JPH10281132A - 樹脂製ナット、その製造方法およびすべりねじ装置 - Google Patents

樹脂製ナット、その製造方法およびすべりねじ装置

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JPH10281132A
JPH10281132A JP9814397A JP9814397A JPH10281132A JP H10281132 A JPH10281132 A JP H10281132A JP 9814397 A JP9814397 A JP 9814397A JP 9814397 A JP9814397 A JP 9814397A JP H10281132 A JPH10281132 A JP H10281132A
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resin
nut
resin composition
thread groove
sliding
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JP9814397A
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Satoru Fukuzawa
覚 福澤
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナット本体に充分な強度を持ちつつ、かつ螺
旋軸を攻撃せず、ねじ溝部は摺動特性に優れる。 【解決手段】 螺旋軸の軸上を摺動しながら移動する樹
脂製ナットにおいて、螺旋軸に螺合するねじ溝部がフッ
素系樹脂組成物等の柔軟な自己潤滑性樹脂組成物で該ね
じ溝部以外の部分が射出成形可能な樹脂組成物で一体成
形されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂製ナット、その
製造方法および該樹脂製ナットを用いたすべりねじ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】回転運動を直線運動に変換するすべりね
じ装置は、産業機械の送り装置や位置決め装置などに多
用されている。そのなかで樹脂製ナットを用いたすべり
ねじ装置は、近年光学測定機器、半導体製造装置、医療
機器など用途が拡大するとともに、それぞれの装置に応
じた仕様や特性が要求されるようになってきている。
【0003】従来、すべりねじ装置の樹脂製ナットとし
ては、ポリアセタール樹脂にポリテトラフルオロエチレ
ン樹脂の粉末を分散させて形成された例(特公昭 54-33
347号公報)、ガラス繊維強化プラスチックで形成され
た例(特開昭 64-26059 号公報)、ポリイミド樹脂や縮
合多環芳香族樹脂等の潤滑性に優れた熱硬化性樹脂で形
成された例(特開平 4-203650 号公報)、熱可塑性ポリ
イミド樹脂に黒鉛等を添加した樹脂組成物で形成された
例(特開平 6-193701 号公報)等が知られている。
【0004】また、ねじ溝部の表面に高分子材料の層を
形成したねじ装置の製造方法として、筒状に成形された
充填材入りフッ素樹脂のチューブを原形雄ねじ山上に被
嵌して、これを型孔内に中子状に収容した後、低融点金
属の溶湯を高圧で瞬時に鋳込むことによりねじ溝部の表
面に高分子材料の層を形成したねじ装置の製造方法が知
られている(特公昭 56-21954 号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂製
ナットの用途が増大するとともに、それぞれの装置に応
じた仕様や要求特性に従来の樹脂製ナットでは答えられ
ないという問題がある。たとえば、上述した従来のすべ
りねじ装置の樹脂製ナットは、ナット本体とねじ溝部が
同一材料で一体に形成されているため、ナット本体の強
度またはねじ溝部の摺動性の何れかが犠牲になる場合が
多く、螺旋軸を攻撃せず、両者いずれも満足できるナッ
トは実現されていないという問題がある。
【0006】また、低融点金属の溶湯を高圧で瞬時に鋳
込む方法は、射出成形する方法と比較して鋳込時の温
度、圧力、時間が大きく異なるものであり、その製造方
法を樹脂製ナットの製造方法に適用することは出来ない
ことや、得られるナットの重量が増加すること、また、
錆等が発生しないように油を塗布したり、防錆処理を施
したりする等、取り扱いの点でメンテナンスフリーとな
らず、またメッキ処理等を必要とする場合では、製造工
程において効率的でなかったり、またコスト上昇の原因
にもなる等の問題がある。
【0007】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、ナット本体に充分な強度を持ちつ
つ、かつ螺旋軸を攻撃せず、ねじ溝部は摺動特性に優れ
た樹脂製ナット、その製造方法およびすべりねじ装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂製ナット
は、螺旋軸の軸上を摺動しながら移動する樹脂製ナット
において、螺旋軸に螺合するねじ溝部が柔軟な自己潤滑
性樹脂組成物で該ねじ溝部以外の部分が射出成形可能な
樹脂組成物で一体成形されてなることを特徴とする。こ
こで、ねじ溝部以外の部分とは樹脂製ナット本体をい
う。
【0009】また、柔軟な自己潤滑性樹脂組成物がフッ
素系樹脂を主成分とする樹脂組成物であることを特徴と
し、フッ素系樹脂組成物がポリテトラフルオロエチレン
を主成分とする樹脂組成物であることを特徴とする。
【0010】本発明の樹脂製ナットの製造方法は、金型
内に突設された螺旋軸のコアピンにフッ素系樹脂組成物
からなるパイプ材を被嵌する工程と、コアピンが所定位
置に配置されるキャビティを形成する工程と、キャビテ
ィ内に溶融樹脂組成物が射出充填されパイプ材と溶融樹
脂組成物とが一体成形される工程とを有することを特徴
とする。また、パイプ材は、引張り破断伸びが 20 %以
上で、引張り強度が 5MPa 以上であることを特徴とす
る。さらに、パイプ材は 0.1〜2mm の厚さを有すること
を特徴とする。
【0011】本発明のすべりねじ装置は、螺旋軸と、こ
の螺旋軸の軸上を摺動しながら移動する樹脂製ナットと
