JP3234279B2 - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP3234279B2 JP14265292A JP14265292A JP3234279B2 JP 3234279 B2 JP3234279 B2 JP 3234279B2 JP 14265292 A JP14265292 A JP 14265292A JP 14265292 A JP14265292 A JP 14265292A JP 3234279 B2 JP3234279 B2 JP 3234279B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、圧電体を用いて進行
波を伴う超音波振動を発生させることにより駆動力を発
生する超音波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】図1に示すように、超音波モータは、高
周波の交流電圧で振動する圧電体1に金属などの弾性体
2を一体に積層した振動体3と、この振動体3にスライ
ダー材4を介して加圧接触する動体5とからなり、振動
体3の少なくとも表面に発生するたわみ振動の進行波
で、スライダー材4および動体5を駆動する。
【0003】このような超音波モータの出力性能は、ス
ライダー材4と弾性材2との圧接力、それらの摩擦係数
および接触面相互の状態によって決まる。このため、ス
ライダー材4には、摩擦係数が大きくかつ安定し、耐摩
耗性に優れ、摩擦音の発生がなく、また、圧接される相
手材となる振動体3の弾性体部分が比較的硬い材料で形
成されている場合でも、この耐摩耗性が良い等の諸条件
が要求される。
【0004】上記条件の幾つかに対応するスライダー材
としては、炭素繊維を添加した樹脂組成物から形成した
もの(特開昭62−58887号)、芳香族ポリアミド
繊維または炭素繊維を添加したポリイミド樹脂から形成
したもの(特開昭63−121480号)がある。
【0005】しかし、上記のいずれのスライダー材も摩
擦係数の安定性、耐摩耗性、摩擦音の防止、相手材の損
傷防止などの諸条件をバランスよく備えたものでなく、
特に、長時間に渡って駆動した場合、スライダー材が摩
耗して、その摩耗粉によって超音波モータの回転数やト
ルク等の駆動特性が変動するという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記した
ように超音波モータのスライダー材が、安定した摩擦係
数、耐摩耗性、摩擦音の防止、相手材の損傷防止に充分
なものでなく、特に、比較的硬い相手材に対して耐久性
が劣るという問題点を解決し、所要の摩擦係数で耐摩耗
性があり、振動体に損傷を与えないスライダー材を備え
て安定して優れた駆動特性を発揮する超音波モータとす
ることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、圧電体によって進行波を発生する振動
体に、スライダー材を介して動体を加圧接触した超音波
モータにおいて、前記スライダー材が耐熱性樹脂40〜
95重量%と、樹脂系球状粒子を不活性雰囲気下または
真空下で焼成して得られる平均粒径3〜40μmの球状
グラファイト5〜60重量%とを配合した耐熱性樹脂組
成物からなる構成を採用したのである。
【0008】また、前記耐熱性樹脂が、ポリイミド樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリマー、
ポリエーテルニトリル樹脂および芳香族ポリエーテルケ
トン樹脂からなる群の中から選ばれる1種以上の樹脂で
あってよく、前記樹脂系球状粒子が、フェノール樹脂、
ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニル
ベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体
からなる群の中から選ばれる1種以上の化合物である構
成を採用することもできる。以下、その詳細を述べる。
【0009】上記したポリイミド樹脂としては、熱可塑
性、熱硬化性、非熱溶融性などの特性のあるポリイミド
樹脂であっても良く、たとえば下記の〔化1〕または
〔化2〕の式で示されるくり返し単位からなるポリイミ
ド樹脂が挙げられる。これらは、耐熱性、摩擦特性、耐
摩耗性などに優れたものである。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】上記化1の式で示されるポリイミド樹脂
