JP3289425B2 - 耐揺動性軸受 - Google Patents

耐揺動性軸受

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JP3289425B2 JP22112993A JP22112993A JP3289425B2 JP 3289425 B2 JP3289425 B2 JP 3289425B2 JP 22112993 A JP22112993 A JP 22112993A JP 22112993 A JP22112993 A JP 22112993A JP 3289425 B2 JP3289425 B2 JP 3289425B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体潤滑剤を配合した
熱硬化性樹脂から形成された耐揺動摺動特性に優れた耐
揺動性軸受に関し、特に自動車やOA機器のように絶え
ず微小振動を受ける環境下での使用に適したすべり軸受
などの軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】現在一般に広く使用されているプラスチ
ック摺動材料として、ポリアセタール、ナイロン、フッ
素樹脂などの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂に代表さ
れる熱硬化性樹脂に、黒鉛、フッ素樹脂、二硫化モリブ
デン等の固体潤滑剤粉末を配合したものがある。また、
摺動速度や荷重の大きな、いわゆる高負荷摺動用途で
は、耐熱性が要求されるため、 PPS (ポリフェニレンサ
ルファイド) 、PEEK (ポリエーテルエーテルケトン) 、
ポリイミド、液晶ポリマーなどのスーパーエンジニアリ
ングプラスチックに固体潤滑剤を配合したものが利用さ
れている。
【0003】これらのスーパーエンジニアリングプラス
チックはいずれも高価であるが、これらを上回る優れた
耐熱性を示し、より安価な原料から製造可能な熱硬化性
樹脂として、縮合多環多核芳香族樹脂 (COPNA 樹脂) と
呼ばれる樹脂が最近開発された(特開昭62−521 号およ
び同62−522 号公報参照) 。この縮合多環多核芳香族樹
脂は、縮合多環芳香族化合物 (例、ナフタレン、アント
ラセン) を主成分とする原料物質を、架橋剤である芳香
環に結合した少なくとも2個のヒドロキシメチル基およ
び/またはハロメチル基を有する芳香族化合物とともに
酸触媒の存在下に加熱重合することにより得られる。
【0004】この縮合多環多核芳香族樹脂の熱硬化物
は、縮合多環芳香環を含む芳香環がメチレン鎖を介して
架橋結合した基本構造を有する。即ち、フェノール樹脂
と類似の架橋構造を有するが、水酸基を有していない
か、その数が少なく、またナフタレン環などの縮合多環
芳香環が分子鎖中に多数存在するため、フェノール樹脂
より格段に優れた耐熱性、特に長期耐熱性を示し、現在
種々の工業的利用が検討されている。
【0005】特に、この縮合多環多核芳香族樹脂に黒鉛
粉末を配合した複合材料からなる摺動材料は、極めて優
れたPV (荷重−速度) 特性、耐摩耗性、耐熱性を示す
ことが知られており (特開平2−215854号および同3−
84094 号各公報) 、高PV条件下での無給油滑り摺動部
品を中心として、その用途が拡大している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】摺動材料の摺動特性
は、摺動形態、PV条件、雰囲気などの摺動環境で大き
く変動し、多様な摺動環境の全てに対応できる摺動材料
は実質的に存在しえない。従って、摺動環境に適合した
摺動材料を開発することが必要となる。
【0007】最近、自動車やOA機器分野において、高
周波の微小振動に耐える軸受に使用するために、耐揺動
摺動特性に優れた摺動材料に対する需要が高まってい
る。このような環境に対しては、ボールベアリングでは
対応困難であり、上述したような有機樹脂系の摺動材料
が適していると考えられるが、ポリイミドをはじめとす