を有するすべりねじ装置において、樹脂製ナットが上述
の樹脂製ナットであることを特徴とする。
【0012】本発明の樹脂製ナットは、ねじ溝部の機能
と、ねじ溝部以外の部分の機能とが異なり、ねじ溝部に
おいては摺動性がねじ溝部以外の部分の本体は用途に応
じて強度などが要求されることに着目してなされた発明
である。すなわち、ねじ溝部とそれ以外の部分とを機能
分離することにより、それぞれの特性をより向上させた
樹脂製ナットが得られることに着目したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のすべりねじ装置を図1に
より説明する。図1はすべりねじ装置の斜視図である。
すべりねじ装置2は螺旋軸1と、この螺旋軸1のねじ溝
に螺合し、前記螺旋軸上を摺動しながら移動する樹脂製
ナット3とから構成され、螺旋軸1の回転運動が樹脂製
ナット3の直線運動に変換される。そして、この樹脂製
ナットは、ねじ溝部とナット本体とが異なる材料にて形
成される。すなわち、より強い強度が求められるナット
本体には、各種補強材により強度向上が図られた樹脂組
成物が採用され、優れた摺動性や相手材非攻撃性が求め
られるねじ溝部には、柔軟な自己潤滑性樹脂組成物が採
用される。ここで柔軟な自己潤滑性樹脂組成物とは、螺
旋軸を攻撃しない硬度を有し、かつ螺旋軸との潤滑特性
に優れていることを意味し、たとえばフッ素系樹脂組成
物や超高分子量ポリエチレン樹脂組成物等を挙げること
ができる。
【0014】まず、ねじ溝部を構成するフッ素系樹脂組
成物について説明する。フッ素系樹脂組成物は、フッ素
系樹脂を主成分とするものであり、フッ素系樹脂として
は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(融点 327℃、連
続使用温度 260℃、以下 PTFE と略称する)、テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹
脂(融点 270℃、連続使用温度 200℃、以下 FEPと略称
する)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体樹脂(融点 310℃、連続使用
温度 260℃、以下 PFEと略称する)、エチレン−テトラ
フルオロエチレン共重合体樹脂(融点 270℃、連続使用
温度 150℃)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂
(融点 210℃、連続使用温度 120℃)、エチレン−クロ
ロトリフルオロエチレン共重合体樹脂(融点 240℃、連
続使用温度 150℃)などが挙げられる。これらは、それ
ぞれ単独もしくは、上記フッ素系樹脂のモノマーのたと
えば 1: 10 から 10 :1 の重合割合で 2種以上の共重
合体や 3元共重合体等からなる樹脂であってもよい。
【0015】このうち PTFE 等のテトラフルオロエチレ
ン系フッ素樹脂は、−CF2 −CF2 −の繰り返し単位
より構成され、耐熱性、耐薬品性、非粘着性、低摩擦係
数などの諸特性にとくに優れており好ましい。なお、 P
TFE は、圧縮成形可能な樹脂であり、その熱分解温度は
約 508〜533 ℃である。柔軟な自己潤滑性樹脂組成物の
中でも、数平均分子量が 5×105 〜 1×108 、好ましく
は 1×106 〜 1×108 である樹脂が耐摩耗性に優れ好ま
しい。とくにフッ素系樹脂は摺動特性がとくに優れてお
り本発明に係るねじ溝部に好適である。さらに PTFE 、
PFA、 FEP等のパーフルオロ系樹脂は、骨格となる分子
鎖を構成する炭素原子の周囲が全て、もしくは微量の酸
素原子を取り込んで全てフッ素原子で取り囲まれたもの
であり、C−F間の強固な結合により、フッ素系樹脂の
なかでも耐熱性が最も高く、また、摩擦係数、耐熱性等
の諸特性に優れており、好ましいものと言える。フッ素
系樹脂は、平均粒径約 0.3〜0.8mm の顆粒状で比較的球
状のものが、後述するラム押出しに適している。 PTFE
としては、テフロン7J(デュポン社製商品名)等が挙
げられる。
【0016】フッ素系樹脂組成物は、上述のフッ素系樹
脂に充填材類を配合することにより得ることができる。
充填材類としては、炭素繊維、ガラス繊維や各種ウィス
カーなどの繊維状充填材がとくに好ましい。繊維状充填
材であるとすべりねじ溝部の耐摩耗性を向上させること
ができる。また、充填材として、たとえば芳香族ポリイ
ミド樹脂等の耐熱性樹脂粉末を用いることができる。と
くに全芳香族系ポリイミド粉末などが好ましく、たとえ
ばピロメリット酸二無水物やビフェニルテトラカルボン
酸二無水物と芳香族ジアミンまたは芳香族ジイソシアナ
ートなどとを反応させて得られ、主に熱硬化的性質を有
する全芳香族ポリイミド類が好適である。相手軸がアル
ミニウム合金や、またステンレス鋼等の軟質材である場
合において、攻撃性が小さくなるとともに、フッ素系樹
脂組成物の耐摩耗性を向上できる。このようなポリイミ
ド系樹脂の平均粒径は約 10 〜200 μm (たとえば 100
〜200 メッシュのスクリーンを通して得られるもの)等
のものがある。ポリイミド系樹脂としては、PI−S
(宇部興産社製商品名)等が挙げられる。
【0017】上述のフッ素系樹脂組成物などからなる、
ねじ溝部を形成するためのパイプ状部材は、後述する引
張り破断伸びや引張り強度、また硬度特性を満足すれば
充填材を配合しないものであってもよいが、ガラス繊維
等の強化繊維やポリイミド粉末樹脂等の充填材を 1〜 5
0 重量%、好ましくは 10 〜 30 重量%配合して耐摩耗
性を向上させてもよい。このような充填材の配合によ
り、柔軟なパイプ状部材は適度な引張り伸び、強度特
性、また耐摩耗性を示し、金型内に熱可塑性ポリイミド
系(以下、TPIと略称する)樹脂やポリフェニレンサ
ルファイド(以下、PPSと略称する)樹脂等の溶融樹
脂が射出された場合でも、射出成形で一体成形できる。
【0018】ナット本体を形成する樹脂組成物は、すべ
りねじ装置に必要とされる特性に応じて種々の樹脂組成
物を選択することができる。ナット本体を樹脂組成物で
形成することにより、金属系の鋳物等よりもナット本体
