JP2007031501A - 摺動部材用組成物 - Google Patents
摺動部材用組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007031501A JP2007031501A JP2005213836A JP2005213836A JP2007031501A JP 2007031501 A JP2007031501 A JP 2007031501A JP 2005213836 A JP2005213836 A JP 2005213836A JP 2005213836 A JP2005213836 A JP 2005213836A JP 2007031501 A JP2007031501 A JP 2007031501A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composition
- sliding member
- parts
- resin
- filler
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Lubricants (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】バインダー樹脂100重量部、固体潤滑剤5〜100重量部および充填剤20〜40重量部を含有してなる摺動部材用組成物。充填剤としては、層状構造を有しかつその吸油量が40〜100ml/100gであるもの、好ましくは焼成カオリンまたは乾式カオリンが用いられる。
Description
(1)バインダー樹脂や固体潤滑剤の使用比率を減らし、その減少分を吸油量を特定した充填剤によって補い、より薄い被膜厚で摩擦・摩耗特性と塗膜強度特性の両立を図ることができる。
(2)吸油量は、バインダー樹脂とのなじみ性が塗膜強度特性に影響するため、吸油量を特定することにより、充填剤の配合量をより増すことができ、バインダー樹脂と充填剤との密着性にすぐれた、安価で高強度の摺動部材用組成物を得ることができる。
(3)この組成物は、有機溶媒分散液として塗布し、適用されるが、吸油量は有機溶媒との相溶性にも影響し、それを特定することにより、保存安定性が改善される。
(4)好ましい充填剤として焼成カオリンが用いられた場合には、焼成処理により有機物が分解されるため、さらに白色度が高まるばかりではなく、分散性も向上する。
(5)したがって、これ以下の吸油量のものでは、組成物を塗布する際用いられる溶媒とのなじみ性が低下し、充填剤の均一な分散が困難となるため、所期の目的を達成することができず、一方これ以上の吸油量のものを用いると、固体潤滑剤や着色充填剤のバインダー樹脂へのなじみ性が阻害され、目的とする特性が得られないようになる。また、充填剤は、バインダー樹脂100重量部当り約20〜40重量部、好ましくは約25〜35重量部の割合で用いられる。使用割合がこれ以上では、所期の目的を達成することができず、一方これ以上の割合で使用されると、成膜性が阻害され、十分な強度を得ることができなくなる。
ポリアミドイミド樹脂(日立化成製品HPC-5000)100部(重量、以下同じ)、乳化重合法PTFE 40部および焼成カオリン(吸油量60ml/100g)25部よりなる組成物形成成分を、N-メチル-2-ピロリドン-メチルイソブチルケトン等重量混合物75部と共に、ボールミルで十分に混合分散させた組成物分散液を、摺動部材としてのアルミニウム試験片(材質A6061ディスク)にスプレー塗布し、用いられたバインダー樹脂の種類に応じて200〜230℃で焼成し、塗膜厚30〜40μmの摺動部材用組成物層を形成させた。
摩擦・摩耗特性:リングオンディスク型試験機を用い、相手材リングとしてディスク同様に摺動面粗さが調整されたアルミニウム材(A6061)をディスク上に載せ、オイルに満たされた状態の試験摺動部にセットし、上から面圧3.92MPaとなる荷重を負荷し、周速500mm/秒の回転速度で回転させ、試験時間100時間後の摩擦係数を摩擦特性として評価すると共に、100時間後のディスク上の摩耗深さを摩耗特性として評価した
強度特性:ボールオンディスク型試験機を用い、相手材ボール(SUS、5mm径)を荷重9.8Nで点圧させ、幅10mmを40mm/秒の速度で往復摺動させ、その摺動面塗膜の状態を目視で観察し、塗膜が破壊に至る回数を測定し、塗膜強度として評価した
実施例1において、焼成カオリンの代わりに乾式カオリン(吸油量55ml/100g)35部が用いられた。
実施例1において、PTFEの代わりにMoS2(THOMPSON CREEK MINING社製品UP-15)20部が、また焼成カオリンの代わりに乾式カオリン(吸油量55ml/100g)30部がそれぞれ用いられた。
実施例1において、PTFEの代わりにMoS2(UP-15)20部が、また焼成カオリン量が40部に、それぞれ変更されて用いられた。
実施例1において、組成物形成成分としてポリイミド樹脂(新日本理化製品リカコートPN-20L)100部、MoS2(UP-15)15部および乾式カオリン(吸油量55ml/100g)35部が用いられた。
実施例5において、乾式カオリンの代わりに焼成カオリン(吸油量55ml/100g)30部が用いられた。
実施例5において、MoS2の代わりにPTFE 35部が用いられた。
