JP2007031630A - ポリアミド樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】アジピン酸を主体とするジカルボン酸成分と、メタキシレンジアミンおよび/またはビス(アミノメチル)シクロヘキサンを主体とするジアミン成分から成るポリアミド樹脂に関し、ゲル状物質が少なくかつ射出成形用材料、フィルム・シート等の包装材料、およびモノフィラメント、繊維用材料として工業的に有用なポリアミド樹脂を提供する。
【解決手段】アジピン酸を主体とするジカルボン酸成分とキシリレンジアミンおよび/またはビス(アミノメチル)シクロヘキサンを主体とするジアミン成分を重縮合して得られるポリアミド樹脂に関して、ポリアミド樹脂に含まれるアジピン酸に不溶なイオン交換樹脂の混入濃度、およびその長径を制限することで、ゲル状物質の少ないポリアミド樹脂が得られる。
【選択図】 無

Description

本発明は、成形材料、ボトル、シート、フィルムおよび繊維用に好適に用いられるポリアミド樹脂に関する。更に詳しくは、アジピン酸を主体とするジカルボン酸成分とキシリレンジアミンおよび/またはビス(アミノメチル)シクロヘキサンを主体とするジアミン成分を重縮合して得られるゲル状物質を低減したポリアミド樹脂に関する。
ポリアミド樹脂は家電製品や各種自動車部品、コンピュータのハウジング等の成形材料、繊糸、編織物等の衣料品、タイヤコード、漁網、釣り糸等の工業用またはレジャー用フィラメント材料、食品包装用のフィルムや各種容器用シート、ボトル用材料として使用しうる高強力、耐摩耗性、耐疲労性、良好な染色性、ガスバリアー性等の化学的、機械的性質を有している。特にキシリレンジアミンもしくはビス(アミノメチル)シクロヘキサンと脂肪族ジカルボン酸とから得られるナイロンMXD6(以後、N−MXD6と表記する)はポリアミド6やポリアミド66等に比べて高強度、高弾性率、低吸水性であり、なおかつガスバリアー性にも優れるため、各種工業用材料、あるいは食品包装用のフィルム、シート、ボトル材料として特に有用である。
成形材料用途では一般に射出成形により成形されるため溶融時の流動性が高いことが求められ、低粘度のポリアミド樹脂が用いられる。この低粘度ポリアミド樹脂としては、溶融重合して得られたポリアミド樹脂がそのまま用いられるか、または更に乾燥したものが用いられる。一方、ボトル、シート、フィルムおよび繊維等の用途で用いられるポリアミド樹脂は、射出成形の他に押し出し成形によっても成形される。ボトル、シート、フィルムおよび繊維等の用途では、溶融時の流動性は成形材料用途の場合より低いことが求められ、主に中,高粘度品が用いられる。中、高粘度ポリアミド樹脂は、一旦溶融状態で重縮合して低粘度ポリアミド樹脂を得た後、固相状態で加熱処理するいわゆる固相重合を行い、粘度を高めることが知られている。
これらの用途にて使用されるポリアミド樹脂に固体状態の不純物が混入した場合、そのままポリアミド樹脂中に残留し、本来求められている性能が発現できなくなるため成形加工上、様々な不都合をもたらす。例えば、射出成形、および押出成形においては成形品表面の荒れの原因となる。繊維成形では、糸切れ、糸径の変動等である。さらに、成形品の物性低下、不純物の溶出による内容物の汚染等、成形加工時及び成形加工品そのものに様々な不都合を与えるため、工業的に価値の低いものになる。従って、ポリアミド樹脂の製造工程中では厳密な製造管理、および品質管理によって上記不純物の混入防止に努めているが、工業的に価値の高いポリアミド樹脂を提供するには、これら管理のみではなく、モノマー由来の不純物による影響も考慮して管理する必要がある。例えば、原料であるアジピン酸の製造プロセスにて混入する可能性が高いイオン交換樹脂が挙げられる。
イオン交換樹脂が混入したアジピン酸を用いてポリアミド樹脂を製造すると、イオン交換樹脂はポリアミド樹脂に溶解しないため、ポリアミド樹脂内にその形状を保ったまま残存し、物理的な面で性能低下をまねく。例えば、クラック、ボイドを発生してガスバリアー性等の低下をもたらす。更に、発明者らの知見によると、イオン交換樹脂は上記の物理的な影響のみならずアミド化反応、及び高分子量重合物の架橋反応等の化学的な面での影響も認められる。例えば、イオン交換樹脂の影響を受けたポリアミド樹脂から作られるポリアミドフィルムにはゲル状物質が多く、成形加工時あるいは成形加工品に様々な不都合が発生し、工業的な価値が非常に低いものになる。
ところで、ジカルボン酸成分であるアジピン酸の工業的な製造方法として、シクロヘキサノ-ル、もしくはシクロヘキサンとシクロヘキサノール混合物(KAオイル)を鉱酸にて酸化させる方法が一般的に行われている。また上記鉱酸として硝酸、塩酸、硝酸混合物およびホウ酸が用いられる。酸化反応で得られたアジピン酸の精製方法としては通常水洗法にて行われる。精製に用いられた大量の水には多くの鉱酸塩が含まれるため、経済的理由により、イオン交換樹脂を通じさせて鉱酸塩等を除去し、フィルターを通じてアジピン酸に不溶であるイオン交換樹脂を濾別した後に精製用の水として再利用される。
