JP2007038975A - 自動車ドアのシール構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 自動車用ドアのドアフレーム2とパーティションサッシュ40と、その中に装着される昇降ドアガラスとクォーター部材とを有する自動車用ドアのシール構造において、昇降ドアガラスは、ガラスラン10によりシールされ、クォーター部材は、クォーターウエザストリップ20によりシールされ、ドアフレームの上辺部の下面とパーティションサッシュ40の上端と間に形成される空間に、コーナーピース30を装着し、ガラスラン10及びクォーターウエザストリップ20のコーナー部12,22の外面に形成したシールリップ18、18a及び28をコーナーピース30の当接面に、弾接させてシールした自動車ドアのシール構造である。
【選択図】 図4
Description
パーティションサッシュ40は、図6に示すように、少なくともその車外側側壁の上端にエンドキャップ4が取付けられて、エンドキャップ4を介してドアフレーム2の車外側側壁の下面に接続されている。このエンドキャップをガラスラン110またはクォーターウエザストリップ120と一体に成形してパッキンとしたものがある(例えば、特許文献1参照。)
この空間部においては、クォーターウエザストリップ120もガラスラン110もそのコーナー部112、122が配設される。しかし、いずれのコーナー部112、122も上辺部又は縦辺部における押出成形等により成形したものの外形形状をほぼそのまま連続させたように形成されており、ドアフレーム2とパーティションサッシュ40の上端の接続部分の上記空間部において、各コーナー部112、122とドアフレーム2及び/またはパーティションサッシュ40との間に隙間が生じて、シール性が低下することとなる。
なお、この場合、一般的には各コーナー部112、122の外面には、対向する当接面がなく、空間部となっていることから、各外面には、シールリップは形成されていなかった。
しかしながら、このコーナーピース130を装着したのみでは、各部品(ガラスラン110、クォーターウエザストリップ120、パーティションサッシュ40、コーナーピース130)の組付けバラツキや部品の寸法のバラツキにより、必ずしも十分に各部品間の隙間を埋めることができなかった。そのため、そのコーナーピース130または両コーナー部112、122にシート状のシール部材を取付けて上記の隙間に対するシールの補完を行なっているが、別途のシート状のシール部材の組付けに手間がかかり、コストも増加している。
しかし、クォーターウエザストリップ120とガラスラン110のコーナー部112,122の平板状のシールリップ同士を重ね合わせるように配置するために、その重合部分を互いに精度良く形成する必要があるとともに、その重合部分での形状保持が複雑になり、また製造に手間がかかる。さらに、装着するときも、クォーターウエザストリップ120とガラスラン110のコーナー部112,122同士を重ね合わせて、かつ、パーティションサッシュ40に嵌め込む作業となり手間がかかる。
昇降ドアガラスは、パーティションサッシュの一方の側面とドアフレームに装着されるガラスランによりシールされ、クォーター部材は、クォーター部材の外周とドアフレーム及びパーティションサッシュの他方の側面に装着されるクォーターウエザストリップによりシールされ、ドアフレームの上辺部の下面とパーティションサッシュの上端との間に頭部と頭部から下方に延設された脚部を有するコーナーピースを装着し、ガラスラン及び/またはクォーターウエザストリップのコーナーピースと当接するコーナー部の外面に斜め方向に突出するシールリップを形成し、シールリップをコーナーピースの当接面に、シールリップが撓むように弾接させてシールした自動車ドアのシール構造である。
また、クォーターウエザストリップのコーナー部と当接する側の当接面としてクォーターウエザストリップのコーナー部の外側形状に対向した形状を頭部の下面から脚部の他方の側面にかけて形成したため、コーナーピースの当接面に、クォーターウエザストリップのコーナー部の外面を対向させてほぼ当接状態に配置することができ、クォーターウエザストリップのコーナー部の外面に形成した斜め方向に突出したシールリップをコーナーピースの上記当接面に確実に当接させることができ、シール性を確保できる。
ガラスランの直線部及びコーナー部の本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形を構成している。このため、ドアフレームとパーティションサッシュに装着されたガラスランでは、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形の本体内においてドアガラスの端部を摺動させ、シールすることができる。