を比較的軽量化でき、また錆も発生することがない。樹
脂組成物を構成する樹脂としては、射出成形可能な合成
樹脂が好ましい。射出成形可能な合成樹脂であると製造
コストが抑えられ、精密な精度の樹脂製ナットが得られ
るようになる。そのような樹脂としては、TPI樹脂、
ポリアミドイミド系樹脂、芳香族系ポリアミド樹脂等の
ポリアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、芳香族
系ポリエーテルエーテルケトン系樹脂等の芳香族ポリエ
ーテルケトン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、
PPS樹脂等のポリアリーレンスルフィド系樹脂、ポリ
シアノアリールエーテル系樹脂、芳香族系ポリエステル
樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
射出成形可能な溶融フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂を挙
げることができる。また、耐熱性を要求されない場合に
あっては、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂等を使用することが
できる。
【0019】これらの熱可塑性樹脂のなかでも、PPS
樹脂などのポリアリーレンスルフィド系樹脂およびTP
I樹脂が、耐熱性、機械的強度、さらには射出成形性に
優れているため好ましい。ポリアリーレンスルフィド系
樹脂は、芳香族基がチオエーテル結合で連結された構造
を有する樹脂をいい、その繰り返し単位を化1に示す。
【0020】
【化1】
【0021】ポリアリーレンスルフィド樹脂の代表例と
して挙げられるPPS樹脂は、化2で示される繰り返し
単位からなる周知の重合体であり、本発明に好適な樹脂
としては、このような繰り返し単位を 70 モル%以上、
好ましくは 90 〜100 モル%含む重合体である。
【0022】
【化2】
【0023】なお、このような重合体の結晶性に影響を
与えない範囲で、化3で示される共重合成分を 30 モル
%未満、好ましくは 1〜 10 モル%の割合で含んでいて
もよい。
【0024】
【化3】
【0025】PPS樹脂は、周知の重合反応によって合
成されるが、反応直後は未架橋品であり、このままでは
低分子量で低粘度であるから、押出成形、射出成形に適
するように、たとえば空気中において融点以下に加熱
し、酸化架橋させて分子量を高めて成形に適する溶融粘
度にする。このような処理をして市販されているライト
ンP−4(フィリップスペトローリアム社製商品名)の
測定温度 300℃での溶融粘度(オリフィス:直径 1mm、
長さ 2mm、荷重 10 kg)は 150〜 500Pa・s である。
【0026】上述した架橋型PPS樹脂の溶融粘度は、
150 〜2000Pa・s であり、好ましくは 160〜500 Pa・s
、より好ましくは 200〜400 Pa・s であればよい。そ
の場合、溶融粘度が 150Pa・s より小さい架橋型PPS
樹脂は、たとえば 150℃以上の高温域で耐クリープ特性
などの機械的特性が低下し、変形しやすいので好ましく
ない。2000Pa・s より大きい架橋型PPS樹脂は成形性
が劣り、また柔軟性が低下する。耐熱性や耐クリープ特
性、バリの発生状態、またコスト等は直鎖型PPSに比
べて架橋型PPSの方が優れている。
【0027】しかしこのような架橋型PPSは、前述し
たように低分子量のものを酸化架橋させたものであるか
ら、組成によっては脆弱となり、衝撃強度が低くなるお
それがある。これらの脆弱性を改良するために、直鎖状
のPPSを使用することができる。このような直鎖型P
PSは、特開昭 61-7332号公報、特開昭 61-66720 号公
報等に記載された周知の方法で製造され、重合後の高温
下の熱処理および架橋剤の添加などを行なうことなし
に、重合段階で直鎖状に分子鎖を高分子量まで成長させ
たものであり、市販品として呉羽化学工業社製商品名の
KPS一W214が挙げられる。直鎖型PPSは、架橋
型PPSが硬質であり若干脆いという特性であることに
比較して、白色であって特定の方向における引張り強
さ、曲げ強さ、曲げ弾性率、伸び等に優れている。一
方、架橋型PPSは、直鎖型PPSよりも射出成形時の
異方性が発現しがたく、ねじ山形状のような複雑な形状
の成形体を製造する場合に適していると考えられる。
【0028】直鎖型PPS樹脂の溶融粘度は、 20 〜10
00Pa・s であり、好ましくは 30 〜300 Pa・s 、より好
ましくは 30 〜150 Pa・s であればよい。その場合、溶
融粘度が 30 Pa・s より小さい直鎖型PPS樹脂は、た
とえば 150℃以上の高温域で耐クリープ特性などの機械
的特性が低下し、変形しやすいので好ましくない。300
Pa・s より大きい直鎖型PPS樹脂は、充填材を添加す
ると成形性が劣り、また柔軟性が低下する。この場合の
溶融粘度の測定条件は、測定温度: 300℃、オリフィ
ス:穴径直径 1mm、長さ 10mm 、荷重 20kg/cm2 、測定
機:高化式フローテスタ、予熱時間 6分である。なお、
溶融粘度のせん断速度は、102 〜104 (sec-1) の条件で
評価するのが一般的である。
【0029】なお、本発明に係るPPS樹脂は、架橋型
PPS、直鎖型PPS、もしくはこれらの両方の特性を
有するPPSのいずれも使用することができる。PPS
としては、T4(トープレン社製商品名)等を挙げるこ
とができる。
【0030】TPI樹脂は、分子構造の繰り返し単位中
に、熱的特性、機械的強度等に優れたイミド基が芳香族
基を取り囲みながらも、熱などのエネルギーが加えられ
ることにより適度な溶融特性を示すエーテル結合部分を
複数個有する構造のイミド系樹脂がよく、機械的特性、
剛性、耐熱性、射出成形性を満足させるため、エーテル
結合部を繰り返し単位中に 2個有する熱可塑性ポリイミ
ド樹脂が好ましい。たとえば、芳香族エーテルジアミン
類や芳香族エーテルジイソシアネート類等と、ピロメリ
ット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水