しかし、イオン交換樹脂は使用履歴を重ねる事によって、イオン交換樹脂自体の割れや劣化が進行し、微粉化、あるいは微粒子化する事が容易に考えられる。また、上記で用いられるフィルターはアジピン酸の製造業者により、その設置の有無、種類、目開き、設置数、交換期間等が異なっており、イオン交換樹脂を完全に濾別できなかったり、フィルターが破れたり等の問題により再利用される水にはイオン交換樹脂が含まれ、精製工程でアジピン酸中にイオン交換樹脂が取り込まれ、混入する可能性が高い。
一方、一般的なポリアミド樹脂の製造方法として、ナイロン塩水溶液を原料とする方法がある(特許文献1参照)。この方法においては、ナイロン塩水溶液の状態にてフィルターを通じさせてイオン交換樹脂のようなモノマー由来の不純物を除去することが可能である。しかし、ナイロン塩水溶液を原料とするポリアミド製造方法は、装置の大型化、エネルギー効率の低下、得られるポリアミド樹脂への熱履歴の増加等の面で経済的、かつ品質的に有利な方法とは言い難い。
ナイロン塩およびナイロン塩水溶液を用いない方法としては少量の水を含んだジアミン成分を常圧下220℃以下の温度で滴下して反応を行う方法(特許文献2参照)、融解状態にあるジカルボン酸成分にジアミン成分を常圧滴下し直接反応する方法が開示されている(特許文献3、4参照)。これらの重合方法はナイロン塩およびナイロン塩水溶液を経由しないため、ポリアミド樹脂への熱履歴の軽減や装置の簡略化が可能であり経済的には有利であるものの、得られるポリアミド樹脂中のモノマー由来のイオン交換樹脂が分離除去できない。
上記以外の方法にてポリアミド樹脂を製造するに際し、モノマー由来のイオン交換樹脂の一般的な除去方法としては、使用するモノマーを更に蒸留、再結晶等により精製する方法があるが、新たに精製工程が必要になり工業的、あるいは経済的に有用と言い難い。また、重縮合反応中に反応温度や圧力を操作して不純物を反応槽外に除去する方法(特許文献5参照)もあるが、得られるポリアミド樹脂中に残存するイオン交換樹の除去は難しく、これらに着目した製造条件の設定は行われていない。
また、ポリアミド樹脂中に含まれたイオン交換樹脂を除去する方法としては、溶融状態のポリアミド樹脂をフィルターで濾過する方法などがあるが、ポリアミド樹脂への熱履歴をできるだけ軽減させつつ粘性の高いポリアミド樹脂を処理する事が求められ、用いるフィルターの目開き、あるいは設置数が制限されるためイオン交換樹脂を完全に除去することは難しい上に、装置の追加が必要であり、経済的に有用とは言い難い。従って、ポリアミド樹脂を製造するに際し、イオン交換樹脂を除去するためには、モノマーでの除去が経済的、かつ工業的に有利である。
この様に、ジアミン成分とジカルボン酸成分から得られるポリアミド樹脂に関して、効果的にイオン交換樹脂を低減させたポリアミド樹脂、およびその製造方法を用いることにより、ゲル状物質の少ないポリアミド樹脂の開発が望まれていた。
特公昭43−22847公報 特開昭48−12390公報 特開昭57−200420公報 特開昭58−111829公報 特開2003−96188公報
本発明の目的は、アジピン酸を主体とするジカルボン酸成分と、メタキシレンジアミンおよび/あるいはビス(アミノメチル)シクロヘキサンを主体とするジアミン成分から成るポリアミド樹脂に関し、ゲル状物質が少なくかつ射出成形用材料、フィルム・シート等の包装材料、およびモノフィラメント、繊維用材料として工業的に有用なポリアミド樹脂を提供することにある。
本発明者らは溶媒の非存在下に回分式反応槽を用い、アジピン酸を主体とするジカルボン酸成分とキシリレンジアミンおよび/またはビス(アミノメチル)シクロヘキサンを主体とするジアミン成分を重縮合して得られるポリアミド樹脂において鋭意研究した結果、ポリアミド樹脂に含まれるアジピン酸に不溶なイオン交換樹脂の混入濃度、およびその最大長径を制限することで、ゲル状物質の少ないポリアミド樹脂が得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、ジアミン成分に由来する構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンおよび/またはビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来するものであり、かつジカルボン酸成分に由来する構成単位が主としてアジピン酸に由来するものであるポリアミド樹脂であって、下式(1)〜(5)を全て満たすことを特徴とするポリアミド樹脂に関する。
