かつ、ビスフェノール、ト
リフェニル、ジフェニル、硫黄等の大きな屈折率を発現
し得る官能基を有さず、飽和した炭素結合のアルキル鎖
のみで構成される主鎖部もしくは側鎖部からなる炭化水
素化合物である。重合性の反応基の具体的な組合わせに
は、例えば、反応性の全く異なる、カチオン重合性の末
端オレフィン基と光重合性のアクリレート基もしくはメ
タクリレート基の組み合わせや、反応速度が異なるアク
リレート基とメタクリレート基のような組み合わせが考
えられる。
【0049】本発明はさらに、上記の組成物を用いて2
段階の重合反応工程により目的とする光機能性膜を作製
する方法を提供する。この方法は、1段階目の重合反応
過程に於いて、ある配向制御力を持った配向場により、
重合性化合物が1つの配向状態をとっており、この状態
で照射強度に空間的な分布をもつ光により重合反応さ
せ、2段階目の重合反応過程に於いて、1段階目の重合
反応時の重合性化合物の配向とは異なる配向状態になる
配向場のもとで1段階目の重合反応過程で未反応であっ
た重合性材料を重合反応させることを含む。
【0050】この光機能性膜作製技術は、分子内に大き
な屈折率異方性のない通常の高分子材料においても、あ
るいは、配向した状態でも屈折率異方性が発現しない通
常の高分子材料においても技術的に適用可能である。具
体的には、単独で重合し高分子化した状態で屈折率が異
なり、かつ重合条件の異なる材料系を組合せにおいて、
少なくとも一方の材料が、光強度に比例した重合反応性
を示す材料であれば、光機能性を持つ膜を作製すること
ができる。この時、パターン露光で重合する材料が、光
重合するのに対してもう一方の材料は、光反応を起こさ
ない熱重合型もしくはカチオン重合型の高分子材料また
は光の照射強度でパターンを形成する重合性材料に比べ
光重合反応速度が十分に遅いもしくは、反応を開始でき
る光照射条件(反応する光の波長等)が異なる化合物を
使うことができる。このような組合せによって、1度目
にパターン露光され重合する領域と2度目に重合処理さ
れた領域で異なった光学特性(例えば、屈折率)が作り
出せる。光重合による相分離によって高分子領域のパタ
ーン化を目指す特開平6-160817号公報、特開平6-160824
号公報のような応用例もあるが、この先行技術は、従来
の高分子分散型の液晶と同じく高分子と液晶の単なる分
離を目指すものであって、本発明のような微細な構造を
形成するとか、または形成される高分子の配向等の制御
により高分子部分に更に機能性を付与するものではな
い。
【0051】本発明の組成物は、一実施態様により、重
合開始する以前の状態もしくは一部が重合反応を起こし
た状態で前記組成物が外部からの配向規制力にしたがっ
た配向をすることを特徴とする。本発明の重合性組成物
とそれを使った光機能性膜は、配向場で液晶状態にある
分子が配向できる性質を使い以下のような作製プロセス
で光機能性を付与できる。基本的な作製方法を以下に説
明する。
【0052】第一段階:何らかの配向場によって重合反
応開始前に重合性材料を1つの配向状態を取らせ、その
状態で最初にパターン露光することで露光パターンに従
った露光時の配向状態を保持した領域で高分子化を起こ
す。第二段階:重合性組成物の配向を制御する配向場を
変化させ、第一段階の配向とは異なった配向状態を作
り、この新たな配向状態が安定となった状態で重合反応
することで、最初の露光でパターン化されていない領域
が、2度目の重合反応時の配向状態を保持した領域を作
る。重合性組成物の分子の配向状態を作り出す配向場と
しては、基板表面に付与された配向規制力による配向場
と重合組成分子の置かれた空間における外部からの磁界
や電界、温度といった物理的な配向場による配向方法が
ある。
【0053】基板表面に配向規制力を付与する方法とし
ては、 基板の重合性材料に接する側の基板表面に配向性を
付与する表面処理、例えば、基板上にデイップ法やスピ
ンコート法、印刷法等の手法によりポリイミド、ポリビ
ニルアルコール、ナイロン等の有機高分子膜を成膜し、
ラビング処理を施す方法; 基板上にSiO2等の無機材料またはに記載のような
有機高分子材料を斜方蒸着したもの; ポリビニルシンナメイトやカルコン誘導体等の光重
合型もしくは、光開裂又は配向変化するポリイミド膜と
いった光配向処理を施したもの; 有機シラン等の有機材料の垂直配向膜や垂直配向膜
にラビング処理を施したもの; 等の公知の様々な基板表面自体に配向規制力を付与する
方法が使え、これにより重合性分子を配向規制方向に平
行で基板面と平行あるいはある一定の傾いた配向状態も
しくは、基板面に垂直方向に配向できる。
【0054】また、重合組成分子の置かれた空間におけ
る物理的な配向場による配向としては、 材料の温度を上げることで生じる相変化による配
