JP2006227403A - ホログラム記録材料、ホログラム記録方法、ホログラム記録再生方法、光記録媒体、光記録媒体への記録再生方法、3次元ディスプレイホログラム、3次元ディスプレイホログラムの製造方法、ホログラフィック光学素子及びホログラフィック光学素子の製造方法 - Google Patents

ホログラム記録材料、ホログラム記録方法、ホログラム記録再生方法、光記録媒体、光記録媒体への記録再生方法、3次元ディスプレイホログラム、3次元ディスプレイホログラムの製造方法、ホログラフィック光学素子及びホログラフィック光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能な高感度かつ高回折効率、良保存性、低収縮率、乾式処理、多重記録特性(高記録密度)を両立することができるホログラム記録材料を提供する。
【解決手段】
少なくとも、ホログラム記録光を吸収し励起状態を生成する増感色素と、増感色素励起状態からの電子移動またはエネルギー移動により酸を発生する酸発生剤と、酸により吸収変化を伴う反応を起こすことができる一般式(1)で表される色素前駆体とを有し、該吸収変化による屈折率変調を用いて干渉縞を記録することを特徴とするホログラム記録材料。
一般式(1)
PD1−AP
一般式(1)中、PD1はAPとの結合が切断されることにより吸収変化を起こす成分を含む基を表し、APは酸によりPD1との結合を切断することができる部位を含む基を表す。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能なホログラム記録材料及びホログラム記録方法に関するものである。
ホログラム作製に関する一般的原理は、いくつかの文献や専門書、たとえば「ホログラフィックディスプレイ」(辻内順平編、産業図書[非特許文献1])2章に記載されている。これらによれば、2光束のコヒーレントなレーザー光の一方を記録対象物に照射し、それからの全反射光を受け取れる位置に感光性のホログラム記録材料が置かれる。ホログラム記録材料には、対象物からの反射光の他に、もう一方のコヒーレントな光が、対象物に当たらずに直接照射される。対象物からの反射光を物体光、また直接記録材料に照射される光を参照光といい、参照光と物体光との干渉縞が画像情報として記録される。次に、処理された記録材料に参照光と同じ光(再生照明光)を照射すると、記録の際に対象物から記録材料に最初に到達した反射光の波面を再現するようにホログラムによって回折され、その結果、対象物の実像とほぼ同じ物体像を3次元的に観測することができる。
参照光と物体光を同じ方向からホログラム記録材料に入射させて形成されるホログラムを透過型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に垂直または垂直に近い形で1mmに1000〜3000本程度の間隔で形成される。
一方、互いにホログラム記録材料の反対側から入射させて形成したホログラムを、一般に反射型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に平行または平行に近い形で1mmに3000〜7000本程度の間隔で形成される。
透過型ホログラムは、例えば特開平6−43634号[特許文献1]などで開示されているような公知の方法によって作成できる。また、反射型ホログラムは、例えば特開平2−3082号[特許文献2]、特開平3−50588号[特許文献3]などに開示された公知の方法によって作成できる。
一方、干渉縞間隔に対して膜厚が十分に厚い(通常は干渉縞間隔の5倍以上程度、または1μm以上程度の膜厚を言う)ホログラムを体積型ホログラムという。
それに対し膜厚が干渉縞間隔の5倍以下程度または1μm以下程度のホログラムを平面型または表面型という。
さらに、色素や銀などの吸収により干渉縞を記録するホログラムを振幅型ホログラムと呼び、表面レリーフまたは屈折率変調により記録するホログラムを位相型ホログラムと呼ぶ。振幅型ホログラムは光の吸収により、光の回折効率または反射効率が著しく低下するため光の利用効率の点で好ましくなく、通常は位相型ホログラムが好ましく用いられる。
体積位相型ホログラムでは、ホログラム記録材料中に光学的吸収ではなく屈折率の異なる干渉縞を多数形成することによって、光を吸収することなく光の位相を変調することができる。
特に反射型の体積位相型ホログラムはリップマン型ホログラムとも呼ばれ、ブラック回折による波長選択的反射により、高回折効率にてフルカラー化、白色再生、高解像度化が可能となり、高解像フルカラー3次元ディスプレイの提供が可能となる。
また最近ではその波長選択的反射を生かして、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板等に代表されるホログラム光学素子(HOE)に広く実用化されてきている。
他にも例えば、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス等に実用または応用が検討されている。
ところで、最近の高度情報化社会の流れの中で、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、民生用途においても100GB以上の画像情報を安価簡便に記録するための高密度記録媒体の要求が高まっている。
さらにコンピューター高容量化等の流れの中で、コンピューターバックアップ用途や放送バックアップ用途等の業務用途においても、1TB程度あるいはそれ以上の大容量の情報を高速かつ安価に記録できる超高密度記録媒体が求められている。
そのような中、ランダムアクセスが不可能な磁気テープ媒体や可換不可能で故障しやすいハードディスクに対し、可換かつランダムアクセス可能で小型、安価な光記録媒体がより注目されてきている。しかしながら、DVD−Rのような既存の2次元光記録媒体は物理原理上、たとえ記録再生波長を短波長化したとしてもせいぜい片面25GB程度で、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量が期待できるとは言えない状況である。
そこで、究極の超高密度記録媒体として、膜厚方向に記録を行う3次元光記録媒体が注目されてきている。その有力な方法として2光子吸収材料を用いる方法とホログラフィ(干渉)を用いる方法とがあり、そのため体積位相型ホログラム記録材料は、3次元光記録媒体(ホログラフィックメモリ)として、最近俄然注目を集めるようになった。
体積位相型ホログラム記録材料を用いたホログラフィックメモリでは、3次元物体から反射する物体光の代わりに、DMDやLCDといった空間光変調素子(SLM)を用いた2次元デジタル情報(信号光と呼ぶ)を数多く記録していく。記録の際、角度多重、位相多重、波長多重、シフト多重などの多重記録を行うため1TBにも達する高容量化が可能となる。また、読み出しには通常CCDやCMOS等を用い、それらの並列書き込み、読み出しにより、1Gbpsにも達する高転送速度化も可能となる。
ところが、ホログラフィックメモリに用いるホログラム記録材料に求められる要件は、下記の如く3次元ディスプレイやHOE用途よりもさらに厳しいものであ
る。
(1)高感度であること
(2)高解像力を有すること
(3)ホログラムの回折効率が高いこと
(4)記録時の処理が乾式であり迅速であること
(5)多重記録が可能であること(ダイナミックレンジが広いこと)
(6)記録後の収縮率が小さいこと
(7)ホログラムの保存性が良いこと
特に、(1)高感度であることに対し、(3)回折効率が高いこと、(4)乾式処理であること、(6)記録後の収縮率が低いこと、(7)保存性が良いこと、は化学的に考えて相反する物性であり、その両立は極めて困難である。
ここで、公知の体積位相型ホログラム記録材料には、ライトワンス方式として重クロム酸ゼラチン方式、漂白ハロゲン化銀塩方式及びフォトポリマー方式などが知られ、リライタブル方式として、フォトリフラクティブ方式及びフォトクロミック高分子方式などが知られる。
しかしこれらの公知の体積位相型ホログラム記録材料において、特に高感度光記録媒体用途においては、求められる要件をすべて満たす材料は未だなく改良が望まれている。
具体的には例えば、重クロム酸ゼラチン方式は高い回折効率と低ノイズ特性という長所を有するが、保存性が極めて悪く、湿式処理が必要で低感度という問題を有し、ホログラフィックメモリ用途には適さない。
漂白ハロゲン化銀方式は高感度という長所を有するが、湿式処理が必要でかつ漂白処理が煩雑であり、また、散乱が大きい、耐光性に劣るという問題点を有し、ホログラフィックメモリ用途にはやはり一般的に適さない。
フォトリフラクティブ材料は書き換え可能という長所を有するが、記録時に高電場印加が必要、記録保存性が悪いという問題点を有する。
アゾベンゼン高分子材料等に代表されるフォトクロミック高分子方式も書き換え可能という長所を有するが、感度が極めて低く記録保存性も悪いという問題点を有する。例えば、WO9744365A1号[特許文献4]には、アゾベンゼン高分子(フォトクロミック高分子)の屈折率異方性と配向制御を用いた書き換え可能なホログラム記録材料が提示されているが、アゾベンゼン異性化の量子収率が低い上に配向変化を伴う方式であるがために感度が極めて低く、また書き換え可能であることとの相反で記録保存性も悪いという問題点を有し、実用には程遠い。
そのような中、前述の特許文献1〜3に開示された乾式処理フォトポリマー方式は、バインダー、ラジカル重合可能なモノマーおよび光重合開始剤を基本組成とし、屈折率変調を向上させるためにバインダーまたはラジカル重合可能なモノマーのどちらか一方に芳香環または塩素、臭素を有する化合物を用いて屈折率差を持たせる工夫をしており、その結果、ホログラム露光の際形成される干渉縞の明部にモノマーが、暗部にバインダーが集まりつつ重合が進行することにより屈折率差を形成することができる。したがって、高回折効率と乾式処理を両立できうる比較的実用的な方式といえる。
しかしながら、漂白ハロゲン化銀方式に比べると感度が1000分の1程度であること、回折効率を高めるためには2時間近い加熱定着処理を必要とすること、ラジカル重合であるため、酸素による重合阻害の影響を受け、また露光、定着後記録材料の収縮を伴い、再生時の回折波長及び角度が変化してしまう問題点があること、膜が柔らかいため保存性の点でも不足していること等からホログラフィックメモリ用途としては到底使用に耐えるものではない。
ここで一般に、ラジカル重合に対しカチオン重合、特にエポキシ化合物等の開環を伴うカチオン重合は、重合後の収縮が少なく、また酸素による重合阻害も受けず、剛性のある膜を与える。したがって、ホログラフィックメモリ用途としてはカチオン重合の方が適しているという指摘もある。
例えば、特開平5−107999号[特許文献5]、特開平8−16078号[特許文献6]等に、カチオン重合性化合物(モノマーまたはオリゴマー)をバインダーの代わりに用い、さらに増感色素、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合性化合物を組み合わせたホログラム記録材料が開示されている。
また、特表2001―523842号[特許文献7]、特表11−512847号[特許文献8]等に、ラジカル重合を用いずに、増感色素、カチオン重合開始剤、カチオン重合性化合物及びバインダーのみを用いたホログラム記録材料が開示されている。
しかしこれらのカチオン重合方式はラジカル重合方式に比べて、収縮率の改善が見られるものの、その相反として、感度が低下しており、実用の際には転送速度の点で大きな問題となると考えられる。また回折効率も低下しており、S/N比や多重記録の点で問題となると考えられる。
前述したように、フォトポリマー方式は物質移動を伴う方式であるため、ホログラフィックメモリへの応用を検討する際、保存性を良く、収縮性を小さくしようとすれば感度が低下し(カチオン重合方式)、逆に感度を向上させようとすれば、保存性、収縮性が悪化する(ラジカル重合方式)というジレンマに陥る。また、ホログラフィックメモリの記録密度を向上させるためには、50回を超えて好ましくは100回以上にも及ぶ多重記録が必須であるが、フォトポリマー方式では記録に物質移動を伴う重合を用いるため、多重記録初期の記録速度に対して、多くの化合物の重合が進んだ後の多重記録後期の記録速度が低下してしまい、それを制御して露光量を調節すること、広いダイナミックレンジをとることが実用上大きな問題となっている。
