JP4512446B2 - ホログラム記録方法およびホログラム記録材料 - Google Patents
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一方、互いにホログラム記録材料の反対側から入射させて形成したホログラムを、一般に反射型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に平行または平行に近い形で1mmに3000〜7000本程度の間隔で形成される。
透過型ホログラムは、例えば特開平6−43634号[特許文献1]などで開示されているような公知の方法によって作成できる。また、反射型ホログラムは、例えば特開平2−3082号[特許文献2]、特開平3−50588号[特許文献3]などに開示された公知の方法によって作成できる。
それに対し膜厚が干渉縞間隔の5倍以下程度または1μm以下程度のホログラムを平面型または表面型という。
これらのホログラムは平面型の表面レリーフ位相型ホログラムである。通常はフォトレジストにより作成したマスターによりエンボスを作成して大量複製するため、エンボス型ホログラムとも呼ばれる。
しかしながら、表面レリーフ位相型ホログラムでは、フルカラー化、白色再生、高解像化、高回折効率化が困難であり、最近では、それらが可能となる体積位相型ホログラムが注目されてきている。
特に反射型の体積位相型ホログラムはリップマン型ホログラムとも呼ばれ、ブラック回折による波長選択的反射により、高回折効率にてフルカラー化、白色再生、高解像度化が可能となり、高解像フルカラー3次元ディスプレイの提供が可能となる。
また最近ではその波長選択的反射を生かして、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板等に代表されるホログラム光学素子(HOE)に広く実用化されてきている。
他にも例えば、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス等に実用または応用が検討されている。
具体的には例えば、重クロム酸ゼラチン方式は高い回折効率と低ノイズ特性という長所を有するが、保存性が極めて悪く、湿式処理が必要で低感度という問題を有する。
漂白ハロゲン化銀方式は高感度という長所を有するが、湿式処理が必要でかつ漂白処理が煩雑であり、耐光性に劣るという問題点を有する。
フォトリフラクティブ材料は書き換え可能という長所を有するが、記録時に高電場印加が必要、記録保存性が悪いという問題点を有する。
アゾベンゼン高分子材料等に代表されるフォトクロミック高分子方式も書き換え可能という長所を有するが、感度が極めて低く記録保存性も悪いという問題点を有する。
しかしながら、漂白ハロゲン化銀方式に比べると感度が1000分の1程度であること、回折効率を高めるためには2時間近い加熱定着処理を必要とすること、ラジカル重合であるため、酸素による重合阻害の影響を受け、また露光、定着後記録材料の収縮を伴い、再生時の回折波長及び角度が変化してしまう問題点があり、さらなる改良が望まれている。
さらにコンピューター高容量化等の流れの中で、コンピューターバックアップ用途や放送バックアップ用途等の業務用途においても、1TB程度あるいはそれ以上の大容量の情報を高速かつ安価に記録できる超高密度記録媒体が求められている。
そのような中、ランダムアクセスが不可能な磁気テープ媒体や可換不可能で故障しやすいハードディスクに対し、可換かつランダムアクセス可能で小型、安価な光記録媒体がより注目されてきている。しかしながら、DVD−Rのような既存の2次元光記録媒体は物理原理上、たとえ記録再生波長を短波長化したとしてもせいぜい25GB程度で、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量が期待できるとは言えない状況である。
(1)高感度であること
(2)高解像力を有すること
(3)ホログラムの回折効率が高いこと
(4)記録時の処理が乾式であり迅速であること
(5)多重記録が可能であること(ダイナミックレンジが広いこと)
(6)記録後の収縮率が小さいこと
(7)ホログラムの保存性が良いこと
例えば、漂白ハロゲン化銀方式は高感度であるが、湿式処理が必要であるため、高密度記録材料用途には一般的に適さない。
また、WO9744365A1号[特許文献4]には、アゾベンゼン高分子(フォトクロミック高分子)の屈折率異方性と配向制御を用いた書き換え可能なホログラム記録材料が提示されているが、アゾベンゼン異性化の量子収率が低い上に配向変化を伴う方式であるがために感度が極めて低く、また書き換え可能であることとの相反で記録保存性も悪いという問題点を有し、実用には程遠い。
一方で、前述した特許文献1〜3記載のラジカル重合を用いる乾式フォトポリマー方式は、フォトポリマー方式の中では比較的感度が高いものの、収縮率が極めて大きくホログラフィックメモリ用途としては到底使用に耐えるものではない。さらに、膜が柔らかいため保存性の点でも不足している。
例えば、特開平5−107999号[特許文献5]、特開平8−16078号[特許文献6]等に、カチオン重合性化合物(モノマーまたはオリゴマー)をバインダーの代わりに用い、さらに増感色素、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合性化合物を組み合わせたホログラム記録材料が開示されている。
また、特表2001―523842号[特許文献7]、特表11−512847号[特許文献8]等に、ラジカル重合を用いずに、増感色素、カチオン重合開始剤、カチオン重合性化合物及びバインダーのみを用いたホログラム記録材料が開示されている。
しかしこれらのカチオン重合方式はラジカル重合方式に比べて、収縮率の改善が見られるものの、その相反として、感度が低下しており、実用の際には転送速度の点で大きな問題となると考えられる。また回折効率も低下しており、S/N比や多重記録の点で問題となると考えられる。
しかしながら、ハロゲン化銀方式は、現像時にハロゲン化銀を現像銀(黒色)に変える方式であるが、湿式処理であること、位相型ではなく振幅型であるため回折効率が極めて低いこと等の問題点からホログラフィックメモリ用途としては適当ではない。
現像銀を漂白(酸化)してハロゲン化銀に戻す漂白ハロゲン化銀方式では、位相型となって回折効率は改善されるものの、保存性悪化、散乱が大きい、湿式処理でかつ処理が煩雑という新たな問題点も生まれ、やはりホログラフィックメモリ用途としては適当ではない。
そこで、ホログラム記録材料をホログラフィックメモリへ応用するためには、そのような課題を抜本的に解決した、とりわけ高感度と低収縮性、良保存性、乾式処理、多重記録特性を両立できる全く新しい記録方式の開発が強く望まれていた。
「ホログラフィックディスプレイ」、辻内順平編、産業図書
A.少なくとも、ホログラム露光により潜像を生成する第1の工程と、その潜像の存在により重合が起こることによって干渉縞を屈折率変調として形成する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うホログラム記録方法により記録するホログラム記録材料であって、少なくとも、
1)第1の工程のホログラム露光により光を吸収し励起状態を生成しうる増感色素、
2)第1の工程において生成した増感色素励起状態から、または第2の工程において生成した発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができる色素前駆体、
3)第1の工程において生成した増感色素励起状態から、または第2の工程において生成した発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、重合性化合物の重合を開始することができる重合開始剤、
4)重合性化合物、および
5)バインダー、
を有することを特徴とするホログラム記録材料。
B.ホログラム記録材料が増感色素のラジカルカチオンを還元する能力を有する電子供与性化合物を有することを特徴とする前記A記載のホログラム記録材料。
C.電子供与性化合物がフェノチアジン類であることを特徴とする前記B記載のホログラム記録材料。
D.前記重合性化合物とバインダーの屈折率が異なり、光重合により干渉明部と干渉暗部において重合性化合物及びその重合反応物とバインダーとの組成比の不均一化が起こることにより屈折率変調によるホログラム記録が可能であることを特徴とする前記A〜Cのいずれかに記載のホログラム記録材料。
E.前記A〜Dのいずれかに記載のホログラム記録材料を用いることを特徴とする光記録媒体。
F.前記光記録媒体が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする前記E記載の光記録媒体。
G.前記A〜Dのいずれかに記載のホログラム記録材料を用いることを特徴とする3次元ディスプレイホログラム。
H. 前記A〜Dのいずれかに記載のホログラム記録材料を用いることを特徴とするホログラフィック光学素子。
I.少なくとも、ホログラム露光により潜像を生成する第1の工程と、その潜像の存在により重合が起こることによって干渉縞を屈折率変調として形成する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うホログラム記録方法であって、
少なくとも、
1)第1の工程のホログラム露光により光を吸収し励起状態を生成しうる増感色素、
2)第1の工程において生成した増感色素励起状態から、または第2の工程において生成した発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができる色素前駆体、
3)第1の工程において生成した増感色素励起状態から、または第2の工程において生成した発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、重合性化合物の重合を開始することができる重合開始剤、
4)重合性化合物、および
5)バインダー、
を有するホログラム記録材料に記録することを特徴とするホログラム記録方法。
J.第2の工程が光照射、熱印加のいずれかであることを特徴とする前記Iのホログラム記録方法。
