JP2000327774A - ナイロン樹脂の製造方法 - Google Patents

ナイロン樹脂の製造方法

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JP2000327774A
JP2000327774A JP11139155A JP13915599A JP2000327774A JP 2000327774 A JP2000327774 A JP 2000327774A JP 11139155 A JP11139155 A JP 11139155A JP 13915599 A JP13915599 A JP 13915599A JP 2000327774 A JP2000327774 A JP 2000327774A
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Japan
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nylon
acid
thin film
resin
nylon resin
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JP11139155A
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Inventor
Yasuhito Tachibana
泰人 立花
Shigeru Okita
茂 沖田
Minoru Noda
稔 野田
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナイロン樹脂に含まれる未反応モノマーを高
効率で回収し、該回収モノマーを用いて高品位のナイロ
ン樹脂を製造する。 【解決手段】 未反応モノマーを含有するナイロン樹脂
を溶融状態で縦型攪拌式薄膜蒸発機を通過させ、留出す
る揮発性成分をコンデンサーへ導入して未反応モノマー
を凝縮させ、該凝縮した未反応モノマーを原料としてナ
イロン樹脂を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦型攪拌式薄膜蒸
発機を用いてナイロン樹脂を処理することにより未反応
モノマーを回収し該回収モノマーを重合原料として有効
に使用するナイロン樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリマー製造プロセスにおいてモ
ノマーの反応率が100%となることは極めてまれであ
り、通常は少量のモノマーが未反応のままポリマー中に
残存する。モノマーが残存しても品質及び製造コストに
も影響しない場合にはそのまま製品とすればよいが、通
常は未反応モノマーによって品質の低下、あるいはコス
ト上昇という問題が生じるため、何らかの方法によって
未反応モノマーの回収・再使用が行われている。
【0003】例えば、ナイロン6樹脂の場合、ε−カプ
ロラクタムに水を加えて加熱することによって製造され
るが、平衡反応のために約10%のε−カプロラクタム
が残存する。このままではナイロン6樹脂としての商品
価値が低い上に、約10%のモノマー損失によりコスト
が上昇するので、重合終了後に熱水抽出を行って未反応
ε−カプロラクタムを水溶液として取り出し、この水溶
液から未反応ε−カプロラクタムを回収している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の水抽出による未
反応ラクタムの回収率は極めて高く、ポリマー中のモノ
マー濃度を0.02重量%以下にまで低減することが可
能である。しかしながら、得られた抽出水からラクタム
を回収してナイロン樹脂製造プロセスに再使用するには
多量の水を蒸発させる必要がある上に水分除去した後の
残渣を蒸留して高純度のε−ラクタムを取り出す必要が
あり、エネルギーコストが高いという問題がある。そこ
で本発明では未反応モノマーを低エネルギーコストで回
収し、かつ製造プロセスへ再使用できるようにすること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために鋭意検討を重ねた結果、未反応モノマーを含有す
るナイロン樹脂を溶融状態で縦型攪拌式薄膜蒸発機を通
過させ、その際に該縦型攪拌式薄膜蒸発機から留出され
る未反応モノマー含有の揮発性成分をコンデンサーへ導
入して凝縮させることにより未反応モノマーが高効率で
回収できること、しかもこの回収物はこのまま、あるい
は蒸留することによってナイロン重合原料として使える
ことを見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は次のとおりである。 1. 未反応モノマーを含有するナイロン樹脂を溶融状
態で縦型攪拌式薄膜蒸発機を通過させ、該縦型攪拌式薄
膜蒸発機から留出される未反応モノマー含有の揮発性成
分をコンデンサーへ導入して凝縮させ、凝縮させた未反
応モノマーを重合原料として使用するナイロン樹脂の製
造方法。 2. 凝縮させた未反応モノマーを、蒸留した後に重合
原料として使用する前記1項記載のナイロン樹脂の製造
方法。 3. ナイロン樹脂が、ナイロン6、ナイロン11、ナ
イロン12、これらの構造単位の少なくとも1種が共重
合されたナイロン共重合体、これらのナイロン樹脂を1
成分として含むナイロンブレンド物から選ばれる少なく
とも1種である前記1又は2項記載のナイロン樹脂の製
造方法。 4. ナイロン樹脂が、ナイロン6又はナイロン6/ナ
イロン66共重合体のいずれかである前記1又は2項記
載のナイロン樹脂の製造方法。
【0007】5. 縦型攪拌式薄膜蒸発機が、内周面が
加熱蒸発面となっている円筒形で縦型の減圧可能な密閉
式容器を設け、該容器の上部に原料供給口を、下部に処