物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の 1種以上の
酸無水物またはその誘導体との反応により得られる樹脂
を挙げることができる。
【0031】具体的に、イミド基と芳香族基とを有する
重合体の一例を化4に示す。
【0032】
【化4】
【0033】(式中、Xは直結または炭素数 1〜 10 の
炭化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カ
ルボニル基、チオ基およびスルホン基からなる群より選
ばれた基を表わし、R1 〜R4 は水素、低級アルキル基
(好ましい炭素数 1〜5 )、低級アルコキシ基(好まし
い炭素数 1〜5 )、塩素または臭素を表わし、互いに同
じであっても異なっていてもよい。Yは炭素数 2以上の
脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式
芳香族基、芳香族基が直接または架橋基により相互に連
結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた
4価の基を表わす。)
【0034】化4で示されるTPI樹脂は、たとえば、
下記化5で示される芳香族エーテルジアミンと 1種以上
の芳香族テトラカルボン酸二無水物の反応によって得ら
れるポリアミド酸を脱水環化して得られる。
【0035】
【化5】
【0036】(式中、Xは直結または炭素数 1〜 10 の
炭化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カ
ルボニル基、チオ基およびスルホン基からなる群より選
ばれた基を表わし、R1 〜R4 は水素、低級アルキル基
(好ましい炭素数 1〜5 )、低級アルコキシ基(好まし
い炭素数 1〜5 )、塩素または臭素を表わし、互いに同
じであっても異なっていてもよい。)
【0037】このようなTPI樹脂のうち、市販品とし
ては化1におけるR1 〜R4 が全て水素である三井東圧
化学社製の商品名オーラム(AURUM)などを挙げる
ことができる。その化学式を化6に示す。
【0038】
【化6】
【0039】このようなTPI樹脂は、イミド基もしく
は芳香族環の少なくとも 1種類以上を有する点で、機械
的強度が高く、また、エーテル結合を適度に有するた
め、成形時に望ましい溶融粘度となるため生産性効率の
優れた射出成形が可能となるため好ましいものと言え
る。
【0040】ナット本体を形成する樹脂組成物は、上述
の熱可塑性樹脂にガラス繊維、炭素繊維や各種ウィスカ
ーなどの繊維状充填材を補強材として配合することがで
きる。これら補強材の配合量は、樹脂製ナットの成形性
や外観を阻害させない範囲で充填することができるが、
強度向上性や射出成形性を考慮して 1〜 50 重量%、好
ましくは 5〜 40 重量%である。なお、以下に述べるガ
ラス繊維や炭素繊維は、ねじ溝部を形成するためのパイ
プ材にも使用できるものである。
【0041】ここで、繊維状充填材は、繊維径 0.1〜50
μm 、繊維長 0.001〜10mm、好ましくは繊維径 1〜25μ
m 、繊維長 0.01 〜1 mmであればよい。繊維径、繊維長
が細すぎたり、短すぎたりすると機械的強度が向上され
にくく、一方、繊維径、繊維長が太すぎたり、長すぎた
りすると樹脂組成物が流動しがたくなり、射出成形性が
低下すると考えられるため好ましくない。
【0042】まず、この発明に用いる繊維状充填材の一
例である繊維状強化材、たとえばガラス繊維は、SiO
2 、B2 3 、Al2 3 、CaO、MgO、Na
2 O、K2 O、Fe2 3 などを主成分とする無機ガラ
スから得られるものであり、一般に無アルカリガラス
(Eガラス)、含アルカリガラス(Cガラス、Aガラ
ス)などを用いることもできるが、樹脂材への影響等を
考慮し、無アルカリガラスがよい。
【0043】無アルカリガラスは、たとえばSiO2
約 52 〜 56 重量%、B2 3 が約8〜 13 重量%、A
2 3 が約 12 〜 16 重量%、CaOが約 15 〜 25
重量%を含有し、これら以外にMgOが約 6重量%以
下、Na2 OまたはK2 Oが約1重量%以下等、これら
のうち、いずれか一種以上を含有しているものであって
もよい。これは、組成物中にアルカリ成分をほとんど含
んでいないホウケイ酸ガラスであり、アルカリ成分がほ
とんど入っていないので、樹脂材への影響がほとんどな
く樹脂材の特性が変化しないので、補強材として優れる
ものと考えられる。また、ガラス繊維の引張り強さは、
約 2500 〜 5000 MPa 、無アルカリガラスは平均して約
3500 MPa である。また、ガラス繊維の弾性率は 70 〜
90 GPa 、無アルカリガラスは平均して 74 〜 77 GPa
である。そのような点から無アルカリガラスは、引張り
強度、弾性率、量産性、価格等の点で総合的に優れたも
のである。
【0044】充填材として無アルカリガラスを用いる場
合には、その繊維長が約 10 〜700μm のものが好まし
く、より好ましくは 30 〜300 μm である。また、その
繊維径は約 5〜 15 μm が好ましく、より好ましくは約
6〜 13 μm である。なぜなら、繊維径が約 15 μm を
越える大径のもの、または繊維長が約 700μm を越える
ものを用いると、樹脂と混合する際に均一分散させるこ
とが難しくなり、不均一分散の組成物では成形も困難に
なるからである。繊維径が 5μm 未満であったり、繊維
長が 10 μm 未満であると、組成物に所要の圧縮クリー
プなどの機械的強度が期待できない。ガラス繊維として
は、たとえばMF03MB120、MF06MB120
(旭ファイバーグラス社商品名)等を挙げることができ
る。
【0045】ここで、樹脂に対するガラス繊維の添加量
は、 10 〜 50 重量%であることが好ましく、とくに構
造部材のようなナット部材に添加する場合、 30 〜 50
重量%であることが好ましく、一方、摺動部材のような
パイプ材であれば 10 〜 30重量%であることが好まし
い。なぜならガラス繊維の添加量が 10 重量%未満で
は、成形物の機械的性質はほとんど向上せず、また 50
重量%を越える多量では、樹脂成形体として成立しにく