向: ・等方性液体状態での配向 ・異なった液晶相状態での配向 ・材料の螺旋ピッチの温度変化に依存した変化を配向 膜の厚み方向に電界をかける事で生じる配向; ・垂直方向(Δε>0ネマティック液晶性を示す材料)
の配向 ・水平でかつ基板に施した配向処理方向(Δε<0ネマ
ティック液晶性を示す材料)の配向 ・エレクトロクリニック効果によりインプレーン内で液
晶分子のダイレクタが変化した配向(スメクテックA、
Bの材料) ・電界の印加方向により生じる自発分極が揃い、液晶分
子のダイレクターがインプレーン面内にある配向(スメ
クチックC,Ca*材料)
【0055】 膜面に平行に電界をかける事で生じる
配向; ・液晶材料の誘電異方性によるインプレーンでの分子の
ダイレクタが変化した配向(ネマティック液晶性を示す
材料) 基板面に対して平行もしくは垂直方向に磁場を印加
することで生じる分子の配向; 自発分極を持つ液晶性分子の外部電界の向きに応じ
た配向; 等、重合性材料自体もしくは混合組成の相変化や、重合
性材料自体もしくは重合性材料に混合された分子の誘電
異方性と電界や磁界といった外部力場との相互作用によ
って生じる配向を使うことができる。
【0056】本発明の方法においては、一実施態様によ
り上記定義の組成物を2枚の基板の間に挟持するが、該
組成物を挟持する2枚の基板のうち少なくとも一方の基
板は、少なくとも強度変調のある光の重合反応を行う波
長帯域と最終的に形成される光機能性膜によって使用さ
れる照明光の波長帯域で光透過性を有する基板であるこ
とを特徴とする。該組成物を1枚の基板に塗布し、その
基板上の重合性化合物に接する側の表面には予め、ある
1つの配向処理が施される。
【0057】配向処理の仕方については上述のような方
法が使用でき、すなわち、組成物の配向制御可能な状
態の少なくとも1つとして液晶相での配向を使うこと、
組成物を配向制御するための配向場として、重合性材
料に接する基板表面に塗布された有機材料にラビング処
理により生じる配向規制力を使うこと、組成物を配向
制御するための配向場として、有機高分子膜に光配向処
理を施すことにより生じる配向規制力を使うこと、組
成物を配向制御するための配向場として、SiO2等の無機
材料または有機高分子材料を斜方蒸着した膜の蒸着方位
角と蒸着角を制御することにより生じる配向規制力を使
うこと、組成物を配向制御するための配向場として、
基板表面に設けた3次元的な分布構造を持つ微少な凹凸
形状に起因する配向規制力を使い、かつ、その個々の凹
凸形状の大きさおよび深さは共に目的とする光機能性膜
の最小配向単位の周期の10分の1以下であること、
組成物を配向制御するための配向場として、該組成物の
温度を変化させることで生じる、液晶の相変化または、
同一の液晶相内での液晶の配向状態の差(螺旋状態や層
の傾き角の変化)を用いること、組成物を配向制御す
るための配向場として、重合性化合物の持つ誘電異方性
に起因し、外部から印加される電界もしくは磁界の中で
の前記重合性化合物の外場に対して平行となる安定な配
向状態を用いること、のいずれかの処理を使用できる。
【0058】実際に光機能性膜を作製するに当たって
は、 2つの配向状態を作り出すために上記のいずれかの
方法のみならず、2つの方法あるいは、いくつかの配向
方法を組合せることもできる。この時、液晶を一軸方向
に配向させる配向場での2つの配向を生み出すには、重
合反応で保持される2つの配向状態間で互いの液晶の配
向ダイレクタが直交するようにそれぞれの配向を作り出
す配向場を適切に選ぶことが求められる。
【0059】本発明は、上記のいずれかの方法によって
得ることができる光機能性膜も提供する。従来の技術で
は、空気と接する面側においてのみ付与できたプリズム
アレイもしくはマイクロレンズアレイ、回折格子、バイ
ナリーホログラムなどの機能や、複数の工程を経て形成
する光導波路のような素子に対して、本発明の光機能性
膜は、光露光することで1つの膜として付与できる点
で、従来膜にはない特徴を有している。以下の実施例に
よって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこ
れらの実施例によって制限されるものではない。
【0060】
【実施例】実施例1 実験は以下の手順で、材料組成の調製、露光用サンプル
の作製、露光を行い評価した。 I.実験方法 実験方法の概略を以下に説明する。 1)材料組成の調製 重合性組成物は、化合物自体が液晶性を示さないか、液
晶性を示したとしても高温においてのみであったりし
て、混合組成を作製しても重合性化合物のみでは実験作
業を行う室温近傍で液晶性を示さなかった。作製した重
合性組成物の組成比、すなわち重合性化合物(LCMA6:
ラウリルアクリレート):重合遅延剤:重合開始剤(I
rgacure369)は後記表6の括弧内に表記したも
