JPH0771545A - ベルト張力調整装置 - Google Patents
ベルト張力調整装置Info
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- JPH0771545A JPH0771545A JP5221185A JP22118593A JPH0771545A JP H0771545 A JPH0771545 A JP H0771545A JP 5221185 A JP5221185 A JP 5221185A JP 22118593 A JP22118593 A JP 22118593A JP H0771545 A JPH0771545 A JP H0771545A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B67/00—Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for
- F02B67/04—Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus
- F02B67/06—Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus driven by means of chains, belts, or like endless members
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H7/00—Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
- F16H7/08—Means for varying tension of belts, ropes, or chains
- F16H7/0829—Means for varying tension of belts, ropes, or chains with vibration damping means
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- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ベルト張力調整装置を、エンジンの熱によっ
て摺動面が高温状態になっても低摩耗量で焼き付きを起
こさず、プーリアーム揺動時の抵抗も充分に小さい射出
成形可能な合成樹脂製の滑り軸受を装着したものとし
て、長寿命かつ低価格化の要求に対応できるものとす
る。 【構成】 固定の支点軸1にカラー1aおよび滑り軸受
3を介してプーリアーム4を回動自在に取り付けたベル
ト張力調整装置において、滑り軸受3を、下記の縮合多
環多核芳香族樹脂組成物で形成する。 記 二以上の縮合多環芳香族化合物、または縮合多環芳香族
化合物と単環芳香族化合物との混合物が、1以上の芳香
環を介してメチレン結合により結合した基本構造を有す
る縮合多環多核芳香族炭化水素樹脂100重量部に対し
て、黒鉛およびフッ素樹脂を、総量で100〜200重
量部となり、かつ黒鉛/フッ素樹脂の重量比が1/2か
ら2の範囲となるよう添加した縮合多環多核芳香族樹脂
組成物である。
て摺動面が高温状態になっても低摩耗量で焼き付きを起
こさず、プーリアーム揺動時の抵抗も充分に小さい射出
成形可能な合成樹脂製の滑り軸受を装着したものとし
て、長寿命かつ低価格化の要求に対応できるものとす
る。 【構成】 固定の支点軸1にカラー1aおよび滑り軸受
3を介してプーリアーム4を回動自在に取り付けたベル
ト張力調整装置において、滑り軸受3を、下記の縮合多
環多核芳香族樹脂組成物で形成する。 記 二以上の縮合多環芳香族化合物、または縮合多環芳香族
化合物と単環芳香族化合物との混合物が、1以上の芳香
環を介してメチレン結合により結合した基本構造を有す
る縮合多環多核芳香族炭化水素樹脂100重量部に対し
て、黒鉛およびフッ素樹脂を、総量で100〜200重
量部となり、かつ黒鉛/フッ素樹脂の重量比が1/2か
ら2の範囲となるよう添加した縮合多環多核芳香族樹脂
組成物である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車エンジンのタ
イミングベルトなどの張力調整に用いられるベルト張力
調整装置に関するものである。
イミングベルトなどの張力調整に用いられるベルト張力
調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のカム駆動用タイミング
ベルトまたは補機駆動用ベルトの張力を一定に保ち、さ
らには、このようなベルトの寿命向上や駆動時の騒音低
減のために、図1および図2に示すようなベルト張力調
整装置が使用されている。
