JP4858230B2 - 自動車用ガラスラン - Google Patents

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Description

本発明は、自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアガラスの昇降を案内する、直線部と、コーナー部を有するガラスランに関するものである。
図6に示すように、自動車のドア1のドアフレーム2の内周にドアガラス5の昇降を案内するガラスラン110が取付けられている。その従来のガラスラン110の全体を図5に示し、ガラスラン110がドアフレーム2の直線部に取付けた状態の断面図を図7に示す。また、ドアフレーム2の上辺部とリヤ側縦辺部がなすドアフレーム2のコーナー部取付けられた状態の断面図を図8に示す。
従来、ガラスラン110は、図5に示すように、ドアフレーム2のチャンネル103内に取付けられて、ドアガラス5の昇降を案内するとともにドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。さらに、ガラスラン110は、図5に示すように、押出成形により成形された直線部111からなるドアフレーム2の上辺部と、同じく押出成形されたフロント側縦辺部及びリヤ側縦辺部を、型成形によってドアフレーム2のコーナー部2bの形状に合わせて形成されたコーナー部112で接続している。
なお、ドア1と車体との間のシールは、ドアパネルおよびドアフレーム2の外周に取付けられたドアウエザストリップ(図示せず)および/または車体の開口部のフランジに取付けられたオープニングトリムウエザストリップ(図示せず)によりなされている。
ガラスラン110の本体の直線部111は、図7に示すように、車外側側壁120と、車内側側壁130と、底壁140からなる断面略コ字状をなしている。車外側側壁120の先端付近から車外側シールリップ121が本体の断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。また、車内側側壁130にもその先端付近から車内側シールリップ131が断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。
ガラスラン110の本体の車外側側壁120、車内側側壁130と底壁140はドアフレーム2に設けられたチャンネル103内に挿入され、各壁の外面の少なくとも一部がチャンネル103の内面に圧接され、ガラスラン110を保持している。なお、図7に示すように、ドアモール4を取付ける場合には、車外側側壁120は、ドアモール4により保持される。
ドアガラス5は、このガラスラン110の本体の断面略コ字状の内側を摺動するとともに、上記車外側シールリップ121と車内側シールリップ131によってドアガラス5の端部の両側面がシールされて保持されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、チャンネル103内にガラスラン110を装着したときに、チャンネル103内にガラスラン110を係止して保持するために、ガラスラン110の直線部では、車内側側壁130と車外側側壁120にそれぞれ車内側保持リップ124と車外側保持リップ133、134が設けられている。
また、底壁140の外面には、底壁シールリップ141、141が形成され、チャンネル103に当接して、チャンネル103とガラスラン110との間をシールしている。
このとき、ガラスラン110のコーナー部112は型成形で形成され、その角度はドアフレーム2の上辺と縦辺の接続角度に合わせて形成される。しかし、ドアフレーム2のコーナー部2bは、ガラスラン110の角度に合わせて鋭角に形成することが困難な場合があり、チャンネル103のコーナー部2bにガラスラン110のコーナー部112を装着し難くなることが生じていた。
そのため、図8に示すように、コーナー部においては、チャンネル103と底壁140の間に隙間が生じて、底壁シールリップ141もチャンネル103に当接することができなかった。そこで、底壁140の外面にコーキング部材145を取付けてシールしている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
しかし、この場合においても、シールは必ずしも充分ではなく、コーナー部112においてドアフレーム2とガラスラン110の間の隙間から騒音等が車内に浸入してシール性や遮音性が低下することとなっている。
また、図4に示すように、チャンネル103にL字フレーム107を使用する場合には、ドアフレーム2のコーナー部2bにはL字フレーム107が設けられていなく、底壁シールリップも設けられていなく、スポンジ製のコーキング部材145のみが設けられていた。
このため、雨水に対するシール性が不十分であり、底壁140との間のシールは不十分であった。
