JP2007233165A - ホログラム記録材料、ホログラム記録方法及び光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チアゾール、ベンゾチアゾール、又はチアゾリン環を有する、モノメチンシアニンベースまたはヘミシアニンベースを含む特定構造の色素前駆体を含むホログラム記録材料を用い、ホログラム露光により発生する酸により前記色素前駆体が発色することを用いた屈折率変調により干渉縞を形成するホログラム記録方法。
【選択図】なし
Description
一方、互いにホログラム記録材料の反対側から入射させて形成したホログラムを、一般に反射型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に平行または平行に近い形で1mmに3000〜7000本程度の間隔で形成される。
透過型ホログラムは、例えば特開平6−43634号[特許文献1]などで開示されているような公知の方法によって作成できる。また、反射型ホログラムは、例えば特開平2−3082号[特許文献2]、特開平3−50588号[特許文献3]などに開示された公知の方法によって作成できる。
それに対し膜厚が干渉縞間隔の5倍以下程度または1μm以下程度のホログラムを平面型または表面型という。
特に反射型の体積位相型ホログラムはリップマン型ホログラムとも呼ばれ、ブラック回折による波長選択的反射により、高回折効率にてフルカラー化、白色再生、高解像度化が可能となり、高解像フルカラー3次元ディスプレイの提供が可能となる。
また最近ではその波長選択的反射を生かして、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板等に代表されるホログラム光学素子(HOE)に広く実用化されてきている。
他にも例えば、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス等に実用または応用が検討されている。
さらにコンピューター高容量化等の流れの中で、コンピューターバックアップ用途や放送バックアップ用途等の業務用途においても、1TB程度あるいはそれ以上の大容量の情報を高速かつ安価に記録できる超高密度記録媒体が求められている。
そのような中、ランダムアクセスが不可能な磁気テープ媒体や可換不可能で故障しやすいハードディスクに対し、可換かつランダムアクセス可能で小型、安価な光記録媒体がより注目されてきている。しかしながら、DVD−Rのような既存の2次元光記録媒体は物理原理上、たとえ記録再生波長を短波長化したとしてもせいぜい片面25GB程度で、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量が期待できるとは言えない状況である。
る。
(1)高感度であること
(2)高解像力を有すること
(3)ホログラムの回折効率が高いこと
(4)記録時の処理が乾式であり迅速であること
(5)多重記録が可能であること(ダイナミックレンジが広いこと)
(6)記録後の収縮率が小さいこと
(7)ホログラムの保存性が良いこと
具体的には例えば、重クロム酸ゼラチン方式は高い回折効率と低ノイズ特性という長所を有するが、保存性が極めて悪く、湿式処理が必要で低感度という問題を有し、ホログラフィックメモリ用途には適さない。
漂白ハロゲン化銀方式は高感度という長所を有するが、湿式処理が必要でかつ漂白処理が煩雑であり、また、散乱が大きい、耐光性に劣るという問題点を有し、ホログラフィックメモリ用途にはやはり一般的に適さない。
フォトリフラクティブ材料は書き換え可能という長所を有するが、記録時に高電場印加が必要、記録保存性が悪いという問題点を有する。
アゾベンゼン高分子材料等に代表されるフォトクロミック高分子方式も書き換え可能という長所を有するが、感度が極めて低く記録保存性も悪いという問題点を有する。例えば、WO9744365A1号[特許文献4]には、アゾベンゼン高分子(フォトクロミック高分子)の屈折率異方性と配向制御を用いた書き換え可能なホログラム記録材料が提示されているが、アゾベンゼン異性化の量子収率が低い上に配向変化を伴う方式であるがために感度が極めて低く、また書き換え可能であることとの相反で記録保存性も悪いという問題点を有し、実用には程遠い。
しかしながら、漂白ハロゲン化銀方式に比べると感度が1000分の1程度であること、回折効率を高めるためには2時間近い加熱定着処理を必要とすること、ラジカル重合であるため、酸素による重合阻害の影響を受け、また露光、定着後記録材料の収縮を伴い、再生時の回折波長及び角度が変化してしまう問題点があること、膜が柔らかいため保存性の点でも不足していること等からホログラフィックメモリ用途としては到底使用に耐えるものではない。
例えば、特開平5−107999号[特許文献5]、特開平8−16078号[特許文献6]等に、カチオン重合性化合物(モノマーまたはオリゴマー)をバインダーの代わりに用い、さらに増感色素、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合性化合物を組み合わせたホログラム記録材料が開示されている。
また、特表2001―523842号[特許文献7]、特表11−512847号[特許文献8]等に、ラジカル重合を用いずに、増感色素、カチオン重合開始剤、カチオン重合性化合物及びバインダーのみを用いたホログラム記録材料が開示されている。
しかしこれらのカチオン重合方式はラジカル重合方式に比べて、収縮率の改善が見られるものの、その相反として、感度が低下しており、実用の際には転送速度の点で大きな問題となると考えられる。また回折効率も低下しており、S/N
比や多重記録の点で問題となると考えられる。
密度を向上させるためには、50回を超えて好ましくは100回以上にも及ぶ多重記録が必須であるが、フォトポリマー方式では記録に物質移動を伴う重合を用いるため、多重記録初期の記録速度に対して、多くの化合物の重合が進んだ後の多重記録後期の記録速度が低下してしまい、それを制御して露光量を調節すること、広いダイナミックレンジをとることが実用上大きな問題となっている。
そこで、ホログラム記録材料をホログラフィックメモリへ応用するためには、そのような課題を抜本的に解決した、とりわけ高回折効率、高感度と低収縮性、良保存性、乾式処理、多重記録特性(高記録密度)を両立できる全く新しい記録方式の開発が強く望まれていた。
「ホログラフィックディスプレイ」、辻内順平編、産業図書
シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R2〜R5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、L1、L2はそれぞれ独立に単結合または2重結合を表す。a2〜a5はそれぞれ独立に1または2を表し、L1が単結合の時はa2、a3はそれぞれ2を表し、L1が2重結合のときはa2、a3はそれぞれ1を表し、L2が単結合の時はa4、a5はそれぞれ2を表し、L2が2重結合のときはa2、a3はそれぞれ1を表し、a2〜a5が2の時、複数のR2〜R5は同じでも異なっても良い。なお、R2とR3、R4とR5は連結して環を形成して良いが、R2とR3、R4とR5の両方共連結して共にベンゼン環を形成することはない。
一般式(2−1)中、R1は一般式(1−1)と同義である。X3、X4はそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR12−、−CR13R14−のいずれかを表し、R12 〜R14は一般式(1−1)と同義である。ただし、X3、X4が同じであることはない。R6、R7はそれぞれ独立に置換基を表し、a6、a7はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、a6、a7が2以上の時、複数のR6、R7は同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良い。
