以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図10に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う装飾ランプ16(演出装置)が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ17(演出装置)が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の表示装置としての可変表示器Hを備えたセンター役物21が配設されている。可変表示器Hでは、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、可変表示器Hでは、複数種類の図柄を複数列で変動させて表示する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを形成する各列の図柄の種類を1〜8の8種類の数字を模した図柄としている。
そして、遊技者は、図柄組み合わせゲームにおいて最終的に表示(確定停止表示)された図柄組み合わせ(表示結果)から大当り又ははずれを認識できる。可変表示器Hに確定停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄組み合わせゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、可変表示器Hに確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄がリーチを形成する図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄組み合わせゲームが開始すると(各列の図柄が変動を開始すると)、遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄が表示(一旦停止表示)されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識できる。
また、図1及び図9に示すように、センター役物21(可変表示器H)の上方には、機械的な動作による遊技演出(可動演出)を実行する演出用可動体K(演出装置)が設けられている。演出用可動体Kは、「招き猫」を模して形成されている。そして、演出用可動体Kには、動力伝達機構(図示しない)を介して駆動モータMT(図2に示す)が連結されており、該駆動モータMTからの動力を受けて回転動作するようになっている。
本実施形態において、スピーカ17及び演出用可動体Kは、可変表示器Hとは別に設けられており、可変表示器Hにて実行される図柄組み合わせゲームを含む表示演出とは異種の遊技演出を実行する演出装置(特典報知手段)となる。スピーカ17(第1の特典報知装置)は、音声による音声演出を実行し、当該音声演出は、画像表示による表示演出と異なる態様で演出が実行される。また、演出用可動体K(第2の特典報知装置)は、機械的な動作による可動演出を実行し、当該可動演出は画像表示による表示演出と異なる態様で演出が実行される。
また、センター役物21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根22を備えた始動入賞口23が配設されている。始動入賞口23の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図2に示す)が設けられている。始動入賞口23は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口23の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉24aを備えた大入賞口24が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉24aの開動作によって大入賞口24が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10には、その機前面側(具体的に言えば、上球皿15の前面側中央)に遊技者が操作可能な演出用操作手段としての演出用ボタン25が設けられている。演出用ボタン25は、押しボタン式とされている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当りの図柄組み合わせが予め定めた確変図柄による組み合わせであることを条件に、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率である通常確率(本実施形態では315.7分の1)から高確率(本実施形態では31.6分の1)に変動する確変状態を付与する機能である。本実施形態において確変状態は、所定回数(10000回)の図柄組み合わせゲームが行われる迄の間、又は次回の大当り遊技が生起される迄の間、付与される。
そして、本実施形態のパチンコ機10では、確変図柄を1、3、5、7の4種類の図柄と定めている。可変表示器Hに確定停止表示された大当りの図柄組み合わせが確変図柄による組み合わせ([111][333][555][777]の何れか)である場合には、確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与される。一方で、本実施形態のパチンコ機10では、非確変図柄を2、4、6、8の4種類の図柄と定めている。可変表示器Hに確定停止表示された大当りの図柄組み合わせが非確変図柄による組み合わせ([222][444][666][888]の何れか)である場合には、非確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態は付与されない。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起されやすくなるため、確変大当りは非確変大当りに比して遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。すなわち、確変大当りの場合には、大当り遊技終了後に確変状態が付与され、当該確変状態が大当り遊技とは別の遊技者に有利な特典となる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当りとなる図柄組み合わせゲームにおいて、再抽選演出(特典認識演出)が行われるようになっている。再抽選演出は、大当りを認識可能な仮の大当りの図柄組み合わせ(仮の大当り表示結果)を一旦停止表示させ、その後に仮の大当りの図柄組み合わせを形成する図柄(構成図柄)を再び変動させて最終的な大当りの図柄組み合わせを導出する演出である。この再抽選演出は、前記仮の大当りの図柄組み合わせが表示されてから、大当り遊技が開始されるまでの間に行われ、本実施形態では、図柄組み合わせゲームの終了時(図柄の確定表示時)までの間に行われる。例えば、再抽選演出は、仮の大当りの図柄組み合わせとして非確変図柄による大当りの図柄組み合わせ([222]など)を一旦停止表示させた後、その大当りの図柄組み合わせを形成する図柄を再び変動させ、非確変図柄又は確変図柄の何れかによる大当りの図柄組み合わせを導出させるように行われる。この再抽選演出は、非確変図柄による大当りの図柄組み合わせが表示されても、その図柄組み合わせが再び変動することにより、非確変大当りが確変大当りに昇格する期待感を遊技者に持たせるために行われる。本実施形態のパチンコ機10では、内部的に確変大当りが決定されている場合には、仮の大当りの図柄組み合わせが確変図柄又は非確変図柄で形成され、再抽選演出で確変図柄による大当りの図柄組み合わせが導出される。また、内部的に非確変大当りが決定されている場合には、仮の大当りの図柄組み合わせが非確変図柄で形成され、再抽選演出で非確変図柄による大当りの図柄組み合わせが導出されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機10では、再抽選演出中に演出用ボタン25の操作が許容され、その操作を契機に確変大当りとなる可能性があることを示唆する確変昇格演出(特典報知演出)が行われるようになっている。本実施形態において確変昇格演出は、スピーカ17の音声による音声演出と、演出用可動体Kの回転動作に基づく可動演出によって行われる。本実施形態において演出用可動体Kで実行される確変昇格演出は、演出用可動体Kが所定の動作(本実施形態では回転動作)することによって確変(特典)の付与が報知される。確変昇格演出は、確変大当りが決定されている場合に、演出用ボタン25の操作に合わせてスピーカ17の音声演出、又は演出用可動体Kが動作することにより行われる。
次に、パチンコ機10の制御構成を図2に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板26が装着されている。主制御基板26は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板27、表示制御基板28、ランプ制御基板29及び音声制御基板30が装着されている。
