JP2921525B2 - 摺動材料 - Google Patents

摺動材料

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、摺動材料に関するものであり、さらに詳し
く述べるならば、クーラー用コンプレッサの軸受、ウォ
ーターポンプ用軸受、オートマティックトランスミッシ
ョン用ブシュ・ワッシャ、ターボチャージャまたはスー
パーチャジャ用軸受、パワーステアリング用軸受、シー
ル部材等に使用される芳香族ポリイミド系摺動材料に関
するものである。また、本発明で基材として使用される
芳香族ポリイミド樹脂は縮合反応型のものである。
(従来の技術) 芳香族ポリイミドおよびポリアミドイミド樹脂は耐熱
性および機械的性質に優れているために、摺動材料とし
て広く使用されている。
特開昭62−84154号公報は芳香族ポリアミドイミド樹
脂とフェノール樹脂とを配合し、これを加熱溶融した摺
動材料を提案している。この芳香族ポリアミドイミド樹
脂は、芳香族トリカルボン酸無水物またはその誘導体
と、H2N−R2−NH2またはOCN−R2−NCO(ただし、R1は少
なくとも1つのベンゼン環を含む3価の芳香族基、R2
2価の有機基である)を適当な溶剤中で反応させ、ポリ
アミド酸を形成させ、これをイミド化して得るものであ
る。この公報の発明において、両樹脂の溶融中に芳香族
ポリアミドイミドの未反応カルボキシル基がフェノール
樹脂のメチロール基が反応すること、この反応が摺動中
に起こらないこと、が耐摩耗性等の向上の原因で有ると
考察されている。
特開昭62−252455号公報はポリアミドビスマレイド樹
脂に固体潤滑剤および有機質充填材を配合した樹脂組成
物を提案している。ポリアミドビスマレイド樹脂は通常
無水マレイン酸とジアミノ化合物から中間体であるビス
マレイアミック酸を経由して合成される重合体であり、
無水マレイン酸の不飽和基とアミノ基の付加反応により
よって高分子化が進行する。前記公報の発明はポリアミ
ドビスマレイド樹脂に固体潤滑剤および有機質充填剤を
配合することにより摺動特性を向上せんとするものであ
る。
特開昭63−314274号公報は、熱可塑性ポリイミド、フ
ェノール樹脂および固体潤滑剤からなる摺動用樹脂組成
物を提案しており、その熱可塑性ポリイミドは特定化合
物形態のエーテルジアミンと1種以上のテトラカルボン
酸二無水物を反応させて得られるポリアミド酸を脱水環
化して得られる。この公報は基材であるポリイミド樹脂
自体の摺動特性を改善することを目的としている。
以上の樹脂を公報記載の反応形態から分類すると、特
開昭62−252455号のポリアミノビスマレイドは付加反応
型であり、特開昭63−314274号の熱可塑性ポリイミドは
縮合反応型となる。
(発明が解決しようとする課題) 付加重合型のポリイミドは縮合重合型ポリイミドに比
較して縮合による生成物が無く、ボイドを形成しにくい
ことや、付加重合前の状態では溶剤に溶けやすい等の利
点がある。しかしながら、付加重合型ポリイミドは付加
反応過程で架橋反応が起こりやすく、その結果として縮
合反応型ポリイミドに比較して脆い材料になってしまう
問題がある。一方縮合反応型ポリイミドは線状の高分子
を形成しやすく、比較的柔軟な材料になる。
したがって、本発明者は縮合反応型ポリイミドを基材
として使用する摺動材料の特性につき検討を加え、以下
のような知見を得た。
従来、縮合反応型ポリイミドを摺動材料の基材として
使用する時は、縮合反応が終了したポリイミドを固体潤
滑剤等の他の成分と混合して溶融、成形等の処理をして
いたが、固体潤滑剤などの添加成分の基材中への分散や
基材による保持が十分ではなく、そのため摺動特性が不
十分であった。
(課題を解決するための手段) 本発明に係る摺動材料は、ワニスに含有された縮合反
応型芳香族ポリイミド系樹脂マトリックスと該樹脂マト
リックス中に存在する配合物とからなる摺動材料におい
て、 前記配合物が、少なくとも、熱硬化性樹脂の熱処理さ
れた粉末を含有してなり、かつ前記縮合反応型芳香族ポ
リイミドが前記常温で液状形態であり、粉末を分散させ
た状態で固化、縮合かつ収縮したことを特徴とする。
芳香族ポリイミドの少なくとも一部は変性樹脂であっ
てもよい。