K.前記第1の工程が潜像としてホログラム再生光波長に吸収のない発色体を生成する工程であり、第2の工程がその発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することにより重合を起こし、干渉縞を屈折率変調として記録する工程であることを特徴とする前記IまたはJのホログラム記録方法。
L.前記第2の工程がその発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することにより発色体を自己増感増幅生成しつつ、かつ、重合を起こすことにより干渉縞を屈折率変調として記録する工程であることを特徴とする前記Kのホログラム記録方法。
M.前記第2の工程にて照射する光が、ホログラム露光波長とは異なり、かつ、増感色素のモル吸光係数が5000以下である領域の波長の光であることを特徴とする前記KまたはLのホログラム記録方法。
N.第1の工程、第2の工程、またはその後の光照射、熱印加、またはその両方による定着工程のいずれかにより増感色素を、第2の工程、またはその後の光照射、熱印加、またはその両方による定着工程のいずれかにより発色体を分解して定着することを特徴とする前記J〜Mのいずれかに記載のホログラム記録方法。
O.前記ホログラム記録方法が体積位相型ホログラム記録を行うことを特徴とする前記J〜Mのいずれかに記載のホログラム記録方法。
P.前記第1の工程において、10回以上の多重ホログラム記録を行って潜像を形成した後、その潜像を用いて干渉縞を形成する第2の工程を行うことを特徴とする前記J〜M、Oのいずれかに記載のホログラム記録方法。
Q.前記多重ホログラム記録を行う際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録することを特徴とする前記Pに記載のホログラム記録方法。
なお、本発明は、上記A〜Qのホログラム記録材料、光記録媒体、3次元ディスプレイホログラム、ホログラフィック光学素子及びホログラム記録方法に関するものであるが、本明細書には、参考の為、以下のその他の事項についても記載する。
(1)少なくとも、ホログラム露光により潜像を生成する第1の工程と、その潜像の存在により重合が起こることによって干渉縞を屈折率変調として形成する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(2)第2の工程が光照射、熱印加のいずれかであることを特徴とする(1)記載のホログラム記録方法。
(3)第2の工程が光照射であることを特徴とするホログラム記録方法及びそのような記録が可能である(1)または(2)記載のホログラム記録方法。
(4)前記第1の工程が潜像としてホログラム再生光波長に吸収のない発色体を生成する工程であり、第2の工程がその発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することにより重合を起こし、干渉縞を屈折率変調として記録する工程であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のホログラム記録方法。
(5)前記第2の工程がその発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することにより発色体を自己増感増幅生成しつつ、かつ、重合を起こすことにより干渉縞を屈折率変調として記録する工程であることを特徴とする(4)記載のホログラム記録方法。
(6)ハロゲン化銀を用いないことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のホログラム記録方法。
(7)ホログラム記録が書き換えできない方式であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のホログラム記録方法。
(8)(4)または(5)にて、第2の工程にて照射する光が、ホログラム露光波長とは異なりかつ増感色素のモル吸光係数が5000以下である領域の波長の光であることを特徴とする(4)または(5)ホログラム記録方法。
(9)(8)にて、第2の工程にて照射する光が、ホログラム露光波長とは異なりかつ増感色素のモル吸光係数が1000以下である領域の波長の光であることを特徴とする(8)記載のホログラム記録方法。
(10)(8)にて、第2の工程にて照射する光が、ホログラム露光波長とは異なりかつ増感色素のモル吸光係数が500以下である領域の波長の光であることを特徴とする(8)または(9)記載のホログラム記録方法。
(11)(8)にて、第2の工程にて照射する光が、ホログラム露光波長とは異なりかつ発色体のモル吸光係数が1000以上である領域の波長の光であることを特徴とする(8)〜(10)のいずれかに記載のホログラム記録方法。
(12)(1)〜(11)記載のホログラム記録方法により記録するホログラム記録材料であって、少なくとも、
1)第1の工程のホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)第1の工程にて増感色素励起状態から、または第2の工程にて発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができる色素前駆体、
3)第1の工程にて増感色素励起状態から、第2の工程にて発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、重合性化合物の重合を開始することができる重合開始剤、
4)重合性化合物、および
5)バインダー、
を有することを特徴とするホログラム記録材料。
(13)(12)にて、色素前駆体が、元の状態から吸収が長波長化し、かつホログラム再生光波長に吸収を有さず、ホログラム再生光波長とホログラム再生光波長から200nm短波長な波長の間の領域に吸収極大を有する発色体となることができることを特徴とする(12)記載のホログラム記録材料。
(14)第1の工程、第2の工程、またはその後の光照射、熱印加、またはその両方による定着工程のいずれかにより増感色素を分解して定着することを特徴とする(1)〜(11)記載のホログラム記録方法及び(12)または(13)記載のホログラム記録材料。
(15)第1の工程、第2の工程、またはその後の光照射、熱印加、またはその両方による定着工程のいずれかにより増感色素を、第2の工程、またはその後の光照射、熱印加、またはその両方による定着工程のいずれかにより発色体を分解して定着することを特徴とする(1)〜(11)、(14)記載のホログラム記録方法及び(12)、(13)または(14)記載のホログラム記録材料。
(16)重合性化合物とバインダーの屈折率が異なり、光重合により干渉明部と干渉暗部にて重合性化合物及びその重合反応物とバインダーとの組成比の不均一化が起こることにより屈折率変調によるホログラム記録が可能であることを特徴とする(12)〜(15)記載のホログラム記録材料。
(17)バインダーが重合性化合物よりも屈折率が低いことを特徴とする(12)〜(16)記載のホログラム記録材料。
(18)重合性化合物が、少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、バインダーは重合性化合物より低屈折率であることを特徴とする、(12)〜(17)記載のホログラム記録材料。
(19)重合性化合物の少なくとも1個が沸点100℃以上の液体であることを特徴とする、(12)〜(18)記載のホログラム記録材料。
(20)重合開始剤が少なくとも1種のラジカル発生剤を含み、重合性化合物が少なくとも1種のラジカルにより重合するラジカル重合性化合物を含むことを特徴とする(12)〜(19)記載のホログラム記録材料。
(21)少なくとも1種のラジカルを発生するラジカル発生剤がケトン、有機過酸化物、ビスイミダゾール、トリハロメチル置換トリアジン、ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、トリフェニルアルキルホウ酸塩、ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体、スルホニウム有機ホウ素錯体、カチオン性増感色素有機ホウ素錯体、アニオン性増感色素オニウム塩錯体、金属アレーン錯体、のいずれかであることを特徴とする、(20)記載のホログラム記録材料。
(22)重合開始剤が少なくとも1種の酸を発生する酸発生剤を含み、重合性化合物が少なくとも1種の酸により重合するカチオン重合性化合物を含むことを特徴とする(12)〜(19)記載のホログラム記録材料。
(23)少なくとも1種の酸を発生する酸発生剤が、トリハロメチル置換トリアジン、ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、金属アレーン錯体、スルホン酸エステルのいずれかであることを特徴とする(22)記載のホログラム記録材料。
(24)重合開始剤が少なくとも1種の塩基発生剤を含み、重合性化合物が少なくとも1種の塩基により重合するアニオン重合性化合物を含むことを特徴とする(12)〜(19)記載のホログラム記録材料。
(25)(24)にて、少なくとも1種の塩基発生剤が下記一般式(1−1)〜(1−4)で表される化合物であることを特徴とする(24)記載のホログラム記録材料。
(26)一般式(1−1)、(1−2)にて、n1が1であることを特徴とする(25)記載のホログラム記録材料。
(27)一般式(1−1)にて、R3が2位または2,6位に置換したニトロ基、あるいは3、5位に置換したアルコキシ基のいずれかであることを特徴とする(25)または(26)記載のホログラム記録材料。
(28)一般式(1−2)にて、R6が3、5位に置換したアルコキシ基であることを特徴とする(25)または(26)記載のホログラム記録材料。
(29)(12)の色素前駆体が、少なくとも色素前駆体としての酸発色型色素前駆体と、さらに酸発生剤を含むことを特徴とする(12)〜(28)記載のホログラム記録材料。
(30)(29)にて、酸発生剤がジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジンまたはスルホン酸エステルであることを特徴とする(29)記載のホログラム記録材料。
(31)(30)にて、酸発生剤がジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、またはスルホン酸エステルであることを特徴とする(30)記載のホログラム記録材料。
