JP2007233165A - ホログラム記録材料、ホログラム記録方法及び光記録媒体 - Google Patents

ホログラム記録材料、ホログラム記録方法及び光記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能な高感度かつ高回折効率、良保存性、低収縮率、乾式処理、多重記録特性(高記録密度)を両立することができるホログラム記録方法を提供する。
【解決手段】チアゾール、ベンゾチアゾール、又はチアゾリン環を有する、モノメチンシアニンベースまたはヘミシアニンベースを含む特定構造の色素前駆体を含むホログラム記録材料を用い、ホログラム露光により発生する酸により前記色素前駆体が発色することを用いた屈折率変調により干渉縞を形成するホログラム記録方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能なホログラム記録材料及びホログラム記録方法に関するものである。
ホログラム作製に関する一般的原理は、いくつかの文献や専門書、たとえば「ホログラフィックディスプレイ」(辻内順平編、産業図書[非特許文献1])2章に記載されている。これらによれば、2光束のコヒーレントなレーザー光の一方を記録対象物に照射し、それからの全反射光を受け取れる位置に感光性のホログラム記録材料が置かれる。ホログラム記録材料には、対象物からの反射光の他に、もう一方のコヒーレントな光が、対象物に当たらずに直接照射される。対象物からの反射光を物体光、また直接記録材料に照射される光を参照光といい、参照光と物体光との干渉縞が画像情報として記録される。次に、処理された記録材料に参照光と同じ光(再生照明光)を照射すると、記録の際に対象物から記録材料に最初に到達した反射光の波面を再現するようにホログラムによって回折され、その結果、対象物の実像とほぼ同じ物体像を3次元的に観測することができる。
参照光と物体光を同じ方向からホログラム記録材料に入射させて形成されるホログラムを透過型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に垂直または垂直に近い形で1mmに1000〜3000本程度の間隔で形成される。
一方、互いにホログラム記録材料の反対側から入射させて形成したホログラムを、一般に反射型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に平行または平行に近い形で1mmに3000〜7000本程度の間隔で形成される。
透過型ホログラムは、例えば特開平6−43634号[特許文献1]などで開示されているような公知の方法によって作成できる。また、反射型ホログラムは、例えば特開平2−3082号[特許文献2]、特開平3−50588号[特許文献3]などに開示された公知の方法によって作成できる。
一方、干渉縞間隔に対して膜厚が十分に厚い(通常は干渉縞間隔の5倍以上程度、または1μm以上程度の膜厚を言う)ホログラムを体積型ホログラムという。
それに対し膜厚が干渉縞間隔の5倍以下程度または1μm以下程度のホログラムを平面型または表面型という。
さらに、色素や銀などの吸収により干渉縞を記録するホログラムを振幅型ホログラムと呼び、表面レリーフまたは屈折率変調により記録するホログラムを位相型ホログラムと呼ぶ。振幅型ホログラムは光の吸収により、光の回折効率または反射効率が著しく低下するため光の利用効率の点で好ましくなく、通常は位相型ホログラムが好ましく用いられる。
体積位相型ホログラムでは、ホログラム記録材料中に光学的吸収ではなく屈折率の異なる干渉縞を多数形成することによって、光を吸収することなく光の位相を変調することができる。
特に反射型の体積位相型ホログラムはリップマン型ホログラムとも呼ばれ、ブラック回折による波長選択的反射により、高回折効率にてフルカラー化、白色再生、高解像度化が可能となり、高解像フルカラー3次元ディスプレイの提供が可能となる。
また最近ではその波長選択的反射を生かして、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板等に代表されるホログラム光学素子(HOE)に広く実用化されてきている。
他にも例えば、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス等に実用または応用が検討されている。
ところで、最近の高度情報化社会の流れの中で、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、民生用途においても100GB以上の画像情報を安価簡便に記録するための高密度記録媒体の要求が高まっている。
さらにコンピューター高容量化等の流れの中で、コンピューターバックアップ用途や放送バックアップ用途等の業務用途においても、1TB程度あるいはそれ以上の大容量の情報を高速かつ安価に記録できる超高密度記録媒体が求められている。
そのような中、ランダムアクセスが不可能な磁気テープ媒体や可換不可能で故障しやすいハードディスクに対し、可換かつランダムアクセス可能で小型、安価な光記録媒体がより注目されてきている。しかしながら、DVD−Rのような既存の2次元光記録媒体は物理原理上、たとえ記録再生波長を短波長化したとしてもせいぜい片面25GB程度で、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量が期待できるとは言えない状況である。
そこで、究極の超高密度記録媒体として、膜厚方向に記録を行う3次元光記録媒体が注目されてきている。その有力な方法として2光子吸収材料を用いる方法とホログラフィ(干渉)を用いる方法とがあり、そのため体積位相型ホログラム記録材料は、3次元光記録媒体(ホログラフィックメモリ)として、最近俄然注目を集めるようになった。
体積位相型ホログラム記録材料を用いたホログラフィックメモリでは、3次元物体から反射する物体光の代わりに、DMDやLCDといった空間光変調素子(SLM)を用いた2次元デジタル情報(信号光と呼ぶ)を数多く記録していく。記録の際、角度多重、位相多重、波長多重、シフト多重などの多重記録を行うため1TBにも達する高容量化が可能となる。また、読み出しには通常CCDやCMOS等を用い、それらの並列書き込み、読み出しにより、1Gbpsにも達する高転送速度化も可能となる。
ところが、ホログラフィックメモリに用いるホログラム記録材料に求められる要件は、下記の如く3次元ディスプレイやHOE用途よりもさらに厳しいものであ
る。
(1)高感度であること
(2)高解像力を有すること
(3)ホログラムの回折効率が高いこと
(4)記録時の処理が乾式であり迅速であること
(5)多重記録が可能であること(ダイナミックレンジが広いこと)
(6)記録後の収縮率が小さいこと
(7)ホログラムの保存性が良いこと
特に、(1)高感度であることに対し、(3)回折効率が高いこと、(4)乾式処理であること、(6)記録後の収縮率が低いこと、(7)保存性が良いこと、は化学的に考えて相反する物性であり、その両立は極めて困難である。
ここで、公知の体積位相型ホログラム記録材料には、ライトワンス方式として重クロム酸ゼラチン方式、漂白ハロゲン化銀塩方式及びフォトポリマー方式などが知られ、リライタブル方式として、フォトリフラクティブ方式及びフォトクロミック高分子方式などが知られる。
しかしこれらの公知の体積位相型ホログラム記録材料において、特に高感度光記録媒体用途においては、求められる要件をすべて満たす材料は未だなく改良が望まれている。
具体的には例えば、重クロム酸ゼラチン方式は高い回折効率と低ノイズ特性という長所を有するが、保存性が極めて悪く、湿式処理が必要で低感度という問題を有し、ホログラフィックメモリ用途には適さない。
漂白ハロゲン化銀方式は高感度という長所を有するが、湿式処理が必要でかつ漂白処理が煩雑であり、また、散乱が大きい、耐光性に劣るという問題点を有し、ホログラフィックメモリ用途にはやはり一般的に適さない。
フォトリフラクティブ材料は書き換え可能という長所を有するが、記録時に高電場印加が必要、記録保存性が悪いという問題点を有する。
アゾベンゼン高分子材料等に代表されるフォトクロミック高分子方式も書き換え可能という長所を有するが、感度が極めて低く記録保存性も悪いという問題点を有する。例えば、WO9744365A1号[特許文献4]には、アゾベンゼン高分子(フォトクロミック高分子)の屈折率異方性と配向制御を用いた書き換え可能なホログラム記録材料が提示されているが、アゾベンゼン異性化の量子収率が低い上に配向変化を伴う方式であるがために感度が極めて低く、また書き換え可能であることとの相反で記録保存性も悪いという問題点を有し、実用には程遠い。
そのような中、前述の特許文献1〜3に開示された乾式処理フォトポリマー方式は、バインダー、ラジカル重合可能なモノマーおよび光重合開始剤を基本組成とし、屈折率変調を向上させるためにバインダーまたはラジカル重合可能なモノマーのどちらか一方に芳香環または塩素、臭素を有する化合物を用いて屈折率差を持たせる工夫をしており、その結果、ホログラム露光の際形成される干渉縞の明部にモノマーが、暗部にバインダーが集まりつつ重合が進行することにより屈折率差を形成することができる。したがって、高回折効率と乾式処理を両立できうる比較的実用的な方式といえる。
しかしながら、漂白ハロゲン化銀方式に比べると感度が1000分の1程度であること、回折効率を高めるためには2時間近い加熱定着処理を必要とすること、ラジカル重合であるため、酸素による重合阻害の影響を受け、また露光、定着後記録材料の収縮を伴い、再生時の回折波長及び角度が変化してしまう問題点があること、膜が柔らかいため保存性の点でも不足していること等からホログラフィックメモリ用途としては到底使用に耐えるものではない。
ここで一般に、ラジカル重合に対しカチオン重合、特にエポキシ化合物等の開環を伴うカチオン重合は、重合後の収縮が少なく、また酸素による重合阻害も受けず、剛性のある膜を与える。したがって、ホログラフィックメモリ用途としてはカチオン重合の方が適しているという指摘もある。
例えば、特開平5−107999号[特許文献5]、特開平8−16078号[特許文献6]等に、カチオン重合性化合物(モノマーまたはオリゴマー)をバインダーの代わりに用い、さらに増感色素、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合性化合物を組み合わせたホログラム記録材料が開示されている。
また、特表2001―523842号[特許文献7]、特表11−512847号[特許文献8]等に、ラジカル重合を用いずに、増感色素、カチオン重合開始剤、カチオン重合性化合物及びバインダーのみを用いたホログラム記録材料が開示されている。
しかしこれらのカチオン重合方式はラジカル重合方式に比べて、収縮率の改善が見られるものの、その相反として、感度が低下しており、実用の際には転送速度の点で大きな問題となると考えられる。また回折効率も低下しており、S/N
比や多重記録の点で問題となると考えられる。
前述したように、フォトポリマー方式は物質移動を伴う方式であるため、ホログラフィックメモリへの応用を検討する際、保存性を良く、収縮性を小さくしようとすれば感度が低下し(カチオン重合方式)、逆に感度を向上させようとすれば、保存性、収縮性が悪化する(ラジカル重合方式)というジレンマに陥る。また、ホログラフィックメモリの記録
密度を向上させるためには、50回を超えて好ましくは100回以上にも及ぶ多重記録が必須であるが、フォトポリマー方式では記録に物質移動を伴う重合を用いるため、多重記録初期の記録速度に対して、多くの化合物の重合が進んだ後の多重記録後期の記録速度が低下してしまい、それを制御して露光量を調節すること、広いダイナミックレンジをとることが実用上大きな問題となっている。
このような高感度と良保存性、低収縮率、乾式処理のジレンマ、多重記録特性(高記録密度)の問題点は、従来のフォトポリマー方式を用いている限りは物理法則上避けがたい。またハロゲン化銀方式にてホログラフィックメモリに求められる要件を満たすことも、特に乾式処理化の点で原理的に困難である。
そこで、ホログラム記録材料をホログラフィックメモリへ応用するためには、そのような課題を抜本的に解決した、とりわけ高回折効率、高感度と低収縮性、良保存性、乾式処理、多重記録特性(高記録密度)を両立できる全く新しい記録方式の開発が強く望まれていた。
そこで、発明者らは、上記課題を抜本的に解決しうる、色素の発色による屈折率変調を用いたホログラム記録材料及び記録方式を鋭意考案し、特開2005−99751号[特許文献9]にて開示した。ただし、回折効率や多重記録特性等の点にて未だ不十分な点がありさらなる改良が必要であった。
「ホログラフィックディスプレイ」、辻内順平編、産業図書 特開平6−43634号公報 特開平2−3082号公報 特開平3−50588号公報 国際公開第97/44365号パンフレット 特開平5−107999号公報 特開平8−16078号公報 特表2001―523842号公報 特表平11−512847号公報 特開2005−99751号公報
そこで本発明の目的は、高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能な高感度かつ高回折効率、良保存性、低収縮率、乾式処理、多重記録特性(高記録密度)を両立することができるホログラム記録材料及びホログラム記録方法を提供することである。
発明者らの鋭意検討の結果、本発明の目的は、下記の手段により達成された。
(1)下記一般式(1−1)、(2−1)、(3−1)のいずれかで表される色素前駆体を含むことを特徴とするホログラム記録材料。
Figure 2007233165
一般式(1−1)中、X、Xはそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR12−、−CR1314−のいずれかを表し、R12〜R14はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R13とR14は互いに連結して環を形成しても良い。Rはアルキル基、アルケニル基、
シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、L、Lはそれぞれ独立に単結合または2重結合を表す。a2〜a5はそれぞれ独立に1または2を表し、Lが単結合の時はa2、a3はそれぞれ2を表し、Lが2重結合のときはa2、a3はそれぞれ1を表し、Lが単結合の時はa4、a5はそれぞれ2を表し、Lが2重結合のときはa2、a3はそれぞれ1を表し、a2〜a5が2の時、複数のR〜Rは同じでも異なっても良い。なお、RとR、RとRは連結して環を形成して良いが、RとR、RとRの両方共連結して共にベンゼン環を形成することはない。