理液取出口を設けるとともに、該容器の中心軸上部に上
部回転軸を、下部に下部回転軸を設け、上部回転軸の上
部側に原料供給口から導入された原料液を容器内周面に
分散させる分散ユニットを、その下側に原料液を容器内
周面全体に攪拌しながら薄膜化させる薄膜ユニットを設
け、更に下部回転軸に薄膜化ユニットから流下する処理
液を処理液取出口へ向け排出するスクリュー排出機構を
設けけ、かつ、上部回転軸と下部回転軸とを相対回転可
能に接続し、互いに独立の駆動源により回転駆動させる
装置構造の薄膜蒸発装置である前記1〜4項のいずれか
に記載のナイロン樹脂の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明法において用いるナイロン樹脂は、
ラクタム、アミノカルボン酸、ジカルボン酸/ジアミン
の混合物、ジカルボン酸誘導体/ジアミンの混合物、ジ
カルボン酸/ジアミンの塩、およびこれらの2種以上の
混合物を重合して得られるナイロン樹脂を意味する。
【0009】ラクタムの具体例としては、2−アゼチジ
ノン、2−ピロリジノン、δ−バレロラクタム、ε−カ
プロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、
ウンデカラクタム、ラウロラクタムなどを挙げることが
でき、これらのうち、ε−カプロラクタム、ウンデカラ
クタム、ラウロラクタムが好ましく、特にε−カプロラ
クタムが好ましい。なお、これらのラクタムは2種以上
の混合物で使用することもできる。アミノカルボン酸の
具体例としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘ
プタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン
酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン
酸、12−アミノドデカン酸などを挙げることができ、
これらのうち、6−アミノカプロン酸、11−アミノウ
ンデカン酸、12−アミノドデカン酸が好ましく、特に
6−アミノカプロン酸が好ましい。なお、これらのアミ
ノカルボン酸は2種以上の混合物で使用することもでき
る。
【0010】ジカルボン酸/ジアミンの混合物、ジカル
ボン酸誘導体/ジアミンの混合物、ジカルボン酸/ジア
ミンの塩で用いられるジカルボン酸の具体例としては、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テ
トラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸
のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸のような脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のような
芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、アジピン酸、セバ
シン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸が
好ましく、特にアジピン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸が好ましい。なお、これらのジカルボン酸は2種以上
の混合物で使用することもできる。
【0011】ジカルボン酸/ジアミンの混合物、ジカル
ボン酸誘導体/ジアミンの混合物、ジカルボン酸/ジア
ミンの塩で用いられるジアミンの具体例としては、1,
4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,
6−ジアミノヘキサン、2−メチル−1,5−ジアミノ
ペンタン(MDP)、1,7−ジアミノヘプタン、1,
8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,
10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカ
ン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノ
トリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,1
5−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサ
デカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−
ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカ
ン、1,20−ジアミノエイコサンなどの脂肪族ジアミ
ン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノヘキ
シル)メタンのような脂環式ジアミン、m−キシリレン
ジアミン、p−キシリレンジアミンのような芳香族ジア
ミンなどが挙げられ、特に脂肪族ジアミンが好ましく、
とりわけヘキサメチレンジアミンが好ましく用いられ
る。なお、これらのジアミンは2種以上の混合物で使用
することもできる。
【0012】本発明法の適用が好ましいナイロン樹脂と
しては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナ
イロン12、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナ
イロン6T及び/または6I単位を含有する半芳香族ナ
イロンまたはこれらナイロン樹脂の共重合体が挙げられ