実施例5において、MoS2の代わりにPTFE 35部が、乾式カオリンの代わりに焼成カオリン(吸油量55ml/100g)25部がそれぞれ用いられた。
実施例1において、焼成カオリンが用いられず、また焼成後の研磨による組成物層の塗膜厚が25μmに変更された。
実施例5において、MoS2量が25部に変更され、乾式カオリンが用いられなかった。また焼成後の研磨による組成物層の塗膜厚が25μmに変更された。
実施例1において、焼成カオリンが用いられなかった。
実施例5において、MoS2量が25部に変更され、乾式カオリンが用いられなかった。
実施例1において、PTFE量が20部に変更され、焼成カオリンが用いられなかった。
実施例5において、乾式カオリンが用いられなかった。
実施例1において、焼成カオリンの代わりにカーボンブラック(鎖状構造、吸油量75ml/100g)30部が用いられた。
実施例5において、乾式カオリンの代わりに同量のカーボンブラック(鎖状構造、吸油量75ml/100g)が用いられた。
実施例1において、焼成カオリンの代わりに土状黒鉛(層状構造、吸油量120ml/100g)30部が用いられた。
実施例5において、乾式カオリンの代わりに同量の土状黒鉛(層状構造、吸油量120ml/100g)が用いられた。
実施例1において、焼成カオリンの代わりにタルク(層状構造、吸油量30ml/100g)30部が用いられた。
実施例5において、乾式カオリンの代わりに同量のタルク(層状構造、吸油量30ml/100g)が用いられた。
表
特性評価項目
例 摩耗深さ(μm) 摩擦係数 破壊回数(回)
実施例1 0.3 0.030 2485
〃 2 0.4 0.050 3201
〃 3 0.6 0.032 3106
〃 4 0.3 0.039 2359
〃 5 0.3 0.031 1727
〃 6 0.1 0.038 1961
〃 7 0.8 0.061 1843
〃 8 0.2 0.029 2164
参考例1 0.5 0.035 1697
〃 2 0.3 0.038 1552
比較例1 0.4 0.033 972
〃 2 0.2 0.029 855
〃 3 3.4 0.042 1825
〃 4 5.2 0.031 1621
〃 5 4.2 0.075 1521
〃 6 3.3 0.091 1749
〃 7 1.5 0.051 323
〃 8 2.1 0.030 202
(1) 各実施例においては、塗膜厚を厚くした参考例1〜2よりも薄い塗膜厚でも、摩擦・摩耗特性を同等に維持しつつ、塗膜強度特性が同等以上の破壊回数として示される。
(2) カオリンを用いず、あるいはさらに固体潤滑剤を増量した比較例1〜2では、従来塗膜厚の25μmの場合(参考例1〜2)よりも、塗膜強度が低下している。
(3) 塗膜厚10μmであって、カオリンを用いず、固体潤滑剤量を減らした比較例3〜4では、参考例1〜2と同等の塗膜強度は有するものの、摩耗特性が著しく低下している。
(4) 吸油量が40〜100ml/100gであっても、層状構造をもたない充填剤を用いた比較例5〜6では、参考例1〜2と同等の塗膜強度は有するものの、摩耗特性が著しく低下している。
(5) 層状構造を有していても、吸油量が100ml/100g以上の充填剤を用いた比較例7〜8では、塗膜強度が著しく低下している。
Claims (8)
- バインダー樹脂100重量部、固体潤滑剤5〜100重量部および充填剤20〜40重量部を含有してなる摺動部材用組成物。
- バインダー樹脂がポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂である請求項1記載の摺動部材用組成物。
- 固体潤滑剤がフッ素化ポリマー、二硫化モリブデンまたは二硫化タングステンである請求項1記載の摺動部材用組成物。
- 充填剤が層状構造を有し、かつその吸油量が40〜100ml/100gである請求項1記載の摺動部材用組成物。
- 層状構造を有する充填剤が焼成カオリンまたは乾式カオリンである請求項4記載の摺動部材用組成物。
- 摺動部材の表面に適用され、そこに被膜を形成せしめる請求項1乃至5のいずれかに記載の摺動部材用組成物。
- 請求項6記載の摺動部材用組成物から形成される被膜を、その表面に形成させた摺動部材。
- 2〜50μmの膜厚の被膜が形成された請求項7記載の摺動部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005213836A JP2007031501A (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | 摺動部材用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005213836A JP2007031501A (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | 摺動部材用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007031501A true JP2007031501A (ja) | 2007-02-08 |
JP2007031501A5 JP2007031501A5 (ja) | 2008-08-07 |