ベルトまたは補機駆動用ベルトの張力を一定に保ち、さ
らには、このようなベルトの寿命向上や駆動時の騒音低
減のために、図1および図2に示すようなベルト張力調
整装置が使用されている。
【0003】すなわち、このものは、エンジンブロック
などにボルト2でもって固定されるカラー1a付きの支
点軸1に、円筒状の滑り軸受3を介してプーリアーム4
を回動自在に取り付け、プーリアーム4の一端の回転軸
5に、ベルト6係合用のテンションプーリ7を取り付
け、プーリアーム4の他端にはシリンダ内に周知のダン
パ機構を備えたダンパ8のピストンロッド9を当接さ
せ、このピストンロッド9の押圧力によって前記プーリ
アーム4をベルト6の緊張方向に揺動させるものであ
る。
などにボルト2でもって固定されるカラー1a付きの支
点軸1に、円筒状の滑り軸受3を介してプーリアーム4
を回動自在に取り付け、プーリアーム4の一端の回転軸
5に、ベルト6係合用のテンションプーリ7を取り付
け、プーリアーム4の他端にはシリンダ内に周知のダン
パ機構を備えたダンパ8のピストンロッド9を当接さ
せ、このピストンロッド9の押圧力によって前記プーリ
アーム4をベルト6の緊張方向に揺動させるものであ
る。
【0004】そして、ベルト張力調整装置の支点軸1に
摺接する滑り軸受3としては、エンジンの熱によって摺
動面が高温状態になっても焼き付きや摩耗を起こさず、
すなわちプーリアーム4の支点軸1に軸受材料を付着さ
せない物性が要求され、かつ機械的強度を維持できる耐
熱性が必要であり、これまでポリイミド樹脂製のものが
使用されていた。
摺接する滑り軸受3としては、エンジンの熱によって摺
動面が高温状態になっても焼き付きや摩耗を起こさず、
すなわちプーリアーム4の支点軸1に軸受材料を付着さ
せない物性が要求され、かつ機械的強度を維持できる耐
熱性が必要であり、これまでポリイミド樹脂製のものが
使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のベルト張力調整装置は、射出成形が困難なポリイミド
樹脂製の支点軸用の滑り軸受を使用し、このものは大量
生産が充分に行えないものであるから、より生産効率を
向上させて低コスト化の要求に対応することが困難であ
る。また、他に転用できる樹脂として、前述の如く、プ
ーリアームの支点軸に軸受材料が付着せず、かつ機械的
強度を維持できる耐熱性を満足するものがないという問
題点がある。
のベルト張力調整装置は、射出成形が困難なポリイミド
樹脂製の支点軸用の滑り軸受を使用し、このものは大量
生産が充分に行えないものであるから、より生産効率を
向上させて低コスト化の要求に対応することが困難であ
る。また、他に転用できる樹脂として、前述の如く、プ
ーリアームの支点軸に軸受材料が付着せず、かつ機械的
強度を維持できる耐熱性を満足するものがないという問
題点がある。
【0006】そこで、この発明は、上記した問題点を解
決し、ベルト張力調整装置を、エンジンの熱によって摺
動面が高温状態になっても低摩耗量で焼き付きを起こさ
ず、プーリアーム揺動時の抵抗も充分に小さい射出成形
可能な合成樹脂製の滑り軸受を装着したものとして、長
寿命かつ低価格化の要求に対応できるものとすることを
課題としている。
決し、ベルト張力調整装置を、エンジンの熱によって摺
動面が高温状態になっても低摩耗量で焼き付きを起こさ
ず、プーリアーム揺動時の抵抗も充分に小さい射出成形
可能な合成樹脂製の滑り軸受を装着したものとして、長
寿命かつ低価格化の要求に対応できるものとすることを
課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、固定の支点軸に回動自在にプ
ーリアームを取り付け、このプーリアームの一端にベル
ト係合用のテンションプーリを取り付け、前記プーリア
ームの他端にはダンパのピストンロッドを当接させ、こ
のピストンロッドの押圧によって前記プーリアームをベ
ルトの緊張方向に揺動させるベルト張力調整装置におい
て、前記支点軸の滑り軸受を、下記の縮合多環多核芳香
族樹脂組成物で形成したのである。
め、この発明においては、固定の支点軸に回動自在にプ
ーリアームを取り付け、このプーリアームの一端にベル
ト係合用のテンションプーリを取り付け、前記プーリア
ームの他端にはダンパのピストンロッドを当接させ、こ
のピストンロッドの押圧によって前記プーリアームをベ
ルトの緊張方向に揺動させるベルト張力調整装置におい
て、前記支点軸の滑り軸受を、下記の縮合多環多核芳香
族樹脂組成物で形成したのである。
【0008】記 二以上の縮合多環芳香族化合物、または縮合多環芳香族
化合物と単環芳香族化合物との混合物が、1以上の芳香
環を介してメチレン結合により結合した基本構造を有す
る縮合多環多核芳香族炭化水素樹脂100重量部に対し