るスーパーエンジニアリングプラスチック系の摺動材料
でも耐揺動摺動特性を十分に満たすものが得られていな
いのが現状である。一方、上記の縮合多環多核芳香族樹
脂と黒鉛粉末との複合材料でも、摺動面で材料の固着が
発生するという問題があった。
【0008】そこで、本発明の目的は、耐揺動摺動特性
に優れた有機樹脂系の複合材料からなる耐揺動性軸受を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、縮合多環多核芳香族樹脂をベースと
する各種の複合材料について検討した結果、縮合多環多
核芳香族樹脂に黒鉛粉末とフッ素樹脂粉末とを組合わせ
て一定割合で配合することにより、揺動摺動時の固着が
著しく改善され、室温から高温域まで優れた耐揺動摺動
特性を示す耐揺動性軸受が得られることを見出し、本発
明に到達した。
【0010】即ち、本発明は、縮合多環芳香環を含む芳
香環がメチレン鎖を介して架橋結合した基本構造を有す
る不溶不融性の縮合多環多核芳香族樹脂中に黒鉛粉末と
フッ素樹脂粉末が分散した複合材料であって、樹脂100
重量部に対して黒鉛とフッ素樹脂とを合計で 100〜200
重量部含み、黒鉛/フッ素樹脂の重量比が2/3〜3/
2の範囲内である複合材料からなることを特徴とする、
耐揺動性軸受を要旨とする。
【0011】本発明にかかる耐揺動性軸受のマトリック
ス樹脂である縮合多環多核芳香族樹脂(以下、COPNA 樹
脂という) についてまず説明する。この樹脂は、縮合
多環芳香族化合物を主成分とする原料物質を、芳香環
に結合した少なくとも2個のヒドロキシメチル基および
/またはハロメチル基を有する芳香族化合物からなる架
橋剤とともに、酸触媒の存在下に加熱することにより
製造される熱硬化性樹脂である。
【0012】原料物質の縮合多環芳香族化合物として
は、ナフタレン、アセナフテン、アセナフチレン、フェ
ナントレン、アントラセン、ピレン、クリセン、ナフタ
セン、コロネン、ペリレン、およびこれらのアルキル誘
導体、ナフトール、各種ベンゾピレン、各種ベンゾペリ
レン等の1種もしくは2種以上を用いることができる。
また、これらの2以上の縮合多環芳香族化合物がメチレ
ン基、フェニレン基、エーテル基、キシリレン基などの
結合基により連結された多核構造の縮合多環多核化合物
も包含される。さらに、これらの化合物を主成分として
含有する、石炭系または石油系の重質油類、タール、ピ
ッチなども使用可能である。
【0013】原料物質は、このような縮合多環芳香族化
合物を主成分とし、一部に単環芳香族化合物を含有して
いてもよい。この場合、縮合多環芳香族化合物がモル比
で混合物の半分以上を占めることが好ましい。単環化合
物の量が多くなりすぎると、得られるCOPNA 樹脂の耐熱
性等が低下する場合がある。使用しうる単環芳香族化合
物としては、各種フェノール類、各種アルキルベンゼン
類、ビフェニル、ビフェニルエーテルなどが挙げられ
る。
【0014】架橋剤として用いる、芳香環に結合した少
なくとも2個のヒドロキシメチル基および/またはハロ
メチル基を有する芳香族化合物には、ベンゼン、ナフタ
レン、アントラセン、ピレンまたはそれらのアルキル誘
導体 (例、トルエン、キシレン) などのポリ (ヒドロキ
シメチル) 誘導体およびポリ (ハロメチル) 誘導体が包
含される。好ましい架橋剤は、ジ (ヒドロキシメチル)
ベンゼン、ジ (ヒドロキシメチル) キシレン、ジ (ヒド
ロキシメチル) ナフタレンなどのジヒドロキシメチル誘
導体である。
【0015】酸触媒としては、塩化アルミニウム、フッ
化ホウ素などのルイス酸、硫酸、リン酸、有機スルホン
酸、カルボン酸などのプロトン酸のいずれも使用可能で
あり、2種以上の酸の混合物も使用できる。好ましい酸
触媒は、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フ
ェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機