さらに、本発明の摺動材料は以下の任意の添加物の1
種以上を含有するものであってもよい。
5〜75重量%の固体潤滑剤 1〜60重量%のC 0.5〜2重量%の硬質物添加剤 0.1〜10容量%のオイル 以下本発明の構成を説明する。
縮合反応型芳香族ポリイミドおよびその変性樹脂とし
ては、芳香族ポリイミド、ポリエステルイミドおよび芳
香族ポリアミドイミド、ならびにそれらのジイソシアネ
ート変性、DAPI変性、DONA変性、BPDA変性、スルホン変
性等のポリイミド系樹脂(以下、芳香族ポリイミド系樹
脂と総称する)を使用することができるが、これら樹脂
は各々縮合反応型でありかつ常温で液状形で供されうる
ものを選定する必要がある。
芳香族ポリイミド系樹脂が常温液状で供される際の形
態について、以下説明する。
縮合反応型の芳香族ポリイミドでは、単量体としてポ
リアミド酸があり、その縮合反応によりイミド結合が形
成され、このとき縮合生成物としてH2Oが発生する。液
状形においてもごく一部は縮合反応をしているが、大部
分は単量体である。溶剤および縮合生成物を除去するた
め乾燥させると、この縮合反応物が次第に増え単量体の
割合が若干低下する。焼成すると、その殆どが芳香族ポ
リイミドの縮合反応物となるが、極微量の単量体ととも
に縮合反応物の一部に僅かに未反応縮合反応基が残存す
る。
次に、縮合反応型の芳香族ポリアミドイミドでは、例
えば、単量体として、無水トリメリット酸とフェニレン
ジイソシアネートとの組合わせがあり、その縮合反応に
よってイミド結合およびアミド結合が形成され、このと
き縮合生成物としてCO2が発生する。乾燥時もしくは液
状形においても、単量体が相対的に大半を占めるもの
の、一部には、端部に反応基をもつ縮合反応物等が含ま
れていることが多い。また焼成すると、その殆どが芳香
族ポリアミドイミドの縮合反応物となるが、極微量の単
量体とともに縮合反応物の一部にわずかに未反応縮合反
応基が残存する。
次に、縮合反応型の芳香族ポリエステルイミドでは、
イミド酸とグリコールの間の縮合反応によりエステル結
合が形成され、縮合生成物としてH2Oが発生する。そし
て、縮合反応物として、イミド基を内包する樹脂、すな
わち芳香族ポリエステルイミドが形成される。液状形に
おいても一部には端部に反応基をもつ縮合反応物等が含
まれていることが多い。焼成すると、その殆どが芳香族
ポリエステルイミドの縮合反応物となるが極微量の単量
体とともに縮合反応物の一部に僅かに未反応縮合反応基
が残存する。
ここで、縮合反応物である芳香族ポリイミド系樹脂の
量は20〜95重量%(百分率は以下特記しない限り重量%
である)の範囲内にあることが、好ましく、20〜80%特
に30〜60%の範囲内にあることがより好ましい。この量
が20%未満であると、配合物の結合力が弱くなったりそ
の保持状態が悪くなり、耐摩耗性が劣化し、一方95%を
超えると摩擦係数が増大し、やはり耐摩耗性が劣化す
る。
本発明の常温で液状形で供されうる芳香族ポリイミド
系樹脂は、溶剤等により液状で供される所謂ワニスと称
される形態にて好適に使用できる。
ワニス中には、必ず縮合反応前の芳香族ポリイミド系
樹脂となり得る成分(例えば単量体)を存在させること
が必要である。
ワニスを調製するための溶剤は、ポリイミドに対して
はN−メチル−2−ピロリドン(60%)、ジメチルアセ
トアミド(30%)、メチルイソブチルケトン(10%)か
らなるものが好ましく、ポリアミドイミドに対してはN
−メチル−2−ピロリドン(70%)、キシレン(30%)
からなるものが好ましく、ポリエステルイミドに対して
はクレゾールが好ましい。溶剤の使用量は特に制限がな
いが、一般に50〜90%(樹脂および単量体の合計に対し
て)である。
本発明の摺動材料の必須の添加剤として使用される熱
硬化性樹脂の熱処理された粉末は、主として耐摩耗性の
向上に寄与する添加剤である。熱処理される樹脂は芳香
族ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂等の熱
硬化性樹脂などを使用することができる。熱処理は250
℃以上の温度で粉末あるいは樹脂成形体を加熱すること
により行う。樹脂成形体は熱処理後粉砕する。熱硬化性
樹脂の熱処理された粉末の量は2〜80%、特に5〜50%