て、黒鉛およびフッ素樹脂を、総量で100〜200重
量部となり、かつ黒鉛/フッ素樹脂の重量比が1/2か
ら2の範囲となるよう添加した縮合多環多核芳香族樹脂
組成物である。
化合物と単環芳香族化合物との混合物が、1以上の芳香
環を介してメチレン結合により結合した基本構造を有す
る縮合多環多核芳香族炭化水素樹脂100重量部に対し
て、黒鉛およびフッ素樹脂を、総量で100〜200重
量部となり、かつ黒鉛/フッ素樹脂の重量比が1/2か
ら2の範囲となるよう添加した縮合多環多核芳香族樹脂
組成物である。
【0009】以下にその詳細を述べる。この発明におけ
る滑り軸受は、縮合多環多核芳香族樹脂組成物から形成
されたものであり、まず、基材樹脂である縮合多環多核
芳香族樹脂(以下、COPNA樹脂と略記する)につい
て説明する。
る滑り軸受は、縮合多環多核芳香族樹脂組成物から形成
されたものであり、まず、基材樹脂である縮合多環多核
芳香族樹脂(以下、COPNA樹脂と略記する)につい
て説明する。
【0010】このCOPNA樹脂の原料となる縮合多環
芳香族化合物としては、ナフタレン、アセナフテン、ア
セナフチレン、フェナントレン、アントラセン、ピレ
ン、クリセン、ナフタセン、コロネン、ペリレンおよび
これらのアルキル誘導体、ナフトール、各種ベンゾピレ
ン、ベンゾペリレンなどの単独またはこれらの混合物が
挙げられる。さらには、これらの化合物がメチレン基、
フェニレン基、エーテル基またはキシリレン基などで連
結されたものであってもよい。具体的な製造原料として
は、上記化合物を主成分とする石炭系または石油系の重
質油類、タール、ピッチ類を使用することができる。
芳香族化合物としては、ナフタレン、アセナフテン、ア
セナフチレン、フェナントレン、アントラセン、ピレ
ン、クリセン、ナフタセン、コロネン、ペリレンおよび
これらのアルキル誘導体、ナフトール、各種ベンゾピレ
ン、ベンゾペリレンなどの単独またはこれらの混合物が
挙げられる。さらには、これらの化合物がメチレン基、
フェニレン基、エーテル基またはキシリレン基などで連
結されたものであってもよい。具体的な製造原料として
は、上記化合物を主成分とする石炭系または石油系の重
質油類、タール、ピッチ類を使用することができる。
【0011】また、この発明における単環芳香族化合物
としては、各種フェノール類、各種アルキルベンゼン、
ビフェニル、ビフェニルエーテルなどが挙げられる。
としては、各種フェノール類、各種アルキルベンゼン、
ビフェニル、ビフェニルエーテルなどが挙げられる。
【0012】そして、上記した二以上の縮合多環芳香族
化合物、または縮合多環芳香族化合物と単環芳香族化合
物との混合物を、1以上の芳香環を介してメチレン結合
により結合させるには、架橋剤として、芳香環に結合し
た少なくとも二個のヒドロキシルメチル基もしくはハロ
メチル基または両基を併有する芳香族化合物を用い、こ
れを有機スルホン酸などの酸触媒の存在下に、50〜3
00℃で加熱反応させる。この場合の芳香族化合物の具
体例としては、ベンゼン、キシレン、ナフタレン、アン
トラセン、ピレンまたはこれらのアルキル誘導体などの
ポリ(ヒドロキシメチル)化合物、またはポリ(ハロメ
チル)化合物が挙げられる。
化合物、または縮合多環芳香族化合物と単環芳香族化合
物との混合物を、1以上の芳香環を介してメチレン結合
により結合させるには、架橋剤として、芳香環に結合し
た少なくとも二個のヒドロキシルメチル基もしくはハロ
メチル基または両基を併有する芳香族化合物を用い、こ
れを有機スルホン酸などの酸触媒の存在下に、50〜3
00℃で加熱反応させる。この場合の芳香族化合物の具
体例としては、ベンゼン、キシレン、ナフタレン、アン
トラセン、ピレンまたはこれらのアルキル誘導体などの
ポリ(ヒドロキシメチル)化合物、またはポリ(ハロメ
チル)化合物が挙げられる。
【0013】この発明における縮合多環多核芳香族樹脂
組成物は、未硬化中間縮合物(Bステージ段階)のCO
PNA樹脂に、黒鉛およびフッ素樹脂を所定の割合で配
合した後、約100〜350℃に加熱し熱硬化させるこ
とにより得られる。
組成物は、未硬化中間縮合物(Bステージ段階)のCO
PNA樹脂に、黒鉛およびフッ素樹脂を所定の割合で配
合した後、約100〜350℃に加熱し熱硬化させるこ
とにより得られる。
【0014】ここで用いる黒鉛としては、周知の黒鉛を
限定することなく用い、たとえば人造黒鉛、天然黒鉛、
キッシュ黒鉛、電極屑などのいずれであってもよい。こ
のような黒鉛の結晶性や粒度に特に制限はないが、不純
物の灰分は少ない方が好ましく、また鱗片状、鱗状の方
が不定形の土壌黒鉛より好ましい。
限定することなく用い、たとえば人造黒鉛、天然黒鉛、
キッシュ黒鉛、電極屑などのいずれであってもよい。こ
のような黒鉛の結晶性や粒度に特に制限はないが、不純
