JP4431429B2 - ホログラム記録材料、ホログラム記録方法及び光記録媒体 - Google Patents

ホログラム記録材料、ホログラム記録方法及び光記録媒体 Download PDF

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本発明は、高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能なホログラム記録材料及びホログラム記録方法等に関するものである。
ホログラム作製に関する一般的原理は、いくつかの文献や専門書、たとえば「ホログラフィックディスプレイ」(辻内順平編、産業図書[非特許文献1])2章に記載されている。これらによれば、2光束のコヒーレントなレーザー光の一方を記録対象物に照射し、それからの全反射光を受け取れる位置に感光性のホログラム記録材料が置かれる。ホログラム記録材料には、対象物からの反射光の他に、もう一方のコヒーレントな光が、対象物に当たらずに直接照射される。対象物からの反射光を物体光、また直接記録材料に照射される光を参照光といい、参照光と物体光との干渉縞が画像情報として記録される。次に、処理された記録材料に参照光と同じ光(再生照明光)を照射すると、記録の際に対象物から記録材料に最初に到達した反射光の波面を再現するようにホログラムによって回折され、その結果、対象物の実像とほぼ同じ物体像を3次元的に観測することができる。
参照光と物体光を同じ方向からホログラム記録材料に入射させて形成されるホログラムを透過型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に垂直または垂直に近い形で1mmに1000〜3000本程度の間隔で形成される。
一方、互いにホログラム記録材料の反対側から入射させて形成したホログラムを、一般に反射型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に平行または平行に近い形で1mmに3000〜7000本程度の間隔で形成される。
透過型ホログラムは、例えば特開平6−43634号[特許文献1]などで開示されているような公知の方法によって作成できる。また、反射型ホログラムは、例えば特開平2−3082号[特許文献2]、特開平3−50588号[特許文献3]などに開示された公知の方法によって作成できる。
一方、干渉縞間隔に対して膜厚が十分に厚い(通常は干渉縞間隔の5倍以上程度、または1μm以上程度の膜厚を言う)ホログラムを体積型ホログラムという。
それに対し膜厚が干渉縞間隔の5倍以下程度または1μm以下程度のホログラムを平面型または表面型という。
さらに、色素や銀などの吸収により干渉縞を記録するホログラムを振幅型ホログラムと呼び、表面レリーフまたは屈折率変調により記録するホログラムを位相型ホログラムと呼ぶ。振幅型ホログラムは光の吸収により、光の回折効率または反射効率が著しく低下するため光の利用効率の点で好ましくなく、通常は位相型ホログラムが好ましく用いられる。
体積位相型ホログラムでは、ホログラム記録材料中に光学的吸収ではなく屈折率の異なる干渉縞を多数形成することによって、光を吸収することなく光の位相を変調することができる。
特に反射型の体積位相型ホログラムはリップマン型ホログラムとも呼ばれ、ブラック回折による波長選択的反射により、高回折効率にてフルカラー化、白色再生、高解像度化が可能となり、高解像フルカラー3次元ディスプレイの提供が可能となる。
また最近ではその波長選択的反射を生かして、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板等に代表されるホログラム光学素子(HOE)に広く実用化されてきている。
他にも例えば、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス等に実用または応用が検討されている。
ところで、最近の高度情報化社会の流れの中で、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、民生用途においても100GB以上の画像情報を安価簡便に記録するための高密度記録媒体の要求が高まっている。
さらにコンピューター高容量化等の流れの中で、コンピューターバックアップ用途や放送バックアップ用途等の業務用途においても、1TB程度あるいはそれ以上の大容量の情報を高速かつ安価に記録できる超高密度記録媒体が求められている。
そのような中、ランダムアクセスが不可能な磁気テープ媒体や可換不可能で故障しやすいハードディスクに対し、可換かつランダムアクセス可能で小型、安価な光記録媒体がより注目されてきている。しかしながら、DVD−Rのような既存の2次元光記録媒体は物理原理上、たとえ記録再生波長を短波長化したとしてもせいぜい片面25GB程度で、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量が期待できるとは言えない状況である。
そこで、究極の超高密度記録媒体として、膜厚方向に記録を行う3次元光記録媒体が注目されてきている。その有力な方法として2光子吸収材料を用いる方法とホログラフィ(干渉)を用いる方法とがあり、そのため体積位相型ホログラム記録材料は、3次元光記録媒体(ホログラフィックメモリ)として、最近俄然注目を集めるようになった。
体積位相型ホログラム記録材料を用いたホログラフィックメモリでは、3次元物体から反射する物体光の代わりに、DMDやLCDといった空間光変調素子(SLM)を用いた2次元デジタル情報(信号光と呼ぶ)を数多く記録していく。記録の際、角度多重、位相多重、波長多重、シフト多重などの多重記録を行うため1TBにも達する高容量化が可能となる。また、読み出しには通常CCDやCMOS等を用い、それらの並列書き込み、読み出しにより、1Gbpsにも達する高転送速度化も可能となる。
ところが、ホログラフィックメモリに用いるホログラム記録材料に求められる要件は、下記の如く3次元ディスプレイやHOE用途よりもさらに厳しいものである。
(1)高感度であること
(2)高解像力を有すること
(3)ホログラムの回折効率が高いこと
(4)記録時の処理が乾式であり迅速であること
(5)多重記録が可能であること(ダイナミックレンジが広いこと)
(6)記録後の収縮率が小さいこと
(7)ホログラムの保存性が良いこと
特に、(1)高感度であることに対し、(3)回折効率が高いこと、(4)乾式処理であること、(6)記録後の収縮率が低いこと、(7)保存性が良いこと、は化学的に考えて相反する物性であり、その両立は極めて困難である。
ここで、公知の体積位相型ホログラム記録材料には、ライトワンス方式として重クロム酸ゼラチン方式、漂白ハロゲン化銀塩方式及びフォトポリマー方式などが知られ、リライタブル方式として、フォトリフラクティブ方式及びフォトクロミック高分子方式などが知られる。
しかしこれらの公知の体積位相型ホログラム記録材料において、特に高感度光記録媒体用途においては、求められる要件をすべて満たす材料は未だなく改良が望まれている。
具体的には例えば、重クロム酸ゼラチン方式は高い回折効率と低ノイズ特性という長所を有するが、保存性が極めて悪く、湿式処理が必要で低感度という問題を有し、ホログラフィックメモリ用途には適さない。
漂白ハロゲン化銀方式は高感度という長所を有するが、湿式処理が必要でかつ漂白処理が煩雑であり、また、散乱が大きい、耐光性に劣るという問題点を有し、ホログラフィックメモリ用途にはやはり一般的に適さない。
フォトリフラクティブ材料は書き換え可能という長所を有するが、記録時に高電場印加が必要、記録保存性が悪いという問題点を有する。
アゾベンゼン高分子材料等に代表されるフォトクロミック高分子方式も書き換え可能という長所を有するが、感度が極めて低く記録保存性も悪いという問題点を有する。例えば、WO9744365A1号[特許文献4]には、アゾベンゼン高分子(フォトクロミック高分子)の屈折率異方性と配向制御を用いた書き換え可能なホログラム記録材料が提示されているが、アゾベンゼン異性化の量子収率が低い上に配向変化を伴う方式であるがために感度が極めて低く、また書き換え可能であることとの相反で記録保存性も悪いという問題点を有し、実用には程遠い。
そのような中、前述の特許文献1〜3に開示された乾式処理フォトポリマー方式は、バインダー、ラジカル重合可能なモノマーおよび光重合開始剤を基本組成とし、屈折率変調を向上させるためにバインダーまたはラジカル重合可能なモノマーのどちらか一方に芳香環または塩素、臭素を有する化合物を用いて屈折率差を持たせる工夫をしており、その結果、ホログラム露光の際形成される干渉縞の明部にモノマーが、暗部にバインダーが集まりつつ重合が進行することにより屈折率差を形成することができる。したがって、高回折効率と乾式処理を両立できうる比較的実用的な方式といえる。
しかしながら、漂白ハロゲン化銀方式に比べると感度が1000分の1程度であること、回折効率を高めるためには2時間近い加熱定着処理を必要とすること、ラジカル重合であるため、酸素による重合阻害の影響を受け、また露光、定着後記録材料の収縮を伴い、再生時の回折波長及び角度が変化してしまう問題点があること、膜が柔らかいため保存性の点でも不足していること等からホログラフィックメモリ用途としては到底使用に耐えるものではない。
ここで一般に、ラジカル重合に対しカチオン重合、特にエポキシ化合物等の開環を伴うカチオン重合は、重合後の収縮が少なく、また酸素による重合阻害も受けず、剛性のある膜を与える。したがって、ホログラフィックメモリ用途としてはカチオン重合の方が適しているという指摘もある。
例えば、特開平5−107999号[特許文献5]、特開平8−16078号[特許文献6]等に、カチオン重合性化合物(モノマーまたはオリゴマー)をバインダーの代わりに用い、さらに増感色素、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合性化合物を組み合わせたホログラム記録材料が開示されている。
また、特表2001―523842号[特許文献7]、特表11−512847号[特許文献8]等に、ラジカル重合を用いずに、増感色素、カチオン重合開始剤、カチオン重合性化合物及びバインダーのみを用いたホログラム記録材料が開示されている。
しかしこれらのカチオン重合方式はラジカル重合方式に比べて、収縮率の改善が見られるものの、その相反として、感度が低下しており、実用の際には転送速度の点で大きな問題となると考えられる。また回折効率も低下しており、S/N比や多重記録の点で問題となると考えられる。
そこで、ホログラム記録材料をホログラフィックメモリへ応用するためには、そのような課題を抜本的に解決した、とりわけ高感度と低収縮性、良保存性、乾式処理、多重記録特性を両立できる全く新しい記録方式の開発が強く望まれていた。
「ホログラフィックディスプレイ」、辻内順平編、産業図書 特開平6−43634号公報 特開平2−3082号公報 特開平3−50588号公報 WO9744365A1号公報 特開平5−107999号公報 特開平8−16078号公報 特表2001―523842号公報 特表11−512847号公報
そこで本発明の目的は、高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能な高感度かつ高回折効率、良保存性、低収縮率、乾式処理を両立することができるホログラム記録材料及びホログラム記録方法を提供することである。
発明者らの鋭意検討の結果、本発明の目的は、下記の手段により達成された
なお、本発明は、重合性基を有する色素(但し、下記一般式(A)で表されるシアニン色素を除く)を少なくとも1種、増感色素、重合開始剤、及びバインダーを含むことを特徴とするホログラム記録材料、
一般式(A)
Figure 0004431429
(式(A)中、Y、Y´はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、NH基、CH=CH基、またはC(CH 3 2 基を表し、nは0または1以上の整数を示し、R 1 又はR 2 は、アルケニル基を示し、互いに同じであっても異なっても良く、Xは、ハロゲン、NO 3 、BF 4 、PF 6 、AsF 6 、ClO 4 、SbF 6 、CF 3 SO 3 、CH 3 SO 3 またはCH 3 6 4 SO 3 を示す。)
であるが、本発明の理解の参考の為に、下記(1)〜(21)のような、その他の事項についても記載した。
(1)重合性基を有する色素を少なくとも1種含むことを特徴とするホログラム記録材料。
(2)重合性基を有する色素の吸収スペクトルにおいて、ホログラム再生波長よりも10〜200nm短波長であるλmaxを有し、εが10000以上であり、かつホログラム再生波長におけるモル吸光係数が100以下であることを特徴とする(1)記載のホログラム記録材料。