特開2007−8262号公報 特開2006−347485号公報
そこで、本発明は、ドアフレームに装着が容易で、コーナー部においてシール性と遮音性に優れたガラスランを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランであって、ガラスランは、押出成形により成形されドアフレームの上辺部と縦辺部に装着される直線部と、型成形により成形され該直線部を接続し、ドアフレームのコーナー部に装着されるコーナー部を有する自動車用ガラスランにおいて、
ガラスランの本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ本体の断面略コ字状の本体の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの両側端部の車外側面及び車内側面をシールし、
ドアフレームの縦辺部と上辺部に装着されるガラスランの直線部の底壁の外面にドアフレームに当接する底壁シールリップを形成し、
ドアフレームの上辺部と縦辺部の少なくとも一方には、L字フレームが取付けられて、L字フレームにガラスランの直線部の底壁が取付けられ、L字フレームに底壁シールリップが当接し、ドアフレームのコーナー部には、ドアフレームのドアアウターパネルが延設され、ドアアウターパネルにガラスランのコーナー部の底壁が取付けられ、底壁シールリップが上記ドアアウターパネルに当接し、
ガラスランのコーナー部では、底壁の外面にコーキング部材を取付けるとともに、コーキング部材に隣接して底壁シールリップを形成し、直線部の底壁シールリップとコーナー部の底壁シールリップを連続して形成し、ドアフレームとガラスランとの間をシールした自動車用ガラスランである。
請求項1の本発明では、ガラスランの本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ断面略コ字状の本体の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの両側端部の車外側面及び車内側面をシールしている。
このため、ドア閉時に、ドアフレームの上辺部において車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる本体の断面略コ字状のガラスランの内側に、ドアガラスの先端を収納することができ、ドアガラスを確実に保持することができる。また、車外側シールリップと車内側シールリップにより、ドアガラスの昇降に応じて、両方のシールリップがドアガラスに当接し、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアフレームとドアガラスとの間のシールをすることができる。
ドアフレームの縦辺部と上辺部に装着されるガラスランの直線部の底壁の外面にドアフレームに当接する底壁シールリップを形成したため、底壁とドアフレームとの間から雨水や騒音が浸入することを防止できる。
ガラスランのコーナー部では、底壁の外面にコーキング部材を取付けたため、底壁シールリップと合わせて、コーナー部でガラスランの底壁とドアフレームとの間の隙間からの騒音を防止できる。
コーナー部に取付けられたコーキング部材に隣接して底壁シールリップを形成し、直線部の底壁シールリップとコーナー部の底壁シールリップを連続して形成した。このため、直線部とコーナー部との間を切れ目なくシールすることができ、コーナー部において雨水等の浸入を確実に防止することができる。
請求項1の本発明では、ドアフレームの上辺部と縦辺部の少なくとも一方には、L字フレームが取付けられているため、ガラスランを装着するチャンネルは、ドアフレームのドアアウターパネルの先端とL字フレームから形成され、ドアアウターパネルの側壁は、チャンネルの車内側側壁となるチャンネル車外側側壁を形成するため、チャンネルをL字フレームとドアフレームとで分割して形成し、ドアフレームの形状が簡単になり、成形が容易である。
ドアフレームの上辺部と縦辺部のL字フレームにガラスランの直線部の底壁が取付けられ、L字フレームに底壁シールリップが当接している。このため、ドアフレームの上辺部と縦辺部は、L字フレームと底壁との間を確実にシールすることができ、ドアフレームのシール性を確保することができる。
ドアフレームのコーナー部には、ドアフレームのドアアウターパネルが延設され、ドアアウターパネルにガラスランのコーナー部の底壁が取付けられ、底壁シールリップがドアアウターパネルに当接する。このため、コーナー部において底壁とドアフレームとの間を確実にシールすることができる。
請求項2の本発明は、コーナー部の底壁シールリップは、直線部の底壁シールリップよりも底壁から幅方向に長く形成された自動車用ガラスランである。
