JPH0489892A - 摺動材料 - Google Patents

摺動材料

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JPH0489892A
JPH0489892A JP20537490A JP20537490A JPH0489892A JP H0489892 A JPH0489892 A JP H0489892A JP 20537490 A JP20537490 A JP 20537490A JP 20537490 A JP20537490 A JP 20537490A JP H0489892 A JPH0489892 A JP H0489892A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、摺動材料に関するものであり、さらに詳しく
述べるならば、クーラー用コンプレッサの軸受、ウォー
ターポンプ用軸受、オートマチイックトランスミッショ
ン用ブシュ・ワッシャ、ターボチャージャまたはスーパ
ーチャジャ用軸受、パワーステアリング用軸受、シール
部材等に使用される芳香族ポリイミド系摺動材料に関す
るものである、また、本発明で基材として使用される芳
香族ポリイミド樹脂は縮合反応型のものである。
(従来の技術) 芳香族ポリイミドおよびポリアミドイミド樹脂は耐熱性
および機械的性質に優れているために、摺動材料として
広く使用されている。
特開昭62−84154号公報は芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂とフェノール樹脂とを配合し、これを加熱溶融し
た摺動材料を提案している。この芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂は、芳香族トリカルボン酸無水物またはその誘導
体と、H,N−R,−Nl2または0CN−R1−NC
O(ただし、R1は少なくとも1つのベンゼン環を含む
3価の芳香族基、R2は2価の有機基である)を適当な
溶剤中で反応させ、ポリアミド酸を形成させ、これをイ
ミド化して得るものである。この公報の発明において、
両樹脂の溶融中に芳香族ポリアミドイミドの未反応カル
ボキシル基がフェノール樹脂のメチロール基が反応する
こと、この反応が摺動中に起こらないこと、が耐摩耗性
等の向上の原因で有ると考察されている。
特開昭62−252455号公報はポリアミドビスマレ
イド樹脂に固体潤滑剤および有機質充填材を配合した樹
脂組成物を提案している。ポリアミドビスマレイド樹脂
は通常無水マレイン酸とジアミノ化合物から中間体であ
るビスマレイアミック酸を経由して合成される重合体で
あり、無水マレイン酸の不飽和基とアミノ基の付加反応
によりよって高分子化が進行する。前記公報の発明はポ
リアミドビスマレイド樹脂に固体潤滑剤および有機質充
填剤を配合することにより摺動特性を向上せんとするも
のである。
特開昭63−314274号公報は、熱可塑性ポリイミ
ド、フェノール樹脂および固体潤滑剤からなる摺動用樹
脂組成物を提案しており、その熱可塑性ポリイミドは特
定化合物形態のエーテルジアミンと1種以上のテトラカ
ルボン酸二無水物を反応させて得られるポリアミド酸を
脱水環化して得られる。この公報は基材であるポリイミ
ド樹脂自体の摺動特性を改善することを目的としている
以上の樹脂を公報記載の反応形態から分類すると、特開
昭62−252455号のポリアミノビスマレイドは付
加反応型であり、特開昭63−314274号の熱可塑
性ポリイミドは縮合反応型となる。
(発明が解決しようとする課題) 付加重合型のポリイミドは縮合重合型ポリイミドに比較
して縮合による生成物が無(、ボイドを形成しにくいこ
とや、付加重合前の状態では溶剤に溶けやすい等の利点
がある。しかしながら、付加重合型ポリイミドは付加反
応過程で架橋反応が起こりやすく、その結果として縮合
反応型ポリイミドに比較して脆い材料になってしまう問
題がある。一方縮合反応型ポリイミドは線状の高分子を
形成しやすく、比較的柔軟な材料になる。
したがって1本発明者は縮合反応型ポリイミドを基材と
して使用する摺動材料の特性につき検討を加え、以下の
ような知見を得た。
従来、縮合反応型ポリイミドを摺動材料の基材として使
用する時は、縮合反応が終了したポリイミドを固体潤滑
剤等の他の成分と混合して溶融、成形等の処理をしてい