る。とりわけ、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6
/ナイロン66共重合体が好ましい。
【0013】ナイロン樹脂は例えばナイロン原料を触媒
の存在下または不存在下で加熱して行うナイロン重合方
法により製造される。その重合時に攪拌はあっても無く
てもよいが、均質な生成物を得るには攪拌した方が好ま
しい。重合温度は目的とする前重合物の重合度、反応収
率、反応時間に応じて任意に設定可能であるが、最終的
に得られるナイロン樹脂の品質を考慮すれば低温の方が
好ましい。反応率についても任意に設定できる。圧力に
ついて制限はないが揮発性成分を効率よく系外に抜出す
ためには系内を減圧とすることが好ましい。
【0014】本発明法で扱うナイロン樹脂は、必要に応
じてカルボン酸化合物またはアミン化合物で末端を封鎖
してあってもよい。モノカルボン酸及び/又はモノアミ
ンを添加して末端封鎖する場合には、得られたナイロン
樹脂の末端アミノ基または末端カルボキシル基濃度が末
端封鎖剤を使用しない場合に比べて低下する。一方、ジ
カルボン酸又はジアミンで末端封鎖した場合には末端ア
ミノ基と末端カルボキシル基濃度の和は変化しないが、
アミノ末端基とカルボキシル末端基との濃度の比率が変
化する。
【0015】カルボン酸化合物の具体例としては、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナン
ト酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウ
リル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、アラキン酸のような脂肪族モノカルボン酸、シク
ロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキサンカルボン
酸のような脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル
酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸のような芳香族モノ
カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラ
シリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オク
タデカン二酸のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸のような芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0016】アミン化合物の具体例としては、ブチルア
ミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミ
ン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニ
ルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシル
アミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペン
タデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルア
ミン、ノナデシルアミン、イコシルアミンのような脂肪
族モノアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘ
キシルアミンのような脂環式モノアミン、ベンジルアミ
ン、β−フェニルエチルアミンのような芳香族モノアミ
ン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタ
ン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプ
タン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノ
ナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノ
ウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−
ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカ
ン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジア
ミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、
1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノ
ノナデカン、1,20−ジアミノエイコサンなどの脂肪
族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−ア
ミノヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリ
レンジアミンのような芳香族ジアミンなどが挙げられ
る。
【0017】ナイロン樹脂の末端基濃度に特に制限はな
いが、繊維用途で染色性を高める必要がある場合や樹脂
用途でアロイ化に適した材料を設計する場合等には末端
アミノ基濃度が高い方が好ましい。また、長期エージン
グ条件下での着色やゲル化を抑制したい場合などは逆に
末端アミノ基濃度が低い方が好ましい。更に再溶融時の
ラクタム再生、オリゴマー生成による溶融紡糸時の糸切
れ、連続射出成形時のモールドデポジット、フィルムの
連続押出におけるダイマーク発生を抑制したい場合には
末端カルボキシル基濃度及び末端アミノ基濃度が共に低
