JP2007029180A - 加熱調理装置 - Google Patents

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Akio Uenoyama
明男 上野山
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幸智男 松井
Kenji Tanaka
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【課題】 加熱調理中に容易に食材に手を加えることができる加熱調理装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係る加熱調理装置は、食材が配置される矩形状の基台3と、基台3の一辺に立設される矩形状の支持部材5と、基台3の上方を覆い、支持部材5に上下動可能に支持される矩形状の昇降部材7と、昇降部材7に取り付けられ、赤外線を基台側に放射するカーボンヒーターランプ15と、昇降部材7を上下方向の任意の位置に保持する位置制御機構とを備え、基台3と昇降部材7との間の調理空間は、支持部材5と対向する他辺側及びその両側において外部に開放されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、赤外線による放射熱で加熱調理を行う加熱調理装置に関する。
従来より、種々の加熱調理器が提案されている。例えば、特許文献1に記載の加熱調理器では、筐体の内部に食品を保持する網棚を配置し、網棚の上方に平面型遠赤外線ヒータを配設する一方、網棚の下方にはパイプ型遠赤外線ヒータを配設している。そして、上下に配設されたヒータからの遠赤外線により食材を加熱して調理を行っている。
実開平5−70428号公報
ところで、このような加熱調理装置では、前面の扉を閉じて内部を密閉した状態で調理を行うため、調理中に食材を移動させたり、ひっくり返したりすることができなかった。そのため、食材に手を加える場合には、その都度扉を開ける必要があり、面倒であった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、加熱調理中に容易に食材に手を加えることができる加熱調理装置を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の加熱調理装置は、上記問題を解決するためになされたものであり、食材が配置される基台と、前記基台に立設される支持部材と、前記基台の上方を覆い、前記支持部材に上下動可能に支持される昇降部材と、前記昇降部材に取り付けられ、赤外線を前記基台側に放射する放射部と、前記昇降部材を上下方向の任意の位置に保持する位置制御機構とを備え、前記基台と昇降部材との間の調理空間は、外部に開放されている。
また、本発明に係る第2の加熱調理装置は、食材が配置される矩形状の基台と、前記基台の一辺に立設される矩形状の支持部材と、前記基台の上方を覆い、前記支持部材に上下動可能に支持される矩形状の昇降部材と、前記昇降部材に取り付けられ、赤外線を前記基台側に放射する放射部と、前記昇降部材を上下方向の任意の位置に保持する位置制御機構とを備え、前記基台と昇降部材との間の調理空間は、前記支持部材と対向する他辺側及びその両側において外部に開放されている。
上記各装置における放射部は、カーボンヒーターランプで構成されることが好ましい。ここでいうカーボンヒーターランプは種々のものを用いることができるが、例えば鉱物性のフィラメントや植物性炭素繊維のフィラメントを用いたランプを使用することができる。但し、赤外線を放射するものであれば、これ以外のものでも使用可能である。
また、上記各装置における位置制御機構は、種々の構成にすることができるが、例えば、昇降部材の上下方向の移動をガイドするガイド部材と、昇降部材の重量に抗して、当該昇降部材を支持するバネとを備え、このバネの張力と昇降部材の重量とのバランスにより、昇降部材は上下方向の任意の位置に保持可能となるように構成することができる。
このとき、昇降部材の移動に伴ってバネ長が変化している間、バネの張力の変化が小さくなるようにすることが好ましい。このようにするには、例えば、バネ長の長いバネを使用し、バネ長に対するバネの伸びの割合が小さくなるようにすればよい。こうすることで、昇降部材の上下動の間、バネの張力を略一定、或いは非常に小さくすることができ、昇降部材がいずれの位置であっても、バネの張力とのバランスが取られて静止させることができる。
本発明に係る加熱調理装置によれば、加熱調理中であっても容易に食材に手を加えることができる。
以下、本発明に係る加熱調理装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る加熱調理装置の斜視図である。
図1に示すように、この加熱調理装置1は、食材を配置する矩形状の基台3を備え、この基台3の後側の一辺から正面視矩形状の支持部材5が上方に向けて延びている。そして、支持部材5には、基台3の上面を覆う矩形状の昇降部材7が取り付けられている。この昇降部材7は、後端部が支持部材5に支持された状態で、後述する位置制御機構により支持部材5に沿って上下動可能となっている。この構成により、基台3と昇降部材7との間の空間、つまり調理が行われる調理空間Sは、その前面及び両側面が外部に開放しており、全体として断面コ字状に形成されている。