このような高感度と良保存性、低収縮率、乾式処理のジレンマ、多重記録特性(高記録密度)の問題点は、従来のフォトポリマー方式を用いている限りは物理法則上避けがたい。またハロゲン化銀方式にてホログラフィックメモリに求められる要件を満たすことも、特に乾式処理化の点で原理的に困難である。
そこで、ホログラム記録材料をホログラフィックメモリへ応用するためには、そのような課題を抜本的に解決した、とりわけ高感度と低収縮性、良保存性、乾式処理、多重記録特性(高記録密度)を両立できる全く新しい記録方式の開発が強く望まれていた。
特開平6−43634号公報 特開平2−3082号公報 特開平3−50588号公報 国際公開第97/44365号パンフレット 特開平5−107999号公報 特開平8−16078号公報 特表2001―523842号公報 特表平11−512847号公報 「ホログラフィックディスプレイ」、辻内順平編、産業図書
ところで、最近そこで本発明の目的は、高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能な高感度かつ高回折効率、良保存性、低収縮率、乾式処理、多重記録特性(高記録密度)を両立することができるホログラム記録材料及びホログラム記録方法を提供することである。
特に、記録後再生光を照射しても劣化が起こらない、すなわち非破壊再生が可能で保存性に優れる、いわば定着されたホログラム記録材料を提供することである。
また記録後の定着によりホログラム再生光を吸収せず、高い絶対回折効率が得られるホログラム記録材料を提供することである。
発明者らの鋭意検討の結果、本発明の目的は、下記の手段により達成された。
(1)少なくとも、ホログラム記録光を吸収し励起状態を生成する増感色素と、増感色素励起状態からの電子移動またはエネルギー移動により酸を発生する酸発生剤と、酸により吸収変化を伴う反応を起こすことができる一般式(1)で表される色素前駆体とを有し、該吸収変化による屈折率変調を用いて干渉縞を記録することを特徴とするホログラム記録材料。
一般式(1)
PD1−AP
一般式(1)中、PD1はAPとの結合が切断されることにより吸収変化を起こす成分を含む基を表し、APは酸によりPD1との結合を切断することができる部位を含む基を表す。
(2)さらにバインダーポリマーを有することを特徴とする(1)記載のホログラム記録材料。
(3)前記一般式(1)で表される色素前駆体が、中性もしくは塩基性条件下ではPD1−APの結合は切断されずに吸収変化を伴う反応を起こさないことを特徴とする(1)または(2)記載のホログラム記録材料。
(4)前記一般式(1)で表される色素前駆体が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のホログラム記録材料。
一般式(2)
PD2−X−AP
一般式(2)中、APは一般式(1)と同義である。Xは−O−、−S−、−COO−、−SO3−、−P(O)(OR31)O−、−NR32−、−+NR3334−、−N(SO235)−、−N(COR36)−、−CR3738−のいずれかを表し、PD2はXと共に、XとAPの結合が切断されることにより吸収変化を起こす成分を含む基を形成する基を表す。
ここで、R31、R32、R36はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、R33、R34、R35はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、R37、R38はそれぞれ独立に置換基を表す。
(5)(4)の一般式(2)にて、Xは−O−、−S−、−NR32−、−N(SO235)−、−N(COR36)−、−CR3738−のいずれかを表すことを特徴とする(4)記載のホログラム記録材料。
(6)(4)の一般式(2)にて、Xは−O−であることを特徴とする(4)記載のホログラム記録材料。
(7)前記吸収変化を伴う反応が発色反応であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のホログラム記録材料。
(8)(1)の一般式(1)のPD1または(4)の一般式(2)のPD2−Xが、解離型アゾ色素、解離型アゾメチン色素、解離型オキソノール色素、解離型ベンジリデン色素、解離型キサンテン色素、解離型フルオラン色素、解離型トリフェニルメタン型色素のいずれかの解離体から成る基であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のホログラム記録材料。
(9)(1)の一般式(1)のPD1または(4)の一般式(2)のPD2−Xが、解離型アゾ色素、解離型アゾメチン色素、解離型オキソノール色素、解離型ベンジリデン色素のいずれかの解離体から成る基であることを特徴とする(8)記載のホログラム記録材料。
(10)(1)の一般式(1)のPD1または(4)のPD2−Xが、解離型アゾ色素、解離型ベンジリデン色素のいずれかの解離体から成る基であることを特徴とする(8)記載のホログラム記録材料。
(11)前記一般式(2)で表される色素前駆体が、下記一般式(3)で表されることを特徴とする(4)〜(10)のいずれかに記載のホログラム記録材料。
Figure 2006227403
一般式(3)中、PD2、Xは一般式(2)と同義であり、PD2はXと共に、XとAPの結合が切断されることにより吸収変化を起こす成分であり、−C(=O)(O)nR39は酸によりXとの結合を切断することができる部位を表す。R39はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、a1は0または1を表す。
(12)(11)の一般式(3)にて、a1が1であることを特徴とする(11)記載のホログラム記録材料。
(13)(11)の一般式(3)にてR39がt-ブチル基であり、a1が1であることを特徴とする(11)記載のホログラム記録材料。
(14)(1)記載の増感色素、酸発生剤、色素前駆体に加えさらに、ホログラム記録光とは異なる光照射または熱印加により塩基を発生することができる塩基発生剤を有することを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載のホログラム記録材料。
(15)(14)にて、塩基発生剤はホログラム記録時には塩基を発生しないことを特徴とする(14)記載のホログラム記録材料。
(16)(14)にて、ホログラム記録後における、塩基発生剤から塩基を発生する際のホログラム記録光とは異なる光照射または熱印加により、同時に酸発生剤からも酸を発生することができることを特徴とする(14)または(15)記載のホログラム記録材料。
(17)少なくとも、ホログラム記録光を吸収し励起状態を生成する増感色素と、増感色素励起状態からの電子移動またはエネルギー移動により、酸を発生する酸発生剤と、酸により発色反応を起こすことができるが中性または塩基性下では発色反応を起こさない一般式(1)〜(3)で表される色素前駆体とを有し、ホログラム露光時酸発生による一般式(1)〜(3)で表せる色素前駆体の発色反応による屈折率変調を用い干渉縞を記録し、さらにその後、ホログラム記録光とは異なる光の全面照射または熱全面印加により塩基発生剤より塩基を発生させつつ、酸発生剤からも酸を発生させ中和し、ホログラム記録時の色素前駆体の発色による屈折率変調による干渉縞記録を保ったまま、酸発生剤及び塩基発生剤を分解して定着でき、その結果、ホログラム記録光と同じ光を照射させて再生する際に、記録した屈折率変調による干渉縞を消さずに再生できることを特徴とするホログラム記録再生方法。
(18)(17)にてホログラム記録後の光全面照射または熱全面印加による定着時に増感色素を分解することを特徴とする(17)記載のホログラム記録再生方法。
(19)(17)にて、塩基発生剤は光塩基発生剤であることを特徴とする(17)または(18)記載のホログラム記録再生方法。
(20)(1)〜(19)記載のホログラム記録材料を用いて体積位相型ホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(21)(1)〜(20)にて、ホログラム記録が書き換えできない方式であることを特徴とする(1)〜(16)のいずれかに記載のホログラム記録材料、(17)〜(19)のいずれかに記載のホログラム記録再生方法または(20)記載のホログラム記録方法。
(22)(1)〜(21)記載のホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(23)(22)記載のホログラム記録材料を用いて、50回以上の多重記録を行うことを特徴とする(22)記載のホログラム記録方法。
(24)(22)記載のホログラム記録材料を用いて、100回以上の多重記録を行うことを特徴とする(22)記載のホログラム記録方法。
(25)(22)にて、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることを特徴とする(22)〜(24)記載のホログラム記録方法。
(26)(1)〜(25)記載のホログラム記録材料が、記録光及び再生光以外の紫外光、可視光、赤外光の波長域の一部をカットすることができる遮光フィルターをホログラム記録材料の表面、裏面またはその両面に備え付けていることを特徴とする(1)〜(25)記載のホログラム記録材料。
(27)(1)〜(16)、(21)、(26)のいずれかに記載のホログラム記録材料、(17)〜(19)、(21)のいずれかに記載のホログラム記録再生方法または(20)〜(25)のいずれかに記載のホログラム記録方法から成る光記録媒体及び光記録媒体への記録再生方法。
(28)(1)〜(27)記載のホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
(29)(1)〜(26)記載のホログラム記録材料及びホログラム記録(再生)方法を用いる3次元ディスプレイホログラム及び3次元ディスプレイホログラムの製造方法。
(30)(1)〜(26)記載のホログラム記録材料及びホログラム記録(再生)方法を用いるホログラフィック光学素子及びホログラフィック光学素子の製造方法。
本発明のホログラム記録材料及びホログラム記録再生方法を用いることで、高い絶対回折効率で記録時の収縮も小さく、保存性も良く、さらに露光量に対しリニアーに回折効率が上昇してホログラム記録が行えることがわかり、ホログラフィックメモリ等への応用の際、高容量、良保存性、システム簡素化等の点で有利である。
以下に本発明のホログラム記録材料方法及びホログラム記録方法について詳しく説明する。
本発明のホログラム記録材料は、少なくとも、ホログラム記録光を吸収し励起状態を生成する増感色素と、増感色素励起状態からの電子移動またはエネルギー移動により酸を発生する酸発生剤と、酸により吸収変化を伴う反応を起こすことができる一般式(1)で表される色素前駆体とを有し、該吸収変化による屈折率変調を用いて干渉縞を記録することを特徴とする。
一般式(1)
PD1−AP
一般式(1)中、PD1はAPとの結合が切断されることにより吸収変化を起こす成分を含む基を表し、APは酸によりPD1との結合を切断することができる部位を含む基を表す。
本発明のホログラム記録材料においては、干渉明部と干渉暗部にて屈折率を変調できることが重要である。
ここで、色素の屈折率は一般に、吸収極大波長(λmax)付近からそれより長波長な領域で高い値を取り、特にλmaxからλmaxより200nm程長波長な領域において非常に高い値を取り、色素によっては1.8を超え、場合によっては2を超えるような高い値をとる。その一方で、バインダーポリマー等の色素ではない有機化合物は通常1.4〜1.6程度の屈折率である。
そこで、本発明のホログラム記録材料においては、ホログラム記録光を吸収して生成した増感色素励起状態からの電子移動またはエネルギー移動により酸発生から酸を発生させ、一般式(1)で表される色素前駆体を反応させてその吸収変化による屈折率変調を用いて干渉縞を記録するホログラム記録方法が好ましい。
ここで一般式(1)で表され色素前駆体の吸収変化は発色反応であることが、屈折率変調量が大きい観点で好ましい。
本発明にて発色反応とは、200〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光の領域にて、吸収スペクトル形が変化するような反応を示し、より好ましくは吸収スペクトルにおいてλmaxが長波長化、εが増大のいずれかが起こるような反応を示し、さらに好ましくはその両方が起こるような反応を示す。また、発色反応は200〜1000nmの波長領域で起こることがより好ましく、300〜900nmの波長領域で起こることがさらに好ましい。
