JP2010280874A - 導電性、ガスバリア性、耐熱性及び耐熱老化性に優れたポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

導電性、ガスバリア性、耐熱性及び耐熱老化性に優れたポリアミド樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性、ガスバリア性、耐熱性及び耐熱老化性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供する。
【解決手段】骨格中に1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン構成単位を含むジアミン成分と炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミドポリアミド(A)と、カーボンブラック、グラファイト及びカーボン繊維等の導電性物質(B)を含む、体積抵抗率が10Ω・cm以下であるポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性、ガスバリア性、耐熱性及び耐熱老化性に優れたポリアミド樹脂組成物に関する。
ポリアミド樹脂は、強度、剛性、耐溶剤性、成形性などの特性が優れることから、自動車や電気電子部品などの射出成形材料や、食品、飲料、薬品、電子部品等の包装資材として使用されている。また、電池用電極やセパレータ用途などに樹脂の利用が検討されており、導電性を有する樹脂が求められている。近年では導電性のみならず、ガスバリア性と耐熱性を兼ね備えた導電性を有する樹脂が要求されている。
導電性樹脂を用いた電池用セパレータとして、ポリプロピレン等を用いたセパレータが開示されている(特許文献1参照)が、この方法では耐熱性やガスバリア性が不足していた。導電性樹脂を用いた電池用電極とポリアミド等と導電性繊維を含有する電極が開示されている(特許文献2参照)。実施例で開示された方法では耐熱性やガスバリア性が不足していた。
ポリアミド樹脂の中でも、ポリマー主鎖にメタキシレン基を含有するポリアミドは、剛性が高く、各種ガスや薬品などに対するバリア性も優れていることから、射出成形材料や包装資材として広く用いられている。しかしながら、ポリマー主鎖にメタキシレン基を含有するポリアミドは、構造的にベンジルメチレン位でラジカルが生成しやすいことから、ナイロン6等のポリアミドと比較すると、熱安定性や耐熱老化性が低いものである。そのため、高温環境化などの過酷な使用環境や条件によっては、メタキシレン基を含有するポリアミドを成形材料として適用することが困難な用途が存在し、改善を求められている。
特開2007−18850号公報 特開2006−37001号公報
本発明の目的は、上記課題を解決し、導電性とガスバリア性、耐熱性、耐熱老化性の優れるポリアミド樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、骨格中に1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを含むポリアミド(A)と導電性物質(B)を含む、体積抵抗率が10Ω・cm以下であるポリアミド樹脂組成物が、上記課題を解決することを見出した。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、導電性とガスバリア性、耐熱性、耐熱老化性に優れたものであり、それを用いてなる成形品は、導電性とガスバリア性、耐熱性、耐熱老化性が要求される電池用部品等に利用でき、その工業的価値は非常に高い。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、骨格中に1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン構成単位を含むポリアミド(A)と、導電性物質(B)を含み、体積抵抗率が10Ω・cm以下である。ここで、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン構成単位とは、ポリアミド骨格中の1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する構成単位を指す。
本発明で使用するポリアミド(A)は、骨格中に1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン構成単位を含むポリアミドである。ポリアミド(A)はバリア性が良好であり、高湿度下でのガスバリア性も良好である。ポリアミド(A)としては、例えば、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを主成分とするジアミン成分と各種ジカルボン酸成分を重縮合することにより得られるポリアミド等が挙げられる。これらのポリアミドは、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。ポリアミド(A)は、バリア性能が高く、耐熱性、耐熱老化性、成形加工性が良好である。一種類もしくは複数の樹脂をブレンドして使用することができる。
本発明で使用する1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンには、シス体とトランス体がある。シス体/トランス体比をコントロールすることで、ポリアミド(A)の融点やガラス転移点を任意にコントロールすることができる。
本発明では、ジアミン成分中の1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが30モル%以上であることが好ましく、50モル%以上がより好ましく、70モル%以上がさらに好ましく、80モル%以上が特に好ましく、90モル%以上が最も好ましい。
ポリアミド(A)の製造に使用できる1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン以外のジアミン成分としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
ポリアミド(A)の製造に使用できるジカルボン酸成分としては、例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類などを例示できるが、これらに限定されるものではない。