一般式(2−1)中、Rは一般式(1−1)と同義である。X、Xはそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR12−、−CR1314−のいずれかを表し、R12 〜R14は一般式(1−1)と同義である。ただし、X、Xが同じであることはない。R、Rはそれぞれ独立に置換基を表し、a6、a7はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、a6、a7が2以上の時、複数のR、Rは同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良い。
一般式(3−1)中、Zは5または6員環を形成する原子団を表し、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R10、R11はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基のいずれかを表し、R10、R11は互いに連結して環を形成しても良い。n1は1〜4の整数を表す。
(2)(1)記載の一般式(1−1)で表される色素前駆体が下記一般式(1−2)〜(1−9)のいずれかで表されることを特徴とする(1)記載のホログラム記録材料。
Figure 2007233165
一般式(1−2)〜(1−9)中、Rは一般式(1)と同義である。R21は置換基を表し、a21は0〜4の整数を表し、a21が2以上の時、複数のR21は同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良い。R22〜R33はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただしR22とR23、R28とR29が互いに連結してベンゼン環を形成することはない。
(3)(2)にて、一般式(1−1)で表される色素前駆体が一般式(1−4)、(1−5)、(1−9)のいずれかで表されることを特徴とする(2)記載のホログラム記録材料。
(4)(2)にて、一般式(1−1)で表される色素前駆体が一般式(1−5)、(1−9)のいずれかで表されることを特徴とする(2)記載のホログラム記録材料。
(5)(1)記載の一般式(2−1)で表される色素前駆体が下記一般式(2−2)〜(2−5)のいずれかで表されることを特徴とする(1)記載のホログラム記録材料。
Figure 2007233165
一般式(2−2)〜(2−5)中、R、R、R、R12、a6、a7は一般式(2−1)と同義である。
(6)(1)記載の一般式(3−1)で表される色素前駆体が下記一般式(3−2)〜(3−4)のいずれかで表されることを特徴とする(1)記載のホログラム記録材料。
Figure 2007233165
一般式(3−2)〜(3−4)中、R、R、R10、R11、n1は一般式(3−1)と同義である。Xはそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR41−、−CR4243−のいずれかを表し、R41〜R43はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アル
ケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R42とR43は互いに連結して環を形成しても良い。R34は置換基を表し、a34は0〜4の整数を表し、a34が2以上の時、複数のR34は同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良い。R35〜R40は互いに独立に水素原子または置換基を表すが、R35とR36は互いに連結してベンゼン環を形成することはない。
(7)(6)記載の一般式(3−2)〜(3−4)にて、Xが−S−であることを特徴とする(6)記載のホログラム記録材料。
(8)(6)にて、一般式(3−1)で表される色素前駆体が一般式(3−2)、(3−4)のいずれかで表されることを特徴とする(6)または(7)記載のホログラム記録材料。
(9)上記(1)、(2)、(3)及び(4)記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を含み、該色素前駆体がホログラム露光により発色することを用いた屈折率変調により干渉縞を形成することを特徴とするホログラム記録方法。
(10)(9)にて、上記(1)、(2)、(3)及び(4)記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体がホログラム露光により発生する酸により発色することを用いた屈折率変調により干渉縞を形成することを特徴とするホログラム記録方法。
(11)少なくとも、上記(1)、(2)、(3)及び(4)記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を含み、ホログラム露光により発生する酸により該色素前駆体がホログラム再生光波長に吸収のない発色体を潜像として生成する第1の工程と、その発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することで発色体を自己増感増幅生成することにより、干渉縞を屈折率変調として記録する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(12)(10)、(11)記載のホログラム記録方法に用いるホログラム記録材料が、少なくとも、
1)ホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)増感色素励起状態または色素前駆体から成る発色体励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、及び
3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、上記(1)、(2)、(3)及び(4)記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
を含むことを特徴とするホログラム記録材料。
(13)少なくとも、上記(1)、(2)、(3)及び(4)記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を含み、ホログラム露光により発生する酸により該色素前駆体がホログラム再生光波長に吸収のない発色体を潜像として生成する第1の工程と、その発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することにより重合を起こし、干渉縞を屈折率変調として記録する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(14)(13)記載のホログラム記録方法に用いるホログラム記録材料が、少なくとも、
1)第1の工程のホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)第1の工程にて増感色素励起状態から、または第2の工程にて色素前駆体から成る発色体励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、
3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、上記(1)、(2)、(3)及び(4)記載の
、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
4)第1の工程にて増感色素励起状態から、第2の工程にて発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、重合性化合物の重合を開始することができる重合開始剤、
5)重合性化合物、及び
6)バインダー、
を有することを特徴とするホログラム記録材料。
(15)(12)または(14)にて、酸発生剤がジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジン、スルホン酸エステルまたはイミドスルホネートのいずれかであることを特徴とする(12)または(14)記載のホログラム記録材料。
(16)(12)または(14)記載のホログラム記録材料が増感色素または色素前駆体から生成する発色体のラジカルカチオンを還元する能力を有する電子供与性化合物を含むことを特徴とする(12)または(14)記載のホログラム記録材料。
(17)(16)記載の電子供与性化合物がフェノチアジン類であることを特徴とする(16)記載のホログラム記録材料。
(18)(2)記載の一般式(1−9)または(6)記載の一般式(3−4)で表される色素前駆体を含むホログラム記録材料を用い、波長400〜415nmのGaNまたはInGaN半導体レーザーを用いてホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(19)(1)〜(8)、(12)、(14)〜(17)のいずれかに記載のホログラム記録が書き換えできない方式であることを特徴とする(1)〜(8)、(12)、(14)〜(17)のいずれかに記載のホログラム記録材料。
(20)(1)〜(19)のいずれかに記載のホログラム記録材料を用いて体積位相型ホログラム記録を行うことを特徴とする体積位相型ホログラム記録方法。
(21)(1)〜(20)のいずれかに記載のホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(22)(21)にて、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることを特徴とする(21)記載のホログラム記録方法。
(23)(1)〜(21)のいずれかに記載のホログラム記録材料から成る光記録媒体。(24)(1)〜(22)のいずれかに記載のホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
本発明のホログラム記録材料を用いることで、高回折効率、低収縮率、乾式処理、多重記録特性(高記録密度)の全てを満足することができるホログラム記録材料及びホログラム記録方法を提供することができる。
以下に本発明のホログラム記録方法及びホログラム記録材料について詳しく説明する。
本発明のホログラム記録方法は、1)発色反応、2)潜像発色−発色体自己増感増幅発色反応、3)潜像発色−発色体増感重合反応、のいずれかの方法により干渉縞を屈折率変調として記録することが好ましく、1)発色反応、3)潜像発色−発色体増感重合反応、のいずれかの方法により記録することがより好ましい。
なお、本発明のホログラム記録材料は、湿式処理を行わないことが好ましい。
本発明のホログラム記録材料は、書き換えできない方式であることが好ましい。なおここで、書き換えできない方式とは、不可逆反応により記録される方式であり、一度記録さ
れたデータは、さらに上書き記録して書き換えしようとしても書き換えされることなく保存できる方式を示す。したがって重要でかつ長期保存が必要なデータの保存に適する。ただし無論、まだ記録されていない領域に新たに追記して記録していくことは可能である。そのような意味で、一般には「追記型」または「ライトワンス型」と呼ばれる。
本発明のホログラム記録に用いる光は好ましくは波長200〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかであり、より好ましくは波長300〜700nmの紫外光または可視光であり、さらに好ましくは400〜700nmの可視光である。
さらに、本発明のホログラム記録に用いる光としては、コヒーレントな(位相及び波長のそろった)レーザー光が好ましい。用いられるレーザーとしては、固体レーザー、半導体レーザー、気体レーザー、液体レーザーのいずれでも良いが、好ましいレーザー光としては例えば、532nmのYAGレーザー2倍波、355nmのYAGレーザー3倍波、400〜415nm付近のGaNやInGaN等の半導体レーザー、650〜660nm付近のAlGaInP等の半導体レーザー、488または515nmのArイオンレーザー、632または633nmのHe−Neレーザー、647nmのKrイオンレーザー、694nmのルビーレーザーや636、634、538、534、442nmのHe−Cdレーザーなどが挙げられる。
また、ナノ秒やピコ秒オーダーのパルスレーザーを用いることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に使用する場合は、532nmのYAGレーザー2倍波または400〜415nm付近のGaNやInGaNレーザー、650〜660nm付近のAlGaInP等の半導体レーザーを用いることが好ましい。
ホログラム露光(記録)に用いる光の波長に対し、ホログラム再生に用いる光の波長は同じであるか、長波長であることが好ましく、同じであることがより好ましい。
本発明のホログラム記録材料においては、ホログラム露光の後に、光または熱、あるいはその両方により定着工程を行っても良い。
特に本発明のホログラム記録材料に酸増殖剤を用いる場合、酸増殖剤を有効に機能させる点においても定着に加熱を用いることが好ましい。
光定着の場合は、ホログラム記録材料全域に紫外光または可視光を全面照射(非干渉露光)する。用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、紫外光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、LED、有機ELなどが挙げられる。
熱定着の場合は、好ましくは40℃〜160℃、より好ましくは60℃〜130℃にて定着工程を行うことが好ましい。
光定着と熱定着を両方行う際は、光と熱を同時に加えても、光と熱を別々に加えてもよい。
なお、干渉縞記録の際の屈折率変調量は0.00001〜0.5であることが好ましく、0.0001〜0.3であることがより好ましい。なお、ホログラム記録材料の膜厚が厚い程屈折率変調量は少ない方が好ましく、ホログラム記録材料の膜厚が薄い程屈折率変調量は多い方が好ましい。
ホログラム記録材料の(相対)回折効率ηは以下の式で与えられる。
η=Idiff/Io (式1)
ここでIoは回折されない透過光の強度であり、Idiffは回折(透過型)または反射(反射型)された光強度である。回折効率は0〜100%のいずれかの値を取るが、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
ホログラム記録材料の感度は、一般に単位面積当たりの露光量(mJ/cm)で表さ