(以下、PI−1と略記する)は、ビフェニルテトラカ
ルボン酸を主成分とするテトラカルボン酸成分と、ジア
ミノジフェニルエーテルやパラフェニレンジアミンを主
成分とする芳香族ジアミン成分とを重合およびイミド化
して得られ、市販のものでは宇部興産社製「ユピモール
R」、「ユピモールS」などを例示することができる。
【0013】また上記〔化2〕の式で示されるポリイミ
ド樹脂(以下、PI−2と略記する)は、その材料が下
記〔化3〕の式で表される4,4’−ビス(3−アミノ
フェノキシ)ビフェニルと、ピロメリット酸二無水物と
を反応させることによってポリアミド酸を生成させ、そ
のポリアミド酸を脱水環化して得ることができ、熱可塑
性を有するものである。このようなポリイミド樹脂とし
ては、三井東圧化学社製「New TPI」などを例示
することができる。
【0014】
【化3】
【0015】この発明におけるポリフェニレンサルファ
イド樹脂(以下、PPS樹脂という)は、下記〔化4〕
で示される合成樹脂である。
【0016】
【化4】
【0017】これらのうち、特に典型的なものは下記
〔化5〕で示されるものであり、たとえば市販のトープ
レン社製;T−4などであってよい。
【0018】
【化5】
【0019】また、これらPPSの一般的な製造方法
は、N−メチルピロリドン溶媒中、160〜250℃、
加圧条件下にp−ジクロルベンゼンと二硫化ソーダとを
反応させることによる。このようにすると、樹脂中に交
差結合が全くないものから部分的交差結合を有するもの
に至るまで、各種重合度のものを後熱処理工程にかけて
自由に製造することができるので、目的の溶媒ブレンド
に適正な溶融粘度特性を有するものを任意に選択使用す
ることが可能である。また、この発明においては、架橋
構造をとらない直鎖状PPS樹脂も使用できる。
【0020】この発明に用いる液晶ポリマーは、溶融時
に光学的異方性を示す熱可塑性溶融可能なポリマーであ
る。このように溶融時に光学的異方性を示すポリマー
は、溶融状態でポリマー分子鎖が規則的な平行配列をと
る性質を有している。光学的異方性溶融時の性質は、直
交偏光子を利用した通常の偏光検査法により確認でき
る。
【0021】上記の液晶ポリマーは、一般に細長く、偏
平で、分子の長鎖に沿って剛性が高く、同軸または平行
のいずれかの関係にある複数の連鎖伸長結合を有してい
るようなモノマーから製造される。このような液晶ポリ
マーには、一つの高分子類の一部が異方性溶融相を形成
するポリマーのセグメントで構成され、残りの部分が異
方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂のセグメントから
構成されるポリマーも含まれる。また、複数の液晶ポリ
マーを複合したものであってよい。
【0022】このような液晶ポリマーのうち、下記〔化
6〕の式で示されるオキシベンゾイル基をモノマー単位
として含む重合体または共重合体は、耐熱性が特に高い
ので、この発明の摺動材の原材料としてより好ましい。
さらに好ましくは、オキシベンゾイル基を含む全芳香族
ポリエステルである。
【0023】
【化6】
【0024】全芳香族ポリエステルは、芳香族カルボン
酸と芳香族アルコールとから実質的に得られるポリエス
テルを一般に指すが、この発明に用いる全芳香族ポリエ
ステルとしては、前述の異方性溶融相を形成しないセグ
メント部分が、脂肪族、脂環族の酸またはアルコールに
よるエステルで構成されるものでもよい。さらに、ポリ
エステルそれ自体または異方性溶融相を形成するセグメ
ントにおいて、これらが異方性溶融相を形成する限り、
それらが脂肪族あるいは脂環族の酸またはアルコールと
のエステルからなるものであってよい。
【0025】具体的な全芳香族ポリエステルとしては、
下記〔化7〕の(I)〜(III )でそれぞれ示されるよ
うな芳香族カルボン酸と芳香族アルコールの構造単位の
組合せからなるものであってよい。
【0026】
【化7】
【0027】この発明に用いるポリエーテルニトリル樹
脂は、下記〔化8〕で示される繰り返し単位からなるも
の、またはこのような繰り返し単位と共に、下記〔化
9〕の式で示される繰り返し単位を20モル%以下の割
合で共存させた重合体である。
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】このようなポリエーテルニトリル樹脂は、
P−クロルフェノールを溶媒とする0.2g/dl濃度
溶液の60℃における還元粘度(ηsp/c)を0.3
dl/g以上とすることが好ましい。このような条件を
