JP2007043028A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】半導体基板上に絶縁膜を介してMOSゲート構造を備え、前記半導体基板上で周囲を前記MOSゲート構造で囲まれた中心部に形成された前記絶縁膜の開口部で前記半導体基板に接するエピタキシャル半導体層が前記MOS構造と一体となって電流経路を構成するMOSゲート型半導体装置とする。
【選択図】 図3
Description
(IGBT性能のトレードオフについて)
IGBTの阻止可能な最大電圧、すなわち耐圧を高めることと、オン時の電圧降下を低下させることとの間には、二律背反の関係(いわゆるトレードオフ関係)が存在し、高耐圧のIGBTほどオン電圧が高くなる。最終的には、このトレードオフ関係の限界値は、シリコンの物性で決まる。このトレードオフを限界まで向上させるためには、電圧保持時に局所的な電界集中が生じるのを防ぐなど、素子の構造設計面での工夫が必要である。
(卜レードオフの改善について)
オン電圧とターンオフ損失とのトレードオフ関係を最適化するには、IGBTのオン状態における過剰キャリア分布を最適化することが有効である。オン電圧を下げるには、過剰キャリア量を増やしてドリフト層の抵抗値を下げればよい。しかし、ターンオフ時には、この過剰キャリアをすべてデバイスの外に掃き出すか、または、電子−ホールの再結合により消滅させる必要がある。そのため、この過剰キャリアが多いとターンオフ損失が増加してしまう。従って、このトレードオフ関係を最適化するには、同じオン電圧でターンオフ損失を最小にすればよい。
IGBTのターンオフ時には、空乏層は、カソード側のpn接合からn型ドリフト層内部に拡がり、裏面のアノード層へ向かって拡大する。その際、n型ドリフト層内の過剰少数キャリアのホールは、電界によって空乏層端から引き抜かれてカソードに入る。このようにしてn型ドリフト層内で電子過剰状態となり、余った電子は、中性領域を抜けてp型のアノード層に注入される。そして、アノード側pn接合がやや順バイアスされることになるので、注入された電子に応じてホールが逆注入される。この逆注入されたホールは、上述した電界によって引き抜かれるホールと合流して、空乏層に入っていく。
ミクロの観点で見ると以上のようになる。これを、デバイスの端子電圧というマクロの観点で見ると、アノード−カソード間電圧が上がり終わる前、すなわち上昇中に流れる電流の方が、上がり終わった後に流れる電流よりも、電圧と電流の積(電圧×電流)で表される損失に対する寄与が少ないということを意味する。以上のことから、後述するIE効果によりカソード側に偏重したキャリア分布は、低電圧で引き抜かれるキャリアの割合が多く、オン電圧が同じであるという条件下では、アノード側偏重のキャリア分布よりもターンオフ損失が小さいということがわかる。
IE効果の大きいカソード構造として、プレーナゲート構造のpベースを囲むように高不純物濃度n層を挿入したHiGT構造などが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。また、トレンチゲート構造において、隣り合うトレンチ間のメサ部に、ドリフト層よりも高不純物濃度のn層を挿入したCSTBT構造や、IEGT(インジェクション エンハンスメント ゲート トランジスタ)構造などが提案されている(例えば、特許文献3、非特許文献1参照。)。一般に、トレンチゲート構造におけるIE効果の方がプレーナゲート構造におけるIE効果よりも大きい。なお、以降の説明において、トレンチゲート構造とは、トレンチ(溝)内にゲート電極が埋設されると共に、ゲート絶縁膜を介してトレンチ側壁に面した半導体基板にチャネル領域が形成される構造をいう。この場合、前記チャネル領域は半導体基板の主表面に対して直角の方向に形成される構造となる。これに対してプレーナゲート構造とはチャネル領域が半導体基板の主表面に平行な方向に形成される構造をいうこととする。
(IE効果について)
IE効果については、その本質が議論され、報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。よく描かれるIGBTの等価回路は、MOSFET(金属−酸化膜−半導体構造を有する絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)とバイポーラトランジスタの組み合わせである。しかし、実際のデバイス動作を考えると、図13に示す等価回路のように、MOSFET51とpnpバイポーラトランジスタ52とpinダイオード53の組み合わせであると考えられる。
図14に示すように、電子は、MOS部の表面のn++領域56から、n++領域56を囲むp層57の表面のn+反転層58と、n−ドリフト層59の表面のn+電子蓄積層60を経由して、裏面のpアノード層61に向かって流れる。この電子電流の一部は、pnp−BJT領域54のベース電流となる。pnp−BJT領域54では、pアノード層61から拡散またはドリフトによってやってきたホールがp層57にコレクトされるだけであり、そのpn接合部(p層57とn−ドリフト層59間の接合)は、若干逆バイアスされている。従って、そのpn接合部付近のn−ドリフト層59中の少数キャリア、すなわちホールの濃度は、極めて低い。
IGBTにおいて、カソード側偏重の最適キャリア分布を実現するためには、pnp−BJT領域を減らして、pinダイオード領域を増やすことが重要である。また、前記n+/n−接合の順バイアス量を増やして、電子注入を促進することが非常に重要である。これまで提案されたIE効果を有する構造は、pinダイオード領域の比率を増やすと同時に、n+/n−接合の順バイアスの増加も実現されている。
同様に、トレンチゲート構造のIGBTにおいて、pnp−BJT領域の比率を減らすことによって、IE効果を高めることができる。pnp−BJT領域の比率を減らすには、例えば一部のメサ部(トレンチ間の基板領域)において、p型ベース領域を電気的にフローティング状態とすればよい。また、トレンチを深くして、トレンチ底部をpn接合から離すことによっても、IE効果が大きくなる。さらに、メサ部の幅を狭くすることによっても、IE効果が大きくなる。これらは、いずれの場合も、メサ部を流れるホール電流密度が大きくなり、電圧降下によるn+/n−接合の順バイアス(ここで、順はn+からn−への方向)が強くなったためと考えられる。
n=Nd exp(eVn/kT)
