JP2002003600A - ポリアミドの製造方法、それから得られるポリアミドおよびポリアミド成形品 - Google Patents

ポリアミドの製造方法、それから得られるポリアミドおよびポリアミド成形品

Info

Publication number
JP2002003600A
JP2002003600A JP2000183790A JP2000183790A JP2002003600A JP 2002003600 A JP2002003600 A JP 2002003600A JP 2000183790 A JP2000183790 A JP 2000183790A JP 2000183790 A JP2000183790 A JP 2000183790A JP 2002003600 A JP2002003600 A JP 2002003600A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamide
polymerization
caprolactam
acid
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000183790A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhito Tachibana
泰人 立花
Koji Onishi
功治 大西
Toru Nishimura
西村  透
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2000183790A priority Critical patent/JP2002003600A/ja
Publication of JP2002003600A publication Critical patent/JP2002003600A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polyamides (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カプロラクタムを主原料とするポリアミド樹
脂の製造方法において、熱水抽出工程の時間が短く、ポ
リアミド収率が高く、かつ、未反応カプロラクタム含有
量が低いポリアミド樹脂を実用的重合時間内で製造する
方法を提供する。 【解決手段】 カプロラクタムに仕込み原料全体に対
し、0.6〜2重量%の水およびメチレン基数6以下の
脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸からなる塩をカプ
ロラクタムと該塩の総モル数に対して0.3〜3モル%
を添加し、常圧下で、重合中最高到達温度が重合反応生
成物の融点以上かつ230℃以下となる条件で重合し、
未反応カプロラクタム含有量が8重量%以下であるポリ
アミドを得ることを特徴とするポリアミドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカプロラクタムを主
原料としてポリアミド樹脂を製造する方法に関する。さ
らに詳しくは、カプロラクタムを主原料として製造され
るポリアミド樹脂であって、熱水抽出に要する時間が短
くポリアミドの収率が向上し、かつ、未反応カプロラク
タム含有量が十分に少ないポリアミド樹脂を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】カプロラクタムを主原料とするポリアミ
ド樹脂はその優れた特性を活かして衣料用繊維、産業用
繊維に使われ、さらに、自動車分野、電気・電子分野な
どにおいて射出成形品として、また、食品包装用途を中
心に押出フィルム、延伸フィルムとしても広く使われて
いる。
【0003】カプロラクタムを主原料とするポリアミド
樹脂は通常、カプロラクタムを少量の水の存在下に加熱
することによって製造される。この製造方法は比較的単
純なプロセスであり、世の中で広く採用されている製造
方法である。「ポリアミド樹脂ハンドブック」(福本修
編、日刊工業新聞社、1988年発行)の63頁〜65
頁に記載されているごく一般的なカプロラクタムの重合
方法の要約を以下に記す。
【0004】カプロラクタムをメルターで溶融し、酢酸
などの重合度調節剤を添加する。この原料を約260℃
に加熱された常圧重合塔に供給し、この重合塔内で約1
0時間の滞留の後、塔下部からストランド状にして水槽
に吐出されペレット化される。こうして得られるポリア
ミド6樹脂ペレット中には重合平衡で生じるカプロラク
タムモノマーおよびオリゴマーを含有するため、次い
で、熱水抽出塔に供給され、塔下部から送られる熱水で
向流抽出された後、ポリアミドは下部から取り出され
る。抽出後のペレットは多量の水を含んでいるため、真
空又は不活性ガス雰囲気中、約100℃で乾燥される。
【0005】このようにカプロラクタムの重合工程は極
めて簡単であるが、重合後の重合反応生成物にはが未反
応カプロラクタムを含有するため、生産性低下につなが
る以下の2つの問題点を有する。
【0006】第1の問題点は、重合後の熱水抽出工程が
必須となっている点である。この熱水抽出工程には多大
な時間とエネルギーを要する。
【0007】第2の問題点は、未反応カプロラクタムが
残留するために、重合後のポリアミドの収率が減少して
いる点である。一般的なカプロラクタムの重合では、ポ
リアミドの収率は90%未満であり、生産性の低下につ
ながっている。
【0008】以上の問題点は、いずれも未反応カプロラ
クタムに起因するものである。未反応カプロラクタムの
低減により、熱水抽出時間の短縮、及びポリアミド収率
の向上が可能となることから、重合後の未反応カプロラ