のを実際に使用した。ここで、LCMA6の構造式は表2
に、使用した重合遅延剤の種類は表3(具体的な構造は
表1に示している)にそれぞれ示したとおりであり、ラ
ウリルアクリレートの構造式はCH3(CH2)11OCOCH=CH2
ある。また、Irgacure369は日本化薬より入手
したものを使用した。
【0061】2)露光用サンプルの作製手順 パターン性を見る意図での実験であるため、配向制御を
優先し、屈折率異方性は、非重合性の液晶分子の配向を
液晶性/液晶類似骨格高分子材料の配向で固定化するこ
とで取出す方法を適用した。液晶性/液晶類似骨格高分
子材料は、液晶状態にあるので通常の液晶と同様に、注
入法にて液晶セルに注入した。評価セルは、下記の手順
にて作製した。
【0062】基板洗浄 152mm角のガラスは、基板カセットにセットし、ガラス
基板洗浄工程にて洗浄した。1-1 洗剤による洗浄: 初期状態で、ガラス基板は、無機
系や有機系の汚れやごみが付着している為、洗剤(日東
化学社製ベイクリーンCW-210)を満たした洗浄用の槽に
カセットごと浸し、10分間超音波洗浄を行う。1-2 カスケード槽による水洗い: 基板面に少量残った洗
剤等を洗い流す為、純水シャワー洗5分と純水シャワー
をかけながら槽に純水を溜めて排水する洗浄を1回(約
5分間)行い、その後純粋超音波洗にて10分間洗浄す
る。50μmのガラス基板に関しては、1-2と同様の洗浄
方法を使用した。1-3 基板の乾燥: 洗浄後の基板は、1枚づつメガソニッ
ク付きの純水による30秒のスピン洗浄後、3000rpmにて3
0秒スピンドライを行い、その後、120度のクリーンオー
ブン内で20分間加熱乾燥を行った。
【0063】配向膜の塗布 今回の実験では、配向膜として水平配向膜SE-150(日産
化学製)をSE-150希釈用シンナーにより3倍希釈したも
のを使用し、液晶を注入する側の基板面にスピンコート
法にて塗布した。2-1 スピンコート: スピンコーターステージ上にガラス
基板を置き、真空吸着した、基板面に 4.5μmのフィル
ター(ミリポア社製)でフィルタリングした配向膜の溶
液をガラス面で弾きがない様に一様に塗布し、スピン条
件:初期回転800rpm 5秒/主回転3200rpm 25秒にてスピ
ンコートした。2-2 配向膜の焼成: スピンコート終了した基板は、速や
かに、90度のホットレート上に移し2分〜4分間焼成
し、配向膜溶液中の溶剤を揮発乾燥する。その後、基板
をクリーンオーブン内に移し、200度で1時間焼成し、
配向膜のイミド化を行う。
【0064】配向処理 今回の実験では、屈折率異方性を大きく取ることを目的
とするため、配向処理状態で液晶分子配向にネジレ構造
を持たない配向としてアンチパラレルラビングを使っ
た。3-1 ラビング: ラビング布は、YA-19R(吉川加工より入
手)を使い、ラビングマシンとしてSRD-M(株式会社タ
カトリ製)使った。ラビングの条件は、布の当りは、順
目方向、布の押し込み量0.2mm、ラビング時のローラー
の回転数300rpm、基板の送り速度150mm/minにてラビン
グ処理を3回行った。3-2 ラビング後の洗浄: 洗浄後の基板は、1枚づつメガ
ソニック付きの純水による30秒のスピン洗浄後、3000rp
mにて30秒スピンドライを行い、その後、120度のクリー
ンオーブン内で20分間加熱乾燥を行った。
【0065】スペーサー散布と基板貼り合せ 今回の実験では、配向性を優先しているため、混合組成
中の重合性の化合物の割合が、10wt%と低く、露光光学
系の制約から、5μm程度のライン/スペースが書込め
る事を実証するため、比較的、書込むパターンに近く、
作りやすいセル厚として、6μmを選択した。セル厚の
制御には、6μmのプラスチックスペーサー(積水ファ
インケミカル製)を用いた。
【0066】4-1 スペーサー散布: 1.1mm、50μm両方
の基板に対し、スペーサーを乾式法により散布した。散
布するスペーサーの量は、およそ 100μm四方で1〜3
個程度を目標に行った。散布手順は、乾式スペーサー散
布装置(図2)を使用して以下のとおり行った。 ・乾式のスペーサー散布ボックス内のサンプル室21
基板25を散布面を上に水平に散布室の中央付近に置
く。 ・散布するスペーサー26を小型のスパテール1杯分
(約50mg)を散布ボックスのスペーサー分散室22内の
ガス吹き込み部23の所定の場所に置く。 ・ボックス内に、3kg/cm2の乾燥圧縮空気27を10秒
吹き込み、スペーサーをボックス内の分散降下室20
分散させる。 ・ガスのフローが停止した後10秒間保持した後、ボック
ス底部のサンプル室21と分散降下室20の間のスライ
ド扉24を開け、スペーサーが分散したガスに触れる状
態にして90秒間放置する。その後スライド扉24を閉
め、サンプルを取出し作業は終了する。
【0067】4-2 シールの印刷:シールは、ワールドロ