スルホン酸類である。
【0016】原料物質に対する架橋剤の使用割合は、モ
ル比換算で、 0.7〜6の範囲内が適切である。モル比が
0.7 より小さいと、架橋が不十分で熱硬化性が不足す
る。逆にモル比が6を超えると、架橋剤が過剰になり、
やや不均質な樹脂生成物を与える。より好ましいモル比
の範囲は1〜3である。
【0017】酸触媒の添加量は、原料物質と架橋剤との
合計重量に対して 0.2〜20重量%、好ましくは 0.5〜10
重量%の範囲内である。
【0018】COPNA 樹脂は、原料物質 (縮合多環芳香族
化合物またはこれと単環芳香族化合物との混合物) と架
橋剤と酸触媒とを所定の割合で混合し、加熱反応させる
ことにより容易に製造することができる。反応温度は約
50〜300 ℃、好ましくは約80〜200 ℃である。反応圧力
は、通常は常圧ないし若干の加圧であるが、反応で副生
する縮合水の反応系からの除去を促進して反応効率を高
めるために減圧下で反応させることもできる。反応は溶
融状態で行うのが簡単であるが、適当な溶媒または分散
媒中で実施することもできる。
【0019】反応の進行に伴って反応物の粘度が上昇
し、Bステージ状態の中間縮合物が得られる。この段階
では、まだ加熱溶融性と溶剤溶解性を有しているので、
成形が可能である。さらに加熱して反応を進めると、不
溶不融性の熱硬化物が生成する。従って、成形可能な熱
硬化性樹脂を得るために、Bステージ状態で加熱を止め
て反応を停止させる。こうして、本発明の軸受の製造に
使用する熱硬化性COPNA樹脂の中間縮合物が得られる。
この状態での樹脂の溶融粘度は一般に80℃で 101〜108
poise の範囲である。
【0020】この熱硬化性 (Bステージ状態) の樹脂
は、約 100〜350 ℃に加熱することによって、不溶不融
性の熱硬化物となる。この樹脂は、粉末状にして加熱プ
レスしたり、或いは溶融または溶解させて成形金型に流
し込み加熱するなどの方法で成形および加熱硬化させ
て、各種の硬化成形体を得ることができる。
【0021】本発明の軸受は、中間縮合物(Bステー
ジ)状態のCOPNA 樹脂に黒鉛粉末とフッ素樹脂粉末とを
配合し、得られた配合物を所望形状に成形・熱硬化させ
ることにより製造することができる。
【0022】黒鉛粉末は、人造黒鉛、天然黒鉛、キッシ
ュ黒鉛、電極屑などのいずれからなる粉末でもよい。結
晶性や粒度にも特に制限はないが、不定形の土状黒鉛よ
り鱗状もしくは鱗片状黒鉛の方が好ましい。また、不純
物の灰分は少ない方が好ましい。
【0023】フッ素樹脂としては、四フッ化エチレン樹
脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、四フッ化エチレン/
六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン/エ
チレン共重合樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、三フッ化塩
化エチレン樹脂などが例示される。このうち、四フッ化
エチレン樹脂が特に好ましい。
【0024】本発明の目的・効果を損なわない限り、CO
PNA 樹脂と黒鉛粉末およびフッ素樹脂粉末のほかに、各
種の充填材、強化材、滑剤、着色剤などの1種もしくは
2種以上を配合物中に添加することができる。
【0025】黒鉛粉末とフッ素樹脂は、COPNA 樹脂100
重量部に対して、黒鉛粉末とフッ素樹脂粉末とを合計で
100〜200 重量部、かつ黒鉛/フッ素樹脂の重量比が2
/3〜3/2の範囲内となるように配合する。COPNA 樹
脂100 重量部に対する黒鉛粉末とフッ素樹脂粉末との合
計量が100 重量部より少ないと、軸受の使用時に相手材
への転着量が多くなり、摺動抵抗が上昇し、固着が発生
し易くなる。一方、この合計量が200 重量部を超える
と、配合物の成形時に流動性が低下し、成形性が悪化し
て、軸受の製造時に良好な成形が行われにくくなる上、
結合材である樹脂量が少なくなるため、軸受の機械的特