(3)前記重合性基を有する色素の他に、少なくとも増感色素、重合開始剤、及びバインダーを有することを特徴とする(1)または(2)記載のホログラム記録材料
(4)さらに、色素部分を有さない重合性化合物の少なくとも1種を有することを特徴とする(3)記載のホログラム記録材料。
(5)前記色素部分を有さない重合性化合物の少なくとも1種が沸点100℃以上の液体であることを特徴とする(4)記載のホログラム記録材料。
(6)ホログラム再生波長における屈折率が、バインダーよりも重合性基を有する色素の方が大きいことを特徴とする(3)〜(5)記載のホログラム記録材料。
(7)ホログラム再生波長における屈折率が、バインダーよりも色素部分を有さない重合性化合物の方が大きいことを特徴とする(4)〜(6)記載のホログラム記録材料。
(8)前記色素部分を有さない重合性化合物が、少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、バインダーはそれらを含まないことを特徴とする、(4)〜(7)記載のホログラム記録材料。
(9)(4)に記載のホログラム記録材料を用いて、ホログラム記録光照射により光を吸収して生成した増感色素励起状態が、電子移動またはエネルギー移動により重合開始剤を活性化して、重合性基を有する色素及び色素部分を有さない重合性化合物の重合を起こし、その際光がより強い干渉明部に重合性基を有する色素及び色素部分を有さない重合性化合物が主に移動し、光がより弱い干渉暗部にバインダーが主に追いやられることによる屈折率変調により、干渉縞を記録することを特徴とするホログラム記録方法。
(10)(9)にて、重合反応がラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれかであることを特徴とする(9)記載のホログラム記録方法。
(11)前記重合性基を有する色素、または前記色素部分を有さない重合性化合物の重合性基が、重合がラジカル重合の時は、重合性基としてアクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニル基等のエチレン性不飽和基部分を有し、重合がカチオン重合またはアニオン重合の時は重合性基としてオキシラン環、オキセタン環、ビニルエーテル基、N-ビニルカルバゾール部位のいずれかを有することを特徴とする(1)〜(8)記載のホログラム記録材料。
(12)前記重合開始剤が1)ケトン系重合開始剤、2)有機過酸化物系重合開始剤、3)ビスイミダゾール系重合開始剤、4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤、5)ジアゾニウム塩系重合開始剤、6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤、7)スルホニウム塩系重合開始剤、8)トリフェニルアルキルホウ酸塩系重合開始剤、9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、11)カチオン性色素有機ホウ素錯体系重合開始剤、12)アニオン性色素オニウム塩錯体系重合開始剤、13)金属アレーン錯体系重合開始剤、14)スルホン酸エステル系重合開始剤、のいずれかであることを特徴とする(3)〜(8)、(11)記載のホログラム記録材料。
(13)(12)にて、重合開始剤がラジカルを発生するラジカル重合開始剤であり、1)ケトン系重合開始剤、2)有機過酸化物系重合開始剤、3)ビスイミダゾール系重合開始剤、4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤、5)ジアゾニウム塩系重合開始剤、6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤、7)スルホニウム塩系重合開始剤、8)トリフェニルアルキルホウ酸塩系重合開始剤、9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、11)カチオン性色素有機ホウ素錯体系重合開始剤、12)アニオン性色素オニウム塩錯体系重合開始剤、13)金属アレーン錯体系重合開始剤、のいずれかであることを特徴とする、(12)記載のホログラム記録材料。
(14)(12)にて、重合開始剤が酸を発生するカチオン重合開始剤であり、4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤、5)ジアゾニウム塩系重合開始剤、6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤、7)スルホニウム塩系重合開始剤、13)金属アレーン錯体系重合開始剤、14)スルホン酸エステル系重合開始剤のいずれかであることを特徴とする(12)記載のホログラム記録材料。
(15)(10)にて重合反応がアニオン重合であるとき、光塩基発生剤を含むことを特徴とする(10)記載のホログラム記録材料。
(16)前記増感色素のホログラム記録波長でのモル吸光係数が1以上2000以下であることを特徴とする(3)〜(8)、(11)〜(15)記載のホログラム記録材料。
(17)ホログラム記録材料の膜厚が100μm以上であり、かつホログラム記録波長の光の透過率が10%以上99%以下となるように増感色素が添加されていることを特徴とする(3)〜(8)、(11)〜(16)記載のホログラム記録材料。
(18)ホログラム記録波長と再生波長が同じであることを特徴とする(9)または(10)記載のホログラム記録方法。
(19)(18)にて、ホログラム記録再生波長が532nmであることを特徴とする(18)記載のホログラム記録方法。
(20)(18)にて、ホログラム記録再生波長が405−415nmの範囲であることを特徴とする(18)記載のホログラム記録方法。
(21)(9)、(10)、(18)〜(20)記載のホログラム記録方法を用いて体積位相型ホログラム記録を行うことを特徴とする体積位相型ホログラム記録方法。
(22)ホログラム記録が書き換えできない方式であることを特徴とする(1)〜(8)、(11)〜(17)記載のホログラム記録材料。
(23)(1)〜(8)、(11)〜(17)、(22)記載のホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重ホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(24)多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることを特徴とする(9)、(10)、(18)〜(21)、(23)記載のホログラム記録方法及びそのような記録が可能であるホログラム記録材料。
(25)ホログラム露光後湿式処理を行わないことを特徴とする(9)、(10)、(18)〜(21)、(23)、(24)記載のホログラム記録方法及びそのような処理が可能であるホログラム記録材料。
(26)(1)〜(8)、(11)〜(17)、(22)、(24)、(25)記載のホログラム記録材料が、記録光及び再生光以外の紫外光、可視光、赤外光の波長域の一部をカットすることができる遮光フィルターをホログラム記録材料の表面、裏面またはその両面に備え付けていることを特徴とする(1)〜(25)記載のホログラム記録材料。
(27)(1)〜(8)、(11)〜(17)、(22)、(24)〜(26)記載のホログラム記録材料を用いる光記録媒体。
(28)ホログラム記録再生方法を用いる(27)記載の光記録媒体への記録再生方法。
(29)(1)〜(8)、(11)〜(17)、(22)、(24)〜(27)記載のホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
(30)(1)〜(8)、(11)〜(17)、(22)、(24)〜(26)記載のホログラム記録材料を用いる3次元ディスプレイホログラム及び(9)、(10)、(18)〜(21)、(23)〜(25)記載のホログラム記録方法を用いる3次元ディスプレイホログラムの製造方法。
(31)(1)〜(8)、(11)〜(17)、(22)、(24)〜(26)記載のホログラム記録材料を用いるホログラフィック光学素子及び(9)、(10)、(18)〜(21)、(23)〜(25)記載のホログラム記録方法を用いるホログラフィック光学素子の製造方法。
本発明により、高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能な高感度かつ高回折効率、良保存性、低収縮率、乾式処理を両立することができるホログラム記録材料及びホログラム記録方法が得られる。
本発明は、重合性基を有する色素(但し、前記一般式(A)で表されるシアニン色素を除く)を少なくとも1種、増感色素、重合開始剤、及びバインダーを含むことを特徴とするホログラム記録材料、該ホログラム記録材料を用いるホログラム記録方法、光記録媒体に関するものであるが、本明細書においては、参考のためにその他の事項についても記載した。
以下に本発明のホログラム記録方法及びホログラム記録材料について詳しく説明する。
なお、本発明のホログラム記録材料は、湿式処理を行わないことが好ましい。
本発明のホログラム記録材料は、書き換えできない方式であることが好ましい。なおここで、書き換えできない方式とは、不可逆反応により記録される方式であり、一度記録されたデータは、さらに上書き記録して書き換えしようとしても書き換えされることなく保存できる方式を示す。したがって重要でかつ長期保存が必要なデータの保存に適する。ただし無論、まだ記録されていない領域に新たに追記して記録していくことは可能である。そのような意味で、一般には「追記型」または「ライトワンス型」と呼ばれる。
本発明のホログラム記録に用いる光は好ましくは波長200〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかであり、より好ましくは波長300〜700nmの紫外光または可視光であり、さらに好ましくは400〜700nmの可視光である。
さらに、本発明の化学作用放射線としては、コヒーレントな(位相及び波長のそろった)レーザー光が好ましい。用いられるレーザーとしては、固体レーザー、半導体レーザー、気体レーザー、液体レーザーのいずれでも良いが、好ましいレーザー光としては例えば、532nmのYAGレーザー2倍波、355nmのYAGレーザー3倍波、405〜415nm付近のGaNレーザー、488または515nmのArイオンレーザー、632または633nmのHe−Neレーザー、647nmのKrイオンレーザー、694nmのルビーレーザーや636、634、538、534、442nmのHe−Cdレーザーなどが挙げられる。
また、ナノ秒やピコ秒オーダーのパルスレーザーを用いることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に使用する場合は、532nmのYAGレーザー2倍波または405〜415nm付近のGaNレーザーを用いることが好ましい。
ホログラム露光(記録)に用いる光の波長に対し、ホログラム再生に用いる光の波長は同じであるか、長波長であることが好ましく、同じであることがより好ましい。
本発明のホログラム記録材料においては、ホログラム露光の後に、光または熱、あるいはその両方により定着工程を行っても良い。
特に本発明のホログラム記録材料に酸増殖剤または塩基増殖剤を用いる場合、酸増殖剤または塩基増殖剤を有効に機能させる点においても定着に加熱を用いることが好ましい。
光定着の場合は、ホログラム記録材料全域に紫外光または可視光を全面照射(非干渉露光)する。用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、紫外光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、LED、有機ELなどが挙げられる。
熱定着の場合は、好ましくは40℃〜160℃、より好ましくは60℃〜130℃にて定着工程を行うことが好ましい。
光定着と熱定着を両方行う際は、光と熱を同時に加えても、光と熱を別々に加えてもよい。
なお、干渉縞記録の際の屈折率変調量は0.00001〜0.5であることが好ましく、0.0001〜0.3であることがより好ましい。なお、ホログラム記録材料の膜厚が厚い程屈折率変調量は少ない方が好ましく、ホログラム記録材料の膜厚が薄い程屈折率変調量は多い方が好ましい。
ホログラム記録材料の(相対)回折効率ηは以下の式で与えられる。
η=Idiff/Io (式1)
ここでIoは回折されない透過光の強度であり、Idiffは回折(透過型)または反射(反射型)された光強度である。回折効率は0〜100%のいずれかの値を取るが、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
