JPWO2016056340A1 - ポリアミド樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ナイロン6の原料であるε−カプロラクタムや、ナイロン66の原料であるアジピン酸及びヘキサメチレンジアミンは化石資源由来の原料であるが、近年では地球環境への配慮から、ポリアミド樹脂の原料として、植物由来原料を使用することが望まれるようになってきている。
そのような背景から、ひまし油から得られる植物由来原料であるセバシン酸が注目されており、ジカルボン酸成分としてセバシン酸を用いて製造されたポリアミド樹脂が提案されている(特許文献1及び2を参照)。セバシン酸を用いて得られるポリアミド樹脂は、吸水性が低く、寸法安定性に優れるという特性を有し、電気電子部品等への適用が期待されている。
本発明が解決しようとする課題は、ジカルボン酸成分としてセバシン酸を用いながらも、着色が低減されたポリアミド樹脂が得られるポリアミド樹脂の製造方法を提供することにある。
<1>
セバシン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分と、キシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とを反応させる工程を含むポリアミド樹脂の製造方法であって、
前記セバシン酸中における、下記一般式(A)又は下記一般式(B)で表される化合物の合計含有量が100質量ppm以下である、ポリアミド樹脂の製造方法。
[一般式(A)において、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7及びC8のいずれか一つの炭素原子に対して一つの水酸基が結合し、
C1とC2の間の結合、C2とC3の間の結合、C3とC4の間の結合、C4とC5の間の結合、C5とC6の間の結合、C6とC7の間の結合及びC7とC8の間の結合のいずれか一つが二重結合であり、それ以外は単結合であり;
一般式(B)において、C9、C10、C11、C12、C13、C14及びC15のいずれか一つの炭素原子に対して一つの水酸基が結合し、
C9とC10の間の結合、C10とC11の間の結合、C11とC12の間の結合、C12とC13の間の結合、C13とC14の間の結合、及びC14とC15の間の結合のいずれか一つが二重結合であり、それ以外は単結合である。]
<2>
前記セバシン酸の純度が99.5質量%以上である、<1>に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
<3>
前記キシリレンジアミンが、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物である、<1>又は<2>に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
<4>
前記ジカルボン酸成分と前記ジアミン成分とをリン原子含有化合物の存在下で反応させる、<1>〜<3>のいずれかに記載のポリアミド樹脂の製造方法。
<5>
前記リン原子含有化合物が、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、及びこれら化合物の水和物からなる群より選ばれる、<4>に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
<6>
メタノールを溶媒として用いる再結晶法によって前記セバシン酸を得る、<1>〜<5>のいずれかに記載のポリアミド樹脂の製造方法。
本発明において用いられるジカルボン酸成分は、セバシン酸を50モル%以上含む。ジカルボン酸成分中におけるセバシン酸の含有量の上限に特に制限は無く、セバシン酸の含有量は100モル%以下である。吸水性が低く、寸法安定性に優れるポリアミド樹脂を製造する観点から、ジカルボン酸成分中のセバシン酸の含有量は、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、特に好ましくは100モル%である。本発明においては、前記セバシン酸として、後述する特定のセバシン酸を用いることで、ポリアミド樹脂の着色を低減できるものである。
セバシン酸はHOOC(CH2)8COOHで表される化合物であるが、実際に製品として入手できるセバシン酸中には、それが植物由来原料であるが故に、HOOC(CH2)8COOH以外の化合物が微量に不純物として混入している。即ち、実際に製品として入手できるセバシン酸は、厳密には、HOOC(CH2)8COOH化合物100%ではなく、HOOC(CH2)8COOH化合物とそれ以外の化合物(不純物)とを含む混合物であると言える。