本発明のホログラム記録材料は、屈折率変調により干渉縞を記録する位相型ホログラム記録材料であることが高回折効率の点で好ましい。つまり、ホログラム再生時には、ホログラム記録材料が再生光波長に吸収を有さないか、ほとんど吸収を有さないことが好ましい。
したがって、本発明の色素前駆体がホログラム露光後酸により反応して発色体になる際には、ホログラム記録及び再生波長に吸収を有さずに、それよりも短波長側に吸収を有する発色体となることが好ましい。また増感色素の方は、ホログラム記録またはその後の定着の際に分解してその吸収及び増感機能を失うことが好ましい。
さらに、大きな屈折率変調を与え感度やダイナミックレンジを増すためには、本発明の色素前駆体は、ホログラム露光後、ホログラム記録及び再生波長に吸収を有さず、ホログラム記録波長とホログラム記録波長から200nm短波長な波長の間の領域に、吸収極大を有する発色体となることが好ましく、ホログラム記録波長とホログラム記録波長から100nm短波長な波長の間の領域に吸収極大を有する発色体となることがより好ましい。
以下に、本発明の一般式(1)で表される色素前駆体について、さらに詳しく説明する。
一般式(1)で表される色素前駆体は、中性もしくは塩基性条件下ではPD1−APの結合は切断されずに吸収変化を伴う反応を起こさず、酸性条件下でのみ吸収変化を伴う反応、好ましくは発色を起こすことが好ましい。
一般式(1)で表される本発明の色素前駆体は、下記一般式(2)で表されることがより好ましい。
一般式(2)
PD2−X−AP
一般式(2)中、APは一般式(1)と同義である。Xは−O−、−S−、−COO−、−SO3−、−P(O)(OR31)O−、−NR32−、−+NR3334−、−N(SO235)−、−N(COR36)−、−CR3738−のいずれかを表し、PD2はXと共に、XとAPの結合が切断されることにより吸収変化を起こす成分を含む基を形成する基を表す。
ここで、R31R32、R36はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素原子数(以下C数という)1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、またはヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)を表し、好ましくは水素原子、アルキル基またはアリール基である。R33、R34、R35はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し(以上好ましい例はR32に挙げた例に同じ)、好ましくはアルキル基またはアリール基を表す。
37、R38はそれぞれ独立に置換基を表し、置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル、2−ニトロフェニル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を含む、好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル、3,5−ジメトキシベンゾイル、4−メトキシベンゾイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、カルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、であり、より好ましくは電子求引性基であることが好ましく、さらに好ましくは、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基である。
一般式(2)にて、Xは−O−、−S−、−NR32−、−N(SO235)−、−N(COR36)−、−CR3738−のいずれかであることが好ましく、−O−または−NR32−であることがより好ましく、−O−であることが最も好ましい。
ここで、一般式(1)のPD1または一般式(2)のPD2−Xは、解離型アゾ色素、解離型アゾメチン色素、解離型オキソノール色素、解離型ベンジリデン色素、解離型キサンテン色素、解離型フルオラン色素、解離型トリフェニルメタン型色素のいずれかの解離体から成る基であることが好ましい。
なお、解離型色素とは、色素クロモフォア上にpKa12以下、より好ましくはpKa10以下の解離してプロトンを放出しやすい解離基を有しており、非解離型から解離型になることにより、吸収が長波長化、あるいは無色から有色となる化合物のことである。解離基として好ましくは、OH基、SH基、COOH基、PO(OR31)H基、SO3H基、NHR32基、NR3334+基、NHSO235基、−N(COR36)基、−CHR3738基が挙げられる。
一般式(1)のPD1または一般式(2)のPD2−Xは、解離型アゾ色素、解離型アゾメチン色素、解離型オキソノール色素、解離型ベンジリデン色素のいずれかの解離体から成る基であることがより好ましく、解離型アゾ色素、解離型ベンジリデン色素のいずれかの解離体から成る基であることが最も好ましい。
さらに本発明の一般式(1)で表される色素前駆体は、下記一般式(3)で表されることがより好ましい。
Figure 2006227403
一般式(3)中、PD2、Xは一般式(2)と同義であり、PD2はXと共に、XとAPの結合が切断されることにより吸収変化を起こす成分である。
一般式(3)中、−C(=O)(O)nR39は酸によりXとの結合を切断することができる部位を表す。R39はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表す。
一般式(3)中、a1は0または1を表し、好ましくは1を表す。
一般式(3)中、R39はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、(以上好ましい例はR32に挙げた例に同じ)、好ましくはアルキル基またはアリール基を表す。
a1が1の時、R39はより好ましくはアルキル基を表し、最も好ましくはt−ブチル基を表す。
なお、本発明のホログラム記録材料において、色素前駆体が一般式(3)で表され、a1が1でR39がt−ブチル基である場合などは、下記の通り酸により色素前駆体のX−C(=O)結合が酸により切断されて吸収変化、好ましくは発色反応が起こった後、再び酸が自己増殖的に再生するためホログラム記録感度上好ましい。
Figure 2006227403
以下に、一般式(1)〜(3)で表される本発明の色素前駆体の好ましい例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2006227403
Figure 2006227403
Figure 2006227403
Figure 2006227403
次に、本発明のホログラム記録材料において、ホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素について詳しく説明する。
本発明の増感色素としては好ましくは、波長200〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかを吸収して励起状態を生成して、電子移動またはエネルギー移動により酸発生剤から酸を発生するものであり、より好ましくは波長300〜700nmの紫外光または可視光を吸収して励起状態を生成するものであり、さらに好ましくは400〜700nmの可視光を吸収して励起状態を生成するものである。
本発明の増感色素として好ましくはシアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、スチリル色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、ベンジリデン色素、オキソノール色素、アズレニウム色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、フェノチアジン色素、フェノキサジン色素、フェナジン色素、フタロシアニン色素、アザポルフィリン色素、ポルフィリン色素、縮環芳香族系色素、ペリレン色素、アゾメチン色素、アントラキノン色素、金属錯体色素、メタロセン色素等が挙げられ、より好ましくは、シアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、縮環芳香族系色素、金属錯体色素、メタロセン色素が挙げられ、さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、金属錯体色素、メタロセン色素が挙げられる。なお、金属錯体色素としては特にRu錯体色素が、メタロセン色素としては特にフェロセン類が好ましい。
その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社 1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編 シーエムシー 1981年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシー 1986年)に記載される色素および染料も本発明の増感色素として用いることができる。なお、本発明の増感色素はこれらに限定されるものではなく、可視域の光に対して吸収を示す色素および染料であればどれでも用いることができる。これらの増感色素は、使用目的に応じて光源となるレーザーの波長に合うように選択することができ、用途によっては2種類以上の増感色素を組み合わせて使用しても構わない。
なお、ホログラム記録材料は厚膜で使用しかつ記録光の多くが膜を透過する必要があるため、ホログラム露光波長における増感色素のモル吸光係数を小さくすることにより増感色素添加量を極力多くすることが高感度化のために好ましい。ホログラム露光波長における増感色素のモル吸光係数は1以上10000以下であることが好ましく、1以上5000以下であることがより好ましく、5以上2500以下であることがさらに好ましく、10以上1000以下であることが最も好ましい。
また、ホログラム記録材料の記録波長光の透過率は10〜99%であることが好ましく、20〜95%であることがより好ましく、30〜90%であることがさらに好ましく、40〜85%であることが、回折効率、感度、記録密度(多重度)の点で最も好ましい。したがって、そのようになるようにホログラム記録材料の膜厚に合わせて増感色素の記録波長におけるモル吸光係数と添加モル濃度を調整することが好ましい。
また、増感色素のλmaxはホログラム記録波長よりも短波長であることがより好ましく、ホログラム記録波長と同じから100nm短波長な範囲の間であることがさらに好ましい。
さらに、増感色素の記録波長におけるモル吸光係数はλmaxのモル吸光係数の5分の1以下であることが好ましく、10分の1以下であることがより好ましい。
特に増感色素がシアニン色素やメロシアニン色素のような有機色素の時は20分の1以下であることがより好ましく、50分の1以下であることがさらに好ましく、100分の1以下であることが最も好ましい。
以下に本発明の増感色素の具体的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるわけではない。
Figure 2006227403
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Figure 2006227403
Figure 2006227403
Figure 2006227403
Figure 2006227403
なお、ホログラム記録波長が532nmのYAGレーザー2倍波の場合、増感色素としてはベンゾオキサゾール環を有するトリメチンシアニン色素、Ru錯体色素、フェロセン類が特に好ましく、400〜415nmのGaNやInGaN等のレーザーの場合、ベンゾオキサゾール環を有するモノメチンシアニン色素、Ru錯体色素、フェロセン類が特に好ましい。
本発明の増感色素は市販品であるか、あるいは公知の方法により合成することができる。
次に本発明のホログラム記録材料における、増感色素励起状態からの電子移動またはエネルギー移動により酸を発生する酸発生剤について詳しく説明する。
増感色素励起状態からのエネルギー移動機構により酸発生剤から酸を発生する場合は、増感色素1重項励起状態からエネルギー移動が起こるフェルスター型機構でも、3重項励起状態からエネルギー移動が起こるデクスター型機構でもどちらでも良い。