(d1/2)^2×3.14×φ1^2<43000 ・・・(1)
(d2/2)^2×3.14×φ2^2<180000 ・・・(2)
0.01<(2×φ1)+φ2<35 ・・・(3)
1<d1<50 ・・・(4)
1<d2<50 ・・・(5)
d1:ポリアミド樹脂中の陽イオン交換樹脂の最大長径(μm)
d2:ポリアミド樹脂中の陰イオン交換樹脂の最大長径(μm)
φ1:ポリアミド樹脂中の陽イオン交換樹脂の濃度(ppm)
φ2:ポリアミド樹脂中の陰イオン交換樹脂の濃度(ppm)
本発明に係るポリアミド樹脂により以下の効果が期待される。
(イ)成形材料、ボトル、シート、フィルム及び繊維等の用途において成形不良、外観不良、強度低下等の欠点あるいは欠陥品が減少して生産性が向上する。
(ロ)ポリアミド樹脂中へのイオン交換樹脂の混入を低減することで、製造時及び溶解成形時等の経時的なポリアミド樹脂のゲル状物質の量が抑えられる。
以下、本発明を具体的に説明する。本発明のポリアミド樹脂は、ジアミン成分に由来する構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンおよび/またはビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来するものであり、かつジカルボン酸成分に由来する構成単位が主としてアジピン酸に由来するものであり、キシリレンジアミンとビス(アミノメチル)シクロヘキサンの合計が70モル%以上であるジアミン成分とアジピン酸を主体とするジカルボン酸成分を重縮合することにより得られる。
本発明において原料として使用するジアミン成分の70モル%以上がキシリレンジアミンおよび/またはビス(アミノメチル)シクロヘキサンである。キシリレンジアミンとしてはメタ、パラ及びオルソキシリレンジアミンが例示でき、ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとしては1,2−、1,3−、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが例示できる。これらのジアミンは単独でも2種以上混合しても使用可能である。得られるポリアミド樹脂の機械的特性、ガスバリアー性等の実用的な物性から考えて、キシリレンジアミンおよび/またはビス(アミノメチル)シクロヘキサンの70モル%以上がメタキシリレンジアミンおよび/または1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンであることが好ましい。
その他のジアミンとしてはテトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、オルソフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸成分は、アジピン酸を主体とするものが好ましく、得られるポリアミド樹脂の機械的特性、ガスバリアー性等の実用的な物性から考えて、特に70モル%以上がアジピン酸であるジカルボン酸成分が好適に使用できる。アジピン酸以外のジカルボン酸としては、琥珀酸、グルタル酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらのジカルボン酸は単独でも2種以上混合しても使用可能である。また、ジアミン成分およびジカルボン酸成分以外のポリアミド構成成分としては、カプロラクタム、バレロラクタム、ラウロラクタム、ウンデカラクタム等のラクタムや、11−アミノウンデカン酸、12−アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸を例示できる。
本発明のポリアミド樹脂は、下式(1)〜(5)を全て満たす。
(d1/2)^2×3.14×φ1^2<43000 ・・・(1)
(d2/2)^2×3.14×φ2^2<180000 ・・・(2)
0.01<(2×φ1)+φ2<35 ・・・(3)
1<d1<50 ・・・(4)
1<d2<50 ・・・(5)
d1:ポリアミド樹脂中の陽イオン交換樹脂の最大長径(μm)
d2:ポリアミド樹脂中の陰イオン交換樹脂の最大長径(μm)
φ1:ポリアミド樹脂中の陽イオン交換樹脂の濃度(ppm)
φ2:ポリアミド樹脂中の陰イオン交換樹脂の濃度(ppm)