いからである。このようなガラス繊維は、摺動材、構造
材のいずれにも入っていてもよいが、相手軸材の損傷性
を考慮するとナット本体を形成する樹脂の補強材として
使用することが好ましい。
【0046】つぎに、充填材として用いられる炭素繊維
は、現在汎用されている 1000 ℃以上、好ましくは 120
0 〜 1500 ℃の高温に耐えるものであれば、レーヨン
系、ポリアクリロニトリル系(以下、PAN 系と略称す
る)、リグニンーポバール系混合物、特殊ピッチ系など
原料の種類の如何にかかわらず使用できる。そして、そ
の形状は長短いずれの単繊維であってもよく、クロス、
フェルト、ペーパー、ヤーン等のように一次加工を経た
編織布、不織布、糸、紐等の製品形体のものでもよい。
炭素繊維は、その材質をとくに制限することなく、ピッ
チ系、PAN 系、カーボン質のいずれであってもよい。
【0047】炭素繊維は、前述したように、種々の有機
高分子繊維を平均 1000 〜 3000 ℃程度に焼成して生成
される。この構造は、主に炭素原子六角網平面から構成
される。この網平面が繊維軸に平行に近く配列したもの
としては、高配向、異方性を有する PAN系や液晶ピッチ
系の炭素繊維があげられ、一方、この網平面が乱雑に集
合したものとしては、等方性を有するピッチ系炭素繊維
が挙げられる。高配向で異方性の炭素繊維は、特定の方
向の弾力性や引張強度に優れておリ、等方性の炭素繊維
は、全方向から受ける荷重に対しても比較的良く耐え得
る。
【0048】上述のピッチ系炭素繊維は、たとえば石油
精製の際に副生される石油ピッチなどの構造上無定形の
等方性ピッチ系炭素繊維と、一定方向の構造のものとし
て、たとえば光学異方性の異方性ピッチ系炭素繊維が挙
げられる。等方性ピッチ系炭素繊維は、石油系、石炭
系、合成品系、液化石炭系などの炭素繊維に分類でき、
各原料を溶融紡糸でピッチ繊維にし、不融化処埋をした
後に炭素化して製造される。また、液晶ピッチ系炭素繊
維は、ピッチ類を不活性雰囲気中で加熱し、 350〜500
℃で液晶状態とした後、固化してコークスとする。これ
を溶融紡糸して酸化雰囲気で加熟すると酸化繊維となっ
て不溶不融の繊維となり、さらにこれをたとえば不活性
雰囲気中で約 1000 ℃以上に加熱する方法等により製造
できる。これらは、引張弾性率が平均 30 〜 50 GPa 程
度の低弾性率から平均 240〜500 GPa程度の中・高弾性
率のものを選択的に採用でき、引張強度などの機械的特
性に優れた繊維を所定の樹脂組成物に混合することによ
り、所要の機械的強度のナット部材等が得られる。この
ようなピッチ系炭素繊維の例としては、繊維長が 12 〜
18 μm のクレカチョップM107T、M207S(呉
羽化学社製商品名)などの商品名「クレカ」シリーズ全
般が挙げられる。
【0049】PAN 系炭素繊維は、ポリアクリロニトリル
繊維等のアクリル系繊維を加熱焼成する方法で製造する
ことができる。このものは、加熱焼成温度によって所定
の引張弾性率に調整でき、たとえば、約 1000 〜 1500
℃で加熱すると引張弾性率は平均 20 〜 30 GPa 、引張
強度は平均 300〜6000 MPaとなる。また、約 2000 ℃で
加熱すれば引張弾性率を平均 350〜500 GPa にでき、好
ましくは平均 400〜500 GPa にできる。このように PAN
系炭素繊維は、高い引張強度の繊維であって、加熱温度
によって引張強度を平均 500〜6000MPa の範囲で調整で
き、平均 500〜3000MPa の範囲のものを製造可能と考え
られる。引張強度の値が所定範囲より低すぎると圧縮ク
リープなどの補強ができず、所定範囲より高すぎると、
成形性が低下することも予想される。
【0050】この PAN系炭素繊維の例としては、「ベス
ファイト」(東邦レーヨン社製商品名)シリーズ全般が
挙げられ、その具体例としては、ベスファイトHTA−
CMF−0040−E、ベスファイトHTA−CMF−
0160−E、ベスファイトHTA−CMF−1000
−E、ベスファイトHTA一C6−E等(いずれも、繊
維長 7〜8 μm )が挙げられる。また、「トレカ」(東
レ社製商品名)シリーズ全般があり、トレカMLD−3
00、トレカMLD−1000等が挙げられる。
【0051】これらの炭素繊維の特性としては、引張強
度が 550〜1000 MPa、引張弾性率が30 〜 50 GPa 、ビ
ッカース硬度(Hv)が 400〜600 の範囲にあることが
好ましい。引張強度、引張弾性率およびビッカース硬度
(Hv)が下限値未満の場合は炭素繊維を添加する補強
効果が期待できず、これらの値が上限値を越える場合は
摺動する相手材を攻撃して摩耗させるおそれがある。こ
れらの炭素繊維は、酸やアルカリ等の薬品類の影響を受
け難く、また耐摩耗性も有する。
【0052】なお、これらの炭素繊維やガラス繊維と樹
脂群との密着性を高め、ナットの機械的特性等を向上さ
せるために、これらの炭素繊維の表面をエポキシ系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
アセタール系樹脂等含有の処理剤やシラン系カップリン
グ剤等により表面処理を施してもよい。
【0053】充填材として本発明に用いることのできる
炭素繊維は、平均繊維径が好ましくは 1〜20μm 、より
好ましくは 5〜18μm で、繊維長が約 10 〜1000μm 、
好ましくは 10 〜 500μm 、より好ましくは約 10 〜 3
00μm で、かつアスペクト比が好ましくは 1〜80、より
好ましくは 5〜50である。炭素繊維の平均繊維径が 1μ
m 未満では、繊維同士で凝集する現象がみられ樹脂組成
物中に均一に分散し難くなる。一方、20μm を越える
と、流動性が低くなり、射出成形性が低下すると考えら
れる。また、アスペクト比が 1未満では、マトリックス
自体の補強効果が損なわれて機械的特性が低下し、逆に
アスペクト比が 80 を越えると、混合時の均一分散が極
めて困難となって、耐摩耗性が十分に改善されずに品質
低下をまねくことになりやすい。
【0054】炭素繊維の配合割合は、 5〜 50 重量%で
あり、好ましくは 10 〜 40 重量%である。 5重量%未