れ、この値が小さい程感度が高いと言える。しかし、どの時点の露光量をもって感度とするかは、文献(特許文献を含む)によってまちまちであり、記録(屈折率変調)のはじまる露光量とする場合、最大回折効率(屈折率変調)を与える露光量とする場合、最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量とする場合、露光量Eに対し、回折効率の傾きが最大となる露光量とする場合などある。
また、クーゲルニックの理論式より、ある回折効率を与えるための屈折率変調量Δnは膜厚dに反比例する。つまり、ある回折効率を与えるための感度は膜厚によっても異なり、膜厚dが厚くなる程少ない屈折率変調量Δnで済む。したがって、膜厚等の条件を揃えない限り、感度は一概には比較することはできない。
本発明においては、感度は「最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量(mJ/cm)」と定義する。本発明のホログラム記録材料の感度は、例えば膜厚が10〜200μm程度の場合、2J/cm以下であることが好ましく、1J/cm以下であることがより好ましく、500mJ/cm以下であることがさらに好ましく、200mJ/cm以下であることが最も好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体としてホログラフィックメモリに用いる際は、DMDやLCDといった空間光変調素子(SLM)を用いて2次元デジタル情報(信号光と呼ぶ)を数多く記録していくことが好ましい。記録には記録密度を上げるために多重記録を用いることが好ましく、多重記録の方法には、角度多重、位相多重、波長多重、シフト多重などの多重記録を行う方法があるが、角度多重記録またはシフト多重記録を用いることが好ましい。また、再生される2次元データの読み出しにはCCDやCMOSが好ましく用いられる。
本発明のホログラム記録材料は、光記録媒体としてホログラフィックメモリに用いる際は、容量(記録密度)を向上させるために多重記録を行うことが必須である。その際、10回以上の多重記録を行うことがより好ましく、50回以上の多重記録を行うことがさらに好ましく、100回以上の多重記録を行うことが最も好ましい。さらに、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることが記録システム簡略化、S/N比向上等の点でより好ましい。
なお、本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に用いる際は、保存時ホログラム記録材料は遮光カートリッジ内に保存されていることが好ましい。また、記録光及び再生光波長以外の紫外光、可視光、赤外光の波長域の一部をカットすることができる遮光フィルターをホログラム記録材料の表面、裏面またはその両面に備え付けていることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に用いる際は、光記録媒体はディスク状でもカード状でもテープ状であっても良くいかなる形状であっても良い。
以下に本発明の各ホログラム記録方法及びそのような記録方法が可能なホログラム記録材料の各成分について詳しく説明する。
1)発色反応による干渉縞記録
本発明にて発色反応とは、200〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光の領域にて、吸収スペクトル形が変化するような反応を示し、より好ましくは吸収スペクトルにおいてλmaxが長波長化、εが増大のいずれかが起こるような反応を示し、さらに好ましくはその両方が起こるような反応を示す。また、発色反応は200〜1000nmの波長領域で起こることがより好ましく、300〜900nmの波長領域で起こることがさらに好ましい。
記録が発色反応による場合は、本発明のホログラム記録材料は好ましくは、
少なくとも、
1)ホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)増感色素励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、及び
3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
を含むことが好ましい。
まず、本発明の一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体について詳しく説明する。
本発明のホログラム記録材料において、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体は、ホログラム露光により発生する酸により発色反応することにより、屈折率変調により干渉縞を形成することができるような色素前駆体である。
なお、本発明の一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体は、酸の付加によりシアニン色素のクロモフォアとなるため、一般にシアニンベース色素前駆体(酸発色色素)と呼ばれる。また、一般式(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体は、ヘミシアニンベース色素前駆体(酸発色色素)と呼ばれることもある。
ここで、色素の屈折率は一般に、線形吸収極大波長(λmax)付近からそれより長波長な領域で高い値を取り、特にλmaxからλmaxより200nm程長波長な領域において非常に高い値を取り、色素によっては1.7を超え、場合によっては2を超えるような高い値をとる。その一方で、バインダーポリマー等の色素ではない有機化合物は通常1.4〜1.6程度の屈折率である。
よって、ホログラム露光により色素前駆体を発色させることは、吸収率差だけでなく、大きな屈折率差も好ましく形成できることがわかる。
本発明のホログラム記録材料は、屈折率変調により干渉縞を記録する位相型ホログラム記録材料であることが高回折効率の点で好ましい。つまり、ホログラム再生時には、ホログラム記録材料が再生光波長に吸収を有さないか、ほとんど吸収を有さないことが好ましい。
したがって、本発明の色素前駆体がホログラム露光後発色体になる際には、ホログラム記録及び再生波長に吸収を有さずに、それよりも短波長側に吸収を有する発色体となることが好ましい。また増感色素の方は、ホログラム記録またはその後の定着の際に分解してその吸収及び増感機能を失うことが好ましい。
さらに、大きな屈折率変調を与え感度やダイナミックレンジを増すためには、本発明の色素前駆体は、ホログラム露光後、ホログラム記録及び再生波長に吸収を有さず、ホログラム記録波長とホログラム記録波長から200nm短波長な波長の間の領域に、吸収極大を有する発色体となることが好ましく、ホログラム記録波長とホログラム記録波長から150nm短波長な波長の間の領域に吸収極大を有する発色体となることがより好ましい。
まず、本発明の一般式(1−1)で表される色素前駆体から説明する。
一般式(1−1)中、X、Xはそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR12−、−CR1314−のいずれかを表し、R12〜R14はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素原子数(以下C数という)1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−オクタデシ
ル、ベンジル、2−ブトキシエチル、2−(2’−メトキシエトキシ)エチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)のいずれかを表し、好ましくはアルキル基を表す。R13とR14は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはシクロペンタン環、シクロヘキサン環である。R13、R14は共にメチル基であることが好ましい。X、Xは−S−、−NR12−、−CR1314−であることが好ましく、−S−、−NR12−であることがより好ましく、−S−であることが最も好ましい。
一般式(1−1)中、Rはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し(以上好ましい例はR12に挙げた例に同じ)、好ましくはアルキル基を表す。
一般式(1−1)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、2−ブトキシエチル、2−(2’−メトキシエトキシ)エチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、カルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、である。R〜Rはそれぞれ独立に好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはアリール基である。
一般式(1−1)にて、L、Lはそれぞれ独立に単結合または2重結合を表す。a2〜a5はそれぞれ独立に1または2を表し、Lが単結合の時はa2、a3はそれぞれ2を表し、Lが2重結合のときはa2、a3はそれぞれ1を表し、Lが単結合の時はa4、a5は2を表し、Lが2重結合のときはa2、a3はそれぞれ1を表し、a2〜a5が2の時、複数のR〜Rは同じでも異なっても良い。なお、RとR、RとRは連結して環を形成して良く、形成する環としてはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサン環などが好ましいが、RとR、RとRの両方共連結して共にベンゼン環を形成することはない。
本発明の一般式(1−1)で表される色素前駆体は、好ましくは一般式(1−2)〜(1−9)のいずれかで表される。
一般式(1−2)〜(1−9)中、Rは一般式(1)と同義である。
一般式(1−2)〜(1−5)中、R21は置換基を表し、好ましい置換基の例はRに挙げた例に同じであり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシルオキシ基、またはアルコキシカルボニル基を表し、さらに好ましくは、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基を表し、最も好ましくは、ヘテロ環基、ハロゲン原子、またはシアノ基である。
一般式(1−2)〜(1−5)中、a21は0〜4の整数を表し、a21が2以上の時、複数のR21は同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としてはベンゼン環、ピリジン環などが好ましい。a21は好ましくは0〜2の整数を表し、より好ましくは0または1を表す。
一般式(1−2)〜(1−9)中、R22〜R33はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、好ましい置換基の例はRに挙げた例に同じであり、好ましくはアルキル基またはアリール基を表す。ただしR22とR23、R28とR29が互いに連結してベンゼン環を形成することはない。
22、R23、R28、R29は好ましくは水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R24〜R27及びR30〜R33は好ましくは水素原子またはアルキル基を表し、より好ましくは水素原子を表す。
本発明の一般式(1−1)で表される色素前駆体は一般式(1−4)、(1−5)、(1−9)のいずれかで表されることがより好ましく、一般式(1−5)、(1−9)のいずれかで表されることが最も好ましい。
次に、本発明の一般式(2−1)にて表される色素前駆体について説明する。
一般式(2−1)中、Rは一般式(1−1)と同義である。X、Xはそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR12−、−CR1314−のいずれかを表し、R12 〜R14は一般式(1−1)と同義である。ただし、X、Xが同じであることはない。
、Xはより好ましくは−S−、−O−、または−NR12−である。
一般式(2−1)中、R、Rはそれぞれ独立に置換基を表し、好ましい置換基の例はR21に挙げた例と同じであり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシルオキシ基、またはアルコキシカルボニル基を表し、さらに好ましくは、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基を表し、最も好ましくは、ヘテロ環基、ハロゲン原子、またはシアノ基である。a6、a7はそれぞれ独
立に0〜4の整数を表し、a6、a7が2以上の時、複数のR、Rは同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としてはベンゼン環、ピリジン環などが好ましい。a6、a7は好ましくは0〜2の整数を表し、より好ましくは0または1を表す。
本発明の一般式(2−1)で表される色素前駆体は、好ましくは一般式(2−2)〜(2−5)のいずれかで表される。
一般式(2−2)〜(2−5)中、R、R、R、R12、a6、a7は一般式(2−1)と同義である。
次に、本発明の一般式(3−1)にて表される色素前駆体について説明する。
一般式(3−1)中、Zは5または6員環を形成する原子団を表し、形成される5または6員環として好ましくはピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、キノリン環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピロール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、イミダゾリン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環、インドレニン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアゾリン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、またはオキサゾリン環を表し、より好ましくはピリジン環、キノリン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、イミダゾリン環、インドレニン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアゾリン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、またはオキサゾリン環を表し、さらに好ましくは、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアゾリン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、またはオキサゾリン環を表す。