上記式より明らかなように、n+/n−接合に印加される順バイアスに応じて、カソード側の電子濃度nは、指数関数的に増大する。順バイアス量を増やす手段として、上述したように、大電流による電圧降下を利用するものがある。また、前記特許文献1〜3に記載されているように、n型不純物濃度を増やすことによっても、順バイアス量を増やすことができる。ただし、特許文献1に記載されているHiGT構造は、プレーナゲート構造であるため、表面側のn+バッファ層のn型不純物濃度が高すぎると、順耐圧が大きく低下してしまう。
これは、一様、かつ単一の導電型層よりなるドリフト層の代わりに、不純物濃度を高めた縦形層状のn型領域と縦形層状のp型領域を交互に繰り返し接合した縦型並列pn構造をドリフト部に備える超接合構造のMOSFETの原理にも通ずるものである。このように、CSTBT構造は、IE効果を高めつつも、順耐圧が低下しにくいという特性を有する。表面側のn+バッファ層は、n−ドリフト層との間に拡散電位を作り、ホールにとっての電位障壁となるので、ドリフト層中のホール濃度が上昇する(第一の説明)。
さらにまた、シリコン基板表面にSiO2、SiC、Si3N4等からなるストッパーを形成した後、前記シリコン基板表面に堆積されたシリコン層を、高純度シリカ微粒子からなる研磨剤が分散されたアルカリ溶液を供給しながら、鏡面研磨するウエハの製造方法の発明が知られている(特許文献5−要約)。
一方、トレンチゲート構造を有する半導体装置の製造プロセスは、製造されたトレンチゲート構造が前述のように一定のトレードオフ改善効果を示すものの、プレーナゲート構造の半導体装置の製造プロセスに比べて長く複雑である。そのため、ただでさえトレンチゲート構造の半導体装置の良品率が低く、製品コストも相対的に高くなり易いのに、特性の向上のため、さらに微細化を進めようとすると、すればするほど、製造コストはさらに高くなるので、実用上の観点からはこれ以上の微細化は必ずしも得策とは言いがたい。従って、微細化を究極にまで進めなくとも、あるいはトレンチゲート構造をとらないMOSゲート型半導体装置であっても、前記トレードオフの改善を図れることが前述の良品率の観点、製品コストの観点からも好ましいと言える。なお、トレンチゲート構造を有する半導体装置では、特に、トレンチ底部に電界が集中しやすく、耐圧におけるブレークダウンを起こしやすいため、オン電圧−耐圧間のトレードオフが悪化しやすい。また、構造上、ゲートをカソードに対して負電位にした場合に、トレンチ底部の電界強度が増し、さらに耐圧が劣化してしまうという問題を抱えている。
特許請求の範囲の請求項2記載の本発明によれば、前記MOSゲート構造が、
一導電型半導体基板表面に選択的に形成されたトレンチと、該トレンチ内に基板絶縁膜を介して埋められる多結晶半導体ゲート電極領域と、該多結晶半導体ゲート電極領域表面を覆うゲート絶縁膜と、前記トレンチ上部では前記ゲート絶縁膜表面に接し前記トレンチ間では半導体基板表面に接触する一導電型堆積半導体層とを備え、
前記一導電型堆積半導体層が、前記トレンチ間の半導体基板表面に接触する一導電型バッファ領域と、前記ゲート絶縁膜表面で前記一導電型バッファ領域に隣接する他導電型ベース領域と、該他導電型ベース領域に対して前記一導電型バッファ領域とは反対側に隣接する一導電型エミッタ領域とを同一層内に有し、
前記他導電型ベース領域と前記一導電型エミッタ領域の両方に、前記ゲート絶縁膜に接触する面とは反対側の面で接触するエミッタ電極を備える請求項1記載の半導体装置とすることが好ましい
特許請求の範囲の請求項3記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層は、前記一導電型半導体基板よりも高不純物濃度を有している特許請求の範囲の請求項1または2に記載の半導体装置とすることがより好ましい。
特許請求の範囲の請求項5記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層が一導電型単結晶半導体層である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体装置とすることも好ましい。
特許請求の範囲の請求項6記載の本発明によれば、前記多結晶半導体ゲート電極領域と前記一導電型堆積半導体層とに挟まれる前記ゲート絶縁膜がゲート酸化膜と、該ゲート酸化膜の少なくとも一部に積層され、前記一導電型堆積半導体層に接するシリコン窒化膜とを含む請求項4または5に記載の半導体装置とすることも好ましい。
特許請求の範囲の請求項8記載の本発明によれば、前記一導電型半導体基板表面と前記トレンチの側壁とのなす角度が90度以下である請求項2乃至7のいずれか一項に記載の半導体装置とすることが望ましい。
特許請求の範囲の請求項9記載の本発明によれば、前記MOSゲート構造が、
一導電型半導体基板表面に選択的に形成された基板絶縁膜と、一導電型半導体基板表面と前記基板絶縁膜上とに選択的に形成された一導電型堆積半導体層とを備え、該一導電型堆積半導体層が前記基板絶縁膜の中央で前記半導体基板表面に接触する一導電型バッファ領域と、前記基板絶縁膜上で前記一導電型バッファ領域に隣接する他導電型ベース領域と、該他導電型ベース領域内であって、前記一導電型バッファ領域とにより前記他導電型ベース領域表面を挟む位置に形成される一導電型エミッタ領域とを有し、
前記前記一導電型バッファ領域と一導電型エミッタ領域とにより挟まれる前記他導電型ベース領域表面にゲート絶縁膜を介して多結晶半導体ゲート電極領域と該多結晶半導体ゲート電極領域を覆う層間絶縁膜を備え、前記他導電型ベース領域と前記一導電型エミッタ領域の両方に接触するエミッタ電極を備えることを特徴とする請求項1記載の半導体装置とすることが好ましい。
特許請求の範囲の請求項11記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層が一導電型多結晶半導体層である請求項9または10に記載の半導体装置とすることができる。
特許請求の範囲の請求項12記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層が一導電型単結晶半導体層である請求項9または10に記載の半導体装置とすることがより好ましい。
特許請求の範囲の請求項13記載の本発明によれば、前記基板絶縁膜と前記一導電型堆積半導体層との間の少なくとも一部にシリコン窒化膜を有する請求項11または12に記載の半導体装置とすることが好適である。
特許請求の範囲の請求項15記載の本発明によれば、前記MOSゲート構造が、