その際、エネルギー移動が効率良く起こるためには、増感色素の励起エネルギーが、酸発生剤の励起エネルギーよりも大きいことが好ましい。
一方、増感色素励起状態からの電子移動機構により酸発生剤から酸を発生する場合は、増感色素1重項励起状態から電子移動が起こる機構でも、3重項励起状態から電子移動が起こる機構でもどちらでも良い。
また、増感色素励起状態が酸発生剤に電子を与えても、電子を受け取っても良い。増感色素励起状態から電子を与える場合、電子移動が効率良く起こるためには、増感色素の励起状態における励起電子の存在する軌道(LUMO)エネルギーが、酸発生剤のLUMO軌道のエネルギーよりも高いことが好ましい。
増感色素励起状態が電子を受け取る場合、電子移動が効率良く起こるためには、増感色素の励起状態におけるホールの存在する軌道(HOMO)エネルギーが、酸発生剤のHOMO軌道のエネルギーよりも低いことが好ましい。
本発明における酸発生剤は増感色素励起状態からの電子移動により酸を発生することができる化合物であることが好ましい。
またそれ以外にも、紫外光や可視光を直接吸収しても光反応して酸を発生できる酸発生剤であることも好ましい。
また、酸発生剤は暗所では安定であることが好ましい。
本発明の酸発生剤として好ましくは、以下の6個の系が挙げられる。
なお、これらの酸発生剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
1)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
2)ジアゾニウム塩系重合開始剤
3)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
4)スルホニウム塩系重合開始剤
5)金属アレーン錯体系重合開始剤
6)スルホン酸エステル系重合開始剤
以下に好ましい上記の系について具体的に説明していく。
なお、本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、特に断りの無い限りは、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても、置換されていなくても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。また、本発明における化合物に使用できる置換基は、どのような置換基でも良い。
また、本発明において、特定の部分を「環」と称した場合、あるいは「基」に「環」が含まれる場合は、特に断りの無い限りは単環でも縮環でも良く、置換されていても置換されていなくても良い。
例えば、「アリール基」はフェニル基でもナフチル基でも良く、置換フェニル基でも良い。
1)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(11)にて表される。
Figure 2006227403
一般式(11)中、R21、R22、R23はそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、好ましくは塩素原子を表す。R24、R25はそれぞれ独立に水素原子、−CR212223、置換基を表す。置換基として好ましい例はR37にて挙げた例が挙げられるが、好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基である。
24は好ましくは−CR212223を、より好ましくは−CCl3基を表し、R25は好ましくは、 −CR212223、アルキル基、アルケニル基、アリール基である。
トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤の具体例としては、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4’−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4’−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4'−メトキシ−1'−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが例示される。好ましい例として、英国特許1388492号および特開昭53−133428号公報記載の化合物も挙げられる。
2)ジアゾニウム塩系重合開始剤
ジアゾニウム塩系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(12)にて表される。
Figure 2006227403
26はアリール基またはヘテロ環基を表し、好ましくはアリール基であり、より好ましくはフェニル基である。
27は置換基を表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、a21は0〜5の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。a21が2以上の時、複数のR27は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
21 -は、HX21がpKa4以下(水中、25℃)、好ましくは3以下、より好ましくは2以下の酸となる陰イオンで、好ましくは例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホレート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどである。
ジアゾニウム系重合開始剤の具体例としては例えば、ベンゼンジアゾニウム、4−メトキシジアゾニウム、4−メチルジアゾニウムの上記X21 -塩などが挙げられる。
3)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(13)にて表される。
Figure 2006227403
一般式(13)中、X21 -は一般式(12)と同義である。R28、R29はそれぞれ独立に置換基を表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基を表す。
a22、a23はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0〜1の整数を表す。a21が2以上の時、複数のR28、R29は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4,4'−ジクロロジフェニルヨードニウム、4,4'−ジメトキシジフェニルヨードニウム、4,4'−ジメチルジフェニルヨードニウム、4,4'−t-ブチルジフェニルヨードニウム、3,3'−ジニトロジフェニルヨードニウム、フェニル(p−メトキシフェニル)ヨードニウム、フェニル(p−オクチルオキシフェニル)ヨードニウム、ビス(p−シアノフェニル)ヨードニウムなどのクロリド、ブロミド、ヨージド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホレート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
また、「マクロモレキュールス(Macromolecules)」、第10巻、p1307(1977年)に記載の化合物、特開昭58−29803号公報、特開平1−287105号公報、特願平3−5569号に記載されているようなジアリールヨードニウム塩類も挙げられる。
4)スルホニウム塩系重合開始剤
スルホニウム塩系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(14)にて表される。
Figure 2006227403
一般式(14)中、X21 -は一般式(12)と同義である。R30、R31、R32はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、ヘテロ環基(以上好ましい例はR24に同じ)を表し、好ましくは、アルキル基、フェナシル基、アリール基を表す。
スルホニウム塩系重合開始剤の具体例としては、トリフェニルスルホニウム、ジフェニルフェナシルスルホニウム、ジメチルフェナシルスルホニウム、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、4−ターシャリーブチルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム、4−チオフェニルトリフェニルスルホニウム、4−フェニルチオトリフェニルスルホニウム、ビス−1−(4−(ジフェニルスルホニウム)フェニル)スルフィドなどのスルホニウム塩のクロリド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホレート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが例示される。
5)金属アレーン錯体系重合開始剤
金属アレーン錯体系重合開始剤としては、金属は鉄またはチタンが好ましい。
具体的には、特開平1−54440号、ヨーロッパ特許第109851号、ヨーロッパ特許第126712号および「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の鉄アレーン錯体、「オルガノメタリックス(Organometallics)」、第8巻、第2737頁(1989年)記載の鉄アレーン有機ホウ素錯体、「Prog.Polym.Sci、第21巻、7〜8頁(1996年)記載の鉄アレーン錯体塩、特開昭61−151197号公報に記載されるチタセノン類、などが好ましい例として挙げられる。
6)スルホン酸エステル系重合開始剤
スルホン酸エステル系重合開始剤としては、好ましくはスルホン酸エステル類、スルホン酸ニトロベンジルエステル類、イミドスルホネート類、等を挙げることができる。
スルホン酸エステル類の具体例としては好ましくは、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリメシレート、スルホン酸ニトロベンジルエステル類の具体例としては好ましくは、o−ニトロベンジルトシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、2',6'−ジニトロベンジル−4−ニトロベンゼンスルホネート、p−ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、2−ニトロベンジルトリフルオロメチルスルホネート、イミドスルホネート類の具体例として好ましくはN−トシルフタル酸イミド、9−フルオレニリデンアミノトシレート、α−シアノベンジリデントシルアミン、等が挙げられる。
他に、酸発生剤としては、例えば「UV硬化;科学と技術(UV CURING;SCIENCE AND TECHNOLOGY)」[p.23〜76、S.ピーター・パーパス(S.PETER PAPPAS)編集、ア・テクノロジー・マーケッティング・パブリケーション(A TECHNOLOGY MARKETING PUBLICATION)]及び「コメンツ・インオーグ.ケム.(Comments Inorg.Chem.)」[B.クリンゲルト、M.リーディーカー及びA.ロロフ(B.KLINGERT、M.RIEDIKER and A.ROLOFF)、第7巻、No.3、p109−138(1988)]などに記載されているものを用いることもできる。
