JP2007030769A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ステアリング舵角θと車速vに基づいて目標操舵トルクTmを導出する目標操舵トルク演算処理手段40と、目標操舵トルクTmと操舵トルクTとの差に基づいてフィードバック制御量Dfbを算出するフィードバック制御量演算手段57と、ステアリング舵角θと車速vに基づいてアシストモータMの戻り上限出力DLを導出する戻り上限出力導出手段51と、ステアリングが略手放し状態にあると判断したときにフィードバック制御量演算手段57により算出されたフィードバック制御量Dfbの出力を上限出力導出手段51により導出された戻り上限出力DL以下に制限する出力制限処理手段58とを備えた電動パワーステアリング装置。
【選択図】 図3
Description
前記戻り上限出力導出手段は、請求項1記載の電動パワーステアリング装置において、ステアリング舵角に対するベース戻り上限ステアリング角速度の予め設定された関係マップに基づき前記ステアリング舵角検出手段により検出されたステアリング舵角に応じたベース戻り上限ステアリング角速度を抽出するベース戻り上限ステアリング角速度抽出手段と、前記ベース戻り上限ステアリング角速度抽出手段により抽出されたベース戻り上限ステアリング角速度を前記車速センサにより検出された車速に基づき補正し戻り上限モータ角速度に換算する戻り上限モータ角速度演算手段と、前記戻り上限モータ角速度演算手段により算出された戻り上限モータ角速度を戻り上限出力に換算する戻り上限出力演算手段とを備えたことを特徴とする。
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1の全体の概略後面図を図1に示す。
ステアリングギヤボックス4には、ステアリングホイール(図示せず)が一体に取り付けられたステアリング軸にジョイントを介して連結される入力軸5が軸受を介して回動自在に軸支されており、図2に示すように入力軸5はステアリングギヤボックス4内でトーションバー6を介して相対的なねじり可能に操舵ピニオン軸7と連結されている。
したがってステアリングホイールの回動操作により入力軸5に伝達された操舵力は、トーションバー6を介して操舵ピニオン軸7を回動して操舵ピニオン軸7のはす歯7aとラック歯3aの噛合によりラック軸3を左右軸方向に摺動させる。
アシストモータMの駆動力をこのウオーム減速機構10を介して操舵ピニオン軸7に作用させて操舵を補助する。
トーションバー6の捩れをコア21の軸方向の移動に変換し、コア21の移動をコイル22,23のインダクタンス変化に変えて操舵トルクTを検出している。
なお、トーションバー6の捩れを光学的に検出するトルクセンサでもよい。
操舵トルク制御装置30は、操舵トルクセンサ20により検出された操舵トルクT,車速センサ25により検出された車速v,ステアリング舵角検出装置29により検出されたステアリング舵角θが入力され、データ処理して、PWM制御信号(デューティ信号等)であるモータのフィードバック制御量DMをモータ駆動回路26に出力し、モータ駆動回路26がそのPWM制御信号に従ってアシストモータMを駆動する。
なお、モータ駆動回路26は、操舵トルク制御装置30側に設けてもよい。
そして、戻り上限出力導出手段51は、ベース戻り上限ステアリング角速度抽出手段52、車速補正係数抽出手段53、戻り上限モータ角速度演算手段54および戻り上限出力デューティ演算手段55を備えている。
そして、同ステアリング角速度ωとステアリング舵角θおよび前記車速センサ25が検出した車速vに基づいて目標操舵トルク演算処理手段40が目標操舵トルクTmを演算する。
図4は、目標操舵トルク演算処理手段40の概略ブロック図であり、同図4に示すように、目標操舵トルク演算処理手段40は、セルフアライニングトルク演算手段41とフリクショントルク演算手段45の2つの演算手段からなる。
セルフアライニングベーストルク抽出手段42は、基準車速におけるステアリング舵角に対するセルフアライニングベーストルクの関係を記憶するセルフアライニングベーストルク(SABT)記憶手段42aからステアリング舵角θに基づいてセルフアライニングベーストルクTsbを抽出する。
図5において、横軸のステアリング舵角θは、正の値が右舵角(θ>0)、負の値が左舵角(θ<0)を示す。
したがって、例えば右舵角θ(>0)が大きくなれば、実際とは反対方向の右方向のセルフアライニングベーストルクTsb(>0)が大きくなる。
図6において、車速vの増加に従いセルフアライニングトルク乗算係数ksの値は上昇している。
基準車速Voのとき、セルフアライニングトルク乗算係数ks=1.0である。