一般式(3−1)中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、好ましい置換基の例としてはRに挙げた例が挙げられ、R、Rとして好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環、またはハロゲン原子が挙げられ、より好ましくは水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子が挙げられ、最も好ましくは水素原子である。
一般式(3−1)中、R10、R11はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基(それぞれ好ましい例はRに挙げた例に同じ、またはアシル基(好ましい例として例えばアセチル基、ベンゾイル基)を表し、より好ましくはアルキル基またはアルコキシカルボニル基が置換したアルキル基(好ましくは例えば、エトキシカルボニルメチル、ヘキシルオキシカルボニルメチル、オクチルオキシカルボニルメチル、オクチルオキシカルボニルプロピル)を表す。R10、R11は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としてはピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環などを表す。
一般式(3−1)中、n1は1〜4の整数を表し、好ましくは1または2を表し、最も好ましくは1を表す。
本発明の一般式(3−1)で表される色素前駆体は、好ましくは一般式(3−2)〜(3−4)のいずれかで表される。
一般式(3−2)〜(3−4)中、R、R、R10、R11、n1は一般式(3−1)と同義である。
一般式(3−2)〜(3−4)中、Xはそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR41−、−CR4243−のいずれかを表し、R41〜R43はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し(以上好ましい置換基の例はR12〜R14に挙げた例に同じである)、
好ましくはアルキル基を表す。R42とR43は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはシクロペンタン環、またはシクロヘキサン環である。R42
43は共にメチル基であることが好ましい。Xは好ましくは−S−、−O−、−NR41−のいずれかを表し、より好ましくは−S−または−O−を表し、最も好ましくは−S−を表す。
一般式(3−2)中、R34は置換基を表し、好ましい置換基の例はR21に挙げた例と同じであり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシルオキシ基、またはアルコキシカルボニル基を表し、さらに好ましくは、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基を表し、最も好ましくは、ヘテロ環基、ハロゲン原子、またはシアノ基である。a34は0〜4の整数を表し、a34が2以上の時、複数のR34は同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としてはベンゼン環、ピリジン環などが好ましい。A34は好ましくは0〜2の整数を表し、より好ましくは0または1を表す。
一般式(3−3)、(3−4)にてR35〜R40はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、好ましい置換基の例はRに挙げた例に同じであり、好ましくはアルキル基またはアリール基を表すが、R35とR36は互いに連結してベンゼン環を形成することはない。
35、R36はそれぞれ好ましくは水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R37〜R40はそれぞれ好ましくは水素原子またはアルキル基を表し、より好ましくは水素原子を表す。
本発明の一般式(3−1)で表される色素前駆体は一般式(3−2)、(3−4)のいずれかで表されることがより好ましい。
本発明のホログラム記録材料及び波長532nmのYAG−SHGレーザーを用いてホログラム記録を行う場合は、本発明のホログラム記録材料には一般式(1−2)〜(1−8)、(2−2)〜(2−4)、(3−2)、(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を用いることが好ましく、一般式(1−4)、(1−5)、(3−1)のいずれかで表される色素前駆体を用いることがより好ましく、一般式(1−5)または(3−2)で表される色素前駆体を用いることが最も好ましい。
一方、本発明のホログラム記録材料及び波長400〜415nmのGaNまたはInGaN半導体レーザーを用いてホログラム記録を行う場合は、本発明のホログラム記録材料には一般式(1−9)または(3−4)で表される色素前駆体を用いることが好ましい。
以下に、本発明の一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3―4)のいずれかで表される色素前駆体の好ましい具体例を示すが、本発明はこれに限定されるわけではない。
Figure 2007233165
Figure 2007233165
Figure 2007233165
Figure 2007233165
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次に、本発明のホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素について詳しく説明する。
本発明の増感色素としては好ましくは、波長200〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかを吸収して励起状態を生成するものであり、より好ましくは波長300〜700nmの紫外光または可視光を吸収して励起状態を生成するものであり、さらに好ましくは400〜700nmの可視光を吸収して励起状態を生成するものである。
本発明の増感色素として好ましくはシアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、スチリル色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、ベンジリデン色素、オキソノール色素、アズレニウム色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、フェノチアジン色素、フェノキサジン色素、フェナジン色素、フタロシアニン色素、アザポルフィリン色素、ポルフィリン色素、縮環芳香族系色素、ペリレン色素、アゾメチン色素、アントラキノン色素、金属錯体色素、メタロセン色素等が挙げられ、より好ましくは、シアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、縮環芳香族系色素、金属錯体色素、またはメタロセン色素が挙げられ、さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、金属錯体色素、またはメタロセン色素が挙げられる。なお、金属錯体色素としては特にRu錯体色素が、メタロセン色素としては特にフェロセン類が好ましい。
その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社 1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編 シーエムシー 1981年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシー 1986年)に記載される色素および染料も本発明の増感色素として用いることができる。なお、本発明の増感色素はこれらに限定されるものではなく、可視域の光に対して吸収を示す色素および染料であればどれでも用いることができる。これらの増感色素は、使用目的に応じて光源となるレーザーの波長に合うように選択することができ、用途によっては2種類以上の増感色素を組み合わせて使用しても構わない。
なお、ホログラム記録材料は厚膜で使用しかつ記録光の多くが膜を透過する必要があるため、ホログラム露光波長における増感色素のモル吸光係数を小さくすることにより増感色素添加量を極力多くすることが高感度化のために好ましい。ホログラム露光波長における増感色素のモル吸光係数は1以上10000以下であることが好ましく、1以上5000以下であることがより好ましく、5以上2500以下であることがさらに好ましく、10以上1000以下であることが最も好ましい。
また、ホログラム記録材料の記録波長光の透過率は10〜99%であることが好ましく、20〜95%であることがより好ましく、30〜90%であることがさらに好ましく、40〜85%であることが、回折効率、感度、記録密度(多重度)の点で最も好ましい。したがって、そのようになるようにホログラム記録材料の膜厚に合わせて増感色素の記録波長におけるモル吸光係数と添加モル濃度を調整することが好ましい。
また、増感色素のλmaxはホログラム記録波長よりも短波長であることがより好ましく、ホログラム記録波長と同じから100nm短波長な範囲の間であることがさらに好ましい。
さらに、増感色素の記録波長におけるモル吸光係数はλmaxのモル吸光係数の5分の1以下であることが好ましく、10分の1以下であることがより好ましい。
特に増感色素がシアニン色素やメロシアニン色素のような有機色素の時は20分の1以下であることがより好ましく、50分の1以下であることがさらに好ましく、100分の1以下であることが最も好ましい。
以下に本発明の増感色素の具体的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるわけではな
い。
Figure 2007233165
Figure 2007233165
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Figure 2007233165
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Figure 2007233165
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なお、ホログラム記録波長が532nmのYAGレーザー2倍波の場合、増感色素としてはベンゾオキサゾール環を有するトリメチンシアニン色素、バツビツール酸性核を有するメロシアニン色素、ピラゾリジンジオン酸性核を有するベンジリデン色素、Ru錯体色素、フェロセン類が特に好ましく、400〜415nmのGaNやInGaN等のレーザーの場合、ベンゾオキサゾール環を有するモノメチンシアニン色素、メロシアニン色素、Ru錯体色素、フェロセン類が特に好ましい。
本発明の増感色素の好ましい例としては他に、特開2005−99751号に記載されている。本発明の増感色素は市販品であるか、あるいは公知の方法により合成することができる。
次に本発明のホログラム記録材料に用いる酸発生剤について述べる。
本発明の酸発生剤として好ましくは、増感色素励起状態からの電子移動により酸を発生する機能を有する化合物である。具体的には、ジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジン、スルホン酸エステルまたはイミドスルホネートが好ましく、ジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩またはトリハロメチル置換トリアジンがより好ましく、ジアリールヨードニウム塩またはスルホニウム塩が最も好ましい。
本発明の酸発生剤の好ましい具体例を以下に示す。
Figure 2007233165
また、酸増殖剤を用いることも高感度化の点で好ましい。酸増殖剤の好ましい例として具体的に例えば、特開2005−17730号に記載されている例が挙げられる。
2)潜像発色−発色体自己増感増幅発色反応による干渉縞記録
好ましくは、少なくとも、潜像としてホログラム再生光波長に吸収のない発色体をホログラム露光により生成する第1の工程と、その発色体潜像にホログラム露光とは異なり、増感色素のモル吸光係数が5000以下の波長域の光を照射し発色体を自己増感増幅生成することにより、干渉縞を屈折率変調として記録する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うことを特徴とするホログラム記録方法であり、高速書き込み、高S/N比再生
等の点で好ましい。
なお、ここで「潜像」とは、「第2の工程後形成される屈折率差の好ましくは2分の1以下の屈折率差」のこと(つまり好ましくは第2の工程にて2倍以上の増幅工程が行われること)を示し、より好ましくは5分の1以下、さらに好ましくは10分の1以下、最も好ましくは30分の1以下の屈折率差画像であること(つまり第2の工程にてより好ましくは5倍以上、さらに好ましくは10倍以上、最も好ましくは30倍以上の増幅工程が行われること)を示す。
ここで、第2の工程は光照射、熱印加のいずれかまたはその両方であることが好ましく、光照射であることがより好ましく、照射する光は全面露光(いわゆるベタ露光、ブランケット露光、ノンイメージワイズ露光)であることが好ましい。
用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、紫外光レーザー、赤外光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、LED、有機ELなどが挙げられる。特定の波長域の光を照射するために、必要に応じてシャープカットフィルターやバンドパスフィルター、回折格子等を用いることも好ましい。
さらに、そのようなホログラム記録方法に用いるホログラム記録材料としては、少なくとも、
1)ホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)増感色素励起状態または色素前駆体から成る発色体励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、及び
3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
を含むことが好ましい。
増感色素、色素前駆体、酸発生剤として好ましい例は、1)発色反応の所で述べた例と同じである。