が好ましい。熱硬化性樹脂の量が2%未満であると、摺
動材料の耐摩耗性が不足し、一方80%を超えると耐熱性
および耐摩耗性が不足する。熱処理された粉末の最大粒
径は250μm以下、平均粒径としては1〜80μmが好ま
しく4〜50μmがより好ましい。平均粒径が1μm以下
であると、芳香族ポリイミド系樹脂の縮合反応の時に縮
合生成物の拡散が悪くなり、ボイドなどの発生が起こり
易くなる。一方、平均粒径が80μmを超えたり、最大粒
径が250μmを越えると、芳香族ポリイミド系樹脂の縮
合反応等による収縮が均一となり摺動表面への悪影響を
生じたり、熱硬化性樹脂保持が困難となって、結果とし
て脱落摩耗や自己異物摩耗を起こしたり摩擦力の増大を
招いたりする恐れがある。
熱硬化性樹脂としては、特に、実質的に単離した形状
を有するフェノール樹脂が好ましい。実質的に単離され
ている粒子は樹脂組成物中で粒子が個々に単独粒子に分
離されて分散し、かつ非分離の凝集した粒子よりも摺動
面での露出量が多くなる結果、フェノール樹脂の摺動特
性改良の効果が十分に発揮される。また、凝集した粒子
は摺動中に単離する結果、相手軸への凝着や摩擦係数の
変動が起き易く、またなじみ性が不良になる。このよう
な傾向は一次粒子の平均粒径より大きい粒子(一次粒
子)が凝集している場合に顕著になる。単離の程度、即
ち凝集が少ない程度は次式(P)で表される。
単離度P=Nb/Na Na:1次粒子の平均粒径より大きい粉末の個数 Nb:Na個の粉末中単離している粒子の個数 但し、一次粒子の平均粒子径より大きい単離粒子に平
均粒子径より小さい粒子が付着している時は、平均粒子
径從大きい粒子の個数をNaとして数える。一次粒子の平
均粒子径は通常1〜50μmである。
単離度Pは0.2以上であることが好ましい。
実質的に単離した球形状を有し、熱処理されているフ
ェノール樹脂としては、ベルパール(鐘紡社登録商
標)の中で二次凝集が少ない熱不融性タイプ(Rタイ
プ)を熱処理したもの、あるいは不溶融性樹脂を300〜8
00℃で熱処理したもの(H,Cタイプ)を使用することが
できる。一方、溶融→硬化型(Sタイプ)は好ましくな
い。
続いて任意添加剤の構成を説明する。
固体潤滑剤は摩擦係数を低下させるために添加され
る。固体潤滑剤としては、PTFE,フッ素樹脂(PFA,FEP,E
TFEなど)、MoS2、BN、Pb、酸化Pb、硫化Pb等を使用す
ることができる。固体潤滑剤は含有量が0.1%未満であ
ると摩擦係数低下の効果がなく、一方75%を超えると機
械的強度と耐摩耗性の低下を招くので、0.1〜75%の含
有量範囲内でなければならない。固体潤滑剤の好ましい
含有量は5〜20%である。
カーボンは耐摩耗性を向上させかつ摩擦係数を低下す
る。カーボンとしては、カーボンブラック、コークス粉
末、ガラス状カーボンなどの非晶質カーボンと、人造黒
鉛あるいは天然黒鉛(グラファイト)などの結晶質カー
ボンのいずれでも使用することができるが、耐摩耗性は
非晶質カーボンが良好であり、摩擦特性は結晶質カーボ
ンが良好であるので、用途によりこれらを使い分けす
る。カーボンの含有量が1%未満であると、耐摩耗性と
摩擦特性向上に硬化がなく、一方60%を超えると、機械
的強度を低下し、またカーボンの脱落による摩擦係数の
不安定化を招き易いのでカーボン含有量は1〜50%であ
ることが必要である。カーボンの好ましい含有量は5〜
50%である。カーボンの平均粒径は250μm以下である
ことが好ましい。平均粒径が250μmを超える粗大カー
ボンは同一含有量で比較すると摺動面での露出面積が微
細カーボンより少なくなり、摺動特性向上に有効ではな
い。カーボンの好ましい平均粒径は10〜50μmである。
摩擦調整剤は主として耐摩耗性を向上させるために添
加される。摩擦調整剤としては、クレー、アルミナ、ム
ライト、シリカなどの無機化合物を使用することができ
る。摩擦調整剤は含有量が0.5%未満であると耐摩耗性
向上に効果がなく、一方20%を超えると相手材を摩耗し
易くなりまた機械的強度が低下するので、0.5〜20%の
含有量範囲が必要である。摩擦調整剤の好ましい含有量
は5〜20%である。
オイルは摩擦係数を低下させまた摩擦力を安定化する
ために添加される。オイルとしては、シリコン油、機械