本発明では、ジカルボン酸成分中の炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸が50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上が特に好ましい。炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸とセバシン酸が特に好ましい。
ジアミン成分、ジカルボン酸成分以外にも、ポリアミド樹脂組成物を構成する成分として、本発明の効果を損なわない範囲でε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類も共重合成分として使用できる。
本発明で好ましく利用できるポリアミド(A)として、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分とを重縮合することにより得られるポリアミドが挙げられる。例えば、主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸とを重縮合して得られるポリアミド、主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとセバシン酸とを重縮合して得られるポリアミド、主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸とセバシン酸とを重縮合して得られるポリアミド等が挙げられる。
主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸とセバシン酸とを重縮合して得られるポリアミドを例示できる。ジカルボン酸成分としてアジピン酸とセバシン酸の混合物を使用することで融点、耐熱性やガスバリア性、結晶性を任意にコントロールできる。結晶性を低下させたい場合、あるいは非晶状態とする場合は、セバシン酸/アジピン酸比(モル比)が80/20〜30/70が好ましく、70/30〜40/60がより好ましい。ガスバリア性を重視する場合は、50/50以下が好ましく、40/60以下がより好ましく、30/70以下がさらに好ましい。耐熱性を重視する場合は、60/40以下が好ましく、40/60以下がより好ましく、30/70以下がさらに好ましい。
また、本発明で好ましく利用できるポリアミド(A)として、主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸とを重縮合して得られるポリアミドと、主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとセバシン酸とを重縮合して得られるポリアミドの混合物を例示できる。主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸とを重縮合して得られるポリアミドと、主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとセバシン酸とを重縮合して得られるポリアミドを混合することで、結晶性を保ったまま耐熱性やガスバリア性を任意にコントロールできるため好ましい。ガスバリア性を重視する場合は、主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとセバシン酸とを重縮合して得られるポリアミドと、主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸とを重縮合して得られるポリアミド比が50/50以下が好ましく、40/60以下がより好ましく、30/70以下がさらに好ましい。
成形品の用途によって、結晶性が求められる用途と低結晶性あるいは非晶性が求められる用途が存在する。上述したように、ジカルボン酸比(セバシン酸/アジピン酸比)、あるいはポリアミド混合比(1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとセバシン酸とを重縮合して得られるポリアミド/主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸とを重縮合して得られるポリアミド)をコントロールすることによって、好適に結晶性をコントロールできる。
また、ジアミン成分として、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを加えることで、ポリアミド樹脂の融点やガラス転移点を上昇させ、耐熱性を向上させることができる。1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンは、ジアミン成分の70モル%を超えない範囲であれば、任意の割合で添加して耐熱性をコントロールすることができる。
ポリアミド(A)の製造方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法、重合条件により製造される。ポリアミドの重縮合時に分子量調節剤として少量のモノアミン、モノカルボン酸を加えてもよい。例えば、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧状態で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法により製造される。また、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを溶融状態のアジピン酸に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態で保つために、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンをアジピン酸に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
また、ポリアミド(A)は、溶融重合法により製造された後に、固相重合を行っても良い。ポリアミド(A)の製造方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法、重合条件により製造される。
ポリアミド(A)の数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定によるPMMA(ポリメタクリル酸メチル)換算値として、18000〜70000が好ましく、より好ましくは、20000〜50000である。この範囲であると、耐熱性、成形加工性が良好である。
ポリアミド(A)のガラス転移点(Tg)は、80〜120℃が好ましいく、より好ましくは85〜120℃、さらに好ましくは90〜120℃である。この範囲であると、耐熱性が良好である。