直線部及びコーナー部の本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形を構成するため、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形の本体で、クォータードアガラスの周囲を環状に保持することができ、ドアフレームとパーティションサッシュに強固に取付け固定することができる。
本発明を自動車のリヤドアで使用する場合を例に取り説明するが、本発明はフロントドアについても使用することができる。
図5は自動車の側面図である。図5に示すように自動車の側面のドア1であるフロントドア1aとリヤドア1bの両方のベルトラインよりも上部には、ドアガラス5、5が昇降可能に設けられている。
リヤドア1bには、パーティションサッシュ40のフロント側に、上下方向に昇降して、ドア窓を開閉することができるドアガラス5と、パーティションサッシュ40のリヤ側のドアフレーム2とパーティションサッシュ40で形成される三角形の部分に固定されたクォータードアガラス6が設けられている。
ガラスラン10は、図1、図2(A)と図4(A)に示すように、全体として押出成形で形成された直線部11と、ドアフレーム2のコーナー部に取付けられ、上記の直線部11を接続し、型成形で形成されるコーナー部12からなる。
なお、直線部11は、上辺部に装着可能なように緩やかに湾曲されたものを含む概念のものである。また、直線部11は、主に押出成形によって形成されるが、射出成形によって直線状または略直線状に形成されたものでもよい。
これらの押出成形部分をドアフレーム2に対応した形状となるように、フロント側とリヤ側のそれぞれのコーナー部分において、型成形により成形して直線部11を接続してコーナー部12が形成されている。なお、ガラスラン10のコーナー部12は、ドアフレーム2のフロント側とリヤ側のそれぞれのコーナー部の部分に装着されるように、コーナー部12の角度等を規定して形成されている。
ガラスラン10の直線部11の断面形状と、コーナー部12の断面形状とは基本的な形状は略同じである。即ち、その本体は、図2(A)、図4(A)に示すように、車外側側壁13と、車内側側壁14と、底壁15とから断面略コ字状に形成されている。
車内側側壁14の先端から車内側シールリップ17が、車外側シールリップ16と同様に、上記本体の断面略コ字状の内側に向けて延設されて、ドアガラス5の車内側面をシールしている。
上辺部とリヤ側の縦辺部のそれぞれの直線部11の断面形状の相違をコーナー部12で連続的に変化させることにより接続している。
なお、第1の底壁シールリップ18および底壁シールリップ18aを車外方向に向かって斜め方向に突出させて形成されているので、車外側からの水の浸入を確実に防止することができるとともに、底壁シールリップ18、18aが撓むように変形することができるため、後述するコーナーピース30の当接面に確実に当接することができる。
クォーターウエザストリップ20は、図1、図2と図4(C)に示すように、全体として型成形で形成され、直線部21とコーナー部22は一体に同時に成形される。なお、直線部21を押出成形で成形し、コーナー部22を型成形で成形してもよい。
なお、クォーターウエザストリップ20のコーナー部22は、ドアフレーム2の上辺部とパーティションサッシュ40との三角形状のコーナー部の部分に装着されるように、コーナー部22の角度等を規定して形成されている。
クォーターウエザストリップ20のコーナー部22の断面形状は、図4(C)に示すように、車外側側壁23と、車内側側壁24と、底壁25とから断面略コ字状に形成されている。
コーナーピース30は、図1、図3に示すように、略T字形に形成され、頭部31とその頭部31から下方に一体的に延設された脚部32とから形成されている。
頭部31は、上面がドアフレーム2の上辺部の底壁の下面に当接するように平面状に左右に延びて形成され、上面の中央部には凹部が形成され、この凹部内に脚部32から延びるL字形のブラケット(図示せず)が取付けられて、このブラケットによりパーティションサッシュ40の上端がドアフレーム2の上辺部の底壁に取付けられる。
これは、後述のクォーターウエザストリップ20も同様である。
ガラスラン側脚部36とクォーターウエザストリップ側脚部37の間には脚部空間38が形成され、この脚部空間38にパーティションサッシュ40の先端が挿入されて、上記のブラケットによりコーナーピース30とともにパーティションサッシュ40がドアフレーム2の上辺部の下面に取付けられる。
ガラスラン10は、まずその直線部11を押出成形により成形し、その後、コーナー部12を型成形する。
ガラスラン10の直線部11の成形においては、成形材料は、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂が使用され、例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、オレフィン系エラストマー、軟質合成樹脂では、軟質塩化ビニル等が使用される。
合成ゴムの場合は、押出成形後に加硫槽に搬送されて、熱風や高周波等により加熱されて加硫が行われる。熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂の場合は、冷却され固化される。その後所定の長さに切断されて、押出成形部分は製造される。