なお、このセルフアライニングトルクTsは、実際のセルフアライニングトルクの反力としてのセルフアライニングトルクである。
フリクションベーストルク抽出手段46は、停車時における角速度に対するフリクションベーストルクの関係を記憶するフリクションベーストルク(FBT)記憶手段46aから角速度ωに基づいてフリクションベーストルクTfbを抽出する。
図7において、横軸の角速度ωは、正の値が右方向の角速度(ω>0)、負の値が左方向の角速度(ω<0)を示す。
したがって、例えば右方向の角速度ω(>0)が大きくなれば、実際とは反対方向の右方向のフリクションベーストルクTfb(>0)が大きくなり、前記セルフアライニングベーストルクTsbに比べ低いトルクで略一定になる。
図8において、車速v=0(停車時)のとき、フリクショントルク乗算係数kfの値は、1.0を示し、車速vが停車時から高くなるに従いフリクショントルク乗算係数kfの値は減少し、約20km/hを過ぎる辺りから略一定の値(約0.5)となっている。
なお、このフリクショントルクTfは、実際のフリクショントルクの反力としてのフリクショントルクである。
まず、ステアリング舵角検出手段29が検出したステアリング舵角θを読込み(ステップ1)、角速度演算手段50により角速度ωを算出し(ステップ2)、車速センサ25により検出した車速vを読込む(ステップ3)。
以上の各ステップの処理が繰り返し実行される。
ベース戻り上限ステアリング角速度抽出手段52は、所定の基準車速におけるステアリング舵角θに対するベース戻り上限ステアリング角速度ωBLの関係マップを備えており、同関係マップを図11に座標で示す。
すなわち、基準車速においてステアリング舵角θに対して上限となるステアリング角速度ωBLを所望の関係にあるように予め設定したものである。
したがって、ベース戻り上限ステアリング角速度抽出手段52は、同関係マップに基づきステアリング舵角θからベース戻り上限ステアリング角速度ωBLを抽出する。
車速補正係数抽出手段53は、車速vに対する車速補正係数Kvの関係マップを備えている。
図12は、同関係マップを座標で示したもので、横軸が車速vで、縦軸が車速補正係数Kvであり、両者の対応が関係曲線で示されている。
さらに、次のステップ24で、戻り上限ステアリング角速度ωSLにウオーム減速機構10の減速比N(>1)を乗算して戻り上限モータ角速度ωML(=ωSL×N)に換算する。
すなわち、戻り上限モータ角速度ωMLに誘起電圧定数kEを乗算することで、戻り上限モータ電圧とし、この戻り上限モータ電圧をモータMの電源電圧VBで除算して戻り上限出力デューティDL(=ωML×kE/VB)を算出する。
以上のようにして、ステアリング舵角θと車速vから上限出力デューティDLを導出する。
ウオーム減速機構10の減速比Nが15(15:1)で、モータMの誘起電圧定数kEが0.3(V/rps)、電源電圧VBが14(V)とする。
車速vが60(km/h)のときの上限出力デューティDLを求める。
車速vに対する車速補正係数Kvの関係マップ(図12)から車速vが60(km/h)のとき、車速補正係数Kvは2である。
戻り上限ステアリング角速度ωSL=ωBL×Kv=360×2=720(deg/s)=2(rps)
戻り上限モータ角速度ωML=ωSL×N=2×15=30(rps)
戻り上限出力デューティDL=ωML×kE/VB=30×0.3/14=9/14=64.3(%)
となり、戻り上限出力デューティDLは、64.3(%)である。
戻り上限ステアリング角速度ωSL=ωBL×Kv=70×2=140(deg/s)=0.39(rps)
戻り上限モータ角速度ωML=ωSL×N=0.39×15=5.83(rps)
戻り上限出力デューティDL=ωML×kE/VB=5.83×0.3/14=12.5(%)
となり、戻り上限出力デューティDLは、12.5(%)である。
まず、ステップ31で、ステアリングが略手放し状態にあるか否かを判別する。
ステアリングの略手放し状態は、ステアリング舵角θが0(直進)でなく操舵トルクセンサ20の検出する操舵トルクTが0または0近傍にあるかで判断することができる。
走行中にステアリングが略手放し状態にあるときは、直進でなければ通常ステアリングは戻りの状態にある。
略手放し状態でないと判別されステップ33に進んだときは、モータ駆動回路26に出力する出力デューティDMとしてフィードバック制御量演算手段57により算出されたフィードバックデューティDfbを制限することなく、そのまま使用する(DM=Dfb)。
逆に、フィードバックデューティDfbが上限出力デューティDLを超えていれば(Dfb>DL)、ステップ34に進み、出力デューティDMとして上限出力デューティDLを使用する(DM=DL)。