なお、ガラス転移点は、DSC(示差走査熱量測定)法により測定できる。測定には、例えば、島津製作所(株)製DSC−50を用い、サンプル量は約5mgとし、昇温速度は10℃/分の条件で室温から300℃程度まで加熱して測定することができる。雰囲気ガスは窒素を30ml/minで流した。ガラス転移点としては、いわゆる中点温度(Tgm)を採用した。なお、Tgmとは広く知られているように、DSC曲線において、ガラス状態ならびに過冷却状態(ゴム状態)のベースラインの接線と転移のスロープの接線との交点の中点温度である。
ポリアミド(A)には、溶融成形時の加工安定性を高めるため、あるいはポリアミド(A)の着色を防止するためにリン化合物を添加することができる。リン化合物としてはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含むリン化合物が好適に使用され、例えば、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩、次亜リン酸塩、亜リン酸塩が挙げられるが、特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の次亜リン酸塩を使用したものがポリアミドの着色防止効果に特に優れるため好ましく用いられる。リン化合物の濃度はリン原子として1〜500ppm、好ましくは1〜350ppm、更に好ましくは1〜200ppmである。
本発明のポリアミド樹脂組成物はポリアミド以外の構成成分として導電性物質(B)を含有する。導電性物質(B)としてカーボンブラック、グラファイト、アモルファスカーボン粉末、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、カーボン繊維、カーボンナノチューブ、カーボンファイバーの粉砕品、中空炭素フィブリル、銅、ニッケル、亜鉛、アルミ等の金属粉又は金属繊維、金属酸化物、導電性物質で被覆された無機又は有機化合物、イオン性や非イオン性の界面活性剤、高分子帯電防止剤などが挙げられる。中でも、カーボンブラック、グラファイト及びカーボン繊維が好ましい。これらの導電性物質は、単独でも2種以上の組合せでも良い。
カーボンブラックとしては、アセチレンカーボンブラック、ケッチェンブラック、オイルファーネス法によるカーボンブラック等が例示されるが、これらに限定されない。
導電性物質(B)の配合量はポリアミド(A)100重量部に対して5〜80重量部であることが好ましい。より好ましくは10〜60重量部、さらに好ましくは15〜40重量部である。上記範囲であると、導電性が良好であり、成形性も良好である。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、体積抵抗率が10Ω・cm以下であり、好ましくは10Ω・cm以下である。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、無機充填材を含んでも良い。無機充填材を用いることによって、成形品の剛性、寸法安定性を向上させることができる。無機充填材は、繊維状、粉末状、粒状、板状、クロス状、マット状を有する種々の充填材であり、たとえば、ガラス繊維、タルク、カタルボ、珪藻土、クレー、カオリン、マイカ、粒状ガラス、ガラスフレーク、中空ガラス等公知の物質を用いることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、艶消剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤、着色剤、離型剤等の添加剤等を加えることができる。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物には、目的を損なわない範囲で、ポリアミド(A)以外のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート等の樹脂を一種もしくは複数ブレンドできる。
中でも、ポリアミド(A)以外のポリアミドを好ましくブレンドでき、より好ましくは、脂肪族ポリアミド樹脂をブレンドできる。脂肪族ポリアミド樹脂は、成形品の機械物性を改善できることから好ましく用いられる。脂肪族ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612ナイロン666等を単独又は複数以上を使用することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物を利用してなる成形品は、導電性とガスバリア性、耐熱性、耐熱老化性を兼ね備えており、各種部品等に利用でき好ましい。特に、ポリアミド樹脂組成物を利用してなる成形品が、電池用電極又はセパレータとして好ましく使用できる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、23℃、75%RHにおける酸素透過係数が1.5cc・mm/m・day・atm以下であることが好ましく、より好ましくは1cc・mm/m・day・atm以下、さらに好ましくは、0.7cc・mm/m・day・atm以下である。酸素透過係数がこの範囲であると、各種ガスに対するバリア性が良好である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において各種測定は以下の方法により行った。
(1)ガスバリア性
23℃、75%RHの雰囲気下にてJIS K7126に準じてフィルムの酸素透過係数(cc・mm/m・day・atm)を測定した。測定は、モダンコントロールズ社製、OX−TRAN2/21を使用した。値が低いほどガスバリア性が良好であることを示す。
(2)導電性
JIS K7149に基づき体積抵抗率(Ω・cm)を求めた。体積抵抗率が低いほど導電性が良好であることを示す。測定には、三菱油化製ロレスター APを用いた。
(3)ポリアミドの融点、ガラス転移点
島津製DSC−60を用いて、示差走査熱量測定(DSC)により求めた。測定条件は、約5mgのサンプルを10℃/minの条件で昇温し、300℃に到達した時点で急冷し、再び10℃/minの条件で昇温した。なお、非晶のサンプルはペレットを煮沸し結晶化させたサンプルを測定した。
(4)数平均分子量
東ソー製HLC−8320GPCを用いて、GPC測定によりPMMA換算値を求めた。なお、測定用カラムはTSKgel SuperHM−Hを用い、溶媒にはトリフルオロ酢酸ナトリウムを10mmol/l溶解したヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用い、測定温度は40℃にて測定した。また、検量線は6水準のPMMAをHFIPに溶解させて測定し作成した。