満であれば、補強性の改善効果が殆どなく、 50 重量%
を越えると、溶融流動性が著しく低下して良好な成形品
を得ることが困難になる。 10 〜 40 重量%であると、
樹脂組成物の補強性の改善、および溶融流動性の非阻害
性において最も好ましい効果が得られる。
【0055】本発明に係る樹脂組成物には、機械的強度
特性や耐熱性を損なわない範囲で他の配合剤を配合する
ことができる。たとえば、補強材としてボロン繊維、炭
化ケイ素繊維、金属繊維、ロックウール繊維等の繊維
類、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィ
スカー、酸化チタンウィスカー、ウオラストナイトウィ
スカー等の天然または人造ウィスカー類などを、難燃性
向上剤として三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭
酸カルシウム等を、熱伝導度向上剤として鉄、亜鉛、ア
ルミニウム、銅などの金属粉末類などを、自己潤滑性向
上剤として黒鉛、PFA,FEP,ETFEなどの溶融フッ素樹脂類
などを、その他、顔料、増量剤などであって、 300℃以
上で安定な物質を使用することができる。さらには液晶
ホモポリマーのように、液晶コポリマーと相溶性のある
樹脂を混合することもできる。上述の配合材は、ガラス
繊維や炭素繊維とともにパイプ材等の摺動材や、ナット
等の構造材のいずれについても、適宜配合することがで
きる。
【0056】上述の材料を混合する手段は、とくに限定
されるものではなく、原料を個別に溶融混合機に供給し
てもよく、またはあらかじめヘンシェルミキサー、ボー
ルミキサー、リボンブレンダーなどの混合機を用いて 2
種以上の原料を同時に混合してもよい。その場合の混合
温度は、通常 250〜 420℃、好ましくは 300〜 400℃で
ある。また、成形方法は、圧縮成形、焼結成形などを採
用でき、均一溶融ブレンド体を形成して、射出成形また
は押出し成形を行なうこともできる。
【0057】樹脂製ナットの製造方法について図2によ
り説明する。図2は樹脂製ナットの製造工程を示す図で
ある。フッ素系樹脂組成物から潤滑性を有する柔軟なパ
イプ材6を形成し、このパイプ材6をねじ軸形状のコア
ピン7に被嵌した後、このものを成形金型8aの所定位
置に配置する(図2(a))。なお、パイプ材6をコア
ピン7に被嵌するのは上述のようにコアピン7を金型8
a内に配置する前でも、配置した後でもどちらでもよ
い。またねじ軸形状のコアピン7の大きさは、すべりね
じ装置のねじ軸より僅かに大径に、すなわち射出成形で
ナット本体の熱可塑性樹脂が成形収縮する量だけ大きく
設定することが好ましい。たとえば、コアピン7の直径
を成形後の樹脂製ナットの直径に対して 0.05 〜 2%程
度大きくすることが好ましい。このように設定すること
により、すべりねじ装置のバックラッシュの発生を効果
的に抑えることができる。
【0058】つぎに、金型8a、8bを閉じ、キャビテ
イ9を形成する(図2(b))。熱可塑性樹脂5aをキ
ャビティ9内に射出成形することにより、この成形圧力
でパイプ材6をねじ軸形状のコアピン7の螺旋溝に変形
させつつねじ溝部と樹脂製ナット本体5とを一体成形す
る(図2(c))。このときの成形圧によってパイプ材
6がねじ軸形状のコアピン7に張り付く、張り付いたパ
イプ材6はコアピン形状と全く同様の形状となり樹脂製
ナットのねじ溝部4が形成される。その後、金型8a、
8b、8cを開け、樹脂製ナット3を得る(図2
(d))。
【0059】このような樹脂製ナットを製造する場合、
組成物の溶融温度をTPI樹脂(溶融温度、約 380〜39
0 ℃)、PPS樹脂(溶融温度、 280〜 290℃)の溶融
温度よりも高い温度、具体的には 280〜 420℃に設定
し、射出圧力を、たとえば 500〜2500kgf/cm2 、添加剤
等の組成配合によっては 800〜2000kgf/cm2 、組成物の
種類によっては1000kgf/cm2 を越え1600kgf/cm2 以下、
保圧(射出保持圧力)を500〜1200kgf/cm2 、組成物の
種類によっては 700〜1000kgf/cm2 のように適度な射出
圧力条件により成形する。このような組成物を適度な圧
力下において成形することで、機械的強度、寸法精度に
優れ、ボイドの少ない樹脂製ナット3とすることができ
る。金型温度は、たとえば主成分の樹脂の溶融粘度温度
よりも約 100〜200 ℃程度の低い温度、具体的には約 1
20〜220 ℃に設定すればよい。金型温度をこのように設
定することで、ひけ、またはフローマークの発生を防止
できる。
【0060】このようにして得られた樹脂製ナット3は
剛性体である。ナット部材が剛性体でなければ、摺動時
にナットが変形したり、共振することが考えられる。そ
のような不具合が発生すると、ねじ装置の性能を著しく
低下させるので好ましくない。具体的には、引張強度が
30 MPa 以上、好ましくは 50 MPa 以上、材料により50
〜150 MPa や 100〜200 MPa (ASTM D638に
準拠)であり、また曲げ強度が、たとえば 50 〜500 MP
a 、好ましくは 100〜400 MPa (ASTM D790に
準拠)、かつ曲げ弾性率が 1000 MPa 以上、好ましくは
2000 MPa 以上、具体的には 3000 〜30000 MPa (AS
TM D790に準拠)、また硬度がロックウエル硬
さ、Mスケールにて、M50 〜M130、材料により M60〜M1
20(ASTM D785に準拠)の剛性な樹脂成形体が
好ましい。また、このような物性値とするために、たと
えば射出成形後に主成分樹脂をガラス転移点以上、溶融
温度以下の範囲で成形体の熱処理を行なってもよい。熱
処理温度は、主成分樹脂の種類にもよるが、たとえばP
PS樹脂では約 100〜250℃、TPI樹脂では約 250〜3
50 ℃で行なうことが好ましい。
【0061】本発明に係るパイプ材6について説明す
る。パイプ材6は、機械的特性において引張り破断伸び
が 20 %以上、好ましくは50 %以上、300 %以下(A
STM D638に準拠)で、引張り強度が 5MPa以
上、好ましくは 10 MPa 以上、 30 MPa 未満(ASTM