物の灰分は少ない方が好ましく、また鱗片状、鱗状の方
が不定形の土壌黒鉛より好ましい。
【0015】この発明に用いるフッ素樹脂としては、四
フッ化エチレン樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、四
フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フ
ッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、フッ化ビニリデン
樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂などが挙げられる。こ
のうち四フッ化エチレン樹脂が特に好ましい。
フッ化エチレン樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、四
フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フ
ッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、フッ化ビニリデン
樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂などが挙げられる。こ
のうち四フッ化エチレン樹脂が特に好ましい。
【0016】以上述べた黒鉛およびフッ素樹脂の配合割
合は、縮合多環多核芳香族炭化水素樹脂100重量部に
対して、黒鉛およびフッ素樹脂を、総量で100〜20
0重量部であり、かつ黒鉛/フッ素樹脂の重量比が1/
2から2の範囲となるようにする。なぜなら、黒鉛およ
びフッ素樹脂が総量で100重量部未満では、摺接する
支点軸への転着量が多くなり、摺動抵抗の上昇や固着が
発生し易くなる。また、200重量部を越える多量で
は、流動性が低下して成形性が悪くなると共に、機械的
特性も低下するため好ましくないからである。さらに、
黒鉛/フッ素樹脂の重量比が1/2から2の範囲外で
も、摺動相手材である支点軸に転着量が多くなり、摺動
抵抗の上昇や固着が発生し易くなる。さらに好ましい黒
鉛/フッ素樹脂の重量比は、2/3から3/2の範囲で
ある。
合は、縮合多環多核芳香族炭化水素樹脂100重量部に
対して、黒鉛およびフッ素樹脂を、総量で100〜20
0重量部であり、かつ黒鉛/フッ素樹脂の重量比が1/
2から2の範囲となるようにする。なぜなら、黒鉛およ
びフッ素樹脂が総量で100重量部未満では、摺接する
支点軸への転着量が多くなり、摺動抵抗の上昇や固着が
発生し易くなる。また、200重量部を越える多量で
は、流動性が低下して成形性が悪くなると共に、機械的
特性も低下するため好ましくないからである。さらに、
黒鉛/フッ素樹脂の重量比が1/2から2の範囲外で
も、摺動相手材である支点軸に転着量が多くなり、摺動
抵抗の上昇や固着が発生し易くなる。さらに好ましい黒
鉛/フッ素樹脂の重量比は、2/3から3/2の範囲で
ある。
【0017】
【作用】この発明のベルト張力調整装置は、その支点軸
の滑り軸受を、所定の縮合多環多核芳香族樹脂組成物で
形成したことにより、エンジンの熱によって支点軸部分
の摺動面が高温状態になっても焼き付きを起こさず、プ
ーリアーム揺動時の抵抗が充分に小さく、また摩耗量も
少なく長寿命である。
の滑り軸受を、所定の縮合多環多核芳香族樹脂組成物で
形成したことにより、エンジンの熱によって支点軸部分
の摺動面が高温状態になっても焼き付きを起こさず、プ
ーリアーム揺動時の抵抗が充分に小さく、また摩耗量も
少なく長寿命である。
【0018】
【実施例】実施例および比較例のベルト張力調整装置に
おける支点軸の滑り軸受成形用の原材料を、一括して挙
げると以下の通りである。
おける支点軸の滑り軸受成形用の原材料を、一括して挙
げると以下の通りである。
【0019】 (1) COPNA樹脂(Bステージ中間縮合物) 住金化工社製:SKレジン−N (2) 黒鉛 LONZA社製:グラファイトパウダー SK6 (3) 四フッ化エチレン樹脂(以下、PTFEと略記す
る) 喜多村社製:四フッ化エチレンパウダー KTL600 (4) 二硫化モリブデン(以下、MoS2 と記す) ダウコーニング社製:モリコートZ (5) 炭素繊維(以下、CFと略記する) 呉羽化学工業社製:クレカトウ T101T 〔実施例1〜5、比較例1〜6〕上記の軸受用原材料を
表1または表2に示す割合で、予めミキサーを用いて乾
式混合した後、90℃にセットされたロール混練機で5
分間溶融混練し、粉砕機にて粉砕し造粒した。次いでこ
れを、金型温度190℃、成形圧力58.8MPaの条
件で射出成形して外径23mm、内径20mm、高さ1
8mmの円筒状の成形品を得た。得られた成形品に対し
てさらに空気中において230℃、4時間のポストキュ