たが、固体潤滑剤などの添加成分の基材中への分散や基
材による保持が十分ではなく、そのため摺動特性が不十
分であった。
(課題を解決するための手段) 本発明に係る摺動材料は、ワニスに含有された縮合反応
型芳香族ポリイミド系樹脂マトリックスと該樹脂マトリ
ックス中に存在する配合物とからなる摺動材料において
、 前記配合物が、少なくとも、熱硬化性樹脂の熱処理され
た粉末を含有してなり、かつ前記縮合反応型芳香族ポリ
イミドが前記常温で液状形態であり、粉末を分散させた
状態で固化、縮合かつ収縮したことを特徴とする。
芳香族ポリイミドの少なくとも一部は変性樹脂であって
もよい。
さらに、本発明の摺動材料は以下の任意の添加物の1種
以上を含有するものであってもよい。
05〜75重量%の固体潤滑剤 01〜60重量%のC ■0.5〜2重量%の硬質物添加剤 ■0.1〜10容置%のオイル 以下本発明の詳細な説明する。
縮合反応型芳香族ポリイミドおよびその変性樹脂として
は、芳香族ポリイミド、ポリエステルイミドおよび芳香
族ポリアミドイミド、ならびにそれらのジイソシアネー
ト変性、DAPI変性、DONA変性、BPDA変性、
スルホン変性等のポリイミド系樹脂(以下、芳香族ポリ
イミド系樹脂と総称する)を使用することができるが、
これら樹脂は各々縮合反応型でありかつ常温で液状形で
供されつるものを選定する必要がある。
芳香族ポリイミド系樹脂が常温液状で供される際の形態
について、以下説明する。
縮合反応型の芳香族ポリイミドでは、単量体としてポリ
アミド酸があり、その縮合反応によりイミド結合が形成
され、このとき縮合生成物としてH2Oが発生する。液
状形においてもごく一部は縮合反応をしているが、大部
分は単量体である。
溶剤および縮合生成物を除去するため乾燥させると、こ
の縮合反応物が次第に増え単量体の割合が若干低下する
。焼成すると、その殆どが芳香族ポリイミドの縮合反応
物となるが、極微量の単量体とともに縮合反応物の一部
に僅かに未反応縮合反応基が残存する。
次に、縮合反応型の芳香族ポリアミドイミドでは、例え
ば、単量体として、無水トリメリット酸とフェニレンジ
イソシアネートとの組合わせがあり、その縮合反応によ
ってイミド結合およびアミド結合が形成され、このとき
縮合生成物としてCO□が発生する。乾燥時もしくは液
状形においても、単量体が相対的に大半を占めるものの
、一部には、端部に反応基をもつ縮合反応物等が含まれ
ていることが多い、また焼成すると、その殆どが芳香族
ポリアミドイミドの縮合反応物となるが、極微量の単量
体とともに縮合反応物の一部にわずかに未反応縮合反応
基が残存する。
次に、縮合反応型の芳香族ポリエステルイミドでは、イ
ミド酸とグリコールの間の縮合反応によりエステル結合
が形成され、縮合生成物としてH,Oが発生する。そし
て、縮合反応物として、イミド基を内包する樹脂、すな
わち芳香族ポリエステルイミドが形成される。液状形に
おいても一部には端部に反応基をもつ縮合反応物等が含
まれていることが多い、焼成すると、その殆どが芳香族
ポリエステルイミドの縮合反応物となるが極微量の単量
体とともに縮合反応物の一部に僅かに未反応縮合反応基
が残存する。
ここで、縮合反応物である芳香族ポリイミド系樹脂の量
は20〜95重量%(百分率は以下特記しない限り重量
%である)の範囲内にあることが、好ましく、20〜8
0%特に30〜60%の範囲内にあることがより好まし
い。この量が20%未満であると、配合物の結合力が弱
(なったりその保持状態が悪くなり、耐摩耗性が劣化し
、方95%を超えると摩擦係数が増大し、やはり耐摩耗
性が劣化する。
本発明の常温で液状形で供されつる芳香族ポリイミド系
樹脂は、溶剤等により液状で供される所謂ワニスと称さ
れる形態にて好適に使用できる。
ワニス中には、必ず縮合反応前の芳香族ポリイミド系樹
脂となり得る成分(例えば単量体)を存在させることが
必要である。
フェスを調製するための溶剤は、ポリイミドに対しては
N−メチル−2−ピロリドン(60%)、ジメチルアセ
トアミド(30%)、メチルイソブチルケトン(10%
)からなるものが好ましく、ポリアミドイミドに対して
はN−メチル−2−ピロリドン(70%)、キシレン(
30%)からなるものが好ましく、ポリエステルイミド
に対してはクレゾールが好ましい。溶剤の使用量は特に
制限がないが、一般に50〜90%(樹脂および単量体