ホログラム記録材料の感度は、一般に単位面積当たりの露光量(mJ/cm2)で表され、この値が小さい程感度が高いと言える。しかし、どの時点の露光量をもって感度とするかは、文献、特許によってまちまちであり、記録(屈折率変調)のはじまる露光量とする場合、最大回折効率(屈折率変調)を与える露光量とする場合、最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量とする場合、露光量Eに対し、回折効率の傾きが最大となる露光量とする場合などある。
また、クーゲルニックの理論式より、ある回折効率を与えるための屈折率変調量 Δnは膜厚dに反比例する。つまり、ある回折効率を与えるための感度は膜厚によっても異なり、膜厚dが厚くなる程少ない屈折率変調量Δnで済む。したがって、膜厚等の条件を揃えない限り、感度は一概には比較することはできない。
本発明においては、感度は「最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量(mJ/cm2)」と定義する。本発明のホログラム記録材料の感度は、例えば膜厚が10〜200μm程度の場合、1J/cm2以下であることが好ましく、500mJ /cm2以下であることがより好ましく、200mJ/cm2以下であることがさらに好ましく、100mJ/cm2以下であることが最も好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体としてホログラフィックメモリに用いる際は、DMDやLCDといった空間光変調素子(SLM)を用いて2次元デジタル情報(信号光と呼ぶ)を数多く記録していくことが好ましい。記録には記録密度を上げるために多重記録を用いることが好ましく、多重記録の方法には、角度多重、位相多重、波長多重、シフト多重などの多重記録を行う方法があるが、角度多重記録またはシフト多重記録を用いることが好ましい。また、再生される2次元データの読み出しにはCCDやCMOSが好ましく用いられる。
本発明のホログラム記録材料は、光記録媒体としてホログラフィックメモリに用いる際は、容量(記録密度)を向上させるために多重記録を行うことが必須である。その際、10回以上の多重記録を行うことがより好ましく、50回以上の多重記録を行うことがさらに好ましく、100回以上の多重記録を行うことが最も好ましい。さらに、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることが記録システム簡略化、S/N比向上等の点でより好ましい。
なお、本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に用いる際は、保存時ホログラム記録材料は遮光カートリッジ内に保存されていることが好ましい。また、記録光及び再生光波長以外の紫外光、可視光、赤外光の波長域の一部をカットすることができる遮光フィルターをホログラム記録材料の表面、裏面またはその両面に備え付けていることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に用いる際は、光記録媒体はディスク状でもカード状でもテープ状であっても良くいかなる形状であっても良い。
以下に本発明の各ホログラム記録方法及びそのような記録方法が可能なホログラム記録材料の各成分について詳しく説明する。
本発明のホログラム記録材料は、重合性基を有する色素を少なくとも1種含むことを特徴とする。ここで、本発明における「色素」とは、波長300〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかを吸収する化合物のことを称し、より好ましくは波長330〜700nmの紫外光または可視光を吸収する化合物のことを称し、さらに好ましくは400〜700nmの可視光を吸収する化合物のことを称す。その際その領域のモル吸光係数としては5000以上が好ましく、10000以上がより好ましく、20000以上が最も好ましい。
本発明のホログラム記録材料は、重合性基を有する色素に加えて、少なくとも増感色素、重合開始剤、及びバインダーを有することが好ましく、さらに、色素部分を有さない重合性化合物を有することが好ましい。ここで、色素部分を有さない重合性化合物の少なくとも1個が沸点100℃以上の液体であることがより好ましい。
本発明のホログラム記録方法は、ホログラム記録光照射により光を吸収して生成した増感色素励起状態が、電子移動またはエネルギー移動により重合開始剤を活性化して、重合性基を有する色素及び色素部分を有さない重合性化合物の重合を起こし、その際光がより強い干渉明部に重合性基を有する色素及び色素部分を有さない重合性化合物が主に移動し、光がより弱い干渉暗部にバインダーが主に追いやられることによる屈折率変調により、干渉縞を記録することを特徴とする。
その際、干渉明部と干渉暗部にて屈折率が異なることが重要である。本発明のホログラム記録材料においては、干渉明部にて屈折率が大きいことが好ましい。
したがって、本発明のホログラム再生波長における屈折率が、バインダーよりも重合性基を有する色素の方が大きいことが好ましい。
一般に、色素の屈折率は、吸収極大波長(λmax)付近からそれより長波長な領域で高い値を取り、特にλmaxからλmaxより200nm程長波長な領域において非常に高い値を取り、色素によっては2を超え、さらには2.5を超えるような高い値をとる。
一方で、バインダーポリマー等の色素ではない有機化合物は通常1.4〜1.6程度の屈折率である。
したがって、本発明のホログラム記録材料では、屈折率変調に屈折率の大きい色素を用いるため、高感度化の点で有利である。また、高感度化のためには、重合性基を有する色素は、好ましくは吸収スペクトルにおいて、ホログラム再生波長よりも10〜200nm短波長であるλmaxを有し、より好ましくは30〜130nm短波長であるλmaxを有し、εが10000以上であり、より好ましくは20000以上であることが好ましい。
さらに、高い回折効率のためには、ホログラム再生波長におけるモル吸光係数が100以下、より好ましくは10以下であり、最も好ましくは0であることが好ましい。
さらに本発明のホログラム記録材料において、色素部分を有さない重合性化合物を用いる場合も、ホログラム再生波長における屈折率が、バインダーよりも色素部分を有さない重合性化合物の方が大きいことが好ましい。
その際、色素部分を有さない重合性化合物が、少なくとも1個以上のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、バインダーはそれらを含まないことがより好ましい。
本発明における重合反応は、重合反応がラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれかであることが好ましく、ラジカル重合またはカチオン重合であることが好ましい。
その際、重合性基を有する色素、色素部分を有さない重合性化合物の重合性基が、重合がラジカル重合の時は、重合性基としてアクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニル基等のエチレン性不飽和基部分を有し、好ましくはアクリロイル基またはメタクリロイル基を有し、重合がカチオン重合またはアニオン重合の時は重合性基としてオキシラン環、オキセタン環、ビニルエーテル基、N-ビニルカルバゾール部位のいずれかを有し、好ましくはオキシラン環またはオキセタン環を有することが好ましい。
次に、本発明の重合性基を有する色素について詳しく説明する。
本発明の重合性基を有する色素のうち、色素の部分として好ましくは、シアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、スチリル色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、オキソノール色素、アズレニウム色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、フェノチアジン色素、フェノキサジン色素、フェナジン色素、フタロシアニン色素、アザポルフィリン色素、ポルフィリン色素、縮環芳香族系色素、ペリレン色素、アゾメチン色素、アントラキノン色素、金属錯体色素、アゾ色素等が挙げられ、より好ましくは、シアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、スチリル色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、オキソノール色素、クマリン色素、キサンテン色素、フェノチアジン色素、縮環芳香族系色素、アゾ色素が挙げられ、さらに好ましくは、シアニン色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、オキソノール色素、クマリン色素、キサンテン色素、アゾ色素が挙げられる。
その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社 1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編 シーエムシー 1981年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシー 1986年)に記載される色素および染料も本発明の色素部分として用いることができる。
本発明の重合性基を有する色素について、重合性基については前述した通りである。重合性基としては色素のどの部分に置換していても良い。
以下に本発明の重合性基を有する色素の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0004431429
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まず、本発明のホログラム記録材料にて、ホログラム露光にて光を吸収し励起状態を生成する増感色素について詳しく説明する。
本発明の増感色素としては好ましくは、波長200〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかを吸収して励起状態を生成するものであり、より好ましくは波長300〜700nmの紫外光または可視光を吸収して励起状態を生成するものであり、さらに好ましくは400〜700nmの可視光を吸収して励起状態を生成するものである。
本発明の増感色素として好ましくはシアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、スチリル色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、オキソノール色素、アズレニウム色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、フェノチアジン色素、フェノキサジン色素、フェナジン色素、フタロシアニン色素、アザポルフィリン色素、ポルフィリン色素、縮環芳香族系色素、ペリレン色素、アゾメチン色素、アントラキノン色素、金属錯体色素、メタロセン色素等が挙げられ、より好ましくは、シアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、縮環芳香族系色素、金属錯体色素、メタロセン色素が挙げられ、さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、金属錯体色素、メタロセン色素が挙げられる。なお、金属錯体色素としては特にRu錯体色素が、メタロセン色素としては特にフェロセン類が好ましい。
その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社 1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編 シーエムシー 1981年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシー 1986年)に記載される色素および染料も本発明の増感色素として用いることができる。なお、本発明の増感色素はこれらに限定されるものではなく、可視域の光に対して吸収を示す色素および染料であればどれでも用いることができる。これらの増感剤は、使用目的に応じて光源となる輻射線の波長に合うように選択することができ、用途によっては2種類以上の増感色素を組み合わせて使用しても構わない。