請求項2の本発明では、コーナー部の底壁シールリップは、直線部の底壁シールリップよりも底壁から幅方向に長く形成されたため、コーナー部においてドアフレームとの間に隙間があっても、底壁シールリップがドアフレームに確実に当接することができ、シール性を確保できる。
請求項3の本発明は、底壁シールリップは、直線部では底壁の車外側側端に形成され、コーナー部では直線部よりも底壁の中央よりに形成された自動車用ガラスランである。
請求項3の本発明では、底壁シールリップは、直線部では底壁の車外側側端に形成され、コーナー部では直線部よりも底壁の中央よりに形成されたため、直線部では車外側に近い部分で確実にシールすることができ、コーナー部では、L字フレームがない部分でも確実にドアフレームに当接してシールすることができる。
請求項4の本発明は、コーキング部材は、スポンジ材で形成され、ガラスランの直線部及びコーナー部は、EPDMゴムまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーのソリッド材で形成された自動車用ガラスランである。
請求項4の本発明では、コーキング部材はスポンジ材で形成されているため、コーナー部の形状に合わせて柔軟にドアフレームに当接してシールすることができる。
ガラスランの直線部及びコーナー部は、EPDMゴムまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されているため、同種の材料であり、ガラスランの直線部とコーナー部の接着性がよい。また、いずれもオレフィン系の材料であり、耐候性がよく、同時に粉砕処理ができ、リサイクル容易な製品を得ることができる。コーナー部をオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成する場合は、加硫が不要であり、成形が容易である。
本発明は、ガラスランのコーナー部では、底壁の外面にコーキング部材を取付けたため、コーナー部でガラスランの底壁とドアフレームとの間の隙間からの騒音を防止できる。
コーナー部に取付けられたコーキング部材に隣接して底壁シールリップを形成し、直線部の底壁シールリップとコーナー部の底壁シールリップを連続して形成したため、直線部とコーナー部との間を切れ目なくシールすることができ、コーナー部において雨水等の浸入を確実に防止することができる。
ドアフレームのコーナー部には、ドアフレームのドアアウターパネルが延設され、ドアアウターパネルにガラスランのコーナー部の底壁が取付けられ、底壁シールリップがドアアウターパネルに当接する。このため、コーナー部において底壁とドアフレームとの間を確実にシールすることができる。
本発明の実施の形態を、図1〜図6に基づき説明する。
図6は、自動車のフロントのドア1の正面図であり、図5は、ドア1のドアフレーム2に取付けるフロントドアのガラスラン10の正面図である。図6に示すように、ドア1の上部にはドアフレーム2が設けられ、ドアガラス5が昇降自在に取付けられる。すなわち、ドアフレーム2の内周には、ガラスラン10が取付けられ、ドアガラス5の昇降を案内するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
ガラスラン10は、図5に示すように、全体として押出成形で形成された直線部11と、ドアフレーム2のコーナー部2bに取付けられ、上記の直線部11を接続し、型成形で形成されるコーナー部12からなる。
直線部11は、ドアフレーム2の上辺部に取付けられる部分と、ドアフレーム2のリヤ側縦辺部に取付けられる部分と、ドアフレーム2のフロント側縦辺部をなすディビジョンサッシュに取付けられる部分とからなる。
これらの押出成形部分をドアフレーム2に対応した形状となるように、フロント側とリヤ側のそれぞれのコーナー部分において、型成形により成形して直線部11を接続してコーナー部12が形成されている。なお、ガラスラン10のコーナー部12は、ドアフレーム2のコーナー部2bの部分に装着される。
以下に、フロント側のドア1のリヤ側縦辺部と上辺部とでなすリヤ側のコーナー部2bに装着されるガラスラン10のコーナー部12を例に取り説明する。
図1は、ガラスラン10のリヤ側のコーナー部12の図6のA−A線に沿った断面図であり、図2は、ガラスラン10のコーナー部12の側面図である。図3は、ガラスラン10のコーナー部12の正面図である。図4は、ガラスラン10の縦辺部における直線部11の断面図である。
ドアフレーム2の縦辺部に取付けられるガラスラン10の直線部11の断面形状は、図4に示すように、本体が車外側側壁20と、車内側側壁30と、底壁40とから断面略コ字状に形成されている。後述のように、車内側側壁30が車外側側壁20よりも大きく、厚肉に形成され、断面略コ字形は、車内側が大きな非対称形に形成されている。
ガラスラン10の本体は、ドアフレーム2の上辺部に取付けられる部分も縦辺部に取付けられる部分も基本的には、ほぼ同様な断面略コ字形の断面形状を有している。