基台3の上面には、矩形状の凹部9が形成されている。この凹部9には、後述する図5に示すように、食材を載せる網棚11を配置することができるとともに、例えば焼き肉、焼き鳥等を行う場合には、肉汁を受ける受け皿の役割を果たす。
図2は昇降部材の底面図であり、図3は昇降部材の側面図である。図2に示すように、昇降部材7の下面には、左右方向に延びる凹部13が形成されており、この凹部13に3本のカーボンヒータランプ(放射部)15が平行に取り付けられている。また、凹部13の底面は、取り外し可能となっている。より詳細には、凹部13の底面を構成する板材17は、凹部13の側端面13aからさらに延びており、昇降部材7の側面から突出している。したがって、この突出部分17aを掴んで引っ張れば、板材17を昇降部材7から取り出すことができるため、飛び散った油などを容易に清掃することができる。
カーボンヒータランプ15は、種々のものを用いることができる。例えば、鉱物性のフィラメントを用いたものや、植物性炭素繊維からなるフィラメントを用いたものなど、種々のものを用いることができる。但し、植物性炭素繊維からなるフィラメントを有するランプを用いた場合には、水の赤外線吸収域(2.7μm〜3.4μm)の一部のピークにおいて、大きい放射量を得ることが出るため、後述するように、食材を内部から効率よく加熱することができる。このようなランプとしては、例えば、株式会社イーテック製「オルガヘキサ」(登録商標)をフィラメントにしたランプを用いることができる。
図1に示すように、昇降部材7上面の前側には、上下動の際に手で把持するための把持部19が設けられるとともに、温度調節、タイマー等のスイッチ21が設けられている。なお、調理空間Sを向く基台3の上面、支持部材5の前面は、熱が反射しやすく清掃をしやすい材料、例えばステンレスで構成されている。また、調理空間Sを向く昇降部材7の下面はステンレス、アルミメッキ鋼板などで構成することができ、カーボンヒータランプが配置される凹部13の壁面はアルミ、ステンレス、アルミメッキ鋼板などで構成することができる。
続いて、昇降部材7を上下方向の任意の位置に保持するための位置制御機構について説明する。図4は支持部材の横断面図、図5は図4のA−A線矢視断面図である。図4に示すように、昇降部材7の後端部は、支持部材5の前面に当接しており、昇降部材7は水平に支持された状態で、支持部材5に沿って上下動する。昇降部材7の両側には、ブラケット23a,23bが取り付けられており、各ブラケット23は昇降部材7の後部両側から支持部材5の両側に沿って延びている。さらに、ブラケット23の端部は、支持部材5の背面に回り込み、支持部材5の内部にまで延びている。支持部材内部の両側には、上下方向に延びる断面コ字状のガイド部材25が形成されており、このガイド部材25にブラケット23の端部が上下動可能に係合している。これにより、昇降部材7は、上下方向に安定して移動することが可能となる。
図4及び図5に示すように、支持部材5内の上部には、水平方向に並ぶ4つのプーリー27,29が設けられている。両端に配置された一対の第1プーリー27a,27bは、ブラケット23に近接した位置にあり、中央の一対の第2プーリー29a,29bは支持部材5の左右方向の中央で所定間隔をおいて配置されている。また、各第2プーリー29の下方には、第3プーリー31が配置されている。
両ブラケット23a,23bの下端部は一本のワイヤー33で結ばれており、このワイヤー33により第3プーリー31を動滑車の原理により昇降させている。より詳細に説明すると、例えば左側のブラケット23aの下端部に取り付けられたワイヤー33は、上方に延び、第1プーリー27aを介して水平に延びた後、第2プーリー29bを介して下方に延びている。そして、第3プーリー31に巻回して上方に延び、右側の第2プーリー29b,第1プーリー27bを介して他方のブラケット23bに取り付けられている。これにより、例えば昇降部材7がブラケット23ともに下降すると、第3プーリー31は動滑車の原理により上昇する。
図5に示すように、第3プーリー31にはバネ35が取り付けられている。このバネ35は、一端部が第3プーリー31に固定されるとともに、他端部が支持部材5の上部に固定されている。より詳細には、第3プーリー31から下方に延びたバネ35は、支持部材5の下端部に設けられたプーリー37を介して図5の右側へ水平に延び、さらにもう一つのプーリー38を介して、第3プーリー35の背面を右上に斜め方向に通った後、支持部材5の上部に固定されている。この構成により、昇降部材7は、バネ35の張力によって支持されている。すなわち、図5の状態において、昇降部材7の重量とバネの張力とは平衡状態にあり、これによって昇降部材7は静止している。この状態から昇降部材7を下方に押しやると、ワイヤー33によって第3プーリー31が上方に移動され、これに伴ってバネ35が引っ張られる。ここで、本実施形態では、比較的長いバネ35を用いているため、昇降部材7が上下動してもバネ長は、それほど変化しないようになっている。したがって、昇降部材7がいずれの位置にあっても、ほぼ同様のバネ張力で昇降部材7を支持することができ、これによって、昇降部材7はいずれの位置にあっても、バネ35とのバランスが取られて静止する。