式(1)および(2)に従い、ポリアミド樹脂中に含まれる陽イオン交換樹脂あるいは陰イオン交換樹脂それぞれの最大長径および濃度の関係を規定することができる。本発明者らの知見によると、ポリアミド樹脂中のイオン交換樹脂によって加速され、ゲル状物質生成の主要因となる局所的なアミド化反応、及び高分子量重合物の架橋化反応を所定範囲内に制限すると、ゲル状物質が減少することが観測されている。更に、ポリアミド樹脂より得た厚み50μmのキャストフィルム中の目視計測による長径50μm以上のゲル数は、ポリアミド樹脂中に含まれるそれぞれのイオン交換樹脂の最大長径とポリアミド樹脂中のイオン交換樹脂の濃度に依存して増加するという結果を得ている。ポリアミド樹脂中に含まれるゲル数は、陽イオン交換樹脂に注目すれば好ましくは(d1/2)^2×3.14×φ1^2<43000を満たすものであり、より好ましくは(d1/2)^2×3.14×φ1^2<40000である。一方、陰イオン交換樹脂に注目すれば好ましくは(d2/2)^2×3.14×φ2^2<180000を満たすものであり、より好ましくは(d2/2)^2×3.14×φ2^2<170000である。
また式(3)に従い、ポリアミド樹脂中のイオン交換樹脂の全濃度の範囲を決定することができる。イオン交換樹脂の濃度はゲル状物質の主要因となる上記した望ましくない反応に大きな影響を及ぼすことから、それぞれのイオン交換樹脂が混合してポリアミド樹脂中に含まれている場合にも同様な影響を及ぼすことが容易に考えられる。また、本発明者の知見によると、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換種樹脂をそれぞれ単独で同量、同長径が含まれるポリアミド樹脂のゲル状物質の数を比較した場合、陽イオン交換樹脂を含むポリアミド樹脂の方が多くゲル状物質が観測された。これは、それぞれのイオン交換樹脂の置換基の極性が局所的なアミド化反応や高分子量重合物の架橋化反応に影響を及ぼしているものと推測され、ゲル状物質の増加の主要因となる。また、イオン交換樹脂の全濃度が増加するとゲル状物質の量も加速的に増加し、ポリアミド樹脂としての工業的価値が非常に低くなる。本発明では、0.01<(2×φ1)+φ2<35の範囲とすることにより、ゲル状物質が少ないポリアミドを得ることができ、0.01<(2×φ1)+φ2<33とすることがより好ましい。
式(4)、(5)に従いポリアミド樹脂中の陽イオン交換樹脂、あるいは陰イオン交換樹脂の最大長径の範囲を規定することができる。それぞれの最大長径が1μm以下の場合にはポリアミド樹脂中にその形状を保ちつつ残存してもキャストフィルムの目視計測において検出下限以下であり、物理的な影響は認められない。また、これら1μm以下のイオン交換樹脂が上記する望ましくない反応を促進した場合においてもゲル状物質の成長速度は検出下限値を越えるまでには至らないことから、その効果が顕著にみられる1<d1および1<d2が好ましい。より好ましくは3<d1および3<d2である。一方で、長径が大きくなるとポリアミド樹脂中に残留しイオン交換樹脂自体がゲル状物質として検出されるばかりでなく、化学的にもゲル状物質の増加の要因となるためd1<50、およびd2<50が好ましく、より好ましくはd1<40、およびd2<40である。
また、本発明のポリアミド樹脂は、成形材料、シート、ボトル、フィルム及び繊維等の用途において求められる機械的特性やガスバリアー性等の実用的な物性から考えて、ポリアミド樹脂より得た厚み50μmのキャストフィルム中の目視計測による長径50μm以上のゲル数が3000個/m以下であることが好ましく、より好ましくは2900個/m以下である。
また、本発明のポリアミド樹脂はフィルム、シート、ボトル、モノフィラなど、成形材料以外の用途で特に重要であり、当該用途では数平均分子量12000〜50000の範囲が好適に使え、好ましくは、数平均分子量15000〜45000であり、更に好ましくは20000〜40000である。
この様にして得られるポリアミド樹脂の製造方法は、溶融重合による製造方法、溶融重合した後に固相重合法により高分子量化する方法、あるいは半連続、または連続式重合装置を用いて一段階で相当するポリアミド樹脂を製造する方法等が挙げられるが、本発明はいずれの公知技術においても達成され、これらに限定されるものではない。溶融重合方法としては、例えば、溶媒の非存在下に回分式反応槽を用い、溶融状態にあるジカルボン酸成分中にジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加する方法が挙げられる。
一方、ポリアミド樹脂に不溶なイオン交換樹脂を除去するため、主たる原料であるアジピン酸に不溶なイオン交換樹脂を低減することで、その目的が達成できる。このため本発明でアジピン酸に不溶なイオン交換樹脂を規定する。