性も低下する。
【0026】黒鉛/フッ素樹脂の重量比が2/3〜3/
2の範囲をはずれた場合も、使用時に相手材への転着量
が多くなり、摺動抵抗の上昇や固着の発生が起こりやす
くなる。
【0027】配合は、例えば、ペレット状の熱硬化性CO
PNA 樹脂 (中間縮合物) を黒鉛粉末およびフッ素樹脂粉
末および所望により添加される任意成分とともに、ミキ
サーなどで予め乾式混合した後、ロール、ニーダー、押
出機などの適当な装置で加熱下に溶融混練することによ
り実施できる。
【0028】成形および熱硬化は、目的とする軸受の形
状に合わせて、圧縮成形、トランスファー成形、射出成
形等の慣用方法から選択して行うことができる。成形温
度は約 100〜350 ℃であり、成形温度に応じて数十秒か
ら数時間温度保持することにより樹脂が不溶不融性の熱
硬化物となり、本発明の軸受が得られる。必要に応じ
て、ポストキュアを施すことで、寸法安定性や耐熱性を
さらに向上させることも可能である。ポストキュア条件
は、通常は 180〜350 ℃で1〜30時間である。
【0029】こうして得られた本発明の軸受は、COPNA
樹脂の熱硬化物〔即ち、縮合多環芳香環を含む芳香環、
より具体的には原料物質の縮合多環または縮合多環+単
環芳香環と架橋剤の芳香環がメチレン鎖を介して架橋結
合した基本構造を有する不溶不融性の樹脂〕中に黒鉛粉
末とフッ素樹脂粉末が分散した複合材料からなる。この
複合材料は、樹脂100 重量部に対して黒鉛とフッ素樹脂
を合計で 100〜200 重量部含み、黒鉛/フッ素樹脂の重
量比が2/3〜3/2の範囲内である。
【0030】
【作用】このように、本発明の軸受は、耐熱性に優れた
COPNA 樹脂中に、優れた潤滑作用を示す黒鉛粉末とフッ
素樹脂粉末とを、合計で樹脂重量以上の重量で含有して
おり、これら3成分の効果が相まって高周波の微小振動
に長期間耐えることのできる優れた耐揺動摺動特性を発
揮する。
【0031】従って、本発明の軸受は、高周波の微小振
動が加わる環境で使用されるすべり軸受(平軸受)に好
適であるが、ころがり軸受にも適用できる。本発明の軸
受はラジアル軸受とスラスト軸受のいずれに対しても適
用できる。
【0032】
【実施例】本実施例で使用した材料は次の通りである。
なお、とは比較のために用いた材料である。 COPNA 樹脂(住金化工株式会社製:SKレジン-N) 原料物質のナフタレンを架橋剤のジヒドロキシメチルベ
ンゼンとともに酸触媒(ナフタレンスルホン酸)の存在
下で加熱して縮合反応させて得た、Bステージ状態の熱
硬化性中間縮合物ペレット(溶融粘度:80℃で105 pois
e) 黒鉛粉末(LONZA 社製:グラファイトパウダーSK6)
(鱗片状黒鉛粉末) フッ素樹脂粉末(PTFEと略記)(喜多村社製:四フッ化
エチレン粉末 KTL600) 二硫化モリブデン (MoS2と略記)(ダウ・コーニング社
製:モリコートZ) 炭素繊維 (CFと略記)(呉羽化学工業社製:クレカトウ
T101T) 上記材料を使用して、表1に示す配合割合で予めミキサ
ーを使用して乾式混合した後、90℃にセットされたロー
ル混練機で5分間溶融混練し、粉砕機で粉砕して造粒す
ることにより配合物 (成形材料) を調製した。その後、
この配合物を、金型温度180 ℃、成形圧力300 kgf/cm2
の条件にセットしたトランスファー成形機で5分間成形
および熱硬化を行い、外径23 mm 、内径20 mm 、高さ18
mm の円筒状の成形体を得た。この成形体に対して空気
中において230 ℃で4時間のポストキュアを行い、軸受
として使用可能な円筒体を得た。この円筒体を試験片と
して、下記の揺動摺動試験に付した。
【0033】揺動摺動試験は、この円筒状試験片を軸受
けとして外径20 mm の軸 (相手材)に装着し、軸を下記
条件で揺動させることにより行った。 −相手材:SUJ2 HRC62 (外径20 mm の軸) −振動角×周波数:直径20 mm 上で 0.4mm×20 Hz −試験時間:100 時間 −圧力:15 kgf/cm2 −雰囲気温度:室温 耐揺動摺動特性は、試験後の軸受け (試験片) の回転抵