満足するポリエーテルニトリル樹脂としては、たとえば
出光興産社製、ポリエーテルニトリル:ID300が挙
げられる。なお、ポリエーテルニトリルの製造は、特開
昭63−3059号公報等に開示された従来公知の手法
を採用できる。
【0031】さらにこの発明における芳香族ポリエーテ
ルケトン樹脂は、たとえば英国アイ・シー・アイ社から
ビクトレックスの登録商標名で市販されている重合体で
あり、耐熱性、耐燃性、機械的強度などに優れた諸特性
を有し、下記〔化10〕で示す繰り返し構造をもった樹
脂(以下これをPEEKと略記する)である。
【0032】
【化10】
【0033】次にこの発明における球状グラファイト
は、均一な粒径を持ち、かつ平均粒径が3〜40μmで
あり、真球性の良いものが好ましく、フェノール樹脂、
ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニル
ベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体
のうちの少なくとも一種を出発材料としている球状グラ
ファイトが好ましい。このような球状グラファイトの製
造方法は、これらの原料から公知のエマルジョン重合法
などによって調整し、さらにこの球状粒子を窒素ガス、
アルゴンガス等の不活性雰囲気下または真空下で焼成す
る事によって炭素化および黒鉛化して球状グラファイト
を得るものである。
【0034】このような球状グラファイトとしては、た
とえば日本カーボン社からカーボンマイクロビーズの登
録商標名で市販されている球状グラファイトであってよ
く、このものは、均一な粒径、表面平滑、高硬度など優
れた諸特性を有する。また、この発明においては平均粒
径が3〜40μmのものが好ましく、5〜30μmのも
のがより好ましい。なぜなら、3μm未満の小径では、
これを配合したスライダー材の摩擦係数が安定せず、耐
摩耗性も劣る。また、40μmを越える大径ではスライ
ダー材の摩擦係数を安定させることができず、好ましく
ないからである。このような球状グラファイトの添加量
は5〜60重量%が好ましい。なぜなら、5重量%より
も少なく場合は摺動特性に劣り、60重量%よりも多い
場合は耐摩耗性や機械的特性に劣り超音波モータの耐久
性が低下するからである。
【0035】また、この発明の効果を損なわない限り各
種の充填材を添加することもできる。このような充填材
として、アラミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリ
エーテルサルフォン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、耐熱
性ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、シリコー
ン樹脂、フッ素樹脂などの有機質耐熱性分子材料を始め
とし、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等の金属もし
くはその酸化物などの熱伝導改良用無機粉末、ガラスビ
ーズ、シリカバルーン、珪藻土、石綿、炭酸マグネシウ
ム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、炭酸カルシウ
ム、水酸化カルシウム等の無機質粉末、二硫化モリブデ
ン、カーボン、マイカ、タルク、三酸化モリブデン等の
潤滑性向上用無機質粉末、及び酸化鉄、硫化カドミウ
ム、セレン化カドミウム、カーボンブラック等の無機質
顔料、シリコーンオイル、エステルオイル、フッ素オイ
ル、ポリフェニレンエーテルオイル、ワックス、ステア
リン酸亜鉛等の内部潤滑的添加剤など数多くのものを例
示することができる。
【0036】以上述べた耐熱性樹脂と球状グラファイト
及びその他添加剤などの混合方法は、特に限定されるも
のではなく、PI−1の場合、従来から広く行われてい
る充填剤入り非熱可塑性ポリイミド樹脂の通常の成形条
件で成形すればよく、たとえばタンブラーミキサー、ヘ
ンシェルミキサー等の混合機によってポリイミド樹脂と
充填剤を乾式混合し、これを金型に入れて300〜15
00kg/cm2 の圧力と320〜380℃の熱を加え
て加熱加圧成形する方法、その他加熱加圧しながらラム
押出し機による連続成形方法などのいずれであってもよ
い。
【0037】その他の耐熱性樹脂(PI−2など)の場
合の混合方法は、特に限定されるものではなく、原料を
個別に溶融混合機に供給してもよいし、あらかじめヘン
シェルミキサー、ボールミル、タンブラーミキサー等の