統括制御基板27は、主制御基板26が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板28、ランプ制御基板29及び音声制御基板30を統括的に制御する。表示制御基板28は、主制御基板26と統括制御基板27が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器Hの表示内容(図柄、背景、文字、キャラクタなどの表示画像)と、演出用可動体Kの動作態様(作動又は非作動)とを制御する。ランプ制御基板29は、主制御基板26と統括制御基板27が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。音声制御基板30は、主制御基板26と統括制御基板27が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。そして、表示制御基板28、ランプ制御基板29及び音声制御基板30は、各種の装置(可変表示器H、演出用可動体K、装飾ランプ16、スピーカ17)を専門的に制御する。
以下、主制御基板26、統括制御基板27、表示制御基板28及び音声制御基板30の具体的な構成を説明する。
図2に示すように主制御基板26には、メインCPU26aと、ROM26bと、RAM26cとが設けられている。メインCPU26aは、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、変動パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新している。ROM26bには、パチンコ機10を制御するためのメイン制御プログラムと、複数種類の変動パターンと、大当り判定値が記憶されている。RAM26cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
変動パターンは、図柄が変動を開始(図柄組み合わせゲームの開始)してから全列の図柄が確定停止表示(図柄組み合わせゲームの終了)される迄の間の遊技演出のベースとなるパターンを示すものである。変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄組み合わせゲームの開始から終了迄の変動時間(演出時間)が定められている。また、複数種類の変動パターンは、大当り演出用の変動パターンとはずれ演出(はずれリーチ演出も含む)用の変動パターンとに分類されている。大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示するように展開される演出である。はずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示するように展開される演出である。再抽選演出は、大当り演出用の変動パターンから特定される演出内容に含まれており、当該パターンが決定されることにより行われる。
次に、図2に基づき統括制御基板27について説明する。
統括制御基板27には、統括CPU27aと、ROM27bと、RAM27cとが設けられている。統括CPU27aには、演出用ボタン25が接続されている。ROM27bには、表示制御基板28、ランプ制御基板29及び音声制御基板30を統括的に制御するための統括制御プログラムと、複数種類の報知パターンと、パターン判定値が記憶されている。RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
報知パターンは、再抽選演出中にスピーカ17で行われる確変昇格演出のベースとなるパターンを示すものである。本実施形態では、2種類の演出内容の異なる報知パターンHP1,HP2が用意されている。各報知パターンの実行される態様を図3に示す。図3には、再抽選演出が開始されて1回目〜4回目までの演出用ボタン25の各操作に合わせて音声による演出が行われる場合を「〇」、音声による演出が行われない場合を「×」と示している。また、図3では、再抽選演出が開始されてから1回目の演出用ボタン25の操作を「1回目」、続いて2回目の演出用ボタン25の操作を「2回目」、続いて「3回目」、「4回目」と示している。
報知パターンHP1は、大当りが確変大当りの場合に確変昇格演出を行うパターンとされている。報知パターンHP1は、内部的に確変大当りが決定された場合に、選択される可能性があり、当該報知パターンHP1に基づいて昇格を報知する演出が行われると、1回目〜4回目までの演出用ボタン25の操作に合わせて音声による演出が行われる。
また、報知パターンHP2は、大当りの種類(確変大当り又は非確変大当り)に拘わらず確変昇格演出を行わないパターンとされている。報知パターンHP2は、内部的に決定された大当りに拘わらず選択される可能性があり、当該報知パターンHP2に基づいて確変大当りの昇格を報知する演出が行われると、1回目〜3回目までの演出用ボタン25の操作に合わせて音声による演出が行われる。報知パターンHP2では、4回目の演出用ボタン25の操作に合わせて音声による演出は行われない。
本実施形態のパチンコ機10では、報知パターンHP1,HP2により再抽選演出中に確変昇格演出がスピーカ17で行われるか否かが決定される。そして、スピーカ17では、再抽選演出が開始されて1回目の演出用ボタン25の操作で「か」という音声を出力し、2回目の操作に合わせて「く」という音声を出力し、3回目の操作に合わせて「へ」という音声を出力する。そして、4回目の演出用ボタン25の操作に合わせて「ん」という音声を出力し、最終的に1回目〜4回目の操作に合わせて「か」→「く」→「へ」→「ん」の順に音声が出力される。すなわち、演出用ボタン25が4回操作され、その4回の当該操作に合わせて音声を4回出力させ、4回ともに音声が出力されることにより確変昇格演出が行われる。一方、音声が4回出力されない、すなわち、4回目の演出用ボタン25の操作で音声が出力されない場合には、確変昇格演出が行われていないこととなる。そして、報知パターンHP1では、最終的に確変昇格演出が実行され、遊技者に大当りが確変大当りであることを認識させることができる。一方、報知パターンHP2では、最終的に確変昇格演出が実行されず、遊技者に当該演出からは大当りが確変大当りであるか否かを認識させることができない。
また、本実施形態では、確変大当りが内部的に決定されている場合、報知パターンHP1と、報知パターンHP2の選択割合が2分の1となるようにパターン振分け乱数の値が所定個数(同一数)ずつ振分けられている。報知パターンHP1,HP2は、パターン振分け乱数を用いた乱数抽選にて選択される。一方、非確変大当りが内部的に決定されている場合、報知パターンHP2が必ず選択されるように乱数の値が定められている。また、再抽選演出中のスピーカ17では、少なくとも演出用ボタン25の操作に合わせて3回目までは音声演出が行われ、確変昇格演出に繋がる音声演出として最終的に「かくへん」となる場合と、「かくへ」となる2つの場合があり、4回目に「ん」という音声演出が行われるか否かが違っている。
次に、図2に基づき表示制御基板28について説明する。
表示制御基板28には、サブCPU28aと、ROM28bと、RAM28cとが設けられている。ROM28bには、可変表示器Hの表示内容と演出用可動体Kの動作を制御するための演出制御プログラムが記憶されている。また、ROM28bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM28cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
次に、図2に基づき音声制御基板30ついて説明する。
音声制御基板30には、サブCPU30aと、ROM30bと、RAM30cとが設けられている。ROM30bには、スピーカ17の遊技演出(音声演出)を制御するための音声制御プログラムが記憶されている。また、RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
以下、主制御基板26(メインCPU26a)、統括制御基板27(統括CPU27a)及び表示制御基板28(サブCPU28a)が実行する制御内容を説明する。
最初に主制御基板26(メインCPU26a)がメイン制御プログラムにしたがって実行する制御内容を説明する。
メインCPU26aは、始動入賞口23に遊技球が入賞し、始動口センサSE1からの検知信号を入力すると、大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値をRAM26cから読み出し、RAM26cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU26aは、図柄組み合わせゲームの開始直前に、RAM26cに格納されている前記大当り判定用乱数の値とROM26bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かを判定(大当り判定)する。メインCPU26aは、確変状態が付与されていない通常状態時は大当りの抽選確率を通常確率(315.7分の1)に設定して大当り判定を行い、確変状態時は大当りの抽選確率を高確率(31.6分の1)に設定して大当り判定を行う。