一般式(3−1)中、Z1は5または6員環を形成する原子団を表し、R8、R9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R10、R11はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基のいずれかを表し、R10、R11は互いに連結して環を形成しても良い。n1は1〜4の整数を表す。
(2)(1)記載の一般式(1−1)で表される色素前駆体が下記一般式(1−2)〜(1−9)のいずれかで表されることを特徴とする(1)記載のホログラム記録材料。
(4)(2)にて、一般式(1−1)で表される色素前駆体が一般式(1−5)、(1−9)のいずれかで表されることを特徴とする(2)記載のホログラム記録材料。
(5)(1)記載の一般式(2−1)で表される色素前駆体が下記一般式(2−2)〜(2−5)のいずれかで表されることを特徴とする(1)記載のホログラム記録材料。
(6)(1)記載の一般式(3−1)で表される色素前駆体が下記一般式(3−2)〜(3−4)のいずれかで表されることを特徴とする(1)記載のホログラム記録材料。
ケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R42とR43は互いに連結して環を形成しても良い。R34は置換基を表し、a34は0〜4の整数を表し、a34が2以上の時、複数のR34は同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良い。R35〜R40は互いに独立に水素原子または置換基を表すが、R35とR36は互いに連結してベンゼン環を形成することはない。
(7)(6)記載の一般式(3−2)〜(3−4)にて、X5が−S−であることを特徴とする(6)記載のホログラム記録材料。
(8)(6)にて、一般式(3−1)で表される色素前駆体が一般式(3−2)、(3−4)のいずれかで表されることを特徴とする(6)または(7)記載のホログラム記録材料。
(9)上記(1)、(2)、(3)及び(4)記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を含み、該色素前駆体がホログラム露光により発色することを用いた屈折率変調により干渉縞を形成することを特徴とするホログラム記録方法。
(10)(9)にて、上記(1)、(2)、(3)及び(4)記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体がホログラム露光により発生する酸により発色することを用いた屈折率変調により干渉縞を形成することを特徴とするホログラム記録方法。
(11)少なくとも、上記(1)、(2)、(3)及び(4)記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を含み、ホログラム露光により発生する酸により該色素前駆体がホログラム再生光波長に吸収のない発色体を潜像として生成する第1の工程と、その発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することで発色体を自己増感増幅生成することにより、干渉縞を屈折率変調として記録する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うことを特徴とするホログラム記録方法。
1)ホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)増感色素励起状態または色素前駆体から成る発色体励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、及び
3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、上記(1)、(2)、(3)及び(4)記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
を含むことを特徴とするホログラム記録材料。
(13)少なくとも、上記(1)、(2)、(3)及び(4)記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を含み、ホログラム露光により発生する酸により該色素前駆体がホログラム再生光波長に吸収のない発色体を潜像として生成する第1の工程と、その発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することにより重合を起こし、干渉縞を屈折率変調として記録する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(14)(13)記載のホログラム記録方法に用いるホログラム記録材料が、少なくとも、
1)第1の工程のホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)第1の工程にて増感色素励起状態から、または第2の工程にて色素前駆体から成る発色体励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、
3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、上記(1)、(2)、(3)及び(4)記載の
、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
4)第1の工程にて増感色素励起状態から、第2の工程にて発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、重合性化合物の重合を開始することができる重合開始剤、
5)重合性化合物、及び
6)バインダー、
を有することを特徴とするホログラム記録材料。
(15)(12)または(14)にて、酸発生剤がジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジン、スルホン酸エステルまたはイミドスルホネートのいずれかであることを特徴とする(12)または(14)記載のホログラム記録材料。
(16)(12)または(14)記載のホログラム記録材料が増感色素または色素前駆体から生成する発色体のラジカルカチオンを還元する能力を有する電子供与性化合物を含むことを特徴とする(12)または(14)記載のホログラム記録材料。
(17)(16)記載の電子供与性化合物がフェノチアジン類であることを特徴とする(16)記載のホログラム記録材料。
(19)(1)〜(8)、(12)、(14)〜(17)のいずれかに記載のホログラム記録が書き換えできない方式であることを特徴とする(1)〜(8)、(12)、(14)〜(17)のいずれかに記載のホログラム記録材料。
(20)(1)〜(19)のいずれかに記載のホログラム記録材料を用いて体積位相型ホログラム記録を行うことを特徴とする体積位相型ホログラム記録方法。
(21)(1)〜(20)のいずれかに記載のホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(22)(21)にて、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることを特徴とする(21)記載のホログラム記録方法。