次に、上記のように構成された加熱調理装置の使用方法について説明する。まず、基台3の上面に調理対象となる食材を配置する。このとき、図6に示すように、必要に応じて、基台3の凹部9に網棚39を配置する。続いて、食材の大きさ、必要な熱加減に応じて、昇降部材7の高さを調節する。すなわち、把持部19を把持した状態で昇降部材7を上下動させ、所望の高さにセットする。上述したように昇降部材7はバネ35とのバランスが取られているので、所望の位置で把持部19から手を離せば、昇降部材7は静止する。これに続いて、昇降部材7のスイッチ12をオンすると、カーボンヒータランプ15から遠赤外線が放射される。遠赤外線が食材に吸収されると、食材内の水分子が振動を起こして発熱する。そのため、食材を内部から十分に加熱することができる。
以上のように、本実施形態の加熱調理装置によれば、食材を載せる基台3の一端部に支持部材5を設けるとともに、支持部材5には、基台3の上方を覆うカーボンヒータランプ15付きの昇降部材7を上下動可能に取り付けている。したがって、この加熱調理装置は、前面及び両側面が開放した断面コ字状に形成されている。そのため、従来の加熱調理装置のように食材が筐体内に密封されていないため、調理中に食材に手を加えることができる。例えば、焼き肉や焼き鳥を調理する場合には、加熱調理中に肉をひっくり返したり、移動させたりすることが可能になる。さらに、図7に示すように、焼き鳥などの長い串Rを用いる場合であっても、両側が開放しているため、串が装置の両側からはみ出た状態にして調理することもできる。したがって、食材が調理空間Sに収まる大きさであれば、串や皿など器具の大きさにかかわらず、調理することができる。
ここで、この加熱調理装置1は、前面及び両側面が開放しているため、熱が逃げやすいという問題がある。これに対して、この装置では、昇降部材7を上下動させるようにしている。これにより、大きい熱量が必要な場合には、昇降部材7を下降させだけで、カーボンヒータランプ15が食材に近接するため、加熱調理を効率よく行うことができる。しかも、この装置では、昇降部材7の上下の位置にかかわらず、前面及び両側が開放しているため、昇降部材7がいずれの位置にあっても、食材に手を加えつつ効果的に調理を行うことができる。
また、この装置は、上方から赤外線を照射して食材の加熱を行っているため、食材からしみ出した肉汁はすべて下方に滴り降ち、基台3の凹部9で受け止められる。そのため、従来の下方からの炭火による加熱調理のように、肉汁が食材の下方の炭に降りかかって煙が発生するということが起らない構造となっている。しかも、この装置では、食材の下方には、凹部9しかないため、清掃が容易になるという利点もある。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上述した位置制御機構は、バネ、プーリーなどを用いた簡単な機構であるため、低コストで昇降部材7の位置決めをすることができるが、これ以外の機構を用いて昇降部材7の位置を制御することができるのは勿論である。例えば、ラックアンドピニオン及びモータを用いて電動で昇降部材7を上下動させることもできるが、昇降部材7を上下方向の任意の位置で静止させることができれば、その機構は特には限定されない。
また、上記装置では、カーボンヒーターランプを用いているが、赤外線を放射する熱源であれば、特には限定されず、例えばハロゲンランプを用いることもできる。
上記実施形態では、基台、支持部材、及び昇降部材が、矩形状に形成されているが、これ以外の形状にすることもできる。また、支持部材は、板状に形成されているが、複数の支柱で構成して、昇降部材を支持するようにしてもよい。但し、少なくとも調理空間の一部を外部に開放し、調理中に手を加えるのに際し、その邪魔にならないように支持部材を配置する必要がある。
本発明の一実施形態に係る加熱調理装置の斜視図である。 昇降部材の底面図である。 昇降部材の側面図である。 支持部材の横断面図である。 図4のA−A線矢視断面図である。 図1の加熱調理装置の使用方法の一例を示す斜視図である。 図1の加熱調理装置の使用方法の他の例を示す斜視図である。
符号の説明
1 加熱調理装置
3 基台
5 支持部材
7 昇降部材
15 カーボンヒータランプ
35 バネ

Claims (4)

  1. 食材が配置される基台と、
    前記基台に立設される支持部材と、
    前記基台の上方を覆い、前記支持部材に上下動可能に支持される昇降部材と、
    前記昇降部材に取り付けられ、赤外線を前記基台側に放射する放射部と、
    前記昇降部材を上下方向の任意の位置に保持する位置制御機構とを備え、
    前記基台と昇降部材との間の調理空間は、外部に開放されている、加熱調理装置。
  2. 食材が配置される矩形状の基台と、
    前記基台の一辺に立設される矩形状の支持部材と、
    前記基台の上方を覆い、前記支持部材に上下動可能に支持される矩形状の昇降部材と、
    前記昇降部材に取り付けられ、赤外線を前記基台側に放射する放射部と、
    前記昇降部材を上下方向の任意の位置に保持する位置制御機構とを備え、
    前記基台と昇降部材との間の調理空間は、前記支持部材と対向する他辺側及びその両側において外部に開放されている、加熱調理装置。
  3. 前記放射部は、カーボンヒーターランプで構成されている、請求項1又は2に記載の加熱調理装置。
  4. 前記位置制御機構は、
    前記昇降部材の上下方向の移動をガイドするガイド部材と、
    前記昇降部材の重量に抗して、当該昇降部材を支持するバネとを備え、
    前記バネの張力と前記昇降部材の重量とのバランスにより、前記昇降部材は上下方向の任意の位置に保持可能となっている、請求項1から3のいずれかに記載の加熱調理装置。
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