ここで、本発明のホログラム記録材料は光記録媒体、つまりホログラフィックメモリに用いることが好ましい。ホログラフィックメモリでは、記録密度を稼ぐために、50回を超え、好ましくは100回以上にも及ぶ多重記録を行うことになる。その際、ホログラム記録材料の膜厚は厳しいブラック条件による厳しい角度依存性を発生させるために、少なくとも100μm以上、より好ましくは500μm以上あることが一般に必要であるが、膜一面に干渉縞記録を行うために、ホログラム記録光は好ましくは10%以上99%以下、より好ましくは20%以上90%以下、ホログラム記録材料を透過することが好ましい。
したがって、モル吸光係数の高い増感色素を用いた場合は、そのような厚いホログラム記録材料を記録光が透過するためには増感色素量をかなり減らす必要が生じてしまい、その結果記録感度の著しい低下を招いてしまい問題である。したがって、ホログラフィックメモリ用増感色素としてはεが極力低く、量がつめた方が感度及び多重記録特性の点で好ましい。
ホログラム露光波長における増感色素のモル吸光係数は1以上10000以下であることが好ましく、1以上5000以下であることがより好ましく、5以上2000以下であることがさらに好ましく、10以上1000以下であることが最も好ましい。
以下に本発明の増感色素の具体的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるわけではない。
Figure 0004431429
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本発明の増感色素の好ましい例としては他に、特願2003−300059号に記載されている。本発明の増感色素は市販品であるか、あるいは公知の方法により合成することができる。
次に本発明のホログラム記録材料における重合開始剤について詳しく説明する。
本発明の重合開始剤とは、増感色素の励起状態からエネルギー移動または電子移動(電子を与えるまたは電子を受ける)を行うことによりラジカルまたは酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)、塩基(ブレンステッド塩基またはルイス塩基)を発生し、重合性化合物の重合を開始することができる化合物のことである。
本発明の重合開始剤は好ましくは、ラジカルを発生して重合性化合物のラジカル重合を開始することができるラジカル重合開始剤と、ラジカルを発生することなく酸のみ発生して重合性化合物のカチオン重合のみを開始することができるカチオン重合開始剤と、ラジカル及び酸を両方発生して、ラジカル及びカチオン重合両方を開始することができる重合開始剤、塩基を発生してアニオン重合を開始できるアニオン重合開始剤のいずれかである。
まず、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤及びその両方を開始することができる開始剤について説明する。
本発明の重合開始剤としては好ましくは、以下の14個の系が挙げられる。なお、これらの重合開始剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
1)ケトン系重合開始剤
2)有機過酸化物系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
8)ホウ酸塩系重合開始剤
9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
11)カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤
12)アニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤
13)金属アレーン錯体系重合開始剤
14)スルホン酸エステル系重合開始剤
以下に好ましい上記の系について具体的に説明していく。なお、本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、特に断りの無い限りは、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても、置換されていなくても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。また、本発明における化合物に使用できる置換基は、置換の有無にかかわらず、どのような置換基でも良い。
また、本発明において、特定の部分を「環」と称した場合、あるいは「基」に「環」が含まれる場合は、特に断りの無い限りは単環でも縮環でも良く、置換されていても置換されていなくても良い。
例えば、「アリール基」はフェニル基でもナフチル基でも良く、置換フェニル基でも良い。
1)ケトン系重合開始剤
ケトン系重合開始剤としては、好ましくは芳香族ケトン、芳香族ジケトン等が挙げられる。
好ましい例としては例えば、ベンゾフェノン誘導体(例えばベンゾフェノン、ミヒラーズケトン)、ベンゾイン誘導体(例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−アリルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン)、アセトイン誘導体(アセトイン、ピバロイン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、アシロインエーテル誘導体(例えばジエトキシアセトフェノン)、α−ジケトン誘導体(ジアセチル、ベンジル、4,4´−ジメトキシベンジル、ベンジルジメチルケタール、2,3−ボルナンジオン(カンファーキノン)、2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロ−3,4−フラン酸(イミダゾールトリオン))、キサトン誘導体(例えばキサントン)、チオキサントン誘導体(例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン)、ケトクマリン誘導体等が挙げられる。
市販品としては例えば、チバガイギー社より上市されている下記式で表されるイルガキュアー184、651、907等が挙げられる。
Figure 0004431429
また、好ましい例としてキノン系重合開始剤(例えば、9,10−アンスラキノン、1−クロロアンスラキノン、2−クロロアンスラキノン、2−メチルアンスラキノン、2−エチルアンスラキノン、2−t−ブチルアンスラキノン、オクタメチルアンスラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンスレンキノン、1,2−ベンズアンスラキノン、2,3−ベンズアンスラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、1,4−ジメチルアンスラキノン、2,3−ジメチルアンスラキノン、2−フェニルアンスラキノン、2,3−ジメチルアンスラキノン、アンスラキノンアルファ−スルホン酸のナトリウム塩、3−クロロ−2−メチルアンスラキノン、レテネキノン、7,8,9,10−テトラヒドロナフタセンキノン、並びに1,2,3,4−テトラヒドロベンズ(a)アンスラセン−7,12−ジオン)も挙げられる。
2)有機過酸化物系重合開始剤
好ましい例としては、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、特開昭59−189340号公報および特開昭60−76503号公報記載の3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが挙げられる。
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
ビスイミダゾール系重合開始剤にて好ましいのは、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール誘導体であり、例えばビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(m−メトキシフェニル)−イミダゾールダイマー(CDM−HABI)、1,1′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′5,5′−テトラフェニル(o−Cl−HABI)、1H−イミダゾール、2,5−ビス(o−クロロフェニル)−4−〔3,4−ジメトキシフェニル〕−ダイマー(TCTM−HABI)などが挙げられる。
ビスイミダゾール系重合開始剤は水素供与体と共に用いられることが好ましい。水素供与体として好ましくは、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、などが挙げられる。
4)トリハロメチル置換トリアジン系酸発生剤
トリハロメチル置換トリアジン系酸発生剤は好ましくは以下の一般式(11)にて表される。
Figure 0004431429
一般式(11)中、R21、R22、R23はそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、好ましくは塩素原子を表す。R24、R25はそれぞれ独立に水素原子、−CR21R22 R23、置換基を表す。
置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、カルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基である。
R24は好ましくは−CR21R22R23を、より好ましくは−CCl3基を表し、R25は好ましくは、 −CR21R22R23、アルキル基、アルケニル基、アリール基である。
トリハロメチル置換トリアジン系酸発生剤の具体例としては、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4’−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4’−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1, 3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4'−メトキシ−1'−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが例示される。好ましい例として、英国特許1388492号および特開昭53−133428号公報記載の化合物も挙げられる。
5)ジアゾニウム塩系酸発生剤
ジアゾニウム塩系酸発生剤は好ましくは以下の一般式(12)にて表される。
Figure 0004431429
R26はアリール基またはヘテロ環基を表し、好ましくはアリール基であり、より好ましくはフェニル基である。
R27は置換基を表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、a21は0〜5の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。a21が2以上の時、複数のR27は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
X21 -は、HX21がpKa4以下(水中、25℃)、好ましくは3以下、より好ましくは2以下の酸となる陰イオンで、好ましくは例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどである。
ジアゾニウム系酸発生剤の具体例としては例えば、ベンゼンジアゾニウム、4−メトキシジアゾニウム、4−メチルジアゾニウムの上記X21 -塩などが挙げられる。
6)ジアリールヨードニウム塩系酸発生剤
ジアリールヨードニウム塩系酸発生剤は好ましくは以下の一般式(13)にて表される。
Figure 0004431429
一般式(13)中、X21 -は一般式(12)と同義である。R28、R29はそれぞれ独立に置換基を表し(以上置換基として好ましくはR24にて挙げた置換基の例に同じ)、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基を表す。
a22、a23はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0〜1の整数を表す。a22、a23が2以上の時、複数のR28、R29は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
ジアリールヨードニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4,4'−ジクロロジフェニルヨードニウム、4,4'−ジメトキシジフェニルヨードニウム、4,4'−ジメチルジフェニルヨードニウム、4,4'−ジ-t-ブチルジフェニルヨードニウム、3,3'−ジニトロジフェニルヨードニウム、フェニル(p−メトキシフェニル)ヨードニウム、フェニル(p−オクチルオキシフェニル)ヨードニウム、ビス(p−シアノフェニル)ヨードニウムなどのクロリド、ブロミド、ヨージド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