(32)(29)にて、酸発色型色素前駆体から生成する発色体がキサンテン(フルオラン)色素またはトリフェニルメタン色素であることを特徴とする(29)〜(31)記載のホログラム記録材料。
(33)さらに酸増殖剤を含むことを特徴とする(29)〜(32)のいずれかに記載のホログラム記録材料。
(34)(33)にて、酸増殖剤が下記一般式(4−1)〜(4−6)で表される化合物であることを特徴とする(33)記載のホログラム記録材料。
(35)一般式(4−1)〜(4−6)にて、R101はR101OHがスルホン酸、電子求引性基置換カルボン酸のいずれかである基であることを特徴とする(34)記載のホログラム記録材料。
(36)色素前駆体が、少なくとも色素前駆体としての塩基発色型色素前駆体と、さらに塩基発生剤を含むことを特徴とする(12)〜(28)記載のホログラム記録材料。
(37)(36)にて、塩基発生剤が前期一般式(1−1)〜(1−4)で表される化合物であることを特徴とする(36)記載のホログラム記録材料。
(38)塩基発色型色素前駆体が解離型アゾ色素、解離型アゾメチン色素、解離型オキソノール色素、解離型キサンテン(フルオラン)色素、解離型トリフェニルメタン型色素の非解離体であることを特徴とする(36)または(37)記載のホログラム記録材料。
(39)(36)にて、さらに塩基増殖剤を含むことを特徴とする(36)〜(38)のいずれかに記載のホログラム記録材料。
(40)(39)にて、塩基増殖剤が下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする(39)記載のホログラム記録材料。
(41)一般式(5)にて、n102が1であることを特徴とする(40)記載のホログラム記録材料。
(42)一般式(5)の塩基増殖剤が一般式(6−1)または(6−2)で表される化合物であることを特徴とする(40)または(41)記載のホログラム記録材料。
(43)(12)の色素前駆体が、少なくとも下記一般式(2)にて表される色素前駆体であることを特徴とする(12)〜(28)記載のホログラム記録材料。
(44)一般式(2)の色素前駆体が一般式(3−1)〜(3−6)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする(43)記載のホログラム記録材料。
(45)一般式(2)または(3−1)〜(3−6)にて、PDが解離型アゾ色素、解離型アゾメチン色素、解離型オキソノール色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素のいずれかから成る基であり、クロモフォア上でA1と共有結合で連結していることを特徴とする(43)または(44)記載のホログラム記録材料。
(46)(12)の色素前駆体が、少なくとも増感色素または発色体の励起状態との電子移動により反応し、吸収形を長波長に変化した発色体となることができる色素前駆体を含むことを特徴とする(12)〜(28)のいずれかに記載のホログラム記録材料。
(47)(46)の色素前駆体が少なくとも下記一般式(7)で表わされる色素前駆体であることを特徴とする(46)記載のホログラム記録材料。
R132、R133はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R134は置換基を表し、n131は0から4までの整数を表す。
(48)一般式(7)にてX131が−CR136R137−で表わされることを特徴とする(47)記載のホログラム記録材料。
(49)(12)〜(48)のいずれかに記載のホログラム記録材料が増感色素または色素前駆体から生成する発色体のラジカルカチオンを還元する能力を有する電子供与性化合物を含むことを特徴とする(12)〜(48)記載のホログラム記録材料。
(50)(49)にて、ホログラム記録材料が電子供与性化合物を含み、電子供与性化合物がアルキルアミン類、アニリン類、フェニレンジアミン類、トリフェニルアミン類、カルバゾール類、フェノチアジン類、フェノキサジン類、フェナジン類、ハイドロキノン類、カテコール類、アルコキシベンゼン類、アミノフェノール類、イミダゾール類、ピリジン類、メタロセン類、金属錯体類、半導体微粒子のいずれかであることを特徴とする(49)記載のホログラム記録材料。
(51)(50)にて、電子供与性化合物がフェノチアジン類であることを特徴とする(50)記載のホログラム記録材料。
(52)(12)〜(48)のいずれかに記載のホログラム記録材料が増感色素または色素前駆体から生成する発色体のラジカルアニオンを酸化する能力を有する電子受容性化合物を含むことを特徴とする(12)〜(48)記載のホログラム記録材料。
(53)(52)にて、ホログラム記録材料が電子受容性化合物を含み、電子受容性化合物がジニトロベンゼン、ジシアノベンゼン等、電子求引性基が導入された芳香族化合物、ヘテロ環化合物または電子求引性基が導入されたヘテロ環化合物、N−アルキルピリジニウム塩類、ベンゾキノン類、イミド類、金属錯体類、半導体微粒子のいずれかであることを特徴とする(52)記載のホログラム記録材料。
(54)(12)記載のホログラム記録材料にて、重合開始剤が酸発生剤であり、重合性化合物がカチオン重合性化合物であり、色素前駆体が酸発色型色素前駆体と、重合開始剤を兼ねる酸発生剤から成ることを特徴とする(12)〜(53)記載のホログラム記録材料。
(55)(12)記載のホログラム記録材料にて、重合開始剤が酸及びラジカル発生剤であり、重合性化合物がラジカル重合性化合物であり、色素前駆体群が酸発色型色素前駆体と、重合開始剤を兼ねる酸発生剤を含むことを特徴とする(12)〜(53)記載のホログラム記録材料。
(56)(12)記載のホログラム記録材料にて、重合開始剤が塩基発生剤であり、重合性化合物がアニオン重合性化合物であり、色素前駆体群が塩基発色型色素前駆体と、重合開始剤を兼ねる塩基発生剤を含むことを特徴とする(12)〜(53)記載のホログラム記録材料。
(57)(12)記載のホログラム記録材料にて、重合開始剤がラジカルまたはカチオン発生剤であり、重合性化合物がラジカルまたはカチオン重合性化合物であり、色素前駆体群が一般式(7)で表される化合物を含むことを特徴とする(12)〜(53)記載のホログラム記録材料。
(58)(12)記載のホログラム記録材料にて、重合開始剤がラジカルまたはアニオン発生剤であり、重合性化合物がラジカルまたはアニオン重合性化合物であり、色素前駆体群が一般式(2)で表される化合物を含むことを特徴とする(12)〜(53)記載のホログラム記録材料。
(59)(1)〜(11)のいずれかに記載のホログラム記録方法および(12)〜(58)のいずれかに記載のホログラム記録材料を用いて体積位相型ホログラム記録を行うことを特徴とする体積位相型ホログラム記録方法及び体積位相型ホログラム記録材料。
(60)(1)〜(11)のいずれかに記載のホログラム記録方法および(12)〜(59)記載のホログラム記録材料を用いてホログラム記録を行う際、ホログラム露光した後、第2の工程にて、さらにその後に加熱処理を行うことを特徴とするホログラム記録方法及びホログラム記録材料。
(61)(1)〜(11)のいずれかに記載のホログラム記録方法および(12)〜(60)のいずれかに記載のホログラム記録材料を用いて、第1の工程にて50回以上の多重ホログラム記録を行って潜像を形成した後、その潜像を用いて干渉縞を形成する第2の工程を行うことを特徴とするホログラム記録方法及びホログラム記録材料。
(62)(61)記載のホログラム記録材料を用いて、第1の工程にて100回以上の多重ホログラム記録を行って潜像を形成した後、その潜像を用いて干渉縞を形成する第2の工程を行うことを特徴とする(61)記載のホログラム記録方法及びホログラム記録材料。
(63)第1の工程にて多重ホログラム記録を行う際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることを特徴とする(61)または(62)記載のホログラム記録材料及びホログラム記録方法
(64)(12)〜(63)記載のホログラム記録材料を用いる光記録媒体及び(1)〜(11)、(59)〜(63)記載のホログラム記録(再生)方法を用いる光記録媒体への記録(再生)方法。
(65)(12)〜(63)記載のホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
(66)(12)〜(63)記載のホログラム記録材料を用いる3次元ディスプレイホログラム及び(1)〜(63)記載のホログラム記録方法を用いる3次元ディスプレイホログラムの製造方法。
(67)(12)〜(63)記載のホログラム記録材料を用いるホログラフィック光学素子及び(1)〜(11)、(59)〜(63)記載のホログラム記録方法を用いるホログラフィック光学素子の製造方法。
第2の工程は光照射であることが最も好ましい。
また第2の工程が光照射の際は、照射する光は全面露光(いわゆるベタ露光、ブランケット露光、ノンイメージワイズ露光)であることが好ましい。
用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、紫外光レーザー、赤外光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、LED、有機ELなどが挙げられる。特定の波長域の光を照射するために、必要に応じてシャープカットフィルターやバンドパスフィルター、回折格子等を用いることも好ましい。
また好ましくは、少なくとも潜像としてホログラム再生光波長に吸収のない発色体をホログラム露光により生成する第1の工程と、その発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することにより発色体を自己増感増幅生成しつつ、かつ、重合を起こすことにより干渉縞を屈折率変調として記録する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うことを特徴とするホログラム記録方法及びそのような記録が可能であるホログラム記録材料である。
ここで、第2の工程にて照射する光が、ホログラム露光波長とは異なりかつ増感色素のモル吸光係数が5000以下である領域の波長の光であることが好ましく、1000以下であることがより好ましく、500以下であることがさらに好ましい。
