JP2011095760A - ホログラム記録材料、ホログラム記録方法、及び光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能なホログラム記録材料及びホログラム記録方法に関するものである。
ホログラム作製に関する一般的原理は、いくつかの文献や専門書、たとえば「ホログラフィックディスプレイ」(辻内順平編、産業図書[非特許文献1])2章に記載されている。これらによれば、2光束のコヒーレントなレーザー光の一方を記録対象物に照射し、それからの全反射光を受け取れる位置に感光性のホログラム記録材料が置かれる。ホログラム記録材料には、対象物からの反射光の他に、もう一方のコヒーレントな光が、対象物に当たらずに直接照射される。対象物からの反射光を物体光、また直接記録材料に照射される光を参照光といい、参照光と物体光との干渉縞が画像情報として記録される。次に、処理された記録材料に参照光と同じ光(再生照明光)を照射すると、記録の際に対象物から記録材料に最初に到達した反射光の波面を再現するようにホログラムによって回折され、その結果、対象物の実像とほぼ同じ物体像を3次元的に観測することができる。
参照光と物体光を同じ方向からホログラム記録材料に入射させて形成されるホログラムを透過型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に垂直又は垂直に近い形で1mmに1000〜3000本程度の間隔で形成される。
一方、互いにホログラム記録材料の反対側から入射させて形成したホログラムを、一般に反射型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に平行又は平行に近い形で1mmに3000〜7000本程度の間隔で形成される。
透過型ホログラムは、例えば特開平6−43634号[特許文献1]などで開示されているような公知の方法によって作成できる。また、反射型ホログラムは、例えば特開平2−3082号[特許文献2]、特開平3−50588号[特許文献3]などに開示された公知の方法によって作成できる。
一方、互いにホログラム記録材料の反対側から入射させて形成したホログラムを、一般に反射型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に平行又は平行に近い形で1mmに3000〜7000本程度の間隔で形成される。
透過型ホログラムは、例えば特開平6−43634号[特許文献1]などで開示されているような公知の方法によって作成できる。また、反射型ホログラムは、例えば特開平2−3082号[特許文献2]、特開平3−50588号[特許文献3]などに開示された公知の方法によって作成できる。
一方、干渉縞間隔に対して膜厚が十分に厚い(通常は干渉縞間隔の5倍以上程度、又は1μm以上程度の膜厚を言う)ホログラムを体積型ホログラムという。
それに対し膜厚が干渉縞間隔の5倍以下程度又は1μm以下程度のホログラムを平面型又は表面型という。
それに対し膜厚が干渉縞間隔の5倍以下程度又は1μm以下程度のホログラムを平面型又は表面型という。
更に、色素や銀などの吸収により干渉縞を記録するホログラムを振幅型ホログラムと呼び、表面レリーフ又は屈折率変調により記録するホログラムを位相型ホログラムと呼ぶ。振幅型ホログラムは光の吸収により、光の回折効率又は反射効率が著しく低下するため光の利用効率の点で好ましくなく、通常は位相型ホログラムが好ましく用いられる。
体積位相型ホログラムでは、ホログラム記録材料中に光学的吸収ではなく屈折率の異なる干渉縞を多数形成することによって、光を吸収することなく光の位相を変調することができる。
特に反射型の体積位相型ホログラムはリップマン型ホログラムとも呼ばれ、ブラック回折による波長選択的反射により、高回折効率にてフルカラー化、白色再生、高解像度化が可能となり、高解像フルカラー3次元ディスプレイの提供が可能となる。
また最近ではその波長選択的反射を生かして、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板等に代表されるホログラム光学素子(HOE)に広く実用化されてきている。
他にも例えば、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス等に実用又は応用が検討されている。
特に反射型の体積位相型ホログラムはリップマン型ホログラムとも呼ばれ、ブラック回折による波長選択的反射により、高回折効率にてフルカラー化、白色再生、高解像度化が可能となり、高解像フルカラー3次元ディスプレイの提供が可能となる。
また最近ではその波長選択的反射を生かして、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板等に代表されるホログラム光学素子(HOE)に広く実用化されてきている。
他にも例えば、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス等に実用又は応用が検討されている。
ところで、最近の高度情報化社会の流れの中で、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、民生用途においても100GB以上の画像情報を安価簡便に記録するための高密度記録媒体の要求が高まっている。
更にコンピューター高容量化等の流れの中で、コンピューターバックアップ用途や放送バックアップ用途等の業務用途においても、1TB程度あるいはそれ以上の大容量の情報を高速かつ安価に記録できる超高密度記録媒体が求められている。
そのような中、ランダムアクセスが不可能な磁気テープ媒体や可換不可能で故障しやすいハードディスクに対し、可換かつランダムアクセス可能で小型、安価な光記録媒体がより注目されてきている。しかしながら、DVD−Rのような既存の2次元光記録媒体は物理原理上、たとえ記録再生波長を短波長化したとしてもせいぜい片面25GB程度で、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量が期待できるとは言えない状況である。
更にコンピューター高容量化等の流れの中で、コンピューターバックアップ用途や放送バックアップ用途等の業務用途においても、1TB程度あるいはそれ以上の大容量の情報を高速かつ安価に記録できる超高密度記録媒体が求められている。
そのような中、ランダムアクセスが不可能な磁気テープ媒体や可換不可能で故障しやすいハードディスクに対し、可換かつランダムアクセス可能で小型、安価な光記録媒体がより注目されてきている。しかしながら、DVD−Rのような既存の2次元光記録媒体は物理原理上、たとえ記録再生波長を短波長化したとしてもせいぜい片面25GB程度で、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量が期待できるとは言えない状況である。
そこで、究極の超高密度記録媒体として、膜厚方向に記録を行う3次元光記録媒体が注目されてきている。その有力な方法として2光子吸収材料を用いる方法とホログラフィ(干渉)を用いる方法とがあり、そのため体積位相型ホログラム記録材料は、3次元光記録媒体(ホログラフィックメモリ)として、最近俄然注目を集めるようになった。
体積位相型ホログラム記録材料を用いたホログラフィックメモリでは、3次元物体から反射する物体光の代わりに、DMDやLCDといった空間光変調素子(SLM)を用いた2次元デジタル情報(信号光と呼ぶ)を数多く記録していく。記録の際、角度多重、位相多重、波長多重、シフト多重などの多重記録を行うため1TBにも達する高容量化が可能となる。また、読み出しには通常CCDやCMOS等を用い、それらの並列書き込み、読み出しにより、1Gbpsにも達する高転送速度化も可能となる。
ところが、ホログラフィックメモリに用いるホログラム記録材料に求められる要件は、下記の如く3次元ディスプレイやHOE用途よりも更に厳しいものである。
(1)高感度であること
(2)高解像力を有すること
(3)ホログラムの回折効率が高いこと
(4)記録時の処理が乾式であり迅速であること
(5)多重記録が可能であること(ダイナミックレンジが広いこと)
(6)記録後の収縮率が小さいこと
(7)ホログラムの保存性が良いこと
(1)高感度であること
(2)高解像力を有すること
(3)ホログラムの回折効率が高いこと
(4)記録時の処理が乾式であり迅速であること
(5)多重記録が可能であること(ダイナミックレンジが広いこと)
(6)記録後の収縮率が小さいこと
(7)ホログラムの保存性が良いこと
特に、(1)高感度であることに対し、(3)回折効率が高いこと、(4)乾式処理であること、(6)記録後の収縮率が低いこと、(7)保存性が良いこと、は化学的に考えて相反する物性であり、その両立は極めて困難である。
ここで、公知の体積位相型ホログラム記録材料には、ライトワンス方式として重クロム酸ゼラチン方式、漂白ハロゲン化銀塩方式及びフォトポリマー方式などが知られ、リライタブル方式として、フォトリフラクティブ方式及びフォトクロミック高分子方式などが知られる。
しかしこれらの公知の体積位相型ホログラム記録材料において、特に高感度光記録媒体用途においては、求められる要件をすべて満たす材料は未だなく改良が望まれている。
具体的には例えば、重クロム酸ゼラチン方式は高い回折効率と低ノイズ特性という長所を有するが、保存性が極めて悪く、湿式処理が必要で低感度という問題を有し、ホログラフィックメモリ用途には適さない。
漂白ハロゲン化銀方式は高感度という長所を有するが、湿式処理が必要でかつ漂白処理が煩雑であり、また、散乱が大きい、耐光性に劣るという問題点を有し、ホログラフィックメモリ用途にはやはり一般的に適さない。
フォトリフラクティブ材料は書き換え可能という長所を有するが、記録時に高電場印加が必要、記録保存性が悪いという問題点を有する。
アゾベンゼン高分子材料等に代表されるフォトクロミック高分子方式も書き換え可能という長所を有するが、感度が極めて低く記録保存性も悪いという問題点を有する。例えば、WO9744365A1号[特許文献4]には、アゾベンゼン高分子(フォトクロミック高分子)の屈折率異方性と配向制御を用いた書き換え可能なホログラム記録材料が提示されているが、アゾベンゼン異性化の量子収率が低い上に配向変化を伴う方式であるがために感度が極めて低く、また書き換え可能であることとの相反で記録保存性も悪いという問題点を有し、実用には程遠い。
具体的には例えば、重クロム酸ゼラチン方式は高い回折効率と低ノイズ特性という長所を有するが、保存性が極めて悪く、湿式処理が必要で低感度という問題を有し、ホログラフィックメモリ用途には適さない。
漂白ハロゲン化銀方式は高感度という長所を有するが、湿式処理が必要でかつ漂白処理が煩雑であり、また、散乱が大きい、耐光性に劣るという問題点を有し、ホログラフィックメモリ用途にはやはり一般的に適さない。
フォトリフラクティブ材料は書き換え可能という長所を有するが、記録時に高電場印加が必要、記録保存性が悪いという問題点を有する。
アゾベンゼン高分子材料等に代表されるフォトクロミック高分子方式も書き換え可能という長所を有するが、感度が極めて低く記録保存性も悪いという問題点を有する。例えば、WO9744365A1号[特許文献4]には、アゾベンゼン高分子(フォトクロミック高分子)の屈折率異方性と配向制御を用いた書き換え可能なホログラム記録材料が提示されているが、アゾベンゼン異性化の量子収率が低い上に配向変化を伴う方式であるがために感度が極めて低く、また書き換え可能であることとの相反で記録保存性も悪いという問題点を有し、実用には程遠い。
そのような中、前述の特許文献1〜3に開示された乾式処理フォトポリマー方式は、バインダー、ラジカル重合可能なモノマー及び光重合開始剤を基本組成とし、屈折率変調を向上させるためにバインダー又はラジカル重合可能なモノマーのどちらか一方に芳香環又は塩素、臭素を有する化合物を用いて屈折率差を持たせる工夫をしており、その結果、ホログラム露光の際形成される干渉縞の明部にモノマーが、暗部にバインダーが集まりつつ重合が進行することにより屈折率差を形成することができる。したがって、高回折効率と乾式処理を両立できうる比較的実用的な方式といえる。
しかしながら、漂白ハロゲン化銀方式に比べると感度が1000分の1程度であること、回折効率を高めるためには2時間近い加熱定着処理を必要とすること、ラジカル重合であるため、酸素による重合阻害の影響を受け、また露光、定着後記録材料の収縮を伴い、再生時の回折波長及び角度が変化してしまう問題点があること、膜が柔らかいため保存性の点でも不足していること等からホログラフィックメモリ用途としては到底使用に耐えるものではない。
しかしながら、漂白ハロゲン化銀方式に比べると感度が1000分の1程度であること、回折効率を高めるためには2時間近い加熱定着処理を必要とすること、ラジカル重合であるため、酸素による重合阻害の影響を受け、また露光、定着後記録材料の収縮を伴い、再生時の回折波長及び角度が変化してしまう問題点があること、膜が柔らかいため保存性の点でも不足していること等からホログラフィックメモリ用途としては到底使用に耐えるものではない。
ここで一般に、ラジカル重合に対しカチオン重合、特にエポキシ化合物等の開環を伴うカチオン重合は、重合後の収縮が少なく、また酸素による重合阻害も受けず、剛性のある膜を与える。したがって、ホログラフィックメモリ用途としてはカチオン重合の方が適しているという指摘もある。
例えば、特開平5−107999号[特許文献5]、特開平8−16078号[特許文献6]等に、カチオン重合性化合物(モノマー又はオリゴマー)をバインダーの代わりに用い、更に増感色素、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合性化合物を組み合わせたホログラム記録材料が開示されている。
また、特表2001―523842号[特許文献7]、特表平11−512847号[特許文献8]等に、ラジカル重合を用いずに、増感色素、カチオン重合開始剤、カチオン重合性化合物及びバインダーのみを用いたホログラム記録材料が開示されている。
しかしこれらの公知のカチオン重合方式はラジカル重合方式に比べて、収縮率の改善が見られるものの、その相反として、感度が低下しており、実用の際には転送速度の点で大きな問題となると考えられる。また回折効率も低下しており、S/N比や多重記録の点で問題となると考えられる。更にフォトポリマーの重合率が低いと保存時に残存モノマーが移動してしまうことによる記録の消失も起こりうる。
例えば、特開平5−107999号[特許文献5]、特開平8−16078号[特許文献6]等に、カチオン重合性化合物(モノマー又はオリゴマー)をバインダーの代わりに用い、更に増感色素、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合性化合物を組み合わせたホログラム記録材料が開示されている。
また、特表2001―523842号[特許文献7]、特表平11−512847号[特許文献8]等に、ラジカル重合を用いずに、増感色素、カチオン重合開始剤、カチオン重合性化合物及びバインダーのみを用いたホログラム記録材料が開示されている。
しかしこれらの公知のカチオン重合方式はラジカル重合方式に比べて、収縮率の改善が見られるものの、その相反として、感度が低下しており、実用の際には転送速度の点で大きな問題となると考えられる。また回折効率も低下しており、S/N比や多重記録の点で問題となると考えられる。更にフォトポリマーの重合率が低いと保存時に残存モノマーが移動してしまうことによる記録の消失も起こりうる。
そこで、ホログラム記録材料をホログラフィックメモリへ応用するためには、そのような課題を抜本的に解決した、とりわけ高回折効率、低収縮性、多重記録特性(高記録密度)、良保存性を両立できる新しいフォトポリマーホログラム記録材料の開発が強く望まれていた。
「ホログラフィックディスプレイ」、辻内順平編、産業図書
そこで本発明の目的は、高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能な高感度かつ高回折効率、良保存性、低収縮率、乾式処理、多重記録特性(高記録密度)を両立することができるホログラム記録材料及びホログラム記録方法を提供することである。
発明者らの鋭意検討の結果、本発明の目的は、下記の手段により達成された。