い方が好ましい。適用する用途によって末端基濃度を調
製すればよいが、末端アミノ基濃度、末端カルボキシル
基濃度共に、好ましくは、1.0×10-5〜15.0×
10-5eq/g、より好ましくは2.0×10-5〜1
2.0×10-5eq/g、特に好ましくは3.0×10
-5〜11.0×10-5eq/gである。
【0018】また、末端封鎖剤の添加方法としては重合
初期にカプロラクタム等の原料と同時に仕込む方法、重
合途中で添加する方法、ナイロン樹脂を溶融状態で縦型
攪拌式薄膜蒸発機を通過させる際に添加する方法などが
採用される。末端封鎖剤はそのまま添加してもよいし、
少量の溶剤に溶解して添加してもよい。
【0019】縦型攪拌式薄膜蒸発機に供給する際のナイ
ロン樹脂に含まれる未反応モノマー及び他の揮発性成分
の量は特に制限は無いが、少ないほど回収率が高いの
で、通常は50%以下、好ましくは40%以下、更に好
ましくは30%以下とする。
【0020】本発明法で用いる縦型攪拌式薄膜蒸発機と
は、減圧機能を有する縦長容器であって、その上部から
原料(液状物)を投入すると、原料の自然落下あるいは
強制掻き下げによって原料の薄膜が形成され、容器下部
に移動すると同時に原料中に含まれる揮発性成分が減圧
除去される構造になっている装置のことを意味する。こ
のような要件を満足する装置であれば特に限定されない
が、次のような構造を有する装置が好ましい。
【0021】内周面が加熱蒸発面となっている円筒形で
縦型の減圧可能な密閉式容器を設け、該容器の上部に原
料供給口を、下部に処理液取出口を設けるとともに、該
容器の中心軸上部に上部回転軸を、下部に下部回転軸を
設け、上部回転軸の上部側に原料供給口から導入された
原料液を容器内周面に分散させる分散ユニットを、その
下側に原料液を容器内周面全体に攪拌しながら薄膜化さ
せる薄膜ユニットを設け、更に下部回転軸に薄膜化ユニ
ットから流下する処理液を処理液取出口へ向け排出する
スクリュー排出機構を設けけ、かつ、上部回転軸と下部
回転軸とを相対回転可能に接続し、互いに独立の駆動源
により回転駆動させる装置構造の薄膜蒸発装置である。
【0022】その代表的な一例を図1に示す。縦型攪拌
式薄膜蒸発機の縦断面図を模式的に示す図1において、
容器本体(1)は縦型の円筒型で下方を倒立円錐台形状
にした密閉式容器からなり、その上部に原料供給口
(2)が、下部に排出筒(1a)を介して処理液取出口
(3)が設けられている。容器本体(1)の外側は加熱
ジャケット(10)で囲まれ、この加熱ジャケット(1
0)に供給ノズル(11)から熱媒が供給され、排出ノ
ズル(12)から排出されることにより、容器本体
(1)の内周面(1w)がほぼ全周にわたり加熱される
ようになっている。
【0023】また、容器本体(1)の上部には蒸気出口
(4)が設けられ、この蒸気出口(4)に凝縮機(5)
を介して接続された真空ポンプ(6)の吸引作用により
内部が減圧されるようになっている。さらに容器本体
(1)の中心軸(O)に沿って上部側に上部回転軸
(7)が設置され、下部側に下部回転軸(8)が設置さ
れている。これら回転軸(7,8)は、上部回転軸の軸
受が下部回転軸内の内蔵軸受として配されるように、互
いに相対回転可能に接続されるとともに、それぞれ機外
に設けられた互いに異なる駆動源により別々に回転駆動
されるようになっている。
【0024】上下2本の回転軸(7,8)のうち、上部
回転軸(7)の方には原料供給口(2)に対応する位置
に分散ユニット(13)が連結され、さらにその下側に
薄膜化ユニット(14)が連結されている。分散ユニッ
ト(13)は、回転胴(13a)の外周に複数枚の螺旋
翼(13b)を設けて構成され、また、薄膜化ユニット
(14)は、回転胴(14a)の外周に複数枚の攪拌翼
(14b)を多段に設けて構成されている。下部回転軸
(8)の方には、容器本体(1)の倒立円錐台部分に対
応して複数枚の掻き下げ翼(15)が取り付けられ、さ
らに掻き下げ翼(15)の直下から排出筒(1a)に対
応する部分にスクリュー翼(9)からなる排出機構が取
り付けられている。
【0025】上記縦型攪拌式薄膜蒸発機に溶融状態のナ
イロン樹脂を原料供給口(2)から容器本体(1)内に
供給すると、回転駆動される分散ユニット(13)の螺
旋翼(13b)によって内周面に分散させられると共
に、下側の薄膜化ユニット(14)に向けて強制的に掻
き下げられる。薄膜化ユニット(14)に送り込まれた
溶融状態のナイロン樹脂は、多段に設けられた攪拌翼
(14b)により順次攪拌を加えられながら容器本体
(1)の加熱内周面上で薄膜化され、下方へ移動する間
にモノマーやオリゴマー等の揮発性成分が減圧除去さ
れ、同時に重合が進行する。ナイロン樹脂からの揮発性
成分は上方の蒸気出口(4)から排出され、また揮発性
成分が除去され重合が進行したナイロン樹脂は掻き下げ
翼(15)により掻き下げられ、最終的にスクリュー翼
(9)により処理液出口(3)から系外に抜き出され
る。
【0026】上記装置における攪拌翼(14b)の形状
や取付け位置等は特に制限されないが、揮発性成分の除
去効率及び溶融ナイロン樹脂の移送効率等の点からは、
中心軸(O)に平行な方向に対する攪拌翼の傾斜角を1
0〜60度、好ましくは12〜50度、特に好ましくは
15〜45度とするのがよい。また、上下方向に隣接す
る攪拌翼(14b,14b)の間の上側翼の下端と下側
翼の上端との距離Lは、翼スパン(翼先端が描く円の直
径)の1/100〜1/3、好ましくは1/50〜1/
4、特に好ましくは1/30〜1/5にするのがよい。
この距離Lは、下段ほどナイロン樹脂の粘度が高くなる
ことが多いので下段に位置するほど小さくしていくこと
が好ましい。
【0027】また、上記縦型攪拌式薄膜蒸発機における
加熱は、図示の例のような加熱ジャットによるほか、容