本発明者らは、セバシン酸中には不純物として種々の化合物が含まれているが、その中でも、特に下記の下記一般式(A)で表される化合物及び下記一般式(B)で表される化合物がポリアミド樹脂の着色に影響を与えることを見出した。
[一般式(A)において、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7及びC8のいずれか一つの炭素原子に対して一つの水酸基が結合し、
C1とC2の間の結合、C2とC3の間の結合、C3とC4の間の結合、C4とC5の間の結合、C5とC6の間の結合、C6とC7の間の結合及びC7とC8の間の結合のいずれか一つが二重結合であり、それ以外は単結合であり;
一般式(B)において、C9、C10、C11、C12、C13、C14及びC15のいずれか一つの炭素原子に対して一つの水酸基が結合し、
C9とC10の間の結合、C10とC11の間の結合、C11とC12の間の結合、C12とC13の間の結合、C13とC14の間の結合、及びC14とC15の間の結合のいずれか一つが二重結合であり、それ以外は単結合である。]
一般式(A)で表される化合物及び一般式(B)で表される化合物の含有量が少ないセバシン酸をポリアミド樹脂の製造に使用することで、ポリアミド樹脂の着色を低減することが可能である。具体的には、一般式(A)又は一般式(B)で表される化合物の合計含有量が100質量ppm以下であるセバシン酸を使用することで、ポリアミド樹脂の着色を抑えることができる。セバシン酸中における一般式(A)又は一般式(B)で表される化合物の合計含有量は、好ましくは80質量ppm以下であり、より好ましくは50質量ppm以下であり、さらに好ましくは30質量ppm以下である。セバシン酸中における一般式(A)又は一般式(B)で表される化合物の合計含有量の下限に特に制限は無く、当該合計含有量は0質量ppm以上である。
本発明で使用するセバシン酸の純度は好ましくは99.5質量%以上であり、より好ましくは99.7質量%以上である。セバシン酸の純度の上限に特に制限は無く、セバシン酸の純度は100質量%以下である。
<サンプル調製方法(セバシン酸のメチルエステル化)>
(1)セバシン酸0.45gをメタノール1.2gに加熱しながら溶解させる。
(2)上記(1)で得た溶液に35%HClを0.27g添加し、60℃で約1hr加熱する。
(3)上記(2)で得られた液に水4.5gを添加し、良く撹拌する。
(4)上記(3)で得られた液にヘキサン1.2gを加え、良く撹拌する。
(5)上記(4)で得られた液の油相を採取し、サンプル液に対して内部標準物質(ジフェニルメタン)を1%添加しサンプルとする。
<GC測定条件>
装置:島津製作所 GC2014
カラム:キャピラリー DB−1 30m×0.25mm、液相膜厚0.25μm
カラム温度プロファイル:100℃→(5℃/min)→300℃ (10min保持)
インジェクション温度:300℃
ディテクタ温度:300℃
キャリアガス:He
スプリット比:1/5
サンプル量:1μL
また、精製することで前述の特定のセバシン酸を得ることもできる。例えば、精製方法としてはメタノールを溶媒として用いる再結晶法が挙げられるが、精製方法はそれに限定されない。メタノールを溶媒として用いる再結晶法の具体的な操作としては、例えば、以下のような操作である。
<メタノールを溶媒として用いる再結晶法>
セバシン酸をメタノールに入れ、約50℃で飽和状態まで溶解させ、室温まで緩やかに冷却する。得られたスラリーを濾過し、晶析させたセバシン酸のみを回収し、約80℃で乾燥させてメタノールを除去することによって、不純物を除去することができる。
本発明において用いられるジカルボン酸成分としては、得られるポリアミド樹脂の機械物性や成型加工性、耐熱性等の目的に応じて、セバシン酸以外のジカルボン酸を含んでもよい。そのようなジカルボン酸としては、セバシン酸以外の直鎖脂肪族ジカルボン酸、分岐状脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、又はこれらの混合物が例示できるが、これらに限定されるものではない。
分岐状脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、3,3−ジエチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2,4−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、トリメチルアジピン酸等が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸の具体例としては、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