アジピン酸に混入する可能性の高いアジピン酸に不溶なイオン交換樹脂としては、アジピン酸製造プロセスで混入する可能性の高いイオン交換樹脂が例示でき、スチレンやアクリル酸のようなビニル基のあるモノマーとジビニルベンゼンを共重合させて三次元構造とした基体にスルホン酸基、カルボキシル基等を導入した陽イオン交換樹脂、及び1〜3級ヒドロアミノ基、4級アンモニウム塩基等の交換基等を導入した陰イオン交換樹脂等が例示できる。特に、発明者らの知見によると陽イオン交換樹脂はその交換基であるスルホン酸基、カルボキシル基等の交換基が陰イオン交換樹脂の交換基よりも、アミド化反応、及び高分子量重合物の架橋反応を促進することを認めており、最も除去すべき不純物である。また、これらイオン交換樹脂の形態は一般的にゲル型樹脂、およびポーラス型樹脂等が挙げられるが、本発明に関してはこれら形態に限定されない。さらに、これらのイオン交換樹脂はアジピン酸の精製工程で混入することからアジピン酸に一旦混入すると、固体状態のアジピン酸からは除去することが非常に難しい。
一方、ジカルボン酸成分の70モル%を占めるアジピン酸中に含まれる不純物は上記したイオン交換樹脂のみではなく、アジピン酸を製造する際に副生する有機化合物も挙げられる。例えば、カプロン酸、琥珀酸、グルタル酸、2−ヘキセン二酸、ヘプタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、5−シアノ吉草酸、5−ニトロ吉草酸、オクタデカン酸、ヘキサノール、シクロペンタノン等の不純物が例示できる。しかし、モノおよびその他ジカルボン酸成分はアミド化反応によりポリアミド樹脂中に取り込まれるため、ポリアミド樹脂の分析に於いては殆ど観測されない。また、重合反応中に原料であるジカルボン酸成分の分解等で発生する可能性もあるが、その量は極めて僅かであり、その様な分解物が多量に発生する重合条件が最適条件とは言い難い。
これらジカルボン酸成分の精製法は晶析操作が一般的であるが、本発明に関しては、アジピン酸を主体とするジカルボン酸成分を粘性の低い溶融状態で目開きの小さいフィルターを用いて濾過する事でモノマーの段階でイオン交換樹脂のようなアジピン酸に不溶な不純物の除去が可能であり、経済的かつ工業的に有利な方法が採用できる。
また、本発明のポリアミド樹脂はナノコンポジットあるいは酸素捕捉性材料に用いられるポリアミド樹脂としても好適に利用される。
次に実施例により本発明を更に具体的に説明する。但し本発明は以下の実施例により制限されるものではない。実施例にて説明するポリアミド樹脂の製造条件、製造方法は例示であり、適宜変更することもできるし、使用した各種製造装置も例示であり、適宜変更することができる。なお本発明における評価のための測定は以下の方法で行った。
(イ)末端アミノ基濃度
ポリアミド0.3〜0.5gを精秤し、フェノール/エタノール=4/1容量溶液30mlに20〜30℃で攪拌溶解した。完全に溶解した後、攪拌しつつメタノールを5ml加え、N/100塩酸水溶液で中和滴定して求めた。
(ロ)末端カルボキシル基濃度
ポリアミド0.3〜0.5gを精秤し、ベンジルアルコール30mlに窒素気流下、160から180℃で攪拌溶解した。完全に溶解した後、窒素気流下80℃以下まで冷却し、攪拌しつつメタノールを10ml加え、N/100水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定した。
(ハ)数平均分子量
末端アミノ基濃度及び末端カルボキシル基濃度から次式(A)により求めた。
数平均分子量=2×10/(〔NH〕+〔COOH〕)・・・・(A)
(〔NH〕は末端アミノ基濃度(μeq/g)、〔COOH〕は末端カルボキシル基濃度(μeq/g)を表す。)
(ニ)水分濃度(質量%)
ペレット2gを、三菱化学(株)製、カールフィッシャー微量水分測定装置(CA−05型)および気化装置(VA−05型)を用い、融点温度で30分の気化条件で水分量を定量し、水分濃度を求めた。
(ホ)フィルムのゲル数(個/m)
ペレットを25mmΦの押出し機を用い260℃で溶融押出し、厚み50μmのキャストフィルムを成形した。得られたフィルム1m中に存在する長径50μm以上のゲルを目視計測した。
<参考例>
〔アジピン酸の精製〕
攪拌機を備えた反応槽に10kgのアジピン酸を入れ、常圧、かつ窒素気流下にてマントルヒーターで加熱してアジピン酸を溶融させた後、目開き0.45μmのメンブレンフィルターで溶融状態のアジピン酸を濾過し、アジピン酸に含まれるイオン交換樹脂を除去した後に室温まで冷却した。次に、攪拌機を備えた反応槽に得られたアジピン酸を入れ、そこに13kgの精製水を加えて常圧、かつ窒素気流下にてマントルヒーターで加熱し、アジピン酸が完全溶解させた。その後、窒素気流下で静置し室温までゆっくり冷却し、アジピン酸の再結晶化させ目開き1μmの篩にて濾過した。得られた濾過物に三回同様な操作を施した(再結晶操作)。このようにして得られた濾過物を1mmHg、40℃の条件下にて6時間真空乾燥させ、精製アジピン酸(水分0.15重量%、純度99.85重量%)9kgを取得した。
<実施例1>
〔イオン交換樹脂の調製〕
陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)社製、DIAION、SK−1B、以後SK1Bと表記する)を粉砕機にて微粉末とした後に、篩にて最大長径を13μmとなるように揃えた。