合成ゴムの場合は、金型に注入した後に金型を加熱して加硫する。このとき、押出成形部分と型成形部分は同じ材料あるいは同種類の材料を使用しているため、加硫接着をすることができ、一体的に固着することができる。
クォーターウエザストリップ20を、直線部21とコーナー部22とを一体に型成形で形成すると、直線部21とコーナー部22の境界の段差が無く、シール性に優れており、型成形のみで全体を成形することができ、効率的に製造することができる。
2 ドアフレーム
10 ガラスラン
15 底壁
18、18a 底壁シールリップ
20 クォーターウエザストリップ
25 底壁
28 底壁シールリップ
30 コーナーピース
40 パーティションサッシュ
Claims (8)
- 自動車用ドアのドアフレームと、該ドアフレームの上辺部の下面とドアパネルとの間に接続されたパーティションサッシュと、上記ドアフレームとパーティションサッシュの一方の側面の空間を昇降する昇降ドアガラスと、上記ドアフレームとパーティションサッシュの他方の側面の空間に固定されるクォーター部材を有する自動車用ドアのシール構造において、
上記昇降ドアガラスは、上記パーティションサッシュの一方の側面と上記ドアフレームに装着されるガラスランによりシールされ、上記クォーター部材は、上記クォーター部材の外周と上記ドアフレーム及びパーティションサッシュの他方の側面に装着されるクォーターウエザストリップによりシールされ、
上記ドアフレームの上辺部の下面とパーティションサッシュの上端との間に頭部と該頭部から下方に延設された脚部を有するコーナーピースを装着し、上記ガラスラン及び/またはクォーターウエザストリップの上記コーナーピースと当接するコーナー部の外面に斜め方向に突出するシールリップを形成し、該シールリップを上記コーナーピースの当接面に、シールリップが撓むように弾接させてシールしたことを特徴とする自動車ドアのシール構造。 - 上記クォーター部材はクォータードアガラスであり、上記クォーターウエザストリップは上記クォータードアガラスの外周に取付けられたクォーターウエザストリップである請求項1に記載の自動車ドアのシール構造。
- 上記クォーター部材はドアミラーベースであり、上記クォーターウエザストリップは上記ドアミラーベースの外周に環状に取付けられたクォーターウエザストリップである請求項1に記載の自動車ドアのシール構造。
- 上記コーナーピースは、上記ガラスランのコーナー部と当接する側の当接面として上記ガラスランのコーナー部の外側形状に対向した形状を上記頭部の下面から脚部の一方の側面にかけて形成し、上記クォーターウエザストリップのコーナー部と当接する側の当接面として上記クォーターウエザストリップのコーナー部の外側形状に対向した形状を上記頭部の下面から脚部の他方の側面にかけて形成した請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
- 上記ガラスラン及び/またはクォーターウエザストリップの上記コーナーピースと当接するコーナー部の外面に形成した斜め方向に突出したシールリップは、上記ガラスラン及びクォーターウエザストリップのそれぞれの直線部の外面に形成され斜め方向に突出したシールリップと連続して形成された請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
- 上記ガラスランは、押出成形により成形され上記ドアフレームの上辺部と縦辺部及びパーティションサッシュに装着される直線部と、型成形により成形され該直線部を接続し、上記ドアフレームとパーティションサッシュの接続部分のコーナー部に装着されるコーナー部を有し、直線部及びコーナー部の本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形を構成する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
- 上記ガラスラン及び/またはクォーターウエザストリップの上記コーナーピースと当接するコーナー部の外面に形成した斜め方向に突出したシールリップは、上記ガラスラン及び/またはクォーターウエザストリップの底壁の外面で車外方向に向かって形成されている請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
- 上記クォーターウエザストリップは、直線部とコーナー部が一体に型成形で形成され、直線部及びコーナー部の本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形を構成する請求項1乃至請求項5及び請求項7のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
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