抗と試験片の摩耗量で評価した。軸受けの回転抵抗の評
価基準は次の通りである。 ○:抵抗なし、△:抵抗あり、×:抵抗大(固着) 試験片の摩耗量は、揺動摺動試験後の試験片の摺動面を
表面粗さ計で測定して求めたRmax 値 (μm) である。
試験結果を表1に併せて示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果から明らかなように、本発明に
従ってCOPNA 樹脂に黒鉛粉末とPTFE粉末の両者を所定範
囲内で配合した配合物を成形・熱硬化させて得た本発明
例の試験片は、いずれも揺動摺動試験後に回転させた時
の回転抵抗がなく、軸との固着の徴候を全く示さなかっ
た。さらに、試験後の試験片の摩耗量もわずかであっ
た。
【0036】これに対し、比較例に示すように、COPNA
樹脂に対する黒鉛粉末とPTFE粉末の配合割合が本発明の
範囲をはずれると、試験後の試験片の回転抵抗が増し、
その摩耗量も増大した。また、黒鉛粉末とPTFE粉末の一
方が欠けている場合、或いはPTFE粉末の代わりにMoS2
たはCFとを配合した場合には、いずれも試験後の試験片
の回転抵抗が大きく増大し、固着が起こったことを示し
た。この場合、試験後の試験片の摩耗量も大きな値を示
した。特に摩耗量の多かった試験No. 12では、相手材の
摩耗も大であった。従って、これら比較例の試験片は耐
揺動摺動特性が本発明例のものに比べて著しく劣ってい
た。
【0037】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の軸受は
耐揺動摺動特性に優れているため、高周波の微小振動に
絶えずさらされても、相手材に固着することなく良好な
摺動特性を保持し続けることができる。それに加えて、
COPNA 樹脂の特性により耐熱性や機械的特性にも優れ、
成形性も良好である。従って、本発明の軸受は、自動
車、OA機器、一般機器、電気・電子機器などの多くの
産業分野に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 109:00) C10M 109:00) C10N 30:00 C10N 30:00 Z 40:02 40:02 50:08 50:08 (72)発明者 狩野 治之 東京都千代田区外神田二丁目16番2号 住金化工株式会社内 (72)発明者 二川 秀和 東京都千代田区外神田二丁目16番2号 住金化工株式会社内 (72)発明者 早川 久 静岡県磐田市見付1725番地の28 (72)発明者 此本 武美 静岡県掛川市初馬2092番地 (56)参考文献 特開 平2−215854(JP,A) 特開 平3−84094(JP,A) 特開 昭63−23993(JP,A) 特開 平2−178395(JP,A) 特開 平4−89892(JP,A) 特開 平3−157456(JP,A) 特開 平3−162457(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 33/20 C10M 103/02 C10M 107/38 C10M 109/00 - 109/02 C10M 111/00 - 111/06 C10N 30:00 C10N 40:02 C10N 50:08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮合多環芳香環を含む芳香環がメチレン
    鎖を介して架橋結合した基本構造を有する不溶不融性の
    縮合多環多核芳香族樹脂中に黒鉛粉末とフッ素樹脂粉末
    が分散した複合材料であって、樹脂100 重量部に対して
    黒鉛とフッ素樹脂を合計で 100〜200 重量部含み、黒鉛
    /フッ素樹脂の重量比が2/3〜3/2の範囲内である
    複合材料からなる、耐揺動性軸受。
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