本発明において用いられるジアミン成分は、キシリレンジアミンを70モル%以上含む。ジアミン成分中におけるキシリレンジアミンの含有量の上限に特に制限は無く、キシリレンジアミンの含有量は100モル%以下である。本発明においては、特定のセバシン酸を用いることでポリアミド樹脂の着色を低減できるものであるが、この着色低減効果は任意のジアミン成分との組み合わせで発現するものではなく、キシリレンジアミンを含むジアミン成分との組み合わせで発現する。本発明において、ジアミン成分中のキシリレンジアミンの含有量は70モル%以上であり、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、特に好ましくは100モル%である。
キシリレンジアミンは、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物であることが好ましい。得られるポリアミド樹脂のガスバリア性の観点からはメタキシリレンジアミンが好ましく、得られるポリアミド樹脂の耐熱性、寸法安定性の観点からはパラキシリレンジアミンが好ましい。
本発明で使用するキシリレンジアミンの純度は好ましくは99.5質量%以上であり、より好ましくは99.7質量%以上であり、さらに好ましくは99.9質量%以上である。キシリレンジアミンの純度の上限に特に制限は無く、キシリレンジアミンの純度は100質量%以下である。
本発明において用いられるジアミン成分としては、得られるポリアミド樹脂の機械物性や成型加工性、耐熱性等の目的に応じて、キシリレンジアミン以外のジアミンを含んでもよい。そのようなジアミンとしては、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、あるいはこれらの混合物が例示できるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族ジアミンの具体例としては、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等が挙げられる。
脂環式ジアミンの具体例としては、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとしては、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが例示される。
本発明のポリアミド樹脂の製造方法は、上述の特定のセバシン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分と、キシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とを反応させる工程を含む。この反応は重縮合であり、水分子の脱離を伴いながらジカルボン酸成分とジアミン成分とが連鎖的につながって高分子を生成する。重縮合時に分子量調整剤として少量のモノアミンやモノカルボン酸を加えてもよい。
ポリアミド樹脂の重縮合方法としては、加圧塩法、常圧滴下法、加圧滴下法、反応押出法等が挙げられるが、これらに限定されない。
加圧塩法は、ナイロン塩を原料として加圧下にて溶融重縮合を行う方法である。具体的には、ジアミン成分とジカルボン酸成分とからなるナイロン塩水溶液を調製した後、該水溶液を昇温し、水溶液中の水の気化により圧力を上昇し、圧力を一定以上に保てるように縮合水を除去しながら重縮合させる。その後、缶内を徐々に常圧に戻しながら、ポリアミド樹脂の融点+10℃程度まで昇温し、保持した後、更に、80kPa(Abs)まで徐々に減圧しつつ、そのままの温度で保持し、重縮合を継続する。一定の撹拌トルクに達したら、缶内を窒素で加圧してポリアミド樹脂を回収する。
常圧滴下法では、常圧下にて、加熱溶融したジカルボン酸成分に、ジアミン成分を連続的に滴下し、縮合水を除去しながら重縮合させる。なお、生成するポリアミド樹脂の融点よりも反応温度が下回らないように、反応系を昇温しながら重縮合反応を行う。ジアミン滴下終了後、ポリアミド樹脂の融点+10℃まで昇温し、保持した後、徐々に減圧しながら重縮合を継続する。
常圧滴下法は、前記加圧塩法と比較すると、塩を溶解するための水を使用しないため、バッチ当たりの収量が大きく、また、原料成分の気化・凝縮を必要としないため、反応速度の低下が少なく、工程時間を短縮できる。