ガラスラン10の車外側側壁20は、断面略板状に形成される。
車外側側壁20の先端付近から車外側シールリップ21が、上記本体の断面略コ字状の内側に向けて延設されている。また、車外側カバーリップ23が車外側側壁20の先端から車外方向に延設されている。車外側カバーリップ23は、後述するL字フレーム3の先端をカバーしている。L字フレーム3とドアフレーム2のドアアウターパネル2cの先端により断面略コ字状の部分を形成し、その内にガラスラン10を保持している。
車外側側壁20の外側面には、一方の先端部の側面がドアフレーム2に固着されたL字フレーム3の他方の先端部が内側にヘヤピン状に折れ曲った側面が当接する。車外側保持リップ24が車外側側壁20の外側面の底壁40側に形成されている。
本発明の実施の形態では、ドアフレーム2は、縦辺部において従来のようなガラスラン10を保持する断面略コ字形のチャンネルを有しなく、上記したようにガラスラン10はドアフレーム2のドアアウターパネル2cの先端とドアフレーム2に固着されたL字フレーム3により形成された断面略コ字形の部分に保持される。
上述のように、車外側側壁20の内側には、車外側シールリップ21がガラスラン10の本体の内側に向けて斜めに延設されている。また、車外側補助シールリップ22がガラスラン10の本体の外側に向けて斜めに延設されている。
ドアガラス5が上昇して、ドアガラス5の上端がガラスラン10の本体の上辺部の内部に侵入したときに、ドアガラス5の上端の車内側と車外側の両面に、この車外側シールリップ21と車外側補助シールリップ22と、後述する車内側シールリップ31が弾力的に当接して、ドアガラス5の先端とドアフレーム2の間をシールする。
この車外側シールリップ21と車外側補助シールリップ22と、後述する、車内側シールリップ31のドアガラス5が当接する表面には、ウレタン樹脂等の低摺動部材が塗布されている。このため、ドアガラス5がガラスラン10内を摺動するときに、その摺動抵抗を減少させることができ、異音の発生防止と、ガラスラン10のずれを防止することができる。
さらに、車外側側壁20の内面と車外側シールリップ21の裏面にシリコン樹脂等の低摺動部材を塗布または貼付してもよい。この場合、ドアガラス5に押されて、車外側シールリップ21が車外側側壁20と密着しても、車外側シールリップ21と車外側側壁20との貼着を防止できる。
底壁40は、略板状に形成され、車内側側壁30および車外側側壁20との連続部分では屈曲が容易にできるように溝部42が形成されている。底壁40の外面の車外側側端には底壁シールリップ41が形成され、L字フレーム3の底面に当接して、ドアフレーム2とガラスラン10の間をシールしている。
底壁40のガラスラン10の本体の断面略コ字形の内面には、車外側シールリップ21と車内側シールリップ31と同様にウレタン樹脂等の低摺動部材が塗布されている。このため、ドアガラス5との摺動抵抗を減少させることができる。
車内側側壁30は、車外側側壁20よりも肉厚で大きく形成されている。このため、ガラスラン10をドアフレーム2の側面に保持することができるとともに、L字フレーム3と併せてガラスラン10を強固に保持できる。
車内側側壁30の先端から、車内側カバーリップ32が並行に延設されている。この車内側カバーリップ32は、ドアフレーム2のドアアウターパネル2cの車内側の屈曲部を覆うように形成されている。これによって、ドアアウターパネル2cとガラスラン10との間の見栄えをよくすることができる。
車外側側壁20と同様に、車内側側壁30の先端からガラスラン10の本体の内部方向に斜めに車内側シールリップ31が延設されている。車内側シールリップ31は、車外側シールリップ21よりも長く、厚肉に形成されているため、ドアガラス5がガラスラン10内に侵入したときに、ドアガラス5を車外側に位置させることができ、ドアフレーム2とドアガラス5の段差を少なくすることができる。このため、空気抵抗や風切音が減少し、デザイン的にも好ましい。
車内側側壁30の外面には、先端側に第1車内側保持リップ33が形成され、底壁40との連続部分の付近に第2車内側保持リップ34が形成されている。ドアフレーム2のドアアウターパネル2cには、凹部が2箇所屈曲して形成され、この凹部にそれぞれ第1車内側保持リップ33と第2車内側保持リップ34が係止される。このため、前述のL字フレーム3と、凹部によりガラスラン10をドアフレーム2に保持することができる。
次に、図1〜図3に基づきガラスラン10のリヤ側のコーナー部12について説明する。
ガラスラン10のコーナー部12は、図3に示すように、上辺部を形成する押出成形の直線部11とリヤ側の縦辺部を形成する押出成形の直線部11を型成形で接続したものである。その断面形状は、上述の押出成形の直線部11の断面形状と略同じである。即ち、その本体は、車外側側壁20と、車内側側壁30と、底壁40とから断面略コ字状に形成されているが、上辺部とリヤ側の縦辺部の断面形状の相違をコーナー部12で連続的に変化させることにより接続している。