また、上記以外の酸発生剤として、S.Hayaseetal,J.PolymerSci.,25,753(1987)、E.Reichmanisetal,J.PolymerSci.,PolymerChem.Ed.,23,1(1985)、D.H.R.Bartonetal,J.Chem.Soc.3571(1965)、P.M.Collinsetal,J.Chem.Soc.,PerkinI,1695(1975)、M.Rudinsteinetal,TetrahedronLett.,(17),1445(1975)、J.W.Walkeretal,J.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busmanetal,J.ImagingTechnol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihanetal,Macromolecules,21,2001(1988)、P.M.Collinsetal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayaseetal,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanisetal,J.Electrochem.Soc.,SolidStateSci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihanetal,Macro‐molecules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号などに開示されているo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、特開平4−338757号に開示されているハロゲン化スルホラン誘導体(具体的には、3,4−ジブロモスルホラン、3,4−ジクロロスルホランなど)、メチレングリコールビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテルなどのハロゲン含有アルキレングリコールエーテル化合物類、1,1,3,3−テトラブロモアセトン、ヘキサクロロアセトンなどのハロゲン含有ケトン類、2,3−ジブロモプロパノールなどのハロゲン含有アルコール類なども挙げることができる。
さらに、本発明の酸発生剤として酸を発生する基を主鎖もしくは側鎖に導入したポリマーを用いることもできる。本発明の酸発生剤が酸を発生する基を主鎖もしくは側鎖に導入したポリマーである場合には、該ポリマーがバインダーの役割を兼ねて行ってもよい。
本発明の酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物として具体的には、M.E.Woodhouseetal,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappasetal,J.ImagingSci.,30(5),218(1986)、S.Kondoetal.Makromol.Chem.,RapidCommun.,9,625(1988)、J.V.Crivelloetal.J.PolymerSci.,PolymerChem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3,914,407、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146037、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号、特開2000‐143796号に開示されている化合物を用いることができる。
本発明の酸発生剤としては、より好ましくは、
3)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
4)スルホニウム塩系重合開始剤
6)スルホン酸エステル系重合開始剤
が挙げられる。
本発明のホログラム記録材料は、酸増殖剤を用いることも高感度化の点で好ましい。酸増殖剤の好ましい例として具体的に例えば、有光晃二、市村国宏、「機能材料」、1997年、17巻、16頁、市村国宏、「機能材料」、2000年、20巻、27頁、K.Arimitsu,K.Ichimura.et.al.,J.Photopolymer,Sci.,Technol.,1995年、8巻、43頁、K.Arimitsu,K.Ichimura.et.al.,J.Am.Chem.Soc.,1998年、120巻、37頁、特開平9−34106号、特開平10−1508号に記載の化合物が挙げられる。
本発明のホログラム記録材料は、さらにバインダーポリマーを有することが好ましい。
バインダーポリマーは組成物の成膜性、膜厚の均一性、保存時安定性を向上させる等の目的で通常使用される。バインダーポリマーとしては、増感色素、酸発生剤、色素前駆体と相溶性の良いものが好ましい。
バインダーポリマーとしては、溶媒可溶性の熱可塑性重合体が好ましく、単独又は互いに組合せて使用することができる。
バインダーポリマーは反応性部位を有して、架橋剤や重合性モノマーやオリゴマーと反応して架橋、硬膜等されても良い。その際の反応性部位としては、ラジカル反応性部位として、アクリル基、メタクリル基に代表されるエチレン性不飽和基、カチオン反応性部位としてオキシラン化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル基、縮重合反応部位としてカルボン酸、アルコール、アミン等が好ましく挙げられる。
本発明に用いるバインダーポリマーとして好ましくは例えば、アクリレート及びアルファ−アルキルアクリレートエステル及び酸性重合体及びインターポリマー(例えばポリメタクリル酸メチル及びポリメタクリル酸エチル、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体)、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/アクリル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸ビニル及び加水分解型ポリ酢酸ビニル)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジエン及びイソプレン重合体及び共重合体及びほぼ4,000〜1,000,000の平均分子量を有するポリグリコールの高分子量ポリ酸化エチレン、エポキシ化物(例えば、アクリレート又はメタクリレート基を有するエポキシ化物)、ポリアミド(例えば、N−メトキシメチルポリヘキサメチレンアジパミド)、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートサクシネート及びセルロースアセテートブチレート)、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルベンジルセルロース)、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール(ポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、適当なバインダーとして機能する酸含有重合体及び共重合体として、米国特許3,458,311中及び米国特許4,273,857中に開示されているものなどが挙げられる。
さらに、ポリスチレン重合体、並びに例えばアクリロニトリル、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステルとの共重合体、塩化ビニリデン共重合体(例えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、ビニリデンクロリド/メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体)、ポリ塩化ビニル及び共重合体(例えば、ポリビニルクロリド/アセテート、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体)、ポリビニルベンザル合成ゴム(例えば、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、2−クロロブタジエン−1,3重合体、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)、コポリエステル(例えば、式HO(CH2)nOH(式中nは、2〜10の整数である)のポリメチレングリコール、並びに(1)ヘキサヒドロテレフタル酸、セバシン酸及びテレフタル酸、(2)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸、(3)テレフタル酸及びセバシン酸、(4)テレフタル酸及びイソフタル酸の反応生成物から製造されたもの、並びに(5)該グリコール及び(i)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸及び(ii)テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸及びアジピン酸から製造されたコポリエステルの混合物)、ポリN−ビニルカルバゾール及びその共重合体、並びにH.カモガワらによりJournal of Polymer Science:Polymer Chemistry Edition,18巻、9〜18頁(1979)中開示されているようなカルバゾール含有重合体などが挙げられる。
本発明のホログラム記録材料は、増感色素、酸発生剤、色素前駆体に加えさらに、ホログラム記録光とは異なる光照射または熱印加により塩基を発生することができる塩基発生剤を有することが好ましい。なお、塩基発生剤はホログラム記録時には塩基を発生しないことがより好ましい。
さらには、ホログラム記録後における、塩基発生剤から塩基を発生する際のホログラム記録光とは異なる光照射または熱印加により、同時に酸発生剤からも酸を発生することが好ましい。
塩基発生剤も用いる場合の本発明の好ましいホログラム記録再生方法としては、「少なくとも、ホログラム記録光を吸収し励起状態を生成する増感色素と、増感色素励起状態からの電子移動またはエネルギー移動により、酸を発生する酸発生剤と、酸により発色反応を起こすことができるが中性または塩基性下では発色反応を起こさない一般式(1)〜(3)で表される色素前駆体とを有し、ホログラム露光時酸発生による一般式(1)〜(3)で表される色素前駆体の発色反応による屈折率変調を用い干渉縞を記録し、さらにその後、ホログラム記録光とは異なる光の全面照射または熱全面印加により塩基発生剤より塩基を発生させつつ、酸発生剤からも酸を発生させ中和し、ホログラム記録時の色素前駆体の発色による屈折率変調による干渉縞記録を保ったまま、酸発生剤及び塩基発生剤を分解して定着でき、その結果、ホログラム記録光と同じ光を照射させて再生する際に、記録した屈折率変調による干渉縞を消さずに再生できることを特徴とするホログラム記録再生方法。」が挙げられる。
定着工程において全面照射する光は、可視光または紫外光であることが好ましい。
以下に上記の本発明のホログラム記録方法を概念図で説明するが、本概念図はひとつの例であって本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2006227403
ポイントは定着時の残存酸発生剤及び塩基発生剤の光分解時に中性〜塩基性条件を保つことによって、ホログラム露光時干渉暗部であった部分の色素前駆体は発色させることなくそのまま色素前駆体として残すことである。
以下に、本発明の塩基発生剤について詳しく説明する。
本発明の塩基発生剤は光塩基発生剤であっても熱塩基発生剤であっても良い。熱塩基発生剤である時は有機また無機塩基の固体分散物やマイクロカプセル中に存在する有機または無機塩基などが好ましい。また熱により分解して塩基を発生する化合物でも良い。
本発明の塩基発生剤は光塩基発生剤であることがより好ましい。
本発明の光塩基発生剤としては、ホログラム記録光照射時に生成する増感色素励起状態との電子移動やエネルギー移動によっては塩基発生しないものの、紫外光や可視光による直接励起により塩基を発生するものがより好ましい。
本発明の塩基発生剤は、光によりブレンステッド塩基を発生することが好ましく、有機塩基を発生することがさらに好ましく、有機塩基としてアミン類を発生することが特に好ましい。
本発明の塩基発生剤として好ましくは、一般式(4−1)〜(4−4)で表される。なお、これらの塩基発生剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
Figure 2006227403
一般式(4−1)または(4−2)にて、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素原子数(以下C数という)1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクタデシル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)のいずれかを表し、より好ましくは水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基を表し、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、またはシクロペンチル基を表す。