(23)(1)〜(21)のいずれかに記載のホログラム記録材料から成る光記録媒体。(24)(1)〜(22)のいずれかに記載のホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
本発明のホログラム記録方法は、1)発色反応、2)潜像発色−発色体自己増感増幅発色反応、3)潜像発色−発色体増感重合反応、のいずれかの方法により干渉縞を屈折率変調として記録することが好ましく、1)発色反応、3)潜像発色−発色体増感重合反応、のいずれかの方法により記録することがより好ましい。
本発明のホログラム記録材料は、書き換えできない方式であることが好ましい。なおここで、書き換えできない方式とは、不可逆反応により記録される方式であり、一度記録さ
れたデータは、さらに上書き記録して書き換えしようとしても書き換えされることなく保存できる方式を示す。したがって重要でかつ長期保存が必要なデータの保存に適する。ただし無論、まだ記録されていない領域に新たに追記して記録していくことは可能である。そのような意味で、一般には「追記型」または「ライトワンス型」と呼ばれる。
さらに、本発明のホログラム記録に用いる光としては、コヒーレントな(位相及び波長のそろった)レーザー光が好ましい。用いられるレーザーとしては、固体レーザー、半導体レーザー、気体レーザー、液体レーザーのいずれでも良いが、好ましいレーザー光としては例えば、532nmのYAGレーザー2倍波、355nmのYAGレーザー3倍波、400〜415nm付近のGaNやInGaN等の半導体レーザー、650〜660nm付近のAlGaInP等の半導体レーザー、488または515nmのArイオンレーザー、632または633nmのHe−Neレーザー、647nmのKrイオンレーザー、694nmのルビーレーザーや636、634、538、534、442nmのHe−Cdレーザーなどが挙げられる。
また、ナノ秒やピコ秒オーダーのパルスレーザーを用いることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に使用する場合は、532nmのYAGレーザー2倍波または400〜415nm付近のGaNやInGaNレーザー、650〜660nm付近のAlGaInP等の半導体レーザーを用いることが好ましい。
ホログラム露光(記録)に用いる光の波長に対し、ホログラム再生に用いる光の波長は同じであるか、長波長であることが好ましく、同じであることがより好ましい。
特に本発明のホログラム記録材料に酸増殖剤を用いる場合、酸増殖剤を有効に機能させる点においても定着に加熱を用いることが好ましい。
光定着の場合は、ホログラム記録材料全域に紫外光または可視光を全面照射(非干渉露光)する。用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、紫外光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、LED、有機ELなどが挙げられる。
熱定着の場合は、好ましくは40℃〜160℃、より好ましくは60℃〜130℃にて定着工程を行うことが好ましい。
光定着と熱定着を両方行う際は、光と熱を同時に加えても、光と熱を別々に加えてもよい。
η=Idiff/Io (式1)
ここでIoは回折されない透過光の強度であり、Idiffは回折(透過型)または反射(反射型)された光強度である。回折効率は0〜100%のいずれかの値を取るが、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
れ、この値が小さい程感度が高いと言える。しかし、どの時点の露光量をもって感度とするかは、文献(特許文献を含む)によってまちまちであり、記録(屈折率変調)のはじまる露光量とする場合、最大回折効率(屈折率変調)を与える露光量とする場合、最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量とする場合、露光量Eに対し、回折効率の傾きが最大となる露光量とする場合などある。
また、クーゲルニックの理論式より、ある回折効率を与えるための屈折率変調量Δnは膜厚dに反比例する。つまり、ある回折効率を与えるための感度は膜厚によっても異なり、膜厚dが厚くなる程少ない屈折率変調量Δnで済む。したがって、膜厚等の条件を揃えない限り、感度は一概には比較することはできない。
本発明においては、感度は「最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量(mJ/cm2)」と定義する。本発明のホログラム記録材料の感度は、例えば膜厚が10〜200μm程度の場合、2J/cm2以下であることが好ましく、1J/cm2以下であることがより好ましく、500mJ/cm2以下であることがさらに好ましく、200mJ/cm2以下であることが最も好ましい。
少なくとも、
1)ホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)増感色素励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、及び
3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
を含むことが好ましい。
なお、本発明の一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体は、酸の付加によりシアニン色素のクロモフォアとなるため、一般にシアニンベース色素前駆体(酸発色色素)と呼ばれる。また、一般式(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体は、ヘミシアニンベース色素前駆体(酸発色色素)と呼ばれることもある。
よって、ホログラム露光により色素前駆体を発色させることは、吸収率差だけでなく、大きな屈折率差も好ましく形成できることがわかる。
本発明のホログラム記録材料は、屈折率変調により干渉縞を記録する位相型ホログラム記録材料であることが高回折効率の点で好ましい。つまり、ホログラム再生時には、ホログラム記録材料が再生光波長に吸収を有さないか、ほとんど吸収を有さないことが好ましい。
したがって、本発明の色素前駆体がホログラム露光後発色体になる際には、ホログラム記録及び再生波長に吸収を有さずに、それよりも短波長側に吸収を有する発色体となることが好ましい。また増感色素の方は、ホログラム記録またはその後の定着の際に分解してその吸収及び増感機能を失うことが好ましい。
一般式(1−1)中、X1、X2はそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR12−、−CR13R14−のいずれかを表し、R12〜R14はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素原子数(以下C数という)1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−オクタデシ
ル、ベンジル、2−ブトキシエチル、2−(2’−メトキシエトキシ)エチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)のいずれかを表し、好ましくはアルキル基を表す。R13とR14は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはシクロペンタン環、シクロヘキサン環である。R13、R14は共にメチル基であることが好ましい。X1、X2は−S−、−NR12−、−CR13R14−であることが好ましく、−S−、−NR12−であることがより好ましく、−S−であることが最も好ましい。