一導電型半導体基板表面に開口部を有する基板絶縁膜と、該基板絶縁膜上に選択的に形成される多結晶半導体ゲート電極領域と、前記多結晶半導体ゲート電極領域を覆うゲート絶縁膜とを備え、前記基板絶縁膜が第一絶縁膜と、該第一絶縁膜より厚いテラス絶縁膜からなり、前記第一絶縁膜は一辺側で前記開口部に接し、他辺側で前記テラス絶縁膜に接し、前記開口部と前記ゲート絶縁膜とで構成される凹部を、凹部の深さ以下の厚さに埋める一導電型堆積半導体層を備え、
該一導電型堆積半導体層は前記開口部で前記半導体基板表面に接触する一導電型バッファ領域と、前記ゲート絶縁膜上で前記一導電型バッファ領域に隣接する他導電型ベース領域と、該他導電型ベース領域内であって、前記一導電型バッファ領域とにより前記他導電型ベース領域の前記ゲート絶縁膜との接触表面を挟む位置に形成される一導電型エミッタ領域とを有し、
前記一導電型バッファ領域上には層間絶縁膜を介して覆い、前記一導電型エミッタ領域と前記他導電型ベース領域表面とに接触するエミッタ電極を備える請求項1記載の半導体装置とすることが好ましい。
特許請求の範囲の請求項17記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層が一導電型多結晶半導体層である請求項15または16に記載の半導体装置とすることができる。
特許請求の範囲の請求項18記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層が一導電型単結晶半導体層である請求項15または16に記載の半導体装置とすることが望ましい。
特許請求の範囲の請求項19記載の本発明によれば、前記多結晶半導体ゲート電極領域と前記一導電型堆積半導体層とに挟まれる前記ゲート絶縁膜がゲート酸化膜と、該ゲート酸化膜の少なくとも一部に積層され、前記一導電型堆積半導体層に接するシリコン窒化膜とを含む請求項17または18に記載の半導体装置とすることが好ましい。
特許請求の範囲の請求項21記載の本発明によれば、一導電型半導体基板表面にマスク用絶縁膜をマスクにトレンチを形成する第一工程、前記トレンチを含む前記半導体基板表面に基板絶縁膜形成後、前記トレンチの深さ以上にゲート電極領域を堆積し、該ゲート電極領域表面を、前記半導体基板表面の前記絶縁膜表面が露出するまで研摩して平坦化する第二工程、前記平坦化されたゲート電極領域表面にゲート絶縁膜を形成した後、前記マスク用絶縁膜の位置に積層された絶縁膜を除去して前記半導体基板表面を露出させる第三工程、前記露出された半導体基板表面から一導電型堆積半導体層を成長させて前記ゲート絶縁膜上を覆うように形成する第四工程、前記一導電型堆積半導体層が前記半導体基板の露出部と接触する領域を一導電型バッファ領域とし、前記一導電型堆積半導体層内で前記一導電型バッファ領域に隣接する他導電型のベース領域と、該他導電型のベース領域の反対側で隣接する一導電型エミッタ領域とを形成する第五工程、前記一導電型バッファ領域表面を層間絶縁膜を介して被覆すると共に、前記他導電型のベース領域と前記一導電型エミッタ領域とに接触するエミッタ電極を形成する第六工程を含むMOSゲート構造の形成工程を有する半導体装置の製造方法とすることにより、前記本発明の目的は達成される。
特許請求の範囲の請求項23記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層が一導電型多結晶半導体層である請求項21または22に記載の半導体装置の製造方法とすることもできる。
特許請求の範囲の請求項24記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層が一導電型単結晶半導体層である請求項21または22に記載の半導体装置の製造方法とすることがより好ましい。
特許請求の範囲の請求項25記載の本発明によれば、前記一導電型半導体基板の表面と前記トレンチの側壁とのなす角度を90度以下に形成することを特徴とする請求項21乃至24のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法とすることが望ましい。
特許請求の範囲の請求項28記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層が一導電型多結晶半導体層である請求項26または27に記載の半導体装置の製造方法とすることもできる。
特許請求の範囲の請求項29記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層が一導電型単結晶半導体層である請求項26または27に記載の半導体装置の製造方法とすることも望ましい。
特許請求の範囲の請求項30記載の本発明によれば、一導電型半導体基板表面を覆う基板絶縁膜を形成する第一工程、該基板絶縁膜上にゲート電極領域の堆積後、ゲート電極領域選択的に除去し前記基板絶縁膜を露出させる第二工程、ゲート絶縁膜の形成後、前記露出された基板絶縁膜を除去して半導体基板表面を露出させる第三工程、所定の厚さの基準絶縁膜を前記ゲート電極領域上に選択的に形成し、一導電型堆積半導体層を前記基準絶縁膜の厚さ以上に堆積後、前記基準絶縁膜の厚さを基準に前記一導電型堆積半導体層を研磨する第四工程と、前記一導電型堆積半導体層の、前記半導体基板表面と接触する領域を一導電型バッファ領域とし、前記一導電型堆積半導体層内で前記一導電型バッファ領域に隣接する他導電型のベース領域と、該他導電型のベース領域の反対側で隣接する該一導電型エミッタ領域とを形成する第五工程、前記一導電型バッファ領域を層間絶縁膜を介して被覆すると共に、前記他導電型のベース領域表面と前記一導電型エミッタ領域表面とに接触するエミッタ電極を形成する第六工程を含むMOSゲート構造の形成工程を有する半導体装置の製造方法とすることにより、前記本発明の目的は達成される。
特許請求の範囲の請求項32記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層が一導電型多結晶半導体層である請求項30または31に記載の半導体装置の製造方法とすることがより好ましい。
特許請求の範囲の請求項33記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層が一導電型単結晶半導体層である請求項30または31に記載の半導体装置の製造方法とすることもできる。