そして、メインCPU26aは、大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、大当りを決定する。大当りを決定したメインCPU26aは、大当り判定用乱数の値とともにRAM26cに記憶した大当り図柄用乱数の値を読み出し、該値に予め対応付けられた図柄を大当り図柄として決定する。大当り図柄は、最終的に確定停止表示される大当りの図柄組み合わせ(最終的な大当り表示結果)を形成する図柄である。また、メインCPU26aは、変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。
また、メインCPU26aは、大当りを決定した場合、決定した大当り図柄が確変図柄(1、3、5又は7の何れか)であるか否かを判定し、今回の大当りを確変大当りとするか否かを決定する。メインCPU26aは、確変大当りを決定した場合、RAM26cに設定される確変フラグ(大当りとなる場合において該大当りが確変大当りであるか又は非確変大当りであるかを示すフラグ)に「1」を設定する。なお、メインCPU26aは、決定した大当り図柄が非確変図柄(2、4、6又は8の何れか)の場合、非確変大当りを決定し、確変フラグに「0」を設定する。
一方、メインCPU26aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。はずれを決定したメインCPU26aは、はずれ図柄を決定する。はずれ図柄は、最終的に確定停止表示されるはずれの図柄組み合わせを形成する図柄である。また、メインCPU26aは、変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づきはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。
図柄及び変動パターンを決定したメインCPU26aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板27(統括CPU27a)に出力する。具体的に言えば、メインCPU26aは、最初に変動パターンを指示するとともに、図柄組み合わせゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU26aは、各列の図柄を指示する図柄指定コマンドを出力する。その後、メインCPU26aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、各列の図柄の停止(確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。
また、メインCPU26aは、大当りを決定した場合、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄組み合わせゲームの終了後、大当り遊技に係る制御(オープニング演出などの演出指示や大入賞口24の開閉)を実行する。そして、メインCPU26aは、大当り遊技終了後に確変フラグを参照し、該確変フラグに「1」が設定されている場合には大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に移行させ、確変フラグに「0」が設定されている場合には大当り遊技終了後の遊技状態を通常状態に移行させる。本実施形態では、メインCPU26aが、大当り判定手段及び特典決定手段として機能する。
次に、統括制御基板27(統括CPU27a)が統括制御プログラムにしたがって実行する制御内容を説明する。
統括CPU27aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを各制御基板28〜30に出力する。また、統括CPU27aは、図柄指定コマンド及び全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板28に出力する。
統括CPU27aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドで指示される変動パターンが大当り演出用の変動パターンであるか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、統括CPU27aは、RAM27cに設定される大当りフラグに「1」を設定する。一方、前記判定結果が否定の場合、統括CPU27aは、RAM27cに設定される大当りフラグに「0」を設定する。大当りフラグは、図柄組み合わせゲームが大当りとなるか否かを示すフラグである。
また、統括CPU27aは、図柄指定コマンドを入力すると、大当りフラグに「1」が設定されているか否かを判定し、該判定結果が肯定の場合には図柄指定コマンドで指示される図柄が確変図柄であるか否かを判定する。統括CPU27aは、図柄の種類を判定することにより、確変大当りとなるか又は非確変大当りとなるかを認識し得る。前記判定の判定結果が肯定の場合、統括CPU27aは、確変大当りが決定されているので、RAM27cに設定される確変大当りフラグに「1」を設定するとともに、仮の大当りの図柄組み合わせを形成する仮図柄(仮の大当り図柄)を決定する。大当り図柄が確変図柄の場合、統括CPU27aは、全種類の図柄(確変図柄及び非確変図柄である「1」〜「8」)の中から1つの図柄を抽選で決定し、その決定した図柄を仮図柄とする。確変大当りフラグは、確変大当りであるか否かを示すフラグである。
一方、前記判定の判定結果が否定の場合(非確変図柄である場合)、統括CPU27aは、非確変大当りが決定されているので、確変大当りフラグに「0」を設定するとともに、仮図柄を決定する。大当り図柄が非確変図柄の場合、統括CPU27aは、全種類の非確変図柄(2、4、6又は8の何れか)の中から1つの非確変図柄を抽選で決定し、その決定した非確変図柄を仮図柄として決定する。そして、仮図柄を決定した統括CPU27aは、その仮図柄を指示する仮図柄指定コマンドを表示制御基板28に出力する。
また、統括CPU27aは、大当りフラグに「1」が設定されている場合、図柄組み合わせゲームの開始後、所定時間の経過時に演出用ボタン25の操作が有効となる有効期間(操作有効期間)を設定する。詳しく言えば、統括CPU27aは、所定時間が経過すると、RAM27cに設定される有効期間設定フラグに「1」を設定する。有効期間設定フラグは、演出用ボタン25の操作が有効であるか否かを示すフラグである。統括制御プログラムには変動パターン毎の変動時間が定められており、統括CPU27aは、統括制御プログラムにしたがって図柄組み合わせゲームの開始とともに経過時間を計時する。そして、本実施形態において統括CPU27aは、大当り演出用の変動パターン毎に定められた仮の大当りの図柄組み合わせが一旦停止表示され、再抽選演出が開始される時間(所定時間)を計時すると、有効期間設定フラグを設定する。
これにより、本実施形態では、再抽選演出の開始とともに有効期間設定フラグが設定され、再抽選演出中の演出用ボタン25の操作が許容されることとなる。そして、有効期間は、再抽選演出にて最終的な大当り図柄(大当りの図柄組み合わせ)が導出されるまでの間(実行時間の間)設定される。その結果、確変昇格演出は、有効期間が設定される再抽選演出中に定める実行時間の間に実行可能とされる。
また、統括CPU27aは、大当りフラグに「1」が設定され、確変大当りフラグに「1」が設定されている場合(大当りが確変大当りの場合)、報知パターンHP1,HP2のいずれか(再抽選演出中に確変昇格演出を行わせるか否か)をパターン振分け乱数によって決定する。統括CPU27aは、RAM27cからパターン振分け乱数を読み出し、ROM27bのパターン判定値に基づき報知パターンを選択する。続いて、統括CPU27aは、その選択した報知パターンをRAM27cに記憶する。一方、統括CPU27aは、大当りフラグに「1」が設定され、確変大当りフラグに「0」が設定されている場合(大当りが非確変大当りの場合)、報知パターンHP2(再抽選演出中に確変昇格演出を行わせない)を決定し、RAM27cに報知パターンHP2を記憶する。本実施形態では、統括CPU27aは、確変昇格演出を再抽選演出時に行わせるか否かをRAM27cに記憶された報知パターンに基づき認識している。
そして、統括CPU27aは、報知演出処理において、演出用ボタン25から操作信号を入力したか否か(演出用ボタン25が操作されたか否か)を判定する。操作信号は、演出用ボタン25が操作されたことを示す信号であり、演出用ボタン25が操作されることによって当該演出用ボタン25から出力される。そして、統括CPU27aは、演出用ボタン25から操作信号を入力すると、演出用ボタン25が遊技者によって操作されたことを認識する。前記判定結果が否定(操作信号を入力していない)の場合、統括CPU27aは、演出用ボタン25が操作されていないため報知演出処理を終了する。