アを行ない、ベルト張力調整装置用の滑り軸受とした。
る) 喜多村社製:四フッ化エチレンパウダー KTL600 (4) 二硫化モリブデン(以下、MoS2 と記す) ダウコーニング社製:モリコートZ (5) 炭素繊維(以下、CFと略記する) 呉羽化学工業社製:クレカトウ T101T 〔実施例1〜5、比較例1〜6〕上記の軸受用原材料を
表1または表2に示す割合で、予めミキサーを用いて乾
式混合した後、90℃にセットされたロール混練機で5
分間溶融混練し、粉砕機にて粉砕し造粒した。次いでこ
れを、金型温度190℃、成形圧力58.8MPaの条
件で射出成形して外径23mm、内径20mm、高さ1
8mmの円筒状の成形品を得た。得られた成形品に対し
てさらに空気中において230℃、4時間のポストキュ
アを行ない、ベルト張力調整装置用の滑り軸受とした。
【0020】そして、この滑り軸受を図2に示すプーリ
アーム4に組み込み、さらに図1に示すベルト張力調整
装置に周知の手法で組み付けた。次いで、得られたベル
ト張力調整装置の支点軸部の耐久性を以下の条件で試験
した。
アーム4に組み込み、さらに図1に示すベルト張力調整
装置に周知の手法で組み付けた。次いで、得られたベル
ト張力調整装置の支点軸部の耐久性を以下の条件で試験
した。
【0021】支点軸部の耐久性試験:常温または100
℃の温度条件で、支点軸と支点軸受の摺動面圧2.94
MPa、支点軸の回り(直径20mmの円周上)の揺れ
幅0.2mm、揺動速度10サイクル毎秒(Hz)にて
100時間連続して揺動させ、(a) 軸受材の支点軸への
付着量、(b) 滑り軸受の摩耗量、(c) 支点軸の回動状態
を調べ、この結果を表1または表2中に併記した。
℃の温度条件で、支点軸と支点軸受の摺動面圧2.94
MPa、支点軸の回り(直径20mmの円周上)の揺れ
幅0.2mm、揺動速度10サイクル毎秒(Hz)にて
100時間連続して揺動させ、(a) 軸受材の支点軸への
付着量、(b) 滑り軸受の摩耗量、(c) 支点軸の回動状態
を調べ、この結果を表1または表2中に併記した。
【0022】なお、(a) 支点軸への付着量または(b) 滑
り軸受の摩耗量についての評価は、表面粗さ計の測定値
が20μm以下のものを○印、20〜40μmのものを
△印、40μm以上のものを×印と記した。また、(c)
支点軸の回動状態についての評価は、回転抵抗が小さい
ものを○印、回転抵抗はあるが支点軸受から支点軸が容
易に抜けるものを△印、回転抵抗が大きく支点軸受から
支点軸が抜けないものを×印と記した。
り軸受の摩耗量についての評価は、表面粗さ計の測定値
が20μm以下のものを○印、20〜40μmのものを
△印、40μm以上のものを×印と記した。また、(c)
支点軸の回動状態についての評価は、回転抵抗が小さい
ものを○印、回転抵抗はあるが支点軸受から支点軸が容
易に抜けるものを△印、回転抵抗が大きく支点軸受から
支点軸が抜けないものを×印と記した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表1および表2の結果から明らかなよう
に、所定の樹脂組成物から形成した滑り軸受を装着した
ベルト張力調整装置は、常温または100℃の温度条件
において、軸受摩耗も少なくて支点軸への軸受材料の付
着がなく、また焼き付きも発生せず、支点軸の回動状態
が良好であった。
に、所定の樹脂組成物から形成した滑り軸受を装着した
ベルト張力調整装置は、常温または100℃の温度条件
において、軸受摩耗も少なくて支点軸への軸受材料の付
着がなく、また焼き付きも発生せず、支点軸の回動状態
が良好であった。
【0026】一方、COPNA樹脂に対して黒鉛および
PTFEの配合割合が所定範囲外、または黒鉛/PTF
Eの配合比が所定範囲外の比較例1〜3は、支点軸の回
動状態が不良であった。また、PTFE以外の固体潤滑
剤を採用した樹脂組成物からなる滑り軸受を装着したベ
ルト張力調整装置は、全ての試験項目に満足できる結果
が得られなかった。
PTFEの配合割合が所定範囲外、または黒鉛/PTF
Eの配合比が所定範囲外の比較例1〜3は、支点軸の回
動状態が不良であった。また、PTFE以外の固体潤滑
剤を採用した樹脂組成物からなる滑り軸受を装着したベ
ルト張力調整装置は、全ての試験項目に満足できる結果
が得られなかった。
【0027】
【効果】この発明は、以上説明したように、プーリアー
ムの支点軸の滑り軸受を、所定の縮合多環多核芳香族樹
脂組成物で形成したことにより、エンジンの熱によって
支点軸部分の摺動面が高温状態になっても焼き付きを起
こさず、プーリアーム揺動時の抵抗が充分に小さく、ま
た摩耗量も少ないので支点軸への軸受材の付着量も少な
く、長寿命となる利点がある。また、滑り軸受は射出成
形可能なものであるから、低価格化の要求に対応できる
利点もある。
