JP2007031658A - ウィンドウ用フィルムおよびその貼着方法、並びに飛散防止用フィルムおよび防犯用フィルム - Google Patents

ウィンドウ用フィルムおよびその貼着方法、並びに飛散防止用フィルムおよび防犯用フィルム Download PDF

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【課題】皺や気泡等を発生させずに簡単にウィンドウに貼着することができ、しかも貼着後は高い接着力を有するウィンドウ用フィルムおよびその貼着方法、並びに飛散防止用フィルムおよび防犯用フィルムを提供することである。
【解決手段】基材フィルムの片面に被着体であるウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度で流動性を示しかつウィンドウの表面温度で結晶化する感温性粘着剤を塗布してなり、ウィンドウに貼着した状態での接着力が180°剥離強度で400g/25mmを超えるウィンドウ用フィルムであり、該フィルムは飛散防止用または防犯用のフィルムとして好適である。ウィンドウ用フィルムを貼着するには、該フィルムをウィンドウの表面温度で位置決めを行い、ついでウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に加温して圧着した後、ウィンドウの表面温度に戻すと、フィルムがウィンドウに貼着される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ウィンドウに貼着するウィンドウ用フィルムおよびその貼着方法、並びに飛散防止用フィルムおよび防犯用フィルムに関する。
従来から、窓ガラス等のウィンドウには犯罪等による破損や、地震等で破損したガラス片の飛散を防止する上でウィンドウ用フィルムと呼ばれるフィルムが貼着されている。このウィンドウ用フィルムとして、特許文献1には、所定のガラス転移温度を有する2種類の熱可塑性樹脂から構成される多層構造を有し、面衝撃強度が所定の値以上であるガラス保護フィルムが記載されている。また、特許文献2には、ガラスと所定の接着強度を有する粘着層を少なくとも片面に形成し、かつ引裂強度が所定の値以上である積層フィルムが記載されている。特許文献1,2によると、ガラスの破損および飛散を防止できると記載されている。
しかしながら、板状のウィンドウに、ウィンドウ用フィルムを皺や気泡等が発生しないように貼着することは困難である。このため、特許文献1,2に記載されているようなフィルムをウィンドウに貼着する際には、皺や気泡等が発生するおそれがある。皺や気泡等の発生は、見た目の美観を損なうので好ましくない。
皺や気泡等が混入しないようにするために、フィルム貼着時にウィンドウに界面活性剤等の水溶液をスプレーし、その上からウィンドウ用フィルムを貼着し、さらにヘラ等を使用してフィルムの皺を伸ばすと共に、ウィンドウとフィルムとの間から水溶液や気泡を押し出し、フィルムをウィンドウに貼着する方法がある。しかしながら、この方法は熟練した技術を必要とし、さらに貼着に要する施行時間が長いので、簡単に貼着することができない。
このような問題を解決するために、特許文献3には、少なくとも片面がガラスに貼付することができる程度の粘着性を有する所定の基材フィルムの両面に、離型フィルムが積層されてなる積層体が、基材フィルムをガラスに貼着する側の面と反対の面の方向に、カールする性質を有しているガラス飛散防止用積層体が記載されている。
この文献によると、前記積層体が基材フィルムをガラスに貼着する側の面と反対の面の方向に特定のカール量だけカールしているので、皺や気泡等を発生させることなく簡単に基材フィルムをガラスに貼着することができると記載されている。
しかしながら、特許文献3に記載されている基材フィルムは、室温下で高い粘着性を有しているので、誤ってフィルム同士が貼り付いたり、貼着位置を誤った場合には手直しが難しく、位置決めが困難である。
特開2004−130762号公報 特開2004−155188号公報 特開平10−76604号公報
本発明の課題は、皺や気泡等を発生させずに簡単にウィンドウに貼着することができ、しかも貼着後は高い接着力を有するウィンドウ用フィルムおよびその貼着方法、並びに飛散防止用フィルムおよび防犯用フィルムを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するには、ウィンドウへの位置決め時には粘着力がなく、位置決め後に高い接着力が発現するような粘着剤を用いればよいと考え、鋭意検討を重ねた結果、ウィンドウ用フィルムの粘着剤として特定の感温性粘着剤を使用するという新たな解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のウィンドウ用フィルムは、以下の構成からなる。