〔ポリアミド樹脂の合成〕
攪拌機、分縮器を備えた反応槽に、精製アジピン酸600g、および生成するN−MXD6の量に対して11ppmとなるように最大長径13μmの陽イオン交換樹脂SK1B0.012gを添加し、窒素気流下にてマントルヒーターで加熱し内容物を溶融させ、180℃まで加熱したところで、常圧下で昇温しながら、純度が99.93重量%のメタキシリレンジアミン(以後、MXDAと表記する)を560g滴下した。内温が250℃に達したところでMXDAの滴下を終え、内温が255℃に達してから常圧で1時間攪拌し、取り出し空冷した後に6〜10meshの大きさに粉砕し、730gのペレット状の分子量17800のポリメタキシレンアジパミド(以後、N−MXD6と表記する)を得た。こうして得られたペレット700gを2000ccのナス型フラスコにとり、オイルバスに浸漬しつつ、エバポレーターの駆動部を利用して40rpmで回転させた。1torr以下まで減圧操作を行い、99容量%以上の窒素で常圧にする操作を3回行った。その後、オイルバスを80℃/時間の昇温速度で室温から220〜230℃まで昇温して、ペレットを加熱し固相重合を行った。ペレットの結晶化が終了し、更にペレット温度が135℃に到達してから減圧操作を開始した。ペレット温度が150℃に到達してから270分経過後、窒素常圧にして冷却を開始した。窒素気流下、ペレット温度が80℃以下になった後にサンプリングを行い、ペレット表面に付着した微粉末を除去してペレットのサイズを6〜10meshに揃えた後に531gの分子量31000の高分子N−MXD6を得た。
〔N−MXD6の評価〕
得られたN−MXD6を評価したところ、水分率0.06重量%、ゲル数2500個/mであった。得られたN−MXD6の評価結果を表1に示す。
<実施例2>
〔ポリアミド樹脂の合成〕
N−MXD6中の陽イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して17ppmとなるように最大長径13μmの陽イオン交換樹脂SK1B0.018gを添加する以外は実施例1と同じ方法にてN−MXD6を合成したところ、520gの分子量31900の高分子N−MXD6を得た。
〔N−MXD6の評価〕
得られたN−MXD6を評価したところ、水分率0.05重量%、ゲル数2900個/mであった。得られたN−MXD6の評価結果を表1に示す。
<比較例1>
〔ポリアミド樹脂の合成〕
N−MXD6中の陽イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して22ppmとなるように最大長径13μmの陽イオン交換樹脂SK1B0.024gを添加する以外は実施例1と同じ方法にてN−MXD6を合成したところ、525gの分子量31800の高分子N−MXD6を得た。
〔N−MXD6の評価〕
得られたN−MXD6を評価したところ、水分率0.07重量%、ゲル数3600個/mであり、実施例1,2と比較するとゲル数が増加した。得られたN−MXD6の評価結果を表1に示す。
<比較例2>
〔イオン交換樹脂の調製〕
陽イオン交換樹脂SK1Bを粉砕機にて微粉末とした後に、篩にて最大長径を48μmとなるように揃えた。
〔ポリアミド樹脂の合成〕
N−MXD6中の陽イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して6ppmとなるように最大長径48μmの陽イオン交換樹脂SK1B0.006gを添加する以外は実施例1と同じ方法にてN−MXD6を合成したところ、531gの分子量32000の高分子N−MXD6を得た。
〔N−MXD6の評価〕
得られたN−MXD6を評価したところ、水分率0.05重量%、ゲル数3200個/mであり、実施例1,2と比較するとゲル数が増加した。得られたN−MXD6の評価結果を表1に示す。
<実施例3>
〔イオン交換樹脂の調製〕
陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)社製、DIAION、SA−10A、以後SA10Aと表記する)を粉砕機にて微粉末とした後に、篩にて最大長径を13μmとなるように揃えた。
〔ポリアミド樹脂の合成〕
N−MXD6中の陰イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して33ppmとなるように最大長径13μmに揃えた陰イオン交換樹脂SA10A0.036gを添加する以外は実施例1と同じ方法にてN−MXD6を合成したところ、526gの分子量32500の高分子N−MXD6を得た。
〔N−MXD6の評価〕
得られたN−MXD6を評価したところ、水分率0.05重量%、ゲル数2200個/mであった。得られたN−MXD6の評価結果を表2に示す。