(1) 少なくとも、下記一般式(1−1)で表されるカチオン重合性モノマーと、酸発生剤と、バインダーを含むことを特徴とするカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(1) 少なくとも、下記一般式(1−1)で表されるカチオン重合性モノマーと、酸発生剤と、バインダーを含むことを特徴とするカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
一般式(1−1)中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、L1は2価の連結基を表す。
(2) 一般式(1−1)で表されるカチオン重合性モノマーが一般式(1−2)又は(1−3)にて表されることを特徴とする(1)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(2) 一般式(1−1)で表されるカチオン重合性モノマーが一般式(1−2)又は(1−3)にて表されることを特徴とする(1)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
一般式(1−2)中、L2はアルキレン基又はアリーレン基を表し、一般式(1−3)中、L3はアルキレン基又はアリーレン基を表す。
(3) 一般式(1−2)にて、L2は炭素原子数2〜8のアルキレン基であることを特徴とする(2)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(4) 一般式(1−2)にて、L2はブチレン基であることを特徴とする(3)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(5) 一般式(1−3)にて、L3は炭素原子数1〜8のアルキレン基であることを特徴とする(2)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(6) (1)又は(2)にて、一般式(1−1)〜(1−3)で表されるカチオン重合性モノマーに加え、更に一般式(2−1)で表されるカチオン重合性モノマーを併用して用いることを特徴とする(1)〜(5)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(3) 一般式(1−2)にて、L2は炭素原子数2〜8のアルキレン基であることを特徴とする(2)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(4) 一般式(1−2)にて、L2はブチレン基であることを特徴とする(3)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(5) 一般式(1−3)にて、L3は炭素原子数1〜8のアルキレン基であることを特徴とする(2)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(6) (1)又は(2)にて、一般式(1−1)〜(1−3)で表されるカチオン重合性モノマーに加え、更に一般式(2−1)で表されるカチオン重合性モノマーを併用して用いることを特徴とする(1)〜(5)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
一般式(2−1)中、L4は単なる結合手又は2価の連結基を表し、n1はL4が単なる結合手の時は0を、L4が2価の連結基の時は1を表す。
(7) 一般式(2−1)にて、L4は単なる結合手又はアルキレン基、アリーレン基及びエーテル基から成る連結基であることを特徴とする(6)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(8) (6)にて、一般式(2−1)にて表されるカチオン重合性モノマーが、一般式(1−1)〜(1−3)にて表されるカチオン重合性モノマーに対し、質量比で5〜100%含まれることを特徴とする(6)又は(7)記載のカチオン重合ホログラム記録材料。
(9) (1)にて、バインダーがアシル化セルロース、ポリメチルメタクリレート又はポリメチルメタクリレートを含む共重合ポリマーのいずれかであることを特徴とする(1)〜(8)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(10) (9)にてアシル化セルロースがセルロースアセテートブチレートであることを特徴とする(9)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(11) 少なくとも、下記一般式(3−1)〜(3−5)のいずれかで表されるカチオン重合性モノマーと、酸発生剤と、バインダーを含むことを特徴とするカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(7) 一般式(2−1)にて、L4は単なる結合手又はアルキレン基、アリーレン基及びエーテル基から成る連結基であることを特徴とする(6)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(8) (6)にて、一般式(2−1)にて表されるカチオン重合性モノマーが、一般式(1−1)〜(1−3)にて表されるカチオン重合性モノマーに対し、質量比で5〜100%含まれることを特徴とする(6)又は(7)記載のカチオン重合ホログラム記録材料。
(9) (1)にて、バインダーがアシル化セルロース、ポリメチルメタクリレート又はポリメチルメタクリレートを含む共重合ポリマーのいずれかであることを特徴とする(1)〜(8)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(10) (9)にてアシル化セルロースがセルロースアセテートブチレートであることを特徴とする(9)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(11) 少なくとも、下記一般式(3−1)〜(3−5)のいずれかで表されるカチオン重合性モノマーと、酸発生剤と、バインダーを含むことを特徴とするカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
一般式(3−1)中、L5はアルキレン基を表し、一般式(3−2)中、L6は2価の連結基を表す。一般式(3−3)、(3−4)中、R7〜R15はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。一般式(3−5)中、L7はアルキレン基を表す。
(12) 一般式(3−1)にて、L5はメチレン基であることを特徴とする(11)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(13) 一般式(3−2)にて、L6は炭素原子数2〜8のアルキレン基であることを特徴とするカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(14) 一般式(3−3)中、R7、R9はメチル基、R8、R10、R11は水素原子であることを特徴とするカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(15) 一般式(3−4)中、R12、R14、R15はメチル基、R13は水素原子であることを特徴とするカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(16) 一般式(3−5)中、L7はブチレン基であることを特徴とするカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(17) (11)にて、一般式(3−1)〜(3−5)で表されるカチオン重合性モノマーに加え、更に一般式(2−2)で表されるカチオン重合性モノマーを併用して用いることを特徴とする(11)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(12) 一般式(3−1)にて、L5はメチレン基であることを特徴とする(11)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(13) 一般式(3−2)にて、L6は炭素原子数2〜8のアルキレン基であることを特徴とするカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(14) 一般式(3−3)中、R7、R9はメチル基、R8、R10、R11は水素原子であることを特徴とするカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(15) 一般式(3−4)中、R12、R14、R15はメチル基、R13は水素原子であることを特徴とするカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(16) 一般式(3−5)中、L7はブチレン基であることを特徴とするカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(17) (11)にて、一般式(3−1)〜(3−5)で表されるカチオン重合性モノマーに加え、更に一般式(2−2)で表されるカチオン重合性モノマーを併用して用いることを特徴とする(11)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
一般式(2−2)中、L8は単なる結合手又は2価の連結基を表し、n2はL8が単なる結合手の時は0を、L8が2価の連結基の時は1を表す。
(18) 一般式(2−2)にてL8は単なる結合手又は炭素原子数2〜8のアルキレン基を表すことを特徴とする(17)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(19) (18)にて、一般式(2−2)にて表されるカチオン重合性モノマーが、一般式(3−1)〜(3−5)にて表されるカチオン重合性モノマーに対し、質量比で5〜100%含まれることを特徴とする(17)又は(18)記載のカチオン重合ホログラム記録材料。
(20) (11)にてバインダーがポリ(スチレン−アクリロニトリル)共重合体、ポリ(スチレン−メチルメタクリレート)共重合体、ポリスチレンのいずれかであることを特徴とする(11)〜(19)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(21) (20)にてバインダーがポリ(スチレン−アクリロニトリル)共重合体であることを特徴とする(20)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(22) (1)又は(11)にて、バインダーに対するカチオン重合性モノマーの質量比が5〜100%であることを特徴とする(1)〜(21)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(23) (22)にて、バインダーに対するカチオン重合性モノマーの質量比が10〜30%であることを特徴とする(22)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(24) (1)又は(11)にて、酸発生剤がジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジン、スルホン酸エステル又はイミドスルホネートのいずれかであることを特徴とする(1)〜(23)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(25) (24)にて酸発生剤がジアリールヨードニウム塩又はスルホニウム塩であることを特徴とする(24)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(26) (1)又は(11)にて、カチオン重合性モノマー、酸発生剤、バインダーに加えて更に、ホログラム記録波長に吸収を有する増感色素を有し、該増感色素が一般式(4−1)〜(4−6)のいずれかで表されることを特徴とする(1)〜(25)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(18) 一般式(2−2)にてL8は単なる結合手又は炭素原子数2〜8のアルキレン基を表すことを特徴とする(17)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(19) (18)にて、一般式(2−2)にて表されるカチオン重合性モノマーが、一般式(3−1)〜(3−5)にて表されるカチオン重合性モノマーに対し、質量比で5〜100%含まれることを特徴とする(17)又は(18)記載のカチオン重合ホログラム記録材料。
(20) (11)にてバインダーがポリ(スチレン−アクリロニトリル)共重合体、ポリ(スチレン−メチルメタクリレート)共重合体、ポリスチレンのいずれかであることを特徴とする(11)〜(19)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(21) (20)にてバインダーがポリ(スチレン−アクリロニトリル)共重合体であることを特徴とする(20)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(22) (1)又は(11)にて、バインダーに対するカチオン重合性モノマーの質量比が5〜100%であることを特徴とする(1)〜(21)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(23) (22)にて、バインダーに対するカチオン重合性モノマーの質量比が10〜30%であることを特徴とする(22)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(24) (1)又は(11)にて、酸発生剤がジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジン、スルホン酸エステル又はイミドスルホネートのいずれかであることを特徴とする(1)〜(23)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(25) (24)にて酸発生剤がジアリールヨードニウム塩又はスルホニウム塩であることを特徴とする(24)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(26) (1)又は(11)にて、カチオン重合性モノマー、酸発生剤、バインダーに加えて更に、ホログラム記録波長に吸収を有する増感色素を有し、該増感色素が一般式(4−1)〜(4−6)のいずれかで表されることを特徴とする(1)〜(25)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
一般式(4−1)〜(4−5)中、R21、R22、R24、R25、R26、R27、R34はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基を表し、R24とR25は互いに連結して環を形成しても良く、R23、R32、R33は、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。
一般式(4−4)中、R28、R29はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。R28とR29は互いに連結して環を形成しても良い。
一般式(4−5)、(4−6)中、R30、R31、R35、R36はそれぞれ独立に置換基を表し、a30、a31、a35、a36はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。
a30、a31が2以上の時、複数のR30、R31は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。a35、a36が2以上の時、複数のR35、R36は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。またa35、a36が共に1以上の時、R35とR36は互いに連結して環を形成しても良い。CIは電荷を中和するイオンを表し、yは電荷の中和に必要な数を表す。