1、R2は互いに連結して環を形成しても良く、形成するヘテロ環として好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環、モロホリン環、ピリジン環、キノリン環、またはイミダゾール環であり、より好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、またはイミダゾール環であり、最も好ましくはピペリジン環である。
1、R2のより好ましい組み合わせとしては、R1が置換しても良いシクロヘキシル基でR2が水素原子、R1が置換しても良いアルキル基でR2が水素原子、R1、R2が連結してピペリジン環またはイミダゾール環を形成、等が挙げられる。
一般式(4−1)または(4−2)にて、n1は0または1であり、好ましくは1である。
一般式(4−1)にて、R3はそれぞれ独立に置換基を表し、置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含む、好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、カルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基である。
一般式(4−1)にて、R3はニトロ基またはアルコキシ基であることが好ましく、ニトロ基またはメトキシ基であることがより好ましく、ニトロ基であることが最も好ましい。
一般式(4−1)にて、n2は0〜5の整数であり、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは1または2である。n2が2以上の時、複数のR3は同じでも異なっても良く、連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。
一般式(4−1)にて、R3がニトロ基である時、2位または2,6位に置換することが好ましく、R3がアルコキシ基である時、3、5位に置換することが好ましい。
一般式(4−1)にて、R4、R5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR3にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基のいずれかを表し、より好ましくは水素原子、メチル基、2−ニトロフェニル基のいずれかを表す。
4、R5のより好ましい組み合わせとしては、R4、R5共水素原子、R4がメチル基でR5が水素原子、R4、R5共メチル基、R4が2−ニトロフェニル基でR5が水素原子、等が挙げられ、さらに好ましくはR4、R5共水素原子である。
一般式(4−2)にて、R6、R7は置換基を表し(置換基として好ましくはR3にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは、アルコキシ基、アルキルチオ基、ニトロ基、アルキル基を表し、より好ましくはメトキシ基を表す。
一般式(4−2)にて、n3、n4はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。n3、n4が2以上の時、複数のR6、R7は同じでも異なっても良く、連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。
一般式(4−2)にて、R6は3、5位に置換したアルコキシ基であることがより好ましく、3、5位に置換したメトキシ基であることがさらに好ましい。
一般式(4−2)にて、R8は水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR3にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは水素原子またはアリール基であり、より好ましくは水素原子である。
一般式(4−3)にて、R9は置換基を表し(置換基として好ましくはR3にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくはアルキル基、アリール基、ベンジル基、またはアミノ基であり、より好ましくは置換しても良いアルキル基、t−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、置換しても良いアニリノ基、またはシクロヘキシルアミノ基を表す。
なお、一般式(4−3)で表される化合物はR9からポリマー鎖に連結した化合物であっても良い。
一般式(4−3)にて、R10、R11はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR3にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくはアルキル基またはアリール基を表し、より好ましくはメチル基、フェニル基、2−ナフチル基を表す。
10、R11は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としては例えばフルオレン環が好ましい。
一般式(4−4)にて、R12はアリール基またはヘテロ環基を表し、より好ましくは下記アリール基またはヘテロ環基である。
Figure 2006227403
一般式(4−4)にて、R13、R14、R15はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基(以上好ましい例はR1、R2に同じ)のいずれかを表し、好ましくはアルキル基を表し、より好ましくはブチル基を表す。なお、R13、R14、R15は互いに連結して環を形成しても良く、形成するヘテロ環として好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環、モロホリン環、ピリジン環、キノリン環、イミダゾール環であり、より好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、イミダゾール環である。
一般式(4−4)にて、R16、R17、R18、R19はそれぞれ独立にアルキル基またはアリール基を表し、R16、R17、R18はフェニル基であり、R19はn−ブチル基またはフェニル基であることがより好ましい。
本発明の塩基発生剤は一般式(4−1)または(4−3)で表されることが好ましく、一般式(4−1)で表されることがより好ましい。
以下に、本発明の塩基発生剤の好ましい具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2006227403
Figure 2006227403
Figure 2006227403
Figure 2006227403
さらに本発明のホログラム記録材料は、前記定着処理の速度を速める目的で塩基増殖剤を併用しても好ましい。
本発明の塩基増殖剤は、塩基が存在しない場合は安定であるのに対し、塩基が存在すると分解して塩基を放出し、その塩基でまた別の塩基増殖剤を分解させてまた塩基を放出する、というように塩基発生剤により発生した小量の塩基をトリガーとして塩基を増殖する化合物である。
その際、塩基増殖剤としては、下記一般式(5)で表されることが好ましい。
Figure 2006227403
一般式(5)中、R121、R122はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し(以上置換基として好ましくはR1にて挙げた置換基の例に同じ)、より好ましくは水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基を表し、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、またはシクロペンチル基を表す。
121、R122は互いに連結して環を形成しても良く、形成するヘテロ環として好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環、モロホリン環、ピリジン環、キノリン環、またはイミダゾール環であり、より好ましくは、ピペリジン環、ピロリジン環、またはイミダゾール環であり、最も好ましくはピペリジン環である。
121、R122のより好ましい組み合わせとしては、R121が置換しても良いシクロヘキシル基でR122が水素原子、R121が置換しても良いアルキル基でR122が水素原子、R121、R122が連結してピペリジン環またはイミダゾール環を形成、等が挙げられる。
123、R124はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR3にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは水素原子、アリール基またはアリールスルホニル基を表し、より好ましくはアリール基を表す。
123、R124は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはフルオレン環が挙げられる。
125、R126はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し(置換基として好ましくはR3にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは水素原子またはアルキル基を表し、より好ましくは水素原子またはメチル基を表す。
n102は0または1の整数を表し、好ましくは1を表す。
本発明の塩基増殖剤はより好ましくは一般式(6−1)または(6−2)で表される。
Figure 2006227403
一般式(6−1)、(6−2)中、R121、R122は一般式(5)と同義である。
本発明の塩基増殖剤は一般式(6−1)で表されることがより好ましい。
以下に本発明の塩基増殖剤の具体例を示すが本発明はこれに限定されるわけではない。
Figure 2006227403
塩基増殖時には加熱することが好ましいため、本発明のホログラム記録材料用組成物において塩基増殖剤を用いる場合は、ホログラム露光後、加熱処理することが好ましい。
なお、本発明のホログラム記録材料は、湿式処理を行わないことが好ましい。
本発明のホログラム記録材料は、書き換えできない方式であることが好ましい。なおここで、書き換えできない方式とは、不可逆反応により記録される方式であり、一度記録されたデータは、さらに上書き記録して書き換えしようとしても書き換えされることなく保存できる方式を示す。したがって重要でかつ長期保存が必要なデータの保存に適する。ただし無論、まだ記録されていない領域に新たに追記して記録していくことは可能である。そのような意味で、一般には「追記型」または「ライトワンス型」と呼ばれる。
本発明のホログラム記録に用いる光は好ましくは波長200〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかであり、より好ましくは波長300〜700nmの紫外光または可視光であり、さらに好ましくは400〜700nmの可視光である。
さらに、本発明のホログラム記録に用いる光としては、コヒーレントな(位相及び波長のそろった)レーザー光が好ましい。用いられるレーザーとしては、固体レーザー、半導体レーザー、気体レーザー、液体レーザーのいずれでも良いが、好ましいレーザー光としては例えば、532nmのYAGレーザー2倍波、355nmのYAGレーザー3倍波、400〜415nm付近のGaNやInGaN等の半導体レーザー、650〜660nm付近のAlGaInP等の半導体レーザー、488または515nmのArイオンレーザー、632または633nmのHe−Neレーザー、647nmのKrイオンレーザー、694nmのルビーレーザーや636、634、538、534、442nmのHe−Cdレーザーなどが挙げられる。
また、ナノ秒やピコ秒オーダーのパルスレーザーを用いることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に使用する場合は、532nmのYAGレーザー2倍波または400〜415nm付近のGaNやInGaNレーザー、650〜660nm付近のAlGaInP等の半導体レーザーを用いることが好ましい。
ホログラム露光(記録)に用いる光の波長に対し、ホログラム再生に用いる光の波長は同じであるか、長波長であることが好ましく、同じであることがより好ましい。
本発明のホログラム記録材料においては、ホログラム露光の後に、光または熱、あるいはその両方により定着工程を行っても良い。