クタムが少ないポリアミドを製造する方法が求められて
いる。
【0009】未反応カプロラクタム量は平衡により支配
され、重合温度を低くすることで低減可能であることが
知られている(ポリアミド樹脂ハンドブック(福本修
編、日刊工業新聞社、1988年発行)p60)。そこ
で重合温度を低く保ち、重合を進める提案がいくつかな
されている。
【0010】特公昭50−26594号公報には、ポリ
アミドの融点から融点+20℃の温度範囲で重合するこ
とが提案されている。
【0011】この方法では、含水量0.5重量%以下の
カプロラクタムを、得られるポリアミドの融点から融点
+20℃の温度範囲で重合し、ポリアミド樹脂を製造す
る方法が教示されている。実施例によれば未反応カプロ
ラクタム量を11.1%まで減少させるために重合時間
30時間という長時間を要している。すなわち、単に重
合温度を下げただけでは、生産性が低下するのである。
【0012】特開平11−343341号公報には、ジ
カルボン酸/ジアミンの存在下、得られるポリアミドの
融点以下で重合することが提案されている。
【0013】この方法では、ジカルボン酸とジアミンの
存在下、得られるポリアミドの融点以下で重合すること
によりオリゴマー量の少ないポリアミド樹脂を製造し、
得られたポリアミド樹脂を減圧加熱することでカプロラ
クタム、オリゴマーを除去する方法が教示されている。
重合時間20時間未満という実生産に適用可能な条件で
実施例を見れば、重合時間13時間で未反応カプロラク
タム含有量が8.51重量%という例が示されている
が、まだ、改善の余地があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、カプロ
ラクタムを主原料とするポリアミド樹脂の製造方法にお
いて、未反応カプロラクタム含有量が低い、高品質のポ
リアミド樹脂を実用的な重合時間で製造できる方法はこ
れまで知られていなかった。
【0015】そこで本発明者らは、上記した従来技術の
問題点を解決し、熱水抽出工程の時間短縮とポリアミド
収率向上を達成するための、未反応カプロラクタム含有
量が低いポリアミド樹脂を実用的な重合時間で製造する
方法を提供することを、主たる目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために鋭意検討を重ねた結果、特定のジアミンとジカル
ボン酸からなるナイロン塩存在下、重合中最高到達温度
が重合反応生成物の融点以上かつ230℃以下となる条
件で重合することにより、未反応カプロラクタム含有量
が大幅に少ないポリアミド樹脂が製造可能であることを
見出し、本発明に到達した。
【0017】すなわち、本発明の目的は、 1.カプロラクタムに仕込み原料全体に対し、0.6〜
2重量%の水およびメチレン基数6以下の脂肪族ジアミ
ンと芳香族ジカルボン酸からなる塩をカプロラクタムと
該塩の総モル数に対して0.3〜3モル%を添加し、常
圧下で、重合中最高到達温度が重合反応生成物の融点以
上かつ230℃以下となる条件で重合し、未反応カプロ
ラクタム含有量が8重量%以下であるポリアミドを得る
ことを特徴とするポリアミドの製造方法。 2.該製造方法から得られたポリアミド。 3.該ポリアミドを成形して得られるポリアミド成形
品。により達成される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0019】本発明の製造方法で用いられるポリアミド
樹脂の原料はカプロラクタムを主成分とするが、発明の
目的を阻害しない範囲で、他のラクタム、アミノ酸、ジ
カルボン酸とジアミンからなる塩から選ばれる1種又は
2種以上を20mol%を越えない範囲で混合して用い
てもかまわない。カプロラクタム以外のラクタムの例と
しては、バレロラクタム、エナントラクタム、カプリル
ラクタム、ウンデカラクタム、ラウロラクタムなどを挙
げることができ、これらのうち、ウンデカラクタム、ラ
ウロラクタムが好ましい。
【0020】本発明の製造方法は脂肪族ジアミンを用
い、該脂肪族ジアミンとしてメチレン基数6以下の脂肪
族ジアミンを用いることが必要である。メチレン基数は
5以下であることが好ましい。本発明に採用しうるジア
ミンとして具体的には、エチレンジアミン(1,2−ジ
アミノエタン)、トリメチレンジアミン(1,3−ジア
ミノプロパン)、テトラメチレンジアミン(1,4−ジ
アミノブタン)、ペンタメチレンジアミン(1,5−ジ
アミノペンタン)、ヘキサメチレンジアミン(1,6−
ジアミノヘキサン)、2−メチルペンタメチレンジアミ
ン(2−メチル−1,5−ジアミノペンタン)、などを
挙げることができ、これらのうち、ヘキサメチレンジア
ミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタメチ
レンジアミン、テトラメチレンジアミン、トリメチレン
ジアミン、エチレンジアミンを用いることが好ましく、
ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジ
アミン、テトラメチレンジアミン、トリメチレンジアミ
ン、エチレンジアミンが特に好ましい。なお、これらの
脂肪族ジアミンは2種以上用いても構わない。
【0021】本発明の製造方法は芳香族ジカルボン酸を
用いることが必要である。芳香族ジカルボン酸の種類と
しては特に制限はないが、具体的には、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビ
安息香酸などが挙げられる。中では、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビ安息香酸を用
いることが好ましく、さらにはテレフタル酸、イソフタ