一般式(1−1)中、R1はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し(以上好ましい例はR12に挙げた例に同じ)、好ましくはアルキル基を表す。
一般式(1−1)中、R2〜R5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、2−ブトキシエチル、2−(2’−メトキシエトキシ)エチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、カルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、である。R2〜R5はそれぞれ独立に好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはアリール基である。
一般式(1−2)〜(1−5)中、R21は置換基を表し、好ましい置換基の例はR2に挙げた例に同じであり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシルオキシ基、またはアルコキシカルボニル基を表し、さらに好ましくは、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基を表し、最も好ましくは、ヘテロ環基、ハロゲン原子、またはシアノ基である。
一般式(1−2)〜(1−5)中、a21は0〜4の整数を表し、a21が2以上の時、複数のR21は同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としてはベンゼン環、ピリジン環などが好ましい。a21は好ましくは0〜2の整数を表し、より好ましくは0または1を表す。
一般式(1−2)〜(1−9)中、R22〜R33はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、好ましい置換基の例はR2に挙げた例に同じであり、好ましくはアルキル基またはアリール基を表す。ただしR22とR23、R28とR29が互いに連結してベンゼン環を形成することはない。
R22、R23、R28、R29は好ましくは水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R24〜R27及びR30〜R33は好ましくは水素原子またはアルキル基を表し、より好ましくは水素原子を表す。
X3、X4はより好ましくは−S−、−O−、または−NR12−である。
一般式(2−1)中、R6、R7はそれぞれ独立に置換基を表し、好ましい置換基の例はR21に挙げた例と同じであり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシルオキシ基、またはアルコキシカルボニル基を表し、さらに好ましくは、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基を表し、最も好ましくは、ヘテロ環基、ハロゲン原子、またはシアノ基である。a6、a7はそれぞれ独
立に0〜4の整数を表し、a6、a7が2以上の時、複数のR6、R7は同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としてはベンゼン環、ピリジン環などが好ましい。a6、a7は好ましくは0〜2の整数を表し、より好ましくは0または1を表す。
一般式(2−2)〜(2−5)中、R1、R6、R7、R12、a6、a7は一般式(2−1)と同義である。
一般式(3−1)中、R8、R9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、好ましい置換基の例としてはR2に挙げた例が挙げられ、R8、R9として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環、またはハロゲン原子が挙げられ、より好ましくは水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子が挙げられ、最も好ましくは水素原子である。
一般式(3−1)中、R10、R11はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基(それぞれ好ましい例はR1に挙げた例に同じ、またはアシル基(好ましい例として例えばアセチル基、ベンゾイル基)を表し、より好ましくはアルキル基またはアルコキシカルボニル基が置換したアルキル基(好ましくは例えば、エトキシカルボニルメチル、ヘキシルオキシカルボニルメチル、オクチルオキシカルボニルメチル、オクチルオキシカルボニルプロピル)を表す。R10、R11は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としてはピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環などを表す。
一般式(3−1)中、n1は1〜4の整数を表し、好ましくは1または2を表し、最も好ましくは1を表す。
一般式(3−2)〜(3−4)中、X5はそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR41−、−CR42R43−のいずれかを表し、R41〜R43はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し(以上好ましい置換基の例はR12〜R14に挙げた例に同じである)、
好ましくはアルキル基を表す。R42とR43は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはシクロペンタン環、またはシクロヘキサン環である。R42、
R43は共にメチル基であることが好ましい。X5は好ましくは−S−、−O−、−NR41−のいずれかを表し、より好ましくは−S−または−O−を表し、最も好ましくは−S−を表す。
一般式(3−2)中、R34は置換基を表し、好ましい置換基の例はR21に挙げた例と同じであり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシルオキシ基、またはアルコキシカルボニル基を表し、さらに好ましくは、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基を表し、最も好ましくは、ヘテロ環基、ハロゲン原子、またはシアノ基である。a34は0〜4の整数を表し、a34が2以上の時、複数のR34は同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としてはベンゼン環、ピリジン環などが好ましい。A34は好ましくは0〜2の整数を表し、より好ましくは0または1を表す。
一般式(3−3)、(3−4)にてR35〜R40はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、好ましい置換基の例はR2に挙げた例に同じであり、好ましくはアルキル基またはアリール基を表すが、R35とR36は互いに連結してベンゼン環を形成することはない。
R35、R36はそれぞれ好ましくは水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R37〜R40はそれぞれ好ましくは水素原子またはアルキル基を表し、より好ましくは水素原子を表す。
一方、本発明のホログラム記録材料及び波長400〜415nmのGaNまたはInGaN半導体レーザーを用いてホログラム記録を行う場合は、本発明のホログラム記録材料には一般式(1−9)または(3−4)で表される色素前駆体を用いることが好ましい。