の合計に対して)である。
本発明の摺動材料の必須の添加剤として使用される熱硬
化性樹脂の熱処理された粉末は、主として耐摩耗性の向
上に寄与する添加剤である。熱処理される樹脂は芳香族
ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂等の熱硬
化性樹脂などを使用することができる、熱処理は250
℃以上の温度で粉末あるいは樹脂成形体を加熱すること
により行う。樹脂成形体は熱処理後粉砕する。熱硬化性
樹脂の熱処理された粉末の量は2〜80%、特に5〜5
0%が好ましい。熱硬化性樹脂の置が2%未満であると
、摺動材料の耐摩耗性が不足し。
方80%を超えると耐熱性および耐摩耗性が不足する。
熱処理された粉末の最大粒径は250μm以下、平均粒
径としては1〜80μmが好ましく4〜50μmがより
好ましい。平均粒径が1μm以下であると、芳香族ポリ
イミド系樹脂の縮合反応の時に縮合生成物の拡散が悪く
なり、ボイドなどの発生が起こり易くなる。一方、平均
粒径が80umを超えたり、最大粒径が250umを越
えると、芳香族ポリイミド系樹脂の縮合反応等による収
縮が均一となり摺動表面への悪影響を生じたり、熱硬化
性樹脂保持が困難となって、結果として脱落摩耗や自己
異物摩耗を起こしたり摩擦力の増大を招いたりする恐れ
がある。
熱硬化性樹脂としては、特に、実質的に単離した形状を
有するフェノール樹脂が好ましい。実質的に単離されて
いる粒子は樹脂組成物中で粒子が個々に単独粒子に分離
されて分散し、かつ非分離の凝集した粒子よりも摺動面
での露出量が多くなる結果、フェノール樹脂の摺動特性
改良の効果が十分に発揮される。また、凝集した粒子は
摺動中に単離する結果、相手軸への凝着や摩擦係数の変
動が起き易く、またなじみ性が不良になる。このような
傾向は一次粒子の平均粒径より大きい粒子(−次粒子)
が凝集している場合に顕著になる。
単離の程度、即ち凝集が少ない程度は次式(P)で表さ
れる。
単離度P = N b / N a Nai1次粒子の平均粒径より大きい粉末の個数 Nb : Na個の粉末中単離している粒子の個数 但し、−次粒子の平均粒子径より大きい単離粒子に平均
粒子径より小さい粒子が付着している時は、平均粒子径
従大きい粒子の個数をNaとして数える。−次粒子の平
均粒子径は通常1〜50μmである。
単離度Pは0.2以上であることが好ましい。
実質的に単離した球形状を有し、熱処理されているフェ
ノール樹脂としては、ベルバール■(鐘紡社登録商標)
の中で二次凝集が少ない熱不融性タイプ(Rタイプ)を
熱処理したもの、あるいは不溶融性樹脂を300〜80
0℃で熱処理したもの(H,Cタイプ)を使用すること
ができる。
方、溶融−硬化型(Sタイプ)は好ましくない。
続いて任意添加剤の構成を説明する。
固体潤滑剤は摩擦係数を低下させるために添加される。
固体潤滑剤としては、PTFE、フッ素樹脂(PFA、
FEP、ETFEなど) 、 Mo5s、BN、 Pb
、酸化pb、硫化pb等を使用することができる。固体
潤滑剤は含有量が0.1%未満であると摩擦係数低下の
効果がな(、一方75%を超えると機械的強度と耐摩耗
性の低下を招くので、0゜1〜75%の含有量範囲内で
なければならない。
固体潤滑剤の好ましい含有量は5〜20%である。
カーボンは耐摩耗性を向上させかつ摩擦係数を低下する
。カーボンとしては、カーボンブラック、コークス粉末
、ガラス状カーボンなどの非晶質カーボンと、人造黒鉛
あるいは天然黒鉛(グラファイト)などの結晶質カーボ
ンのいずれでも使用することができるが、耐摩耗性は非
晶質カーボンが良好であり、摩擦特性は結晶質カーボン
が良好であるので、用途によりこれらを使い分けする。
カーボンの含有量が1%未満であると、耐摩耗性と摩擦
特性向上に硬化がなく、一方60%を超えると、機械的
強度を低下し、またカーボンの脱落による摩擦係数の不
安定化を招き易いのでカーボン含有量は1〜50%であ
ることが必要である。カーボンの好ましい含有量は5〜
50%である。カーボンの平均粒径は250μm以下で
あることが好ましい、平均粒径が250μmを超える粗
大カーボンは同一含有量で比較すると摺動面での露出面
積が微細カーボンより少な(なり、摺動特性向上に有効
ではない、カーボンの好ましい平均粒径は10〜50μ
mである。
摩擦調整剤は主として耐摩耗性を向上させるために添加