一方、前記判定結果が肯定(操作信号を入力した)の場合、統括CPU27aは、RAM27cに記憶される報知パターンに基づき、スピーカ17に音声を出力させるように音声出力コマンドを音声制御基板30に出力する。音声出力コマンドは、予め定めた種類の音声(「か」、「く」、「へ」、「ん」のいずれか一つ)が特定可能となっている。そして、統括CPU27aは、音声出力コマンドに指定される種類をRAM27cに記憶し、次回の音声出力コマンドを出力する場合に、前記記憶した種類に基づき指示する音声の種類を特定する。そして、統括CPU27aは、報知パターンHP1を選択した場合には、「ん」の出力を指示する音声出力コマンドの出力以降、演出用ボタン25の操作に基づき音声出力コマンドを出力しない。また、統括CPU27aは、報知パターンHP2を選択した場合には、「へ」の出力を指示する音声出力コマンドの出力以降、演出用ボタン25の操作に基づき音声出力コマンドを出力しない。本実施形態では、音声による音声演出が行われるのは再抽選演出が開始されて4回目の演出用ボタン25の操作時までであり、当該再抽選演出が開始されて5回目以降の操作においては、音声による確変昇格演出が行われることはない。
また、統括CPU27aは、図5に示す動作指令処理において、演出用ボタン25から操作信号を入力したか否か(演出用ボタン25が操作されたか否か)を判定する(ステップS10)。この判定結果が否定(操作信号を入力していない)の場合、統括CPU27aは、演出用ボタン25が操作されていないため動作指令処理を終了する。
一方、ステップS10の判定結果が肯定(操作信号を入力した)の場合、統括CPU27aは、確変大当りフラグが「1」であるか否か(今回の大当りが確変大当りであるか否か)を判定する(ステップS11)。この判定結果が否定の場合(非確変大当りの場合)、統括CPU27aは、演出用可動体Kの動作による確変昇格演出を実行させないので、動作指令処理を終了する。一方、ステップS11の判定結果が肯定の場合(確変大当りの場合)、統括CPU27aは、演出用ボタン25の操作が許容される有効期間中であるか否か(有効期間設定フラグに「1」が設定されているか否か)を判定する(ステップS12)。この判定結果が否定(有効期間中でない)の場合、統括CPU27aは、動作指令処理を終了する。すなわち、統括CPU27aは、演出用ボタン25の操作が有効期間中に操作されたものではないので、当該操作を無効とする。
一方、ステップS12の判定結果が肯定(有効期間中である)の場合、統括CPU27aは、演出用可動体Kを動作させるか否か(確変昇格演出を行わせるか否か)の抽選に既に当選済みか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果が肯定の場合、統括CPU27aは、ステップS15に移行する。本実施形態のパチンコ機10では、再抽選演出が開始されて前記抽選に一度当選している場合(再抽選演出が開始されて既に、後述するステップS14が肯定判定されている場合)には、以降、演出用ボタン25が操作される毎に後述するステップS14の判定を行わず、演出用可動体Kの動作に係るステップS15の処理を行うようにしている。すなわち、後述するステップS14の判定を全て肯定判定(当選するとみなす)するのと同じ結果となるようにしている。
一方、ステップS13の判定結果が否定の場合、統括CPU27aは、演出用可動体Kを動作させるか否か(確変昇格演出を行わせるか否か)の抽選に当選しているか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14において、統括CPU27aは、確変大当りの場合に操作信号を入力した際、確変昇格演出を実行するか否かを抽選し、その抽選に当選したことを契機に演出用可動体Kを動作させて確変昇格演出を実行させるようにしている。前記抽選は、乱数を用いた乱数抽選により行われ、その当選確率が10分の1になるように所定の個数の乱数が振分けられている。そして、ステップS14の判定結果が否定(抽選に落選)の場合、統括CPU27aは、動作指令処理を終了する。一方、ステップS14の判定結果が肯定(抽選に当選)の場合、統括CPU27aは、ステップS15に移行する。また、統括CPU27aは、前記抽選に当選した場合、フラグなどをRAM27cに記憶(設定)することにより、当該当選を認識している。そして、統括CPU27aはステップS13において、このRAM27cの記憶内容に基づき、前記抽選に当選済みか否かを判定している。
本実施形態のパチンコ機10では、内部的に確変大当りが決定されていてもステップS14で確変昇格演出を行う抽選に当選しない(落選する)場合には、演出用可動体Kによる確変昇格演出は実行されない。統括CPU27aは、有効時間が設定(再抽選演出が開始)されてから有効時間が終了(再抽選演出が終了)する迄の間、ステップS13の判定(前記抽選に一度当選しているか否か)を行う。このため、一度演出用可動体Kにより確変昇格演出が実行されれば、有効時間の間(再抽選演出中)には、演出用ボタン25の操作毎に確変昇格演出が実行され、連続的な演出用ボタン25の操作で、演出用可動体Kが連続的に動作する。
続いて、ステップS15に移行した統括CPU27aは、演出用可動体Kが動作中であるか否かを判定する。本実施形態において統括CPU27aは、後述するステップS16の処理にて動作コマンドを表示制御基板28(サブCPU28a)に出力し、演出用可動体Kの動作開始(可動演出の開始)を指示する。そして、統括CPU27aは、動作コマンドの出力と同時に時間を計時し、その計時した時間が予め定めた演出用可動体Kの動作時間(本実施形態では500ms)に達するまで計時を継続する。このため、ステップS15の処理にて統括CPU27aは、前記時間を計時している場合には演出用可動体Kが動作中であると判断してステップS15を肯定判定し、前記時間を計時していない場合には演出用可動体Kが非動作中であると判断してステップS15を否定判定する。
ステップS15の判定結果が肯定(演出用可動体Kが動作している)の場合、統括CPU27aは、動作コマンドを表示制御基板28に出力し(ステップS16)、動作指令処理を終了する。一方、ステップS15の判定結果が否定(演出用可動体Kが動作していない)の場合、統括CPU27aは、RAM27cに設定されるストック数Sが「0」であるか否かを判定する(ステップS17)。ストック数Sは、演出用ボタン25の操作に基づく演出用可動体Kの可動演出の実行を保留した回数を示す。可動演出の実行の保留とは、可動演出を直ぐに実行させずに、その実行を先延ばしにすることである。そして、本実施形態では、演出用可動体Kの動作時に演出用ボタン25が操作された場合、当該操作に基づく演出用可動体Kの可動演出の実行を保留し、当該保留の回数を1回(上限数)まで記憶するようになっている。そして、統括CPU27aは、前記回数をRAM27cに設定されるストック数Sに記憶(設定)させる。前記可動演出の実行を保留した場合、1回の演出用ボタン25の操作に基づく可動演出の終了後、続けて少なくとも1回は前記可動演出を演出用可動体Kに実行させることとなる。続いて、ステップS17の判定結果が否定(ストック数Sが「1」である)の場合、統括CPU27aは、ストック数Sが上限数(1回)に達し、1回分の演出用可動体Kの可動演出が保留されているので、動作指令処理を終了する。
一方、ステップS17の判定結果が肯定(ストック数Sが「0」である)の場合、統括CPU27aは、演出用可動体Kの動作時に演出用ボタン25が操作され、ストック数Sが上限数(1回)に達していないので、ステップS10の操作信号の入力に基づく可動演出の実行を保留する。統括CPU27aは、可動演出の実行を保留するため、RAM27cに設定されるストック数Sに「1」を設定する(ステップS18)。そして、統括CPU27aは、動作指令処理を終了する。
本実施形態のパチンコ機10では、動作時間を1サイクルとする可動演出が演出用可動体Kで実行される。そして、この動作時間は、遊技者が演出用ボタン25を少なくとも2回連続操作するために必要な時間よりも長く設定されている。本実施形態のパチンコ機10では、遊技者が演出用ボタン25を1回操作するために係る時間が250msとし、動作時間を500msに定めている。なお、1回操作するために係る時間は、演出用ボタン25をパチンコ機10に装着し、試験した結果に基づき算出される値であり、演出用ボタン25の構造や装着態様(制御基板との接続の仕方、信号の入出力など)に応じて変化する。このように動作時間を設定することにより、演出用ボタン25の操作によって演出用可動体Kを動作させ、その動作中に1回の演出用ボタン25の操作を受け付けることができ、動作中に少なくとも1回は可動演出の実行を保留させることが可能となる。本実施形態では、演出用可動体Kの可動演出の実行を保留し、その保留を記憶するRAM30cが記憶手段として機能する。