特許請求の範囲の請求項34記載の本発明によれば、一導電型半導体基板表面に、選択的に第一開口部を有するテラス絶縁膜を形成し、該第一開口部に前記テラス絶縁膜よりも薄い第一絶縁膜を形成する第一工程、多結晶半導体ゲート電極領域の堆積後、前記第一絶縁膜上の前記多結晶半導体ゲート電極領域を選択的に除去し第二開口部を形成する第二工程、ゲート絶縁膜の堆積後、前記第二開口部の底面の前記第一絶縁膜および前記ゲート絶縁膜を除去して前記半導体基板表面を露出させる第三工程、前記テラス絶縁膜上のゲート絶縁膜よりも高くなるように一導電型堆積半導体層を堆積後、前記テラス絶縁膜上のゲート絶縁膜表面の高さにまで前記一導電型堆積半導体層を研磨する第四工程、前記一導電型堆積半導体層の、前記一導電型半導体基板と接触する領域を一導電型バッファ領域とし、前記一導電型堆積半導体層内で前記一導電型バッファ領域に隣接する他導電型のベース領域と、該他導電型のベース領域に反対側で隣接する該一導電型エミッタ領域とを形成する第五工程、層間絶縁膜を堆積後、前記ベース領域とエミッタ領域とを露出するように前記層間絶縁膜に選択的に開口を形成し、前記ベース領域と前記エミッタ領域とに接触するエミッタ電極を形成する第六工程を含むMOSゲート構造の形成工程を有する半導体装置の製造方法とすることにより、前記本発明は達成される。
特許請求の範囲の請求項36記載の本発明によれば、前記第三工程の終了後前記一導電型堆積半導体層を形成する前に、全面にシリコン窒化膜を形成後、異方性エッチングを行う請求項34記載の半導体装置の製造方法とすることがより好ましい。
特許請求の範囲の請求項37記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層は、前記一導電型半導体基板よりも高不純物濃度に形成する請求項34乃至36のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法とすることが好ましい。
特許請求の範囲の請求項38記載の本発明によれば、前記一導電型堆積半導体層が一導電型多結晶半導体層である請求項34乃至37のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法とすることが好適である。
図1〜図3は本発明の実施例1にかかる半導体装置(IGBT)の製造方法を示す図であり、図1は製造工程中の半導体基板の要部断面図(その1)、図2は製造工程中の半導体基板の要部断面図(その2)、図3は製造工程中の半導体基板の要部断面図(その3)、
図4〜図6は本発明の実施例2にかかる半導体装置(IGBT)の製造方法を示す図であり、図4は製造工程中の半導体基板の要部断面図(その1)、図5は製造工程中の半導体基板の要部断面図(その2)、図6は製造工程中の半導体基板の要部断面図(その3)、
図7〜図9は本発明の実施例3にかかる半導体装置(IGBT)の製造方法を示す図であり、図7は製造工程中半導体基板の要部断面図(その1)、図8は製造工程中の半導体基板の要部断面図(その2)、図9は製造工程中の半導体基板の要部断面図(その3)、
図10〜図12は本発明の実施例4にかかる半導体装置(IGBT)の製造方法を示す図であり、図10は製造工程中の半導体基板の要部断面図(その1)、図11は製造工程中の半導体基板の要部断面図(その2)、図12は製造工程中の半導体基板の要部断面図(その3)である。ただし、前記図1〜図12はいずれも、IGBTとして必要なpアノード層を示していない。図15は、本発明の実施例5にかかる半導体装置(IGBT)の半導体基板の要部断面図である。図15−1〜図15−8は本発明の実施例5にかかる半導体装置(IGBT)の製造方法を示す製造工程順に示す半導体基板の要部断面図であり、図16は本発明の実施例6にかかる半導体装置の要部断面図、図17は本発明の実施例7にかかる半導体装置の要部断面図、図18は本発明の実施例8にかかる半導体装置の要部断面図、図19−1乃至図19−8はそれぞれ本発明の実施例6にかかる半導体装置の製造方法を示す製造工程図である。
その後、前記ポリシリコン層5の凹凸のある表面をCMPで研磨し、マスク酸化膜2をストッパー(研摩終点検知膜)として図2(e)のようにフラットな面とする。CMPとしては(株)フジミインコーポレーテッド製の高純度コロイダルシリカスラリーplanerlite−6103を用い、代表的な研磨条件はトップリング圧力300〜600hPa、テーブル回転数50〜100rpmとした。この条件での一般的なポリシリコン層5の研磨レートは1〜2μm/分、酸化膜の研磨レートは10〜20nm/分であり、両者の研摩選択比は約100倍であるので、前記マスク酸化膜2を研摩終点検知膜として用いることができる。この研磨レートと研磨膜厚が分かれば、研磨時間を導出することができる。本実施例1では一例として前述の条件を用いたが、図2(e)のようなフラット面が得られるならば、本条件に限られるものではない。
(定常オン状態について)
図3(k)に示す構成において、ゲート電極(ゲートポリシリコン層5)にカソード(エミッタ)電極12に対して正の電位を印加すると、p型ベース領域8の、ゲート酸化膜6との界面付近の領域がn型に反転し、チャネルができる。この状態でコレクタ(図示せず)−エミッタ(アノードーカソード間)間に順バイアスを加えると、電子は、前記チャネルおよび電子蓄積層(n+バッファ領域10のゲート酸化膜6に沿った領域)を経由して、ドリフト層(n−単結晶シリコン基板1)に流れ込み、図示しない裏面のp+アノード層に達する。それによって、p+アノード層とドリフト層とのpn接合は順バイアスされるので、p+アノード層からドリフト層にホールが注入される。
また、ホールがn+バッファ領域10に注入されると、このn+/n−接合はさらに順バイアスされることになり、電子が注入される。なお、ポリシリコン層7とn-単結晶シリコン基板1とは、ドリフト層の断面凸部の表面を除くほとんどの部分において基板酸化膜4により分離されている。従って、pnp−BJT領域は、デバイス全体の僅かな部分であり、大部分は、pinダイオード領域である。また、基板表面の面積を十分に使ってチャネルを形成することができ、チャネル周辺長も自在に大きくすることができる。ただし、周辺長が大きすぎると、伝達特性が高くなりすぎて、短絡時の制限電流が増大し、短絡耐量が低下してしまうので、この点を考慮して周辺長を決定する必要がある。
(順方向ブロッキング状態について)
次に、ゲート電位をエミッタ電位に比べて同等か負にして、コレクタ−エミッタ間に順バイアスを印加するブロッキングモード時の動作について説明する。p型ベース領域8とn+バッファ領域10からなるpn接合から空乏層が広がると同時に、ゲート酸化膜6からも空乏層が広がる。これは、ゲート電極がエミッタ電位以下であるのに対して、n+バッファ領域10が正にバイアスされるからである。n+バッファ領域10は、ポリシリコン層7の厚さ分のみであるので、僅かな順バイアスで完全に空乏化する。n+バッファ領域10の総不純物量を一定量以下に設定しておけば、n+バッファ領域10中の最大電界強度を抑えることができる。