ル酸を用いることが好ましく、特にテレフタル酸を用い
ることが好ましい。なお、これらの芳香族ジカルボン酸
は2種以上用いても構わない。
【0022】本発明の製造方法は、上記の脂肪族ジアミ
ンと芳香族ジカルボン酸からなる塩をカプロラクタムと
該塩の総量に対し、0.3〜3モル%添加し、重合する
ことが必要である。添加量としては好ましくは0.4〜
2.5モル%であり、さらには0.5〜2.0モル%で
あることが好ましい。0.3モル%未満では必要な重合
時間が長く、また未反応残モノマーが多くなり、3.0
モル%を越えると樹脂物性の低下を招くため好ましくな
い。
【0023】本発明の製造方法においては、上記した脂
肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸からなる塩は塩調整
後に添加する態様や、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボ
ン酸を実質等モル添加し、系内で塩として調整する態様
も含む。
【0024】一般に重合温度を低く抑えると重合時間が
長くなるが、カプロラクタムにアミノ酸および/または
ジカルボン酸とジアミンの塩を添加して重合すると、こ
れらが活性化剤として作用するために重合反応速度が向
上し、重合温度を下げても重合時間が長くならないとい
う利点がある。特に本発明の脂肪族ジアミンと芳香族ジ
カルボン酸からなる塩を特定条件下に用いると重合反応
速度向上効果が極めて大きくなるのである。
【0025】本発明の製造方法は、常圧下にて重合する
ことが必要である。加圧下での重合は常圧下での重合に
比べて装置の保守に多大な労力を要し、生産性に劣るも
のとなるのである。
【0026】本発明の製造方法では、仕込み原料全体に
対し、水を0.6〜2重量%添加することが必要であ
る。0.6重量%未満では重合反応の進行が遅くて生産
性が低下し、2重量%を越えるとオリゴマー含有量が増
加して熱水抽出の効率を低下させる。
【0027】重合系中の水の量は、重合開始前に水分を
含有しないカプロラクタムに添加して調整しても良く、
2重量%を越える水分を含有するカプロラクタムから水
分を揮発除去して調整しても構わない。
【0028】本発明の製造方法に用いる重合装置には特
に制限はなく、一般的にカプロラクタムの重合に用いら
れる装置を用いることができる。具体的には常圧連続重
合塔、バッチ式重合缶などの液相重合装置が挙げられ
る。
【0029】本発明の製造方法に言う重合反応生成物と
は、重合反応の進行に伴って得られる組成物であり、主
にポリアミド、未反応カプロラクタム、オリゴマーから
なる混合物である。
【0030】重合反応の進行に伴い、重合反応生成物中
のポリアミド、オリゴマーの組成は増加し、未反応カプ
ロラクタムの組成は減少する。重合の際、オリゴマーの
組成は未反応カプロラクタム、ポリアミドに比較して少
量であることから、重合反応生成物の融点は、未反応カ
プロラクタムと生成するポリアミドの比率により決ま
る。従って、重合反応生成物の融点は、重合開始時は主
原料であるカプロラクタムの融点に略等しく、重合が進
行するにつれ生成するポリアミドの融点に近づく。
【0031】本発明の製造方法では、重合中最高到達温
度が重合反応生成物の融点以上かつ230℃以下となる
条件で重合を行うことが必要である。重合中最高到達温
度が230℃を越えると未反応カプロラクタム含有量が
増加し、重合反応生成物の融点未満となるとポリアミド
の析出を生じ、重合装置からの重合反応生成物の吐出が
困難となるおそれがある。
【0032】上記の条件を満たせば、重合温度プロファ
イルは常法に従って任意に設定できる。ただし重合温度
が低すぎると重合に要する時間が長くなり、生産効率が
低下する。そのため重合温度は160〜230℃の範囲
が用いられることが好ましく、180〜230℃の範囲
が用いられることがより好ましい。
【0033】本発明の製造方法は、最終的に得られる重
合反応生成物中の未反応カプロラクタム含有量は8重量
%以下であることが必要である。好ましくは7.5重量
%以下であり、さらに好ましくは7重量%以下である。
8重量%を越えると熱水抽出工程の時間短縮が不十分
で、生産性に劣りポリアミド収率も低下するため好まし
くない。未反応カプロラクタム含有量の下限に制限はな
いが、通常約4重量%である。
【0034】本発明の製造方法においては、好ましくポ
リアミドの融点未満の温度かつ減圧下で加熱処理する固
相減圧処理を行うことができ、かかる処理により押出成
形などポリアミドが高粘度であることを要求される用途
に適した、所望の重合度のポリアミドを得ることができ
る。
【0035】本発明の製造方法で最終的に得られるポリ
アミド樹脂の重合度は、サンプル濃度を0.01g/m
Lとした98%硫酸溶液の25℃における相対粘度とし
て、2.2〜8.0であることが好ましい。さらに好ま
しくは2.2〜7.0であり、特に好ましくは2.2〜
6.5であり、最も好ましくは2.2〜6.0である。
相対粘度として2.2未満では機械物性の発現が不十分
であり、8.0を越えると溶融粘度が高すぎて成形が困
難となる。
【0036】本発明の製造方法では、必要に応じてカル
ボン酸化合物またはアミン化合物を用いることで末端を
封鎖することができる。モノカルボン酸および/または
モノアミンを添加して末端封鎖する場合には、得られた
ポリアミド樹脂の末端基濃度が末端封鎖剤を使用しない
場合に比べて低下する。一方、ジカルボン酸又はジアミ
ンで末端封鎖した場合には全末端基量は変化しないが、
アミノ末端基とカルボキシル末端基との比率を変えるこ
とができる。カルボン酸化合物の具体例としては、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナン
ト酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウ
リル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、アラキン酸のような脂肪族モノカルボン酸、シク
ロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキサンカルボン
酸のような脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル
酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸のような芳香族モノ
カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラ
シリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オク
タデカン二酸のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸のような芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0037】アミン化合物の具体例としては、ブチルア
ミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミ
ン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニ
ルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシル
アミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペン
タデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルア
ミン、ノナデシルアミン、イコシルアミンのような脂肪
族モノアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘ
キシルアミンのような脂環式モノアミン、ベンジルアミ
ン、β−フェニルエチルアミンのような芳香族モノアミ
ン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタ
ン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプ
タン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノ
ナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノ
ウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−
ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカ
ン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジア
ミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、
1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノ
ノナデカン、1,20−ジアミノエイコサンなどの脂肪
族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−ア
ミノヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリ
レンジアミンのような芳香族ジアミンなどが挙げられ
る。
【0038】末端封鎖剤の添加方法としては重合初期に
カプロラクタム等の原料と同時に仕込む方法、重合途中
で添加する方法、ポリアミド樹脂を溶融状態で未反応カ
プロラクタム及びオリゴマーを除去する際に添加する方
法などが採用される。末端封鎖剤はそのまま添加しても
良いし、少量の溶剤に溶解して添加しても構わない。
【0039】本発明の製造方法で得られたポリアミドは
さらに、未反応カプロラクタム、オリゴマーを、熱水抽
出によって除去しても良く、減圧下で加熱することによ
り揮発除去しても良く、減圧下で加熱して、未反応カプ
ロラクタム、オリゴマーを除去した後、さらに熱水抽出
を行っても良い。
【0040】本発明の製造方法においては、必要に応じ
て例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノー
ル系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの
置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レ
ゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール
系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型
剤及び滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族
ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、
顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラ
ック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、