加圧滴下法では、まず、重縮合缶にジカルボン酸成分を仕込み、溶融混合する。次いで、缶内を好ましくは0.4〜0.5MPa(Abs)程度に加圧しながら加熱溶融したジカルボン酸成分にジアミン成分を連続的に滴下し、縮合水を除去しながら重縮合させる。この際、生成するポリアミド樹脂の融点よりも反応温度が下回らないように、反応系を昇温しながら重縮合反応を行う。設定モル比に達したらジアミン成分の滴下を終了し、缶内を徐々に常圧に戻しながら、ポリアミド樹脂の融点+10℃程度まで昇温し、保持した後、徐々に減圧しつつ、重縮合を継続する。一定の撹拌トルクに達したら撹拌を停止し、缶内を窒素で0.4MPa(Abs)程度に加圧してポリアミド樹脂を回収する。
加圧滴下法は、揮発性成分をモノマーとして使用する場合に有用である。また、加圧滴下法は、加圧塩法に比べて、塩を溶解するための水を使用しないため、バッチ当たりの収量が大きく、常圧滴下法と同様に反応時間を短くできることから、ゲル化等を抑制し、黄色度が低いポリアミド樹脂を得ることができる。
反応押出法では、ジアミン成分及びジカルボン酸成分からなるポリアミドのオリゴマーを押出機で溶融混練して反応させる方法である。十分に反応させるためには、反応押出に適したスクリューを用い、L/Dの大きい2軸押出機を用いるのが好ましい。
溶融状態のジカルボン酸成分を反応槽に移送する際に、該溶融状態のジカルボン酸成分をろ過する工程を含むことが好ましい。溶融状態のジカルボン酸成分をろ過することによって不溶物を除去することで、得られるポリアミド樹脂におけるフィッシュアイを低減することができる。ろ過する手段としては特に限定されず、焼結金属フィルタ、ガラス繊維フィルタ等のフィルタを用いることができる。
上記重縮合方法で製造されたポリアミド樹脂は、そのまま使用することもできるが、更に重合度を高めるための工程を経てもよい。更に重合度を高める工程としては、押出機内での反応押出や固相重合等が挙げられる。固相重合で用いられる加熱装置としては、連続式の加熱乾燥装置やタンブルドライヤー、コニカルドライヤー、ロータリードライヤー等と称される回転ドラム式の加熱装置およびナウタミキサーと称される内部に回転翼を備えた円錐型の加熱装置が好適に使用できるが、これらに限定されることなく公知の方法、装置を使用することができる。特にポリアミド樹脂の固相重合を行う場合は、上述の装置の中で回転ドラム式の加熱装置が、系内を密閉化でき、着色の原因となる酸素を除去した状態で重縮合を進めやすいことから好ましく用いられる。
ポリアミド樹脂の重縮合においては、アミド化反応を促進する観点から、ポリアミド樹脂の重縮合系内にリン原子含有化合物を添加することが好ましい。リン原子含有化合物を添加することで、重縮合反応の触媒として作用し、また、重縮合系内に存在する酸素によるポリアミド樹脂の着色を防止することができる。
リン原子含有化合物としては、次亜リン酸のアルカリ金属塩、次亜リン酸のアルカリ土類金属塩、亜リン酸のアルカリ金属塩、亜リン酸のアルカリ土類金属塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属塩、ピロリン酸のアルカリ金属塩、ピロリン酸のアルカリ土類金属塩、メタリン酸のアルカリ金属塩及びメタリン酸のアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。なお、本発明で使用できるリン原子含有化合物はこれらの化合物に限定されない。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド等が好ましい。本発明で用いることのできるアルカリ金属化合物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、炭酸ナトリウム等が挙げられるが、これらの化合物に限定されることなく用いることができる。なお、リン原子含有化合物とアルカリ金属化合物の比率(モル比)は、重合速度制御の観点や、黄色度を低減する観点から、リン原子含有化合物/アルカリ金属化合物=1.0/0.05〜1.0/1.5の範囲が好ましく、より好ましくは、1.0/0.1〜1.0/1.2、さらに好ましくは、1.0/0.2〜1.0/1.1である。
本発明の製造方法により得られるポリアミド樹脂について、以下に説明する。
ポリアミド樹脂の黄色度は、上述の通り、特定のセバシン酸を用いることで低く抑えることができ、好ましくは5以下であり、より好ましくは4以下であり、さらに好ましくは3以下である。
ポリアミド樹脂中の末端基バランス、つまり末端カルボキシル基濃度[COOH]と末端アミノ基濃度[NH2]とのバランスは、末端カルボキシル基濃度が末端アミノ基濃度より高いことが好ましい。末端カルボキシル基濃度[COOH]と末端アミノ基濃度[NH2]との差([COOH]−[NH2])は、好ましくは10〜80μeq/gであり、より好ましくは20〜70μeq/g、さらに好ましくは25〜60μeq/gである。