油、タービン油、鉱物油などを使用することができる。
オイルは(オイル以外の成分を100%とする)外掛けで
配合されるが、含有量が0.1%容量未満であると摺動特
性向上に効果がなく、一方10容量%を超えると強度、耐
熱性と耐摩耗性の低下を招くので、0.1〜10%の含有量
範囲内でなければならない。オイルの好ましい含有量は
1〜5%である。上記以外の添加成分の他に、強化材料
としてカーボン繊維、芳香族ポリアミド繊維、SiCウィ
スカ、チタン酸カリウム繊維などを必要に応じて添加し
てもよい。
上記した樹脂基材となる単量体および芳香族ポリイミ
ドのワニスと熱硬化性樹脂とを、必要に応じさらに添加
剤とを混合し、混合物を裏金に塗布するか、ソリッド軸
受製品または半製品形状に成形する。その後室温で乾燥
を行いできるだけ溶剤を蒸発させる。この乾燥処理中に
若干単量体の重合反応が進む。しかし、ポリアミド単量
体の場合は単量体が縮合体により多い。続いて、250〜3
50℃で焼成を行うことによって、単量体が極微量になる
まで縮合反応を進める。
本発明の摺動材料を裏金付き軸受に製造するには、上
記した芳香族ポリイミド、添加剤、溶剤の混合物を青銅
粉末などを焼付けた裏金等の表面に含浸させて摺動層と
し、乾燥を行い続いて摺動層を圧下し固め、最後に250
〜350℃で焼成を行う。
(作用) 熱硬化性樹脂の熱処理された粉末およびその他の配合
物の存在下で縮合反応物として芳香族ポリイミド系樹脂
を縮合反応させることによって、反応物と樹脂マトリッ
クスとの結合を強固にすることができ、摺動特性を向上
することができる。
特に、熱硬化性樹脂の熱処理された粉末は、縮合反応
型でありかつ常温で液状形で供されうる芳香族ポリイミ
ド系樹脂の縮合反応物との組合わせにより、粉末が前記
樹脂マトリックスの縮合反応収縮による保持力を含んで
なる保持状態で樹脂マトリックス中に分散できることと
なる。
このことは、成形用樹脂では成形の加熱混合時の溶融
粘度に対し、液状ワニスの粘度は相当低いために添加剤
が均一に分散した組成物が得られること、液状ワニスは
樹脂を含有するために焼成時の収縮率は大きく、添加剤
と基材との密着性が良好になることが関係している。し
かも、液状形で供しうる縮合反応する芳香族ポリイミド
系樹脂と熱処理された粉末との配合により、均一な収縮
が得られることとなる。その上、熱硬化性樹脂の熱処理
された粉末とその芳香族ポリイミド系樹脂との組合わせ
は、摺動材料として構成された際に、熱処理された粉末
は摺動熱や摺動負荷応力に対する対応性能が縮合反応物
である芳香族ポリイミド系樹脂に比較的類似しておりか
つ総じて若干上回る特性を有するため、摺動材料として
の安定性をも達成できることとなる。
ここで、熱硬化性樹脂は熱処理された粉末に代えて、
熱処理をしていない熱硬化性樹脂粉末のみを用いると、
その未熱処理樹脂粉末の存在により、配合焼成時に水な
どの反応生成物が発生することとなり、ボイドを生成さ
せる。これに対し、本発明のように予め熱処理された粉
末を用いるとこのようなボイド発生を防止するととも
に、前述のとおり樹脂マトリックスの縮合反応によるマ
トリックス部分でのボイド発生をも防止できる。また、
熱硬化性樹脂の熱処理された粉末は粉末としてワニス中
に存在させ、芳香族ポリイミドが該粉末の粒子を包み込
みながら収縮し、粉末粒子と芳香族ポリイミドが強固に
結合した時点でそれ以上の収縮が妨げられ、その結果引
けや収縮ひずみなどの発生が少なくなるようにする。
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。
(実施例) 表1〜5の摺動層を調製すべく、芳香族ポリイミド、
フェノール樹脂、PTFE(モールディングパウダ)、カー
ボン(人造黒鉛)、クレー(カオリン粘度)、シリカ
(無定形シリカ、粉末粒度−325メッシュ)、アルミナ
(粉末粒度−325メッシュ)、オイル(シリコンオイ
ル)、MoS2、WS2、BN、Pbを用意した。
フェノール樹脂は特に断らない限り、ベルパールの
H300(300℃熱処理品)を使用した。
一方、裏金として140mm×1.5mmの普通鋼板を、またそ
の上に形成する粗面化部用青銅粉末(Sn10%含有、+80
メッシュ、−150メッシュ)をそれぞれ用意した。裏金