(1)基材フィルムの片面に被着体であるウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度で流動性を示しかつウィンドウの表面温度で結晶化する感温性粘着剤を塗布してなり、ウィンドウに貼着した状態での接着力が180°剥離強度で400g/25mmを超えることを特徴とするウィンドウ用フィルム。
(2)前記感温性粘着剤の融点が30〜70℃であり、融点未満で結晶化する前記(1)記載のウィンドウ用フィルム。
(3)前記感温性粘着剤が、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル30〜80重量部と、炭素数2〜8のアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル20〜70重量部と、極性モノマー0〜10重量部とを重合させて得られる重合体である前記(1)または(2)記載のウィンドウ用フィルム。
(4)前記重合体の重量平均分子量が20万〜100万である前記(3)記載のウィンドウ用フィルム。
(5)前記感温性粘着剤がウィンドウの表面温度では粘着力がなく、ウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に加温して圧着した後、ウィンドウの表面温度に戻すと180°剥離強度で400g/25mmを超える接着力が発現する前記(1)〜(4)のいずれかに記載したウィンドウ用フィルム。
(6)下記式(I)から算出される接着力の低下率が60%以上である前記(1)〜(5)のいずれかに記載したウィンドウ用フィルム。
Figure 2007031658
(7)可視光領域での透過率が80%以上である前記(1)〜(6)のいずれかに記載のウィンドウ用フィルム。
本発明のウィンドウ用フィルムの貼着方法は、前記(1)〜(7)のいずれかに記載のウィンドウ用フィルムを、ウィンドウの表面に該ウィンドウの表面温度で重ね合わせて位置決めを行い、ついでウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に加温して圧着した後、ウィンドウの表面温度に戻してウィンドウの表面に貼着することを特徴とするものである。
本発明の飛散防止用フィルムは、前記(1)〜(7)のいずれかに記載のウィンドウ用フィルムからなることを特徴とするものであり、本発明の防犯用フィルムは、前記(1)〜(7)のいずれかに記載のウィンドウ用フィルムからなることを特徴とするものである。
本発明によれば、ウィンドウ用フィルムの基材フィルムに塗布する粘着剤が特定の感温性粘着剤であり、該粘着剤はウィンドウの表面温度では粘着力がないので、位置決めが簡単にできると共に、皺や気泡等のない状態にも簡単にできる(たとえ皺や気泡等があっても、粘着力がないので、簡単にそれらを除去することができる)。さらに、前記粘着剤を前記表面温度より高い温度に加温し流動させた後、前記表面温度に戻すと、再び結晶化して所定の接着力が発現し、ウィンドウに貼着することができ、容易に剥離することがない。しかも、前記フィルムをウィンドウから剥がす際には、該粘着剤は所定の温度に再び加温すれば樹脂が流動状態となり接着力が低下するので、ウィンドウの表面を傷つけることなく、簡単に剥がすことができる。
上記(2)によれば、本発明にかかる感温性粘着剤をウィンドウの表面温度で粘着力のない状態とすることができる。上記(3)〜(5)によれば、本発明にかかる感温性粘着剤の凝集力を高くすることができるので、該フィルムをウィンドウに長期間貼着してもずれることがなく、優れた貼着安定性が得られる。上記(6)によれば、前記フィルムをウィンドウから剥がす際には、該粘着剤を所定の温度に加温すると確実に接着力が低下するので、ウィンドウの表面を傷つけることなく簡単に剥がすことができる。上記(7)によれば、本発明のウィンドウ用フィルムをウィンドウに貼着しても、ウィンドウの視界を確保することができる。
本発明のウィンドウ用フィルムは、ウィンドウの破損を防止でき、かつ破損したウィンドウの飛散を防止することができるので、飛散防止用フィルムや防犯用フィルムとして使用することができる。
<ウィンドウ用フィルム>
本発明のウィンドウ用フィルムは、基材フィルムの片面に被着体であるウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度で流動性を示しかつウィンドウの表面温度で結晶化する感温性粘着剤を塗布したものである。
ここで、本発明における感温性粘着剤とは、温度変化に対応して結晶状態と流動状態とを可逆的に起こす粘着剤のことを意味する。本発明の感温性粘着剤は、被着体であるウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度で流動性を示しかつウィンドウの表面温度で結晶化する必要がある。