ポリアミド樹脂の相対粘度は、好ましくは1.8〜4.0であり、より好ましくは2.0〜3.5である。相対粘度が1.8以上であれば、成形加工時の溶融粘度不足に起因する成形性の問題を生じさせることなく、ポリアミド樹脂を利用できる。また、相対粘度が4.0以下であれば、成形加工時の溶融粘度が高すぎることによる成形性の問題を生じさせることなく、ポリアミド樹脂を利用できる。
ポリアミド樹脂の融点は、150〜320℃が好ましく、180〜300℃がより好ましい。この範囲であると、押出機中での融解が容易となり、生産性、成形加工性が良好となる。
電気電子部品の具体例としては、コネクタ、スイッチ、ICやLEDのハウジング、ソケット、リレー、抵抗器、コンデンサ、キャパシタ、コイルボビン等のプリント基板に実装する電気電子部品が挙げられる。
摺動部品の具体例としては、軸受け、歯車、ブッシュ、スペーサー、ローラー、カム等の各種摺動材が挙げられる。
自動車用部品の具体例としては、エンジンマウント、エンジンカバー、トルクコントロールレバー、ウィンドレギュレータ、前照灯反射板、ドアミラーステイ等が挙げられる。
(1)黄色度(YI)
日本電色工業株式会社製ZE−2000色差計を用いてJIS K7373に準じて反射法で測定した。
(2)ポリアミド中の末端アミノ基濃度([NH2])
ポリアミド0.3〜0.5gを精秤し、フェノール/エタノール溶液(4/1容量比)30mlに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、撹拌しつつN/100塩酸水溶液で中和滴定して求めた。
(3)ポリアミド中の末端カルボキシル基濃度([COOH])
ポリアミド0.3〜0.5gを精秤し、ベンジルアルコール30mlに窒素気流下160〜180℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、窒素気流下80℃以下まで冷却し、撹拌しつつメタノールを5ml加え、N/100水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定して求めた。
(4)相対粘度
ポリアミド樹脂0.2gを精秤し、96%硫酸20mlに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に溶液5mlを取り、25℃の恒温漕中で10分間放置後、落下時間(t)を測定した。また、96%硫酸そのものの落下時間(t0)も同様に測定した。t及びt0から次式により相対粘度を算出した。
相対粘度=t/t0
(5)融点(Tm)
示差走査熱量計〔(株)島津製作所製、商品名:DSC−60〕を用い、昇温速度10℃/分で窒素気流下にDSC測定(示差走査熱量測定)を行い、融点(Tm)を求めた。
実施例及び比較例において、以下のセバシン酸を用いた。
セバシン酸(a):伊藤製油株式会社製のセバシン酸(純度99.75質量%)
セバシン酸(b):伊藤製油株式会社製のセバシン酸(純度99.74質量%)
セバシン酸(c):伊藤製油株式会社製のセバシン酸(純度99.74質量%)
セバシン酸(d):セバシン酸(c)に対し、メタノールを溶媒として用いる再結晶法を行って得られたセバシン酸。具体的な操作は、以下に示す通り。
<メタノールを溶媒として用いる再結晶法>
伊藤製油株式会社製のセバシン酸(純度99.74質量%)をメタノールに入れ、約50℃で飽和状態まで溶解させ、室温まで緩やかに冷却した。得られたスラリーを濾過し、晶析させたセバシン酸のみを回収し、約80℃で乾燥させてメタノールを除去した、精製セバシン酸を得た。
セバシン酸(a)〜(d)中に含まれる不純物を以下の方法により同定した。
<サンプル調製(セバシン酸のメチルエステル化)>
(1)セバシン酸0.45gをメタノール1.2gに加熱しながら溶解した。
(2)上記(1)で得た溶液に35%HClを0.27g添加し、60℃で約1hr加熱した。
(3)上記(2)で得られた液に水4.5gを添加し、良く撹拌した。
(4)上記(3)で得られた液にヘキサン1.2gを加え、良く撹拌した。
(5)上記(4)で得られた液の油相を採取し、サンプル液に対して内部標準物質(ジフェニルメタン)を1%添加しサンプルとした。
上記サンプルを用いて、以下の条件でGC−TOF-MS測定を行った。
装置:JEOL ACCU−TOF−GCV(JMS−T100GCV)
・ミリマスEI−pos
分解能:5,000
Mass Range:M/Z10〜800
スペクトル記録間隔:0.4sec.