される。摩擦調整剤としては、クレーアルミナ、ムライ
ト、シリカなどの無機化合物を使用することができる。
摩擦調整剤は含有量が0.5%未満であると耐摩耗性向
上に効果がな(、一方20%を超えると相手材を摩耗し
易くなりまた棲械的強度が低下するので、0,5〜20
%の含有量範囲が必要である。摩擦調整剤の好ましい含
有量は5〜20%である。
オイルは摩擦係数を低下させまた摩擦力を安定化するた
めに添加される。オイルとしては、シリコン油、機械油
、タービン油、鉱物油などを使用することができる。オ
イルは(オイル以外の成分を100%とする)外掛けで
配合されるが、含有量が0.1%容量未満であると摺動
特性向上に効果がな(、一方10容量%を超えると強度
、耐熱性と耐摩耗性の低下を招くので、0.1〜10%
の含有量範囲内でなければならない。オイルの好ましい
含有量は1〜5%である。上記以外の添加成分の他に、
強化材料としてカーボン繊維、芳香族ポリアミド繊維、
SiCウィスカ、チタン酸カリウム繊維などを必要に応
じて添加してもよい。
上記した樹脂基材となる単量体および芳香族ポリイミド
のワニスと熱硬化性樹脂とを、必要に応じさらに添加剤
とを混合し、混合物を裏金に塗布するか、ソリッド軸受
製品または半製品形状に成形する。その後室温で乾燥を
行いできるだけ溶剤を蒸発させる。この乾燥処理中に若
干単量体の重合反応が進む。しかし、ポリアミド単量体
の場合は単量体が縮合体より多い。続いて、250〜3
50℃で焼成を行うことによって、単量体が極微量にな
るまで縮合反応を進める。
本発明の摺動材料を裏金付き軸受に製造するには、上記
した芳香族ポリイミド、添加剤、溶剤の混合物を青銅粉
末などを焼付けた裏金等の表面に含浸させて摺動層とし
、乾燥を行い続いて摺動層を圧下し固め、最後に250
〜350℃で焼成を行う。
(作用) 熱硬化性樹脂の熱処理された粉末およびその他の配合物
の存在下で縮合反応物として芳香族ポリイミド系樹脂を
縮合反応させることによって、反応物と樹脂マトリック
スとの結合を強固にすることができ、摺動特性を向上す
ることができる。
特に、熱硬化性樹脂の熱処理された粉末は、縮合反応型
でありかつ常温で液状形で供されつる芳香族ポリイミド
系樹脂の縮合反応物との組合わせにより、粉末が前記樹
脂マトリックスの縮合反応収縮による保持力を含んでな
る保持状態で樹脂マトリックス中に分散できることとな
る。
このことは、成形用樹脂では成形の加熱混合時の溶融粘
度に対し、液状ワニスの粘度は相当低いために添加剤が
均一に分散した組成物が得られること、液状ワニスは樹
脂を含有するために焼成時の収縮率は太き(、添加剤と
基材との密着性が良好になることが関係している。しか
も、液状形で供しうる縮合反応する芳香族ポリイミド系
樹脂と熱処理された粉末との配合により、均一な収縮が
得られることとなる。その上、熱硬化性樹脂の熱処理さ
れた粉末とその芳香族ポリイミド系樹脂との組合わせは
、摺動材料として構成された際に、熱処理された粉末は
摺動熱や摺動負荷応力に対する対応性能が縮合反応物で
ある芳香族ポリイミド系樹脂に比較的類似しておりかつ
総じて若干上回る特性を有するため、摺動材料としての
安定性をも達成できることとなる。
ここで、熱硬化性樹脂は熱処理された粉末に代えて、熱
処理をしていない熱硬化性樹脂粉末のみを用いると、そ
の未熟処理樹脂粉末の存在により、配合焼成時に水など
の反応生成物が発生することとなり、ボイドを生成させ
る。これに対し、本発明のように予め熱処理された粉末
を用いるとこのようなボイド発生を防止するとともに、
前述のとおり樹脂マトリックスの縮合反応によるマトリ
ックス部分でのボイド発生をも防止できる。また、熱硬
化性樹脂の熱処理された粉末は粉末としてワニス中に存
在させ、芳香族ポリイミドが該粉末の粒子を包み込みな
がら収縮し、粉末粒子と芳香族ポリイミドが強固に結合
した時点でそれ以上の収縮が妨げられ、その結果引けや
収縮ひずみなどの発生が少なくなるようにする。
以下、実施例により本発明の詳細な説明する。
(実施例) 表1〜5の摺動層を調製すべく、芳香族ポリイミド、フ
ェノール樹脂、PTFE (モールディングパウダ)、
カーボン(人造黒鉛)、クレー(カオリン粘度)、シリ
カ(無定形シリカ、粉末粒度−325メツシユ)、アル
ミナ(粉末粒度−325メツシユ)、オイル(シリコン
オイル) 、 M。
S2、WS、 、 BN、 Pbを用意した。