また、「マクロモレキュールス(Macromolecules)」、第10巻、p1307(1977年)に記載の化合物、特開昭58−29803号公報、特開平1−287105号公報、特願平3−5569号に記載されているようなジアリールヨードニウム塩類も挙げられる。
7)スルホニウム塩系酸発生剤
スルホニウム塩系酸発生剤は好ましくは以下の一般式(14)にて表される。
Figure 0004431429
一般式(14)中、X21 -は一般式(12)と同義である。R30、R31、R32 はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、ヘテロ環基(以上好ましい例はR24に同じ)を表し、好ましくは、アルキル基、フェナシル基、アリール基を表す。
スルホニウム塩系酸発生剤の具体例としては、トリフェニルスルホニウム、ジフェニルフェナシルスルホニウム、ジメチルフェナシルスルホニウム、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、4−ターシャリーブチルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム、4−フェニルチオトリフェニルスルホニウム、ビス−1−(4−(ジフェニルスルホニウム)フェニル)スルフィドなどのスルホニウム塩のクロリド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが例示される。
8)ホウ酸塩系重合開始剤
ホウ酸塩系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(15)にて表される。
Figure 0004431429
一般式(15)中、R33、R34、R35、R36はそれぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基を表し(以上好ましい例はR24に同じ)、好ましくはアルキル基またはアリール基である。ただし、R33、R34、R35、R36の全てが同時にアリール基となることはない。X22 + は陽イオンを表す。
より好ましくはR33、R34、R35はアリール基であり、R36がアルキル基であり、最も好ましくはR33、R34、R35はフェニル基であり、R36はn−ブチル基である。
ホウ酸塩系重合開始剤の具体例としては、テトラブチルアンモニウムn−ブチルトリフェニルボレート、テトラメチルアンモニウムsec−ブチルトリフェニルボレートなどが挙げられる。
9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体塩系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(16)にて表される。
Figure 0004431429
一般式(16)中、R28、R29、a22、a23は一般式(13)と同義であり、R 33、R34、R35、R36は一般式(15)と同義である。
ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体塩系重合開始剤の具体例としては以下に示すI-1〜I-3が挙げられる。
Figure 0004431429
さらに、特開平3−704号公報記載のジフェニルヨードニウム(n−ブチル)トリフェニルボレートなどのヨードニウム有機ホウ素錯体も好ましい例として挙げられる。
10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
スルホニウム有機ホウ素錯体塩系重合開始剤は好ましくは以下の一般式(17)にて表される。
Figure 0004431429
一般式(17)中、R33、R34、R35、R36は一般式(15)と同義である。R37、R38、R39はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基であり(以上好ましい例はR24に同じ)、より好ましくはアルキル基、フェナシル基、アリール基、アルケニル基である。R37、R38、R39は互いに連結して環を形成しても良い。R40は酸素原子もしくは孤立電子対を表す。
スルホニウム有機ホウ素錯体塩系重合開始剤の具体例としては以下に示すI-4〜I-10が挙げられる。
Figure 0004431429
さらに、特開平5−255347号、特開平5−213861号記載のスルホニウム有機ホウ素錯体も好ましい例として挙げられる。
11)カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤
本発明の重合開始剤がカチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤の場合は、そのカチオン性増感色素が本発明の増感色素の役割を行っても良い。
カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤は好ましくは一般式(18)にて表される。
Figure 0004431429
一般式(18)中、(Dye-1)+はカチオン性増感色素であり、好ましい例としては、先述した増感色素の中のカチオン性の増感色素である。例えばシアニン色素、メロシアニン色素が好ましく、シアニン色素がより好ましい。R33、R34 、R35、R36は一般式(15)と同義である。
カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤の具体例としては例えば、以下に示すI-11、I-12、I-13、I-14等が挙げられる。
Figure 0004431429
また、特開昭62−143044号、62−150242号公報に記載の陽イオン染料−ボレート陰イオン錯体も具体例として挙げられる。
12)アニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤
本発明の重合開始剤がアニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤の場合は、そのアニオン性増感色素が本発明の増感色素の役割を行っても良い。
アニオン性増感色素オニウム塩系重合開始剤は好ましくは一般式(19)にて表される。
Figure 0004431429
一般式(19)中、(Dye-2)-はアニオン性の増感色素であり、好ましい例としては先述した増感色素の中のアニオン性の増感色素である。例えばシアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素が好ましく、シアニン色素、オキソノール色素がより好ましい。X23 +は一般式(12)のジアゾニウム塩のカチオン部分、一般式(13)のジアリールヨードニウム塩のカチオン部分、一般式(14)のスルホニウム塩のカチオン部分を表し(いずれも好ましい例は先述した通り)、好ましくは一般式(13)のジアリールヨードニウム塩のカチオン部分または一般式(14)のスルホニウム塩のカチオン部分である。
アニオン性増感色素オニウム塩系重合開始剤の具体例としては例えば、以下に示すI-15〜I-32等が挙げられる。
Figure 0004431429
13)金属アレーン錯体系重合開始剤
金属アレーン錯体系重合開始剤としては、金属は鉄またはチタンが好ましい。
具体的には、特開平1−54440号、ヨーロッパ特許第109851号、ヨーロッパ特許第126712号および「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の鉄アレーン錯体、「オルガノメタリックス(Organometallics)」、第8巻、第2737頁(1989年)記載の鉄アレーン有機ホウ素錯体、「Prog.Polym.Sci、第21巻、7〜8頁(1996年)記載の鉄アレーン錯体塩、特開昭61−151197号公報に記載されるチタセノン類、などが好ましい例として挙げられる。
14)スルホン酸エステル系重合開始剤
スルホン酸エステル系重合開始剤としては、好ましくはスルホン酸エステル類、スルホン酸ニトロベンジルエステル類、イミドスルホネート類、等を挙げることができる。
スルホン酸エステル類の具体例としては好ましくは、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリメシレート、スルホン酸ニトロベンジルエステル類の具体例としては好ましくは、o−ニトロベンジルトシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、2',6'−ジニトロベンジル−4−ニトロベンゼンスルホネート、p−ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、2−ニトロベンジルトリフルオロメチルスルホネート、イミドスルホネート類の具体例として好ましくはN−トシルフタル酸イミド、9−フルオレニリデンアミノトシレート、α−シアノベンジリデントシルアミン、等が挙げられる。
15)その他の重合開始剤
前記1)〜14)以外の重合開始剤としては、4,4’−ジアジドカルコンのような有機アジド化合物、N−フェニルグリシンなどの芳香族カルボン酸、ポリハロゲン化合物(CI4、CHI3、CBrCI3)、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム塩ヘキサフルオロアンチモネートのようなピリジニウム塩、フェニルイソオキサゾロン、シラノールアルミニウム錯体、特開平3−209477号公報に記載されるアルミナート錯体などが挙げられる。
ここで、本発明のラジカルまたはカチオン重合開始剤は、
a)ラジカル重合を活性化できる重合開始剤
b)カチオン重合のみ活性化できる重合開始剤
c)ラジカル重合とカチオン重合を同時に活性化できる重合開始剤
分類することができる。
a)ラジカル重合を活性化できる重合開始剤とは、増感色素の励起状態からエネルギー移動または電子移動(増感色素に電子を与えるまたは増感色素から電子を受ける)を行うことによりラジカルを発生し、重合性化合物のラジカル重合を開始することができる重合開始剤のことである。
前記の中では、以下の系がラジカル重合を活性化することができる重合開始剤系である。
1)ケトン系重合開始剤
2)有機過酸化物系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
8)ホウ酸塩系重合開始剤
9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤
11)カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤
12)アニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤
13)金属アレーン錯体系重合開始剤
ラジカル重合を活性化できる重合開始剤としてより好ましくは、
1)ケトン系重合開始剤
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
11)カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤
12)アニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤
が挙げられ、さらに好ましくは、
3)ビスイミダゾール系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
11)カチオン性増感色素有機ホウ素錯体系重合開始剤
12)アニオン性増感色素オニウム塩錯体系重合開始剤
が挙げられる。
カチオン重合のみ活性化できる重合開始剤とは、増感色素の励起状態からエネルギー移動または電子移動を行うことによりラジカルを発生することなく酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)を発生し、酸により重合性化合物のカチオン重合を開始することができる重合開始剤のことである。
前記の系の中では、以下の系がカチオン重合のみを活性化することができる重合開始剤系である。
14)スルホン酸エステル系重合開始剤
なお、カチオン重合開始剤としては、例えば「UV硬化;科学と技術(UVCURING;SCIENCE AND TECHNOLOGY)」[p.23〜76、S.ピーター・パーパス(S.PETER PAPPAS)編集、ア・テクノロジー・マーケッティング・パブリケーション(A TECHNOLOGYMARKETING PUBLICATION)]及び「コメンツ・インオーグ.ケム.(Comments Inorg.Chem.)」[B.クリンゲルト、M.リーディーカー及びA.ロロフ(B.KLINGERT、M.RIEDIKER and A.ROLOFF)、第7巻、No.3、p109−138(1988)]などに記載されているものを用いることもできる。