具体的には、前記感温性粘着剤の融点が30〜70℃、好ましくは40〜60℃であり、該融点未満で結晶化するのがよい。感温性粘着剤の融点をこの範囲内でウィンドウの表面温度より高く設定することで、ウィンドウの表面温度では、前記感温性粘着剤に粘着力がないので、位置決めが簡単にできると共に、皺や気泡等も簡単に除去できる。そして、ウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に加温すると、該粘着剤は結晶状態から流動状態へ相変化し、流動状態において圧着するとガラス表面の微細な凹部内に入り込み、この状態で前記表面温度に戻すと、前記感温性粘着剤が流動状態から結晶化する過程でアンカー効果を発揮し、高い接着力が発現する。
一方、前記感温性粘着剤の融点が30℃より低いと、ウィンドウの表面温度で前記感温性粘着剤がすでに流動状態となって、位置合せが困難となるおそれがある。また、前記融点が70℃より高くなると、前記感温性粘着剤が相変化しにくくなるので好ましくない。
本発明において融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていた重合体の特定部分が無秩序状態となる温度を意味するものであり、前記感温性粘着剤を示差熱走査熱量計(DSC)で、10℃/分の測定条件で測定して得られる値である。
また、本発明の感温性粘着剤は、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル30〜80重量部と、炭素数2〜8のアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル20〜70重量部と、極性モノマー0〜10重量部とを重合させて得られる重合体であるのが好ましい。この重合体は、ホモポリマーまたはコーポリマーのいずれであってもよい。
前記炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル[以下、(メタ)アクリレートという]としては、例えばセチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数16〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上を用いることができる。前記炭素数2〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上を用いることができる。前記極性モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有エチレン不飽和単量体や;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するエチレン不飽和単量体等の1種又は2種以上を用いることができるが、このうち特に好適なものはアクリル酸である。
前記重合体の重量平均分子量は20万〜100万、好ましくは40万〜80万であるのがよい。これにより、感温性粘着剤が高い凝集力を示すようになり、優れた貼着安定性が得られる。これに対し、前記重合体の重量平均分子量が20万より小さいと、該粘着剤の凝集力が不足して前記貼着安定性が低下するおそれがある。また、剥がした際には、凝集破壊してウィンドウに該粘着剤が残るおそれがある。一方、前記重量平均分子量が100万を超えると、凝集力が必要以上に高くなるので好ましくない。前記重量平均分子量は、前記重合体をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
本発明のウィンドウ用フィルムは、ウィンドウに貼着した状態の接着力が180°剥離強度で400g/25mmを超える。具体的には、上記のような感温性粘着剤を基材フィルムに塗布した本発明のウィンドウ用フィルムは、該感温性粘着剤がウィンドウの表面温度では粘着力がなく、ウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に加温して圧着し、ウィンドウの表面温度に戻すと180°剥離強度で400g/25mmを超え、好ましくは1,000g/25mm以上の接着力が発現する。
これにより、該フィルムがウィンドウ表面に確実に密着しているので、本発明のウィンドウ用フィルムを、例えば防犯用フィルムとして用いた場合には、ウィンドウの破損を防止することができ、また、飛散防止用フィルムとして用いた場合には、破損したウィンドウの飛散を確実に防止することができる。これに対し、前記接着力が400g/25mmより小さいと、ウィンドウの破損や飛散の防止が困難となるので好ましくない。
