JP2013213721A - 対象物移動制御装置及びフーリエ変換型赤外分光光度計 - Google Patents

対象物移動制御装置及びフーリエ変換型赤外分光光度計 Download PDF

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Abstract

【課題】制御パラメータの決定を自動的に行うことができるようにする。
【解決手段】リニアガイドに沿って一直線上を往復方向に移動する対象物をPID制御でフィードバック制御する。PID制御で使用される制御パラメータを決定するパラメータ調整部は、制御パラメータとしての比例係数CP、微分係数CD、積分係数CI及び摩擦係数CFのうちの少なくとも1つと逆方向最大電圧VAについて、フィードバック制御を行って現在速度の測定値と目標速度との誤差に基づく評価関数により制御パラメータの最適値を決定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、リニアガイドに沿って一直線上を移動する対象物の移動制御装置と、その移動制御装置を備えた装置の一例としてのフーリエ変換型赤外分光光度計(以下、FTIRという)に関するものである。
FTIRは物質の定性分析や定量分析に用いられ、有機物質及び無機物質を問わず幅広い物質に対して利用することができる。FTTRでは移動鏡を往復移動させて干渉信号を取得することにより分析を行うが、検出器が周波数特性を持つため、データ収集をする際に移動鏡が一定速度で移動することが重要である。一定速度にするために、現在速度を取得して目標速度との誤差を修正するフィードバック制御を行う。現在速度の取得のためにはレーザ干渉計が利用される。移動鏡の位置が変わるとレーザ干渉信号の強度が変わり、移動鏡が−定速度で動くとレーザ干渉信号は一定周波数の正弦波として検出される。この干渉信号をグラウンドレベルからプラス方向とマイナス方向の振幅を持つ信号(フリンジ信号と呼ぶ)として扱うと、立ち上がりゼロクロス(グラウンドレベルから立ち上がる時点)から次の立ち上がりゼロクロスまでの区間の時間を計測することで、レーザ1波長分に相当する光路差の距離だけ移動鏡が移動したときの時間が計測できる。つまり、移動鏡の速度が計測できる。
本発明者は、移動鏡がその初期的なつりあい位置が重力方向になるように吊り下げられた方式のものであるコントロール干渉計を備えた移動鏡制御装置を備え、移動鏡の現在位置と現在速度の測定値を用い、移動鏡のつりあい位置からの距離、移動鏡の現在速度、及び移動鏡の現在速度と目標速度との差のそれぞれにゲインをかけて得られる値に基づいて、移動鏡の移動速度が目標速度になるように移動鏡を駆動するために与える電流をフィードバック制御するFTIRを提案している(特許文献1参照。)そこでは、複数のゲインのうちの少なくとも一部のゲインを可変パラメータとして、調整時に移動鏡の移動速度が目標速度になるようにするために、可変パラメータが最適値となるように調整している。
本発明は、対象物として、そのような移動鏡ではなく、リニアガイドに沿って一直線上を移動する対象物をとり上げる。その対象物は移動鏡自体であることもあるが、他の物体であることもある。他の物体の場合には移動鏡が一体として装着されている。リニアガイドに沿って一直線上を移動する移動鏡では、移動鏡の移動を駆動するコイルに電圧を印加して、コイルに流れる電流と磁石が作る磁界による電磁力で移動鏡がリニアガイド上を移動するため、移動鏡の速度は移動鏡の移動を駆動するコイルに与える電圧を逐次変化させることによって制御する。
特開2009−139352号公報
リニアガイドの品質が悪い場合や、経年劣化を起こすなど種々の原因によって比例係数等の制御パラメータの最適値は装置状態によって異なる。制御パラメータが適切な値でない場合には装置の性能が十分に出なかったり、計測時にエラーとなってしまったりするような事態も考えられる。したがって、装置の性能を引き出すためには制御パラメータを適切な値に保つ必要があるが、制御パラメータの決定には工数を要する。
本発明は制御パラメータの決定を自動的に行うことができるようにすることを目的とするものである。
本発明では、リニアガイドに沿って一直線上を移動する対象物の移動を制御するために、PID制御によるフィードバック制御を行う。PID制御は入力値の制御を出力値と目標値との偏差、その積分及び微分の3つの要素によって行うフィードバック制御方法である。PID制御では、駆動用のコイルに与える電圧は次のようなPID制御式を用いて決定する。