ラジカル重合とカチオン重合を同時に活性化できる重合開始剤とは、増感色素の励起状態からエネルギー移動または電子移動を行うことによりラジカルまたは酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)を同時発生し、発生するラジカルにより重合性化合物のラジカル重合を、また発生する酸により重合性化合物のカチオン重合を開始することができる重合開始剤のことである。
前記の系の中では、以下の系がラジカル重合とカチオン重合を同時に活性化できる重合開始剤系である。
4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤
5)ジアゾニウム塩系重合開始剤
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
13)金属アレーン錯体系重合開始剤
ラジカル重合とカチオン重合を活性化できる重合開始剤として好ましくは、
6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤
7)スルホニウム塩系重合開始剤
を挙げることができる。
カチオン重合を用いる際は、酸増殖剤を用いることも高感度化の点で好ましい。酸増殖剤の好ましい例として具体的に例えば、特願2003−182849号に記載されている例が挙げられる。
次に、本発明のアニオン重合開始剤について述べる。本発明のアニオン重合開始剤は、好ましくは塩基(ブレンステッド塩基またはルイス塩基)を発生してアニオン重合を開始できる塩基発生剤のことである。
その際、塩基発生剤とは、増感色素または発色体励起状態からのエネルギー移動または電子移動により塩基を発生することができる化合物である。塩基発生剤は暗所では安定であることが好ましい。本発明における塩基発生剤は、増感色素または発色体励起状態からの電子移動により塩基を発生することができる化合物であることが好ましい。
本発明の塩基発生剤は、光によりブレンステッド塩基を発生することが好ましく、有機塩基を発生することがさらに好ましく、有機塩基としてアミン類を発生することが特に好ましい。
さらに塩基増殖剤を用いることも高感度化の点で好ましい。アニオン重合開始剤としての塩基発生剤及び塩基増殖剤の好ましい例として具体的には例えば、特願2003−178083号に記載されている例が挙げられる。
本発明における重合開始剤として好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれに限定されるわけではない
Figure 0004431429
Figure 0004431429
次に本発明のホログラム記録材料における色素部分を有さない重合性化合物について説明する。
本発明のホログラム記録材料においては、色素部分を有さない重合性化合物とバインダーの屈折率が異なることが好ましく、バインダーよりも色素部分を有さない重合性化合物の屈折率が高いことが好ましい。その結果、ホログラム露光により起こる光重合によって、干渉明部(増幅部)と干渉暗部(非増幅部)にて重合性化合物及びその重合反応物とバインダーとの組成比の不均一化が起こり、屈折率変調による干渉縞記録が可能になる。
屈折率変調を大きくするためには色素部分を有さない重合性化合物とバインダーのバルクでの屈折率差は大きいことが好ましく、屈折率差は0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.1以上であることがさらに好ましい。
そのためには、色素部分を有さない重合性化合物が、少なくとも1個以上のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、バインダーはそれらを含まないことがい。
また、屈折率変調を大きくするためには、ホログラム記録材料中、重合性化合物が移動しやすいことが好ましい。
本発明の重合性化合物とは、増感色素(または発色体)と重合開始剤に光を照射することにより発生したラジカル、酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)、塩基(ブレンステッド塩基またはルイス塩基)により、付加重合を起こしてオリゴマーまたはポリマー化が可能な化合物のことである。
本発明の重合性化合物としては、単官能性でも多官能性でも良く、一成分でも多成分でも良く、モノマー、プレポリマー(例えばダイマー、オリゴマー)でもこれらの混合物でもいずれでも良いが、モノマーであることが好ましい。
また、その形態は、室温において液状であっても固体状であっても良いが、沸点100℃以上の液状であるか、沸点100℃以上の液状モノマーと固体状モノマーの混合物であることが好ましい。
本発明の色素部分を有さない重合性化合物は、ラジカル重合可能な重合性化合物とカチオンまたはアニオン重合可能な重合性化合物に大別される。
以下に、ラジカル重合可能な重合性化合物とカチオンまたはアニオン重合可能な重合性化合物ごとに好ましい例を説明する。
ラジカル重合性化合物は屈折率が高いことが好ましく、本発明の高屈折率ラジカル重合性化合物としては、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を分子中に有し、さらに少なくとも1個以上のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含む化合物が好ましく、また沸点100℃以上の液体であることが好ましい。
具体的には以下の重合性モノマー及びそれらから成るプレポリマー(ダイマー、オリゴマー等)が挙げられる。
高屈折率ラジカル重合性モノマーとして好ましくは、スチレン、2−クロロスチレン、2−ブロモスチレン、メトキシスチレン、アクリル酸フェニル、アクリル酸p−クロロフェニル、アクリル酸2−フェニルエチル、アクリル酸2−フェノキシエチル、メタクリル酸2−フェノキシエチル、フェノールエトキシレートアクリレート、アクリル酸2−(p−クロロフェノキシ)エチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−(1−ナフチロキシ)エチル、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート又はジメタクリレート、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタクリレート、ポリオキシエチル−2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタクリレート、ビスフェノール−Aのジ(2−メタクリロキシエチル)エーテル、エトキシ化ビスフェノール−Aジアクリレート、ビスフェノール−Aのジ(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフェノール−Aのジ(2−アクリロキシエチル)エーテル、テトラクロロ−ビスフェノール−Aのジ(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、テトラクロロ−ビスフェノール−Aのジ(2−メタクリロキシエチル)エーテル、テトラブロモ−ビスフェノール−Aのジ(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、テトラブロモ−ビスフェノール−Aのジ(2−メタクリロキシエチル)エーテル、ジフェノール酸のジ(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、1,4−ベンゼンジオールジメタクリレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3,5−トリイソプロペニルベンゼン、ベンゾキノンモノメタクリレート、アクリル酸2−〔β−(N−カルバジル)プロピオニロキシ〕エチル、フェニルチオアクリレート、4−ヨードフェニルアクリレートなどが挙げられ、より好ましくはアクリル酸2−フェノキシエチル、メタクリル酸2−フェノキシエチル、アクリル酸フェノールエトキシレートアクリレート、アクリル酸2−(p−クロロフェノキシ)エチル、アクリル酸p−クロロフェニル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−フェニルエチル、ビスフェノール−Aのジ(2−アクリロキシエチル)エーテル、エトキシル化ビスフェノール−Aジアクリレート、並びにアクリル酸2−(1−ナフチロキシ)エチルなどが挙げられる。
本発明において有用である重合性化合物は液体であるが、それらはN−ビニルカルバゾール、H.カモガワらによりJournal of Polymer Science:Polymer ChemistryEdition, 18巻、9〜18頁(1979)に開示されているようなエチレン系不飽和カルバゾールモノマー、アクリル酸2−ナフチル、アクリル酸ペンタクロロフェニル、アクリル酸2,4,6−トリブロモフェニル、ビスフェノール−Aジアクリレート、アクリル酸2−(2−ナフチロキシ)エチル、並びにN−フェニルマレイミドのような第2の固体重合性化合物と混合して使用してよい。
本発明のカチオン重合性化合物は、増感色素または発色体とカチオン重合開始剤により発生した酸により重合が開始される化合物で、本発明のアニオン重合性化合物は増感色素または発色体とアニオン重合開始剤により発生した塩基により重合が開始される化合物であり、例えば「ケムテク・オクト・(Chemtech.Oct.)」[J.V.クリベロ(J.V.Crivello)、第624頁、(1980)]、特開昭62−149784号公報、日本接着学会誌[第26巻、No.5,第179−187頁(1990)]などに記載されているような化合物が挙げられる。
本発明のカチオン重合性化合物として好ましくは、オキシラン環、オキセタン環、ビニルエーテル基、N−ビニルカルバゾール部位を分子中に少なくとも1個以上有する化合物であり、より好ましくはオキシラン環部位を有する化合物である。
本発明のアニオン重合性化合物として好ましいくは、オキシラン環、オキセタン環、ビニルエーテル基、N−ビニルカルバゾール部位、電子吸引性置換基を備えるエチレン性二重結合部位、ラクトン部位、ラクタム部位、環状ウレタン部位、環状尿素部位、または、環状シロキサン部位を分子中に少なくとも1個以上有する化合物であり、より好ましくはオキシラン環部位を有する化合物である。
カチオンまたはアニオン重合性化合物は屈折率が高いことが好ましく、少なくとも1個以上のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含む化合物が好ましく、少なくとも1個以上のアリール基を含むことが好ましい。また沸点100℃以上の液体であることが好ましい。
具体的には以下の重合性モノマー及びそれらから成るプレポリマー(ダイマー、オリゴマー等)が挙げられる。
オキシラン環を有する高屈折率カチオンまたはアニオン重合性モノマーとして好ましくは、フェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、4,4'−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)ジフェニルエーテル、p−ブロモスチレンオキサイド、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ビスフェノール−F−ジグリシジルエーテルなどが挙げられる。1,3-ビス(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)エチル)−1,3,−ジフェニル−1,3,−ジメチルジシロキサンなどが挙げられる。
また他に、以下に挙げられる化合物も高屈折率カチオンまたはアニオン重合性モノマーとして好ましい。
Figure 0004431429
オキセタン環を有する高屈折率カチオンまたはアニオン重合性モノマーの具体例としては、前記のオキシラン環を有する高屈折率カチオンまたはアニオン重合性モノマーの具体例のオキシラン環をオキセタン環に置き換えた化合物等が挙げられる。
ビニルエーテル基部位を有する高屈折率カチオンまたはアニオン重合性モノマーの具体例としては例えば、ビニル−2−クロロエチルエーテル、4−ビニルエーテルスチレン、ハイドロキノンジビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル、フェノキシエチレンビニルエーテル、p−ブロモフェノキシエチレンビニルエーテルなどが挙げられる。