ックK-17-32(協立化学産業社製)を使い、シール内に
も6μmのプラスチックスペーサー(4-1のスペーサー
散布で用いたものと同一)を適量混ぜた物をスクリーン
印刷法で1.1mm厚の基板の配向処理面側にのみシールパ
ターンをつけた。接着剤とスペーサーの混合比は、重量
比で約15:1〜約10:1である。目安としてシールが伸び
きった貼り合せ完了時でスペーサーが100μm四方で100
0以上(スペーサーが重ならないで密にパッキングされ
た領域がところどころにできるくらい)で行っている。
スクリーン版は、メッシュ工業製のもので、メッシュは
ナイロンの300番、乳剤厚は、10μm、パターンの線幅
0.3mmで作製したものを使用した。なお、今回の実験で
は、UV露光後には、高分子によって安定化されているの
で通常の液晶セルのように完全なシールリングが必要無
い物と考え、オープンセル型のパターンでシールパター
ンを形成した。
【0068】4-3 基板の貼り合せ:基板の貼り合せは図
3に記載されるような簡易装置を用いて行った。1.1mm厚
ガラス基板33は、シール印刷後、貼り合せる対向側の
50μmガラス基板36と共に60℃のクリーンオーブン内
で約15分間加熱し、その後、シールパターンを印刷した
面を上にした1.1mm基板の上に配向処理面を下にした50
μmの基板を置き、更に1.1mm素ガラス37を当て、1.1m
mのガラス基板と1.1mmの素ガラスを押す事で、50μガラ
スに均一に力が掛かるようにして押さえ、貼り合せを行
った。
【0069】4-4 シールの熱硬化:セル厚をスペーサー
で設定した厚みに調整するために4-3で貼り合せた基板
は、基板上下方向から圧力を印可できる加圧治具内に入
れ、加圧(2〜5kgf/cm2程度)した。その後、シール
剤を硬化する為に、パネルは、加圧治具に取り付け加圧
したままで、オーブン内で100℃にて1時間焼成し、そ
の後、室温までオーブン内で放冷し、取出した。 注入 今回の実験で用いたシールパターンがオープンセルであ
るので、室温にて、セルの一方の開口部から毛管現象に
より重合性材料を注入した(図4)。
【0070】3)露光 今回の実験においてセル内で液晶性/液晶類似骨格高分
子材料の分子軸方向の異なる配向を2つ作るに当たり、
電界無印加で作り出せる2つの配向状態において評価を
行った。実際に使った電界を印加しないで作り得る2つ
の配向状態として以下の2つの条件を使った: a)11室温近傍での配向膜で規制された配向状態;および b)1180℃近傍での材料組成が等方性液体状態になり、液
晶分子や重合性分子がランダムに配向し異方性が消失し
た状態。
【0071】今回の実験では、解像度確認のために、US
AF1951分解能テストターゲット(クローム,ポジティブ
型(図1参照))をフォトマスクとして使た。露光に
は、ホヤ-ショット社製のUV露光光源UL-250にコリメー
ションレンズを付けた状態で使い、サンプルの混合組成
材料を注入したセルに対して、無偏光のUV光を平行光
状態にして垂直方向から照射した。
【0072】なお、高解像度領域(15μm以下のパター
ン、分解能テストターゲットでグループ5以上)の解像
度確認サンプルに関しては、等方性状態にすることによ
り、パターンを形成した高分子の軟化や膨潤、または、
拡散現象が予測され、それによる解像度低下が見込まれ
るため、全面露光を行わないで配向を確認したものも作
製している。今回の実験では下記の表3に示す条件で露
光を行った。
【0073】
【表3】
【0074】マスク露光(図5) 液晶状態での配向膜による規制によって得られる重合材
料の配向を高分子により保持するために、マスク露光法
を使って30秒間露光した。このマスク露光の温度条件は
前述の条件にて行っている。尚、マスク自体は、露光中
にずれない様にサンプルの上に固定して置いた状態で使
用している。 全面露光 マスク露光後、マスクを基板から取り外し、サンプル
は、ホットステージ上で目的温度まで加熱または冷却
し、目的温度到達約1分間温度が安定するのを待ちUV光
にて3分間の全面露光を行い、未反応成分を重合反応さ
せた。
【0075】II.評価方法および結果 パターン化のマスクにはUSAF1951分解能テストパターン
を使い、形成された高分子材料の配向は、以下の手法に
より評価した。 a)11高分子によって形成された異なった配向状態間で生
じる光散乱性からUSAF1951分解能テストパターンのどの
グループまで書込めているか確認した。 b)11通常の光学偏光顕微鏡において、配向状態を確認し
た。 c)11高解像度の光学顕微鏡(カールツァイス社製)にお
いて、a)、b)の評価で解 像度が取れていそうなサンプルに関してのみ配向状態を
追加確認した。
【0076】評価においてポイントとしたのは、 USAF1