一般式(4−4)中、R28、R29はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。R28とR29は互いに連結して環を形成しても良い。
一般式(4−5)、(4−6)中、R30、R31、R35、R36はそれぞれ独立に置換基を表し、a30、a31、a35、a36はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。
a30、a31が2以上の時、複数のR30、R31は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。a35、a36が2以上の時、複数のR35、R36は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。またa35、a36が共に1以上の時、R35とR36は互いに連結して環を形成しても良い。CIは電荷を中和するイオンを表し、yは電荷の中和に必要な数を表す。
(27) 一般式(4−4)にて、R28が電子求引性基の置換したアルキル基であることを特徴とする(26)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(28) (27)にて、アルキル基に置換する電子求引性基がシアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基のいずれかであることを特徴とする(27)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(29) 一般式(4−5)にて、R30、R31が塩素原子であることを特徴とする(26)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(30) (1)、(11)、(26)にて、一般式(5)にて表されるアルコールを更に含むことを特徴とする(1)〜(29)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(28) (27)にて、アルキル基に置換する電子求引性基がシアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基のいずれかであることを特徴とする(27)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(29) 一般式(4−5)にて、R30、R31が塩素原子であることを特徴とする(26)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(30) (1)、(11)、(26)にて、一般式(5)にて表されるアルコールを更に含むことを特徴とする(1)〜(29)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
一般式(5)中、R41はアルキル基又はアリール基を表し、R42〜R45はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。n1は1〜10の整数を表す。
(31) 一般式(5)中、R41は炭素原子数1〜12のアルキル基であることを特徴とする(30)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(32) (26)にて、カチオン重合性モノマー、酸発生剤、バインダー、増感色素に加え、酸が付加する前はホログラム記録波長に吸収を有さず、ホログラム記録時に酸発生剤から発生する酸が付加することにより発色し、ホログラム記録波長に吸収を有する増感色素となることができる「増感色素供給用色素前駆体」を含むことを特徴とする(26)〜(31)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(33) (32)にて「増感色素供給用色素前駆体」がシアニンベース色素前駆体であることを特徴とする(32)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(34) (32)にて「増感色素供給用色素前駆体」が下記一般式(6−1)又は(6−2)で表されるシアニンベース色素前駆体であることを特徴とする(32)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(31) 一般式(5)中、R41は炭素原子数1〜12のアルキル基であることを特徴とする(30)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(32) (26)にて、カチオン重合性モノマー、酸発生剤、バインダー、増感色素に加え、酸が付加する前はホログラム記録波長に吸収を有さず、ホログラム記録時に酸発生剤から発生する酸が付加することにより発色し、ホログラム記録波長に吸収を有する増感色素となることができる「増感色素供給用色素前駆体」を含むことを特徴とする(26)〜(31)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(33) (32)にて「増感色素供給用色素前駆体」がシアニンベース色素前駆体であることを特徴とする(32)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
(34) (32)にて「増感色素供給用色素前駆体」が下記一般式(6−1)又は(6−2)で表されるシアニンベース色素前駆体であることを特徴とする(32)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
一般式(6−1)、(6−2)中、X1、X2はそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR83−、−CR84R85−のいずれかを表し、R83〜R85はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R84とR85は互いに連結して環を形成しても良い。R75はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、R71〜R74はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、L11、L12はそれぞれ独立に単結合又は2重結合を表す。a71〜a74はそれぞれ独立に1又は2を表し、L11が単結合の時はa71、a72は2を表し、L1が2重結合のときはa71、a72は1を表し、L12が単結合の時はa73、a74は2を表し、L12が2重結合のときはa73、a74は1を表し、a71〜a74が2の時、複数のR71〜R74は同じでも異なっても良い。なお、R71とR72、R73とR74は連結して環を形成して良い。R76、R77、R78は水素原子又は置換基を表し、n3は0〜3の整数を表す。
一般式(6−2)中、Z1は5又は6員環を形成する原子団を表し、R79、R80はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R81、R82はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基を表し、R81、R82は互いに連結して環を形成しても良い。n1は1〜4の整数を表す。
(35) (1)〜(34)記載のホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重記録を行うことを特徴とする(1)〜(34)記載のホログラム記録方法。
(36)(1)〜(35)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料から成る光記録媒体。
(37) (1)〜(34)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
(38) (1)〜(34)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料を用いる3次元ディスプレイホログラム。
(39) (1)〜(34)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料を用いるホログラフィック光学素子。
一般式(6−2)中、Z1は5又は6員環を形成する原子団を表し、R79、R80はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R81、R82はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基を表し、R81、R82は互いに連結して環を形成しても良い。n1は1〜4の整数を表す。
(35) (1)〜(34)記載のホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重記録を行うことを特徴とする(1)〜(34)記載のホログラム記録方法。
(36)(1)〜(35)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料から成る光記録媒体。
(37) (1)〜(34)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
(38) (1)〜(34)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料を用いる3次元ディスプレイホログラム。
(39) (1)〜(34)記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料を用いるホログラフィック光学素子。
本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料を用いることで、回折効率、収縮率、多重記録特性、保存性に優れたホログラム記録材料を提供することができる。
以下に本発明のホログラム記録方法及びホログラム記録材料について詳しく説明する。
本発明のホログラム記録方法は、カチオン重合によるフォトポリマーを用いるものである。カチオン重合性モノマーとバインダーの屈折率が異なり、ホログラム露光時に光重合と物質移動により干渉明部と干渉暗部にてカチオン重合性モノマー及びその重合反応物とバインダーとの組成比の不均一化が起こることにより、屈折率変調によるホログラム記録が可能であることを特徴とする。
本発明のホログラム記録方法は、カチオン重合によるフォトポリマーを用いるものである。カチオン重合性モノマーとバインダーの屈折率が異なり、ホログラム露光時に光重合と物質移動により干渉明部と干渉暗部にてカチオン重合性モノマー及びその重合反応物とバインダーとの組成比の不均一化が起こることにより、屈折率変調によるホログラム記録が可能であることを特徴とする。
なお、本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料は、湿式処理を行わないことが好ましい。
本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料は、書き換えできない方式であることが好ましい。なおここで、書き換えできない方式とは、不可逆反応により記録される方式であり、一度記録されたデータは、更に上書き記録して書き換えしようとしても書き換えされることなく保存できる方式を示す。したがって重要でかつ長期保存が必要なデータの保存に適する。ただし無論、まだ記録されていない領域に新たに追記して記録していくことは可能である。そのような意味で、一般には「追記型」又は「ライトワンス型」と呼ばれる。
本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料は、書き換えできない方式であることが好ましい。なおここで、書き換えできない方式とは、不可逆反応により記録される方式であり、一度記録されたデータは、更に上書き記録して書き換えしようとしても書き換えされることなく保存できる方式を示す。したがって重要でかつ長期保存が必要なデータの保存に適する。ただし無論、まだ記録されていない領域に新たに追記して記録していくことは可能である。そのような意味で、一般には「追記型」又は「ライトワンス型」と呼ばれる。
本発明のホログラム記録に用いる光は、好ましくは波長200〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかであり、より好ましくは波長300〜700nmの紫外光又は可視光であり、更に好ましくは400〜700nmの可視光である。
更に、本発明のホログラム記録に用いる光としては、コヒーレントな(位相及び波長のそろった)レーザー光が好ましい。用いられるレーザーとしては、固体レーザー、半導体レーザー、気体レーザー、液体レーザーのいずれでも良いが、好ましいレーザー光としては例えば、532nmのYAGレーザー2倍波、355nmのYAGレーザー3倍波、400〜415nm付近のGaNやInGaN等の半導体レーザー、650〜660nm付近のAlGaInP等の半導体レーザー、488又は515nmのArイオンレーザー、632又は633nmのHe−Neレーザー、647nmのKrイオンレーザー、694nmのルビーレーザーや636、634、538、534、442nmのHe−Cdレーザーなどが挙げられる。
また、ナノ秒やピコ秒オーダーのパルスレーザーを用いることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に使用する場合は、532nmのYAGレーザー2倍波又は400〜415nm付近のGaNやInGaNレーザー、650〜660nm付近のAlGaInP等の半導体レーザーを用いることが好ましい。
ホログラム露光(記録)に用いる光の波長に対し、ホログラム再生に用いる光の波長は同じであるか、長波長であることが好ましく、同じであることがより好ましい。
更に、本発明のホログラム記録に用いる光としては、コヒーレントな(位相及び波長のそろった)レーザー光が好ましい。用いられるレーザーとしては、固体レーザー、半導体レーザー、気体レーザー、液体レーザーのいずれでも良いが、好ましいレーザー光としては例えば、532nmのYAGレーザー2倍波、355nmのYAGレーザー3倍波、400〜415nm付近のGaNやInGaN等の半導体レーザー、650〜660nm付近のAlGaInP等の半導体レーザー、488又は515nmのArイオンレーザー、632又は633nmのHe−Neレーザー、647nmのKrイオンレーザー、694nmのルビーレーザーや636、634、538、534、442nmのHe−Cdレーザーなどが挙げられる。
また、ナノ秒やピコ秒オーダーのパルスレーザーを用いることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に使用する場合は、532nmのYAGレーザー2倍波又は400〜415nm付近のGaNやInGaNレーザー、650〜660nm付近のAlGaInP等の半導体レーザーを用いることが好ましい。
ホログラム露光(記録)に用いる光の波長に対し、ホログラム再生に用いる光の波長は同じであるか、長波長であることが好ましく、同じであることがより好ましい。
本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料においては、ホログラム露光の後に、光又は熱、あるいはその両方により定着工程を行っても良い。
光定着の場合は、ホログラム記録材料全域に紫外光又は可視光を全面照射(非干渉露光)する。用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、紫外光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、LED、有機ELなどが挙げられる。
熱定着の場合は、好ましくは40℃〜160℃、より好ましくは60℃〜130℃にて定着工程を行うことが好ましい。
光定着と熱定着を両方行う際は、光と熱を同時に加えても、光と熱を別々に加えてもよい。