他に、N−ビニルカルバゾールも高屈折率カチオン重合性モノマーとして好ましい。
本発明のホログラム記録材料におけるバインダーは重合前の組成物の成膜性、膜厚の均一性、保存時安定性を向上させる等の目的で通常使用される。バインダーとしては、重合性基を有する色素、色素部分を有さない重合性化合物、重合開始剤、増感色素と相溶性の良いものが好ましい。
バインダーとしては、溶媒可溶性の熱可塑性重合体が好ましく、単独又は互いに組合せて使用することができる。
また、バインダーはラジカル重合やカチオン重合が起こる際に反応しうる反応性バインダーであっても良い。その際は、具体的にはエチレン性不飽和基やオキシラン環等を有する反応性オリゴマーが好ましい。
先述したように本発明のバインダーは重合性化合物と屈折率が違うことが好ましく、重合性化合物より屈折率が小さいことがより好ましい。
そのためには、バインダーはアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含まないことが好ましい。
本発明における好ましい低屈折率バインダーの具体例としては、アクリレート及びアルファ−アルキルアクリレートエステル及び酸性重合体及びインターポリマー(例えばポリメタクリル酸メチル及びポリメタクリル酸エチル、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体)、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/アクリル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸ビニル及び加水分解型ポリ酢酸ビニル)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジエン及びイソプレン重合体及び共重合体及びほぼ4,000〜1,000,000の平均分子量を有するポリグリコールの高分子量ポリ酸化エチレン、エポキシ化物(例えば、アクリレート又はメタクリレート基を有するエポキシ化物)、ポリアミド(例えば、N−メトキシメチルポリヘキサメチレンアジパミド)、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートサクシネート及びセルロースアセテートブチレート)、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルベンジルセルロース)、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、米国特許3,458,311中及び米国特許4,273,857中に開示されている酸含有重合体及び共重合体、並びに米国特許4,293,635中開示されている両性重合体バインダーなどが挙げられ、より好ましくはセルロースアセテートブチレート重合体、セルロースアセテートラクテート重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル/メタクリル酸及びメタクリル酸メチル/アクリル酸共重合体を含むアクリル系重合体及びインターポリマー、メタクリル酸メチル/アクリル酸又はメタクリル酸C2〜C4アルキル/アクリル酸又はメタクリル酸の3元重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、並びにそれらの混合物などが挙げられる。
また、フッ素原子含有高分子も低屈折率バインダーとして好ましい。好ましいものとしては、フルオロオレフィンを必須成分とし、アルキルビニルエーテル、アリサイクリックビニルエーテル、ヒドロキシビニルエーテル、オレフィン、ハロオレフィン、不飽和カルボン酸およびそのエステル、およびカルボン酸ビニルエステルから選ばれる1種もしくは2種以上の不飽和単量体を共重合成分とする有機溶媒に可溶性の重合体である。好ましくは、その重量平均分子量が5,000から200,000で、またフッ素原子含有量が5ないし70質量%であることが望ましい。
フッ素原子含有高分子におけるフルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどが使用される。また、他の共重合成分であるアルキルビニルエーテルとしては、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルなど、アリサイクリックビニルエーテルとしてはシクロヘキシルビニルエーテルおよびその誘導体、ヒドロキシビニルエーテルとしてはヒドロキシブチルビニルエーテルなど、オレフィンおよびハロオレフィンとしてはエチレン、プロピレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど、カルボン酸ビニルエステルとしては酢酸ビニル、n−酪酸ビニルなど、また不飽和カルボン酸およびそのエステルとしては(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸、および(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの(メタ)アクリル酸のC1 からC18のアルキルエステル類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のC2からC8のヒドロキシアルキルエステル類、およびN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらラジカル重合性単量体はそれぞれ単独でも、また2種以上組み合わせて使用しても良く、更に必要に応じて該単量体の一部を他のラジカル重合性単量体、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリロニトリルなどのビニル化合物と代替しても良い。また、その他の単量体誘導体として、カルボン酸基含有のフルオロオレフィン、グリシジル基含有ビニルエーテルなども使用可能である。
前記したフッ素原子含有高分子の具体例として、例えば水酸基を有する有機溶媒可溶性の「ルミフロン」シリーズ(例えばルミフロンLF200、重量平均分子量:約50,000、旭硝子社製)が挙げられる。この他にも、ダイキン工業(株)、セントラル硝子(株)、ペンウオルト社などからも有機溶媒可溶性のフッ素原子含有高分子が上市されており、これらも使用することができる。
またポリ(ジメチルシロキサン)などのケイ素化合物や芳香族を含まないシリコンオイル等も好ましい例として挙げられる。
また他に、以下に挙げられるエポキシオリゴマー化合物も低屈折率反応性バインダーとして使用することができる。
Figure 0004431429
本発明のホログラム記録材料は連鎖移動剤を用いる方が好ましい場合がある。好ましい連鎖移動剤としてはチオール類であり、例えば、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、4,4−チオビスベンゼンチオール、p−ブロモベンゼンチオール、チオシアヌル酸、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、p−トルエンチオールなど、また、USP第4414312号や特開昭64−13144号記載のチオール類、特開平2−291561号記載のジスルフィド類、USP第3558322号や特開昭64−17048号記載のチオン類、特開平2−291560号記載のO−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類なども挙げられる。
特に重合開始剤が2,4,5−トリフェニルイミダゾリルダイマーの場合は連鎖移動剤を用いることが好ましい。
連鎖移動剤の使用量は、組成物全体に対して1.0〜30質量%が好ましい。
本発明のホログラム記録材料には、保存時の保存性を向上させるために熱安定剤を添加することができる。
有用な熱安定剤にはハイドロキノン、フェニドン、p−メトキシフェノール、アルキルおよびアリール置換されたハイドロキノンとキノン、カテコール、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2-ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、フェノチアジン、およびクロルアニールなどが含まれる。Pazos氏の米国特許第4,168,982号中に述べられた、ジニトロソダイマ類もまた有用である。
可塑剤はホログラム記録材料の接着性、柔軟性、硬さ、およびその他の機械的諸特性を変えるために用いられる。可塑剤としては例えば、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、ジエチルセバケート、ジブチルスベレート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジブチルフタレート等が挙げられる。
本発明のホログラム記録材料中の各成分の割合は、一般的に組成物の全質量を基準に以下の%の範囲内であることが好ましい。
バインダー:好ましくは0〜90質量%、より好ましくは35〜75質量%、
重合性基を有する色素:好ましくは1〜60%、より好ましくは5〜30%
色素部分を有さない重合性化合物:好ましくは0〜60%、より好ましくは15〜50質量%、
重合開始剤:好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.1〜15質量%
増感色素:好ましくは0.0001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%
本発明のホログラム記録材料は通常の方法で調製されてよい。例えば上述の必須成分および任意成分をそのままもしくは必要に応じて溶媒を加えて調製することができる。
溶媒としては例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒が挙げられる。
本発明のホログラム記録材料は、スピンコーター、ロールコーターまたはバーコーターなどを用いることによって基板上に直接塗布することも、あるいはフィルムとしてキャストしついで通常の方法により基板にラミネートすることもでき、それらによりホログラム記録材料とすることができる。
ここで、「基板」とは、任意の天然又は合成支持体、好適には柔軟性又は剛性フィルム、シートまたは板の形態で存在することができるものを意味する。
基板として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、樹脂下塗り型ポリエチレンテレフタレート、火炎又は静電気放電処理されたポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ガラス等である。
使用した溶媒は乾燥時に蒸発除去することができる。蒸発除去には加熱や減圧を用いても良い。
さらに、ホログラム記録材料の上に、酸素遮断のための保護層を形成してもよい。保護層は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレートまたはセロファンフィルムなどのプラスチック製のフィルムまたは板を静電的な密着、押し出し機を使った積層等により貼合わせるか、前記ポリマーの溶液を塗布してもよい。また、ガラス板を貼合わせてもよい。また、保護層と感光膜の間および/または、基材と感光膜の間に、気密性を高めるために粘着剤または液状物質を存在させてもよい。
本発明のホログラム記録材料をホログラフィック光メモリ用途に用いる場合、ホログラム記録材料はホログラム記録前後で収縮等が起こらない方が信号再生時のS/N比向上の点でより好ましい。
そのため、例えば本発明のホログラム記録材料に特開2000−86914号記載の膨張剤を用いたり、特開2000−250382号、2000−172154、特開平11−344917号記載の耐収縮性のあるバインダーを用いることも好ましい。
また、特開平3−46687号、5−204288号、特表平9−506441号等記載の拡散要素を用いて干渉縞間隔を調節することも好ましい。
特許文献1〜3、5〜8のような公知の通常のフォトポリマーでは記録感度が低く、記録速度が稼げないことが問題とされていた。それに対し本発明のホログラム記録材料は同じ露光量でも大きな屈折率変化が期待できるため、高感度化が期待でき、特に、光記録媒体(ホログラフィック光メモリ)に有用である。
さらに、本発明のホログラム記録材料は、光記録媒体の他にも、3次元ディスプレイホログラム、ホログラフィック光学素子(HOE、例えば、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス)、書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレイ、ギフト、偽造防止用のセキュリティ目的としてクレジットカード、紙幣、包装などに好ましく用いることができる。