951分解能テストパターン((株)シグマ光機より入手 )
で、どのグループのどのライン番号まで書込めるかを基
準に観察した。使用した露光光学系の制約(光の平行度
が1度から1.5度)からグループ6まで書込めているか
を基準に判断した。なお、このパターンは、以下のよう
に規定ラインスペースが規定されている(表4、表5)。
【0077】
【表4】
【0078】
【表5】
【0079】実際の書込まれたパターンは、材料ごとに
異なるが、(a)液晶との複合系では、配向の違いが判
るかどうか、(b)高分子材料単独の室温での露光系で
は、高分子ができている部分とできていない部分が、マ
スクパターンに対応しているかどうか、を基準に判断し
た。
【0080】なお、実験で使用する露光光学系の光の広
がり角が最大2度(場所により若干幅があり光の広がり
は、平均では1.5度程度)あるため、通常の液晶評価で
使うセルのガラス1.1mmでは、76μm以下のライン/ス
ペースのパターンを書き込むことはできない。その為、
今回の実験では、マスクに接しない側のガラス基板は、
従来と同じく、1.1mmの#7059ガラス(コーニング社製)
を適用し、マスクに接する側のガラス基板の厚み 50μ
のAF-45ガラス(ショット社製)を使いセルを作製し
た。(このセル構成と露光光学系で、書込めるパターン
は、最低3.5μmのライン/スペースである。) 結果を表6に示す。
【0081】
【表6】
【0082】上記表中でG6やG5−2は、USAF1951ターゲ
ット上の書込めたパターン番号を示し、この例では、G6
はグループ6がすべて書き込めたことを、G5−2は、グ
ループ5のライン番号2番を書込むことができたことを
示す。表6の結果から、本発明の重合性材料組成物は、
従来の重合性材料組成物(重合遅延剤無し)では実現でき
ない 10μm以下のパターンを書込むことが可能であるこ
とが判る。
【0083】比較例1 実験は実施例1で示されるのと同一の手順において、従
来の重合遅延剤をほとんど含んでいない重合性材料組成
物のみをに変えて露光用サンプルの作製、露光を行い評
価した。作製した重合性材料の組成は、LCMA6:ラウリ
ルアクリレート:Irgacure369=49.0:49.0:
2であった。実験の結果、本比較例で作製した重合処理
完了後のサンプルでは、10μm以下のパターンを書込む
ことができていないことを確認した。
【0084】実施例2 実施例1で作製した重合性化合物と非重合性低分子のネ
マチック液晶組成材料SP-8247(Δε>0、チッソ石油
化学社製)と混合した組成を作製し、低分子液晶組成物
と光重合性組成物の混合組成で、液晶状態と等方性状態
での配向性の違いを取出せるかどうかを実施例1で示さ
れる手順により露光用サンプルの作製、露光を行い評価
した。試験に用いた組成は、SP-8247: LCMA6:ラウリ
ルアクリレート:a-MST:Irgacure369=90:
4.4:4.4:1.5:0.5であり、ここで、a-MSTはα−メ
チルスチレンであり、その構造式は表1に示されてい
る。
【0085】その結果、重合遅延剤を含む組成系におい
て、パターン露光した領域と等方性液体状態で2度目の
重合をした場合に、3.5μmピッチのパターンで露光
した領域までの範囲で、記録する露光した領域と記録し
ていない領域間で明確な配向状態の差が見られ、かつ、
露光領域内のみにおいて液晶状態での配向を保持してい
るのを顕微鏡観察において確認できた。
【0086】比較例2 比較例1で作製した重合性化合物と非重合性低分子のネ
マチック液晶組成材料SP-8247(Δε>0、チッソ石油
化学社製)と混合した組成を作製し、低分子液晶組成物
と光重合性組成物の混合組成で、液晶状態と等方性状態
での配向性の違いを取出せるかどうかを実施例1で示さ
れる手順により露光用サンプルの作製、露光を行い評価
した。試験に用いた組成は、SP-8247: LCMA6:ラウリ
ルアクリレート:Irugacure369=90:4.75:
4.75:0.5であった。
【0087】実験の結果、2段階の重合反応終了後の配
向状態を3種類の評価方法で評価したが、液晶状態でパ
ターン露光後、等方性液体状態で露光したものに関して
は、パターン露光によって形成される液晶の配向は認め
られるが、書き込んだパターン形状は光の当たる/当た
らない境界部分が明確に識別できず、液晶性の配向の影
響のある配向が、パターンにより遮光された領域内まで
緩やかに変化し広がりをもち、また露光部の配向も中心
部に比べ境界部に近づくにつれダイレクタの揺らぎが認
められ、20μm以下のパターンでは本発明の組成物で
作製した場合に見られるような明確な配向変化のある境
界はできなかった。
【0088】
【発明の効果】本発明により、(1)重合遅延剤を有効
量添加することによって重合連鎖反応を制御し、隣接し