器本体の外殻に電気ヒーターを設けて加熱する方法、容
器本体中に筒状の伝熱面を設置して加熱する方法等であ
ってもよい。また、容器本体を分割し、それぞれ独立し
て加熱するようにしてもよい。更に、必要に応じて容器
本体とは別個に設けた熱交換器中を通すことにより加熱
するようにしてもよい。
【0028】縦型攪拌式薄膜蒸発機を通過させる際のナ
イロン樹脂の温度は、溶融状態で通過させることができ
れば特に制限は無いが、一般にはそのナイロン樹脂の融
点以上は必要であり、高くても400℃以下、好ましく
は350℃以下、特に好ましくは300℃以下とするこ
とがよい。また、その際の圧力についても特に制限は無
いが、揮発性成分を効率良く系外に抜き出すためには系
内を減圧とすることが好ましく、通常0.01〜700
mmHg、好ましくは0.05〜600mmHg、更に
好ましくは0.1〜500mmHgである。ナイロン樹
脂は酸素存在下で加熱すると着色・劣化しやすいので、
溶融状態で縦型攪拌式薄膜蒸発機を通過させる際の雰囲
気中の酸素濃度は500ppm以下とすることが好まし
く、更に好ましくは100ppm以下である。
【0029】縦型攪拌式薄膜蒸発機に供給するためのナ
イロン樹脂を製造するための重合工程と、縦型攪拌式薄
膜蒸発機を通過させて処理する工程とは、一貫した連続
プロセスで行ってもよいし、また、バッチ式プロセスで
行ってもよい。少量他品種生産の場合にはバッチ式が有
効であるが、同一品種を多量に長期間にわたって生産す
る場合には連続式で実施することが好ましい。
【0030】ナイロン樹脂を縦型攪拌式薄膜蒸発機によ
り処理して得られるナイロン樹脂の重合度は、その用途
により異なるが、一般的に、0.01g/mL硫酸溶液
の25℃における硫酸相対粘度で2.0〜8.0、好ま
しくは2.2〜7.5、更に好ましくは2.3〜6.
5、最も好ましくは2.3〜5.0である。この硫酸相
対粘度が低すぎると所望の機械物性の発現が不十分であ
り、8.0を越えると溶融粘度が高すぎて成形が困難と
なる。
【0031】さらに、本発明法では、縦型攪拌式薄膜蒸
発機の後に溶融押出機を連結することによって各種添加
剤や充填材の配合を引続いて行ない、重合に連続した工
程でナイロン樹脂組成物まで製造することもできる。
【0032】その際に配合する各種添加剤や充填材の具
体例としては、酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフ
ェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこ
れらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候
剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリア
ゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系
等)、離型剤及び滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミ
ド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワッ
クス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カ
ーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラ
ック等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレ
ー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブ
チルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキ
ルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニ
ウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止
剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミン
シアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリ
スチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリ
カーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭
素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、充
填剤(グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アンチモ
ン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化
鉄、硫化亜鉛、亜鉛、鉛、ニッケル、アルミニウム、
銅、鉄、ステンレス、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド
繊維等の粒子状、繊維状、針状、板状充填材)、他の重
合体(他のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレン
エーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、S
AN樹脂、ポリスチレン等)などが挙げられる。
【0033】ナイロン樹脂(組成物)は、従来のナイロ
ン樹脂(組成物)同様に、通常の方法でペレットとする
ことができるし、また、通常の成形方法によって成形品