n=CPerr+CDΔV+CIΣVerr+CF (1)
ここで、
n:求める電圧(今回印加する電圧)、
err:速度誤差、
ΔV:前回と今回の速度の差、
ΣVerr:速度誤差の和、
P:比例係数、
D:微分係数、
I:積分係数、
F:摩擦係数
である。
比例係数CP、微分係数CD、積分係数CI及び摩擦係数CFを制御パラメータと呼び、CPerrを比例項、CDΔVを微分項、CIΣVerrを積分項、CFを摩擦項と呼ぶ。制御パラメータは、従来は実験的又は経験的に決定されているが、本発明では自動的に決定する。
リニアガイドでは、可動範囲のある部分は滑りがよく、その隣の部分は滑りが悪いというようなことが生じる。このことは先に本発明者が特許文献1において提案した吊り下げ式の移動機構とは異なる点である。リニアガイドでは、滑りの悪い部分の制御のために高い電圧をかけるが、その状態のままで滑りの良い部分に入った場合、移動鏡の速度は一気に速くなってしまう。その際、速度を抑える方向(逆方向)に電圧を加えることになるが、抑える方向の電庄が大きすぎると移動鏡が停止してしまい、移動鏡を再度移動させて速度誤差が小さくなるまでに時間を要することになる。そのため、逆方向の印加電圧はある程度以上はかけないようにしなければならない。一方、逆方向の印加電圧が小さすぎても、速度が速くなってしまった後に速度誤差が大きい部分が続いてしまうためある程度以上の電圧が必要となる。この逆方向印加電圧の最大電圧VAも重要な量であり、そのため、本発明では逆方向最大電圧VAも制御パラメータとして扱う。
本発明では、干渉計制御のために使用しているCPUを利用し、そのCPUで実行するプログラムに制御パラメータを変更する機能や速度誤差を取得する機能を設ける。その機能を利用して速度誤差が小さく、測定が停止しないような適切な制御パラメータになるように自動的に決定する。
本発明の対象物移動制御装置は、ビームスプリッタと固定鏡又は移動鏡との間に位相板を配置し、ビームスプリッタで合波された干渉信号から2つの偏光成分を分離して検出し、互いに位相がずれている両検出信号の位相関係と波数とから移動鏡の移動方向と位置とを検出する方式の干渉計を備えている。移動鏡はコイルに印加される電圧により流れる電流により発生する電磁力により駆動され、リニアガイドに沿って一直線上を往復方向に移動するように支持されている。
移動鏡を駆動するためにコイルに印加する電圧を制御するために制御部を備えている。その制御部は、干渉計駆動部、制御パラメータ保持部及びパラメータ調整部を備えている。
干渉計駆動部は、移動鏡の現在位置と現在速度の測定値を用い前記移動鏡の移動速度が設定された目標速度になるように移動鏡を駆動するために与える電圧を、PID制御式の比例係数CP、微分係数CD、積分係数CI、摩擦係数CF、及びフィードバック制御の際に移動鏡の速度を抑える方向に印加する逆方向電圧の最大値である逆方向最大電圧VAを制御パラメータとして、リニアガイドの設定された動作範囲にわたってPID方式でフィードバック制御する。
制御パラメータ保持部は干渉計駆動部で使用される制御パラメータを保持する。
パラメータ調整部は、比例係数CP、微分係数CD、積分係数CI及び摩擦係数CFのうちの少なくとも1つと逆方向最大電圧VAについて、フィードバック制御を行って現在速度の測定値と目標速度との誤差に基づく評価関数により制御パラメータの最適値を決定する。決定された制御パラメータは制御パラメータ保持部に保持され、すでにその制御パラメータが保持されている場合は決定された新たな制御パラメータにより更新する。
ここでは、制御部は「コイルに印加する電圧を制御する」という表現を用いているが、コイルに電圧を印加するのはコイルに電流を流すためであるので、これは「コイルに流す電流を制御する」ことと同じことである。したがって、本発明はコイルに流す電流を対象にしてPID制御するものも含んでいる。
好ましい一実施形態では、干渉計駆動部は目標速度を変更できるようになっている。その場合、パラメータ調整部は目標速度が変更されたときは制御パラメータの新たな最適値を求め、制御パラメータ保持部に保持されている制御パラメータを更新する。
他の好ましい実施形態では、干渉計駆動部は動作範囲を変更できるようになっている。その場合、パラメータ調整部は動作範囲が変更されたときは制御パラメータの新たな最適値を求め、制御パラメータ保持部に保持されている制御パラメータを更新する。