を脱脂した後青銅粉末を裏金面積cm2当たり0.05〜1g裏
金に配置し、その後830〜850℃で焼成を行って粗面化部
を形成した。粗面化部の厚さは約150μmであり、青銅
の比重に基づいて計算した気孔率は40〜80%であった。
摺動材料成分は溶剤とともに十分混合した後、粗面化
部へ含浸し、100℃で乾燥し、続いて冷間状態で圧下
し、最後に250℃で焼成し、厚みが約80μmの摺動層を
形成した。
得られたバイメタル状試験片を以下のように試験し
た。
軸(S45C焼入れ材)を2m/secの周速で回転させ、試験
片を軸の平坦端面に20kg/cm2の荷重で100℃の外囲雰囲
気で押付け、この状態を5時間継続した後、試験片の全
摩耗量、平均の摩擦係数、試験期間中の最大摩擦力と最
小摩擦力の差(すなわち、摩擦力変動)を求めた。
摩擦力変動は主として添加剤粒子やフェノール樹脂粒
子が摺動面で試験片から脱落することにより、摩擦係数
が変動することに起因する。摩擦力変動が起こると、こ
れと同時に焼付き、相手材の異常摩耗などが起こり易い
ので、これらの不良に対する摺動材料の抵抗性を評価す
る指標として、摩擦力変動を求めた。
また、パラフィンオイルが給油された軸(S45C焼入れ
材)を4m/secの周速で回転させ、試験片を軸の円筒面に
5kgの荷重で押付け、この状態を継続し、摩擦力が一定
になった時間を求め、なじみ時間とした。
表1〜5に各組成の試験結果を示す。
表1は請求項1の摺動材料(No.1〜13)、請求項3の
摺動材料(No.14〜30)のそれぞれ実施例、 表2は請求項1の実施例(No.31〜33)、ベース樹脂
を本発明のものと変えた比較例(No.34〜36), 表3は請求項3の摺動材料の実施例、 表4、表5は請求項3〜5の摺動材料の実施例であ
る。
各試料より本発明実施例で比較例と比較することによ
り摺動特性が優れていることが明らかである。
試料34−ビスマレイドポリイミドを使用すると、耐摩
耗性が極めて悪い。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の摺動材料は、従来の同
種材料と比較して、耐摩耗性、低摩擦係数、摩擦の安定
性、なじみ性等の総合性能が優れており、境界潤滑条件
下において使用される摺動部材に使用され、優れた特性
を発揮する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C10N 40:02 50:08 70:00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縮合反応型芳香族ポリイミド系樹脂マトリ
    ックスと該樹脂マトリックス中に存在する配合物とから
    なる摺動材料において、 前記配合物が、少なくとも、熱硬化性樹脂の熱処理され
    た粉末を含有してなり、かつ前記縮合反応型芳香族ポリ
    イミドが前記常温で液状形態であり、粉末を分散させた
    状態で固化、縮合かつ収縮したことを特徴とする摺動材
    料。
  2. 【請求項2】前記配合物として固体潤滑剤をさらに含有
    させ、かつ前記樹脂マトリックスが20重量%以上となる
    ように、該固体潤滑剤の含有量を0.1〜75重量%の組成
    範囲から選択したことを特徴とする請求項1記載の摺動
    材料。
  3. 【請求項3】前記配合物として、カーボンをさらに含有
    させ、かつ、前記樹脂マトリックスが20重量%以上とな
    るように、該カーボンの含有量を1〜60重量%の組成範
    囲から選択したことを特徴とする請求項1または2記載
    の摺動材料。
  4. 【請求項4】前記配合物として、摩擦調整剤をさらに含
    有させ、かつ、前記樹脂マトリックスが20重量%以上と
    なるように、該摩擦調整剤の含有量を0.5〜20重量%の
    組成範囲から選択したことを特徴とする請求項1から3
    までのいずれか1項記載の摺動材料。
  5. 【請求項5】前記芳香族ポリイミド樹脂の少なくとも一
    部が変性樹脂である請求項1から4までのいずれか1項
    記載の摺動材料。
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