その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社 1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編 シーエムシー 1981年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシー 1986年)に記載される色素および染料も本発明の増感色素として用いることができる。なお、本発明の増感色素はこれらに限定されるものではなく、可視域の光に対して吸収を示す色素および染料であればどれでも用いることができる。これらの増感色素は、使用目的に応じて光源となるレーザーの波長に合うように選択することができ、用途によっては2種類以上の増感色素を組み合わせて使用しても構わない。
特に増感色素がシアニン色素やメロシアニン色素のような有機色素の時は20分の1以下であることがより好ましく、50分の1以下であることがさらに好ましく、100分の1以下であることが最も好ましい。
以下に本発明の増感色素の具体的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるわけではな
い。
本発明の酸発生剤として好ましくは、増感色素励起状態からの電子移動により酸を発生する機能を有する化合物である。具体的には、ジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジン、スルホン酸エステルまたはイミドスルホネートが好ましく、ジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩またはトリハロメチル置換トリアジンがより好ましく、ジアリールヨードニウム塩またはスルホニウム塩が最も好ましい。
本発明の酸発生剤の好ましい具体例を以下に示す。
等の点で好ましい。
用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、紫外光レーザー、赤外光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、LED、有機ELなどが挙げられる。特定の波長域の光を照射するために、必要に応じてシャープカットフィルターやバンドパスフィルター、回折格子等を用いることも好ましい。
1)ホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)増感色素励起状態または色素前駆体から成る発色体励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、及び
3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
を含むことが好ましい。
増感色素、色素前駆体、酸発生剤として好ましい例は、1)発色反応の所で述べた例と同じである。
なお、第2の工程にて照射する光の波長域では、増感色素の線形吸収のモル吸光係数が1000以下であることがより好ましく、500以下であることがさらに好ましい。
また、第2の工程にて照射する光の波長域では、発色体のモル吸光係数が1000以上であることが好ましい。
例えば、532nmのYAG・SHGレーザーをホログラム記録材料に照射し、増感色素に吸収させ励起状態を生成させる。その増感色素励起状態からの電子移動により酸発生剤から酸を発生させ、本発明の一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を発色体に変化させて発色による潜像を形成する(以上第1の工程)。次に350〜420nmの波長域の光を照射して、発色体の吸収を起こし、発色体の自己増感により発色体を増幅生成させる(以上第2の工程)。第1の工程にて干渉暗部である部分では潜像があまり生成しないため第2の工程においても自己増感発色反応はほとんど起きず、その結果干渉明部と干渉暗部にて大きな屈折率変調を形成することができ、干渉縞として記録することができる。例えば532nmのレーザーを再び用い、記録を行ったホログラム記録材料に照射すると、記録した情報、画像等を再生する、あるいは所望の光学材料として機能することができる。
なお、第2の工程にて、発色体を自己増感増幅生成しつつかつ重合を起こす方法も好ましい。
1)第1の工程のホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)第1の工程にて増感色素励起状態からの、または第2の工程にて色素前駆体から成る発色体励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、
3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
4)第1の工程にて増感色素励起状態から、第2の工程にて発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、重合性化合物の重合を開始することができる重合開始剤、
5)重合性化合物、及び
6)バインダー、
を有することを特徴とするホログラム記録材料。
を含むことが好ましい。
増感色素、色素前駆体、酸発生剤として好ましい例は、1)発色反応の所で述べた例と同じである。
好ましい。
そのためには、重合性化合物またはバインダーのいずれか一方が、少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、残りの一方はそれらを含まないことが好ましい。なお、重合性化合物の方がより屈折率が大きくても、バインダーの方がより屈折率が大きくても、どちらでも構わない。
本発明の重合性化合物としては、単官能性でも多官能性でも良く、一成分でも多成分でも良く、モノマー、プレポリマー(例えばダイマー、オリゴマー)でもこれらの混合物でもいずれでも良いが、モノマーであることが好ましい。
また、その形態は、室温において液状であっても固体状であっても良い。
以下に、ラジカル重合可能な重合性化合物とカチオン重合可能な重合性化合物ごとに、A)屈折率:重合性化合物>バインダーの場合と、B)屈折率:バインダー>重合性化合物、の場合にわけて好ましい重合性化合物の例を説明する。
プロパンジオールジアクリレート、デカメチレングリコールジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−プロパンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、フマル酸ジアリル、アクリル酸1H,1H−パーフロロオクチル、メタクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフロロオクチル、アクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフロロオクチル、1−ビニル−2−ピロリジノンなどが挙げられ、より好ましくは、デカンジオールジアクリレート、アクリル酸イソ−ボルニル、トリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、アクリル酸エトキシエトキシエチル、エトキシル化トリメチロールプロパンのトリアクリレートエステル、並びに1−ビニル−2−ピロリジンなどが挙げられ、より好ましくは、デカンジオールジアクリレート、アクリル酸イソ−ボルニル、トリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、アクリル酸エトキシエトキシエチル、アクリル酸1H,1H−パーフロロオクチル、メタクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフロロオクチル、アクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフロロオクチル、1−ビニル−2−ピロリジンなどが挙げられる。