このような対象物移動制御装置を利用した装置の一例はFTIRである。そのFTIRでは、試料の測定を行なう主干渉計のビームスプリッタと固定鏡又は移動鏡との間に位相板を配置し、ビームスプリッタで合波された干渉信号から2つの偏光成分を分離して検出し、互いに位相がずれている両検出信号の位相関係と波数とから移動鏡の移動方向と位置とを検出する方式のコントロール干渉計を備えた移動鏡制御装置を備えており、その移動鏡制御装置として本発明の対象物移動制御装置を使用する。
本発明の対象物移動制御装置では、制御パラメータを自動的に決定することができるので、対象物移動制御装置やその構成部品の個体差や経年変化による性能への影響を軽減することができる。そして、制御パラメータを調整する知識をもった技術者が調整する必要がないため、生産時のみでなく装置据え付け時や移動時などの任意のタイミングで調整を実施できるため、装置の性能を引き出すことが容易になり、調整工数の短縮が期待できる。
この対象物移動制御装置を移動鏡制御装置として使用したFTIRについても、同じ効果を達成することができるようになる。
本発明が適用されるFTIRの一例の構成を示すブロック図である。 同FTIRにおける移動鏡制御機構を示すブロック図である。 同FTIRにおける制御部の構成を示すブロック図である。 同制御部の機能を示すブロック図である。 一実施例の動作を示すフローチャートである。
図1に本発明が適用されるFTIRの一例を示す。ビームスプリッタ及びコンペンセータ(単にビームスプリッタという)2は、固定鏡4及び移動鏡6により干渉計が構成されており、ビームスプリッタ2は固定鏡4の法線方向及び移動鏡6の法線方向に対して30度の傾きをもって配置されている。固定鏡4は固定鏡支持ブロック8に搭載され、移動鏡6は摺動機構14に支持され、摺動機構14はリニアモータ16によって移動鏡6をビームスプリッタ2に近づく方向と遠ざかる方向の往復方向に移動させる。リニアモータ16にはパワーアンプ18から電流が流され、リニアモータ16に流す電流は摺動コントローラ20からパワーアンプ18を介して制御される。
ビームスプリッタ2、固定鏡4及び移動鏡6とともに主干渉計を構成して赤外分光測定系とするために、赤外光源22が設けられ、光源22からの赤外線は集光鏡24、アパーチャ26、コリメータミラー28を経てビームスプリッタ2に入射され、この干渉計で変調される。変調光はミラー30、集光鏡32から試料室34を通過した後、楕円面鏡36を経て赤外検出器38で受光されて電気信号に変換される。検出器38の検出信号を増幅するためにプリアンプ40が設けられ、プリアンプ40で増幅された検出信号はフィルタ42及びオートゲインアンプ44を経てサンプルホールドアンプ46でサンプリングされ、AD変換器48でデジタル信号に変換されてCPUバスライン84へ送出される。
ビームスプリッタ2、固定鏡4及び移動鏡6とともにコントロール干渉計を構成するために、光源としてHe−Neレーザ50が設けられている。レーザ50からのレーザビームはハーフミラー54によりビームスプリッタ2に入射させられる。ビームスプリッタ2で反射され、固定鏡4で反射されて再びビームスプリッタ2に戻るレーザビームを直線偏光から円偏光に変えるために、ビームスプリッタ2と固定鏡4の間に(λ/8)板56が設けられている。(λ/8板)56は、その偏光軸が入射レーザビームの偏波面から45度傾くように設置されている。
この干渉計で変調され、ハーフミラー58で反射された干渉光をP波とS波の各偏光成分に分割するために偏光ビームスプリッタ60が設けられている。偏光ビームスプリッタ60を透過した一方の偏光成分を受光する検出器としてフォトダイオード62が設けられ、偏光ビームスプリッタ60で反射された他方の偏光成分を受光する検出器としてフォトダイオード64が設けられている。フォトダイオード62,64で検出される信号はフリンジ信号である。フォトダイオード62はプリアンプ66に接続され、フォトダイオード64はプリアンプ68に接続されている。プリアンプ66,68で増幅されたそれぞれの偏光成分の検出信号は波形整形器78,80によってパルス列の信号a,bに変えられる。波形成形された2個のパルス信号a,bはアップ/ダウン・カウンタ82に入力される。アップ/ダウン・カウンタ82は両入力信号の位相関係からアップ/ダウンのモードを定めるとともに、入力信号のパルス数を計数し、CPUバスライン84へ送出する。