なお、第2の工程にて照射する光の波長域では、増感色素の線形吸収のモル吸光係数が1000以下であることがより好ましく、500以下であることがさらに好ましい。
また、第2の工程にて照射する光の波長域では、発色体のモル吸光係数が1000以上であることが好ましい。
以下に「潜像発色−発色体自己増感増幅発色反応方式」の概念を説明する。
例えば、532nmのYAG・SHGレーザーをホログラム記録材料に照射し、増感色素に吸収させ励起状態を生成させる。その増感色素励起状態からの電子移動により酸発生剤から酸を発生させ、本発明の一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を発色体に変化させて発色による潜像を形成する(以上第1の工程)。次に350〜420nmの波長域の光を照射して、発色体の吸収を起こし、発色体の自己増感により発色体を増幅生成させる(以上第2の工程)。第1の工程にて干渉暗部である部分では潜像があまり生成しないため第2の工程においても自己増感発色反応はほとんど起きず、その結果干渉明部と干渉暗部にて大きな屈折率変調を形成することができ、干渉縞として記録することができる。例えば532nmのレーザーを再び用い、記録を行ったホログラム記録材料に照射すると、記録した情報、画像等を再生する、あるいは所望の光学材料として機能することができる。
潜像発色−発色体自己増感増幅発色反応の具体例として好ましくは、特開2005−99754号に記載されている例が挙げられる。
3)潜像発色−発色体増感重合反応による干渉縞記録
好ましくは、少なくとも、潜像としてホログラム再生光波長に吸収のない発色体をホログラム露光により生成する第1の工程と、その発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することにより重合を起こし、干渉縞を屈折率変調として記録する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うことを特徴とするホログラム記録方法であり、高速書きこみ、保存性等に優れる。
なお、第2の工程にて、発色体を自己増感増幅生成しつつかつ重合を起こす方法も好ましい。
さらに、そのようなホログラム記録方法に用いるホログラム記録材料としては、少なくとも、
1)第1の工程のホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
2)第1の工程にて増感色素励起状態からの、または第2の工程にて色素前駆体から成る発色体励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、
3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
4)第1の工程にて増感色素励起状態から、第2の工程にて発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、重合性化合物の重合を開始することができる重合開始剤、
5)重合性化合物、及び
6)バインダー、
を有することを特徴とするホログラム記録材料。
を含むことが好ましい。
増感色素、色素前駆体、酸発生剤として好ましい例は、1)発色反応の所で述べた例と同じである。
重合開始剤、重合性化合物、及びバインダーとして好ましい例を以下に詳しく述べる。
重合反応による干渉縞記録の際には、バインダーは重合性化合物と屈折率が違うことが好ましい。屈折率変調を大きくするためには重合性化合物とバインダーのバルクでの屈折率差は大きいことが好ましく、屈折率差は0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.1以上であることがさらに
好ましい。
そのためには、重合性化合物またはバインダーのいずれか一方が、少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、残りの一方はそれらを含まないことが好ましい。なお、重合性化合物の方がより屈折率が大きくても、バインダーの方がより屈折率が大きくても、どちらでも構わない。
本発明の重合性化合物とは、増感色素(または発色体)と重合開始剤に光を照射することにより発生したラジカル、酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)により、付加重合を起こしてオリゴマーまたはポリマー化が可能な化合物のことである。
本発明の重合性化合物としては、単官能性でも多官能性でも良く、一成分でも多成分でも良く、モノマー、プレポリマー(例えばダイマー、オリゴマー)でもこれらの混合物でもいずれでも良いが、モノマーであることが好ましい。
また、その形態は、室温において液状であっても固体状であっても良い。
本発明の重合性化合物は、ラジカル重合可能な重合性化合物とカチオン重合可能な重合性化合物に大別される。
以下に、ラジカル重合可能な重合性化合物とカチオン重合可能な重合性化合物ごとに、A)屈折率:重合性化合物>バインダーの場合と、B)屈折率:バインダー>重合性化合物、の場合にわけて好ましい重合性化合物の例を説明する。
A)屈折率:重合性化合物>バインダーの場合のラジカル重合性化合物の好ましい例
この場合、ラジカル重合性化合物は屈折率が高いことが好ましく、本発明の高屈折率ラジカル重合性化合物としては、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を分子中に有し、さらに少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含む化合物が好ましく、また沸点100℃以上の液体であることが好ましい。
具体的には以下の重合性モノマー及びそれらから成るプレポリマー(ダイマー、オリゴマー等)が挙げられる。
高屈折率ラジカル重合性モノマーとして好ましくは、スチレン、2−クロロスチレン、2−ブロモスチレン、メトキシスチレン、アクリル酸フェニル、アクリル酸p−クロロフェニル、アクリル酸2−フェニルエチル、アクリル酸2−フェノキシエチル、メタクリル酸2−フェノキシエチル、アクリル酸2−(p−クロロフェノキシ)エチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−(1−ナフチロキシ)エチル、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート又はジメタクリレート、ビスフェノール−Aのジ(2−メタクリロキシエチル)エーテル、ビスフェノール−Aのジ(2−アクリロキシエチル)エーテル、テトラクロロ−ビスフェノール−Aのジ(2−メタクリロキシエチル)エーテル、テトラブロモ−ビスフェノール−Aのジ(2−メタクリロキシエチル)エーテル、1,4−ベンゼンジオールジメタクリレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、などが挙げられ、より好ましくはアクリル酸2−フェノキシエチル、メタクリル酸2−フェノキシエチル、アクリル酸2−(p−クロロフェノキシ)エチル、アクリル酸p−クロロフェニル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−フェニルエチル、ビスフェノール−Aのジ(2−アクリロキシエチル)エーテル、アクリル酸2−(1−ナフチロキシ)エチルなどが挙げられる。
好ましい重合性化合物は液体であるが、それらはN−ビニルカルバゾール、アクリル酸2−ナフチル、アクリル酸ペンタクロロフェニル、アクリル酸2,4,6−トリブロモフェニル、ビスフェノール−Aジアクリレート、アクリル酸2−(2−ナフチロキシ)エチル、並びにN−フェニルマレイミドのような第2の固体重合性化合物と混合して使用してよい。
B)屈折率:バインダー>重合性化合物の場合のラジカル重合性化合物の好ましい例
この場合、ラジカル重合性化合物は屈折率が低いことが好ましく、本発明の低屈折率ラジカル重合性化合物としては、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を分子中に有し、さらにアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を一切含まないことが好ましい。また沸点100℃以上の液体であることが好ましい。具体的には以下の重合性モノマー及びそれらから成るプレポリマー(ダイマー、オリゴマー等)が挙げられる。
低屈折率ラジカル重合性モノマーとして好ましくは、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソ−ボルニル、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、1,3−
プロパンジオールジアクリレート、デカメチレングリコールジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−プロパンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、フマル酸ジアリル、アクリル酸1H,1H−パーフロロオクチル、メタクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフロロオクチル、アクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフロロオクチル、1−ビニル−2−ピロリジノンなどが挙げられ、より好ましくは、デカンジオールジアクリレート、アクリル酸イソ−ボルニル、トリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、アクリル酸エトキシエトキシエチル、エトキシル化トリメチロールプロパンのトリアクリレートエステル、並びに1−ビニル−2−ピロリジンなどが挙げられ、より好ましくは、デカンジオールジアクリレート、アクリル酸イソ−ボルニル、トリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、アクリル酸エトキシエトキシエチル、アクリル酸1H,1H−パーフロロオクチル、メタクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフロロオクチル、アクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフロロオクチル、1−ビニル−2−ピロリジンなどが挙げられる。
好ましい重合性化合物は液体であるが、それらは、第2の固体重合性化合物モノマー、例えばN−ビニルカプロラクタム等と混合して使用してよい。
本発明のカチオン重合性化合物は、増感色素または色素前駆体発色体とカチオン重合開始剤に光照射することにより発生した酸により重合が開始される化合物である。
本発明のカチオン重合性化合物として好ましくは、オキシラン環、オキセタン環、ビニルエーテル基、スチリル基、N−ビニルカルバゾール部位を分子中に少なくとも1個の有する化合物であり、より好ましくは2個有する化合物である。また、より好ましくはオキシラン環部位を有する化合物である。
A)屈折率:重合性化合物>バインダーの場合のカチオン重合性化合物の好ましい例
この場合、カチオン重合性化合物は屈折率が高いことが好ましく、本発明の高屈折率カチオン重合性化合物としては、少なくとも1個、好ましくは2個のオキシラン環、オキセタン環、ビニルエーテル基、スチリル基、N−ビニルカルバゾール部位を分子中に有し、さらに少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含む化合物が好ましく、少なくとも1個のアリール基を含むことが好ましい。
具体的には以下の重合性モノマー及びそれらから成るプレポリマー(ダイマー、オリゴマー等)が挙げられる。
オキシラン環を有する高屈折率カチオン重合性モノマーとして好ましくは、フェニルグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、トリメリト酸トリグリシジルエステル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロ
ポキシパーフルオロイソプロピル)ジフェニルエーテル、p−ブロモスチレンオキサイド、ビス(4−グリシジルオキシフェニル)メタン、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ビスフェノール−F−ジグリシジルエーテル、1,3−ビス(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)エチル)−1,3,−ジフェニル−1,3,−ジメチルジシロキサンなどが挙げられる。
オキセタン環を有する高屈折率カチオン重合性モノマーの具体例としては、オキシラン環としてグリシジル基1を有する前記の高屈折率カチオン重合性モノマーの具体例のグリシジル基1を、オキセタン環を含む基2に置き換えた化合物等が挙げられる。
Figure 2007233165
さらに、高屈折率カチオン重合性モノマーとしては以下の化合物も好ましく挙げられる。
Figure 2007233165
なお、オキシラン環を有するモノマーとオキセタン環を有するモノマーを併用して用いることも好ましく、その際はオキシラン環を有するモノマーに対し、5〜95質量%のオキセタン環を有するモノマーを加えることが好ましい。
ビニルエーテル基部位を有する高屈折率カチオン重合性モノマーの具体例としては例えば、ビニル−2−クロロエチルエーテル、4−ビニルエーテルスチレン、ハイドロキノンジビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル、フェノキシエチレンビニルエーテル、p−ブロモフェノキシエチレンビニルエーテルなどが挙げられる。
他に、スチレン、2−クロロスチレン、2−ブロモスチレン、メトキシスチレン等のスチレン系モノマーやN−ビニルカルバゾールも高屈折率カチオン重合性モノマーとして好ましい。
B)屈折率:バインダー>重合性化合物の場合のカチオン重合性化合物の好ましい例
この場合、カチオン重合性化合物は屈折率が低いことが好ましく、本発明の低屈折率カチオン重合性化合物としては、少なくとも1個、好ましくは2個のオキシラン環、オキセタン環、ビニルエーテル基を分子中に有し、さらにアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を一切含まない化合物が好ましい。また沸点100℃以上の液体であることが好ましい。
具体的には以下の重合性モノマー及びそれらから成るプレポリマー(ダイマー、オリゴマー等)が挙げられる。