結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可
塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼ
ンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェ
ート型アニオン系帯電防止剤、四級アンモニウム塩型カ
チオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイ
ン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンシアヌレー
ト、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸
化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、
臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネー
ト、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤
と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、充填剤(グラ
ファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、硫化亜鉛、
亜鉛、鉛、ニッケル、アルミニウム、銅、鉄、ステンレ
ス、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の粒子状、
繊維状、針状、板状充填材)、他の重合体(他のポリア
ミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、
ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェ
ニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリ
エーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチ
レン等)を任意の時点で添加することができる。
【0041】本発明の製造方法によって得られたポリア
ミドは、従来のポリアミドと同様に、通常の成形方法に
よって成形品とすることができる。ここで言う成形品と
は射出成形等による狭義の成形品の他、繊維やフィルム
等をも含む。
【0042】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例及び比較例に記した分析及び測定は
次の方法に従って行った。
【0043】(1)カプロラクタム含有量 ポリアミド樹脂を粉砕し、JIS標準ふるい24mesh通
過124mesh不通過の粉末を集め、メタノールで3時間
ソックスレイ抽出し、抽出液中に含まれるカプロラクタ
ムを高速液体クロマトグラフを用いて定量した。測定条
件は下記のとおりである。 高速液体クロマトグラフ:ウォーターズ社600E カラム :GLサイエンス社 ODS−3 検出器 :ウォーターズ社484Tunable Absorbance Detector 検出波長 :254nm インジェクション体積:10μl 溶媒 :メタノール/水(20:20(体積比)) 流速 :1ml/min。
【0044】(2)硫酸相対粘度(ηr) 98%硫酸中、0.01g/ml濃度、25℃で測定を
行った。
【0045】(3)ポリアミド収率 ポリアミド樹脂を粉砕し、JIS標準ふるい24mesh通
過124mesh不通過の粉末を集め、メタノールで3時間
ソックスレイ抽出し、不溶部分の重量より算出した。
【0046】(4)必要な熱水抽出時間 得られたポリアミド樹脂中の未反応カプロラクタム量を
0.05重量%以下にまで低減するために必要な抽出時
間を測定した。抽出にはポリアミド樹脂の円筒状ペレッ
ト(直径約2mm、長さ約3mm)を用いた。抽出条件
は以下の通り。 抽出溶媒:水 抽出浴比:ポリマー/水=1:20 抽出温度:98℃。
【0047】実施例及び比較例で使用した原料は以下の
とおり。
【0048】カプロラクタムは東京化成工業株式会社の
特級品を溶融し、モレキュラーシーブで乾燥したものを
使用した。
【0049】ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレン
ジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、テトラ
メチレンジアミン、エチレンジアミン、テレフタル酸、
アジピン酸は東京化成工業株式会社の特級品をそのまま
使用した。
【0050】実施例、比較例中で使用したナイロン塩は
上記のジアミン、ジカルボン酸を等モル量、熱水に溶解
した後に冷却、析出した結晶を濾過、80℃/8h真空
乾燥したのち使用した。
【0051】実施例1 3Lのステンレス製オートクレーブにカプロラクタム1
000g、及び表1、2に示す原料を仕込み、窒素置換
の後常圧窒素パージしながら、ポリアミド樹脂を調製し
た。重合温度プロファイルは表1に示すとおり、重合開
始時から7時間までは180℃、7時間以降重合終了ま
では220℃とした。重合終了時の重合温度が重合中最
高到達温度である。
【0052】なお、表1中mol%とはカプロラクタム
とナイロン塩のモル数を100%とした際の各成分のモ
ル換算組成を示し、wt%とは原料組成物中の水分の重
量組成を示す。表2も同様である。
【0053】得られたポリアミドの分析結果を表1に示
す。得られたポリアミド中の未反応カプロラクタム含有