ドアフレーム2のコーナー部2bにおいては、L字フレーム3が取付けられていなく、図1に示すように、ドアアウターパネル2cの先端が延設されて、チャンネルを形成している。チャンネルの車外側側壁は、フレームモール51が取付けられている。
コーナー部12の底壁40は、直線部11と同様に、略板状に形成されている。図1と図2に示すように、底壁40の外面にはスポンジゴムからなるコーキング部材45が貼着されている。コーキング部材45は、ドアフレーム2のドアアウターパネル2cに当接して、コーナー部12でガラスラン10の底壁40とドアフレーム2との間の隙間からの騒音を防止している。
底壁40の外面には、図1と図2に示すように、コーキング部材45の車外側部分をコーキング部材45に沿って底壁シールリップ41が形成されている。底壁シールリップ41は、直線部11の底壁シールリップ41と連続して形成されている。このため、底壁40とドアフレーム2との間から雨水や騒音が浸入することを防止できるとともに、直線部11とコーナー部12との間を切れ目なくシールすることができ、コーナー部12において雨水等の浸入を確実に防止することができる。
底壁シールリップ41は、直線部11では底壁40の車外側側端に形成され、コーナー部12では直線部11よりも底壁40の中央よりに形成されている。このため、直線部11ではL字フレーム3に当接し、L字フレーム3の車外側に近い部分で確実にシールすることができる。コーナー部12では、図1に示すように、L字フレーム3がない部分でも確実にドアフレーム2のドアアウターパネル2cの先端に当接してシールすることができる。
また、コーナー部12の底壁シールリップ41は、図3に示すように、直線部11の底壁シールリップ41よりも底壁40から幅方向に長く、即ち、底壁40から高く形成されたため、コーナー部12においてドアフレーム2のドアアウターパネル2cと底壁40との間に隙間があっても、底壁シールリップ41がドアアウターパネル2cに確実に当接することができ、シール性を確保できる。
さらに、上辺部とリヤ側の縦辺部の断面形状に合わせて、車外側側壁20の先端付近から車外側シールリップ21が上記本体の断面略コ字状の内側に向けて延設されている。さらに、車外側側壁20の先端付近から車外側補助シールリップ22が上記本体の入口から外側に向けて斜めに延設されている。また、車外側カバーリップ23が車外側側壁20の先端で車外方向に延設されている。車外側シールリップ21と車外側補助シールリップ22によりドアガラス5の車外側面を2重にシールすることができ、コーナー部12におけるシール性を向上させている。
車内側側壁30の先端から車内側シールリップ31が上記本体の断面略コ字状の内側に向けて延設されており、また、車内側カバーリップ32が、車内側側壁30の延長方向、即ちドアガラス5の昇降方向と並行に延設されている。この車内側カバーリップ32は、ドアフレーム2の車内側の側部を覆うように形成されて、直線部11と同様に、ドアフレーム2のコーナー部2bとガラスラン10のコーナー部12のギャップの部分を覆っている。
このシールリップとカバーリップも上記と同様にコーナー部12で上辺部とリヤ側の縦辺部の形状の相違を連続的に変化させて接続している。
ガラスラン10のコーナー部12において、車内側側壁30の外面には直線部11と同様に第1車内側保持リップ33と第2車内側保持リップ34が形成されている。
ガラスラン10の直線部11の成形においては、成形材料は、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂が使用され、例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、ポリオレフィン系エラストマー、軟質合成樹脂では、軟質塩化ビニル等が使用される。
合成ゴムの場合は、押出成形後に加硫槽に搬送されて、熱風や高周波等により加熱されて加硫が行われる。熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂の場合は、冷却され固化される。その後所定の長さに切断されて、押出成形部分は製造される。
次に、ガラスラン10のコーナー部12の型成形部分の成形は、上記により製造された押出成形部材を所定寸法に切断して、その切断した押出部分の端部を、型成形部分を成形する金型に挟持して、その金型のキャビティーに型成形部分を形成するソリッド材を注入する。型成形部分の断面形状は押出成形部分の断面形状と略同じである。成形材料は、押出成形部分に使用した材料と同じ種類のものを使用することが好ましい。熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂の場合は、金型に注入されたときに注入材料は溶融されているため、その熱と圧力とで押出成形部分と型成形部分は一体的に融着される。