オキシラン環を有する低屈折率カチオン重合性モノマーの具体例としては、グリセロールジグリシジルエーテル、グルセロールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールモノグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグルコールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,6−ジメチロールパーフルオロヘキサンジグリシ
ジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルオキシラン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]プロパン、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]ヘキサフルオロプロパン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3’,4’−エポキシ−1,3−ジオキサン−5−スピロシクロヘキサン、1,2−エチレンジオキシ−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメタン)、エチレングリコール−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジ−2,3−エポキシシクロペンチルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、1,3−ビス(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)エチル)−1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサンなどが挙げられる。
オキセタン環を有する低屈折率カチオン重合性モノマーの具体例としては、オキシラン環としてグリシジル基1を有する前記の低屈折率カチオン重合性モノマーの具体例のグリシジル基1を、オキセタン環を含む基2に置き換えた化合物等が挙げられる。
Figure 2007233165
さらに、低屈折率カチオン重合性モノマーとしては以下の化合物も好ましく挙げられる。
Figure 2007233165
なお、オキシラン環を有するモノマーとオキセタン環を有するモノマーを併用して用いることも好ましく、その際はオキシラン環を有するモノマーに対し、5〜95質量%のオキセタン環を有するモノマーを加えることが好ましい。
ビニルエーテル基部位を有する低屈折率カチオン重合性モノマーの具体例としては例えば、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニル−t−ブチルエーテル、エチレングリゴールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルグリコール、グリセロールジビニルエーテル、グリセロールトリビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンモノビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、アリルビニルエーテル、2,2−ビス(4−シクロヘキサノール)プロパンジビニルエーテル、2,2−ビス(4−シクロヘキサノール)トリフルオロプロパンジビニルエーテルなどが挙げられる。
次に、重合反応による干渉縞記録の際の、本発明における好ましいバインダーについて、A)屈折率:重合性化合物>バインダーの場合と、B)屈折率:バインダー>重合性化合物、の場合にわけて例を説明する。
A)屈折率:重合性化合物>バインダーの場合のバインダーの好ましい例。
この場合、バインダーは低屈折率であることが好ましく、アリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を一切含まないバインダーであることが好ましい。
好ましい低屈折率バインダーの具体例としては、アクリレート及びアルファ−アルキルアクリレートエステル及び酸性重合体及びインターポリマー(例えばポリメタクリル酸メチル及びポリメタクリル酸エチル,メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体)、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/
アクリル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸ビニル及び加水分解型ポリ酢酸ビニル)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジエン及びイソプレン重合体及び共重合体及びほぼ4,000〜1,000,000の重量平均分子量を有するポリグリコールの高分子量ポリ酸化エチレン、エポキシ化物(例えば、アクリレート又はメタクリレート基を有するエポキシ化物)、ポリアミド(例えば、N−メトキシメチルポリヘキサメチレンアジパミド)、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートサクシネート及びセルロースアセテートブチレート)、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルベンジルセルロース)、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、などが挙げられる。
また、フッ素原子含有高分子も低屈折率バインダーとして好ましい。好ましいものとしては、フルオロオレフィンを必須成分とし、アルキルビニルエーテル、アリサイクリックビニルエーテル、ヒドロキシビニルエーテル、オレフィン、ハロオレフィン、不飽和カルボン酸およびそのエステル、およびカルボン酸ビニルエステルから選ばれる1種もしくは2種以上の不飽和単量体を共重合成分とする有機溶媒に可溶性の重合体である。好ましくは、その重量平均分子量が5,000から200,000で、またフッ素原子含有量が5ないし70質量%であることが望ましい。
前記したフッ素原子含有高分子の具体例として、例えば水酸基を有する有機溶媒可溶性の「ルミフロン」シリーズ(例えばルミフロンLF200、重量平均分子量:約50,000、旭硝子社製)が挙げられる。この他にも、ダイキン工業(株)、セントラル硝子(株)、ペンウオルト社などからも有機溶媒可溶性のフッ素原子含有高分子が上市されており、これらも使用することができる。
またポリ(ジメチルシロキサン)などのケイ素化合物や芳香族を含まないシリコンオイル等も好ましい例として挙げられる。
また他に、芳香族を含まないエポキシオリゴマー化合物も低屈折率反応性バインダーとして使用することができる。
B)屈折率:バインダー>重合性化合物の場合のバインダーの好ましい例。
この場合、バインダーは高屈折率であることが好ましく、少なくとも1個ののアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含むバインダーであることが好ましく、アリール基を含むバインダーであることがより好ましい。
好ましい高屈折率バインダーの具体例としては、ポリスチレン重合体、並びに例えばアクリロニトリル、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステルとの共重合体、塩化ビニリデン共重合体(例えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、ビニリデンクロリド/メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体)、ポリ塩化ビニル及び共重合体(例えば、ポリビニルクロリド/アセテート、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体)、ポリビニルベンザル合成ゴム(例えば、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、2−クロロブタジエン−1,3重合体、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)、コポリエステル(例えば、式HO(CH)nOH(式中nは、2〜10の整数である)のポリメチレングリコール、並びに(1)ヘキサヒドロテレフタル酸、セバシン酸及びテレフタル酸、(2)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸、(3)テレフタル酸及びセバシン酸、(4)テレフタル酸及びイソフタル酸の反応生成物から製造されたもの、並びに(5)該グリコール及び(i)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸及び(ii)テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸及びアジピ
ン酸から製造されたコポリエステルの混合物)、ポリN−ビニルカルバゾール及びその共重合体、炭酸エステルとビスフェノールから成るポリカーボネートなどが挙げられる。
またポリ(メチルフェニルシロキサン)や、1,3,5−トリメチル−1,1,3,5,5−ペンタフェニルトリシロキサンなどのケイ素化合物、芳香族を多く含むシリコンオイル等も好ましい例として挙げられる。また他に、芳香族を多く含むエポキシオリゴマー化合物も高屈折率反応性バインダーとして使用することができる。
本発明の重合反応による干渉縞記録に用いる重合開始剤として好ましくは、ケトン系、有機過酸化物系、トリハロメチル置換トリアジン系、ジアゾニウム塩系、ジアリールヨードニウム塩系、スルホニウム塩系、ホウ酸塩系、ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系、スルホニウム有機ホウ素錯体系、カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系、アニオン性増感色素オニウム塩錯体系、金属アレーン錯体系、スルホン酸エステル系のいずれかのラジカル重合開始剤(ラジカル発生剤)またはカチオン重合開始剤(酸発生剤)、あるいはその両方の機能を有するものが挙げられる。
その際、酸増殖剤を用いることも高感度化の点で好ましい。酸増殖剤の好ましい例として具体的に例えば、特開2005−17730号に記載されている例が挙げられる。
本発明の重合開始剤、重合性化合物、バインダーの好ましい例として具体的には例えば、特開2005−99753号に記載されている例が挙げられる。
本発明における重合開始剤として好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれに限定されるわけではない
Figure 2007233165
Figure 2007233165
なお、第2の工程にて照射する光の波長域では、増感色素の線形吸収のモル吸光係数が1000以下であることがより好ましく、500以下であることがさらに好ましい。
また、第2の工程にて照射する光の波長域では、発色体のモル吸光係数が1000以上であることがより好ましい。
本発明のホログラム記録方法及びそのような記録が可能であるホログラム記録材料においては、第1の工程、第2の工程、またはその後の光照射、熱印加、またはその両方による定着工程のいずれかにより増感色素を分解して定着することが保存性及び非破壊再生の点で好ましく、さらには、第1の工程、第2の工程、またはその後の光照射、熱印加、またはその両方による定着工程のいずれかにより増感色素を、第2の工程、またはその後の光照射、熱印加、またはその両方による定着工程のいずれかにより発色体を分解して定着することがより好ましい。
以下に「潜像発色−発色体増感重合反応方式」の概念を説明する。
例えば、532nmのYAG・SHGレーザーをホログラム記録材料に照射し、増感色素に吸収させ励起状態を生成させる。その増感色素励起状態からの電子移動により酸発生剤から酸を発生させ、本発明の一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を発色体に変化させて発色による潜像を形成する(以上第1の工程)。次に350〜420nmの波長域の光を照射して、発色体の吸収を起こし、重合開始剤に電子移動またはエネルギー移動させることにより活性化して重合を開始させる。例えば、重合性化合物がバインダーよりも屈折率が大き
い場合、重合が起こる部分に重合性化合物が集まるため屈折率が高くなる(以上第2の工程)。第1の工程にて干渉暗部である部分では潜像があまり生成しないため第2の工程においても重合はあまり起きずバインダーの存在比が高くなり、その結果干渉明部と干渉暗部にて大きな屈折率変調を形成することができ、干渉縞として記録することができる。第1及び第2の工程、あるいはさらにその後の定着工程により増感色素及び発色体を分解して消色できれば、非破壊再生及び保存性に優れたホログラム記録材料を提供することができる。
例えば532nmのレーザーを再び用い、記録を行ったホログラム記録材料に照射すると、記録した情報、画像等を再生する、あるいは所望の光学材料として機能することができる。
潜像発色−発色体増感重合反応の具体例として好ましくは、特開2005−99753号に記載されている例が挙げられる。
本発明のホログラム記録材料は、前記のような増感色素、酸発生剤、色素前駆体、重合開始剤、重合性化合物、バインダー等に加えて、さらに必要に応じて電子供与性化合物、電子受容性化合物、連鎖移動剤、架橋剤、熱安定剤、可塑剤、溶媒等の添加物を用いることができる。
電子供与性化合物は増感色素または発色体のラジカルカチオンを還元する能力を有し、電子受容性化合物は増感色素または発色体のラジカルアニオンを酸化する能力を有し、共に増感色素または発色体を再生する機能を有する。具体的には例えば、特開2005−99751号に記載されている例が好ましい例として挙げられる。
特に電子供与性化合物は、色素前駆体群への電子移動後の増感色素または発色体ラジカルカチオンを素早く再生できるため高感度のために有用である。電子供与性化合物としては、酸化電位が増感色素または発色体の酸化電位よりも卑なものが好ましい。電子供与性化合物の好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2007233165
電子供与性化合物としては特に、フェノチアジン系化合物(例えば10−メチルフェノチアジン、10−(4’−メトキシフェニル)フェノチアジン)、トリフェニルアミン系化合物(例えばトリフェニルアミン、トリ(4’−メトキシフェニル)アミン、TPD系化合物(例えばTPD)等が好ましく、フェノチアジン系化合物がさらに好ましい。