また、第2の工程にて照射する光が、ホログラム露光波長とは異なりかつ発色体のモル吸光係数が1000以上である領域の波長の光であることが好ましい。
第2の工程にて照射する光はホログラム露光波長より短波長であることが好ましい。
なお、第1の工程においても重合は若干起こることがあるが、本発明においてそれは一向に構わない。
また、ホログラム記録が書き換えできない方式であることが好ましい。ここで書き換えできない方式とは、不可逆反応により記録される方式であり、一度記録されてデータは、さらに上書き記録されることなく(書き換えされることなく)保存できる方式を示す。従って、重要かつ長期保存が必要なデータの保存に適する。但し、まだ記録されていない領域に新たに追記して記録することは可能である。このような意味で、一般には追記型またはライトワンス方式と呼ばれる。
1)第1の工程のホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)第1の工程にて増感色素励起状態から、または第2の工程にて発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができる色素前駆体、
3)第1の工程にて増感色素励起状態から、第2の工程にて発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、重合性化合物の重合を開始することができる重合開始剤、
4)重合性化合物、および
5)バインダー、
を有するホログラム記録材料である。
ここで、色素前駆体は、元の状態から吸収が長波長化し、かつホログラム再生光波長に吸収を有さず、ホログラム再生光波長とホログラム再生光波長から200nm、より好ましくは100nm短波長な波長の間の領域に吸収極大を有する発色体となることが好ましい。本発明では「色素前駆体」は少なくとも1種の色素前駆体である化合物(色素前駆体として機能する化合物)を意味し、即ち2種以上の化合物を含んでいる場合をも意味することとする。
そのためには、重合性化合物が、少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含むことが好ましく、バインダーはそれらを含まないことがより好ましい。
さらに、本発明に用いる光としては、コヒーレントな(位相及び波長のそろった)レーザー光が好ましい。用いられるレーザーとしては、固体レーザー、半導体レーザー、気体レーザー、液体レーザーのいずれでも良いが、好ましいレーザー光としては例えば、532nmのYAGレーザー2倍波、355nmのYAGレーザー3倍波、405〜415nm付近のGaNレーザー、488または515nmのArイオンレーザー、632または633nmのHe−Neレーザー、647nmのKrイオンレーザー、694nmのルビーレーザーや636、634、538、534、442nmのHe−Cdレーザーなどが挙げられる。
また、ナノ秒やピコ秒オーダーのパルスレーザーを用いることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に使用する場合は、532nmのYAGレーザー2倍波または405〜415nm付近のGaNレーザーを用いることが好ましい。
ホログラム露光(記録)に用いる光の波長に対し、ホログラム再生に用いる光の波長は同じであるか、長波長であることが好ましく、同じであることがより好ましい
特に本発明のホログラム記録材料に酸増殖剤または塩基増殖剤を用いる場合、酸増殖剤または塩基増殖剤を有効に機能させる点においても定着に加熱を用いることが好ましい。 光定着の場合は、ホログラム記録材料全域に紫外光または可視光を全面照射(非干渉露光)する。用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、紫外光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、LED、有機ELなどが挙げられる。
熱定着の場合は、好ましくは40℃〜160℃、より好ましくは60℃〜130℃にて定着工程を行うことが好ましい。
光定着と熱定着を両方行う際は、光と熱を同時に加えても、光と熱を別々に加えてもよい。
なお、本発明において、上記第1及び第2の工程が定着を兼ねても良く、第2の工程が定着も兼ねることが好ましい。
本発明のホログラム記録方法及びそのような記録が可能であるホログラム記録材料においては、第1の工程、第2の工程、またはその後の光照射、熱印加、またはその両方による定着工程のいずれかにより増感色素を分解して定着することが保存性及び非破壊再生の点で好ましく、さらには、第1の工程、第2の工程、またはその後の光照射、熱印加、またはその両方による定着工程のいずれかにより増感色素を、第2の工程、またはその後の光照射、熱印加、またはその両方による定着工程のいずれかにより発色体を分解して定着することがより好ましい。
η=Idiff/Io (式1)
ここでIoは入射光強度であり、Idiffは回折(透過型)または反射(反射型)された光強度である。回折効率は0〜100%のいずれかの値を取るが、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
また、クーゲルニックの理論式より、ある回折効率を与えるための屈折率変調量Δnは膜厚dに反比例する。つまり、ある回折効率を与えるための感度は膜厚によっても異なり、膜厚dが厚くなる程少ない屈折率変調量Δnで済む。したがって、膜厚等の条件を揃えない限り、感度は一概には比較することはできない。
本発明においては、感度は「最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量(mJ/cm2)」と定義する。本発明のホログラム記録材料の感度は、例えば膜厚が10〜200μm程度の場合、2J/cm2以下であることが好ましく、1J /cm2以下であることがより好ましく、500mJ/cm2以下であることがさらに好ましく、200mJ/cm2以下であることが最も好ましい。
例えば、532nmのYAG・SHGレーザーをホログラム記録材料に照射し、増感色素に吸収させ励起状態を生成させる。その増感色素励起状態から干渉縞記録成分にエネルギー移動または電子移動させることにより、干渉縞記録成分に含まれる色素前駆体を発色体に変化させて発色による潜像を形成する(以上第1の工程)。次に400〜450nmの波長域の光を照射して、発色体の吸収を起こし、発色体の自己増感により発色体を増幅生成させつつ、重合開始剤を電子移動またはエネルギー移動により活性化して重合を開始させる。例えば、重合性化合物がバインダーよりも屈折率が大きい場合、重合が起こる部分に重合性化合物が集まるため屈折率が高くなる(以上第2の工程)。第1の工程にて干渉暗部では潜像があまり生成しないため第2の工程においても重合はあまり起きずバインダーの存在比が高くなり、その結果干渉明部と干渉暗部にて大きな屈折率変調を形成することができ、干渉縞として記録することができる。例えば532nmのレーザーを再び用い、記録を行ったホログラム記録材料に照射すると、記録した情報、画像等を再生する、あるいは所望の光学材料として機能することができる。
例えば532nmのレーザーを再び用い、記録を行ったホログラム記録材料に照射すると、記録した情報、画像等を再生する、あるいは所望の光学材料として機能することができる。
その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社 1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編 シーエムシー 1981年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシー 1986年)に記載される色素および染料も本発明の増感色素として用いることができる。なお、本発明の増感色素はこれらに限定されるものではなく、可視域の光に対して吸収を示す色素および染料であればどれでも用いることができる。これらの増感剤は、使用目的に応じて光源となる輻射線の波長に合うように選択することができ、用途によっては2種類以上の増感色素を組み合わせて使用しても構わない。
なお、ホログラム記録材料は厚膜で使用しかつ光が膜を透過する必要があるため、ホログラム露光波長における増感色素のモル吸光係数を小さくすることにより増感色素添加量を極力多くすることが高感度化のために好ましい。ホログラム露光波長における増感色素のモル吸光係数は1以上10000以下であることが好ましく、1以上5000以下であることがより好ましく、5以上2500以下であることがさらに好ましく、10以上1000以下であることが最も好ましい。
なお、ホログラム記録波長が532nmのYAGレーザー2倍波の場合、増感色素としてはベンゾオキサゾール環を有するトリメチンシアニン色素、Ru錯体色素、フェロセン類が特に好ましく、405〜415nmのGaNレーザーの場合、ベンゾオキサゾール環を有するモノメチンシアニン色素、Ru錯体色素、フェロセン類が特に好ましい。
本発明の重合開始剤とは、増感色素の励起状態からエネルギー移動または電子移動(電子を与えるまたは電子を受ける)を行うことによりラジカルまたは酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)、塩基(ブレンステッド塩基またはルイス塩基)を発生し、重合性化合物の重合を開始することができる化合物のことである。
本発明の重合開始剤は好ましくは、ラジカルを発生して重合性化合物のラジカル重合を開始することができるラジカル重合開始剤と、ラジカルを発生することなく酸のみ発生して重合性化合物のカチオン重合のみを開始することができるカチオン重合開始剤と、ラジカル及び酸を両方発生して、ラジカル及びカチオン重合両方を開始することができる重合開始剤、塩基を発生してアニオン重合を開始できるアニオン重合開始剤のいずれかである。
本発明の重合開始剤としては好ましくは、以下の14個の系が挙げられる。なお、これらの重合開始剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