イオン化電圧:70eV
イオン化電流:300μA
検出器電圧:2200V
基準物質:Perfluorokerocene(High boiling).
・ミリマスCI−pos
分解能:5,000
Mass Range:M/Z60〜800
スペクトル記録間隔:0.4sec.
イオン化電圧200eV
イオン化電流300μA
反応ガス:i−ブタン
検出器電圧:2200V
基準物質:2,4,6−Tris(trifluoromethyl)−1,3,5−triazine
GC−TOF−MSのGC条件
装置:Agilent 7890A
カラム:キャピラリー DB−1 30m×0.25mm、液相膜厚0.25μm
カラム温度プロファイル:100℃→(5℃/min)→300℃(10min保持)
インジェクション温度:300℃
キャリアガス:He
スプリット比:1/5
サンプル量:1μL
上記測定の結果、保持時間12.55minに検出される成分が、一般式(A)又は(B)で表される化合物であると同定された。
<GC測定条件>
装置:島津製作所 GC2014
カラム:キャピラリー DB−1 30m×0.25mm、液相膜厚0.25μm
カラム温度プロファイル:100℃→(5℃/min)→300℃ (10min保持)
インジェクション温度:300℃
ディテクタ温度:300℃
キャリアガス:He
スプリット比:1/5
サンプル量:1μL
温調されたオイルが流通する分縮器、全縮器、窒素ガス導入管、反応槽全面をオイルが流通するジャケットで覆われ、ジアミン滴下用のタンク及びポンプを備えた500リットルステンレス製回分式反応装置を用いて、次のようにポリアミドを合成した。
セバシン酸(a)を150.0kg(739.8mol)と安定剤として次亜リン酸ナトリウム115gを仕込み、十分窒素置換した後、圧力0.4MPa(Abs)で撹拌しながらセバシン酸を190℃まで加熱した。メタキシリレンジアミン(純度99.99質量%)101.7kg(735.4mol)を、反応装置内の圧力を0.4MPa(Abs)に維持しながら110分かけて滴下した。ジアミンの滴下終了時の温度が240℃になるように加熱を調整し、分縮器出口側蒸気温度を101〜104℃に制御し、留出する蒸気は全縮器を通して凝縮させ、系外に放出した。ジアミン滴下終了後、撹拌しながら0.4MPa(Abs)で20分間保持した後、0.01MPa/分の速度で30分かけて常圧まで落圧し、さらに80kPa(Abs)まで減圧してさらに20分間撹拌保持した。ジアミン滴下終了から減圧終了までに反応液温を253℃まで昇温した。
反応終了後、撹拌を停止し、窒素で反応装置内を加圧してポリマーを装置ボトムのストランドダイから253℃でストランド状に抜出した。抜き出したストランドは、水槽に着水させ冷却させた後、ペレタイザーによってペレタイジングし、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=−1、([COOH]−[NH2])=44μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=190℃であった。
セバシン酸(a)に代えてセバシン酸(b)を使用した以外は実施例1と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=1、([COOH]−[NH2])=47μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=190℃であった。
セバシン酸(a)に代えてセバシン酸(d)を使用した以外は実施例1と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=−1、([COOH]−[NH2])=42μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=190℃であった。
セバシン酸(a)に代えてセバシン酸(c)を使用した以外は実施例1と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=6、([COOH]−[NH2])=42μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=190℃であった。
温調されたオイルが流通する分縮器、全縮器、窒素ガス導入管、反応槽全面をオイルが流通するジャケットで覆われ、ジアミン滴下用のタンク及びポンプを備えた500リットルステンレス製回分式反応装置を用いて、次のようにポリアミドを合成した。
セバシン酸(a)を150.0kg(739.8mol)と安定剤として次亜リン酸ナトリウム115gを仕込み、十分窒素置換した後、圧力0.4MPa(Abs)で撹拌しながらセバシン酸を190℃まで加熱した。メタキシリレンジアミン(純度99.99質量%)とパラキシリレンジアミン(純度99.99質量%)の混合物(モル比で、メタキシリレンジアミン/パラキシリレンジアミン=80/20)101.7kg(735.4mol)を、反応装置内の圧力を0.4MPa(Abs)に維持しながら110分かけて滴下した。ジアミンの滴下終了時の温度が240℃になるように加熱を調整し、分縮器出口側蒸気温度を101〜104℃に制御し、留出する蒸気は全縮器を通して凝縮させ、系外に放出した。ジアミン滴下終了後、撹拌しながら0.4MPa(Abs)で20分間保持した後、0.01MPa/分の速度で30分かけて常圧まで落圧し、さらに80kPa(Abs)まで減圧してさらに20分間撹拌保持した。ジアミン滴下終了から減圧終了までに反応液温を253℃まで昇温した。