フォトダイオード62の検出信号が波形整形されて生成されたパルス信号aはまた、摺動コントローラ20とサンプルホールドアンプ46、AD変換器48へも送られる。CPUバスライン84には制御部86、プログラム格納メモリ88、データ格納メモリ90、外部記憶装置92、LCD(液晶ディスプレー)94、プロッタ96及びオートゲインアンプ44、AD変換器48、アップ/ダウン・カウンタ82が接続されている。
図2は同実施例における移動鏡制御機構を示している。移動鏡6はボイスコイル17に取り付けられ、ボイスコイル17は磁石19と組み合わされている。ボイスコイル17はリニアガイド15に沿って一直線上を往復方向に移動するように支持されていることにより、移動鏡6はボイスコイル17の移動に伴ってリニアガイド15に沿って移動する。移動鏡6はボイスコイル17に印加される電圧により流れる電流により発生する電磁力により駆動されて移動する。
移動鏡6の移動を制御するための制御系は図1に詳細に示されているので、図2では概略的にブロック図で示されている。コントロール干渉計を構成するビームスプリッタ2、固定鏡4、移動鏡6及びレーザ光源50と、フリンジ信号生成部60,62,64,82と、制御部であるCPU86と、摺動コントローラ20を代表するDAコンバータ20が概略的に示されている。
制御部86には、図3に示すように、干渉計制御CPU100、データ処理CPU102及び移動鏡6の駆動用電圧値の計算に用いる制御バラメータを記憶するEEPROM(電気的に消去可能なPROM)88aが含まれる。制御部86には外部のPC(パーソナルコンピュータ)104が接続されている。
制御部86を機能として示すと図4のようになる。干渉計駆動部は干渉計駆動CPU100に該当し、移動鏡6の現在位置と現在速度の測定値を用い移動鏡6の移動速度が設定された目標速度になるように移動鏡6を駆動するために与える電圧を、PID制御式の比例係数CP、微分係数CD、積分係数CI、摩擦係数CF、及び逆方向最大電圧VAを制御パラメータとして、リニアガイド15の設定された動作範囲にわたってPID方式でフィードバック制御する。制御パラメータ保持部はEEPROM88aにより実現され、干渉計駆動部で使用される制御パラメータを保持する。パラメータ調整部106はデータ処理CPU102により実現され、比例係数CP、微分係数CD、積分係数CI及び摩擦係数CFのうちの少なくとも1つと逆方向最大電圧VAについて、フィードバック制御を行って現在速度の測定値と目標速度との誤差に基づく評価関数により最適値を求めることにより制御パラメータを決定する。その決定された制御パラメータは制御パラメータ保持部に保持されるか、すでに制御パラメータ保持部に制御パラメータが保持されている場合はその保持されている制御パラメータが新たな決定された制御パラメータで更新される。
このFTIRの動作を説明する。
(a)コントロール干渉計の動作:
偏光ビームスプリッタ60で分割された互いに位相の異なるレーザ干渉光はそれぞれフォトダイオード62,64で受光され、それぞれのフォトダイオード62,64の検出信号は波形整形され、パルス信号となってアップ/ダウン・カウンタ82の2個の入力信号a,bとして取り込まれる。アップ/ダウン・カウンタ82ではアップ/ダウンのモードを両入力信号の位相関係から求める。すなわち、移動鏡6がビームスプリッタ2に近づく方向であれば、一方の信号aは他方の信号bに対して位相が90度進み、逆に移動鏡6がビームスプリッタ2から離れる方向であれば信号aはbに対して位相が90度遅れるからである。また、アップ/ダウン・カウンタ82で計数される入力信号のパルス数は、移動鏡6の位置に依存した信号となる。アップ/ダウン・カウンタ82の出力信号はバスライン84を介して制御部86の干渉計制御CPU100に取り込まれ、移動鏡の摺動の異常を検出し、また赤外分光測定のインターフェログラムの積分を行う際の信号として用いられる。
摺動コントローラ20は、フォトダイオード62の検出信号の周波数が一定になるように、パワーアンプ18を介してリニアモータ16に印加する電圧を制御する。フォトダイオード62の検出出力が整形されたもの(a信号)はまた、サンプルホールドアンプ46のサンプリング信号としても、A/D変換器48の変換スタート信号としても用いられる。
(b)赤外データ収集の動作:
赤外光源22から射出されて干渉計で変調され、試料室34を経て赤外検出器38で電気信号に変換された信号は、プリアンプ40からフィルタ42、オートゲインアンプ44を経てサンプルホールドアンプ46でサンプリングされ、A/D変換器48でデジタル信号に変換されてバスライン84に取り込まれる。移動鏡6の移動に伴なってインターフェログラムが生成する。コントロール干渉計の干渉信号である信号aを用いてA/D変換器48のA/D変換が起動される。クアドラチュア・コントロールにより移動鏡6の現在位置がリアルタイムで検出されており、この現在位置信号はアップ/ダウン・カウンタ82により生成され、一連のインターフェログラムのデータ収集開始点、終了点を知るために逐次、制御部86の干渉計制御CPU100により認識され、移動鏡6の往復方向でデータ収集が行われる。
図5に一実施例の動作をフローチャートにより示す。
(1)制御パラメータの初期値を設定する(ステップS1)。制御パラメータは比例係数CP、微分係数CD、積分係数CI、摩擦係数CF及び逆方向最大電圧VAの5つである。これらの5つの制御パラメータ全てについてそれぞれの初期値を設定する。制御パラメータの初期値はいくつかの装置を用いて実験的に決めた値を用いればよい。その初期値から開始することで調整時間の短縮も期待できる。
(2)制御パラメータを変化させる探索範囲を設定する(ステップS2)。探索範囲の設定法はいくつか考えられる。設定法の例を2つあげる。
a)初期値から一定の範囲内だけ探索する方法。この方法をとると、最適なところが見つけられないかもしれないが、調整時間が短縮できる。この場合、5つの制御パラメータ全てについて一定の範囲内だけ探索する方法と、探索する制御パラメータの数を制限して選択した制御パラメータについてのみ一定の範囲内だけ探索する方法がある。後者の場合、比例係数CP、微分係数CD、積分係数CI及び摩擦係数CFのうちの1〜3種類と逆方向最大電圧VAに絞って探索する。より簡便にするには比例係数CP、微分係数CD、積分係数CI及び摩擦係数CFのうちの1種類と逆方向最大電圧VAに絞って探索すればよい。
b)広い範囲を探索する方法。この方法は調整時間がかかる代わりに最適なところを見つけ出せる可能性が高くなる。この方法でも探索する制御パラメータの種類に関しては、上のa)で述べたことが当てはまる。
(3)移動鏡の動作を開始する(ステップS3)。
(4)速度誤差を測定する(ステップS4)。速度誤差は各フリンジにおいて測定できるため、フリンジごとの速度誤差Verrを記憶しておく。ここで、探索する制御パラメータについて探索の為に設定した値によっては移動鏡が正しく制御できずに停止してしまうことがある。停止した場合は規定時間内に速度誤差の取得が完了しなかったとして、設定した制御パラメータの値は評価の対象から外す。
(5)所定の範囲にわたる移動鏡の移動を終了すると(ステップS5)、評価関数を計算する(ステップS6)。評価関数f(CP,CD,CI,CF,VA)の一例を次に示す。
f(CP,CD,CI,CF,VA)=α|Verrave+β|Verrmax
ここで、α、βは重み係数、|Verraveは速度誤差Verrの絶対値の平均値、|Verrmaxは速度誤差Verrの絶対値の最大値を意味する。
さらに、速度誤差が急変するような状況は避けるべきであるため、速度誤差が規定の値を超える箇所がある場合には評価関数の値を大きくするなどして評価関数値を与える。
上記の評価関数は一例であり、他の評価関数を使用することもできる。例えば、速度誤差の絶対値の平均値に替えて速度誤差Verrの絶対値の自乗の平均値を使用したり、速度誤差の絶対値の最大値に替えて速度誤差Verrの絶対値の最大値と最小値の差を使用したりすることもできる。
(6)探索すべき制御パラメータについて探索範囲の探索が終了すれば(ステップS7)、それまでに計算した評価関数値から最適な制御パラメータを抽出して新たな制御パラメータとする(ステップS8)。上記のような評価関数を選択した場合、その値を最小にするような制御パラメータを最適値として選択すればよい。
(7)探索が終了していない場合には(ステップS9)、探索する新たな制御パラメータを設定して、ステップ3からステップ6までを繰り返す。新たなパラメータの設定法としては次のような方法が考えられる。
(a)任意の幅で制御パラメータを増減させる。
(b)それまでの評価関数計算結果をもとにして制御パラメータの増減方向と増減値を決める。この場合には探索終了条件として、探索回数や収束条件を与えればよい。収束条件としては、例えば制御パラメータを増減させたときの評価関数の値が所定の範囲内に収まったことなどを挙げることができる。