量は大幅に少なく、ポリアミドの収率も向上しているこ
とがわかる。また必要な熱水抽出時間も短く、生産性に
優れていることがわかる。
【0054】実施例2〜4、比較例1〜2 3Lのステンレス製オートクレーブにカプロラクタム1
000g、及び表1、2に示す原料を仕込み、窒素置換
の後密閉して表1、2に示す条件でポリアミド樹脂を調
製した。
【0055】重合反応混合物はストランド状に吐出後、
カッターで切断し、円筒状ペレット(直径約2mm、長
さ約3mm)とした。なお、実施例、比較例においては
表1〜2に記載された重合温度(重合終了時)が重合中
最高到達温度である。
【0056】得られた円筒状ペレットをを粉砕し、JI
S標準ふるい24mesh通過124mesh不通過の粉末を集
め、未反応カプロラクタム含有量、硫酸相対粘度、ポリ
アミド収率の分析に供した。必要な熱水抽出時間の測定
は、先の円筒状ペレットをそのまま用いた。
【0057】実施例1〜4と比較例1〜2との対比か
ら、本発明の製造方法で得られたポリアミド樹脂は、未
反応カプロラクタム量が大幅に少なく、ポリアミドの収
率も向上していることがわかる。
【0058】実施例1〜4と比較例1〜2の要抽出時間
の対比より、本発明の製造方法により得られたポリアミ
ドは短時間で未反応カプロラクタムが抽出可能であり、
生産性に優れていることがわかる。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法は、実
用的な重合時間内に未反応カプロラクタムを大幅に低減
でき、熱水抽出工程の時間短縮とポリアミド収率の向上
が可能となり、高生産効率かつ低エネルギーコストでポ
リアミド樹脂を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA54 AH04 AH19 BC01 4J001 DA01 DB04 DC14 EA02 EA05 EA06 EA08 EB35 EB36 EB37 EB46 EB55 EC04 EC05 EC06 EC07 EC08 EE08F FA03 FB03 FC03 GA03 GA12 GA15 GB02 GB03 GB06 JA10 JA12 JB02 JB50

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カプロラクタムに仕込み原料全体に対
    し、0.6〜2重量%の水およびメチレン基数6以下の
    脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸からなる塩をカプ
    ロラクタムと該塩の総モル数に対して0.3〜3モル%
    を添加し、常圧下で、重合中最高到達温度が重合反応生
    成物の融点以上かつ230℃以下となる条件で重合し、
    未反応カプロラクタム含有量が8重量%以下であるポリ
    アミドを得ることを特徴とするポリアミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 重合時間を20時間未満とすることを特
    徴とする請求項1記載のポリアミドの製造方法。
  3. 【請求項3】 重合時間を15時間未満とすることを特
    徴とする請求項2記載のポリアミドの製造方法。
  4. 【請求項4】 使用する脂肪族ジアミンのメチレン基数
    が5以下であることを特徴とする請求項1から3のいず
    れかに記載のポリアミドの製造方法。
  5. 【請求項5】 脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸が
    ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の塩、ペンタメ
    チレンジアミンとテレフタル酸の塩、2−メチルペンタ
    メチレンジアミンとテレフタル酸の塩、テトラメチレン
    ジアミンとテレフタル酸の塩、トリメチレンジアミンと
    テレフタル酸の塩、エチレンジアミンとテレフタル酸の
    塩の中から選ばれた少なくとも一種であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミドの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 さらにポリアミドの融点未満の温度かつ
    減圧下で加熱処理する固相減圧処理によって所望の重合
    度に調製することを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載のポリアミドの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方
    法から得られたポリアミド。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のポリアミドを成形して
    得られるポリアミド成形品。
JP2000183790A 2000-06-19 2000-06-19 ポリアミドの製造方法、それから得られるポリアミドおよびポリアミド成形品 Pending JP2002003600A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000183790A JP2002003600A (ja) 2000-06-19 2000-06-19 ポリアミドの製造方法、それから得られるポリアミドおよびポリアミド成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000183790A JP2002003600A (ja) 2000-06-19 2000-06-19 ポリアミドの製造方法、それから得られるポリアミドおよびポリアミド成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002003600A true JP2002003600A (ja) 2002-01-09