とすることができる。ここでいう成形品は、射出成形等
による狭義の成形品の他、繊維やフィルム等をも含むも
のである。
【0034】本発明では、未反応モノマーを含有するナ
イロン樹脂を溶融状態で縦型攪拌式薄膜蒸発機を通過さ
せた際に該縦型攪拌式薄膜蒸発機の外へ留出する未反応
モノマーを含有する揮発性成分をコンデンサーへ導入
し、凝縮させることにより未反応モノマーを回収する。
そして回収したモノマーを精製することなくそのまま
で、あるいはいったん精製した後にナイロン樹脂の原料
として使用する。
【0035】本発明で用いられるコンデンサーとしては
未反応モノマーを凝縮できる能力のあるものであれば特
に制限はない。また、精製する場合の精製方法について
も特に制限は無く、蒸留による方法、再結晶による方法
などが選択できる。
【0036】本発明に基づくプロセスフローの代表例を
図2に示す。原料貯槽(A)から重合槽(B)に重合原
料が供給され、重合が行われる。重合によって得られた
ナイロン樹脂は重合槽(B)の下部から抜き出され、供
給機(C)から縦型攪拌式薄膜蒸発機(D)に供給さ
れ、ここで未反応モノマーを主成分とする揮発性成分が
脱気され、最終ポリマー製品が下部から抜き出される。
未反応モノマーを主成分とする揮発性成分は縦型攪拌式
薄膜蒸発機(D)の上部より凝縮器(E)に導入され、
未反応モノマーが凝縮され、凝縮器の下に設置された回
収モノマー貯槽(F)に集められる。回収モノマー貯槽
(F)から必要量の回収モノマーが原料貯槽(A)に戻
され、再び重合に供される。
【0037】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例及び比較例に記した分析及び測定は
次の方法に従って行った。 (1)硫酸相対粘度(ηr) 0.01g/mLの98%硫酸溶液を調製し、オストワ
ルド粘度計を用いて25℃で測定した。 (2)末端カルボキシル基濃度[COOH] ポリアミド樹脂0.5〜2.0gを正確に秤量し、ベン
ジルアルコール20mLに195℃で溶解させた。この
溶液に指示薬としてフェノールフタレインを添加し、
0.02規定の水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定
した。 (3)末端アミノ基濃度[NH2] ポリアミド樹脂0.5〜2.0gを正確に秤量し、フェ
ノール・エタノール混合溶液(比率:84/16重量
%)25mLに室温で溶解させた。この溶液に指示薬と
してチモールブルーを添加し、0.02規定の塩酸で滴
定した。
【0038】(4)融点 一旦溶融させた後に急冷したポリアミド樹脂約7mgを
正確に秤量し、Perkin−Elmer社製DSC−
7で20℃/分の昇温速度で融点を測定した。 (5)引張特性 引張強度、引張破断伸度はASTM D638に従って
測定した。 (6)アイゾット衝撃値 ASTM D256に従って測定した。 (7)曲げ特性 ASTM D790に従って測定した。 (8)ペレット色調 カラーマシンによるペレットのYI値(Yellow
Index)にて評価した。
【0039】[参考例1]32Lのステンレス製オート
クレーブにε−カプロラクタム11kg、水220gを
仕込み、窒素置換の後密閉して、251℃で15.5時
間加熱・攪拌することによりナイロン6樹脂を調製し
た。このナイロン6樹脂をペレタイズし、98℃の熱水
(ポリマーの2.5倍重量)に浸漬し、16時間抽出を
行った。抽出処理したペレットを濾別し、減圧下81℃
で13時間乾燥した。得られたナイロン6樹脂の分析値
及び各種評価結果を表1に示す。
【0040】[実施例1]32Lのステンレス製オート
クレーブにε−カプロラクタム11kg、水220gを
仕込み、窒素置換の後密閉して、251℃で10.5時
間加熱・攪拌することによりナイロン6プレポリマーを
調製した。このプレポリマーを、内径160mmφ×高
さ445mmの円筒と該円筒内壁と1.9mmのクリア
ランスを保って回転する傾斜多段攪拌翼からなる縦型攪
拌式薄膜蒸発機(樹脂温度 供給:249〜252℃、
吐出:289〜291℃、減圧度:0.6〜1.1mm
Hg、攪拌翼回転数:660〜700rpm)に導入
し、溶融状態かつ減圧下で脱気処理を行った。ナイロン
6プレポリマー及び最終的に得られたナイロン6樹脂の
分析値及び各種評価結果を表1に示す。最終的に得られ
たナイロン6樹脂の特性は参考例1で得られた特性と同
等レベルであった。
【0041】縦型攪拌式薄膜蒸発機から排出される揮発
性成分を72℃に設定したコンデンサーに導入し、ε−
カプロラクタムを凝縮させた。凝縮したε−カプロラク
タムはコンデンサー直下の回収ラクタム貯槽に集めた。
未反応ε−カプロラクタムの回収率は98.2%であっ
た。この回収ε−カプロラクタムをフレッシュなε−カ
プロラクタムに対して10重量%の混合した重合原料を
用いて重合しさらにその後の処理を上記と同様に行っ
た。回収ε−カプロラクタムを用いて製造したナイロン
6樹脂の分析値及び各種評価結果を表に示す。得られた
ナイロン6樹脂の特性は回収ε−カプロラクタムを混合
しないで製造したナイロン6樹脂及び参考例1で得られ
たナイロン6樹脂と同等の特性を示した。
【0042】[比較例1]実施例1と同様にしてナイロ
ン6プレポリマーを調製した。このプレポリマーを内径
160mmφ×高さ445mmの円筒からなる流下式薄
膜蒸発機に導入し、該薄膜蒸発機の内壁を流下させて脱
気処理を行った(樹脂温度 供給:248〜252℃、
吐出:287〜294℃、減圧度:0.7〜2.5mm
Hg)。ナイロン6プレポリマー及び最終的に得られた
ナイロン6樹脂の分析値及び各種評価結果を表1に示
す。参考例1及び実施例1に比べて特性が低下してい
る。また、未反応ε−カプロラクタムの回収率は87.