順バイアスの大部分は、n―ドリフト層によって担われるので、n+バッファ領域10中の電界強度の局所的なピークを抑えることができ、局所的な電界集中によるアバランシェ降伏が起こりにくい。従って、十分な順耐圧を確保することができる。この結果として、順耐圧を高くしてもオン電圧が悪化することはない。これは、従来のプレーナゲート構造またはトレンチゲート構造のIGBTと比べて、大変に優れている点である。従来のプレーナゲート構造またはトレンチゲート構造のIGBTでは、局所的な電界集中を避けることは困難である。
(トレードオフ特性について)
ポリシリコンは、単結晶シリコンに比べてキャリア移動度およびキャリア寿命の点で劣る。しかし、1000℃以上の高温でアニールすることによって、ポリシリコン内のキャリア移動度およびキャリア寿命は、相当程度、回復する。レーザーアニールによって結晶粒径を制御しつつ移動度を回復する技術も開発されている。このような技術を用いれば、ゲート電圧しきい値や伝達特性などの特性バラツキを低減することが可能であると考えられる。
一方、n+バッファ領域10内でゲート酸化膜6に沿った領域とn―ドリフト層1の断面凸部のところで基板酸化膜4に沿った領域からなるn+電子蓄積層では、電子濃度が非常に高く(〜1×1019cm−3)、電気抵抗が低いので、電圧降下が少ない。このため、n+電子蓄積層とn―ドリフト層1とからなるn+/n−接合がより順バイアスされるので、電子が注入され易くなる。つまり、n+バッファ領域10において電圧降下が生じることにより、n―ドリフト層中のキャリア分布が表面偏重型になることが本発明の大きい特徴である。これによって、オン電圧−ターンオフ損失のトレードオフが最適化される本発明の効果が発揮されるのである。これは、特に高耐圧IGBTにおけるオン電圧分担の大部分を占めるn―ドリフト層中の電圧降下を、ある一定のターンオフ損失に対して最小化することを意味する。
(ラッチアップ耐量について)
n+バッファ領域10中のキャリア寿命が短くおよびキャリア移動度が低いと、少数キャリアであるホールの拡散長が短くなり、n+バッファ領域10中でのキャリアの再結合が増える。その結果、p型ベース領域8を通り抜けてエミッタ電極12にコレクトされるホール電流が減少する。このため、ラッチアップに寄与するホール電流が減少し、ラッチアップ耐量が向上する。
(微細プロセスについて)
以上説明したIGBTの構造には、表面パターンの極端な微細化が不要であるという設計上の長所がある。カソード(エミッタ)コンタクト領域は、図3(k)に示すように、基板酸化膜4によりドリフト層1と電気的に分離されており、基板酸化膜4のない部分、すなわち基板酸化膜4の開口部においてのみドリフト層1に接続している。そのため、カソード(エミッタ)コンタクト領域の設計寸法は、ドリフト層1の特性には直接は寄与しない。これは、従来のプレーナゲート構造またはトレンチゲート構造のIGBTとは対照的である。従来のIGBTでは、カソード(エミッタ)コンタクト領域のすべてが直接的にドリフト層に接続しており、その設計寸法が直接的に特性に結びついている。従って、本実施例1では、前述のように、n++型ソース領域9を特に微細化しなくても、トレードオフ特性は不変であるという特徴を有するのである。
図7(a)に示すように、ミラー研磨面を有するn型FZ−シリコン基板21を基板として用いる。基板の比抵抗は、30〜200Ωcmが好ましく、IGBTの耐圧によって選択する。例えば80Ωcmの基板21を用いて作製すれば、耐圧1200VのIGBTとすることができる。この基板21のミラー研磨面に熱酸化またはCVD成長による膜厚範囲0.3μm〜1μmの酸化膜22を形成する。次に図7(b)に示すように、その膜上にパターニングを施したフォトレジストを設け、酸化膜22をストライプ状に選択的にドライエッチングして大きな開口部23を形成する。このときのセルピッチは5〜20μm、ストライプ状の酸化膜22の幅は0.5μm〜2μmが望ましいが、ここでは、酸化膜22の幅を1μm、セルピッチ幅を10μmとした。続いて、図7(c)に示すように、熱酸化またはCVDにより基板酸化膜24を基板21の全面に形成した後、フォトリソグラフィーによって基板酸化膜24の中央に開口部25を形成する。なお、皿状の酸化膜22、24底部の基板酸化膜24の厚さは0.05μm〜0.2μm、端部に突出した酸化膜22の膜厚は0.3μm〜1μmの範囲が好ましいが、本実施例では、基板酸化膜24の膜厚を0.1μm、酸化膜22の膜厚を0.5μmとした。
その後、図9(i)のように厚さ約1μmのBPSG膜31を全面に形成して層間絶縁膜とする。続いて、コンタクト用の開口部32を形成する。次に、図9(j)のように膜厚5μmのアルミニウム電極(エミッタ電極)33を形成することにより、本発明の実施例3にかかるIGBTが完成する。
1、チャネル領域29をn型エピタキシャル層26で形成したことにより、移動度が大きくなり、抵抗ロスが減少する。
2、チャネル領域29をエピタキシャル層(単結晶シリコン層)で形成したことにより、順方向ブロッキング時のもれ電流が小さくなる。
3、酸化膜22をストッパーとしたCMPによりエピタキシャル層26の薄膜化および均一化が可能になる。これは、IGBTの耐圧向上、特性バラツキ低減につながる。
この実施例4では、図10(a)に示したように、実施例3と同様のn型FZ−シリコン基板21表面に膜厚0.1μmの基板酸化膜34を熱酸化あるいはCVDにより形成し、図10(b)のように、ポリシリコン層36の堆積およびパターン形成を行って開口部35を形成する。図10(c)のように、膜厚0.1μmの酸化膜37を熱酸化またはCVDにより形成してゲート酸化膜37とし、ポリシリコン層36のない部分の酸化膜37を除去してシリコン基板21を部分的に露出させる。次に膜厚0.5μmの窒化膜を全面に形成した後、図10(d)のように、窒化膜端部38を0.5μm〜2μm程度残してストライプ状にエッチングを行う。図11(e)のように、露出したシリコン基板21表面をシード層としてシリコンエピタキシャル層39を基板21の全面が被覆されるまで成長を行う。図11(f)のように、窒化膜端部38をストッパーとしてシリコンエピタキシャル層39の平坦化を行う。窒化膜も酸化膜と同程度の選択性を持つため、有効なストッパー膜となる。たとえば、前記、(株)フジミインコーポレーテッド製の高純度コロイダルシリカスラリーplanerlite−6103を用いて、実施例3と同様の条件で研摩した場合、窒化膜でも約100倍の選択比が得られる。