特に本発明のホログラム記録材料に酸増殖剤または塩基増殖剤を用いる場合、酸増殖剤または塩基増殖剤を有効に機能させる点においても定着に加熱を用いることが好ましい。
光定着の場合は、ホログラム記録材料全域に紫外光または可視光を全面照射(非干渉露光)する。用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、紫外光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、LED、有機ELなどが挙げられる。
熱定着の場合は、好ましくは40℃〜160℃、より好ましくは60℃〜130℃にて定着工程を行うことが好ましい。
光定着と熱定着を両方行う際は、光と熱を同時に加えても、光と熱を別々に加えてもよい。
なお、干渉縞記録の際の屈折率変調量は0.00001〜0.5であることが好ましく、0.0001〜0.3であることがより好ましい。なお、ホログラム記録材料の膜厚が厚い程屈折率変調量は少ない方が好ましく、ホログラム記録材料の膜厚が薄い程屈折率変調量は多い方が好ましい。
ホログラム記録材料の(絶対)回折効率ηは以下の式で与えられる。
η=Idiff/Io (式1)
ここでIoは入射光の強度であり、Idiffは回折(透過型)または反射(反射型)された光強度である。回折効率は0〜100%のいずれかの値を取るが、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
ホログラム記録材料の感度は、一般に単位面積当たりの露光量(mJ/cm2)で表され、この値が小さい程感度が高いと言える。しかし、どの時点の露光量をもって感度とするかは、文献、特許によってまちまちであり、記録(屈折率変調)のはじまる露光量とする場合、最大回折効率(屈折率変調)を与える露光量とする場合、最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量とする場合、露光量Eに対し、回折効率の傾きが最大となる露光量とする場合などある。
また、クーゲルニックの理論式より、ある回折効率を与えるための屈折率変調量Δnは膜厚dに反比例する。つまり、ある回折効率を与えるための感度は膜厚によっても異なり、膜厚dが厚くなる程少ない屈折率変調量Δnで済む。したがって、膜厚等の条件を揃えない限り、感度は一概には比較することはできない。
本発明においては、感度は「最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量(mJ/cm2)」と定義する。本発明のホログラム記録材料の感度は、例えば膜厚が10〜200μm程度の場合、2J/cm2以下であることが好ましく、1J/cm2以下であることがより好ましく、500mJ/cm2以下であることがさらに好ましく、200mJ/cm2以下であることが最も好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体としてホログラフィックメモリに用いる際は、DMDやLCDといった空間光変調素子(SLM)を用いて2次元デジタル情報(信号光と呼ぶ)を数多く記録していくことが好ましい。記録には記録密度を上げるために多重記録を用いることが好ましく、多重記録の方法には、角度多重、位相多重、波長多重、シフト多重などの多重記録を行う方法があるが、角度多重記録またはシフト多重記録を用いることが好ましい。また、再生される2次元データの読み出しにはCCDやCMOSが好ましく用いられる。
本発明のホログラム記録材料は、光記録媒体としてホログラフィックメモリに用いる際は、容量(記録密度)を向上させるために多重記録を行うことが必須である。その際、10回以上の多重記録を行うことがより好ましく、50回以上の多重記録を行うことがさらに好ましく、100回以上の多重記録を行うことが最も好ましい。さらに、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることが記録システム簡略化、S/N比向上等の点でより好ましい。
なお、本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に用いる際は、保存時ホログラム記録材料は遮光カートリッジ内に保存されていることが好ましい。また、記録光及び再生光波長以外の紫外光、可視光、赤外光の波長域の一部をカットすることができる遮光フィルターをホログラム記録材料の表面、裏面またはその両面に備え付けていることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に用いる際は、光記録媒体はディスク状でもカード状でもテープ状であっても良くいかなる形状であっても良い。
本発明のホログラム記録材料は、前記のような増感色素、酸発生剤、酸増殖剤、色素前駆体、塩基発生剤、塩基増殖剤等に加えて、さらに必要に応じて電子供与性化合物、電子受容性化合物、連鎖移動剤、架橋剤、熱安定剤、可塑剤、溶媒等の添加物を用いることができる。
電子供与性化合物は増感色素のラジカルカチオンを還元する能力を有し、電子受容性化合物は増感色素のラジカルアニオンを酸化する能力を有し、共に増感色素を再生する機能を有する。具体的には例えば、特願2004−238077号に記載されている例が好ましい例として挙げられる。
特に電子供与性化合物は、色素前駆体群への電子移動後の増感色素ラジカルカチオンを素早く再生できるため高感度のために有用である。電子供与性化合物としては、酸化電位が増感色素の酸化電位よりも卑なものが好ましい。電子供与性化合物の好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2006227403
電子供与性化合物としては特に、フェノチアジン系化合物(例えば10−メチルフェノチアジン、10−(4’−メトキシフェニル)フェノチアジン)、トリフェニルアミン系化合物(例えばトリフェニルアミン、トリ(4’−メトキシフェニル)アミン、TPD系化合物(例えばTPD)等が好ましく、フェノチアジン系化合物がさらに好ましく、N−メチルフェノチアジンが最も好ましい。
なお、前述してきた本発明の増感色素、酸発生剤、色素前駆体、塩基発生剤、電子供与性化合物等はオリゴマーまたはポリマーでも良く、その際は主鎖に含まれても側鎖に含まれても良く、共重合体であっても良い。
ポリマー主鎖としてはどのような構造でも良いが、ポリアクリレートやポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド等が好ましく挙げられる。
その際、本発明のポリマーまたはオリゴマーとしては繰り返し単位が2以上100万以下であり、好ましくは3以上100万以下であり、より好ましくは5以上50万以下であり、もっとも好ましくは10以上10万以下である。
またポリマーまたはオリゴマーの分子量としては好ましくは500以上1000万以下であり、より好ましくは1000以上500万以下であり、さらに好ましくは2000以上100万以下であり、最も好ましくは3000以上100万以下である。
連鎖移動剤、架橋剤、熱安定剤、可塑剤、溶媒等の具体例として好ましい例は、特願2004−238392号に記載されている例が挙げられる。
なお、本発明のホログラム記録材料の製膜方法としては、バインダーや前記の各成分を溶媒等に溶かしてスピンコーターまたはバーコーター等を用いて塗布しても良い。また前記の各成分を含むバインダーをバインダーのガラス転移温度または融点以上の温度にしてメルトさせ溶融押し出しまたは射出成型しても良い。その際、バインダーとして反応性架橋バインダーを使用し、押し出しまたは成型後に架橋させて膜を硬化させ、膜強度を増しても良い。その場合、架橋反応にはラジカル重合反応、カチオン重合反応、縮合重合反応、付加重合反応等が使用できる。また、特開2000−250382号、特開2000−172154号等記載の方法も好ましく使用することができる。
また、バインダーを形成するモノマー溶液に各成分を溶解させておいた上でモノマーを熱重合または光重合させポリマーとし、バインダーとする方法も好ましく使用できる。その際の重合法としても、ラジカル重合反応、カチオン重合反応、縮合重合反応、付加重合反応等が使用できる。
本発明のホログラム記録材料をホログラフィック光メモリ用途に用いる場合、ホログラム記録材料はホログラム記録前後で収縮等が起こらない方が信号再生時のS/N比向上の点でより好ましい。
そのため、例えば本発明のホログラム記録材料に特開2000−86914号記載の膨張剤を用いたり、特開2000−250382号、2000−172154、特開平11−344917号記載の耐収縮性のあるバインダーを用いることも好ましい。
また、特開平3−46687号、5−204288号、特表平9−506441号等記載の拡散要素を用いて干渉縞間隔を調節することも好ましい。
特許文献1〜3、5〜8のような公知の通常のフォトポリマーでは多重記録を行うと、多重記録後半の方では重合がかなり進んだ所に記録することとなるため、多重記録前半に比べて、同じ信号を記録するにも露光時間を必要(感度が低下)することとなり、システム設計上重大な問題とされていた。つまり、露光量に対して、屈折率変調量がリニアに上昇する範囲が非常に狭いことが問題とされていた。また重合による収縮によってS/N比が悪化し多重度が上がらず記録容量が稼げないという問題もあった。
それに対し、本発明のホログラム記録材料及び記録方法は干渉縞記録に重合を伴わない方式であるため収縮が起こらず、その結果多くの多重記録が可能であり、さらに、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま、つまり露光量に対して屈折率変調量がリニアに上昇しながら多重記録することができるため、広いダイナミックレンジを取ることができる。これらは、高密度(容量)化、記録システム簡略化、S/N比向上等の点で好ましい。
以上のように、本発明のホログラム記録材料は、前述の課題を抜本的に解決した、とりわけ高感度と良保存性、乾式処理、多重記録特性(高記録密度)を両立できる全く新しい記録方式を与えるものであり、特に、光記録媒体(ホログラフィック光メモリ)に用いることが好ましい。
特に、ホログラム記録後酸発生剤や塩基発生剤を分解しつつ増感色素を光消色させて定着させることにより、記録後再生光を照射しても劣化が起こらない、すなわち非破壊再生が可能で保存性に優れ、また記録後の定着によりホログラム再生光を吸収せず、高い絶対回折効率を得ることが出来る。
さらに、本発明のホログラム記録材料は、光記録媒体の他にも、3次元ディスプレイホログラム、ホログラフィック光学素子(HOE、例えば、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス)、書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレイ、ギフト、偽造防止用のセキュリティ目的としてクレジットカード、紙幣、包装などに好ましく用いることができる。
[実施例]
以下に、本発明の具体的な実施例について実験結果を基に説明した。勿論、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
赤色灯下にて、表1に示した増感色素、電子供与性化合物、酸発生剤、色素前駆体、光塩基発生剤、バインダーPMMA−EA(ポリ(メチルメタクリレート−5%エチルアクリレート)共重合体、Mw101000)を、2.5〜4倍質量の塩化メチレン(必要によりアセトンまたはアセトニトリルも併用した)に溶解し、ホログラム記録材料用組成物101〜103を調液した。なお%はすべてバインダーPMMA−EAに対した質量%を表す。
Figure 2006227403
Figure 2006227403
このホログラム記録材料用組成物101〜103を厚さが約80μmになるようにブレードを用いてガラス基板に塗布(必要なら重ね塗り)し、感光層を形成した後、室温で1日真空乾燥して溶媒を留去した。さらに感光層上をTAC膜で覆うことにより、ホログラム記録材料101〜103を作成した。
ホログラム記録材料を、図1に示す透過型ホログラム記録用の2光束光学系により、光源としてYAGレーザー2倍波(532nm、出力2W)を用いて露光し記録した。物体光と参照光のなす角は30度である。ビームは0.6cmの直径と8mW/cm2の強度とを有している。ホログラムに露光している間、He−Neレーザー632nmのビームをブラック角にて露光領域の中心に通し、その入射光に対した回折光の比(絶対回折効率)を実時間で測定し、絶対回折効率が30%に到達した時点で露光を止めた。なお632nmには増感色素の吸収がないため、He−Neレーザーはホログラム記録材料を感光させない。