ポキシパーフルオロイソプロピル)ジフェニルエーテル、p−ブロモスチレンオキサイド、ビス(4−グリシジルオキシフェニル)メタン、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ビスフェノール−F−ジグリシジルエーテル、1,3−ビス(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)エチル)−1,3,−ジフェニル−1,3,−ジメチルジシロキサンなどが挙げられる。
ジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルオキシラン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]プロパン、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]ヘキサフルオロプロパン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3’,4’−エポキシ−1,3−ジオキサン−5−スピロシクロヘキサン、1,2−エチレンジオキシ−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメタン)、エチレングリコール−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジ−2,3−エポキシシクロペンチルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、1,3−ビス(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)エチル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサンなどが挙げられる。
好ましい低屈折率バインダーの具体例としては、アクリレート及びアルファ−アルキルアクリレートエステル及び酸性重合体及びインターポリマー(例えばポリメタクリル酸メチル及びポリメタクリル酸エチル,メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体)、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/
アクリル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸ビニル及び加水分解型ポリ酢酸ビニル)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジエン及びイソプレン重合体及び共重合体及びほぼ4,000〜1,000,000の重量平均分子量を有するポリグリコールの高分子量ポリ酸化エチレン、エポキシ化物(例えば、アクリレート又はメタクリレート基を有するエポキシ化物)、ポリアミド(例えば、N−メトキシメチルポリヘキサメチレンアジパミド)、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートサクシネート及びセルロースアセテートブチレート)、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルベンジルセルロース)、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、などが挙げられる。
また他に、芳香族を含まないエポキシオリゴマー化合物も低屈折率反応性バインダーとして使用することができる。
好ましい高屈折率バインダーの具体例としては、ポリスチレン重合体、並びに例えばアクリロニトリル、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステルとの共重合体、塩化ビニリデン共重合体(例えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、ビニリデンクロリド/メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体)、ポリ塩化ビニル及び共重合体(例えば、ポリビニルクロリド/アセテート、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体)、ポリビニルベンザル合成ゴム(例えば、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、2−クロロブタジエン−1,3重合体、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)、コポリエステル(例えば、式HO(CH2)nOH(式中nは、2〜10の整数である)のポリメチレングリコール、並びに(1)ヘキサヒドロテレフタル酸、セバシン酸及びテレフタル酸、(2)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸、(3)テレフタル酸及びセバシン酸、(4)テレフタル酸及びイソフタル酸の反応生成物から製造されたもの、並びに(5)該グリコール及び(i)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸及び(ii)テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸及びアジピ
ン酸から製造されたコポリエステルの混合物)、ポリN−ビニルカルバゾール及びその共重合体、炭酸エステルとビスフェノールから成るポリカーボネートなどが挙げられる。
また、第2の工程にて照射する光の波長域では、発色体のモル吸光係数が1000以上であることがより好ましい。
例えば、532nmのYAG・SHGレーザーをホログラム記録材料に照射し、増感色素に吸収させ励起状態を生成させる。その増感色素励起状態からの電子移動により酸発生剤から酸を発生させ、本発明の一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を発色体に変化させて発色による潜像を形成する(以上第1の工程)。次に350〜420nmの波長域の光を照射して、発色体の吸収を起こし、重合開始剤に電子移動またはエネルギー移動させることにより活性化して重合を開始させる。例えば、重合性化合物がバインダーよりも屈折率が大き
い場合、重合が起こる部分に重合性化合物が集まるため屈折率が高くなる(以上第2の工程)。第1の工程にて干渉暗部である部分では潜像があまり生成しないため第2の工程においても重合はあまり起きずバインダーの存在比が高くなり、その結果干渉明部と干渉暗部にて大きな屈折率変調を形成することができ、干渉縞として記録することができる。第1及び第2の工程、あるいはさらにその後の定着工程により増感色素及び発色体を分解して消色できれば、非破壊再生及び保存性に優れたホログラム記録材料を提供することができる。
例えば532nmのレーザーを再び用い、記録を行ったホログラム記録材料に照射すると、記録した情報、画像等を再生する、あるいは所望の光学材料として機能することができる。