2)有機過酸化物系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
8)ホウ酸塩系重合開始剤
9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
11)カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤
12)アニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤
13)金属アレーン錯体系重合開始剤
14)スルホン酸エステル系重合開始剤
また、本発明において、特定の部分を「環」と称した場合、あるいは「基」に「環」が含まれる場合は、特に断りの無い限りは単環でも縮環でも良く、置換されていても置換されていなくても良い。
例えば、「アリール基」はフェニル基でもナフチル基でも良く、置換フェニル基でも良い。
好ましい例としては例えば、ベンゾフェノン誘導体(例えばベンゾフェノン、ミヒラーズケトン)、ベンゾイン誘導体(例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−アリルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン)、アセトイン誘導体(アセトイン、ピバロイン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、アシロインエーテル誘導体(例えばジエトキシアセトフェノン)、α−ジケトン誘導体(ジアセチル、ベンジル、4,4´−ジメトキシベンジル、ベンジルジメチルケタール、2,3−ボルナンジオン(カンファーキノン)、2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロ−3,4−フラン酸(イミダゾールトリオン))、キサトン誘導体(例えばキサントン)、チオキサントン誘導体(例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン)、ケトクマリン誘導体等が挙げられる。
置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、カルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基である。
R24は好ましくは−CR21R22R23を、より好ましくは−CCl3基を表し、R25は好ましくは、 −CR21R22R23、アルキル基、アルケニル基、アリール基である。
R27は置換基を表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、a21は0〜5の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。a21が2以上の時、複数のR27は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
X21 -は、HX21がpKa4以下(水中、25℃)、好ましくは3以下、より好ましくは2以下の酸となる陰イオンで、好ましくは例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどである。
a22、a23はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0〜1の整数を表す。a21が2以上の時、複数のR28、R29は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
また、「マクロモレキュールス(Macromolecules)」、第10巻、p1307(1977年)に記載の化合物、特開昭58−29803号公報、特開平1−287105号公報、特願平3−5569号に記載されているようなジアリールヨードニウム塩類も挙げられる。
より好ましくはR33、R34、R35はアリール基であり、R36がアルキル基であり、最も好ましくはR33、R34、R35はフェニル基であり、R36はn−ブチル基である。
カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤は好ましくは一般式(18)にて表される。
アニオン性増感色素オニウム塩系重合開始剤は好ましくは一般式(19)にて表される。
具体的には、特開平1−54440号、ヨーロッパ特許第109851号、ヨーロッパ特許第126712号および「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の鉄アレーン錯体、「オルガノメタリックス(Organometallics)」、第8巻、第2737頁(1989年)記載の鉄アレーン有機ホウ素錯体、「Prog.Polym.Sci、第21巻、7〜8頁(1996年)記載の鉄アレーン錯体塩、特開昭61−151197号公報に記載されるチタセノン類、などが好ましい例として挙げられる。
a)ラジカル重合を活性化できる重合開始剤
b)カチオン重合のみ活性化できる重合開始剤
c)ラジカル重合とカチオン重合を同時に活性化できる重合開始剤
分類することができる。
前記の中では、以下の系がラジカル重合を活性化することができる重合開始剤系である。
1)ケトン系重合開始剤
2)有機過酸化物系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
8)ホウ酸塩系重合開始剤
9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
11)カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤
12)アニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤
13)金属アレーン錯体系重合開始剤
1)ケトン系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
11)カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤
12)アニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤
が挙げられ、さらに好ましくは、
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
11)カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤
12)アニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤
が挙げられる。
16)スルホン酸エステル系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
13)金属アレーン錯体系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
を挙げることができる。
その際、塩基発生剤とは、増感色素または発色体励起状態からのエネルギー移動または電子移動により塩基を発生することができる化合物である。塩基発生剤は暗所では安定であることが好ましい。本発明における塩基発生剤は、増感色素または発色体励起状態からの電子移動により塩基を発生することができる化合物であることが好ましい。
本発明の塩基発生剤は、光によりブレンステッド塩基を発生することが好ましく、有機塩基を発生することがさらに好ましく、有機塩基としてアミン類を発生することが特に好ましい。
R1、R2は互いに連結して環を形成しても良く、形成するヘテロ環として好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環、モロホリン環、ピリジン環、キノリン環、イミダゾール環であり、より好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、イミダゾール環であり、最も好ましくはピペリジン環である。
R1、R2のより好ましい組み合わせとしては、R1が置換しても良いシクロヘキシル基でR2が水素原子、R1が置換しても良いアルキル基でR2が水素原子、R1、R2が連結してピペリジン環またはイミダゾール環を形成、等が挙げられる。
一般式(1−1)にて、n2は0〜5の整数であり、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは1または2である。n2が2以上の時、複数のR3は同じでも異なっても良く、連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。
一般式(1−1)にて、R3がニトロ基である時、2位または2、6位に置換することが好ましく、R3がアルコキシ基である時、3、5位に置換することが好ましい。
R4、R5のより好ましい組み合わせとしては、R4、R5共水素原子、R4 がメチル基でR5が水素原子、R4、R5共メチル基、R4が2−ニトロフェニル基でR5が水素原子、等が挙げられ、さらに好ましくはR4、R5共水素原子である。
一般式(1−2)にて、n3、n4はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。n3、n4が2以上の時、複数のR6、R7は同じでも異なっても良く、連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。
一般式(1−2)にて、R6は3、5位に置換したアルコキシ基であることがより好ましく、3、5位に置換したメトキシ基であることがさらに好ましい。
なお、一般式(1−3)で表される化合物はR9からポリマー鎖に連結した化合物であっても良い。
R10、R11は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては例えばフルオレン環が好ましい。
一方で、バインダーポリマー等の色素ではない有機化合物は通常1.4〜1.6程度の屈折率である。
したがって、本発明の色素前駆体は、増感色素または発色体励起状態から直接電子移動またはエネルギー移動することにより、あるいは増感色素または発色体励起状態から酸発生剤または塩基発生剤に電子移動またはエネルギー移動することにより発生した酸または塩基により、元の状態から吸収が変化した発色体となることができる色素前駆体であることが好ましい。