混合機を用いて乾式混合した後に、熱ロール、ニーダ、
バンバリーミキサー、スクリュー押出し機などで溶融混
合し、この段階で成形材料としてペレット状にしてもよ
い。成形方法も、圧縮成形、焼結成形等を適用し得るこ
とはもちろんであるが、本発明においては、均一溶融ブ
レンド体を形成し、生産性の高い射出成形もしくは押出
し成形を行うことができる。
【0038】また、PI−1、PI−2の成形品の耐熱
性、機械的特性、摺動特性などを向上させる目的で、成
形後更に250〜350℃の温度で2〜10時間の熱処
理を施してもよい。
【0039】
【作用】この発明の超音波モータは、スライダー材に充
填される球状グラファイトが、不活性雰囲気下または真
空下にて熱分解ガラスが析出することなく焼成されたも
ので、その形状は真球に近く、粒度分布も比較的揃った
ものである。そして、耐熱性樹脂組成物からなるスライ
ダー材は、このような球状グラファイトを所定粒径とし
て所定割合配合したので、比較的硬質の振動体に対して
耐摩耗性を有して摩耗粉を発生せず、しかもこれを損傷
することがない。
【0040】
【実施例】以下、この発明を実施例により更に詳細に説
明する。まず、実施例及び比較例に用いられた諸原材料
を一括して示すと次のとおりである。
【0041】(1)熱可塑性ポリイミド樹脂(化2の式
で表わされるもの:PI−2) 三井東圧化学社製:New TPI 450 (2)非熱可塑性ポリイミド樹脂(化1の式で表わされ
るもの:PI−1) 宇部興産社製:ユーピレックスRタイプ (3)ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS) トープレン社製:T−4 AG (4)液晶ポリマー 日本石油化学社製:ザイダーSRT300 (5)ポリエーテルニトリル樹脂(PEN) 出光興産社製:ポリエーテルニトリル ID300 (6)芳香族ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEE
K) アイ・シー・アイ社製:ビクトレックスPEEK150
P (7)球状グラファイト (日本カーボン社製:カーボンマイクロビーズ ICB
−1020 フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレ
ン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体のうちの少なくとも一種を出発材料と
し、これらの原料から公知のエマルジョン重合法などに
よって調整し、さらにこの球状粒子を窒素ガス、アルゴ
ンガス等の不活性雰囲気下または真空下で焼成する事に
よって炭素化および黒鉛化して得られるもの。均一な粒
径を有することを特徴とする。コールターカウンター法
による平均粒径:13.0μm、粒度分布:6〜20μ
m) (8)カーボンファイバー 呉羽化学社:M207S (9)りん片状グラファイト ロンザ社製:KS06 (10)球状グラファイト 大阪ガス社製:メソカーボンマイクロビーズ (コールタールもしくはコールタールピッチを350〜
500℃に加熱することにより、低分子物が重合反応し
生成された球状グラファイトを分離精製したものであ
る。コールターカウンター法による平均粒径:6.6μ
m、粒度分布:0.5〜13μm) 〔実施例1〜9、比較例1〜3〕 原材料(1)〜(10)を表1に示す割合で混合し、そ
れぞれの耐熱性樹脂に適当な成形法にて試験片を製造し
た。具体的には、PI−1を用いる場合は、これをヘン
シェルミキサーで乾式混合し、金型に入れて所定の加熱
・加圧条件で熱圧成形し、さらに切削加工を施して試験
片を得た。また、PI−2その他の耐熱性樹脂の場合
は、これをヘンシェルミキサーで乾式混合した後、スク
リュー押出し機で溶融混合し、一旦ペレット状とし、そ
して適当な温度および圧力条件で射出成形し、さらに切
削加工を施して試験片を得た。得られた試験片を用いて
以下に示す試験を行ない、その結果を表1中に併記し
た。
【0042】(1)摩擦係数 相手材を加熱できるスラスト型摩擦・摩耗試験機を用
い、荷重5kg/cm2、滑り速度毎分50m、相手材
はSUJ2の摺動面にタングステンカーバイトとコバル
トの混合物を溶射したもの(ビッカース硬度Hv=12
00)または、ニッケル系化合物を溶射したもの(ビッ
カース硬度Hv=800)、無潤滑、連続運転の条件下
で、摺動時間(試験時間)15分の時は相手材無加熱
(室温)の時を摩擦係数を、また摺動時間120分の時
は相手材無加熱および加熱(150℃)した時の摩擦係