<実施例4>
〔イオン交換樹脂の調製〕
陰イオン交換樹脂SA10Aを粉砕機にて微粉末とした後に、篩にて最大長径を48μmとなるように揃えた。
〔ポリアミド樹脂の合成〕
N−MXD6中の陰イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して6ppmとなるように最大長径48μmに揃えた陰イオン交換樹脂SA10A0.006gを添加する以外は実施例1と同じ方法にてN−MXD6を合成したところ、518gの分子量32000の高分子N−MXD6を得た。
〔N−MXD6の評価〕
得られたN−MXD6を評価したところ、水分率0.05重量%、ゲル数2800個/mであった。得られたN−MXD6の評価結果を表2に示す。
<比較例3>
〔ポリアミド樹脂の合成〕
N−MXD6中の陰イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して46ppmとなるように最大長径13μmの陰イオン交換樹脂SA10A0.050gを添加する以外は実施例1と同じ方法にてN−MXD6を合成したところ、515gの分子量32000の高分子N−MXD6を得た。
〔N−MXD6の評価〕
得られたN−MXD6を評価したところ、水分率0.06重量%、ゲル数3500個/mであり、実施例3,4と比較するとゲル数が増加した。得られたN−MXD6の評価結果を表2に示す。
<比較例4>
〔イオン交換樹脂の調製〕
陰イオン交換樹脂SA10Aを粉砕機にて微粉末とした後に、篩にて最大長径を101μmとなるように揃えた。
〔ポリアミド樹脂の合成〕
N−MXD6中の陰イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して6ppmとなるように最大長径101μmの陰イオン交換樹脂SA10A0.006gを添加する以外は実施例1と同じ方法にてN−MXD6を合成したところ、522gの分子量33000の高分子N−MXD6を得た。
〔N−MXD6の評価〕
得られたN−MXD6を評価したところ、水分率0.04重量%、ゲル数4300個/mであり、実施例3,4と比較するとゲル数が増加した。得られたN−MXD6の評価結果を表2に示す。
<実施例5>
〔イオン交換樹脂の調製〕
陽イオン交換樹脂SK1B、および陰イオン交換樹脂SA10Aをそれぞれ粉砕機にて微粉末とした後に、篩にてそれぞれの最大長径を13μmとなるように揃えた。
〔ポリアミド樹脂の合成〕
N−MXD6中の陽イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して6ppm、かつN−MXD6中の陰イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して3ppmとなるように、それぞれ最大長径13μmに揃えた陽イオン交換樹脂SK1B0.006g、陰イオン交換樹脂SA10A0.003gを添加する以外は実施例1と同じ方法にてN−MXD6を合成したところ、515gの分子量33000の高分子N−MXD6を得た。
〔N−MXD6の評価〕
得られたN−MXD6を評価したところ、水分率0.06重量%、ゲル数2500個/mであった。得られたN−MXD6の評価結果を表3に示す。
<実施例6>
〔ポリアミド樹脂の合成〕
N−MXD6中の陽イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して11ppm、かつN−MXD6中の陰イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して11ppmとなるように、それぞれ最大長径13μmに揃えた陽イオン交換樹脂SK1B0.012g、陰イオン交換樹脂SA10A0.012gを添加する以外は実施例1と同じ方法にてN−MXD6を合成したところ、530gの分子量31000の高分子N−MXD6を得た。
〔N−MXD6の評価〕
得られたN−MXD6を評価したところ、水分率0.06重量%、ゲル数2900個/mであった。得られたN−MXD6の評価結果を表3に示す。
<比較例5>
〔ポリアミド樹脂の合成〕
N−MXD6中の陽イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して6ppm、かつN−MXD6中の陰イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して28ppmとなるように、それぞれ最大長径13μmに揃えた陽イオン交換樹脂SK1B0.006g、陰イオン交換樹脂SA10A0.030gを添加する以外は実施例1と同じ方法にてN−MXD6を合成したところ、522gの分子量34000の高分子N−MXD6を得た。
〔N−MXD6の評価〕