したがって、本発明のホログラム記録材料の色素前駆体は、増感色素または発色体励起状態から直接電子移動またはエネルギー移動することにより、あるいは増感色素または発色体励起状態から酸発生剤または塩基発生剤に電子移動またはエネルギー移動することにより発生した酸または塩基により、元の状態から吸収が長波長化した発色体となることができることが好ましく、さらに、ホログラム露光後反応して発色体になる際には、ホログラム再生光波長に吸収を有さずに、それよりも短波長側に吸収を有する発色体となることが好ましい。また増感色素の方は、ホログラム記録またはその後の定着の際に分解してその吸収及び増感機能を失うことが好ましい。
その結果、本発明のホログラム記録材料は、屈折率変調により干渉縞を記録することができる位相型ホログラム記録材料を提供することができる。
なお前述したように、ホログラム露光(記録)に用いる光の波長とホログラム再生に用いる光の波長は同じであることがより好ましいため、発色体はホログラム記録光及び再生光の波長に吸収を有さないことが好ましい。
B)少なくとも色素前駆体としての塩基発色型色素前駆体と、さらに塩基発生剤を含む組み合わせ、必要によりさらに塩基増殖剤を含む組み合わせ。
C)増感色素または発色体励起状態との電子移動またはエネルギー移動により共有結合を切断する機能を有する有機化合物部位と、共有結合している際と放出された際に発色体となる特徴を有する有機化合物部位が共有結合している化合物を含む場合。あるいはさらに塩基を含む組み合わせ。
D)増感色素または発色体励起状態との電子移動により反応し、吸収形を変化させることができる化合物を含む場合。
その際、エネルギー移動が効率良く起こるためには、増感色素または発色体の励起エネルギーが、色素前駆体の励起エネルギーよりも大きいことが好ましい。
また、増感色素または発色体励起状態が色素前駆体、酸発生剤または塩基発生剤に電子を与えても、電子を受け取っても良い。増感色素または発色体励起状態から電子を与える場合、電子移動が効率良く起こるためには、増感色素または発色体の励起状態における励起電子の存在する軌道(LUMO)エネルギーが、色素前駆体、酸発生剤または塩基発生剤のLUMO軌道のエネルギーよりも高いことが好ましい。
増感色素または発色体励起状態が電子を受け取る場合、電子移動が効率良く起こるためには、増感色素または発色剤の励起状態におけるホールの存在する軌道(HOMO)エネルギーが、色素前駆体、酸発生剤または塩基発生剤のHOMO軌道のエネルギーよりも低いことが好ましい。
2)ジアゾニウム塩系酸発生剤
3)ジアリールヨードニウム塩系酸発生剤
4)スルホニウム塩系酸発生剤
5)金属アレーン錯体系酸発生剤
6)スルホン酸エステル系酸発生剤
3)ジアリールヨードニウム塩系酸発生剤
4)スルホニウム塩系酸発生剤
6)スルホン酸エステル系酸発生剤
が挙げられる。
なお、これらの酸発生剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
なお、これらの酸発色型色素前駆体は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
一般式(21)中、R33、R34で表される基として好ましくは下記一般式(22)で表される基である。
さらには、特開2000-281920号公報に開示されているスピロピラン系色素前駆体も具体例として挙げることができる。
さらに本発明の色素前駆体は酸(プロトン)付加により発色するロイコシアニン色素であってもよい。ロイコシアニン色素が酸によりシアニン色素として発色する例を以下に示す。
本発明の酸増殖剤は、酸が存在しない場合は安定であるのに対し、酸が存在すると分解して酸を放出し、その酸でまた別の酸増殖剤を分解させてまた酸を放出する、というように酸発生剤により発生した小量の酸をトリガーとして酸を増殖する化合物である。
その際、酸増殖剤としては、下記一般式(4−1)〜(4−6)で表される化合物であることが好ましい。
R101はR101OHがスルホン酸、カルボン酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸のいずれかである基であることが好ましく、スルホン酸、電子求引性基置換カルボン酸のいずれかであることがより好ましく、その際電子求引性基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはヘテロ環基が好ましい。R101はR101OHがスルホン酸である基であることが最も好ましい。
R105、R106、R116は全て水素原子であることがより好ましい。R107、R110、R113はアルキル基であることがより好ましい。
本発明の塩基発生剤は、光によりブレンステッド塩基を発生することが好ましく、有機塩基を発生することがさらに好ましく、有機塩基としてアミン類を発生することが特に好ましい。
なお、アニオン重合と塩基発色型色素前駆体を同時に用いる時は、アニオン重合開始剤と塩基発生剤は同じ化合物がその機能を果たすことが好ましい。
なお、これらの塩基発生剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
本発明の塩基発色型色素前駆体としては、塩基により吸収が長波長化する化合物が好ましく、塩基により無色から発色する化合物がより好ましい。
ここで、R91、R92、R96はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し(以上好ましい例はR3の例と同じ)、好ましくは水素原子またはアルキル基を表す。R93はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し(以上好ましい例はR3の例と同じ)、好ましくは置換しても良いアルキル基または置換しても良いアリール基を表し、置換しても良いアルキル基であることがより好ましく、その際、置換基としては電子求引性であることが好ましく、フッ素であることが好ましい。
R94、R95は、それぞれ独立に置換基を表す(置換基として好ましくはR3にて挙げた置換基の例に同じ)が、電子求引性の置換基が好ましく、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基であることが好ましい。
本発明の解離型色素の解離基としては、OH基、COOH基、NHSO2R93基、NHR96基、CHR94R95基がより好ましく、OH基、CHR94R95基がさらに好ましく、OH基が最も好ましい。
本発明の塩基増殖剤は、塩基が存在しない場合は安定であるのに対し、塩基が存在すると分解して塩基を放出し、その塩基でまた別の塩基増殖剤を分解させてまた塩基を放出する、というように塩基発生剤により発生した小量の塩基をトリガーとして塩基を増殖する化合物である。
その際、塩基増殖剤としては、下記一般式(5)で表されることが好ましい。
R121、R122は互いに連結して環を形成しても良く、形成するヘテロ環として好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環、モロホリン環、ピリジン環、キノリン環、またはイミダゾール環であり、より好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、またはイミダゾール環であり、最も好ましくはピペリジン環である。
R121、R122のより好ましい組み合わせとしては、R121が置換しても良いシクロヘキシル基でR122が水素原子、R121が置換しても良いアルキル基でR122が水素原子、R121、R122が連結してピペリジン環またはイミダゾール環を形成、等が挙げられる。
R123、R124は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはフルオレン環が挙げられる。
なお、A1は増感色素または発色体励起状態との電子移動によりPDとの共有結合を切断する機能を有する有機化合物部位であることがより好ましい。
PDとしては解離型アゾ色素、解離型アゾメチン色素、解離型オキソノール色素、解離型アリーリデン色素のいずれかであることがより好ましい。
R72は置換基(置換基として好ましくはR3にて挙げた置換基の例に同じ)を表し、好ましくは電子吸引性基を表し、より好ましくはニトロ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、またはハロゲン原子を表す。a71はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、a71が2以上の時、複数のR72は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。a71は好ましくは1または2であり、2位か4位にR72が置換することが好ましい。
a73は0または1を表す。
a76は0または1を表す。
前記を起こすことができる化合物は、いわゆる「エレクトロクロミック化合物」として総称されている。
本発明で色素前駆体として用いるエレクトロクロミック化合物として好ましくは、ポリピロール類(好ましくは例えばポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(N−メチルインドール)、ポリピロロピロール)、ポリチオフェン類(好ましくは例えばポリチオフェン、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリイソチアナフテン、ポリジチエノチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン)、ポリアニリン(好ましくは例えばポリアニリン、ポリ(N−ナフチルアニリン)、ポリ(o−フェニレンジアミン)、ポリ(アニリン−m−スルホン酸)、ポリ(2−メトキシアニリン)、ポリ(o−アミノフェノール)、ポリ(ジアリルアミン))、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、Coピリジノポルフィラジン錯体、Niフェナントロリン錯体、Feバソフェナントロリン錯体である。