反応終了後、撹拌を停止し、窒素で反応装置内を加圧してポリマーを装置ボトムのストランドダイから253℃でストランド状に抜出した。抜き出したストランドは、水槽に着水させ冷却させた後、ペレタイザーによってペレタイジングし、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=−1、([COOH]−[NH2])=41μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=204℃であった。
セバシン酸(a)に代えてセバシン酸(b)を使用した以外は実施例4と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=2、([COOH]−[NH2])=45μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=204℃であった。
セバシン酸(a)に代えてセバシン酸(d)を使用した以外は実施例4と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=0、([COOH]−[NH2])=43μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=204℃であった。
セバシン酸(a)に代えてセバシン酸(c)を使用した以外は実施例4と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=7、([COOH]−[NH2])=41μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=204℃であった。
温調されたオイルが流通する分縮器、全縮器、窒素ガス導入管、反応槽全面をオイルが流通するジャケットで覆われ、ジアミン滴下用のタンク及びポンプを備えた500リットルステンレス製回分式反応装置を用いて、次のようにポリアミドを合成した。
セバシン酸(a)を150.0kg(739.8mol)と安定剤として次亜リン酸カルシウム37gを仕込み、十分窒素置換した後、圧力0.4MPa(Abs)で撹拌しながらセバシン酸を190℃まで加熱した。パラキシリレンジアミン(純度99.99質量%)101.7kg(735.4mol)を、反応装置内の圧力を0.4MPa(Abs)に維持しながら110分かけて滴下した。ジアミンの滴下終了時の温度が290℃になるように加熱を調整し、分縮器出口側蒸気温度を101〜104℃に制御し、留出する蒸気は全縮器を通して凝縮させ、系外に放出した。ジアミン滴下終了後、撹拌しながら0.4MPa(Abs)で20分間保持した後、0.01MPa/分の速度で30分かけて常圧まで落圧し、さらに80kPa(Abs)まで減圧してさらに20分間撹拌保持した。ジアミン滴下終了から減圧終了までに反応液温を295℃まで昇温した。
反応終了後、撹拌を停止し、窒素で反応装置内を加圧してポリマーを装置ボトムのストランドダイから295℃でストランド状に抜出した。抜き出したストランドは、水槽に着水させ冷却させた後、ペレタイザーによってペレタイジングし、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=2、([COOH]−[NH2])=45μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=284℃であった。
セバシン酸(a)に代えてセバシン酸(b)を使用した以外は実施例7と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=4、([COOH]−[NH2])=40μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=284℃であった。
セバシン酸(a)に代えてセバシン酸(d)を使用した以外は実施例7と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=2、([COOH]−[NH2])=41μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=284℃であった。
セバシン酸(a)に代えてセバシン酸(c)を使用した以外は実施例7と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=11、([COOH]−[NH2])=40μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=284℃であった。
安定剤としての次亜リン酸カルシウム37gを仕込まなかったこと以外は実施例8と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=8、([COOH]−[NH2])=43μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=284℃であった。
セバシン酸(b)に代えてセバシン酸(c)を使用した以外は実施例10と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=16、([COOH]−[NH2])=41μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=284℃であった。