以上が本発明の流れであり、求められた制御パラメータはこのFTIR内のEEPROMからなる制御パラメータ保持部88aに保存しておく。制御パラメータ保持部はこのFTIRに接続された外部コンピュータ、例えばパーソナルコンビュータ(PC)に設けてもよい。
移動鏡の動作速度によって制御パラメータは変わるため、FTIRが移動鏡の動作速度を変更できるようになっている場合には、動作速度が変更されたときはその動作速度に対して探索を実行して最適な制御パラメータを求めて制御パラメータ保持部88aに保存されている制御パラメータを更新する。
移動鏡の動作範囲によっても制御パラメータの最適値が変わる場合がある。例えば、リニアガイドの端の方では加工精度が悪いような場合、中央付近のみ使用する場合と端まで使用する場合で適切な制御パラメータが異なることが考えられる。したがって、FTIRが移動鏡の動作範囲を変更できるようになっている場合には、動作範囲が変更されたときはその動作範囲に対して探索を実行して最適な制御パラメータを求めて制御パラメータ保持部88aに保存されている制御パラメータを更新する。
実施例では対象物としてFTIRの移動鏡自体である場合をとり上げて説明したが、対象物が移動鏡自体でなくても、他の物体である場合にも本発明を適用することができる。その場合はその物体に移動鏡が一体として取り付けられる。そのため、本発明は、対象物をリニアガイドに沿って一直線上で一定速度で移動させるように制御することを要求される幅広い分野に対して適用可能である。
2 ビームスプリッタ
4 固定鏡
6 移動鏡
15 リニアガイド
16 リニアモータ
86 制御部
88a 制御パラメータ保持部
100 干渉計制御部
106 パラメータ調整部

Claims (4)

  1. ビームスプリッタと固定鏡又は移動鏡との間に位相板を配置し、前記ビームスプリッタで合波された干渉信号から2つの偏光成分を分離して検出し、互いに位相がずれている両検出信号の位相関係と波数とから移動鏡の移動方向と位置とを検出する方式の干渉計を備えた対象物移動制御装置において、
    前記移動鏡はコイルに印加される電圧により流れる電流により発生する電磁力により駆動され、リニアガイドに沿って一直線上を往復方向に移動するように支持されており、
    前記移動鏡を駆動するために前記コイルに印加する電圧を制御する制御部は、移動鏡の現在位置と現在速度の測定値を用い前記移動鏡の移動速度が設定された目標速度になるように移動鏡を駆動するために与える電圧を、PID制御式の比例係数CP、微分係数CD、積分係数CI、摩擦係数CF、及びフィードバック制御の際に前記移動鏡の速度を抑える方向に印加する逆方向電圧の最大値である逆方向最大電圧を制御パラメータとして、前記リニアガイドの設定された動作範囲にわたってPID方式でフィードバック制御する干渉計駆動部と、
    前記干渉計駆動部で使用される制御パラメータを保持する制御パラメータ保持部と、
    比例係数CP、微分係数CD、積分係数CI及び摩擦係数CFのうちの少なくとも1つと逆方向最大電圧について、フィードバック制御を行って現在速度の測定値と目標速度との誤差に基づく評価関数により制御パラメータの最適値を決定するパラメータ調整部と、
    を備えていることを特徴とする対象物移動制御装置。
  2. 前記干渉計駆動部は前記目標速度を変更できるようになっており、前記パラメータ調整部は目標速度が変更されたときは制御パラメータの新たな最適値を求め、前記制御パラメータ保持部に保持されている制御パラメータを更新するものである請求1に記載の対象物移動制御装置。
  3. 前記干渉計駆動部は前記動作範囲を変更できるようになっており、前記パラメータ調整部は動作範囲が変更されたときは制御パラメータの新たな最適値を求め、前記制御パラメータ保持部に保持されている制御パラメータを更新するものである請求1又は2に記載の対象物移動制御装置。
  4. 試料の測定を行なう主干渉計のビームスプリッタと固定鏡又は移動鏡との間に位相板を配置し、前記ビームスプリッタで合波された干渉信号から2つの偏光成分を分離して検出し、互いに位相がずれている両検出信号の位相関係と波数とから移動鏡の移動方向と位置とを検出する方式のコントロール干渉計を備えた移動鏡制御装置を備えたフーリエ変換型赤外分光光度計において、
    前記移動鏡制御装置は請求項1から3のいずれか一項に記載の対象物移動制御装置であることを特徴とするフーリエ変換型赤外分光光度計。
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