図3に示す動作指令処理の終了後、統括CPU27aは、続いて、図4に示す動作終了時処理を実行する。動作終了処理において統括CPU27aは、演出用可動体Kによる可動演出が終了したか否か(演出用可動体Kの1サイクルの動作が終了したか否か)を判定する(ステップS20)。この判定結果が否定(可動演出中(動作中))の場合、統括CPU27aは、動作終了時処理を終了する。一方、ステップS20の判定結果が肯定(可動演出が終了(動作終了))の場合、統括CPU27aは、RAM27cに設定されるストック数Sが「1」であるか否か(可動演出の実行が保留されているか否か)を判定する(ステップS21)。この判定結果が否定(可動演出の実行が保留されていない)の場合、統括CPU27aは、保留に基づき演出用可動体Kを動作させないので、動作終了時処理を終了する。ステップS21の判定結果が否定の場合、統括CPU27aは、演出用ボタン25が操作されるまでの間(動作指令処理のステップS10が肯定判定されるまでの間)、演出用可動体Kの動作の指示をしない。
一方、ステップS21の判定結果が肯定(可動演出の実行が保留されている)の場合、統括CPU27aは、保留に基づき演出用可動体Kを動作させるので、表示制御基板28に動作コマンドを出力する(ステップS22)。続いて、統括CPU27aは、ストック数Sを−1し、当該ストック数Sを「0」にリセットする(ステップS23)。ストック数Sが「0」となることにより、可動演出の実行が保留されていない状態となる。その後、統括CPU27aは、動作終了時処理を終了する。
本実施形態のパチンコ機10では、可動演出によって演出用可動体Kの1サイクルの動作が終了した場合に可動演出の実行が保留されているときには、その動作後、連続的に演出用可動体Kを動作させて可動演出を実行させる。その結果、演出用可動体Kの動作終了時に可動演出の実行が保留されている場合、演出用可動体Kは、少なくとも2回の動作について途切れることなく、動作する。このため、演出用可動体Kの動作中に常に演出用ボタン25が操作された場合、演出用可動体Kは複数回の動作が連続することとなる。なお、統括CPU27aは、全図柄停止コマンドを入力すると、有効期間を解除するために有効期間設定フラグに「0」をセットするとともに、RAM27cに設定されるストック数Sを「0」にリセットする。本実施形態では、統括CPU27aが、期間設定手段及び特典制御手段として機能する。
次に、表示制御基板28(サブCPU28a)が演出制御プログラムにしたがって実行する制御内容を説明する。
サブCPU28aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンに対応する演出内容で図柄組み合わせゲームが行われるように可変表示器Hの表示内容を制御する。そして、サブCPU28aは、全図柄停止コマンドを入力すると、図柄指定コマンドで指示された図柄を確定停止表示させて図柄組み合わせゲームを終了させる。
このとき、サブCPU28aは、大当り演出用の変動パターンが指示されている場合、図柄指定コマンドに加えて仮図柄指定コマンドを入力する。このため、サブCPU28aは、リーチ演出の結果として仮図柄指定コマンドで指示される仮図柄による仮の大当りの図柄組み合わせ(確変図柄又は非確変図柄による大当りの図柄組み合わせ)を一旦停止表示させ、再抽選演出を実行させる。この再抽選演出中、サブCPU28aは、統括CPU27aからの動作コマンドを入力すると、演出用可動体Kに可動演出を実行させる。サブCPU28aは、可動演出の1サイクルに定める動作時間(本実施形態では500ms)で演出用可動体Kを1回転させるように演出用可動体Kの駆動源となる駆動モータMTを制御(回転と停止に係る制御)する。この制御により、サブCPU28aは、演出用可動体Kを動作させて、動作時間の経過によって演出用可動体Kの動作を停止させる。また、再抽選演出を実行させたサブCPU28aは、全図柄停止コマンドを入力すると、図柄指定コマンドに指定される大当りの図柄組み合わせを可変表示器Hに導出させ、大当り図柄を確定表示させる。本実施形態では、サブCPU28aが演出制御手段として機能する。
次に、音声制御基板30(サブCPU30a)が音声制御プログラムにしたがって実行する制御内容を説明する。
サブCPU30aは、統括CPU27aから音声出力コマンドを入力すると、当該音声出力コマンドに指定される所定の音声を出力させるようにスピーカ17を制御する。その結果、スピーカ17では、所定の音声が1回出力される。そして、サブCPU30aは、連続で音声出力コマンドを入力する場合、連続で音声をスピーカ17に出力させる。音声出力する出力時間は、遊技者が演出用ボタン25を1回操作するために係る時間250msより短く定められており、連続的な演出用ボタン25の操作にも対応し、指定される音声を確実に出力できるようになっている。
以下、本実施形態のパチンコ機10において、大当り(確変大当り又は非確変大当り)となる図柄組み合わせゲーム中に再抽選演出が行われ、当該再抽選演出中に可変表示器Hと、スピーカ17と、演出用可動体Kで遊技演出(表示演出と音声演出と可動演出)が行われる態様を図4、図7〜図10に基づき説明する。
最初に、図4、図7及び図8を用いて、再抽選演出中にどの演出装置(スピーカ17及び演出用可動体K)の演出により確変大当りへの昇格が判明するかを示す確変昇格パターンについて説明する。なお、確変昇格パターンは、本実施形態のパチンコ機10で遊技を行った場合に現象として生じるパターンを示したものであり、このパターンにしたがってパチンコ機10が制御を行うわけではない。
図4では、可変表示器Hで再抽選演出で最終的に確変図柄による大当りの図柄組み合わせが導出される場合を「〇」、導出されない場合を「×」と示している。また、図4では、各演出装置(スピーカ17、演出用可動体K)で確変昇格演出が行われた場合を「〇」、行われなかった場合を「×」と示している。また、図7及び図8では、確変昇格演出により昇格が判明してから再抽選演出の結果が可変表示器Hに表示されるまでの時間を「Ta」、「Tb」、「Tc」と示している。また、図7及び図8では、仮の大当り図柄組み合わせとして非確変図柄が決定され、再抽選演出の開始時点では、確変大当りであるか否かが判明していない場合を前提としている。
内部的に確変大当りが決定されている場合には、パターンA〜パターンDの現象が生じる。パターンA(図7に示す)は、再抽選演出中に、報知パターンHP1に基づきスピーカ17で確変昇格演出が行われ(図7(b))、且つ、演出用可動体Kで確変昇格演出が行われ(図7(c))、当該再抽選演出の結果として可変表示器Hで確変図柄の大当りの図柄組み合わせが導出される(図7(a))。パターンAでは、図7(b)に示すようにスピーカ17により確変大当りへの昇格が判明してから時間Taの経過後、又は図7(c)に示すように演出用可動体Kにより確変大当りへの昇格が判明してから時間Tbの経過後、再抽選演出の結果として可変表示器Hで確変図柄の大当りの図柄組み合わせが導出される。すなわち、再抽選演出の結果より時間Ta又は時間Tb早く2種類の確変昇格演出が行われる。また、パターンAでは、スピーカ17より演出用可動体Kが先に確変昇格演出を行う場合、及び演出用可動体Kよりスピーカ17が先に確変昇格演出を行う場合が生じる。また、スピーカ17及び演出用可動体Kの何れも確変昇格演出を行うことからそのタイミングとして、スピーカ17で確変昇格演出が行われるタイミングである4回目の演出用ボタン25の操作に合わせて、同時に当該演出を行う場合も生じる。
パターンB(図示しない)は、再抽選演出中に、報知パターンHP1に基づきスピーカ17で確変昇格演出が行われ、演出用可動体Kで確変昇格演出が行われず、当該再抽選演出の結果として可変表示器Hで確変図柄の大当りの図柄組み合わせが導出される。すなわち、再抽選演出での結果がでるよりも前にスピーカ17で昇格が判明する。
また、パターンC(図8に示す)は、再抽選演出中に、報知パターンHP2に基づきスピーカ17で確変昇格演出が行われず(図8(b))、演出用可動体Kで確変昇格演出が行われ(図8(c))、当該再抽選演出の結果として可変表示器Hで確変図柄の大当りの図柄組み合わせが導出される(図8(a))。パターンBでは、図8(b)に示すようにスピーカ17では確変大当りへの昇格が判明せず、図8(c)に示すように演出用可動体Kにより確変大当りへの昇格が判明し、再抽選演出の結果より時間Tc早く確変昇格演出が行われる。
そして、パターンD(図示しない)は、再抽選演出中に確変昇格演出が行われず、当該再抽選演出の結果として可変表示器Hで確変図柄の大当りの図柄組み合わせが導出される。すなわち、再抽選演出の結果で確変大当りでるか否かが判明し、再抽選演出中には、確変大当りであるか否かが判明しない。パターンDのように再抽選演出中に確変昇格演出が行われない場合でも、内部的に確変大当りが決定されている場合には当該決定に基づき、再抽選演出の結果として確変大当りの図柄組み合わせが導出される。
一方、内部的に非確変大当りが決定されている場合には、パターンEの現象が生じる。パターンDは、再抽選演出中に、内部的に確変大当りが決定されていないため、スピーカ17及び演出用可動体Kで確変昇格演出が行われず、当該再抽選演出の結果として可変表示器Hで非確変図柄の大当りの図柄組み合わせが導出される。