光定着の場合は、ホログラム記録材料全域に紫外光又は可視光を全面照射(非干渉露光)する。用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、紫外光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、LED、有機ELなどが挙げられる。
熱定着の場合は、好ましくは40℃〜160℃、より好ましくは60℃〜130℃にて定着工程を行うことが好ましい。
光定着と熱定着を両方行う際は、光と熱を同時に加えても、光と熱を別々に加えてもよい。
なお、干渉縞記録の際の屈折率変調量は0.00001〜0.5であることが好ましく、0.0001〜0.3であることがより好ましい。なお、ホログラム記録材料の膜厚が厚い程屈折率変調量は少ない方が好ましく、ホログラム記録材料の膜厚が薄い程屈折率変調量は多い方が好ましい。
ホログラム記録材料の(相対)回折効率ηは以下の式で与えられる。
η=Idiff/Io (式1)
ここでIoは回折されない透過光の強度であり、Idiffは回折(透過型)又は反射(反射型)された光強度である。回折効率は0〜100%のいずれかの値を取るが、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
η=Idiff/Io (式1)
ここでIoは回折されない透過光の強度であり、Idiffは回折(透過型)又は反射(反射型)された光強度である。回折効率は0〜100%のいずれかの値を取るが、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
ホログラム記録材料の感度は、一般に単位面積当たりの露光量(mJ/cm2)で表され、この値が小さい程感度が高いと言える。しかし、どの時点の露光量をもって感度とするかは、文献、特許によってまちまちであり、記録(屈折率変調)のはじまる露光量とする場合、最大回折効率(屈折率変調)を与える露光量とする場合、最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量とする場合、露光量Eに対し、回折効率の傾きが最大となる露光量とする場合などある。
また、クーゲルニックの理論式より、ある回折効率を与えるための屈折率変調量Δnは膜厚dに反比例する。つまり、ある回折効率を与えるための感度は膜厚によっても異なり、膜厚dが厚くなる程少ない屈折率変調量Δnで済む。したがって、膜厚等の条件を揃えない限り、感度は一概には比較することはできない。
本発明においては、感度は「最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量(mJ/cm2)」と定義する。本発明のホログラム記録材料の感度は、例えば膜厚が10〜200μm程度の場合、2J/cm2以下であることが好ましく、1J/cm2以下であることがより好ましく、500mJ/cm2以下であることが更に好ましく、200mJ/cm2以下であることが最も好ましい。
また、クーゲルニックの理論式より、ある回折効率を与えるための屈折率変調量Δnは膜厚dに反比例する。つまり、ある回折効率を与えるための感度は膜厚によっても異なり、膜厚dが厚くなる程少ない屈折率変調量Δnで済む。したがって、膜厚等の条件を揃えない限り、感度は一概には比較することはできない。
本発明においては、感度は「最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量(mJ/cm2)」と定義する。本発明のホログラム記録材料の感度は、例えば膜厚が10〜200μm程度の場合、2J/cm2以下であることが好ましく、1J/cm2以下であることがより好ましく、500mJ/cm2以下であることが更に好ましく、200mJ/cm2以下であることが最も好ましい。
本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料を光記録媒体としてホログラフィックメモリに用いる際は、DMDやLCDといった空間光変調素子(SLM)を用いて2次元デジタル情報(信号光と呼ぶ)を数多く記録していくことが好ましい。記録には記録密度を上げるために多重記録を用いることが好ましく、多重記録の方法には、角度多重、位相多重、波長多重、シフト多重などの多重記録を行う方法があるが、角度多重記録又はシフト多重記録を用いることが好ましい。また、再生される2次元データの読み出しにはCCDやCMOSが好ましく用いられる。
本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料は、光記録媒体としてホログラフィックメモリに用いる際は、容量(記録密度)を向上させるために多重記録を行うことが必須である。その際、10回以上の多重記録を行うことがより好ましく、50回以上の多重記録を行うことが更に好ましく、100回以上の多重記録を行うことが最も好ましい。
なお、本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料を光記録媒体に用いる際は、保存時ホログラム記録材料は遮光カートリッジ内に保存されていることが好ましい。また、記録光及び再生光波長以外の紫外光、可視光、赤外光の波長域の一部をカットすることができる遮光フィルターをホログラム記録材料の表面、裏面又はその両面に備え付けていることも好ましい。
本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料を光記録媒体に用いる際は、光記録媒体はディスク状でもカード状でもテープ状であっても良くいかなる形状であっても良い。
以下に本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料の各成分について詳しく説明する。
本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料は、少なくとも酸発生剤(重合開始剤)、カチオン重合性モノマー及びバインダーを有し、好ましくは更に増感色素を有し、カチオン重合性モノマーとバインダーの屈折率が異なり、ホログラム露光時に増感色素による光吸収により起こる光重合と物質移動によって、干渉明部と干渉暗部にてカチオン重合性モノマー及びその重合反応物とバインダーとの組成比の不均一化が起こることにより、屈折率変調によるホログラム記録が可能であることを特徴とする。
ただし、増感色素と酸発生剤はその機能を兼ねても良い。すなわち、酸発生剤(重合開始剤)を直接励起して記録を行っても良い。
ただし、増感色素と酸発生剤はその機能を兼ねても良い。すなわち、酸発生剤(重合開始剤)を直接励起して記録を行っても良い。
まず、本発明のホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素について詳しく説明する。
本発明の増感色素としては好ましくは、波長200〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかを吸収して励起状態を生成するものであり、より好ましくは波長300〜700nmの紫外光又は可視光を吸収して励起状態を生成するものであり、更に好ましくは400〜700nmの可視光を吸収して励起
状態を生成するものである。
状態を生成するものである。
本発明の増感色素は特に好ましくは一般式(4−1)〜(4−6)のいずれかにて表される。
一般式(4−1)〜(4−5)中、R21、R22、R24、R25、R26、R27、R34はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素原子数(以下C数という)1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−オクタデシル、ベンジル、2−メトキシエチル、2−ブトキシエチル、2−(2’−メトキシエトキシ)エチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−(メチルスルホニル)エチル、2−(フェニルスルホニル)エチル、メトキシカルボニルメチル、2−(アセチルオキシ)メチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)のいずれかを表す。
R24とR25は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては好ましくはベンゼン環、ナフタレン環である。
R21、R22は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基を表し、より好ましくはアルキル基を表し、最も好ましくはエチル基を表す。
R24は好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基を表し、より好ましくは水素原子又はメチル基を表す。
R25は好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基を表し、より好ましくは水素原子又はフェニル基を表す。
R26、R27は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基を表し、より好ましくはメチル基又はフェニル基を表し、最も好ましくはフェニル基を表す。
R34は好ましくは水素原子又はアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又はエチル基を表す。
R24とR25は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては好ましくはベンゼン環、ナフタレン環である。
R21、R22は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基を表し、より好ましくはアルキル基を表し、最も好ましくはエチル基を表す。
R24は好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基を表し、より好ましくは水素原子又はメチル基を表す。
R25は好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基を表し、より好ましくは水素原子又はフェニル基を表す。
R26、R27は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基を表し、より好ましくはメチル基又はフェニル基を表し、最も好ましくはフェニル基を表す。
R34は好ましくは水素原子又はアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又はエチル基を表す。
一般式(4−1)〜(4−3)(4−5)中、R23、R32、R33は、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基(以上好ましい置換基の例はR21に挙げた例に同じ)を表し、好ましくはアルキル基を表す。
一般式(4−4)中、R28、R29はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基(以上好ましい置換基の例はR21に挙げた例に同じ)を表し、好ましくはアルキル基を表す。
特に、R28は電子求引性基の置換したアルキル基であることが好ましい。ここで電子求引性基とはHammetのσm値が負の値を示す置換基であり、電子求引性基として好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基であり、より好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基である。
R28としては、これらの電子求引性基がα位又はβ位で置換したアルキル基であることが好ましく、好ましい具体例としては例えば、2−メトキシエチル、2−ブトキシエチル、2−(2’−メトキシエトキシ)エチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−(メチルスルホニル)エチル、2−(フェニルスルホニル)エチル、メトキシカルボニルメチル、2−(アセチルオキシ)メチル等が挙げられ、より好ましい具体例としては、例えば、2−メトキシエチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、メトキシカルボニルメチル等が挙げられる。
R28とR29はそれぞれ連結して環を形成しても良く、形成する環としては好ましくはピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環などが挙げられる。
特に、R28は電子求引性基の置換したアルキル基であることが好ましい。ここで電子求引性基とはHammetのσm値が負の値を示す置換基であり、電子求引性基として好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基であり、より好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基である。
R28としては、これらの電子求引性基がα位又はβ位で置換したアルキル基であることが好ましく、好ましい具体例としては例えば、2−メトキシエチル、2−ブトキシエチル、2−(2’−メトキシエトキシ)エチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−(メチルスルホニル)エチル、2−(フェニルスルホニル)エチル、メトキシカルボニルメチル、2−(アセチルオキシ)メチル等が挙げられ、より好ましい具体例としては、例えば、2−メトキシエチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、メトキシカルボニルメチル等が挙げられる。
R28とR29はそれぞれ連結して環を形成しても良く、形成する環としては好ましくはピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環などが挙げられる。
一般式(4−5)、(4−6)中、R30、R31、R35、R36はそれぞれ独立に置換基を表し、置換基として好ましい例は、例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、2−ブトキシエチル、2−(2’−メトキシエトキシ)エチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、カルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、である。
R30及びR31としてより好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基であり、更に好ましくは、ハロゲン原子であり、最も好ましくは塩素原子である。
R32及びR33として、より好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基である。
a30、a31、a35、a36はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。a30、a31が2以上の時、複数のR30、R31は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては好ましくはベンゼン環、ピリジン環等が挙げられる。a30、a31は0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることが好ましい。
a35、a36が2以上の時、複数のR35、R36は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては好ましくはベンゼン環、ピリジン環等が挙げられる。またa35、a36が共に1以上の時、R35とR36は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては好ましくはベンゼン環等が挙げられる。a35、a36は0又は1であることが好ましい。
CIは電荷を中和するイオンを表す。ある化合物が陽イオン、陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を持つかどうかは、その置換基に依存する。典型的な陽イオンはアンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンであり、一方、陰イオンは無機イオンあるいは有機イオンのいずれであってもよい。