D638に準拠)の特性を有することが好ましい。ま
た、たとえば硬度がショア硬さ(デュロメータ計、AS
TM D2240に準拠)で、D40 〜D90 、好ましくは
D50 〜D80 のパイプ材であることが好ましい。このよう
な機械的強度を兼ね備えたフッ素系樹脂組成物からなる
パイプ材であれば、射出成形時における射出圧によっ
て、ねじ溝部となるパイプ材の破断が生じず、かつパイ
プ材がねじ溝形状と全く同一に転写できるためである。
なお、樹脂製ナット3やパイプ材で示した括弧内の試験
方法は、好ましい試験方法の一例である。
【0062】パイプ材6は、たとえばラム押し出し成形
方法、ペースト押し出し成形方法、モールド成形方法
等、種々の方法で形成される。ラム押し出し成形方法に
あっては、成形温度 300〜385 ℃、成形速度 0.5〜3m/h
r.が好ましく、また、モールド成形方法にあっては、ま
ず粉末状の原料を混合し、その後に圧縮成形し、焼成し
て徐々に冷却する。成形条件は成形圧力が、たとえば 1
00〜800 kgf/cm2 、好ましくは 100〜360 kgf/cm2 、焼
成温度を 360〜380 ℃とすることが好ましい。このよう
にして得た塊状の成形品を機械加工でパイプ状に形成す
る。本発明に係るパイプ材6の製造方法としては、歩留
まりが向上するため、とくにラム押し出し成形方法が好
ましい。
【0063】パイプ材6の厚さは、2mm 以下とすること
が好ましい。厚さが 2mmより薄いと、射出成形時におけ
る射出圧によってパイプ材をねじ溝形状と同一に転写す
ることができる。なお、パイプ材の厚さの下限値として
は 0.1mm以上あることが望ましく、好適には 0.2〜1.5m
m 、さらに好ましくは 0.5〜0.7mm である。パイプ材の
厚さが 0.1mm未満であると、射出圧によって破断が生じ
るおそれがある。
【0064】なお、パイプ材6がナット本体部分と接合
する面に、射出成形時における接合強度を高めるため
に、ショットブラスト、タンブリング(たる研磨)等の
物理的表面処理や、酸化処理や表面活性剤処理等の化学
的処理を施すことができる。
【0065】上述の樹脂製ナットと螺旋軸とを組み合わ
せることにより、すべりねじ装置を得ることができる。
螺旋軸としては、ステンレス鋼、アルミニウム合金、鉄
系金属などの金属軸やポリイミド、フェノール樹脂など
の樹脂製軸を用いることができる。ステンレス鋼やアル
ミニウム合金等の合金類などの耐蝕性金属類や、また樹
脂類は、錆が発生しないので好ましく、防錆処理を省略
できる点からも好適なものであるといえる。本発明のす
べりねじ装置は、樹脂製ナットのねじ溝部がフッ素系樹
脂組成物で均一に形成されているので、樹脂製螺旋軸を
用いても相手材を攻撃することが少なく、耐久性に優れ
ている。本発明のすべりねじ装置は、光学測定機器、半
導体製造装置、医療機器、計測機器、食品産業機器、自
動制御装置、産業用ロボット、自動車、電装補機用など
に用いることができる。
【0066】そしてまた、本発明のねじ部形状は、図3
(a)に示すように、ナット3のねじ山の断面もしく
は、これに対するねじ軸1のねじ谷の断面は、ナット3
のねじ山に対して、対称に傾斜する二つの傾斜面で形成
される。本発明に係るねじは、図3(a)に示されるよ
うなすべりねじであって、ねじ山とねじ谷はねじの進行
方向に主に面接触するようなねじに限らず、たとえば、
ミニチュアねじ、メートル並目ねじ、メートル細目ね
じ、ユニファイ並目ねじ、ユニファイ細目ねじ、29度
台形ねじ、30度台形ねじ(メートル台形ねじ)等の台
形ねじや、また、丸形ねじ、テイ型ねじ、ノコ型ねじ、
三角ねじ、角ねじなどの角形ねじであったり、また、一
条ねじ、もしくは複数条の数条ねじであってもよく、あ
らゆるねじ形状に適用することができる。しかし、柔軟
な自己潤滑性樹脂組成物からなるねじ部分の耐摩耗性、
耐クリープ性およびこれらの要因により発生すると考え
られるバックラッシュを抑えることを考慮すると、図3
(a)に示すような主に面接触して回転・移動する台形
ねじが、面圧を抑えるために好ましいと考えられる。
【0067】
【実施例】実施例および比較例に使用した材料を以下に
示す。なお( )内には表1での略記号を示した。 1.パイプ材用材料 1)ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE):テ
フロン7J(デュポン社製商品名) 2)ポリアミド66樹脂(PA66):アミランCM3
001N(東レ社製商品名) 3)ガラス繊維1(GF−1):MF03MB120
(旭ファイバーガラス社製商品名) 4)ポリイミド樹脂粉末(PI):PI−S(宇部興産
社製商品名) 2.樹脂製ナット本体用材料 5)ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS):T4
(トープレン社製商品名)、半架橋型(リニア架橋型)
で重合後に直鎖状化したPPSである。 6)熱可塑性ポリイミド樹脂(TPI):オーラムP4
50(三井東圧化学社製商品名) 7)ガラス繊維2(GF−2):MF06MB120
(旭ファイバーガラス社製商品名) 8)炭素繊維(CF):クレカチョップM107T(呉
羽化学工業社製商品名)、ピッチ系炭素繊維で平均繊維
径 18 μm 、アスペクト比 38 である。
【0068】実施例1〜実施例3、比較例1および比較
例2 パイプ材は以下の方法で作製した。まず表1に記載の配
合比で材料を秤量し、ヘンシェルミキサーを使用して均
一に混合し、つぎにこの混合材を約 0.7mmの顆粒状に造
粒した。造粒した混合材をラム押し出し成形(成形温度
300〜385 ℃、成形速度2m/hr.)にて内径φ10mm、厚さ
約 5mmのパイプ材を形成した。このパイプ材を用いて機
械加工にて内径φ12.05mm とし、肉厚が表1に示す厚さ
となるように加工した。得られたパイプ材の特性を表1
に示す。ナット本体の樹脂組成物は以下の方法で作製し
た。まず表1に記載の配合比で材料を秤量し、へンシェ
ルミキサーを使用して均一に混合したあと、二軸押し出
し機を使用して造粒してペレット状に材料を成形した。
【0069】表1に示す厚さに成形したパイプ材を、所
定長さに切断した後、ねじ溝形状のコアピン(ねじ山φ