また、本実施形態のパチンコ機10では、再抽選演出中に演出用ボタン25が操作されると、スピーカ17と演出用可動体Kで異なる抽選態様で確変昇格演出を実行させるか否かが決定され、異なる演出態様で確変昇格演出が実行される。そして、再抽選演出中には、スピーカ17で聴覚的な演出を行い、演出用可動体Kで視覚的な演出を行い、遊技者に演出用ボタン25を操作するという1つの動作で異なる感覚(聴覚、視覚)を与える演出を実行可能な構成となっている。
続いて、図9及び図10を用いて、再抽選演出の流れを説明する。
図9には、再抽選演出中における可変表示器Hの表示画面(再変動開始画面(図9(a))、再変動中画面(図9(b)))とその時の演出用可動体Kの動作態様、及び確定表示時の可変表示器Hの表示画面(図9(c))とその時の演出用可動体Kの動作態様をそれぞれ示している。また、図9では、再抽選演出中に演出用ボタン25が操作されてスピーカ17と演出用可動体Kの両方で確変昇格演出が実行されていることを前提とする。また、図9では、変動中の図柄を「下向き矢印(↓)」で示し、仮の大当り図柄組み合わせとして「222」が導出され、再抽選演出にて最終的に「777」が導出される。また、演出用可動体Kが可動演出を実行している場合を「作動」、可動演出を実行していない場合を「停止」と示している。
再抽選演出が開始されると、可変表示器Hでは、仮の大当りの図柄組み合わせとして「222」が一旦停止表示される(図9(a))。この時、演出用可動体Kは、停止している。続いて、可変表示器Hでは、一旦停止表示された仮の大当りの図柄組み合わせを構成する図柄が再び変動し、再抽選演出が開始される(図9(b))。そして、再抽選演出中に演出用ボタン25が操作されると、確変昇格演出を実行させるか否かの抽選に当選する場合、演出用可動体Kが回転動作して可動演出が実行され、当該操作が再抽選演出が開始されて1回目〜4回目であればスピーカ17から音声が出力され、2種類の確変昇格演出が実行される(図9(b))。その後、可変表示器Hでは、再抽選演出の結果として最終的な大当りの図柄組み合わせが導出され、大当りの図柄組み合わせ「777」が確定表示される。
このような再抽選演出の流れにおいて、再抽選演出中、演出用可動体Kは、演出用ボタン25の操作によって図10に示すように動作する。
図10(a)には演出用可動体Kの動作タイミングを示し、図10(b)には演出用ボタン25が操作される操作タイミングを示している。また、図10(c)にはストック数Sの記憶状態(保留の有無)を示している。図10では、1サイクルの可動演出の動作時間を「T1」と示し、可動演出の実行中であることを「動作」と示している。図中の「動作」に付した(1)、(2)・・・などの数字は、再抽選演出の開始後、演出用可動体Kが動作した回数を示している。また、演出用ボタン25の1回の操作に要する時間を「T2」と示し、演出用ボタン25が操作されたことを「入力」と示している。図中の「入力」に付した(1)、(2)・・・などの数字は、再抽選演出の開始後、演出用ボタン25が操作された回数を示している。
1回目の演出用ボタン25の操作時(入力(1))、演出用可動体Kは動作していないため、演出用可動体Kは動作(1)を開始して動作時間T1の可動演出を実行する。このとき、ストック数Sは、演出用ボタン25が演出用可動体Kの非動作時に操作されているので「0」である。そして、演出用可動体Kの動作中(動作(1))に演出用ボタン25が操作されると(入力(2))、その操作時のストック数が「0」であることから、当該操作に基づく可動演出の実行が保留され、ストック数Sが「1」となる。
その後、動作時間T1が経過すると、演出用可動体Kの動作(1)が終了する。この動作の終了時、ストック数Sは「1」となっている。このため、演出用可動体Kは、保留に基づき続けて動作(2)を開始して動作時間T1の可動演出を実行する。動作(2)の開始によりストック数Sは、演出用可動体Kが動作(2)を開始したことから、「0」となる。そして、演出用可動体Kの動作中(動作(2))に演出用ボタン25が操作されると(入力(3))、その操作時のストック数が「0」であることから、当該操作に基づく可動演出の実行が保留され、ストック数Sが「1」となる。また、演出用可動体Kの動作中(動作(2))に演出用ボタン25が前記入力(3)の操作に続いてさらに操作されると(入力(4))、その操作時のストック数は「1」となっている。このため、入力(4)の操作は無効とされ、可動演出の実行は保留されない。すなわち、入力(4)の操作に対する処理は行われない。
その後、動作時間T1が経過すると、演出用可動体Kの動作(2)が終了する。この動作の終了時、ストック数Sは「1」となっている。なお、このときに保留されている演出は、入力(3)の操作に基づき保留された演出である。このため、演出用可動体Kは、保留に基づき続けて動作(3)を開始して動作時間T1の可動演出を実行する。動作(3)の開始によりストック数Sは、演出用可動体Kが動作(3)を開始したことから、「0」となる。そして、演出用可動体Kの動作中(動作(3))に演出用ボタン25が操作されると(入力(5))、前述同様に当該操作に基づく可動演出の実行が保留される。この保留に基づく演出は、動作(3)の終了後に動作(4)として実行される。
因みに、演出用可動体Kの動作中に演出用ボタン25が操作されず、動作終了時に可動演出の実行が保留されていない場合(ストック数S=「0」の場合)は、その動作終了後に演出用ボタン25が操作されることによって演出用可動体Kの動作が再び開始する。このため、演出用可動体Kは、前回の演出用可動体Kの動作終了後から演出用ボタン25が操作される迄に掛かった時間を空けて動作を開始する。
本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)演出用ボタン25が操作されるという1種類の操作だけで、複数の演出装置(スピーカ17又は演出用可動体K)で確変昇格演出を行う可能性がある。また、スピーカ17に確変昇格演出を実行させるか否かの抽選に当選していなかった場合でも、演出用ボタン25が操作される度に演出用可動体Kで確変昇格演出を実行させるか否かが抽選されている。このため、スピーカ17で確変昇格演出が実行されなかった場合でも、演出用ボタン25が操作されることで演出用可動体Kで確変昇格演出が行われる可能性がある。すなわち、確変の付与(確変大当り)が決定されている場合、遊技者は、演出用ボタン25を操作すればするほど確変昇格演出が実行されるチャンスを得ることができる。また、確変昇格演出が実行されるチャンスは再抽選演出の結果が導出されるまで存在する。このため、遊技者に再抽選演出の結果が導出されるまでの間、演出用ボタン25を積極的に操作させることができる。そして、確変昇格演出が行われた場合には、大当り遊技終了後に確変が付与される確変大当りとなるため、遊技者は確変昇格演出が行われることに期待しつつ演出用ボタン25の操作をする。したがって、遊技者に積極的に演出用ボタン25を操作させるとともに、再抽選演出の実行期間を有効に活用することができる。
(2)また、スピーカ17及び演出用可動体Kで確変昇格演出を行わせるか否かの抽選態様(抽選時期及び抽選内容)が異なっているため、再抽選演出の結果が導出されるまでの間、1つの動作(演出用ボタン25の操作)によりどちらの演出装置(スピーカ17又は演出用可動体K)で確変昇格演出が行われるかを遊技者に期待させることができる。また、再抽選演出中には、スピーカ17より演出用可動体Kが先に確変昇格演出を行う可能性、及び演出用可動体Kよりスピーカ17が先に確変昇格演出を行う可能性がある。さらに、スピーカ17及び演出用可動体Kで同時に確変昇格演出が行われる可能性もあり、確変昇格演出のバリエーションの増加に寄与するとともに、遊技の興趣を向上させることができる。
(3)再抽選演出中には、スピーカ17で聴覚的な演出を行い、演出用可動体Kで視覚的な演出を行い、遊技者に演出用ボタン25を操作するという1つの動作で異なる感覚(聴覚、視覚)を与える演出を実行可能な構成となっている。このため、特に図4に示すパターンAのように聴覚的及び視覚的な演出が出現することで、遊技全体における確変昇格演出の遊技者に与えるインパクトを高めることができる。
(4)可変表示器Hで再抽選演出が行われている場合、少なくとも演出用可動体Kは、可変表示器Hで実行される表示演出とは異なる形態の演出を実行するようにした。このため、遊技者を可変表示器Hで実行される再抽選演出に注目させつつ、演出用可動体Kで実行される可変表示器Hの演出とは異なる形態の確変昇格演出に注目させることができる。したがって、再抽選演出中は、少なくとも2種類の態様の演出に遊技者を注目させ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5)演出用可動体Kで確変昇格演出を実行させるか否かの抽選に一度当選した場合、その当選以後、演出用ボタン25の操作による前記抽選の結果を全て当選とし、当選する度に演出用可動体Kによって確変昇格演出が行われる。このため、一度、演出用可動体Kで確変昇格演出が実行された場合、遊技者は、演出用ボタン25の操作毎に当該確変昇格演出を実行させることができる。すなわち、確変昇格演出を遊技者に何度も楽しませるとともに、確変大当りとなることに対し優越感を与えることができる。したがって、確変昇格演出後であっても、遊技者に演出用ボタン25を積極的に操作させることができる。