た部位で生じる反応性の化学種の影響を小さくすること
で、マスク露光法や干渉露光法により高解像度/大きな
光学特性差のある高分子もしくは液晶-高分子複合材料
の作製を可能にすること;(2)重合反応を2段階でか
つ配向制御して行うことで、効率的に重合性材料のもつ
屈折率差または異方性を2次元的もしくは3次元的な分
布として取り出すことで、大きな屈折率差または位相差
のある光機能性素子を実現可能にすること;(3)重合
させる際の配向制御に重合性組成物の相状態として液晶
相を使うことで、微細な配向制御を可能とすること、な
どの利点が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、 USAF1951分解能テストパターン
で規定される形状で、(a)のポジティブ型と(b)のネガテ
ィブ型の2種類が存在し、それぞれ、図の黒い領域が、
遮光するクロムマスク部分である。
【図2】 この図は、上記の実施例、比較例で使用した
評価用セルの作製工程のうち、スぺーサー散布工程で用
いる簡易装置を示したものである。
【図3】 この図は、上記の実施例、比較例で使用した
評価用セルの作製工程のうち、基板貼合せ工程で用いる
簡易装置を示したものである。実験で用いた基板が50
μmと極めて薄いため、薄い基板側にはダミーのガラス
基板を当て、薄いガラス基板に直接、加圧時に具が当た
らず、かつ、薄いガラスに接する面は平滑であることが
保証されるような押え込み方をしている。
【図4】 この図は、上記の実施例、比較例で使用した
評価用セルの作製工程のうち、液晶注入工程の作業時の
条件を概説したものである。セルの構成は、一般にオー
プンセルと呼ばれる形状で、注入方向と基板に施された
ラビングの方向が等しくなるように毛管現象で注入し
た。
【図5】 この図は、上記の実施例、比較例で使用した
評価用セルの作製工程のうち、マスク露光時の状態を示
したものである。薄い基板基板側にコンタクトさせた光
マスクにてパターンの書き込み実験を行っており、マス
クと評価セルは、全面で圧力をかけてマスクと基板を接
合させるような処理は、行っていない。単に、露光中に
マスクのずれが生じない程度での粘着テープによる位置
決めを行う程度である。従って、実際の金属の遮光パタ
ーンと液晶層の距離は、ガラス厚の50μm以上になっ
ていると考えられる。
【符号の説明】
20…乾式スペーサー散布装置のスペーサー分散降下室 21…乾式スペーサー散布装置のサンプル室 22…乾式スペーサー散布装置のスペーサー分散室 23…ガス抜き穴 24…スライド扉 25…サンプル基板(50μmガラス基板と1.1mmガラス
基板) 26…散布するスペーサー 27…スペーサーを分散させる為の乾燥圧縮空気 28…分散されたスペーサーの流れ(概念) 31…加圧治具底部 32…加圧治具加圧ヘッド部 33…1.1mmガラス基板 34…配向膜(SE−150 日産化学製) 35…シール剤 36…50μmガラス基板 37…1.1mmの素ガラス基板 38…バネによる押え 39…重合性材料と液晶の混合組成を注入する空間 41…配向膜のついた下側 1.1mmガラス基板 42…シール剤 43…配向膜のついた上側50μmガラス基板 44…ガラス基板に施した配向処理方向 45…重合性材料が毛細管現象で注入される方向 46…注入する重合性組成物を置く場所 50…ホットステージ 51…1.1mmガラス基板 52…配向膜(SE−150 日産化学製) 53…シール剤 54…重合性材料と液晶の混合組成 55…マスクにセルを固定する為の仮止めテープ 56…50μmガラス基板 57…フォトマスクのガラス基板 58…クロムマスクパターン 59…UV平行光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/04 G02B 1/04 4J011 1/10 3/00 Z 4J100 3/00 5/02 B 5/02 5/18 5/18 G03F 7/004 521 G03F 7/004 521 G03H 1/04 G03H 1/04 G02B 1/10 Z Fターム(参考) 2H025 AA02 AB14 AB20 AC01 AC08 AD01 BC13 BC31 BC51 BC81 BJ00 CA00 CC20 2H042 AA05 AA26 2H049 AA33 AA48 CA30 2K008 AA04 DD13 2K009 BB02 CC24 4J011 AC03 AC04 NB03 NC01 QA03 QA08 QA12 QA32 QA33 QA45 QA46 UA01 UA10 VA01 VA04 VA05 WA10 4J100 AL08P AL66P BA02P BA04P BA15P BB07P BB12P BB18P BC04P BC43P BC44P DA11 DA63 FA03 FA06 FA34 JA32 JA39