前記接着力は、前記(メタ)アクリレートや極性モノマーの選択、後述する感温性粘着剤層の厚み、架橋剤の添加量等で調整することができる。また、前記180°剥離強度は、例えば後述のように、本発明のウィンドウ用フィルムをウィンドウに所定の方法で貼着し、ロードセルを用いて300mm/分の速度で前記フィルムを180°剥離した時の強度を測定して得られる値である。
基材フィルムとしては、ウィンドウ用フィルムの基材として使用できるものであれば各種の公知のものが採用可能であり、具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリオレフィン等の合成樹脂フィルム等が挙げられる。
前記基材フィルムの厚みとしては、例えば25〜250μm、好ましくは50〜100μmであるのがよい。また、基材フィルムの表面は、前記感温性粘着剤の固定強度を向上させる上で、例えばコロナ放電、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理等が施されているのが好ましい。
さらに、本発明にかかる基材フィルムは種々の機能を有していてもよく、具体的には、例えば紫外線を遮断する機能や、熱線を遮断して断熱効果を有する機能等が挙げられる。これらの機能を基材フィルムに付与する方法としては、各種の公知の方法が採用可能であり、例えば紫外線吸収剤を基材フィルムに含有させて紫外線を遮断する機能を付与する方法、基材フィルムの少なくとも片面に熱線を遮断する金属層を形成して熱線を遮断する機能を付与する方法等が挙げられる。
本発明のウィンドウ用フィルムの製造方法は、例えば上記基材フィルムの片面に、上記感温性粘着剤を塗布し、乾燥させることにより作製することができる。ここで、形成された感温性粘着剤層の厚みは5〜100μm、好ましくは20〜80μmであるのがよい。これにより、該フィルムをウィンドウに所定の接着力で貼着することができる。これに対し、前記厚みが5μmより薄いと接着力が不足して貼着安定性が低下するおそれがあり、100μmより厚いと、基材フィルムに塗工する際に気泡が入りやすく、塗工された粘着剤層の乾燥性が低下するので好ましくない。
前記塗布液は、基材フィルムの片面に塗布される感温性粘着剤として、所定の重合体からなる感温性粘着剤の他に、例えば凝集力を向上させるためのイソシアネート系化合物・アジリジン系化合物・エポキシ系化合物・金属キレート系化合物などの架橋剤を添加するのが好ましい。さらに必要に応じてタッキファイヤー、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を添加してもよい。各添加剤としては、各種の公知のものが採用可能である。
また、本発明のウィンドウ用フィルムは、可視光領域(400〜800nm)における透過率が80%以上であるのが好ましい。これにより、ウィンドウの視界を確保することができる。前記透過率は、例えば上記ウィンドウ用フィルムを可視分光光度計で測定して得られる値である。
本発明におけるウィンドウとは、ガラス製の板状のものを意味する。このため、ウィンドウの表面は平滑、凹凸のいずれであってもよく、破損や飛散を防止する必要がある一定の面積を有するものを含む。また、該ウィンドウの透明、不透明は問わない。このようなウィンドウとしては、例えば住宅やビル等の窓ガラス、ガラス製のドア、ガラス棚、ガラスケース等の他、例えば自動車、列車等の車両のウィンドウ等も含まれる。このようなウィンドウに本発明のウィンドウ用フィルムを貼着すると、該ウィンドウの破損や飛散を防止することができる。
<貼着方法>
次に、本発明のウィンドウ用フィルムの貼着方法について説明する。まず、ウィンドウ用フィルムの感温性粘着剤層をウィンドウの所定位置に配置する。このとき、該フィルムには粘着力がないので、誤ってシート同士が貼りつくことがなく、貼着位置を誤った場合でも、自在に動かして簡単に手直しすることができる。このため、ウィンドウの面積が大きい場合であっても、簡単に位置決めが行える。
ついで、ローラー等を用いて該フィルムの皺を伸ばしたり、該フィルムとウィンドウとの間に混入した気泡を押し出すが、上記の通り、該フィルムには粘着力がないので、簡単に皺や気泡のない状態にすることができる。
この状態で、感温性粘着剤層の温度をウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に、例えばドライヤーやヒートガン等で加温すると、該粘着剤は結晶状態から流動状態へ相変化する。その状態において、ウィンドウ用フィルムをウィンドウに圧着する。ついでウィンドウの表面温度に戻すと再び結晶化して所定の接着力が発現し、該フィルムがウィンドウに貼着される。
上記のようにしてウィンドウに貼着されたフィルムは、所定の接着力で貼着しているので、長期間貼着してもずれることがなく、優れた貼着安定性を示すことができる。また、ガラスの破損や、破損したガラス片の飛散を防止ないし抑制することができるので、飛散防止用フィルムや防犯用フィルムとして機能する。