ムの支点軸の滑り軸受を、所定の縮合多環多核芳香族樹
脂組成物で形成したことにより、エンジンの熱によって
支点軸部分の摺動面が高温状態になっても焼き付きを起
こさず、プーリアーム揺動時の抵抗が充分に小さく、ま
た摩耗量も少ないので支点軸への軸受材の付着量も少な
く、長寿命となる利点がある。また、滑り軸受は射出成
形可能なものであるから、低価格化の要求に対応できる
利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト張力調整装置の外形状を示す正面図
【図2】支点軸の取付け状態を説明するプーリアームの
一部切り欠き側断面図
一部切り欠き側断面図
1 支点軸 2 ボルト 3 滑り軸受 4 プーリアーム 5 回転軸 6 ベルト 7 テンションプーリ 8 ダンパ 9 ピストンロッド
Claims (1)
- 【請求項1】 固定の支点軸に回動自在にプーリアーム
を取り付け、このプーリアームの一端にベルト係合用の
テンションプーリを取り付け、前記プーリアームの他端
にはダンパのピストンロッドを当接させ、このピストン
ロッドの押圧によって前記プーリアームをベルトの緊張
方向に揺動させるベルト張力調整装置において、 前記支点軸の滑り軸受を、下記の縮合多環多核芳香族樹
脂組成物で形成したことを特徴とするベルト張力調整装
置。 記 二以上の縮合多環芳香族化合物、または縮合多環芳香族
化合物と単環芳香族化合物との混合物が、1以上の芳香
環を介してメチレン結合により結合した基本構造を有す
る縮合多環多核芳香族炭化水素樹脂100重量部に対し
て、黒鉛およびフッ素樹脂を、総量で100〜200重
量部となり、かつ黒鉛/フッ素樹脂の重量比が1/2か
ら2の範囲となるよう添加した縮合多環多核芳香族樹脂
組成物である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5221185A JPH0771545A (ja) | 1993-09-06 | 1993-09-06 | ベルト張力調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5221185A JPH0771545A (ja) | 1993-09-06 | 1993-09-06 | ベルト張力調整装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0771545A true JPH0771545A (ja) | 1995-03-17 |
Family
ID=16762814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5221185A Pending JPH0771545A (ja) | 1993-09-06 | 1993-09-06 | ベルト張力調整装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0771545A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6575859B2 (en) * | 2000-02-17 | 2003-06-10 | Ntn Corporation | Belt tension adjusting device |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61108651A (ja) * | 1984-11-01 | 1986-05-27 | Taiho Kogyo Co Ltd | 軸受材料 |
JPH02215854A (ja) * | 1989-02-16 | 1990-08-28 | Ntn Corp | 熱硬化性樹脂組成物 |
JPH04214970A (ja) * | 1989-04-28 | 1992-08-05 | Iwata Air Compressor Mfg Co Ltd | 無給油式往復圧縮機及び膨張機 |
JPH04370419A (ja) * | 1991-06-14 | 1992-12-22 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | Frpシャフトの無油潤滑軸受装置 |
JPH0632969A (ja) * | 1992-07-14 | 1994-02-08 | Toshiba Chem Corp | 成形用耐熱性樹脂組成物 |
-
1993
- 1993-09-06 JP JP5221185A patent/JPH0771545A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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