Family
ID=37791134
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005213836A Pending JP2007031501A (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | 摺動部材用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007031501A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008308595A (ja) * | 2007-06-15 | 2008-12-25 | Daido Metal Co Ltd | 乾性潤滑被膜組成物及び該乾性潤滑被膜組成物を摺動層としたすべり軸受 |
JP2010195888A (ja) * | 2009-02-24 | 2010-09-09 | Nitto Denko Corp | 管状体およびその製造方法 |
JP2013014703A (ja) * | 2011-07-05 | 2013-01-24 | Daikin Industries Ltd | 摺動部材、および、摺動部材の製造方法 |
JP2015160900A (ja) * | 2014-02-27 | 2015-09-07 | 三菱電機株式会社 | 再生熱可塑性樹脂組成物 |
KR101984880B1 (ko) * | 2018-10-08 | 2019-05-31 | 한국과학기술연구원 | 오일리스 부시용 고체 윤활막 |
JP2019113189A (ja) * | 2013-12-31 | 2019-07-11 | サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション | ポリイミドマトリックスを有する複合ベアリング |
US10760027B2 (en) | 2014-05-16 | 2020-09-01 | Nok Klueber Co., Ltd. | Sliding member having coating film and method for forming coating film |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6416842A (en) * | 1987-07-13 | 1989-01-20 | Taiho Kogyo Co Ltd | Sliding member |
JPH01261514A (ja) * | 1988-04-07 | 1989-10-18 | Taiho Kogyo Co Ltd | 摺動材料 |
JPH0489892A (ja) * | 1990-08-02 | 1992-03-24 | Taiho Kogyo Co Ltd | 摺動材料 |
JPH05320676A (ja) * | 1992-05-15 | 1993-12-03 | Nippon Petrochem Co Ltd | プラスチック用摺動樹脂組成物 |
JPH0979262A (ja) * | 1995-09-14 | 1997-03-25 | Taiho Kogyo Co Ltd | 滑り軸受 |
JP2001280344A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-10 | Ntn Corp | 複写機またはプリンター用すべり軸受およびすべり軸受装置 |
-
2005
- 2005-07-25 JP JP2005213836A patent/JP2007031501A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6416842A (en) * | 1987-07-13 | 1989-01-20 | Taiho Kogyo Co Ltd | Sliding member |
JPH01261514A (ja) * | 1988-04-07 | 1989-10-18 | Taiho Kogyo Co Ltd | 摺動材料 |
JPH0489892A (ja) * | 1990-08-02 | 1992-03-24 | Taiho Kogyo Co Ltd | 摺動材料 |
JPH05320676A (ja) * | 1992-05-15 | 1993-12-03 | Nippon Petrochem Co Ltd | プラスチック用摺動樹脂組成物 |
JPH0979262A (ja) * | 1995-09-14 | 1997-03-25 | Taiho Kogyo Co Ltd | 滑り軸受 |
JP2001280344A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-10 | Ntn Corp | 複写機またはプリンター用すべり軸受およびすべり軸受装置 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008308595A (ja) * | 2007-06-15 | 2008-12-25 | Daido Metal Co Ltd | 乾性潤滑被膜組成物及び該乾性潤滑被膜組成物を摺動層としたすべり軸受 |