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子の密度、屈折率、凹凸形状、配向
    状態の中のいずれか1つ以上の物理量の空間分布におい
    て100μm以下、特に10μm以下のパターンを形成する
    ことが可能である光重合性組成物において、組成物の構
    成成分として、重合開始剤、少なくとも1種類の重合性
    化合物、重合性化合物の総量に対し1重量%以上50重量
    %以下の1種類以上の重合遅延剤を含むことを特徴とす
    る光重合性組成物。
  2. 【請求項2】 光強度を空間的に変調する手法により、
    高分子の密度、屈折率、凹凸形状、配向状態の中のいず
    れか1つ以上の物理量の空間分布を形成することを特徴
    とする請求項1に記載の光重合性組成物。
  3. 【請求項3】 前記の少なくとも1種類の重合性化合物
    が屈折率異方性を有し、かつ異方性を反映する屈折率差
    が0.05以上ある化合物であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の光重合性組成物。
  4. 【請求項4】 前記重合性化合物が、重合開始する以前
    の状態、もしくは一部が重合反応を起こした状態で、外
    部からの配向規制力にしたがって配向をすることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の光重合性組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記重合性化合物が、環式官能基を含む
    剛直なコア部と、重合可能な不飽和結合を有する官能基
    で置換された鎖状末端部とを含むことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の光重合性組成物。
  6. 【請求項6】 前記重合性化合物が、液晶材料類似の骨
    格を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の光重合性組成物。
  7. 【請求項7】 重合反応条件が異なり、かつ単一組成で
    高分子化した場合に屈折率差が0.05以上ある高分子を形
    成する屈折率異方性をもたない2種類以上の重合性化合
    物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光
    重合性組成物。
  8. 【請求項8】 前記重合反応条件が異なり、かつ単一組
    成で高分子化した場合に屈折率の異なる高分子を形成す
    る重合性化合物の中の少なくとも1つが、大きな屈折率
    を発現し得る官能基を有することを特徴とする請求項7
    に記載の光重合性組成物。
  9. 【請求項9】 前記重合反応条件が異なり、かつ単一組
    成で高分子化した場合に屈折率の異なる高分子を形成す
    る重合性化合物の中の少なくとも1つが、末端部のみが
    重合性の不飽和結合を有する官能基で置換された飽和結
    合のアルキル基のみで構成される主鎖もしくは/および
    側鎖からなる炭化水素化合物であることを特徴とする請
    求項7に記載の光重合性組成物。
  10. 【請求項10】 前記重合遅延剤が、その分子構造内
    に、重合に寄与し得る不飽和結合と、それに接してπ電
    子結合で共役した官能基をもち、その集まりが1つの共
    役系を形成できるような官能基の集合した部位を含む化
    合物であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに
    記載の光重合性組成物。
  11. 【請求項11】 光強度を空間的に変調する手法によ
    り、高分子の密度、屈折率、凹凸形状、配向状態の中の
    いずれか1つ以上の物理量の空間分布において100μm
    以下のパターン、特に10μm以下のパターンを形成する
    ことが可能である光重合性組成物において、組成物の構
    成成分として、重合開始剤および異方性をもたない重合
    性化合物のほかに、1種類以上の重合遅延剤と、屈折率
    異方性を有し、かつ異方性を反映する屈折率差が0.05以
    上ある1種類以上の重合性化合物とを含み、ここで前記
    重合遅延剤が、少なくともその分子構造内に、重合に寄
    与し得る不飽和結合と、それに接してπ電子結合で共役
    した官能基をもち、その集まりが1つの共役系を形成で
    きるような官能基の集合した部位を含む化合物であり、
    かつ重合遅延剤の総量が重合性化合物の総量に対し1重
    量%以上50重量%以下含み、重合開始する以前の状