さらに、実施例1、2、3、4に記載の製造方法をミックスした製造方法とすることもできる。たとえば、実施例1のようなトレンチを形成し、トレンチの底面に形成した絶縁膜を介してn型ポリシリコンまたはn型シリコンエピタキシャル層を形成して、その表面を基板21の凸部の表面と同一面とした後、トレンチの凸部と高さをそろえた後、n++型ソース領域、p型ベース領域(チャネル領域)、n+バッファ領域を形成し、表面にゲート絶縁膜を形成後、ポリシリコンゲート電極、層間絶縁膜、ソース電極用コンタクトホールの形成、ソース電極の形成により、トップゲート型MOSゲート構造を形成するようにすることもできる。また、前述のトレンチ中に絶縁膜を介してポリシリコンゲート電極とその表面にゲート絶縁膜を形成し、このゲート絶縁膜上で、これと接触するn型ポシシリコンまたはn型シリコンエピタキシャル層を形成する。n型ポシシリコンまたはn型シリコンエピタキシャル層の表面と基板21の凸部と同一表面とした後、n++型ソース領域、p型ベース領域(チャネル領域)、n+バッファ領域を形成し、層間絶縁膜とソース電極を形成する。この方法によってもボトムゲート型のMOSゲート構造を形成することができる。
次に、シリコンエピタキシャル層76の表面を熱酸化により、35nmの厚さの熱酸化膜を形成してから、選択的に、ドーズ量2×1014cm−2のボロンおよびドーズ量1×1015cm−2の砒素のイオン注入を行った後、窒素雰囲気で、1150℃×2時間のドライブ拡散を行い、他導電型チャネル領域77と、一導電型ソース領域78をそれぞれ形成する。その上に、BPSG膜79を1μm成長させた後、該BPSG膜79にチャネル領域77とソース領域78とを接続させるためのコンタクトホール80を開ける(図15−7)。さらに、その上にアルミニウム膜81をスパッタ法により形成した後、パターニングすることにより、エミッタ電極81を形成する。次に、半導体基板71の裏面側を研磨してウエハ厚さを100μmとする。裏面にドーズ量2×1014cm−2のボロンイオンを注入し、380℃で1時間のアニール処理を行い、アノード層82を形成する。最後に、アノード層82の表面にアノード電極83を蒸着で形成すると、実施例5にかかるIGBTのウエハの製造工程が完了する(図15−8)。
次に、前記n型のシリコンエピタキシャル層106をCMP装置などにより、化学的、機械的に前記テラス絶縁膜102の上部に被着された高温酸化膜105が現れるまで研磨する(図19−7)。この際に、前記n型のシリコンエピタキシャル層106の研磨条件をゲート酸化膜(HTO膜)105に対する選択比(選択エッチング比)を充分に高いものにしておけば、前述のようにゲート酸化膜105が現れた後のエッチングスピードは急激に低下するので、このエッチングスピードの変化を検知すれば、ゲート酸化膜105をエッチング終了点の検知手段として用いることができるので、ゲート酸化膜105の厚さを設定することにより、研磨後の前記n型のシリコンエピタキシャル層106の厚さのばらつきを小さくできる。
さらに、アルミニウムを5μm厚さにスパッタした後、パターニングによりエミッタ電極111、ゲート引出し電極(図示せず)を形成することにより、半導体基板101の表面側のMOSゲート構造を形成する。以降の工程は従来のIGBTと同様に、半導体基板101の裏面を研磨して、600V耐圧の場合、ウエハ厚を約100μmにする。この裏面にドーズ量1×1014cm−2のボロンをイオン注入し、380℃で一時間のアニール処理を行い、アノード層112を形成する。このアノード層の表面にアノード金属電極113を蒸着により形成すれば、実施例6にかかるIGBTを作ることができる。
以上、実施例7において説明した、図15(実施例5)に示すIGBTにシリコン窒化膜114を形成する方法は、図3(k)と図6(k)と図9(j)に示すIGBTに対しても同様に適用することができる。
本実施例のシリコン窒化膜は、基板酸化膜103とゲート酸化膜105の中央部を除去した後、基板21の全面にCVD法により堆積させ、フォトリソグラフィーにより中央部を除去することにより、形成できる。
以上、実施例8において説明した、図15(実施例5)に示すIGBTにシリコン窒化膜114を形成する方法は、図3(k)と図6(k)と図9(j)に示すIGBTに対しても同様に適用することができる。
2 マスク酸化膜
3 トレンチ
4、24、34、73、103 基板酸化膜
5、28、36、74、104 ポリシリコン層(多結晶シリコンゲート電極層)
6、27、37、75、105 ゲート酸化膜
7、26、39、76、106 一導電型シリコンエピタキシャル層
8、29、40、77、107 p型ベース領域(p型チャネル領域)
9、30、41、78、108 n++型ソース領域
10、76、106 n+バッファ領域
11、31、42、79、109 層間絶縁膜(BPSG膜)
12、33、44、81、111 エミッタ電極(カソード電極)
22、38 ストッパー
23、25、32、35 開口部。
Claims (39)
- 一導電型半導体基板上に絶縁膜を介してMOSゲート構造を備え、前記一導電型半導体基板上で周囲を前記MOSゲート構造で囲まれた中心部に形成された前記絶縁膜の開口部で前記一導電型半導体基板の表面に接する一導電型堆積半導体層が前記MOSゲート構造と一体となって電流経路を形成する構造を備えることを特徴とする半導体装置。
- 前記MOSゲート構造が、
一導電型半導体基板表面に選択的に形成されたトレンチと、該トレンチ内に基板絶縁膜を介して埋められる多結晶半導体ゲート電極領域と、該多結晶半導体ゲート電極領域表面を覆うゲート絶縁膜と、前記トレンチ上部では前記ゲート絶縁膜表面に接し前記トレンチ間では半導体基板表面に接触する一導電型堆積半導体層とを備え、
前記一導電型堆積半導体層が、前記トレンチ間の半導体基板表面に接触する一導電型バッファ領域と、前記ゲート絶縁膜表面で前記一導電型バッファ領域に隣接する他導電型ベース領域と、該他導電型ベース領域に対して前記一導電型バッファ領域とは反対側に隣接する一導電型エミッタ領域とを同一層内に有し、
前記他導電型ベース領域と前記一導電型エミッタ領域の両方に、前記ゲート絶縁膜に接触する面とは反対側の面で接触するエミッタ電極を備えることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 前記一導電型堆積半導体層は、前記一導電型半導体基板よりも高不純物濃度を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型多結晶半導体層であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型単結晶半導体層であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記多結晶半導体ゲート電極領域と前記一導電型堆積半導体層とに挟まれる前記ゲート絶縁膜がゲート酸化膜と、該ゲート酸化膜の少なくとも一部に積層され、前記一導電型堆積半導体層に接するシリコン窒化膜とを含むことを特徴とする請求項4または5に記載の半導体装置。