X131は−O−、−S−、−NR135−、−CR136R137−のいずれかを表し、R135は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた例に同じ)、好ましくはアルキル基を表す。R136、R137はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アリール基のいずれかを表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた例に同じ)、好ましくはアルキル基を表し、より好ましくは共にメチル基を表す。X131は好ましくは−CR136R137−を表す。
R132、R133はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR24にて挙げた例に同じ)、好ましくは水素原子である。
R134は置換基を表し(置換基として好ましくはR24にて挙げた例に同じ)、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、またはシアノ基を表す。
n131は0から4までの整数を表し、好ましくは0または1を表す。
屈折率変調を大きくするためには重合性化合物とバインダーのバルクでの屈折率差は大きいことが好ましく、屈折率差は0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.1以上であることがさらに好ましい。
そのためには、重合性化合物またはバインダーのいずれか一方が、少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、残りの一方はそれらを含まないことが好ましく、より好ましくは、重合性化合物が少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、バインダーはそれらを含まないことが好ましい。
また、屈折率変調を大きくするためには、ホログラム記録材料中、重合性化合物が移動しやすいことが好ましい。
本発明の重合性化合物としては、単官能性でも多官能性でも良く、一成分でも多成分でも良く、モノマー、プレポリマー(例えばダイマー、オリゴマー)でもこれらの混合物でもいずれでも良いが、モノマーであることが好ましい。
また、その形態は、室温において液状であっても固体状であっても良いが、沸点100℃以上の液状であるか、沸点100℃以上の液状モノマーと固体状モノマーの混合物であることが好ましい。
以下に、ラジカル重合可能な重合性化合物とカチオンまたはアニオン重合可能な重合性化合物ごとに、A)屈折率:重合性化合物>バインダーの場合と、B)屈折率:バインダー>重合性化合物、の場合にわけて好ましい重合性化合物の例を説明する。
また沸点100℃以上の液体であることが好ましい。
具体的には以下の重合性モノマー及びそれらから成るプレポリマー(ダイマー、オリゴマー等)が挙げられる。
本発明のアニオン重合性化合物として好ましいくは、オキシラン環、オキセタン環、ビニルエーテル基、N−ビニルカルバゾール部位、電子吸引性置換基を備えるエチレン性二重結合部位、ラクトン部位、ラクタム部位、環状ウレタン部位、環状尿素部位、または、環状シロキサン部位を分子中に少なくとも1個以上有する化合物であり、より好ましくはオキシラン環部位を有する化合物である。
バインダーとしては、溶媒可溶性の熱可塑性重合体が好ましく、単独又は互いに組合せて使用することができる。
また、バインダーはラジカル重合やカチオン重合が起こる際に反応しうる反応性バインダーであっても良い。その際は、具体的にはエチレン性不飽和基やオキシラン環等を有する反応性オリゴマーが好ましい。
そのためには、重合性化合物またはバインダーのいずれか一方が、少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、残りの一方はそれらを含まないことが好ましく、より好ましくは、重合性化合物が少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、バインダーはそれらを含まないことが好ましい。
また他に、以下に挙げられるエポキシオリゴマー化合物も低屈折率反応性バインダーとして使用することができる。
またポリ(メチルフェニルシロキサン)や、1,3,5−トリメチル−1,1,3,5,5−ペンタフェニルトリシロキサンなどのケイ素化合物、芳香族を多く含むシリコンオイル等も好ましい例として挙げられる。
また他に、以下に挙げられるエポキシオリゴマー化合物も高屈折率反応性バインダーとして使用することができる。
特に重合開始剤が2,4,5−トリフェニルイミダゾリルダイマーの場合は連鎖移動剤を用いることが好ましい。
連鎖移動剤の使用量は、組成物全体に対して1.0〜30質量%が好ましい。
有用な熱安定剤にはハイドロキノン、フェニドン、p−メトキシフェノール、アルキルおよびアリール置換されたハイドロキノンとキノン、カテコール、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2-ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、フェノチアジン、およびクロルアニールなどが含まれる。Pazos氏の米国特許第4,168,982号中に述べられた、ジニトロソダイマ類もまた有用である。
バインダー:好ましくは0〜90質量%、より好ましくは35〜75質量%、
重合性化合物:好ましくは5〜60%、より好ましくは15〜50質量%、
重合開始剤:好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜7質量%
色素前駆体群:好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、
増感色素:好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜3質量%
電子供与性化合物または電子受容性化合物:好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%
例えば本発明のホログラム記録材料の製膜方法としては、前記バインダーや各成分を溶媒等に溶かしてスピンコーターまたはバーコーター等を用いて塗布しても良い。
その際、溶媒としては好ましくは例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒などが挙げられる。
ここで、「基板」とは、任意の天然又は合成支持体、好適には柔軟性又は剛性フィルム、シートまたは板の形態で存在することができるものを意味する。
基板として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、樹脂下塗り型ポリエチレンテレフタレート、火炎又は静電気放電処理されたポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ガラス等である。
使用した溶媒は乾燥時に蒸発除去することができる。蒸発除去には加熱や減圧を用いても良い。
また、バインダーを形成するモノマー溶液に各成分を溶解させておいた上でモノマーを熱重合または光重合させてポリマーとし、バインダーとして使用する方法も好ましく使用できる。その際の重合法としても、ラジカル重合反応、カチオン重合反応、縮合重合反応、付加重合反応等が使用できる。
そのため、例えば本発明のホログラム記録材料に特開2000−86914号記載の膨張剤を用いたり、特開2000−250382号、2000−172154、特開平11−344917号記載の耐収縮性のあるバインダーを用いることも好ましい。
また、特開平3−46687号、5−204288号、特表平9−506441号等記載の拡散要素を用いて干渉縞間隔を調節することも好ましい。
1)重合開始剤が酸発生剤であり、重合性化合物がカチオン重合性化合物であり、色素前駆体が酸発色型色素前駆体と、重合開始剤を兼ねる酸発生剤である組み合わせ。
2)重合開始剤が酸及びラジカル発生剤であり、重合性化合物がラジカル重合性化合物であり、色素前駆体が酸発色型色素前駆体と、重合開始剤を兼ねる酸発生剤である組み合わせ。
3)重合開始剤が塩基発生剤であり、重合性化合物がアニオン重合性化合物であり、色素前駆体が塩基発色型色素前駆体と、重合開始剤を兼ねる塩基発生剤である組み合わせ。
4)重合開始剤がラジカル発生剤であり、重合性化合物がラジカル重合性化合物であり、色素前駆体が一般式(7)で表される化合物である組み合わせ。
5)重合開始剤がカチオン発生剤であり、重合性化合物がカチオン重合性化合物であり、色素前駆体が一般式(7)で表される化合物である組み合わせ。
6)重合開始剤がラジカル発生剤であり、重合性化合物がラジカル重合性化合物であり、色素前駆体が一般式(2)で表される化合物を含むことを特徴とする組み合わせ。
7)重合開始剤がアニオン発生剤であり、重合性化合物がアニオン重合性化合物であり、色素前駆体が一般式(2)で表される化合物を含むことを特徴とする組み合わせ。
それに対し、本発明の方法は、ホログラム露光(第一の工程)の際に重合反応をほとんど伴わなわず、第2の工程の全面露光にて一括して重合による屈折率変調を行うために、多くの多重記録が可能であり、さらに、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま、つまり露光量に対して屈折率変調量がリニアに上昇しながら多重記録することができるため、広いダイナミックレンジを取ることができる。このように、潜像増幅方式を用いる本発明の方式は、上記多重記録適性の点で大変有利である。
これは、高容量化、記録システム簡略化、S/N比向上等の点で好ましい。
なお、本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に用いる際は、保存時ホログラム記録材料は遮光カートリッジ内に保存されていることが好ましい。
また、記録光及び再生光波長以外の紫外光、可視光、赤外光の波長域の一部をカットすることができる遮光フィルターをホログラム記録材料の表面、裏面またはその両面に備え付けていることも好ましい。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるわけではない。