    態、もしくは一部が重合反応を起こした状態で、前記重
    合性化合物が外部からの配向規制力にしたがって配向を
    することを特徴とする光重合性組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の組
    成物を用いて、2段階の重合反応工程により目的とする
    光機能性膜を作製する方法であって、1段階目の重合反
    応過程において、配向制御力をもつ配向場により重合性
    化合物が1つの配向状態をとり、この状態で照射強度に
    空間的な分布をもつ光により重合反応させ、2段階目の
    重合反応過程において、1段階目の重合反応時の重合性
    化合物の配向とは異なる配向状態になる配向場のもと
    で、1段階目の重合反応過程で未反応であった重合性化
    合物を重合反応させることを特徴とする光機能性膜の作
    製方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれかに記載の組
    成物を2枚の基板の間に挟持し、該2枚の基板のうち少
    なくとも一方の基板が、少なくとも、重合反応を行う強
    度変調光の波長帯域と、最終的に形成される光機能性膜
    に使用される照明光の波長帯域とで、光透過性を有する
    基板であることを特徴とする請求項12に記載の光機能
    性膜の作製方法。
  14. 【請求項14】 前記重合性化合物を基板に塗布するこ
    とを特徴とする請求項12または13に記載の光機能性
    膜の作製方法。
  15. 【請求項15】 前記重合性化合物を基板に塗布するに
    先立って、予め基板に配向処理が施されていることを特
    徴とする請求項14に記載の光機能性膜の作製方法。
  16. 【請求項16】 前記重合性化合物の配向制御可能な状
    態の少なくとも1つとして液晶相での配向を使うことを
    特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載の光機能
    性膜の作製方法。
  17. 【請求項17】 前記配向場として、(i)光重合性組
    成物に接する基板表面に塗布された有機材料にラビング
    処理により生じる配向規制力を使うこと、(ii)有機高
    分子膜に光配向処理を施すことにより生じる配向規制力
    を使うこと、あるいは(iii)無機材料または有機高分
    子材料を斜方蒸着した膜の蒸着方位角と蒸着角を制御す
    ることにより生じる配向規制力を使うこと、のいずれか
    1つを用いることを特徴とする請求項12〜16のいず
    れかに記載の光機能性膜の作製方法。
  18. 【請求項18】 前記配向場として、基板表面に設けた
    3次元的な分布構造をもつ微少な凹凸形状に起因する配
    向規制力を使い、かつ、その個々の凹凸形状の大きさお
    よび深さは、共に目的とする光機能性膜の最小配向単位
    の周期の10分の1以下であることを特徴とする請求項
    12〜16のいずれかに記載の光機能性膜の作製方
    法。.
  19. 【請求項19】 前記配向場として、前記組成物の温度
    を変化させることで生じる液晶の相変化、あるいは、同
    一の液晶相内での液晶の配向状態の差を用いていること
    を特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の光機
    能性膜の作製方法。
  20. 【請求項20】 前記液晶の配向状態の差が、螺旋状態
    の変化あるいは層の傾き角の変化であることを特徴とす
    る請求項19に記載の光機能性膜の作製方法。
  21. 【請求項21】 前記配向場として、重合性化合物のも
    つ誘電異方性に起因し、外部から印加される電界もしく
    は磁界の中での前記重合性化合物の外場に対して平行と
    なる安定な配向状態を用いることを特徴とする請求項1
    2〜16のいずれかに記載の光機能性膜の作製方法。
  22. 【請求項22】 2段階目の重合反応に熱重合反応、光
    重合反応またはカチオン重合反応のいずれか1つを用い
    ることを特徴とする請求項12〜21のいずれかに記載
    の光機能性膜の作製方法。
  23. 【請求項23】 1段階目の重合反応と2段階目の重合
    反応とで、異なる複数の重合開始剤を用いることを特徴
    とする請求項12〜22のいずれかに記載の光機能性膜
    の作製方法。
  24. 【請求項24】 請求項12〜23のいずれかに記載の
    光機能性膜の作製方法によって得られる光機能性膜。
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