JP2010195888A (ja) * | 2009-02-24 | 2010-09-09 | Nitto Denko Corp | 管状体およびその製造方法 |
JP2013014703A (ja) * | 2011-07-05 | 2013-01-24 | Daikin Industries Ltd | 摺動部材、および、摺動部材の製造方法 |
JP2019113189A (ja) * | 2013-12-31 | 2019-07-11 | サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション | ポリイミドマトリックスを有する複合ベアリング |
JP2015160900A (ja) * | 2014-02-27 | 2015-09-07 | 三菱電機株式会社 | 再生熱可塑性樹脂組成物 |
US10760027B2 (en) | 2014-05-16 | 2020-09-01 | Nok Klueber Co., Ltd. | Sliding member having coating film and method for forming coating film |
KR101984880B1 (ko) * | 2018-10-08 | 2019-05-31 | 한국과학기술연구원 | 오일리스 부시용 고체 윤활막 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11603477B2 (en) | Dry film lubricants containing graphene | |
JP2007031501A (ja) | 摺動部材用組成物 | |
US9243204B2 (en) | Wear resistant lubricious composite | |
JP5838272B2 (ja) | ポリミドイミド樹脂を含む塗料組成物 | |
JP2018524440A (ja) | 高離型性及び低摩擦性を有する機能性コーティング形成用組成物 | |
Roy et al. | Tribological properties of polyimide coating filled with carbon nanotube at elevated temperatures | |
WO2013168453A1 (ja) | 摺動部材用組成物 | |
WO2018115490A1 (en) | Use of a polymeric material based on polyetherketoneketones for reducing wear | |
Demian et al. | Investigation of surface properties and mechanical and tribological behaviors of polyimide based composite coatings | |
JP2007269936A (ja) | 乾性潤滑被膜組成物 | |
JP6973708B2 (ja) | 乾性潤滑被膜組成物、及びその乾性潤滑被膜組成物により摺動層を構成した摺動部材 | |
JP6811525B2 (ja) | 軸受材料 | |
KR20210038282A (ko) | 폴리이미드 슬라이딩 층을 갖는 슬라이딩 베어링 | |
JP2001011372A (ja) | 塗料組成物および塗装物品 | |
CN110520455B (zh) | 具有高填料含量的组合物和成形体的生产方法 | |
KR20230074142A (ko) | 마찰 방지 코팅 조성물 | |
US20040259741A1 (en) | Coating composition for use in sliding members | |
JP7444532B2 (ja) | 摺動性構造体及びその製造方法 | |
JPH03292366A (ja) | 耐摩耗性樹脂組成物 | |
KR102014936B1 (ko) | 불소계 탄화수소 화합물을 포함하는 코팅 조성물 및 그 제조방법 | |
JP6421434B2 (ja) | 摺動部材用ポリアミドイミド樹脂組成物及びそれを用いた摺動部材 | |
JP3501890B2 (ja) | 耐熱・潤滑性樹脂組成物 | |
JP2007238686A (ja) | 塗料組成物及び塗装物品 | |
JP2012111815A (ja) | 乾性潤滑被膜形成用樹脂組成物 | |
KR20240014507A (ko) | 도료 조성물, 도막 및 도장 물품 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080617 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080625 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110705 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110719 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120131 |