なお、前述してきた本発明の増感色素、酸発生剤、色素前駆体、電子供与性化合物等はオリゴマーまたはポリマーでも良く、その際は主鎖に含まれても側鎖に含まれても良く、共重合体であっても良い。
ポリマー主鎖としてはどのような構造でも良いが、ポリアクリレートやポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、セルロース及びアシル化セルロース等が好ましく挙げられる。
その際、本発明のポリマーまたはオリゴマーとしては繰り返し単位が2以上100万以下であり、好ましくは3以上100万以下であり、より好ましくは5以上50万以下であり、もっとも好ましくは10以上10万以下である。
またポリマーまたはオリゴマーの分子量としては好ましくは500以上1000万以下であり、より好ましくは1000以上500万以下であり、さらに好ましくは2000以上100万以下であり、最も好ましくは3000以上100万以下である。
連鎖移動剤、架橋剤、熱安定剤、可塑剤、溶媒等の具体例として好ましい例は、特開2005−99753号に記載されている例が挙げられる。
連鎖移動剤として好ましくは、チオール類であり、例えば、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、p−ブロモベンゼンチオール、チオシアヌル酸、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、p−トルエンチオールなどが挙げられる。
特に重合開始剤が2,4,5−トリフェニルイミダゾリルダイマーの場合は連鎖移動剤を用いることが好ましい。
本発明のホログラム記録材料には、保存時の保存性を向上させるために熱安定剤を添加することができる。
有用な熱安定剤にはハイドロキノン、フェニドン、p−メトキシフェノール、アルキルおよびアリール置換されたハイドロキノンとキノン、カテコール、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、フェノチアジン、およびクロルアニールなどが含まれる。
可塑剤はホログラム記録材料の接着性、柔軟性、硬さ、およびその他の機械的諸特性を変えるために用いられる。可塑剤としては例えば、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、ジエチルセバケート、ジブチルスベレート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジブチルフタレート、アルコール類、フェノール類等が挙げられる。
本発明のホログラム記録材料は通常の方法で調製されてよい。
例えば、本発明のホログラム記録材料の製膜方法としては、前記のバインダーや各成分を溶媒等に溶かしてスピンコーターまたはバーコーター等を用いて塗布しても良い。
その際、溶媒として好ましくは例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒が挙げられる。
本発明のホログラム記録材料は、スピンコーター、ロールコーターまたはバーコーターなどを用いることによって基板上に直接塗布することも、あるいはフィルムとしてキャストしついで通常の方法により基板にラミネートすることもでき、それらによりホログラム記録材料とすることができる。
ここで、「基板」とは、任意の天然又は合成支持体、好適には柔軟性又は剛性フィルム、シートまたは板の形態で存在することができるものを意味する。
基板として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、樹脂下塗り型ポリエチレンテレフタレート、火炎又は静電気放電処理されたポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ガラス等である。
使用した溶媒は乾燥時に蒸発除去することができる。蒸発除去には加熱や減圧を用いても良い。
また本発明のホログラム記録材料は、各成分を含むバインダーをバインダーのガラス転移温度または融点以上の温度にしてメルトさせ溶融押し出しまたは射出成型して製膜しても良い。その際、バインダーとして反応性架橋バインダーを使用し、押し出しまたは成型後に架橋させて膜を硬化させ、膜強度を増しても良い。その場合、架橋反応にはラジカル重合反応、カチオン重合反応、縮合重合反応、付加重合反応等が使用できる。また、特開2000−250382号、特開2000−172154号等記載の方法も好ましく使用することができる。
また、バインダーを形成するモノマー溶液に各成分を溶解させておいた上でモノマーを熱重合または光重合させてポリマーとし、バインダーとして使用する方法も好ましく使用できる。その際の重合法としても、ラジカル重合反応、カチオン重合反応、縮合重合反応、付加重合反応等が使用できる。
さらに、ホログラム記録材料の上に、酸素遮断のための保護層を形成してもよい。保護層は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレートまたはセロファンフィルムなどのプラスチック製のフィルムまたは板を静電的な密着、押し出し機を使った積層等により貼合わせるか、前記ポリマーの溶液を塗布してもよい。また、ガラス板を貼合わせてもよい。また、保護層と感光膜の間および/または、基材と感光膜の間に、気密性を高めるために粘着剤または液状物質を存在させてもよい。
本発明のホログラム記録材料をホログラフィック光メモリ用途に用いる場合、ホログラム記録材料はホログラム記録前後で収縮等が起こらない方が信号再生時のS/N比向上の点でより好ましい。
そのため、例えば本発明のホログラム記録材料に特開2000−86914号記載の膨張剤を用いたり、特開2000−250382号、同2000−172154号、特開平11−344917号記載の耐収縮性のあるバインダーを用いることも好ましい。
また、特開平3−46687号、同5−204288号、特表平9−506441号等記載の拡散要素を用いて干渉縞間隔を調節することも好ましい。
特許文献1〜3、5〜8のような公知の通常のフォトポリマーでは多重記録を行うと、多重記録後半の方では重合がかなり進んだ所に記録することとなるため、多重記録前半に比べて、同じ信号を記録するにも露光時間を必要とする(感度が低下する)こととなり、システム設計上重大な問題とされていた。つまり、露光量に対して、屈折率変調量がリニアに上昇する範囲が非常に狭いことが問題とされていた。
それに対し、特に本発明の1)発色反応、2)潜像発色−発色体自己増感増幅発色反応等の記録方法は干渉縞記録に重合を伴わない方式であり、また、3)潜像発色−発色体増感重合反応、による記録方法においても、ホログラム露光(第1の工程)の際に重合反応をほとんど伴わなわず、第2の工程の全面露光にて一括して重合による屈折率変調を行う方式である。したがって、いずれの方法においても多くの多重記録が可能であり、さらに、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま、つまり露光量に対して屈折率変調量がリニアに上昇しながら多重記録することができるため、広いダイナミックレンジを取ることができる。このように、発色方式または潜像増幅方式を用いる本発明のホログラム記録方式は、上記多重記録適性の点で大変有利である。
これは、高密度(容量)化、記録システム簡略化、S/N比向上等の点で好ま
しい。
以上のように、本発明のホログラム記録材料は、前述の課題を抜本的に解決した、とりわけ高感度と良保存性、乾式処理、多重記録特性(高記録密度)を両立できる全く新しい記録方式を与えるものであり、特に、光記録媒体(ホログラフィック光メモリ)に用いる
ことが好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体として用いる場合には、特開2004−265472号記載の媒体構成としても良いし、その際は特開2004−335044号記載のシステムを用いて記録再生を行うことも好ましい。また、特開2004−177958号、特開2004−272268号等記載のシステムを用いて記録再生を行うことも好ましい。
さらに、本発明のホログラム記録材料は、光記録媒体の他にも、3次元ディスプレイホログラム、ホログラフィック光学素子(HOE、例えば、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス)、書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレイ、ギフト、偽造防止用のセキュリティ目的としてクレジットカード、紙幣、包装などに好ましく用いることができる。
[実施例]
以下に、本発明の具体的な実施例について実験結果を基に説明した。勿論、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[シアニンベース色素前駆体CB−11の合成例]
以下に本発明のシアニンベース色素前駆体CB−11の合成例を示すが、本発明の
合成法はこれに限定されるものではない。
Figure 2007233165
2−メルカプト−5−クロロベンゾチアゾール1 40.34g(0.2mol)、炭酸カリウム42.0g(0.3mol)、乾燥N,N−ジメチルアセトアミド200mlを窒素気流下室温にて攪拌した。そこにp−トルエンスルホン酸プロピル2 47.14g(0.22mol)を30分かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。水、酢酸エチルを加えて分液し、水で3回洗浄した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥後濃縮し、2−プロピルチオ体3の液体をほぼ定量的に得た。
そこにp−トルエンスルホン酸プロピル2 42.80g(0.2mol)を加え、外温165℃にて7時間攪拌した。冷却後、酢酸エチル−ヘキサン=1:1溶液にて3回デカンテーションし、さらに濃縮して、4級塩4のややcrudeなオイル74.2g(収率:1から81%)を得た。
2−メチルチアゾリン5 10.12g(0.1mol)、N−ブロモメチルフタルイミド6 24.05g(0.1mol)をアニソール50mlに溶解し、90℃にて1時間攪拌した。酢酸エチルを加えて冷却後ろ過し、酢酸エチルで洗うことで、4級塩7の結晶30.54g(収率89.5%)を得た。
4級塩7 17.06g(50mmol)、4級塩4 27.48g(60mmol)、トリエチルアミン11.0g(0.11mol)をアセトニトリル50mlに溶解し、60℃にて1時間攪拌した。アンモニウムヘキサフルオロホスフェート8.25g(50mmol)をメタノール30mlに溶解して加え、析出した結晶(目的物ではない)を除去し、ろ液を濃縮した。ろ液残渣に酢酸エチルを加え攪拌し、生じた結晶をロ別し、酢酸エチルで洗浄することで、シアニン色素8の粗結晶33.0gを得、そのまま次反応に進
んだ。
シアニン色素8の粗結晶33.0gをメタノール60mlに溶解し、さらにナトリウムメトキシド28%メタノール溶液40mlを加え、1時間攪拌した。濃縮後、水及び酢酸エチルを加えて分液し、水で3回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。NHシリカゲルを用い、展開溶媒にヘキサン:酢酸エチル=3:1→2:1を用いたカラムクロマトグラフィーで精製し、さらに酢酸エチル−ヘキサンから再結晶することで、シアニンベースCB−11の結晶5.23g(収率:5から33.6%)を得た。なお構造はNMR、MS、UV−Visスペクトル等にて確認した。
なお、他の本発明の一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−4)、(3−1)〜(3−9)で表されるシアニンベース色素前駆体についても、同様方法にて合成することができる。
[発色方式によるホログラム記録方法]
赤色灯下にて、表1に示した増感色素、電子供与性化合物、酸発生剤、色素前駆体、添加剤、バインダーPMMA−EA(ポリ(メチルメタクリレート−5%エチルアクリレート)共重合体、Mw101000)を、2〜4倍質量の塩化メチレン(必要によりアセトンまたはアセトニトリルも併用した)に溶解し、ホログラム記録材料用組成物201〜207を調液した。同様に特開2005−99751号実施例1記載試料106、107を比較試料として調液した。
Figure 2007233165
Figure 2007233165
表1中、%はすべてバインダーPMMA−EAに対した質量%を表す。
このホログラム記録材料用組成物201〜207及び比較試料106、107を厚さが約80μmになるようにブレードを用いてガラス基板に塗布(必要なら重ね塗り)し、感光層を形成した後、室温で1日真空乾燥して溶媒を留去した。さらに感光層上をTAC膜で覆うことにより、ホログラム記録材料201〜207及び比較試料106,107を作製した。
ホログラム記録材料を、図1に示す透過型ホログラム記録用の2光束光学系により、光源としてYAGレーザー2倍波(532nm、出力2W)を用いて露光し記録した。物体光と参照光のなす角は30度である。ビームは0.6cmの直径と8mW/cmの強度とを有しており、ホログラフィー露光時間を0.1〜400秒の範囲(照射エネルギーにして0.8〜3200mJ/cmの範囲)変化させて露光した。ホログラムに露光している間、He−Neレーザー632nmのビームをブラック角にて露光領域の中心に通し、その透過光に対した回折光の比(相対回折効率)を実時間で測定した。なお632nmには増感色素の吸収がないため、He−Neレーザーはホログラム記録材料を感光させない。
ホログラム記録材料201〜207及び比較試料106、107における最大回折効率及び収縮率の評価結果を表2に記す。なお、収縮率は反射型ホログラムを記録した際の最大回折波長の変化から求めた。なお、比較試料1として、特開平6−43634号実施例1のラジカル重合フォトポリマー方式ホログラム記録材料を作成した。
Figure 2007233165
表2から、公知の特開平6−43634号記載の比較例はラジカル重合を伴なうフォトポリマー方式であるため5%を超える大きな収縮を伴ない、特にホログラフィックメモリ用途としてはS/N比が極めて悪化し不向きである。それに対し、本発明のホログラム記録材料201〜207及び比較試料106、107は物質移動と重合を用いないで発色反応を用いた屈折率変調によるホログラム記録を行う従来のフォトポリマー方式ホログラム記録材料とは全く異なる記録方式であるため、高い回折効率と0.01%以下の極めて小さい収縮率を両立できることがわかり、特にホログラフィックメモリ用途に適している。