(6)可変表示器Hで実行される表示演出にて確変昇格演出を実行する場合、遊技者に再抽選演出の一部として予め定められたタイミングで確変昇格演出が実行されていると感じさせる可能性がある。このため、演出用ボタン25の操作が確変昇格演出に繋がるということを遊技者に認識させ難い。したがって、可変表示器Hとは異なる演出用可動体K及びスピーカ17により、表示演出とは異なる態様(動作及び音声)により確変昇格演出を実行させることで、演出用ボタン25の操作が確変昇格演出に繋がるということを遊技者に対して明確にすることができる。また、可変表示器Hとは異なる演出用可動体K及びスピーカ17で確変昇格演出を行うことで、遊技者を複数の場所に注目させ、遊技機の広い範囲に遊技者の目を向けさせることができる。
(7)また、一度、演出用可動体Kで確変昇格演出が実行された場合、演出用ボタン25の操作毎に該演出用可動体Kが動作することになる。このため、連続的に演出用ボタン25が操作された場合には、連続的に演出用可動体Kが動作することとなる。したがって、より一層遊技者にインパクトを与えるとともに、演出用ボタン25の操作を遊技者に促すことができる。
(8)スピーカ17と、演出用可動体Kでは異なる形態で確変昇格演出が行われる。すなわち、再抽選演出では、異なる形態による演出が複数の装置(可変表示器H、スピーカ17、演出用可動体K)によって行われるため、より一層演出のバリエーションが豊富となり、遊技者に当該演出を楽しませることができる。
(9)演出用可動体Kの動作中に演出用ボタン25が操作された場合、当該操作に基づく可動演出の実行を保留し、前記動作の終了後に当該保留に基づき、演出用可動体Kを動作させるようにした。このため、連続で演出用ボタン25が操作された場合、少なくとも次の前記演出の実行は約束される。すなわち、遊技者に演出用ボタン25を複数回操作させることで、遊技者の操作を効果的に反映させることができる。また、演出用可動体Kを連続的に動作させる場合、遊技者にタイミングを計らせて演出用ボタン25を操作させなくても、演出用可動体Kの動作中に演出用ボタン25を操作させれば良い。したがって、演出用ボタン25の操作によって演出用可動体Kを動作させる場合において、演出用可動体Kの1回の動作間(可動演出間)に発生するタイムラグを解消し、当該演出用可動体Kをスムーズに動作させることができる。
(10)演出用可動体Kの動作中に演出用ボタン25が操作され、当該操作に基づく可動演出の実行を保留することで、遊技者が連続的に演出用ボタン25を操作するような場合において、その操作タイミングが演出用可動体Kの動作終了時と一致していなくても、動作終了後に続けて演出用可動体Kを動作させることができる。すなわち、遊技者が演出用ボタン25を連続的に操作したことを利用して、演出用可動体Kが連続的に動作する状況を何の違和感もなく作り出すことができる。そして、演出用可動体Kをスムーズに動作させることができる。
(11)演出用可動体Kの動作中、可動演出の実行を保留可能な上限数を定めた。このため、演出用可動体Kの動作中に連続で演出用ボタン25が操作された場合、少なくとも上限数までの前記演出の実行が約束される。すなわち、演出用ボタン25を操作したにも拘わらず、前記演出が行われないという事態を上限数の範囲内で防止することができる。また、遊技者が連続的に前記演出を実行させたい場合、演出用ボタン25を複数回操作するだけで良く、特別な技術を必要とさせないで前記演出を遊技者に楽しませることができる。したがって、積極的な遊技への参加を促し、遊技者が演出用ボタン25を操作することに対しての動機付けを与えることができる。
(12)上限数を1回とすることで、連続で演出用ボタン25が操作された場合、次の可動演出の実行のみが約束される。このため、連続的に演出用可動体Kを動作させるには、演出用可動体Kの動作中に少なくとも1回、遊技者に演出用ボタン25を操作させれば良い。また、遊技者が連続的に演出用可動体Kを動作させたい場合には、遊技者は演出用ボタン25を演出用可動体Kの動作中に操作する必要がある。したがって、毎回の前記動作中に演出用ボタン25を遊技者に操作させることで、満遍なく演出用ボタン25を操作させることができる。
(13)また、上限数が2回以上の場合には、回数として2回以上の可動演出の実行が保留される。このため、演出用ボタン25が操作されていないのにも拘わらず、演出用可動体Kが動作を繰り返すという事態が起こり、遊技者に違和感を与える虞がある。したがって、上限数を1回とすることでこのような事態を解消し、遊技者の演出に対する違和感をなくすことができる。
(14)遊技者の演出用ボタン25の操作に合わせて、演出用可動体Kでは予め定めた動作時間(500ms)の間動作による可動演出が行われる。このため、演出用ボタン25の操作が演出用可動体Kの動作として直接反映され、遊技者は、自らの当該操作で演出用可動体Kを動作させているという印象を受け易い。また、可変表示器Hによる演出では、内部的に処理された結果が表示されているため、遊技者は、演出用ボタン25の操作が反映されているというよりは、内部的に決定された演出が行われているという印象を受け易い。したがって、演出用可動体Kが動作する可動演出は、可変表示器Hなどで行われる演出に比べて、遊技者にインパクトを与えることができ、演出用ボタン25の操作が遊技に反映されていることをより認識させ易い。
(15)また、演出用可動体Kの動作時間(500ms)は、遊技者が演出用ボタン25を連続で少なくとも2回操作するのに必要とする時間よりも長い。例えば、前記所定時間は、遊技者が演出用ボタン25を連続で少なくとも2回操作するのに必要とする時間より短い場合には、最初に演出用ボタン25が操作されて次に演出用ボタン25が操作される時点では、既に最初の操作に伴う演出用可動体Kによる動作が終了していることとなる。このため、連続で演出用可動体Kを動作させることが不可能となる。したがって、1回の所定時間内に少なくとも1回は遊技者に演出用ボタン25を操作させることができ、連続的な演出用可動体Kの動作をスムーズに行うことができる。
(16)演出用可動体Kが連続的に動作した場合、その動作直前の演出用ボタン25の操作タイミングは、1回の動作時間より短い間に操作されたものである。このため、遊技者が演出用ボタン25を操作したタイミングと、次に演出用可動体Kが動作するタイミングとの間に生じる時間差を短くすることができ、当該操作と演出用可動体Kの動作とが連動しているように感じさせることができる。
(17)演出用可動体Kの動作毎に可動演出の実行が保留される場合には、複数回の動作(可動演出)を途切れることなく実行させることができる。このため、複数回の動作(可動演出)を連続した1つの演出とすることができる。したがって、演出用可動体Kが動作するという可動演出に1つの演出としての存在感を持たせることができる。
(18)統括CPU27aは、有効期間を終了させる場合、RAM27cに設定されるストック数Sに「0」を設定する。このため、有効期間の終了(再抽選演出の終了)時には、可動演出の実行の保留は必ず無い状態(ストック数Sが「0」の状態)とすることができる。したがって、再抽選演出の終了時、すなわち、図柄組み合わせゲームの終了後にも拘わらず、可動演出の実行の保留に基づき演出用可動体Kが動作してしまうことを防止することができる。
なお、前記実施形態は、以下のように変更しても良い。
・実施形態において、遊技者の演出用ボタン25の操作に合わせて、装飾ランプ16による発光演出によって確変昇格演出を行うようにしても良い。また、例えば、演出用可動体K及び装飾ランプ16のような組み合わせにしても良い。
・実施形態において、特典報知手段としては、例えば、2種類の別体で設けられる演出用可動体、又は可変表示器Hとは別体の2種類の可変表示器としても良い。
・実施形態において、報知パターンの種類は、1種類、3種類及び4種類以上に変更しても良い。こうすることで、再抽選演出中にスピーカ17で確変昇格演出に至るまでにさまざま態様を持たせることができる。また、最終的に確変昇格演出が行われない場合でも、バリエーションを増やすことで遊技者を楽しませることができる。
・実施形態において、報知パターンに定める態様は変更しても良く、例えば、1回の操作で2回分の音声を出力するようにしても良い。また、1回の操作で確変昇格演出が行われるパターンとしても良い。再抽選演出中には、演出用ボタン25を操作しても全く音声による演出が行われないパターンとしても良い。
・実施形態において、演出用可動体Kで確変昇格演出を行わせるか否かが示される複数種類のパターンを用意し、大当り時に当該複数種類のパターンから1つを選択し、その選択結果に基づき確変昇格演出を行わせる。また、スピーカ17で確変昇格演出を行わせるか否かを演出用ボタン25の操作毎に抽選し、その抽選に当選した場合、確変昇格演出を実行させるようにしても良い。例えば、演出用可動体Kでは、演出用ボタン25が4回操作されると確変昇格演出を行うパターンが選択された場合、4回演出用ボタン25が操作された場合に、可動演出による確変昇格演出を行うようにする。また、スピーカ17では、前記抽選に当選した場合に、「かくへん」と音声が出力される確変昇格演出を行うようにする。