温調されたオイルが流通する分縮器、全縮器、窒素ガス導入管、反応槽全面をオイルが流通するジャケットで覆われ、ジアミン滴下用のタンク及びポンプを備えた500リットルステンレス製回分式反応装置を用いて、次のようにポリアミドを合成した。
セバシン酸(a)を150.0kg(739.8mol)と安定剤として次亜リン酸カルシウム22gを仕込み、十分窒素置換した後、圧力0.4MPa(Abs)で撹拌しながらセバシン酸を190℃まで加熱した。ヘキサメチレンジアミン(純度99.9質量%)85.5kg(735.4mol)を、反応装置内の圧力を0.4MPa(Abs)に維持しながら110分かけて滴下した。ジアミンの滴下終了時の温度が245℃になるように加熱を調整し、分縮器出口側蒸気温度を101〜104℃に制御し、留出する蒸気は全縮器を通して凝縮させ、系外に放出した。ジアミン滴下終了後、撹拌しながら0.4MPa(Abs)で20分間保持した後、0.01MPa/分の速度で30分かけて常圧まで落圧し、さらに80kPa(Abs)まで減圧してさらに20分間撹拌保持した。ジアミン滴下終了から減圧終了までに反応液温を250℃まで昇温した。
反応終了後、撹拌を停止し、窒素で反応装置内を加圧してポリマーを装置ボトムのストランドダイから250℃でストランド状に抜出した。抜き出したストランドは、水槽に着水させ冷却させた後、ペレタイザーによってペレタイジングし、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=−3、([COOH]−[NH2])=45μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=222℃であった。
セバシン酸(a)に代えてセバシン酸(b)を使用した以外は比較例5と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=−3、([COOH]−[NH2])=43μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=222℃であった。
セバシン酸(a)に代えてセバシン酸(d)を使用した以外は比較例5と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=−2、([COOH]−[NH2])=40μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=222℃であった。
セバシン酸(a)に代えてセバシン酸(c)を使用した以外は比較例5と同様の方法により、ポリアミドペレットを得た。
得られたペレットは黄色度(YI)=−3、([COOH]−[NH2])=41μeq/g、相対粘度=2.1、融点(Tm)=222℃であった。
Claims (6)
- セバシン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分と、キシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分とを反応させる工程を含むポリアミド樹脂の製造方法であって、
前記セバシン酸中における、下記一般式(A)又は下記一般式(B)で表される化合物の合計含有量が100質量ppm以下である、ポリアミド樹脂の製造方法。
[一般式(A)において、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7及びC8のいずれか一つの炭素原子に対して一つの水酸基が結合し、
C1とC2の間の結合、C2とC3の間の結合、C3とC4の間の結合、C4とC5の間の結合、C5とC6の間の結合、C6とC7の間の結合及びC7とC8の間の結合のいずれか一つが二重結合であり、それ以外は単結合であり;
一般式(B)において、C9、C10、C11、C12、C13、C14及びC15のいずれか一つの炭素原子に対して一つの水酸基が結合し、
C9とC10の間の結合、C10とC11の間の結合、C11とC12の間の結合、C12とC13の間の結合、C13とC14の間の結合、及びC14とC15の間の結合のいずれか一つが二重結合であり、それ以外は単結合である。] - 前記セバシン酸の純度が99.5質量%以上である、請求項1に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
- 前記キシリレンジアミンが、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物である、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
- 前記ジカルボン酸成分と前記ジアミン成分とをリン原子含有化合物の存在下で反応させる、請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂の製造方法。
- 前記リン原子含有化合物が、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、及びこれら化合物の水和物からなる群より選ばれる、請求項4に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
- メタノールを溶媒として用いる再結晶法によって前記セバシン酸を得る、請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド樹脂の製造方法。
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