陽イオンとしては、たとえば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ジエチル(i−プロピル)アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、1−エチルピリジニウムイオンであり、陰イオンとしては、たとえば、ハロゲン陰イオン(例えば、塩素イオン、臭素イオン、フッ素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、パラトルエンスルホン酸イオン)、置換アルキルスルホン酸イオン(例えばメタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、過塩素酸イオン、酢酸イオン、PF6 -、SbF6 -、BF4 -、B(C6F5)4 -、などが挙げられる。yは電荷を中和するのに必要な数を表す。
R30及びR31としてより好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基であり、更に好ましくは、ハロゲン原子であり、最も好ましくは塩素原子である。
R32及びR33として、より好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基である。
a30、a31、a35、a36はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。a30、a31が2以上の時、複数のR30、R31は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては好ましくはベンゼン環、ピリジン環等が挙げられる。a30、a31は0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることが好ましい。
a35、a36が2以上の時、複数のR35、R36は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては好ましくはベンゼン環、ピリジン環等が挙げられる。またa35、a36が共に1以上の時、R35とR36は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては好ましくはベンゼン環等が挙げられる。a35、a36は0又は1であることが好ましい。
CIは電荷を中和するイオンを表す。ある化合物が陽イオン、陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を持つかどうかは、その置換基に依存する。典型的な陽イオンはアンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンであり、一方、陰イオンは無機イオンあるいは有機イオンのいずれであってもよい。
陽イオンとしては、たとえば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ジエチル(i−プロピル)アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、1−エチルピリジニウムイオンであり、陰イオンとしては、たとえば、ハロゲン陰イオン(例えば、塩素イオン、臭素イオン、フッ素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、パラトルエンスルホン酸イオン)、置換アルキルスルホン酸イオン(例えばメタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、過塩素酸イオン、酢酸イオン、PF6 -、SbF6 -、BF4 -、B(C6F5)4 -、などが挙げられる。yは電荷を中和するのに必要な数を表す。
以下に、一般式(4−1)〜(4−6)で表される本発明の増感色素の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、一般式(4−1)〜(4−6)で表される増感色素以外にも、本発明の増感色素としては、シアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、スチリル色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、ベンジリデン色素、オキソノール色素、アズレニウム色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、フェノチアジン色素、フェノキサジン色素、フェナジン色素、フタロシアニン色素、アザポルフィリン色素、ポルフィリン色素、縮環芳香族系色素、ペリレン色素、アゾメチン色素、アントラキノン色素、金属錯体色素、メタロセン色素等が挙げられ、より好ましくは、シアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、縮環芳香族系色素、金属錯体色素、メタロセン色素等も好ましく挙げられる。更に好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、金属錯体色素、メタロセン色素が挙げられる。なお、金属錯体色素としては特にRu錯体色素が、メタロセン色素としては特にフェロセン類が好ましい。
その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社 1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編 シーエムシー 1981年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシー 1986年)に記載される色素及び染料も 本発明の増感色素として用いることができる。なお、本発明の増感色素はこれらに限定されるものではなく、可視域の光に対して吸収を示す色素及び染料であればどれでも用いることができる。これらの増感色素は、使用目的に応じて光源となるレーザーの波長に合うように選択することができ、用途によっては2種類以上の増感色素を組み合わせて使用しても構わない。
その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社 1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編 シーエムシー 1981年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシー 1986年)に記載される色素及び染料も 本発明の増感色素として用いることができる。なお、本発明の増感色素はこれらに限定されるものではなく、可視域の光に対して吸収を示す色素及び染料であればどれでも用いることができる。これらの増感色素は、使用目的に応じて光源となるレーザーの波長に合うように選択することができ、用途によっては2種類以上の増感色素を組み合わせて使用しても構わない。
以下に本発明の増感色素の具体的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるわけではない。
なお、カチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料は厚膜で使用しかつ記録光の多くが膜を透過する必要があるため、ホログラム露光波長における増感色素のモル吸光係数を小さくすることにより増感色素添加量を極力多くすることが高感度化のために好ましい。ホログラム露光波長における増感色素のモル吸光係数は1以上10000以下であることが好ましく、1以上5000以下であることがより好ましく、5以上2500以下であることが更に好ましく、10以上1000以下であることが最も好ましい。
また、ホログラム記録材料の記録波長光の透過率は10〜99%であることが好ましく、20〜95%であることがより好ましく、30〜90%であることが更に好ましく、40〜85%であることが、回折効率、感度、記録密度(多重度)の点で最も好ましい。したがって、そのようになるようにホログラム記録材料の膜厚に合わせて増感色素の記録波長におけるモル吸光係数と添加モル濃度を調整することが好ましい。
また、増感色素のλmaxはホログラム記録波長よりも短波長であることがより好ましく、ホログラム記録波長と同じから100nm短波長な範囲の間であることが更に好ましい。
更に、増感色素の記録波長におけるモル吸光係数はλmaxのモル吸光係数の5分の1以下であることが好ましく、10分の1以下であることがより好ましい。
特に増感色素がシアニン色素やメロシアニン色素のような有機色素の時は20分の1以下であることがより好ましく、50分の1以下であることが更に好ましく、100分の1以下であることが最も好ましい。
特に増感色素がシアニン色素やメロシアニン色素のような有機色素の時は20分の1以下であることがより好ましく、50分の1以下であることが更に好ましく、100分の1以下であることが最も好ましい。
なお、ホログラム記録波長が532nmのYAGレーザー2倍波の場合、増感色素としてはベンゾオキサゾール環を有するトリメチンシアニン色素、バツビツール酸性核を有するメロシアニン色素、ピラゾリジンジオン酸性核を有するベンジリデン色素、Ru錯体色素、フェロセン類が特に好ましく、400〜415nmのGaNやInGaN等のレーザーの場合、ベンゾオキサゾール環を有するモノメチンシアニン色素、メロシアニン色素、Ru錯体色素、フェロセン類が特に好ましい。
本発明の増感色素の好ましい例としては他に、特開2005−99751号に記載されている。本発明の増感色素は市販品であるか、あるいは公知の方法により合成することができる。
次に本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料に用いられるカチオン重合性モノマー及びバインダーについて述べる。
重合反応による干渉縞記録の際には、カチオン重合性モノマーとバインダーの屈折率が違うことが好ましい。屈折率変調を大きくするためにはカチオン重合性モノマーとバインダーのバルクでの屈折率差は大きいことが好ましく、屈折率差は0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.1以上であることが更に好ましい。
そのためには、カチオン重合性モノマー又はバインダーのいずれか一方が、少なくとも1個以上のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、残りの一方はそれらを含まないことが好ましい。なお、カチオン重合性モノマーの方がより屈折率が大きくても、バインダーの方がより屈折率が大きくても、どちらでも構わない。
そのためには、カチオン重合性モノマー又はバインダーのいずれか一方が、少なくとも1個以上のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、残りの一方はそれらを含まないことが好ましい。なお、カチオン重合性モノマーの方がより屈折率が大きくても、バインダーの方がより屈折率が大きくても、どちらでも構わない。
本発明のカチオン重合性モノマーは、増感色素と酸発生剤(重合開始剤)に光を照射することにより発生した酸(ブレンステッド酸又はルイス酸)により、付加重合を起こしてオリゴマー又はポリマー化が可能な化合物である。
以下に、A)屈折率:カチオン重合性モノマー>バインダーの場合と、B)屈折率:バインダー>カチオン重合性モノマー、の場合にわけて好ましいカチオン重合性モノマーの例を説明する。
以下に、A)屈折率:カチオン重合性モノマー>バインダーの場合と、B)屈折率:バインダー>カチオン重合性モノマー、の場合にわけて好ましいカチオン重合性モノマーの例を説明する。
A)屈折率:カチオン重合性モノマー>バインダーの場合のカチオン重合性モノマーの好ましい例
この場合、本発明のカチオン重合性モノマーは、一般式(1−1)で表されることが好ましい。
一般式(1−1)中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、好ましくは水素原子又はメチル基を表し、水素原子であることがより好ましい。
一般式(1−1)中、L1は2価の連結基を表し、何れの連結基でも良いが、好ましくはアルキレン基(好ましくは炭素原子数(以下C数という)1〜20、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン)、アリーレン基(好ましくはC数6〜26、例えばフェニレン、ナフチレン)、アルケニレン基(好ましくはC数2〜20、例えばエテニレン、プロペニレン)、アルキニレン基(好ましくはC数2〜20、例えばエチニレン、プロピニレン)、アミド基、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、エーテル基、カルボニル基、ヘテリレン基(好ましくはC数1〜26、例えば6−クロロ−1,3,5−トリアジル−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される炭素原子数0〜100以下、好ましくは1以上又は20以下の連結基を表し、より好ましくはアルキレン基、アリーレン基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される炭素原子数2以上20以下の連結基を表す。
一般式(1−1)中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、好ましくは水素原子又はメチル基を表し、水素原子であることがより好ましい。
一般式(1−1)中、L1は2価の連結基を表し、何れの連結基でも良いが、好ましくはアルキレン基(好ましくは炭素原子数(以下C数という)1〜20、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン)、アリーレン基(好ましくはC数6〜26、例えばフェニレン、ナフチレン)、アルケニレン基(好ましくはC数2〜20、例えばエテニレン、プロペニレン)、アルキニレン基(好ましくはC数2〜20、例えばエチニレン、プロピニレン)、アミド基、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、エーテル基、カルボニル基、ヘテリレン基(好ましくはC数1〜26、例えば6−クロロ−1,3,5−トリアジル−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される炭素原子数0〜100以下、好ましくは1以上又は20以下の連結基を表し、より好ましくはアルキレン基、アリーレン基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される炭素原子数2以上20以下の連結基を表す。
一般式(1−1)で表されるカチオン重合性モノマーは、一般式(1−2)又は(1−3)にて表されることが好ましい。
一般式(1−2)中、L2はアルキレン基(好ましくはC数1〜20、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレン、オクチレン)又はアリーレン基(好ましくはC数6〜20、例えば1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン)を表し、好ましくはアルキレン基を表し、更に好ましくはC数2〜8のアルキレン基を表し、最も好ましくはブチレン基を表す。
一般式(1−3)中、L3はアルキレン基又はアリーレン基を表し(以上好ましい例はL2に示した例に同じ)、好ましくはアルキレン基を表し、最も好ましくはC数1〜8のアルキレン基を表す。
一般式(1−2)中、L2はアルキレン基(好ましくはC数1〜20、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレン、オクチレン)又はアリーレン基(好ましくはC数6〜20、例えば1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン)を表し、好ましくはアルキレン基を表し、更に好ましくはC数2〜8のアルキレン基を表し、最も好ましくはブチレン基を表す。