・実施形態において、スピーカ17による確変昇格演出の演出内容は、変更しても良い。例えば、カウントダウン式にして「3」→「2」→「1」→「GOOD」のようにして確変昇格演出を行っても良い。
・実施形態において、演出用可動体Kによる確変昇格演出の態様は変更しても良い。例えば、1サイクルの可動演出で演出用可動体Kが左右に動作する態様にしても良い。また、1サイクルの可動演出を複数回実行させることで、遊技盤13の右端から左端へ移動する態様にしても良い。この場合、最終的に左端に演出用可動体Kが到達することが確変昇格演出となる構成にすることで、演出用可動体Kを移動させるために遊技者に積極的に演出用ボタン25を操作させることができる。また、本実施形態を適用することで、このような態様の演出であっても、演出用可動体Kの動きをスムーズにすることができ、より遊技者を惹き付ける演出が実現可能であるとともに、再抽選演出の実行時間を有効に活用することができる。
・実施形態において、再抽選演出の開始時には、報知パターンに基づくスピーカ17による音声演出が行われるようにし、当該報知パターンに定める回数の演出用ボタン25の操作後、演出用可動体Kによる確変昇格演出を行うか否かの抽選をするようにしても良い。こうすることで、再抽選演出中に確変大当りへ昇格するチャンスを段階的に付与し、今回だめでも次には昇格するかもしれないと遊技者に期待感を持たせることができる。したがって、好適に演出用ボタン25の操作を遊技者に促し、再抽選演出を楽しませることができる。
・実施形態において、統括CPU27aが行う動作指令処理のステップS13の処理を省略し、確変昇格演出が実行された以降も演出用ボタン25の操作毎に動作指令処理のステップS14の抽選により演出用可動体Kを動作されるか否かを判定しても良い。
・実施形態において、可動演出の実行を保留する場合、演出用可動体Kの動作中に演出用ボタン25が操作されたか否かをフラグによって認識するようにしても良い。統括CPU27aは、演出用ボタン25が操作された場合、RAM27cに当該フラグを設定する。そして、そのフラグに基づき可動演出の実行を指示した場合、フラグを解除する。
・実施形態において、ストック数Sの上限数は変更しても良く、例えば、2回、3回、4回以上としても良い。こうすることで、遊技者の演出用ボタン25の操作が無効とされる場面を減少させることができる。すなわち、遊技者の演出用ボタン25の操作が無駄となることが抑制される。また、上限数を設定しない場合には、遊技者の演出用ボタン25の操作を全て有効とすることができる。本別例のように上限数を2回以上、又は上限数を設定しないの場合、RAM27cには、可動演出の実行を保留した回数をストック数Sに加算しても良いし、RAM27cの所定の格納領域に当該保留したことを順次格納(記憶)するようにしても良い。
・実施形態において、可動演出に定める1サイクルの動作時間は変更しても良く、少なくとも演出用可動体Kの動作中に当該演出の実行を1回は保留することができれば良い。
・実施形態において、ストック数Sに上限数を設定せずに、動作中にストック数Sに保留した回数を当該動作の終了時に、零を含む所定値にリセットするようにしても良い。所定値は、0、1、2などの数値である。この構成の場合、リセット時にストック数Sよりも所定値の方が大きく、ストック数Sが増加してしまうことを回避するために、ストック数Sが前記所定値よりも大きいか否かを判定する。この判定は、実施形態の構成の場合、統括CPU27aが行い、回数判定手段として機能させる。そして、前記判定結果が肯定の場合にはストック数Sを所定値にリセットし、前記判定結果が否定の場合にはストック数Sを所定値にリセットせずに現状の数を維持させる。具体的に例示すれば、所定値を「2」に定めた場合、動作終了時のストック数Sが「4」であればストック数Sを「2」にリセットし、動作終了時のストック数Sが「1」であればストック数Sを「1」のまま維持する。このように構成すれば、所定値が「0」でない場合には、少なくとも演出用ボタン25が操作された回数、又は前記所定値の回数までの可動演出の実行が約束される。また、前記所定値を有効期間に定める所定時間を考慮して設定することで、RAM27cに設定されるストック数Sを、適度な回数(前記所定値)まで減少させることができる。したがって、遊技のバランスを考慮した演出を実現できるとともに、RAM27cに掛かる負担を軽減することもできる。
・実施形態において、ストック数Sに上限数を設定しないで、可動演出の実行がストック数Sに保留されている場合、当該演出用可動体Kの動作終了時、必ずストック数Sを零(「0」)にリセットするようにしても良い。こうすることで、RAM27cに設定されるストック数Sに基づき演出用可動体Kが動作される場合には、必ずRAM27cに設定されるストック数Sを零(「0」)とすることができ、演出用可動体Kが動作中の演出用ボタン25の操作に対しては、次の演出用可動体Kの動作のみを約束することができる。このため、連続的に演出用可動体Kを動作させるには、当該演出用可動体Kの動作中に少なくとも1回だけ遊技者に演出用ボタン25を操作させれば良い。また、遊技者が連続的に演出用可動体を動作させたい場合には、遊技者は演出用ボタン25を演出装置の動作中に操作する必要がある。したがって、毎回の前記動作中に演出用ボタン25を遊技者に操作させることで、満遍なく演出用ボタン25を遊技者に操作させることができる。
・実施形態において、演出用可動体Kを専門的に制御する可動体制御基板を備えても良い。可動体制御基板には、CPUと、ROMと、RAMとを設ける。ROMには、演出用可動体Kの動作を制御するための可動制御プログラムを記憶させる。また、RAMには、パチンコ機の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。そして、可動体制御基板は、統括CPU27aの出力する制御コマンド(動作コマンド)に基づき、演出用可動体Kの動作に係る制御を行う。こうすることで、各装置(可変表示器H、演出用可動体K、装飾ランプ16、スピーカ17)を専門的に制御できるため各制御基板に係る制御負担を分散させることができる。
・実施形態において、仮の大当り図柄組み合わせが必ず非確変図柄で形成されるようにしても良い。また、実施形態では、仮の大当りの図柄組み合わせを確変図柄と決定した場合、スピーカ17では、確変昇格演出が行われるように報知パターンHP1を必ず選択させるようにしても良い。また、演出用可動体Kで確変昇格演出を行わせるか否かの抽選が必ず当選するようにし、演出用可動体Kで必ず確変昇格演出を行わせるようにしても良い。こうすることで、仮の大当りの図柄組み合わせでは確変図柄であったが、確変昇格演出が行われないことで、もしかして見間違えであったとか降格してしまうかもしれないという遊技者の抱く疑義を解消することができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記第2の特典報知装置は演出用可動体であり、前記第2の特典報知装置で実行される前記特典報知演出は前記演出用可動体が所定の動作をすることによって前記特典の付与が報知されることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
(ロ)前記第1の特典報知装置と前記第2の特典報知装置は、何れの装置も前記表示装置で実行される画像表示による演出とは異なる形態の演出を実行し、かつ両装置同士も異なる形態の演出を実行する装置で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
(ハ)前記特典制御手段は、前記演出用操作手段の1回の操作に対して前記演出用可動体を予め定めた動作時間の間動作させ、前記演出用操作手段が操作されたことを検出した場合、その操作が前記操作有効期間内になされたか否かを判定し、その判定結果が肯定でかつ前記演出用可動体の非動作時には当該操作に基づいて前記演出用可動体を動作させる一方で、前記判定結果が肯定でかつ前記演出用可動体の動作時には当該操作に基づく前記演出用可動体の動作による前記特典報知演出の実行を保留し、その保留の回数を前記特典制御手段が有する記憶手段に記憶し、前記演出用可動体の動作終了後に前記回数の記憶に基づき再度前記演出用可動体を動作させることを特徴とする技術的思想(イ)に記載の遊技機。
(ニ)前記演出用可動体の動作終了後に再度前記演出用可動体が動作される場合、前記記憶手段が記憶する前記回数が零を含む所定値より大きいか否かを判定する回数判定手段をさらに備え、前記特典制御手段は、前記回数判定手段の判定結果が肯定の場合、前記回数を零を含む前記所定値にリセットする一方で、前記回数判定手段の判定結果が否定の場合、前記回数をリセットしないことを特徴とする技術的思想(ハ)に記載の遊技機。
H…可変表示器、K…演出用可動体、17…スピーカ、25…演出用ボタン、26…主制御基板、26a…メインCPU、26b…ROM、26c…RAM、27…統括制御基板、27a…統括CPU、27b…ROM、27c…RAM。