その後、キセノンランプとバンドパスフィルターを用いて紫外光を照射し、酸発生剤と光塩基発生剤を共に分解して定着処理を行った。定着処理を行っている間も、He−Neレーザー632nmのビームをブラック角にて露光領域の中心に通し、その入射光に対した回折光の比(絶対回折効率)を実時間で測定した。
また定着処理終了後、記録時の532nmの参照光と同じ再生光をホログラム記録材料に照射し、その入射光に対した回折光の比(絶対回折効率)を測定した。
ホログラム記録材料101〜103における、定着処理後の632nm及び532nmの回折効率及び収縮率の評価結果を表2に記す。なお、収縮率は記録前後の膜厚変化から求めた。なお、比較例として、特開平6−43634号実施例1のラジカル重合フォトポリマー方式ホログラム記録材料を作成した。
Figure 2006227403
表2から、公知の特開平6−43634号記載の比較例は632nmにおける絶対回折効率は高いもののラジカル重合を伴なうフォトポリマー方式であるため記録時に5%を超える大きな収縮を伴ない、特にホログラフィックメモリ用途としてはS/N比が極めて悪化し不向きである。さらに532nmの絶対回折効率は、増感色素が分解できていないがゆえに残存増感色素が再生光を吸収し低い値となっている。
それに対し、本発明のホログラム記録材料101〜103は物質移動と重合を用いず、発色反応を用いた屈折率変調によるホログラム記録を行う、公知のホログラム記録材料とは全く異なる記録方式であるため、0.01%以下の極めて小さい収縮率で記録できることがわかり、特にホログラフィックメモリ用途に適している。
さらに定着処理時に増感色素も分解できているため、632nmのみならず、532nmにおいても高い絶対回折効率を与えることがわかる。
さらに532nmを再生光として10時間照射続けたが、本発明のホログラム記録材料101〜103は回折効率の低下は見られなかった。また、室温で1ヶ月放置後本発明のホログラム記録材料101〜103の回折効率を再測定したが特に回折効率の低下は観測されなかった。
さらに、本発明のホログラム記録材料は露光量(mJ/cm2)に応じてほぼリニアーにΔn(干渉縞における屈折率変調量、回折効率と膜厚からクーゲルニックの式に基づいて計算)が上昇し、多重記録の際有利である。
実際に、本発明のホログラム記録材料を用い、記録時632nmにて30%の回折効率を与えた露光量の10分の1の光量で、参照光の角度を2度ずつ変えて同じ場所に10回の多重ホログラム記録を行った後、前記の定着処理を行い、再生光の角度を2度ずつ変更して照射することによりそれぞれの物体光を再生することが可能なことを確かめた。つまり、本発明のホログラム記録材料は同じ露光量にて多重記録が可能であり、多重記録適性を有したことがわかる。このように本発明のホログラム記録材料は数多くの多重記録が可能であるため、高密度(容量)記録が可能である。
それに対し、特開平6−43634号を始めとする公知のフォトポリマー方式ホログラム記録材料は、多重記録後期はフォトポリマーの重合が進んで記録に必要なモノマーの移動が遅くなり、同じ記録を行うのに際し初期に比べてより多くの照射光量を必要とすることがわかり、多重度つまり記録密度を向上させるに際し問題であることがわかった。
なお、試料101〜103にて、増感色素をS−1、S−4、S−6、S−8、S−10、S−11、S−19、S−23、S−31、S−33、S−34、S−43、S−45、S−46、S−50、S−58、S−71、S−73、S−74、S−75、S−77、S−80、S−81、S−88、S−91、S−94、S−95、S−96に変更しても同様な効果が得られた。
また、試料101〜103にて酸発生剤をI−4〜I−10に等モル置き換えで変更しても、同様な効果が得られた。
また、試料101〜103にて、色素前駆体をAD−1、AD−3、AD−4、AD−6、AD−7、AD−12、AD−13、AD−15、AD−16、AD−19、AD−40、AD−42に等モル置き換えで変更しても同様な効果が得られた。
また、試料101〜103にて塩基発生剤を、PB−1〜PB−10、PB−14、PB−21に等当量置き換えで変更しても、同様な効果が得られた。
また、試料101〜103にて電子供与性化合物をA−2〜A−6、A−9〜A−11に変更しても同様な効果が得られた。
また試料101〜110にて、バインダーをポリメチルメタクリレート(Mw996000、350000、120000)、ポリ(メチルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体(Mw75000)、ポリビニルアセタール(Mw83000)、ポリカーボネート、セルロースアセテートブチレート等に変更しても同様な効果が得られた。
ホログラム露光用の2光束光学系を説明する概略図である。
符号の説明
10 YAGレーザー
12 レーザービーム
14 鏡
20 ビームスプリッター
22 ビームセグメント
24 鏡
26 空間フィルター
28 試料
30 ホログラム記録材料
32 He−Neレーザービーム
34 He−Neレーザー
36 検出器
38 回転ステージ
40ビームエキスパンダー
42 定着用キセノンランプ+バンドパスフィルター

Claims (21)

  1. 少なくとも、ホログラム記録光を吸収し励起状態を生成する増感色素と、増感色素励起状態からの電子移動またはエネルギー移動により酸を発生する酸発生剤と、酸により吸収変化を伴う反応を起こすことができる一般式(1)で表される色素前駆体とを有し、該吸収変化による屈折率変調を用いて干渉縞を記録することを特徴とするホログラム記録材料。
    一般式(1)
    PD1−AP
    一般式(1)中、PD1はAPとの結合が切断されることにより吸収変化を起こす成分を含む基を表し、APは酸によりPD1との結合を切断することができる部位を含む基を表す。
  2. さらに、バインダーポリマーを有することを特徴とする請求項1記載のホログラム記録材料。
  3. 前記一般式(1)で表される色素前駆体が、中性もしくは塩基性条件下ではPD1−APの結合は切断されずに吸収変化を伴う反応を起こさないことを特徴とする請求項1または2記載のホログラム記録材料。
  4. 前記一般式(1)で表される色素前駆体が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のホログラム記録材料。
    一般式(2)
    PD2−X−AP
    一般式(2)中、APは一般式(1)と同義である。Xは−O−、−S−、−COO−、−SO3−、−P(O)(OR31)O−、−NR32−、−+NR3334−、−N(SO235)−、−N(COR36)−、−CR3738−のいずれかを表し、PD2はXと共に、XとAPの結合が切断されることにより吸収変化を起こす成分を含む基を形成する基を表す。
    ここで、R31、R32、R36はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、R33、R34、R35はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、R37、R38はそれぞれ独立に置換基を表す。
  5. 前記吸収変化を伴う反応が発色反応であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のホログラム記録材料。
  6. 請求項1の一般式(1)のPD1または請求項4の一般式(2)のPD2−Xが、解離型アゾ色素、解離型アゾメチン色素、解離型オキソノール色素、解離型ベンジリデン色素、解離型キサンテン色素、解離型フルオラン色素、解離型トリフェニルメタン型色素のいずれかの解離体から成る基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のホログラム記録材料。
  7. 前記一般式(2)で表される色素前駆体が、下記一般式(3)で表されることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のホログラム記録材料。
    Figure 2006227403
    一般式(3)中、PD2、Xは一般式(2)と同義であり、PD2はXと共に、XとAPの結合が切断されることにより吸収変化を起こす成分であり、−C(=O)(O)nR39は酸によりXとの結合を切断することができる部位を表す。R39はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基のいずれかを表し、a1は0または1を表す。
  8. 請求項7の一般式(3)において、R39がt-ブチル基であり、a1が1であることを特徴とする請求項7記載のホログラム記録材料。
  9. 請求項1記載の増感色素、酸発生剤、色素前駆体に加えさらに、ホログラム記録光とは異なる光照射または熱印加により塩基を発生することができる塩基発生剤を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のホログラム記録材料。
  10. 請求項9にて、塩基発生剤はホログラム記録時には塩基を発生しないことを特徴とする請求項9記載のホログラム記録材料。
  11. 請求項9にて、ホログラム記録後における、塩基発生剤から塩基を発生する際のホログラム記録光とは異なる光照射または熱印加により、同時に酸発生剤からも酸を発生することができることを特徴とする請求項9または10記載のホログラム記録材料。
  12. 少なくとも、ホログラム記録光を吸収し励起状態を生成する増感色素と、増感色素励起状態からの電子移動またはエネルギー移動により、酸を発生する酸発生剤と、酸により発色反応を起こすことができるが中性または塩基性下では発色反応を起こさない一般式(1)〜(3)で表される色素前駆体とを有し、ホログラム露光時酸発生による一般式(1)〜(3)で表せる色素前駆体の発色反応による屈折率変調を用い干渉縞を記録し、さらにその後、ホログラム記録光とは異なる光の全面照射または熱全面印加により塩基発生剤より塩基を発生させつつ、酸発生剤からも酸を発生させ中和し、ホログラム記録時の色素前駆体の発色による屈折率変調による干渉縞記録を保ったまま、酸発生剤及び塩基発生剤を分解して定着でき、その結果、ホログラム記録光と同じ光を照射させて再生する際に、記録した屈折率変調による干渉縞を消さずに再生できることを特徴とするホログラム記録再生方法。
  13. 請求項12にてホログラム記録後の光全面照射または熱全面印加による定着時に増感色素を分解することを特徴とする請求項12記載のホログラム記録再生方法。
  14. 請求項12にて、塩基発生剤は光塩基発生剤であることを特徴とする請求項12または13記載のホログラム記録再生方法。
  15. 請求項1〜14にて、ホログラム記録が書き換えできない方式であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のホログラム記録材料、請求項12〜14のいずれかに記載のホログラム記録再生方法。
  16. 請求項1〜15記載のホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
  17. 請求項16にて、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることを特徴とする請求項16記載のホログラム記録方法。
  18. 請求項1〜11、15のいずれかに記載のホログラム記録材料、請求項12〜14、15のいずれかに記載のホログラム記録再生方法または請求項16記載のホログラム記録方法を用いる光記録媒体及び光記録媒体への記録再生方法。
  19. 請求項1〜18記載のホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
  20. 請求項1〜17記載のホログラム記録材料及びホログラム記録(再生)方法を用いる3次元ディスプレイホログラム及び3次元ディスプレイホログラムの製造方法。
  21. 請求項1〜17記載のホログラム記録材料及びホログラム記録(再生)方法を用いるホログラフィック光学素子及びホログラフィック光学素子の製造方法。
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