5%であった。この回収ε−カプロラクタムをフレッシ
ュなε−カプロカプロラクタムに対して10重量%混合
して同じように重合及びその後の処理を行った。回収ε
−カプロラクタムを用いて製造したナイロン6樹脂の分
析値及び各種評価結果を表に示すが、参考例1、実施例
1で得られたナイロン6樹脂に比べて特性が低下してい
る。
【0043】
【表1】
【0044】[参考例2]32Lのステンレス製オート
クレーブにε−カプロラクタム11kg、ナイロン66
塩(AH塩)220g、水11gを仕込み、窒素置換の
後密閉して、181℃で5.3時間、219℃で12.
4時間加熱・攪拌することによりナイロン6/ナイロン
66共重合樹脂を調製した。このナイロン6/ナイロン
66共重合樹脂をペレタイズし、98℃の熱水(ポリマ
ーの2.5倍重量)に浸漬し、14.8時間抽出を行っ
た。抽出処理したペレットを濾別し、減圧下82℃で1
1時間乾燥した。得られたナイロン6/ナイロン66共
重合樹脂樹脂の分析値及び各種評価結果を表2に示す。
【0045】[実施例2]32Lのステンレス製オート
クレーブにε−カプロラクタム11kg、ナイロン66
塩(AH塩)220g、水11gを仕込み、窒素置換の
後密閉して、182℃で4.6時間、221℃で6.5
時間加熱・攪拌することによりナイロン6/ナイロン6
6共重合プレポリマーを調製した。このプレポリマー
を、内径160mmφ×高さ445mmの円筒と該円筒
内壁と1.9mmのクリアランスを保って回転する傾斜
多段攪拌翼からなる縦型攪拌式薄膜蒸発機(樹脂温度
供給:249〜252℃、吐出:289〜291℃、減
圧度:0.65〜1.0mmHg、攪拌翼回転数:65
0〜710rpm)に導入し、溶融状態かつ減圧下で重
合・脱気処理を行った。ナイロン6/ナイロン66共重
合プレポリマー及び最終的に得られたナイロン6/ナイ
ロン66共重合樹脂の分析値及び各種評価結果を表2に
示す。最終的に得られたナイロン6/ナイロン66共重
合樹脂の特性は参考例2で得られた特性と同等レベルで
あった。
【0046】縦型攪拌式薄膜蒸発機から排出される揮発
性成分を72℃に設定したコンデンサーに導入し、ε−
カプロラクタムを凝縮させた。凝縮したε−カプロラク
タムはコンデンサー直下の回収ラクタム貯槽に集めた。
未反応ε−カプロラクタムの回収率は98.1%であっ
た。この回収ε−カプロラクタムをフレッシュなε−カ
プロラクタムに対して10重量%混合したε−カプロラ
クタムとナイロン66塩とを重合原料に用いて重合しさ
らにその後の処理を上記同様に行った。回収ε−カプロ
ラクタムを用いて製造したナイロン6/ナイロン66共
重合樹脂の分析値及び各種評価結果を表2に示す。得ら
れたナイロン6/ナイロン66共重合樹脂の特性は回収
ε−カプロラクタムを混合しないで製造したナイロン6
/ナイロン66共重合樹脂及び参考例2で得られたナイ
ロン6/ナイロン66共重合樹脂と同等の特性を示し
た。
【0047】[比較例2]実施例1と同様にしてナイロ
ン6/ナイロン66共重合プレポリマーを調製した。こ
のプレポリマーを内径160mmφ×高さ445mmの
円筒からなる流下式薄膜蒸発機に導入し、該薄膜蒸発機
の内壁を流下させて脱気処理を行った(樹脂温度 供
給:247〜253℃、吐出:288〜292℃、減圧
度:0.7〜2.5mmHg)。ナイロン6/ナイロン
66共重合プレポリマー及び最終的に得られたナイロン
6/ナイロン66共重合樹脂の分析値及び各種評価結果
を表2に示す。参考例2及び実施例2に比べて特性が低
下している。また、未反応ε−カプロラクタムの回収率
は87.9%であった。この回収ε−カプロラクタムを
フレッシュなε−カプロラクタムに対して10重量%混
合して同じように重合及びその後の処理を行った。回収
ε−カプロラクタムを用いて製造したナイロン6/ナイ
ロン66共重合樹脂の分析値及び各種評価結果を表2に
示すが、参考例2、実施例2で得られたナイロン6/ナ
イロン66共重合樹脂に比べて特性が低下している。
【0048】
【表2】
【0049】[実施例3]回収したε−カプロラクタム
をいったん蒸留してからフレッシュなε−カプロラクタ
ムに混合した以外は実施例1と同様にして重合及びその
後の処理を行った。こうして得られたナイロン6樹脂の
特性は実施例1で得られたナイロン6樹脂と同等であっ
た。 [実施例4]回収したε−カプロラクタムをいったん蒸
留してからフレッシュなε−カプロラクタムに混合した