- 前記シリコン窒化膜が、前記トレンチ間の半導体基板表面に接することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
- 前記一導電型半導体基板表面と前記トレンチの側壁とのなす角度が90度以下であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記MOSゲート構造が、
一導電型半導体基板表面に選択的に形成された基板絶縁膜と、一導電型半導体基板表面と前記基板絶縁膜上とに選択的に形成された一導電型堆積半導体層とを備え、該一導電型堆積半導体層が前記基板絶縁膜の中央で前記半導体基板表面に接触する一導電型バッファ領域と、前記基板絶縁膜上で前記一導電型バッファ領域に隣接する他導電型ベース領域と、該他導電型ベース領域内であって、前記一導電型バッファ領域とにより前記他導電型ベース領域表面を挟む位置に形成される一導電型エミッタ領域とを有し、
前記前記一導電型バッファ領域と一導電型エミッタ領域とにより挟まれる前記他導電型ベース領域表面にゲート絶縁膜を介して多結晶半導体ゲート電極領域と該多結晶半導体ゲート電極領域を覆う層間絶縁膜を備え、前記他導電型ベース領域と前記一導電型エミッタ領域の両方に接触するエミッタ電極を備えることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 前記一導電型堆積半導体層は、前記一導電型半導体基板よりも高不純物濃度を有していることを特徴とする請求項9記載の半導体装置。
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型多結晶半導体層であることを特徴とする請求項9または10に記載の半導体装置。
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型単結晶半導体層であることを特徴とする請求項9または10に記載の半導体装置。
- 前記基板絶縁膜と前記一導電型堆積半導体層との間の少なくとも一部にシリコン窒化膜を有することを特徴とする請求項11または12に記載の半導体装置。
- 前記シリコン窒化膜が、前記半導体基板表面と接触することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
- 前記MOSゲート構造が、
一導電型半導体基板表面に開口部を有する基板絶縁膜と、該基板絶縁膜上に選択的に形成される多結晶半導体ゲート電極領域と、前記多結晶半導体ゲート電極領域を覆うゲート絶縁膜とを備え、前記基板絶縁膜が第一絶縁膜と、該第一絶縁膜より厚いテラス絶縁膜からなり、前記第一絶縁膜は一辺側で前記開口部に接し、他辺側で前記テラス絶縁膜に接し、前記開口部と前記ゲート絶縁膜とで構成される凹部を、凹部の深さ以下の厚さに埋める一導電型堆積半導体層を備え、
該一導電型堆積半導体層は前記開口部で前記半導体基板表面に接触する一導電型バッファ領域と、前記ゲート絶縁膜上で前記一導電型バッファ領域に隣接する他導電型ベース領域と、該他導電型ベース領域内であって、前記一導電型バッファ領域とにより前記他導電型ベース領域の前記ゲート絶縁膜との接触表面を挟む位置に形成される一導電型エミッタ領域とを有し、
前記一導電型バッファ領域上には層間絶縁膜を介して覆い、前記一導電型エミッタ領域と前記他導電型ベース領域表面とに接触するエミッタ電極を備えることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 前記一導電型堆積半導体層は、前記一導電型半導体基板よりも高不純物濃度を有していることを特徴とする請求項15記載の半導体装置。
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型多結晶半導体層であることを特徴とする請求項15または16に記載の半導体装置。
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型単結晶半導体層であることを特徴とする請求項15または16に記載の半導体装置。
- 前記多結晶半導体ゲート電極領域と前記一導電型堆積半導体層とに挟まれる前記ゲート絶縁膜がゲート酸化膜と、該ゲート酸化膜の少なくとも一部に積層され、前記一導電型堆積半導体層に接するシリコン窒化膜とを含むことを特徴とする請求項17または18に記載の半導体装置。
- 前記シリコン窒化膜が、半導体基板表面と接することを特徴とする請求項19記載の半導体装置。
- 一導電型半導体基板表面にマスク用絶縁膜をマスクにトレンチを形成する第一工程、前記トレンチを含む前記半導体基板表面に基板絶縁膜形成後、前記トレンチの深さ以上にゲート電極領域を堆積し、該ゲート電極領域表面を、前記半導体基板表面の前記絶縁膜表面が露出するまで研摩して平坦化する第二工程、前記平坦化されたゲート電極領域表面にゲート絶縁膜を形成した後、前記マスク用絶縁膜の位置に積層された絶縁膜を除去して前記半導体基板表面を露出させる第三工程、前記露出された半導体基板表面から一導電型堆積半導体層を成長させて前記ゲート絶縁膜上を覆うように形成する第四工程、前記一導電型堆積半導体層が前記半導体基板の露出部と接触する領域を一導電型バッファ領域とし、前記一導電型堆積半導体層内で前記一導電型バッファ領域に隣接する他導電型のベース領域と、該他導電型のベース領域の反対側で隣接する一導電型エミッタ領域とを形成する第五工程、前記一導電型バッファ領域表面を層間絶縁膜を介して被覆すると共に、前記他導電型のベース領域と前記一導電型エミッタ領域とに接触するエミッタ電極を形成する第六工程を含むMOSゲート構造の形成工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 前記一導電型堆積半導体層は、前記一導電型半導体基板よりも高不純物濃度に形成されることを特徴とする請求項21に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型多結晶半導体層であることを特徴とする請求項21または22に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型単結晶半導体層であることを特徴とする請求項21または22に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記一導電型半導体基板の表面と前記トレンチの側壁とのなす角度を90度以下に形成することを特徴とする請求項21乃至24のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