一方、該フィルムを剥がす際には、上記粘着剤をウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に加温すると接着力が低下するので、ウィンドウの表面を傷つけることなく、簡単に剥がすことができる。具体的には、上記式(I)から算出される接着力の低下率が60%以上であるのが好ましい。これにより、上記粘着剤を所定温度に加温すると、前記接着力が該フィルムを簡単に剥がすことができる程度まで確実に低下する。これに対し、前記低下率が60%より小さいと、上記粘着剤を所定温度に加温しても、該フィルムを簡単に剥がせないおそれがあるので好ましくない。
なお、剥がしたフィルムは、上記と同様の操作をすることで、何度も繰り返して使用することができる。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明で「部」は重量部を意味する。
以下の実施例および比較例で使用した共重合体は、以下の3種類である。
(合成例1)
ベヘニルアクリレート(日本油脂社製)を45部、アクリル酸ブチル(日本触媒社製)を50部、アクリル酸を5部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.5部の割合で、それぞれ酢酸エチル230部に加えて混合し、55℃で4時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は59万、融点は46℃であった。
(合成例2)
ベヘニルアクリレート(日本油脂社製)を60部、アクリル酸2−エチルヘキシルを35部、アクリル酸を5部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.2部の割合で、それぞれ酢酸エチル230部に加えて混合し、55℃で4時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は57万、融点は49℃であった。
(合成例3)
アクリル酸ブチル(日本触媒社製)を45部、アクリル酸2−エチルヘキシル(日本触媒社製)を50部、アクリル酸を5部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.5部の割合で、それぞれ酢酸エチル230部に加えて混合し、55℃で4時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は66万であった。
上記合成例1〜3で得られた各共重合体を表1に示す。
Figure 2007031658
<ウィンドウ用フィルムの作製>
上記合成例1で得られた共重合体を、酢酸エチルを用いて固形分が30%となるように共重合体溶液を調製した。ついで、この共重合体溶液に、架橋剤としてアジリジン化合物(日本触媒社製の商品名「PZ−33」)を固形分換算で前記共重合体100部に対して0.2部添加して感温性粘着剤組成物を得た。この感温性粘着剤組成物を基材フィルム(厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の片面に塗布し、乾燥させて厚さ40μmの感温性粘着剤層が形成されたウィンドウ用フィルムを作製した。
合成例1で得られた共重合体に代えて合成例2で得られた共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして感温性粘着剤組成物を調製した。ついで、この感温性粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして厚さ40μmの感温性粘着剤層が形成されたウィンドウ用フィルムを作製した。
[比較例1]
合成例1で得られた共重合体に代えて合成例3で得られた共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を得た。ついで、この粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして厚さ40μmの粘着剤層が形成されたウィンドウ用フィルムを作製した。
<ウィンドウ用フィルムの評価>
上記実施例1,2および比較例1で得られた各ウィンドウ用フィルムについて、180°剥離強度、貼着状態、貼着安定性、飛散防止効果および剥離性を評価した。各評価方法を以下に示すと共に、その評価結果を表2に示す。
(180°剥離強度の評価方法)
上記で得られた各ウィンドウ用フィルムの粘着剤層が形成された面を、表面温度23℃のガラス板に押し当て、ロードセルを用いて300mm/分の速度で前記フィルムを180°剥離し、180°剥離強度を測定した。