一般式(1−3)中、L3はアルキレン基又はアリーレン基を表し(以上好ましい例はL2に示した例に同じ)、好ましくはアルキレン基を表し、最も好ましくはC数1〜8のアルキレン基を表す。
以下に、一般式(1−1)〜(1−3)で表される本発明のカチオン重合性モノマーの具体例を示すが本発明はこれに限定されるものではない
本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料においては、一般式(1−1)〜(1−3)で表されるカチオン重合性モノマーに加え、更に一般式(2−1)で表されるカチオン重合性モノマーを併用して用いることも好ましい。
一般式(2−1)中、L4は単なる結合手又は2価の連結基を表し(好ましい例としてはL1に挙げた例が挙げられる。)、好ましくは単なる結合手、アルキレン基、アリーレン基又はアルキレン基とアリーレン基及びエーテル基から成る連結基であり、より好ましくは単なる結合手又はアルキレン基とアリーレン基及びエーテル基から成る連結基である。
n1はL4が単なる結合手の時は0を、L4が2価の連結基の時は1を表す。
n1はL4が単なる結合手の時は0を、L4が2価の連結基の時は1を表す。
一般式(2−1)にて表されるカチオン重合性モノマーを使用する際は、一般式(1−1)〜(1−3)にて表されるカチオン重合性モノマーに対し、質量比で5〜95%含まれることが好ましい。
以下に一般式(2−1)にて表されるカチオン重合性モノマーの具体例を示すが本発明はこれに限定されるものではない。
A)屈折率:重合性化合物>バインダーの場合のバインダーの好ましい例。
この場合、バインダーは低屈折率であることが好ましく、アリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を一切含まないバインダーであることが好ましい。
好ましい低屈折率バインダーの具体例としては、アクリレート及びアルファ−アルキルアクリレートエステル及び酸性重合体及びインターポリマー(例えばポリメタクリル酸メチル及びポリメタクリル酸エチル,メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体)、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/アクリル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸ビニル及び加水分解型ポリ酢酸ビニル)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジエン及びイソプレン重合体及び共重合体及びほぼ4,000〜1,000,000の平均分子量を有するポリグリコールの高分子量ポリ酸化エチレン、エポキシ化物(例えば、アクリレート又はメタクリレート基を有するエポキシ化物)、ポリアミド(例えば、N−メトキシメチルポリヘキサメチレンアジパミド)、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートサクシネート及びセルロースアセテートブチレート)、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルベンジルセルロース)、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、などが挙げられる。
好ましい低屈折率バインダーの具体例としては、アクリレート及びアルファ−アルキルアクリレートエステル及び酸性重合体及びインターポリマー(例えばポリメタクリル酸メチル及びポリメタクリル酸エチル,メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体)、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/アクリル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸ビニル及び加水分解型ポリ酢酸ビニル)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジエン及びイソプレン重合体及び共重合体及びほぼ4,000〜1,000,000の平均分子量を有するポリグリコールの高分子量ポリ酸化エチレン、エポキシ化物(例えば、アクリレート又はメタクリレート基を有するエポキシ化物)、ポリアミド(例えば、N−メトキシメチルポリヘキサメチレンアジパミド)、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートサクシネート及びセルロースアセテートブチレート)、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルベンジルセルロース)、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、などが挙げられる。
また、フッ素原子含有高分子も低屈折率バインダーとして好ましい。好ましいものとしては、フルオロオレフィンを必須成分とし、アルキルビニルエーテル、アリサイクリックビニルエーテル、ヒドロキシビニルエーテル、オレフィン、ハロオレフィン、不飽和カルボン酸及びそのエステル、及びカルボン酸ビニルエステルから選ばれる1種若しくは2種以上の不飽和単量体を共重合成分とする有機溶媒に可溶性の重合体である。好ましくは、その重量平均分子量が5,000から200,000で、またフッ素原子含有量が5ないし70質量%であることが望ましい。
前記したフッ素原子含有高分子の具体例として、例えば水酸基を有する有機溶媒可溶性の「ルミフロン」シリーズ(例えばルミフロンLF200、重量平均分子量:約50,000、旭硝子社製)が挙げられる。この他にも、ダイキン工業(株)、セントラル硝子(株)、ペンウオルト社などからも有機溶媒可溶性のフッ素原子含有高分子が上市されており、これらも使用することができる。
またポリ(ジメチルシロキサン)などのケイ素化合物や芳香族を含まないシリコンオイル等も好ましい例として挙げられる。
また他に、芳香族を含まないエポキシオリゴマー化合物も低屈折率反応性バインダーとして使用することができる。
また他に、芳香族を含まないエポキシオリゴマー化合物も低屈折率反応性バインダーとして使用することができる。
屈折率が重合性化合物>バインダーの場合の本発明のバインダーとしてより好ましくは、アシル化セルロース、ポリメチルメタクリレート又はポリメチルメタクリレートを含む共重合ポリマーのいずれかが挙げられ、更に好ましくはアシル化セルロースであり、最も好ましくはセルロースアセテートブチレートである。
B)屈折率:カチオン重合性モノマー<バインダーの場合のカチオン重合性モノマーの好ましい例
この場合、本発明のカチオン重合性モノマーは一般式(3−1)〜(3−5)のいずれかで表されることが好ましい。
一般式(3−1)中、L5はアルキレン基を表し(好ましい例はL2に挙げた例に同じ)、より好ましくはメチレン基を表す。
一般式(3−2)中、L6は2価の連結基を表し(好ましい例はL1に挙げた例に同じ、より好ましくはアルキレン基、アリーレン基、又はアルキレン基とアリーレン基及びエーテル基から成る連結基であり、より好ましくはアルキレン基であり、更に好ましくは炭素原子数2〜8のアルキレン基である。
一般式(3−2)中、L6は2価の連結基を表し(好ましい例はL1に挙げた例に同じ、より好ましくはアルキレン基、アリーレン基、又はアルキレン基とアリーレン基及びエーテル基から成る連結基であり、より好ましくはアルキレン基であり、更に好ましくは炭素原子数2〜8のアルキレン基である。
一般式(3−3)、(3−4)中、R7〜R15はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又はメチル基を表す。
一般式(3−3)中、R7、R9はメチル基、R8、R10、R11は水素原子で あることがより好ましい。
一般式(3−4)中、R12、R14、R15はメチル基、R13は水素原子であることがより好ましい。
一般式(3−3)中、R7、R9はメチル基、R8、R10、R11は水素原子で あることがより好ましい。
一般式(3−4)中、R12、R14、R15はメチル基、R13は水素原子であることがより好ましい。
一般式(3−5)中、L7はアルキレン基を表し、好ましくは炭素原子数2〜8のアルキレン基を表し、より好ましくはブチレン基を表す。
以下に、一般式(3−1)〜(3−5)で表される本発明のカチオン重合性モノマーの具体例を示すが本発明はこれに限定されるものではない
本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料においては、一般式(3−1)〜(3−5)で表されるカチオン重合性モノマーに加え、更に一般式(2−2)で表されるカチオン重合性モノマーを併用して用いることも好ましい。
一般式(2−2)中、L8は単なる結合手又は2価の連結基を表し(好ましい例はL1に挙げた例に同じ)、n2はL8が単なる結合手の時は0を、L8が2価の連結基の時は1を表す。
L8は単なる結合手又は炭素原子数2〜8のアルキレン基であることが好ましい。
L8は単なる結合手又は炭素原子数2〜8のアルキレン基であることが好ましい。
一般式(2−2)にて表されるカチオン重合性モノマーを使用する際は、一般式(3−1)〜(3−5)にて表されるカチオン重合性モノマーに対し、質量比で5〜95%含まれることが好ましい。
以下に一般式(2−2)にて表されるカチオン重合性モノマーの具体例を示すが本発明はこれに限定されるものではない。
B)屈折率:バインダー>重合性化合物の場合のバインダーの好ましい例。
この場合、バインダーは高屈折率であることが好ましく、少なくとも1個以上のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含むバインダーであることが好ましく、アリール基を含むバインダーであることがより好ましい。
好ましい高屈折率バインダーの具体例としては、ポリスチレン重合体、並びに例えばアクリロニトリル、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステルとの共重合体、塩化ビニリデン共重合体(例えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、ビニリデンクロリド/メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体)、ポリ塩化ビニル及び共重合体(例えば、ポリビニルクロリド/アセテート、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体)、ポリビニルベンザル合成ゴム(例えば、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、2−クロロブタジエン−1,3重合体、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)、コポリエステル(例えば、式HO(CH2)nOH(式中nは、2〜10の整数である)のポリメチレングリコール、並びに(1)ヘキサヒドロテレフタル酸、セバシン酸及びテレフタル酸、(2)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸、(3)テレフタル酸及びセバシン酸、(4)テレフタル酸及びイソフタル酸の反応生成物から製造されたもの、並びに(5)該グリコール及び(i)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸及び(ii)テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸及びアジピン酸から製造されたコポリエステルの混合物)、ポリN−ビニルカルバゾール及びその共重合体、炭酸エステルとビスフェノールから成るポリカーボネートなどが挙げられる。
好ましい高屈折率バインダーの具体例としては、ポリスチレン重合体、並びに例えばアクリロニトリル、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステルとの共重合体、塩化ビニリデン共重合体(例えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、ビニリデンクロリド/メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体)、ポリ塩化ビニル及び共重合体(例えば、ポリビニルクロリド/アセテート、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体)、ポリビニルベンザル合成ゴム(例えば、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、2−クロロブタジエン−1,3重合体、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)、コポリエステル(例えば、式HO(CH2)nOH(式中nは、2〜10の整数である)のポリメチレングリコール、並びに(1)ヘキサヒドロテレフタル酸、セバシン酸及びテレフタル酸、(2)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸、(3)テレフタル酸及びセバシン酸、(4)テレフタル酸及びイソフタル酸の反応生成物から製造されたもの、並びに(5)該グリコール及び(i)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸及び(ii)テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸及びアジピン酸から製造されたコポリエステルの混合物)、ポリN−ビニルカルバゾール及びその共重合体、炭酸エステルとビスフェノールから成るポリカーボネートなどが挙げられる。
またポリ(メチルフェニルシロキサン)や、1,3,5−トリメチル−1,1,3,5,5−ペンタフェニルトリシロキサンなどのケイ素化合物、芳香族を多く含むシリコンオイル等も好ましい例として挙げられる。
また他に、芳香族を多く含むエポキシオリゴマー化合物も高屈折率反応性バインダーとして使用することができる。
また他に、芳香族を多く含むエポキシオリゴマー化合物も高屈折率反応性バインダーとして使用することができる。
屈折率が重合性化合物<バインダーの場合の本発明のバインダーとしてより好ましくは、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)共重合体、ポリ(スチレン−メチルメタクリレート)共重合体、ポリスチレンのいずれかであり、最も好ましくはポリ(スチレン−アクリロニトリル)共重合体である。共重合比(質量比)はいくつであっても良いが75:25であることが最も好ましい。
なお、本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料において、バインダーに対するカチオン重合性モノマーの質量比は5〜100%であることが好ましく、10〜30%であることがより好ましい。
本発明のカチオン重合性モノマーは市販品であるか、あるいは公知の方法により合成することができる。
本発明のカチオン重合反応による干渉縞記録に用いる酸発生剤(重合開始剤)としては、ジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジン、スルホン酸エステル又はイミドスルホネートが好ましく、ジアリールヨードニウム塩又はスルホニウム塩がより好ましい。
本発明の酸発生剤の好ましい例として具体的には例えば、特開2005−99753号に記載されている例が挙げられる。
本発明における酸発生剤として好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれに限定されるわけではない。
本発明の酸発生剤は市販品であるか、あるいは公知の方法により合成することができる。
本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料には、感度及び回折効率向上の目的で、一般式(5)にて表されるアルコールを更に含むことも好ましい。