したがって、ステアリングの略手放し状態で電動モータの制御量を制限して必要以上のステアリング戻り速度となるのを回避することができる。
30…操舵トルク制御装置、
40…目標操舵トルク演算処理手段、41…セルフアライニングトルク演算手段、42…セルフアライニングベーストルク抽出手段、42a…セルフアライニングベーストルク記憶手段、43…セルフアライニングトルク乗算係数抽出手段、43a…セルフアライニングトルク乗算係数記憶手段、44…乗算手段、45…フリクショントルク演算手段、46…フリクションベーストルク抽出手段、46a…フリクションベーストルク記憶手段、47…フリクショントルク乗算係数抽出手段、47a…フリクショントルク乗算係数記憶手段、48…乗算手段、49…加算手段、
50…ステアリング角速度演算手段、51…戻り上限出力導出手段、52…ベース戻り上限ステアリング角速度抽出手段、53…車速補正係数抽出手段、54…戻り上限モータ角速度演算手段、55…戻り上限出力デューティ演算手段、56…減算手段、57…フィードバック制御量演算手段、58…出力制限処理手段。
Claims (4)
- アシストモータの駆動力がステアリング操舵力を補助する電動パワーステアリング装置において、
操舵トルクを検出するトルクセンサと、
車速を検出する車速センサと、
ステアリング舵角を検出するステアリング舵角検出手段と、
前記ステアリング舵角検出手段により検出されたステアリング舵角と前記車速センサにより検出された車速に基づいて目標操舵トルクを導出する目標操舵トルク演算処理手段と、
前記目標操舵トルク演算手段により算出された目標操舵トルクと前記トルクセンサにより検出された操舵トルクとの差に基づいてフィードバック制御量を算出するフィードバック制御量演算手段と、
前記ステアリング舵角検出手段により検出されたステアリング舵角と前記車速センサにより検出された車速に基づいてアシストモータの戻り上限出力を導出する戻り上限出力導出手段と、
ステアリングが略手放し状態であると判断したときに前記フィードバック制御量演算手段により算出されたフィードバック制御量の出力を前記上限出力導出手段により導出された戻り上限出力以下に制限する出力制限処理手段とを備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記戻り上限出力導出手段は、
ステアリング舵角に対するベース戻り上限ステアリング角速度の予め設定された関係マップに基づき前記ステアリング舵角検出手段により検出されたステアリング舵角に応じたベース戻り上限ステアリング角速度を抽出するベース戻り上限ステアリング角速度抽出手段と、
前記ベース戻り上限ステアリング角速度抽出手段により抽出されたベース戻り上限ステアリング角速度を前記車速センサにより検出された車速に基づき補正し戻り上限モータ角速度に換算する戻り上限モータ角速度演算手段と、
前記戻り上限モータ角速度演算手段により算出された戻り上限モータ角速度を戻り上限出力に換算する戻り上限出力演算手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記戻り上限モータ角速度演算手段は、
車速に対する車速補正係数の予め設定された関係マップに基づき前記車速センサにより検出された車速に応じた車速補正係数を抽出する車速補正係数抽出手段を備え、
前記ベース戻り上限ステアリング角速度抽出手段により抽出されたベース戻り上限ステアリング角速度に前記車速補正係数抽出手段により抽出された車速補正係数を乗算して戻り上限ステアリング角速度を算出し、
同戻り上限ステアリング角速度に減速比を乗算して戻り上限モータ角速度に換算することを特徴とする請求項2記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記目標操舵トルク演算処理手段は、前記ステアリング舵角検出手段により検出されたステアリング舵角と前記車速センサにより検出された車速に基づいてセルフアライニングトルクを算出するセルフアライニングトルク演算手段と、前記ステアリング角速度演算手段により検出された角速度と前記車速センサにより検出された車速に基づいてステアリングのフリクショントルクを算出するフリクショントルク演算手段とを備え、前記セルフアライニングトルク演算手段により算出されたセルフアライニングトルクに前記フリクショントルク演算手段により算出されたフリクショントルクを加算して目標操舵トルクを算出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかの項記載の電動パワーステアリング装置。
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