また、上記と同様にして各フィルムをガラス板に押し当て、温度を23℃から60℃に加温して圧着した後、23℃に冷却し、上記と同様にして180°剥離強度を測定した。
(貼着状態の評価方法)
上記で得られた大きさが50cm×100cmの各ウィンドウ用フィルムをガラス板に貼着した際の状態を目視にて観察した。なお、貼着条件および評価基準は以下のように設定した。
貼着条件
実施例1,2:表面温度23℃のガラス板に押し当て、60℃に加温して圧着した後、23℃に冷却した。
比較例1:表面温度23℃のガラス板に押し当てて貼着した。
評価基準
○:皺、気泡が発生することなく貼着できる
×:皺、気泡が発生する
(貼着安定性の評価方法)
上記貼着状態の評価でガラス板に貼着した各フィルムの表面を、水を含ませたウエスで拭いた際の状態を目視にて観察した。なお、評価基準は以下のように設定した。
評価基準
○:ずれ、剥がれなし
×:ずれ、剥がれが発生する
(飛散防止効果の評価方法)
JIS A 5759(A法)に準拠して行った。なお、評価基準は以下のように設定した。
評価基準
○:飛散したガラスは極微量
×:大きなガラス片が飛散
(剥離性の評価方法)
上記で得られた各ウィンドウ用フィルムをガラス板に貼着し、ついで60℃に加温した後、180°剥離強度を測定した。そして、得られた測定値を上記式(I)に当てはめ、接着力の低下率を算出した。なお、貼着条件は、前記貼着状態の評価方法と同様にして貼着した。また、180°剥離強度は、前記180°剥離強度の評価方法と同様にして剥離した。
Figure 2007031658
表2から明らかなように、実施例1および実施例2のウィンドウ用フィルムは、位置決め時において粘着力がなく、貼着状態も優れているのがわかる。また、ウィンドウに貼着された状態で180°剥離強度も高い値を示しており、貼着安定性にも優れた結果を示した。さらに、飛散防止効果に優れ、再加温時の剥離性も良好な結果を示した。これに対し、比較例1では、位置決め時に粘着力を示しており、貼着状態が悪いのがわかる。また、剥離性も、実施例1,2に対して劣る結果を示した。

Claims (10)

  1. 基材フィルムの片面に被着体であるウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度で流動性を示しかつウィンドウの表面温度で結晶化する感温性粘着剤を塗布してなり、ウィンドウに貼着した状態での接着力が180°剥離強度で400g/25mmを超えることを特徴とするウィンドウ用フィルム。
  2. 前記感温性粘着剤の融点が30〜70℃であり、融点未満で結晶化する請求項1記載のウィンドウ用フィルム。
  3. 前記感温性粘着剤が、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル30〜80重量部と、炭素数2〜8のアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル20〜70重量部と、極性モノマー0〜10重量部とを重合させて得られる重合体である請求項1または2記載のウィンドウ用フィルム。
  4. 前記重合体の重量平均分子量が20万〜100万である請求項3記載のウィンドウ用フィルム。
  5. 前記感温性粘着剤がウィンドウの表面温度では粘着力がなく、ウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に加温して圧着した後、ウィンドウの表面温度に戻すと180°剥離強度で400g/25mmを超える接着力が発現する請求項1〜4のいずれかに記載したウィンドウ用フィルム。
  6. 下記式(I)から算出される接着力の低下率が60%以上である請求項1〜5のいずれかに記載したウィンドウ用フィルム。
    Figure 2007031658
  7. 可視光領域での透過率が80%以上である請求項1〜6のいずれかに記載のウィンドウ用フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のウィンドウ用フィルムを、ウィンドウの表面に該ウィンドウの表面温度で重ね合わせて位置決めを行い、ついでウィンドウの表面温度より高い融点以上の温度に加温して圧着した後、ウィンドウの表面温度に戻してウィンドウの表面に貼着することを特徴とするウィンドウ用フィルムの貼着方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のウィンドウ用フィルムからなることを特徴とする飛散防止用フィルム。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載のウィンドウ用フィルムからなることを特徴とする防犯用フィルム。
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