得られたN−MXD6を評価したところ、水分率0.06重量%、ゲル数5500個/mであり、実施例5,6と比較するとゲル数が増加した。得られたN−MXD6の評価結果を表3に示す。
<比較例6>
〔ポリアミド樹脂の合成〕
N−MXD6中の陽イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して17ppm、かつN−MXD6中の陰イオン交換樹脂の濃度が生成するN−MXD6の量に対して3ppmとなるように、それぞれ最大長径13μmに揃えた陽イオン交換樹脂SK1B0.018g、陰イオン交換樹脂SA10A0.003gを添加する以外は実施例1と同じ方法にてN−MXD6を合成したところ、513gの分子量33000の高分子N−MXD6を得た。
〔N−MXD6の評価〕
得られたN−MXD6を評価したところ、水分率0.06重量%、ゲル数3600個/mであり、実施例5,6と比較するとゲル数が増加した。得られたN−MXD6の評価結果を表3に示す。
Figure 2007031630
Figure 2007031630
Figure 2007031630
実施例1、実施例2、比較例1および比較例2をはじめとした一連の陽イオン交換樹脂存在系における検討の結果、ゲル数とイオン交換樹脂の径および濃度との相関関係が得られた。図1にゲル数と(d1/2)^2×3.14×φ1^2の関係を示す。同様に、陰イオン交換樹脂存在系および陰イオン交換樹脂陽イオン交換樹脂混在系における検討により、ゲル数と(d2/2)^2×3.14×φ2^2の関係(図2参照)とゲル数と(2×φ1)+φ2の関係(図3参照)を得た。
表1,2,3から明らかな様に、前記式(1)〜(5)を全て満たすポリアミド樹脂は、製造時及び溶解成形時等の経時的なポリアミド樹脂のゲル状物質の量が少なく抑えられ、ポリアミド樹脂の優れた特性を有し、成形品、フィルム、シート、繊維等の幅広い分野に用いられる。
ゲル数と(d1/2)^2×3.14×φ1^2の関係。 ゲル数と(d2/2)^2×3.14×φ2^2の関係。 ゲル数と(2×φ1)+φ2の関係。

Claims (7)

  1. ジアミン成分に由来する構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンおよび/またはビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来するものであり、かつジカルボン酸成分に由来する構成単位が主としてアジピン酸に由来するものであるポリアミド樹脂であって、下式(1)〜(5)を全て満たすことを特徴とするポリアミド樹脂。
    (d1/2)^2×3.14×φ1^2<43000 ・・・(1)
    (d2/2)^2×3.14×φ2^2<180000 ・・・(2)
    0.01<(2×φ1)+φ2<35 ・・・(3)
    1<d1<50 ・・・(4)
    1<d2<50 ・・・(5)
    d1:ポリアミド樹脂中の陽イオン交換樹脂の最大長径(μm)
    d2:ポリアミド樹脂中の陰イオン交換樹脂の最大長径(μm)
    φ1:ポリアミド樹脂中の陽イオン交換樹脂の濃度(ppm)
    φ2:ポリアミド樹脂中の陰イオン交換樹脂の濃度(ppm)
  2. ポリアミド樹脂より得た厚み50μmのキャストフィルム中の目視計測による長径50μm以上のゲル数が3000個/m以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂。
  3. ポリアミド樹脂の数平均分子量が12000〜50000であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂。
  4. キシリレンジアミンおよび/またはビス(アミノメチル)シクロヘキサン)の70モル%以上がメタキシリレンジアミンおよび/または1,3−ビス(アミノメチルシクロヘキサンであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂。
  5. キシリレンジアミンとビス(アミノメチル)シクロヘキサンの合計が70モル%以上であるジアミン成分とアジピン酸を主体とするジカルボン酸成分を重縮合させて得られる請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド樹脂。
  6. ジアミン成分とジカルボン酸成分を重縮合させるに際し、溶媒の非存在下に回分式反応槽を用い、溶融状態にあるジカルボン酸成分中にジアミン成分を連続的にもしくは間欠的に添加することを特徴とする請求項5に記載のポリアミド樹脂。
  7. ジカルボン酸成分を溶融状態でろ過した上で重縮合することを特徴とする請求項5に記載のポリアミド樹脂。
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