数を求めた。
【0043】(2)摩耗係数 摩擦係数の測定と同じ試験機を使用して、荷重5kg/
cm2 、滑り速度毎分50m、相手材はSUJ2の摺動
面にタングステンカーバイトとコバルトの混合物を溶射
したもの(ビッカース硬度Hv=1200)または、ニ
ッケル系化合物を溶射したもの(ビッカース硬度Hv=
800)、無潤滑、連続運転の条件下で、摺動時間(試
験時間)100時間(連続運転)の条件下で、相手材無
加熱(室温)の時の摩耗試験の結果から求めた。また、
摩耗試験終了後の相手材を損傷度合いを調べ、下記の判
定を行った。
【0044】○……相手材を全く損傷しない △……相手材を少し損傷する ×……相手材をかなり損傷する (3)超音波モータ実機テスト 振動体の弾性体にニッケル系化合物を溶射した超音波モ
ータに表1に示した配合割合の耐熱性樹脂性スライダー
材を実装して、荷重8kgf/cm2 、滑り速度毎分1
2mにして100時間運転し、15分後および100時
間駆動後の摩擦係数、100時間後の摩耗量(厚さμ
m)を測定した。
【0045】以上の各試験方法で得られた結果を表1に
示した。
【0046】
【表1】
【0047】表1の結果から明らかなように、比較例1
はスライダー材の摩擦係数が高く摩耗係数も著しく劣
り、また相手材を損傷した。また、リン片状グラファイ
トを添加した比較例2は、摩擦係数が低すぎて摩耗係数
も劣っていた。均一な粒径でなく、かつピッチを出発原
料とした球状グラファイトを添加した比較例3は、相手
材を損傷しないが、摩擦係数が低く耐摩耗製に劣ってい
た。また、実機テストの結果も摩耗量が33〜74μm
と高かった。
【0048】これに対して、実施例1〜9に示した球状
グラファイトを添加した耐熱性樹脂製スライダー材は
いずれも耐摩耗性に優れ、適度に大きな摩擦係数を示す
とともに、摺動時間および相手材加熱による温度変化に
対しても安定した摩擦係数を示し、更には長時間摺動さ
せても相手材を損傷させることはなかった。
【0049】また、実施例1〜9のスライダー材を実装
した超音波モータは、そのスライダー材の摩擦係数が実
機テスト時間を通じて、0.31〜0.37と安定して
おり、摩耗量も3〜13μmと少ないものであり、スラ
イダー材の摩耗係数も25〜72と低いものであった。
【0050】
【効果】この発明は、以上説明したように、耐熱性樹脂
製スライダー材に粒度分布の揃った真球に近い所定粒径
の球状グラファイトを所定割合で配合したので、超音波
モータがこの摩擦特性によって安定して高いトルクを発
生することができ、また、長時間に渡って駆動させて
も、スライダー材の摩耗量は少なくて耐久性に優れ、モ
ータの駆動特性が変動することがないという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】超音波モータの要部縦断面図
【符号の説明】
1 圧電体 2 弾性体 3 振動体 4 スライダー材 5 動体

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体によって進行波を発生する振動体
    にスライダー材を介して動体を加圧接触した超音波モー
    タにおいて、 前記スライダー材が、耐熱性樹脂40〜95重量%と、
    樹脂系球状粒子を不活性雰囲気下または真空下で焼成し
    て得られる平均粒径3〜40μmの球状グラファイト5
    〜60重量%とを配合した耐熱性樹脂組成物からなるこ
    とを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 前記耐熱性樹脂が、ポリイミド樹脂、ポ
    リフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリマー、ポリエ
    ーテルニトリル樹脂および芳香族ポリエーテルケトン樹
    脂からなる群の中から選ばれる1種以上の樹脂である請
    求項1記載の超音波モータ。
  3. 【請求項3】 前記樹脂系球状粒子が、フェノール樹
    脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビ
    ニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重
    合体からなる群の中から選ばれる1種以上の化合物であ
    る請求項1記載の超音波モータ。
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