- 一導電型半導体基板表面の所定の位置に研磨用基準絶縁膜を形成する第一工程、基板絶縁膜を被覆し、前記研磨用基準絶縁膜に囲まれた前記基板絶縁膜の中央部に開口部を設けて前記一導電型半導体基板表面を露出させる第二工程、一導電型堆積半導体層を前記研磨用基準絶縁膜の厚さ以上に堆積後、前記一導電型堆積半導体層を前記基準絶縁膜の厚さ以下に研磨する第三工程、研磨後の前記一導電型堆積半導体層の表面にゲート絶縁膜を形成する第四工程、前記一導電型堆積半導体層が前記半導体基板表面と接触する領域を一導電型バッファ領域とし、該一導電型バッファ領域上に前記ゲート絶縁膜を介して多結晶半導体ゲート電極領域を形成する第五工程、前記一導電型堆積半導体層内で前記一導電型バッファ領域に隣接する領域に他導電型ベース領域を形成し、該他導電型ベース領域に対して前記一導電型バッファ領域とは反対側で隣接する一導電型エミッタ領域をそれぞれ形成する第五工程、多結晶半導体ゲート電極領域を覆う層間絶縁膜を形成した後、該層間絶縁膜に前記他導電型のベース領域表面と前記一導電型エミッタ領域表面とに跨る開口部を形成し、エミッタ電極を形成する第六工程を含むMOSゲート構造の形成工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 前記一導電型堆積半導体層は、前記一導電型半導体基板よりも高不純物濃度に形成することを特徴とする請求項26記載の半導体装置の製造方法。
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型多結晶半導体層であることを特徴とする請求項26または27に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型単結晶半導体層であることを特徴とする請求項26または27に記載の半導体装置の製造方法。
- 一導電型半導体基板表面を覆う基板絶縁膜を形成する第一工程、該基板絶縁膜上にゲート電極領域の堆積後、ゲート電極領域を選択的に除去し前記基板絶縁膜を露出させる第二工程、ゲート絶縁膜の形成後、前記露出された基板絶縁膜を除去して半導体基板表面を露出させる第三工程、所定の厚さの基準絶縁膜を前記ゲート電極領域上に選択的に形成し、一導電型堆積半導体層を前記基準絶縁膜の厚さ以上に堆積後、前記基準絶縁膜の厚さを基準に前記一導電型堆積半導体層を研磨する第四工程と、前記一導電型堆積半導体層の、前記半導体基板表面と接触する領域を一導電型バッファ領域とし、前記一導電型堆積半導体層内で前記一導電型バッファ領域に隣接する他導電型のベース領域と、該他導電型のベース領域の反対側で隣接する該一導電型エミッタ領域とを形成する第五工程、前記一導電型バッファ領域を層間絶縁膜を介して被覆すると共に、前記他導電型のベース領域表面と前記一導電型エミッタ領域表面とに接触するエミッタ電極を形成する第六工程を含むMOSゲート構造の形成工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 前記一導電型堆積半導体層は、前記一導電型半導体基板よりも高不純物濃度に形成することを特徴とする請求項30記載の半導体装置の製造方法。
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型多結晶半導体層であることを特徴とする請求項30または31に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型単結晶半導体層であることを特徴とする請求項30または31に記載の半導体装置の製造方法。
- 一導電型半導体基板表面に、選択的に第一開口部を有するテラス絶縁膜を形成し、該第一開口部に前記テラス絶縁膜よりも薄い第一絶縁膜を形成する第一工程、多結晶半導体ゲート電極領域の堆積後、前記第一絶縁膜上の前記多結晶半導体ゲート電極領域を選択的に除去し第二開口部を形成する第二工程、ゲート絶縁膜の堆積後、前記第二開口部の底面の前記第一絶縁膜および前記ゲート絶縁膜を除去して前記半導体基板表面を露出させる第三工程、前記テラス絶縁膜上のゲート絶縁膜よりも高くなるように一導電型堆積半導体層を堆積後、前記テラス絶縁膜上のゲート絶縁膜表面の高さにまで前記一導電型堆積半導体層を研磨する第四工程、前記一導電型堆積半導体層の、前記一導電型半導体基板と接触する領域を一導電型バッファ領域とし、前記一導電型堆積半導体層内で前記一導電型バッファ領域に隣接する他導電型のベース領域と、該他導電型のベース領域に反対側で隣接する該一導電型エミッタ領域とを形成する第五工程、層間絶縁膜を堆積後、前記ベース領域とエミッタ領域とを露出するように前記層間絶縁膜に選択的に開口を形成し、前記ベース領域と前記エミッタ領域とに接触するエミッタ電極を形成する第六工程を含むMOSゲート構造の形成工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 前記第三工程の終了後前記一導電型堆積半導体層を形成する前に、ゲート絶縁膜上の少なくとも一部にシリコン窒化膜を形成することを特徴とする請求項34記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第三工程の終了後前記一導電型堆積半導体層を形成する前に、全面にシリコン窒化膜を形成後、異方性エッチングを行うことを特徴とする請求項34記載の半導体装置の製造方法。
- 前記一導電型堆積半導体層は、前記一導電型半導体基板よりも高不純物濃度に形成することを特徴とする請求項34乃至36のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型多結晶半導体層であることを特徴とする請求項34乃至37のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記一導電型堆積半導体層が一導電型単結晶半導体層であることを特徴とする請求項34乃至37のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
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