フェノール樹脂は特に断らない限り、ベルパール■のH
3O0(300℃熱処理品)を使用した。
一方、裏金として140mmX1.5mmの普通鋼板を
、またその上に形成する粗面化部用青銅粉末(Sn10
%含有、+80メツシユ、−150メツシユ)をそれぞ
れ用意した。裏金を脱脂した後青銅粉末を裏金面積cm
”当たり0.05〜1g裏金に配置し、その後s 30
〜850℃で焼成を行って粗面化部を形成した。粗面化
部の厚さは約150μmであり、青銅の比重に基づいて
計算した気孔率は40〜80%であった。
摺動材料成分は溶剤とともに十分混合した後、粗面化部
へ含浸し、100℃で乾燥し、続いて冷間状態で圧下し
、最後に250℃で焼成し、厚みが約80μmの摺動層
を形成した。
得られたバイメタル状試験片を以下のように試験した。
軸(S45C焼入れ材)を2111/SeCの周速で回
転させ、試験片を軸の平坦端面に20 kg/cm2の
荷重で100℃の外囲雰囲気で押付け、この状態を5時
間継続した後、試験片の全摩耗量、平均の摩擦係数、試
験期間中の最大摩擦力と最小摩擦力の差(すなわち、摩
擦力変動)を求めた。
摩擦力変動は主として添加剤粒子やフェノール樹脂粒子
が摺動面で試験片から脱落することにより、摩擦係数が
変動することに起因する。摩擦力変動が起こると、これ
と同時に焼付き、相手材の異常摩耗などが起こり易いの
で、これらの不良に対する摺動材料の抵抗性を評価する
播種として、摩擦力変動を求めた。
また、パラフィンオイルが給油された軸(S45C焼入
れ材)を4 m/seeの周速で回転させ、試験片を軸
の円筒面に5kgの荷重で押付け、この状態を継続し、
摩擦力が一定になった時間を求め、なじみ時間とした。
表1〜5に各組成の試験結果を示す。
表1は請求項1の摺動材料(No、1〜13)、請求項
3の摺動材料(No、14〜30)のそれぞれ実施例、
表2は請求項1の実施例(No、 3l−33) 、ベ
ース樹脂を本発明のものと変えた比較例(No、34〜
36)。
表3は請求項3の摺動材料の実施例、 表4、表5は請求項3〜5の摺動材料の実施例である。
(以下余白) 各試料より本発明実施例で比較例と比較することにより
摺動特性が(!れていることが明らかである。
試料34−ビスマレイドポリイミドを使用すると、耐摩
耗性が極めて悪い。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の摺動材料は、従来の同種
材料と比較して、耐摩耗性、低摩擦係数、摩擦の安定性
、なじみ性等の総合性能が優れており、境界潤滑条件下
において使用される摺動部材に使用され、優れた特性を
特徴する特許出願人   大豊工業株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、縮合反応型芳香族ポリイミド系樹脂マトリックスと
    該樹脂マトリックス中に存在する配合物とからなる摺動
    材料において、 前記配合物が、少なくとも、熱硬化性樹脂の熱処理され
    た粉末を含有してなり、かつ前記縮合反応型芳香族ポリ
    イミドが前記常温で液状形態であり、粉末を分散させた
    状態で固化、縮合かつ収縮したことを特徴とする摺動材
    料。 2、前記配合物として固体潤滑剤をさらに含有させ、か
    つ前記樹脂マトリックスが20重量%以上となるように
    、該固体潤滑剤の含有量を0.1〜75重量%の組成範
    囲から選択したことを特徴とする請求項1記載の摺動材
    料。 3、前記配合物として、カーボンをさらに含有させ、か
    つ、前記樹脂マトリックスが20重量%以上となるよう
    に、該カーボンの含有量を1〜60重量%の組成範囲か
    ら選択したことを特徴とする請求項1または2記載の摺
    動材料。 4、前記配合物として、摩擦調整剤をさらに含有させ、
    かつ、前記樹脂マトリックスが20重量%以上となるよ
    うに、該摩擦調整剤の含有量を0.5〜20重量%の組
    成範囲から選択したことを特徴とする請求項1から3ま
    でのいずれか1項記載の摺動材料。 5、前記芳香族ポリイミド樹脂の少なくとも一部が変性
    樹脂である請求項1から4までのいずれか1項記載の摺
    動材料。
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