Family

ID=18684314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000183790A Pending JP2002003600A (ja) 2000-06-19 2000-06-19 ポリアミドの製造方法、それから得られるポリアミドおよびポリアミド成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002003600A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007519770A (ja) * 2003-12-19 2007-07-19 ロディア インダストリアル ヤーンズ アーゲー 補強材及び熱可塑性マトリックスを含む複合材料、この材料の前駆体複合物品及びこの材料を用いて得られる製品
JP2007332353A (ja) * 2006-05-16 2007-12-27 Mitsubishi Chemicals Corp ポリアミド樹脂
JP2010121113A (ja) * 2008-10-22 2010-06-03 Toray Ind Inc ポリアミド樹脂およびポリアミド樹脂組成物
WO2012118107A1 (ja) * 2011-03-02 2012-09-07 ユニチカ株式会社 ポリアミド樹脂の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007519770A (ja) * 2003-12-19 2007-07-19 ロディア インダストリアル ヤーンズ アーゲー 補強材及び熱可塑性マトリックスを含む複合材料、この材料の前駆体複合物品及びこの材料を用いて得られる製品
JP2007332353A (ja) * 2006-05-16 2007-12-27 Mitsubishi Chemicals Corp ポリアミド樹脂
JP2010121113A (ja) * 2008-10-22 2010-06-03 Toray Ind Inc ポリアミド樹脂およびポリアミド樹脂組成物
WO2012118107A1 (ja) * 2011-03-02 2012-09-07 ユニチカ株式会社 ポリアミド樹脂の製造方法
CN103298852A (zh) * 2011-03-02 2013-09-11 尤尼吉可株式会社 聚酰胺树脂的制造方法
JP5335160B2 (ja) * 2011-03-02 2013-11-06 ユニチカ株式会社 ポリアミド樹脂の製造方法
KR101835451B1 (ko) 2011-03-02 2018-03-08 유니띠까 가부시키가이샤 폴리아미드 수지의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4491848B2 (ja) ポリアミドの製造方法
KR101672066B1 (ko) 락탐 및 디아민과 디카르복실산의 염으로부터 코폴리아미드의 연속 제조 방법
US20080033143A1 (en) Polyamide prepolymer and polyamide, and method for producing them
JP2008081634A (ja) ポリアミドプレポリマーおよびポリアミドの製造方法
BRPI0718502A2 (pt) Uso de evaporadores de tubo helicoidal, e, processo para preparar poliamidas baseadas em poliamida 6
JP4605811B2 (ja) 高分子ポリアミドの製造方法
JP2002003600A (ja) ポリアミドの製造方法、それから得られるポリアミドおよびポリアミド成形品
JP4329292B2 (ja) ポリアミドプレポリマーの製造方法およびポリアミドの製造方法
JP2002003599A (ja) ポリアミドの製造方法、それから得られるポリアミドおよびポリアミド成形体
JP2000327774A (ja) ナイロン樹脂の製造方法
JP5103755B2 (ja) ポリアミドの製造方法
JP4258152B2 (ja) ポリアミドの製造方法
JP5098187B2 (ja) ポリアミドの製造方法
EP2566910B1 (en) Process for the production of pa-410 and pa-410 obtainable by that process
JP4168481B2 (ja) ナイロン樹脂の精製方法
KR20020025779A (ko) 폴리아미드 제조방법
JP2000256461A (ja) ナイロン樹脂の製造方法、及びナイロン樹脂組成物の製造方法
JP2001200055A (ja) ポリアミド樹脂の製造法およびポリアミド繊維
JP5050367B2 (ja) ポリカプロアミドの製造方法
JP2008274086A (ja) ポリアミドの製造方法
JP2003082095A (ja) ポリアミドの製造方法
JP2003261677A (ja) ポリアミドプレポリマーおよびポリアミドの製造方法
JP2005162927A (ja) カプロラクタムよりポリアミド樹脂を製造する方法
JPH11349682A (ja) ナイロン樹脂の製造方法及びナイロン樹脂
JP3601231B2 (ja) ラクタムオリゴマ組成物、その製造方法、触媒、およびポリカプロラクタムの製造方法