ガラスラン10の直線部11がEPDMゴムで形成される場合は、ガラスラン10のコーナー部12は、EPDMゴム又はオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成することが好ましい。ガラスラン10の直線部11がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成される場合は、ガラスラン10のコーナー部12は、オレフィン系熱可塑性エラストマーで形成する。この場合は、同種の材料であり、ガラスラン10の直線部11とコーナー部12の接着性がよい。また、いずれもオレフィン系の材料であり、耐候性がよく、同時に粉砕処理ができ、リサイクル容易な製品を得ることができる。オレフィン系熱可塑性エラストマーの場合は、加硫が不要のため、製造が容易である。
合成ゴムの場合は、金型に注入した後に金型を加熱して加硫する。このとき、押出成形部分と型成形部分は同じ材料あるいは同種類の材料を使用しているため、加硫接着をすることができ、一体的に固着することができる。
その後、コーキング部材45がコーナー部12の底壁40の外面に貼着される。
本発明の実施の形態であるガラスランをコーナー部に装着した状態の断面図であり、図6におけるA−Aに沿った断面図である。 本発明の実施の形態であるガラスランのコーナー部の側面図である。 本発明の実施の形態であるガラスランのコーナー部の正面図である。 本発明の実施の形態であるガラスランを直線部に装着した状態の断面図である。 本発明の実施の形態であるガラスランの正面図である。 自動車ドアの正面図である。 従来のガラスランを直線部に装着した状態の断面図である。 従来のドアフレームのコーナー部に装着した状態の断面図である。
符号の説明
2 ドアフレーム
3 L字フレーム
10 ガラスラン
11 直線部
12 コーナー部
20 車外側側壁
21 車外側シールリップ
30 車内側側壁
31 車内側シールリップ
40 底壁
41 底壁シールリップ
45 コーキング部材

Claims (4)

  1. 自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランであって、上記ガラスランは、押出成形により成形され上記ドアフレームの上辺部と縦辺部に装着される直線部と、型成形により成形され該直線部を接続し、上記ドアフレームのコーナー部に装着されるコーナー部を有する自動車用ガラスランにおいて、
    上記ガラスランの本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、上記車外側側壁と車内側側壁には、それぞれ上記本体の断面略コ字状の本体の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設け、該車外側シールリップと車内側シールリップにより上記ドアガラスの両側端部の車外側面及び車内側面をシールし、
    上記ドアフレームの縦辺部と上辺部に装着される上記ガラスランの直線部の上記底壁の外面に上記ドアフレームに当接する底壁シールリップを形成し、
    上記ドアフレームの上辺部と縦辺部の少なくとも一方には、L字フレームが取付けられて、該L字フレームに上記ガラスランの直線部の底壁が取付けられ、上記L字フレームに上記底壁シールリップが当接し、上記ドアフレームのコーナー部には、ドアフレームのドアアウターパネルが延設され、該ドアアウターパネルに上記ガラスランのコーナー部の底壁が取付けられ、上記底壁シールリップが上記ドアアウターパネルに当接し、
    上記ガラスランのコーナー部では、上記底壁の外面にコーキング部材を取付けるとともに、該コーキング部材に隣接して底壁シールリップを形成し、上記直線部の底壁シールリップとコーナー部の底壁シールリップを連続して形成し、上記ドアフレームと上記ガラスランとの間をシールしたことを特徴とする自動車用ガラスラン。
  2. 上記コーナー部の底壁シールリップは、上記直線部の底壁シールリップよりも上記底壁から幅方向に長く形成された請求項1に記載の自動車用ガラスラン。
  3. 上記底壁シールリップは、上記直線部では上記底壁の車外側側端に形成され、上記コーナー部では上記直線部よりも上記底壁の中央よりに形成された請求項1又は請求項2に記載の自動車用ガラスラン。
  4. 上記コーキング部材は、スポンジ材で形成され、上記ガラスランの直線部及びコーナー部は、EPDMゴムまたはオレフィン系熱可塑性エラストマーのソリッド材で形成された請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動車用ガラスラン。
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