表2より本発明のホログラム記録材料においては、第1の工程に照射する光量は第2の工程を用いる場合に比べて1/5〜1/7にすることができる。第2の工程は一括露光が可能なため、第2の工程における第1の工程の発色体を潜像として重合を起こすことによる屈折率変調記録の増幅により、第1の工程の短縮化つまり高感度化が可能であることがわかる。当然ながら公知の材料では、そのような増幅による高感度化は不可能である。
さらに、本発明のホログラム記録材料は第1の工程後及び第2の工程後共、露光量(mJ/cm2)に応じてリニアーにΔn(屈折率変調量、回折効率と膜厚からクーゲルニックの式に基づいて計算)が上昇し、多重記録の際有利であることもわかった。
実際に、本発明のホログラム記録材料を用い、前記第1の工程における露光量の10分の1の光量で、参照光の角度を2度ずつ変えて同じ場所に10回の多重記録を行った後(第1の工程)、370〜410nmの波長範囲の光を全面照射して(第2の工程)ホログラム多重記録を行った後、再生光の角度を2度ずつ変更して照射することによりそれぞれの物体光を再生することが可能なことを確かめた。つまり、本発明のホログラム記録材料は同じ露光量にて多重記録が可能であり、多重記録適正を有していることがわかる。つまり本発明のホログラム記録材料は数多くの多重記録が可能であり、高密度(容量)記録が可能である。
それに対し、特開平6−43634号をはじめとする公知のフォトポリマー方式ホログラム記録材料は、多重記録後期はフォトポリマーの重合が進んで記録に必要なモノマーの移動が遅くなり、同じ記録を行うのに際し初期に比べて、より多くの照射光量を必要とすることがわかり、多重度つまり記録密度を向上させるに際し問題であることがわかった。
本発明のホログラム記録方法は、ホログラム記録(第1の工程)に重合ではなく発色反応をしかも潜像として用いるために前記のようなことが起こらず、公知のフォトポリマー方式に対して優れている。
さらに、試料101、102にて色素前駆体の酸発生剤(兼カチオンまたはラジカル重合開始剤)を2−(4’−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、4−ジエチルアミノフェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロペンタノエート、ビス(1−(4−ジフェニルスルホニウム)フェニルスルフィドジトリフラート、ベンゾイントシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、N−トシルフタル酸イミド、I−101、I−102、I−103に変更しても、試料101、102にて色素前駆体群の酸発色型色素前駆体をR−1、R−2、R−4、R−6、R−7に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料103、106にて色素前駆体群の塩基発生剤(兼アニオン重合開始剤)を、PB−4、PB−8、PB−10、PB−12、PB−13、PB−19、PB−22、PB−32、PB−33、PB−52に変更しても、試料103にて塩基発色型色素前駆体(解離型色素非解離体)をDD−1、DD−4、DD−7、DD−10、DD−16、DD−23、DD−25、DD−35、DD−39、DD−43、DD−47、DD−48、DD−49に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料104、105にて、ラジカル重合開始剤をイルガキュア651、I−2、I−4、I−12、I−18、I−19、I−22、I−32、CDM−HABI、TCTM−HABI、テトラブチルアンモニウムn−ブチルトリフェニルボレート等に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料105、106にて色素前駆体をE−4、E−5、E−13、E−15、E−16、E−18、E−24、E−25、E−28、E−29、E−32、E−33、E−37、E−38、E−42、E−44に変更しても同様な効果が得られた。
なお、上記の際、全面露光を行う光はそれぞれの系にて最適な波長を用いた。
12 レーザービーム
14 鏡
20 ビームスプリッター
22 ビームセグメント
24 鏡
26 空間フィルター
40 ビームエクスパンダー
30 ホログラム記録材料
28 試料
32 He−Neレーザービーム
34 He−Neレーザー
36 検出器
38 回転ステージ
Claims (17)
- 少なくとも、ホログラム露光により潜像を生成する第1の工程と、その潜像の存在により重合が起こることによって干渉縞を屈折率変調として形成する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うホログラム記録方法により記録するホログラム記録材料であって、少なくとも、
1)第1の工程のホログラム露光により光を吸収し励起状態を生成しうる増感色素、
2)第1の工程において生成した増感色素励起状態から、または第2の工程において生成した発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができる色素前駆体、
3)第1の工程において生成した増感色素励起状態から、または第2の工程において生成した発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、重合性化合物の重合を開始することができる重合開始剤、
4)重合性化合物、および
5)バインダー、
を有することを特徴とするホログラム記録材料。 - 請求項1にて、ホログラム記録材料が増感色素のラジカルカチオンを還元する能力を有する電子供与性化合物を有することを特徴とする請求項1記載のホログラム記録材料。
- 請求項2にて、電子供与性化合物がフェノチアジン類であることを特徴とする請求項2記載のホログラム記録材料。
- 前記重合性化合物とバインダーの屈折率が異なり、光重合により干渉明部と干渉暗部において重合性化合物及びその重合反応物とバインダーとの組成比の不均一化が起こることにより屈折率変調によるホログラム記録が可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のホログラム記録材料。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のホログラム記録材料を用いることを特徴とする光記録媒体。
- 前記光記録媒体が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のホログラム記録材料を用いることを特徴とする3次元ディスプレイホログラム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のホログラム記録材料を用いることを特徴とするホログラフィック光学素子。
- 少なくとも、ホログラム露光により潜像を生成する第1の工程と、その潜像の存在により重合が起こることによって干渉縞を屈折率変調として形成する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うホログラム記録方法であって、
少なくとも、
1)第1の工程のホログラム露光により光を吸収し励起状態を生成しうる増感色素、
2)第1の工程において生成した増感色素励起状態から、または第2の工程において生成した発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができる色素前駆体、
3)第1の工程において生成した増感色素励起状態から、または第2の工程において生成した発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、重合性化合物の重合を開始することができる重合開始剤、
4)重合性化合物、および
5)バインダー、
を有するホログラム記録材料に記録することを特徴とするホログラム記録方法。 - 第2の工程が光照射、熱印加のいずれかであることを特徴とする請求項9のホログラム記録方法。
- 前記第1の工程が潜像としてホログラム再生光波長に吸収のない発色体を生成する工程であり、第2の工程がその発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することにより重合を起こし、干渉縞を屈折率変調として記録する工程であることを特徴とする請求項9または10のホログラム記録方法。
- 前記第2の工程がその発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することにより発色体を自己増感増幅生成しつつ、かつ、重合を起こすことにより干渉縞を屈折率変調として記録する工程であることを特徴とする請求項11のホログラム記録方法。
- 前記第2の工程にて照射する光が、ホログラム露光波長とは異なり、かつ、増感色素のモル吸光係数が5000以下である領域の波長の光であることを特徴とする請求項11または12のホログラム記録方法。
- 第1の工程、第2の工程、またはその後の光照射、熱印加、またはその両方による定着工程のいずれかにより増感色素を、第2の工程、またはその後の光照射、熱印加、またはその両方による定着工程のいずれかにより発色体を分解して定着することを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載のホログラム記録方法。
- 前記ホログラム記録方法が体積位相型ホログラム記録を行うことを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載のホログラム記録方法。
- 前記第1の工程において、10回以上の多重ホログラム記録を行って潜像を形成した後、その潜像を用いて干渉縞を形成する第2の工程を行うことを特徴とする請求項9〜13、15のいずれかに記載のホログラム記録方法。
- 前記多重ホログラム記録を行う際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録することを特徴とする請求項16に記載のホログラム記録方法。
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