以外は実施例2と同様にして重合及びその後の処理を行
った。こうして得られたナイロン6/ナイロン66共重
合樹脂の特性は実施例2で得られたナイロン6/ナイロ
ン66共重合樹脂と同等であった。
【0050】
【発明の効果】本発明の製造方法を用いることにより、
ナイロン樹脂に含まれる未反応モノマーを高効率で回収
でき、しかも回収したモノマーを用いて高品位のナイロ
ン樹脂を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法で用いられる縦型攪拌式薄
膜蒸発機の一例を模式的に示す縦断面図である。
【図2】 本発明の製造方法を適用したプロセスの一例
を模式的に示すプロセス図である。
【符号の説明】
(O)中心軸、 (1)容器本体、 (2)原料投
入口、 (3)処理物取出口、 (4)蒸気排出
口、 (6)真空ポンプ、 (7)上部回転軸、
(8)下部回転軸、 (9)スクリュー翼、
(10)加熱ジャケット、 (13)分散ユニット、
(13b)螺旋翼、 (14)薄膜化ユニット、
(14b)攪拌翼、 (A)原料貯槽、
(B)重合槽、(C)供給機、 (D)縦型攪拌式薄
膜蒸発機、 (E)凝縮器、 (F)回収モノマー
貯槽
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月30日(1999.11.
30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D076 AA03 AA16 AA22 AA24 BA19 BC01 CA19 CD16 CD22 CD35 EA02Z EA03Z EA12Z EA14Z EA24Z FA02 FA13 HA03 JA03 4J001 DA01 DB01 DB02 EA06 EA07 EA08 EB08 EC08 GC03 GC04 GD01 GD06 HA01 HA02 JC01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未反応モノマーを含有するナイロン樹脂
    を溶融状態で縦型攪拌式薄膜蒸発機を通過させ、該縦型
    攪拌式薄膜蒸発機から留出される未反応モノマー含有の
    揮発性成分をコンデンサーへ導入して凝縮させ、凝縮さ
    せた未反応モノマーを重合原料として使用するナイロン
    樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 凝縮させた未反応モノマーを、蒸留した
    後に重合原料として使用する請求項1記載のナイロン樹
    脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 ナイロン樹脂が、ナイロン6、ナイロン
    11、ナイロン12、これらの構造単位の少なくとも1
    種が共重合されたナイロン共重合体、これらのナイロン
    樹脂を1成分として含むナイロンブレンド物から選ばれ
    る少なくとも1種である請求項1又は2記載のナイロン
    樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 ナイロン樹脂が、ナイロン6又はナイロ
    ン6/ナイロン66共重合体のいずれかである請求項1
    又は2記載のナイロン樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 縦型攪拌式薄膜蒸発機が、内周面が加熱
    蒸発面となっている円筒形で縦型の減圧可能な密閉式容
    器を設け、該容器の上部に原料供給口を、下部に処理液
    取出口を設けるとともに、該容器の中心軸上部に上部回
    転軸を、下部に下部回転軸を設け、上部回転軸の上部側
    に原料供給口から導入された原料液を容器内周面に分散
    させる分散ユニットを、その下側に原料液を容器内周面
    全体に攪拌しながら薄膜化させる薄膜ユニットを設け、
    更に下部回転軸に薄膜化ユニットから流下する処理液を
    処理液取出口へ向け排出するスクリュー排出機構を設け
    け、かつ、上部回転軸と下部回転軸とを相対回転可能に
    接続し、互いに独立の駆動源により回転駆動させる装置
    構造の薄膜蒸発装置である請求項1〜4のいずれかに記
    載のナイロン樹脂の製造方法。
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