特に電子供与性化合物は、色素前駆体群への電子移動後の増感色素または発色体ラジカルカチオンを素早く再生できるため高感度のために有用である。電子供与性化合物としては、酸化電位が増感色素または発色体の酸化電位よりも卑なものが好ましい。電子供与性化合物の好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
ポリマー主鎖としてはどのような構造でも良いが、ポリアクリレートやポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、セルロース及びアシル化セルロース等が好ましく挙げられる。
その際、本発明のポリマーまたはオリゴマーとしては繰り返し単位が2以上100万以下であり、好ましくは3以上100万以下であり、より好ましくは5以上50万以下であり、もっとも好ましくは10以上10万以下である。
またポリマーまたはオリゴマーの分子量としては好ましくは500以上1000万以下であり、より好ましくは1000以上500万以下であり、さらに好ましくは2000以上100万以下であり、最も好ましくは3000以上100万以下である。
特に重合開始剤が2,4,5−トリフェニルイミダゾリルダイマーの場合は連鎖移動剤を用いることが好ましい。
有用な熱安定剤にはハイドロキノン、フェニドン、p−メトキシフェノール、アルキルおよびアリール置換されたハイドロキノンとキノン、カテコール、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、フェノチアジン、およびクロルアニールなどが含まれる。
例えば、本発明のホログラム記録材料の製膜方法としては、前記のバインダーや各成分を溶媒等に溶かしてスピンコーターまたはバーコーター等を用いて塗布しても良い。
その際、溶媒として好ましくは例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒が挙げられる。
ここで、「基板」とは、任意の天然又は合成支持体、好適には柔軟性又は剛性フィルム、シートまたは板の形態で存在することができるものを意味する。
基板として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、樹脂下塗り型ポリエチレンテレフタレート、火炎又は静電気放電処理されたポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ガラス等である。
使用した溶媒は乾燥時に蒸発除去することができる。蒸発除去には加熱や減圧を用いても良い。
また、バインダーを形成するモノマー溶液に各成分を溶解させておいた上でモノマーを熱重合または光重合させてポリマーとし、バインダーとして使用する方法も好ましく使用できる。その際の重合法としても、ラジカル重合反応、カチオン重合反応、縮合重合反応、付加重合反応等が使用できる。
そのため、例えば本発明のホログラム記録材料に特開2000−86914号記載の膨張剤を用いたり、特開2000−250382号、同2000−172154号、特開平11−344917号記載の耐収縮性のあるバインダーを用いることも好ましい。
また、特開平3−46687号、同5−204288号、特表平9−506441号等記載の拡散要素を用いて干渉縞間隔を調節することも好ましい。
それに対し、特に本発明の1)発色反応、2)潜像発色−発色体自己増感増幅発色反応等の記録方法は干渉縞記録に重合を伴わない方式であり、また、3)潜像発色−発色体増感重合反応、による記録方法においても、ホログラム露光(第1の工程)の際に重合反応をほとんど伴わなわず、第2の工程の全面露光にて一括して重合による屈折率変調を行う方式である。したがって、いずれの方法においても多くの多重記録が可能であり、さらに、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま、つまり露光量に対して屈折率変調量がリニアに上昇しながら多重記録することができるため、広いダイナミックレンジを取ることができる。このように、発色方式または潜像増幅方式を用いる本発明のホログラム記録方式は、上記多重記録適性の点で大変有利である。
これは、高密度(容量)化、記録システム簡略化、S/N比向上等の点で好ま
しい。
ことが好ましい。
以下に、本発明の具体的な実施例について実験結果を基に説明した。勿論、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
合成法はこれに限定されるものではない。
そこにp−トルエンスルホン酸プロピル2 42.80g(0.2mol)を加え、外温165℃にて7時間攪拌した。冷却後、酢酸エチル−ヘキサン=1:1溶液にて3回デカンテーションし、さらに濃縮して、4級塩4のややcrudeなオイル74.2g(収率:1から81%)を得た。
んだ。
シアニン色素8の粗結晶33.0gをメタノール60mlに溶解し、さらにナトリウムメトキシド28%メタノール溶液40mlを加え、1時間攪拌した。濃縮後、水及び酢酸エチルを加えて分液し、水で3回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。NHシリカゲルを用い、展開溶媒にヘキサン:酢酸エチル=3:1→2:1を用いたカラムクロマトグラフィーで精製し、さらに酢酸エチル−ヘキサンから再結晶することで、シアニンベースCB−11の結晶5.23g(収率:5から33.6%)を得た。なお構造はNMR、MS、UV−Visスペクトル等にて確認した。
特に特開2005−99751号記載の比較試料106、107に対し、本発明のシアニンベース色素前駆体を用いたホログラム記録材料201〜207はより高い回折効率を与え、多重度(高記録密度)等の点で有利であることがわかる。
また、試料201〜207にて酸発生剤をI−28、I−3,I−4、I−6、I−7,I−8,I−21〜24、I−26,I−27、I−30に変更しても、同様な効果が得られた。
また、試料201〜207にて色素前駆体をCB−7、CB−8〜CB−10、CB−12、CB−14、CB−15、CB−27〜32、CB−34、CB−39、CB−47、CB−49、CB−51、CB−52、CB−56,CB−57、CB−59、CB−60、CB−62、CB−69、CB−73〜77に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料201〜207にて電子供与体をA−2、A−4〜A−9、A−12〜A−14に変更しても同様な効果が得られた。
また試料201〜207にて、バインダーをポリメチルメタクリレート(Mw996000、350000、120000)、ポリ(メチルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体(Mw75000),ポリビニルアセタール(Mw83000)、ポリカーボネート、セルロースアセテートブチレート等に変更しても同様な効果が得られた。なお、
上記Mwは重量平均分子量を表す。
12 レーザービーム
14 鏡
20 ビームスプリッター
22 ビームセグメント
24 鏡
26 空間フィルター
28 試料
30 ホログラム記録材料
32 He−Neレーザービーム
34 He−Neレーザー
36 検出器
38 回転ステージ
40ビームエキスパンダー
Claims (20)
- 下記一般式(1−1)、(2−1)、(3−1)のいずれかで表される色素前駆体を含むことを特徴とするホログラム記録材料。