特に特開2005−99751号記載の比較試料106、107に対し、本発明のシアニンベース色素前駆体を用いたホログラム記録材料201〜207はより高い回折効率を与え、多重度(高記録密度)等の点で有利であることがわかる。
さらに、本発明のホログラム記録材料は露光量(mJ/cm)に応じてほぼリニアーにΔn(干渉縞における屈折率変調量、回折効率と膜厚からクーゲルニックの式に基づいて計算)が上昇し、多重記録の際有利である。
実際に、本発明のホログラム記録材料を用い、前記最大回折効率を与えた露光量の10分の1の光量で、参照光の角度を2度ずつ変えて同じ場所に10回の多重ホログラム記録を行った後、再生光の角度を2度ずつ変更して照射することによりそれぞれの物体光を再生することが可能なことを確かめた。つまり、本発明のホログラム記録材料は同じ露光量にて多重記録が可能であり、多重記録適性を有したことがわかる。このように本発明のホログラム記録材料は数多くの多重記録が可能であるため、高密度(容量)記録が可能である。
それに対し、特開平6−43634号を始めとする公知のフォトポリマー方式ホログラム記録材料は、多重記録後期はフォトポリマーの重合が進んで記録に必要なモノマーの移動が遅くなり、同じ記録を行うのに際し初期に比べてより多くの照射光量を必要とすることがわかり、多重度つまり記録密度を向上させるに際し問題であることがわかった。
なお、試料201〜207にて、増感色素をS−1,S−4,S−8,S−10,S−19,S−23,S−31,S−33,S−34,S−40、S−43,S−45,S−46、S−50,S−58,S−67,S−71、S−73,S−74,S−75、S−77,S−80,S−81、S−88、S−91,S−92、S−94,S−95,S−96、S−107,S−108,S−109,S−110に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料201〜207にて酸発生剤をI−28、I−3,I−4、I−6、I−7,I−8,I−21〜24、I−26,I−27、I−30に変更しても、同様な効果が得られた。
また、試料201〜207にて色素前駆体をCB−7、CB−8〜CB−10、CB−12、CB−14、CB−15、CB−27〜32、CB−34、CB−39、CB−47、CB−49、CB−51、CB−52、CB−56,CB−57、CB−59、CB−60、CB−62、CB−69、CB−73〜77に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料201〜207にて電子供与体をA−2、A−4〜A−9、A−12〜A−14に変更しても同様な効果が得られた。
また試料201〜207にて、バインダーをポリメチルメタクリレート(Mw996000、350000、120000)、ポリ(メチルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体(Mw75000),ポリビニルアセタール(Mw83000)、ポリカーボネート、セルロースアセテートブチレート等に変更しても同様な効果が得られた。なお、
上記Mwは重量平均分子量を表す。
ホログラム露光用の2光束光学系を説明する概略図である。
符号の説明
10 YAGレーザー
12 レーザービーム
14 鏡
20 ビームスプリッター
22 ビームセグメント
24 鏡
26 空間フィルター
28 試料
30 ホログラム記録材料
32 He−Neレーザービーム
34 He−Neレーザー
36 検出器
38 回転ステージ
40ビームエキスパンダー

Claims (20)

  1. 下記一般式(1−1)、(2−1)、(3−1)のいずれかで表される色素前駆体を含むことを特徴とするホログラム記録材料。
    Figure 2007233165
    一般式(1−1)中、X、Xはそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR12−、−CR1314−のいずれかを表し、R12〜R14はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R13とR14は互いに連結して環を形成しても良い。Rはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、L、Lはそれぞれ独立に単結合または2重結合を表す。a2〜a5はそれぞれ独立に1または2を表し、Lが単結合の時はa2、a3はそれぞれ2を表し、Lが2重結合のときはa2、a3はそれぞれ1を表し、Lが単結合の時はa4、a5はそれぞれ2を表し、Lが2重結合のときはa2、a3はそれぞれ1を表し、a2〜a5が2の時、複数のR〜Rは同じでも異なっても良い。なお、RとR、RとRは連結して環を形成して良いが、RとR、RとRの両方共連結して共にベンゼン環を形成することはない。
    一般式(2−1)中、Rは一般式(1−1)と同義である。X、Xはそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR12−、−CR1314−のいずれかを表し、R12 〜R14は一般式(1−1)と同義である。ただし、X、Xが同じであることはない。R、Rはそれぞれ独立に置換基を表し、a6、a7はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、a6、a7が2以上の時、複数のR、Rは同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良い。
    一般式(3−1)中、Zは5または6員環を形成する原子団を表し、R、Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R10、R11はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基のいずれかを表し、R10、R11は互いに連結して環を形成しても良い。n1は1〜4の整数を表す。
  2. 請求項1記載の一般式(1−1)で表される色素前駆体が下記一般式(1−2)〜(1−9)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1記載のホログラム記録材料。
    Figure 2007233165
    一般式(1−2)〜(1−9)中、Rは一般式(1)と同義である。R21は置換基を表し、a21は0〜4の整数を表し、a21が2以上の時、複数のR21は同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良い。R22〜R33はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただしR22とR23、R28とR29が互いに連結してベンゼン環を形成することはない。
  3. 請求項1記載の一般式(2−1)で表される色素前駆体が下記一般式(2−2)〜(2−5)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1記載のホログラム記録材料。
    Figure 2007233165
    一般式(2−2)〜(2−5)中、R、R、R、R12、a6、a7は一般式
    (2−1)と同義である。
  4. 請求項1記載の一般式(3−1)で表される色素前駆体が下記一般式(3−2)〜(3−4)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1記載のホログラム記録材料。
    Figure 2007233165
    一般式(3−2)〜(3−4)中、R、R、R10、R11、n1は一般式(3−1)と同義である。Xはそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR41−、−CR4243−のいずれかを表し、R41〜R43はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アル
    ケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R42とR43は互いに連結して環を形成しても良い。R34は置換基を表し、a34は0〜4の整数を表し、a34が2以上の時、複数のR34は同じでも異なってもよく、互いに連結して環を形成しても良い。R35〜R40は互いに独立に水素原子または置換基を表すが、R35とR36は互いに連結してベンゼン環を形成することはない。
  5. 請求項1、2、3及び4記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を含み、該色素前駆体がホログラム露光により発色することを用いた屈折率変調により干渉縞を形成することを特徴とするホログラム記録方法。
  6. 請求項1、2、3及び4記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体がホログラム露光により発生する酸により発色することを用いた屈折率変調により干渉縞を形成することを特徴とする請求項5記載のホログラム記録方法。
  7. 少なくとも、請求項1、2、3及び4記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を含み、ホログラム露光により発生する酸により該色素前駆体がホログラム再生光波長に吸収のない発色体を潜像として生成する第1の工程と、その発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することで発色体を自己増感増幅生成することにより、干渉縞を屈折率変調として記録する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うことを特徴とするホログラム記録方法。
  8. 請求項6、または7記載のホログラム記録方法に用いるホログラム記録材料が、少なくとも、
    1)ホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
    2)増感色素励起状態または色素前駆体から成る発色体励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、及び
    3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、請求項1、2、3及び4記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
    を含むことを特徴とするホログラム記録材料。
  9. 少なくとも、請求項1、2、3及び4記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体を含み、ホログラム露光により発生する酸により該色素前駆体がホログラム再生光波長に吸収のない発色体を潜像として生成する第1の工程と、その発色体潜像にホログラム露光とは異なる波長の光を照射することにより重合を起こし、干渉縞を屈折率変調として記録する第2の工程を有し、それらを乾式処理にて行うことを特徴とするホログラム記録方法。
  10. 請求項9記載のホログラム記録方法に用いるホログラム記録材料が、少なくとも、
    1)第1の工程のホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素、
    2)第1の工程にて増感色素励起状態から、または第2の工程にて色素前駆体から成る発色体励起状態からの電子移動により酸を発生する酸発生剤、
    3)酸が付加することにより元の状態から吸収が長波長化しかつホログラム再生光波長に吸収を有さない発色体となることができ、請求項1、2、3及び4記載の、一般式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−5)、(3−1)〜(3−4)のいずれかで表される色素前駆体、
    4)第1の工程にて増感色素励起状態から、第2の工程にて発色体励起状態から電子移動またはエネルギー移動することにより、重合性化合物の重合を開始することができる重合開始剤、
    5)重合性化合物、及び
    6)バインダー、
    を有することを特徴とするホログラム記録材料。
  11. 請求項8または10にて、酸発生剤がジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジン、スルホン酸エステル、イミドスルホネートのいずれかであることを特徴とする請求項8または10記載のホログラム記録材料。
  12. 請求項8または10記載のホログラム記録材料が増感色素または色素前駆体から生成する発色体のラジカルカチオンを還元する能力を有する電子供与性化合物を含むことを特徴とする請求項8または10記載のホログラム記録材料。
  13. 請求項12記載の電子供与性化合物がフェノチアジン類であることを特徴とする請求項12記載のホログラム記録材料。
  14. 請求項2記載の一般式(1−9)または請求項4記載の一般式(3−4)で表される色素前駆体を含むホログラム記録材料を用い、波長400〜415nmのGaNまたはInGaN半導体レーザーを用いてホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
  15. 請求項1〜4、8、10〜13のいずれかに記載のホログラム記録が書き換えできない方式であることを特徴とする請求項1〜4、8、10〜13のいずれかに記載のホログラム記録材料。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載のホログラム記録材料を用いて体積位相型ホログラム記録を行うことを特徴とする体積位相型ホログラム記録方法。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載のホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
  18. 請求項17にて、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることを特徴とする請求項17記載のホログラム記録方法。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載のホログラム記録材料から成る光記録媒体。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載のホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
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