一般式(5)中、R41はアルキル基又はアリール基を表し(以上好ましい例はR21に挙げた例に同じ)、より好ましくはアルキル基を表し、更に好ましくは炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、最も好ましくはヘキシル基を表す。
R42〜R45はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、好ましくは水素原子を表す。
n1は1〜10の整数を表し、好ましくは1〜4の整数を表し、より好ましくは2を表す。
一般式(5)中、R41はアルキル基又はアリール基を表し(以上好ましい例はR21に挙げた例に同じ)、より好ましくはアルキル基を表し、更に好ましくは炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、最も好ましくはヘキシル基を表す。
R42〜R45はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、好ましくは水素原子を表す。
n1は1〜10の整数を表し、好ましくは1〜4の整数を表し、より好ましくは2を表す。
以下に、一般式(5)にて表される本発明のアルコールの好ましい具体例を示すが本発明はこれに限定されるものではない。
本発明のアルコールは市販品であるか、あるいは公知の方法により合成することができる。
本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料においては、カチオン重合性モノマー、酸発生剤、バインダー、増感色素、アルコール等に加え、酸が付加する前はホログラム記録波長に吸収を有さず、ホログラム記録時に酸発生剤から発生する酸が付加することにより発色し、ホログラム記録波長に吸収を有する増感色素となることができる「増感色素供給用色素前駆体」を含むことも、増感色素の分解による感度、回折効率低下を補償する目的で好ましい。「増感色素供給用色素前駆体」はシアニンベース色素前駆体であることが好ましく、シアニンベース色素前駆体は一般式(6−1)又は(6−2)で表されることがより好ましい。
一般式(6−1)、(6−2)中、X1、X2はそれぞれ独立に−S−、−O−、−NR83−、−CR84R85−のいずれかを表し、R83〜R85はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し(以上好ましい例はR21に挙げた例に同じ)、アルキル基であることがより好ましい。なお、R83とR84は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては、シクロヘキサン環、シクロペンタン環が好ましい。
一般式(6−1)中、R75はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し(以上好ましい例はR30に挙げた例に同じ)、好ましくはアルキル基を表す。
一般式(6−1)中、R71〜R74はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し(好ましい例はR30に挙げた例に同じ)、好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基を表す。
一般式(6−1)中、L11、L12はそれぞれ独立に単結合又は2重結合を表す。a71〜a74はそれぞれ独立に1又は2を表し、L11が単結合の時はa71、a72は2を表し、L1が2重結合のときはa71、a72は1を表し、L12が単結合の時はa73、a74は2を表し、L12が2重結合のときはa73、a74は1を表し、a71〜a74が2の時、複数のR71〜R74は同じでも異なっても良い。なお、R71とR72、R73とR74は連結して環を形成して良く、形成する環としてはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が好ましい。
一般式(6−1)中、R76、R77・R78は水素原子又は置換基を表し(好ましい例はR30に挙げた例に同じ)、好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環、ハロゲン原子を表し、より好ましくは水素原子又はアルキル基を表す。
一般式(6−1)中、n3は0〜3の整数を表し、好ましくは0又は1を表し、より好ましくは0を表す。
一般式(6−1)中、R75はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し(以上好ましい例はR30に挙げた例に同じ)、好ましくはアルキル基を表す。
一般式(6−1)中、R71〜R74はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し(好ましい例はR30に挙げた例に同じ)、好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基を表す。
一般式(6−1)中、L11、L12はそれぞれ独立に単結合又は2重結合を表す。a71〜a74はそれぞれ独立に1又は2を表し、L11が単結合の時はa71、a72は2を表し、L1が2重結合のときはa71、a72は1を表し、L12が単結合の時はa73、a74は2を表し、L12が2重結合のときはa73、a74は1を表し、a71〜a74が2の時、複数のR71〜R74は同じでも異なっても良い。なお、R71とR72、R73とR74は連結して環を形成して良く、形成する環としてはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が好ましい。
一般式(6−1)中、R76、R77・R78は水素原子又は置換基を表し(好ましい例はR30に挙げた例に同じ)、好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環、ハロゲン原子を表し、より好ましくは水素原子又はアルキル基を表す。
一般式(6−1)中、n3は0〜3の整数を表し、好ましくは0又は1を表し、より好ましくは0を表す。
一般式(6−2)中、Z1は5又は6員環を形成する原子団を表し、形成される5又は6員環として好ましくはピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、キノリン環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピロール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、イミダゾリン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環、インドレニン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアゾリン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、オキサゾリン環、を表し、より好ましくはピリジン環、キノリン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、イミダゾリン環、インドレニン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアゾリン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、オキサゾリン環、を表し、更に好ましくは、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアゾリン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、オキサゾリン環を表す。
一般式(6−2)中、R79、R80はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、(好ましい例はR30に挙げた例に同じ)を表し、好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環、ハロゲン原子を表し、より好ましくは水素原子又はアルキル基を表し、最も好ましくは水素原子を表す。
一般式(6−2)中、R81、R82はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基を表し(以上好ましい例はR30に挙げた例に同じ)、より好ましくはアルキル基又はアルコキシカルボニル基が置換したアルキル基(好ましくは例えば、エトキシカルボニルメチル、ヘキシルオキシカルボニルメチル、オクチルオキシカルボニルメチル、オクチルオキシカルボニルプロピル)を表す。R81、R82は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては好ましくはピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環などが挙げられる。
一般式(6−2)中、n1は1〜4の整数を表し、好ましくは1又は2を表し、より好ましくは1を表す。
一般式(6−2)中、R79、R80はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、(好ましい例はR30に挙げた例に同じ)を表し、好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環、ハロゲン原子を表し、より好ましくは水素原子又はアルキル基を表し、最も好ましくは水素原子を表す。
一般式(6−2)中、R81、R82はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基を表し(以上好ましい例はR30に挙げた例に同じ)、より好ましくはアルキル基又はアルコキシカルボニル基が置換したアルキル基(好ましくは例えば、エトキシカルボニルメチル、ヘキシルオキシカルボニルメチル、オクチルオキシカルボニルメチル、オクチルオキシカルボニルプロピル)を表す。R81、R82は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては好ましくはピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環などが挙げられる。
一般式(6−2)中、n1は1〜4の整数を表し、好ましくは1又は2を表し、より好ましくは1を表す。
以下に本発明における「増感色素供給用色素前駆体」としてのシアニンベース色素前駆体の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明のシアニンベース色素前駆体は公知の方法により合成することができる。
本発明のホログラム記録材料は、前記のような増感色素、酸発生剤、カチオン重合性モノマー、バインダー、アルコール、増感色素供給色素前駆体、等に加えて、更に必要に応じて電子供与性化合物、電子受容性化合物、架橋剤、可塑剤、溶媒等の添加物を用いることができる。
電子供与性化合物は増感色素のラジカルカチオンを還元する能力を有し、電子受容性化合物は増感色素のラジカルアニオンを酸化する能力を有し、共に増感色素発色体を再生する機能を有する。具体的には例えば、特開2005−99751号に記載されている例が好ましい例として挙げられる。
特に電子供与性化合物は、酸発生剤への電子移動後の増感色素のラジカルカチオンを素早く再生できるため高感度のために有用である。電子供与性化合物としては、酸化電位が増感色素の酸化電位よりも卑なものが好ましい。電子供与性化合物の好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
特に電子供与性化合物は、酸発生剤への電子移動後の増感色素のラジカルカチオンを素早く再生できるため高感度のために有用である。電子供与性化合物としては、酸化電位が増感色素の酸化電位よりも卑なものが好ましい。電子供与性化合物の好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
電子供与性化合物としては特に、フェノチアジン系化合物(例えば10−メチルフェノチアジン、10−(4‘−メトキシフェニル)フェノチアジン)、トリフェニルアミン系化合物(例えばトリフェニルアミン、トリ(4’−メトキシフェニル)アミン、TPD系化合物(例えばTPD)等が好ましく、フェノチアジン系化合物が更に好ましい。
架橋剤、可塑剤、溶媒等の具体例として好ましい例は、特開2005−99753号に記載されている例が挙げられる。
可塑剤はホログラム記録材料の接着性、柔軟性、硬さ、及びその他の機械的諸特性を変えるために用いられる。可塑剤としては例えば、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、ジエチルセバケート、ジブチルスベレート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジブチルフタレート、アルコール類、フェノール類等が挙げられる。
本発明のホログラム記録材料は通常の方法で調製されてよい。
例えば、本発明のホログラム記録材料の製膜方法としては、前記のバインダーや各成分を溶媒等に溶かしてスピンコーター又はバーコーター等を用いて塗布しても良い。
その際、溶媒として好ましくは例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒が挙げられる。
例えば、本発明のホログラム記録材料の製膜方法としては、前記のバインダーや各成分を溶媒等に溶かしてスピンコーター又はバーコーター等を用いて塗布しても良い。
その際、溶媒として好ましくは例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒が挙げられる。
本発明のホログラム記録材料は、スピンコーター、ロールコーター又はバーコーターなどを用いることによって基板上に直接塗布することも、あるいはフィルムとしてキャストしついで通常の方法により基板にラミネートすることもでき、それらによりホログラム記録材料とすることができる。
ここで、「基板」とは、任意の天然又は合成支持体、好適には柔軟性又は剛性フィルム、シート又は板の形態で存在することができるものを意味する。
基板として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、樹脂下塗り型ポリエチレンテレフタレート、火炎又は静電気放電処理されたポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ガラス等である。
使用した溶媒は乾燥時に蒸発除去することができる。蒸発除去には加熱や減圧を用いても良い。
ここで、「基板」とは、任意の天然又は合成支持体、好適には柔軟性又は剛性フィルム、シート又は板の形態で存在することができるものを意味する。
基板として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、樹脂下塗り型ポリエチレンテレフタレート、火炎又は静電気放電処理されたポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ガラス等である。
使用した溶媒は乾燥時に蒸発除去することができる。蒸発除去には加熱や減圧を用いても良い。
また本発明のホログラム記録材料は、各成分を含むバインダーをバインダーのガラス転移温度又は融点以上の温度にしてメルトさせ溶融押し出し又は射出成型して製膜しても良い。その際、バインダーとして反応性架橋バインダーを使用し、押し出し又は成型後に架橋させて膜を硬化させ、膜強度を増しても良い。その場合、架橋反応にはラジカル重合反応、カチオン重合反応、縮合重合反応、付加重合反応等が使用できる。また、特開2000−250382号、特開2000−172154号等記載の方法も好ましく使用することができる。
また、バインダーを形成するモノマー溶液に各成分を溶解させておいた上でモノマーを熱重合又は光重合させてポリマーとし、バインダーとして使用する方法も好ましく使用できる。その際の重合法としても、ラジカル重合反応、カチオン重合反応、縮合重合反応、付加重合反応等が使用できる。