<製造例1>
(ポリアミド(A1)の合成)
反応缶内でアジピン酸(ローディア製)を170℃にて加熱し溶融した後、内容物を攪拌しながら、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学(株)製)をアジピン酸とのモル比が1:1になるように徐々に滴下しながら、温度を240℃まで上昇させた。滴下終了後、260℃まで昇温した。反応終了後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化した。得られたペレットをタンブラーに仕込み、減圧下で固相重合し、分子量を調整したポリアミド(A1)を得た。なお、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンは、シス体/トランス体比を、74/26に調整したものを用いた。ポリアミド(A1)の融点は230℃、ガラス転移点は103℃、数平均分子量は30000、酸素透過係数は0.2cc・mm/m・day・atmであった。
<製造例2>
(ポリアミド(A2)の合成)
アジピン酸の代わりにセバシン酸(伊藤製油製TAグレード)を用いた以外は製造例1と同様にして、ポリアミド(A2)を合成した。ポリアミド(A2)の融点は181℃、ガラス転移点は84℃、数平均分子量は30000、酸素透過係数は1.2cc・mm/m・day・atmであった。
<製造例3>
(ポリアミド(A3)の合成)
セバシン酸の代わりに、セバシン酸とアジピン酸のモル比が4:6の混合ジカルボン酸を用いた以外は製造例1と同様にしてポリアミド(A3)を合成した。ポリアミド(A3)のガラス転移点は98℃、数平均分子量は35000、酸素透過係数は0.6cc・mm/m・day・atmであった。
<実施例1>
ポリアミド(A1)とグラファイト(日本黒鉛社製天然鱗片状黒鉛 グレード特CP)とカーボンブラック(キャボット社製バルカンXC)を二軸押出機で溶融混練してペレット化した。得られたペレットを30mmφのスクリューとTダイを備える単軸押出機にて押出成形し、100μm厚のフィルムを得た。ポリアミド樹脂組成物の組成と評価結果を表1に示す。
<実施例2〜4>
ポリアミド樹脂組成物を表1記載のものとした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
ポリアミド樹脂組成物を表1記載のものとした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
尚、表1記載の略号は以下の通りである。
A1:製造例1で得られたポリアミド(A1)
A2:製造例2で得られたポリアミド(A2)
A3:製造例3で得られたポリアミド(A3)
S6007:アジピン酸とメタキシリレンジアミンからなるポリアミド(三菱ガス化学(株)製MXナイロン グレードS6007)、融点は240℃、数平均分子量は45000であった。
カーボン1:グラファイト(日本黒鉛社製天然鱗片状黒鉛 グレード特CP)
カーボン2:カーボンブラック(キャボット社製バルカンXC)
カーボン3:ケッチェンブラック(ライオン社製 グレードEC600JD)
以上の実施例で示したように、本発明の構成要件である、骨格中に1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン構成単位を含むポリアミド(A)と導電性物質(B)を含むポリアミド樹脂組成物は、優れた導電性、バリア性、耐熱性、耐熱老化性を兼ね備えていた。

Claims (11)

  1. 骨格中に1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン構成単位を含むポリアミド(A)と導電性物質(B)を含む、体積抵抗率が10Ω・cm以下であるポリアミド樹脂組成物。
  2. ポリアミド(A)のガラス転移点Tgが80〜120℃である請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. ポリアミド(A)の23℃、75%RHにおける酸素透過係数が1.5cc・mm/m・day・atm以下である請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. ポリアミド(A)が、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを30モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミドである請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. ポリアミド(A)が、主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸とを重縮合して得られるポリアミドである請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. ポリアミド(A)が、主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとセバシン酸とを重縮合して得られるポリアミドである請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. ポリアミド(A)が、主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸とセバシン酸とを重縮合して得られるポリアミドである請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  8. ポリアミド(A)が、主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸とを重縮合して得られるポリアミドと、主として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとセバシン酸とを重縮合して得られるポリアミドの混合物である請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  9. 導電性物質(B)が、カーボンブラック、グラファイト及びカーボン繊維から選ばれる1種以上である請求項1〜8のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を利用してなる成形品。
  11. 成形品が電池用電極又はセパレータである請求項10に記載の成形品。
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