12.0mm)に被せ、射出成形機にセットした金型内の所定
の位置に配置した。この射出成形機にナット本体の樹脂
組成物となるペレットを投入し、各材料に適した条件
(実施例1および実施例2であれば、成形温度 280〜31
0 ℃、射出圧力 1300 kgf/cm2 、金型温度 130℃で、実
施例3および比較例1、2であれば、成形温度 370〜39
5 ℃、射出圧力 1400 kgf/cm2 、金型温度 200℃)で射
出成形することによってすべりねじ装置のナットを製造
した。
【0070】比較例1 パイプ材の厚さを 3mmとする以外は、実施例3と同一の
条件ですべりねじ装置のナットを製造した。
【0071】比較例2 表1に示す配合のパイプ材を用いて成形し、機械加工で
所定の形状に仕上げ、実施例3と同一の条件ですべりね
じ装置の樹脂製ナットを製造した。
【0072】
【表1】
【0073】得られた樹脂製ナットの断面形状を調査し
た。その結果を図3に示す。図3は樹脂製ナットの図2
(d)におけるA部拡大図であり、図3(a)は実施例
1を、図3(b)は比較例1を、図3(c)は比較例2
のA部拡大図をそれぞれ示す。実施例1で得られた樹脂
製ナットは、ねじ溝部4がねじ軸7の表面形状7aと同
一形状であった(図3(a))。このため、非常に摺動
性や耐摩耗性に優れ、かつ本体の剛性の高い樹脂製ナッ
トが得られた。なお、実施例2および実施例3は、実施
例1と同一の断面形状を示し、実施例1と同様の樹脂製
ナットが得られた。
【0074】比較例1で得られた樹脂製ナットは、ねじ
溝部4がねじ軸7の表面形状7aに対して隙間10が生
じていた(図3(b))。また、比較例2で得られた樹
脂製ナットは、ねじ溝部4が破断箇所11を有してい
た。
【0075】実施例1〜実施例3、比較例1および比較
例2で得られた樹脂製ナットを用い、ステンレス製螺旋
軸と組み合わせて、すべりねじ装置を得た。得られたす
べりねじ装置は、摺動特性、機械的強度、静音性が優れ
ていた。また、螺旋軸をステンレス製からアルミニウム
合金製に代えてすべりねじ装置を得た。実施例2の樹脂
製ナットはアルミニウム合金製の螺旋軸を攻撃すること
がなかった。
【0076】
【発明の効果】本発明の樹脂製ナットは、螺旋軸のねじ
溝に螺合するねじ溝部がフッ素系樹脂組成物等の柔軟な
自己潤滑性樹脂組成物で該ねじ溝部以外の部分が射出成
形可能な樹脂組成物で一体成形されてなるので、摺動性
や耐摩耗性、剛性等を兼ね備えた樹脂製ナットが得られ
る。また、フッ素系樹脂組成物がポリテトラフルオロエ
チレンを主成分とする樹脂組成物であるので、摺動性や
耐摩耗性がより向上する。
【0077】本発明の樹脂製ナットの製造方法は、コア
ピンにフッ素系樹脂組成物からなるパイプ材を被嵌する
工程と、コアピンが所定位置に配置されるキャビティを
形成する工程と、このキャビティ内に溶融樹脂組成物を
射出充填しパイプ材と溶融樹脂組成物とが一体成形され
る工程とを有するので、摺動性や耐摩耗性が優れた樹脂
製ナットが容易に得られるとともに、バックラッシュの
発生も抑えることのできる樹脂製ナットが得られる。ま
た、パイプ材が引張り破断伸び 20 %以上、引張り強度
5MPa 以上であり、さらには、0.1 〜 2mmの厚さとする
ので、均一な厚さのフッ素系樹脂組成物層を形成するこ
とができ、摺動性や耐摩耗性がより向上した樹脂製ナッ
トが得られる。
【0078】本発明のすべりねじ装置は、上述の樹脂製
ナットを使用するので、摺動性や耐摩耗性に優れ、バッ
クラッシュの少ないすべりねじ装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】すべりねじ装置の斜視図である。
【図2】樹脂製ナットの製造工程図である。
【図3】樹脂製ナットの図2(d)におけるA部拡大図
である。
【符号の説明】
1 螺旋軸 2 すべりねじ装置 3 樹脂製ナット 4 ねじ溝部 5 熱可塑性樹脂 6 パイプ材 7 コアピン 8 成形金型 9 キャビテイ 10 隙間 11 破断箇所

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 螺旋軸の軸上を摺動しながら移動する樹
    脂製ナットにおいて、前記螺旋軸に螺合するねじ溝部が
    柔軟な自己潤滑性樹脂組成物で、該ねじ溝部以外の部分
    が射出成形可能な樹脂組成物で一体成形されてなること
    を特徴とする樹脂製ナット。
  2. 【請求項2】 前記柔軟な自己潤滑性樹脂組成物がフッ
    素系樹脂を主成分とする樹脂組成物であることを特徴と
    する請求項1記載の樹脂製ナット。
  3. 【請求項3】 前記フッ素系樹脂を主成分とする樹脂組
    成物がポリテトラフルオロエチレンを主成分とする樹脂
    組成物であることを特徴とする請求項2記載の樹脂製ナ
    ット。
  4. 【請求項4】 金型内に突設された螺旋軸のコアピンに
    フッ素系樹脂組成物からなるパイプ材を被嵌する工程
    と、前記コアピンが所定位置に配置されるキャビティを
    形成する工程と、前記キャビティ内に溶融樹脂組成物が
    射出充填され前記パイプ材と前記溶融樹脂組成物とが一
    体成形される工程とを有することを特徴とする樹脂製ナ
    ットの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記パイプ材は、引張り破断伸びが 20
    %以上で、引張り強度が 5MPa 以上であることを特徴と
    する請求項4記載の樹脂製ナットの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記パイプ材が 0.1〜2mm の厚さを有す
    ることを特徴とする請求項4または請求項5記載の樹脂
    製ナットの製造方法。
  7. 【請求項7】 螺旋軸と、この螺旋軸の軸上を摺動しな
    がら移動する樹脂製ナットとを有するすべりねじ装置に
    おいて、前記樹脂製ナットが請求項1記載の樹脂製ナッ
    トであることを特徴とするすべりねじ装置。
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