[実施例]
以下に、本発明の具体的な実施例について実験結果を基に説明した。勿論、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[ラジカル重合方式によるホログラム記録方法]
特開平6-43634号実施例1の通り、増感色素DEAW0.3%、ラジカル重合開始剤PI-2、1.20%、連鎖移動剤MBO 1.80%、モノマーとしてPOEA 46.3%、バインダーとしてセルロースアセテートブチレートCAB531-1 50.4%を使用し、3倍質量の塩化メチレン(必要により2−ブタノンも併用)に溶解し、比較例1を調液した。その比較例1にて、POEAを31.3%と減らす代わりに、本発明の重合性基を有する色素化合物DM-2、DM-15、DM-51を15%添加して後は同様に試料101、102、103を調液した。
Figure 0004431429
このホログラム記録材料用組成物比較例1、試料101〜103を厚さが100μmになるようにブレードを用いてガラス基板に塗布(必要なら重ね塗り)し、感光層を形成した後、40℃で3分間加熱乾燥して溶媒を留去した。さらに感光層上をTAC膜で覆うことにより、ホログラム記録材料比較例1及び試料101〜103を作製した。
ホログラム記録材料を、図1に示す透過型ホログラム記録用の2光束光学系により、光源としてYAGレーザー2倍波(532nm、出力2W)を用いて露光し記録した。物体光と参照光のなす角は30度である。ビームは0.6cmの直径と12mW/cm2の強度とを有しており、ホログラフィー露光時間を0.1〜100秒の範囲(照射エネルギーにして1.2〜1200mJ/cm2の範囲)変化させて露光した。ホログラムに露光している間、He−Neレーザー632nmのビームをブラック角にて露光領域の中心に通し、その透過光に対した回折光の比(相対回折効率)を実時間で測定した。
ホログラム記録材料比較例1にて、最大回折効率の半分の値を示した時の露光エネルギーを1とした所、101〜103における露光エネルギーは0.40、0.35、0.22とすべて小さく高感度であり、本発明のホログラム記録材料は公知のフォトポリマー方式よりも高感度であることがわかった。
なお、重合性基を有する色素をDM-1、DM-20、DM-22、DM-23、DM-27、DM-30、DM-32、DM-36、DM-38、DM-41、DM-44、DM-46、DM-49、DM-53に変更しても同様な効果が得られる。
また、増感色素をS−1、S−6、S−10、S−11、S−23、S−31、S−34、S−42、S−43、S−45、S−50、S−58、S−60、S−67、S−71、S−73、S−75、S−76、S−77、S−81に変更しても同様な効果が得られる。
また、ラジカル重合開始剤をPI-1.、PI-3〜PI-13に変更しても同様な効果が得られる。
また、色素部位を有さない重合性化合物としてPOEAの代わりにM-2、M-3、M-4を用いても同様な効果が得られる。
また、バインダーをポリスチレン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレートに変更しても同様な効果が得られる。
[カチオン重合方式によるホログラム記録方法]
増感色素S-67 1%、カチオン重合開始剤PI-5、10%、モノマーとしてM-5 44%、バインダーとしてPMMA45%を使用し、3〜4倍質量の塩化メチレン(必要により2−ブタノンも併用)に溶解し、比較例2を調液した。その比較例1にて、M-5を30%と減らす代わりに、本発明の重合性基を有する色素化合物DM-3、DM-21 、DM-52を15%添加して後は同様に試料201、202、203を調液した。
このホログラム記録材料用組成物比較例2、試料201〜203を厚さが100μmになるようにブレードを用いてガラス基板に塗布(必要なら重ね塗り)し、感光層を形成した後、40℃で3分間加熱乾燥して溶媒を留去した。さらに感光層上をTAC膜で覆うことにより、ホログラム記録材料比較例2及び試料201〜203を作製した。
ホログラム記録材料を、図1に示す透過型ホログラム記録用の2光束光学系により、光源としてYAGレーザー2倍波(532nm、出力2W)を用いて露光し記録した。物体光と参照光のなす角は30度である。ビームは0.6cmの直径と12mW/cm2の強度とを有しており、ホログラフィー露光時間を0.1〜100秒の範囲(照射エネルギーにして1.2〜1200mJ/cm2の範囲)変化させて露光した。ホログラムに露光している間、He−Neレーザー632nmのビームをブラック角にて露光領域の中心に通し、その透過光に対した回折光の比(相対回折効率)を実時間で測定した。
ホログラム記録材料比較例2にて、最大回折効率の半分の値を示した時の露光エネルギーを1とした所、201〜203における露光エネルギーは0.37、0.34、0.24とすべて小さく高感度であり、本発明のホログラム記録材料は公知のフォトポリマー方式よりも高感度であることがわかった。
なお、重合性基を有する色素をDM-5、DM-16、DM-17、DM-24、DM-28、DM-29、DM-33、DM-37、DM-39、DM-42、DM-45、DM-47、DM-50、DM-54に変更しても同様な効果が得られる。
また、増感色素をS−1、S−6、S−10、S−11、S−23、S−31、S−34、S−42、S−43、S−45、S−50、S−58、S−60、S−67、S−71、S−73、S−75、S−76、S−77、S−81に変更しても同様な効果が得られる。
また、カチオン重合開始剤をPI-6〜PI-10に変更しても同様な効果が得られる。
また、色素部位を有さない重合性化合物としてM-5の代わりにM-6を用いても同様な効果が得られる。
また、バインダーをポリスチレン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、セルロースアセテートブチレート、MO-1に変更しても同様な効果が得られる。
ホログラム露光用の2光束光学系を説明する概略図である。
符号の説明
10 YAGレーザー
12 レーザービーム
14 鏡
20 ビームスプリッター
22 ビームセグメント
24 鏡
26 空間フィルター
40 ビームエキスパンダー
30 ホログラム記録材料
28 試料
32 He−Neレーザービーム
34 He−Neレーザー
36 検出器
38 回転ステージ

Claims (15)

  1. 重合性基を有する色素(但し、下記一般式(A)で表されるシアニン色素を除く)を少なくとも1種、増感色素、重合開始剤、及びバインダーを含むことを特徴とするホログラム記録材料。
    一般式(A)
    Figure 0004431429

    (式(A)中、Y、Y´はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、NH基、CH=CH基、またはC(CH 3 2 基を表し、nは0または1以上の整数を示し、R 1 又はR 2 は、アルケニル基を示し、互いに同じであっても異なっても良く、Xは、ハロゲン、NO 3 、BF 4 、PF 6 、AsF 6 、ClO 4 、SbF 6 、CF 3 SO 3 、CH 3 SO 3 またはCH 3 6 4 SO 3 を示す。)
  2. さらに、色素部分を有さない重合性化合物の少なくとも1種を有することを特徴とする請求項1記載のホログラム記録材料。
  3. 前記色素部分を有さない重合性化合物の少なくとも1種が沸点100℃以上の液体であることを特徴とする請求項2記載のホログラム記録材料。
  4. 前記色素部分を有さない重合性化合物が、アリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1個を含み、バインダーはそれらを含まないことを特徴とする、請求項2または3記載のホログラム記録材料。
  5. 請求項2に記載のホログラム記録材料を用いて、ホログラム記録光照射により光を吸収して生成した増感色素励起状態が、電子移動またはエネルギー移動により重合開始剤を活性化して、重合性基を有する色素及び色素部分を有さない重合性化合物の重合を起こし、その際光がより強い干渉明部に重合性基を有する色素及び色素部分を有さない重合性化合物が主に移動し、光がより弱い干渉暗部にバインダーが主に追いやられることによる屈折率変調により、干渉縞を記録することを特徴とするホログラム記録方法。
  6. 請求項5にて、重合反応がラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれかであることを特徴とする請求項5記載のホログラム記録方法。
  7. 前記重合性基を有する色素、または前記色素部分を有さない重合性化合物の重合性基が、重合がラジカル重合の時は、重合性基としてアクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニル基等のエチレン性不飽和基部分を有し、重合がカチオン重合またはアニオン重合の時は重合性基としてオキシラン環、オキセタン環、ビニルエーテル基、N-ビニルカルバゾール部位のいずれかを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のホログラム記録材料。
  8. 前記重合開始剤が1)ケトン系重合開始剤、2)有機過酸化物系重合開始剤、3)ビスイミダゾール系重合開始剤、4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤、5)ジアゾニウム塩系重合開始剤、6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤、7)スルホニウム塩系重合開始剤、8)トリフェニルアルキルホウ酸塩系重合開始剤、9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、11)カチオン性色素有機ホウ素錯体系重合開始剤、12)アニオン性色素オニウム塩錯体系重合開始剤、13)金属アレーン錯体系重合開始剤、14)スルホン酸エステル系重合開始剤、のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4、7のいずれか記載のホログラム記録材料。
  9. 請求項8にて、重合開始剤がラジカルを発生するラジカル重合開始剤であり、1)ケトン系重合開始剤、2)有機過酸化物系重合開始剤、3)ビスイミダゾール系重合開始剤、4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤、5)ジアゾニウム塩系重合開始剤、6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤、7)スルホニウム塩系重合開始剤、8)トリフェニルアルキルホウ酸塩系重合開始剤、9)ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、10)スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、11)カチオン性色素有機ホウ素錯体系重合開始剤、12)アニオン性色素オニウム塩錯体系重合開始剤、13)金属アレーン錯体系重合開始剤、のいずれかであることを特徴とする、請求項8記載のホログラム記録材料。
  10. 請求項8にて、重合開始剤が酸を発生するカチオン重合開始剤であり、4)トリハロメチル置換トリアジン系重合開始剤、5)ジアゾニウム塩系重合開始剤、6)ジアリールヨードニウム塩系重合開始剤、7)スルホニウム塩系重合開始剤、13)金属アレーン錯体系重合開始剤、14)スルホン酸エステル系重合開始剤のいずれかであることを特徴とする請求項8記載のホログラム記録材料。
  11. 請求項5または6に記載のホログラム記録方法に用いられることを特徴とするホログラム記録材料。
  12. 請求項1〜4、7〜11にて、ホログラム記録が書き換えできない方式であることを特徴とする請求項1〜4、7〜11記載のホログラム記録材料。
  13. 請求項1〜4、7〜12記載のホログラム記録材料を用いて、10回以上の多重記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
  14. 請求項1〜4、7〜12記載のホログラム記録材料から成る光記録媒体。
  15. 請求項1〜4、7〜12記載のホログラム記録材料が保存時に遮光カートリッジ内に保存されていることを特徴とする光記録媒体。
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