また、バインダーを形成するモノマー溶液に各成分を溶解させておいた上でモノマーを熱重合又は光重合させてポリマーとし、バインダーとして使用する方法も好ましく使用できる。その際の重合法としても、ラジカル重合反応、カチオン重合反応、縮合重合反応、付加重合反応等が使用できる。
更に、ホログラム記録材料の上に、酸素遮断のための保護層を形成してもよい。保護層は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート又はセロファンフィルムなどのプラスチック製のフィルムまたは板を静電的な密着、押し出し機を使った積層等により貼合わせるか、前記ポリマーの溶液を塗布してもよい。また、ガラス板を貼合わせてもよい。また、保護層と感光膜の間及び/又は、基材と感光膜の間に、気密性を高めるために粘着剤又は液状物質を存在させてもよい。
本発明のホログラム記録材料をホログラフィック光メモリ用途に用いる場合、ホログラム記録材料はホログラム記録前後で収縮等が起こらない方が信号再生時のS/N比向上の点でより好ましい。
そのため、例えば本発明のホログラム記録材料に特開2000−86914号記載の膨張剤を用いたり、特開2000−250382号、2000−172154、特開平11−344917号記載の耐収縮性のあるバインダーを用いることも好ましい。
また、特開平3−46687号、5−204288号、特表平9−506441号等記載の拡散要素を用いて干渉縞間隔を調節することも好ましい。
そのため、例えば本発明のホログラム記録材料に特開2000−86914号記載の膨張剤を用いたり、特開2000−250382号、2000−172154、特開平11−344917号記載の耐収縮性のあるバインダーを用いることも好ましい。
また、特開平3−46687号、5−204288号、特表平9−506441号等記載の拡散要素を用いて干渉縞間隔を調節することも好ましい。
以上のように、本発明のホログラム記録材料は、前述の課題を抜本的に解決した、とりわけ高回折効率と低収縮性、乾式処理、多重記録特性(高記録密度)、良保存性を両立できる全く新しい記録方式を与えるものであり、特に、光記録媒体(ホログラフィック光メモリ)に用いることが好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体として用いる場合には、特開2004−265472号記載の媒体構成としても良いし、その際は特開2004−335044号記載のシステムを用いて記録再生を行うことも好ましい。また、特開2004−177958号、特開2004−272268号等記載のシステムを用いて記録再生を行うことも好ましい。
更に、本発明のホログラム記録材料は、光記録媒体の他にも、3次元ディスプレイホログラム、ホログラフィック光学素子(HOE、例えば、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス)、書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレイ、ギフト、偽造防止用のセキュリティ目的としてクレジットカード、紙幣、包装などに好ましく用いることができる。
以下に、本発明の具体的な実施例について実験結果を基に説明した。勿論、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
[本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料を用いたホログラム記録]
赤色灯下にて、表1に示した増感色素、カチオン重合性モノマー、バインダー、アルコール、増感色素供給用色素前駆体を、3〜4倍質量の塩化メチレンに溶解、攪拌し、更に酸発生剤を塩化メチレンの15質量%のアセトニトリルに溶解して加え、更に攪拌してホログラム記録材料用組成物101〜124を調液した。なお、バインダーCABはセルロースアセテートブチレート(イーストマンコダック社製CAB+531−1)、バインダーPS−ANはポリ(スチレン−25%wtアクリロニトリル)共重合体(Mw165000、ACROS社製)を表す。
[本発明のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料を用いたホログラム記録]
赤色灯下にて、表1に示した増感色素、カチオン重合性モノマー、バインダー、アルコール、増感色素供給用色素前駆体を、3〜4倍質量の塩化メチレンに溶解、攪拌し、更に酸発生剤を塩化メチレンの15質量%のアセトニトリルに溶解して加え、更に攪拌してホログラム記録材料用組成物101〜124を調液した。なお、バインダーCABはセルロースアセテートブチレート(イーストマンコダック社製CAB+531−1)、バインダーPS−ANはポリ(スチレン−25%wtアクリロニトリル)共重合体(Mw165000、ACROS社製)を表す。
このホログラム記録材料用組成物101〜124を厚さが約80μmになるようにブレードを用いてガラス基板に塗布(必要なら重ね塗り)し、感光層を形成した後、40℃で3分間乾燥して溶媒を留去した。更に感光層上をハードコート層付きのTAC膜で覆うことにより、ホログラム記録材料101〜124を作製した。
更に、特表平11−512847号の実施例2に従い、増感色素S−57 1.33mg、ヨードニウム塩I−13 0.133g、カチオン重合性モノマーM−1 2.0g、ポリシロキサンバインダーB−1 0.667g(ダウケミカル社製Dow710)を塩化メチレン0.397gに溶解し、後は本発明の試料と同様にて公知のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料を調製し、比較例1とした。膜厚も80μmとなるようにそろえた。
ホログラム記録材料を、図1に示す透過型ホログラム記録用の2光束光学系により、光源としてYAGレーザー2倍波(532nm、出力2W)を用いて露光し記録した。物体光と参照光のなす角は30度である。ビームは0.6cmの直径と8mW/cm2の強度とを有しており、ホログラフィー露光時間を0.1〜800秒の範囲(照射エネルギーにして0.8〜6400mJ/cm2の範囲)変化させて露光した。ホログラムに露光している間、He−Neレーザー632nmのビームをブラック角にて露光領域の中心に通し、その入射光に対した回折光の比(絶対回折効率)を実時間で測定した。なお632nmには増感色素の吸収がないため、He−Neレーザーはホログラム記録材料を感光させない。
ホログラム記録材料101〜124及び比較例1における最大回折効率及び収縮率の評価結果を表2に記す。なお、収縮率は反射型ホログラムにおける最大回折波長の変化率から求めた。
表2から、公知の特表平11−512847号記載の比較例1に比べ、本発明のカチオン重合フォトポリマー記録材料は回折効率が高く、ホログラフィックメモリ用途、3Dディスプレイホログラム用途にて有利である。
また収縮率も小さく、ホログラフィックメモリ用途において、多重記録やS/Nの点で有利であることがわかる。
また収縮率も小さく、ホログラフィックメモリ用途において、多重記録やS/Nの点で有利であることがわかる。
次に、本発明のカチオン重合ホログラム記録材料を用い、前記最大回折効率を与えた露光量の10分の1の光量で、参照光の角度を1度ずつ変えて同じ場所に10回の多重ホログラム記録を行った後、再生光の角度を1度ずつ変更して照射することによりそれぞれの物体光を回折効率を維持したまま再生することが可能なことを確かめた。それに対し比較例1で同様なことを行うと、再生時の回折効率がかなり低下していることがわかった。これは比較例1のバインダーが液体であるため膜がやわらかすぎ、多重記録時に記録の保持が困難なためであると推察される。
以上より、本発明のホログラム記録材料は多重記録特性が良いため、更に多くの多重記録が可能であり、高密度(容量)記録が可能であると考えられる。
更に、本発明のホログラム記録材料101〜124及び比較ホログラム記録材料1をホログラム記録後80℃dry条件で5日暗保存し、その後再び回折効率を測定した。フレッシュ時の回折効率に対する、80℃dry5日保存後の回折効率の残存率を以下の表3にまとめた。
表3から、比較例1は記録の保存性が悪く、これはバインダーが液体で柔らかいことと、カチオン重合性モノマー及びその重合物の熱安定性が悪いためであると考えれるのに対し、本発明のカチオン重合ホログラム記録材料は保存性に非常に優れ、ホログラフィックメモリ用途や3Dディスプレイホログラム用途にて有利であることがわかる。
なお、試料101〜124にて、増感色素をSS−1、SS−5、SS−13、SS−16、SS−19〜SS−21、SS−31〜SS−41、SS−47、SS−48、S−1〜S−3,S−8,S−10,S−11,S−50、S−58、S−75、S−79、S−86を用いても同様な効果が得られた。
また、試料101〜124にて、酸発生剤をI−2〜I−14、I−21〜I−25、PI−2〜PI−17、PI−28〜PI−45に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料101〜124にてアルコールをAA−1、AA−2、AA−5〜AA−6、AA−11、AA−12に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料101〜110にて、カチオン重合性モノマーをHE−2〜HE−8、HE−12に変更しても、あるいはOX−1、OX−2、OX−4を更に添加しても同様な効果が得られた。
また試料114〜120にて、カチオン重合性モノマーOX−4の代わりにOX−5〜OX−7を用いても同様な効果が得られた。
また、試料101〜124にて、酸発生剤をI−2〜I−14、I−21〜I−25、PI−2〜PI−17、PI−28〜PI−45に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料101〜124にてアルコールをAA−1、AA−2、AA−5〜AA−6、AA−11、AA−12に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料101〜110にて、カチオン重合性モノマーをHE−2〜HE−8、HE−12に変更しても、あるいはOX−1、OX−2、OX−4を更に添加しても同様な効果が得られた。
また試料114〜120にて、カチオン重合性モノマーOX−4の代わりにOX−5〜OX−7を用いても同様な効果が得られた。
10 YAGレーザー
12 レーザービーム
14 鏡
20 ビームスプリッター
22 ビームセグメント
24 鏡
26 空間フィルター
28 試料
30 ホログラム記録材料
32 He−Neレーザービーム
34 He−Neレーザー
36 検出器
38 回転ステージ
40ビームエキスパンダー
12 レーザービーム
14 鏡
20 ビームスプリッター
22 ビームセグメント
24 鏡
26 空間フィルター
28 試料
30 ホログラム記録材料
32 He−Neレーザービーム
34 He−Neレーザー
36 検出器
38 回転ステージ
40ビームエキスパンダー
Claims (21)
- 前記バインダーがアシル化セルロース、ポリメチルメタクリレート又はポリメチルメタクリレートを含む共重合ポリマーのいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
- 請求項5にて、バインダーがポリ(スチレン−アクリロニトリル)共重合体であることを特徴とする請求項5又は6記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
- 請求項1又は5にて、バインダーに対するカチオン重合性モノマーの質量比が5〜100%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
- 請求項8にて、バインダーに対するカチオン重合性モノマーの質量比が10〜30%であることを特徴とする請求項8記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
- 請求項1又は5にて、酸発生剤がジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジン、スルホン酸エステル又はイミドスルホネートのいずれかであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
- 請求項10にて酸発生剤がジアリールヨードニウム塩又はスルホニウム塩であることを特徴とする請求項10記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
- 請求項1又は5にて、カチオン重合性モノマー、酸発生剤、バインダーに加えてさらに、ホログラム記録波長に吸収を有する増感色素を有し、該増感色素が一般式(4−1)〜(4−6)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
一般式(4−4)中、R28、R29はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。R28とR29は互いに連結して環を形成しても良い。
一般式(4−5)、(4−6)中、R30、R31、R35、R36はそれぞれ独立に置換基を表し、a30、a31、a35、a36はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。a30、a31が2以上の時、複数のR30、R31は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。a35、a36が2以上の時、複数のR35、R36は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。またa35、a36が共に1以上の時、R35とR36は互いに連結して環を形成しても良い。CIは電荷を中和するイオンを表し、yは電荷の中和に必要な数を表す。 - 一般式(4−4)にて、R28が電子求引性基の置換したアルキル基であることを特徴とする請求項12記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
- 請求項12にて、カチオン重合性モノマー、酸発生剤、バインダー、増感色素に加え、酸が付加する前はホログラム記録波長に吸収を有さず、ホログラム記録時に酸発生剤から発生する酸が付加することにより発色し、ホログラム記録波長に吸収を有する増感色素となることができる「増感色素供給用色素前駆体」を含むことを特徴とする請求項12〜14記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
- 請求項15にて「増感色素供給用色素前駆体」が下記一般式(6−1)又は(6−2)で表されるシアニンベース色素前駆体であることを特徴とする請求項15記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料。
一般式(6−2)中、Z1は5又は6員環を形成する原子団を表し、R79、R80はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R81、R82はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基を表し、R81、R82は互いに連結して環を形成しても良い。n1は1〜4の整数を表す。 - 請求項1〜16記載のホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重記録を行うことを特徴とする請求項1〜16記載のホログラム記録方法。
- 請求項1〜17記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料から成る光記録媒体。
- 請求項1〜18記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
- 請求項1〜16記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料を用いる3次元ディスプレイホログラム。
- 請求項1〜16記載のカチオン重合フォトポリマーホログラム記録材料を用いるホログラフィック光学素子。
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