一般式(2−1)中、R1は一般式(1−1)と同義である。X3、X4はそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR12−、−CR13R14−のいずれかを表し、R12 〜R14は一般式(1−1)と同義である。ただし、X3、X4が同じであることはない。R6、R7はそれぞれ独立に置換基を表し、a6、a7はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、a6、a7が2以上の時、複数のR6、R7は同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良い。
一般式(3−1)中、Z1は5または6員環を形成する原子団を表し、R8、R9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R10、R11はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基のいずれかを表し、R10、R11は互いに連結して環を形成しても良い。n1は1〜4の整数を表す。 - 請求項1記載の一般式(3−1)で表される色素前駆体が下記一般式(3−2)〜(3−4)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1記載のホログラム記録材料。
ケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R42とR43は互いに連結して環を形成しても良い。R34は置換基を表し、a34は0〜4の整数を表し、a34が2以上の時、複数のR34は同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良い。R35〜R40は互いに独立に水素原子または置換基を表すが、R35とR36は互いに連結してベンゼン環を形成することはない。 - 請求項1、2、3及び4記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を含み、該色素前駆体がホログラム露光により発色することを用いた屈折率変調により干渉縞を形成することを特徴とするホログラム記録方法。
- 請求項1、2、3及び4記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体がホログラム露光により発生する酸により発色することを用いた屈折率変調により干渉縞を形成することを特徴とする請求項5記載のホログラム記録方法。
- 少なくとも、請求項1、2、3及び4記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を含み、ホログラム露光により発生する酸により該色素前駆体がホログラム再生光波長に吸収のない発色体を潜像として生成する第1の工程と、その発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することで発色体を自己増感増幅生成することにより、干渉縞を屈折率変調として記録する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うことを特徴とするホログラム記録方法。
- 請求項6、または7記載のホログラム記録方法に用いるホログラム記録材料が、少なくとも、
1)ホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)増感色素励起状態または色素前駆体から成る発色体励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、及び
3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、請求項1、2、3及び4記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
を含むことを特徴とするホログラム記録材料。 - 少なくとも、請求項1、2、3及び4記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を含み、ホログラム露光により発生する酸により該色素前駆体がホログラム再生光波長に吸収のない発色体を潜像として生成する第1の工程と、その発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することにより重合を起こし、干渉縞を屈折率変調として記録する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うことを特徴とするホログラム記録方法。
- 請求項9記載のホログラム記録方法に用いるホログラム記録材料が、少なくとも、
1)第1の工程のホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)第1の工程にて増感色素励起状態から、または第2の工程にて色素前駆体から成る発色体励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、
3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、請求項1、2、3及び4記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
4)第1の工程にて増感色素励起状態から、第2の工程にて発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、重合性化合物の重合を開始することができる重合開始剤、
5)重合性化合物、及び
6)バインダー、
を有することを特徴とするホログラム記録材料。 - 請求項8または10にて、酸発生剤がジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジン、スルホン酸エステル、イミドスルホネートのいずれかであることを特徴とする請求項8または10記載のホログラム記録材料。
- 請求項8または10記載のホログラム記録材料が増感色素または色素前駆体から生成する発色体のラジカルカチオンを還元する能力を有する電子供与性化合物を含むことを特徴とする請求項8または10記載のホログラム記録材料。
- 請求項12記載の電子供与性化合物がフェノチアジン類であることを特徴とする請求項12記載のホログラム記録材料。
- 請求項2記載の一般式(1−9)または請求項4記載の一般式(3−4)で表される色素前駆体を含むホログラム記録材料を用い、波長400〜415nmのGaNまたはInGaN半導体レーザーを用いてホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
- 請求項1〜4、8、10〜13のいずれかに記載のホログラム記録が書き換えできない方式であることを特徴とする請求項1〜4、8、10〜13のいずれかに記載のホログラム記録材料。
- 請求項1〜15のいずれかに記載のホログラム記録材料を用いて体積位相型ホログラム記録を行うことを特徴とする体積位相型ホログラム記録方法。
- 請求項1〜16のいずれかに記載のホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
- 請求項17にて、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることを特徴とする請求項17記載のホログラム記録方法。
- 請求項1〜18のいずれかに記載のホログラム記録材料から成る光記録媒体。
- 請求項1〜19のいずれかに記載のホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
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